背景において、及び本明細書全体を通じて、様々な刊行物、論文及び特許が引用、又は記載されている。これらの参照文献の各々の全体が、参照により本明細書に組み込まれている。本明細書に含まれている文書、作用、物質、デバイス、論文などの議論は、本発明に関する背景を提供する目的のためのものである。このような議論は、これらの主題のいずれか又はすべてが、開示されている又は特許請求されているいかなる発明に関しても、先行技術の一部を形成することを認めるものではない。
特に定義されない限り、本明細書において使用される技術的及び科学的用語はすべて、本発明が属する当業者に一般的に理解されるものと同じ意味を有する。そうでない場合、本明細書に使用されているある特定の用語は、本明細書において説明されている意味を有する。本明細書において引用されている特許、公開特許出願及び刊行物はすべて、本明細書においてあたかも完全に説明されているかのごとく、参照により組み込まれている。
本明細書で使用する場合、及び添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」及び「the」は、その文脈が特に明白に示さない限り、複数の参照物を含むことに留意しなければならない。
特に示さない限り、一連の要素の前に付く「少なくとも」という用語は、この一連のものにおいて、各要素を参照することを理解すべきである。当業者であれば、常套的な実験のみを使用して、本明細書に記載されている本発明の具体的な実施形態に対する多くの等価物を認識又は解明することができよう。このような均等物は、本発明によって包含されていることが意図されている。
以下に続くこの明細書及び特許請求の範囲を通して、文脈上異なる解釈を要する場合を除き、「を含む(comprise)」という語、並びに変化形、例えば「を含む(comprises)」及び「を含むこと(comprising)」は、明記した整数若しくは工程、又は整数若しくは工程の群を含むことを意味するが、他のいかなる整数若しくは工程、又は整数若しくは工程の群を除外することを意味するものではないことが理解されよう。用語「含むこと(comprising)」は、本明細書において使用されている場合、用語「含有すること(containing)」又は「含むこと(including)」により、又は時として、本明細書において使用される場合、用語「有すること(having)」により置き換えることができる。
「からなる(consisting of)」は、本明細書において使用されている場合、特許請求の範囲の要素に指定されていない、任意の要素、工程又は成分を除外する。「から実質的になる(consisting essentially of)」は、本明細書において使用される場合、特許請求の範囲の基礎的及び新規特徴に実質的に影響を及ぼさない、物質又は工程を除外しない。「含むこと」、「含有すること」、「含むこと」及び「有すること」という上述の用語のいずれも、本出願の態様又は実施形態の文脈において本明細書に使用されている場合は常に、本開示の範囲を変更するため、用語「からなる」又は「から実質的になる」により置き換えられ得る。
本明細書で使用する場合、複数の引用されている要素間の接続用語「及び/又は」は、個々選択肢及び組合せ選択肢の両方を包含すると理解される。例えば、2つの要素が、「及び/又は」によって接続されている場合、第1の選択肢は、第2の要素を伴わないで第1の要素が適用されることを指す。第2の選択肢は、第1の要素を伴わないで第2の要素が適用されることを指す。第3の選択肢は、第1及び第2の要素が一緒に適用されることを指す。これらの選択肢のいずれか1つは、これらの意味の範囲内に収まり、したがって、本明細書において使用される用語「及び/又は」の要件を満足することが理解される。1つ超のこれらの選択肢が同時に適用されることは、この意味の範囲内に収まり、したがって、用語「及び/又は」の要件を満足することがやはり理解される。
特に明記しない限り、任意の数値、例えば、本明細書に記載されている濃度又は濃度範囲は、すべての場合において、用語「約」により修飾されているものと理解すべきである。したがって、数値は、通常、引用されている値の±10%を含む。例えば、「10倍」と引用する場合、9倍及び11倍を含む。本明細書で使用する場合、文脈が特に明確に示さない限り、数値範囲の使用は、考えられるすべての部分範囲、これらの値のこのような範囲及び分数内の整数を含めたそのような範囲内の個々の数値のすべてを明示的に含む。
本明細書で使用する場合、「対象」は、任意の動物、好ましくは、本出願の実施形態による方法によって処置されることになる、又は処置されている哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。用語「哺乳動物」は、本明細書で使用する場合、いかなる哺乳動物も包含する。哺乳動物の例には、以下に限定されないが、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、非ヒト霊長類(NHP)、例えば、サル又は類人猿、ヒトなど、より好ましくはヒトが含まれる。
言い回し「薬学的に許容される塩」は、本明細書で使用する場合、哺乳動物において局所使用するのに安全かつ有効な、目的の化合物の塩であって、所望の生物活性を有する塩を意味する。薬学的に許容される塩は、指定された化合物中に存在する酸性基又は塩基性基の塩を含む。薬学的に許容される酸付加塩には、以下に限定されないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩(acid phosphate)、イソニコチン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、ピルビン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチジン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩及びパモ酸塩(すなわち、1,1'-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸))が含まれる。本出願において使用されるある特定の化合物は、様々なアミノ酸を有する薬学的に許容される塩を形成することができる。好適な塩基塩には、以下に限定されないが、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛、ビスマス及びジエタノールアミン塩が含まれる。薬学的に許容される塩に関する総説に関すると、参照により本明細書に組み込まれている、Bergeら、66巻、J. Pharm. Sci. 1~19頁(1977年)を参照されたい。
本明細書で使用する場合、用語「アルキル」は、一価の非分岐状又は分岐状飽和炭化水素鎖を意味する。アルキル基は、無置換であっても、又は1つ以上の好適な置換基により置換されていてもよい。アルキル基の例には、以下に限定されないが、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(例えば、n-プロピル、イソプロピル)、ブチル(例えば、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル)及びペンチル(例えば、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル)などが含まれる。アルキル基は、指定数の炭素原子を有することができる。記号「C」の後に、数が添字で出現する場合、その添字は、特定のアルキルが含有し得る、炭素原子の数を一層具体的に定義している。例えば、「C1~C10アルキル」又は「C1~10アルキル」は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9及びC10アルキル基を含むことが意図されている。さらに、例えば、「C1~C6アルキル」又は「C1~6アルキル」は、1~6個の炭素原子を有するアルキルを表す。
用語「アルコキシ」とは、本明細書で使用する場合、アルキルが上で定義されている通りである、-O-アルキル基を指す。アルコキシ基は、酸素原子を介して親分子に結合している。アルコキシ基は、指定数の炭素原子を有することができる。例えば、「C1~C10アルコキシ」又は「C1~10アルコキシ」は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9及びC10アルコキシ基を含むことが意図されている。さらに、例えば、「C1~C6アルコキシ」又は「C1~6アルコキシ」は、1~6個の炭素原子を有するアルコキシを表す。アルコキシの例には、以下に限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば、n-プロポキシ、イソプロポキシ)、ブトキシ(例えば、n-ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ)、ペンチルオキシ(例えば、n-ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ)などが含まれる。アルコキシ基は、無置換であっても、又は1つ以上の好適な置換基により置換されていてもよい。同様に、「アルキルチオ」又は「チオアルコキシ」は、硫黄架橋を介して結合している、上で定義したアルキル基、例えば、-S-メチル、-S-エチルなどを表す。アルキルチオの代表例には、以下に限定されないが、-SCH3、-SCH2CH3などが含まれる。
本明細書で使用する場合、用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。それに対応して、用語「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを意味する。
「ハロアルキル」は、1つ以上のハロゲン原子により置換されている、分岐状及び直鎖状の飽和脂肪族炭化水素基の両方を含むことが意図される。ハロアルキルの例には、以下に限定されないが、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ペンタクロロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル及びヘプタクロロプロピルが含まれる。
用語「ヒドロキシ」及び「ヒドロキシル」は、互換的に使用することができ、-OHを指す。
用語「カルボキシ」とは、-COOHを指す。
用語「シアノ」とは、-CNを指す。
用語「アミノ」とは、-NH2を指す。用語「アルキルアミノ」は、アミノ基であって、窒素に結合している水素原子の一方又は両方が、アルキル基により置換されているアミノ基を指す。例えば、アルキルアミノには、メチルアミノ(-NHCH3)、ジメチルアミノ(-N(CH3)2)、-NHCH2CH3などが含まれる。
用語「アミノアルキル」は、本明細書で使用する場合、1つ以上のアミノ基により置換されている、分岐状及び直鎖状の飽和脂肪族炭化水素基の両方を含むことが意図される。例えば、「C1~4アミノアルキル」は、1つ以上のアミノ基により置換されている、C1、C2、C3及びC4アルキル基を含むことが意図されている。アミノアルキル基の代表例には、以下に限定されないが、-CH2NH2、-CH2CH2NH2及び-CH2CH(NH2)CH3が含まれる。
本明細書で使用する場合、「アミド」とは、-C(O)N(R)2を指し、Rはそれぞれ独立して、アルキル基又は水素である。アミドの例には、以下に限定されないが、-C(O)NH2、-C(O)NHCH3及び-C(O)N(CH3)2が含まれる。
用語「ヒドロキシルアルキル」及び「ヒドロキシアルキル」は、互換的に使用され、1つ以上のヒドロキシル基により置換されているアルキル基を指す。アルキルは、分岐状又は直鎖状の脂肪族炭化水素とすることができる。ヒドロキシルアルキルの例には、以下に限定されないが、ヒドロキシルメチル(-CH2OH)、ヒドロキシルエチル(-CH2CH2OH)などが含まれる。
用語「アリール」は、本明細書で使用する場合、以下に限定されないが、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントラニルなどを含めた、任意の炭素をベースとする芳香族基を含有する基である。アリール部分は、周知であり、例えば、Lewis, R. J.(編)、Hawley's Condensed Chemical Dictionary、第13版、John Wiley & Sons, Inc.、New York(1997年)に記載されている。アリール基は、無置換であっても、又は1つ以上の好適な置換基により置換されていてもよい。アリール基は、単一環構造(すなわち、単環式)とすることができるか、又は縮合環構造である多環構造(すなわち、多環式)を含むことができる。好ましくは、アリール基は、単環式アリール基、例えばフェニルである。
本明細書で使用する場合、用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1個のヘテロ原子環員、例えば、硫黄、酸素又は窒素を含有する、安定な単環式及び多環式芳香族炭化水素を含む。ヘテロアリールは、単環式又は多環式、例えば、二環式又は三環式とすることができる。ヘテロ原子を含有するヘテロアリール基の各環は、1個若しくは2個の酸素原子、又は硫黄原子及び/若しくは1~4個の窒素原子を含有することができ、但し、各環中のヘテロ原子の総数は、4個以下であり、各環は、少なくとも1個の炭素原子を有することを条件とする。二環式ヘテロアリール基の場合、二環式基を完成する縮合環は、炭素原子のみを含有することができ、飽和、部分飽和又は不飽和であり得る。多環式であるヘテロアリール基、例えば、二環式又は三環式は、少なくとも1つの完全芳香族環を含まなければならないが、他の縮合環(単数又は複数)は、芳香族又は非芳香族とすることができる。ヘテロアリール基は、任意の利用可能な窒素において、又はヘテロアリール基の任意の環の炭素原子において結合し得る。好ましくは、用語「ヘテロアリール」とは、環の少なくとも1つにおいて少なくとも1個のヘテロ原子(O、S又はN)を有する、5員若しくは6員の単環式基、及び9員若しくは10員の二環式基を指し、ヘテロ原子含有環は、O、S及び/又はNから選択される、1個、2個又は3個のヘテロ原子、より好ましくは1個又は2個のヘテロ原子を好ましくは有する。ヘテロアリール基は、無置換であっても、又は1つ以上の好適な置換基により置換されていてもよい。ヘテロアリールの窒素ヘテロ原子は、置換されていても、又は無置換であってもよい。ヘテロアリールの窒素ヘテロ原子及び硫黄ヘテロ原子は、場合により酸化され得る(すなわち、N→O及びS(O)rであり、rは、0、1又は2である)。
例示的な単環式ヘテロアリール基には、以下に限定されないが、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾリニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、フラニル、チオフェニル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル及びトリアジニルが含まれる。例示的な二環式ヘテロアリール基には、以下に限定されないが、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフラニル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジニル、フロピリジニル、ジヒドロイソインドリル及びテトラヒドロキノリニルが含まれる。
当分野において使用される慣例によれば:
は、コア構造又は主鎖構造への部分又は置換基の結合点となる結合を図示するために、本明細書における構造式に使用される。
置換基への結合が、環中の2個の原子を連結する結合を交差して示されている場合、このような置換基は、この環上の任意の原子に結合し得る。
本明細書において言及される通り、用語「置換されている」は、少なくとも1個の水素原子が、非水素基により置き換えられており、但し、正常な原子価がすべて維持されており、この置換が安定な化合物をもたらすことを条件とすることを意味する。具体的な基が、「置換されている」場合、その基は、置換基の一覧から独立して選択される、1つ以上の置換基、好ましくは1~5つの置換基、より好ましくは1~3つの置換基、最も好ましくは1~2つの置換基を有することができる。用語「独立して」は、置換基を参照して使用される場合、このような置換基の1つ超が可能である場合、このような置換基が同じとすることができるか、又は互いに異なり得ることを意味する。好適な置換基の例には、以下に限定されないが、アルキル、ハロゲン、アルコキシ、アミド、アルキルチオ、アミン、アルキルアミン、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、カルボキシルなど、例えば、C1~4アルキル、C1~3アルコキシ、-OH、-COOH、-F、-Cl、-C(O)NHCH3、-C(O)N(CH3)2が含まれる。
化合物に関して、なんらかの可変要素が、任意の構成又は式中に1回超で出現する場合、その定義は、出現ごとに、他のすべての出現時におけるその定義と無関係である。したがって、例えば、ある基が、0~3つのR基により置換されていると示されている場合、前記基は、最大で3つのR基により場合により置換されていてもよく、Rは、出現ごとに、Rの定義から独立して選択される。
用語「任意選択の」又は「場合により」は、続いて記載されている事象又は状況が、必ずしもではないが、起こり得、このような記載は、この事象又は状況が起こる又は起こらない事態を含むことを意味する。例えば、「場合により置換されているアリール」は、置換基は、必ずしもではないが、存在することができ、このような記載は、アリール基が好適な置換基によって置換されている事態、及びアリール基がいかなる置換基によっても置換されていない事態を含むことを意味する。
当業者は、ある種の実施形態では、本出願の化合物は、その構造中に1個以上の不斉炭素原子を有することができることを認識しているであろう。本明細書で使用する場合、実線の楔形結合でも点線の楔型結合でもなく、実線だけとして示されている結合を含む化学式、又は他には、1個以上の原子の周りに特定の立体配置(例えば、R又はS)を有するものとして示されている化学式のいずれも、可能な立体異性体のいずれも、又は2つ以上の立体異性体からなる混合物を企図する。言い換えると、構造の立体化学が指定されていない場合、この構造は、個々の立体異性体及びそれらの混合物のすべてを包含することが意図されている。立体異性体は、鏡像異性体及びジアステレオマーを含む。「鏡像異性体」は、互いに重なり合わない鏡像である立体異性体である。一対の鏡像異性体の1:1混合物が、ラセミ体又はラセミ混合物である。ジアステレオマー(又はジアステレオ異性体)は、鏡像異性体ではない立体異性体であり、すなわち、それらは、鏡像として関係付けられず、化合物の2つ以上の立体異性体が、等価な立体中心の1つ以上において異なる立体配置を有しており、互いに鏡像ではない場合に発生する。置換基(例えば、アルキル、ヘテロシクリルなど)は、R又はS立体配置のいずれか一方の立体中心を含むことができる。
したがって、本発明の化合物の立体化学として純粋な異性体(すなわち、単一鏡像異性体又は単一ジアステレオマー)、及びそれらのラセミ体を含むそれらの混合物が、本発明の範囲内に含まれる。特定の立体異性体が特定される場合、これは、立体異性体が実質的に不含であること、すなわち他の立体異性体を50%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは5%未満、特に2%未満、最も好ましくは1%未満のみ伴うことを意味する。例えば、化合物が、例えば、(R)として指定される場合、これは、本化合物が(S)異性体を実質的に含まないことを意味する。本明細書に記載されている出願の化合物は、ラセミ混合物、鏡像異性体として若しくはジアステレオマーとして富む混合物として、又は鏡像異性体として若しくはジアステレオマーとして純粋な個々の立体異性体として使用され得る。
立体化学的に純粋な異性体は、本開示を鑑みて、当分野において公知の技法により得ることができる。例えば、ジアステレオ異性体は、物理的分離方法、例えば分別結晶化及びクロマトグラフィー技法によって分離することができ、鏡像異性体は、光学活性な酸又は塩基とのジアステレオマー塩の選択的結晶化によって、又はキラルクロマトグラフィーによって互いに分離することができる。純粋な立体異性体は、立体化学的に純粋な適切な出発原料から合成によって、又は立体選択的反応を使用することによって調製することもできる。
本出願の化合物はまた、互変異性体を形成することができる。用語「互変異性体」とは、特定の化合物の構造の相互変換可能な形態である化合物であって、水素原子及び電子の置き換えが様々である、化合物を指す。互変異性体は、容易に相互変換する化学化合物の構成上の異性体であり、通常、プロトン(水素)の再配置をもたらす。したがって、2つの構造が、パイ電子及び原子(通常、水素)の移動を介して平衡の下にあり得る。本出願の化合物の互変異性体及びそれらの混合物のすべてが、本出願の範囲内に含まれる。
本出願の化合物は、溶媒和形態及び非溶媒和形態で存在し得る。用語「溶媒和物」は、例えば、水素結合による、本出願の化合物と1つ以上の溶媒分子との物理的な会合を意味する。溶媒和物中の溶媒分子は、規則的な配列及び/又は非規則的な配列で存在し得る。溶媒和物は、化学量論量又は非化学量論量のどちらか一方の溶媒分子を含むことができる。「溶媒和物」は、溶液相と分離可能な溶媒和物の両方を包含する。本出願の化合物は、水(すなわち、水和物)又は一般有機溶媒との溶媒和物を形成することができる。例示的な溶媒和物には、以下に限定されないが、水和物、エタノレート、メタノレート及びイソプロパノレートが含まれる。溶媒和の方法は、一般に、当分野で公知である。
同様に、本出願の化合物に起こる原子のすべての同位体が、本出願の範囲内に含まれる。同位体は、同一原子番号であるが、異なる質量数を有する、そのような原子を含む。一般例により、及び非限定的に、水素の同位体は、重水素及びトリチウムを含む。炭素の同位体は、13C及び14Cを含む。本発明の同位体標識化合物は、他で使用された非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用して、当業者に公知の従来の技法により、又は本明細書に記載されているものに類似した方法によって、一般に調製され得る。
本明細書で使用する場合、化合物の名称は、本化合物の、存在する、考えられる異性体(例えば、光学異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体又はラセミ混合物)、互変異性体及び薬学的に許容される塩のすべてを包含することが意図されている。
化合物
一般的な態様では、本出願は、式(I-b)の化合物:
又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物
(式中、
環Bは、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールであり、
環Cは、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールであり、
環Dは、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールであり、
X、Y及びZはそれぞれ、CH
2、O、NR
x及びS(O)
qからなる群から独立して選択され、R
xは、水素又はアルキルであり、
R
1は、水素又はアルキルであり、
R
4は、水素又はアルキルであり、
R
5は、水素であり、
qは、0、1又は2であり、
但し、環Bはフラニルではないことを条件とする)
に関する。
実施形態では、式(I)の化合物:
又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物
(式中、
環Bは、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールであり、
環Cは、アリール又はヘテロアリールであり、
環Dは、アリール又はヘテロアリールであり、
X、Y及びZはそれぞれ、O、CH
2、NR
x及びS(O)
qからなる群から独立して選択され、R
xは、水素又はアルキルであり、
R
1は、水素又はアルキルであり、
R
2はそれぞれ、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アミノ、アミド、アルキルアミノ、アミノアルキル、シアノ、ヒドロキシアルキル、-(CH
2)
pC(O)OR
6及び-(CH
2)
pOC(O)R
6からなる群から独立して選択され、
R
3はそれぞれ、水素、アルキル及びハロからなる群から独立して選択され、
R
4は、水素又はアルキルであり、
R
5は、水素であり、
R
6はそれぞれ、水素及びアルキルからなる群から独立して選択され、アルキルは、無置換であるか、又はアミノ、ヒドロキシル、ハロ及びアルコキシからなる群から独立して選択される1つ以上の基により置換されており、
mは、1、2、3又は4であり、
nは、1、2、3、4又は5であり、
pは、0、1、2、3、4又は5であり、
qは、0、1又は2である)
が提供される。
実施形態では、環Cが、場合により置換されているアリール、好ましくは場合により置換されているフェニルである、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、環Cが、場合により置換されているヘテロアリール、好ましくは場合により置換されているピリジニルである、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、mが1であり、R3が、独立して、水素、アルキル又はハロ、好ましくは水素、-CH3、-F又は-Cl、より好ましくはHである、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、環Cが、フェニルであり、mが1であり、R3が水素である、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、環Cが、フェニルであり、mが1であり、R3がフルオロである、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、環Cが、フェニルであり、mが1であり、R3がメチルである、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、環Dが、場合により置換されているアリール、好ましくは場合により置換されているフェニルである、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、環Dが、場合により置換されているヘテロアリールである、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、環Dが、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アミノ、アミド、アルキルアミノ、アミノアルキル、シアノ、ヒドロキシアルキル、-(CH2)pC(O)OR6及び-(CH2)pOC(O)R6からなる群から独立して選択される、1つ、2つ、3つ、4つ又は5つの置換基、好ましくは1つ又は2つの置換基により場合により置換されており、pが、0、1、2、3、4又は5である、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。置換基は、存在する場合、環Dの任意の位置において結合し得る。好ましくは、環Dは、1つの置換基により置換されている。
実施形態では、環Dが、可変要素Zへの結合に対して、メタ位において、1つの置換基により置換されている単環式アリール基又は単環式ヘテロアリール基、好ましくはメタ位において、置換されているフェニル又はピリジニルである、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。特に、環Dに対する好ましい置換基には、メチル(-CH3)、アミド(-C(O)NH2)、メトキシ(-OCH3)、ヒドロキシル(-OH)及びヒドロキシルメチル(-CH2OH)が含まれる。
特定の実施形態では、環Dは、フェニルである。
別の特定の実施形態では、環Dは、ピリジニルである。
実施形態では、nが1であり、R2が、C1~3アルコキシ(例えば、-OCH3、-OCH2CH2CH3、-OCH2CH3、-OCH(CH3)2)、C1~4アルキル(例えば、-CH3、-CH2CH3、-CH2CH(CH3)2)、-CH2OH、-OH、-COOH、-C(O)NH2、-C(O)NHCH3又は-CH2OC(O)CH(NH2)CH(CH3)2、-C(O)NH2、-C(O)NHCH3である、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。好ましくは、R2は、-CH3、-C(O)NH2、-CH2OH、-OCH3又はOHである。
実施形態では、環Dが、
である、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
本出願の実施形態によれば、ヒダントイン部分の不斉炭素原子は、無置換であっても(すなわち、R1は水素である)、又は置換されていてもよい。置換されている場合、R1置換基は、好ましくはアルキルである。ヒダントイン部分の不斉炭素原子の置換のための好ましいアルキル基は、C1~2アルキル基、例えばメチル及びエチルを含む。
実施形態では、R1が水素、-CH3又は-CH2CH3である、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、R1が水素である、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
ヒダントイン部分の窒素原子の置換も可能である。本出願の実施形態によれば、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素又はアルキルである。好ましいアルキル基には、メチルが含まれる。
実施形態では、R4が水素又は-CH3であり、R5が-CH3である、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、R4及びR5がそれぞれ、水素である、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
本出願の実施形態によれば、X、Y及びZはそれぞれ、O、NRx、CH2及びS(O)qからなる群から独立して選択され、qは、0、1又は2であり、Rxは、水素又はアルキルである。したがって、リンカー単位X、Y及びZはそれぞれ、O、S、S(O)、SO2、NH、N-アルキル及びCH2から独立して選択される。好ましくは、X、Y及びZはそれぞれ、S、S(O)、S(O)2、CH2及びO、より好ましくはS、CH2及びOから独立して選択される。
実施形態では、XがOであり、YがOであり、ZがCH2である、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、XがSであり、YがSであり、ZがCH2である、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、XがOであり、YがSであり、ZがCH2である、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、XがSであり、YがOであり、ZがCH2である、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、ZがOであり、YがCH2であり、XがSである、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、ZがSであり、YがCH2であり、XがOである、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、XがS(O)であり、YがOであり、ZがCH2である、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、XがS(O)2であり、YがOであり、ZがCH2である、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、XがSであり、YがNHであり、ZがCH2である、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、XがSであり、YがN(CH3)であり、ZがCH2である、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
好ましい実施形態では、X及びYの一方がSであり、もう一方がOである、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
より好ましい実施形態では、XがSであり、YがOである、式(I)の化合物(comound)又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
別の好ましい実施形態では、ZがCH2である、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、環Bが、場合により置換されているアリール、例えばフェニルである、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、環Bが、場合により置換されているヘテロアリールである、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。好ましくは、環Bは、N、S及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を有する、場合により置換されている5員又は6員のヘテロアリールである。特定の実施形態では、環Bは、5員のヘテロアリール環、例えばイミダゾリル、チオフェニル、オキサゾリル又はピラゾリルである。他の特定の実施形態では、環Bは、6員のヘテロアリール、例えばピリジニル又はピリジニルN-オキシドである。ヘテロアリール環の任意の位置異性体(positional or regioisomer)を使用することができ、ヒダントイン部分及びXリンカーは、ヘテロアリール環上の任意の置換可能な炭素原子において、ヘテロアリールに結合され得ることを意味する。例えば、環Bが、1個のヘテロ原子を含有する5員のヘテロアリール環である場合、ヒダントイン部分及びXリンカーは、ヘテロ原子に対して、2,3-置換パターン、2,4-置換パターン、2,5-置換パターン、3,4-置換パターンなどで、5員のヘテロアリール環に結合し得る。別の例示的な例として、環Bが、1個のヘテロ原子を含有する6員のヘテロアリール環である場合、ヒダントイン部分及びXリンカーは、ヘテロ原子に対して、2,3-置換パターン、2,4-置換パターン、2,5-置換パターン、2,6-置換パターン、3,4-置換パターンなどで、6員のヘテロアリール環に結合し得る。
一部の実施形態では、環Bが、置換されている、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。環Bは、アリール環又はヘテロアリール環の任意の置換可能な炭素原子上、又はヘテロアリール環の任意の置換可能なヘテロ原子、例えば窒素原子上において置換されていてもよい。例えば、環Bは、例えば、ヘテロアリール環、例えばイミダゾリル又はピラゾリルの窒素原子上のメチル基による置換を含めた、アルキル基、例えばメチルにより置換されていてもよい。
一部の実施形態では、環Bが、ピリジニル、ピラゾリル又はイミダゾリルであり、ピリジニル、ピラゾリル又はイミダゾリルがそれぞれ、-CH3により場合により置換されている、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、環Bが、-CH3により場合により置換されているピリジニルである、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、環Bが、ピリジニルN-オキシドである、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
一部の実施形態では、環Bがピリジニルである、式(II)の化合物:
又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物
(式中、可変要素はそれぞれ、式(I)の化合物に関して、上で定義されている通りである)
が提供される。
ある種の実施形態では、
環Cが、フェニル又はピリジニルであり、
R1が、水素、-CH3又は-CH2CH3であり、
R4が、水素又は-CH3であり、
R5が、水素又は-CH3であり、
Xが、S、S(O)又はSO2であり、
R3が、水素、-CH3、-F又は-Clであり、
Yが、O、NH、CH2又は-NH3であり、
Zが、CH2であり、
環Dが、フェニル又はピリジニルであり、
R2が、C1~3アルコキシ、C1~4アルキル、-CH2OH、-OH、-COOH、-C(O)NH2、-C(O)NHCH3又は-CH2OC(O)CH(NH2)CH(CH3)2であり、
mが、1であり、
nが、1である、
式(II)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
特定の実施形態では、式(II-a)、(II-b)、(II-c)若しくは(II-d)の化合物:
又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物(式中、可変要素はそれぞれ、式(I)又は式(II)の化合物に関して、上で定義されている通りである)が提供される。
ある種の実施形態では、
R1が、水素、-CH3又は-CH2CH3であり、
R4は、水素又は-CH3であり、
R5は、水素又は-CH3であり、
Xが、S、S(O)又はSO2であり、
R3が、水素、-CH3、-F又は-Clであり、
Yが、O、NH、CH2又は-NH3であり、
Zが、CH2であり、
環Dが、フェニル又はピリジニルであり、
R2が、C1~3アルコキシ、C1~4アルキル、-CH2OH、-OH、-COOH、-C(O)NH2、-C(O)NHCH3又は-CH2OC(O)CH(NH2)CH(CH3)2であり、
nが、1である、
式(II-a)、(II-b)、(II-c)若しくは(II-d)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
好ましい実施形態では、環Bがピリジニルである、式(IIーb)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、環Bが、チオフェニルである、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
一部の実施形態では、環Bがチオフェニルである、式(IV)の化合物:
又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物
(式中、可変要素はそれぞれ、式(I)の化合物に関して、上で定義されている通りである)
が提供される。
ある種の実施形態では、
R1、R4及びR5がそれぞれ、水素であり、
Xが、Sであり、
Yが、Oであり、
Zが、CH2であり、
R3が、水素であり、
環Dが、フェニル又はピリジニルであり、
R2が、-CH3、-C(O)NH2、-CH2OH、-OCH3又は-OHであり、
nが、1である、
式(IV)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、環Bがイミダゾリルである、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
一部の実施形態では、環Bがイミダゾリルである、式(Va)又は(Vb)の化合物:
又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物
(式中、可変要素はそれぞれ、式(I)の化合物に関して、上で定義されている通りである)
が提供される。
ある種の実施形態では、
R1、R4及びR5がそれぞれ、水素であり、
Xが、Sであり、
Yが、Oであり、
Zが、CH2であり、
R3が、水素であり、
環Dが、フェニル又はピリジニルであり、
R2が、-CH3、-C(O)NH2、-CH2OH、-OCH3又は-OHであり、
nが、1である、
式(V)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、環Bがピラゾリルである、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
一部の実施形態では、環Bがピラゾリルである、式(VI)の化合物:
又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物
(式中、可変要素はそれぞれ、式(I)の化合物に関して、上で定義されている通りである)
が提供される。
ある種の実施形態では、
R1、R4及びR5がそれぞれ、水素であり、
Xが、Sであり、
Yが、Oであり、
Zが、CH2であり、
R3が、水素であり、
環Dが、フェニル又はピリジニルであり、
R2が、-CH3、-C(O)NH2、-CH2OH、-OCH3又は-OHであり、
nが、1である、
式(VI)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、環Bがオキサゾリルである、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
一部の実施形態では、環Bがオキサゾリルである、式(VII)の化合物:
又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物
(式中、可変要素はそれぞれ、式(I)の化合物に関して、上で定義されている通りである)
が提供される。
ある種の実施形態では、
R1、R4及びR5がそれぞれ、水素であり、
Xが、Sであり、
Yが、Oであり、
Zが、CH2であり、
R3が、水素であり、
環Dが、フェニル又はピリジニルであり、
R2が、-CH3、-C(O)NH2、-CH2OH、-OCH3又は-OHであり、
nが、1である、
式(VII)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
特定の実施形態では、環Bがオキサゾリルである、式(VII-a)の化合物又は式(VII-b)の化合物:
又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物
(式中、可変要素はそれぞれ、式(I)又は式(VII)の化合物に関して、上で定義されている通りである)
が提供される。
特に関心のある化合物は、式(I-a)の化合物:
又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物
(式中、Qは、CH又はNであり、可変要素基の残りは、式(I)の化合物に関して、上で定義されている通りである)
を含む。
実施形態では、QがCHである、式(I-a)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、QがNである、式(I-a)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、R2が、アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アミノ、アミド、アルキルアミノ、アミノアルキル、シアノ、ヒドロキシアルキル、-(CH2)pC(O)OR6及び-(CH2)pOC(O)R6であり、pが、0、1、2、3、4又は5である、式(I-a)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、R2が、C1~3アルコキシ(例えば、-OCH3、-OCH2CH2CH3、-OCH2CH3、-OCH(CH3)2)、C1~4アルキル(例えば、-CH3、-CH2CH3、-CH2CH(CH3)2)、-CH2OH、-OH、-COOH、-C(O)NH2、-C(O)NHCH3又は-CH2OC(O)CH(NH2)CH(CH3)2、-C(O)NH2、-C(O)NHCH3である、式(I-a)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。好ましくは、R2は、-CH3、-C(O)NH2、-CH2OH、-OCH3又は-OHである。
実施形態では、R1が水素、-CH3又は-CH2CH3である、式(I-a)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。好ましくは、R1は水素である。
実施形態では、R4が水素である、式(I-a)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、R5が水素又は-CH3である、式(I-a)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、R1、R4及びR5がそれぞれ、水素である、式(I-a)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、Xが、S、S(O)又はSO2である、式(I-a)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、Yが、O、NH、CH2又はN(CH3)である、式(I-a)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、XがSであり、YがOである、式(I-a)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、環Bがピリジニルである、式(I-a)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、環Bがチオフェニルである、式(I-a)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、環Bがフェニルである、式(I-a)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、環Bがピラゾリルである、式(I-a)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、環Bがイミダゾリルである、式(I-a)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、環Bがオキサゾリルである、式(I-a)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
実施形態では、
環Bが、ピリジニルであり、
Qが、CH又はNであり、
R1、R4及びR5がそれぞれ、水素であり、
R2が、アルキル、アミド、ヒドロキシル、アルコキシ及びヒドロキシルアルキルからなる群から選択され、
Xが、Sであり、
Yが、Oである、
式(I-a)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
本出願の例示的な化合物は、以下に限定されないが、以下の表1に一覧表示されている化合物、及びその任意の互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩又は溶媒和物を含む。MMP-12のIC50値は、以下の実施例1に記載されているアッセイに準拠して決定した。IC50値は、以下の通り報告する:A=10nM未満、B=10nM~100nM、C=100nM~1000nM、D=1000nM超。
本出願の化合物は、以下に一般に記載されている任意の数の方法によって調製することができ、より詳細には、本明細書の以下に続く、例示的な例によって例示される。例えば、本出願の化合物は、一般スキーム1~9のいずれか1つにより調製することができる。特に、XがSであり、YがOであり、ZがCH2である化合物は、一般スキーム1~4及び9に示されている通り調製することができる。X及びYがそれぞれ、Oであり、ZがCH2である化合物は、一般スキーム5に示されている通り調製することができる。XがSであり、YがCH2であり、ZがOである化合物は、一般スキーム6に示されている通り調製することができる。XがSであり、YがNHであり、ZがCH2である化合物は、一般スキーム7に示されている通り調製することができる。XがSであり、Y及びZがそれぞれ、CH2である化合物は、一般スキーム8に示されている通り調製することができる。
1Xは、ハロである。環Dは、場合により置換されているアリール又はヘテロアリールである。R
3は、水素、アルキル及びハロから独立して選択される。mは、1~4の整数である。環Bは、場合により置換されているアリール又はヘテロアリールである。
有機溶媒中に中間体A及び中間体Bの溶液を調製し、この溶液に水酸化ナトリウムを加えて、反応混合物を形成する。この反応混合物を一晩、撹拌し、次に、水及び有機溶媒と混合して抽出する。有機層を乾燥し、高真空下で溶媒蒸発させて、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体Cを得る。次に、中間体Cは、有機溶媒中で中間体D及び炭酸カリウムと混合し、この反応を薄層クロマトグラフィー(TLC)によってモニタリングする。中間体Eの形成がTLCによって確認されると、この反応混合物を抽出して、有機層を乾燥し、高真空下で溶媒蒸発させる。カラムクロマトグラフィーによって残留物を精製し、中間体Eを得る。次に、中間体Eを、水性アルコール中、(NH4)2CO3及びシアン化カリウム(KCN)と一晩、反応させる。この反応混合物を溶媒蒸発させて、溶媒を除去し、次に、抽出する。有機層を乾燥して溶媒蒸発し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、本出願の実施形態による化合物を得る。
1Xは、ハロである。環Dは、場合により置換されているアリール又はヘテロアリールである。R
3は、水素、アルキル及びハロから独立して選択される。mは、1~4の整数である。環Bは、場合により置換されているアリール又はヘテロアリールである。
DMSO中の中間体Bの混合物を、窒素雰囲気下で加熱しながら、一晩、撹拌する。次に、この混合物を水により希釈し、抽出する。有機層をブラインにより洗浄して乾燥し、ろ過して濃縮し、中間体Fを得る。中間体F、中間体D及び炭酸カリウムからなる混合物を、窒素雰囲気下で加熱しながら撹拌する。この混合物を水により希釈し、抽出する。有機層をブラインにより洗浄し、乾燥してろ過し、濃縮してカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体Gを得る。有機溶媒中の中間体Gに、トリフェニルホスフィン、臭化テトラ-n-ブチルアンモニウム(TBAB)及び希塩酸を加え、混合物を形成し、これを室温で撹拌する。この混合物を濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体Hを得る。中間体Hを中間体A及び炭酸カリウムと反応させて、この混合物を窒素雰囲気下、加熱しながら一晩、撹拌する。この混合物を真空下で濃縮し、分取TLCによって精製し、中間体Eを得る。次に、中間体Eを、水性アルコール中、(NH4)2CO3及びシアン化カリウム(KCN)と一晩、反応させる。この反応混合物を溶媒蒸発させて、溶媒を除去し、次に、抽出する。有機層を乾燥して溶媒蒸発し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、本出願の実施形態による化合物を得る。
1Xは、ハロである。環Dは、場合により置換されているアリール又はヘテロアリールである。R
3は、水素、アルキル及びハロから独立して選択される。mは、1~4の整数である。環Bは、場合により置換されているアリール又はヘテロアリールである。
有機溶媒中に中間体A及び中間体Bの溶液を調製し、この溶液に水酸化ナトリウムを加えて、反応混合物を形成する。この反応混合物を一晩、撹拌し、次に、水及び有機溶媒と混合して抽出する。有機層を乾燥し、高真空下で溶媒蒸発させて、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体Cを得る。有機溶媒中の中間体Cの混合物に、エタン-1,2-ジオール及びTsOHを加え、この混合物を窒素雰囲気下、還流下で加熱する。この混合物を減圧下で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフによって精製し、中間体Iを得る。中間体Iを、撹拌下、室温において、中間体D、トリフェニルホスフィン及びジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)と反応させる。この反応物を水によりクエンチして抽出する。有機層を乾燥し、減圧下で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体Jを得る。酸中の中間体Jの混合物を、加熱下で撹拌する。この反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮する。残留物に飽和炭酸水素ナトリウムを加え、抽出する。有機層を洗浄して乾燥し、減圧下で濃縮し、中間体Eを得る。次に、中間体Eを、水性アルコール中、(NH4)2CO3及びシアン化カリウム(KCN)と一晩、反応させる。この反応混合物を溶媒蒸発させて、溶媒を除去し、次に、抽出する。有機層を乾燥して溶媒蒸発し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、本出願の実施形態による化合物を得る。
1Xは、ハロである。環Dは、場合により置換されているアリール又はヘテロアリールである。R
3は、水素、アルキル及びハロから独立して選択される。mは、1~4の整数である。環Bは、場合により置換されているアリール又はヘテロアリールである。R
1は、アルキルである。
中間体Kの混合物に、窒素雰囲気下、-78℃でLDAを加え、この混合物を1時間、撹拌する。次に、中間体Lを滴下して加え、この混合物を1時間、撹拌する。この反応物を塩化アンモニウムの飽和水溶液によりクエンチして抽出する。有機層を洗浄して乾燥し、真空下で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体Mを得る。中間体Mを酸化して、中間体Nを得る。中間体N、中間体H(一般スキーム2中に上記の通り調製)、DPPF及びDIEAからなる混合物に、Pd(dba)2を加える。この混合物を加熱下で撹拌し、次にろ過して抽出する。有機相を乾燥し、減圧下で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフによって精製し、中間体Pを得る。次に、中間体Pを、水性アルコール中、(NH4)2CO3及びシアン化カリウム(KCN)と一晩、反応させる。この反応混合物を溶媒蒸発させて、溶媒を除去し、次に、抽出する。有機層を乾燥して溶媒蒸発し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、本出願の実施形態による化合物を得る。
1Xは、ハロである。環Dは、場合により置換されているアリール又はヘテロアリールである。R
3は、水素、アルキル及びハロから独立して選択される。mは、1~4の整数である。環Bは、場合により置換されているアリール又はヘテロアリールである。
有機溶媒中の中間体Dの溶液に、中間体Q、トリフェニルホスフィン及びDEADを0℃で加える。この混合物を室温まで温め、撹拌する。次に、この混合物を水によりクエンチして抽出する。有機層を洗浄して乾燥し、真空下で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体Rを得る。有機溶媒中の中間体Rの溶液に、中間体A及び炭酸カリウムを加える。この混合物を加熱下で撹拌し、次に、塩酸を加えて、pHを6~7に調節する。混合物を抽出し、有機層を洗浄して乾燥し、減圧下で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体Sを得る。次に、中間体Sを、水性アルコール中、(NH4)2CO3及びシアン化カリウム(KCN)と一晩、反応させる。この反応混合物を溶媒蒸発させて、溶媒を除去し、次に、抽出する。有機層を乾燥して溶媒蒸発し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、本出願の実施形態による化合物を得る。
1Xは、ハロである。環Dは、場合により置換されているアリール又はヘテロアリールである。R
3は、水素、アルキル及びハロから独立して選択される。mは、1~4の整数である。環Bは、場合により置換されているアリール又はヘテロアリールである。
有機溶媒中の中間体Aの溶液に、窒素雰囲気下、室温で、中間体T及び炭酸カリウムを加える。この混合物を室温で撹拌し、混合物のTLC分析が所望の生成物に転化したことを示した後、この混合物を水により希釈して抽出し、有機層を洗浄して乾燥し、減圧下で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体Uを得る。有機溶媒中の中間体Uの溶液に、TsOHを加える。撹拌して数分後、有機溶媒中のエタン-1,2-ジオールの溶液を滴下して加える。この混合物を加熱下で撹拌し、次に飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注ぎ入れて、抽出する。有機相を乾燥し、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体Vを得る。中間体VをLAHにより還元し、この反応物をクエンチして抽出し、有機層を乾燥して、減圧下で濃縮する。カラムクロマトグラフィーによって残留物を精製し、中間体Yを得る。有機溶媒中の中間体Yの混合物に、0℃でSOCl2を加える。数時間、撹拌した後、pHをpH7に調節し、この混合物を抽出する。有機層を乾燥し、減圧下で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体Xを得る。窒素雰囲気下、室温で、中間体Xを中間体Y及び炭酸カリウムと反応させる。この混合物を水により希釈して抽出し、有機層を洗浄して乾燥し、減圧下で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体Zを得る。酸中の中間体Zの混合物を、加熱下で撹拌する。この反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮する。残留物に飽和炭酸水素ナトリウムを加え、抽出する。有機層を洗浄して乾燥し、減圧下で濃縮し、中間体A1を得る。次に、中間体A1を、水性アルコール中、(NH4)2CO3及びシアン化カリウム(KCN)と一晩、反応させる。この反応混合物を溶媒蒸発させて、溶媒を除去し、次に、抽出する。有機層を乾燥して溶媒蒸発し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、本出願の実施形態による化合物を得る。
1Xは、ハロである。環Dは、場合により置換されているアリール又はヘテロアリールである。R
3は、水素、アルキル及びハロから独立して選択される。mは、1~4の整数である。環Bは、場合により置換されているアリール又はヘテロアリールである。
有機溶媒中の中間体B1及びBOC2Oの溶液に、トリエチルアミン及びDMAPを加え、この混合物を室温で撹拌する。この混合物をクエンチして抽出し、有機相を洗浄して乾燥し、減圧下で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体C1を得る。室温で、中間体C1を中間体A及び炭酸カリウムと反応させる。この混合物を水により希釈して抽出し、有機相を洗浄して乾燥し、減圧下で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体D1を得る。有機溶媒中の中間体D1の撹拌溶液にTsOHを加える。撹拌して数分後、有機溶媒中のエタン-1,2-ジオールの溶液を滴下して加える。この混合物を加熱下で撹拌し、次に飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注ぎ入れて、抽出する。有機相を乾燥し、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体E1を得る。中間体E1及び中間体Dの溶液に水素化ナトリウムを加える。この混合物を水により希釈して抽出し、有機層を洗浄して乾燥し、減圧下で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体F1を得る。酸中の中間体F1の混合物を、加熱下で撹拌する。この反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮する。残留物に飽和炭酸水素ナトリウムを加え、抽出する。有機層を洗浄して乾燥し、減圧下で濃縮し、中間体G1を得る。次に、中間体G1を、水性アルコール中、(NH4)2CO3及びシアン化カリウム(KCN)と一晩、反応させる。この反応混合物を溶媒蒸発させて、溶媒を除去し、次に、抽出する。有機層を乾燥して溶媒蒸発し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、本出願の実施形態による化合物を得る。
1Xは、ハロである。環Dは、場合により置換されているアリール又はヘテロアリールである。R
3は、水素、アルキル及びハロから独立して選択される。mは、1~4の整数である。環Bは、場合により置換されているアリール又はヘテロアリールである。
中間体B1の溶液に、0℃で塩酸(HCl)、硫酸(H2SO4)及びNaNO2を逐次、加え、この混合物を撹拌する。次に、ウレアを加える。数分間、撹拌した後、KIの水溶液を滴下して加え、この混合物を0℃で撹拌する。この混合物を抽出し、有機層を洗浄して溶媒蒸発させて、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体H1を得る。アルコール中の中間体H1の混合物を数時間、室温で撹拌し、次に、この混合物を減圧下で濃縮して抽出し、カラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体I1を得る。中間体I1の溶液に中間体A及び炭酸カリウムを加え、この混合物を室温で撹拌する。次に、水を加え、この混合物を抽出する。この有機層を乾燥して溶媒蒸発させて、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体J1を得る。トリエチルアミン中の中間体J1及び中間体K1の溶液に、窒素雰囲気下、パラジウムを触媒とするカップリング反応に好適なパラジウム錯体及びCuIを加える。この混合物を室温で撹拌し、次に、飽和塩化アンモニウム溶液によりクエンチする。この混合物を抽出し、有機層を洗浄して乾燥し、減圧下で濃縮し、中間体L1を得る。アルコール中の中間体L1の溶液にPd/Cを加え、この混合物を水素雰囲気下、室温で撹拌する。この混合物をろ過して、ろ液を濃縮し、中間体M1を得る。次に、中間体M1を、水性アルコール中、(NH4)2CO3及びシアン化カリウム(KCN)と一晩、反応させる。この反応混合物を溶媒蒸発させて、溶媒を除去し、次に、抽出する。有機層を乾燥して溶媒蒸発し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、本出願の実施形態による化合物を得る。
1Xは、ハロである。環Dは、場合により置換されているアリール又はヘテロアリールである。R
3は、水素、アルキル及びハロから独立して選択される。mは、1~4の整数である。環Bは、場合により置換されているアリール又はヘテロアリールである。Rは、アルキルである。
中間体N1の溶液に、水酸化ナトリウム及び中間体Bを加え、この混合物を一晩、撹拌する。この反応混合物を抽出し、有機層を乾燥して、残留物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、中間体O1を得る。中間体O1の溶液に、炭酸カリウム及び中間体Dを加え、この混合物を室温で撹拌する。この混合物を抽出し、有機層を洗浄して乾燥し、減圧下で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体P1を得る。中間体P1の無水溶媒の溶液に、0℃でDIBAL-Hを加える。この混合物をクエンチして抽出し、有機層を洗浄して乾燥し、減圧下で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、中間体Q1を得る。中間体Q1を酸化して、中間体R1を得る。次に、中間体R1を、水性アルコール中、(NH4)2CO3及びシアン化カリウム(KCN)と一晩、反応させる。この反応混合物を溶媒蒸発させて、溶媒を除去し、次に、抽出する。有機層を乾燥して溶媒蒸発し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、本出願の実施形態による化合物を得る。
本出願の化合物のヒダントイン部分の窒素原子は、上記の一般スキームのいずれか1つに従い調製した化合物を水素化ナトリウム及びヨウ化アルキル(例えば、CH3I)と反応させることによって、アルキル化することができる。X、Y及びZの1つがS(O)又はSO2である化合物は、上記の一般スキームのいずれか1つに従い調製した化合物をm-CPBAと反応させることによって調製することができる。
本出願の化合物の薬学的に許容される塩は、慣用的な化学方法により、酸性部分又は塩基性部分を含有する親化合物から合成することができる。一般に、このような塩は、水中、若しくは有機溶媒中、又は上記2つの混合物中、遊離酸又は遊離塩基の形態のこれらの化合物を、化学量論量の適切な酸又は塩基と反応させることにより調製することができる。好適な有機溶媒の例には、以下に限定されないが、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール又はアセトニトリルが含まれる。
組成物
本出願の別の態様は、本明細書に記載されている本出願の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を含む医薬組成物に関する。
本出願の組成物はまた、薬学的に許容される担体を含むことができる。薬学的に許容される担体は、非毒性であり、活性成分の有効性を妨害するべきではない。薬学的に許容される担体は、1種以上の賦形剤、例えば、結合剤、崩壊剤、膨潤剤、懸濁化剤、乳化剤、湿潤剤、滑沢剤、香味剤、甘味剤、保存剤、染料、可溶化剤及びコーティング剤を含むことができる。担体又は他の物質の正確な性質は、投与経路、例えば、筋肉内、皮内、皮下、経口、静脈内、経皮、経粘膜(例えば、消化管)、鼻内又は腹腔内経路に依存し得る。液状注射調製物、例えば、懸濁液剤及び溶液剤の場合、好適な担体及び添加物には、水、グリコール、油、アルコール、保存剤、着色剤などが含まれる。固形経口調製物、例えば、散剤、カプセル剤、カプレット剤、ゲルキャップ剤及び錠剤の場合、好適な担体及び添加物には、デンプン、糖、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などが含まれる。点鼻噴霧剤/吸入混合物の場合、水溶液/懸濁液は、好適な担体及び添加物として、水、グリコール、油、エモリエント剤、安定化剤、湿潤剤、保存剤、芳香剤、風味剤などを含むことができる。
本出願の組成物は、以下に限定されないが、経口(腸)投与及び非経口注射を含めた、投与を容易にし、有効性を改善するために、対象に投与するのに好適な任意の物質中で製剤化することができる。非経口注射には、静脈内注射又は注入、皮下注射、皮内注射及び筋肉内注射が含まれる。本出願の組成物はまた、経粘膜、眼、直腸、長期作用型インプラント、舌の下への舌下投与、門脈循環を迂回する口腔粘膜から、吸入又は鼻内を含めた、他の投与経路向けに製剤化され得る。
特定の実施形態では、組成物は、経口投与向けに製剤化される。
本出願のさらに別の態様は、医薬組成物を調製する方法であって、本出願の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物と少なくとも1種の薬学的に許容される担体とを一緒にするステップを含む方法に関する。医薬組成物は、本開示を鑑みると、当分野において公知の任意の方法によって調製することができ、当業者は、医薬組成物を調製するために使用されるこのような技法に精通していよう。例えば、本出願による医薬組成物は、以下に限定されないが、慣用的な混合法、溶解法、造粒法、乳化法、カプセル封入法、捕捉法又は凍結乾燥法を含めた、慣用的な医薬品のコンパウンディング技法に準拠して、本出願の化合物と1種以上の薬学的に許容される担体とを混合することによって調製することができる。
使用方法
本出願はまた、本出願の化合物及び本出願の医薬組成物を使用する、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)を阻害する方法、及びMMPにより媒介される疾患を処置する方法を提供する。
マトリキシンとしても知られている、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)は、器官形成、成長及び正常組織の代謝回転の間、最も外側の細胞外マトリックスタンパク質の分解を連携して担う酵素のグループである。MMPは、カルシウム依存性亜鉛含有エンドペプチダーゼであり、メトジンシンスーパーファミリーとして知られているプロテアーゼのより大きなファミリーに属する。MMPは、細胞外マトリックスタンパク質を分解することができるが、いくつかの生物活性分子をやはり処理することができ、例えば、細胞表面受容体の切断、アポトーシスリガンドの放出及びケモカイン/サイトカイン不活性化に関与することが知られている。MMPはまた、細胞挙動、例えば、細胞増殖、移動(接着/分散)、分化、血管新生、アポトーシス及び宿主防御において主な役割を果たすとやはり考えられている。MMPは、メタロプロテイナーゼ(TIMP)の特定の内因性組織阻害剤によって阻害され、これは、4つのプロテアーゼ阻害剤:TIMP-1、TIMP-2、TIMP-3及びTIMP-4のファミリーを含む。MMPの例には、以下に限定されないが、MMP-1(間質コラゲナーゼ)、MMP-2(ゼラチナーゼ-A)、MMP-3(ストロメリシン1)、MMP-7(マトリリシン)、MMP-8(好中球コラゲナーゼ)、MMP-9(ゼラチナーゼ-B)、MMP-10(ストロメリシン2)、MMP-11(ストロメリシン3)、MMP-12(マクロファージエラスターゼ)、MMP-13(コラゲナーゼ3)、MMP-14(MT1-MMP)などが含まれる。
好ましい実施形態では、本出願の化合物は、マクロファージエラスターゼ(MMP-12)を阻害すること、及び/又はMMP-12により媒介される疾患を処置することが可能である。マクロファージメタロエラスターゼ(MME)又はマクロファージエラスターゼ(ME)としても知られているMMP-12は、ヒトにおける、MMP12遺伝子によってコードされる。他の実施形態では、本出願の化合物は、MMP-12を選択的に阻害することができる。用語「選択的な」、「選択性」及び「選択的に」は、特定のMMPへの結合又はその活性の阻害に言及して使用される場合、ある化合物が他のMMPに結合する、又はその活性を阻害するよりも高い程度に、前記化合物が特定のMMPに結合する、又はその活性を阻害することを意味する。例えば、MMP-12に対する選択性を有する化合物は、他のMMP、例えば、MMP-1、MMP-2、MMP-3、MMP-7、MMP-8、MMP-9、MMP-10、MMP-13、MMP-14などよりも高い程度に、MMP-12の活性を阻害する。
本出願の実施形態によれば、MMP-12に対して選択性がある化合物は、1つ以上の他のMMPよりも、少なくとも約10倍、100倍又は1000倍高く、MMP-12の活性を阻害し、好ましくは、少なくとも1つの他のMMP、例えば、MMP-1又はMMP-7よりも少なくとも約1000倍高く、MMP-12の活性を阻害する。
本出願はまた、MMP-12によって媒介される疾患を処置する方法を提供する。本発明の実施形態によれば、MMP-12によって媒介される疾患を処置する方法は、対象に、治療有効量の本出願の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、或いは本出願の医薬組成物を投与するステップを含む。
本明細書で使用する場合、用語「処置する」、「処置すること」及び「処置」はすべて、対象において必ずしも認識されないが、対象において認識可能な、MMP-12によって媒介される疾患に関連する少なくとも1つの測定可能な物理パラメータの改善又は反転を指すことが意図されている。用語「処置する」、「処置すること」及び「処置」はまた、MMP-12によって媒介される疾患の後退を誘発すること、この進行を予防すること、又はその進行を少なくとも減速させることを指すことができる。特定の実施形態では、「処置する」、「処置すること」及び「処置」は、MMP-12によって媒介される疾患に関連する1つ以上の症状の発達若しくは発症の緩和、予防、又はこの期間の短縮を指す。特定の実施形態では、「処置する」、「処置すること」及び「処置」は、MMP-12によって媒介される疾患の再発の予防を指す。特定の実施形態では、「処置する」、「処置すること」及び「処置」は、MMP-12によって媒介される疾患を有する対象の生存の増大を指す。特定の実施形態では、「処置する」、「処置すること」及び「処置」は、対象における、MMP-12によって媒介される疾患の排除を指す。
本明細書で使用する場合、「治療有効量」は、研究者、獣医、医師又は他の条件によって求められている、組織系又は対象における生物学的応答又は医療的応答を誘発する組成物又は化合物の量を意味し、これは、処置されている疾患又は障害の症状の緩和を含むことができる。治療有効量は、様々な因子、例えば、対象の身体的状態、年齢、重量、健康など、及び処置されるべき特定の疾患に応じて、様々となり得る。治療有効量は、本開示を鑑みると、当業者によって容易に決定することができる。
本出願の特定の実施形態では、治療有効量は、MMP-12を阻害する、又はMMP-12によって媒介される疾患を処置するのに十分な、本出願の組成物又は化合物の量を指す。本出願の方法により処置され得るMMP-12により媒介される疾患には、以下に限定されないが、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気腫、急性肺損傷、特発性肺線維症(IPF)、サルコイドーシス、全身性硬化症、肝線維症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、関節炎、がん、心臓疾患、炎症性腸疾患(IBD)、急性腎臓損傷(AKI)、慢性腎疾患(CKD)、アルポート症候群及び腎炎が含まれる。
実施形態
実施形態1は、式(I-b)の化合物:
又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物
(式中、
環Bは、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールであり、
環Cは、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールであり、
環Dは、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールであり、
X、Y及びZはそれぞれ、CH
2、O、NR
x及びS(O)
qからなる群から独立して選択され、R
xは、水素又はアルキルであり、
R
1は、水素又はアルキルであり、
R
4は、水素又はアルキルであり、
R
5は、水素であり、
qは、0、1又は2であり、
但し、環Bはフラニルではないことを条件とする)
である。
実施形態2は、式(I)の化合物:
又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物
(式中、
環Bは、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールであり、
環Cは、アリール又はヘテロアリールであり、
環Dは、アリール又はヘテロアリールであり、
X、Y及びZはそれぞれ、O、CH
2、NR
x及びS(O)
qからなる群から独立して選択され、R
xは、水素又はアルキルであり、
R
1は、水素又はアルキルであり、
R
2はそれぞれ、水素、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アミン、アミド、アルキルアミン、アミノアルキル、シアノ、ヒドロキシアルキル、-(CH
2)
pC(O)OR
6及び-(CH
2)
pOC(O)R
6からなる群から独立して選択され、
R
3はそれぞれ、水素、アルキル及びハロゲンからなる群から独立して選択され、
R
4は、水素又はアルキルであり、
R
5は、水素であり、
R
6はそれぞれ、水素及びアルキルからなる群から独立して選択され、アルキルは、無置換であるか、又はアミン、ヒドロキシル、ハロゲン及びアルコキシからなる群から独立して選択される1つ以上の基により置換されており、
mは、1、2、3又は4であり、
nは、1、2、3、4又は5であり、
pは、0、1、2、3、4又は5であり、
qは、0、1又は2であり、
但し、環Bはフラニルではないことを条件とする)
である。
実施形態3は、環Bが、N、S及びOから独立して選択される1~2個のヘテロ原子を有する5員又は6員の単環式ヘテロアリールである、実施形態1又は実施形態2の化合物である。
実施形態4は、環Bが、ピリジニル、チオフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル又はオキサゾリルである、実施形態1~3のいずれか1つの化合物である。
実施形態5は、環Bがピリジニルである、実施形態4の化合物である。
実施形態6は、式(II)の化合物:
又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物
(式中、可変要素はそれぞれ、式(I)の化合物において定義されている通りである)
である、実施形態5の化合物である。
実施形態7は、式(II-a)、(II-b)、(II-c)又は(II-d)の化合物:
又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物
(式中、可変要素はそれぞれ、式(I)の化合物において定義されている通りである)
である、実施形態5の化合物である。
実施形態8は、環Bがチオフェニルである、実施形態4の化合物である。
実施形態9は、式(IV)の化合物:
又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物
(式中、可変要素はそれぞれ、式(I)の化合物において定義されている通りである)
である、実施形態8の化合物である。
実施形態10は、環Bがイミダゾリルである、実施形態4の化合物である。
実施形態11は、式(Va)又は(Vb)の化合物:
又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物
(式中、可変要素はそれぞれ、式(I)の化合物において定義されている通りである)
である、実施形態10の化合物である。
実施形態12は、環Bがピラゾリルである、実施形態4の化合物である。
実施形態13は、式(VI)の化合物:
又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物
(式中、可変要素はそれぞれ、式(I)の化合物において定義されている通りである)
である、実施形態12の化合物である。
実施形態14は、環Bがオキサゾリルである、実施形態4の化合物である。
実施形態15は、
式(VII)の化合物:
又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物
(式中、可変要素はそれぞれ、式(I)の化合物において定義されている通りである)
である、実施形態14の化合物である。
実施形態16は、式(VII-a)又は(VII-b)の化合物:
又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物
(式中、可変要素はそれぞれ、式(I)の化合物において定義されている通りである)
である、実施形態15の化合物である。
実施形態17は、環Cがフェニルである、実施形態1~6のいずれか1つの化合物である。
実施形態18は、環Cがピリジニルである、実施形態1~6のいずれか1つの化合物である。
実施形態19は、R3が、水素、メチル、フルオロ及びクロロからなる群から選択される、実施形態2~18のいずれか1つの化合物である。
実施形態20は、環Dが、ピリジニル又はフェニルである、実施形態1~19のいずれか1つの化合物である。
実施形態21は、R2が、メチル、-CH2OH、ヒドロキシル、-OC(O)CH(NH2)CH(CH3)2、-COOH、-CH2OC(O)CH(NH2)CH(CH3)2、-C(O)NH2、-C(O)NH(CH3)及びC1~4アルコキシからなる群から選択される、実施形態2~20のいずれか1つの化合物である。
実施形態22は、環Dが、
である、実施形態1~21のいずれか1つの化合物である。
実施形態23は、R4が水素である、実施形態1~22のいずれか1つの化合物である。
実施形態24は、R4がアルキルである、実施形態1~22のいずれか1つの化合物である。
実施形態25は、R4がメチルである、実施形態24の化合物である。
実施形態26は、R5がメチルである、実施形態1~25のいずれか1つの化合物である。
実施形態27は、R5が水素である、実施形態1~25のいずれか1つの化合物である。
実施形態28は、R1がC1~4アルキルである、実施形態1~27のいずれか1つの化合物である。
実施形態29は、R1がメチル又はエチルである、実施形態28の化合物である。
実施形態30は、R1が水素である、実施形態1~27のいずれか1つの化合物である。
実施形態31は、XがSであり、YがOであり、ZがCH2である、実施形態1~30のいずれか1つの化合物である。
実施形態32は、式(I-a)の化合物:
又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物
(式中、
環Bは、5員又は6員のヘテロアリールであり、
Zは、CH又はNであり、
R
1及びR
4はそれぞれ、アルキル又は水素であり、
R
5は、水素であり、
R
2は、アルキル、アミド、ヒドロキシル、アルコキシ及びヒドロキシルアルキルからなる群から選択され、
X及びYは、S及びOからそれぞれ独立して選択される)
である。
実施形態33は、環Bが、ピリジニル、チオフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル又はオキサゾリルである、実施形態32の化合物である。
実施形態34は、R1が水素である、実施形態32又は実施形態33の化合物である。
実施形態35は、R1がC1~4アルキルである、実施形態32又は実施形態33の化合物である。
実施形態36は、R1がメチル又はエチルである、実施形態35の化合物である。
実施形態37は、R4が水素である、実施形態32~36のいずれか1つの化合物である。
実施形態38は、実施形態1~37のいずれか1つに記載の化合物、及び少なくとも1種の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物である。
実施形態39は、それを必要とする対象におけるマクロファージエラスターゼ(MMP-12)を阻害する方法であって、対象に実施形態38の医薬組成物を投与するステップを含む方法である。
実施形態40は、それを必要とする対象におけるマクロファージエラスターゼ(MMP-12)によって媒介される疾患を処置する方法であって、対象に実施形態38の医薬組成物を投与するステップを含む方法である。
実施形態41は、疾患が、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気腫、急性肺損傷、特発性肺線維症(IPF)、サルコイドーシス、全身性硬化症、肝線維症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、関節炎、がん、心臓疾患、炎症性腸疾患(IBD)、急性腎臓損傷(AKI)、慢性腎疾患(CKD)、アルポート症候群及び腎炎からなる群から選択される、実施形態40の方法である。
実施形態42は、マクロファージエラスターゼ(MMP-12)を阻害する際に使用するための、実施形態1~37のいずれか1つの化合物、又は実施形態38の医薬組成物である。
実施形態43は、マクロファージエラスターゼ(MMP-12)によって媒介される疾患の処置に使用するための、実施形態1~37のいずれか1つの化合物、又は実施形態38の医薬組成物である。
実施形態44は、疾患が、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気腫、急性肺損傷、特発性肺線維症(IPF)、サルコイドーシス、全身性硬化症、肝線維症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、関節炎、がん、心臓疾患、炎症性腸疾患(IBD)、急性腎臓損傷(AKI)、慢性腎疾患(CKD)、アルポート症候群及び腎炎からなる群から選択される、実施形態43の使用のための化合物又は組成物である。
実施形態45は、マクロファージエラスターゼ(MMP-12)を阻害するための医薬の製造における、実施形態1~37のいずれか1つの化合物、又は実施形態38の医薬組成物の使用である。
実施形態46は、マクロファージエラスターゼ(MMP-12)によって媒介される疾患を処置するための医薬の製造における、実施形態1~37のいずれか1つの化合物、又は実施形態38の医薬組成物の使用である。
実施形態47は、疾患が、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気腫、急性肺損傷、特発性肺線維症(IPF)、サルコイドーシス、全身性硬化症、肝線維症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、関節炎、がん、心臓疾患、炎症性腸疾患(IBD)、急性腎臓損傷(AKI)、慢性腎疾患(CKD)、アルポート症候群及び腎炎からなる群から選択される、実施形態46の使用である。
実施形態48は、化合物又は薬学的に許容されるその塩と少なくとも1種の薬学的に許容される担体とを一緒にするステップを含む、実施形態38の医薬組成物を調製する方法である。
[実施例]
本出願の以下の実施例は、本出願の性質をさらに例示することである。以下の実施例は、本出願を限定するものではなく、本出願範囲は、添付の特許請求の範囲によって決定されるべきであることを理解すべきである。
合成の方法
特に示さない限り、化学試薬及び合成条件に関する略称は、以下の通り、当分野で公知のその通常の意味を有する:
「LDA」とは、リチウムジイソプロピルアミドを指す。
「EA」とは、酢酸エチルを指す。
「PE」とは、石油エーテルを指す。
「r.t.」及び「rt」とは、室温を指す。
「THF」は、テトラヒドロフランを指す。
「DEAD」とは、ジエチルアゾジカルボキシレートを指す。
「TBAB」とは、臭化テトラブチルアンモニウムを指す。
「DCM」とは、ジクロロメタンを指す。
「HOBT」とは、ヒドロキシベンゾトリアゾールを指す。
「LAH」とは、水素化アルミニウムリチウムを指す。
「TLC」とは、薄層クロマトグラフィーを指す。
「分取TLC」とは、分取薄層クロマトグラフィーを指す。
「TMS-I」とは、ヨウ化トリメチルシリルを指す。
「Hex」とは、ヘキサンを指す。
「DMF」とは、ジメチルホルムアミドを指す。
「h」とは、時間を指す。
「EDCI」とは、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドを指す。
「DMAP」とは、4-ジメチルアミノピリジンを指す。
「分取HPLC」とは、分取高速液体クロマトグラフィーを指す。
「DHP」とは、ジヒドロピランを指す。
「DPPF」とは、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンを指す。
「DIEA」とは、ジイソプロピルエチルアミンを指す。
化合物TC-1、TC-2、TC-3、TC-4、TC-5、TC-6、TC-7及びTC-8の合成のための重要中間体TI-1の調製
3-ブロモチオフェン-2-カルボアルデヒド(10g、52.5mmol)及び4-メルカプトフェノール(6.3g、50mmol)のTHF(255mL)溶液に、NaOH(0.06g、1.5mmol)を加えた。この反応混合物を室温で一晩、撹拌した。この残留物に水及びEAを加え、EAにより2回、抽出した。合わせた有機層をMgSO4により乾燥し、高真空下で溶媒蒸発させて、黄色固体を得た。DCM/MeOH(DCM/MeOH=1:50)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって残留物を精製し、TI-1aを明黄色固体(9.2g、75%)として得た。
化合物TC-1、TC-2、TC-3、TC-4、TC-5及びTC-6の合成
3-a(0.2g、1.65mmol)、TI-1a(0.40g、1.7mmol)及びK2CO3(0.7g)のACN溶液を室温で一晩、撹拌した。この反応をTLC(EA/Hex=2/7)によりモニタリングし、臭化ベンジルのスポットが消失する時点を決定した。この反応混合物にEA及び水を加え、EAで2回、抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥した。EA/ヘキサン(EA/ヘキサン=1:3)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって残留物を精製し、中間体TI-1を明黄色固体(0.41g、55%)として得た。こうして、出発原料3-12を3-14、3-15、3-16又は3-17で置き換えた以外、同じ手順に準拠して中間体TI-2、TI-3、TI-4、TI-5及びTI-6を合成した。
TI-1(0.42g、1.18mmol)のEtOH/H2O(10mL/5mL)溶液に、(NH4)2CO3(1.71g、17.8mmol)及びKCN(0.15g、0.98mmol)を加えた。この反応混合物を室温で一晩、撹拌した。溶液を溶媒蒸発させて、溶媒の大部分を除去した。この混合物に水を加え、次に、EAにより2回、抽出した。有機層を一緒にして、MgSO4により乾燥し、溶媒蒸発させた。EA/ヘキサン(EA/ヘキサン=1:1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって残留物を精製し、TC-1を明黄色固体(0.28g、38%)として得た。こうして、中間体TI-1を中間体TI-2、TI-3、TI-4、TI-5又はTI-6により置き換えた以外、同じ手順を使用して、化合物TI-2、TI-3、TI-4、TI-5及びTI-6を合成した。
化合物TC-7の調製:
3-18a(0.23g、0.76mmol)、TI-1a(0.15g、0.64mmol)及びK2CO3(0.35g、2.56mmol)のACN(4mL)溶液を室温で一晩、撹拌した。この反応混合物に水及びEAを加え、EAにより2回、抽出した。合わせた有機層をMgSO4により乾燥し、高真空下で溶媒蒸発させた。EA/Hex(EA/Hex=1:10~1:4)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって残留物を精製し、TI-7aを黄色固体(0.17g、50%)として得た。
TI-7a(1.03g)のDCM(25mL)溶液に、室温でTFA(1mL)を滴下して加えた。この反応混合物を一晩、撹拌し、次に、溶媒及びTFAを除去して、褐色油状物を得た。この褐色油状物に、NaHCO3及びMeOHを加えた。次に、この溶媒を再度、除去した。EA/Hex(EA/Hex=1:4)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって残留物を精製し、TI-7bを白色固体(0.14g)として得た。
EtOH/H2O(5mL/2.5mL)中のTI-1b(0.14g、0.41mmol)の溶液に、(NH4)2CO3(0.24g、2.46mmol)及びKCN(32mg、0.41mmol)を加えた。この反応混合物を室温で一晩、撹拌した。溶液を溶媒蒸発させて、溶媒の大部分を除去した。この混合物に水及びEAを加え、次に、EAにより2回、抽出した。有機層を一緒にして、MgSO4により乾燥し、高真空下で溶媒蒸発させた。DCM/MeOH(DCM/MeOH=20:1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって残留物を精製し、TC-7を油状化合物(51mg)として得た。
化合物TC-8の調製:
TI-1a(0.9g、3.81mmol、1当量)、4-クロロメチル-2-メチルピリジン(mg、1.19mmol、1当量)及びK2CO3(1.58g、3当量)のACN(70ml)溶液を撹拌し、50℃まで加熱した。この混合物をTLCによってモニタリングした。溶媒を回転式蒸発器によって除去した。残留物にEA及び水を加え、この水層をEAにより2回、クエンチした。シリカゲル(DCM/EA=1/4)により粗生成物を精製し、TI-8を淡黄色固体(1.02g、76%)として得た。
TI-8(200mg、0.4mmol、1当量)の溶液に、EtOH/D.I.水(2/1)(10ml)中のKCN(0.057mg、1.5当量)及び炭酸アンモニウム(0.844g、15当量)を加えた。この混合物をTLCによってモニタリングした。溶媒を回転式蒸発器によって除去した。残留物にEA及び水を加え、この水層をEAにより2回、クエンチした。シリカゲル(DCM/MeOH=30/2)上で粗生成物を精製し、TC-8を黄色固体(45mg、18%)として得た。
一般スキーム:中間体4a-1の調製
中間体FI-5の合成:
DMSO(500mL)中の化合物2a(68g、538.9mmol、1.0当量)の混合物を、窒素雰囲気下、80℃で一晩、撹拌した。次に、この混合物をH2O(1000mL)により希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインにより洗浄して、Na2SO4で脱水し、ろ過して濃縮し、化合物FI-5(67g、99%)を得た。
中間体FI-6の合成
アセトン(100mL)中の化合物FI-5(5g、19.97mmol、1.0当量)、化合物3b(7.39g、39.95mmol、2当量)及びK2CO3(11.04g、79.89mmol、4.0当量)からなる混合物を、窒素雰囲気下、60℃で4時間、撹拌した。次に、この混合物をH2O(1000mL)により希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインにより洗浄し、Na2SO4で脱水し、ろ過して濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE/EA、10:1)によって精製し、化合物FI-6(8.7g、97%)を得た。
化合物4a-1の合成:
THF(100mL)中の化合物FI-6(10.7g、23.33mmol、1.0当量)の混合物に、PPh3(6.11g、23.33mmol、1当量)、TBAB(15.04g、46.66mmol、2当量)及び5%HCl(5mL)を加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、室温で12時間、撹拌した。次に、この混合物を濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE/EA、2:1)によって精製し、化合物4a-1(6.6g、56%)を得た。
化合物PC-1の調製:
ACN(15mL)中の化合物4a-1(0.5g、2.17mmol、1.0当量)の混合物に、化合物2-クロロニコチンアルデヒド(0.307g、2.17mmol、1.0当量)及びK2CO3(0.906g、6.52mmol、3.0当量)を加えた。窒素雰囲気下、この混合物を85℃で一晩、撹拌した。次に、この混合物を真空下で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、化合物PI-1(500mg、69%)を得た。
MeOH(30mL)中の化合物PI-1(450mg、1.34mmol、1.0当量)の混合物に、KCN(174mg、2.68mmol、2.0当量)及び(NH4)2CO3(516mg、5.3mmol、4.0当量)を加えた。窒素雰囲気下、この混合物を40℃で一晩、撹拌した。次に、この混合物を真空で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、化合物PC-1(44mg、10%)を得た。
化合物PC-2、PC-3及びPC-4の調製:
こうして、出発原料2-クロロニコチンアルデヒドPS-1を4-クロロ-ニコチンアルデヒドPS-2、3-フルオロピコリンアルデヒドPS-3又は3-クロロイソニコチンアルデヒドPS-4で置き換えた以外、PC-1の合成と同じ手順を使用して、化合物PC-2、PC-3及びPC-4を合成した。
重要な中間体PI-a.1の調製
THF(20mL)中の4-クロロニコチンアルデヒド(2.2g、15.54mmol、1.0当量)及び4-メルカプトフェノール(2.94g、23.31mmol、1.5当量)からなる混合物に、0℃でNaH(1.24g、31.08mmol、2.0当量)を加え、この混合物を窒素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。次に、この混合物を濃縮して溶媒を半分にし、次に、2.0N HClを加えて、pH=6に調節し、ろ過して、化合物PI-a.1(950mg、26%)を得て、これをさらに精製することなく、次の工程に使用した。
化合物PC-7、PC-8及びPC-9の調製:
トルエン(100mL)中の化合物PI-a.1(3.0g、12.99mmol、1.0当量)の混合物に、エタン-1,2-ジオール(1.6g、260mmol、20当量)及びTsOH(0.112g、0.65mmol、0.05当量)を逐次、加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、12時間、還流下で加熱した。次に、この混合物を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE/EA、2:1)によって精製し、化合物PI-b.1(2.9g、82%)を得た。
化合物PI-b.1(200mg、0.727mmol、1.0当量)のTHF(10mL)溶液に、0℃で1,4-フェニレンジメタノール(50mg、3.64mmol、5.0当量)、PPh3(381mg、1.454mmol、2.0当量)及びDEAD(253mg、1.454mmol、2.0当量)を逐次、加えた。この混合物を室温まで温め、16時間、撹拌した。次に、この混合物をH2O(10mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×10mL)により抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物PI-7a(200mg、70%)を得た。
HCl/THF(2.0M、3mL/3mL)中の化合物PI-7a(140mg、0.354mmol、1.0当量)の混合物を、70℃で3時間、撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。この残留物に飽和NaHCO3溶液を加え、pH=8に調節して、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮し、化合物PI-7b(130mg、100%)を得て、これをさらに精製することなく、次の工程に使用した。
MeOH(5mL)中の化合物PI-7b(150mg、0.427mmol、1.0当量)の混合物に、KCN(55mg、0.854mmol、2.0当量)及び(NH4)2CO3(164mg、1.71mmol、4.0当量)を加えた。この混合物を室温で12時間、撹拌した。次に、この混合物を水により希釈し、酢酸エチルにより抽出した。有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、化合物PC-7(38mg、21%)を白色固体として得た。
こうして、1,4-フェニレンジメタノールを1,3-フェニレンジメタノール又は1,2-フェニレンジメタノールで置き換えた以外、同じ手順により化合物PC-8及びPC-9を合成した。
化合物PC-10の調製:
Ac2O(360mL、9.54mol、21.2当量)中の3-(ヒドロキシメチル)フェノール(180mL、1.9mol、4.0当量)の混合物を、窒素雰囲気下、60℃で1時間、撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、次にKOH(42.3g、0.45mol、1.0当量)を加えた。次に、この混合物を室温で16時間、撹拌した。この混合物をEA(3×150mL)及び水により抽出した後、合わせた有機層をH2O(3×100mL)及び飽和NaHCO3溶液(2×100mL)により洗浄し、Na2SO4で脱水して、減圧下で濃縮し、化合物PI-10a(60g、26%)を得た。
化合物PI-b.1(300mg、1.09mmol、1.0当量)のTHF(10mL)溶液に、0℃で化合物PI-10a(905mg、5.45mmol、5.0当量)、PPh3(572mg、2.18mmol、2.0当量)及びDEAD(380mg、2.18mmol、2.0当量)を逐次、加えた。この混合物を室温まで温め、16時間、撹拌した。次に、この混合物をH2O(10mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×10mL)により抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物PI-10b(200mg、44%)を得た。
HCl/THF(2.0M、3mL/3mL)中の化合物PI-10b(200mg、0.473mmol、1.0当量)の混合物を、70℃で3時間、撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。この残留物に飽和NaHCO3溶液を加え、pH=8に調節して、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮し、化合物PI-10c(150mg、91%)を得て、これをさらに精製することなく、次の工程に使用した。
MeOH(5mL)中の化合物PI-10c(150mg、0.427mmol、1.0当量)の混合物に、KCN(55mg、0.854mmol、2.0当量)及び(NH4)2CO3(164mg、1.71mmol、4.0当量)を加えた。この混合物を室温で12時間、撹拌した。次に、この混合物を水により希釈し、酢酸エチルにより抽出した。有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、化合物PC-10(55mg、30%)を白色固体として得た。
化合物PC-11の調製:
化合物PC-8(1.0g、2.37mmol、1.0当量)のDCM(50mL)溶液に、(tert-ブトキシカルボニル)-D-バリン(1.02g、2.61mol、1.1当量)、EDCI(0.53g、2.84mol、1.2当量)及びDMAP(0.056g、0.47mol、0.2当量)を逐次、加えた。この混合物を、25℃で24時間、撹拌した。次に、この混合物を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH、10:1)によって精製し、化合物PI-11(496mg、35%)を黄色固体として得た。
化合物PI-11(0.5g、0.8mmol、1.0当量)のEA(20mL)溶液に、HCl(EA中の4.5M、20mL)を加えた。この混合物を室温で12時間、撹拌した。次に、この混合物を減圧下で濃縮し、PC-11(430mg、96%)を白色固体として得た。
重要な中間体PI-a.2の調製
DMF(150mL)中の3-フルオロイソニコチンアルデヒド(2.9g、23.2mmol、1.0当量)の混合物に、4-メルカプトフェノール(5.85g、46.4mmol、2.0当量)及びK2CO3(12.8g、92.8mmol、4.0当量)を逐次、加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、室温で16時間、撹拌した。次に、3M HClを加えて、pH=6~7に調節した。この混合物をEAにより抽出し、有機層をブラインにより洗浄してNa2SO4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物PI-a.2(1.6g、30%)を得た。
化合物PC-12、PC-13及びPC-14の調製:
トルエン(100mL)中の化合物PI-a.2(2.3g、9.96mmol、1.0当量)の混合物に、エタン-1,2-ジオール(1.2g、19.9mmol、20当量)及びTsOH(86mg、0.498mmol、0.05当量)を逐次、加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、12時間、還流下で加熱した。次に、この混合物を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物PI-b.2(2.2g、81%)を得た。
化合物PI-b.2(1.5g、5.45mmol、1.0当量)のTHF(50mL)溶液に、0℃で1,4-フェニレンジメタノール(2.63g、19mmol、3.5当量)、PPh3(2.86g、10.9mmol、2.0当量)及びDEAD(1.9g、10.9mmol、2.0当量)を逐次、加えた。この混合物を室温まで温め、16時間、撹拌した。次に、この混合物をH2O(50mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×50mL)により抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物PI-14a(1.5g、70%)を得た。
HCl/THF(3.0M、35mL/35mL)中の化合物PI-14a(500mg、1.266mmol、1.0当量)の混合物を、70℃で12時間、撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。この残留物に飽和NaHCO3溶液を加え、pH=8に調節して、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、化合物PI-14b(280mg、63%)を得た。
EtOH(5mL)及びH2O(2.5mL)中の化合物PI-14b(150mg、0.427mmol、1.0当量)の混合物に、KCN(42mg、0.641mmol、1.5当量)及び(NH4)2CO3(410mg、4.27mmol、10.0当量)を加えた。この混合物を、50℃で5時間、撹拌した。次に、この混合物を水により希釈し、酢酸エチルにより抽出した。有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、化合物PC-14(70mg、25%)を白色固体として得た。
こうして、1,2-フェニレンジメタノールを1,3-フェニレンジメタノール又は1,4-フェニレンジメタノールで置き換えた以外、同じ手順により化合物PC-12及びPC-13を合成した。
化合物PC-15の調製:
化合物PI-b.2(500mg、1.82mmol、1.0当量)のTHF(20mL)溶液に、0℃で化合物PI-10a(1.1g、6.37mmol、3.5当量)、PPh3(954mg、3.64mmol、2.0当量)及びDEAD(634mg、3.64mmol、2.0当量)を逐次、加えた。この混合物を室温まで温め、16時間、撹拌した。次に、この混合物をH2O(10mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×10mL)により抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物PI-15a(460mg、60%)を得た。
HCl/THF(3.0M、25mL/25mL)中の化合物PI-15a(1g、2.364mmol、1.0当量)の混合物を、70℃で16時間、撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。この残留物に飽和NaHCO3溶液を加え、pH=8に調節して、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、化合物PI-15b(200mg、25%)を得た。
EtOH(6mL)及びH2O(6mL)中の化合物PI-15b(200mg、0.593mmol、1.0当量)の混合物に、KCN(58mg、0.89mmol、1.5当量)及び(NH4)2CO3(570mg、5.93mmol、10.0当量)を加えた。この混合物を、50℃で4時間、撹拌した。次に、この混合物を水により希釈し、酢酸エチルにより抽出した。有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製し、化合物PC-15(58mg、24%)を白色固体として得た。
化合物PC-16及びPC-17の調製:
化合物PI-b.2(1.2g、4.363mmol、1.0当量)のTHF(20mL)溶液に、0℃で(2-メチルピリジン-4-イル)メタノール(2.68g、21.8mmol、5.0当量)、PPh3(2.29g、8.73mmol、2.0当量)及びDEAD(1.5g、8.73mmol、2.0当量)を逐次、加えた。この混合物を室温まで温め、16時間、撹拌した。次に、この混合物をH2O(50mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×50mL)により抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物PI-16a(1.4g、84%)を得た。
HCl/THF(2.0M、30mL/30mL)中の化合物PI-16a(1.4g、3.684mmol、1.0当量)の混合物を、70℃で3時間、撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。この残留物に飽和NaHCO3溶液を加え、pH=8に調節して、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮し、化合物PI-16b(760mg、61%)を得て、これをさらに精製することなく、次の工程に使用した。
MeOH(10mL)中の化合物PI-16b(760mg、2.262mmol、1.0当量)の混合物に、KCN(294mg、4.524mmol、2.0当量)及び(NH4)2CO3(869mg、9.048mmol、4.0当量)を加えた。この混合物を室温で12時間、撹拌した。次に、この混合物を水により希釈し、酢酸エチルにより抽出した。有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、化合物PC-16(130mg、14%)を白色固体として得た。
(2-メチルピリジン-4-イル)メタノールを(5-メチルピリジン-3-イル)メタノールにより置き換えた以外、化合物PC-16の合成と同じ手順によって化合物PC-17を合成した。
化合物PC-18及びPC-19の調製:
PI-b.2を出発原料としてPI-b.1で置き換えた以外、PC-16の合成と同じ手順によって、化合物PC-18及びPC-19を合成した。
化合物PC-20及びPC-21の調製:
化合物PI-b.1(1.2g、4.36mmol、1.0当量)のTHF(10mL)溶液に、0℃で化合物PS-4a(2.0g、8.73mmol、2.0当量)、PPh3(3.4g、13.0mmol、3.0当量)及びDEAD(2.3g、13.0mmol、3.0当量)を逐次、加えた。この混合物を室温まで温め、20時間、撹拌した。次に、この混合物をH2O(100mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×100mL)により抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE/EA、1:1)によって精製し、化合物PI-20a(2.0g、95%)を白色固体として得た。
THF(15mL)中の化合物PI-20a(500mg、1.02mmol、1.0当量)及びHCl(H2O中の3M、10mL)からなる混合物を、70℃で12時間、撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。残留物に飽和NaHCO3溶液を加え、pH=8に調節してろ過し、化合物PI-20b(400mg、100%)を得て、これをさらに精製することなく、次の工程に使用した。
EtOH(12mL)及びH2O(6mL)中の化合物PI-20b(220mg、0.601mmol、1.0当量)及びKCN(117mg、1.803mmol、3.0当量)の溶液に、(NH4)2CO3(577mg、6.01mmol、10.0当量)を加えた。この混合物を、50℃で5時間、撹拌した。この混合物に0.5M HClを加え、pH=1~2に調節して、10分間、撹拌した。次に、飽和NaHCO3溶液を加えて、pH=6~7に調節した。この混合物を1時間、撹拌して、ろ過した。残留物を分取HPLCにより精製し、PC-20(160mg、61.3%)を白色固体として得た。
PS-4a及びPS-4bの中間体の調製:
Ac2O(360mL、9.54mol、21.2当量)中のギ酸(180mL、1.9mol、4.0当量)の混合物を、窒素雰囲気下、60℃で1時間、撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、次に、PhOH(42.3g、0.45mol、1.0当量)及びNaHCO3(76.5g、0.91mol、2.0当量)を加えた。次に、この混合物を室温で16時間、撹拌した。この混合物をEA(3×150mL)及び水により抽出した後、合わせた有機層をH2O(3×100mL)及び飽和NaHCO3溶液(2×100mL)により洗浄し、Na2SO4で脱水して、減圧下で濃縮し、化合物PS-4.1(60g、26%)を得た。
DCM(290mL)中の(2-ブロモピリジン-4-イル)メタノール(25g、133.69mmol、1.0当量)及びDHP(22.46g、267.38mmol、2.0当量)の混合物に、TsOH(2.23g、13.37mmol、0.1当量)を加えた。この混合物を室温で15時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。次に、この混合物をH2O(100mL)により希釈し、ジクロロメタンで抽出した。有機層をブライン(100mL)により洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE/EA、4:1)によって精製し、化合物PS-4a.1(34.1g、94.1%)を得た。
ACN(700mL)中の化合物PS-4a.1(30g、110.7mmol、1.0当量)、化合物PS-4.1(33.7g、276.75mmol、2.5当量)、Et3N(28g、276.75mmol、2.5当量)及びP(t-Bu)3HBF4(3.85g、13.284mmol、0.12当量)からなる混合物に、窒素雰囲気下、Pd(OAc)2(743.9mg、3.321mmol、0.03当量)を加えた。この混合物を、80℃で15時間、撹拌した。次に、この混合物をろ過して、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE/EA、1:1)によって精製し、化合物PS-4a.2(11g、32%)を得た。
THF(55mL)中の化合物PS-4a.2(25g、79.8mmol、1.0当量)及びHCl(H2O中の2M、55mL)からなる混合物を、室温で3時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。次に、この混合物をNa2SO4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE/EA、2:1)によって精製し、化合物PS-4a(8g、44%)を得た。
(2-ブロモピリジン-4-イル)メタノールを出発原料として(5-ブロモピリジン-3-イル)メタノールで置き換えた以外、PS-4aの合成と同じ手順によって中間体PS-4bを調製した。
化合物PC22の調製:
乾燥THF(1L)中の4-クロロピリジン(100g、0.667mol、1.0当量)の混合物に、窒素雰囲気下、-78℃でLDA(THF中の2M、733.26mL、1.467mol、2.2当量)を素早く加えた。この混合物を、-78℃で1時間、撹拌した。次に、プロピオンアルデヒド(74.1g、0.999mol、1.5当量)を滴下して加え、この混合物を1時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。この反応物をNH4Clの飽和水溶液によりクエンチし、EA(3×500mL)により抽出した。有機層をブライン及び水により洗浄し、Na2SO4で脱水し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE:EA、3:1)によって精製し、化合物PI-22a(45g、48%)を得た。
アセトン(300mL)中のPI-22a(26.3g、0.154mol、1.0当量)の混合物に、CrO3(30.8g、0.308mol、2.0当量)を加えた。この混合物を室温で5時間、撹拌した。次に、この混合物をろ過して、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、化合物PI-22b(16.0g、62%)を得た。
トルエン(10mL)中のPI-22b(850mg、5.03mmol、1.0当量)、化合物4a-1(1.27g、5.53mmol、1.1当量)、DPPF(42mg、0.503mmol、0.1当量)及びDIEA(973mg、7.55mmol、1.5当量)からなる混合物に、窒素雰囲気下、Pd(dba)2(202mg、0.352mmol、0.07当量)を加えた。この混合物を、110℃で16時間、撹拌した。次に、この混合物をろ過して水及び酢酸エチルで抽出した。有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、化合物PI-22c(550mg、30%)を得た。
EtOH(8mL)及びH2O(2mL)中のPI-22c(550mg、1.515mmol、1.0当量)の混合物に、KCN(295mg、4.55mmol、3.0当量)及び(NH4)2CO3(720mg、7.576mmol、5.0当量)を加えた。この混合物を、50℃で3日間、撹拌した。次に、この混合物を水により希釈し、酢酸エチルにより抽出した。有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、化合物PC-22(50mg、7%)を白色固体として得た。
化合物PC-23の調製:
乾燥THF(20mL)中の3-(メトキシカルボニル)安息香酸(5g、27.78mmol、1.0当量)の混合物に、0℃でBH3/THF(THF中の1M、55mL、55.5mmol、2.0当量)を加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、30℃で16時間、撹拌した。次に、この混合物を水により希釈し、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物PI-23a(4.2g、91%)を得た。
PI-23a(4.1g、24.7mmol、1.0当量)のTHF(100mL)溶液に、0℃で1,4-ヒドロキノン(5.4g、49.4mmol、2.0当量)、PPh3(13.0g、49.4mmol、2.0当量)及びDEAD(8.6g、49.4mmol、2.0当量)を逐次、加えた。この混合物を室温まで温め、16時間、撹拌した。次に、この混合物をH2O(100mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×100mL)により抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE/EA、2:1)によって精製し、化合物PI-23b(2.1g、33%)を得た。
化合物PI-23b(2.1g、8.14mmol、1.0当量)のDMF(15mL)溶液に、4-クロロニコチンアルデヒド(1.73g、12.2mmol、1.5当量)及びK2CO3(2.25g、16.28mmol、2.0当量)を加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、80℃で4時間、撹拌した。次に、3M HClを加えて、pHを6~7に調節した。この混合物をEAにより抽出し、有機層をブラインにより洗浄してNa2SO4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE/EA、3:1)によって精製し、化合物PI-23c(900mg、31%)を得た。
MeOH(5mL)中の化合物PI-23c(200mg、0.551mmol、1.0当量)の混合物に、KCN(72mg、1.1mmol、2.0当量)及び(NH4)2CO3(211mg、2.2mmol、4.0当量)を加えた。この混合物を室温で12時間、撹拌した。次に、この混合物を水により希釈し、酢酸エチルにより抽出した。有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、化合物PI-23d(100mg、42%)を得た。
MeOH(5mL)中のPI-23d(100mg、0.23mmol、1.0当量)の混合物に、NaOH(80mg、2.0mmol、10.0当量)を加えた。この混合物を室温で3時間、撹拌した。この混合物を濃縮して溶媒を半分にし、次に、1N HClを加えて、pH=5に調節した。この混合物をろ過して、PC-23(47mg、48%)を得た。
化合物PC-24の調製:
出発原料PI-b.1をPI-b.2で置き換えた以外、PC-22の合成と同じ手順によって、化合物PC-24を合成した。
化合物PC-25の調製:
トルエン(40mL)中のPI-23c(2.4g、6.61mmol、1.0当量)の混合物に、エタン-1,2-ジオール(3.7g、60mmol、10当量)及びTsOH(56.5mg、0.33mmol、0.05当量)を逐次、加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、12時間、還流下で加熱した。次に、この混合物を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE/EA、2:1)によって精製し、化合物PI-25a(2.3g、85%)を得た。
乾燥THF(100mL)中のPI-25a(2.3g、25.65mmol、1.0当量)の混合物に、窒素雰囲気下、0℃でDIBAL-H(トルエン中の1.0M、14.1mL、14.1mmol、2.5当量)を滴下して加えた。この混合物を、0℃で1時間、撹拌した。次に、Na2SO4・10H2O(6.6g、20.5mmol、0.8当量)を滴下して加え、この混合物を0.5時間、撹拌した。この反応物をNH4Clの飽和水溶液によりクエンチし、EtOAc(3×100mL)により抽出した。有機層をブライン及び水により洗浄し、Na2SO4で脱水し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE:EA、3:1)によって精製し、化合物PI-25b(1.1g、51%)を得た。
HCl/THF(2.0M、20mL/20mL)中のPI-25b(1.1g、2.902mmol、1.0当量)の混合物を、70℃で3時間、撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。この残留物に飽和NaHCO3溶液を加え、pH=8に調節して、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮し、化合物PI-25c(1.0g、100%)を得て、これをさらに精製することなく、次の工程に使用した。
MeOH(20mL)中の化合物PI-25c(1.0g、2.98mmol、1.0当量)の混合物に、KCN(38mg、5.96mmol、2.0当量)及び(NH4)2CO3(1.14g、11.92mmol、4.0当量)を加えた。この混合物を室温で12時間、撹拌した。次に、この混合物を水により希釈し、酢酸エチルにより抽出した。有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、化合物PC-25(215mg、18%)を白色固体として得た。
化合物PC-26及びPC-27の調製:
DMF(150mL)中の1-(ブロモメチル)-3-メチルベンゼン(5.0g、27mmol、1.0当量)の混合物に、1,4-ヒドロキノン(5.94g、54mmol、2.0当量)及びK2CO3(14.9g、108mmol、4.0当量)を逐次、加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、80℃で3時間、撹拌した。次に、3M HClを加えて、pHを6~7に調節した。この混合物をEAにより抽出し、有機層をブラインにより洗浄してNa2SO4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE/EA、3:1)によって精製し、化合物PI-26a(2.6g、45%)を得た。
DMF(15mL)中のPI-26a(1.0g、4.67mmol、1.0当量)の混合物に、4-クロロニコチンアルデヒド(0.99g、7mmol、1.5当量)及びK2CO3(1.5g、9.34mmol、2.0当量)を逐次、加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、80℃で3.5時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。次に、この混合物をH2O(100mL)により希釈し、EA(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をNH4Clの飽和水溶液(3×100mL)、ブラインにより洗浄し、無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE/EA、1:1)によって精製し、化合物PI-26b(480mg、32%)を得た。
化合物PI-26b(480mg、1.5mmol、1.0当量)のMeOH(10mL)溶液に、(NH4)2CO3(578mg、6.01mmol、4.0当量)及びKCN(195mg、3mmol、2.0当量)を加えた。この混合物を、45℃で16時間、撹拌した。この反応物に3M HClを加え、pH=1~2に調節し、室温で1時間、撹拌し、次に、NaHCO3の飽和水溶液を加えてpH=6~7に調節し、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、PC-26(208.1mg、44%)を白色固体として得た。出発原料1-(ブロモメチル)-3-メチルベンゼンを4-(ブロモメチル)-2-メチルピリジンで置き換えた以外、同じ様式で化合物PC-27を合成した。
化合物PC-28及びPC-29の調製:
DCM(50mL)中の3-(クロロメチル)安息香酸(1.7g、9.965mmol、1.0当量)の混合物に、0℃で(COCl)2(1.7mL、19.931mmol、2.0当量)を滴下して加えた。この溶液の濁りがなくなる間、この混合物を1時間、撹拌した。次に、この混合物を減圧下で濃縮した。DCM中の残留物の混合物に、-10℃でTHF中のNH3の溶液を加えた。この混合物を0.5時間、撹拌し、次に、減圧下で濃縮し、化合物PI-28a(1.3g、77%)を得た。
DMF(50mL)中の化合物PI-28a(1.0g、5.92mmol、1.0当量)の混合物に、化合物PI-a.1(1.36g、5.92mmol、1.0当量)及びK2CO3(2.45g、17.76mmol、3.0当量)を逐次、加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、室温で16時間、撹拌した。次に、3M HClを加えて、pHを6~7に調節した。この混合物をEAにより抽出し、有機層をブラインにより洗浄してNa2SO4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物PI-28b(850mg、40%)を得た。
MeOH(10mL)中の化合物PI-28b(850mg、2.33mmol、1.0当量)の混合物に、KCN(303mg、4.66mmol、2.0当量)及び(NH4)2CO3(904mg、9.33mmol、4.0当量)を加えた。この混合物を、45℃で16時間、撹拌した。次に、この混合物を水により希釈し、酢酸エチルにより抽出した。有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、化合物PC-28(500mg、49%)を白色固体として得た。
NH3をMeNH2で置き換えた以外、同じ手順で化合物PC-29を合成した。
化合物PC-30、PC-31、PC-32及びPC-33の調製:
DMF(15mL)中の化合物3-8(750mg、3.876mmol、1.0当量)の混合物に、化合物PI-a.1(895mg、3.876mmol、1.0当量)及びK2CO3(2.14g、15.5mmol、4.0当量)を逐次、加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、室温で16時間、撹拌した。次に、3M HClを加えて、pHを6~7に調節した。この混合物をEAにより抽出し、有機層をブラインにより洗浄してNa2SO4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE/EA、1:1)によって精製し、化合物PI-30(610mg、36%)を得た。
化合物PI-30(500mg、1.419mmol、1.0当量)のMeOH(6mL)溶液に、(NH4)2CO3(545mg、5.676mmol、4.0当量)及びKCN(185mg、2.838mmol、2.0当量)を加えた。この混合物を、45℃で16時間、撹拌した。この反応物に3M HClを加え、pH=1~2に調節し、室温で1時間、撹拌し、次に、NaHCO3の飽和水溶液を加えてpH=6~7に調節し、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、PC-30(350mg、58%)を白色固体として得た。こうして、中間体3-8を3-9、3-11及び3-10で置き換えた以外、同じ様式で化合物PC-31、PC-32及びPC-33を合成した。
化合物PC-34及びPC-36の調製:
出発原料3-(クロロメチル)安息香酸を5-(クロロメチル)ニコチン酸で置き換えた以外、化合物PC-28及びPC-29の合成と同じ手順に準拠して、化合物PC-34及びPC-36を合成した。
化合物PC-35の調製:
化合物PC-30(400mg、0.95mmol、1.0当量)のCHCl3(30mL)溶液に、TMS-I(1.35mL、9.5mmol、10.0当量)を加えた。この混合物を55℃で16時間、撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(EA:MeOH、10:1)により精製し、化合物PC-35(350mg、90%)を白色固体として得た。
化合物PC-37の調製:
中間体PC-28aをFI-18aで置き換えた以外、PC-28の合成と同じ手順に準拠して、化合物PC-37を合成した。
化合物PC-38の調製:
DMF(10mL)中の3-(クロロメチル)イソニコチン酸メチル(800mg、4.32mmol、1.0当量)の混合物に、化合物PI-b.1(1.19g、4.32mmol、1.0当量)及びCsCO3(4.23g、12.97mmol、3.0当量)を逐次、加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、室温で16時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。次に、この混合物をH2O(50mL)により希釈し、EA(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をNH4Clの飽和水溶液(3×50mL)、ブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物PI-38a(300mg、16%)を得た。
化合物PI-38a(300mg、0.708mmol、1.0当量)のMeOH(10mL)溶液に、-78℃でNH3ガスを10分間、パージした。フラスコを密封し、この混合物を室温で16時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。この混合物を減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーによって残留物を精製し、化合物PI-38b(180mg、62%)を得た。
HCl/THF(3.0M、2mL/2mL)中の化合物PI-38b(180mg、0.440mmol、1.0当量)の混合物を、70℃で3時間、撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。この残留物に飽和NaHCO3溶液を加え、pH=8に調節して、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、化合物PI-38c(100mg、62%)を得た。
化合物PI-38c(90mg、0.247mmol、1.0当量)のMeOH(5mL)溶液に、(NH4)2CO3(94mg、0.986mmol、4.0当量)及びKCN(32mg、0.493mmol、2.0当量)を加えた。この混合物を、45℃で16時間、撹拌した。この反応物に3M HClを加え、pH=1~2に調節し、室温で1時間、撹拌し、次に、NaHCO3の飽和水溶液を加えてpH=6~7に調節し、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、PC-38(55mg、51%)を白色固体として得た。
化合物PC-39及びPC-40の調製:
化合物PI-b.1(738mg、2.68mmol、1.0当量)のTHF(20mL)溶液に、0℃で化合物PS-4b(615mg、2.68mmol、1.0当量)、PPh3(1.4g、5.37mmol、2.0当量)及びDEAD(934mg、5.37mmol、2.0当量)を逐次、加えた。この混合物を室温まで温め、16時間、撹拌した。次に、この混合物をH2O(50mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×50mL)により抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物PI-39a(490mg、37%)を得た。
乾燥THF(10mL)中の化合物PI-39a(300mg、0.617mmol、1.0当量)の混合物に、窒素雰囲気下、0℃でLAH(47mg、1.23mmol、2.0当量)を素早く加えた。この混合物を、0℃で1時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。この反応物をNa2SO4・10H2O(159mg、0.494mmol、0.8当量)でクエンチし、この混合物を0.5時間、撹拌した。次に、この混合物をろ過して、有機層を真空下で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、化合物PI-39b(150mg、61%)を得た。
HCl/THF(3.0M、4mL/4mL)中の化合物PI-39b(150mg、0.379 mmol、1.0当量)の混合物を、70℃で16時間、撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。この残留物に飽和NaHCO3溶液を加え、pH=8に調節して、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、化合物PI-39c(110mg、82%)を得た。
化合物PI-39c(110mg、0.313mmol、1.0当量)のMeOH(5mL)溶液に、(NH4)2CO3(120mg、1.25mmol、4.0当量)及びKCN(40mg、0.625mmol、2.0当量)を加えた。この混合物を、45℃で16時間、撹拌した。この反応物に3M HClを加え、pH=1~2に調節し、室温で1時間、撹拌し、次に、NaHCO3の飽和水溶液を加えてpH=6~7に調節し、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、化合物PC-39(49mg、37%)を白色固体として得た。
PS-4bをPS-4aに置き換えた以外、同じ手順によって化合物PC-40を合成した。
化合物PC-41、PC-46、PC-54及びPC-55の調製:
THF(2mL)中の化合物PC-16(250mg、0.616mmol、1.0当量)の混合物に、CH2N2(エーテル中の1M、3mL、3.08mmol、5.0当量)を加えた。この混合物を室温で3時間、撹拌した。次に、この混合物を減圧下で濃縮して、化合物PC-41(80mg、30%)を白色固体として得た。
DMF(2mL)中の化合物PC-41(100mg、0.238mmol、1.0当量)の撹拌溶液に、0℃でNaH(12mg、0.476mmol、2.0当量)を加えた。10分後、CH3I(68mg、0.476mmol、2.0当量)を加えた。0℃で0.5時間、さらに撹拌した後、この混合物を室温まで温め、12時間、撹拌した。この反応混合物を水によりクエンチし、EA(3×50mL)により抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、化合物PC-46(40mg、37%)を黄色固体として得た。
DMF(5mL)中の化合物PC-41(300mg、0.714mmol、1.0当量)の撹拌溶液に、0℃でNaH(17mg、0.714mmol、1.0当量)を加えた。10分後、CH3I(101mg、0.714mmol、1.0当量)を加えた。0℃で0.5時間、さらに撹拌した後、この混合物を室温まで温め、12時間、撹拌した。この反応混合物を水によりクエンチし、EA(3×50mL)により抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、化合物PC-54(45mg、14%)を白色固体として得た。
化合物PC-16(1g、2.46mmol、1.0当量)及び1-(クロロメチル)-4-メトキシベンゼン(461mg、2.96mmol、1.2当量)のDMF(10mL)溶液に、NaI(369mg、2.46mol、1.0当量)及びK2CO3(679mg、4.92mmol、2.0当量)を加えた。この混合物を室温で16時間、撹拌した。この反応混合物のLCMS分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。次に、この混合物を水で希釈してDCMで抽出した。有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、化合物PC-55(130mg、34%)をピンク色固体として得た。
化合物PC-42、PC-50及びPC-51の調製:
MeOH(100mL)中のm-クレゾール(10g、92.5mmol、1.0当量)及びNaSCN(22.5g、277.6mmol、3.0当量)からなる混合物に、NaBr(9.5g、92.5mmol、1.0当量)及びBr2(5.7mL、111mmol、1.2当量)のMeOH(100mL)溶液を滴下して加えた。この混合物を室温で14時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。この反応物に水を加え、EA(3×100mL)により抽出した。有機層をブライン及び水により洗浄し、Na2SO4で脱水し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物PI-42a(5g、33%)を得た。
乾燥THF(50mL)中の化合物PI-42a(5.0g、30.3mmol、1.0当量)の混合物に、窒素雰囲気下、0℃でLAH(1.72g、45.5mmol、1.5当量)を素早く加えた。この混合物を室温で3時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。この反応物をNa2SO4・10H2Oでクエンチし、0℃で0.5時間、撹拌した。次に、この混合物をろ過して、有機層を真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、化合物PI-42b(2.9g、68%)を得た。
THF(10mL)中の化合物PI-42b(1.0g、7.1mmol、1.5当量)の撹拌溶液に、0℃でNaH(170.4mg、7.1mmol、1.5当量)を加えた。30分後、0℃で4-クロロニコチンアルデヒド(667.4mg、4.73mmol、1.0当量)を加えた。この混合物を室温まで温め、16時間、撹拌した。この反応混合物を水によりクエンチし、EA(3×10mL)により抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、化合物PI-42c(1.2g、100%)を得た。
DMF(2mL)中の化合物PI-42c(200mg、0.82mmol、1.0当量)及び4-(クロロメチル)-2-メチルピリジン(130mg、0.902mmol、1.1当量)からなる混合物に、K2CO3(340mg、2.46mmol、3.0当量)を逐次、加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、50℃で3時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。次に、この混合物を水に注ぎ入れ、EA(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物PI-42d(150mg、52%)を得た。
化合物PI-42d(190mg、0.54mmol、1.0当量)のMeOH(2mL)溶液に、(NH4)2CO3(208.45mg、2.17mmol、4.0当量)及びKCN(70.2mg、1.08mmol、2.0当量)を加えた。この混合物を、45℃で16時間、撹拌した。この反応物に3M HClを加え、pH=1~2に調節し、室温で1時間、撹拌し、次に、NaHCO3の飽和水溶液を加えてpH=6~7に調節し、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、化合物PC-42(200mg、88%)を白色固体として得た。こうして、出発原料m-クレゾールを3-フルオロフェノール及び3-クロロフェノールで置き換えた以外、同じ様式で化合物PC-50及びPC-51を合成した。
化合物PC-48、PC-49及びPC-52の調製:
こうして、出発原料m-クレゾールをo-クレゾール、2-クロロフェノール及び2-フルオロフェノールで置き換えた以外、PC-42の合成と同じ手順によって、化合物PC-48、PC-49及びPC-52を合成した。
化合物PC-43及びPC-44の調製:
4-クロロニコチンアルデヒド(10g、70.92mmol、1.0当量)のDMF(100mL)溶液に、窒素雰囲気下、室温で4-メルカプト安息香酸(13.1g、85.11mmol、1.2当量)及びK2CO3(29.4g、0.213mol、3.0当量)を加えた。この混合物を室温で16時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。次に、この混合物を水により希釈し、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-c.1(11g、59%)を得た。
THF(100mL)中のPI-c.1(11g、42.47mmol、1.0当量)の撹拌溶液に、TsOH(731mg、4.25mmol、0.1当量)を加えた。10分後、THF(50mL)中のエタン-1,2-ジオール(13.1g、0.212mol、5.0当量)を滴下して加えた。この混合物を、110℃で16時間、撹拌した。この反応混合物を飽和NaHCO3溶液(160mL)に注ぎ入れて、EA(3×100mL)により抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-c.2(8g、62%)を得た。
乾燥THF(100mL)中のPI-c.2(8g、26.40mmol、1.0当量)の混合物に、窒素雰囲気下、0℃でLAH(2g、52.81mmol、2.0当量)を素早く加えた。この混合物を、0℃で1時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。この反応物をNa2SO4・10H2O(6.8g、21.12mmol、0.8当量)でクエンチし、この混合物を0.5時間、撹拌した。この混合物を抽出し、次に、有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-c.3(4g、52%)を得た。
DCM(10mL)中のPI-c.3(1g、3.46mmol、1.0当量)の混合物に、窒素雰囲気下、0℃でSOCl2(824mg、6.92mmol、2.0当量)を加えた。この混合物を、0℃で4時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。この反応物にNaHCO3(水性)を加え、pH>7に調節して、DCMにより抽出した。次に、有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-c.4(1g、94%)を得た。
化合物PI-c.4(500mg、1.63mmol、1.0当量)のDMF(5mL)溶液に、窒素雰囲気下、室温でm-クレゾール(211mg、1.95mmol、1.2当量)及びK2CO3(675mg、4.89mmol、3.0当量)を加えた。この混合物を室温で16時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。次に、この混合物を水により希釈し、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、化合物PI-43a(230mg、37%)を得た。
HCl/THF(3.0M、2mL/2mL)中のPI-43a(230mg、0.607mmol、1.0当量)の混合物を、70℃で14時間、撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。この残留物に飽和NaHCO3溶液を加え、pH=8に調節して、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-43b(150mg、73%)を得た。
PI-43b(150mg、0.448mmol、1.0当量)のMeOH(3mL)溶液に、(NH4)2CO3(172mg、1.79mmol、4.0当量)及びKCN(58mg、0.896mmol、2.0当量)を加えた。この混合物を、40℃で12時間、撹拌した。この反応物に3M HClを加え、pH=1~2に調節し、室温で1時間、撹拌し、次に、NaHCO3の飽和水溶液を加えてpH=6~7に調節し、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、化合物PC-43(40mg、22%)を白色固体として得た。
m-クレゾールを2-メチルピリジン-4-オールで置き換えた以外、同じ様式で化合物PC-44を合成した。
化合物PC-45の調製:
DCM(100mL)中の4-ヒドロキシ-6-メチルニコチン酸(10g、65.4mmol、1.0当量)の混合物に、0℃で(COCl)2(12.35g、98.1mmol、1.5当量)の溶液を滴下して加えた。この混合物を12時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。この反応物をNa2SO4で脱水し、真空下で濃縮し、粗製PI-45a(10g、粗製)を得た。
MeOH(100mL)中のPI-45a(10g、52.9mmol、1.0当量)の混合物を、室温で2時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。反応物をNa2SO4で脱水し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、粗製PI-45b(12g、100%)を得た。
乾燥THF(100mL)中のPI-45b(12.0g、64.86mmol、1.0当量)の混合物に、窒素雰囲気下、0℃でLAH(3.69g、97.3mmol、1.5当量)を素早く加えた。この混合物を室温で3時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。この反応物をNa2SO4・10H2Oでクエンチし、0℃で0.5時間、撹拌した。次に、この混合物をろ過して、有機層を真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-45c(6.0g、59%)を得た。
DCM(60mL)中のPI-45c(6.0g、38.2mmol、1.0当量)の撹拌溶液に、デス-マーチンペルヨージナン(32.4g、76.4mmol、2.0当量)を加えた。この混合物を室温で16時間、撹拌した。この反応混合物を水によりクエンチし、EA(3×60mL)により抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-45d(2.3g、39%)を得た。
DMF(25mL)中のPI-45d(2.3g、14.8mmol、1.0当量)及び4-メルカプトフェノール(2.06g、16.3mmol、1.1当量)からなる混合物に、K2CO3(6.14g、44.4mmol、3.0当量)を逐次、加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、50℃で3時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。次に、この混合物を水に注ぎ入れ、EA(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製し、PI-45e(1.6g、44%)を得た。
DMF(10mL)中のPI-45e(1.0g、4.08mmol、1.0当量)及び4-(クロロメチル)-2-メチルピリジン(633mg、4.48mmol、1.1当量)からなる混合物に、K2CO3(1.69g、12.24mmol、3.0当量)を逐次、加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、50℃で3時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。次に、この混合物を水に注ぎ入れ、EA(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製し、PI-45f(700mg、49%)を得た。
PI-45f(700mg、2.0mmol、1.0当量)のMeOH(1mL)溶液に、(NH4)2CO3(767.8mg、8.0mmol、4.0当量)及びKCN(260mg、4.0mmol、2.0当量)を加えた。この混合物を、45℃で16時間、撹拌した。この反応物に3M HClを加え、pH=1~2に調節し、室温で1時間、撹拌し、次に、NaHCO3の飽和水溶液を加えてpH=6~7に調節し、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、PC-45(512mg、61%)を白色固体として得た。
化合物PC-47及びPC-53の調製:
出発原料PI-b.1をPI-b.2で置き換えた以外、PC-39及びPC-40の合成と同じ手順によって、化合物PC-47及びPC-53を合成した。
化合物PC-56の調製:
4-アミノチオフェノール(16g、127.8mmol、1.0当量)及びBoc2O(55.2g、255.6mmol、2.0当量)のDCM(200mL)溶液に、0℃でTEA(25.8g、255.6mmol、2.0当量)及びDMAP(1.56g、12.78mmol、0.05当量)を加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、室温で16時間、撹拌した。次に、この混合物を飽和NH4Cl溶液でクエンチした。この混合物を酢酸エチルにより抽出した。合わせた有機相をブラインにより洗浄し、無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-56a(8.1g、28%)を得た。
PI-56a(5g、22.19mmol、1.0当量)のDMF(40mL)溶液に、窒素雰囲気下、室温で4-クロロニコチンアルデヒド(3.14g、22.19mmol、1.0当量)及びK2CO3(9.12g、66.57mmol、3.0当量)を加えた。この混合物を室温で16時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。次に、この混合物を水により希釈し、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-56b(1.4g、19%)を得た。
トルエン(50mL)中のPI-56b(0.6g、1.82mmol、1.0当量)の混合物に、エタン-1,2-ジオール(2.25g、36.3mmol、20当量)及びTsOH(0.02g、0.09mmol、0.05当量)を逐次、加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、12時間、還流下で加熱した。次に、この混合物を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製し、PI-56c(0.25g、36%)を得た。
PI-56c(0.2g、0.53mmol、1.0当量)のDMF(5mL)溶液に、窒素雰囲気下、室温で化合物4-(クロロメチル)-2-メチルピリジン(0.09g、0.64mmol、1.2当量)及びNaH(14mg、0.58mmol、1.1当量、60%)を加えた。この混合物を室温で16時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。次に、この混合物を水により希釈し、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-56d(0.13g、51%)を得た。
HCl/THF(2.0M、3mL/3mL)中のPI-56d(250mg、0.52mmol、1.0当量)の混合物を、室温で5時間、撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮した。この残留物に飽和NaHCO3溶液を加え、pH=8に調節して、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-56e(110mg、63%)を得た。
PI-56e(110mg、0.33mmol、1.0当量)のMeOH(3mL)溶液に、(NH4)2CO3(126mg、1.31mmol、4.0当量)及びKCN(43mg、0.66mmol、2.0当量)を加えた。この混合物を45℃で16時間、撹拌した。この反応物に3M HClを加え、pH=1~2に調節し、室温で1時間、撹拌し、次に、NaHCO3の飽和水溶液を加え、pH=7~8に調節して、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、PC-56(50mg、37%)を白色固体として得た。
化合物PC-57の調製:
4-アミノチオフェノール(10g、79.87mmol、1.0当量)のH2O(80mL)溶液に、0℃でHCl(80mL)、H2SO4(30mL)及びNaNO2(6.6g、95.84mmol、1.2当量)を逐次、加えた。この混合物を0℃で0.5時間、撹拌した。次に、ウレア(0.46g、7.99mmol、0.1当量)を加えた。15分間後、H2O(1.5L)中のKI(26.5g、159.74mmol、2.0当量)の溶液を0℃で滴下して加えた。この混合物を、0℃で5時間、撹拌した。次に、この混合物を酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-57a(7.3g、39%)を得た。
MeOH(40mL)中のPI-57a(1.8g、3.83mmol、1.0当量)の混合物を、室温で2時間、撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮した。この残留物を酢酸エチル(50mL)により希釈し、水及びブラインで洗浄した。有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-57b(0.9g、50%)を得た。
PI-57b(230mg、1mmol、1.0当量)のDMF(10mL)溶液に、4-クロロニコチンアルデヒド(140mg、1mmol、1.0当量)及びK2CO3(276mg、2mmol、2.0当量)を加えた。この混合物を室温で16時間、撹拌した。次に、水(30mL)を加え、酢酸エチル(20mL×3)により抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-57c(0.3g、88%)を得た。
PI-57c(1g、2.9mmol、1.0当量)及び4-エチニル-2-メチルピリジン(0.41g、3.5mmol、1.2当量)のTEA(1.19g、0.29mmol、0.1当量)溶液に、窒素雰囲気下、Pd(Ph3P)2Cl2(0.21g、0.29mmol、0.1当量)及びCuI(0.06g、0.29mmol、0.1当量)を加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、室温で16時間、撹拌した。次に、この混合物を飽和NH4Cl溶液でクエンチした。この混合物を酢酸エチルにより抽出した。合わせた有機相をブラインにより洗浄し、無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-57d(0.8g、83%)を得た。
PI-57d(0.2g、0.61mmol、1.0当量)のメタノール(10mL)溶液に、Pd/C(20mg)を加えた。水素雰囲気下(20psi)、室温において、この混合物を16時間、撹拌した。この混合物をろ過して、ろ液を濃縮し、さらに精製することなく、PI-57e(170mg、84%)を得た。
PI-57e(180mg、0.54mmol、1.0当量)のMeOH(5mL)溶液に、(NH4)2CO3(206mg、2.15mmol、4.0当量)及びKCN(70mg、1.08mmol、2.0当量)を加えた。この混合物を45℃で16時間、撹拌した。この反応物に3M HClを加え、pH=1~2に調節し、室温で1時間、撹拌し、次に、NaHCO3の飽和水溶液を加え、pH=7~8に調節して、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、PC-57(60mg、27%)を黄色固体として得た。
化合物PC-58の調製:
TFA/DCM(1mL/3mL)中のPI-56d(400mg、0.83mmol、1.0当量)の混合物を、室温で3時間、撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮した。この残留物に飽和NaHCO3溶液を加え、pH=8に調節して、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮し、PI-58a(350mg、100%)を得て、これをさらに精製することなく、次の工程に使用した。
ギ酸(80%、3ml)及びホルムアルデヒド溶液(40%、1ml)中のPI-58a(360mg、0.95mmol、1.0当量)の混合物を調製した。この混合物を、100℃で6時間、加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。この残留物に飽和NaHCO3溶液を加え、pH=8に調節して、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-58b(210mg、56%)を得た。
HCl/THF(2.0M、3mL/3mL)中のPI-58b(210mg、0.53mmol、1.0当量)の混合物を、室温で5時間、撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮した。この残留物に飽和NaHCO3溶液を加え、pH=8に調節して、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮し、PI-58c(160mg、86%)を得て、これをさらに精製することなく、次の工程に使用した。
PI-58c(180mg、0.52mmol、1.0当量)のMeOH(3mL)溶液に、(NH4)2CO3(198mg、2.06mmol、4.0当量)及びKCN(67mg、1.03mmol、2.0当量)を加えた。この混合物を45℃で16時間、撹拌した。この反応物に3M HClを加え、pH=1~2に調節し、室温で1時間、撹拌し、次に、NaHCO3の飽和水溶液を加え、pH=7~8に調節して、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PC-58(118mg、54%)を黄色固体として得た。
化合物PC-59の調製:
化合物4-ピリジンメタノール(5g、45.82mmol、1.0当量)及びイミダゾール(7.97g、137.45mmol、3.0当量)のDCM(100mL)溶液に、0℃でTBSCl(13.8g、91.64mmol、2.0当量)を加えた。この混合物を室温で2時間、撹拌した。次に、この混合物を飽和NH4Cl溶液(100mL)でクエンチした。この混合物を酢酸エチル(50mL×3)により抽出した。合わせた有機相をブラインにより洗浄し、無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、化合物PI-59a(7.2g、70%)を得た。
化合物PI-59a(10g、44.76mmol、1.0当量)のDCM(150mL)溶液に、室温でm-CPBA(11.58g、67.14mmol、1.5当量)を加えた。この混合物を室温で16時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。次に、この混合物を亜硫酸ナトリウムの飽和水溶液でクエンチした。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、化合物PI-59b(8.1g、75%)を得た。
TEA(40mL)中の化合物PI-59b(10.3g、43.4mmol、1.0当量)の混合物に、トリメチルシリルシアニド(13g、130.4mmol、3当量)を加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、90℃で3時間、加熱した。次に、この混合物を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-59c(5.1g、47%)を得た。
PI-59c(5.1g、20.53mmol、1.0当量)のエタノール/H2O(100/17mL)溶液に、NaOH(6.9g、172.5mmol、8.4当量)を加えた。この混合物を、90℃で2時間、撹拌した。次に、この混合物を室温まで冷却して水(100mL)により希釈し、酢酸エチルにより抽出した。水層を酸性にしてpH=4~5にし、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-59d(3.2g、99%)を得た。
PI-59d(2.2g、14.36mmol、1.0当量)のDMF(100mL)溶液に、NH4Cl(1.54g、28.73mmol、2.0当量)、HATU(5.46g、14.36mmol、1.0当量)及びDIEA(5.57g、43.08mmol、3.0当量)を逐次、加えた。この混合物を室温で16時間、撹拌した。この反応混合物を酢酸エチル(200mL)により希釈してブライン、水により洗浄し、無水Na2SO4により脱水して減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-59e(0.6g、27%)を得た。
DCM(50mL)中のPI-59e(0.53g、3.48mmol、1.0当量)の混合物に、窒素雰囲気下、0℃でSOCl2(0.83g、6.96mmol、2.0当量)を滴下して加えた。この混合物を室温で2時間、撹拌した。この反応混合物をDCM(50mL)により希釈してNaHCO3の飽和水溶液、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4により脱水して減圧下で濃縮し、PI-59f(0.47g、79%)を得た。
PI-59f(470mg、2.75mmol、1.0当量)のDMF(20mL)溶液に、PI-a.1(636mg、2.75mmol、1.0当量)及びK2CO3(759mg、5.5mmol、2当量)を加えた。この混合物を室温で4時間、撹拌した。次に、この混合物を水(50mL)により希釈して、酢酸エチル(30mL×3)により抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-59g(210mg、21%)を得た。
PI-59g(400mg、1.09mmol、1.0当量)のMeOH(7mL)溶液に、(NH4)2CO3(419mg、4.38mmol、4.0当量)及びKCN(141mg、2.19mmol、2.0当量)を加えた。この混合物を45℃で16時間、撹拌した。この反応物に3M HClを加え、pH=1~2に調節し、室温で1時間、撹拌し、次に、NaHCO3の飽和水溶液を加え、pH=7~8に調節して、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PC-59(52mg、11%)を白色固体として得た。
化合物PC-60の調製:
PI-59f(470mg、2.75mmol、1.0当量)のDMF(20mL)溶液に、PI-a.2(636mg、2.75mmol、1.0当量)及びK2CO3(759mg、5.5mmol、2当量)を加えた。この混合物を室温で4時間、撹拌した。次に、この混合物を水(50mL)により希釈して、酢酸エチル(30mL×3)により抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-60a(230mg、23%)を得た。
PI-60a(230mg、0.63mmol、1.0当量)のMeOH(6mL)溶液に、(NH4)2CO3(241mg、2.51mmol、4.0当量)及びKCN(81mg、1.26mmol、2.0当量)を加えた。この混合物を45℃で16時間、撹拌した。この反応物に3M HClを加え、pH=1~2に調節し、室温で1時間、撹拌し、次に、NaHCO3の飽和水溶液を加え、pH=7~8に調節して、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PC-60(53mg、19%)を黄色固体として得た。
化合物PC-61の調製:
5-ブロモ-2-ヒドロキシピリジン(5g、28.74mmol、1.0当量)のDMF(100mL)溶液に、4-(クロロメチル)-2-メチルピリジン(4.07g、28.74mmol、1.0当量)及びK2CO3(7.93g、57.47mmol、2当量)を加えた。この混合物を室温で4時間、撹拌した。次に、この混合物を水(200mL)により希釈して、酢酸エチル(100mL×3)により抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-61a(4.1g、51%)を得た。
ジオキサン(30mL)中のPI-61a(1g、3.58mmol、1.0当量)、4-メトキシ-α-トルエンチオール(607mg、3.94mmol、1.1当量)、キサントホス(207mg、0.36mmol、0.1当量)及びCs2CO3(1.75g、5.37mmol、1.5当量)からなる混合物に、窒素雰囲気下、Pd2(dba)3(230mg、0.25mmol、0.07当量)を加えた。この混合物を、90℃で12時間、撹拌した。次に、この混合物をろ過して水(50mL)及び酢酸エチル(30mL×3)により抽出した。有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-61b(0.8g、63%)を得た。
PI-61b(1g、2.83mmol、1.0当量)をTFA(20mL)に溶解し、窒素雰囲気下、90℃で16時間、撹拌した。次に、この混合物を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-61c(0.5g、76%)を得た。
PI-61c(600mg、2.58mmol、1.0当量)のTHF(20mL)溶液に、窒素雰囲気下、0℃でNaH(103mg、2.58mmol、1当量、60%)を加えた。この混合物を0℃で1時間、撹拌した。次に、4-クロロニコチンアルデヒド(365mg、2.58mmol、1.0当量)を加えた。この混合物を室温で12時間、撹拌した。この混合物を水(50mL)により希釈して、酢酸エチル(30mL×3)により抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-61d(250mg、29%)を得た。
PI-61d(200mg、0.59mmol、1.0当量)のMeOH(5mL)溶液に、(NH4)2CO3(227mg、2.37mmol、4.0当量)及びKCN(77mg、1.19mmol、2.0当量)を加えた。この混合物を45℃で16時間、撹拌した。この反応物に3M HClを加え、pH=1~2に調節し、室温で1時間、撹拌し、次に、NaHCO3の飽和水溶液を加え、pH=7~8に調節して、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PC-61(104mg、43%)を白色固体として得た。
化合物PC-62の調製:
4-ヨードフェノール(2.2g、10mmol、1.0当量)及び4-エチニル-2-メチルピリジン(1.29g、11mmol、1.1当量)のDMF(30mL)溶液に、窒素雰囲気下、TEA(3.2g、30mmol、3当量)、Pd(Ph3P)2Cl2(1.4g、2mmol、0.2当量)及びCuI(0.38g、2mmol、0.2当量)を加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、室温で3時間、撹拌した。次に、この混合物を飽和NH4Cl(50mL)溶液でクエンチした。この混合物を酢酸エチル(30mL×3)により抽出した。合わせた有機相をブラインにより洗浄し、無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-62a(1.05g、45%)を得た。
PI-62a(0.8g、3.82mmol、1.0当量)のDMF(40mL)溶液に、4-クロロニコチンアルデヒド(0.54g、3.82mmol、1.0当量)及びK2CO3(1.05g、7.64mmol、2当量)を加えた。この混合物を、80℃で4時間、撹拌した。次に、この混合物を水(100mL)により希釈して、酢酸エチル(50mL×3)により抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-62b(0.45g、37%)を得た。
PI-62b(1.0当量)のメタノール(10mL)溶液に、Pd/C(20mg)を加える。この混合物を、水素雰囲気下(20psi)、室温で16時間、撹拌する。この混合物をろ過して、ろ液を濃縮し、さらに精製することなくPI-62cを得る。
PI-62c(1.0当量)のMeOH(5mL)溶液に、(NH4)2CO3(4.0当量)及びKCN(2.0当量)を加える。この混合物を45℃で16時間、撹拌する。この反応物に3M HClを加え、pH=1~2に調節し、室温で1時間、撹拌し、次に、NaHCO3の飽和水溶液を加え、pH=7~8に調節して、酢酸エチルで抽出する。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮し、PC-62を得る。
化合物PC-63の調製:
乾燥THF(1L)中の4-クロロピリジン(100g、0.667mol、1.0当量)の混合物に、窒素雰囲気下、-78℃でLDA(THF中の2M、733.26mL、1.467mol、2.2当量)を素早く加えた。この混合物を、-78℃で1時間、撹拌した。次に、プロピオンアルデヒド(74.1g、0.999mol、1.5当量)を滴下して加え、この混合物を1時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。この反応物をNH4Clの飽和水溶液によりクエンチし、酢酸エチル(3×500mL)により抽出した。有機層をブライン及び水により洗浄し、Na2SO4で脱水し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE:EA、3:1)によって精製し、PI-63a(45g、48%)を得た。
アセトン(300mL)中のPI-63a(26.3g、0.154mol、1.0当量)の混合物に、CrO3(30.8g、0.308mol、2.0当量)を加えた。この混合物を室温で5時間、撹拌した。次に、この混合物をろ過して、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-63b(16.0g、62%)を得た。
DMF(50mL)中のPI-63b(1g、4.67mmol、1.0当量)及び4-メルカプトフェノール(590mg、4.67mmol、1.0当量)からなる混合物に、K2CO3(1.29g、9.34mmol、2当量)を加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、室温で16時間、撹拌した。次に、この混合物をH2O(100mL)でクエンチし、酢酸エチル(50mL×3)により抽出した。合わせた有機相をブラインにより洗浄し、無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-63c(1.2g、99%)を得た。
DMF(20mL)中のPI-63c(500mg、1.93mmol、1.0当量)及び4-(クロロメチル)-2-メチルピリジン(409mg、2.89mmol、1.5当量)からなる混合物に、K2CO3(798mg、5.78mmol、3当量)を加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、70℃で4時間、撹拌した。次に、この混合物をH2O(60mL)でクエンチし、酢酸エチル(30mL×3)により抽出した。合わせた有機相をブラインにより洗浄し、無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-63d(610mg、87%)を得た。
PI-63d(610mg、1.68mmol、1.0当量)のMeOH/H2O(12mL、5/1)溶液に、(NH4)2CO3(644mg、6.71mmol、4.0当量)及びKCN(218mg、3.36mmol、2.0当量)を加えた。この混合物を45℃で16時間、撹拌した。この反応物に3M HClを加え、pH=1~2に調節し、室温で1時間、撹拌し、次に、NaHCO3の飽和水溶液を加え、pH=7~8に調節して、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PC-63(80mg、11%)を白色固体として得た。
化合物PC-64の調製:
乾燥THF(1L)中の3-クロロピリジン(100g、0.667mol、1.0当量)の混合物に、窒素雰囲気下、-78℃でLDA(THF中の2M、733.26mL、1.467mol、2.2当量)を素早く加えた。この混合物を、-78℃で1時間、撹拌した。次に、プロピオンアルデヒド(74.1g、0.999mol、1.5当量)を滴下して加え、この混合物を1時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。この反応物をNH4Clの飽和水溶液によりクエンチし、酢酸エチル(3×500mL)により抽出した。有機層をブライン及び水により洗浄し、Na2SO4で脱水し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE:EA、3:1)によって精製し、PI-64a(45g、48%)を得た。
アセトン(300mL)中のPI-64a(26.3g、0.154mol、1.0当量)の混合物に、CrO3(30.8g、0.308mol、2.0当量)を加えた。この混合物を室温で5時間、撹拌した。次に、この混合物をろ過して、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-64b(16.0g、62%)を得た。
DMF(50mL)中のPI-64b(1g、4.67mmol、1.0当量)及び4-メルカプトフェノール(590mg、4.67mmol、1.0当量)からなる混合物に、K2CO3(1.29g、9.34mmol、2当量)を加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、室温で16時間、撹拌した。次に、この混合物をH2O(100mL)でクエンチし、酢酸エチル(50mL×3)により抽出した。合わせた有機相をブラインにより洗浄し、無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-64c(1.2g、99%)を得た。
DMF(20mL)中のPI-64c(500mg、1.93mmol、1.0当量)及び4-(クロロメチル)-2-メチルピリジン(409mg、2.89mmol、1.5当量)からなる混合物に、K2CO3(798mg、5.78mmol、3当量)を加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、70℃で4時間、撹拌した。次に、この混合物をH2O(60mL)でクエンチし、酢酸エチル(30mL×3)により抽出した。合わせた有機相をブラインにより洗浄し、無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PI-64d(610mg、87%)を得た。
PI-64d(700mg、1.92mmol、1.0当量)のMeOH/H2O(12mL、5/1)溶液に、(NH4)2CO3(637mg、7.68mmol、4.0当量)及びKCN(248mg、3.83mmol、2.0当量)を加えた。この混合物を45℃で16時間、撹拌した。この反応物に3M HClを加え、pH=1~2に調節し、室温で1時間、撹拌し、次に、NaHCO3の飽和水溶液を加えてpH=7~8に調節し、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、PC-64(242mg、29%)を白色固体として得た。
化合物OC-1及びOC-2の調製:
ACN(15mL)中の化合物4a-1(0.5g、2.17mmol、1.0当量)の混合物に、2-フルオロベンズアルデヒド(0.271g、2.17mmol、1.0当量)及びK2CO3(0.906g、6.52mmol、3.0当量)を加えた。窒素雰囲気下、この混合物を85℃で一晩、撹拌した。次に、この混合物を真空下で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、化合物OI-1(490mg、68%)を得た。
MeOH(10mL)中の化合物OI-1(200mg、0.6mmol、1.0当量)の混合物に、KCN(78mg、1.2mmol、2.0当量)及び(NH4)2CO3(230mg、2.4mmol、4.0当量)を加えた。窒素雰囲気下、この混合物を40℃で一晩、撹拌した。次に、この混合物を真空で濃縮し、化合物OC-1(200mg、82%)を得た。
ジオキサン(1mL)中の化合物OC-1(15mg、0.037mmol、1.0当量)の混合物に、m-CPBA(6.4mg、0.037mmol、1.0当量)を加えた。この混合物を室温で12時間、撹拌した。次に、この混合物をEAで希釈し、飽和NaHCO3水溶液で洗浄した。有機層を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、化合物OC-2(9.6mg、62%)を得た。
化合物OC-3及びOC-4の調製:
MeOH(6mL)中の4-クロロニコチンアルデヒド(1g、7.1mmol、1.0当量)の混合物に、KCN(0.92mg、14.2mmol、2.0当量)及び(NH4)2CO3(2.71g、28.2mmol、4.0当量)を加えた。この混合物を室温で12時間、撹拌した。次に、この混合物を水により希釈し、酢酸エチルにより抽出した。有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、化合物OI-3a(1.0g、66%)を白色固体として得た。
ジオキサン(10mL)中のOI-3a(1.0g、4.73mmol、1.0当量)の混合物に、m-CPBA(0.82g、4.73mmol、1.0当量)を加えた。この混合物を室温で12時間、撹拌した。次に、この混合物をEAで希釈し、飽和NaHCO3水溶液で洗浄した。有機層を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、OI-3b(200mg、19%)を得た。
ACN(2mL)中のOI-3b(100mg、0.43mmol、1.0当量)及び化合物4a-1(99mg、0.43mmol、1当量)からなる混合物に、K2CO3(182mg、1.31mmol、3.0当量)を逐次、加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、85℃で12時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。次に、この混合物を水に注ぎ入れ、EA(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製し、OC-3(23.6mg、13%)を得た。
ジオキサン(1mL)中の化合物OC-3(20mg、0.05mmol、1.0当量)の混合物に、m-CPBA(8.5mg、0.05mmol、1.0当量)を加えた。この混合物を室温で12時間、撹拌した。次に、この混合物をEAにより希釈し、飽和NaHCO3水溶液で洗浄した。有機層を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、OC-4(8mg、40%)を得た。
化合物OC-5の調製:
乾燥THF(150mL)中の1-メチル-1H-ピラゾール(16.4g、0.2mol、1.0当量)の混合物に、窒素雰囲気下、-78℃でn-BuLi(ヘキサン中の2.5M、96mL、0.24mol、1.2当量)を加えた。この混合物を、-78℃で1時間、撹拌した。次に、DMF(30.8mL、0.4mol、2.0当量)を滴下して加え、この混合物を1時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。この反応物をNH4Clの飽和水溶液によりクエンチし、EA(3×500mL)で抽出した。有機層をブライン及び水により洗浄し、Na2SO4で脱水し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物OI-5a(12.7g、58%)を得た。
DMF(20mL)中の化合物OI-5a(2g、18.2mmol、1.0当量)の混合物に、NBS(4.86g、27.3mmol、1.5当量)を加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、室温で16時間、撹拌した。次に、この混合物をろ過して水及び酢酸エチルで抽出した。有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、化合物OI-5b(2.3g、67%)を得た。
トルエン(10mL)中のOI-5b(700mg、3.72mmol、1.0当量)、4a-1(1.27g、4.09mmol、1.1当量)、DPPF(42mg、0.503mmol、0.1当量)及びDIEA(942mg、7.55mmol、1.5当量)からなる混合物に、窒素雰囲気下、Pd(dba)2(150mg、0.260mmol、0.07当量)を加えた。この混合物を、110℃で16時間、撹拌した。次に、この混合物をろ過して水及び酢酸エチルで抽出した。有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、OI-5c(120mg、10%)を得た。
MeOH(5mL)中の化合物OI-5c(140mg、0.414mmol、1.0当量)の混合物に、KCN(54mg、0.828mmol、2.0当量)及び(NH4)2CO3(159mg、1.66mmol、4.0当量)を加えた。この混合物を室温で12時間、撹拌した。次に、この混合物を水により希釈し、酢酸エチルにより抽出した。有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、化合物OC-5(67mg、40%)を白色固体として得た。
化合物OC-6の調製:
AcOH(100mL)中の4-イミダゾールカルボキシアルデヒド(1g、10.4mmol、1.0当量)及びNaOAc(14.15g、104mmol、10当量)からなる混合物に、窒素雰囲気下、0℃でBr2(3.8g、23.77mmol、2.3当量)のAc2O(20mL)溶液を滴下して加えた。この混合物を、室温で3時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。この反応物を飽和NaHCO3水溶液でクエンチし、EA(3×20mL)により抽出した。有機層をブライン及び水により洗浄し、Na2SO4で脱水し、真空下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、OI-6a(0.8g、44%)を得た。
DMF(50mL)中のOI-6a(1g、5.71mmol、1.0当量)及びCs2CO3(1.86g、5.71mmol、1.0当量)からなる混合物に、MeI(0.82g、5.71mmol、1.0当量)を逐次、加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、室温で3時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。次に、この混合物を水に注ぎ入れ、EA(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製し、OI-6b(0.7g、65%)を得た。
DME(10mL)中のOI-6b(0.7g、3.7mmol、1.0当量)、4a-1(1.27g、5.56mmol、1.5当量)、CyPF-tBu(CAS:158923-11-6)(21mg、0.04mmol、0.01当量)及びCs2CO3(942mg、7.55mmol、2.5当量)からなる混合物に、窒素雰囲気下、Pd(OAc)2(8mg、0.04mmol、0.01当量)を加えた。この混合物を110℃で16時間、撹拌した。次に、この混合物をろ過して水及び酢酸エチルで抽出した。有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、OI-6c(0.28g、22%)を得た。
OI-6c(280mg、0.83mmol、1.0当量)のMeOH(5mL)溶液に、(NH4)2CO3(320mg、3.31mmol、4.0当量)及びKCN(108mg、1.65mmol、2.0当量)を加えた。この混合物を室温で16時間、撹拌した。この反応物に3M HClを加え、pH=1~2に調節し、室温で1時間、撹拌し、次に、NaHCO3の飽和水溶液を加えてpH=6~7に調節し、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、OC-6(200mg、59%)を白色固体として得た。
化合物OC-7及びOC-10の調製:
オキサゾール-5-カルボン酸エチル(0.28g、2.00mmol)のTHF/DMF(2/2mL)溶液に、Br2(0.13mL、2.6mmol、1.3当量)及びLHMDS(2.6mL、2.6mmol、1.3当量)を加えて反応混合物を得、これを-60℃で4時間、撹拌した。この反応混合物をEA及び水により抽出し、合わせた有機層をMgSO4で乾燥した。EA/Hex(EA/Hex=1:4)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって残留物を精製し、OS-a.1を黄色油状物(0.1g、30%)として得た。
OS-a.1(0.3g、1.36mmol)のTHF(10mL)溶液に、NaOH(81mg、2.05mmol、1.5当量)及び4-メルカプトフェノール(0.17g、1.36mmol、1当量)を加え、これを一晩、撹拌した。反応混合物をEA及び水により抽出し、合わせた有機層をMgSO4により乾燥した。EA/Hex(EA/Hex=1:2)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって残留物を精製し、OS-a.2を黄色固体(0.25g、71%)として得た。
化合物OS-a.2(4.2g、15.85mmol、1.0当量)のDMF(40mL)溶液に、窒素雰囲気下、室温で4-(クロロメチル)-2-メチルピリジン(2.2g、15.85mmol、1.0当量)及びK2CO3(6.6g、47.55mmol、3.0当量)を加えた。この混合物を、30℃で16時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。次に、この混合物を水により希釈し、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、化合物OI-7a(2.5g、44%)を得た。
OI-7a(1.4g、3.93mmol、1.0当量)の無水THF(10mL)溶液に、0℃でDIBAL-H(ヘキサン中の1M、7.87mL、7.87mmol、2.0当量)を滴下して加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、0℃で2時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。次に、この混合物を飽和Na2SO4・10H2O溶液(50mL)でクエンチした。この混合物をDCM(3×30mL)により抽出した。合わせた有機相をブライン(2×60mL)により洗浄し、無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、OI-7b(620mg、48%)を得た。
OI-7b(620mg、1.89mmol、1.0当量)のDCM(5mL)溶液に、窒素雰囲気下、室温でPDC(1.4g、3.78mmol、2.0当量)及びK2CO3(782mg、5.67mmol、3.0当量)を加えた。この混合物を、40℃で16時間、撹拌した。この反応混合物のTLC分析により、所望の生成物への完全な変換が示された。次に、この混合物を水で希釈してDCMで抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、OI-7c(205mg、33%)を得た。
OI-7c(205mg、0.629mmol、1.0当量)のMeOH(3mL)溶液に、(NH4)2CO3(241mg、2.52mmol、4.0当量)及びKCN(82mg、1.26mmol、2.0当量)を加えた。この混合物を室温で16時間、撹拌した。この反応物に3M HClを加え、pH=1~2に調節し、室温で1時間、撹拌し、次に、NaHCO3の飽和水溶液を加えてpH=6~7に調節し、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、OC-7(41mg、16%)を白色固体として得た。(クロロメチル)-2-メチルピリジンを1-(ブロモメチル)-3-メチルベンゼンで置き換えた以外、同じ様式で化合物OC-10を合成した。
化合物OC-8の調製:
出発原料のオキサゾール-5-カルボン酸エチルをオキサゾール-4-カルボン酸エチルで置き換えた以外、化合物OC-10の合成と同じ手順によって化合物OC-8を合成した。
化合物OC-9の調製:
出発原料の1-(ブロモメチル)-3-メチルベンゼンを(3-(ブロモメチル)フェニル)メタノールで置き換えた以外、OC-8の合成と同じ手順によって、化合物OC-9を合成した。
化合物OC-11の調製
出発原料の1-(ブロモメチル)-3-メチルベンゼンを4-(クロロメチル)-2-メチルピリジンで置き換えた以外、OC-8の合成と同じ手順によって、化合物OC-11を合成した。
化合物OC-12の調製:
ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジスルフィド(5.0g、19.97mmol、1.0当量)のDMF(100mL)溶液に、4-(クロロメチル)-2-メチルピリジン(6.22g、43.94mmol、2.2当量)及びK2CO3(8.2g、59.91mmol、3当量)を加えた。この混合物を45℃で12時間、撹拌した。次に、この混合物を水(200mL)により希釈して、酢酸エチル(100mL×3)により抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、OI-12a(3.9g、42%)を得た。
OI-12a(3.9g、8.46mmol、1.0当量)のTHF(50mL)溶液に、PPh3(2.22g、8.46mmol、1.0当量)及び濃HCl(8.8mL、84.6mmol、10当量)を加えた。この混合物を室温で16時間、撹拌した。次に、この混合物を水(100mL)により希釈して、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、化合物OI-12b(2.1g、53%)を得た。
トルエン(10mL)中のOI-12b(296mg、1.28mmol、1.1当量)、OI-5b(220mg、1.16mmol、1.0当量)、DPPF(10mg、0.12mmol、0.1当量)及びDIEA(225mg、1.74mmol、1.5当量)からなる混合物に、窒素雰囲気下、Pd2(dba)3(47mg、0.08mmol、0.07当量)を加えた。この混合物を110℃で16時間、撹拌した。次に、この混合物をろ過して水及び酢酸エチルで抽出した。有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、OI-12c(180mg、45%)を得た。
MeOH(4mL)中のOI-12c(120mg、0.35mmol、1.0当量)の混合物に、KCN(46mg、0.7mmol、2.0当量)及び(NH4)2CO3(134mg、1.4mmol、4.0当量)を加えた。この混合物を45℃で16時間、撹拌した。この反応物に3M HClを加え、pH=1~2に調節し、室温で1時間、撹拌し、次に、NaHCO3の飽和水溶液を加え、pH=7~8に調節して、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、化合物OC-12(50mg、35%)を白色固体として得た。
化合物OC-13の調製:
トルエン(16mL)中のOI-6b(310mg、1.63mmol、1.0当量)、OI-12b(414mg、1.79mmol、1.1当量)、DPPF(88mg、0.16mmol、0.1当量)及びDIEA(313mg、2.43mmol、1.5当量)からなる混合物に、窒素雰囲気下、Pd2(dba)3(104mg、0.11mmol、0.07当量)を加えた。この混合物を110℃で16時間、撹拌した。次に、この混合物をろ過して水(50mL)及び酢酸エチル(30mL×3)により抽出した。有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、OI-13a(400mg、72%)を得た。
MeOH(10mL)中のOI-13a(370mg、1.09mmol、1.0当量)の混合物に、KCN(142mg、2.18mmol、2.0当量)及び(NH4)2CO3(418mg、4.36mmol、4.0当量)を加えた。この混合物を45℃で16時間、撹拌した。この反応物に3M HClを加えてpH=1~2に調節し、室温で1時間、撹拌し、次に、NaHCO3の飽和水溶液を加えてpH=7~8に調節し、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、OC-13(73mg、16%)を白色固体として得た。
化合物OC-14の調製:
THF(60mL)中の4-イミダゾールカルボキシアルデヒド(6g、62.44mmol、1.0当量)の混合物に、室温でNaH(3g、74.9mmol、1.2当量)を加えた。10分後、この混合物を-78℃まで冷却し、MeI(10.5g、74.9mmol、1.2当量)を加えた。次に、この混合物を室温まで徐々に温め、18時間、撹拌した。反応物をメタノール(10mL)によりクエンチし、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、OI-14a(4g、58%)を得た。
OI-14a(4g、36.36mmol、1.0当量)のクロロホルム(40mL)溶液に、NBS(7.12g、40mmol、1.1当量)を加えた。この混合物を70℃で3時間、撹拌した。次に、この混合物を室温まで冷却し、Na2CO3の飽和水溶液(50mL)及びDCM(100mL)により希釈した。有機層をブライン及び水により洗浄し、Na2SO4で脱水し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製し、OI-14b(333mg、4.8%)を得た。
トルエン(20mL)中のOI-14b(333mg、1.76mmol、1.0当量)、化合物OI-12b(448mg、1.94mmol、1.1当量)、DPPF(100mg、0.18mmol、0.1当量)及びDIEA(340mg、2.64mmol、1.5当量)からなる混合物に、窒素雰囲気下、Pd2(dba)3(113mg、0.12mmol、0.07当量)を加えた。この混合物を110℃で16時間、撹拌した。次に、この混合物をろ過して水(50mL)及び酢酸エチル(30mL×3)により抽出した。有機層を無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、OI-14c(261mg、43%)を得た。
MeOH(5mL)中のOI-14c(261mg、0.77mmol、1.0当量)の混合物に、KCN(100mg、1.53mmol、2.0当量)及び(NH4)2CO3(295mg、3.08mmol、4.0当量)を加えた。この混合物を45℃で16時間、撹拌した。この反応物に3M HClを加えてpH=1~2に調節し、室温で1時間、撹拌し、次に、NaHCO3の飽和水溶液を加えてpH=7~8に調節して、酢酸エチルにより抽出した。有機層をブラインにより洗浄して無水Na2SO4により脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLCにより精製し、化合物OC-14(183mg、58%)を白色固体として得た。
生物学的試験
[実施例1]
MMP阻害アッセイ
組換えヒトMMP-12触媒ドメイン(Enzo、BML-SE138)による、蛍光性MMP基質(Enzo、BML-P128)の切断速度に及ぼす化合物の阻害作用を、当分野で公知の方法により行った。手短に述べると、96ウェル黒色不透明プレートの各ウェルに、ピペット操作によってすべての試薬を逐次、加え、最終反応物は、4nMの組換えヒトMMP-12触媒ドメイン、4μMの蛍光性MMP基質、並びに10mMのCaCl2、0.01%Brij(登録商標)35(ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル)及び0.1mg/mlのBSAを含有するHEPES緩衝液(pH7.5)中の様々な濃度(0.15nM~10,000nM)の試験化合物希釈液を含有した。
酵素及び化合物を、振とう器上で予備インキュベートし、ウェル中で混合した。1時間の混合後、蛍光性基質を各ウェルに加えた。酵素を含まない反応は、プレート中のブランク対照として使用した。次に、このプレートをプレートリーダーに供給し、37℃で少なくとも1時間、10分ごとに340nm/440nmの励起/発光波長で蛍光強度を測定した。MMP-12阻害における各化合物のIC50は、時間点30分間において得られた読取値を使用して求めた。試験した各化合物の結果が表1に示されている。
[実施例2]
選択性アッセイ
MMP選択性アッセイは、MMP-1、MMP-2、MMP-3、MMP-7、MMP-8、MMP-9、MMP-10、MMP-13及びMMP-14を含めた、他の組換えヒトMMPを使用することによって行った。他の組換えヒトMMPに関する化合物のIC50は、実施例1において上記の通りに求め、表2に示されている。
上記の表2における結果は、本出願の実施形態による化合物は、MMP-1、MMP-2、MMP-3、MMP-7、MMP-8、MMP-9、MMP-10、MMP-13及びMMP-14を含めた他のMMPに比べて、MMP-12に対して高い選択性を有することを示している。
[実施例3]
片側尿管閉塞(UUO)によるSDラット腎線維症モデルに及ぼすMMP-12阻害剤の有効性検討
この検討は、片側尿管閉塞(UUO)による腎線維症モデルに及ぼす、MMP-12阻害剤であるPC-16の治療的効力を評価するためのものである。雄のSprague Dawley(SD)ラット(180~220g、n=71)をこの検討に使用した。動物は無作為に4つの群に分けた:ビヒクル群(群-1、n=8)、PC-16 2mg/kg/日の群(群-2、n=9)、PC-16 6mg/kg/日の群(群-3、n=10)、PC-16 20mg/kg/日の群(群-4、n=9)。動物は、2.5%のイソフルラン吸入(inhelation)を用いて麻酔にかけた。左尿管をライゲーションして、片側尿管閉塞(UUO)モデルを作製して、腎線維症を誘発させた。試験物品PC-16を、14日間、モデル化後に経口送達により1日2回、投与した。末梢血液血清を、モデル化前及び15日目(最後の投与後の1日目)に調製した。動物はすべて、左腎臓の病理検討を行うため、安楽死させて処置した。
20mg/kg/日の用量でのPC-16処置は、ビヒクル群と比べると、血中ウレア窒素(BUN)向上をわずかに制限したが、データはすべて、モデル群と比べると、統計学的に有意な差異を示さなかった。血清クレアチニンレベルは、BUNと同様の、類似した変化を示した。
組織学的に、左腎臓は、骨盤拡張、腎髄質及び皮質の萎縮(atropsy)、尿細管上皮細胞平坦化及び尿細管拡張、炎症及び壊死を含めた、UUOに比べて有意な形態学的変化があることを示した。間質性線維症が、骨盤壁、髄質及び皮質においてはっきりと観察された。PC-16処置は、明確な用量依存的効果を示し、20mg/kg/日の用量は、2mg/kg/日の用量よりも効果的であった(p<0.01)。皮質における間質性炎症の半定量的評価は、PC-16の処置による有意な低下を示し、PC-16の用量依存的有効性を示した。皮質における間質性線維症の半定量的評価は、すべての用量群において、PC-16の処置による線維症スコアの有意な低下を示した。PC-16処置群において、明確な用量依存的効果があった。
PC-16により処置した動物の場合の左腎臓の皮質領域における免疫組織化学(IHC)染色の分析により、PC-16処置による用量依存的低下のトランス(trance)を伴って、20mg/kg/日(P<0.05)の用量におけるコラーゲンI沈着が有意に低下することが示された。上記の免疫組織化学染色はまた、PC-16 6mg/kg/日(P<0.05)、PC-16 20mg/kg/日の用量において、PC-16処置による用量依存的低下のトレンドを伴って、コラーゲンIV沈着の有意な低下があることを示した。
結論として、UUOは、モデル化の15日目以内に、深刻な腎臓皮質損傷、炎症及び間質性線維症を誘発した。PC-16の処置は、腎臓損傷、間質性炎症又は間質性線維症のいずれかに限定的に明確な用量依存的有効性を示した。線維症関連バイオマーカー分析により、PC-16による処置は、損傷した腎臓の皮質領域において、関連するコラーゲン沈着(コラーゲンI及びIV)を低下させることが示された。
詳細実験方法
動物:性別:雄のSDラット、180~220g、合計71匹。証明書:11400700272659、Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co., Ltd.、中国。動物保持:動物は、12時間の明/12時間の暗サイクルを有する温度管理環境に維持し、食物及び水を自由摂取させた。実験手順は、KCI(SuZhou)Biotech Inc.(KCI)動物研究施設におけるIACUCガイドラインに準拠して行った。モデル生成:合計で35匹の雄SDラットをこの検討に使用した。2.5%イソフルラン吸入による麻酔後、動物の腹部を外科的に開腹した。左尿管を露出させて、膀胱近くでライゲーションし、UUOモデルを作製した。出血がないことを確認した後、腹壁を層にして閉じた。動物は、麻酔からの回復の間、温度制御パッド(37℃)下に維持し、次に、いつもの食物及び水を備える保持用ケージに移した。
実験の群分け:UUOモデル化動物は、無作為に、ビヒクル(群-1、n=8)、PC-16 2mg/kg/日(群-5、n=9)、PC-16 6mg/kg/日(群-6、n=10)、PC-16 20mg/kg/日(群-7、n=9)(表4.1)として、7つの群に分けた。投与レジメン:試験物品はすべて、胃潅流によって経口投与として設計した。試験物品は、モデル化した日と同日に開始して、14日間、1日2回、送達されるよう設計した(表4.1)。エンドポイント:1)血液採集:各群におけるすべての動物から末梢血液を採取し、モデル化前及び15日目(最後の投与の1日後)に血清を調製し、-80℃で保管した。動物はすべて、KCI SOPに従い安楽死させた。呼吸及び心臓鼓動(bite)がなく動物が死亡したことを確認した後、左腎臓を冷PBS、次いで、10%中性ホルマリンにより潅流し、さらなる病理検討のために採取した。2)血清BUN及びクレアチニンの検出:血清BUN及びクレアチニンレベルは、Hitachi7060自動生化学分析器及び関連試験キットを用いて検出した。3)腎臓病理検査:3a)腎臓H&E染色及び分析:KCIの病理学的SOPの後に、左腎臓のすべてを10%ホルマリン中、室温で少なくとも24時間、固定化した。固定化後、腎臓を縦方向に切込み、最大表面を得て、等級化エタノール(graded ethanol)中で脱水し、キシレン中で洗い、パラフィンに埋包した。薄層区域(3μm)をスライドガラスにマウントし、ワックスを除去して、蒸留水に再度水和させ、ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)で染色した。すべての染色済みスライドをNanoZoomerデジタルパソロジー(S210、Hamamaci、日本)スキャナーにより走査した。尿細管上皮平坦化及び拡張の程度の半定量的評価を、尿細管関与の百分率に準拠して、0~5にグレード化した:スコア0=損傷はない。スコア1=1~10%の損傷。スコア2=10~25%の損傷。スコア3=25~50%の損傷。スコア4=50~75%の損傷。スコア5=75~100%の損傷。尿細管壊死の半定量的評価は、尿細管関与の百分率に準拠して、0~3にグレード化する:スコア0=壊死はない。スコア1=<25%の壊死。スコア2=25~50%の壊死。スコア3=>50%の壊死。全尿細管損傷としての尿細管平坦化及び拡張及び壊死の平均を示した。間質性炎症の半定量的評価は、炎症細胞の浸潤の程度に準拠して、0~4にグレード化した:スコア0=炎症細胞はない。スコア1=軽度の炎症細胞の浸潤。スコア2=中度の炎症細胞の浸潤。スコア3=重症な炎症細胞の浸潤。スコア4=広範囲な炎症細胞の浸潤。3b)腎臓マッソントリクローム染色及び分析:薄層区域(3μm)をスライドガラスにマウントし、ワックスを除去して、蒸留水に再度水和させ、マッソントリクロームで染色した。すべての染色済みスライドをNanoZoomerデジタルパソロジー(S210、Hamamaci、日本)スキャナーにより走査した。×10倍率における5つの異なる視野による、皮質間質性線維症の半定量的評価は、腎臓皮質から無作為に選択し、間質性線維症関与の百分率に従い、以下のスコア化システムを使用して0~4として推定した:スコア0=線維形成はない。スコア1=<10%の線維形成。スコア2=10~25%の線維形成。スコア3=25~75%の線維形成。スコア4=>75%の線維形成。3c)腎臓IHC染色及び分析:IHC法、例えば、コラーゲンI(Abcam、カタログ番号ab34710)、コラーゲンIV(Abcam、カタログ番号ab6586)を使用する、バイオマーカー分析のため、各群からの左腎臓のすべて(モデル群から8つの右腎臓)を処理した。IHC染色は、KCIにおけるIHCの標準プロトコルに準拠して処理した。すべての染色済みスライドを次に、Hamamatsu NanoZoomerデジタルパソロジーS210スライド式スキャナーによって走査し、ソフトウェアを使用して分析し、ポジティブ染色領域/分析領域(%)を得た。4)統計解析:Graphpad、prism5.0を、すべての統計解析に使用し、P値<0.05を有意と見なした。データはすべて、平均値±標準誤差として報告した。群間の差異は、ボンフェローニ検定又はスチューデントT検定のどちらかによるANOVA検定を使用して求めた。
結果:
a)実験期間中の動物の生理的変化:実験期間中に数匹の動物は死亡し、これは、モデルの不具合、例えば、腹膜炎を誘発した手術中の尿管の破裂と考えられた。各群における動物の死亡数を表4.1に示した。
b)血清BUN及びクレアチニンの変化:UUO後、15日目に、モデル化前と比べて、すべての動物の血清BUNが向上した(P<0.001)。20mg/kg/日の用量でのPC-16処置は、同じ結果を示した(図1A)。データはすべて、モデル群と比べると、統計学的に有意な差異を示さなかった。血清クレアチニンレベルは、BUNと同様の、類似した変化を示した(図1B)。
c)左腎臓損傷の変化 - 尿細管損傷:UUOの15日後、左腎臓は、すべての動物において、骨盤腔の拡張を示した。腎臓皮質は、様々な程度の尿細管上皮細胞平坦化、尿細管拡張及び間質性炎症細胞の浸潤及びほとんどない尿細管壊死の病巣を伴う、有意な萎縮を示した(図1C)。PC-16処置は、明確な用量依存的効果を示し、20mg/kg/日における用量は、2mg/kg/日の用量よりも効果的であった(p<0.01)(図1D(I))。
d)左腎臓損傷の変化 - 間質性炎症:皮質における間質性炎症の半定量的評価は、PC-16の処置により有意な低下を示し、PC-16の用量依存的有効性を示した(図1D(II))。
e)左腎臓損傷の変化 - 皮質間質性線維症:UUOの15日後、左腎臓は、すべての動物において、深刻な間質性線維症を伴う、骨盤腔、髄質領域及び皮質領域を示した。皮質領域における間質性線維症を分析し、試験CPDの処置の場合、程度が異なることが示された(図1E)。皮質における間質性線維症の半定量的評価は、20mg/kg/日の用量でのPC-16の処置の場合、線維症スコアの有意な低下を示した(p<0.001)。PC-16処置群において、明確な用量依存的効果が存在した(図1F)。
f)左腎臓における複数のバイオマーカーの病理分析:コラーゲンI:PC-16により処置した動物の場合の左腎臓の皮質領域におけるIHC染色の分析により、20mg/kg/日(p<0.05)の用量において、コラーゲンI沈着の有意な低下があることが示された。PC-16処置群における、用量依存的低下のトランス(図1G(I)及び図1H(I))。コラーゲンIV:PC-16により処置した動物の場合の左腎臓の皮質領域におけるIHC染色により、20mg/kg/日の用量において、コラーゲンIV沈着の有意な低下があることが示された(p<0.05)。PC-16処置による、用量依存的低下のトランス(図1G(II)及び図1H(II))。
参考文献
1. US 7179831
2. WO 02/096426
3. US 2004/0067996
4. WO 2004/108086
5. WO 02/074752
6. WO 2004/020415
(付記)
(付記1)
式(I)の化合物:
又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物
(式中、
環Bは、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールであり、
環Cは、アリール又はヘテロアリールであり、
環Dは、アリール又はヘテロアリールであり、
X、Y及びZはそれぞれ、O、CH
2
、NR
x
及びS(O)
q
からなる群から独立して選択され、R
x
は、水素又はアルキルであり、
R
1
は、水素又はアルキルであり、
R
2
はそれぞれ、水素、アルキル、ハロ、ヒドロキシル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アミノ、アミド、アルキルアミン、アミノアルキル、シアノ、ヒドロキシアルキル、-(CH
2
)
p
C(O)OR
6
及び-(CH
2
)
p
OC(O)R
6
からなる群から独立して選択され、
R
3
はそれぞれ、水素、アルキル及びハロからなる群から独立して選択され、
R
4
は、水素又はアルキルであり、
R
5
は、水素であり、
R
6
はそれぞれ、水素及びアルキルからなる群から独立して選択され、アルキルは、無置換であるか、又はアミノ、ヒドロキシル、ハロ及びアルコキシからなる群から独立して選択される1つ以上の基により置換されており、
mは、1、2、3又は4であり、
nは、1、2、3、4又は5であり、
pは、0、1、2、3、4又は5であり、
qは、0、1又は2であり、
但し、環Bはフラニルではないことを条件とする)。
(付記2)
環Cがフェニルである、請求項1に記載の化合物。
(付記3)
環Dがピリジニル又はフェニルである、請求項1に記載の化合物。
(付記4)
環Dが、
である、請求項1に記載の化合物。
(付記5)
R
1
、R
4
及びR
5
がそれぞれ、水素である、請求項1に記載の化合物。
(付記6)
XがSであり、YがOであり、ZがCH
2
である、請求項1に記載の化合物。
(付記7)
環Bが、N、S及びOから独立して選択される1~2個のヘテロ原子を有する5員又は6員の単環式ヘテロアリールであり、5員又は6員の単環式ヘテロアリールが、-CH
3
により場合により置換されている、請求項1に記載の化合物。
(付記8)
環Bが、ピリジニル、チオフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル又はオキサゾリルであり、ピリジニル、チオフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル及びオキサゾリルがそれぞれ、-CH
3
により場合により置換されている、請求項7に記載の化合物。
(付記9)
環Bがピリジニルである、請求項7に記載の化合物。
(付記10)
式(II-a)の化合物、式(II-b)の化合物、式(II-c)の化合物及び式(II-d)の化合物:
からなる群から選択される、請求項9に記載の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物
(式中、
R
1
は、水素、-CH
3
又は-CH
2
CH
3
であり、
R
4
は、水素又は-CH
3
であり、
R
5
は、水素又は-CH
3
であり、
R
3
は、水素、-F、-Cl又はCH
3
であり、
Xは、S、SO又はSO
2
であり、
Yは、O、NH、CH
2
又はNHCH
3
であり、
環Dは、ピリジニル又はフェニルであり、
R
2
は、-CH
3
、-CH
2
OH、-OH、CH
2
OC(O)CH(NH
2
)CH(CH
3
)
2
、-COOH、-C(O)NH
2
、-C(O)NHCH
3
、-OCH
3
、-OCH
2
CH
3
、-OCH(CH
3
)
2
又は-CH
2
CH(CH
3
)
2
であり、
nは、0又は1である)。
(付記11)
環Bがチオフェニルである、請求項7に記載の化合物。
(付記12)
式(IV)の化合物:
である、請求項11に記載の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物
(式中、
R
1
、R
4
及びR
5
はそれぞれ、水素であり、
Xは、Sであり、
Yは、Oであり、
R
3
は、水素であり、
環Dは、フェニル又はピリジニルであり、
R
2
は、-CH
3
、-C(O)NH
2
、-CH
2
OH、-OCH
3
又は-OHであり、
nは、0又は1である)。
(付記13)
式(Va)の化合物、式(Vb)の化合物及び式(VI)の化合物:
からなる群から選択される、請求項7に記載の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物
(式中、
R
1
、R
3、
R
4
及びR
5
はそれぞれ、水素であり、
Xは、Sであり、
Yは、Oであり、
環Dは、フェニル又はピリジニルであり、
R
2
は、-CH
3
、-C(O)NH
2
、-CH
2
OH、-OCH
3
又は-OHであり、
nは、0又は1である)。
(付記14)
式(VII-a)の化合物及び式(VII-b)の化合物:
からなる群から選択される、請求項7に記載の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物
(式中、
R
1
、R
3
、R
4
及びR
5
はそれぞれ、水素であり、
Xは、Sであり、
Yは、Oであり、
環Dは、フェニル又はピリジニルであり、
R
2
は、-CH
3
、-C(O)NH
2
、-CH
2
OH、-OCH
3
又は-OHであり、
nは、0又は1である)。
(付記15)
式(I-a)の化合物:
である、請求項1に記載の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物
(式中、
環Bは、ピリジニルであり、
Qは、CH又はNであり、
R
1
は、水素、-CH
3
又は-CH
2
CH
3
であり、
R
4
は、水素又は-CH
3
であり、
R
5
は、水素又は-CH
3
であり、
R
2
は、-CH
3
、-C(O)NH
2
、-CH
2
OH、-OCH
3
又は-OHからなる群から選択され、
Xは、Sであり、
Yは、Oである)。
(付記16)
R
1
、R
4
及びR
5
がそれぞれ、水素である、請求項15に記載の化合物。
(付記17)
からなる群から選択される化合物、又はその互変異性体、立体異性体、薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
(付記18)
請求項17に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
(付記19)
請求項1~18のいずれか一項に記載の化合物、及び少なくとも1種の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
(付記20)
それを必要とする対象におけるマクロファージエラスターゼ(MMP-12)を阻害する方法であって、対象に請求項19に記載の医薬組成物を投与するステップを含む方法。
(付記21)
それを必要とする対象におけるマクロファージエラスターゼ(MMP-12)によって媒介される疾患を処置する方法であって、請求項19に記載の医薬組成物を対象に投与するステップを含み、疾患が、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気腫、急性肺損傷、特発性肺線維症(IPF)、サルコイドーシス、全身性硬化症、肝線維症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、関節炎、がん、心臓疾患、炎症性腸疾患(IBD)、急性腎臓損傷(AKI)、慢性腎疾患(CKD)、アルポート症候群及び腎炎からなる群から選択される、方法。