JP2024045779A - 飛翔経路予測装置、対処アセット選択装置、赤道上空衛星システム、極軌道衛星システムおよび監視衛星 - Google Patents

飛翔経路予測装置、対処アセット選択装置、赤道上空衛星システム、極軌道衛星システムおよび監視衛星 Download PDF

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Abstract

【課題】監視装置を具備した監視衛星群を有する監視システムと通信衛星群により通信網を形成する衛星情報伝送システムとを利用して飛翔体発射を探知して対処システムに飛翔体情報を準リアルタイムで伝送するとともに、飛翔体に迅速かつ精度よく対処可能な、飛翔体対処システムの提供を目的とする。【解決手段】監視システム310の監視衛星100は、飛翔体520を監視して生成した飛翔体情報を、通信システムの通信衛星200を経由して対処システム330に伝送する。防衛情報統合センター350は、衛星情報の通信ルート探索装置470と、飛翔体の飛翔経路を予測する飛翔経路予測装置490と、対処アセット選択装置333とを備える。防衛情報統合センター350は、監視システム310の有する監視衛星群と、通信システム320の有する通信衛星群と、対処アセット332に、指令コマンドを送信する。【選択図】図1

Description

本開示は、飛翔体対処システム、防衛情報統合センター、通信ルート探索装置、飛翔経路予測装置、対処アセット選択装置、赤道上空衛星システム、極軌道衛星システムおよび監視衛星に関する。
近年、超音速で滑空する飛翔体の登場により、飛翔体の打上げ検知、飛行経路追跡、あるいは着地位置の予測といった衛星による監視が期待されている。滑空段階の飛翔体を検知して追跡する手段として、飛翔体が大気圏に侵入する時の大気摩擦による温度上昇を赤外線で検知することが有望視されている。また、滑空段階の飛翔体を赤外線で検知する手段は、低軌道周回衛星群から監視することが有望と考えられている。
特許文献1は、低軌道を周回する少ない衛星機数で地球全球面内における特定緯度の地域を網羅的に監視するための監視衛星について開示している。
特開2008-137439号公報
低軌道からの監視では、静止軌道からの監視と比較して、人工衛星から飛翔体までの距離が近距離となる。そのため、赤外線による検知性能を高めること-が可能となる。LEO衛星により常時監視および通信回線維持のためには膨大な数の衛星が必要となり、さらに地球固定座標系に対してほぼ固定して見える静止衛星とは異なり、LEO衛星は時々刻々飛翔位置が移動するため、赤外監視装置を具備した監視装置と、通信衛星群の構成およびデータ伝送方法が課題となる。
本開示は、監視装置を具備した監視衛星群を有する監視システムと通信衛星群により通信網を形成する衛星情報伝送システムとを利用して飛翔体発射を探知して対処システムに飛翔体情報を準リアルタイムで伝送するとともに飛翔体に迅速かつ精度よく対処可能な、飛翔体対処システムの提供を目的とする。
本開示に係る飛翔経路予測装置は、
監視装置と通信装置を備える複数の監視衛星を備える監視システムと、
通信装置を備える複数の通信衛星を備える通信システムと、
陸上と、海上と、空中との少なくともいずれかに位置して、飛翔体に対処する対処アセットを備える対処システムと、
を備え、
前記監視システムは、
前記飛翔体を監視して生成した飛翔体情報を、前記通信システムを経由して前記対処システムに伝送する飛翔体対処システムであって、
前記飛翔体対処システムは、
衛星情報の通信ルート探索装置と、飛翔体の飛翔経路を予測する飛翔経路予測装置と、対処アセット選択装置とを備える防衛情報統合センターを有し、
前記通信ルート探索装置は、
通信開始時刻と位置座標、及び前記飛翔体情報を伝送する伝送先の相手の位置座標を入力条件として、
前記飛翔体情報を伝送する通信衛星ID及び監視衛星IDを数珠繋ぎにした最適ルートを探索し、前記最適ルートをなす前記通信衛星ID及び前記監視衛星IDからなる一連の衛星IDと、前記一連の衛星IDのうちの前記衛星IDを持つ前記通信衛星と前記監視衛星とのいずれかの衛星が前記一連の衛星IDにおける次の前記衛星IDを持つ前記通信衛星と前記監視衛星とのいずれかの衛星に前記飛翔体情報を伝送する予報時刻とを列挙したリストと、
前記通信衛星IDを持つ通信衛星群に通信指令を与えるコマンドと、
を生成物とし、
最短時間で前記飛翔体情報を伝送する前記最適ルートを探索し、
前記防衛情報統合センターは、
前記監視システムの有する監視衛星群と、前記通信システムの有する通信衛星群と、前記対処アセットに、指令コマンドを送信し、
前記飛翔経路予測装置は、
前記監視システムから受信する前記飛翔体情報の時系列位置情報の推移に基づき、将来の時刻と位置情報とを含む飛翔経路予測情報を生成する。
本開示に係る飛翔体対処システムによれば、対処システムに飛翔体情報を準リアルタイムで伝送することができる。また本開示に係る飛翔体対処システムによれば、飛翔体に迅速かつ精度よく対処可能となる。
実施の形態1の図で、飛翔体対処システム1000のシステム構成を示す図。 実施の形態1の図で、衛星コンステレーション形成システム600の構成を示す図。 実施の形態1の図で、衛星コンステレーション形成システム600の衛星620の構成の一例を示す図。 実施の形態1の図で、衛星コンステレーション形成システム600の衛星620の構成を示す別の図。 実施の形態1の図で、極域以外で交差する複数の軌道面を有する衛星コンステレーション610の例を示す図。 実施の形態1の図で、防衛情報統合センター350から対処システム330への情報伝送を示す図。 実施の形態1の図で、監視衛星Aの計測した飛翔体情報の対処システム330への伝送を示す図。 実施の形態1の図で、監視衛星Bの計測した飛翔体情報の対処システム330への伝送を示す図。 実施の形態1の図で、監視衛星Cの計測した飛翔体情報の対処システム330への伝送を示す図。 実施の形態1の図で、監視衛星N+1の計測した飛翔体情報の対処システム330への伝送を示す図。 実施の形態1の図で、飛翔経路予測装置490を説明する図。 実施の形態1の図で、対処アセット選択装置333を説明する図。 実施の形態1の図で、防衛情報統合センター350の有する通信ルート探索装置470を示す図。 実施の形態1の図で、防衛情報統合センター350の有する通信ルート探索装置470を示す図。 実施の形態1の図で、防衛情報統合センター350の有する通信ルート探索装置470を示す図。 実施の形態1の図で、飛翔経路予測装置490の処理を示す図。 実施の形態1の図で、飛翔経路予測装置490の処理を示す図。
実施の形態の説明および図面において、同じ要素および対応する要素には同じ符号を付している。同じ符号が付された要素の説明は、適宜に省略または簡略化する。以下の実施の形態では、「部」を、「回路」、「工程」、「手順」、「処理」または「サーキットリ」に適宜読み替えてもよい。
実施の形態1.
図1は、飛翔体対処システム1000の構成例を示す。飛翔体対処システム1000は、監視システム310と、通信システム320と、対処システム330を備える。監視システム310は、監視装置と通信装置を具備する複数の監視衛星100を有する。通信システム320は、通信装置を具備する複数の通信衛星200を有する。対処システム330は、陸上と、海上と、空中との少なくともいずれかに位置して、飛翔体に対処する1以上の対処アセット332を備える。図1では対処システム330は2つの対処アセット332を備えている。
飛翔体対処システム1000では、監視システム310の監視衛星100が飛翔体520を監視して生成した飛翔体情報を通信システム320の通信衛星200に伝送し、通信システム320が対処システム330に飛翔体情報を伝送する。
図1に示すように、飛翔体対処システム1000は、衛星情報の通信ルート探索装置470と、飛翔体の飛翔経路を予測する飛翔経路予測装置490と、対処アセット選択装置333とを備える防衛情報統合センター350を備えている。防衛情報統合センター350は、監視システム310の有する監視衛星群と、通信システム320の有する通信衛星群と、対処アセット332に、指令コマンドを送信する。
図2から図4を用いて、衛星コンステレーション610を形成する衛星コンステレーション形成システム600における衛星620と地上設備700の例について説明する。衛星コンステレーション形成システム600は、単に衛星コンステレーションと呼ばれることがある。
図2は、衛星コンステレーション形成システム600の構成例である。衛星コンステレーション形成システム600は、コンピュータを備える。図2では、1つのコンピュータの構成を示しているが、実際には、衛星コンステレーション610を構成する複数の衛星の各衛星620、および、衛星620と通信する地上設備700の各々にコンピュータが備えられる。そして、複数の衛星の各衛星620、および、衛星620と通信する地上設備700の各々に備えられたコンピュータが連携して、衛星コンステレーション形成システム600の機能を実現する。以下において、衛星コンステレーション形成システム600の機能を実現するコンピュータの構成の一例について説明する。
衛星コンステレーション形成システム600は、衛星620と地上設備700を備える。衛星620は、地上設備700の通信装置950と通信する通信装置622を備える。図2では、衛星620が備える構成のうち通信装置622を図示している。
衛星コンステレーション形成システム600は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
衛星コンステレーション形成システム600は、機能要素として、衛星コンステレーション形成部911を備える。衛星コンステレーション形成部911の機能は、ハードウェアあるいはソフトウェアにより実現される。衛星コンステレーション形成部911は、衛星620と通信しながら衛星コンステレーション610の形成を制御する。
図3は、衛星コンステレーション形成システム600の衛星620の構成の一例である。衛星620は、衛星制御装置621と通信装置622と推進装置623と姿勢制御装置624と電源装置625とを備える。その他、各種の機能を実現する構成要素を備えていてもよいが、図3では、衛星制御装置621と通信装置622と推進装置623と姿勢制御装置624と電源装置625について説明する。図3の衛星620は、通信装置622を具備する通信衛星200の例である。
衛星制御装置621は、推進装置623と姿勢制御装置624とを制御するコンピュータであり、処理回路を備える。具体的には、衛星制御装置621は、地上設備700から送信される各種コマンドにしたがって、推進装置623と姿勢制御装置624とを制御する。
通信装置622は、地上設備700と通信する装置である。あるいは、通信装置622は、同一軌道面の前後の衛星620、あるいは、隣接する軌道面の衛星620と通信する装置である。具体的には、通信装置622は、自衛星に関する各種データを地上設備700あるいは他の衛星620へ送信する。また、通信装置622は、地上設備700から送信される各種コマンドを受信する。推進装置623、衛星620に推進力を与える装置であり、衛星620の速度を変化させる。姿勢制御装置624は、衛星620の姿勢と衛星620の角速度と視線方向(Line Of Sight)といった姿勢要素を制御するための装置である。姿勢制御装置624は、各姿勢要素を所望の方向に変化させる。もしくは、姿勢制御装置624は、各姿勢要素を所望の方向に維持する。姿勢制御装置624は、姿勢センサとアクチュエータとコントローラとを備える。姿勢センサは、ジャイロスコープ、地球センサ、太陽センサ、スター・トラッカ、スラスタおよび磁気センサといった装置である。アクチュエータは、姿勢制御スラスタ、モーメンタムホイール、リアクションホイールおよびコントロール・モーメント・ジャイロといった装置である。コントローラは、姿勢センサの計測データまたは地上設備700からの各種コマンドにしたがって、アクチュエータを制御する。電源装置625は、太陽電池、バッテリおよび電力制御装置といった機器を備え、衛星620に搭載される各機器に電力を供給する。
衛星制御装置621に備わる処理回路について説明する。処理回路は、専用のハードウェアであってもよいし、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサであってもよい。処理回路において、一部の機能が専用のハードウェアで実現されて、残りの機能がソフトウェアまたはファームウェアで実現されてもよい。つまり、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらの組み合わせで実現することができる。専用のハードウェアは、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGAまたはこれらの組み合わせである。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略称である。FPGAは、Field Programmable Gate Arrayの略称である。
図4は、衛星コンステレーション形成システム600の衛星620の構成の別例である。図4の衛星620では、図3の構成に加え、監視装置626を備える。監視装置626は、物体を監視する装置である。具体的には、監視装置626は、宇宙物体、飛翔体、あるいは陸海空の移動体といった物体を監視あるいは観測するための装置である。監視装置36は、観測装置ともいう。例えば、監視装置626は、飛翔体が大気圏に侵入する時の大気摩擦による温度上昇を赤外線で検知する赤外線監視装置である。監視装置626は、飛翔体の発射時のプルームないし飛翔体本体の温度を検知する。あるいは、監視装置626は、光波ないし電波の情報収集装置でもよい。監視装置626は、物体を光学系で検知する装置でもよい。監視装置626は、観測衛星の軌道高度と異なる高度を飛翔する物体を光学系で撮影する。具体的には、監視装置626は可視光学センサであってもよい。図4の衛星620は、監視装置626と通信装置622を具備する監視衛星100の例である。監視衛星100は、複数の監視装置626を備えていてもよい。また、監視衛星100は、複数種類の監視装置を備えていてもよい。
<衛星コンステレーションの形成方法>
衛星コンステレーション形成システム600が形成する衛星コンステレーション610を説明する。衛星コンステレーション610は地上設備700が衛星620を制御することによって形成される。
図5は、衛星コンステレーション610の一例として、極域以外で交差する複数の軌道面を有する衛星コンステレーション610の例を示す図である。監視システム310および通信システム320は、衛星コンステレーション610として形成される。図5の衛星コンステレーション610では、軌道は傾斜軌道である。
監視システム310は赤外線監視装置を具備する1以上の監視衛星100を有する。監視衛星100は、赤外線監視装置に、図1に示す飛翔体520の発射時プルームと、温度上昇して飛翔する飛翔体520とを、高温対象として検知させる。監視衛星100は、赤外線監視装置が高温対象を検知した検知時刻と、赤外線監視装置を備える監視衛星100の位置を示す位置情報と飛翔体の位置を示す位置情報との少なくともいずれかの位置情報とを含む情報を、飛翔体情報として送信する。
通信システム320の具備する複数の通信衛星00は、搭載する通信装置で、クロスリンクして通信網を形成する。
図6は、防衛情報統合センター350から対処システム330への情報伝送を示す図である。図6に示したように、防衛情報統合センター350は、通信ルート探索装置470を用いて、情報伝送をする最短ルートの通信経路を探索して、探索された通信経路を構成する通信衛星200に情報伝送指令を送信する。
図7は、監視衛星Aの計測した飛翔体情報を、通信衛星200を介して対処システム330に伝送する図である。図7を参照する。防衛情報統合センター350は、監視システム310の有する監視衛星Aが飛翔体520の発射探知をした後に、監視衛星Aの送信した発射探知情報を、通信衛星200を介して取得する。
防衛情報統合センター350は、通信システム320の通信衛星200を介して、対処システム330に対して、飛翔体520の発射探知時刻と、飛翔体と監視衛星Aとの少なくともいずれかの位置を示す位置情報とを含む情報を、飛翔体情報として伝送する。この場合、防衛情報統合センター350は、通信システム320を介して、飛翔体情報を対処システム330に伝送できる。
図7を参照する。防衛情報統合センター350は、通信ルート探索装置470を使用することにより、監視衛星Aが飛翔体情報を発した位置座標から対処システム330の位置座標までの通信衛星群の形成する通信網の最短ルートの探索を実施して、最短ルートの通信経路にある通信衛星群に情報伝送指令を送信する。
また、防衛情報統合センター350は、対処システム330に対して、飛翔体の発射探知時刻と、監視衛星Aの位置を示す位置情報と飛翔体の発射地点位置を示す位置情報との少なくともいずれかの位置情報とを含む情報を、飛翔体情報として伝送する。
図8は、監視衛星Bの計測した飛翔体情報を、通信衛星200を介して対処システム330に伝送する図である。図8を参照する。
防衛情報統合センター350は、飛翔体発射後に監視衛星Aの周辺を飛翔する監視衛星群に対して、通信システム320を経由して防衛センター側飛翔体情報を送信する。防衛情報統合センター350は、通信ルート探索装置470により、監視衛星Bの位置情報の示す位置座標から、対処システム330の位置座標までの通信衛星群による通信網の最短ルートの探索を実施して、最短ルートの通信経路にある通信衛星群に情報伝送指令を送信する。
防衛情報統合センター350は、通信システム320の通信衛星200を介して、対処システム330に対して、
(1)高温対象の検知時刻、
(2)検知時刻における監視衛星Bの位置を示す位置座標、
(3)監視衛星Bの検知に基づく輝度情報、
を飛翔体情報として伝送する。
図9は、監視衛星Cの計測した飛翔体情報を、通信衛星200を介して対処システム330に伝送する図である。図9を参照する。防衛情報統合センター350は、監視衛星Bの近傍を飛翔する監視衛星群に対して、通信システム320の通信衛星を経由して、防衛センター側飛翔体情報を送信する。防衛情報統合センター350は、監視衛星Cが高温対象を検知した場合に、通信ルート探索装置470により、監視衛星Cの位置座標から対処システム330の位置座標までの通信網の最短ルートの探索を実施して、最短ルートの通信経路にある通信衛星群に情報伝送指令を送信する。そして、防衛情報統合センター350は、通信システム320の通信衛星200を介して、対処システム330に対して、監視衛星による高温対象の検知時刻と、検知時刻における監視衛星Cの位置を示す位置座標と、監視衛星Cの検知に基づく輝度情報を、飛翔体情報として伝送する。
図10は、監視衛星N+1の計測した飛翔体情報を、通信衛星200を介して対処システム330に伝送する図である。図10を参照する。
防衛情報統合センター350は、監視衛星Nの近傍を飛翔する監視衛星群に対して、通信システム320の通信衛星を経由して、防衛センター側飛翔体情報を送信する。防衛情報統合センター350は、監視衛星N+1が高温対象を検知した場合に、通信ルート探索装置470により、監視衛星N+1の位置座標から対処アセット332の位置座標までの通信網の最短ルート探索を実施して、最短ルートの通信経路にある通信衛星群に情報伝送指令を送信する。そして、防衛情報統合センター350は、通信システム320の通信衛星200を介して、
対処システム330に対して、
(1)監視衛星N+1による高温対象の検知時刻、
(2)検知時刻における監視衛星N+1の位置を示す位置座標、
(3)監視衛星N+1の検知に基づく輝度情報、
を飛翔体情報として伝送する。
図11は、飛翔経路予測装置490を説明する図である。図11を参照する。飛翔経路予測装置490は、通信システム20の通信衛星200を介して監視衛星100から受信する飛翔体情報の時系列位置情報の推移に基づき、将来の時刻と位置情報により構成される飛翔経路予測情報を生成する。
図12は、対処アセット選択装置333を説明する図である。図12を参照する。図12に示すように、対処システム330は、複数の対処アセット332を備えている。対処アセット選択装置333は、飛翔経路予測装置490の生成した飛行経路予測情報に基づき、飛翔体が通過する、あるいは到達すると予測される位置座標の近傍にある対処アセット332を選択して、選択した対処アセット332に対処行動の指令信号を送信する。対処アセット選択装置333から、対処アセット332への指令信号の伝送経路は、通信システム320の通信衛星200を経由してもよいし、地上回線でもよい。
なお、防衛情報統合センター350の有する飛翔経路予測装置490が、飛翔体情報の時系列位置情報の推移に基づき、将来の時刻と位置情報とを含む飛翔経路予測情報を生成するとともに、監視衛星Aが発射探知情報を送信した後に、高温対象を検知した監視衛星Bと、監視衛星Cと、監視衛星Nと、監視衛星N+1との何れかの監視衛星が高温対象を検知した場合に、高温対象を検知した監視衛星の位置座標により、位置座標により飛翔体の移動方向を予測して、飛翔経路予測情報を生成する構成でもよい。
図12を参照する。対処アセット選択装置333が、位置座標の異なる複数の対処アセット332の中から、飛翔経路予測装置490の生成した飛行経路予測情報の近傍に位置する対処アセット332を選択する。防衛情報統合センター350が対処アセット332に対して飛翔体情報と対処行動指令を伝送する。
図13は、防衛情報統合センター350の有する通信ルート探索装置470を示す。図13を参照する。通信ルート探索装置470は、
(1)通開始時刻、
(2)位置座標、
及び
(3)飛翔体情報を伝送する伝送先の相手の位置座標、
を入力条件とする。
通信ルート探索装置470は、飛翔体情報を伝送する衛星IDを数珠繋ぎにした最適ルートを探索し、一連の衛星IDと当該衛星が次の衛星に飛翔体情報を伝送する予報時刻を列挙したリストと、当該通信衛星群に通信指令を与えるコマンドを生成物とする。
通信ルート探索装置470は、
(1)通信衛星飛翔位置の計画軌道に対する実軌道の予測誤差、
(2)特定位置座標を通過する予測時刻誤差、
(3)情報伝送に起因する遅延、
(4)予測誤差及び遅延時間に伴う衛星移動距離、
(5)衛星移動に伴う近傍通過衛星の相対位置変化、
をルート探索の解析対象に含めて、最短時間で飛翔体情報を伝送する最適ルートを探索する。
図14は、防衛情報統合センター350の有する通信ルート探索装置470を示す。図14を参照する。通信ルート探索装置470は、監視衛星の発射探知信号を通信開始指令として、
(1)発射探知信号を発した監視衛星の位置座標、
(2)飛翔体発射を探知した位置座標、
(3)及び監視衛星の視野変更範囲を入力条件とする。
通信ルート探索装置470は、飛翔体情報を伝送する衛星IDを数珠繋ぎにした最適ルートを探索し、一連の衛星IDと当該衛星が次の衛星に飛翔体情報を伝送する予報時刻を列挙したリストと、当該通信衛星群に通信指令を与えるコマンドを生成物とする。
通信ルート探索装置470は、視野変更を含めて飛翔体発射地点近傍を監視可能な近傍通過監視衛星IDを探索して、飛翔体情報伝送時刻と監視衛星ID、及び当該監視IDに飛翔体情報を伝送するまでの最適ルート探索を実施する。
図15は、防衛情報統合センター350の有する通信ルート探索装置470を示す。図15を参照する。通信ルート探索装置470は、監視衛星の発射探知信号を通信開始指令として、
(1)発射探知信号を発した監視衛星の位置座標、
(2)飛翔体発射を探知した位置座標、
(3)監視衛星の視野変更範囲、
(4)及び過去に飛翔体情報を伝送した近傍通過監視衛星の中で、高温検知信号を発した監視衛星の位置座標、
(5)高温物体を検知した位置座標、
(6)監視衛星の視野変更範囲を入力条件とする。
通信ルート探索装置470は、飛翔体情報を伝送する衛星IDを数珠繋ぎにした最適ルートを探索し、一連の衛星IDと当該衛星が次の衛星に飛翔体情報を伝送する予報時刻を列挙したリストと、当該通信衛星群に通信指令を与えるコマンドを生成物とする。通信ルート探索装置470は、視野変更を含めて高温物体検知位置の近傍を監視可能な近傍通過監視衛星IDを探索して、飛翔体情報伝送時刻と監視衛星ID、及び当該監視IDに飛翔体情報を伝送するまでの最適ルート探索を実施する。
図16は、飛翔経路予測装置490の処理を示す。図16を参照する。監視システム310における、複数の監視装置を具備する監視衛星100は、有意な高温対象を検出した場合に、通信システム320を経由して防衛情報統合センター350に、検知した時刻情報と、監視衛星IDと、監視装置IDと、監視データを、飛翔体情報として伝送する。防衛情報統合センター350の具備する飛翔経路予測装置490が、飛翔体情報における検知時刻における当該IDの監視衛星の位置情報と、進行方向と、当該IDの監視装置の視線方向を導出し、監視データから高温対象輝度を抽出して高温物体を指向する視線ベクトルを導出する。
図17は、飛翔経路予測装置490の処理を示す。図17を参照する。防衛情報統合センター350の具備する飛翔経路予測装置490は、複数の監視衛星100の飛翔体情報から導出した高温物体の視線ベクトルを地球固定座標系において時系列順に並べ、空間三角測量の原理により飛翔体の時間推移毎の位置座標を予測する。
なお、複数の飛翔体が短時間のインターバルで発射された場合に、複数の監視衛星から取得した飛翔体情報を統合して飛翔経路予測装置で経路予測した飛翔体が複数の異なる飛翔体であることを判定する構成でもよい。
監視システム310の複数の監視衛星100は、平均軌道高度が等しい赤道上空軌道を飛翔する6機以上の赤道上空の監視衛星群で構成する赤道上空衛星システムを採用してもよい。赤道上空の監視衛星群は、同一軌道面の前方と後方を飛翔する監視衛星と通信クロスリンクを形成する。そして、少なくとも1機以上の赤道上空の監視衛星は、対処システム330または防衛情報統合センター350との通信クロスリンクを形成し、通信システム320の通信衛星200を介在せずに、対処システム330または防衛情報統合センター350へ飛翔体情報を伝送する。
監視システム310の複数の監視衛星100は、同一軌道面で平均軌道高度が等しい極軌道を飛翔する6機以上の極軌道の監視衛星群で構成する極軌道衛星システムを採用してもよい。極軌道の監視衛星群は、前方と後方を飛翔する極軌道の監視衛星と通信クロスリンクを形成する。そして、少なくとも1機以上の極軌道衛星は、対処システム330または防衛情報統合センター350との通信クロスリンクを形成し、通信システム320の通信衛星200を介在せずに、対処システム330または防衛情報統合センター350へ飛翔体情報を伝送する。
また監視システム310の監視衛星100は、通信システム320の通信衛星200の飛翔する軌道面で、通信衛星200と通信衛星200との間を飛翔し、前後の通信衛星200と通信クロスリンクを形成し、飛翔体情報を、通信システム320を経由して対処システム330または防衛情報統合センター350に伝送する構成でもよい。
***実施の形態1の効果***
実施の形態1の飛翔体対処システム1000によれば、監視システム310、通信システム320及び防衛情報統合センター350の連携によって、対処システム330に飛翔体情報を準リアルタイムで伝送することができる。また実施の形態1の飛翔体対処システム1000によれば、防衛情報統合センター350は通信ルート探索装置470、飛翔経路予測装置490及び対処アセット選択装置333を備えているので、飛翔体に迅速かつ精度よく対処可能となる。
100 監視衛星、200 通信衛星、310 監視システム、320 通信システム、330 対処システム、332 対処アセット、333 対処アセット選択装置、350 防衛情報統合センター、470 通信ルート探索装置、490 飛翔経路予測装置、510 地球、520 飛翔体、600 衛星コンステレーション形成システム、610 衛星コンステレーション、620 衛星、621 衛星制御装置、622 通信装置、623 推進装置、624 姿勢制御装置、625 電源装置、626 監視装置、700 地上設備、910 プロセッサ、911 衛星コンステレーション形成部、921 メモリ、922 補助記憶装置、930 入力インタフェース、940 出力インタフェース、950 通信装置、1000 飛翔体対処システム。

Claims (6)

  1. 監視装置と通信装置を備える複数の監視衛星を備える監視システムと、
    通信装置を備える複数の通信衛星を備える通信システムと、
    陸上と、海上と、空中との少なくともいずれかに位置して、飛翔体に対処する対処アセットを備える対処システムと、
    を備え、
    前記監視システムは、
    前記飛翔体を監視して生成した飛翔体情報を、前記通信システムを経由して前記対処システムに伝送する飛翔体対処システムであって、
    前記飛翔体対処システムは、
    衛星情報の通信ルート探索装置と、飛翔体の飛翔経路を予測する飛翔経路予測装置と、対処アセット選択装置とを備える防衛情報統合センターを有し、
    前記通信ルート探索装置は、
    通信開始時刻と位置座標、及び前記飛翔体情報を伝送する伝送先の相手の位置座標を入力条件として、
    前記飛翔体情報を伝送する通信衛星ID及び監視衛星IDを数珠繋ぎにした最適ルートを探索し、前記最適ルートをなす前記通信衛星ID及び前記監視衛星IDからなる一連の衛星IDと、前記一連の衛星IDのうちの前記衛星IDを持つ前記通信衛星と前記監視衛星とのいずれかの衛星が前記一連の衛星IDにおける次の前記衛星IDを持つ前記通信衛星と前記監視衛星とのいずれかの衛星に前記飛翔体情報を伝送する予報時刻とを列挙したリストと、
    前記通信衛星IDを持つ通信衛星群に通信指令を与えるコマンドと、
    を生成物とし、
    最短時間で前記飛翔体情報を伝送する前記最適ルートを探索し、
    前記防衛情報統合センターは、
    前記監視システムの有する監視衛星群と、前記通信システムの有する通信衛星群と、前記対処アセットに、指令コマンドを送信し、
    前記飛翔経路予測装置は、
    前記監視システムから受信する前記飛翔体情報の時系列位置情報の推移に基づき、将来の時刻と位置情報とを含む飛翔経路予測情報を生成する飛翔経路予測装置。
  2. 監視装置と通信装置を備える複数の監視衛星を備える監視システムと、
    通信装置を備える複数の通信衛星を備える通信システムと、
    陸上と、海上と、空中との少なくともいずれかに位置して、飛翔体に対処する対処アセットを備える対処システムと、
    を備え、
    前記監視システムは、
    前記飛翔体を監視して生成した飛翔体情報を、前記通信システムを経由して前記対処システムに伝送する飛翔体対処システムであって、
    前記飛翔体対処システムは、
    衛星情報の通信ルート探索装置と、飛翔体の飛翔経路を予測する飛翔経路予測装置と、対処アセット選択装置とを備える防衛情報統合センターを有し、
    前記通信ルート探索装置は、
    通信開始時刻と位置座標、及び前記飛翔体情報を伝送する伝送先の相手の位置座標を入力条件として、
    前記飛翔体情報を伝送する通信衛星ID及び監視衛星IDを数珠繋ぎにした最適ルートを探索し、前記最適ルートをなす前記通信衛星ID及び前記監視衛星IDからなる一連の衛星IDと、前記一連の衛星IDのうちの前記衛星IDを持つ前記通信衛星と前記監視衛星とのいずれかの衛星が前記一連の衛星IDにおける次の前記衛星IDを持つ前記通信衛星と前記監視衛星とのいずれかの衛星に前記飛翔体情報を伝送する予報時刻とを列挙したリストと、
    前記通信衛星IDを持つ通信衛星群に通信指令を与えるコマンドと、
    を生成物とし、
    最短時間で前記飛翔体情報を伝送する前記最適ルートを探索し、
    前記防衛情報統合センターは、
    前記監視システムの有する監視衛星群と、前記通信システムの有する通信衛星群と、前記対処アセットに、指令コマンドを送信し、
    前記飛翔経路予測装置は、
    前記監視システムから受信する前記飛翔体情報の時系列位置情報の推移に基づき、将来の時刻と位置情報とを含む飛翔経路予測情報を生成し、
    前記対処アセット選択装置は、
    前記飛翔経路予測装置の生成した前記飛翔経路予測情報に基づき、飛翔体に対処するべき対処アセットを選択して、選択した前記対処アセットに、対処行動を指令する指令信号を送信する対処アセット選択装置。
  3. 監視装置と通信装置を備える複数の監視衛星を備える監視システムと、
    通信装置を備える複数の通信衛星を備える通信システムと、
    陸上と、海上と、空中との少なくともいずれかに位置して、飛翔体に対処する対処アセットを備える対処システムと、
    を備え、
    前記監視システムは、
    前記飛翔体を監視して生成した飛翔体情報を、前記通信システムを経由して前記対処システムに伝送する飛翔体対処システムであって、
    前記飛翔体対処システムは、
    衛星情報の通信ルート探索装置と、飛翔体の飛翔経路を予測する飛翔経路予測装置と、対処アセット選択装置とを備える防衛情報統合センターを有し、
    前記通信ルート探索装置は、
    通信開始時刻と位置座標、及び前記飛翔体情報を伝送する伝送先の相手の位置座標を入力条件として、
    前記飛翔体情報を伝送する通信衛星ID及び監視衛星IDを数珠繋ぎにした最適ルートを探索し、前記最適ルートをなす前記通信衛星ID及び前記監視衛星IDからなる一連の衛星IDと、前記一連の衛星IDのうちの前記衛星IDを持つ前記通信衛星と前記監視衛星とのいずれかの衛星が前記一連の衛星IDにおける次の前記衛星IDを持つ前記通信衛星と前記監視衛星とのいずれかの衛星に前記飛翔体情報を伝送する予報時刻とを列挙したリストと、
    前記通信衛星IDを持つ通信衛星群に通信指令を与えるコマンドと、
    を生成物とし、
    最短時間で前記飛翔体情報を伝送する前記最適ルートを探索し、
    前記防衛情報統合センターは、
    前記監視システムの有する監視衛星群と、前記通信システムの有する通信衛星群と、前記対処アセットに、指令コマンドを送信する飛翔体対処システム、
    を構成する赤道上空衛星システムであって、
    平均軌道高度が等しい6機以上の赤道上空の監視衛星群により構成され、
    前方と後方を飛翔する赤道上空の監視衛星と通信クロスリンクを形成し、
    少なくとも1機以上の赤道上空の監視衛星は、
    前記対処システムまたは前記防衛情報統合センターとの通信クロスリンクを形成し、前記対処システムまたは前記防衛情報統合センターへ前記飛翔体情報を伝送する、赤道上空衛星システム。
  4. 請求項3に記載の赤道上空衛星システムで使用される赤道上空の監視衛星であって、
    前記監視衛星は、
    前記防衛情報統合センターへ前記飛翔体情報を伝送する監視衛星。
  5. 監視装置と通信装置を備える複数の監視衛星を備える監視システムと、
    通信装置を備える複数の通信衛星を備える通信システムと、
    陸上と、海上と、空中との少なくともいずれかに位置して、飛翔体に対処する対処アセットを備える対処システムと、
    を備え、
    前記監視システムは、
    前記飛翔体を監視して生成した飛翔体情報を、前記通信システムを経由して前記対処システムに伝送する飛翔体対処システムであって、
    前記飛翔体対処システムは、
    衛星情報の通信ルート探索装置と、飛翔体の飛翔経路を予測する飛翔経路予測装置と、対処アセット選択装置とを備える防衛情報統合センターを有し、
    前記通信ルート探索装置は、
    通信開始時刻と位置座標、及び前記飛翔体情報を伝送する伝送先の相手の位置座標を入力条件として、
    前記飛翔体情報を伝送する通信衛星ID及び監視衛星IDを数珠繋ぎにした最適ルートを探索し、前記最適ルートをなす前記通信衛星ID及び前記監視衛星IDからなる一連の衛星IDと、前記一連の衛星IDのうちの前記衛星IDを持つ前記通信衛星と前記監視衛星とのいずれかの衛星が前記一連の衛星IDにおける次の前記衛星IDを持つ前記通信衛星と前記監視衛星とのいずれかの衛星に前記飛翔体情報を伝送する予報時刻とを列挙したリストと、
    前記通信衛星IDを持つ通信衛星群に通信指令を与えるコマンドと、
    を生成物とし、
    最短時間で前記飛翔体情報を伝送する前記最適ルートを探索し、
    前記防衛情報統合センターは、
    前記監視システムの有する監視衛星群と、前記通信システムの有する通信衛星群と、前記対処アセットに、指令コマンドを送信する飛翔体対処システム、
    を構成する極軌道衛星システムであって、
    同一軌道面で平均軌道高度が等しい6機以上の極軌道の監視衛星群により構成され、
    前方と後方を飛翔する極軌道の監視衛星と通信クロスリンクを形成し、
    少なくとも1機以上の極軌道衛星は、
    前記対処システムまたは前記防衛情報統合センターとの通信クロスリンクを形成し、前記対処システムまたは前記防衛情報統合センターへ前記飛翔体情報を伝送する、極軌道衛星システム。
  6. 請求項5に記載の極軌道衛星システムで使用される極軌道の監視衛星であって、
    前記監視衛星は、
    前記防衛情報統合センターへ前記飛翔体情報を伝送する監視衛星。
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