JP2022032930A - 有価金属の回収方法 - Google Patents

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Yoshihisa Takahashi
健介 瀬野
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Abstract

【課題】銅の乾式製錬工程で産出した銅と金属酸化物を含有する中間原料からスズ等の有価金属を能率良く回収する方法を提供する。【解決手段】銅の乾式製錬工程で産出した銅と金属酸化物を含有する中間原料を水もしくは酸溶液で洗浄する水洗工程S2に付し、中間原料をスラリーとするスラリー化工程S3と、銅を優先的に分離する第1浮遊選鉱工程S41と、有価金属を分離する第2浮遊選鉱工程S42とを順に実行する。第1浮遊選鉱工程S41で銅鉱物を優先的に回収するので、第2浮遊選鉱工程S42では銅イオンの溶出が無くなり、スズを含む有価金属の浮遊選鉱の効率が低下しない。そのため、銅製錬で発生した煙灰などの中間原料からスズなどの有価成分を銅と分離し効率よく回収できる。【選択図】図1

Description

本発明は、有価金属の回収方法に関する。さらに詳しくは、銅の乾式製錬工程で産出した銅と金属酸化物を含有する中間原料からスズ等の有価金属を回収する方法に関する。
銅製錬の分野では、銅を含有する銅鉱石、銅精鉱などの原料から銅を回収する技術が既に実施されている。たとえば、銅鉱石から銅を回収するには以下の順で処理が行なわれる。
(1)選鉱工程
選鉱工程では、鉱山で採掘された銅鉱石を粉砕した後、水を加えてスラリーとし、浮遊選鉱を行なう。浮遊選鉱では、スラリーに抑制剤、起泡剤、捕収剤などで構成される浮選剤を添加し、空気を吹き込んで疎水性の銅鉱物を気泡に付着させて浮遊させつつ、脈石を沈降させて分離を行なう。これにより銅品位30%前後の銅精鉱が得られる。
(2)乾式製錬工程
乾式製錬工程では、選鉱工程で得られた銅精鉱を自溶炉などの炉を用いて高温で熔解し、転炉および精製炉を経て不純物を分離し、銅品位99%程度の粗銅にまで精製する。粗銅は次工程の電解工程で用いられるアノードに鋳造される。
(3)電解工程
電解工程では、硫酸酸性溶液(電解液)で満たされた電解槽に前記アノードを挿入し、銅の薄い板やステンレス板などで作られたカソードとの間に通電して電解精製を行なう。電解精製によって、アノードの銅は電解液中に溶解し、カソード上には純度99.99%の高純度な電気銅として析出する。それ以外の成分は電解槽の槽底にたまったり、電解液中にとどまったりするので、それぞれ回収し処理される。
上記の技術により銅を得る工程においては、熔錬炉、転炉などを用いた乾式製錬工程において、高温の熔体を取り扱うことから、銅、スズ、鉛、亜鉛、ビスマス、アンチモン、カドミウム、砒素、貴金属などの有価金属を含有する種々の煙灰(ダスト)が発生する。これら発生した煙灰をそのまま大気中に放出することは環境面で好ましくなく、また煙灰には上述するような有価物が含有されているので、集塵装置を用いて煙灰は回収されている。
回収された煙灰は、一般的には上述の乾式製錬工程の転炉などに繰り返して処理し有価物の回収が行われる。しかしながら繰り返して処理することは、製錬工程内の煙灰の循環量を増すことになり効率的な方法でない。
そこで、煙灰からスズその他の有価金属を回収する方法が提案されてきた。
特許文献1には、銅を含有する製錬煙灰を磨鉱して、粒子の表面の硫酸鉛や酸化皮膜などを除去し、その後で浮遊選鉱して、煙灰中の不溶性銅分を浮鉱として回収する方法が提案されている。この従来技術では、銅分は浮鉱として回収され、有価金属である鉛や亜鉛、スズ、ビスマスなどは沈鉱として回収されると記載されている。ただし、沈鉱したスズなどの分離回収方法は記載されていない。
特許文献2には、銅およびスズを含有し、鉛を主体とする金属混合物を加熱して溶融し、この溶湯に水酸化ナトリウムを添加すると共に撹拌してスズのナトリウム塩を形成させ、スズのナトリウム塩および銅を含有する脱銅ハリス滓を回収すると共に、残部としての粗鉛を回収し、前記脱銅ハリス滓を水に投入してスズを水に溶解させ、固液分離することにより、溶液に溶解しているスズと、非溶解物としての銅を分離するようにして、粗鉛、粗銅および粗スズを得る方法が提案されている。
特許文献1の従来技術では、スズなどの有価鉱物は沈鉱側に分配されるが、沈鉱側は有価金属以外の物質も多く含まれるので、さらなる分離回収工程を要する。その結果、工程が多くなることによる経済的損失に加え、有価金属の回収ロスも生じるという問題がある。
特許文献2の従来技術を適用した場合、スズのナトリウム塩を形成するために水酸化ナトリウムを添加したり、溶解物を粗スズとして回収するため消石灰を添加したりするなど多量の試薬を用いるため、操業コストが高くなる問題が生じる。
特開昭57-198225号公報 特開2011-214021号公報
本発明は上記事情に鑑み、銅の乾式製錬工程で産出した銅と金属酸化物を含有する中間原料からスズ等の有価金属を効率良く回収する方法を提供することを目的とする。
第1発明の有価金属の回収方法は、銅の乾式製錬工程で産出した銅と金属酸化物を含有する中間原料をスラリーとするスラリー化工程と、銅を優先的に分離する第1浮遊選鉱工程と、有価金属を分離する第2浮遊選鉱工程と、を順に実行することを特徴とする。
第2発明の有価金属の回収方法は、第1発明において、前記第1浮遊選鉱工程におけるスラリーのpHが、2~9であることを特徴とする。
第3発明の有価金属の回収方法は、第1発明において、前記第2浮遊選鉱工程におけるスラリーのpHが、2~7であることを特徴とする。
第4発明の有価金属の回収方法は、第1発明において、前記スラリー化工程の前に、前記中間原料を水もしくは酸溶液で洗浄する水洗工程に付すことを特徴とする。
第5発明の有価金属の回収方法は、第1発明において、上記請求項1における金属酸化物を形成する金属が、スズであることを特徴とする。
第1発明によれば、第1浮遊選鉱工程で銅鉱物を優先的に回収するので、第2浮遊選鉱工程では銅イオンの溶出が軽減され、スズを含む有価金属の浮遊選鉱の効率低下を抑制できる。そのため、銅製錬で発生した煙灰などの中間原料からスズなどの有価成分を銅と分離し効率よく回収できるようになる。
第2発明によれば、捕収剤の銅を捕収する機能が充分に働き銅の実収率が良くなる。
第3発明によれば、捕収剤のスズを捕収する機能が充分に働きスズの実収率が良くなる。
第4発明によれば、溶出した金属イオンが回収対象となる化合物の粒子表面へ付着すると捕収剤の吸着を阻害するが、水溶性化合物を予め除去しておくことで浮遊選鉱において、回収対象となる化合物を浮鉱として回収できる量が多くなる。
第5発明によれば、スズを効率よく煙灰などの中間原料から回収できる。
本発明に係る有価金属の回収方法を示す工程図である。 水洗工程S2における水洗時間と銅の溶出量との関係を示すグラフである。 第1浮遊選鉱工程S41における銅とスズの実収率を示すグラフである。 第2浮遊選鉱工程S42におけるスズと銅の実収率を示すグラフである。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明では銅の乾式製錬で発生した煙灰などを中間原料とする。この中間原料は、少なくとも、銅を含有する鉱物(以下、「銅鉱物」と称する。)およびスズなどの有価金属を含む金属酸化物を含有するものであればよい。
含銅成分としてはメタル銅や銅硫化物(黄銅鉱(CuFeS)、輝銅鉱(CuS)、銅藍(CuS))、銅硫酸塩などがあげられる。
また、有価金属を形成する金属酸化物としてはスズのほかに鉛、亜鉛、ビスマス、アンチモン、カドミウム、砒素等が挙げられ、その形態は酸化物、複合酸化物、硫酸塩など水に溶解しない酸素を含む化合物が挙げられる。
本発明における有価金属の回収方法を、図1に基づき説明する。
(1)粉砕工程S1
本発明の回収方法の対象とされる中間原料の粒度は、製錬工程から得られる中間産物の粒度に依存して変化する。後述するスラリー化工程や浮遊選鉱工程を効率よく進めるには、粒径(80%粒度)が20μmから100μmの範囲であることが好ましい。もし、粒径が100μmを超える場合はボールミル等を用いた粉砕を前処理として行うとよい。
(2)水洗工程S2
中間原料は、その中に含まれる硫酸銅など水溶性鉱物の除去を目的として、水や硫酸溶液などを用いた洗浄を行ってもよい。溶出した金属イオンが回収対象となる化合物の粒子表面へ付着すると捕収剤の吸着を阻害するが、浮選実施前に水溶性化合物を除去することによって、浮選において、回収対象となる化合物を浮鉱として回収できる量が多くなる。ただし、この工程は必要に応じて行うことでよく、必須ではない。
銅製錬の中間原料中の銅分は、主にメタル銅や硫化銅、銅硫酸塩の形態で存在する。硫酸塩の形態を持つ銅は、水洗することで銅硫酸塩として除去できる。この場合、残ったメタル銅や硫化銅を浮遊選鉱(浮選)に回すことで、これらを効率よく回収できる。
図2において、横軸は水洗時間(min)で、縦軸は銅硫酸塩の溶出量(原鉱に対する割合、%)を示している。水洗時間が10分を下回ると銅硫酸塩の溶出量は9%を下回るが、10分以上であると9%以上となり、60分過ぎまで、その傾向を維持する。そして、銅硫酸塩の溶出量が9%を越えると、原鉱のなかには、銅硫酸塩がほとんど残ってないことを意味する。したがって、水洗に要する時間は10分以上であればよく、好ましくは60分程度であるとよい。10分を下回ると、銅硫酸塩の溶出が十分でないためよくない。
(3)スラリー化工程S3
後述する浮遊選鉱工程の前に中間原料には水を加えてスラリー化するスラリー工程が行われる。中間原料の水に対する濃度はとくに制限がないが、後述する浮遊選鉱が可能であればよい。
(4)浮遊選鉱工程S4
この浮遊選鉱工程は、浮遊選鉱により中間原料に含まれた銅鉱物を優先的に回収する第1浮遊選鉱工程S41と、その後、スズなどの有価金属を回収する第2浮遊選鉱工程S42の2段階の浮遊選鉱工程とで構成される。
このように2段階選鉱にした理由は、浮遊選鉱において溶出した銅等の金属イオンによって、目的金属の鉱物表面のゼータ電位が正に帯電化し、捕収剤の吸着を妨げる現象が起こり、スズなどの有価金属の浮遊選鉱の効率が低下してしまうという現象を考慮したものである。本発明では、銅イオンの影響を抑制するために、スズなどの有価金属の浮遊選鉱の前段として銅を浮鉱として回収する優先浮選を行うようにしたので、銅等金属イオンの影響を軽微にすることができる。
浮遊選鉱に用いる具体的な装置および方式は、とくに限定されない。一般的な多段式浮遊選鉱装置を用いればよい。
浮遊選鉱工程では浮遊選鉱に付す前の鉱物スラリーに、抑制剤、起泡剤および捕収剤などで構成される浮選剤を添加する。抑制剤は、回収対象外の化合物の疎水性を低下させることで、浮鉱への回収対象外の化合物の混入を抑制するものである。具体的にはケイ酸ナトリウムなどが用いられる。起泡剤は、スラリー内で気泡の生成を安定化し、適度に強固なフロス層を形成するものである。具体的にはメチル・イソブチル・カルビノール(MIBC)などが用いられる。捕収剤は、回収対象となる化合物表面の疎水性を向上させることで、気泡との付着を促進するものである。銅の捕収剤としては、ザンセート、チオノカーバメイトが使用でき、スズの捕収剤としては、スルホコハク酸が使用できる。
浮遊選鉱工程S4では、浮選剤を効果的に効かすため、鉱物スラリーの液相が浮遊選鉱に適したpHとなるように、予めpH調整を行なうことが好ましい。
鉱物スラリーのpH調整は、浮遊選鉱を行う前に行なえばよい。また、浮遊選鉱を行う途中で処理時間の経過に伴って液相のpHが変化する場合には、工程の途中でpH調整を行なってもよい。
pH調整剤はとくに限定されないが、アルカリとして水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH))、炭酸カルシウム(CaCO)などを用いることができ、酸として硫酸(HSO)や塩酸(HCl)などを用いることができる。
(第1浮遊選鉱工程S41)
第1浮遊選鉱工程S41は、銅を優先浮選させる工程である。この第1浮遊選鉱工程で銅を捕収するために用いる捕収剤には、チオノカーバメイトまたはザンセートを用いる。スラリー化した中間原料を水槽に投入すると共に捕収剤を添加し、撹拌して泡を発生させ、泡と共に浮上した銅を多く含むスラリーを回収する。
図3は、銅とスズの実収率を対比させたグラフであり、横軸はスラリーのpHを示し、縦軸は実収率(スラリー中の中間原料に対する浮選した量の割合、%)を示し、細点線は銅Cuの実収率を示し、粗点線はスズSnの実収率を示している。
同図に示すように、好ましいpH範囲は2~9であり、この場合は銅の実収率が20%以上となる。また、より好ましくは4~7.5であり、この場合は銅の実収率が70%弱から約80%となる。
pH2を下回ると、捕収剤の機能が十分に機能しないためよくない。pH7.5を越えると、銅の実収率がさがってしまうため好ましくない。pHが2~9であると、スズの実収率が約15%以下であるのに対し銅の実収率が顕著に上回るので、銅の優先浮選が実現できる。またpHが4~7.5であるときは、銅の実収率がスズの実収率に比べ非常に高いので、銅の優先浮選の傾向がより顕著となる。
一般に、平衡状態のゼータ電位は鉱物組成によるとされ、等電点(Isoelectronic point)とpHとが正の相関をもつ。すなわち、pHが6.5~7.5の領域において最もゼータ電位の影響が少ないので、銅(Cu)捕収のための捕収剤への影響が最も少ないためよい。
なお、有価金属を多く含むスラリーは沈降する。
(第2浮遊選鉱工程S42)
第2浮遊選鉱工程S42は、有価金属を浮選させる工程である。この第2浮遊選鉱工程で有価金属を捕収するために用いる捕収剤には、たとえば、スズの回収にはコハク酸系の捕収剤が用いられる。第1浮遊選鉱工程で得られた有価金属を多く含むスラリーを水槽に投入すると共に捕収剤を添加し、水槽に空気を導入し、撹拌して空気を微細化させた泡を発生させ、泡と共に浮上したスズを多く含むスラリーを回収する。
図4は、スズと銅の実収率を対比させたグラフであり、横軸はスラリーのpHを示し、縦軸は実収率(スラリー中の中間原料に対する浮選した量の割合、%)を示し、細点線はスズSnの実収率を示し、粗点線は銅Cuの実収率を示している。
同図に示すように、好ましいpH範囲は、2~7、より好ましくは4~5である。pH2未満であると、捕収剤の機能が十分に機能しないためよくない。pH7を越えると、スズの実収率がさがってしまうため好ましくない。
第2浮遊選鉱工程S42に入ると先に行った第1浮遊選鉱工程S41で銅がほとんど除去されているので、銅の実収率は5%前後にしかならない。そこで、pHを2~7にすると、スズの実収率を高めてスズなどの有価金属の浮選が実現できる。また、pHが4~5であると、スズの実収率が非常に高いので、スズなどの有価金属の浮選が効率的に行われる。
とくに、銅の乾式製錬で発生した煙灰を中間原料とする場合は、pH4以下で銅が溶解しスズ表面に吸着する場合がある。この場合、捕収剤の捕収力が低下するため、銅が溶解しないpH4~5付近が好ましい。
なお、他の有価金属を多く含むスラリーは、次段以降の水槽を用いて、それぞれの有価金属に適した捕収剤を用いれば、回収できる。例えば、メルカプタン系、ザンセート系捕収剤などが挙げられる。鉛、亜鉛などはステアリン酸系捕収剤、ビスマス、アンチモン、カドミウム、砒素などは、キレート剤等を用いてもよい。
以上のように本発明では、煙灰などの中間原料中に含有する銅を優先的に分離する第1浮遊選鉱工程に付し、スズを分離しやすくした状態で浮遊する第2浮遊選鉱工程に付すので、スズを効率的に回収することができるようになった。
つぎに、実施例を説明する。
(実施例1)
銅の乾式製錬工程の転炉で発生し、集塵装置で回収された煙灰を中間原料とし、この中間原料を水洗し、水洗後の煙灰(組成Cu26%、Sn3.8%)に水を加えて、鉱物スラリーを調製した。鉱物スラリーの体積は1000mLであり、固形分濃度(スラリー濃度)は15重量%であった。
つぎに、鉱物スラリー1000mLをデンバー浮遊選鉱機(metso社、D-12型以下同じ)に装入し、浮遊選鉱機に備えられた撹拌機(回転数900rpm)を用いて撹拌した。
つぎに、浮遊選鉱機内に入れられた鉱物スラリーに捕収剤としてチオノカーバメイト系捕収剤である商品名Z-200を煙灰1トン当たり127g、起泡剤としてMIBC(メチルイソブチルケトン)を同じく127g/tの量を添加した。
その後、浮遊選鉱機に備えられた撹拌機(回転数900rpm)を稼働させ、外気を導入し、第1浮遊選鉱S41を行なった。
また、第1浮遊選鉱S41の開始15分後には、同じ浮遊選鉱機を使って第2浮遊選鉱S42を開始するためスズ回収用の捕収剤として、コハク酸系捕収剤(Solvay社製、商品名AERO845)を255g/t添加して浮選を行った。
第1浮遊選鉱S41の開始から3分、8分、15分、ならびに第2浮遊選鉱S42の開始から15分(すなわち第1浮遊選鉱開始から通算30分経過後)経過したそれぞれのタイミングで浮遊選鉱機(のスラリー槽)の上面に溜まった浮鉱を掻きとって別の容器に回収した。
第1浮遊選鉱で3分後に得た浮鉱を浮鉱1-1、8分後に得た浮鉱を浮鉱1-2、15分後に得た浮鉱を浮鉱1-3、さらに第2浮遊選鉱の15分後に得た浮鉱を浮鉱2と称し、第2浮遊選鉱での沈鉱2を回収した。
各浮鉱1-1~1-3、および浮鉱2と沈鉱2をろ過・乾燥後、秤量し、それぞれ化学分析に供し、それぞれの銅およびスズ含有量を求めた。
なお、浮鉱1-1~3はまとめて第1浮遊選鉱での結果(以下「浮選1」と称する)として評価した。
表1に実施例における銅、スズの実収率および各産物の重量割合を示した。浮鉱1が銅の実収率が高く、また浮鉱2ではスズの実収率が高いことが確認された。
Figure 2022032930000002
(実施例2)
銅の乾式製錬工程の転炉で発生し、集塵装置で回収された煙灰を中間原料とし、この中間原料を水洗し、水洗後の煙灰(組成Cu43%、Sn2.7%)に水を加えて、鉱物スラリーを調製した。鉱物スラリーの体積は1000mLであり、固形分濃度(スラリー濃度)は22重量%であった。
つぎに、鉱物スラリー1000mLをデンバー浮遊選鉱機(metso社、D-12型以下同じ)に装入し、浮遊選鉱機に備えられた撹拌機(回転数900rpm)を用いて撹拌した。
つぎに、浮遊選鉱機内に入れられた鉱物スラリーのpHを7.0に調整し、捕収剤としてチオノカーバメイト系捕収剤である商品名Z-200を煙灰1トン当たり769g、起泡剤としてMIBC(メチルイソブチルケトン)を同じく238g/tの量を添加した。その後、浮遊選鉱機に備えられた撹拌機(回転数900rpm)を稼働させ、外気を導入し、第1浮遊選鉱S41を行なった。
また、第1浮遊選鉱S41の開始30分後には、同じ浮遊選鉱機を使って第2浮遊選鉱S42を開始するためスラリーのpHを4.4に調整しスズ回収用の捕収剤として、コハク酸系捕収剤(Solvay社製、商品名AERO845)を334g/t添加して浮選を行った。
第1浮遊選鉱S41の開始から30分、ならびに第2浮遊選鉱S42の開始から35分(すなわち第1浮遊選鉱開始から通算65分経過後)経過したそれぞれのタイミングで浮遊選鉱機(のスラリー槽)の上面に溜まった浮鉱を掻きとって別の容器に回収した。
第1浮遊選鉱で得た浮鉱を浮鉱3、さらに第2浮遊選鉱の15分後で得た浮鉱を浮鉱4と称し、第2浮遊選鉱での沈鉱4を回収した。各浮鉱3、および浮鉱4と沈鉱4をろ過・乾燥後、秤量し、それぞれ化学分析に供し、それぞれの銅およびスズ含有量を求めた。
表2に実施例における銅、スズの実収率および各産物の重量割合を示した。浮鉱3が銅の実収率が高く、また浮鉱4ではスズの実収率が高いことが確認された。
Figure 2022032930000003
実施例1、2では有価金属として、スズの回収例を説明したが、捕収剤を変えれば、他の有価金属、たとえば鉛、亜鉛、ビスマス、アンチモン、カドミウム、砒素等が挙げられる。
S1 粉砕工程
S2 水洗工程
S3 スラリー化工程
S4 浮遊選鉱工程
S41 第1浮遊選鉱工程
S42 第2浮遊選鉱工程

Claims (5)

  1. 銅の乾式製錬工程で産出した銅と金属酸化物を含有する中間原料をスラリーとするスラリー化工程と、
    銅を優先的に分離する第1浮遊選鉱工程と、
    有価金属を分離する第2浮遊選鉱工程と、
    を順に実行する
    ことを特徴とする有価金属の回収方法。
  2. 前記第1浮遊選鉱工程におけるスラリーのpHが、2~9である
    ことを特徴とする請求項1記載の有価金属の回収方法。
  3. 前記第2浮遊選鉱工程におけるスラリーのpHが、2~7である
    ことを特徴とする請求項1記載の有価金属の回収方法。
  4. 前記スラリー化工程の前に、前記中間原料を水もしくは酸溶液で洗浄する水洗工程に付す
    ことを特徴とする請求項1記載の有価金属の回収方法。
  5. 上記請求項1における金属酸化物を形成する金属が、スズである
    ことを特徴とする請求項1記載の有価金属の回収方法。
JP2021022196A 2020-08-12 2021-02-16 有価金属の回収方法 Pending JP2022032930A (ja)

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