JP7407764B2 - 飛翔体追跡システム、飛翔経路予測方法、監視衛星、および、地上設備 - Google Patents
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Description
滑空段階の飛翔体を検知して追跡する手段として、飛翔体が大気圏に侵入する時の大気摩擦による温度上昇を赤外線で検知することが有望視されている。また、滑空段階の飛翔体を赤外線で検知する手段は、低軌道周回衛星群から監視することが有望と考えられている。
赤外監視装置を具備する複数の監視衛星で構成する衛星コンステレーションと地上システムとにより構成され、飛翔体の発射探知と追跡をする飛翔体追跡システムにおいて、
上記赤外監視装置は、複数の波長帯を同時に検知する検出装置を具備し、
上記地上システムは、
飛翔体の噴射するプルームの波長特性と噴射パターンと飛翔距離の相関関係、および過去に打ち上げられた飛翔体の飛翔経路を記録したデータベースと、
上記データベースに記載されたデータを人工知能により機械学習し、新規に取得した飛翔体情報から波長特性と噴射パターンを認識して飛翔予測距離を導出する解析装置とを具備し、
上記赤外監視装置が、複数の波長帯の飛翔体情報を取得し、
上記解析装置が、複数波長の構成比率により飛翔体推薬または飛翔体の種別を同定し、間欠的になされる噴射回数と噴射時間、および噴射から噴射までの時間インターバルにより飛翔体噴射パターンを同定し、機械学習の結果を用いて、飛翔体の飛翔予測距離を導出する。
本実施の形態では、複数の監視衛星を有する監視システムと、複数の通信衛星を有する衛星情報伝送システムと、飛翔体に対処する陸海空の対処アセットを具備する対処システムとにより構成される飛翔体対処システム401について説明する。また、上述の監視システムと衛星情報伝送システムとにより構成される飛翔体追跡システム406について説明する。
発射時噴霧は極めて高温な気体が広域に広がるため、静止軌道からの監視でも探知可能であった。
本実施の形態では、飛翔体発射探知した飛翔体情報から飛翔距離と着弾位置を推定する飛翔経路予測方法を提供する。特に、予めデータベース化した推薬ないし飛翔体の種別、噴射プロファイルの情報と、過去の飛翔体の飛翔実績を人工知能(AI:Artificial Intelligence)により機械学習を行い、上述の飛翔経路予測方法を提供する。
上述したように、監視システムおよび衛星情報伝送システムは、衛星コンステレーションとして形成される。
図1の衛星コンステレーション20では、複数の軌道面の各軌道面21の軌道傾斜角が約90度ではなく、かつ、複数の軌道面の各軌道面21が互いに異なる面に存在する。図1の衛星コンステレーション20では、任意の2つの軌道面が極域以外の地点で交差する。図1に示すように、軌道傾斜角が90度よりも傾斜している複数の軌道面の交点は軌道傾斜角に応じて極域から離れていく。また、軌道面の組合せによって赤道近傍を含む多様な位置で軌道面が交差する可能性がある。
図1の衛星コンステレーション20の他には、複数の軌道面の各軌道面の軌道傾斜角が約90度であり、複数の軌道面が極域近傍で交差するといった構成の衛星コンステレーションもある。
衛星コンステレーション形成システム600は、コンピュータを備える。図2では、1つのコンピュータの構成を示しているが、実際には、衛星コンステレーション20を構成する複数の衛星の各衛星30、および、衛星30と通信する地上設備700の各々にコンピュータが備えられる。そして、複数の衛星の各衛星30、および、衛星30と通信する地上設備700の各々に備えられたコンピュータが連携して、衛星コンステレーション形成システム600の機能を実現する。以下において、衛星コンステレーション形成システム600の機能を実現するコンピュータの構成の一例について説明する。
衛星コンステレーション形成部11は、衛星30と通信しながら衛星コンステレーション20の形成を制御する。
衛星30は、衛星制御装置31と通信装置32と推進装置33と姿勢制御装置34と電源装置35とを備える。その他、各種の機能を実現する構成要素を備えていてもよいが、図3では、衛星制御装置31と通信装置32と推進装置33と姿勢制御装置34と電源装置35について説明する。図3の衛星30は、通信装置32を具備する通信衛星308の例である。
通信装置32は、地上設備700と通信する装置である。あるいは、通信装置32は、同一軌道面の前後の衛星30、あるいは、隣接する軌道面の衛星30と通信する装置である。具体的には、通信装置32は、自衛星に関する各種データを地上設備700あるいは他の衛星30へ送信する。また、通信装置32は、地上設備700から送信される各種コマンドを受信する。
推進装置33は、衛星30に推進力を与える装置であり、衛星30の速度を変化させる。
姿勢制御装置34は、衛星30の姿勢と衛星30の角速度と視線方向(Line Of Sight)といった姿勢要素を制御するための装置である。姿勢制御装置34は、各姿勢要素を所望の方向に変化させる。もしくは、姿勢制御装置34は、各姿勢要素を所望の方向に維持する。姿勢制御装置34は、姿勢センサとアクチュエータとコントローラとを備える。姿勢センサは、ジャイロスコープ、地球センサ、太陽センサ、スター・トラッカ、スラスタおよび磁気センサといった装置である。アクチュエータは、姿勢制御スラスタ、モーメンタムホイール、リアクションホイールおよびコントロール・モーメント・ジャイロといった装置である。コントローラは、姿勢センサの計測データまたは地上設備700からの各種コマンドにしたがって、アクチュエータを制御する。
電源装置35は、太陽電池、バッテリおよび電力制御装置といった機器を備え、衛星30に搭載される各機器に電力を供給する。
処理回路は、専用のハードウェアであってもよいし、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサであってもよい。
処理回路において、一部の機能が専用のハードウェアで実現されて、残りの機能がソフトウェアまたはファームウェアで実現されてもよい。つまり、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらの組み合わせで実現することができる。
専用のハードウェアは、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGAまたはこれらの組み合わせである。
ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略称である。FPGAは、Field Programmable Gate Arrayの略称である。
図4の衛星30では、図3の構成に加え、監視装置36を備える。
監視装置36は、物体を監視する装置である。具体的には、監視装置36は、宇宙物体、飛翔体、あるいは陸海空の移動体といった物体を監視あるいは観測するための装置である。監視装置36は、観測装置ともいう。
例えば、監視装置36は、飛翔体が大気圏に侵入する時の大気摩擦による温度上昇を赤外線で検知する赤外監視装置である。監視装置36は、飛翔体の発射時のプルームないし飛翔体本体の温度を検知する。赤外監視装置は赤外線監視装置ともいう。
あるいは、監視装置36は、光波ないし電波の情報収集装置でもよい。監視装置36は、物体を光学系で検知する装置でもよい。監視装置36は、観測衛星の軌道高度と異なる
高度を飛翔する物体を光学系で撮影する。具体的には、監視装置36は可視光学センサであってもよい。
図4の衛星30は、監視装置36と通信装置32を具備する監視衛星307の例である。監視衛星307は、複数の監視装置36を備えていてもよい。また、監視衛星307は、複数種類の監視装置36を備えていてもよい。
地上設備700は、全ての軌道面の多数衛星をプログラム制御する。地上設備700は、地上装置あるいは地上システムともいう。地上装置は、地上アンテナ装置、地上アンテナ装置に接続された通信装置、あるいは電子計算機といった地上局と、地上局にネットワークで接続されたサーバあるいは端末としての地上設備から構成される。また、地上装置には航空機、自走車両、あるいは移動端末といった移動体に搭載された通信装置を含んでも良い。
地上設備700、すなわち地上システムのハードウェア構成は、本開示の実施の形態で説明する対処地上センター、または、衛星統合指令センターと同様である。
解析予測部520は、衛星30の軌道を解析予測する。
軌道制御コマンド生成部510は、衛星30に送信する軌道制御コマンド55を生成する。
軌道制御コマンド生成部510および解析予測部520は、衛星コンステレーション形成部11の機能を実現する。すなわち、軌道制御コマンド生成部510および解析予測部520は、衛星コンステレーション形成部11の例である。
衛星30は、さらに、衛星コンステレーション20を形成する衛星コンステレーション形成部11bを備える。そして、複数の衛星の各衛星30の衛星コンステレーション形成部11bと、地上設備700の各々に備えられた衛星コンステレーション形成部11とが連携して、衛星コンステレーション形成システム600の機能を実現する。なお、衛星30の衛星コンステレーション形成部11bは、衛星制御装置31に備えられていてもよい。
宇宙物体情報には、宇宙物体を識別する宇宙物体ID(Identifier)と、軌道情報とが設定される。軌道情報には、予報軌道情報と実績軌道情報が含まれる。宇宙物体は例えば、衛星である。
予報軌道情報は、元期、軌道要素、予測誤差、情報提供事業装置ID、および情報更新日を含む。
予報軌道情報は、時刻、位置座標、計測誤差、情報提供事業装置ID、および情報更新日を含む。
衛星コンステレーション形成システム600、地上設備700、あるいは衛星30は、宇宙物体の軌道の予報値が設定された軌道予報情報を備える。
予報軌道要素は、複数の宇宙物体の各々の軌道を特定する軌道要素である。予報軌道要素は、複数の宇宙物体の各々の軌道について予報されている軌道要素である。図8では、予報軌道要素として、ケプラー軌道6要素が設定されている。
このように、軌道予報情報には、元期と軌道要素、あるいは、時刻と位置座標を含む宇宙物体の軌道情報が具備され、宇宙物体の近未来の予報値が明示的に示されている。
また、あるいは、衛星コンステレーション形成システム600、地上設備700、あるいは衛星30は、宇宙物体の軌道の実績値が設定された軌道実績情報を備えていてもよい。
***飛翔体追跡システム406の構成および機能概要***
図9は、本実施の形態に係る飛翔体対処システム401および飛翔体追跡システム406の構成例を示す図である。
なお、図9は、飛翔体対処システム401および飛翔体追跡システム406の一例であり、下記の機能を実現することができれば他の構成であってもよい。
飛翔体対処システム401は、衛星コンステレーション20と、地上システム810と、対処アセット801とにより構成される。
監視衛星307が飛翔体601の発射探知後に、近傍を飛翔する監視衛星群が当該飛翔体601の情報取得を継続するために、位置座標を伝達する必要がある。本実施の形態に係る飛翔体対処システム401によれば、近傍を通過する通信衛星308を経由して、監視衛星群に監視指令を与えることができる。
監視システム404は、監視装置と通信装置を具備する複数の監視衛星307を有する。
衛星情報伝送システム403は、通信装置を具備する複数の通信衛星308を有する。
対処システム405は、飛翔体601に対処する陸海空の対処アセット801を具備する。対処システム405は、対処地上センター802を経由して情報を受信してもよいし、地上システム810、監視衛星307、あるいは通信衛星308から情報を受信してもよい。
例えば、監視衛星307は、赤外監視装置により、飛翔体601の発射時プルームと、温度上昇して飛翔する飛翔体601とを、高温対象として検知する。そして、監視システム404は、飛翔体601に関する時刻情報と位置情報とを含む飛翔体情報を、衛星情報伝送システム403を経由して、対処システム405に伝送する。
第一の赤外監視装置は、飛翔体発射時に伴う高温噴霧を探知し、飛翔経路モデルの起点となす。
第二の赤外監視装置は、噴射終了後に温度上昇した飛翔体本体を宇宙背景で検知する。
図10は、本実施の形態に係る飛翔体追跡システム406の構成例1を示す図である。
図9および図10を用いて、飛翔体追跡システム406の構成例1について説明する。
飛翔体追跡システム406は、赤外監視装置361を具備する複数の監視衛星307で構成する衛星コンステレーション20と、地上システム810により構成される。飛翔体追跡システム406は、飛翔体601の発射探知と追跡をして、飛翔体の飛翔経路を予測する。
地上システム810の構成についても、上述した構成については省略する。
赤外監視装置361は、複数の波長帯の飛翔体情報461を取得する。
解析装置812は、複数波長の構成比率により飛翔体推薬または飛翔体の種別を同定し、間欠的になされる噴射回数と噴射時間、および噴射から噴射までの時間インターバルにより飛翔体噴射パターンを同定し、機械学習の結果を用いて、飛翔体の飛翔予測距離462を導出する。具体的には、解析装置812は、新規の飛翔体について、飛翔体推薬または飛翔体の種別を同定し、飛翔体噴射パターンを同定し、機械学習により得られた飛翔経路モデルを用いて、飛翔体の飛翔予測距離462を導出する。
図11は、本実施の形態に係る飛翔体追跡システム406の構成例2を示す図である。
図9および図11を用いて、飛翔体追跡システム406の構成例2について説明する。
地上システム810の構成についても、上述した構成については省略する。
赤外監視装置361は、検出装置362と、データベース811と、解析装置812を具備する。
検出装置362、データベース811、および解析装置812の機能は、飛翔体追跡システム406の構成例1で説明したものと同様である。
赤外監視装置361は、複数の波長帯の飛翔体情報461を取得する。
解析装置812は、複数波長の構成比率により飛翔体推薬または飛翔体の種別を同定し、間欠的になされる噴射回数と噴射時間、および噴射から噴射までの時間インターバルにより飛翔体噴射パターンを同定し、機械学習の結果を用いて、飛翔体の飛翔予測距離462を導出する。
飛翔予測距離462は、例えば、通信衛星308を介して地上システム810に送信される。
<<飛翔体の飛翔予測距離の予測方法>>
飛翔体追跡システム406の構成例1または構成例2による飛翔経路予測方法における飛翔体の飛翔予測距離の予測方法について説明する。
飛翔体追跡システム406では、以下の飛翔経路予測方法が実施される。
赤外監視装置361が、発射された飛翔体601について、複数の波長帯の飛翔体情報461を取得する。
解析装置812が、複数波長の構成比率により飛翔体推薬または飛翔体種別を同定し、間欠的になされる噴射回数と噴射時間、および噴射から噴射までの時間インターバルにより飛翔体噴射パターンを同定し、機械学習の結果を用いて、飛翔体601の飛翔予測距離462を導出する。具体的には、解析装置812は、新規の飛翔体について、飛翔体推薬または飛翔体の種別を同定し、飛翔体噴射パターンを同定し、機械学習により得られた飛翔経路モデルを用いて、飛翔体の飛翔予測距離462を導出する。
飛翔体追跡システム406の構成例1による飛翔経路予測方法における、飛翔体の着弾位置463の予測方法について説明する。
飛翔経路モデル111は、モデルとなる飛翔体の飛翔経路を表すデータであり、モデル識別子と飛翔高度プロファイルとを含む。
複数の飛翔経路モデルは、互いに異なるモデル識別子と、互いに異なる飛翔経路を表す飛翔高度プロファイルと、を含む。
飛翔高度プロファイルは、発射位置と飛翔方向と時系列飛翔距離と時系列飛翔高度との関係を示して飛翔経路を表す。
時系列飛翔距離は、各経過時間における飛翔距離である。
時系列飛翔高度は、各経過時間における飛翔高度である。
飛翔体追跡システム406の構成例1による飛翔経路予測方法における、飛翔体の飛翔経路464の予測方法について説明する。
地上システム810は、上記飛翔体監視情報を解析することにより、前記複数の飛翔経路モデル111のなかから適合しない飛翔経路モデル111を除外する。
また、地上システム810は、次の後続監視衛星の計測した飛翔体監視情報を解析することにより、前記複数の飛翔経路モデル111のなかから適合しない飛翔経路モデル111を除外する処理を繰り返し実施する。
地上システム810は、除外されずに残った飛翔経路モデル111を、暫定飛翔経路予測モデルと決定する。そして、地上システム810は、前記飛翔体の前記発射探知情報を検出した前記監視衛星に後続する複数の後続監視衛星の計測した飛翔体監視情報に基づき、暫定飛翔経路モデルからの逸脱量を補正して、前記飛翔体の着弾までの飛翔経路464を予測する。
図13は、本実施の形態に係る飛翔体種別と飛翔距離の実績を示す図である。
図14は、本実施の形態に係る第1種別の飛翔体における噴射パターンのプロファイル例を示す図である。
図15は、本実施の形態に係る第2種別の飛翔体における噴射パターンのプロファイル例を示す図である。
図16は、本実施の形態に係る第3種別の飛翔体における噴射パターンのプロファイル例を示す図である。
このように、推薬の種別は通常噴射プルームの波長プロファイルの相違として識別が可能であり、複数の赤外波長情報から波長構成比率を評価することで、推薬の種別の同定が可能である。
データベース811には、各飛翔体において、過去に発射された飛翔体の間欠的噴射回数と噴射から噴射までの時間インターバルにより構成される噴射パターン情報、および着弾までの飛翔距離が記録されている。
解析装置812は、飛翔体ないし推薬の種別と噴射パターンを機械学習する。そして、解析装置812では、新規に取得した飛翔体601の複数の波長帯の飛翔体情報と噴射パターンを、過去データと照合することにより、飛翔体601の飛翔予測距離が推定可能となる。
飛翔体の発射手段として移動式発射装置(TEL:transporter erector launcher)を採用する場合は発射位置座標が不確定となる。しかし、着弾位置までの飛翔距離が長い場合には飛翔経路モデルの許容誤差範囲として扱うことが可能である。
赤外監視装置が複数の波長帯を検知して、発射探知した際のプルームと呼ばれる噴霧の波長構成に基づき、推薬の種別を分析し、また予め収集した発射設備の位置座標情報と、当該発射自装置から発射される飛翔体の種別情報に基づき、飛翔体の種別を予測する。
また、飛翔体追跡システム406では、後続する監視衛星による複数回の追跡監視した飛翔体情報に基づき間欠噴射の有無および噴射から次の噴射までの時間インターバルを分析することにより、飛翔体の種別を類推する。推薬種別あるいは飛翔体種別を類推することにより、短距離、中距離、あるいは長距離といった飛翔距離を正確に類推可能となる。
また、通常、飛翔体情報を予め正確に把握することが難しい。しかし、複数回の飛翔体追跡実績に基づく飛翔体情報を人工知能による機械学習により、上記の波長特性と推薬、飛翔体種別、間欠的噴射有無と噴射インターバル、および飛翔距離の相関関係を統計的に収集分析することにより、迅速かつ正確な分析が可能となる。
図17は、本実施の形態に係る教師モデルである飛翔経路モデルの例を示すイメージ図である。
図18は、図17の発射位置座標と飛翔方向のモデル例を示す図である。
図19は、本実施の形態に係る飛翔経路予測と着地(着弾)位置の推定を示すイメージ図である。
図17において、噴射プルームの波長特性のモデル例は、例えば、図12の推薬の種別による噴射プルームの輝度分布により表される。発射位置座標と飛翔方向のモデル例は、例えば、図18により表される。また、時系列飛翔距離のモデル例は、図14から図16に示す飛翔体の種別ごとの噴射パターンのプロファイル例により表される。
予め飛翔体種別、推薬種別、典型的な複数パターンの飛翔モデルを教師モデルとして学習させることにより、発射探知して軌道情報を取得した実測データの推論が、容易かつ迅速になる。推論の結果として、飛翔経路予測と着地位置の推定を実施する。
図21は、本実施の形態に係る飛翔体追跡システム406による飛翔経路予測方法の例を示す模式図である。
図22は、図20の実測データの具体的なイメージ図である。
図24は、図23の飛翔体追跡実績の具体的なイメージ図である。
例えば固定ポイントから発射された飛翔体と移動ポイントから発射された飛翔体との飛翔経路モデルが相違する場合、ディープラーニングにより実測データの機械学習を行うことで、飛翔経路モデルを補完するのが有効である。
ここで、衛星コンステレーション20を形成する衛星コンステレーション形成システム600、地上設備700、地上システム810、あるいは各衛星30といった各装置のコンピュータが備えるハードウェアについて説明する。例えば、図2に記載の地上設備700を用いて説明する。
プロセッサ910は、演算処理を行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ910の具体例は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
補助記憶装置922は、データを保管する記憶装置である。補助記憶装置922の具体例は、HDDである。また、補助記憶装置922は、SD(登録商標)メモリカード、CF、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVDといった可搬の記憶媒体であってもよい。なお、HDDは、Hard Disk Driveの略語である。SD(登録商標)は、Secure Digitalの略語である。CFは、CompactFlash(登録商標)の略語である。DVDは、Digital Versatile Diskの略語である。
出力インタフェース940は、ディスプレイといった表示機器941のケーブルが接続されるポートである。出力インタフェース940は、具体的には、USB端子またはHDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)端子である。ディスプレイは、具体的には、LCD(Liquid Crystal Display)である。
すなわち、実施の形態1では、実施の形態1のいずれかの部分の自由な組み合わせ、あるいは任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態1において任意の構成要素の省略が可能である。
Claims (7)
- 赤外監視装置を具備する複数の監視衛星で構成する衛星コンステレーションと地上システムとにより構成され、飛翔体の発射探知と追跡をする飛翔体追跡システムにおいて、
上記赤外監視装置は、複数の波長帯を同時に検知する検出装置を具備し、
上記地上システムは、
飛翔体の噴射するプルームの波長特性と噴射パターンと飛翔距離の相関関係、および過去に打ち上げられた飛翔体の飛翔経路を記録したデータベースと、
上記データベースに記載されたデータを人工知能により機械学習し、新規に取得した飛翔体情報から波長特性と噴射パターンを認識して飛翔予測距離を導出する解析装置とを具備し、
上記赤外監視装置が、複数の波長帯の飛翔体情報を取得し、
上記解析装置が、複数波長の構成比率により飛翔体推薬または飛翔体の種別を同定し、間欠的になされる噴射回数と噴射時間、および噴射から噴射までの時間インターバルにより飛翔体噴射パターンを同定し、機械学習の結果を用いて、飛翔体の飛翔予測距離を導出する
飛翔体追跡システム。 - 赤外監視装置を具備する複数の監視衛星で構成する衛星コンステレーションと地上システムとにより構成され、飛翔体の発射探知と追跡をする飛翔体追跡システムにおいて、
上記赤外監視装置は複数の波長帯を同時に検知する検出装置と、
飛翔体の噴射するプルームの波長特性と噴射パターンと飛翔距離の相関関係、および過去に打ち上げられた飛翔体の飛翔経路を記録したデータベースと、
上記データベースに記載されたデータを人工知能により機械学習し、新規に取得した飛翔体情報から波長特性と噴射パターンを認識して飛翔予測距離を導出する解析装置とを具備し、
上記赤外監視装置が、複数の波長帯の飛翔体情報を取得し、
上記解析装置が、複数波長の構成比率により飛翔体推薬または飛翔体種別を同定し、間欠的になされる噴射回数と噴射時間、および噴射から噴射までの時間インターバルにより飛翔体噴射パターンを同定し、機械学習の結果を用いて、飛翔体の飛翔予測距離を導出する
飛翔体追跡システム。 - 赤外監視装置を具備する複数の監視衛星で構成する衛星コンステレーションと地上システムにより構成され、飛翔体の発射探知と追跡をして飛翔体の飛翔経路を予測する飛翔体追跡システムに用いられる飛翔経路予測方法であって、
上記赤外監視装置は、複数の波長帯を同時に検知する検出装置を具備し、
上記地上システムまたは監視衛星のいずれかが、
飛翔体の噴射するプルームの波長特性と噴射パターンと飛翔距離の相関関係、および過去に打ち上げられた飛翔体の飛翔経路を記録したデータベースと、
上記データベースに記載されたデータを人工知能により機械学習し、新規に取得した飛翔体情報から波長特性と噴射パターンを認識して飛翔予測距離を導出する解析装置を具備し、
上記赤外監視装置が、複数の波長帯の飛翔体情報を取得し、
上記解析装置が、
複数波長の構成比率により飛翔体推薬または飛翔体種別を同定し、間欠的になされる噴射回数と噴射時間、および噴射から噴射までの時間インターバルにより飛翔体噴射パターンを同定し、機械学習の結果を用いて、飛翔体の飛翔予測距離を導出する
飛翔経路予測方法。 - 前記データベースが、飛翔体の発射位置座標と飛翔方向、飛翔体の発射から着弾までの時系列飛翔距離、および飛翔高度プロファイル、から構成される飛翔経路をモデル化した複数の飛翔経路モデルを格納し、
前記監視衛星が、
飛翔体の発射を探知した後に、位置座標が既知である監視衛星から発射探知した視線ベクトルと地表面の交点として導出した発射位置座標を起点として、予めデータベースに登録した複数の飛翔経路モデルの中から、当該飛翔体の飛翔経路に適合する飛翔経路モデルを選択し、飛翔体の着弾位置を予測する請求項3記載の飛翔経路予測方法。 - 赤外監視装置を具備する複数の監視衛星を備える衛星コンステレーションの監視衛星により取得された飛翔体監視情報を、地上システムで解析し、飛翔体の飛翔経路を予測する飛翔経路予測方法であって、
前記地上システムは、
飛翔体の発射位置座標と飛翔方向、飛翔体の発射から着弾までの時系列飛翔距離、および飛翔高度プロファイルを含む、飛翔体についてのモデル化された複数の飛翔経路である複数の飛翔経路モデルを格納したデータベースを具備し、
前記地上システムは、
前記監視衛星の前記赤外監視装置が検出した前記飛翔体の発射探知情報を起点として、前記複数の飛翔経路モデルを使って、後続監視衛星の具備する赤外監視装置で計測した発射探知後の経過時間と、前記飛翔体の飛翔距離と、前記飛翔体の飛翔高度とを含む前記後続監視衛星の計測した飛翔体監視情報を解析して、前記複数の飛翔経路モデルのなかから適合しない飛翔経路モデルを除外し、
次の後続監視衛星の計測した飛翔体監視情報を解析することにより、前記複数の飛翔経路モデルのなかから適合しない飛翔経路モデルを除外する処理を繰り返し実施し、除外されずに残った飛翔経路モデルを、暫定飛翔経路予測モデルと決定し、
前記飛翔体の前記発射探知情報を検出した前記監視衛星に後続する複数の後続監視衛星の計測した飛翔体監視情報に基づき、暫定飛翔経路モデルからの逸脱量を補正して、前記飛翔体の着弾までの飛翔経路を予測する
飛翔経路予測方法。 - 人工知能による機械学習を実現するアルゴリズムを搭載する解析装置を具備し、
請求項3に記載の飛翔経路予測方法により飛翔体の飛翔予測距離を導出する監視衛星。 - 人工知能による機械学習を実現するアルゴリズムを搭載する解析装置を具備し、
請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の飛翔経路予測方法により飛翔体の飛翔経路を予測する地上設備。
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