JP7344504B2 - 選鉱方法 - Google Patents

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Description

本発明は、選鉱方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、砒素品位の高い原料から砒素品位の低い精鉱を得るための選鉱方法に関する。
銅製錬の分野では、銅を含有する銅鉱石、銅精鉱などの原料から銅を回収する様々な方法が提案されている。例えば、銅鉱石から銅を回収するには以下の処理が行なわれる。
(1)選鉱工程
選鉱工程では、鉱山で採掘された銅鉱石を粉砕した後、水を加えてスラリーとし、浮遊選鉱を行なう。浮遊選鉱では、スラリーに捕収剤、抑制剤、起泡剤などで構成される浮選剤を添加し、空気を吹き込んで銅鉱物を浮遊させつつ、脈石を沈降させて分離を行なう。これにより銅品位30%前後の銅精鉱が得られる。
(2)乾式製錬工程
乾式製錬工程では、選鉱工程で得られた銅精鉱を自溶炉などの炉を用いて熔解し、転炉および精製炉を経て銅品位99%程度の粗銅にまで精製する。粗銅は次工程の電解工程で用いられるアノードに鋳造される。ここで、銅精鉱に含まれる砒素は、スラグ、ダストおよび粗銅に分配される。
(3)電解工程
電解工程では、硫酸酸性溶液(電解液)で満たされた電解槽に前記アノードを挿入し、カソードとの間に通電して電解精製を行なう。電解精製によって、アノードの銅は溶解し、カソード上に純度99.99%の電気銅として析出する。
電解精製により生じるアノードスライムには、アノードから溶出した貴金属、砒素などが含まれている。アノードスライムは貴金属回収工程で処理されて貴金属が回収される。貴金属回収工程から排出される残渣には砒素が含まれている。
乾式製錬工程から排出されるスラグには、砒素が安定した形態で固定されている。スラグは水砕して埋立て材などに利用される。一方、乾式製錬工程から排出されるダストおよび貴金属回収工程から排出される残渣に含まれる砒素は不安定な形態である。ダストおよび残渣は、そのままの状態で系外に払い出すことは好ましくないため、炉に繰り返し装入される。こうして、銅精鉱に含まれる大部分の砒素は最終的にスラグに分配され、安定した形態で固定化される。
ところで、近年では原料事情が変化している。砒素品位の低い銅鉱石を産出する銅鉱山は枯渇の一途を辿っており、得られる銅鉱石の砒素品位が年々増加している。これに伴い、銅精鉱の砒素品位も徐々に高くなっている。そのため、銅精鉱の処理量が以前と同じであっても、砒素の処理量が多くなっており、砒素をスラグに固定化する処理が追いつかない場合がある。そこで、砒素品位の高い銅鉱石から砒素品位の低い銅精鉱を得ることが求められている。
特許文献1には、抑制剤としてキレート剤を用いた浮遊選鉱により、高砒素品位の含銅物から砒素鉱物を分離し、低砒素品位の銅精鉱が得られることが開示されている。
特開2011-156521号公報
本発明は上記事情に鑑み、砒素品位の高い原料から砒素品位の低い精鉱を得ることができる選鉱方法を提供することを目的とする。
第1発明の選鉱方法は、砒素を含まない硫化鉱物である砒素非含有硫化鉱物と、砒素を含む硫化銅鉱物である砒素含有硫化鉱物とを含む原料を用いた選鉱方法であって、前記原料を含む鉱物スラリーにキサントゲン酸アルカリ金属塩を添加して浮遊選鉱を行ない、前記原料を前記原料よりも前記砒素非含有硫化鉱物の品位が高い沈鉱と前記原料よりも前記砒素含有硫化鉱物の品位が高い浮鉱とに分離する浮遊選鉱工程を備え、前記砒素非含有硫化鉱物は砒素を含まない硫化銅鉱物を含み、前記原料は銅100重量部に対して砒素を6.1重量部以上含むことを特徴とする。
第2発明の選鉱方法は、砒素を含まない硫化鉱物である砒素非含有硫化鉱物と、砒素を含む硫化銅鉱物である砒素含有硫化鉱物とを含む原料を用いた選鉱方法であって、前記原料を含む鉱物スラリーにキサントゲン酸アルカリ金属塩を添加して浮遊選鉱を行ない、前記原料を前記原料よりも前記砒素非含有硫化鉱物の品位が高い沈鉱と前記原料よりも前記砒素含有硫化鉱物の品位が高い浮鉱とに分離する浮遊選鉱工程を備え、前記砒素非含有硫化鉱物は砒素を含まない硫化鉄鉱物を含み、前記原料は鉄100重量部に対して砒素を8.8重量部以上含むことを特徴とする。
第3発明の選鉱方法は、第1または第2発明において、前記キサントゲン酸アルカリ金属塩はアミルキサントゲン酸カリウムであることを特徴とする。
第4発明の選鉱方法は、第1~第3発明のいずれかにおいて、前記砒素含有硫化鉱物は、硫砒銅鉱および砒四面銅鉱からなる群から選択される少なくとも一種の鉱物であることを特徴とする。
第5発明の選鉱方法は、第1発明において、前記砒素を含まない硫化銅鉱物は、黄銅鉱、斑銅鉱および輝銅鉱からなる群から選択される少なくとも一種の鉱物であることを特徴とする。
第6発明の選鉱方法は、第2発明において、前記砒素を含まない硫化鉄鉱物は、黄銅鉱、斑銅鉱および黄鉄鉱からなる群から選択される少なくとも一種の鉱物であることを特徴とする。
第7発明の選鉱方法は、第3発明において、前記浮遊選鉱工程において、前記鉱物スラリーの液相のアミルキサントゲン酸カリウムの濃度を0.005mM以上とすることを特徴とする。
第8発明の選鉱方法は、第1~第7発明のいずれかにおいて、前記浮遊選鉱工程において、前記鉱物スラリーの液相のpHを8以上とすることを特徴とする。
第9発明の選鉱方法は、第1~第8発明のいずれかにおいて、前記浮遊選鉱工程において、前記鉱物スラリーに酸化剤を添加することを特徴とする。
第10発明の選鉱方法は、第1~第9発明のいずれかにおいて、前記浮遊選鉱工程の前に、原料に対してシェアアジテーションを行う前処理工程を備えることを特徴とする。
本発明によれば、砒素品位の高い原料から砒素含有硫化鉱物を除去することで、砒素品位の低い精鉱を得ることができる。
浮遊選鉱試験(1)の結果を示す表である。 浮遊選鉱試験(2)の結果を示す表である。 浮遊選鉱試験(3)の結果を示す表である。 浮遊選鉱試験(4)の結果を示す表である。 浮遊選鉱試験(5)の結果を示す表である。 浮遊選鉱試験(6)の結果を示す表である。 浮遊選鉱試験(7)の結果を示す表である。 浮遊選鉱試験(8)の結果を示す表である。 浮遊選鉱試験(9)の結果を示す表である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明の一実施形態に係る選鉱方法は、砒素を含む原料を用いた浮遊選鉱により、原料から砒素を除去して、砒素品位の低い精鉱を得る方法である。
原料として、鉱山から採掘された鉱石のほか、他の選鉱方法により鉱石から脈石を除去して得た精鉱などが用いられる。原料には複数種類の鉱物が含まれる。原料に含まれる鉱物として、黄銅鉱(chalcopyrite:CuFeS2)、斑銅鉱(bornite:Cu5FeS4)、輝銅鉱(chalcocite:Cu2S)、黄鉄鉱(pyrite:FeS2)、硫砒銅鉱(enargite:Cu3AsS4)、砒四面銅鉱(tennantite:(Cu,Fe,Zn)12(Sb,As)413)が挙げられる。
本明細書では、砒素を含まない硫化鉱物を「砒素非含有硫化鉱物」と称する。また、砒素を含む硫化銅鉱物を「砒素含有硫化鉱物」と称する。原料には少なくとも砒素非含有硫化鉱物と砒素含有硫化鉱物とが含まれる。
砒素非含有硫化鉱物として、砒素を含まない硫化銅鉱物および砒素を含まない硫化鉄鉱物が挙げられる。原料には、砒素を含まない硫化銅鉱物および砒素を含まない硫化鉄鉱物の一方が含まれてもよいし両方が含まれてもよい。
砒素を含まない硫化銅鉱物として黄銅鉱、斑銅鉱および輝銅鉱などが挙げられる。また、砒素を含まない硫化鉄鉱物として黄銅鉱、斑銅鉱および黄鉄鉱などが挙げられる。なお、黄銅鉱および斑銅鉱は硫化銅鉱物であるとともに硫化鉄鉱物でもある。原料には、黄銅鉱、斑銅鉱、輝銅鉱および黄鉄鉱のいずれか一種が含まれてもよいし二種以上が含まれてもよい。
砒素含有硫化鉱物として硫砒銅鉱および砒四面銅鉱などが挙げられる。原料には、硫砒銅鉱および砒四面銅鉱の一方が含まれてもよいし両方が含まれてもよい。
原料は予め粉砕され、単体分離された鉱物粒子が混合された状態となっている。鉱物粒子の粒度は、鉱石に含まれる鉱物の大きさに合わせて、単独鉱物が得られるように調整される。例えば、黄銅鉱の場合篩下100μm程度に調整することが一般的である。種々の鉱物を含む鉱石を原料とする実操業では、篩下100μm程度に粉砕した後で、浮選成績などを勘案して鉱石の粒度を最適な条件に合わせることが一般的である。
なお、粉砕後、鉱物粒子を長時間保管すると、付着物などにより鉱物の表面状態が変化する場合がある。この場合、鉱物粒子を次工程に装入する前に、鉱物表面の付着物を除去することが好ましい。付着物の除去方法は特に限定されないが、例えば、シェアアジテーション、硝酸洗浄、摩擦粉砕(アトリッション)などが挙げられる。これらの中でも、シェアアジテーションが好ましい。シェアアジテーションとは、対象となる鉱物スラリー中の鉱物粒子に剪断力を及ぼすほどの強度で撹拌することである。シェアアジテーションの具体的な方法として、回転数の高い撹拌装置を使用する方法がある。撹拌装置の回転数に上限があるものの、動力が十分な場合には、鉱物スラリーの固形分濃度を高くして、相対的に撹拌力を高くしてもよい。
鉱物粒子からなる原料に水を加えて鉱物スラリーを製造する。鉱物スラリーの液相にカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンが含まれていると浮遊選鉱に悪影響を与えることが知られている。そこで、鉱物粒子に添加する水は不純物イオンを含まない純水であることが好ましい。工業的にはイオン交換水を用いてもよい。
つぎに、原料を含む鉱物スラリーを用いて浮遊選鉱を行なう(浮遊選鉱工程)。浮遊選鉱に用いる装置および方式は特に限定されない、一般的な多段式浮遊選鉱装置を用いればよい。
浮遊選鉱に際して、鉱物スラリーには捕収剤、抑制剤、起泡剤などで構成される浮選剤が添加される。本実施形態では、キサントゲン酸アルカリ金属塩を鉱物スラリーに添加することを特徴としている。キサントゲン酸アルカリ金属塩は化学式R・O・CS・SMで表される。ここで、Rはアルキル基、Mはアルカリ金属を示す。式中のアルキル基Rは疎水性である。また、式中のCS・SMが液中でアルカリ金属Mを放出すると、CS・S-となって親水性を示す。浮遊選鉱中に、鉱物中のCuが電子を放出すると、CS・S-と結びつく。これにより、鉱物粒子の表面にアルキル基Rが現れる。そのため、鉱物粒子が疎水性となる。
キサントゲン酸アルカリ金属塩のアルキル基の炭素数は特に限定されない。また、アルカリ金属はナトリウムでもカリウムでもよい。キサントゲン酸アルカリ金属塩の一例として、アミルキサントゲン酸カリウムがある。アミルキサントゲン酸カリウムはPAX(Potassium amyl xanthate)とも称され、化学式はC611KOS2である。アミルキサントゲン酸カリウムを、以下「PAX」と表記する。PAXは浮選剤として知られており、浮遊選鉱に対する目的外の悪影響がないことが知られている。
なお、本発明者らは、キサントゲン酸アルカリ金属塩に代えてジアルキルジチオリン酸塩を鉱物スラリーに添加しても、同様の効果があるとの知見を得ている。ジアルキルジチオリン酸塩は化学式R・R・O・PS・SMで表される。式中のPS・SMが液中でアルカリ金属またはアンモニウムイオンMを放出すると、PS・S-となって親水性を示す。浮遊選鉱中に、鉱物中のCuが電子を放出すると、PS・S-と結びつく。これにより、鉱物粒子の表面にアルキル基Rが現れる。そのため、鉱物粒子が疎水性となる。
このことから、化学構造の一方にアルキル基R、他方にXS・SM(ここで、XはC、Pなど)を備え、XS・SMがMを放出してXS・S-となる物質は、同様の効果を奏すると考えられる。
上記の浮遊選鉱により、砒素非含有硫化鉱物を沈鉱として、砒素含有硫化鉱物を浮鉱として分離できる。より正確にいうなれば、原料を、原料よりも砒素非含有硫化鉱物の品位が高い沈鉱と、原料よりも砒素含有硫化鉱物の品位が高い浮鉱とに分離できる。
なお、上記の浮遊選鉱を繰り返し行なうことにより、沈鉱の砒素品位をより低減できる。そのため、砒素品位が高い原料であっても、砒素品位が十分に低い精鉱を得ることができる。
砒素品位の高い原料から砒素含有硫化鉱物を除去することで、砒素品位の低い精鉱を得ることができる。例えば、銅製錬において、砒素品位の高い銅鉱石を用いた場合であっても、予め銅精鉱の砒素品位を低減できる。そのため、砒素をスラグに固定化する処理を問題なく行なうことができる。
以上のように、砒素非含有硫化鉱物と砒素含有硫化鉱物とを含む原料を用いた浮遊選鉱において、鉱物スラリーにキサントゲン酸アルカリ金属塩を添加すると、砒素非含有硫化鉱物を沈鉱として、砒素含有硫化鉱物を浮鉱として分離できる。
一般に、PAXは硫化物を浮鉱として回収するための捕収剤として機能する。したがって、鉱物スラリーにPAXを添加すると、砒素非含有硫化鉱物も砒素含有硫化鉱物も浮鉱として回収されることが予想される。実際に、砒素非含有硫化鉱物である黄銅鉱、砒素含有硫化鉱物である硫砒銅鉱、砒四面銅鉱を、それぞれ単独で用いた浮遊選鉱において、鉱物スラリーにPAXを添加すると、いずれの鉱物もその大部分が浮鉱として回収されることが確認されている。
しかし、砒素非含有硫化鉱物と砒素含有硫化鉱物とが混在する場合において、鉱物スラリーにPAXを添加すると、砒素含有硫化鉱物の大部分は浮鉱として回収される一方、砒素非含有硫化鉱物の大部分は沈鉱として回収される。したがって、砒素非含有硫化鉱物と砒素含有硫化鉱物とが混在する場合においては、PAXは砒素含有硫化鉱物に対しては捕収剤としての機能を維持する一方、砒素非含有硫化鉱物に対しては捕収剤としての機能が抑制されると考えられる。
本発明者らは、この理由は以下のように推測している。
水または電解液中で異種金属が接触すると、金属固有のガルバニック電位(イオン化傾向)の差により、異種金属の接触部分で局部電池が形成される。そうすると、低電位の金属から高電位の金属に電子が移動し、低電位の金属が酸化されて腐食する。この腐食現象はガルバニック腐食(異種金属接触腐食)として知られている。
異なる種類の鉱物の間でも、それらが接触すると電位差が生じ、ガルバニック腐食と同様の現象が起きる。鉱物スラリーに含まれる砒素非含有硫化鉱物と砒素含有硫化鉱物とが接触すると、それらの間に電位差が生じる。
ここで、砒素含有硫化鉱物は低電位側となり、電子が失われて酸化される。そうすると、鉱物の表面に酸化物、例えばCuSO4、As23が生じる。この酸化物によりPAXが砒素含有硫化鉱物に吸着されやすくなる。砒素含有硫化鉱物に対してはPAXが捕収剤としてよく働き、砒素含有硫化鉱物の疎水性が高くなる。その結果、砒素含有硫化鉱物の大部分は浮鉱として回収される。また、PAXを吸着した砒素含有硫化鉱物は、より低電位となり、電子が失われやすくなる。
一方、砒素非含有硫化鉱物は高電位側となり、砒素含有硫化鉱物から電子が供給される。しかも、PAXを添加すると、PAXを吸着した砒素含有硫化鉱物はより低電位となるため、より砒素非含有硫化鉱物に電子が供給されやすくなる。砒素非含有硫化鉱物に電子が供給されると、鉱物の表面に水酸化物、例えばFeOOHが生じる。これにより、砒素非含有硫化鉱物は親水性が高くなる。また、水酸化物によりPAXが砒素非含有硫化鉱物に吸着されにくくなる。砒素非含有硫化鉱物に対してはPAXの捕収剤としての機能が抑制される。砒素非含有硫化鉱物は親水性が高くなり、その大部分は沈鉱として回収される。
上記の現象が生じるには、砒素非含有硫化鉱物に対して十分な量の砒素含有硫化鉱物が原料に含まれることが好ましいと考えられる。砒素非含有硫化鉱物として硫化銅鉱物が含まれる場合、原料が銅100重量部に対して砒素を6.1重量部以上含めば(As/Cu≧6.1重量%)、上記の現象が十分に生じると考えられる。また、砒素非含有硫化鉱物として硫化鉄鉱物が含まれる場合、原料が鉄100重量部に対して砒素を8.8重量部以上含めば(As/Fe≧8.8重量%)、上記の現象が十分に生じると考えられる。
砒素非含有硫化鉱物と砒素含有硫化鉱物との接触頻度を高めるという観点では、鉱物スラリーの固形分濃度は高いほど好ましい。鉱物スラリーの固形分濃度は特に限定されないが、0.3~30重量%が好ましい。実験室レベルの固形分濃度(0.3重量%)でも、実操業レベルの固形分濃度(30重量%)でも、砒素非含有硫化鉱物と砒素含有硫化鉱物とを分離できる。
鉱物スラリーの液相のPAXの濃度は、特定に限定されないが、0.005mM以上が好ましい。鉱物スラリーの液相のPAXの濃度が0.005mM以上であれば、砒素含有硫化鉱物に対する捕収剤として効果が十分に発揮される。
浮遊選鉱工程における鉱物スラリーの液相のpHは特に限定されない。鉱物スラリーの液相のpHは、鉱物粒子のガルバニック電位に影響するとも考えられる。そこで、鉱物スラリーの液相のpHを、鉱物粒子の表面電位に与える影響が少ない範囲にすることが好ましい。具体的には、鉱物スラリーの液相のpHは8以上が好ましく、8~11がより好ましい。
pH調整は鉱物スラリーにpH調整剤を添加することにより行なわれる。pH調整剤は特に限定されないが、アルカリとして水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、炭酸カルシウム(CaCO3)などを用いることができる。酸として硫酸(H2SO4)、塩酸(HCl)などを用いることができる。pH調整剤を水溶液の形態で用いる場合には、その濃度は特に限定されず、鉱物スラリーを目的のpHに調整することが困難とならない濃度であればよい。
浮遊選鉱工程において、鉱物スラリーに酸化剤を添加してもよい。酸化剤は砒素含有硫化鉱物の酸化を促進する目的で添加される。酸化剤として、過酸化水素(H22)、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)などを用いることができる。
浮遊選鉱工程において、鉱物スラリーに亜硫酸ナトリウムなどの亜硫酸塩を添加してもよい。亜硫酸塩の添加は、PAX添加の前でもよいし、後でもよい。亜硫酸塩は砒素非含有硫化鉱物に対して抑制剤として働く。その一方、亜硫酸塩を添加しても砒素含有硫化鉱物の浮鉱としての回収率はほとんど変わらない。そのため、鉱物スラリーに亜硫酸塩を添加すれば、砒素非含有硫化鉱物と砒素含有硫化鉱物とをより効率的に分離できる。特に限定されないが、鉱物スラリーの液相における亜硫酸塩の濃度を、1~100mMとすることが好ましい。
つぎに、実施例を説明する。
(1)黄銅鉱と硫砒銅鉱との混合鉱物を用いた浮遊選鉱試験(過酸化水素濃度)
砒素非含有硫化鉱物である黄銅鉱と砒素含有硫化鉱物である硫砒銅鉱とを浮遊選鉱により分離する試験を行なった。
黄銅鉱および硫砒銅鉱の鉱物試料を用意した。各鉱物試料は粒子状であり、その粒径は篩下38μmである。黄銅鉱の試料と硫砒銅鉱の試料とを重量比1:1の割合で混合し、混合鉱物を得た。
混合鉱物の組成を、XRF(蛍光X線分析装置、Rigaku、ZSX Primus II、以下同じ。)を用いて分析したところ、銅が43.7重量%、鉄が15.1重量%、砒素が9.2重量%であった。したがって、この混合鉱物の銅に対する砒素の重量割合(As/Cu)は21.1重量%である。また、この混合鉱物の鉄に対する砒素の重量割合(As/Fe)は61.1重量%である。
つぎに、容量500mLのビーカーに工業用水を180g入れ、前記混合鉱物を0.6g入れ、スターラー撹拌機(Fisher Scientific、Corning PC-420D、800rpm)で撹拌して鉱物スラリーを得た。鉱物スラリーの固形分濃度は約0.3重量%である。
以下の試験中、鉱物スラリーの液相のpHを8.0~9.0に維持した。ここで、アルカリとして水酸化カリウム(0.05M水溶液、富士フイルム和光純薬、試薬特級)を用い、酸として塩酸(0.01M水溶液、富士フイルム和光純薬、試薬特級)を用いた。
実施例1~4では、鉱物スラリーにPAX(Cytec Industries、カリウムアミルザンセート)を添加し、5分間撹拌した。ここで、鉱物スラリーの液相のPAX濃度を0.1mMとした。比較例1~4では、PAXを添加しなかった。
実施例2~4および比較例2~4では、鉱物スラリーに酸化剤として過酸化水素(30%、富士フイルム和光純薬、試薬特級)を添加して、5分間撹拌した。鉱物スラリーの液相における過酸化水素の濃度は、実施例2および比較例2においては0.1mM、実施例3および比較例3においては0.2mM、実施例4および比較例4においては0.5mMとした。実施例1および比較例1では酸化剤を添加しなかった。
つぎに、鉱石スラリーに起泡剤としてパインオイル(松根油)(日本テンペン化学株式会社、パインオイルNT、NT-20)を添加し、2分間撹拌した。鉱物スラリーの液相におけるパインオイルの濃度は、102ppmとした。
つぎに、容量200mLのカラム(ガラス製の円筒形容器、直径40mm、高さ160mm)に鉱石スラリーを入れて、カラム底部のノズル(直径2mm)から空気を流量20mL/分で吹き込み浮遊選鉱を行なった。浮選時間を6分とした。カラムの上部から溢れたフロスから浮鉱を回収した。また、カラムに残留した鉱物を沈鉱として回収した。
得られた浮鉱および沈鉱のそれぞれについて、重量を測定し、組成を分析した。組成の分析には、XRFを用いた。また、分析結果から、浮遊選鉱による黄銅鉱と硫砒銅鉱との分離効率を示すニュートン効率を求めた。
黄銅鉱と硫砒銅鉱との混合鉱物を用いた浮遊選鉱試験において、ニュートン効率は以下の式(1)~(5)により求められる。
まず、浮鉱率Rおよび沈鉱率Lを、式(1)、(2)により求める。
[式(1)]
R=Wr/(Wr+Wl)
[式(2)]
L=Wl/(Wr+Wl)
ここで、Wrは浮鉱の重量、Wlは沈鉱の重量である。浮鉱率Rは浮鉱および沈鉱として回収された鉱物のうちの浮鉱の重量割合を意味する。沈鉱率Lは浮鉱および沈鉱として回収された鉱物のうちの沈鉱の重量割合を意味する。
浮鉱および沈鉱に含まれる鉄は、全て黄銅鉱に由来することから、黄銅鉱の浮鉱率Rcpyは浮鉱および沈鉱の鉄品位を用いた式(3)により求められる。
[式(3)]
Rcpy=R×Gr(Fe)/(R×Gr(Fe)+L×Gl(Fe))
ここで、Gr(Fe)は浮鉱の鉄品位、Gl(Fe)は沈鉱の鉄品位である。黄銅鉱の浮鉱率Rcpyは、浮鉱および沈鉱として回収された黄銅鉱のうちの浮鉱の重量割合を意味する。
浮鉱および沈鉱に含まれる砒素は、全て硫砒銅鉱に由来することから、硫砒銅鉱の浮鉱率Renは浮鉱および沈鉱の砒素品位を用いた式(4)により求められる。
[式(4)]
Ren=R×Gr(As)/(R×Gr(As)+L×Gl(As))
ここで、Gr(As)は浮鉱の砒素品位、Gl(As)は沈鉱の砒素品位である。硫砒銅鉱の浮鉱率Renは、浮鉱および沈鉱として回収された硫砒銅鉱のうちの浮鉱の重量割合を意味する。
ニュートン効率ηNは、黄銅鉱の浮鉱率Rcpyおよび硫砒銅鉱の浮鉱率Renを用いた式(5)により求められる。
[式(5)]
ηN=Ren-Rcpy
実施例1~4および比較例1~4の結果を図1の表に示す。
鉱物スラリーにPAXを添加した実施例1~4では、硫砒銅鉱は主に浮鉱として回収され、黄銅鉱は主に沈鉱として回収されている。ニュートン効率は0.53~0.65であり、硫砒銅鉱と黄銅鉱とを効率よく分離できている。一方、鉱物スラリーにPAXを添加していない比較例1~4では、ニュートン効率が0.03~0.22であり、実施例1~4よりも硫砒銅鉱と黄銅鉱との分離効率が低いことが分かる。これより、鉱物スラリーにPAXを添加することで、黄銅鉱と硫砒銅鉱とを効率よく分離できることが確認された。
上記の傾向は、鉱物スラリーに過酸化水素を添加しても変わりはない。鉱物スラリーにPAXとともに過酸化水素を添加する場合(実施例2~4)、鉱物スラリーの液相における過酸化水素の濃度を、0.1~0.2mMとすることが好ましい。そうすれば、過酸化水素を添加しない場合(実施例1)よりも、ニュートン効率を高くすることができる。すなわち、過酸化水素を添加することにより、黄銅鉱と硫砒銅鉱とをより効率よく分離できる。
(2)黄銅鉱と砒四面銅鉱との混合鉱物を用いた浮遊選鉱試験(過酸化水素濃度)
砒素非含有硫化鉱物である黄銅鉱と砒素含有硫化鉱物である砒四面銅鉱とを浮遊選鉱により分離する試験を行なった。
黄銅鉱および砒四面銅鉱の鉱物試料を用意した。各鉱物試料は粒子状であり、その粒径は篩下38μmである。黄銅鉱の試料と砒四面銅鉱の試料とを重量比1:1の割合で混合し、混合鉱物を得た。
混合鉱物の組成を、XRFを用いて分析したところ、銅が39.4重量%、鉄が16.5重量%、砒素が7.6重量%であった。したがって、この混合鉱物の銅に対する砒素の重量割合(As/Cu)は19.3重量%である。また、この混合鉱物の鉄に対する砒素の重量割合(As/Fe)は45.9重量%である。
前記浮遊選鉱試験(1)と同様の手順で、鉱物スラリーの作成、PAXおよび過酸化水素の添加、浮遊選鉱を行なった。実施例1~4、比較例1~4と同様の条件を、それぞれ実施例5~8、比較例5~8とする。
黄銅鉱と砒四面銅鉱との混合鉱物を用いた浮遊選鉱試験において、ニュートン効率は前記式(1)~(3)および以下の式(6)、(7)により求められる。
浮鉱および沈鉱に含まれる砒素は、全て砒四面銅鉱に由来することから、砒四面銅鉱の浮鉱率Rtnは浮鉱および沈鉱の砒素品位を用いた式(6)により求められる。
[式(6)]
Rtn=R×Gr(As)/(R×Gr(As)+L×Gl(As))
ここで、Gr(As)は浮鉱の砒素品位、Gl(As)は沈鉱の砒素品位である。砒四面銅鉱の浮鉱率Rtnは、浮鉱および沈鉱として回収された砒四面銅鉱のうちの浮鉱の重量割合を意味する。
ニュートン効率ηNは、黄銅鉱の浮鉱率Rcpyおよび砒四面銅鉱の浮鉱率Rtnを用いた式(7)により求められる。
[式(7)]
ηN=Rtn-Rcpy
実施例5~8および比較例5~8の結果を図2の表に示す。
鉱物スラリーにPAXを添加した実施例5~8では、砒四面銅鉱は主に浮鉱として回収され、黄銅鉱は主に沈鉱として回収されている。ニュートン効率は0.62~0.69であり、砒四面銅鉱と黄銅鉱とを効率よく分離できている。一方、鉱物スラリーにPAXを添加していない比較例5~8では、ニュートン効率が0.10~0.25であり、実施例5~8よりも砒四面銅鉱と黄銅鉱との分離効率が低いことが分かる。これより、鉱物スラリーにPAXを添加することで、黄銅鉱と砒四面銅鉱とを効率よく分離できることが確認された。
上記の傾向は、鉱物スラリーに過酸化水素を添加しても変わりはない。鉱物スラリーにPAXとともに過酸化水素を添加する場合(実施例6~8)、鉱物スラリーの液相における過酸化水素の濃度を、0.1~0.5mMとすることが好ましい。そうすれば、過酸化水素を添加しない場合(実施例5)よりも、ニュートン効率を高くすることができる。すなわち、過酸化水素を添加することにより、黄銅鉱と砒四面銅鉱とをより効率よく分離できる。
以上の浮遊選鉱試験(1)、(2)より、砒素非含有硫化鉱物である黄銅鉱と砒素含有硫化鉱物である硫砒銅鉱または砒四面銅鉱との混合鉱物の場合、鉱物スラリーにPAXを添加することで、両者を効率よく分離できることが確認できた。これを利用すれば、砒素品位の高い原料から砒素品位の低い精鉱を得ることができる。
黄銅鉱は砒素を含まない硫化銅鉱物の一種である。原料に、同様の鉱物、例えば斑銅鉱、輝銅鉱が含まれる場合にも、鉱物スラリーにPAXを添加することで、砒素非含有硫化鉱物と砒素含有硫化鉱物とを分離できると推測される。
また、黄銅鉱は砒素を含まない硫化鉄鉱物の一種でもある。原料に、同様の鉱物、例えば斑銅鉱、黄鉄鉱が含まれる場合にも、鉱物スラリーにPAXを添加することで、砒素非含有硫化鉱物と砒素含有硫化鉱物とを分離できると推測される。
(3)黄銅鉱と硫砒銅鉱との混合鉱物を用いた浮遊選鉱試験(As/Cu、As/Fe)
砒素非含有硫化鉱物である黄銅鉱と砒素含有硫化鉱物である硫砒銅鉱とを浮遊選鉱により分離する試験を行なった。
黄銅鉱および硫砒銅鉱の鉱物試料を用意した。各鉱物試料は粒子状であり、その粒径は篩下38μmである。黄銅鉱の試料と硫砒銅鉱の試料とを重量比1:3の割合で混合し、混合鉱物Aを得た。黄銅鉱の試料と硫砒銅鉱の試料とを重量比1:1の割合で混合し、混合鉱物Bを得た。黄銅鉱の試料と硫砒銅鉱の試料とを重量比3:1の割合で混合し、混合鉱物Cを得た。黄銅鉱の試料と硫砒銅鉱の試料とを重量比7:1の割合で混合し、混合鉱物Dを得た。
混合鉱物A~Dのそれぞれについて、XRFを用いて組成を分析し、As/CuおよびAs/Feを求めた。その結果、混合鉱物AのAs/Cuは29.3重量%、As/Feは168.7重量%であった。混合鉱物BのAs/Cuは21.2重量%、As/Feは59.6重量%であった。混合鉱物CのAs/Cuは11.2重量%、As/Feは19.6重量%であった。混合鉱物DのAs/Cuは6.1重量%、As/Feは8.8重量%であった。
前記浮遊選鉱試験(1)と同様の手順で、鉱物スラリーの作成、PAXの添加、浮遊選鉱を行なった。ここで、実施例9および比較例9では混合鉱物Aを用いた。実施例10および比較例10では混合鉱物Bを用いた。実施例11および比較例11では混合鉱物Cを用いた。実施例12および比較例12では混合鉱物Dを用いた。実施例9~12では、鉱物スラリーにPAXを添加し、5分間撹拌した。鉱物スラリーの液相のPAX濃度を0.01mMとした。比較例9~12では、PAXを添加しなかった。また、実施例9~12および比較例9~12のいずれにおいても過酸化水素を添加しなかった。
浮遊選鉱により得られた浮鉱および沈鉱のそれぞれについて、重量を測定し、組成を分析した。また、分析結果から、ニュートン効率を求めた。その結果を図3の表に示す。
実施例9~12のニュートン効率は0.36~0.55である。一方、比較例9~12のニュートン効率は0.01~0.09である。As/CuおよびAs/Feが同条件の実施例と比較例とを比較すると、鉱物スラリーにPAXを添加した実施例の方が、硫砒銅鉱と黄銅鉱とを効率よく分離できることが分かる。これより、As/Cuが6.1重量%以上であれば、鉱物スラリーにPAXを添加することで、硫砒銅鉱と黄銅鉱とを効率よく分離できることが確認された。また、As/Feが8.8重量%以上であれば、鉱物スラリーにPAXを添加することで、硫砒銅鉱と黄銅鉱とを効率よく分離できることが確認された。
また、実施例9~12より、As/Cuが高くなるほどニュートン効率が高くなることが分かる。これより、As/Cuが高くなるほど、分離効率が高くなると推測される。As/Cuの好ましい範囲の上限値は定かではないが、少なくともAs/Cuが6.1~29.3重量%の範囲内で、PAX添加による分離効率の上昇が確認できる。
同様に、As/Feが高くなるほどニュートン効率が高くなることが分かる。これより、As/Feが高くなるほど、分離効率が高くなると推測される。As/Feの好ましい範囲の上限値は定かではないが、少なくともAs/Feが8.8~168.7重量%の範囲内で、PAX添加による分離効率の上昇が確認できる。
(4)黄銅鉱と砒四面銅鉱との混合鉱物を用いた浮遊選鉱試験(As/Cu、As/Fe)
砒素非含有硫化鉱物である黄銅鉱と砒素含有硫化鉱物である砒四面銅鉱とを浮遊選鉱により分離する試験を行なった。
黄銅鉱および砒四面銅鉱の鉱物試料を用意した。各鉱物試料は粒子状であり、その粒径は篩下38μmである。黄銅鉱の試料と砒四面銅鉱の試料とを重量比1:3の割合で混合し、混合鉱物Eを得た。黄銅鉱の試料と砒四面銅鉱の試料とを重量比1:1の割合で混合し、混合鉱物Fを得た。黄銅鉱の試料と砒四面銅鉱の試料とを重量比3:1の割合で混合し、混合鉱物Gを得た。黄銅鉱の試料と砒四面銅鉱の試料とを重量比7:1の割合で混合し、混合鉱物Hを得た。
混合鉱物E~Hのそれぞれについて、XRFを用いて組成を分析し、As/CuおよびAs/Feを求めた。その結果、混合鉱物EのAs/Cuは35.6重量%、As/Feは179.9重量%であった。混合鉱物FのAs/Cuは24.5重量%、As/Feは62.6重量%であった。混合鉱物GのAs/Cuは14.0重量%、As/Feは23.8重量%であった。混合鉱物HのAs/Cuは7.0重量%、As/Feは9.9重量%であった。
前記浮遊選鉱試験(3)と同様の手順で、鉱物スラリーの作成、PAXの添加、浮遊選鉱を行なった。ここで、実施例13および比較例13では混合鉱物Eを用いた。実施例14および比較例14では混合鉱物Fを用いた。実施例15および比較例15では混合鉱物Gを用いた。実施例16および比較例16では混合鉱物Hを用いた。
浮遊選鉱により得られた浮鉱および沈鉱のそれぞれについて、重量を測定し、組成を分析した。また、分析結果から、ニュートン効率を求めた。その結果を図4の表に示す。
実施例13~16のニュートン効率は0.34~0.51である。一方、比較例13~16のニュートン効率は0.03~0.12である。As/CuおよびAs/Feが同条件の実施例と比較例とを比較すると、鉱物スラリーにPAXを添加した実施例の方が、砒四面銅鉱と黄銅鉱とを効率よく分離できることが分かる。これより、As/Cuが7.0重量%以上であれば、鉱物スラリーにPAXを添加することで、砒四面銅鉱と黄銅鉱とを効率よく分離できることが確認された。少なくともAs/Cuが7.0~35.6重量%の範囲内で、PAX添加による分離効率の上昇が確認できた。また、As/Feが9.9重量%以上であれば、鉱物スラリーにPAXを添加することで、砒四面銅鉱と黄銅鉱とを効率よく分離できることが確認された。少なくともAs/Feが9.9~179.9重量%の範囲内で、PAX添加による分離効率の上昇が確認できた。
以上の浮遊選鉱試験(3)、(4)より、混合鉱物のAs/Cuが6.1重量%以上であれば、鉱物スラリーにPAXを添加することで、砒素非含有硫化鉱物と砒素含有硫化鉱物とを効率よく分離できることが確認できた。また、As/Cuの好ましい範囲の上限値は定かではないが、少なくともAs/Cuが6.1~35.6重量%の範囲内で、PAX添加による分離効率の上昇が確認できた。
同様に、混合鉱物のAs/Feが8.8重量%以上であれば、鉱物スラリーにPAXを添加することで、砒素非含有硫化鉱物と砒素含有硫化鉱物とを効率よく分離できることが確認できた。また、As/Feの好ましい範囲の上限値は定かではないが、少なくともAs/Feが8.8~179.9重量%の範囲内で、PAX添加による分離効率の上昇が確認できた。
(5)黄銅鉱と硫砒銅鉱との混合鉱物を用いた浮遊選鉱試験(PAX濃度)
砒素非含有硫化鉱物である黄銅鉱と砒素含有硫化鉱物である硫砒銅鉱とを浮遊選鉱により分離する試験を行なった。
黄銅鉱および硫砒銅鉱の鉱物試料を用意した。各鉱物試料は粒子状であり、その粒径は篩下38μmである。黄銅鉱の試料と硫砒銅鉱の試料とを重量比1:1の割合で混合し、混合鉱物を得た。XRFを用いて混合鉱物の組成を分析し、As/Cuを求めたところ21.1重量%であった。また、As/Feは61.1重量%であった。
前記浮遊選鉱試験(1)と同様の手順で、鉱物スラリーの作成、PAXの添加、浮遊選鉱を行なった。ここで、鉱物スラリーの液相のPAX濃度を、実施例17においては0.005mM、実施例18においては0.01mM、実施例19においては0.05mM、実施例20においては0.1mM、実施例21においては0.5mMとした。比較例17ではPAXを添加しなかった。また、実施例17~21および比較例17のいずれにおいても過酸化水素を添加しなかった。
浮遊選鉱により得られた浮鉱および沈鉱のそれぞれについて、重量を測定し、組成を分析した。また、分析結果から、ニュートン効率を求めた。その結果を図5の表に示す。
PAXを添加した実施例17~21のニュートン効率は0.06~0.28である。一方、PAXを添加しなかった比較例17のニュートン効率は-0.01である。これより、PAX濃度が0.005mM以上であれば、PAXを添加しない場合よりも、硫砒銅鉱と黄銅鉱とを効率よく分離できることが分かる。
また、実施例17のニュートン効率が0.06であるのに対して、実施例18~21のニュートン効率は0.24~0.28と高くなっている。したがって、PAX濃度は0.01mM以上とすることがより好ましいことが分かる。また、PAX濃度の好ましい範囲の上限値は定かではないが、少なくともPAX濃度が0.005~0.5mMの範囲で、PAX添加による分離効率の上昇が確認できる。
(6)黄銅鉱と砒四面銅鉱との混合鉱物を用いた浮遊選鉱試験(PAX濃度)
砒素非含有硫化鉱物である黄銅鉱と砒素含有硫化鉱物である砒四面銅鉱とを浮遊選鉱により分離する試験を行なった。
黄銅鉱および砒四面銅鉱の鉱物試料を用意した。各鉱物試料は粒子状であり、その粒径は篩下38μmである。黄銅鉱の試料と砒四面銅鉱の試料とを重量比1:1の割合で混合し、混合鉱物を得た。XRFを用いて混合鉱物の組成を分析し、As/Cuを求めたところ19.3重量%であった。また、As/Feは45.9重量%であった。
前記浮遊選鉱試験(5)と同様の手順で、鉱物スラリーの作成、PAXの添加、浮遊選鉱を行なった。実施例17~21、比較例17と同様の条件を、それぞれ実施例22~26、比較例18とする。
浮遊選鉱により得られた浮鉱および沈鉱のそれぞれについて、重量を測定し、組成を分析した。また、分析結果から、ニュートン効率を求めた。その結果を図6の表に示す。
PAXを添加した実施例22~26のニュートン効率は0.27~0.44である。一方、PAXを添加しなかった比較例18のニュートン効率は0.01である。これより、PAX濃度が0.005mM以上であれば、PAXを添加しない場合よりも、砒四面銅鉱と黄銅鉱とを効率よく分離できることが分かる。
また、実施例22のニュートン効率が0.27であるのに対して、実施例23~26のニュートン効率は0.39~0.44と高くなっている。したがって、PAX濃度は0.01mM以上とすることがより好ましいことが分かる。また、PAX濃度の好ましい範囲の上限値は定かではないが、少なくともPAX濃度が0.005~0.5mMの範囲で、PAX添加による分離効率の上昇が確認できる。
(7)黄銅鉱と硫砒銅鉱との混合鉱物を用いた浮遊選鉱試験(pH)
砒素非含有硫化鉱物である黄銅鉱と砒素含有硫化鉱物である硫砒銅鉱とを浮遊選鉱により分離する試験を行なった。
黄銅鉱および硫砒銅鉱の鉱物試料を用意した。各鉱物試料は粒子状であり、その粒径は篩下38μmである。黄銅鉱の試料と硫砒銅鉱の試料とを重量比1:1の割合で混合し、混合鉱物を得た。XRFを用いて混合鉱物の組成を分析し、As/Cuを求めたところ21.1重量%であった。また、As/Feは61.1重量%であった。
前記浮遊選鉱試験(1)と同様の手順で、鉱物スラリーの作成、PAXの添加、浮遊選鉱を行なった。ここで、実施例27~31では、鉱物スラリーの液相のPAX濃度を0.01mMとした。比較例19~23ではPAXを添加しなかった。また、実施例27~31および比較例19~23のいずれにおいても過酸化水素を添加しなかった。
また、鉱石スラリーの液相のpHを、実施例27および比較例19においては6、実施例28および比較例20においては8、実施例29および比較例21においては9、実施例30および比較例22においては10、実施例31および比較例23においては11に調整した。
浮遊選鉱により得られた浮鉱および沈鉱のそれぞれについて、重量を測定し、組成を分析した。また、分析結果から、ニュートン効率を求めた。その結果を図7の表に示す。
pHを6に調整した実施例27のニュートン効率が0.23であるのに対して、pHを8~11に調整した実施例28~31のニュートン効率は0.47~0.51と高くなっている。したがって、鉱石スラリーの液相のpHを8以上に調整することが好ましいことが分かる。また、pHの好ましい範囲の上限値は定かではないが、少なくともpHが8~11の範囲内で、PAX添加による分離効率の上昇が確認できる。
一方、比較例19~23より、鉱石スラリーの液相のpHを8~11に調整したとしても、PAXを添加しない場合には、ニュートン効率が低く、黄銅鉱と硫砒銅鉱とを効率よく分離できないことが分かる。
(8)黄銅鉱と砒四面銅鉱との混合鉱物を用いた浮遊選鉱試験(pH)
砒素非含有硫化鉱物である黄銅鉱と砒素含有硫化鉱物である砒四面銅鉱とを浮遊選鉱により分離する試験を行なった。
黄銅鉱および砒四面銅鉱の鉱物試料を用意した。各鉱物試料は粒子状であり、その粒径は篩下38μmである。黄銅鉱の試料と砒四面銅鉱の試料とを重量比1:1の割合で混合し、混合鉱物を得た。XRFを用いて混合鉱物の組成を分析し、As/Cuを求めたところ19.3重量%であった。また、As/Feは45.9重量%であった。
前記浮遊選鉱試験(7)と同様の手順で、鉱物スラリーの作成、PAXの添加、浮遊選鉱を行なった。実施例27~31、比較例19~23と同様の条件を、それぞれ実施例32~36、比較例24~28とする。
浮遊選鉱により得られた浮鉱および沈鉱のそれぞれについて、重量を測定し、組成を分析した。また、分析結果から、ニュートン効率を求めた。その結果を図8の表に示す。
pHを8に調整した実施例33のニュートン効率が0.06であるのに対して、pHを9~11に調整した実施例34~36のニュートン効率は0.34~0.61と高くなっている。したがって、鉱石スラリーの液相のpHを9以上に調整することが好ましいことが分かる。また、pHの好ましい範囲の上限値は定かではないが、少なくともpHが9~11の範囲内で、PAX添加による分離効率の上昇が確認できる。
一方、比較例24~28より、鉱石スラリーの液相のpHを9~11に調整したとしても、PAXを添加しない場合には、ニュートン効率が低く、黄銅鉱と砒四面銅鉱とを効率よく分離できないことが分かる。
(9)銅精鉱を用いた浮遊選鉱試験
銅精鉱を用意した。MLA分析法により銅精鉱の鉱物組成を分析した結果、銅精鉱には砒素非含有硫化鉱物である黄銅鉱、斑銅鉱、輝銅鉱および黄鉄鉱が合計63%含まれることが確認された。また、銅精鉱には砒素含有硫化鉱物である硫砒銅鉱および砒四面銅鉱が合計23%含まれることが確認された。
銅精鉱の組成を、XRFを用いて分析したところ、銅が36.2重量%、鉄が16.7重量%、砒素が5.1重量%であった。したがって、銅精鉱のAs/Cuは14.0重量%、As/Feは30.5重量%である。
実施例37では、工業用水680gに銅精鉱220gを添加し、撹拌して鉱物スラリーを得た。鉱物スラリーの固形分濃度は約32重量%である。実施例37ではシェアアジテーションを行わなかった。
実施例38、39では、工業用水380gに銅精鉱220gを添加し、撹拌して鉱物スラリーを得た。鉱物スラリーの固形分濃度は約58重量%である。前処理としてシェアアジテーションを行った。シェアアジテーションはファーレンワルド型浮遊選鉱機で、空気を導入せずに撹拌することにより行った。シェアアジテーションの処理時間は、実施例38では30分、実施例39では60分とした。その後、鉱物スラリーの固形分濃度が32重量%となるように工業用水を添加した。
以下の試験中、インペラー回転数2200rpmで撹拌しながら、鉱物スラリーの液相のpHを8.5~9.5に維持した。ここで、アルカリとして水酸化カリウムを用い、酸として塩酸を用いた。
実施例37~39いずれも、鉱物スラリーに過酸化水素を添加して、60分間撹拌した。鉱物スラリーの液相における過酸化水素の濃度は0.1Mとした。その後、鉱物スラリーにPAXを添加し、3分間撹拌した。ここで、PAXの添加量を、銅精鉱の重量を基準として60g/tonとした。
つぎに、鉱石スラリーに起泡剤としてパインオイルを添加し、2分間撹拌した。ここで、パインオイルの添加量を、銅精鉱の重量を基準として50g/tonとした。
つぎに、浮遊選鉱装置に窒素ガスを導入して浮遊選鉱を行なった。浮遊選鉱装置としてファーレンワルド型浮遊選鉱機を使用した。浮選時間を30分とした。得られた浮鉱および沈鉱のそれぞれについて、重量を測定し、元素組成および鉱物組成を分析した。元素組成の分析には、XRFを用いた。鉱物組成の分析には、MLA分析法を用いた。また、分析結果から、浮遊選鉱による砒素非含有硫化銅鉱物と砒素含有硫化銅鉱物との分離効率を示すニュートン効率を求めた。ニュートン効率は以下の手順で求められる。
砒素非含有硫化銅鉱物の浮鉱率RN-Asは式(8)により求められる。
[式(8)]
N-As=R×Gr(CuN-As)/(R×Gr(CuN-As)+L×Gl(CuN-As))
ここで、Gr(CuN-As)は浮鉱の砒素非含有硫化銅鉱物に含まれる銅の品位、Gl(CuN-As)は沈鉱の砒素非含有硫化銅鉱物に含まれる銅の品位である。Gr(CuN-As)およびGl(CuN-As)は、浮鉱および沈鉱の銅品位および鉱物組成から求められる。砒素非含有硫化銅鉱物の浮鉱率RN-Asは、浮鉱および沈鉱として回収された砒素含有硫化銅鉱物のうちの浮鉱の重量割合を意味する。
砒素含有硫化銅鉱物の浮鉱率RAsは式(9)により求められる。
[式(9)]
As=R×Gr(CuAs)/(R×Gr(CuAs)+L×Gl(CuAs))
ここで、Gr(CuAs)は浮鉱の砒素含有硫化銅鉱物に含まれる銅の品位、Gl(CuAs)は沈鉱の砒素含有硫化銅鉱物に含まれる銅の品位である。Gr(CuAs)およびGl(CuAs)は、浮鉱および沈鉱の銅品位および鉱物組成から求められる。砒素含有硫化銅鉱物の浮鉱率RAsは、浮鉱および沈鉱として回収された砒素含有硫化銅鉱物のうちの浮鉱の重量割合を意味する。
ニュートン効率ηNは、砒素非含有硫化銅鉱物の浮鉱率RN-Asおよび砒素含有硫化銅鉱物の浮鉱率RAsを用いた式(10)により求められる。
[式(10)]
ηN=RAs-RN-As
実施例37~39の結果を図9の表に示す。
前処理としてシェアアジテーションを行わなかった実施例37では、ニュートン効率が0.06であった。これに対して、シェアアジテーションを行った実施例38、39ではニュートン効率がそれぞれ0.12、0.37であった。これより、原料として銅精鉱を用いる場合には、シェアアジテーションを行う方が、砒素非含有硫化鉱物と砒素含有硫化鉱物とを効率よく分離できることが確認された。
また、実施例38、39より、シェアアジテーションの処理時間を長くするほど、ニュートン効率が高くなることが分かる。シェアアジテーションの処理時間は、30分以上が好ましく、60分以上がより好ましいこといえる。シェアアジテーションの処理時間の上限は、特に限定されないが、120分処理すれば、銅精鉱の表面付着物を十分に除去できると考えられる。

Claims (10)

  1. 砒素を含まない硫化鉱物である砒素非含有硫化鉱物と、砒素を含む硫化銅鉱物である砒素含有硫化鉱物とを含む原料を用いた選鉱方法であって、
    前記原料を含む鉱物スラリーにキサントゲン酸アルカリ金属塩を添加して浮遊選鉱を行ない、前記原料を前記原料よりも前記砒素非含有硫化鉱物の品位が高い沈鉱と前記原料よりも前記砒素含有硫化鉱物の品位が高い浮鉱とに分離する浮遊選鉱工程を備え
    前記砒素非含有硫化鉱物は砒素を含まない硫化銅鉱物を含み、
    前記原料は銅100重量部に対して砒素を6.1重量部以上含む
    ことを特徴とする選鉱方法。
  2. 砒素を含まない硫化鉱物である砒素非含有硫化鉱物と、砒素を含む硫化銅鉱物である砒素含有硫化鉱物とを含む原料を用いた選鉱方法であって、
    前記原料を含む鉱物スラリーにキサントゲン酸アルカリ金属塩を添加して浮遊選鉱を行ない、前記原料を前記原料よりも前記砒素非含有硫化鉱物の品位が高い沈鉱と前記原料よりも前記砒素含有硫化鉱物の品位が高い浮鉱とに分離する浮遊選鉱工程を備え、
    前記砒素非含有硫化鉱物は砒素を含まない硫化鉄鉱物を含み、
    前記原料は鉄100重量部に対して砒素を8.8重量部以上含む
    ことを特徴とする選鉱方法。
  3. 前記キサントゲン酸アルカリ金属塩はアミルキサントゲン酸カリウムである
    ことを特徴とする請求項1または2記載の選鉱方法。
  4. 前記砒素含有硫化鉱物は、硫砒銅鉱および砒四面銅鉱からなる群から選択される少なくとも一種の鉱物である
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の選鉱方法。
  5. 前記砒素を含まない硫化銅鉱物は、黄銅鉱、斑銅鉱および輝銅鉱からなる群から選択される少なくとも一種の鉱物である
    ことを特徴とする請求項記載の選鉱方法。
  6. 前記砒素を含まない硫化鉄鉱物は、黄銅鉱、斑銅鉱および黄鉄鉱からなる群から選択される少なくとも一種の鉱物である
    ことを特徴とする請求項記載の選鉱方法。
  7. 前記浮遊選鉱工程において、前記鉱物スラリーの液相のアミルキサントゲン酸カリウムの濃度を0.005mM以上とする
    ことを特徴とする請求項記載の選鉱方法。
  8. 前記浮遊選鉱工程において、前記鉱物スラリーの液相のpHを8以上とする
    ことを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の選鉱方法。
  9. 前記浮遊選鉱工程において、前記鉱物スラリーに酸化剤を添加する
    ことを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の選鉱方法。
  10. 前記浮遊選鉱工程の前に、原料に対してシェアアジテーションを行う前処理工程を備える
    ことを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の選鉱方法。
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