JP7270831B2 - 衛星コンステレーション、地上設備および飛翔体追跡システム - Google Patents
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Description
飛翔体の発射探知は、静止軌道または高高度楕円軌道から、飛翔体の発射時の高温噴霧(プルーム)を赤外検知することによって実現されている。
この飛翔体は、大気圏上限付近を滑空しながら飛翔する。また、この飛翔体は、大気圏侵入時に推進装置を動作させることによって飛翔方向を変更することが可能である。
このような飛翔体に対しては、発射探知の必要性のみならず、噴射終了後の滑空段階で追跡を行って着地位置を予測する必要性が高まっている。
但し、プルームのように広域に拡散する高温大気とは異なり、大気圏侵入時に温度上昇する部位が飛翔体本体に限定される、という懸念がある。また、上昇温度もプルームほど高温にならない、という懸念がある。そのため、静止軌道または高高度楕円軌道からの検知が困難になる、という課題がある。
低軌道からの監視では、静止軌道からの監視と比較して、人工衛星から飛翔体までの距離が近距離となる。そのため、赤外線による検知性能を高めることが可能となる。但し、低軌道からの監視では、常時監視を継続するために多数の衛星が必要となる。米国では、数百機から千機を超える規模の衛星群によるシステム実現が検討されている。しかし、多数機を保有する大規模システムには、コスト規模が大きくなるという課題がある。
しかしながら、赤道上空の衛星群からのリム観測には、飛翔体の位置決定の精度が悪いという課題がある。
特許文献1に開示された監視衛星は、赤道上空を飛翔する。
前記複数の人工衛星のそれぞれは、傾斜円軌道を1日に複数周回する。
前記複数の人工衛星に対応する複数の軌道面は、互いの法線がアジマス方向において均等な角度ずつずらされる。
前記複数の軌道面は、6つの軌道面から成る1つ以上の軌道面組を構成する。
各軌道面組の6つの軌道面で6機の人工衛星が周回するタイミングが同期される。
衛星コンステレーション100について、図1から図11に基づいて説明する。
図1から図3に基づいて、衛星コンステレーション100と衛星コンステレーション100Aとのそれぞれの構成を説明する。衛星コンステレーション100Aは、衛星コンステレーション100の一例である。
星印は人工衛星を表している。黒の星印は奇数番目の人工衛星を表している。白の星印は偶数番目の人工衛星を表している。
地球109を囲う各円は、各人工衛星が周回する軌道を表している。破線部分(図2および図3を参照)は、地球109の裏側の軌道を表している。
複数の人工衛星のそれぞれは、傾斜円軌道を1日に複数周回する。傾斜円軌道は、傾斜軌道であり且つ円軌道である。
複数の人工衛星は複数の軌道面を形成する。複数の軌道面は、互いの法線がアジマス方向において均等な角度ずつずらされる。アジマス方向は、人工衛星の進行方向に相当する方向である。
複数の人工衛星は、6機の人工衛星から成る1つ以上の人工衛星組を構成する。
複数の軌道面は、6つの軌道面から成る1つ以上の軌道面組を構成する。
軌道面組毎に、6つの軌道面で6機の人工衛星が周回するタイミングが同期される。
各人工衛星(111~116)は、傾斜円軌道を1日に複数周回する。
6機の人工衛星は6つの軌道面を形成する。6つの軌道面は、互いの法線がアジマス方向において60度ずつずらされる。
6機の人工衛星は、1つの人工衛星組を構成する。
6つの軌道面は、1つの軌道面組を構成する。
図3において、人工衛星112は2番目の軌道面で周回する人工衛星であり、人工衛星114は4番目の軌道面で周回する人工衛星であり、人工衛星116は6番目の軌道面で周回する人工衛星である。
実線の波形は、奇数番の人工衛星の軌道を表している。破線の波形は、偶数番の人工衛星の軌道を表している。
縦方向は、緯度を表している。横方向は、経度を表している。
各軌道の上端は軌道の最北端に相当し、各軌道の下端は軌道の最南端に相当する。
各軌道の最北端に相当する箇所の上には、各軌道の番号が付されている。
m番が記された丸は、m番の人工衛星を表している。「m」は1以上の整数である。
m番の人工衛星を人工衛星(m)と称する。人工衛星(m)の軌道を軌道(m)と称する。
タイミング(1)は、以下のタイミング(3)(5)と同期される。
タイミング(3)は、人工衛星(3)が軌道面(3)の最北端から面内位相がプラス120度ずれた地点を通過するタイミングである。
タイミング(5)は、人工衛星(5)が軌道面(5)の最北端から面内位相がプラス240度ずれた地点を通過するタイミングである。
面内位相は、軌道面内の位相を意味する。
面内位相におけるプラスの方向は、人工衛星の進行方向と反対の方向である。つまり、面内位相におけるマイナスの方向は、人工衛星の進行方向と同じ方向である。
タイミング(4)は、人工衛星(4)が軌道面(4)の最南端を通過するタイミングである。
タイミング(6)は、人工衛星(6)が軌道面(6)の最南端から面内位相がプラス120度ずれた地点を通過するタイミングである。
タイミング(2)は、人工衛星(2)が軌道面(2)の最南端から面内位相がプラス240度ずれた地点を通過するタイミングである。
以下に、6機の人工衛星が特定時間のインターバルで順番にそれぞれの軌道面の最北端を通過する動作を説明する。
各人工衛星は、例えば、軌道面の最北端を通過する時間帯において日本上空を飛翔する物体(飛翔体)を監視する。飛翔体は監視対象の一例である。日本は監視される領域(監視領域)の一例である。地球109の自転に伴って、各人工衛星が日本上空で軌道面の最北端を通過する。
まず、人工衛星(1)が日本上空で軌道(1)の最北端を通過する。
約4時間後、人工衛星(2)が日本上空で軌道(2)の最北端を通過する。
約8時間後、人工衛星(3)が日本上空で軌道(3)の最北端を通過する。
約12時間後、人工衛星(4)が日本上空で軌道(4)の最北端を通過する。
約16時間後、人工衛星(5)が日本上空で軌道(5)の最北端を通過する。
約20時間後、人工衛星(6)が日本上空で軌道(6)の最北端を通過する。
約24時間後、人工衛星(1)が、再び日本上空で軌道(1)の最北端を通過する。
なお、各人工衛星は、約24時間後に軌道の最北端を通過するまでに何周回もする。
各人工衛星が軌道の最北端を通過する2時間前から軌道の最北端を通過した2時間後までの4時間連続して監視領域を監視することが可能であれば、監視領域を常時監視することが可能となる。
可視観測の場合、各人工衛星が24時間で軌道の最北端を通過できるように、1日に整数周回という制約がある。そのため、太陽と各人工衛星との幾何学関係を規定することが合理的である。
しかし、赤外観測の場合、1日に整数周回という制約はない。つまり、1日の周回数が整数倍である必要がない。
衛星コンステレーション100を構成する人工衛星の数は、衛星高度と軌道傾斜角と監視性能に応じて選択すればよい。例えば、監視性能は赤外線検知の性能である。
12機の人工衛星のそれぞれは、傾斜円軌道を1日に複数周回する。
12機の人工衛星は12個の軌道面を形成する。12個の軌道面は、互いの法線がアジマス方向において30度ずつずらされる。
12機の人工衛星は、2つの人工衛星組を構成する。人工衛星(1)~(6)が第1の人工衛星組を構成し、人工衛星(7)~(12)が第2の人工衛星組を構成する。
12個の軌道面は、2つの軌道面組を構成する。軌道面(1)~(6)が第1の軌道面組を構成し、軌道面(7)~(12)が第2の軌道面組を構成する。
衛星コンステレーション100Bは、衛星コンステレーション100の一例であり、12機の人工衛星を備える。
ここで、「n」は0以上1以下の整数を意味し、「x」は1以上6以下の整数を意味する。
人工衛星(6n+x)は、第(n+1)の人工衛星組におけるx番目の人工衛星を意味する。
軌道面(6n+x)は、第(n+1)の軌道面組におけるx番目の軌道面を意味する。
「T」は各人工衛星の周回周期を意味し、「T/2」は各人工衛星の周回周期の半分の時間を意味する。周回周期は、各人工衛星が傾斜円軌道を1周するために要する時間である。
タイミング(1)は、以下のタイミング(3)(5)と同期される。
タイミング(3)は、人工衛星(6n+3)が軌道面(6n+3)の最北端から面内位相がプラス120度ずれた地点を通過するタイミングである。
タイミング(5)は、人工衛星(6n+5)が軌道面(6n+5)の最北端から面内位相がプラス240度ずれた地点を通過するタイミングである。
タイミング(4)は、以下のタイミング(6)(2)と同期される。
タイミング(6)は、人工衛星(6n+6)が、軌道面(6n+6)において人工衛星(6n+4)の面内位相に対応する地点から面内位相がプラス120度ずれた地点を通過するタイミングである。
タイミング(2)は、人工衛星(6n+2)が、軌道面(6n+2)において人工衛星(6n+4)の面内位相に対応する地点から面内位相がプラス240度ずれた地点を通過するタイミングである。
また、人工衛星(6n+4)は、人工衛星(6n+1)が軌道面(6n+1)の最北端を通過してからT/2が経過するタイミングで、軌道面(6n+4)の最北端を通過する。
18機の人工衛星のそれぞれは、傾斜円軌道を1日に複数周回する。
18機の人工衛星は18個の軌道面を形成する。18個の軌道面は、互いの法線がアジマス方向において20度ずつずらされる。
18機の人工衛星は、3つの人工衛星組を構成する。人工衛星(1)~(6)が第1の人工衛星組を構成し、人工衛星(7)~(12)が第2の人工衛星組を構成し、人工衛星(13)~(18)が第3の人工衛星組を構成する。
18個の軌道面は、3つの軌道面組を構成する。軌道面(1)~(6)が第1の軌道面組を構成し、軌道面(7)~(12)が第2の軌道面組を構成し、軌道面(13)~(18)が第3の軌道面組を構成する。
衛星コンステレーション100Cは、衛星コンステレーション100の一例であり、18機の人工衛星を備える。
ここで、「n」は0以上2以下の整数を意味し、「x」は1以上6以下の整数を意味する。
人工衛星(6n+x)は、第(n+1)の人工衛星組におけるx番目の人工衛星を意味する。
軌道面(6n+x)は、第(n+1)の軌道面組におけるx番目の軌道面を意味する。
タイミング(1)は、以下のタイミング(3)(5)と同期される。
タイミング(3)は、人工衛星(6n+3)が軌道面(6n+3)の最北端から面内位相がプラス120度ずれた地点を通過するタイミングである。
タイミング(5)は、人工衛星(6n+5)が軌道面(6n+5)の最北端から面内位相がプラス240度ずれた地点を通過するタイミングである。
タイミング(1)は、以下のタイミング(4)(6)(2)とも同期される。
タイミング(4)は、人工衛星(6n+4)が軌道面(6n+4)の最南端を通過するタイミングである。
タイミング(6)は、人工衛星(6n+6)が軌道面(6n+6)の最南端から面内位相がプラス120度ずれた地点を通過するタイミングである。
タイミング(2)は、人工衛星(6n+2)が軌道面(6n+2)の最南端から面内位相がプラス240度ずれた地点を通過するタイミングである。
各人工衛星の面内位相がマイナスの方向にずらされる場合の衛星配置は、各人工衛星の面内位相がプラスの方向にずらされる場合の衛星配置と異なる。
衛星コンステレーション100Dは、衛星コンステレーション100の一例であり、6機の人工衛星を備える。
人工衛星(1)が軌道面(1)の最北端を通過するタイミングをタイミング(1)と称する。
タイミング(1)は、以下のタイミング(3)(5)と同期される。
タイミング(3)は、人工衛星(3)が軌道面(3)の最北端から面内位相がマイナス120度ずれた地点を通過するタイミングである。
タイミング(5)は、人工衛星(5)が軌道面(5)の最北端から面内位相がマイナス240度ずれた地点を通過するタイミングである。
タイミング(1)は、以下のタイミング(4)(6)(2)とも同期される。
タイミング(4)は、人工衛星(4)が軌道面(4)の最南端を通過するタイミングである。
タイミング(6)は、人工衛星(6)が軌道面(6)の最南端から面内位相がマイナス120度ずれた地点を通過するタイミングである。
タイミング(2)は、人工衛星(2)が軌道面(2)の最南端から面内位相がマイナス240度ずれた地点を通過するタイミングである。
衛星コンステレーション100Dは、衛星コンステレーション100の一例であり、12機の人工衛星を備える。
ここで、「n」は0以上1以下の整数を意味する。また、「T/2」は各人工衛星の周回周期の半分の時間を意味する。
タイミング(1)は、以下のタイミング(3)(5)と同期される。
タイミング(3)は、人工衛星(6n+3)が軌道面(6n+3)の最北端から面内位相がマイナス120度ずれた地点を通過するタイミングである。
タイミング(5)は、人工衛星(6n+5)が軌道面(6n+5)の最北端から面内位相がマイナス240度ずれた地点を通過するタイミングである。
タイミング(4)は、以下のタイミング(6)(2)と同期される。
タイミング(6)は、人工衛星(6n+6)が、軌道面(6n+6)において人工衛星(6n+4)の面内位相に対応する地点から面内位相がマイナス120度ずれた地点を通過するタイミングである。
タイミング(2)は、人工衛星(6n+2)が、軌道面(6n+2)において人工衛星(6n+4)の面内位相に対応する地点から面内位相がマイナス240度ずれた地点を通過するタイミングである。
また、人工衛星(6n+4)は、人工衛星(6n+1)が軌道面(6n+1)の最北端を通過してからT/2が経過するタイミングで、軌道面(6n+4)の最北端を通過する。
衛星コンステレーション100Fは、衛星コンステレーション100の一例であり、18機の人工衛星を備える。
ここで、「n」は0以上2以下の整数を意味する。
タイミング(1)は、以下のタイミング(3)(5)と同期される。
タイミング(3)は、人工衛星(6n+3)が軌道面(6n+3)の最北端から面内位相がマイナス120度ずれた地点を通過するタイミングである。
タイミング(5)は、人工衛星(6n+5)が軌道面(6n+5)の最北端から面内位相がマイナス240度ずれた地点を通過するタイミングである。
タイミング(1)は、以下のタイミング(4)(6)(2)とも同期される。
タイミング(4)は、人工衛星(6n+4)が軌道面(6n+4)の最南端を通過するタイミングである。
タイミング(6)は、人工衛星(6n+6)が軌道面(6n+6)の最南端から面内位相がマイナス120度ずれた地点を通過するタイミングである。
タイミング(2)は、人工衛星(6n+2)が軌道面(6n+2)の最南端から面内位相がマイナス240度ずれた地点を通過するタイミングである。
実施の形態1において、複数の軌道面が等間隔でアジマス方向に並べられる。南北方向に人工衛星が分散するよう、奇数番目の軌道面は相対的にエレベーション方向に120度ずらされる。さらに、偶数番目の各人工衛星が、奇数番目の人工衛星の間を補完するタイミングで同期される。
複数の人工衛星を南北方向に分散させる手段には、プラス120度ずらす方法とマイナス120度ずらす方法が存在する。複数の人工衛星によって監視領域を監視する際、監視領域の時間変化の状況は各人工衛星の飛翔方向と地球の自転効果に応じて異なる。そのため、軌道高度と軌道傾斜角に応じて、常時監視に適した手段を採用することが可能である。
複数の人工衛星のそれぞれは、傾斜円軌道を1日に複数周回する。
複数の人工衛星によって複数の軌道面が形成される。複数の軌道面は、互いの法線がアジマス方向において均等な角度ずつずらされる。
例えば、北半球の監視領域を常時監視する上で合理的な衛星配置が決定され、複数の人工衛星を同期制御して衛星コンステレーション100が運用される。
可視光学センサによる監視では、監視対象に対する太陽光入射条件が観測性能に関わる。そのため、太陽同期軌道が常用される。しかし、物体温度を検知する赤外線検知は、太陽と監視対象の相対関係が制約条件とならない。そのため、赤外線検知による監視では、監視対象を常時監視するために適した軌道高度および軌道傾斜角を自由に選ぶことができる。
軌道高度が3000キロメートル程度である場合、10機以下の人工衛星で北半球の監視領域を常時監視することが可能である。しかし、赤外線検知の性能を向上させるためには、軌道高度を1000キロメートル程度まで下げる必要がある。その場合、地球形状効果による視野範囲の限界により、10機以上の人工衛星が必要となる。
軌道傾斜角が小さいほど、つまり、赤道に対する軌道の傾きが小さいほど、常時監視のために必要な衛星数を低減できる。しかし、高緯度の領域が監視できなくなる。そのため、衛星軌道の高度と監視領域の緯度との兼ね合いを考慮する必要がある。軌道傾斜角が150度程度から120度程度の範囲内の角度で設定されれば、各人工衛星がプラス30度からプラス60度の緯度範囲またはマイナス30度からマイナス60度の緯度範囲で飛翔する。そして、その条件において、常時監視が可能な最小の衛星数が見出される。
少ない衛星数での常時監視を実現するには、各人工衛星が軌道面の最北端を同じインターバルで通過するように、各人工衛星を同期制御することが合理的である。また、軌道面数が少ない場合には、南北方向にも人工衛星を分散させることが合理的である。
実施の形態1により、監視領域を常時監視するための衛星コンステレーションを低コストで実現することが可能となる。例えば、滑空段階の飛翔体を検知することを目的として各人工衛星が低軌道を周回する衛星コンステレーションが実現される。
傾斜軌道を採用することにより、脅威となる飛翔体をリム観測で監視するのではなく、飛翔体を上空から監視することができる。その結果、位置決定精度が高まる。
監視システム200について、主に実施の形態1と異なる点を図12から図16に基づいて説明する。
衛星コンステレーション201は、衛星コンステレーション100(実施の形態1を参照)に相当する。
図12に基づいて、監視システム200の構成を説明する。
監視システム200は、衛星コンステレーション201を備える。
衛星コンステレーション201は、機数が6の倍数である複数の人工衛星210を備える。
地上設備220は、通信装置221と衛星管制装置222とを備え、各人工衛星210と通信することによって衛星コンステレーション201を制御する。具体的には、地上設備220は、衛星コンステレーション201を構成する複数の人工衛星210を同期させるための制御を行う。
衛星管制装置222は、各人工衛星210を制御するための各種コマンドを生成するコンピュータであり、処理回路および入出力インタフェースなどのハードウェアを備える。処理回路は各種コマンドを生成する。入出力インタフェースには入力装置および出力装置が接続される。衛星管制装置222は、入出力インタフェースを介して、通信装置221に接続される。
通信装置221は、各人工衛星210と通信を行う。具体的には、通信装置221は、各種コマンドを各人工衛星210へ送信する。また、通信装置221は、各人工衛星210から送信される監視データを受信する。
人工衛星210は、監視装置211と監視制御装置212と通信装置213と推進装置214と姿勢制御装置215と電源装置216とを備える。
監視装置211は、監視を行うための装置であり、監視データを生成する。監視データは、監視対象が映った画像に相当するデータである。具体的には、監視装置211は、赤外線検知装置である。但し、監視装置111は、可視光学センサまたは合成開口レーダ(SAR)などであってもよい。
監視制御装置212は、監視装置211と推進装置214と姿勢制御装置215とを制御するコンピュータであり、処理回路を備える。具体的には、監視制御装置212は、地上設備220から送信される各種コマンドにしたがって、監視装置211と推進装置214と姿勢制御装置215とを制御する。
通信装置213は、地上設備220と通信する装置である。具体的には、通信装置213は、監視データを地上設備220へ送信する。また、通信装置213は、地上設備220から送信される各種コマンドを受信する。
推進装置214は、人工衛星210に推進力を与える装置であり、人工衛星210の速度を変化させる。具体的には、推進装置214は電気推進機である。例えば、推進装置214は、イオンエンジンまたはホールスラスタである。
姿勢制御装置215は、人工衛星210の姿勢と人工衛星210の角速度と監視装置211の視線方向といった姿勢要素を制御するための装置である。姿勢制御装置215は、各姿勢要素を所望の方向に変化させる。もしくは、姿勢制御装置215は、各姿勢要素を所望の方向に維持する。姿勢制御装置215は、姿勢センサとアクチュエータとコントローラとを備える。姿勢センサは、ジャイロスコープ、地球センサ、太陽センサ、スター・トラッカ、スラスタおよび磁気センサなどである。アクチュエータは、姿勢制御スラスタ、モーメンタムホイール、リアクションホイールおよびコントロール・モーメント・ジャイロ等である。コントローラは、姿勢センサの計測データまたは地上設備220からの各種コマンドにしたがって、アクチュエータを制御する。
処理回路は、専用のハードウェアであってもよいし、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサであってもよい。
処理回路において、一部の機能が専用のハードウェアで実現されて、残りの機能がソフトウェアまたはファームウェアで実現されてもよい。つまり、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらの組み合わせで実現することができる。
専用のハードウェアは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGAまたはこれらの組み合わせである。
ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略称である。
FPGAは、Field Programmable Gate Arrayの略称である。
人工衛星210は、監視方向を監視対象へ向けるためのポインティング機能を有する。
例えば、人工衛星210は、リアクションホイールを備える。リアクションホイールは、人工衛星210の姿勢を制御するための装置である。リアクションホイールが人工衛星210の姿勢を制御することによって、ボディポインティングが実現される。
例えば、人工衛星210は、ポインティング機構を備える。ポインティング機構は、監視装置211の視線方向を変えるための機構である。例えば、ポインティング機構として、駆動ミラーなどが利用される。
監視装置211は、アクイジションセンサ(Acquisition sensor)とトラッキングセンサ(tracking sensor)との両方または一方を備える。
アクイジションセンサは、地球表面を上空から監視する。アクイジションセンサが地球表面を上空から監視することにより、飛翔体の発射探知ができる。
トラッキングセンサは、宇宙を背景にして地球周縁部を監視する。トラッキングセンサが地球周縁部を宇宙背景で監視することにより、ポストブースト段階の飛翔体を監視できる。
アクイジションセンサとトラッキングセンサを併用することにより、発射探知と位置同定とのそれぞれの精度が高まる。
各人工衛星210の軌道面の法線を北極側から見た相対角度は、衛星高度と軌道傾斜角との相関で成立する。
1日当たりの衛星周回数を維持する高度条件において、適切な軌道傾斜角を微調整することにより、軌道面間の相対角度を維持したまま、衛星コンステレーション201の運用が可能となる。
衛星管制装置222は、各人工衛星210の高度を制御するためのコマンドを生成する。また、衛星管制装置222は、各人工衛星210の軌道傾斜角を制御するためのコマンドを生成する。そして、通信装置221は、これらコマンドを各人工衛星210へ送信する。
各人工衛星210において、監視制御装置212は、これらのコマンドにしたがって、衛星高度と軌道傾斜角とのそれぞれを調整する。具体的には、監視制御装置212は、これらのコマンドにしたがって、推進装置214を制御する。推進装置214が衛星速度を変えることにより、衛星高度と軌道傾斜角とを調整することができる。
人工衛星210の飛行速度が増速すると、人工衛星210の高度が上昇する。そして、人工衛星210の高度が上昇すると、人工衛星210の対地速度が減速する。
人工衛星210の飛行速度が減速すると、人工衛星210の高度が下降する。そして、人工衛星210の高度が下降すると、人工衛星210の対地速度が増速する。
人工衛星210が赤道上空を横切る地点(分点)において推進装置214が軌道面と直交する方向へ推力を発生させれば、効果的に軌道傾斜角を微調整することができる。
監視対象の位置および各人工衛星210の位置は、共通の座標系を利用して管理することができる。そして、共通の座標系を利用することにより、監視対象の位置に応じて各人工衛星210を制御することができる。
共通の座標系の具体例は、地球固定座標系である。地球固定座標系は、日本の準天頂測位衛星および米国のGPSが採用する座標系である。
GPSはGlobal Positioning Systemの略称である。
衛星管制装置222は、慣性空間における衛星姿勢条件を勘案して、監視対象を指向するために最適なポインティング条件を算出することができる。
衛星管制装置222は、各人工衛星210の最適なポインティング条件を示すコマンドを生成する。そして、通信装置221は、生成されたコマンドを各人工衛星210へ送信する。
監視制御装置212は、地上設備220からのコマンドにしたがって、人工衛星210のポインティング機能を制御する。
監視制御装置212は、姿勢制御装置215を制御してもよいし、監視装置211のポインティング機構を制御してもよい。
衛星コンステレーション201の実現性を検証するために、1機の人工衛星210が製造され、製造された1機の人工衛星210が軌道に投入される。そして、地上設備220は、1機の人工衛星210を制御する。
衛星コンステレーション201の実現性が検証された後、その他の人工衛星210が製造されて各々の軌道に投入される。
そして、複数の人工衛星210による衛星コンステレーション201が運用され、地上設備220が複数の人工衛星210を制御する。
実施の形態2により、監視領域を常時監視するために衛星コンステレーション201を構築して運用することができる。
飛翔体を監視する形態について、主に実施の形態1および実施の形態2と異なる点を図17および図18に基づいて説明する。
図17に基づいて、飛翔体追跡システム300の構成を説明する。
飛翔体追跡システム300は、衛星コンステレーション301と、地上設備220と、を備える。
複数の追従衛星310は、複数の人工衛星210を追従して飛翔する複数の人工衛星である。
つまり、人工衛星210と、人工衛星210に対する追従衛星310は、同じ軌道面を飛翔する。
但し、監視装置211は、地心方向を指向して監視を行う。
追従衛星310は、人工衛星210と同様に、監視装置311と、監視制御装置312と、通信装置313と、推進装置314と、姿勢制御装置315と、電源装置316と、を備える。
但し、監視装置311は、視野方向を変更する機能を有する。例えば、姿勢制御装置315または追従衛星310のポインティング機能が、監視装置311の視野方向を変更する。
複数の人工衛星210のそれぞれにおいて、監視装置211は、地心方向を指向して監視を行う。そして、少なくともいずれかの人工衛星210の監視装置211は、任意の時刻に任意の場所から発射される飛翔体を検知する。
飛翔体を検知した監視装置211を備える人工衛星210を「検知衛星」と称する。
検知衛星において、通信装置213は飛翔体の監視データを地上設備220に送信する。
地上設備220において、通信装置221は飛翔体の監視データを受信する。その後、衛星管制装置222は、監視データを解析して飛翔体の位置を示す位置情報を生成する。そして、通信装置221は、飛翔体の位置情報を検知衛星に対する追従衛星310に送信する。
追従衛星310において、通信装置313は飛翔体の位置情報を受信する。そして、監視装置311は、位置情報に示される位置に視野方向を向けて飛翔体を監視する。
人工衛星210は、広域監視装置(監視装置211)を具備する。
追従衛星310は、視野方向変更装置を備えた高分解能監視装置(監視装置311)を具備し、人工衛星210に対して同一軌道面の同一高度を追従して飛翔する。
任意の時刻に任意の場所から発射される飛翔体を探知するためには広域監視による網羅性が必要である。各人工衛星210が地心方向を指向する広域観測装置(監視装置211)を具備すれば、軌道高度に応じて適切は観測幅を確保することにより、中緯度帯の常時監視が実現可能となる。
しかしながら、一般的に広域監視を高分解能で実現することは技術面およびコスト面で難しい。そのため、発射を探知された飛翔体が噴射を終了した後、温度上昇した飛翔体本体の監視を継続する際に分解能が不足する、という課題がある。
そこで、追従衛星310が、視野方向変更装置を備えた高分解能監視装置を具備し、同一軌道面において人工衛星210を追従するように飛翔し、広域監視装置によって検知されたターゲットを高分解能で監視する。これにより、噴射終了後の飛翔体を高分解能で監視できる。
飛翔体を監視する形態について、主に実施の形態3と異なる点を説明する。
飛翔体追跡システム300の構成は、実施の形態3における構成(図17を参照)と同じである。
飛翔体追跡システム300の動作において、飛翔体の位置情報の伝達先が実施の形態3における伝達先と異なる。
地上設備220は、飛翔体の位置情報を検知衛星の軌道面に隣接する軌道面の人工衛星210に対する追従衛星310に送信する。
追従衛星310は、飛翔体の位置情報を受信し、位置情報に示される位置に監視装置311の視野方向を向けて飛翔体を監視する。
広域監視装置(監視装置211)によって検知されたターゲット(飛翔体)の位置情報が、地上設備220での解析によって得られる。
地上設備220は、高分解能監視装置(監視装置311)を具備し、検知衛星の軌道面と隣接する軌道面を飛翔する追従衛星310に、ターゲットの位置情報を伝達する。
実施の形態4により、飛翔体の位置情報を合理的に伝達することができる。
地上設備220を介在した処理は、人為的な判断が可能である。しかし、一連の処理に要する時間だけ遅れが発生する。時間遅れが大きい場合は、検知衛星の軌道面と同一の軌道面を飛翔する追従衛星310よりも、高分解能監視装置を具備し、隣接軌道面を飛翔する追従衛星310に情報を伝送するのが合理的である。
飛翔体を監視する形態について、主に実施の形態3および実施の形態4と異なる点を図19および図20に基づいて説明する。
飛翔体追跡システム300の構成は、実施の形態3における構成(図17を参照)と同じである。
但し、人工衛星210と追従衛星310とのそれぞれの構成が、実施の形態3における構成と異なる。
人工衛星210は、さらに、解析装置217および通信装置218を備える。
解析装置217は、監視制御装置212と同じく、処理回路を備えるコンピュータである。
通信装置218は、衛星間通信を行うための通信装置である。
追従衛星310は、さらに、通信装置318を備える。
通信装置318は、衛星間通信を行うための通信装置である。
飛翔体追跡システム300の動作において、飛翔体の位置情報(以下の高軌道座標値)の伝達元が実施の形態3における伝達元と異なる。
検知衛星の監視装置211が閾値を超える輝度(高輝度)を検知した場合、検知衛星の解析装置217は、検知時刻における検知衛星の座標値に基づいて高輝度を示した位置の座標値を算出する。算出される座標値を「高輝度座標値」と称する。
検知衛星に対する追従衛星310は、高輝度座標値を伝達され、監視装置311の視野方向を高輝度座標値で特定される位置に向けて監視を行う。
具体的には、検知衛星の通信装置218は、追従衛星310の通信装置318と通信することによって、高輝度座標値を追従衛星310に伝達する。
人工衛星210は、広域監視装置(監視装置211)を具備する。
追従衛星310は、人工衛星210の軌道面と同一の軌道面を同一高度で追従して飛翔し、高分解能監視衛星(監視装置311)を具備する。
広域監視装置が、あらかじめ決めた輝度を超えるデータを検知した場合に、そのデータが検知された時刻における人工衛星210の位置座標に基づき、取得画像情報の解析によって高輝度が検知された位置座標が算出される。その位置座標は、後続の追従衛星310に伝達される。
人工衛星210の位置座標は、例えば、人工衛星210がGPS受信機を具備することで取得できる。GPSは、Global Positioning Systemの略称である。
取得画像情報の中で高輝度に対応する位置座標は、画像情報の中心の位置座標が人工衛星210の直下の地表面座標と同じであると仮定して、画像に映った観測範囲の中の相対位置座標として解析できる。
実施の形態5により、情報伝送の遅延時間を短くすることができる。
地上設備220を介在した処理は、人為的な判断が可能である。しかし、一連の処理に要する時間だけ遅れが発生する。また、隣接軌道の追従衛星310に対して情報を伝送する場合、隣接軌道の追従衛星310に対する通信手段の確保が必要である。
検知衛星が同一軌道上で後続の追従衛星310に情報を伝送すれば、遅延時間が短くなる。
飛翔体を監視する形態について、主に実施の形態3から実施の形態5と異なる点を説明する。
飛翔体追跡システム300の構成は、実施の形態3における構成(図17を参照)と同じである。但し、複数の人工衛星210と複数の追従衛星310とに対する複数の通信衛星群が存在する。通信衛星群は、1機以上の通信衛星である。
複数の通信衛星群は、複数の人工衛星210と複数の追従衛星310が飛翔する複数の軌道面を飛翔する。
つまり、通信衛星群と、通信衛星群に対応する人工衛星210と、通信衛星群に対応する追従衛星310は、同じ軌道面を飛翔する。
複数の通信衛星群は、飛翔体追跡システム300の構成要素であってもよい。
追従衛星310の構成は、実施の形態5における構成(図20を参照)と同じである。
飛翔体追跡システム300の動作は、飛翔体の位置情報(高軌道座標値)が通信衛星を経由する点で、実施の形態5における動作と異なる。
検知衛星の通信装置218は、検知衛星の軌道面を飛翔する通信衛星に高輝度座標値を送信する。
通信衛星は、検知衛星に対する追従衛星310の通信装置318と通信することによって、高輝度座標値を追従衛星310に伝達する。
人工衛星210は、広域監視装置(監視装置211)を具備する。
追従衛星310は、高分解能監視装置(監視装置311)を具備する。
人工衛星210と追従衛星310は、それぞれ通信装置を具備し、同一軌道面の同一高度の前後の通信衛星を経由して通信する。
同一軌道面の同一高度を飛翔する(通信)衛星群が前後を飛翔する人工衛星と通信することにより、地球を1周する円環状の通信網を形成できる。この衛星群の任意の位置に広域監視装置を具備する人工衛星210と、高分解能監視装置を具備する追従衛星310が飛翔していれば、円環状通信網を経由して準リアルタイムに情報伝送が可能である。
円環状に閉じていなくても、複数衛星を介して準リアルタイムの情報伝送ができることは言うまでもない。
飛翔体を監視する形態について、主に実施の形態5と異なる点を説明する。
飛翔体追跡システム300の構成は、実施の形態6における構成と同じである。
飛翔体追跡システム300の動作において、飛翔体の位置情報(高軌道座標値)が経由する通信衛星が実施の形態の6における通信衛星と異なる。
検知衛星の通信装置218は、検知衛星の軌道面と隣接する軌道面を飛翔する通信衛星に高輝度座標値を送信する。
通信衛星は、検知衛星に対する追従衛星310の通信装置318と通信することによって、高輝度座標値を追従衛星310に伝達する。
人工衛星210は、広域監視装置(監視装置211)を具備する。
追従衛星310は、高分解能監視装置(監視装置311)を具備する
人工衛星210と追従衛星310は、それぞれ通信装置を具備し、隣接軌道面の前後と左右の衛星間で通信する通信衛星を経由して通信する。
多数の軌道面に多数衛星が飛翔し、相互にメッシュ状の通信網を確立している場合、この衛星群の任意の位置に、広域監視装置を具備する人工衛星210と、高分解能監視装置を具備する追従衛星310が飛翔していれば、円環状通信網を経由して準リアルタイムに情報伝送が可能である。
飛翔体を監視する形態について、主に実施の形態3から実施の形態7と異なる点を説明する。
飛翔体追跡システム300の構成は、実施の形態3から実施の形態7のいずれかにおける構成と同じである。
但し、人工衛星210の監視装置211は、視野方向を変更する機能を有する。
また、地上設備220において、衛星管制装置222は、1つ以上の監視目標位置が登録されたデータベースを有する。但し、地上設備220の代わりに別のものがデータベースを有してもよい。
飛翔体追跡システム300の動作は、実施の形態3から実施の形態7のいずれかにおける動作と同じである。
但し、地上設備220は、データベースから選択される監視目標位置を人工衛星210に対して指定する。つまり、地上設備220において、衛星管制装置222はデータベースから監視目標位置を選択し、通信装置221は選択された監視目標位置を人工衛星210に送信する。
また、人工衛星210の監視装置211は、地表面の監視目標位置に視野方向を受けて監視を行う。
地心方向を指向する監視装置211は、視野変更装置を具備して地表面を指向する。
先見情報として発射領域の候補地の位置座標が、データベース化されて、監視目標位置座標として指定される。
但し、別途の先見情報により、TELまたは潜水艦の行動範囲および行動パターンを把握することは可能である。そのため、地政学的知見を含めて発射領域となる可能性が高い場所を代表点としてデータベースに登録することは可能である。
地心方向を指向する広域視野監視装置の代用として、視野変更装置を具備して地表面を指向する狭域視野監視装置(監視装置211)を使用することにより、広域視野範囲を網羅した上で、更に高分解能監視が可能になる。
飛翔体を監視する形態について、主に実施の形態3から実施の形態8と異なる点を説明する。
人工衛星210の構成を除き、飛翔体追跡システム300の構成は、実施の形態3から実施の形態8のいずれかにおける構成と同じである。
赤外監視装置は、赤外線を利用する監視装置である。
衛星コンステレーション100の動作は、実施の形態3から実施の形態8のいずれかにおける動作と同じである。
なお、赤外監視装置は、大気の窓を構成する波長以外の赤外波長を検知する。そして、赤外監視装置は地心方向を指向する。
0.2~1.2μm、1.6~1.8μm、2~2.5μm、3.4~4.2μm、4.4~5.5μm、及び8~14μmは、大気の窓を構成する。
飛翔体追跡システム300は、大気の窓以外の赤外波長を検知して地心方向を指向する赤外監視装置を具備する。
実施の形態9により、クラッタの影響を受けずに飛翔体を検知できる。
宇宙からの地球観測において、大気の窓と呼ばれる波長を検知する各種地球観測装置が知られている。観測対象の物理量が大気に吸収されずに宇宙から検知されるので、地球観測装置は有効活用されている。
一方、大気圏の上層部を滑空する飛翔体を宇宙から赤外監視する場合に大気の窓の波長を検知しようとすると、その波長がクラッタと呼ばれる地表面の赤外放射に埋もれて、飛翔体を識別できない。
赤外監視装置は、大気の窓以外の赤外波長を検知することにより、クラッタの影響を受けずに飛翔体を検知できる。
各実施の形態は、好ましい形態の例示であり、本開示の技術的範囲を制限することを意図するものではない。各実施の形態は、部分的に実施してもよいし、他の形態と組み合わせて実施してもよい。
Claims (17)
- 機数が6の倍数である複数の人工衛星を備え、
前記複数の人工衛星のそれぞれは、赤外線検知による監視を行う人工衛星であり、整数倍ではない周回数で傾斜円軌道を1日に複数周回し、
前記複数の人工衛星に対応する複数の軌道面は、互いの法線がアジマス方向において均等な角度ずつずらされ、
前記複数の軌道面は、6つの軌道面から成る1つ以上の軌道面組を構成し、
各軌道面組の6つの軌道面で6機の人工衛星が周回するタイミングが同期される
衛星コンステレーション。 - 前記複数の人工衛星の機数が、6機または18機であり、
各軌道面組の1番目の軌道面で周回する人工衛星が前記1番目の軌道面の最北端を通過するタイミングが、
各軌道面組の3番目の軌道面で周回する人工衛星が前記3番目の軌道面の最北端から面内位相がプラス120度ずれた地点を通過するタイミングと、
各軌道面組の5番目の軌道面で周回する人工衛星が前記5番目の軌道面の最北端から面内位相がプラス240度ずれた地点を通過するタイミングと、
各軌道面組の4番目の軌道面で周回する人工衛星が前記4番目の軌道面の最南端を通過するタイミングと、
各軌道面組の6番目の軌道面で周回する人工衛星が前記6番目の軌道面の最南端から面内位相がプラス120度ずれた地点を通過するタイミングと、
各軌道面組の2番目の軌道面で周回する人工衛星が前記2番目の軌道面の最南端から面内位相がプラス240度ずれた地点を通過するタイミングと、同期される
請求項1に記載の衛星コンステレーション。 - 前記複数の人工衛星の機数が、12機であり、
各軌道面組の1番目の軌道面で周回する人工衛星である1番目の人工衛星が前記1番目の軌道面の最北端を通過するタイミングが、
各軌道面組の3番目の軌道面で周回する人工衛星が前記3番目の軌道面の最北端から面内位相がプラス120度ずれた地点を通過するタイミングと、
各軌道面組の5番目の軌道面で周回する人工衛星が前記5番目の軌道面の最北端から面内位相がプラス240度ずれた地点を通過するタイミングと、同期され、
各軌道面組の4番目の軌道面で周回する人工衛星である4番目の人工衛星が前記4番目の軌道面において各面内位相の地点を通過するタイミングが、
各軌道面組の6番目の軌道面で周回する人工衛星が、前記6番目の軌道面において前記4番目の人工衛星の面内位相に対応する地点から面内位相がプラス120度ずれた地点を通過するタイミングと、
各軌道面組の2番目の軌道面で周回する人工衛星が、前記2番目の軌道面において前記4番目の人工衛星の面内位相に対応する地点から面内位相がプラス240度ずれた地点を通過するタイミングと、同期され、
各軌道面組において、前記4番目の人工衛星が、前記1番目の人工衛星が前記1番目の軌道面の最北端を通過してから周回周期の半分の時間が経過するタイミングで、前記4番目の軌道面の最北端を通過する
請求項1に記載の衛星コンステレーション。 - 前記複数の人工衛星の機数が、6機または18機であり、
各軌道面組の1番目の軌道面で周回する人工衛星が前記1番目の軌道面の最北端を通過するタイミングが、
各軌道面組の3番目の軌道面で周回する人工衛星が前記3番目の軌道面の最北端から面内位相がマイナス120度ずれた地点を通過するタイミングと、
各軌道面組の5番目の軌道面で周回する人工衛星が前記5番目の軌道面の最北端から面内位相がマイナス240度ずれた地点を通過するタイミングと、
各軌道面組の4番目の軌道面で周回する人工衛星が前記4番目の軌道面の最南端を通過するタイミングと、
各軌道面組の6番目の軌道面で周回する人工衛星が前記6番目の軌道面の最南端から面内位相がマイナス120度ずれた地点を通過するタイミングと、
各軌道面組の2番目の軌道面で周回する人工衛星が前記2番目の軌道面の最南端から面内位相がマイナス240度ずれた地点を通過するタイミングと、同期される
請求項1に記載の衛星コンステレーション。 - 前記複数の人工衛星の機数が、12機であり、
各軌道面組の1番目の軌道面で周回する人工衛星である1番目の人工衛星が前記1番目の軌道面の最北端を通過するタイミングが、
各軌道面組の3番目の軌道面で周回する人工衛星が前記3番目の軌道面の最北端から面内位相がマイナス120度ずれた地点を通過するタイミングと、
各軌道面組の5番目の軌道面で周回する人工衛星が前記5番目の軌道面の最北端から面内位相がマイナス240度ずれた地点を通過するタイミングと、同期され、
各軌道面組の4番目の軌道面で周回する人工衛星である4番目の人工衛星が前記4番目の軌道面において各面内位相の地点を通過するタイミングが、
各軌道面組の6番目の軌道面で周回する人工衛星が、前記6番目の軌道面において前記4番目の人工衛星の面内位相に対応する地点から面内位相がマイナス120度ずれた地点を通過するタイミングと、
各軌道面組の2番目の軌道面で周回する人工衛星が、前記2番目の軌道面において前記4番目の人工衛星の面内位相に対応する地点から面内位相がマイナス240度ずれた地点を通過するタイミングと、同期され、
各軌道面組において、前記4番目の人工衛星が、前記1番目の人工衛星が前記1番目の軌道面の最北端を通過してから周回周期の半分の時間が経過するタイミングで、前記4番目の軌道面の最北端を通過する
請求項1に記載の衛星コンステレーション。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の衛星コンステレーションを構成する複数の人工衛星を同期させるための制御を行う地上設備。
- 機数が6の倍数である複数の人工衛星と、
前記複数の人工衛星を追従して飛翔する複数の追従衛星と、を備え、
前記複数の人工衛星のそれぞれは、地心方向を指向する第1監視装置を備え、傾斜円軌道を1日に複数周回し、
前記複数の人工衛星に対応する複数の軌道面は、互いの法線がアジマス方向において均等な角度ずつずらされ、
前記複数の軌道面は、6つの軌道面から成る1つ以上の軌道面組を構成し、
各軌道面組の6つの軌道面で6機の人工衛星が周回するタイミングが同期され、
前記複数の追従衛星のそれぞれは、視野方向を変更する機能を有する第2監視装置を備える
衛星コンステレーション。 - 前記複数の人工衛星の中の人工衛星の前記第1監視装置が飛翔体を検知した場合、前記人工衛星に対する前記追従衛星は、前記飛翔体の位置情報を伝達され、前記第2監視装置の視野方向を前記飛翔体に向けて前記飛翔体を監視する
請求項7に記載の衛星コンステレーション。 - 前記人工衛星は、前記飛翔体の監視データを地上設備に送信し、
前記地上設備は、前記監視データを解析して前記飛翔体の位置情報を生成し、前記位置情報を前記追従衛星に送信し、
前記追従衛星は、前記位置情報を受信し、前記位置情報に示される位置に前記第2監視装置の視野方向を向けて前記飛翔体を監視する
請求項8に記載の衛星コンステレーション。 - 前記複数の人工衛星の中の人工衛星の前記第1監視装置が飛翔体を検知した場合、前記人工衛星は、前記飛翔体の監視データを地上設備に送信し、
前記地上設備は、前記監視データを解析して前記飛翔体の位置情報を生成し、前記位置情報を前記人工衛星の前記軌道面に隣接する軌道面の人工衛星に対する追従衛星に送信し、
前記追従衛星は、前記位置情報を受信し、前記位置情報に示される位置に前記第2監視装置の視野方向を向けて前記飛翔体を監視する
請求項7に記載の衛星コンステレーション。 - 前記複数の人工衛星のそれぞれは、解析装置を備え、
前記複数の人工衛星の中の人工衛星の前記第1監視装置が閾値を超える高輝度を検知した場合、前記人工衛星の前記解析装置は、検知時刻における前記人工衛星の座標値に基づいて前記高輝度を示した位置の座標値を高輝度座標値として算出し、前記人工衛星に対する前記追従衛星は、前記高輝度座標値を伝達され、前記第2監視装置の視野方向を前記高輝度座標値で特定される位置に向けて監視を行う
請求項7に記載の衛星コンステレーション。 - 前記複数の人工衛星のそれぞれと前記複数の追従衛星のそれぞれは、衛星間通信のための通信装置を備え、
前記人工衛星の前記通信装置は、前記追従衛星の前記通信装置と通信することによって、前記高輝度座標値を前記追従衛星に伝達する
請求項11に記載の衛星コンステレーション。 - 前記複数の人工衛星のそれぞれと前記複数の追従衛星のそれぞれは、衛星間通信のための通信装置を備え、
前記人工衛星の前記通信装置は、前記人工衛星の前記軌道面を飛翔する通信衛星に前記高輝度座標値を送信し、
前記通信衛星は、前記追従衛星の前記通信装置と通信することによって、前記高輝度座標値を前記追従衛星に伝達する
請求項11に記載の衛星コンステレーション。 - 前記複数の人工衛星のそれぞれと前記複数の追従衛星のそれぞれは、衛星間通信のための通信装置を備え、
前記人工衛星の前記通信装置は、前記人工衛星の前記軌道面と隣接する軌道面を飛翔する通信衛星に前記高輝度座標値を送信し、
前記通信衛星は、前記追従衛星の前記通信装置と通信することによって、前記高輝度座標値を前記追従衛星に伝達する
請求項11に記載の衛星コンステレーション。 - 請求項7から請求項14のいずれか1項に記載の衛星コンステレーションを備え、
前記複数の人工衛星のそれぞれの前記第1監視装置は、視野方向を変更する機能を有し、
前記複数の人工衛星の中の人工衛星の前記第1監視装置は、地表面の監視目標位置に視野方向を向けて監視を行う
飛翔体追跡システム。 - 前記飛翔体追跡システムは、1つ以上の監視目標位置が登録されたデータベースを有する地上設備を備え、
前記地上設備は、前記データベースから選択される前記監視目標位置を前記人工衛星に対して指定する
請求項15に記載の飛翔体追跡システム。 - 前記複数の人工衛星のそれぞれは、赤外監視装置を備え、
前記赤外監視装置は、大気の窓を構成する波長以外の赤外波長を検知して地心方向を指向する
請求項15に記載の飛翔体追跡システム。
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