JP7343077B2 - 顔料組成物 - Google Patents

顔料組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP7343077B2
JP7343077B2 JP2023512776A JP2023512776A JP7343077B2 JP 7343077 B2 JP7343077 B2 JP 7343077B2 JP 2023512776 A JP2023512776 A JP 2023512776A JP 2023512776 A JP2023512776 A JP 2023512776A JP 7343077 B2 JP7343077 B2 JP 7343077B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pigment
resin
mgkoh
parts
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2023512776A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2023026940A5 (ja
JPWO2023026940A1 (ja
Inventor
圭佑 若原
隆晃 工藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
DIC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DIC Corp filed Critical DIC Corp
Publication of JPWO2023026940A1 publication Critical patent/JPWO2023026940A1/ja
Publication of JPWO2023026940A5 publication Critical patent/JPWO2023026940A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7343077B2 publication Critical patent/JP7343077B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B67/00Influencing the physical, e.g. the dyeing or printing properties of dyestuffs without chemical reactions, e.g. by treating with solvents grinding or grinding assistants, coating of pigments or dyes; Process features in the making of dyestuff preparations; Dyestuff preparations of a special physical nature, e.g. tablets, films
    • C09B67/006Preparation of organic pigments
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09CTREATMENT OF INORGANIC MATERIALS, OTHER THAN FIBROUS FILLERS, TO ENHANCE THEIR PIGMENTING OR FILLING PROPERTIES ; PREPARATION OF CARBON BLACK  ; PREPARATION OF INORGANIC MATERIALS WHICH ARE NO SINGLE CHEMICAL COMPOUNDS AND WHICH ARE MAINLY USED AS PIGMENTS OR FILLERS
    • C09C3/00Treatment in general of inorganic materials, other than fibrous fillers, to enhance their pigmenting or filling properties
    • C09C3/10Treatment with macromolecular organic compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/02Printing inks
    • C09D11/03Printing inks characterised by features other than the chemical nature of the binder
    • C09D11/037Printing inks characterised by features other than the chemical nature of the binder characterised by the pigment
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/02Printing inks
    • C09D11/10Printing inks based on artificial resins
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Description

本発明は、基材から脱離可能な皮膜を形成するために使用する顔料組成物に関する。
近年海洋に廃棄・投棄されたプラスチックが海水中で分解されて微細化(マイクロプラスチック化)することに起因した海洋プラスチック問題が顕在化している。このマイクロプラスチックは海洋生物の体内に入り込み、濃縮され、食物連鎖を通して海鳥や人間の健康にも影響することが懸念されている。この海洋プラスチック問題を改善する方法の一つがリサイクルである。軟包材やプラスチックボトル等の資源のリサイクル率を向上させることは、プラスチックが海洋へと混入するのを防ぐことにつながる。しかし、現在のリサイクルでは、プラスチック基材に印刷された皮膜が再生工程において脱離せず、プラスチックに混入することによって色相の悪化や物性の低下を引き起こし、再生プラスチックの価値を低下させているという課題が存在する。リサイクル工程で皮膜のプラスチック基材からの脱離を可能としこの課題を解決することができれば、再生プラスチックの価値が向上し、新規リサイクル業者の参入や自治体の分別回収の整備につながる。これにより、リサイクル率が向上することで、海洋プラスチック問題が改善すると考えられる。そのためリサイクル工程において皮膜が脱離可能な組成物の開発が求められている。
またプラスチック基材に対して広く使用される皮膜形成用材料である有機溶剤系印刷インキは、作業者の健康や環境に対する影響を考慮し、トルエンフリー、メチルエチルケトン(MEK)フリーのものに代替が進んでいるため、上記課題を解決する材料もこのことを考慮して開発を進める必要がある。
従来技術では、熱収縮性PETフィルムに対して印刷したスチレン-アクリル酸樹脂、フェノール樹脂、スチレン-マレイン酸樹脂をビヒクルとして含む皮膜をアルカリ水で脱離する方法が開示されている(特許文献1)。また同様に熱収縮性PETフィルムに対してスチレン-マレイン酸樹脂、ロジン-マレイン酸樹脂、アクリル酸共重合系樹脂を含有したコート層を印刷層の間に配置し、そのコート層をアルカリ水で脱離する方法が開示されている(特許文献2及び特許文献3)。更に、バインダー樹脂として酸価を有するウレタン樹脂を使用したアルカリ水脱離用有機溶剤系印刷インキも開示されている(特許文献4特許文献5、及び特許文献6)。
特許第3822738号公報 特許第4653913号公報 特許第4451071号公報 特許第6638802号公報 特許第6631964号公報 特開2020-169280号公報
しかしながら、特許文献1~6のような皮膜では、脱離処理後のアルカリ溶液が、印刷インキ中に含まれる着色剤由来の色に着色されるという問題があった。脱離処理後のアルカリ溶液が着色してしまっている場合、排水にあたりアルカリ中和処理に加えて、脱色処理が必要となる。また、脱墨が完了されたプラスチックが着色した脱墨処理溶液により再度着色してしまい、リサイクル価値の低下を招くという問題点が指摘されている。
このため、脱離処理後のアルカリ処理溶液が、インキ由来の着色を起こさないことが求められている。
脱色処理としては、凝集沈殿処理、生物学的処理(生物処理)、オゾン(O)等の酸化剤を用いた酸化処理等が行われているが、生物学的処理では着色剤由来の着色溶液に対する色度低減効果が不十分であり、また酸化処理では十分な色度低減効果を得るためにコストの上昇を招く、また脱色処理自体がエネルギー的に環境負荷に該当するという問題があった。
本発明は、アルカリ溶液での処理により基材から脱離可能な皮膜を形成することができ、皮膜を脱離した際、脱離後のアルカリ溶液の着色を抑制する、顔料組成物を提供することを目的とする。
発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、顔料と、硝化綿と、特定種類及び特定量の着色抑制剤とを含有させた顔料組成物を用いることによって、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の態様を包含するものである。
[1]アルカリ溶液での処理により基材から脱離可能な皮膜を形成するために用いる顔料組成物であって、顔料と、硝化綿と、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、及びセルロースアセテートブチレート樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の着色抑制剤と、を含有し、前記着色抑制剤の含有量が、前記硝化綿100質量部に対して、0.5~30質量部である、顔料組成物。
[2]アクリル樹脂、ウレタン樹脂、及びポリアマイド樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を更に含有する、[1]に記載の顔料組成物。
[3]前記着色抑制剤の含有量が、前記顔料組成物の総量100質量部に対して、0.024質量部である、[1]又は[2]に記載の顔料組成物。
[4]前記アルカリ溶液での処理により前記皮膜を前記基材から脱離した際、脱離後の前記アルカリ溶液の着色を抑制するために用いる、[1]~[3]のいずれかに記載の顔料組成物。
[5]顔料と、硝化綿と、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、及びセルロースアセテートブチレート樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の着色抑制剤と、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、及びポリアマイド樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と、を含有する、顔料組成物であって、前記着色抑制剤の含有量が、前記硝化綿100質量部に対して、0.5~30質量部である、顔料組成物。
[6]前記着色抑制剤の含有量が、前記顔料組成物の総量100質量部に対して、0.02~4質量部である、[5]に記載の顔料組成物。
[7]印刷インキとして用いられる、[1]~[6]のいずれかに記載の顔料組成物。
[8]前記印刷インキが、有機溶剤系インキである、[7]に記載の顔料組成物。
[9]基材の表面に直接又は他の層を介して、[1]~[8]のいずれかに記載の顔料組成物からなる皮膜を有する印刷物。
[10][9]に記載の印刷物に対して、アルカリ溶液での処理により前記皮膜を基材から脱離して得られるリサイクル基材の製造方法。
[11]アルカリ溶液での処理により前記皮膜を基材から脱離した際、脱離後の前記アルカリ溶液の着色を抑制することを特徴とする、[10]に記載のリサイクル基材の製造方法。
本発明により、アルカリ溶液での処理により基材から脱離可能な皮膜を形成することができ、皮膜を脱離した際、脱離後のアルカリ溶液の着色を抑制する、顔料組成物を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、以下に記載する構成要件の説明は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
(顔料組成物)
本発明の顔料組成物は、顔料と、硝化綿と、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、及びセルロースアセテートブチレート樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の着色抑制剤とを含有する。着色抑制剤の含有量は、硝化綿100質量部に対して、0.5~30質量部である。
本発明の顔料組成物は、硝化綿を含有することにより、アルカリ溶液での処理により基材から脱離可能な皮膜を形成することができる。
一般に、アルカリ溶液での処理により、硝化綿を含有する顔料組成物により形成される皮膜を脱離した際、脱離後のアルカリ溶液は著しく着色することが知られている。しかし、本発明の顔料組成物により形成される皮膜であれば、脱離後のアルカリ溶液は着色が顕著に抑制され、清澄なアルカリ溶液が得られる。このような脱離後のアルカリ溶液の顕著な着色抑制効果が得られる作用機構は全て明らかとなっているわけではないが、推察される作用機構の一例を説明する。
硝化綿は顔料を微分散させるための分散用樹脂として用いられるが、アルカリへの耐性が低いことが知られている。特に皮膜を脱離するためのアルカリ溶液は強アルカリに分類されるため硝化綿は短時間で分解される。従来の顔料組成物では、硝化綿がアルカリ溶液により分解されることにより、顔料がアルカリ溶液中に拡散し、アルカリ溶液が顔料由来の色に着色される。一方、本発明の顔料組成物では、構成成分である着色抑制剤が硝化綿又は顔料に付着し、アルカリから硝化綿又は顔料を効果的に保護することにより、アルカリ溶液の着色が抑制されると推察される。
本発明の顔料組成物により形成される皮膜は、アルカリ溶液での処理により基材から皮膜を脱離した際、脱離後のアルカリ溶液の着色抑制効果を顕著に発揮する。このため、着色排水による水質汚濁及び環境負荷を防止することができる。また、着色排水の脱色処理のための原料及び製造設備が不要であるため、基材をリサイクルする際の製造コストの削減が可能である。さらに、脱色処理のための工程を要さず、基材のリサイクル効率に優れるため、工業的に非常に有用である。
以下、本発明の顔料組成物の成分について説明する。
<顔料>
本発明の顔料組成物に使用される顔料としては、一般のインキ、塗料、及び記録剤等に使用されている無機顔料又は有機顔料を挙げることができる。脱離後のアルカリ溶液の着色抑制効果を効果的に発揮させる観点からは、本発明の顔料組成物に使用される顔料としては、有機顔料が好ましい。
有機顔料としては、溶性アゾ系、不溶性アゾ系、アゾ系、フタロシアニン系、ハロゲン化フタロシアニン系、アントラキノン系、アンサンスロン系、ジアンスラキノニル系、アンスラピリミジン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、フラバンスロン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリン系、インダンスロン系、カーボンブラック系等の顔料が挙げられる。また、例えば、カーミン6B、レーキレッドC、パーマネントレッド2B、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、カーミンFB、クロモフタルイエロー、クロモフタルレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンレッド、インダンスロンブルー、ピリミジンイエロー、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ、ペリレンレッド、ペリノンオレンジ、イソインドリノンイエロー、アニリンブラック、ジケトピロロピロールレッド、昼光蛍光顔料等が挙げられる。また未酸性処理顔料、酸性処理顔料のいずれも使用することができる。以下に有機顔料として好ましいものの具体的な例を挙げる。
黒色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7、C.I.ピグメントブラック9、C.I.ピグメントブラック20等が挙げられる。
藍色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:5、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー17:1、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー24:1、C.I.ピグメントブルー25、C.I.ピグメントブルー26、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー61、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー63、C.I.ピグメントブルー64、C.I.ピグメントブルー75、C.I.ピグメントブルー79、C.I.ピグメントブルー80等が挙げられる。
緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメントグリーン1、C.I.ピグメントグリーン4、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン8、C.I.ピグメントグリーン10、C.I.ピグメントグリーン36等が挙げられる。
赤色顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド4、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド10、C.I.ピグメントレッド11、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド18、C.I.ピグメントレッド19、C.I.ピグメントレッド20、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド43、C.I.ピグメントレッド46、C.I.ピグメントレッド48、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド48:5、C.I.ピグメントレッド48:6、C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド49:3、C.I.ピグメントレッド52、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントレッド52:2、C.I.ピグメントレッド53、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド53:2、C.I.ピグメントレッド53:3、C.I.ピグメントレッド54、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド58、C.I.ピグメントレッド58:1、C.I.ピグメントレッド58:2、C.I.ピグメントレッド58:3、C.I.ピグメントレッド58:4、C.I.ピグメントレッド60:1、C.I.ピグメントレッド63、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド63:3、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド68、C.I.ピグメントレッド68、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド89、C.I.ピグメントレッド95、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド119、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド136、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド147、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド164、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド181、C.I.ピグメントレッド182、C.I.ピグメントレッド183、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド188、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド200、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド210、C.I.ピグメントレッド211、C.I.ピグメントレッド213、C.I.ピグメントレッド214、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド223、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド237、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ピグメントレッド239、C.I.ピグメントレッド240、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントレッド247、C.I.ピグメントレッド248、C.I.ピグメントレッド251、C.I.ピグメントレッド253、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド256、C.I.ピグメントレッド257、C.I.ピグメントレッド258、C.I.ピグメントレッド260、C.I.ピグメントレッド262、C.I.ピグメントレッド263、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド266、C.I.ピグメントレッド268、C.I.ピグメントレッド269、C.I.ピグメントレッド270、C.I.ピグメントレッド271、C.I.ピグメントレッド272、C.I.ピグメントレッド279等が挙げられる。
紫色顔料としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット2、C.I.ピグメントバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレット3:1、C.I.ピグメントバイオレット3:3、C.I.ピグメントバイオレット5:1、C.I.ピグメントバイオレット13、C.I.ピグメントバイオレット19(γ型、β型)、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット25、C.I.ピグメントバイオレット27、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット31、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット37、C.I.ピグメントバイオレット38、C.I.ピグメントバイオレット42、C.I.ピグメントバイオレット50等が挙げられる。
黄色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー42、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー86、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー120、ピグメントイエロー125、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー137、C.I.ピグメント、イエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー148、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185及びC.I.ピグメントイエロー213等が挙げられる。
橙色顔料としては、例えばC.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ37、C.I.ピグメントオオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントレンジ55、C.I.ピグメントオレンジ59、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、又はC.I.ピグメントオレンジ74等が挙げられる。
茶色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、又はC.I.ピグメントブラウン26等が挙げられる。
中でも、好ましい顔料として、黒色顔料としてC.I.ピグメントブラック7、藍色顔料としてC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、緑色顔料としてC.I.ピグメントグリーン7、赤色顔料としてC.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド166、紫色顔料としてC.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット37、黄色顔料としてC.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー139、橙色顔料としてC.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ64等が挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも一種又は二種以上を使用することが好ましい。
無機顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、ベンガラ、アルミニウム、マイカ(雲母)、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ等が挙げられる。また、ガラスフレーク又は塊状フレークを母材とした上に金属、もしくは金属酸化物をコートした光輝性顔料(メタシャイン;日本板硝子株式会社)を使用できる。墨インキにはカーボンブラック、白インキには酸化チタン、金、銀インキにはアルミニウム、パールインキにはマイカ(雲母)を使用することがコストや着色力の点から好ましい。
顔料の合計含有量は、特に制限されるものではないが、顔料組成物の着色力を確保する観点から、本発明の顔料組成物の総量100質量部に対して、通常1~60質量部であり、5~40質量部でもよく、15~30質量部でもよく、20~25質量部でもよい。白顔料の合計含有量は、顔料組成物の総量100質量部に対して、15~60質量部でもよく、20~40質量部でもよい。有色有機顔料の合計含有量は、顔料組成物の総量100質量部に対して、1~30質量部でもよく、5~25質量部でもよい。これらの上限値と下限値はいずれの組み合わせでも用いられる。
<硝化綿>
本発明の顔料組成物に使用される硝化綿としては、セルロースを硝酸と硫酸との混酸で処理して得られる一般的なセルロースの硝酸エステルを使用できる。また、顔料組成物の粘度調整をすべくJIS K-6703(工業用ニトロセルロース)による異なる粘度規格品(例えばH20相当品とL1/4相当品)等、2種以上混合して用いてもよい。
硝化綿の含有量は、皮膜の脱離促進に寄与するという観点から、本発明の顔料組成物の総量100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましく、3質量部以上が更に好ましい。また、同含有量は、インキ被膜の造膜性の観点から、30質量部以下が好ましく、25質量部以下がより好ましく、20質量部以下が更に好ましい。
<着色抑制剤>
着色抑制剤は、上述したように、硝化綿又は顔料に付着して、アルカリから硝化綿又は顔料を保護すること等により、アルカリ溶液の着色を抑制する。
着色抑制剤は、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、及びセルロースアセテートブチレート樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂である。これらの樹脂は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
中でも着色抑制剤としては、着色抑制効果に優れる観点から、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂が好ましく、更に粘度安定性に優れる観点から、ポリビニルブチラール樹脂がより好ましい。
<<塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂>>
塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂(以下、塩酢ビ樹脂と称する場合がある)は、塩化ビニルモノマー由来の構造単位と酢酸ビニルモノマー由来の構造単位を主にする重合体である。本発明の効果を阻害しないのであれば、塩酢ビ樹脂は、塩化ビニル及び酢酸ビニル以外の他の構造単位を1種以上含むことができる。
塩酢ビ樹脂の分子量は、特に制限されないが、重量平均分子量で5,000~100,000のものが好ましく、20,000~80,000がより好ましい。
塩酢ビ樹脂の総量100質量部中、着色抑制効果に優れる顔料組成物が得られる傾向があることから、酢酸ビニルモノマー由来の構造は1~30質量部が好ましく、塩化ビニルモノマー由来の構造は70~95質量部であることが好ましい。
塩酢ビ樹脂のガラス転移温度は、特に制限されないが、50℃~90℃であることが好ましい。
<<ポリビニルブチラール樹脂>>
ポリビニルブチラール樹脂は、ポリビニルアルコールにブチルアルデヒドを反応させることによって、ポリビニルアルコール樹脂の水酸基をブチラール化した樹脂であり、ブチラール基、アセチル基、水酸基を有した構造である。
ポリビニルブチラール樹脂の分子量は、特に制限されないが、重量平均分子量で5,000~100,000のものが好ましく、10,000~60,000がより好ましい。特に制限されないが、ポリビニルブチラール樹脂の分子量は、上記範囲内で重量平均分子量が高いものの方が着色抑制効果により一層優れる顔料組成物が得られる傾向がある。
ポリビニルブチラール樹脂のガラス転移温度は、特に制限されないが、50℃~90℃であることが好ましい。
<<セルロースアセテートプロピオネート樹脂>>
セルロースアセテートプロピオネート樹脂(以下、CAPと称する場合がある)は、セルロースを酢酸及びプロピオン酸でトリエステル化した後に加水分解して得られる樹脂である。
CAPの総量100質量部中、着色抑制効果に優れる顔料組成物が得られる傾向があることから、アセチル基が0.3~2.5質量部、プロピオニル基が42~46質量部、水酸基が1.8~5質量部であるものを好適に用いることができる。
<<セルロースアセテートブチレート樹脂>>
セルロースアセテートブチレート樹脂(以下、CABと称する場合がある)、は、セルロースを酢酸及び酪酸でトリエステル化した後、加水分解して得られる樹脂である。
CABの総量100質量部中、着色抑制効果に優れる顔料組成物が得られる傾向があることから、アセチル基が2~30質量部、ブチリル基が17~53質量部、水酸基が1~5質量部であるものを好適に用いることができる。
<<顔料組成物中の着色抑制剤の含有量>>
着色抑制剤の含有量は、本発明の顔料組成物の総量100質量部に対して、0.02質量部以上が好ましく、0.05質量部以上がより好ましく、0.1質量部以上が更に好ましく、0.3質量部以上が特に好ましい。また、同含有量は、4質量部以下が好ましく、2質量部以下がより好ましい。着色抑制剤の含有量が上記下限値以上であれば、優れた着色抑制効果を有する顔料組成物が得られる傾向がある。また、着色抑制剤の含有量が上記上限値以下であれば、優れた粘度安定性を有する顔料組成物が得られる傾向がある。なお、着色抑制剤の含有量が上記上限値以上であると、粘度安定性が低下し、2層分離や顔料組成物の粘度上昇やゲル化等が生じるため、印刷特性に劣る傾向がある。
着色抑制剤の含有量は、白顔料を100質量部とした場合、0.1~10質量部が好ましく、0.3~6質量部がより好ましい。着色抑制剤の含有量は、有色有機顔料を100質量部とした場合、0.1~30質量部が好ましく、0.5~20質量部がより好ましい。これらの上限値と下限値はいずれの組み合わせでも用いられる。
<<硝化綿の含有量に対する着色抑制剤の含有量>>
着色抑制剤の含有量は、硝化綿100質量部に対して、0.5質量部以上であり、1.5質量部以上が好ましく、4質量部以上がより好ましい。また、同合計含有量は、硝化綿100質量部に対して、30質量部以下であり、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。特に、着色抑制剤が塩酢ビ樹脂又はポリビニルブチラール樹脂の場合、硝化綿と塩酢ビ樹脂又はポリビニルブチラール樹脂との相溶性が低いため、上記上限値以上であると粘度安定性が低く、2層分離や顔料組成物の粘度上昇やゲル化等が生じる場合があり、好ましくない。
なお、従来の硝化綿を含有する顔料組成物において、着色抑制剤に用いられているCAP又はCABが、着色抑制以外の目的で含まれているものが存在する場合がある。しかし、従来の顔料組成物において、硝化綿100質量部に対するCAP又はCABの含有量は、通常100~3、000質量部である。一方、本願発明の顔料組成物は、上述したように、硝化綿100質量部に対するCAP又はCABの含有量は、0.5~30質量部であり、従来の顔料組成物と比較して含有量が著しく低い。この含有量の違いから、本発明の顔料組成物は、本発明者らが新たに見出した効果である着色抑制効果と、優れた粘度安定性とを両立する。特定量の着色抑制剤を顔料組成物に含量させることにより、脱離後のアルカリ溶液に対して着色抑制効果を発揮することは、全く知られていない。なお、塩酢ビ樹脂及びポリビニルブチラール樹脂は、硝化綿との相溶性が悪いために、従来の硝化綿を含有する顔料組成物においては通常含有されていない。
<樹脂>
本発明の顔料組成物は、硝化綿以外の樹脂を含有してもよい。樹脂としては、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂、ポリアマイド樹脂、ケトン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂やロジン変性フマル酸樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール樹脂、石油樹脂等(ただし、上記<着色抑制剤>は除く)が挙げられ、これらを適宜組み合わせて使用することができる。中でもウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリアマイド樹脂を適宜組み合わせて使用することが好ましい。
<<ウレタン樹脂>>
本発明の顔料組成物に用いるウレタン樹脂の数平均分子量は、15,000~100,000の範囲内とすることが好ましい。ウレタン樹脂の数平均分子量が15,000未満の場合には、得られる顔料組成物の耐ブロッキング性、耐薬品性等が低くなる傾向があり、100,000を超える場合には、得られる顔料組成物の粘度が高くなり、所定の印刷濃度が得られない傾向がある。
本発明の顔料組成物で使用するウレタン樹脂は、その反応原料として、ポリエステルポリオール及び/又はポリエーテルポリオールを用いることが好ましい。
ポリエステルポリオールの数平均分子量が3000~7000ものであることが好ましい。ポリエステルポリオールの数平均分子量が3000より小さいと、ウレタン樹脂の皮膜が硬くなる傾向にありポリエステルフィルムへの接着性が低下し易い。数平均分子量が7000より大きい場合、ウレタン樹脂の皮膜が脆弱になる傾向にあり皮膜の耐ブロッキング性が低下し易い。一方で、ポリエステルポリオールはウレタン樹脂100質量部に対して1~50質量部であることが好ましく、ポリエステルポリオールが1質量部未満であると、該ポリウレタン樹脂のケトン、エステル、アルコール系溶剤への溶解性が低下するのに加え、特に高機能バリアーフィルム上での密着性が低下する傾向となる。また皮膜の該溶剤への再溶解性が低下し、印刷物の再現性が低下する傾向となる。また50質量部を超えると、皮膜が過剰に柔らかくなり、耐ブロッキングが劣る傾向と成り易い。
なお、ポリエステルポリオールの数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、下記の条件で測定した値を示す。
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC-8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(標準ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-550」
ポリエステルポリオールとしては、例えば、水酸基を2個以上有する化合物と多塩基酸とを公知のエステル化反応により得られるものを用いることができる。
上記水酸基を2個以上有する化合物は、鎖伸長剤として用いるものであり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等のグリコール;2-メチル-1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2-イソプロピル-1,4-ブタンジオール、2,4-ジメチル-1,5-ペンタンジオール2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-エチル-1,6-ヘキサンジオール、3,5-ヘプタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール等の分岐構造を有するグリコール;トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、サッカロース、メチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等の脂肪族ポリオール;ビスフェノールA、4,4’-ジヒドロキシジフェニル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン等の芳香族ポリオール等の数平均分子量が50~400の範囲の化合物を用いることができる。これらの鎖伸長剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
上記多塩基酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、これらの酸の無水物等を用いることができる。これらの多塩基酸は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、ポリエーテルポリオールは、その数平均分子量が100~4000のものであることが好ましい。ポリエーテルポリオールとしては、酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフラン等の重合体又は共重合体のポリエーテルポリオール類が挙げられる。具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等公知汎用のものでよく、中ではポリエチレングリコールが好ましい。
ポリエステルポリオール及び/又はポリエーテルポリオールを上記の範囲で含有することにより、特に基材フィルム上での密着性が大幅に向上し、結果として耐ブロッキング性が優れるようになる。
ポリエーテルポリオールの数平均分子量が100より小さいと、ウレタン樹脂の皮膜が硬くなる傾向にありポリエステルフィルムへの接着性が低下し易い。数平均分子量が4000より大きい場合、ウレタン樹脂の皮膜が脆弱になる傾向にあり皮膜の耐ブロッキング性が低下し易い。なお、ポリエーテルポリオールの数平均分子量は、上記ポリエステルポリオールと同様に、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、同条件で測定することにより求めることができる。
本発明の顔料組成物におけるウレタン樹脂に使用されるジイソシアネート化合物としては、ウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。例えば、1,5-ナフチレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’-ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメリールジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート;5-イソシアナト-1-(イソシアノメチル)-1,3,3-トリメチルシクロヘキサン)、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、m-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ビス-クロロメチル-ジフェニルメタン-ジイソシアネート、2,6-ジイソシアネート-ベンジルクロライドやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等があげられる。これらのジイソシアネート化合物は単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明の顔料組成物におけるウレタン樹脂に使用される鎖伸長剤としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジアミン等の他、2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2-ヒドロキシエチルプロピルジアミン、2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2-ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等分子内に水酸基を有するアミン類も用いることが出来る。これらの鎖伸長剤は単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
更に、本発明の顔料組成物に使用されるウレタン樹脂のアミン価は、10.0mgKOH/g以下であることが好ましい。アミン価が10.0mgKOH/gを上回ると耐ブロッキング性が劣る傾向と成り易いのに加え、硬化剤添加後の2液安定性が低下する。耐ブロッキング性、2液安定性を良好に保ちつつ、版カブリ性、接着性及び押出しラミネート強度を保持できる観点から1.0~5.0mgKOH/gの範囲がより好ましく、更に好ましくは1.0~3.5mgKOH/gの範囲である。
<<アクリル樹脂>>
アクリル樹脂としては、各種の(メタ)アクリレートモノマーと、必要に応じて、その他の重合性不飽和基含有化合物を共重合させて得られる。
アクリル樹脂を構成するモノマーは、特に限定されず、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、iso-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3-ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N-モノアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、2-アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、アクロレイン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリルモノマーを使用することができる。
なお、上記「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートのいずれか一方又は両方を指し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルのいずれか一方又は両方を指す。
上記重合性不飽和基含有化合物としては、上記(メタ)アクリルモノマーの他に、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、α-メチルスチレン、ジビニルスチレン、イソプレン、クロロプレン、ブタジエン、エチレン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、N-ビニルピロリドン等のビニルモノマーを使用することもできる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、二種類以上を併用しても良い。
アクリル樹脂の数平均分子量は、特に制限されないが、3,000~50,000が好ましく、10,000~30,000がより好ましい。
<<ポリアマイド樹脂>>
ポリアマイド樹脂は、ポリカルボン酸化合物と、ポリアミン又はポリイソアネート化合物を反応させることで得られる。ポリカルボン酸化合物としては、コハク酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、アゼライン酸、メサコン酸、シトラコン酸、セバチン酸、グルタコン酸、アジピン酸、マロン酸、フタール酸、イソフタール酸、テレフタール酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ナジック酸、メチルナジック酸、オクチルコハク酸、及びこれらの酸の無水物、リノレイン酸の二量体、三量体等の重合脂肪酸、ドデカン二酸、C21二塩基酸、ダイマー酸(オレイン酸やリノール酸等の不飽和脂肪酸を重合した重合脂肪酸)等が挙げられる。
さらに、1,2,4-ブタントリカルボン酸、1,2,5-ヘキサントリカルボン酸等の炭素原子数7~20の脂肪族ポリカルボン酸、1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸等の炭素原子数9~20の脂環式ポリカルボン酸、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,5-ベンゼントリカルボン酸、ピロメリット酸等の炭素原子数9~20の芳香族ポリカルボン酸、並びにこれらの無水物や低級アルキル(メチル、ブチル等)エステル等の3価以上のポリカルボン酸類も使用することができる。
ポリアマイド樹脂を得るために使用されるポリアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、ジアミノヘプタン、ジアミノオクタン、ジアミノデカン、ジアミノドデカン等のジアミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の3価以上のアミンが挙げられる。
ポリアマイド樹脂の数平均分子量は、特に制限されないが、5,000~20,000が好ましく、500~10,000がより好ましい。
<<顔料組成物中の樹脂の含有量>>
樹脂の含有量は、特に制限されないが、本発明の顔料組成物の総量100質量部に対して、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましい。また、同合計含有量は、50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましい。
<有機溶剤>
本発明の顔料組成物は、有機溶剤を含有してもよい。有機溶剤としては、特に制限されないが、例えばトルエン、キシレン、ソルベッソ#100、ソルベッソ#150等の芳香族炭化水素系有機溶剤、ヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系有機溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、ギ酸エチル、プロピオン酸ブチル等のエステル系の各種有機溶剤が挙げられる。また水混和性有機溶剤としてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、シクロハキサノン等のケトン系、エチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、エチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、モノブチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル等のグリコールエーテル系の各種有機溶剤が挙げられる。中でも、エステル系の各種有機溶剤、アルコール系の各種有機溶剤が好ましく、イソプロピルアルコール、酢酸エチルがより好ましい。これらを単独又は2種以上を混合しても用いることができる。
有機溶剤の含有量としては、特に制限されないが、顔料組成物の総量100質量部に対して、1質量%以上が好ましく、3質量%以上が好ましく、5質量%以上が好ましく7質量%以上が好ましく、10質量%以上が好ましく、12質量%以上が好ましく、15質量%以上が好ましく、18質量%以上が好ましく、20質量%以上が好ましい。また35質量%以下が好ましく、32質量%以下が好ましく、30質量%以下が好ましく、28質量%以下が好ましく、25質量%以下が好ましく23質量%以下が好ましい。
<その他成分>
本発明の顔料組成物は、必要に応じて、さらに助剤、酸性添加物等のその他の成分を含んでいてもよい。
助剤としては、耐摩擦性、滑り性等を付与するためのパラフィン系ワックス、ポリエチレン系ワックス、カルナバワックス等のワックス;オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド等の脂肪酸アミド化合物;印刷時の発泡を抑制するためのシリコン系、非シリコン系消泡剤;分散剤等を適宜使用することができる。分散剤としては、ノニオン系分散剤が好ましい。
分散剤の酸価は、30mgKOH/g以下が好ましく、25mgKOH/g以下がより好ましく、20mgKOH/g以下が更に好ましい。また例えば1mgKOH/g以上、さらには3mgKOH/g以上であってもよい。
分散剤の含有量は、上記顔料100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましく、5質量部以上がより好ましく、10質量部以上がより好ましく、15質量部以上がより好ましく、20質量部以上がよりに好ましく、100質量部以下が好ましく、80質量部以下がより好ましく、75質量部以下がより好ましく、70質量部以下がより好ましく、65質量部以下がより好ましく、60質量部以下がより好ましい。
酸性添加物としては、例えば有機酸又は酸性基を有する樹脂を用いることができる。
上記酸性添加物の酸価は1mgKOH/g以上が好ましく、3mgKOH/g以上がより好ましく、5mgKOH/g以上がより好ましく、10mgKOH/g以上がより好ましく、20mgKOH/g以上がより好ましく、30mgKOH/g以上がより好ましく、40mgKOH/g以上がより好ましく、50mgKOH/g以上がより好ましい。また上記酸価は900mgKOH/g以下が好ましく、850mgKOH/g以下がより好ましく、800mgKOH/g以下がより好ましく、750mgKOH/g以下がより好ましく、700mgKOH/g以下がより好ましく、650mgKOH/g以下がより好ましく、600mgKOH/g以下がより好ましく、550mgKOH/g以下がより好ましい。上記範囲とすることで、アルカリ溶液脱離性と基材との密着性を両立することができる。
またアルカリ溶液での脱離性を重視した場合、50mgKOH/g以上が好ましく、100mgKOH/g以上がより好ましく、200mgKOH/g以上がより好ましく、300mgKOH/g以上がより好ましく、400mgKOH/g以上がより好ましく、500mgKOH/g以上がより好ましく、550mgKOH/g以上が特に好ましい。基材との密着性を重視した場合、550mgKOH/g以下が好ましく、500mgKOH/g以下がより好ましく、400mgKOH/g以下がより好ましく、300mgKOH/g以下がより好ましく、200mgKOH/g以下がより好ましい。
アルカリ溶液脱離性と基材との密着性を共に重視した場合、酸価の範囲としては1~900mgKOH/gが好ましく、3~850mgKOH/gがより好ましく、5~800mgKOH/gがより好ましく、10~750mgKOH/gがより好ましく、20~700mgKOH/gがより好ましく、30~650mgKOH/gがより好ましく、40~600mgKOH/gがより好ましく、50~550mgKOH/gがより好ましい。
またアルカリ溶液での脱離性を重視した場合、50~900mgKOH/gが好ましく、65~900mgKOH/gが好ましく、80~900mgKOH/gが好ましく、100~900mgKOH/gがより好ましく、200~900mgKOH/gがより好ましく、300~900mgKOH/gがより好ましく、400~900mgKOH/gがより好ましく、500~900mgKOH/gがより好ましく、550~900mgKOH/gがより好ましい。また基材との密着性を重視した場合、1~550mgKOH/gが好ましく、1~500mgKOH/gがより好ましく、1~400mgKOH/gがより好ましく、1~300mgKOH/gがより好ましく、1~200mgKOH/gがより好ましい。
酸性添加物の分子量はアルカリ溶液脱離性と基材との密着性を両立する場合、50以上が好ましく、60以上が好ましく、80以上が好ましく、100以上が好ましく、150以上が好ましく、200以上が好ましく、250以上が好ましく、300以上が好ましい。また2000以下が好ましく、1800以下が好ましく、1500以下が好ましく1200以下が好ましく、1000以下が好ましい。分子量の範囲としては、50~2000が好ましく、50~1800が好ましく、50~1500が好ましく、60~1500が好ましく、80~1500が好ましく、100~1500が好ましく、150~1500が好ましく、200~1500が好ましく、250~1500が好ましく、300~1500が好ましく、300~1200が好ましく、300~1000が好ましい。
上記有機酸は酸性基を有する低分子有機化合物を指す。酸性基を有する低分子化合物としては、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、ヒドロキシ酸、芳香族カルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、オキソカルボン酸、カルボン酸誘導体等が好ましく挙げられ、これを単数あるいは複数混合して使用することができる。
飽和脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸等が挙げられ、不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ソルビン酸等が挙げられ、ヒドロキシ酸としては、乳酸、リンゴ酸、クエン酸等が挙げられ、芳香族カルボン酸としては、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、没食子酸、メリト酸、ケイ皮酸等が挙げられ、ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、フマル酸、マレイン酸、アゼライン酸、等が挙げられ、トリカルボン酸としてはアコニット酸、トリマー酸等が挙げられ、オキソカルボン酸としては、ピルビン酸、オキサロ酢酸等が挙げられ、カルボン酸誘導体としては、アミノ酸、ニトロカルボン酸が挙げられ、これらを単数あるいは複数混合して使用することができる。またクエン酸、酪酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、エレオステアリン酸、アラキジン酸、セバシン酸等であればいわゆるスイス条例(Swiss Ordinance)に対応でき、各種規制に対応する物質の使用が好ましい。
上記有機酸の酸価は1mgKOH/g以上が好ましく、3mgKOH/g以上がより好ましく、5mgKOH/g以上がより好ましく、10mgKOH/g以上がより好ましく、20mgKOH/g以上がより好ましく、30mgKOH/g以上がより好ましく、40mgKOH/g以上がより好ましく、50mgKOH/g以上がより好ましく、60mgKOH/g以上がより好ましく、70mgKOH/g以上がより好ましく、80mgKOH/g以上がより好ましく、90mgKOH/g以上がより好ましく100mgKOH/g以上が特に好ましい。また上記酸価は900mgKOH/g以下が好ましく、850mgKOH/g以下がより好ましく、800mgKOH/g以下がより好ましく、750mgKOH/g以下がより好ましく、700mgKOH/g以下がより好ましく、650mgKOH/g以下がより好ましく、600mgKOH/g以下がより好ましく、550mgKOH/g以下がより好ましい。上記範囲とすることで、アルカリ溶液脱離性と基材との密着性を両立することができる。
またアルカリ溶液での脱離性を重視した場合100mgKOH/g以上が好ましく、150mgKOH/g以上がより好ましく、200mgKOH/g以上がより好ましく、250mgKOH/g以上がより好ましく、300mgKOH/g以上がより好ましく、350mgKOH/g以上がより好ましく、400mgKOH/g以上がより好ましく、450mgKOH/g以上がより好ましく、500mgKOH/g以上がより好ましく、550mgKOH/g以上がより好ましい。基材との密着性を重視した場合、550mgKOH/g以下が好ましく、500mgKOH/g以下がより好ましく、400mgKOH/g以下がより好ましく、300mgKOH/g以下がより好ましく、200mgKOH/g以下がより好ましい。
アルカリ溶液脱離性と基材との密着性を共に重視した場合、酸価の範囲としては1~900mgKOH/gが好ましく、3~850mgKOH/gがより好ましく、10~800mgKOH/gがより好ましく、20~750mgKOH/gがより好ましく、30~700mgKOH/gがより好ましく、50~650mgKOH/gがより好ましく、80~600mgKOH/gがより好ましく、100~550mgKOH/gがより好ましい。またアルカリ溶液での脱離性を重視した場合、100~900mgKOH/gが好ましく、150~900mgKOH/gがより好ましく、200~900mgKOH/gがより好ましく、250~900mgKOH/gがより好ましく、300~900mgKOH/gがより好ましく、350~900mgKOH/gがより好ましく、400~900mgKOH/gがより好ましく、450~900mgKOH/gがより好ましく、500~900mgKOH/gがより好ましく、550~900mgKOH/gがより好ましい。また基材との密着性を重視した場合、1~550mgKOH/gが好ましく、1~500mgKOH/gがより好ましく、1~400mgKOH/gがより好ましく、1~300mgKOH/gがより好ましく、1~200mgKOH/gがより好ましい。
上記有機酸の炭素原子数は3以上が好ましく、4以上が好ましく、5以上が好ましく、6以上が好ましく、7以上が好ましく、8以上が好ましい。上記有機酸の炭素原子数を上記範囲とすることにより、基材との密着性を高めることができる。また上記有機酸の炭素原子数は、20以下が好ましく、18以下が好ましく、16以下が好ましい。上記有機酸の炭素原子数を上記範囲とすることにより、水性媒体との分散性を高めることができる。上記有機酸の炭素原子数の範囲としては3~20が好ましく、3~18が好ましく、4~18が好ましく、5~18が好ましく、6~18が好ましく、6~16が好ましく、7~16が好ましく、8~16が好ましい。
上記有機酸の25℃100gの水に対する溶解度は基材からの脱離性及び皮膜の耐水性を重視した場合、2g未満が好ましく、1.8g未満がより好ましく、1.5g未満が更に好ましく、1.2g未満が特に好ましい。
上記酸性基を有する樹脂としては、例えば、セルロース系樹脂、ケトン樹脂、ポリエステル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂やロジン変性フマル酸樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール樹脂、石油樹脂等の酸価を有する樹脂や、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸あるいはこれらの酸無水物等のカルボキシル基を有する重合性モノマー、スルホン化スチレン等のスルホン酸基を有する重合性モノマー、ビニルベンゼンスルホンアミド等のスルホンアミド基を有する重合性モノマー等の、酸性基を有する重合性モノマーを共重合させた、スチレン-(メタ)アクリル樹脂、スチレン-(無水)マレイン酸樹脂、テルペン-(無水)マレイン酸樹脂等のラジカル共重合体である樹脂や、酸変性されたポリオレフィン樹脂(上記着色抑制剤及び上記樹脂は除く)等が挙げられ、これを単数あるいは複数混合して使用することができる。上記酸性基を有する樹脂としては、ロジン変性マレイン酸樹脂やロジン変性フマル酸樹脂等の酸価を有する樹脂、スチレン-(無水)マレイン酸樹脂がより好ましい。
上記酸性基を有する樹脂の酸価は1mgKOH/g以上が好ましく、3mgKOH/g以上がより好ましく、5mgKOH/g以上がより好ましく、10mgKOH/g以上がより好ましく、20mgKOH/g以上がより好ましく、30mgKOH/g以上がより好ましく、40mgKOH/g以上がより好ましく、50mgKOH/g以上が特に好ましい。また上記酸価は300mgKOH/g以下が好ましく、280mgKOH/g以下がより好ましく、260mgKOH/g以下がより好ましく、240mgKOH/g以下がより好ましく、220mgKOH/g以下がより好ましく、200mgKOH/g以下がより好ましい。上記範囲とすることで、アルカリ溶液脱離性と基材との密着性を両立することができる。
またアルカリ溶液での脱離性を重視した場合、50mgKOH/g以上が好ましく、60mgKOH/g以上がより好ましく、70mgKOH/g以上がより好ましく、80mgKOH/g以上がより好ましく、90mgKOH/g以上がより好ましく、100mgKOH/g以上が特に好ましい。基材との密着性を重視した場合、200mgKOH/g以下が好ましく、180mgKOH/g以下がより好ましく、160mgKOH/g以下がより好ましく、140mgKOH/g以下がより好ましく、120mgKOH/g以下がより好ましく、100mgKOH/g以下がより好ましい。アルカリ溶液脱離性と基材との密着性を共に重視した場合、酸価の範囲としては1~300mgKOH/gが好ましく、3~300mgKOH/gが好ましく、5~280mgKOH/gが好ましく、10~260mgKOH/gがより好ましく、20~240mgKOH/gがより好ましく、30~220mgKOH/gがより好ましく、40~200mgKOH/gがより好ましく、50~200mgKOH/gがより好ましい。
またアルカリ溶液での脱離性を重視した場合、50~300mgKOH/gが好ましく、60~300mgKOH/gがより好ましく、70~300mgKOH/gがより好ましく、80~300mgKOH/gがより好ましく、90~300mgKOH/gがより好ましく、100~300mgKOH/gがより好ましい。また基材との密着性を重視した場合、1~200mgKOH/gが好ましく、1~180mgKOH/gがより好ましく、1~160mgKOH/gがより好ましく、1~140mgKOH/gがより好ましく、1~120mgKOH/gがより好ましく、1~100mgKOH/gがより好ましい。
上記酸性基を有する樹脂の重量平均分子量は、上記酸性基を有する樹脂がロジン変性マレイン酸樹脂やロジン変性フマル酸樹脂等の酸価を有する樹脂の場合、500以上が好ましく、700以上がより好ましく、1000以上がより好ましい。上記酸性基を有する樹脂の重量平均分子量を上記範囲とすることで、基材への密着性とアルカリ溶液での脱離性のバランスをとることができる。
また上記酸性基を有する樹脂の重量平均分子量は、上記酸性基を有する樹脂がロジン変性マレイン酸樹脂やロジン変性フマル酸樹脂等の酸価を有する樹脂の場合、50000以下が好ましく、30000以下がより好ましく、10000以下がより好ましく、5000以下がより好ましく、2000以下がより好ましい。上記酸性基を有する樹脂の重量平均分子量を上記範囲とすることで、インキを低粘度化でき、さらに基材への密着性とアルカリ溶液での脱離性のバランスをとることができる。
上記酸性基を有する樹脂の重量平均分子量の範囲としては、上記酸性基を有する樹脂がロジン変性マレイン酸樹脂やロジン変性フマル酸樹脂等の酸価を有する樹脂の場合、500~50000が好ましく、700~520000がより好ましく1000~10000がより好ましく、1000~5000がより好ましい。上記酸性基を有する樹脂の重量平均分子量を上記範囲とすることで、印刷適性を高めることができる。
上記酸性基を有する樹脂の重量平均分子量は、上記酸性基を有する樹脂がスチレン-(無水)マレイン酸樹脂の場合、500以上が好ましく、700以上がより好ましく、1000以上がより好ましい。上記酸性基を有する樹脂の重量平均分子量を上記範囲とすることで、基材への密着性とアルカリ溶液での脱離性のバランスをとることができる。
また上記酸性基を有する樹脂の重量平均分子量は、上記酸性基を有する樹脂がスチレン-(無水)マレイン酸樹脂の場合、100000以下が好ましく、70000以下がより好ましく、50000以下がより好ましく、30000以下がより好ましい。上記酸性基を有する樹脂の重量平均分子量を上記範囲とすることで、本発明の顔料組成物を低粘度化でき、さらに基材への密着性とアルカリ溶液での脱離性のバランスをとることができる。
上記酸性基を有する樹脂の重量平均分子量の範囲としては、上記酸性基を有する樹脂がスチレン-(無水)マレイン酸樹脂の場合、500~100000が好ましく、700~30000がより好ましく、1000~50000がより好ましく、1000~30000がより好ましい。上記酸性基を有する樹脂の重量平均分子量を上記範囲とすることで、印刷適性を高めることができる。
酸性添加物の固形分としての含有量は、本発明の顔料組成物の再溶解性、印刷物のブロッキングの抑制、印刷濃度の向上、及び基材への密着性観点から、本発明の顔料組成物の総量100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上がより好ましく、2質量部以上がより好ましく、60質量部以下が好ましく、55質量部以下がより好ましく、50質量部以下がより好ましい。上記酸性添加物の固形分としての含有量の範囲としては、0.1~60質量部が好ましく、0.5~55質量部がより好ましく、1~50質量部がより好ましく、1.5~45質量部がより好ましく、2~40質量部がより好ましい。
上記酸性添加物が有機酸である場合、有機酸の固形分としての含有量は、本発明の顔料組成物の総量100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、0.2質量部以上がより好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上がより好ましく、2質量部以上がより好ましく、20質量部以下が好ましく、18質量部以下がより好ましく、16質量部以下がより好ましく、14質量部以下がより好ましく、12質量部以下がより好ましく、10質量部以下がより好ましい。上記有機酸の固形分としての含有量の範囲としては、0.1~20質量部が好ましく、0.2~18質量部がより好ましく、0.3~16質量部がより好ましく、0.5~14質量部がより好ましく、1~12質量部がより好ましく、1.5~10質量部がより好ましく、2~10質量部がより好ましい。
上記酸性添加物が酸性基を有する樹脂である場合、酸性基を有する樹脂の固形分としての含有量は、本発明の顔料組成物の総量100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上がより好ましく、2質量部以上がより好ましく、60質量部以下が好ましく、55質量部以下がより好ましく、50質量部以下がより好ましい。上記酸性添加物の固形分としての含有量の範囲としては、0.1~60質量部が好ましく、0.5~55質量部がより好ましく、1~50質量部がより好ましく、1.5~45質量部がより好ましく、2~40質量部がより好ましい。
また上記以外にも必要に応じて水、湿潤剤、接着補助剤、レベリング剤、帯電防止剤、粘度調整剤、金属キレート、トラッピング剤、ブロッキング防止剤、イソシアネート系硬化剤、シランカップリング剤も使用できる。
本発明の顔料組成物の粘度は、離合社製ザーンカップ#4を使用して25℃において測定した数値として、6秒以上が好ましく、10秒以上がより好ましく、13秒以上が更に好ましい。また25秒以下が好ましく、20秒以下がより好ましく、18秒以下が更に好ましい。
本発明の顔料組成物の表面張力は、25mN/m以上が好ましく、33mN/m以上がより好ましい。また50mN/m以下が好ましく、43mN/以下がより好ましい。本発明の顔料組成物の表面張力を適度に高めることで、基材への本発明の顔料組成物の濡れ性を維持しつつ、ドットブリッジ(中間調の網点部分で隣り合う網点同士が繋がった印刷面の汚れ)を抑制することができ、本発明の顔料組成物の表面張力を適度に低くすることで、基材への本発明の顔料組成物の濡れ性を高め、ハジキを抑制することができる。
(顔料組成物の製造方法)
本発明の顔料組成物の製造方法は、特に制限されず、従来公知の方法を用いることができる。顔料組成物の各構成成分は全て一括で配合してもよいし、一部を先に配合してプレミックスを作った後にその他の成分と配合する等の分割配合でもよい。混合方法は特に限定されず、ミキサー等で撹拌混合する方法、三本ロールミルを用いる方法、ビーズミル等の分散機を用いる方法等が挙げられる。
本発明の顔料組成物は、例えば、印刷インキ、塗料、着色プラスチック成形品、静電荷像現像用トナー、カラーフィルター、インクジェット記録用水性インキ等公知慣用のいずれの用途でも使用することができる。
(印刷インキ)
本発明の顔料組成物は、印刷層を形成する印刷インキとして用いることができる。
印刷インキとしては、本発明の顔料組成物を含有する以外は特に制限されず、公知の組成で得ることができる。
印刷インキは、必要に応じて、有機又は無機フィラー、帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、重合禁止剤、耐光安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、顔料分散剤、ワックス等、通常の印刷インキが含有する各種の添加剤を含有しても良い。
(基材への印刷)
本発明の顔料組成物を用いた印刷インキは、各種の基材と密着性に優れ、紙、合成紙、布、熱可塑性樹脂フィルム、プラスチック製品、鋼板等への印刷に使用することができるものであり、電子彫刻凹版等によるグラビア印刷版を用いたグラビア印刷用、又は樹脂版等によるフレキソ印刷版を用いたフレキソ印刷用のインキとして有用である。
グラビア印刷方式やフレキソ印刷方式から形成される印刷インキの膜厚は、例えば10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。
(印刷物)
本発明の顔料組成物又は顔料組成物を用いた印刷インキを基材の表面に直接又は他の層を介して印刷することで皮膜を有する印刷物を得ることができる。他の層としては、特に制限されず、また単一の層でも複数の層であってもよい。
<基材>
基材としては、プラスチック基材が好ましく、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアマイド樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリ乳酸等のポリヒドロキシカルボン酸、ポリ(エチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート)等の脂肪族ポリエステル系樹脂等の生分解性樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂又はそれらの混合物等の熱可塑性樹脂よりなるフィルムやこれらの積層体が挙げられるが、中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリアマイド、ポリエチレン、ポリプロピレンからなるフィルムや積層体が好適に使用でき、本発明の顔料組成物の脱離性を重視するとポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン又はポリエチレンがより好ましい。これらの基材フィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムでもよく、その製法も限定されるものではない。また、基材フィルムの厚さも特に限定されるものではないが、通常は1~500μmの範囲であればよい。
基材の印刷面には、コロナ放電処理や化学処理による表面改質がされていることが好ましく、シリカ、アルミナ等が蒸着されていてもよい。
(基材からの皮膜の脱離方法)
本発明は、印刷物に対して、アルカリ溶液処理により皮膜を基材から脱離して、リサイクル基材を製造することができる。
脱離工程としては、印刷物を、20~90℃の加熱撹拌又は超音波振動させながらアルカリ溶液に浸漬する工程を有する。加熱撹拌及び超音波振動は同時に行ってもよい。加熱温度としては30℃以上が好ましく、40℃以上が好ましく、50℃以上が好ましく、60℃以上が好ましく、加熱撹拌と超音波振動を同時に行うことがより好ましい。
脱離工程において使用するアルカリ溶液は、限定されるわけではないが、pH9以上が好ましく、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、炭酸水素カリウム水溶液、炭酸二水素ナトリウム水溶液、炭酸二水素カリウム水溶液等が好ましい。水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、炭酸水素カリウム水溶液、炭酸二水素ナトリウム水溶液、炭酸二水素カリウム水溶液等は0.5質量%~10質量%の濃度の水溶液が好ましく、1質量%~5質量%の濃度の水溶液がより好ましい。
また、アルカリ溶液は、水溶性有機溶剤を含有していてもよい。
水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(セロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メチルカルビトール)、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(カルビトール)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(ジエチルカルビトール)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、メチレンジメチルエーテル(メチラール)、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、ジアセトンアルコール、アセトニルアセトン、アセチルアセトン、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート(メチルセロソルブアセテート)、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート(メチルカルビトールアセテート)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(カルビトールアセテート)、エチルヒドロキシイソブチレート及び乳酸エチル等を例示することができ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
アルカリ溶液における水溶性有機溶剤の含有割合としては、0.1質量%~20質量%が好ましく、1質量%~10質量%がより好ましい。
また、アルカリ溶液は、非水溶性有機溶剤を含有していてもよい。
非水溶性有機溶剤の具体例としては、n-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、オクタノール等のアルコール系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、ノルマルパラフィン等の脂肪族炭化水素系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン、アルキルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、塩化メチレン、1-クロロブタン、2-クロロブタン、3-クロロブタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、エチルエーテル、ブチルエーテル等のエーテル系溶剤を例示することができ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、アルカリ溶液は、界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤としては各種のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、これらの中では、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤又は両性界面活性剤が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられ、これらの具体例として、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等を挙げることができる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルアルカノールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、等を挙げることができ、これらの中では、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマーが好ましい。
その他の界面活性剤として、ポリシロキサンオキシエチレン付加物のようなシリコーン系界面活性剤;パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテルのようなフッ素系界面活性剤;スピクリスポール酸、ラムノリピド、リゾレシチンのようなバイオサーファクタント等も使用することができる。
これらの界面活性剤は、単独で用いることもでき、2種類以上を混合して用いることもできる。界面活性剤を添加する場合は、その添加量はアルカリ溶液全量に対し0.001~2質量%の範囲が好ましく、0.001~1.5質量%であることがより好ましく、0.01~1質量%の範囲であることが更に好ましい。
発明者らの鋭意研究の結果、これらの界面活性剤を用いた場合、アルカリ溶液単独で用いる場合に比べて、脱離後のアルカリ溶液が更に着色しやすい傾向にあることが判明した。一方で、本発明の着色抑制剤を含有した顔料組成物に関しては、界面活性剤を含まない処理溶液の場合はもちろん、界面活性剤が存在する場合であっても高い着色抑制効果を発現できることが確認されている。
アルカリ溶液を、20~90℃の加熱又は超音波振動させた状態で、例えば処理槽中で、対象とする印刷物又は積層体を浸漬させる。加熱方法としては特に限定なく、熱線、赤外線、マイクロ波等による公知の加熱方法が採用できる。また超音波振動は、例えば処理槽に超音波振動子を取り付け上記温水又はアルカリ溶液に超音波振動を付与する方法等が採用できる。
また浸漬時には、アルカリ溶液は撹拌されていることが好ましい。撹拌方法としては、例えば、処理槽内に収容した印刷物又は積層体の分散液を、撹拌羽根により機械的撹拌する方法、水流ポンプにより水流撹拌する方法、窒素ガス等の不活性ガス等によるバブリング方法等が挙げられ、効率的に剥離させるためにこれらを併用しても良い。
印刷物又は積層体をアルカリ溶液に浸漬する時間は、印刷物の構成にもよるが、一般的には2分~48時間の範囲であることが多い。なお本発明においては、印刷物における皮膜が基材から100%完全に脱離する必要はないが、皮膜100質量%のうち、60質量%以上脱離することが好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、90質量%以上が特に好ましい。
脱離工程において、アルカリ溶液に浸漬する回数は、1回でも数回に分けて行ってもよい。即ち、浸漬回数を1回行ったのち、分離したフィルム基材を回収する工程を行ってもよいし、浸漬回数を数回行ったのちフィルム基材を回収する工程を行ってもよい。また脱離工程において複数回、浸漬を行う場合は、アルカリ溶液の濃度を変更してもよい。また脱離工程中に、水洗や乾燥等、公知の工程を適宜加えてもよい。
本発明の顔料組成物は、特定量の着色抑制剤を含有していることにより、脱離工程において、脱離後のアルカリ溶液の着色を抑制することができる。従来の顔料組成物を用いた皮膜を脱離した際、脱離後のアルカリ溶液は顔料由来の色を呈しており、薄片状の皮膜が確認できない。一方、本発明の顔料組成物を用いた皮膜を脱離した際、脱離後のアルカリ溶液は顔料由来の色を呈しておらず、薄片状の皮膜が浮遊していることが確認できる。従って、脱離後のアルカリ溶液を目視により観察して上記特徴が認められれば、本発明の顔料組成物と従来の顔料組成物とを区別することができる。
以下に、本発明の内容及び効果を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるわけではない。なお下記に示す「部」及び「%」は、いずれも質量基準によるものとする。
[原料]
実施例及び比較例にて使用した原料は以下のとおりである。
<硝化綿>
・硝化綿ワニス(Nobel社製ニトロセルロースDLX5-8、不揮発分44%、酢酸エチル:IPA溶解物)
<樹脂>
・樹脂B1:ウレタン樹脂(DIC社製尿素ウレタン樹脂、数平均分子量14,000、不揮発分30%、酢酸エチル:IPA溶解物)
・樹脂B2:アクリル樹脂(DIC社製アクリディックWCL-1419、数平均分子量16,000、不揮発分42%、酢酸エチル:IPA溶解物)
<顔料>
・顔料:フタロシアニン系藍色顔料(DIC社製FASTOGEN BLUE LDB35 10藍顔料)
<有機溶剤>
溶剤1:イソプロピルアルコール
溶剤2:酢酸エチル
<着色抑制剤>
・樹脂A1:塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂(日信化学社製ソルバインA)
・樹脂A2:ポリビニルブチラール樹脂(Kuraray社製Mowital B14S、エタノール中10%溶液の動粘度:9~13mPa・s)
・樹脂A3:ポリビニルブチラール樹脂(Kuraray社製Mowital B20H、エタノール中10%溶液の動粘度:20~30mPa・s)
・樹脂A4:ポリビニルブチラール樹脂(Kuraray社製Mowital B30H、エタノール中10%溶液の動粘度:35~60mPa・s)
・樹脂A5:ポリビニルブチラール樹脂(Kuraray社製Mowital B60H、エタノール中10%溶液の動粘度:160~260mPa・s)
・樹脂A6:セルロースアセテートブチレート樹脂(Eastman Chemical社製CAB-381-0.1)
・樹脂A7:セルロースアセテートプロピオネート樹脂(Eastman Chemical社製CAP-482-0.5)
・塩素化ポリプロピレン樹脂(日本製紙社製スーパークロン814HS)
[顔料組成物の調製]
(実施例1)
硝化綿ワニス15質量部、ウレタン樹脂30質量部、イソプロピルアルコール22質量部、酢酸エチル22質量部、顔料11質量部、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂0.1質量部を混合し、混合物を得た。
上記混合物100質量部に対して、酢酸エチル:イソプロピルアルコール=1:1混合溶剤を用い、離合社製ザーンカップ#3を使用して25℃において15秒付近に調整し、顔料組成物を得た。
調製した顔料組成物を以下の評価に供した。顔料組成物の配合、及び評価結果を表1に示す。
<評価項目1:着色抑制>
調製した顔料組成物を、バーコーター#4を用いて、基材に、縦240mm×横80mmのベタ絵柄を印刷後、ドライヤーで乾燥し印刷層を形成し、下記構成の印刷物を得た。
<<印刷物の構成>>
・構成:基材-印刷層
基材:コロナ処理ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製 エステルE5100 厚さ12μm)(PET)
<<アルカリ溶液>>
・水酸化ナトリウム1質量%、界面活性剤0.3%、85℃
ここで、界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤を用いた。
<<着色抑制試験条件>>
着色抑制試験は、アルカリ溶液の処理時間を15分として評価を行った。
印刷物を20mm×20mmのサイズにカットした試験片を50枚、500mLのアルカリ溶液に浸漬してスターラーで撹拌した。JIS(日本工業規格)K0102の方法に準拠し、透視度計により撹拌後のアルカリ溶液の透視度をそれぞれ測定した。
具体的には、10mmごとに目盛を施した下口付きのガラス製のシリンダーであって底部に二重十字を記した標識板を備えた透視度計にアルカリ溶液を満たし、上部から底部を透視し、標識板の二重十字が初めて明らかに識別できるまで、下口から試料を速やかに流出させたときの水面の目盛を読んだ。これを2回繰り返し、平均値を求め、透視度として度(10mmを1度)で表した。以下の評価基準で評価した。
なお、実施例1~17のブランク試料としては、比較例1の顔料組成物により得られた印刷物の20mm×20mmのサイズにカットした試験片を50枚、500mLのアルカリ溶液に浸漬してスターラーで撹拌した後の試料を用いた。また、実施例18~34のブランク試料としては、比較例3の顔料組成物により得られた印刷物の20mm×20mmのサイズにカットした試験片を50枚、500mLのアルカリ溶液に浸漬してスターラーで撹拌した後の試料を用いた。
[評価基準]
5:ブランク試料に対し10倍以上の透視度。
4:ブランク試料に対し5倍以上の透視度。
3:ブランク試料に対し3倍以上の透視度。
2:ブランク試料に対し1.5倍以上の透視度。
1:ブランク試料と同等の透視度。
<評価項目2:粘度安定性>
得られた顔料組成物を、密封容器に入れ、25℃環境下で1週間静置した。24時間・1週間放置後の顔料組成物の粘度をザーンカップ#3で測定し、以下の評価基準で評価した。
[評価基準]
5:1週間静置後に粘度増粘が認められない。
4:1週間静置後に僅かに粘度上昇が認められるが、撹拌することで元の粘度に戻る。
3:24時間静置後に僅かに粘度上昇が認められ、撹拌することで元の粘度に戻る。
2:24時間静置後に僅かに粘度上昇が認められ、再撹拌後も粘度上昇が認められる。
1:24時間静置後に顔料組成物の相分離やゲル化等の状態変化が認められる。
(実施例2~34、及び比較例1~4)
実施例1において、顔料組成物の配合を、下記表1~5に記載の配合に変更した以外は、実施例1と同様にして、顔料組成物を調製した。
調製した顔料組成物について、実施例1と同様に、評価を行った。結果を表1~表5に示す。
(比較例5及び6)
実施例1において、着色抑制剤の代わりに塩素化ポリプロピレン樹脂を用い、顔料組成物の配合を、下記表6に記載の配合に変更した以外は、実施例1と同様にして、顔料組成物を調製した。
調製した顔料組成物について、実施例1と同様に、着色抑制の評価を行った。結果を表6に示す。なお、粘度安定性の評価は、着色抑制の効果が認められなかったため、実施しなかった。
Figure 0007343077000001
Figure 0007343077000002
Figure 0007343077000003
Figure 0007343077000004
Figure 0007343077000005
Figure 0007343077000006
実施例1~34の顔料組成物は、アルカリ溶液での処理により基材から脱離可能な皮膜を形成でき、得られた皮膜は、優れた着色抑制効果及び粘度安定性を有していることが分かる。実施例6~13及び実施例23~30によれば、ポリビニルブチラール樹脂の動粘度が高い、すなわちポリビニルブチラール樹脂の分子量が高い顔料組成物は、より優れた着色抑制効果を発揮する傾向があることが分かる。
一方、着色抑制剤を含有していない比較例1及び3は、粘度安定性は優れるものの、着色抑制効果は得られなかった。また、実施例と比較して着色抑制剤の含有量が大きい比較例2及び4は、着色抑制効果は有するものの、粘度安定性が低かった。さらに、着色抑制剤の代わりに印刷インキの添加剤の用途として用いられている塩素化ポリプロピレン樹脂を含有させた比較例5及び6は、着色抑制効果は得られなかった。

Claims (10)

  1. アルカリ溶液での処理により基材から脱離可能な皮膜を形成するために用いる顔料組成物であって、
    顔料と、
    硝化綿と、
    塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、及びポリビニルブチラール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の着色抑制剤と、
    アクリル樹脂、及びウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と、
    を含有し、
    前記着色抑制剤の含有量が、前記硝化綿100質量部に対して、0.5~30質量部である、顔料組成物。
  2. 前記着色抑制剤の含有量が、前記顔料組成物の総量100質量部に対して、0.02~4質量部である、請求項1に記載の顔料組成物。
  3. 前記アルカリ溶液での処理により前記皮膜を前記基材から脱離した際、脱離後の前記アルカリ溶液の着色を抑制するために用いる、請求項1に記載の顔料組成物。
  4. 顔料と、
    硝化綿と、
    塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、及びポリビニルブチラール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の着色抑制剤と、
    アクリル樹脂、及びウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と、
    を含有する、顔料組成物であって、
    前記着色抑制剤の含有量が、前記硝化綿100質量部に対して、0.5~30質量部である、顔料組成物。
  5. 前記着色抑制剤の含有量が、前記顔料組成物の総量100質量部に対して、0.02~4質量部である、請求項4に記載の顔料組成物。
  6. 印刷インキとして用いられる、請求項1~5のいずれかに記載の顔料組成物。
  7. 前記印刷インキが、有機溶剤系インキである、請求項6に記載の顔料組成物。
  8. 基材の表面に直接又は他の層を介して、請求項1~5のいずれかに記載の顔料組成物からなる皮膜を有する印刷物。
  9. 請求項8に記載の印刷物に対して、アルカリ溶液での処理により前記皮膜を基材から脱離して得られるリサイクル基材の製造方法。
  10. アルカリ溶液での処理により前記皮膜を基材から脱離した際、脱離後の前記アルカリ溶液の着色を抑制することを特徴とする、請求項9に記載のリサイクル基材の製造方法。
JP2023512776A 2021-08-25 2022-08-18 顔料組成物 Active JP7343077B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021137011 2021-08-25
JP2021137011 2021-08-25
PCT/JP2022/031155 WO2023026940A1 (ja) 2021-08-25 2022-08-18 顔料組成物

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JPWO2023026940A1 JPWO2023026940A1 (ja) 2023-03-02
JPWO2023026940A5 JPWO2023026940A5 (ja) 2023-08-02
JP7343077B2 true JP7343077B2 (ja) 2023-09-12

Family

ID=85321971

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023512776A Active JP7343077B2 (ja) 2021-08-25 2022-08-18 顔料組成物

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7343077B2 (ja)
WO (1) WO2023026940A1 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001031899A (ja) 1999-07-21 2001-02-06 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 脱離性インキ組成物及び該インキ組成物を印刷物から脱離する方法
JP2020002185A (ja) 2018-06-25 2020-01-09 東洋インキScホールディングス株式会社 グラビアまたはフレキソインキ
JP2020169280A (ja) 2019-04-04 2020-10-15 東洋インキScホールディングス株式会社 有機溶剤系印刷インキ、印刷物および積層体
JP2021080431A (ja) 2019-11-15 2021-05-27 東洋インキScホールディングス株式会社 脱離能を有する有機溶剤系印刷インキ、印刷物、積層体およびリサイクル基材製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2521654Y2 (ja) * 1988-01-22 1996-12-25 凸版印刷株式会社 ラベル
JP3822738B2 (ja) * 1998-01-21 2006-09-20 大日精化工業株式会社 アルカリ処理脱離性を有するインキ組成物及び印刷物から該インキ組成物の脱離方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001031899A (ja) 1999-07-21 2001-02-06 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 脱離性インキ組成物及び該インキ組成物を印刷物から脱離する方法
JP2020002185A (ja) 2018-06-25 2020-01-09 東洋インキScホールディングス株式会社 グラビアまたはフレキソインキ
JP2020169280A (ja) 2019-04-04 2020-10-15 東洋インキScホールディングス株式会社 有機溶剤系印刷インキ、印刷物および積層体
JP2021080431A (ja) 2019-11-15 2021-05-27 東洋インキScホールディングス株式会社 脱離能を有する有機溶剤系印刷インキ、印刷物、積層体およびリサイクル基材製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2023026940A1 (ja) 2023-03-02
WO2023026940A1 (ja) 2023-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6090521B1 (ja) 溶剤型ラミネート用グラビアインキ、印刷物、および積層体
JP5937285B1 (ja) 軟包装用ラミネートインキ組成物
JP6455535B2 (ja) 溶剤型ラミネート用グラビアインキ、印刷物、および積層体
JPWO2018003596A1 (ja) リキッドインキ組成物
JP2022066201A (ja) リキッドインキ組成物
JP2023155250A (ja) 脱離可能な皮膜形成用組成物
JP7343077B2 (ja) 顔料組成物
JP6206553B1 (ja) 非水系印刷インキ組成物
JP7082740B2 (ja) 表刷り印刷用リキッドインキ組成物
WO2024004847A1 (ja) 積層体の分離回収方法
CN110546215B (zh) 液体墨液组合物、印刷物和层压层叠体
JP7156796B2 (ja) 表刷り用リキッド印刷インキ組成物及び印刷物
WO2022137914A1 (ja) 脱離可能な皮膜を形成するための有機溶剤系組成物
JP2023075977A (ja) 積層体の分離回収方法
JP7364120B2 (ja) 脱離可能な皮膜形成用組成物
JP7118372B2 (ja) 表刷り印刷用リキッド印刷インキ組成物及び印刷物
JP7364109B2 (ja) 脱離可能な皮膜形成用組成物
JP7284903B1 (ja) 積層体の分離回収方法
JP7234487B1 (ja) 積層体の分離回収方法
JP7416320B1 (ja) 積層体の製造方法
JP2020200357A (ja) リキッドインキ組成物
JP7284904B1 (ja) 積層体の分離回収方法
JP6950020B2 (ja) リキッド印刷インキ、印刷物、及び積層体
JP2022183764A (ja) 脱離可能な皮膜形成用組成物
JP6903034B2 (ja) リキッドインキ組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230221

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230221

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20230221

AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20230307

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230418

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230613

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230630

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230801

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230814

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7343077

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151