JP7503194B2 - 飛翔体対処システム、傾斜軌道衛星システム、および、衛星コンステレーション - Google Patents
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Description
滑空段階の飛翔体を検知して追跡する手段として、飛翔体が大気圏に侵入する時の大気摩擦による温度上昇を赤外線で検知することが有望視されている。また、滑空段階の飛翔体を赤外線で検知する手段は、低軌道周回衛星群から監視することが有望と考えられている。
監視装置と通信装置を具備する複数の監視衛星を有する監視システムと、
通信装置を具備する複数の通信衛星を有する衛星情報伝送システムと、
飛翔体に対処する陸海空の対処アセットを具備する対処システムと、
により構成され、
前記監視システムが飛翔体を監視して生成した飛翔体情報を、前記衛星情報伝送システムを経由して、前記対処システムに伝送する飛翔体対処システムにおいて、
衛星情報の通信ルート探索装置を具備する衛星統合指令センターを有し、前記監視システムの有する監視衛星群と、前記衛星情報伝送システムの有する通信衛星群に、指令コマンドを送信する。
本実施の形態では、複数の監視衛星を有する監視システムと、複数の通信衛星を有する衛星情報伝送システムと、飛翔体に対処する陸海空の対処アセットを具備する対処システムとにより構成される飛翔体対処システム401について説明する。
発射時噴霧は極めて高温な気体が広域に広がるため、静止軌道からの監視でも探知可能であった。
上述したように、監視システムおよび衛星情報伝送システムは、衛星コンステレーションとして形成される。
図1の衛星コンステレーション20では、複数の軌道面の各軌道面21の軌道傾斜角が約90度ではなく、かつ、複数の軌道面の各軌道面21が互いに異なる面に存在する。図1の衛星コンステレーション20では、任意の2つの軌道面が極域以外の地点で交差する。図1に示すように、軌道傾斜角が90度よりも傾斜している複数の軌道面の交点は軌道傾斜角に応じて極域から離れていく。また、軌道面の組合せによって赤道近傍を含む多様な位置で軌道面が交差する可能性がある。
図1の衛星コンステレーション20の他には、複数の軌道面の各軌道面の軌道傾斜角が約90度であり、複数の軌道面が極域近傍で交差するといった構成の衛星コンステレーションもある。
衛星コンステレーション形成システム600は、コンピュータを備える。図2では、1つのコンピュータの構成を示しているが、実際には、衛星コンステレーション20を構成する複数の衛星の各衛星30、および、衛星30と通信する地上設備700の各々にコンピュータが備えられる。そして、複数の衛星の各衛星30、および、衛星30と通信する地上設備700の各々に備えられたコンピュータが連携して、衛星コンステレーション形成システム600の機能を実現する。以下において、衛星コンステレーション形成システム600の機能を実現するコンピュータの構成の一例について説明する。
衛星コンステレーション形成部11は、衛星30と通信しながら衛星コンステレーション20の形成を制御する。
衛星30は、衛星制御装置31と通信装置32と推進装置33と姿勢制御装置34と電源装置35とを備える。その他、各種の機能を実現する構成要素を備えていてもよいが、図3では、衛星制御装置31と通信装置32と推進装置33と姿勢制御装置34と電源装置35について説明する。図3の衛星30は、通信装置32を具備する通信衛星308の例である。
通信装置32は、地上設備700と通信する装置である。あるいは、通信装置32は、同一軌道面の前後の衛星30、あるいは、隣接する軌道面の衛星30と通信する装置である。具体的には、通信装置32は、自衛星に関する各種データを地上設備700あるいは他の衛星30へ送信する。また、通信装置32は、地上設備700から送信される各種コマンドを受信する。
推進装置33は、衛星30に推進力を与える装置であり、衛星30の速度を変化させる。
姿勢制御装置34は、衛星30の姿勢と衛星30の角速度と視線方向(Line Of Sight)といった姿勢要素を制御するための装置である。姿勢制御装置34は、各姿勢要素を所望の方向に変化させる。もしくは、姿勢制御装置34は、各姿勢要素を所望の方向に維持する。姿勢制御装置34は、姿勢センサとアクチュエータとコントローラとを備える。姿勢センサは、ジャイロスコープ、地球センサ、太陽センサ、スター・トラッカ、スラスタおよび磁気センサといった装置である。アクチュエータは、姿勢制御スラスタ、モーメンタムホイール、リアクションホイールおよびコントロール・モーメント・ジャイロといった装置である。コントローラは、姿勢センサの計測データまたは地上設備700からの各種コマンドにしたがって、アクチュエータを制御する。
電源装置35は、太陽電池、バッテリおよび電力制御装置といった機器を備え、衛星30に搭載される各機器に電力を供給する。
処理回路は、専用のハードウェアであってもよいし、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサであってもよい。
処理回路において、一部の機能が専用のハードウェアで実現されて、残りの機能がソフトウェアまたはファームウェアで実現されてもよい。つまり、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらの組み合わせで実現することができる。
専用のハードウェアは、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGAまたはこれらの組み合わせである。
ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略称である。FPGAは、Field Programmable Gate Arrayの略称である。
図4の衛星30では、図3の構成に加え、監視装置36を備える。
監視装置36は、物体を監視する装置である。具体的には、監視装置36は、宇宙物体、飛翔体、あるいは陸海空の移動体といった物体を監視あるいは観測するための装置である。監視装置36は、観測装置ともいう。
例えば、監視装置36は、飛翔体が大気圏に侵入する時の大気摩擦による温度上昇を赤外線で検知する赤外線監視装置である。監視装置36は、飛翔体の発射時のプルームないし飛翔体本体の温度を検知する。
あるいは、監視装置36は、光波ないし電波の情報収集装置でもよい。監視装置36は、物体を光学系で検知する装置でもよい。監視装置36は、観測衛星の軌道高度と異なる高度を飛翔する物体を光学系で撮影する。具体的には、監視装置36は可視光学センサであってもよい。
図4の衛星30は、監視装置36と通信装置32を具備する監視衛星307の例である。監視衛星307は、複数の監視装置36を備えていてもよい。また、監視衛星307は、複数種類の監視装置36を備えていてもよい。
地上設備700は、全ての軌道面の多数衛星をプログラム制御する。地上設備700は、地上装置あるいは地上システムともいう。地上装置は、地上アンテナ装置、地上アンテナ装置に接続された通信装置、あるいは電子計算機といった地上局と、地上局にネットワークで接続されたサーバあるいは端末としての地上設備から構成される。また、地上装置には航空機、自走車両、あるいは移動端末といった移動体に搭載された通信装置を含んでも良い。
地上設備700、すなわち地上システムのハードウェア構成は、本開示の実施の形態で説明する対処地上センター、または、衛星統合指令センターと同様である。
解析予測部520は、衛星30の軌道を解析予測する。
軌道制御コマンド生成部510は、衛星30に送信する軌道制御コマンド55を生成する。
軌道制御コマンド生成部510および解析予測部520は、衛星コンステレーション形成部11の機能を実現する。すなわち、軌道制御コマンド生成部510および解析予測部520は、衛星コンステレーション形成部11の例である。
衛星30は、さらに、衛星コンステレーション20を形成する衛星コンステレーション形成部11bを備える。そして、複数の衛星の各衛星30の衛星コンステレーション形成部11bと、地上設備700の各々に備えられた衛星コンステレーション形成部11とが連携して、衛星コンステレーション形成システム600の機能を実現する。なお、衛星30の衛星コンステレーション形成部11bは、衛星制御装置31に備えられていてもよい。
宇宙物体情報には、宇宙物体を識別する宇宙物体ID(Identifier)と、軌道情報とが設定される。軌道情報には、予報軌道情報と実績軌道情報が含まれる。宇宙物体は例えば、衛星である。
予報軌道情報は、元期、軌道要素、予測誤差、情報提供事業装置ID、および情報更新日を含む。
予報軌道情報は、UTS時刻、位置座標、計測誤差、情報提供事業装置ID、および情報更新日を含む。
衛星コンステレーション形成システム600、地上設備700、あるいは衛星30は、宇宙物体の軌道の予報値が設定された軌道予報情報を備える。
予報軌道要素は、複数の宇宙物体の各々の軌道を特定する軌道要素である。予報軌道要素は、複数の宇宙物体の各々の軌道について予報されている軌道要素である。図8では、予報軌道要素として、ケプラー軌道6要素が設定されている。
このように、軌道予報情報には、元期と軌道要素、あるいは、時刻と位置座標を含む宇宙物体の軌道情報が具備され、宇宙物体の近未来の予報値が明示的に示されている。
また、あるいは、衛星コンステレーション形成システム600、地上設備700、あるいは衛星30は、宇宙物体の軌道の実績値が設定された軌道実績情報を備えていてもよい。
本実施の形態では、飛翔体対処システム401は、監視システム404と、通信システムである衛星情報伝送システム403の両衛星システムを統合管理するための衛星統合指令センター810を備える。
監視衛星が飛翔体601の発射探知後に、近傍を飛翔する監視衛星群が当該飛翔体601の情報取得を継続するために、位置座標を伝達する必要がある。本実施の形態に係る飛翔体対処システム401によれば、近傍を通過する通信衛星を経由して、監視衛星群に監視指令を与えることができる。
飛翔体対処システム401は、監視システム404と、衛星情報伝送システム403と、対処システム405を備える。
監視システム404は、監視装置と通信装置を具備する複数の監視衛星307を有する。
衛星情報伝送システム403は、通信装置を具備する複数の通信衛星308を有する。
対処システム405は、飛翔体601に対処する陸海空の対処アセット801を具備する。
また、飛翔体対処システム401は、衛星情報の通信ルートを探索する通信ルート探索装置811を具備する衛星統合指令センター810を有する。衛星統合指令センター810は、通信ルート探索装置811により探索された通信ルートに基づいて、監視システム404の有する監視衛星群と、衛星情報伝送システム403の有する通信衛星群に、指令コマンドを送信する。
具体的には、監視衛星307は、赤外線監視装置により、飛翔体601の発射時プルームと、温度上昇して飛翔する飛翔体601とを、高温対象として検知する。そして、監視システム404は、飛翔体601に関する時刻情報と位置情報とを含む飛翔体情報を、衛星情報伝送システム403を経由して、対処システム405に伝送する。
衛星情報伝送システム403の具備する通信衛星同士が通信装置で通信クロスリンクして通信網を形成する。双方向の通信リンクを通信クロスリンクともいう。
衛星統合指令センター810が、通信ルート探索装置811により、情報伝送をする最短ルート探索をして、通信経路となる通信衛星に情報伝送指令を送信する。
監視システム404の有する監視衛星Aが飛翔体601の発射探知をした後に、衛星統合指令センター810が、対処システム405に対して飛翔体601の発射時刻と位置座標を飛翔体情報として伝送する。
衛星統合指令センター810が、通信ルート探索装置811により、監視衛星Aが飛翔体情報を発した位置座標から対処システム405の位置座標までの通信網の最短ルート探索を実施して、通信経路にある通信衛星群に情報伝送指令を送信する。通信経路にある通信衛星群は、情報伝送指令に基づき、対処システム405に対して飛翔体601の発射時刻と位置座標を飛翔体情報として伝送する。
衛星統合指令センター810が、飛翔体発射後に監視衛星Aの周辺を飛翔する監視衛星群に対して、衛星情報伝送システム403を経由して飛翔体情報を送信する。監視装置Bが高温対象を検知した後に、通信ルート探索装置811により、監視衛星Bの位置座標から対処システム405の位置座標までの通信網の最短ルート探索を実施する。そして、衛星統合指令センター810が、通信経路にある通信衛星群に情報伝送指令を送信する。通信経路にある通信衛星群は、情報伝送指令に基づき、対処システム405に対して高温対象の検知時刻と位置座標と輝度情報を飛翔体情報として伝送する。
対処システム405が複数の対処アセット801と、対処地上センター802により構成される。対処地上センター802は、飛翔経路予測装置803を具備する。対処地上センター802は、飛翔経路予測装置803により、監視システム404から受信する飛翔体情報の時系列位置情報の推移に基づき、将来の時刻と位置情報により構成される飛翔経路予測情報を生成する。
対処システム405が位置座標の異なる複数の対処地上センター802を有する。
衛星統合指令センター810が、監視衛星Aが発射探知した飛翔体情報を全ての対処地上センター802に伝送する。
飛翔経路予測装置803は、飛翔経路予測情報を、衛星情報伝送システム403、または地上通信回線を経由して衛星統合指令センター810に伝送する。
衛星統合指令センター810は、飛翔経路予測装置803の生成した飛翔経路予測情報の近傍に位置する対処地上センター802に対して、飛翔体情報を伝送する。
このように、飛翔体対処システム401では、衛星統合指令センター810から複数の対処地上センター802への後続機の監視情報と、対処地上センター802から衛星統合指令センター810への飛翔経路予測情報との授受を繰り返しながら、対象となる対処地上センター802を絞り込む。
通信ルート探索装置811は、通信開始時刻と位置座標、および飛翔体情報を伝送する相手の位置座標を入力条件として取得する。通信ルート探索装置811は、このような入力条件のもと、飛翔体情報を伝送する衛星IDを数珠繋ぎにした最適ルートを探索する。通信ルート探索装置811は、一連の衛星IDと当該衛星が次の衛星に飛翔体情報を伝送する予報時刻を列挙したリストと、当該通信衛星群に通信指令を与えるコマンドを生成物とする。
具体的には、通信ルート探索装置811は、通信衛星飛翔位置の計画軌道に対する実軌道の予測誤差、特定位置座標を通過する予測時刻誤差、情報伝送に起因する遅延、予測誤差および遅延時間に伴う衛星移動距離、衛星移動に伴う近傍通過衛星の相対位置変化をルート探索の解析対象に含めて、最短時間で飛翔体情報を伝送する最適ルートを探索する。
通信ルート探索装置811は、監視衛星307の発射探知信号を通信開始指令として、発射探知信号を発した監視衛星307の位置座標、飛翔体発射を探知した位置座標、および監視衛星の視野変更範囲を入力条件として取得する。通信ルート探索装置811は、このような入力条件のもと、飛翔体情報を伝送する衛星IDを数珠繋ぎにした最適ルートを探索する。通信ルート探索装置811は、一連の衛星IDと当該衛星が次の衛星に飛翔体情報を伝送する予報時刻を列挙したリストと、当該通信衛星群に通信指令を与えるコマンドを生成物とする。飛翔体発射地点の位置座標は、最初に発射を探知した監視衛星が直下視監視装置で検知した位置座標である。よって、「発射探知信号を発した監視衛星の位置座標、飛翔体発射を探知した位置座標」はほぼ近傍になる。飛翔体発射探知から発射探知信号発信までの時間差に応じた監視衛星の飛翔距離分の相違がでる。
具体的には、通信ルート探索装置811は、視野変更を含めて飛翔体発射地点近傍を監視可能な近傍通過監視衛星IDを探索して、飛翔体情報伝送時刻と監視衛星ID、および当該監視衛星IDに飛翔体情報を伝送するまでの最適ルート探索を実施する。
通信ルート探索装置811は、監視衛星307の発射探知信号を通信開始指令として、発射探知信号を発した監視衛星307の位置座標、飛翔体発射を探知した位置座標、および監視衛星の視野変更範囲、ならびに、飛翔体情報を伝送した近傍通過監視衛星の中で、高温検知信号を発した監視衛星の位置座標、高温物体を検知した位置座標、および監視衛星の視野変更範囲を入力条件として取得する。通信ルート探索装置811は、このような入力条件のもと、飛翔体情報を伝送する衛星IDを数珠繋ぎにした最適ルートを探索する。通信ルート探索装置811は、一連の衛星IDと当該衛星が次の衛星に飛翔体情報を伝送する予報時刻を列挙したリストと、当該通信衛星群に通信指令を与えるコマンドを生成物とする。「高温検知信号を発した監視衛星の位置座標、高温物体を検知した位置座標」については、地球周縁を指向するリム監視装置で検知される。この場合、監視衛星の位置座標と、飛翔体の位置座標は極めて遠距離となる。
具体的には、通信ルート探索装置811は、視野変更を含めて高温物体検知位置の近傍を監視可能な近傍通過監視衛星IDを探索して、飛翔体情報伝送時刻と監視衛星ID、および当該監視衛星IDに飛翔体情報を伝送するまでの最適ルート探索を実施する。
本実施の形態では、飛翔体対処システム401は、監視システム404と、通信システムである衛星情報伝送システム403の両衛星システムを統合管理するための衛星統合指令センター810を備える。
監視衛星が飛翔体601の発射探知後に、近傍を飛翔する監視衛星群が当該飛翔体601の情報取得を継続するために、位置座標を伝達する必要がある。本実施の形態に係る飛翔体対処システム401によれば、近傍を通過する通信衛星を経由して、監視衛星群に監視指令を与えることができる。
また、飛翔体が飛翔する経路を複数の監視衛星により追跡監視し、飛翔方向を予測する必要がある。このため、本実施の形態に係る飛翔体対処システム401は、飛翔経路予測装置803を備える。
また、対処アセット801として陸海空に配備された移動体、および地上固定アセットを想定した場合に、衛星統合指令センター810の集中管理体制下であれば、各対処アセットに直接タスキングすることができる。しかし、それ以外のケースでは対処地上センター802を規定して、一括して飛翔体情報を伝送した後に、対処地上センター802から各対処アセット801に対してタスキングをかけるのが合理的となる。
なお発射の初期探知情報は全ての対処地上センター802に送信して注意喚起するのは合理的と考えた。
監視システム404と衛星情報伝送システム403のいずれも発射を探知した時刻t0における発射探知位置座標(x0、y0、z0)が、射点の位置座標とする。このとき、飛翔体対処システム401では、発射探知情報を伝送するまでの時間遅れを考慮して、伝送時刻t1において射点の位置座標(x0、y0、z0)の近傍を通過する通信衛星を経由して、近傍を通過する監視衛星に対して飛翔体継続監視の指令をする必要がある。監視衛星が遠方から射点を斜視する場合もあり、監視衛星の飛翔位置座標と射点の位置座標(x0、y0、z0)は異なっている。近傍を通過する監視衛星としても、斜視した結果として(x0、y0、z0)近傍を監視可能な監視衛星の飛翔位置は広域に広がっている可能性もある。従って通信衛星経由の飛翔体情報伝送は、多数の監視衛星に対して送信し、その中で高温物体を検知した監視衛星が追跡監視をできることになる。
飛翔体対処システム401では、さらに追跡監視情報を取得した監視衛星の飛翔体情報を、同様に近傍を通過する監視衛星に伝送しながら、次の飛翔体情報を取得する動作を繰り返すことにより、飛翔体を追跡することになる。
飛翔体を追跡監視した位置座標を時系列的に並べることにより、飛翔体の飛翔方向予測が可能となり、飛翔経路予測装置803の機能として定義する。
なお、弾道ミサイルであれば、弾道飛行するミサイルの着弾地点予測が容易かつ一意に結果が出る。一方、HGVでは間欠的に噴射を繰り返す可能性があるため、着弾予測は困難であり、あくまでも飛翔経路予測しかできない。このため飛翔経路予測装置803のアウトプットは将来の時刻と位置座標の関数として生成することになる。
対処アセット801としては陸海空に配備した航空機、艦船、および車両、あるいは、地上設置型設備といった多様な手段が存在する。また、個別アセットに対して直接情報伝送する手段もある。ただし、衛星情報伝送システムとして、安全を保つ専用ではないシステムを経由する場合には、セキュリティ上の制約により、個別アセットの位置情報を開示できない場合もある。よって、対処アセットへの指令を到達する対処地上センターに飛翔体情報を集約し、対処アセットに対する指令は対処地上センターから実施するのが合理的となる。
例えば、専用回線で対処アセットとの通信回線を持つ艦船といった移動体が対処地上センターの役割を担ってもよい。
本実施の形態では、飛翔体対処システム401は、監視システムと通信システムの両衛星システムを統合管理するための衛星統合指令センターを独立して備える。
衛星統合指令センターは、監視衛星群と通信衛星群の双方を傘下に収め、監視と通信を統合して指令コマンドを送信して両衛星群を運用制御することができる。監視衛星が飛翔体の発射探知後に近傍を飛翔する監視衛星群が当該飛翔体の情報取得を継続するために、位置座標を伝達する必要がある。衛星統合指令センターによれば、近傍を通過する通信衛星を経由して、監視衛星群に監視指令を与えることができる。
プロセッサ910は、演算処理を行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ910の具体例は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
補助記憶装置922は、データを保管する記憶装置である。補助記憶装置922の具体例は、HDDである。また、補助記憶装置922は、SD(登録商標)メモリカード、CF、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVDといった可搬の記憶媒体であってもよい。なお、HDDは、Hard Disk Driveの略語である。SD(登録商標)は、Secure Digitalの略語である。CFは、CompactFlash(登録商標)の略語である。DVDは、Digital Versatile Diskの略語である。
出力インタフェース940は、ディスプレイといった表示機器941のケーブルが接続されるポートである。出力インタフェース940は、具体的には、USB端子またはHDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)端子である。ディスプレイは、具体的には、LCD(Liquid Crystal Display)である。
本実施の形態では、主に、実施の形態1と異なる点および実施の形態1に追加する点について説明する。
本実施の形態において、実施の形態1と同様の機能を有する構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
複数の監視装置を具備する監視衛星307が有意な高温対象を検出した場合に、監視衛星307が、複数の通信衛星308を有する衛星情報伝送システム403を経由して衛星統合指令センター810に飛翔体情報を伝送する。ここで、飛翔体情報には、検知した時刻情報と監視衛星IDと監視装置IDと監視データとが含まれる。
衛星統合指令センター810は、この飛翔体情報を、対処アセット801と対処地上センター802とから構成された対処システム405に伝送する。具体的には、衛星統合指令センター810は、この飛翔体情報を対処地上センター802に伝送する。
飛翔経路予測装置803は、飛翔体情報における検知時刻における当該IDの監視衛星の位置情報と、進行方向と、当該IDの監視装置の視線方向を導出する。そして、飛翔経路予測装置803は、監視データから高温対象輝度を抽出して高温物体を指向する視線ベクトルを導出する。
一方、地心方向を指向する監視装置であっても、広い監視視野範囲の中央から離れた位置で検知された高温対象の輝点は、地表面の位置座標に換算すると監視衛星の直下の位置座標から離れている。よって、飛翔体発射地点を導出するためには発射探知した時刻における監視衛星の位置座標と進行方向を確認した上で、監視装置において輝点を捉えた視線ベクトルを換算して、監視衛星を起点とする視線ベクトルと地表面の交点として、飛翔体位置座標を導出する。
地表面の発射地点は1機の監視衛星の飛翔体情報により導出可能であるのに対して、空中を飛翔する飛翔体は複数衛星から見た空中三角測量の原理で飛翔体位置座標を導出する必要がある。位置座標既知の2機の監視衛星が同時に飛翔体を高温対象として監視していれば、監視装置のIDと当該監視装置の視野の中の輝点に対する視線ベクトルを換算して、空中三角測量の原理で2機の監視衛星の視線ベクトルの交点として、飛翔体位置自座標を導出できる。
よって、発射探知直後に噴射を継続する飛翔体の飛翔経路予測のためには、近傍を飛翔する監視衛星の具備する地心方向を指向する監視装置の情報を統合することにより飛翔体の追跡が可能である。しかし、噴射を止めて、温度上昇した本体を監視するためにはリム観測による深宇宙背景による高分解能かつ高感度の監視が必要となる。さらに複数監視衛星による空中三角測量により飛翔体の位置座標を導出するためには、発射探知した位置座標から離れた位置を飛翔する複数監視衛星の飛翔体情報を統合する必要がある。このため、高温物体を検知した全ての監視衛星による飛翔体情報を、飛翔経路予測装置に統合をして、視線ベクトルの導出と誤差要因の逆推定をした上で、飛翔体位置座標を導出する。
本実施の形態では、主に、実施の形態1,2と異なる点および実施の形態1,2に追加する点について説明する。
本実施の形態において、実施の形態1,2と同様の機能を有する構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図10は、本実施の形態に係る赤道上空衛星システム441の例を示す図である。
監視システム404が、平均軌道高度が等しい赤道上空軌道を飛翔する6機以上の赤道上空監視衛星群を有する。赤道上空衛星群は、同一軌道面の前方と後方を飛翔する赤道上空衛星と通信クロスリンクを形成する。少なくとも1機以上の赤道上空衛星が、対処システム405、または衛星情報の通信ルート探索装置811を具備する衛星統合指令センター810との通信クロスリンクを形成する。
監視システム404は、衛星情報伝送システム403を介在せずに、対処システム405または衛星統合指令センター810へ飛翔体情報を伝送する。
また発射におけるプルームと呼ばれる高温噴霧は高温かつ広域に拡散するので、地上陸域背景であってもノイズに埋もれずに探知可能である。しかし、ポストブーストフェーズの飛翔体は温度上昇した本体を監視する必要があるため、プルーム程高温でもなく、立体角が小さいため、追跡が難しいという特徴がある。
これに対して地球周縁を監視するリム観測によれば、中緯度帯上空を飛翔する飛翔体を深宇宙背景で監視できるので、ポストブーストフェーズのHGV本体の温度上昇を、監視可能になるという効果がある。
本実施の形態では、主に、実施の形態1から3と異なる点および実施の形態1から3に追加する点について説明する。
本実施の形態において、実施の形態1から3と同様の機能を有する構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図11は、本実施の形態に係る極軌道衛星システム442の例を示す図である。
監視システム404が、同一軌道面で平均軌道高度が等しい極軌道を飛翔する6機以上の極軌道衛星群を有する。極軌道衛星群が、前方と後方を飛翔する極軌道衛星と通信クロスリンクを形成する。少なくとも1機以上の極軌道衛星が、対処システム405、または衛星情報の通信ルート探索装置811を具備する衛星統合指令センター810との通信クロスリンクを形成する。
監視システム404は、衛星情報伝送システム403を介在せずに、対処システム405または衛星統合指令センター810へ飛翔体情報を伝送する。
極軌道監視衛星では、直下視監視装置によれば、極域近傍の高緯度地域から発射された飛翔体の発射探知が網羅的に実施可能である。
また発射におけるプルームと呼ばれる高温噴霧は高温かつ広域に拡散するので、地上陸域背景であってもノイズに埋もれずに探知可能である。しかし、ポストブーストフェーズの飛翔体は温度上昇した本体を監視する必要があるため、プルーム程高温でもなく、立体角が小さいため、追跡が難しいという特徴がある。これに対して地球周縁を監視するリム観測によれば、極軌道面から遠方を飛翔する飛翔体を深宇宙背景で監視できるので、ポストブーストフェーズのHGV本体の温度上昇を、監視可能になるという効果がある。
本実施の形態では、主に、実施の形態1から4と異なる点および実施の形態1から4に追加する点について説明する。
本実施の形態において、実施の形態1から4と同様の機能を有する構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図12は、本実施の形態に係る傾斜軌道衛星システム443の例を示す図である。
監視システム404を構成する監視衛星307が、監視装置と、前方と後方を指向する通信装置を具備し、通信システムと同一軌道高度であって、同一軌道面の通信衛星と通信衛星の間を飛翔し、前後の通信衛星と通信クロスリンクを形成する。ここで、通信システムは、例えば衛星情報伝送システムである。監視システム404が、飛翔体の監視情報を、飛翔体対処システム401に含まれる衛星情報伝送システム403を経由して対処システム405または衛星統合指令センター810に伝送する。
ただし監視システムと通信システムをそれぞれ傾斜軌道衛星群で構成している場合、時々刻々全ての衛星の飛翔位置が変化する。このため、監視衛星の情報を通信システム経由で伝送する場合に、送信時刻における通信経路を衛星ID毎に決める必要があり、衛星への指令が煩雑になるという課題がある。
そこで、同一軌道面で前後の衛星同士で通信クロスリンクを確立している間に監視衛星を挟みこみ、前後の通信クロスリンクを再構成する。このような構成により、同一軌道面内の円環状通信環境を維持して、監視情報を直接通信回線に伝送する。衛星ID毎の通信経路探索が不要となるので、煩雑は指令が不要となるという効果がある。
また、前後の衛星が隣接軌道と通信クロスリンクを形成していれば、即座に隣接軌道間を含めた情報伝送が可能となる。
本実施の形態では、主に、実施の形態1から5と異なる点および実施の形態1から5に追加する点について説明する。
本実施の形態において、実施の形態1から5と同様の機能を有する構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図13は、本実施の形態に係る飛翔体対処システム401の構成例を示す図である。
図14は、本実施の形態に係る統合データライブラリ820の構成例を示す図である。
・監視システム404の軌道情報
・衛星情報伝送システム403の軌道情報
・対処システム405の位置情報
・飛翔体の発射位置座標と、飛翔方向と、発射から着弾までの時系列飛翔距離および飛翔高度プロファイルとを用いて構成される飛翔経路がモデル化された、典型的な複数の飛翔経路モデル
さらに、衛星IoTによるスペースデータセンタ構想も提唱されている。スペースデータセンタ構想によれば、上述と同様に宇宙データセンタにおいて情報共有することも可能となる。IoTは、Internet of Thingsの略語である。
図15は、本実施の形態に係るエッジサーバ830を具備する赤道上空衛星341の構成例を示す図である。
図16は、本実施の形態に係るエッジサーバ830を具備する極軌道衛星342の構成例を示す図である。
・監視システム404の軌道情報
・対処システム405の位置情報
・飛翔体の発射位置座標と、飛翔方向と、発射から着弾までの時系列飛翔距離および飛翔高度プロファイルとを用いて構成される飛翔経路がモデル化された、典型的な複数の飛翔経路モデル
・監視システム404の軌道情報
・衛星情報伝送システム403の軌道情報
・対処システム405の位置情報
・飛翔体の発射位置座標と、飛翔方向と、発射から着弾までの時系列飛翔距離および飛翔高度プロファイルとを用いて構成される飛翔経路がモデル化された、典型的な複数の飛翔経路モデル
宇宙におけるクラウドコンピューティングについて説明する。
情報社会の高度化に伴う情報量の増大に伴い、消費電力の増大と排熱対策が課題となっている。特に中央集中型の仕組みでは、スーパーコンピュータおよび大規模データセンタの大電力化と排熱対策とが深刻な課題になっている。
一方、宇宙空間では放射冷却により深宇宙に排熱できる。宇宙におけるクラウドコンピューティングでは、クラウド環境を実現するためのスーパーコンピュータあるいはデータセンタを、衛星コンステレーション側に配置する。そして、軌道上で演算処理を実施した後に、必要データのみを地上のユーザに伝送する。これにより、クラウド環境を維持し、温室効果ガス排出量を低減することにより、地上のSDGsに貢献できるという効果がある。
宇宙におけるエッジコンピューティングについて説明する。
分散型アーキテクチャを実現する手法としてIoT側にエッジサーバを配置するエッジコンピューティングが着目されている。
IoTではセンサで収集したデータをインターネット経由でクラウドへ送信し、分析を行う中央集中型の仕組みが一般的であった。これに対し、エッジコンピューティングでは、デバイス本体、もしくはデバイスとクラウドとの間に設置したエッジサーバで分散してデータ処理を行う仕組みをとる。これにより、リアルタイムかつ低負荷なデータ処理を実現する。
また情報社会の高度化に伴う情報量の増大に伴い、消費電力の増大と排熱対策が課題となっている。特に中央集中型の仕組みではスーパーコンピュータおよび大規模データセンタの大電力化と排熱対策とが深刻な課題になっている。
宇宙におけるAIについて説明する。
AIのニューラルネットワークは、教師信号(正解)の入力によって問題に最適化されていく教師あり学習と、教師信号を必要としない教師なし学習に分けられる。
予め飛翔体種別、推薬種別、および、典型的な複数パターンの飛翔モデルを教師モデルとして学習させる。これにより、発射探知して軌道情報を取得した実測データの推論が、容易かつ迅速になる。推論の結果として、飛翔体経路予測と着地位置の推定を実施する。
ただし、発射探知段階において飛翔方向が不明な飛翔体の飛翔経路を予測するためには、後続する監視衛星により飛翔体に対して追跡監視を行う必要がある。また、後続の監視衛星に対して発射探知情報を送信するために、発射探知情報が、通信衛星群によって形成される通信網を経由する必要がある。
通信衛星コンステレーションによる通信網では、通信衛星の飛翔位置が時々刻々と変化する。このため、最適通信ルート探索をして、飛翔体情報を授受する通信衛星のIDと送受する時刻とを決める必要がある。この状況は、監視衛星と通信衛星の飛翔体情報授受においても同様となる。
最適ルート探索を地上システムで実施した場合、監視衛星と通信衛星に対して、飛翔体情報を授受する時刻と衛星IDとをコマンド送信する必要がある。しかし、コマンド送信のための通信網が課題となる。
軌道上で最適ルートを探索する手法としては、ダイクストラ法として知られるアルゴリズムによる最適ルート探索が有効である。なお静的ダイクストラ法ではルート毎の重みづけが変化しない。しかし、通信衛星コンステレーションによって形成される通信網では通信衛星の飛翔位置の変化によって、ルート毎の重みが各時刻に変化する。そのため、軌道情報を更新しながら最適ルート探索を行う個々の通信衛星毎に、飛翔体情報を受信した通信衛星が最適ルート探索を行って次の通信衛星に飛翔体情報を送信する、という動作が繰り返されることになる。
図18は、本実施の形態に係るハイブリッドコンステレーション401aの構成例を示す図である。
ハイブリッドコンステレーション401aとは、飛翔体対処システム401を構成する衛星コンステレーションである。
ハイブリッドコンステレーション401aでは、同一軌道面の進行方向前後の衛星と通信する通信装置を具備する複数の衛星が円環状通信網を形成する通信コンステレーションを形成する。かつ、ハイブリッドコンステレーション401aでは、前後の衛星と通信する通信装置を具備する監視衛星が、通信コンステレーションを形成する複数の衛星の間を飛翔する。このような監視衛星と通信コンステレーションを形成する複数の衛星とにより、円環状通信網、または隣接軌道を含むメッシュ状通信網を再構築して監視と通信のハイブリッドコンステレーションを形成する。
円環状通信網あるいはメッシュ通信網を経由して、地上設備とハイブリッドコンステレーショとの情報授受が可能である。また、ハイブリッドコンステレーションを構成する各衛星と、IoTと見なした分散コンピューティングとについて、低遅延でデータの一元管理ができるという効果がある。
例えば、通信衛星コンステレーションを構成する個別通信衛星の軌道情報をスペースデータセンタで集約する。そして、スペースデータセンタは、通信衛星コンステレーションにより形成される円環状通信網あるいはメッシュ通信網を経由して情報伝送する場合の、最短ルート探索をする。
軌道情報収集を衛星から地上に伝送した後に、地上で解析評価処理をして衛星に送信する場合と比べて、ハイブリッドコンステレーションでは当該処理を宇宙空間で自律的に賄うことができる。よって、ハイブリッドコンステレーションによれば、データ量が削減され、地上処理の負担が軽減される。
すなわち、実施の形態1から6では、実施の形態1から6のいずれかの部分の自由な組み合わせ、あるいは任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態1から6において任意の構成要素の省略が可能である。
軌道面、30 衛星、31 衛星制御装置、32 通信装置、33 推進装置、34 姿勢制御装置、35 電源装置、36 監視装置、55 軌道制御コマンド、307 監視衛星、308 通信衛星、401 飛翔体対処システム、403 衛星情報伝送システム、404 監視システム、405 対処システム、441 赤道上空衛星システム、442 極軌道衛星システム、443 傾斜軌道衛星システム、510 軌道制御コマンド生成部、520 解析予測部、601 飛翔体、600 衛星コンステレーション形成システム、700 地上設備、801 対処アセット、802 対処地上センター、803 飛翔経路予測装置、804 対処アセット選択装置、810 衛星統合指令センター、811 通信ルート探索装置、910 プロセッサ、921 メモリ、922 補助記憶装置、930 入力インタフェース、940 出力インタフェース、941 表示機器、950 通信装置、341 赤道上空衛星、342 極軌道衛星、343 傾斜軌道衛星、401a ハイブリッドコンステレーション、820 統合データライブラリ、821,822 データベース、830 エッジサーバ、840 AI計算機。
Claims (16)
- 監視装置と通信装置を具備する複数の監視衛星を有する監視システムと、
通信装置を具備する複数の通信衛星を有する衛星情報伝送システムと、
飛翔体に対処する陸海空の対処アセットを具備する対処システムと、
により構成され、
前記監視システムが飛翔体を監視して生成した飛翔体情報を、前記衛星情報伝送システムを経由して、前記対処システムに伝送する飛翔体対処システムにおいて、
衛星情報の通信ルート探索装置を具備する衛星統合指令センターを有し、前記監視システムの有する監視衛星群と、前記衛星情報伝送システムの有する通信衛星群に、指令コマンドを送信し、
前記監視システムを構成する監視衛星が、
監視装置と、前方と後方を指向する通信装置を具備し、通信システムと同一軌道高度であって、同一軌道面の通信衛星と通信衛星の間を飛翔し、前後の通信衛星と通信クロスリンクを形成し、飛翔体の監視情報を、前記衛星情報伝送システムを経由して対処システムまたは衛星統合指令センターに伝送する、
飛翔体対処システム。 - 前記監視システムが、
赤外線監視装置を具備する複数の監視衛星を有し、飛翔体の発射時プルームと、温度上昇して飛翔する飛翔体とを、高温対象として検知し、時刻情報と位置情報とを飛翔体情報として送信する、
請求項1記載の飛翔体対処システム。 - 前記衛星情報伝送システムの具備する通信衛星同士が、
通信装置でクロスリンクして通信網を形成し、
前記衛星統合指令センターが、
前記通信ルート探索装置により、情報伝送をする最短ルート探索をして、
通信経路となる通信衛星に情報伝送指令を送信する、
請求項1または請求項2に記載の飛翔体対処システム。 - 前記監視システムの有する監視衛星Aが飛翔体の発射探知をした後に、
前記衛星統合指令センターが、
前記対処システムに対して飛翔体の発射時刻と位置座標を飛翔体情報として伝送する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の飛翔体対処システム。 - 前記衛星統合指令センターが、
前記通信ルート探索装置により、監視衛星Aが飛翔体情報を発した位置座標から前記対処システムの位置座標までの通信網の最短ルート探索を実施して、通信経路にある通信衛星群に情報伝送指令を送信し、
前記通信経路にある通信衛星群が、
情報伝送指令に基づき、前記対処システムに対して飛翔体の発射時刻と位置座標を飛翔体情報として伝送する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の飛翔体対処システム。 - 前記衛星統合指令センターが、
飛翔体発射後に監視衛星Aの周辺を飛翔する監視衛星群に対して、
前記衛星情報伝送システムを経由して飛翔体情報を送信し、
監視装置Bが高温対象を検知した後に、
前記通信ルート探索装置により、監視衛星Bの位置座標から前記対処システムの位置座標までの通信網の最短ルート探索を実施して、
通信経路にある通信衛星群に情報伝送指令を送信し、
前記通信経路にある通信衛星群が、
情報伝送指令に基づき、前記対処システムに対して高温対象の検知時刻と位置座標と輝度情報を飛翔体情報として伝送する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の飛翔体対処システム。 - 前記衛星統合指令センターが、
監視衛星Bの近傍を飛翔する監視衛星群に対して、
前記衛星情報伝送システムを経由して飛翔体情報を送信し、
監視衛星Cが高温対象を検知した場合に、
前記通信ルート探索装置により、監視衛星Cの位置座標から前記対処システムの位置座標までの通信網の最短ルート探索を実施して、
通信経路にある通信衛星群に情報伝送指令を送信し、
前記通信経路にある通信衛星群が、
情報伝送指令に基づき、前記対処システムに対して高温対象の検知時刻と位置座標と輝度情報を飛翔体情報として伝送する、請求項6記載の飛翔体対処システム。 - 前記衛星統合指令センターが、
監視衛星Nの近傍を飛翔する監視衛星群に対して、
前記衛星情報伝送システムを経由して飛翔体情報を送信し、
監視装置N+1が高温対象を検知した場合に、
前記通信ルート探索装置により、監視衛星N+1の位置座標から前記対処システムの位置座標までの通信網の最短ルート探索を実施して、
通信経路にある通信衛星群に情報伝送指令を送信し、
前記通信経路にある通信衛星群が、
情報伝送指令に基づき、前記対処システムに対して高温対象の検知時刻と位置座標と輝度情報を飛翔体情報として伝送する、請求項7記載の飛翔体対処システム。 - 前記対処システムが、
複数の対処アセットと、対処地上センターにより構成され、
前記対処地上センターが、
飛翔経路予測装置を具備し、前記監視システムから受信する飛翔体情報の時系列位置情報の推移に基づき、将来の時刻と位置情報により構成される飛翔経路予測情報を生成する、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の飛翔体対処システム。 - 前記対処地上センターが、
対処アセット選択装置を具備し、対処アセットと通信回線で接続され、
飛翔経路予測情報に基づき、飛翔体が通過ないし到達すると予測される位置座標の近傍にある対処アセットを選択して、対処行動の指令信号を送信する、請求項9記載の飛翔体対処システム。 - 前記飛翔経路予測装置が、
監視衛星Aが発射探知情報を送信した後に高温対象を検知した監視衛星Bないし監視衛星Cないし監視衛星Nないし監視衛星N+1の位置座標により飛翔体の移動方向を予測して、飛翔経路予測情報を生成する
請求項10に記載の飛翔体対処システム。 - 前記対処アセット選択装置が、
位置座標の異なる複数の対処アセットの中から、飛翔経路予測情報の近傍に位置する対処アセットを選択して、
前記対処地上センターが、
対処アセットに対して飛翔体情報と対処行動指令を伝送する、
請求項11記載の飛翔体対処システム。 - 前記対処システムが、
位置座標の異なる複数の対処地上センターを有し、
前記衛星統合指令センターが、
監視衛星Aが発射探知した飛翔体情報を全ての対処地上センターに伝送する、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の飛翔体対処システム。 - 前記複数の対処地上センターの全てまたは一部は、飛翔経路予測情報を生成する飛翔経路予測装置を備え、
前記飛翔経路予測装置は、
飛翔経路予測情報を、前記衛星情報伝送システム、または地上通信回線を経由して前記衛星統合指令センターに伝送し、
前記衛星統合指令センターが、
飛翔経路予測装置の生成した飛翔経路予測情報の近傍に位置する対処地上センターに対して、飛翔体情報を伝送する、
請求項13記載の飛翔体対処システム。 - 監視装置と通信装置を具備する複数の監視衛星を有する監視システムと、
通信装置を具備する複数の通信衛星を有する衛星情報伝送システムと、
飛翔体に対処する陸海空の対処アセットを具備する対処システムと、
により構成され、
前記監視システムが飛翔体を監視して生成した飛翔体情報を、前記衛星情報伝送システムを経由して、前記対処システムに伝送する飛翔体対処システムにおいて、
衛星情報の通信ルート探索装置を具備する衛星統合指令センターを有し、前記監視システムの有する監視衛星群と、前記衛星情報伝送システムの有する通信衛星群に、指令コマンドを送信する、飛翔体対処システムであって、
前記飛翔体対処システムに含まれる衛星情報伝送システムにおいて傾斜軌道を飛翔する通信衛星群と、複数の監視衛星により構成され、
前記監視衛星が、監視装置と、前方と後方を指向する通信装置を具備し、
前記通信衛星と同一軌道高度であって、同一軌道面の通信衛星と通信衛星の間を飛翔し、前後の通信衛星と通信クロスリンクを形成する傾斜軌道衛星システム。 - 監視装置と通信装置を具備する複数の監視衛星を有する監視システムと、
通信装置を具備する複数の通信衛星を有する衛星情報伝送システムと、
飛翔体に対処する陸海空の対処アセットを具備する対処システムと、
により構成され、
前記監視システムが飛翔体を監視して生成した飛翔体情報を、前記衛星情報伝送システムを経由して、前記対処システムに伝送する飛翔体対処システムにおいて、
衛星情報の通信ルート探索装置を具備する衛星統合指令センターを有し、前記監視システムの有する監視衛星群と、前記衛星情報伝送システムの有する通信衛星群に、指令コマンドを送信する、飛翔体対処システムを構成する衛星コンステレーションであって、
同一軌道面の進行方向前後の衛星と通信する通信装置を具備する複数の衛星が、円環状通信網を形成する通信コンステレーションを形成し、かつ、前後の衛星と通信する通信装置を具備する監視衛星が、前記通信コンステレーションを形成する複数の衛星の間を飛翔し、
前記監視衛星と前記通信コンステレーションを形成する複数の衛星とにより、前記円環状通信網、または隣接軌道を含むメッシュ状通信網を再構築して監視と通信のハイブリッドコンステレーションを形成する衛星コンステレーション。
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