JP2011052999A - 飛翔体探知方法及びシステムならびにプログラム - Google Patents

飛翔体探知方法及びシステムならびにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】飛翔体の3次元位置を特定する飛翔体探知方法等を提供する。
【解決手段】地上を飛翔する飛翔体を撮影可能な観測器及び撮影画像を送信する送信器を備えた少なくとも2機の人工衛星と、送信された少なくとも2枚の画像データを受信するためのアンテナとアンテナにより受信した少なくとも2枚の画像データを解析して飛翔体の位置を解析する位置解析装置とを備えた基地局とで構成される飛翔体探知システムであって、位置解析装置は、各々の人工衛星の頂角及び方位角を算出する算出部と、これら頂角及び方位角から観測ベクトルを生成する観測ベクトル生成部と、各々の人工衛星の位置情報、速度情報等に基づいて座標変換行列を生成する座標変換行列生成部と、飛翔体位置初期値と座標変換行列とから係数を生成する係数生成部と、これら係数と観測ベクトルとから定められるパラメータ推定処理を実行するパラメータ推定処理部とを備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、飛翔するロケット、ミサイル等を探知する方法及びシステムに関し、より詳細には、数km〜数十kmの上空を飛翔する物体(以下、「飛翔体」という。)を探知し、飛翔方向や到達地点等を推測する方法及びシステムに関する。
近年、ロケット、ミサイル等の飛翔体は、いずれも不慮の墜落や爆発といった事故を引き起こしてしまった場合には、墜落による飛翔体それ自体についての人的損害及び物的損害にとどまらず、墜落地点や着弾点に対する被害が極めて大きくなることが予想され、重大な損害を及ぼしかねない。
そのため、従来、レーダシステムを搭載した車両や船舶を地上あるいは海上に展開し、飛翔体が正常に飛行しているか、あるいは、飛翔体がどこからどこに向かって飛翔しているのか等について監視するシステムの構築が行われてきた。
しかしながら、地上に展開した車両ないし海上に展開した船舶の行動範囲は主として国内に限られてくるために、その監視領域は、そもそも全地球的規模から見れば限定されたものとなっている。したがって、国や地域をまたがるような遠方から発射された飛翔体の探知は非常に困難であった。また、レーダシステムを搭載した車両を地上に展開した場合、地形によっては山等の障害物がその監視領域を狭めることになるという課題もあった。
そこで、車両や船舶を使用した飛翔体監視システムを補完すべく、人工衛星を使ったシステムを構築する試みもなされ、例えば、非特許文献1などのような早期警戒衛星システムの研究開発が行われている。
非特許文献1に開示された技術は、長楕円軌道を有し、観測機を搭載した2機の人工衛星を使用するものである。一般に、長楕円軌道を有する人工衛星は高高度(例えば高度4万km)を飛翔するので、地球上の多くの領域を監視下におくことができるものと推察される。
図19に、2機の人工衛星を周回させた場合(Satellite1軌道、Satellite2軌道)に監視可能な領域を示す。図19において、Satellite1及びSatellite2は、交互に北半球と南半球とを行ったり来たりする周回を行っている。具体的には、1日のうち12時間は、Satellite1が北半球を飛翔(北半球を監視)し、Satellite2が南半球を飛翔(南半球を監視)する一方で、次の12時間は、Satellite1が南半球を飛翔(南半球を監視)し、Satellite2が北半球を飛翔(北半球を監視)する。
http://www.lockheedmartin.com/products/SpaceBasedInfraredSystemHigh/(ロッキード・マーチン社ホームページ) http://en.wikipedia.org/wiki/Space-Based_Infrared_System(米国ウィキペディア「Space-Based Infrared System」の項)
しかしながら、この方法では、北半球及び南半球をそれぞれ1機の人工衛星が周回するために、2機が同時に監視(ステレオ視)できる領域は、図19のハッチング部分のみとなり領域としては狭い。つまり、1機の人工衛星の監視によって飛翔体の存在は確認できるものの、2機の人工衛星によるステレオ視によって飛翔体の3次元位置を正確に突き止めることが可能なエリア、及び飛翔方向を正確に予測することが可能なエリアは限定的である。
また、図20に示すよう複数の静止衛星(Satellite3、Satellite4)を使用して広い監視領域を確保しようとする試みもある。この場合、おおむね図20において示したハッチング部分のエリアを確保できる。
しかしながら、静止衛星の位置は事前に容易に特定されることから、第三者がこの静止衛星の監視領域外での飛翔体の発射を行うことは容易となる。また、静止衛星は通常赤道上を飛翔していることから、監視可能エリアの内であっても地球上の高緯度の場所は雲を通しての画像となるため位置特定の信頼性低下してしまうという問題がある。また、ステレオ視による位置決め可能エリアは上述のとおり広範囲となるが、静止衛星は赤道上に位置するため高緯度になるほど位置特定精度が悪くなるという問題が生じる。
あるいは、複数の低高度の人工衛星で監視する方法も考えられるが、低高度であるが故にその監視領域は極めて狭く、せいぜい500km四方にとどまるものであって、広い監視領域からの飛翔体探知を迅速に行おうとすると、数十機の低高度人工衛星を必要とする。更に言えば、これら低高度人工衛星によりステレオ視で観測を行って、飛翔体の3次元位置を正確に推定するためには、精度上倍の数の低高度人工衛星が必要となるなど、システム構築を考えるうえで現実的でない。
そこで、本願発明の目的は、かかる従来技術における諸問題を解決することである。すなわち、本願発明は、複数の人工衛星から構成される飛翔体検出システムであって、観測器の出力であるデータ(例えば、撮像画像データ)をステレオ(立体)視することにより飛翔体の3次元位置を正確に推定ないし特定する飛翔体探知方法及びシステムを提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも2機の人工衛星による、地上を飛翔する飛翔体を撮影し撮影画像データとして送信する段階と、前記少なくとも2機の人工衛星による、各々の人工衛星の位置情報、速度情報、及び姿勢情報を送信する段階と、受信アンテナを備えた基地局による、前記少なくとも2機の人工衛星より送信される少なくとも2枚の画像データと、前記各々の人工衛星の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とを受信する段階と、前記基地局における位置解析装置による、前記アンテナにより受信した少なくとも2枚の画像データを解析して前記各々の人工衛星の頂角及び方位角を算出する段階と、前記頂角及び方位角と、前記各々の人工衛星の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とを用いて前記飛翔体の位置を解析する段階とを含む飛翔体探知方法であって、前記各々の人工衛星の頂角及び方位角から観測ベクトルを生成する段階と、前記各々の人工衛星の位置情報、速度情報、及び姿勢情報に基づいて座標変換行列を生成する段階と、飛翔体位置初期値をXrefとしたとき、前記飛翔体位置初期値と前記人工衛星の位置情報と前記座標変換行列とから係数を生成する段階と、前記係数と、前記観測ベクトルとから定められるパラメータ推定処理を実行することによって飛翔体位置を特定する段階とを含むことを特徴とする。
また、本発明は、地上を飛翔する飛翔体を撮影可能な観測器と、撮影した画像データと各々の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とを送信する送信器とを備えた少なくとも2機の人工衛星と、前記少なくとも2機の人工衛星より送信される少なくとも2枚の画像データと前記各々の人工衛星の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とを受信するためのアンテナと、前記アンテナにより受信した前記少なくとも2枚の画像データと前記各々の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とに基づいて前記飛翔体の位置を解析する位置解析装置とを備えた基地局とで構成される飛翔体探知システムであって、前記位置解析装置は、前記少なくとも2枚の画像データを解析して前記各々の人工衛星の頂角及び方位角を算出する算出部と、前記各々の人工衛星の頂角及び方位角から観測ベクトルを生成する観測ベクトル生成部と、前記各々の人工衛星の位置情報、速度情報、及び姿勢情報に基づいて座標変換行列を生成する座標変換行列生成部と、飛翔体位置初期値をXrefとしたとき、前記飛翔体位置初期値と前記人工衛星の位置情報と前記座標変換行列とから係数を生成する係数生部と、前記係数と、前記観測ベクトルとから定められるパラメータ推定処理を実行するパラメータ推定処理部とを備えたことを特徴とする。
本発明にかかる飛翔体探知方法及びシステム等によれば、複数の人工衛星から送信されてくる複数の撮像データに写しだされた飛翔体を立体視的に解析することにより、従来技術に比べて正確に飛翔体の3次元位置を特定することができる。また、かかる撮像データを所定の時間間隔(Δt)で連続して受信及び解析等処理することにより、飛翔体の3次元位置のみならず速度ベクトルも推定することもでき、飛翔体の不慮の墜落や爆発といった事故に際しても、その飛翔体の墜落地点や着弾点を正確に予測することが可能となり、墜落地点や着弾点における被害を未然に防ぐ、ないし最小限に抑止することができる。
本発明の一実施形態にかかる飛翔体探知システムの構成例を説明する説明図である。 本発明の一実施形態にかかる飛翔体探知システムにおける位置解析装置の構成例を説明する説明図である。 本発明の一実施形態にかかる飛翔体探知方法及びシステムの監視領域の例を説明する説明図である。 本発明の一実施形態にかかる飛翔体探知方法及びシステムにおける人工衛星から地球を見下ろした様子を説明する説明図である。 本発明の一実施形態にかかる飛翔体探知方法及びシステムにおける衛星機体座標系を説明する説明図である。 本発明の一実施形態にかかる飛翔体探知方法及びシステムにおける衛星軌道座標系(O)及び地心方向軌道座標系(EDO)を説明する説明図である。 本発明の一実施形態にかかる飛翔体探知方法及びシステムにおいて撮像された撮像画面と地心方向軌道座標系(EDO)との関係を説明する説明図である。 本発明の一実施形態にかかる飛翔体探知方法及びシステムにおける2機の人工衛星から撮像された撮像画像を説明する説明図である。 本発明の一実施形態にかかる飛翔体探知方法及びシステムにおける衛星機体座標系(S)と飛翔体ベクトルとの関係を説明する説明図である。 本発明の一実施形態にかかる飛翔体探知方法及びシステムにおける地球中心固定座標系(ECEF)とNED(North−East−Down)座標系との関係を説明する説明図である。 本発明の一実施形態にかかる飛翔体探知方法及びシステムにおいて撮像された撮像画像とNED(North−East−Down)座標系との関係を説明する説明図である。 本発明の他の実施形態にかかる飛翔体探知方法及びシステムにおける3機の人工衛星から撮像された撮像画像を説明する説明図である。 本発明の一実施形態(2衛星、衛星姿勢情報有の場合)にかかる飛翔体探知システムの位置解析装置における座標系変換理論を説明する説明図である。 本発明の他の実施形態(2衛星、衛星姿勢情報無の場合)にかかる飛翔体探知システムの位置解析装置における座標系変換理論を説明する説明図である。 本発明の他の実施形態(3衛星の場合)にかかる飛翔体探知システムの位置解析装置における座標系変換理論を説明する説明図である。 本発明の一実施形態(2衛星、衛星姿勢情報有の場合)にかかる飛翔体探知システムの位置解析装置における演算処理フローを説明する説明図である。 本発明の他の実施形態(2衛星、衛星姿勢情報無の場合)にかかる飛翔体探知システムの位置解析装置における演算処理フローを説明する説明図である。 本発明の他の実施形態(3衛星の場合)にかかる飛翔体探知システムの位置解析装置における演算処理フローを説明する説明図である。 2機の人工衛星を使用した従来の監視システムにおける監視領域の例を説明する説明図である。 2機の静止衛星を使用した従来の監視システムにおける監視領域の例を説明する説明図である。
以下、本発明にかかる飛翔体探知方法及びシステム等を実施するための形態について詳述する。
[システム構成例]
図1に、本発明の一実施形態にかかる飛翔体探知システムの構成例を示す。システム100は、地球を周回する2機(ないし3機)の人工衛星101a〜人工衛星101b(101c)と、人工衛星101a〜人工衛星101b(101c)から送信される、目標とする飛翔体が撮影された画像データや各人工衛星自体の位置や姿勢等の各種データを受信するためのアンテナ103を備えた基地局102とからなる。基地局102内には、アンテナ103が受信した画像データ等を解析して目標とする飛翔体の位置を解析するための位置解析装置105が備えられており、アンテナ103と位置解析装置105とは有線信号線104で接続されている。なお、有線信号線104は、その一部又は全部を無線インタフェース(例えば、無線LANを含む)としてもよい。また、基地局102は建屋として説明したが、航空機、船舶、車両等の移動体であってもよい。あるいは小型のアンテナ103を搭載した携帯用の位置解析装置105を携行する形態であってもよい(この場合、アンテナ103を備えた位置解析装置105それ自体が基地局となる)。
なお、人工衛星101a〜人工衛星101cには、地球表面を観測しその画像データを撮影する観測器(不図示)と、撮影した画像データと人工衛星自身の位置情報及び姿勢情報とを地球上の基地局に送信するための送信器(不図示)とが少なくとも備わっている。
図2に、位置解析装置105の本発明の一実施形態にかかる飛翔体探知システムにおける位置解析装置の構成例を示す。位置解析装置105は、地球を周回する2機ないし3機の人工衛星から送信される目標とする飛翔体が撮影された画像データと、人工衛星それ自体の位置及び姿勢等の各種データとを受信するためのアンテナ103及び受信部201と、有線若しくは無線インタフェース104を介して接続されている。
また、位置解析装置105は、アンテナ103及び受信部201が受信した信号をデータとして装置本体に送信するための通信インタフェース1051と、プログラムによって様々な数値計算や論理演算、機器制御などを行う中央処理装置(CPU)1052と、RAM及び/又はROM等で構成されるメモリ1053と、磁気又は光学媒体等で構成される記憶ディスク1054とで構成されている。本発明の実施に必要なソフトウェア及び/又はプログラムは、通常、記憶ディスク1055にインストールないし記憶され、ソフトウェア及び/又はプログラムの実行時には、必要に応じてメモリ1053内のRAM等にその全部又は一部のソフトウェアモジュールが読み出され、CPU1052において演算実行される。
さらに、必要に応じて、特定の行列演算等を高速に処理するよう設計されたディジタルシグナルプロセッサ(DSP)1054、処理結果等を表示するためのディスプレイ装置等で構成される表示部1056、キーボード、マウス、ペン、OCR、光学又は磁気等のリーダ等からなる入力部1057を含むように構成してもよい。
なお、図2においては図示していないが、位置解析装置105内の各ユニットはバス等の信号線で適宜接続されている。また、位置解析装置105は、後述する本発明にかかる計算処理ないし論理演算処理を実行可能なプログラムをインストール可能であり、アンテナ103及び受信部201と適切に接続可能なインタフェースを備えたものであれば、汎用コンピュータないし携帯情報端末(携帯電話等通信機能を備えた機器を含む)等を位置解析装置105として用いることもできる。
また、本明細書においては、いくつかの実施例に基づいて本発明にかかる飛翔体探知方法及びシステム等を説明するが、数式等で例示したものを含めた計算及び演算の各々は、主として位置解析装置105とコンピュータプログラムとが協調動作して実行される演算処理によるものである。以下、本発明にかかる飛翔体探知方法及びシステム等が前提とする理論的技術的背景(例えば、衛星の軌道について、種々の座標系について等)を踏まえた実装上の処理について詳述する。
図3に、本発明の一実施形態にかかる飛翔体探知方法及びシステムにおいて実施される人工衛星の構成(及び周回軌道例)を示す。地球表面を監視するための人工衛星は3機(Satellite1〜Satellite3)で構成されており、主として北半球を監視領域とした飛翔体探知システムとなっている。なお、図においては3機の人工衛星を用いているが、2機の人工衛星のみ(例えば、Satellite1及びSatellite2)を使用することも可能である。あるいは図3に示した3機の人工衛星のうちの2機を適宜切り替え選択して用いるように実施することも可能である。
Satellite1〜Satellite3までの3機それぞれの人工衛星の軌道は、離心率が0.075、軌道傾斜角が45度、昇交点赤経は120度ずつ、均等に配置されるものである。また、近点離角はいずれも270度となっている。
また、北半球を監視領域とするためには、北半球上空では(南半球に対して)相対的にゆっくりとした速度で飛翔するような軌道とすることが望ましい。これを踏まえて一実施形態においては、離心率0.75、近点離角270度にそれぞれ設定される。ここで、軌道傾斜角を45度に設定すると、人工衛星は緯度の高い日本上空なども飛翔するようになり、図4に示すように日本付近上空を飛翔している(図中ちょうど原点付近に衛星があるものとする)場合には北極点を越えた領域まで監視することが可能になる。
さらに、3機の人工衛星を使用して北半球を監視するためには、3機が順次北半球上空に飛来するように、互いの軌道の関係を調整する必要がある。この場合、一実施形態において、昇交点赤径は120度ずつ均等に配置されることが望ましい。
以上の条件を備えた構成によれば、3機の人工衛星のうちの2機によってステレオ視可能な範囲は、図3のハッチング部に示すとおりとなり広範である。
[地球中心固定座標系定義]
次に、地球固定座標系(ECEF)について説明する。地球中心固定座標系(ECEF)とは、地球重心を原点とし、z軸は地球の地殻に固定された慣用地軸極を通り、x軸は赤道面と平均グリニッジ子午線との交点を通り、y軸はこれらのx、z軸と右手系をなすような座標系である。
[衛星機体座標系定義]
次に、図5に基づいて、衛星機体の座標系(S)について説明する。いま、地球固定座標系原点(図中に示したxyz座標の原点)から見た衛星の位置ベクトルを
とし、地球中心から見た飛翔体の位置ベクトルを
とし、飛翔体から衛星へのベクトルを
とする。このとき、rSと、衛星の位置ベクトルRSと、飛翔体の位置ベクトルR0との間には次式の関係がある。
・・・・・・(式1)
なお、衛星機体の太陽電池パネル方向の単位ベクトルは
衛星機体のセンサー軸方向の単位ベクトルは
YSとPSと右手系を成す単位ベクトルは
飛翔体頂角は
で表されている。
[衛星軌道座標系定義]
次に、図6(a)に基づいて、衛星軌道座標系(O)について説明する。いま、図6(a)において示す位置に楕円軌道上を周回する衛星Sがあるとすると、衛星Sにおける軌道座標系(O)は、軌道面内で速度ベクトル方向の単位ベクトル
をx軸、上記速度ベクトル方向とそれに直交する軌道面外方向ベクトルに直交する単位ベクトル
をy軸、及びこれらのx、y軸と右手系をなす軸をz軸とする座標系となる。
[観測方程式の導出]
次に、図8に、2機の人工衛星に搭載された観測機器が同時に観測を行った場合の撮影画像の様子を示す。図8(a)は一方の人工衛星が撮影した地球の画像であり、図8(b)は他方の人工衛星が撮影した地球の画像である。図8(a)(b)における
は、飛翔体を示す。原理的にこの2枚の撮影画像データを解析することによって地球に対するステレオ視(立体視)が実現されている。ここで、図8(a)(b)に示された撮像データから直接得られる観測量は、画像中心からの角度(頂角)である
と、画像の縦横を基準にしたときの画像回転角(方位角)である
とからなる4つのパラメータである。このとき、図9に示すように、衛星機体座標系(S)から見た飛翔体位置は、これら2つの角度と、飛翔体から衛星へのベクトルrSとを用いて次式のとおり表される。
・・・・・・(式2)
ここで、ベクトルrSに付されている|Sは、そのベクトルの基底が衛星機体座標系(S)であることを意味する。
そして、最終的に求めるべきベクトルは、地球の中心を原点とした地球中心固定座標系(ECEF)における飛翔体の3次元位置ベクトル
であるが、R0は、衛星機体座標系(S)から地球中心固定座標系(ECEF)への座標変換行列CS2ECEFと(式1)及び(式2)との関係より、各衛星の撮像画像における観測量
に基づいて、次式で示される観測方程式を解くことで求められる。
・・・・・・(式3)
<2衛星、衛星姿勢情報有の場合の座標系変換>
ここで、衛星機体座標系(S)から地球中心固定座標系(ECEF)への座標変換行列CS2ECEFは、図13に示されるように衛星軌道座標系(O)を介して行われる。
各衛星の既知のロール姿勢角
ピッチ姿勢角
ヨー姿勢角
に基づく衛星機体座標系(S)から軌道座標系(O)への座標変換行列
及び各衛星の既知の3次元ベクトルRS(s=1,2)と速度ベクトルvS(s=1,2)に基づく軌道座標系(O)から地球中心固定座標系(ECEF)への座標変換行列
により衛星機体座標系(S)から地球中心固定座標系(ECEF)への座標変換行列CS2ECEFは次式のとおり決定される。
・・・・・・(式4)
・・・・・・(式5)
ここで、C1(θR)、C2(θP)、C3(θY)は、それぞれ、
・・・・・・(式6a)
・・・・・・(式6b)
・・・・・・(式6c)
で表される。
そして、CO2ECEFは、
・・・・・・(式7)
で表され、es xO,es yO,es zOについては、それぞれ、
・・・・・・(式8a)
・・・・・・(式8b)
・・・・・・(式8c)
で表される。演算子×は、ベクトル積を意味する。
<2衛星、衛星姿勢情報有の場合の演算処理フロー>
さらに、上記理論と計算機の特性とをより具体的に踏まえた演算処理例について詳説する。すわなち、観測方程式(式3)は、非線形の方程式となっているため、演算解を得るためには、変数xに関するxref(飛翔体位置の初期値とする)周りの1次テイラー級数近似による線形化を行い、繰り返し演算処理を実行することで解を得ることが現実的である。
[一般的な非線形方程式の解法]
いま、(式9a)に示されるような一般的な非線形方程式が与えられた場合、一次テイラー級数展開により近似を行うと(式9b)となり、(式9b)を変数xについて解くと(式9c)となる。変数xの具体的な計算は(式9d)に示されるように初期値xrefを与えて、繰り返し計算により、所定範囲に収束するまで行うことで求められる。
・・・・・・(式9a)
・・・・・・(式9b)
・・・・・・(式9c)

・・・・・・(式9d)
ここで、
[飛翔体の位置算出アルゴリズム]
したがって、(式3)で表わされる非線形な観測方程式の解法を本発明にかかる飛翔体探知方法ないしシステムに適用した場合には、図16に示される処理フローとなる。以下、図16に基づいて説明する。
まず、S1601において処理をスタートする。具体的には、衛星101a〜101cのうちの2機の衛星から得られる撮像画像から、観測量算出処理により飛翔体頂角及び方位角を求めるものである。すわなち、人工衛星より送信された撮像画像データは、アンテナ103及び受信部201により受信され、位置解析装置105内のCPU1052の制御により通信インタフェース1051を介してメモリ1053ないしディスク1055に記録され、撮像画像が解析処理されて飛翔体頂角及び方位角が求められる(S1602)。このとき、処理に必要なプログラムが、例えばディスク1055から適宜メモリ1053に読み込まれ実行される。併せて、各衛星の姿勢情報、速度情報、3次元位置情報が各衛星からそれぞれ送信されて、適宜アンテナ103及び受信部201により受信され位置解析装置105内に取り込まれる(S1605、S1606、S1607)。
次に、S1603において、飛翔体頂角及び方位角から、次式で示される観測量算出処理により、観測ベクトルyを算出生成する(S1604)。
・・・・・・(式10)
次に、S1608において、各衛星の位置、速度、姿勢角から式4,5,7に示した座標変換行列を算出する。
次に、飛翔体位置の初期値(上述の変数xに関するxref参照)を決定し(S1609)、上記座標変換行列(式4,5,7)と衛星の位置と飛翔体の初期値とから次式で示される各係数を算出する(S1610)。
・・・・・・(式11a)

・・・・・・(式11b)

・・・・・・(式11c)
次に、求めた係数を用いて次式を繰り返し計算することにより最終的に求める飛翔体の位置ベクトルが算出される。
・・・・・・(式12)
すなわち、S1611において(式12)に示されるパラメータ推定処理が実行されると、都度飛翔体位置が算出され(S1612)、この位置が予め定めた所定の範囲内かどうかが判断される(S1613)。所定の範囲内でなければ(S1613において、No)、S1610に戻り係数生成処理を行う。S1613において所定の範囲に入っていると判断されれば(Yes)、S1614に進み処理を終了する。
なお、(式11c)に示した係数は関数f(・)のxによる偏微分であり、次式により導出される。
・・・・・・(式13)
ここで、L及びIは、それぞれ
・・・・・・(式14a)
・・・・・・(式14b)
で表される。
[飛翔体の飛翔方向(速度)算出]
また、飛翔体の飛翔方向(速度)は、Δtを人工衛星に搭載された観測器における観測時間間隔としたとき、(式12)から求められる時刻tにおける飛翔体の位置ベクトル
と時刻t-Δtにおける飛翔体の位置ベクトル
とを用いて次式より算出される。
・・・・・・(式15)
以上のように処理された結果、飛翔体が撮影された衛星画像(衛星写真)から飛翔体の位置及び速度方向(ベクトル)を特定することができる。
実施例1においては、2機の人工衛星の観測時刻が「同時」であることを前提としたが、例えばカルマンフィルタのような動的な状態遷移を組み入れた推定アルゴリズムを用いると、次に示すように観測時刻は必ずしも「同時」である必要はない。以下に詳述する。
一般的にカルマンフィルタは、観測更新及び時間伝播の2つの処理構成をとり、それぞれ次式にて表されるものである。
<観測更新処理>
・・・・・・(式16)
ここで、f(・)は観測関数、xは状態変数、yは観測量、Pは状態変数の共分散行列、Rは観測量の分散、Hは観測関数の状態変数による偏微分である。また、下付き添え字iはそれがi番目の時刻におけるものであることを示し、上付き添え字は、−が更新前、+が更新後をそれぞれ意味する。
<時間伝播処理>
・・・・・・(式17)
ここで、g(・)は時間伝播関数、Φiは状態変数xの状態遷移行列、Qは状態変数xのプロセスノイズである。
以上説明したカルマンフィルタを本発明にかかる飛翔体探知方法ないしシステムに適用した場合、観測関数f(・)、状態変数x、観測量y等の各要素は次のとおりとすればよい。
・・・・・・(式18a)
・・・・・・(式18b)
・・・・・・(式18c)
・・・・・・(式18d)
・・・・・・(式18e)
・・・・・・(式18f)
・・・・・・(式18g)
・・・・・・(式18h)
実施例1及び実施例2においては、人工衛星の姿勢角が既知であることを前提にし、衛星機体座標系(S)から地球中心固定座標系(ECEF)までの座標変換を軌道座標系(O)を介して算出したが、本発明はこれに限定されない。すわなち、姿勢角が既知でない場合であっても本発明の実施は可能であり、例えば、代替的な座標系(後述のNED座標系など)を介して演算処理すればよい。
加えて、人工衛星の姿勢角が既知の場合であっても未知の場合であっても人工衛星の姿勢は精密に制御されている必要はなく、かかる人工衛星から撮影された画像に飛翔体が含まれていれば足りる。例えば、撮影された画像における地球は、必ずしもその中心が画面に収まっている必要はなく、例え地球の中心が撮影画像から大きくはみ出ていたとしても、画像処理によってその中心位置を推定演算可能である。このことは、人工衛星のロール角とピッチ角とが画像によって推定可能であることを意味している。
また、例えば撮影画像は、地球の画像の一部が撮影されていれば回転していても良い。この場合、観測画像データと地図における地形データとのパターンマッチング処理技術によって、地球の北方向及び東方向を推定可能である。このことは、人工衛星のヨー角に相当する角度が画像によって推定可能であることを意味している。より詳細には、画像処理により地球中心及び地球の北方向、東方向を特定し、各衛星のロール角、ピッチ角、ヨー角に相当する
を推定できれば、衛星機体座標系(S)から地球中心固定座標系(ECEF)までの座標変換を、例えば図10に示すNED(North−east−down)座標系を介して演算すればよい。
[NED座標系の定義及び地球中心固定座標系との関係]
図10において、地球中心Oを原点とするxyz座標系(ECEF座標系)において人工衛星Sが図に示した位置(x軸からz軸の周りに回転させた方位角λs,xy平面からの仰角θs)にあるとすると、NED座標系は衛星Sを原点とした3つの座標軸N,E,Dで表される。
[撮像画像とNED座標系との関係]
次に、図11を用いて撮像画面におけるNED座標系と衛星ロール角、ピッチ角、ヨー角との関係を説明する。図中では、撮像画面の中心O1と地球の中心O2とは若干のずれを伴っている。そして、衛星機体座標系におけるピッチ軸
がO2を原点とする横座標(X軸)と一致し、衛星機体座標系におけるロール軸
がO2を原点とする縦座標(Y軸)と一致するものとする。
また、NED座標系における東方向の軸をE、同座標系における北方向の軸をNとすると、
衛星のピッチ角は
衛星のロール角は
衛星のヨー角は
となる。図中右下に示した時計回りの矢印は、上記角度を定義するときの正の方向を示す。
なお、図11においては全地球が画像に納まったものとして説明しているが、本発明はこれに限定されないことは上述したとおりである。地球の画像は一部分が納まっていればよく、地球の部分的な画像であっても地球の中心、北方向、東方向は推定可能である。
<2衛星、衛星姿勢情報無の場合の座標系変換>
衛星機体座標系(S)から地球中心固定座標系(ECEF)までの座標変換行列CS2ECEFは、図14に示されるようにNED座標系を介して行われる。
衛星機体座標系(S)からNED座標系への座標変換行列
と、各衛星の既知の3次元位置ベクトル
・・・・・・(式19)
に基づく、NED座標系から地球中心固定座標系(ECEF)までの座標変換行列CNED2ECEF(RS)により、衛星機体座標系(S)から地球中心固定座標系(ECEF)までの座標変換行列CS2ECEFは次のとおり決定される。
・・・・・・(式20a)
・・・・・・(式20b)
ここで、
・・・・・・(式21a)
・・・・・・(式21b)
・・・・・・(式21c)
・・・・・・(式21d)
である。なお、
・・・・・・(式22a)
・・・・・・(式22b)
となる。
<2衛星、衛星姿勢情報無の場合の演算処理フロー>
本実施例における具体的演算処理例について説明する。
[飛翔体の位置算出アルゴリズム]
次に、(式3)で表わされる非線形な観測方程式を現実的に演算処理することを踏まえた処理フローは、図17に示されるとおりである。以下、図17に基づいて説明する。
まず、S1701において処理をスタートする。具体的には、衛星101a〜101cのうちの2機の衛星から得られる撮像画像から、観測量算出処理により飛翔体頂角及び方位角を求めるものである。すわなち、送信された画像は、アンテナ103及び受信部201により受信されて位置解析装置105内のCPU1052の制御により通信インタフェース1051を介してメモリ1053ないしディスク1055に記録され、撮像画像が解析処理されて飛翔体頂角及び方位角が求められる(S1702)。このとき、処理に必要なプログラムが、例えばディスク1055から適宜メモリ1053に読み込まれ実行される。
次に、S1703において、飛翔体頂角及び方位角から、次式で示される観測量算出処理により、観測ベクトルyが算出生成される(S1704)。
・・・・・・(式23)
次に、S1705において、撮像画像における地球表面の地形形状と、他の地図データにおける地形形状とをパターンマッチング処理技術により比較し、人工衛星自身の姿勢差(ロール角、ピッチ角、ヨー角)を算出する。これによって、2衛星のロール角、ピッチ角、ヨー角
が求められてメモリ1053に格納される(S1706)。
併せて、各衛星の速度情報及び3次元位置情報が各衛星からそれぞれ送信されて、適宜アンテナ103及び受信部201で受信して位置解析装置105内に取り込まれる(S1707、S1708)。
次に、S1709において、各衛星の位置、速度、姿勢角から(式20a,20b,21d)に示した座標変換行列を算出する。
次に、飛翔体位置の初期値(上述の変数xに関するxref参照)を決定し(S1710)、上記座標変換行列(式20a,20b,21d)と衛星の位置と飛翔体の初期値とから次式で示される各係数を算出する(S1711)。
・・・・・・(式24a)
・・・・・・(式24b)
・・・・・・(式24c)
次に、求めた係数を用いて次式を繰り返し計算することにより最終的に求める飛翔体の位置ベクトルが算出される。
・・・・・・(式25)
すなわち、S1712において(式25)に示されるパラメータ推定処理が実行されると、都度飛翔体位置が算出され(S1713)、この位置が予め定めた所定の範囲内かどうかが判断される(S1714)。所定の範囲内でなければ(S1714において、No)、S1711に戻り係数生成処理を行う。S1714において所定の範囲に入っていると判断されれば(Yes)、S1715に進み処理を終了する。
[飛翔体の飛翔方向(速度)算出]
また、飛翔体の飛翔方向(速度)は、Δtを人工衛星に搭載された観測器における観測時間間隔としたとき、(式25)から求められる時刻tにおける飛翔体の位置ベクトル
と時刻t-Δtにおける飛翔体の位置ベクトル
とを用いて次式より算出される。
・・・・・・(式31)
以上のように処理された結果、飛翔体が撮影された衛星画像(衛星写真)から飛翔体の位置及び速度方向(ベクトル)を特定することができる。
実施例1〜実施例3においては、2機の人工衛星によって観測された2枚の画像データに対して上述したとおりのステレオ視(立体視)アルゴリズムを用いて飛翔体の3次元位置及び飛翔方向(速度)を算出する例について説明した。実施例4では、3機の人工衛星によって観測された3枚の画像データを用いて飛翔体の3次元位置及び飛翔方向(速度)を算出する方法等について説明する。
3機の人工衛星を使用した場合の特徴の1つは、人工衛星のヨー軸周りのヨー角姿勢
も同時に推定できることである。そのため、人工衛星のロール角、ピッチ角、ヨー角姿勢が未知な場合、あるいは画像パターンマッチングを正確に行えずに北方向ないし東方向を正確に把握できない場合であっても、地球の中心さえ撮影画像から推定できれば対象とする飛翔体の3次元位置を特定することができる。図12は、これら3機の人工衛星に搭載されている観測機器から観測された画像データを示している。
この場合、直接的に得られる観測量は、撮影画像中心からの角度(頂角)である
と、画像の縦横を基準にしたときの画像回転角(方位角)である
とからなる6つのパラメータである。
このとき、対象となる飛翔体の3次元位置
・・・・・・(式32)
は、2機の人工衛星の場合でも説明したように、衛星機体座標系(S)から地球中心固定座標系(ECEF)への座標変換行列CS2ECEFと前述(式1)及び(式2)との関係から、各衛星の撮像画面での観測量
との間の下記の関係を導くことができる。
・・・・・・(式33)
そして、3機の人工衛星を使用し、人工衛星のヨー軸周りのヨー角姿勢も推定する場合は、衛星機体座標系(S)から地球中心固定座標系(ECEF)への座標変換は地心方向軌道座標系(EDO)を経由して行う。
[衛星の地心方向軌道座標系(EDO)の定義]
まず、図6(b)に基づいて、衛星軌道座標系(O)と衛星の地心方向軌道座標系(EDO)との関係から地心方向軌道座標系(EDO)について説明する。一般に、衛星軌道の離心率はゼロでは無い(すなわち衛星軌道は真円では無い)ので、衛星軌道座標系(O)と衛星の地心方向軌道座標系(EDO)とは異なるものとなる。
いま、図6(b)において示す位置に楕円軌道上を周回する衛星Sがあるとすると、軌道座標系(O)における衛星Sは、軌道面内で速度ベクトル方向の単位ベクトル
と、上記速度ベクトル方向とそれに直交する面外方向ベクトルに直交する単位ベクトル
とで表される。一方で、地心方向軌道座標系(EDO)における衛星Sは、地心方向の単位ベクトル
と、地心方向に直交し、軌道面内にある単位ベクトル
とで表される。
[撮像画像と地心方向軌道座標系(EDO)との関係]
次に、図7に撮像画像と地心方向軌道座標系(EDO)との関係を示す。いま、図中の矩形外枠が撮像画面の外枠であったとすると、その撮像画面の中心O1と地球の中心O2とは若干のずれを伴っている。そして、衛星機体座標系におけるピッチ軸
がO2を原点とする横座標(X軸)と一致し、衛星機体座標系におけるロール軸
がO2を原点とする縦座標(Y軸)と一致するものとし、地心方向に直交し、軌道面内にあるベクトル方向のRS−PS平面への射影された単位ベクトルを
とし、xEDO,zEDOと右手系を成す単位ベクトル方向のRS−PS平面への射影された単位ベクトルを
とすれば、
衛星のピッチ角は
衛星のロール角は
衛星のヨー角は
となる。なお、図中右下に示した時計回りの矢印は、上記角度を定義するときの正の方向を示す。
<3衛星の場合の座標系変換>
衛星機体座標系(S)から地球中心固定座標系(ECEF)への座標変換行列CS2ECEFは、図15に示されるように地心方向軌道座標系を介して行われる。
衛星機体座標系(S)から地心方向軌道座標系(EDO)への座標変換行列CS2EDOと、地心方向軌道座標系(EDO)から地球中心固定座標系(ECEF)への座標変換行列CEDO2ECEFとから次式で表される。
・・・・・・(式34a)
・・・・・・(式34b)
ここで、
・・・・・・(式34c)
・・・・・・(式34d)
・・・・・・(式34e)
である。
また、衛星機体座標系(S)から地心方向軌道座標系(EDO)への座標変換行列CS2EDOは、画像から地球中心を推定することで得られる各衛星のロール角、ピッチ角
と、推定パラメータとして扱うヨー角
とに基づき、各軸周りの回転行列を用いて次式で表される。
・・・・・・(式35)
ここで、
・・・・・・(式36a)
・・・・・・(式36b)
・・・・・・(式36c)
である。
[観測方程式の導出]
以上より、3衛星のステレオ視(立体視)により、各衛星のヨー軸も推定する場合には、次式で示される観測方程式を解くことで
・・・(式37)
飛翔体の3次元位置
・・・(式38)
及び各衛星のヨー軸
を算出することができる。
<3衛星の場合の演算処理フロー>
本実施例における具体的演算処理例について説明する。
[飛翔体の位置算出アルゴリズム]
次に、(式37)で表わされる非線形な観測方程式を現実的に演算処理することを踏まえた処理フローは、図18に示されるとおりである。以下、図18に基づいて説明する。
まず、S1801において処理をスタートするが、具体的には、衛星101a〜101cの3機の衛星から得られる撮像画像から、観測量算出処理により飛翔体頂角及び方位角が求められる。すわなち、送信された画像は、アンテナ103及び受信部201により受信され位置解析装置105内のCPU1052の制御により通信インタフェース1051を介してメモリ1053ないしディスク1055に記録され、撮像画像が解析処理されて飛翔体頂角及び方位角が求められる(S1802)。このとき、処理に必要なプログラムが、例えばディスク1055から適宜メモリ1053に読み込まれ実行される。
次に、S1803において、飛翔体頂角及び方位角から、次式で示される観測量算出処理により、観測ベクトルyが算出生成される(S1804)。
・・・・・・(式39)
次に、S1805において、撮像画像における地球表面の地形形状と、他の地図データにおける地形形状とをパターンマッチング処理技術により比較し、人工衛星自身の姿勢差(ロール角、ピッチ角)を算出する。これによって、3衛星のロール角、ピッチ角
が求められてメモリ1053に格納される(S1806)。
併せて、各衛星の速度情報、3次元位置情報が各衛星からそれぞれ送信されて、適宜アンテナ103及び受信部201で受信して位置解析装置105内に取り込まれる(S1807、S1808)。
次に、S1809において、各衛星の位置、速度、姿勢角から(式34b,36b,36c)に示した座標変換行列を算出する。
次に、飛翔体位置の初期値(上述の変数xに関するxref参照)を決定し(S1810)、上記座標変換行列(式34b,36b,36c)と衛星の位置と飛翔体の初期値とから次式で示される各係数を算出する(S1811)。
・・・・・・(式40a)
・・(式40b)
・・・・・・(式40c)
・・・(式40d)
・・(式40e)
以上求めた係数を用いて次式を繰り返し計算することにより最終的に求める飛翔体の位置ベクトルが算出される。
・・・・・・(式41)
すなわち、S1812において(式41)に示されるパラメータ推定処理が実行されると、都度飛翔体位置及び衛星姿勢が算出され(S1813)、この位置が予め定めた所定の範囲内かどうかが判断される(S1814)。所定の範囲内でなければ(S1814において、No)、S1811に戻り係数生成処理を行う。S1814において所定の範囲に入っていると判断されれば(Yes)、S1815に進み処理を終了する。
なお、(式40c、40d、40e)に示した係数は関数f(・)の推定パラメータである飛翔体の3次元位置
・・・・・・(式42)
による偏微分、及び各衛星のヨー軸
による偏微分であり、次式により導出される。
・・・・・・(式43)
ここで、
・・・(式44)
であり、
・・・(式45a)
・・・(式45b)
・・・(式45c)
である。また、
・・・(式46)
である。
[飛翔体の飛翔方向(速度)算出]
また、飛翔体の飛翔方向(速度)は、Δtを人工衛星に搭載された観測器における観測時間間隔としたとき、(式41)から求められる時刻tにおける飛翔体の位置ベクトル
と時刻t-Δtにおける飛翔体の位置ベクトル
とを用いて次式より算出される。
・・・・・・(式47)
以上のとおり、2機の人工衛星より撮影された画像から飛翔体の位置及び速度ベクトルを特定可能であるとともに(実施例1〜実施例3)、3機の人工衛星より撮影された画像を使用すれば、さらにヨー角姿勢を推定することが可能となる(実施例4)。
また、本発明は必ずしも図1に示したシステム全体として構成してはじめて完成し得るものではなく、2機ないし3機の人工衛星が撮影した画像(及び必要であれば撮影した人工衛星の位置情報等)データのみを使用し、対象とする飛翔体の3位次元位置及び速度ベクトルの特定を行うプログラムないしかかるプログラムが実行されるコンピュータという構成をとることもできる。
なお、念のために申し添えておくが、特許請求の範囲、明細書、要約書、図面に記載された全ての技術的要素、ならびに、方法ないし処理ステップは、これら要素及び/又はステップの少なくとも一部が相互に排他的となる組み合わせを除く任意の組み合わせによって本発明にかかる方法及びシステムならびにプログラムの構成要素となりうる。
なお、本発明は、上述した実施形態のいずれの個別具体的な詳細記載に制限されることはない。さらに、本発明の技術的範囲は、上述の説明のみによってではなく、特許請求の範囲の記載によってその外延が特定されるものであり、特許請求の範囲と均等となる置換ないし変更も本発明の技術的範囲となるものである。
100 飛翔体探知システム
101a〜c 人工衛星
102 基地局
103 アンテナ
104 信号線
105 位置解析装置
201 受信部
1051 通信インタフェース
1052 CPU
1053 メモリ
1054 DSP
1055 ディスク
1056 表示部
1057 入力部

Claims (12)

  1. 少なくとも2機の人工衛星による、地上を飛翔する飛翔体を撮影し撮影画像データとして送信する段階と、
    前記少なくとも2機の人工衛星による、各々の人工衛星の位置情報、速度情報、及び姿勢情報を送信する段階と、
    受信アンテナを備えた基地局による、前記少なくとも2機の人工衛星より送信される少なくとも2枚の画像データと、前記各々の人工衛星の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とを受信する段階と、
    前記基地局における位置解析装置による、前記アンテナにより受信した少なくとも2枚の画像データを解析して前記各々の人工衛星の頂角及び方位角を算出する段階と、
    前記頂角及び方位角と、前記各々の人工衛星の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とを用いて前記飛翔体の位置を解析する段階と
    を含む飛翔体探知方法であって、
    前記各々の人工衛星の頂角及び方位角から観測ベクトルを生成する段階と、
    前記各々の人工衛星の位置情報、速度情報、及び姿勢情報に基づいて座標変換行列を生成する段階と、
    飛翔体位置初期値をXrefとしたとき、前記飛翔体位置初期値と前記人工衛星の位置情報と前記座標変換行列とから係数を生成する段階と、
    前記係数と、前記観測ベクトルとから定められるパラメータ推定処理を実行することによって飛翔体位置を特定する段階と
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 地上を飛翔する飛翔体を撮影可能な観測器と、撮影した画像データと各々の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とを送信する送信器とを備えた少なくとも2機の人工衛星と、
    前記少なくとも2機の人工衛星より送信される少なくとも2枚の画像データと前記各々の人工衛星の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とを受信するためのアンテナと、前記アンテナにより受信した前記少なくとも2枚の画像データと前記各々の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とに基づいて前記飛翔体の位置を解析する位置解析装置とを備えた基地局と
    で構成される飛翔体探知システムであって、
    前記位置解析装置は、
    前記少なくとも2枚の画像データを解析して前記各々の人工衛星の頂角及び方位角を算出する算出部と、
    前記各々の人工衛星の頂角及び方位角から観測ベクトルを生成する観測ベクトル生成部と、
    前記各々の人工衛星の位置情報、速度情報、及び姿勢情報に基づいて座標変換行列を生成する座標変換行列生成部と、
    飛翔体位置初期値をXrefとしたとき、前記飛翔体位置初期値と前記人工衛星の位置情報と前記座標変換行列とから係数を生成する係数生成部と、
    前記係数と、前記観測ベクトルとから定められるパラメータ推定処理を実行するパラメータ推定処理部と
    を備えたことを特徴とするシステム。
  3. 地上を飛翔する飛翔体を撮影可能な観測器と、撮影した画像データと各々の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とを送信する送信器を備えた少なくとも2機の人工衛星と、
    前記少なくとも2機の人工衛星より送信される少なくとも2枚の画像データと前記各々の人工衛星の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とを受信するためのアンテナと、前記アンテナにより受信した少なくとも2枚の画像データと前記各々の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とに基づいて前記飛翔体の位置を解析する位置解析装置とを備えた基地局と
    で構成される飛翔体探知システムにおける位置解析装置であって、
    前記少なくとも2枚の画像データを解析して前記各々の人工衛星の頂角及び方位角を算出する算出部と、
    前記各々の人工衛星の頂角及び方位角から観測ベクトルを生成する観測ベクトル生成部と、
    前記各々の人工衛星の位置情報、速度情報、及び姿勢情報に基づいて座標変換行列を生成する座標変換行列生成部と、
    飛翔体位置初期値をXrefとしたとき、前記飛翔体位置初期値と前記人工衛星の位置情報と前記座標変換行列に基づいて係数を生成する係数生成部と、
    前記係数と、前記観測ベクトルとから定められるパラメータ推定処理を実行するパラメータ推定処理部と
    を備えたことを特徴とする装置。
  4. 地上を飛翔する飛翔体を撮影可能な観測器と、撮影した画像データと各々の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とを送信する送信器とを備えた少なくとも2機の人工衛星と、
    前記少なくとも2機の人工衛星より送信される少なくとも2枚の画像データと前記各々の人工衛星の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とを受信するためのアンテナと、前記アンテナにより受信した前記少なくとも2枚の画像データと前記各々の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とに基づいて前記飛翔体の位置を解析する位置解析装置とを備えた基地局と
    で構成される飛翔体探知システムの位置解析装置において実行されるコンピュータプログラムであって、
    前記少なくとも2枚の画像データを解析して前記各々の人工衛星の頂角及び方位角を算出する算出ステップと、
    前記各々の人工衛星の頂角及び方位角から観測ベクトルを生成する観測ベクトル生成ステップと、
    前記各々の人工衛星の位置情報、速度情報、及び姿勢情報に基づいて座標変換行列を生成する座標変換行列生成ステップと、
    飛翔体位置初期値をXrefとしたとき、前記飛翔体位置初期値と前記人工衛星の位置情報と前記座標変換行列とから係数を生成する係数生成ステップと、
    前記係数と、前記観測ベクトルとから次式で定められるパラメータ推定処理を実行するパラメータ推定処理ステップと
    を備えたことを特徴とするコンピュータプログラム。
  5. 少なくとも2機の人工衛星による、地上を飛翔する飛翔体を撮影し撮影画像データとして送信する段階と、
    前記少なくとも2機の人工衛星による、各々の人工衛星の位置情報、速度情報、及び姿勢情報を送信する段階と、
    受信アンテナを備えた基地局による、前記少なくとも2機の人工衛星より送信される少なくとも2枚の画像データと、前記各々の人工衛星の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とを受信する段階と、
    前記基地局における位置解析装置による、前記アンテナにより受信した少なくとも2枚の画像データを解析して前記各々の人工衛星の頂角及び方位角を算出する段階と、
    前記頂角及び方位角と、前記各々の人工衛星の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とを用いて前記飛翔体の位置を解析する段階と
    を含む飛翔体探知方法であって、
    前記各々の人工衛星の頂角及び方位角をそれぞれ
    としたとき、次式によって定義される観測ベクトルyを生成し、
    ・・・・・・(式10)
    一方で、前記各々の人工衛星の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とから次式に基づいて座標変換行列を生成し、
    ・・・・・・(式4)
    ・・・・・・(式5)
    ・・・・・・(式7)
    一方で、飛翔体位置初期値をXrefとしたとき、
    前記飛翔体位置初期値と前記人工衛星の位置情報と前記座標変換行列(式4)、(式5)、(式7)とから次式で定められる係数を生成し、
    ・・・・・・(式11a)
    ・・・・・・(式11b)
    ・・・・・・(式11c)
    さらに、前記(式11a)〜(式11c)により定められる係数と、前記観測ベクトルyとから次式で定められるパラメータ推定処理
    ・・・・・・(式12)
    を実行することによって飛翔体位置を特定する
    ことを特徴とする方法。
  6. 地上を飛翔する飛翔体を撮影可能な観測器と、撮影した画像データと各々の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とを送信する送信器とを備えた少なくとも2機の人工衛星と、
    前記少なくとも2機の人工衛星より送信される少なくとも2枚の画像データと前記各々の人工衛星の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とを受信するためのアンテナと、前記アンテナにより受信した前記少なくとも2枚の画像データと前記各々の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とに基づいて前記飛翔体の位置を解析する位置解析装置とを備えた基地局と
    で構成される飛翔体探知システムであって、
    前記位置解析装置は、
    前記少なくとも2枚の画像データを解析して前記各々の人工衛星の頂角及び方位角を算出する算出部と、
    前記各々の人工衛星の頂角及び方位角をそれぞれ
    としたとき、次式によって定義される観測ベクトル
    ・・・・・・(式10)
    を生成する観測ベクトル生成部と、
    前記各々の人工衛星の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とから次式に基づいて座標変換行列
    ・・・・・・(式4)
    ・・・・・・(式5)
    ・・・・・・(式7)
    を生成する座標変換行列生成部と、
    飛翔体位置初期値をXrefとしたとき、
    前記飛翔体位置初期値と前記人工衛星の位置情報と前記座標変換行列(式4)、(式5)、(式7)とから次式で定められる係数
    ・・・・・・(式11a)
    ・・・・・・(式11b)
    ・・・・・・(式11c)
    を生成する係数生成部と、
    前記(式11a)〜(式11c)により定められる係数と、前記観測ベクトルyとから次式で定められるパラメータ推定処理
    ・・・・・・(式12)
    を実行するパラメータ推定処理部と
    を備えたことを特徴とするシステム。
  7. 地上を飛翔する飛翔体を撮影可能な観測器と、撮影した画像データと各々の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とを送信する送信器を備えた少なくとも2機の人工衛星と、
    前記少なくとも2機の人工衛星より送信される少なくとも2枚の画像データと前記各々の人工衛星の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とを受信するためのアンテナと、前記アンテナにより受信した少なくとも2枚の画像データと前記各々の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とに基づいて前記飛翔体の位置を解析する位置解析装置とを備えた基地局と
    で構成される飛翔体探知システムにおける位置解析装置であって、
    前記少なくとも2枚の画像データを解析して前記各々の人工衛星の頂角及び方位角を算出する算出部と、
    前記各々の人工衛星の頂角及び方位角をそれぞれ
    としたとき、次式によって定義される観測ベクトル
    ・・・・・・(式10)
    を生成する観測ベクトル生成部と、
    前記各々の人工衛星の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とから次式に基づいて座標変換行列
    ・・・・・・(式4)
    ・・・・・・(式5)
    ・・・・・・(式7)
    を生成する座標変換行列生成部と、
    飛翔体位置初期値をXrefとしたとき、
    前記飛翔体位置初期値と前記人工衛星の位置情報と前記座標変換行列(式4)、(式5)、(7)とから次式で定められる係数
    ・・・・・・(式11a)
    ・・・・・・(式11b)
    ・・・・・・(式11c)
    を生成する係数生成部と、
    前記(式11a)〜(式11c)により定められる係数と、前記観測ベクトルyとから次式で定められるパラメータ推定処理
    ・・・・・・(式12)
    を実行するパラメータ推定処理部と
    を備えたことを特徴とする装置。
  8. 地上を飛翔する飛翔体を撮影可能な観測器と、撮影した画像データと各々の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とを送信する送信器とを備えた少なくとも2機の人工衛星と、
    前記少なくとも2機の人工衛星より送信される少なくとも2枚の画像データと前記各々の人工衛星の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とを受信するためのアンテナと、前記アンテナにより受信した前記少なくとも2枚の画像データと前記各々の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とに基づいて前記飛翔体の位置を解析する位置解析装置とを備えた基地局と
    で構成される飛翔体探知システムの位置解析装置において実行されるコンピュータプログラムであって、
    前記少なくとも2枚の画像データを解析して前記各々の人工衛星の頂角及び方位角を算出する算出ステップと、
    前記各々の人工衛星の頂角及び方位角をそれぞれ
    としたとき、次式によって定義される観測ベクトル
    ・・・・・・(式10)
    を生成する観測ベクトル生成ステップと、
    前記各々の人工衛星の位置情報、速度情報、及び姿勢情報とから次式に基づいて座標変換行列
    ・・・・・・(式4)
    ・・・・・・(式5)
    ・・・・・・(式7)
    を生成する座標変換行列生成ステップと、
    飛翔体位置初期値をXrefとしたとき、
    前記飛翔体位置初期値と前記人工衛星の位置情報と前記座標変換行列(式4)、(式5)、(式7)とから次式で定められる係数
    ・・・・・・(式11a)
    ・・・・・・(式11b)
    ・・・・・・(式11c)
    を生成する係数生成ステップと、
    前記(式11a)〜(式11c)により定められる係数と、前記観測ベクトルyとから次式で定められるパラメータ推定処理
    ・・・・・・(式12)
    を実行するパラメータ推定処理ステップと
    を備えたことを特徴とするコンピュータプログラム。
  9. Δtを人工衛星に搭載された観測器における観測時間間隔としたとき、(式12)から求められる時刻tにおける飛翔体の位置ベクトル
    と時刻t-Δtにおける飛翔体の位置ベクトル
    とを用いて次式
    ・・・・・・(式15)
    により前記飛翔体の速度ベクトルを算出する段階をさらに含む請求項5記載の方法。
  10. Δtを人工衛星に搭載された観測器における観測時間間隔としたとき、(式12)から求められる時刻tにおける飛翔体の位置ベクトル
    と時刻t-Δtにおける飛翔体の位置ベクトル
    とを用いて次式
    ・・・・・・(式15)
    により前記飛翔体の速度ベクトルを算出する速度ベクトル算出部をさらに備えたことを特徴とする請求項6記載のシステム。
  11. Δtを人工衛星に搭載された観測器における観測時間間隔としたとき、(式12)から求められる時刻tにおける飛翔体の位置ベクトル
    と時刻t-Δtにおける飛翔体の位置ベクトル
    とを用いて次式
    ・・・・・・(式15)
    により前記飛翔体の速度ベクトルを算出する速度ベクトル算出部をさらに備えたことを特徴とする請求項7記載の装置。
  12. Δtを人工衛星に搭載された観測器における観測時間間隔としたとき、(式12)から求められる時刻tにおける飛翔体の位置ベクトル
    と時刻t-Δtにおける飛翔体の位置ベクトル
    とを用いて次式
    ・・・・・・(式15)
    により前記飛翔体の速度ベクトルを算出する速度ベクトル算出ステップをさらに備えたことを特徴とする請求項8記載のコンピュータプログラム。
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