JP2023155250A - 脱離可能な皮膜形成用組成物 - Google Patents

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Keisuke Wakahara
宗矩 櫻井
Munenori SAKURAI
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Takaaki Kudo
博 江波戸
Hiroshi Ebato
聡子 伊東
Satoko Ito
康成 川島
Yasunari Kawashima
健太郎 永川
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Abstract

【課題】汎用プラスチック基材に対して、簡便な方法で皮膜層を容易に脱離することができる皮膜形成用組成物を提供する。【解決手段】アルカリ溶液での処理により脱離する皮膜を基材Aの表面に直接又は他の層を介して形成するための脱離可能な皮膜形成用組成物であって、水酸基価を有し、重量平均分子量が45,000以上かつ数平均分子量が10,000以上であるウレタン樹脂を含有する、皮膜形成用組成物。好ましくは、前記皮膜形成用組成物における前記水酸基価が、1.0mgKOH/g~30.0mgKOH/gである。【選択図】なし

Description

本発明は基材から脱離可能な皮膜を形成するために使用する組成物に関する。
近年海洋に廃棄・投棄されたプラスチックが海水中で分解されて微細化(マイクロプラスチック化)することに起因した海洋プラスチック問題が顕在化している。このマイクロプラスチックは海洋生物の体内に入り込み、濃縮され、食物連鎖を通して海鳥や人間の健康にも影響することが懸念されている。この海洋プラスチック問題を改善する方法の一つがリサイクルである。軟包材やプラスチックボトルなどの資源のリサイクル率を向上させることは、プラスチックが海洋へと混入するのを防ぐことにつながる。しかし、現在のリサイクルでは、プラスチック基材に印刷された皮膜が再生工程において脱離せず、プラスチックに混入することによって色相の悪化や物性の低下を引き起こし、再生プラスチックの価値を低下させているという課題が存在する。リサイクル工程で皮膜のプラスチック基材からの脱離を可能としこの課題を解決することができれば、再生プラスチックの価値が向上し、新規リサイクル業者の参入や自治体の分別回収の整備につながる。これにより、リサイクル率が向上することで、海洋プラスチック問題が改善すると考えられる。そのためリサイクル工程において皮膜が脱離可能な皮膜形成用材料の開発が求められている。
またプラスチック基材に対して広く使用される皮膜形成用材料である有機溶剤系印刷インキは、作業者の健康や環境に対する影響を考慮し、トルエンフリー、メチルエチルケトン(MEK)フリーのものに代替が進んでいるため、上記課題を解決する材料もこのことを考慮して開発を進める必要がある。
従来技術では、熱収縮性PETフィルムに対して印刷したスチレン-アクリル酸樹脂、フェノール樹脂、スチレン-マレイン酸樹脂をビヒクルとして含む皮膜をアルカリ水で脱離する方法が開示されている(特許文献1)。また同様に熱収縮性PETフィルムに対してスチレン-マレイン酸樹脂、ロジン-マレイン酸樹脂、アクリル酸共重合系樹脂を含有したコート層を印刷層の間に配置し、そのコート層をアルカリ水で脱離する方法が開示されている(特許文献2及び特許文献3)。しかしながらこれら技術は特定の基材に対する特性しか担保されておらず、また容易な脱離法の提供という観点からは十分なものとはいえなかった。ポリオレフィンを含む汎用的なプラスチック基材に対して、簡便な方法で皮膜を脱離し、プラスチック基材から印刷層を容易に取り除くことができる、プラスチック基材のリサイクル方法を提供するには、検討の余地があった。
一方バインダー樹脂として酸価を有するウレタン樹脂を使用したアルカリ水脱離用有機溶剤系印刷インキも開示されている(特許文献4特許文献5、及び特許文献6)。
特許第3822738号公報 特許第4653913号公報 特許第4451071号公報 特許第6638802号公報 特許第6631964号公報 特開2020-169280号公報
本発明が解決しようとする課題は、上述した海洋プラスチック問題と作業者の健康や環境に対する問題を同時に解決するために、汎用プラスチック基材に対して、簡便な方法で皮膜を脱離し、プラスチック基材から皮膜層を容易に取り除くことができるとともに、基材への密着性にも優れる皮膜が形成できる、皮膜形成用材料(皮膜形成用組成物)を提供することである。
発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、皮膜形成用組成物中に、水酸基価を有し、かつ特定範囲の重量平均分子量及び数平均分子量を有するウレタン樹脂を含有させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の態様を包含するものである。
[1] アルカリ溶液での処理により脱離する皮膜を基材Aの表面に直接又は他の層を介して形成するための脱離可能な皮膜形成用組成物であって、
水酸基価を有し、重量平均分子量が45,000以上かつ数平均分子量が10,000以上であるウレタン樹脂を含有する、皮膜形成用組成物。
[2] 前記ウレタン樹脂の酸価が、15.0mgKOH/g未満である、[1]に記載の皮膜形成用組成物。
[3] 前記水酸基価が、1.0mgKOH/g~30.0mgKOH/gである、[1]又[2]に記載の皮膜形成用組成物。
[4] 前記ウレタン樹脂が、構成成分として、ポリエステルポリオール、及びポリエーテルポリオールの少なくともいずれかを含む、[1]から[3]のいずれかに記載の皮膜形成用組成物。
[5] 着色剤を含有する、[1]から[4]のいずれかに記載の皮膜形成用組成物。
[6] 印刷インキとして用いられる、[5]に記載の皮膜形成用組成物。
[7] 前記印刷インキが、有機溶剤系インキである、[6]に記載の皮膜形成用組成物。
[8] プライマー、又はニスとして用いられる、[1]から[5]のいずれかに記載の皮膜形成用組成物。
[9] 基材Aの表面に直接又は他の層を介して、[1]から[8]のいずれかに記載の皮膜形成用組成物からなる皮膜を有する印刷物。
[10] 前記皮膜が、印刷層、プライマー層、及びニス層から選ばれる少なくとも一つである、[9]に記載の印刷物。
[11] [9]又は[10]に記載の印刷物に対して、前記印刷層の前記基材Aが配置されている面とは反対側の面に、基材Bを配置し、前記印刷物と前記基材Bとを積層してなる積層体。
[12] [9]又は[10]に記載の印刷物に対して、アルカリ溶液で処理することにより前記皮膜を基材Aから脱離して得られるリサイクル基材Aの製造方法。
[13] [11]に記載の積層体に対して、アルカリ溶液で処理することにより前記皮膜とともに基材Bを脱離して得られるリサイクル基材Aの製造方法。
本発明により、汎用プラスチック基材に対して、簡便な方法で皮膜を脱離し、プラスチック基材から皮膜層を容易に取り除くことができるとともに、基材への密着性にも優れる皮膜が形成できる、皮膜形成用組成物を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、以下に記載する構成要件の説明は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
(皮膜形成用組成物)
本発明の皮膜形成用組成物は、基材Aの表面に直接又は他の層を介して皮膜を形成するために用いられる。なお、本発明において、他の層とは単一の層でも複数の層であってもよい。
本発明の皮膜形成用組成物により形成される皮膜は、アルカリ溶液での処理により脱離可能である。
皮膜形成用組成物は、ウレタン樹脂を含有する。ウレタン樹脂は、水酸基価を有し、重量平均分子量が45,000以上かつ数平均分子量が10,000以上である。
ウレタン樹脂が水酸基価を有することで、簡便な方法で皮膜を脱離し、プラスチック基材から皮膜層を容易に取り除くことができる。以下、この効果を剥離性と称することがある。
ウレタン樹脂の重量平均分子量が45,000以上かつ数平均分子量が10,000以上であることで、基材への密着性に優れる皮膜が形成できる。
ここで、本明細書において水酸基価を有するとは、JIS K 0070(1992)の中和滴定法にてウレタン樹脂の水酸基価を測定した際に、1滴の滴定では終点にならないことをいう。
本明細書において酸価を有しないとは、JIS K 0070(1992)の中和滴定法にてウレタン樹脂の酸価を測定した際に、1滴の滴定で終点になることをいう。
本発明の皮膜形成用組成物から形成される皮膜は、基材Aの表面に直接又は他の層を介して形成された印刷層を基材Aから取り除くために用いられる。
ここで、印刷層とは、印刷インキを印刷して形成された層をいう。
印刷層を基材Aから取り除く方法としては、例えば、印刷層自体が脱離機能を有しており、印刷層を基材Aから脱離させる方法(以下、パターンAの方法ともいう)や、印刷層と基材Aとの間に別な層を設け、該別な層が脱離機能を有しており、該別な層を脱離させることにより、印刷層も併せて基材Aから脱離させる方法(以下、パターンBの方法ともいう)などが挙げられる。
本発明の皮膜形成用組成物から形成される皮膜は、上記パターンAの方法における印刷層も、上記パターンBの方法における別な層をも対象とする。より具体的には、本発明に係る皮膜としては、印刷層、及び後述するプライマー層やニス層のいずれをも対象とする。
つまり、本発明の皮膜形成用組成物は、印刷インキ、プライマー、又はニスのいずれの態様でも用いることができる。
本発明の皮膜形成用組成物は、印刷層、プライマー層、及びニス層のうちいずれか少なくとも一つの層を形成するために用いていればよく、これらの層のうち、1層もしくは2層以上を本発明の皮膜形成用組成物で形成することができる。
本発明に係る皮膜と基材Aとの配置構成としては、例えば、以下の場合が挙げられる。
・基材A-印刷層(白)-印刷層(カラー)
・基材A-プライマー層-印刷層(白)-印刷層(カラー)
・基材A-印刷層(白)-印刷層(カラー)-ニス層
・基材A-プライマー層-印刷層(白)-印刷層(カラー)-ニス層
・基材A-印刷層(カラー)-印刷層(白)
・基材A-プライマー層-印刷層(カラー)-印刷層(白)
・基材A-印刷層(カラー)-印刷層(白)-ニス層
・基材A-プライマー層-印刷層(カラー)-印刷層(白)-ニス層
・基材A-ニス層
・基材A-印刷層(カラー)
ここで、基材Aは、後述する基材Aを表し、印刷層(白)は、本発明の皮膜形成用組成物を印刷インキとして用い、該皮膜形成用組成物に含有させる着色剤として白インキに使用される着色剤を用いて、該皮膜形成用組成物を印刷して形成した印刷層を表し、印刷層(カラー)は、本発明の皮膜形成用組成物を印刷インキとして用い、該皮膜形成用組成物に含有させる着色剤として白インキに使用される着色剤以外の着色剤を用いて、該皮膜形成用組成物を印刷して形成した印刷層を表し、プライマー層は、本発明の皮膜形成用組成物を後述するプライマーとして用いて形成した層を表し、ニス層は、本発明の皮膜形成用組成物を後述するニスとして用いて形成した層を表す。
なお、上述した例では、印刷層は、白インキを用いた場合と白インキ以外の着色剤としてカラーインキを用いた場合の2層が積層された例を挙げているが、印刷層はこのように2層以上で形成されている必要はなく、白又はカラーのいずれか1層で形成されている場合であってもよい。
<有機溶剤系組成物>
本発明の皮膜形成用組成物である有機溶剤系組成物は、アルカリ溶液での処理により脱離する印刷層を基材Aの表面に直接又は他の層を介して形成するために用いられる。
有機溶剤系組成物は、ウレタン樹脂を含有する。
また、有機溶剤系組成物は、有機溶剤を含有し、必要に応じて着色剤やその他の成分を含有する。
有機溶剤系組成物は、バイオマス由来の原料を用いてもよい。石油資源の枯渇等の問題から、石油由来製品は、代替エネルギーの供給源としての植物を用いて、及び/又は、微生物等を利用して生産されたものに代替されていくことが好ましい。その場合、有機溶剤系組成物はカーボンニュートラルによる環境負荷低減に貢献することができる。
<<ウレタン樹脂>>
ウレタン樹脂は、水酸基価を有する。
ウレタン樹脂の水酸基価としては、特に制限されないが、剥離性がより優れる点から、1.0mgKOH/g以上が好ましく、3.0mgKOH/g以上が好ましく、5.0mgKOH/g以上が好ましく、8.0mgKOH/g以上がより好ましく、10.0mgKOH/g以上がさらに好ましい。また40.0mgKOH/g以下が好ましく、35.0mgKOH/g以下が好ましく、30.0mgKOH/g以下が好ましく、25.0mgKOH/g以下がより好ましく、20.0mgKOH/g以下がさらに好ましい。また1.0mgKOH/g~40.0mgKOH/gが好ましく、3.0mgKOH/g~35.0mgKOH/gがより好ましく、5.0mgKOH/g~30.0mgKOH/gがより好ましく、8.0mgKOH/g~25.0mgKOH/gがより好ましく、10.0mgKOH/g~20.0mgKOH/gがより好ましい。
ウレタン樹脂の重量平均分子量は、45,000以上である。剥離性と基材への密着性とを高度に両立できる点から、ウレタン樹脂の重量平均分子量は、65,000以上が好ましい。
重量平均分子量の上限値としては、特に制限されないが、重量平均分子量は、200,000以下が好ましく、150,000以下がより好ましい。
ウレタン樹脂の数平均分子量は、10,000以上である。剥離性と基材への密着性とを高度に両立できる点から、ウレタン樹脂の数平均分子量は、30,000以上が好ましい。
数平均分子量の上限値としては、特に制限されないが、数平均分子量は、100,000以下が好ましく、75,000以下がより好ましい。
ウレタン樹脂の多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)としては、特に制限されないが、5.0以下であってもよいし、4.0以下であってもよいし、3.0以下であってもよい。多分散度の下限値としては、特に制限されないが、多分散度は、1.0以上であり、1.2以上であってもよいし、1.5以上であってもよい。
ウレタン樹脂の酸価としては、特に制限されないが、基材への密着性及び粘度の経時安定性がより優れる点から、15.0mgKOH/g未満が好ましく、10.0mgKOH/g以下がより好ましく、5.0mgKOH/g以下が更により好ましい。ウレタン樹脂は酸価を有していてもよいし、有していなくてもよいが、酸価を有しないことが特に好ましい。
本明細書において酸価を有しないとは、JIS K 0070(1992)の中和滴定法にてウレタン樹脂の酸価を測定した際に、1滴の滴定で終点になることをいう。
ウレタン樹脂は、その反応原料として、ポリエステルポリオール及び/又はポリエーテルポリオールを用いる事が好ましい。言い換えれば、ウレタン樹脂は、構成成分として、ポリエステルポリオール、及びポリエーテルポリオールの少なくともいずれかを含むことが好ましい。
前記ポリエステルポリオールの数平均分子量が1000~7000ものであることが好ましい。前記ポリエステルポリオールの数平均分子量が1000より小さいと、ウレタン樹脂の皮膜が硬くなる傾向にありポリエステルフィルムへの接着性が低下し易い。数平均分子量が7000より大きい場合、皮膜形成用組成物により得られる皮膜が脆弱になる傾向にあり皮膜の耐ブロッキング性が低下し易い。一方で、ウレタン樹脂におけるポリエステルポリオールの含有量はウレタン樹脂100質量部に対して1~50質量部あることが好ましく、ポリエーテルポリオールが1質量部未満であると、該ウレタン樹脂のケトン、エステル、アルコール系溶剤への溶解性が低下するのに加え、特に高機能バリアーフィルム上での密着性が低下する傾向となる。また皮膜の該溶剤への再溶解性が低下し、印刷物の調子再現性が低下する傾向となる。また50質量部を超えると、皮膜が過剰に柔らかくなり、耐ブロッキングが劣る傾向と成り易い。
なお、ウレタン樹脂及びポリエステルポリオールの重量平均分子量、及び数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、下記の条件で測定する値を示す。
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC-8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用する。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成する。
(標準ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-550」
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、水酸基を2個以上有する化合物と多塩基酸とを公知のエステル化反応により得られるものを用いることができる。
前記水酸基を2個以上有する化合物は鎖伸長剤として用いるものであり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等のグリコール;2-メチル-1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2-イソプロピル-1,4-ブタンジオール、2,4-ジメチル-1,5-ペンタンジオール2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-エチル-1,6-ヘキサンジオール、3,5-ヘプタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール等の分岐構造を有するグリコール;トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、サッカロース、メチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等の脂肪族ポリオール;ビスフェノールA、4,4’-ジヒドロキシジフェニル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン等の芳香族ポリオールなどの数平均分子量が50~400の範囲の化合物を用いることができる。これらの鎖伸長剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記多塩基酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、これらの酸の無水物等を用いることができる。これらの多塩基酸は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、前記ポリエーテルポリオールは、その数平均分子量が100~4000のものであることが好ましい。ポリエーテルポリオールとしては、酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフランなどの重合体または共重合体のポリエーテルポリオール類が挙げられる。具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど公知汎用のものでよく、中ではポリエチレングリコールが好ましい。
同様に、前記ポリエーテルポリオールの数平均分子量が100より小さいと、皮膜形成用組成物により得られる皮膜が硬くなる傾向にありポリエステルフィルムへの接着性が低下し易い。数平均分子量が4000より大きい場合、皮膜形成用組成物により得られる皮膜が脆弱になる傾向にあり皮膜の耐ブロッキング性が低下し易い。尚、ポリエーテルポリオールの数平均分子量は、前記ポリエステルポリオールと同様にゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、同条件で測定する。
上記ウレタン樹脂の製造に使用されるジイソシアネート化合物としては、ウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。例えば、1,5-ナフチレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’-ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメリールジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート;5-イソシアナト-1-(イソシアノメチル)-1,3,3-トリメチルシクロヘキサン;)、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、mーテトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ビス-クロロメチル-ジフェニルメタン-ジイソシアネート、2,6-ジイソシアネート-ベンジルクロライドやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等があげられる。これらのジイソシアネート化合物は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
上記ウレタン樹脂の製造に使用される鎖伸長剤としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン―4,4’―ジアミンなどの他、2―ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2―ヒドロキシエチルプロピルジアミン、2―ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ―2―ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ―2―ヒドロキシエチレンジアミン、ジ―2―ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2―ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ―2―ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ―2―ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなど分子内に水酸基を有するアミン類も用いることが出来る。これらの鎖伸長剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
上記ウレタン樹脂は、例えば、ポリオール、ポリイソシアネート、及び鎖伸長剤、必要に応じて一価の活性水素化合物を反応させて得られる。例えば、ポリエステルポリオールおよび必要に応じて併用ポリオールとジイソシアネート化合物とをイソシアネート基が過剰となる割合で反応させ、末端イソシアネート基のプレポリマーを得、得られるプレポリマーを、適当な溶剤中、すなわち、リキッドインキ用の溶剤として通常用いられる、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n-ブタノールなどのアルコール系溶剤;トルエン、キシレン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの炭化水素系溶剤;あるいはこれらの混合溶剤の中で、鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤と反応させる二段法、あるいはポリエステルポリオールおよび必要に応じて併用ポリオール、ジイソシアネート化合物、鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤を上記のうち適切な溶剤中で一度に反応させる一段法により製造される。これらの方法のなかでも、均一なウレタン樹脂を得るには、二段法によることが好ましい。また、ウレタン樹脂を二段法で製造する場合、鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤のアミノ基の合計(当量比)が1/0.9~1.3の割合になるように反応させることが好ましい。イソシアネート基とアミノ基との当量比が1/1.3より小さいときは、鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤が未反応のまま残存し、ウレタン樹脂が黄変したり、印刷後臭気が発生したりする場合がある。
ウレタン樹脂に水酸基価を与える方法としては、例えば、ウレタン樹脂を製造する際に末端封止剤としてヒドロキシ基を有する1級又は2級アミン化合物を用いる方法が挙げられる。当該アミン化合物としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミンなどが挙げられる。
ウレタン樹脂に酸価を与えない方法としては、例えば、前述の二段法又は一段法において、カルボキシ基を有しない原材料を用いる方法が挙げられる。
他方、ウレタン樹脂に酸価を与える方法としては、例えば、前述の二段法又は一段法において、カルボキシ基を有する原材料を用いる方法が挙げられる。カルボキシ基を有する原材料としては、例えば、カルボキシ基を有するジオール(例えば、2,2-ジメチロールプロピオン酸、2,2-ジメチロールブタン酸)が挙げられる。例えば、前述の二段法又は一段法において、併用ポリオールとしてカルボキシ基を有するジオールを用いることで、酸価を有するウレタン樹脂が得られる。
ウレタン樹脂のアミン価は、10.00mgKOH/g以下であることが好ましい。アミン価が10.00mgKOH/gを上回ると耐ブロッキング性が劣る傾向と成り易いのに加え、硬化剤添加後の2液安定性が低下する。耐ブロッキング性、2液安定性を良好に保ちつつ、版カブリ性、接着性及び押出しラミネート強度を保持できる観点から0~5.00mgKOH/gの範囲がより好ましく、更に好ましくは0~3.50mgKOH/gの範囲である。
本発明の組成物におけるウレタン樹脂の含有量は、例えば、グラビア印刷に使用するグラビアインキ用途の場合、グラビアインキの被印刷体への接着性を十分にする観点からインキの総質量に対して固形分換算にて5質量%以上、適度なインキ粘度やインキ製造時・印刷時の作業効率の観点から25質量%以下が好ましく、フレキソ印刷に使用するフレキソインキ用途の場合、フレキソインキの総質量に対して固形分換算にて5質量%以上、30質量%以下であることが好ましい。
<<有機溶剤>>
有機溶剤としては特に制限はないが、たとえばトルエン、キシレン、ソルベッソ#100、ソルベッソ#150等の芳香族炭化水素系、ヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、ギ酸エチル、プロピオン酸ブチル等のエステル系の各種有機溶剤が挙げられる。また水混和性有機溶剤としてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、シクロハキサノン等のケトン系、エチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、エチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、モノブチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル等のグリコールエーテル系の各種有機溶剤が挙げられる。これらを単独または2種以上を混合しても用いることができる。
エステル系有機溶剤としては易蒸発性に起因する本発明の有機溶剤系組成物の版乾きを防ぐ観点から炭素原子数4以上のエステル系有機溶剤を含有することがより好ましい。炭素原子数4以上のエステル系有機溶剤としては限定されないが、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸ブチルがさらに好ましく、酢酸ノルマルプロピルが特に好ましい。
本発明の有機溶剤系組成物に対するエステル系有機溶剤の含有量としては1質量%以上が好ましく、3質量%以上が好ましく、5質量%以上が好ましく7質量%以上が好ましく、10%質量以上が好ましく、12質量%以上が好ましく、15質量%以上が好ましく、18質量%以上が好ましく、20質量%以上が好ましい。また60質量%以下が好ましく、55質量%以下が好ましく、50質量%以下が好ましく、45質量%以下が好ましく、40質量%以下が好ましく35質量%以下が好ましい。
本発明の有機溶剤系組成物に対するエステル系有機溶剤の含有量としては1~60質量%が好ましく、3~55質量%が好ましく、5~50質量%が好ましく、7~45質量%が好ましく、10~40質量%が好ましく、12~35質量%が好ましく、15~30質量%が好ましく、18~28質量%が好ましく、20~25質量%が好ましく、20~23質量%が好ましい。
本発明の有機溶剤系組成物をグラビアインキ用途として使用する場合、芳香族炭化水素系有機溶剤を含有せず、酢酸ブチルの蒸発速度を100とした際の比蒸発速度が100以下であるアルコールを含有することが好ましい。比蒸発速度が100以下であるアルコールを含有することで、網点面積10%以下のハイライト転移性の維持、及びハイライト向上が保持できる。そのメカニズムは以下の2点が挙げられ、まず第一に、
1)本発明の有機溶剤系組成物が基材に転移後、半分の本発明の有機溶剤系組成物がグラビア版のセル内に残る。
2)その残った本発明の有機溶剤系組成物は再びインキパン内の本発明の有機溶剤系組成物に接するまで含有する溶剤が揮発し、半乾き状態になる。更に蒸発速度が速い溶剤から揮発する為、揮発速度が遅い溶剤がインキパン内に残る。
3)この際に、樹脂溶解性が高い溶剤が残っていると、その半乾き組成物が再び本発明の有機溶剤系組成物に接した際に再溶解し、セル内で本発明の有機溶剤系組成物が固まることを防止する。
酢酸ブチルの蒸発速度を100とした際の比蒸発速度が100を超える汎用的なアルコールでは揮発速度が速いため、上記の様なメカニズムは機能することが難しい傾向にある。
第二に、酢酸ブチルの蒸発速度を100とした際の比蒸発速度が100以下であるアルコールは、アルコール1分子内に占める水酸基(アルコール基)の比率が低いことから、ウレタン樹脂の溶解性を高める傾向にある。
なお、印刷時の作業衛生性と包装材料の有害性の両面から、酢酸エチル、酢酸プロピル、イソプロパノール、ノルマルプロパノールなどを使用し、トルエン等の芳香族溶剤やメチルエチルケトン等のケトン系溶剤を使用しないことがより好ましい。
中でもウレタン樹脂、硝化綿への溶解性の観点から、イソプロピルアルコール/酢酸エチル/酢酸ノルマルプロピル/メチルシクロヘキサンの混合液がより好ましい。また、乾燥調整のために組成物全量の10質量%未満であればグリコールエーテル類を添加することも出来る。
<<着色剤>>
本発明の有機溶剤系組成物は、さらに着色剤を含有してもよい。
本発明の有機溶剤系組成物に使用される着色剤としては、一般のインキ、塗料、及び記録剤などに使用されている無機顔料、有機顔料または染料を挙げることができる。
有機顔料としては、溶性アゾ系、不溶性アゾ系、アゾ系、フタロシアニン系、ハロゲン化フタロシアニン系、アントラキノン系、アンサンスロン系、ジアンスラキノニル系、アンスラピリミジン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、フラバンスロン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリン系、インダンスロン系、カーボンブラック系などの顔料が挙げられる。また、例えば、カーミン6B、レーキレッドC、パーマネントレッド2B、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、カーミンFB、クロモフタルイエロー、クロモフタルレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンレッド、インダンスロンブルー、ピリミジンイエロー、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ、ペリレンレッド、ペリノンオレンジ、イソインドリノンイエロー、アニリンブラック、ジケトピロロピロールレッド、昼光蛍光顔料等が挙げられる。また未酸性処理顔料、酸性処理顔料のいずれも使用することができる。以下に有機顔料として好ましいものの具体的な例を挙げる。
黒色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7、C.I.ピグメントブラック9、C.I.ピグメントブラック20等が挙げられる。
藍色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:5、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー17:1、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー24:1、C.I.ピグメントブルー25、C.I.ピグメントブルー26、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー61、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー63、C.I.ピグメントブルー64、C.I.ピグメントブルー75、C.I.ピグメントブルー79、C.I.ピグメントブルー80などが挙げられる。
緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメントグリーン1、C.I.ピグメントグリーン4、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン8、C.I.ピグメントグリーン10、C.I.ピグメントグリーン36などが挙げられる。
赤色顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド4、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド10、C.I.ピグメントレッド11、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド18、C.I.ピグメントレッド19、C.I.ピグメントレッド20、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド43、C.I.ピグメントレッド46、C.I.ピグメントレッド48、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド48:5、C.I.ピグメントレッド48:6、C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド49:3、C.I.ピグメントレッド52、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントレッド52:2、C.I.ピグメントレッド53、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド53:2、C.I.ピグメントレッド53:3、C.I.ピグメントレッド54、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド58、C.I.ピグメントレッド58:1、C.I.ピグメントレッド58:2、C.I.ピグメントレッド58:3、C.I.ピグメントレッド58:4、C.I.ピグメントレッド60:1、C.I.ピグメントレッド63、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド63:3、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド68、C.I.ピグメントレッド68、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド89、C.I.ピグメントレッド95、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド119、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド136、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド147、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド164、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド181、C.I.ピグメントレッド182、C.I.ピグメントレッド183、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド188、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド200、
C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド210、C.I.ピグメントレッド211、C.I.ピグメントレッド213、C.I.ピグメントレッド214、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド223、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド237、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ピグメントレッド239、C.I.ピグメントレッド240、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントレッド247、C.I.ピグメントレッド248、C.I.ピグメントレッド251、C.I.ピグメントレッド253、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド256、C.I.ピグメントレッド257、C.I.ピグメントレッド258、C.I.ピグメントレッド260、C.I.ピグメントレッド262、C.I.ピグメントレッド263、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド266、C.I.ピグメントレッド268、C.I.ピグメントレッド269、C.I.ピグメントレッド270、C.I.ピグメントレッド271、C.I.ピグメントレッド272、C.I.ピグメントレッド279、などが挙げられる。
紫色顔料としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット2、C.I.ピグメントバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレット3:1、C.I.ピグメントバイオレット3:3、C.I.ピグメントバイオレット5:1、C.I.ピグメントバイオレット13、C.I.ピグメントバイオレット19(γ型、β型)、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット25、C.I.ピグメントバイオレット27、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット31、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット37、C.I.ピグメントバイオレット38、C.I.ピグメントバイオレット42、C.I.ピグメントバイオレット50、などが挙げられる。
黄色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー42、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー86、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー120、ピグメントイエロー125、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー137、C.I.ピグメント、イエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー148、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185およびC.I.ピグメントイエロー213等が挙げられる。
橙色顔料としては、例えばC.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ37、C.I.ピグメントオオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントレンジ55、C.I.ピグメントオレンジ59、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、又はC.I.ピグメントオレンジ74などが挙げられる。
茶色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、又はC.I.ピグメントブラウン26などが挙げられる。
中でも、好ましい顔料として、黒色顔料としてC.I.ピグメントブラック7、藍色顔料としてC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、緑色顔料としてC.I.ピグメントグリーン7、赤色顔料としてC.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド166、紫色顔料としてC.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット37、黄色顔料としてC.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー139、橙色顔料としてC.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ64、等が挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも一種または二種以上を使用することが好ましい。
無機顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、ベンガラ、アルミニウム、マイカ(雲母)、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカなどが挙げられる。また、ガラスフレークまたは塊状フレークを母材とした上に金属、もしくは金属酸化物をコートした光輝性顔料(メタシャイン;日本板硝子株式会社)を使用できる。墨インキにはカーボンブラック、白インキには酸化チタン、金、銀インキにはアルミニウム、パールインキにはマイカ(雲母)を使用することがコストや着色力の点から好ましい。
顔料の合計含有率は、本発明の有機溶剤系組成物の濃度、着色力を確保する観点から、本発明の有機溶剤系組成物の総量中、好ましくは1質量%以上であり、好ましくは60質量%以下である。
<<その他成分>>
本発明の有機溶剤系組成物は、さらにバインダー樹脂、助剤等のその他の成分を含んでいてもよい。
バインダー樹脂は、例えば、セルロース系樹脂(例えば、硝化綿(ニトロセルロース))、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、ケトン樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂やロジン変性フマル酸樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、酢酸ビニル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール樹脂、石油樹脂等の樹脂や、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸あるいはこれらの酸無水物等のカルボキシル基を有する重合性モノマー、スルホン化スチレン等のスルホン酸基を有する重合性モノマー、ビニルベンゼンスルホンアミド等のスルホンアミド基を有する重合性モノマー等の重合性モノマーを共重合させた、(メタ)アクリル樹脂、スチレン-(メタ)アクリル樹脂、スチレン-(無水)マレイン酸樹脂、テルペン-(無水)マレイン酸樹脂等のラジカル共重合体である樹脂や、酸変性されたポリオレフィン樹脂等(上記<<ウレタン樹脂>>を除く)が挙げられ、これを単数あるいは複数混合して使用することができる。
助剤としては、耐摩擦性、滑り性等を付与するためのパラフィン系ワックス、ポリエチレン系ワックス、カルナバワックス等のワックス;オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド等の脂肪酸アミド化合物;印刷時の発泡を抑制するためのシリコン系、非シリコン系消泡剤;分散剤等を適宜使用することができる。分散剤としては、ノニオン系分散剤が好ましい。
分散剤の酸価は、30mgKOH/g以下が好ましく、25mgKOH/g以下がより好ましく、20mgKOH/g以下がさらに好ましい。また例えば1mgKOH/g以上、さらには3mgKOH/g以上であってもよい。
分散剤の含有量は、上記着色剤100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましく、5質量部以上がより好ましく、10質量部以上がより好ましく、15質量部以上がより好ましく、20質量部以上がよりに好ましく、100質量部以下が好ましく、80質量部以下がより好ましく、75質量部以下がより好ましく、70質量部以下がより好ましく、65質量部以下がより好ましく、60質量部以下がより好ましい。
また上記以外にも必要に応じて水、湿潤剤、接着補助剤、レベリング剤、帯電防止剤、粘度調整剤、金属キレート、トラッピング剤、ブロッキング防止剤、イソシアネート系硬化剤、シランカップリング剤も使用できる。本発明の有機溶剤系組成物の粘度は、離合社製ザーンカップ#3を使用して25℃において測定した数値として、6秒以上が好ましく、10秒以上がより好ましく、13秒以上がさらに好ましい。また25秒以下が好ましく、20秒以下がより好ましく、18秒以下がさらに好ましい。
本発明の有機溶剤系組成物の表面張力は、25mN/m以上が好ましく、33mN/m以上がより好ましい。また50mN/m以下が好ましく、43mN/以下がより好ましい。本発明の有機溶剤系組成物の表面張力を適度に高めることで、基材への本発明の有機溶剤系組成物の濡れ性を維持しつつ、ドットブリッジ(中間調の網点部分で隣り合う網点同士が繋がった印刷面の汚れ)を抑制することができ、本発明の有機溶剤系組成物の表面張力を適度に低くすることで、基材への本発明の有機溶剤系組成物の濡れ性を高め、ハジキを抑制することができる。
本発明の有機溶剤系組成物は、グラビア印刷又はフレキソ印刷用途として用いる場合、グラビア又はフレキソインキの製造に一般的に使用されているアイガーミル、サンドミル、ガンマミル、アトライター等を用いて製造することができる。
本発明の有機溶剤系組成物を調製する際、均一性の観点から、予めウレタン樹脂の少なくとも一部と、着色剤と、有機溶剤の少なくとも一部を混合して、予備組成物(練肉ベースインキ)を調製してもよい。
なお、本発明と同様に基材から除去される組成物としてレジストインキが挙げられるが、当該レジストインキは一部を残して予め基材から塗膜を除去し、基材を加工することを目的としたものであり、皮膜全体を脱離させ、基材をリサイクルすることを目的とした本発明の皮膜形成用組成物とは根本的に用途・目的が異なるため、本発明の周知技術には該当しない。
本発明の皮膜形成用組成物は、プライマー層を形成するプライマー用組成物として用いることもできる。
<プライマー用組成物>
プライマー層を形成するために本発明の皮膜形成用組成物を用いる場合には、本発明の皮膜形成用組成物であるプライマー用組成物としては、上記<<ウレタン樹脂>>を含有する。
プライマー用組成物としては、<<ウレタン樹脂>>の他、特に限定なく市販流通しているバインダー樹脂、有機溶剤や水性溶剤等の溶剤、添加剤等を含むことができる。
バインダー樹脂は、例えば、セルロース系樹脂(例えば、硝化綿(ニトロセルロース))、ウレタン樹脂(上記<<ウレタン樹脂>>を除く)、ポリアミド樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、ケトン樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂やロジン変性フマル酸樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、酢酸ビニル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール樹脂、石油樹脂等の樹脂や、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸あるいはこれらの酸無水物等のカルボキシル基を有する重合性モノマー、スルホン化スチレン等のスルホン酸基を有する重合性モノマー、ビニルベンゼンスルホンアミド等のスルホンアミド基を有する重合性モノマー等の重合性モノマーを共重合させた、(メタ)アクリル樹脂、スチレン-(メタ)アクリル樹脂、スチレン-(無水)マレイン酸樹脂、テルペン-(無水)マレイン酸樹脂等のラジカル共重合体である樹脂や、酸変性されたポリオレフィン樹脂等が挙げられ、これを単数あるいは複数混合して使用することができる。
溶剤は、有機溶剤であればよく、例えば、上記<有機溶剤系組成物>の<<有機溶剤>>の欄で説明したものと同様の有機溶剤を用いることができる。
添加剤としては、体質顔料、顔料分散剤、レベリング剤、消泡剤、ワックス、可塑剤、ブロッキング防止剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、芳香剤、難燃剤等があげられる。
プライマー層に、上記<<ウレタン樹脂>>を含有させる場合は、<<ウレタン樹脂>>の添加量はプライマー層の特性を損なわない範囲において適宜決定すればよいが、例えば、プライマー層用組成物の総質量に対して5~30質量%の範囲であることが好ましい。
また、酸性基を有する樹脂や低分子化合物が添加されたプライマーも好ましく使用することができる。酸性基を有する樹脂や低分子化合物としては、プライマーの主成分である上記<<ウレタン樹脂>>や有機溶剤等と容易に混合できれば特に限定なく使用することができる。
酸性基を有する樹脂としては、例えば、セルロース系樹脂(例えば、硝化綿(ニトロセルロース))、ウレタン樹脂(上記<<ウレタン樹脂>>を除く)、ポリアミド樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、ケトン樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂やロジン変性フマル酸樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、酢酸ビニル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール樹脂、石油樹脂等に酸価を付与した樹脂や、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸あるいはこれらの酸無水物等のカルボキシル基を有する重合性モノマー、スルホン化スチレン等のスルホン酸基を有する重合性モノマー、ビニルベンゼンスルホンアミド等のスルホンアミド基を有する重合性モノマー等の、酸性基を有する重合性モノマーを共重合させた、(メタ)アクリル樹脂、スチレン-(メタ)アクリル樹脂、スチレン-(無水)マレイン酸樹脂、テルペン-(無水)マレイン酸樹脂等のラジカル共重合体である樹脂や、酸変性されたポリオレフィン樹脂等(前記バインダー樹脂を除く)が挙げられ、これを単数あるいは複数混合して使用することができる。
酸性基を有する低分子化合物としては、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、ヒドロキシ酸、芳香族カルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、オキソカルボン酸、カルボン酸誘導体等の有機酸が好ましく挙げられ、これを単数あるいは複数混合して使用することができる。
飽和脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸などが挙げられ、不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ソルビン酸などが挙げられ、ヒドロキシ酸としては、乳酸、リンゴ酸、クエン酸などが挙げられ、芳香族カルボン酸としては、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、没食子酸、メリト酸、ケイ皮酸などが挙げられ、ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、フマル酸、マレイン酸、アゼライン酸、などが挙げられ、トリカルボン酸としてはアコニット酸、トリマー酸などが挙げられ、オキソカルボン酸としては、ピルビン酸、オキサロ酢酸などが挙げられ、カルボン酸誘導体としては、アミノ酸、ニトロカルボン酸が挙げられ、これらを単数あるいは複数混合して使用することができる。またクエン酸、酪酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、エレオステアリン酸、アラキジン酸、セバシン酸等であればいわゆるスイス条例(Swiss Ordinance)に対応でき、各種規制に対応する物質の使用が好ましい。
本発明の皮膜形成用組成物は、ニス層を形成するニス用組成物として用いることもできる。
<ニス用組成物>
ニス層を形成するために本発明の皮膜形成用組成物を用いる場合には、本発明の皮膜形成用組成物であるニス用組成物としては、上記<<ウレタン樹脂>>を含有する。
ニス用組成物としては、<<ウレタン樹脂>>の他、特に限定なく市販流通しているバインダー樹脂、有機溶剤や水性溶剤等の溶剤、添加剤等を含むことができる。
バインダー樹脂は、例えば、セルロース系樹脂(例えば、硝化綿(ニトロセルロース))、ウレタン樹脂(上記<<ウレタン樹脂>>を除く)、ポリアミド樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、ケトン樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂やロジン変性フマル酸樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、酢酸ビニル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール樹脂、石油樹脂等の樹脂や、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸あるいはこれらの酸無水物等のカルボキシル基を有する重合性モノマー、スルホン化スチレン等のスルホン酸基を有する重合性モノマー、ビニルベンゼンスルホンアミド等のスルホンアミド基を有する重合性モノマー等の重合性モノマーを共重合させた、(メタ)アクリル樹脂、スチレン-(メタ)アクリル樹脂、スチレン-(無水)マレイン酸樹脂、テルペン-(無水)マレイン酸樹脂等のラジカル共重合体である樹脂や、酸変性されたポリオレフィン樹脂等が挙げられ、これを単数あるいは複数混合して使用することができる。
溶剤は、有機溶剤であればよく、例えば、上記<有機溶剤系組成物>の<<有機溶剤>>の欄で説明したと同様の有機溶剤を用いることができる。
添加剤としては、体質顔料、顔料分散剤、レベリング剤、消泡剤、ワックス、可塑剤、ブロッキング防止剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、芳香剤、難燃剤等があげられる。
ニス層に、上記<<ウレタン樹脂>>を含有させる場合は、<<ウレタン樹脂>>の添加量はニス層の特性を損なわない範囲において適宜決定すればよいが、例えば、ニス層用組成物に対して5~30質量%の範囲であることが好ましい。
また、酸性基を有する樹脂や低分子化合物が添加されたニスも好ましく使用することができる。酸性基を有する樹脂や低分子化合物としては、ニスの主成分である上記ウレタン樹脂や有機溶剤等と容易に混合できれば特に限定なく使用することができる。
酸性基を有する樹脂としては、例えば、セルロース系樹脂(例えば、硝化綿(ニトロセルロース))、ウレタン樹脂(上記<<ウレタン樹脂>>を除く)、ポリアミド樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、ケトン樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂やロジン変性フマル酸樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、酢酸ビニル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール樹脂、石油樹脂等に酸価を付与した樹脂や、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸あるいはこれらの酸無水物等のカルボキシル基を有する重合性モノマー、スルホン化スチレン等のスルホン酸基を有する重合性モノマー、ビニルベンゼンスルホンアミド等のスルホンアミド基を有する重合性モノマー等の、酸性基を有する重合性モノマーを共重合させた、(メタ)アクリル樹脂、スチレン-(メタ)アクリル樹脂、スチレン-(無水)マレイン酸樹脂、テルペン-(無水)マレイン酸樹脂等のラジカル共重合体である樹脂や、酸変性されたポリオレフィン樹脂等(前記バインダー樹脂を除く)が挙げられ、これを単数あるいは複数混合して使用することができる。
酸性基を有する低分子化合物としては、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、ヒドロキシ酸、芳香族カルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、オキソカルボン酸、カルボン酸誘導体等の有機酸が好ましく挙げられ、これを単数あるいは複数混合して使用することができる。
飽和脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸などが挙げられ、不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ソルビン酸などが挙げられ、ヒドロキシ酸としては、乳酸、リンゴ酸、クエン酸などが挙げられ、芳香族カルボン酸としては、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、没食子酸、メリト酸、ケイ皮酸などが挙げられ、ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、フマル酸、マレイン酸、アゼライン酸、などが挙げられ、トリカルボン酸としてはアコニット酸、トリマー酸などが挙げられ、オキソカルボン酸としては、ピルビン酸、オキサロ酢酸などが挙げられ、カルボン酸誘導体としては、アミノ酸、ニトロカルボン酸が挙げられ、これらを単数あるいは複数混合して使用することができる。またクエン酸、酪酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、エレオステアリン酸、アラキジン酸、セバシン酸等であればいわゆるスイス条例(Swiss Ordinance)に対応でき、各種規制に対応する物質の使用が好ましい。
(基材への印刷)
本発明の皮膜形成用組成物は、各種の基材と密着性に優れ、紙、合成紙、布、熱可塑性樹脂フィルム、プラスチック製品、鋼板等への印刷に使用することができるものである。本発明の皮膜形成用組成物は、電子彫刻凹版等によるグラビア印刷版を用いたグラビア印刷用、又は樹脂版等によるフレキソ印刷版を用いたフレキソ印刷用のインキとして有用である。一方で、版を使用せずインクジェットノズルからインキを吐出するインクジェット方式向けに使用することもできるが、あまり好ましくない。即ち、インクジェットインキの場合、ノズルから吐出したインク滴が、直接基材に密着し印刷物を形成するのに対し、本発明の皮膜形成用組成物は、印刷インキを一旦印刷版又は印刷パターンに密着・転写した後、インキのみを再度基材に密着させ、必要に応じて乾燥させ印刷物とするものである。本発明の皮膜形成用組成物は、グラビア、フレキソ、ダイコーター、及びロールコーター等の印刷方式に好適に用いられる。
本発明の皮膜形成用組成物を用いて形成される皮膜の膜厚は、例えば30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましく、5μm以下が最も好ましい。
(印刷物及び積層体)
本発明の皮膜形成用組成物を基材Aの表面に直接又は他の層を介して印刷することで皮膜を有する印刷物を得ることができる。この印刷物は積層体ともいえる。印刷物の皮膜側に基材Bを配置する形で積層して積層体を得ることもできる。皮膜、基材A及び基材Bを有する積層体は皮膜と基材Bとが接着剤層を介して積層されていても良い。
本発明の皮膜形成用組成物を用いて印刷された印刷物、当該印刷物を用いて構成された積層体、及び本発明の皮膜形成用組成物を用いて形成される皮膜を有する積層体の実施形態としては、限定されるわけではないが、例えば、下記態様が好ましく挙げられる。
上述したとおり、基材Aの表面に直接又は他の層を介して皮膜を形成する態様としては、以下のとおりである。
<表刷り>
・基材A-印刷層(白)-印刷層(カラー)
・基材A-プライマー層-印刷層(白)-印刷層(カラー)
・基材A-印刷層(白)-印刷層(カラー)-ニス層
・基材A-プライマー層-印刷層(白)-印刷層(カラー)-ニス層
・基材A-印刷層(カラー)-印刷層(白)
・基材A-プライマー層-印刷層(カラー)-印刷層(白)
・基材A-印刷層(カラー)-印刷層(白)-ニス層
・基材A-プライマー層-印刷層(カラー)-印刷層(白)-ニス層
基材Aと基材Bとの間に、皮膜を配する態様としては、以下のとおりである。
<裏刷り・ラミネート>
・基材A-印刷層(白)-印刷層(カラー)-接着剤層-基材B
・基材A-プライマー層-印刷層(白)-印刷層(カラー)-接着剤層-基材B
・基材A-印刷層(白)-印刷層(カラー)-ニス層-接着剤層-基材B
・基材A-プライマー層-印刷層(白)-印刷層(カラー)-ニス層-接着剤層-基材B
・基材A-印刷層(カラー)-印刷層(白)-接着剤層-基材B
・基材A-プライマー層-印刷層(カラー)-印刷層(白)-接着剤層-基材B
・基材A-印刷層(カラー)-印刷層(白)-ニス層-接着剤層-基材B
・基材A-プライマー層-印刷層(カラー)-印刷層(白)-ニス層-接着剤層-基材B
・基材A-印刷層(白)-印刷層(カラー)-樹脂C層-基材B
・基材A-プライマー層-印刷層(白)-印刷層(カラー)-樹脂C層-基材B
・基材A-印刷層(白)-印刷層(カラー)-ニス層-樹脂C層-基材B
・基材A-プライマー層-印刷層(白)-印刷層(カラー)-ニス層-樹脂C層-基材B
・基材A-印刷層(カラー)-印刷層(白)-樹脂C層-基材B
・基材A-プライマー層-印刷層(カラー)-印刷層(白)-樹脂C層-基材B
・基材A-印刷層(カラー)-印刷層(白)-ニス層-樹脂C層-基材B
・基材A-プライマー層-印刷層(カラー)-印刷層(白)-ニス層-樹脂C層-基材B
・基材A-印刷層(白)-印刷層(カラー)-基材B
・基材A-プライマー層-印刷層(白)-印刷層(カラー)-基材B
・基材A-印刷層(白)-印刷層(カラー)-ニス層-基材B
・基材A-プライマー層-印刷層(白)-印刷層(カラー)-ニス層-基材B
・基材A-印刷層(カラー)-印刷層(白)-基材B
・基材A-プライマー層-印刷層(カラー)-印刷層(白)-基材B
・基材A-印刷層(カラー)-印刷層(白)-ニス層-基材B
・基材A-プライマー層-印刷層(カラー)-印刷層(白)-ニス層-基材B
・基材A-ニス層
・基材A-印刷層(カラー)
印刷層(白)、印刷層(カラー)、プライマー層、及びニス層は、上述した通りである。
以下、基材A、基材B、接着剤層、及び樹脂C層について説明する。
<基材A>
基材Aとしては、プラスチック基材が好ましく、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリ乳酸等のポリヒドロキシカルボン酸、ポリ(エチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート)等の脂肪族ポリエステル系樹脂などの生分解性樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂又はそれらの混合物等の熱可塑性樹脂よりなるフィルムやこれらの積層体が挙げられるが、中でも、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンからなるフィルムや積層体が好適に使用でき、本発明の皮膜形成用組成物の脱離性を重視するとポリプロピレン又はポリエチレンがより好ましい。これらの基材フィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムでもよく、その製法も限定されるものではない。また、基材フィルムの厚さも特に限定されるものではないが、通常は1~500μmの範囲であればよい。
基材Aの印刷面には、コロナ放電処理がされていることが好ましく、シリカ、アルミナ等が蒸着されていてもよい。
<基材B>
基材Bとしては、基材Aと同様のものが挙げられ、同一または異なっていても良いが、プラスチック基材であることが好ましく、熱可塑性樹脂基材であることがより好ましい。
皮膜、基材A及び基材Bを有する積層体が押出ラミネートである場合、後述する樹脂Cと同一であっても良い。また金属箔や蒸着膜層の金属箔層とラミネートされていても良い。
<樹脂C>
樹脂Cとしては熱可塑性樹脂であることが好ましく、ポリオレフィンがより好ましく、ポリプロピレンもしくはポリエチレンおよびこの変性樹脂が特に好ましい。
<接着剤層>
接着剤層を形成するための接着剤としては、特に限定なく市販流通している反応性接着剤であれば使用可能だが、中でも、ポリイソシアネート組成物とポリオール組成物とのいわゆる2液型、あるいはポリイソシアネートの1液型反応性接着剤が好ましい。
一般的な反応性接着剤で使用されるポリイソシアネート組成物は、主成分としてポリイソシアネート化合物を含有する組成物であり、反応性接着剤用のポリイソシアネート化合物として知られているものであれば特に限定なく使用できる。具体的なポリイソシアネート化合物の例としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の分子構造内に芳香族構造を持つポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートのイソシアネート基(NCO基)の一部をカルボジイミドで変性した化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3-(イソシアナートメチル)シクロヘキサン等の分子構造内に脂環式構造を持つポリイソシアネート;1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の直鎖状脂肪族ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートのNCO基の一部をカルボジイミドで変性した化合物;前記各種のポリイソシアネートのイソシアヌレート体;前記各種のポリイソシアネートに由来するアロファネート体;前記各種のポリイソシアネートに由来するビゥレット体;前記各種のポリイソシアネートをトリメチロールプロパン変性したアダクト体;前記各種のポリイソシアネートと後述のポリオール成分との反応生成物であるポリイソシアネートなどが挙げられる。
一般的な反応性接着剤で使用されるポリオール組成物は、主成分としてポリオール化合物を含有する組成物であり、反応性接着剤用のポリオール化合物として知られているものであれば特に限定なく使用できる。具体的なポリオール化合物の例としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリエチレングリコール等のグリコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能又は4官能の脂肪族アルコール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF等のビスフェノール;ダイマージオールや、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリエステル(ポリウレタン)ポリオール、ポリエーテル(ポリウレタン)ポリオール、ポリエステルアミドポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリヒドロキシルアルカン、ひまし油又はそれらの混合物から選ばれるポリマーポリオールを挙げることができる。
中でも、アルカリ溶液により溶解あるいは加水分解しやすいことから、反応性接着剤の構成成分のいずれかがエステル結合を有することが好ましく、後述する皮膜の脱離工程において短時間で容易に単層フィルムに分離させることができる。
反応性接着剤の構成成分のいずれかがエステル結合を有するとは、具体的には、エステル結合を有するポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリエステル(ポリウレタン)ポリオール、アクリルポリオール等のポリオール化合物を有するポリオール組成物や、前記エステル結合を有するポリオール化合物と、前記各種のポリイソシアネートとの反応生成物であるポリイソシアネート化合物を有するポリイソシアネート組成物のいずれかまたは両方を含有する反応性接着剤であることが挙げられる。
反応性接着剤には、顔料、シランカップリング剤、チタネート系カップチング剤、アルミニウム系等のカップリング剤、エポキシ樹脂等の接着促進剤、レベリング剤、コロイド状シリカ、アルミナゾルなどの無機微粒子、ポリメチルメタクリレート系の有機微粒子、消泡剤、タレ性防止剤、湿潤分散剤、粘性調整剤、紫外線吸収剤、金属不活性化剤、過酸化物分解剤、難燃剤、補強剤、可塑剤、潤滑剤、防錆剤、蛍光性増白剤、無機系熱線吸収剤、防炎剤、帯電防止剤、脱水剤などの添加剤が使用されている場合もある。
また、反応性接着剤には、希釈用の溶解性の高い有機溶剤で希釈されたドライラミネート用接着剤や、希釈用の有機溶剤を殆ど含まない無溶剤型ラミネート接着剤、希釈剤が水である水性接着剤等があるが、いずれも使用することができる。
積層体中の基材A、印刷層(白)、印刷層(カラー)、プライマー層、接着剤層、ニス層、樹脂C層、又は基材Bは、それぞれバリア層を介していても良い。バリア層としては無機蒸着層やバリアコート層が挙げられ、それらを単独又は複数組み合わせて使用しても良い。
無機蒸着層は、酸素ガス、水蒸気ガスの透過を防ぐガスバリア性を有する層であり、無機物または無機酸化物からなる蒸着層である。無機物または無機酸化物としてはアルミニウム、アルミナ、シリカ等が挙げられ、これらは1種または2種以上を併用することができる。無機蒸着層は2層以上設けられていてもよい。無機蒸着層が2層以上設けられている場合、それぞれは同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
バリアコート層は無機蒸着層を保護し、酸素、水蒸気等のガスバリア性を高めることができる。このようなガスバリアコート層は、例えば金属アルコキシドと水溶性高分子との混合物を、ゾルゲル法触媒、水や有機溶剤等の溶媒の存在下でゾルゲル法により重縮合して得られる金属アルコキシドの加水分解物、金属アルコキシドの加水分解重縮合物等の樹脂組成物から形成される。
(基材Aからの皮膜の脱離方法)
本発明は、印刷物又は積層体に対して、アルカリ溶液処理により皮膜を基材Aから脱離して、リサイクル基材Aを製造することができる。
また本発明は、印刷物と基材Bとを接着剤層等を介して皮膜を内側に配置する形で積層した積層体に対して、アルカリ溶液処理により皮膜とともに基材Bを脱離して、リサイクル基材Aを製造することができる。
脱離工程としては、印刷物又は積層体を、20~90℃の加熱撹拌または超音波振動させながらアルカリ溶液に浸漬する工程を有する。加熱撹拌及び超音波振動は同時に行ってもよい。加熱温度としては30℃以上が好ましく、40℃以上が好ましく、50℃以上が好ましく、60℃以上が好ましく、加熱撹拌と超音波振動を同時に行うことがより好ましい。
脱離工程において使用するアルカリ溶液は、限定されるわけではないが、pH9以上が好ましく、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、炭酸水素カリウム水溶液、炭酸二水素ナトリウム水溶液、炭酸二水素カリウム水溶液等が好ましい。水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、炭酸水素カリウム水溶液、炭酸二水素ナトリウム水溶液、炭酸二水素カリウム水溶液等は0.5質量%~10質量%の濃度の水溶液が好ましく、1質量%~5質量%の濃度の水溶液がより好ましい。
また、アルカリ溶液は、水溶性有機溶剤を含有していてもよい。
水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(セロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メチルカルビトール)、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(カルビトール)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(ジエチルカルビトール)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、メチレンジメチルエーテル(メチラール)、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、ジアセトンアルコール、アセトニルアセトン、アセチルアセトン、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート(メチルセロソルブアセテート)、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート(メチルカルビトールアセテート)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(カルビトールアセテート)、エチルヒドロキシイソブチレートおよび乳酸エチルなどを例示することができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
アルカリ溶液における水溶性有機溶剤の含有割合としては、0.1質量%~20質量%が好ましく、1質量%~10質量%がより好ましい。
また、アルカリ溶液は、非水溶性有機溶剤を含有していてもよい。
非水溶性有機溶剤の具体例としては、n-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、オクタノールなどのアルコール系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、ノルマルパラフィンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン、アルキルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶剤、塩化メチレン、1-クロロブタン、2-クロロブタン、3-クロロブタン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、エチルエーテル、ブチルエーテルなどのエーテル系溶剤を例示することができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、アルカリ溶液は、界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤としては各種のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、これらの中では、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤又は両性界面活性剤が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられ、これらの具体例として、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩などを挙げることができる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルアルカノールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、等を挙げることができ、これらの中では、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマーが好ましい。
その他の界面活性剤として、ポリシロキサンオキシエチレン付加物のようなシリコーン系界面活性剤;パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテルのようなフッ素系界面活性剤;スピクリスポール酸、ラムノリピド、リゾレシチンのようなバイオサーファクタント等も使用することができる。
これらの界面活性剤は、単独で用いることもでき、又2種類以上を混合して用いることもできる。界面活性剤を添加する場合は、その添加量はアルカリ溶液全量に対し0.001~2質量%の範囲が好ましく、0.001~1.5質量%であることがより好ましく、0.01~1質量%の範囲であることがさらに好ましい。
アルカリ溶液を、20~90℃の加熱または超音波振動させた状態で、例えば処理槽中で、対象とする印刷物又は積層体を浸漬させる。加熱方法としては特に限定なく、熱線、赤外線、マイクロ波等による公知の加熱方法が採用できる。また超音波振動は、例えば処理槽に超音波振動子を取り付け前記温水またはアルカリ溶液に超音波振動を付与する方法等が採用できる。
また浸漬時には、アルカリ溶液は撹拌されていることが好ましい。撹拌方法としては、例えば、処理槽内に収容した印刷物又は積層体の分散液を、撹拌羽根により機械的撹拌する方法、水流ポンプにより水流撹拌する方法、窒素ガス等の不活性ガス等によるバブリング方法などが挙げられ、効率的に剥離させるためにこれらを併用しても良い。
印刷物又は積層体をアルカリ溶液に浸漬する時間は、印刷物の構成にもよるが、一般的には2分~48時間の範囲であることが多い。なお本発明においては、印刷物における皮膜が基材から100%完全に脱離する必要はないが、皮膜100質量%のうち、60質量%以上脱離することが好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましい。
脱離工程において、アルカリ溶液に浸漬する回数は、1回でも数回に分けて行ってもよい。即ち、浸漬回数を1回行ったのち、分離したフィルム基材を回収する工程を行ってもよいし、浸漬回数を数回行ったのちフィルム基材を回収する工程を行ってもよい。また脱離工程において複数回、浸漬を行う場合は、アルカリ溶液の濃度を変更してもよい。また脱離工程中に、水洗や乾燥等、公知の工程を適宜加えてもよい。
本発明の皮膜形成用組成物は、健康や環境を害する溶剤の含有量を一定以下に抑え、かつ汎用的なプラスチック基材に対する特性は従来の皮膜形成用材料と変わりなく維持したまま、さらに、特定のウレタン樹脂を含有していることで、アルカリ溶液処理により容易に脱離でき、かつプラスチック基材から皮膜層を容易に取り除くことができることに加え、基材への密着性に優れる皮膜層を形成することができる。
以下に、本発明の内容および効果を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるわけではない。なお下記に示す「部」及び「%」は、いずれも質量基準によるものとする。
<分子量測定方法>
尚、本発明におけるGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による重量平均分子量及び数平均分子量(ポリスチレン換算)の測定は東ソー(株)社製HLC8220システムを用い以下の条件で行った。
分離カラム:東ソー(株)製TSKgelGMHHR-Nを4本使用。
カラム温度:40℃。
移動層:和光純薬工業(株)製テトラヒドロフラン。
流速:1.0ml/分。
試料濃度:1.0%。
試料注入量:100マイクロリットル。
検出器:示差屈折計。
<粘度測定方法>
粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定した。
<水酸基価測定方法>
水酸基価はJIS K 0070-1992に準拠して測定した。
<酸価測定方法>
酸価はJIS K 0070-1992に準拠して測定した。
(合成例1)ポリウレタン(ウレタン樹脂)1の合成
攪拌機、温度計、環流冷却器及び窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、2-メチル-1,3-プロパンジオールとアジピン酸を原料とするポリエステルポリオール(水酸基価:56mgKOH/g) 80.0部、ポリエチレングリコール(水酸基価:277mgKOH/g) 20.0部、及びイソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略す。) 25.4部を仕込み、窒素気流下に90℃で20時間反応させ、ウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル 83.6部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液(ウレタンプレポリマー溶液)とした。
次いで、酢酸エチル 110.1部、イソプロピルアルコール 104.9部、イソホロンジアミン(以下、IPDAと略す。) 2.7部、及びジエタノールアミン(以下、DEAと略す。) 0.3部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間攪拌反応させて、ポリウレタン1を含有するポリウレタン樹脂溶液1を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液1の特性値は、以下の通りであった。
・樹脂固形分水酸基価:20.2mgKOH/g
・樹脂固形分酸価:0.0mgKOH/g
・樹脂固形分の数平均分子量:48,300
・樹脂固形分の重量平均分子量:82,900
・樹脂固形分アミン価:0.40mgKOH/g
・樹脂固形分濃度:30.3質量%
(合成例2)ポリウレタン2の合成
攪拌機、温度計、環流冷却器及び窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、2-メチル-1,3-プロパンジオールと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとネオペンチルグリコールとアジピン酸を原料とするポリエステルポリオール(水酸基価:22mgKOH/g) 100.0部、及びIPDI 9.2部を仕込み、窒素気流下に100℃で10時間反応させ、ウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル 72.8部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液(ウレタンプレポリマー溶液)とした。
次いで、酢酸エチル 96.6部、イソプロピルアルコール 91.2部、2-(2-アミノエチルアミノ)エタノール(以下、AEEAと略す。) 2.2部、及びDEA 0.3部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間攪拌反応させて、ポリウレタン2を含有するポリウレタン樹脂溶液2を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液2の特性値は、以下の通りであった。
・樹脂固形分水酸基価:20.8mgKOH/g
・樹脂固形分酸価:0.0mgKOH/g
・樹脂固形分の数平均分子量:58,600
・樹脂固形分の重量平均分子量:106,700
・樹脂固形分アミン価:0.30mgKOH/g
・樹脂固形分濃度:29.5質量%
(合成例3)ポリウレタン3の合成
攪拌機、温度計、環流冷却器及び窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、ネオペンチルグリコールとプロピレングリコールとアジピン酸を原料とするポリエステルポリオール(水酸基価:29mgKOH/g) 100.0部、ポリエチレングリコール(水酸基価:112mgKOH/g) 5.4部、及びIPDI 16.8部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、ウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル 210.5部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液(ウレタンプレポリマー溶液)とした。
次いで、イソプロピルアルコール 74.5部を前記ウレタンプレポリマー溶液に加えて均一溶液とした後、IPDA 6.5部及びイソプロピルアルコール 15.2部の混合溶液を添加し、40℃で5時間撹拌反応させた。その後、モノエタノールアミン(以下、MEAと略す。) 0.2部及びイソプロピルアルコール 0.5部の混合溶液を添加し、40℃で2時間撹拌反応させてポリウレタン3を含有するポリウレタン樹脂溶液3を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液3の特性値は、以下の通りであった。
・樹脂固形分水酸基価:1.5mgKOH/g
・樹脂固形分酸価:0.0mgKOH/g
・樹脂固形分の数平均分子量:15,300
・樹脂固形分の重量平均分子量:55,600
・樹脂固形分アミン価:0.00mgKOH/g
・樹脂固形分濃度:30.3質量%
(合成例4)ポリウレタン4の合成
攪拌機、温度計、環流冷却器及び窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、ネオペンチルグリコールとプロピレングリコールとアジピン酸を原料とするポリエステルポリオール(水酸基価:29mgKOH/g) 100.0部、ポリエチレングリコール(水酸基価:112mgKOH/g) 5.4部、及びIPDI 16.8部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、ウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル 210.5部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液(ウレタンプレポリマー溶液)とした。
次いで、イソプロピルアルコール 74.6部を前記ウレタンプレポリマー溶液に加えて均一溶液とした後、IPDA 6.1部、AEEA 0.3部、及びイソプロピルアルコール 14.9部の混合溶液を添加し、40℃で5時間撹拌反応させた。その後、MEA 0.3部及びイソプロピルアルコール 0.7部の混合溶液を添加し、40℃で2時間撹拌反応させてポリウレタン4を含有するポリウレタン樹脂溶液4を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液4の特性は、以下の通りであった。
・樹脂固形分水酸基価:2.9mgKOH/g
・樹脂固形分酸価:0.0mgKOH/g
・樹脂固形分の数平均分子量:15,300
・樹脂固形分の重量平均分子量:55,600
・樹脂固形分アミン価:0.00mgKOH/g
・樹脂固形分濃度:30.3質量%
(合成例5)ポリウレタン5の合成
攪拌機、温度計、環流冷却器及び窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、ネオペンチルグリコールとプロピレングリコールとアジピン酸を原料とするポリエステルポリオール(水酸基価:29mgKOH/g) 100.0部、ポリエチレングリコール(水酸基価:112mgKOH/g) 5.4部、及びIPDI 16.8部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、ウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル 210.5部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液(ウレタンプレポリマー溶液)とした。
次いで、イソプロピルアルコール 75.3部を前記ウレタンプレポリマー溶液に加えて均一溶液とした後、IPDA 5.3部、AEEA 0.8部、及びイソプロピルアルコール 14.2部の混合溶液を添加し、40℃で5時間撹拌反応させた。その後、MEA 0.3部及びイソプロピルアルコール 0.7部の混合溶液を添加し、40℃で2時間撹拌反応させてポリウレタン5を含有するポリウレタン樹脂溶液5を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液5の特性は、以下の通りであった。
・樹脂固形分水酸基価:5.0mgKOH/g
・樹脂固形分酸価:0.0mgKOH/g
・樹脂固形分の数平均分子量:15,300
・樹脂固形分の重量平均分子量:55,600
・樹脂固形分アミン価:0.00mgKOH/g
・樹脂固形分濃度:30.3質量%
(合成例6)ポリウレタン6の合成
攪拌機、温度計、環流冷却器及び窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、ネオペンチルグリコールとプロピレングリコールとアジピン酸を原料とするポリエステルポリオール(水酸基価:29mgKOH/g) 100.0部、ポリエチレングリコール(水酸基価:112mgKOH/g) 5.4部、及びIPDI 16.8部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、ウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル 210.5部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液(ウレタンプレポリマー溶液)とした。
次いで、イソプロピルアルコール 80.2部を前記ウレタンプレポリマー溶液に加えて均一溶液とした後、AEEA 4.0部及びイソプロピルアルコール 9.3部の混合溶液を添加し、40℃で5時間撹拌反応させた。その後、MEA 0.3部及びイソプロピルアルコール 0.7部の混合溶液を添加し、40℃で2時間撹拌反応させてポリウレタン6を含有するポリウレタン樹脂溶液6を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液6の特性は、以下の通りであった。
・樹脂固形分水酸基価:18.8mgKOH/g
・樹脂固形分酸価:0.0mgKOH/g
・樹脂固形分の数平均分子量:15,300
・樹脂固形分の重量平均分子量:55,600
・樹脂固形分アミン価:0.00mgKOH/g
・樹脂固形分濃度:30.3質量%
(合成例7)ポリウレタン7の合成
攪拌機、温度計、環流冷却器及び窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、ネオペンチルグリコールとプロピレングリコールとアジピン酸を原料とするポリエステルポリオール(水酸基価:29mgKOH/g) 100.0部、ポリエチレングリコール(水酸基価:112mgKOH/g) 5.4部、及びIPDI 22.7部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、ウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル 221.0部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液(ウレタンプレポリマー溶液)とした。
次いで、イソプロピルアルコール 77.7部を前記ウレタンプレポリマー溶液に加えて均一溶液とした後、AEEA 7.0部及びイソプロピルアルコール 16.3部の混合溶液を添加し、40℃で5時間撹拌反応させた。その後、MEA 0.3部及びイソプロピルアルコール 0.7部の混合溶液を添加し、40℃で2時間撹拌反応させてポリウレタン7を含有するポリウレタン樹脂溶液7を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液7の特性は、以下の通りであった。
・樹脂固形分水酸基価:29.6mgKOH/g
・樹脂固形分酸価:0.0mgKOH/g
・樹脂固形分の数平均分子量:60,000
・樹脂固形分の重量平均分子量:120,000
・樹脂固形分アミン価:0.00mgKOH/g
・樹脂固形分濃度:30.3質量%
(合成例8)ポリウレタン8の合成
攪拌機、温度計、環流冷却器及び窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、ネオペンチルグリコールとプロピレングリコールとアジピン酸を原料とするポリエステルポリオール(水酸基価:29mgKOH/g) 100.0部、ポリエチレングリコール(水酸基価:112mgKOH/g) 5.4部、ジメチロールブタン酸(以下、DMBAと略) 2.7部、及びIPDI 21.4部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、ウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル 217.3部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液(ウレタンプレポリマー溶液)とした。
次いで、イソプロピルアルコール 79.3部を前記ウレタンプレポリマー溶液に加えて均一溶液とした後、IPDA 6.9部とイソプロピルアルコール 16.1部の混合溶液を添加し、40℃で5時間撹拌反応させた。その後、MEA 0.3部とイソプロピルアルコール 0.7部の混合溶液を添加し、40℃で2時間撹拌反応させてポリウレタン8を含有するポリウレタン樹脂溶液8を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液8の特性値は、以下の通りであった。
・樹脂固形分水酸基価:1.7mgKOH/g
・樹脂固形分酸価:9.4mgKOH/g
・樹脂固形分の数平均分子量:15,300
・樹脂固形分の重量平均分子量:55,600
・樹脂固形分アミン価:0.00mgKOH/g
・樹脂固形分濃度:30.3質量%
(合成例9)ポリウレタン9の合成
攪拌機、温度計、環流冷却器及び窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、ネオペンチルグリコールとプロピレングリコールとアジピン酸を原料とするポリエステルポリオール(水酸基価:29mgKOH/g) 100.0部、ポリエチレングリコール(水酸基価:112mgKOH/g) 5.4部、DMBA 2.7部、及びIPDI 21.4部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、ウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル 217.3部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液(ウレタンプレポリマー溶液)とした。
次いで、イソプロピルアルコール 79.5部を前記ウレタンプレポリマー溶液に加えて均一溶液とした後、IPDA 6.5部、AEEA 0.3部、及びイソプロピルアルコール 15.9部の混合溶液を添加し、40℃で5時間撹拌反応させた。その後、MEA 0.3部とイソプロピルアルコール 0.7部の混合溶液を添加し、40℃で2時間撹拌反応させてポリウレタン9を含有するポリウレタン樹脂溶液9を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液9の特性値は、以下の通りであった。
・樹脂固形分水酸基価:2.7mgKOH/g
・樹脂固形分酸価:9.4mgKOH/g
・樹脂固形分の数平均分子量:15,300
・樹脂固形分の重量平均分子量:55,600
・樹脂固形分アミン価:0.00mgKOH/g
・樹脂固形分濃度:30.3質量%
(合成例10)ポリウレタン10の合成
攪拌機、温度計、環流冷却器及び窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、ネオペンチルグリコールとプロピレングリコールとアジピン酸を原料とするポリエステルポリオール(水酸基価:29mgKOH/g) 100.0部、ポリエチレングリコール(水酸基価:112mgKOH/g) 5.4部、DMBA 2.7部、及びIPDI 21.4部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、ウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル 217.3部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液(ウレタンプレポリマー溶液)とした。
次いで、イソプロピルアルコール 80.5部を前記ウレタンプレポリマー溶液に加えて均一溶液とした後、IPDA 5.6部、AEEA 0.8部、及びイソプロピルアルコール 14.9部の混合溶液を添加し、40℃で5時間撹拌反応させた。その後、MEA 0.3部とイソプロピルアルコール 0.7部の混合溶液を添加し、40℃で2時間撹拌反応させてポリウレタン10を含有するポリウレタン樹脂溶液10を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液10の特性値は、以下の通りであった。
・樹脂固形分水酸基価:4.8mgKOH/g
・樹脂固形分酸価:9.4mgKOH/g
・樹脂固形分の数平均分子量:15,300
・樹脂固形分の重量平均分子量:55,600
・樹脂固形分アミン価:0.00mgKOH/g
・樹脂固形分濃度:30.3質量%
(合成例11)ポリウレタン11の合成
攪拌機、温度計、環流冷却器及び窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、ネオペンチルグリコールとプロピレングリコールとアジピン酸を原料とするポリエステルポリオール(水酸基価:29mgKOH/g) 100.0部、ポリエチレングリコール(水酸基価:112mgKOH/g) 5.4部、DMBA 2.7部、及びIPDI 21.4部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、ウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル 217.3部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液(ウレタンプレポリマー溶液)とした。
次いで、イソプロピルアルコール 95.4部を前記ウレタンプレポリマー溶液に加えて均一溶液とした後、AEEA 4.2部とイソプロピルアルコール 9.8部の混合溶液を添加し、40℃で5時間撹拌反応させた。その後、MEA 0.3部とイソプロピルアルコール 0.7部の混合溶液を添加し、40℃で2時間撹拌反応させて、ポリウレタン11を含有するポリウレタン樹脂溶液11を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液11の特性値は、以下の通りであった。
・樹脂固形分水酸基価:15.7mgKOH/g
・樹脂固形分酸価:9.4mgKOH/g
・樹脂固形分の数平均分子量:15,300
・樹脂固形分の重量平均分子量:55,600
・樹脂固形分アミン価:0.00mgKOH/g
・樹脂固形分濃度:30.3質量%
(合成例12)ポリウレタン12の合成
攪拌機、温度計、環流冷却器及び窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、ネオペンチルグリコールとプロピレングリコールとアジピン酸を原料とするポリエステルポリオール(水酸基価:29mgKOH/g) 100.0部、ポリエチレングリコール(水酸基価:112mgKOH/g) 5.4部、DMBA 2.7部、及びIPDI 27.7部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、ウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル 234.2部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液(ウレタンプレポリマー溶液)とした。
次いで、イソプロピルアルコール 83.1部を前記ウレタンプレポリマー溶液に加えて均一溶液とした後、AEEA 7.4部とイソプロピルアルコール 17.3部の混合溶液を添加し、40℃で5時間撹拌反応させた。その後、MEA 0.3部とイソプロピルアルコール 0.7部の混合溶液を添加し、40℃で2時間撹拌反応させてポリウレタン12を含有するポリウレタン樹脂溶液12を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液10の特性値は、以下の通りであった。
・樹脂固形分水酸基価:29.5mgKOH/g
・樹脂固形分酸価:9.5mgKOH/g
・樹脂固形分の数平均分子量:60,000
・樹脂固形分の重量平均分子量:120,000
・樹脂固形分アミン価:0.00mgKOH/g
・樹脂固形分濃度:30.3質量%
(合成例13)ポリウレタン13の合成
攪拌機、温度計、環流冷却器及び窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、3-メチル-1,5-ペンタンジオールとアジピン酸を原料とするポリエステルポリオール(水酸基価:55mgKOH/g) 100.0部、DMBA 6.7部、及びIPDI 38.1部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、ウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル 243.9部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液(ウレタンプレポリマー溶液)とした。
次いで、イソプロピルアルコール 109.0部を前記ウレタンプレポリマー溶液に加えて均一溶液とした後、AEEA 6.2部とイソプロピルアルコール 14.5部の混合溶液を添加し、40℃で5時間撹拌反応させた。その後、MEA 0.2部とイソプロピルアルコール 0.7部の混合溶液を添加し、40℃で2時間撹拌反応させて、ポリウレタン13を含有するポリウレタン樹脂溶液13を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液13の特性値は、以下の通りであった。
・樹脂固形分水酸基価:17.9mgKOH/g
・樹脂固形分酸価:18.2mgKOH/g
・樹脂固形分の数平均分子量:10,100
・樹脂固形分の重量平均分子量:30,300
・樹脂固形分アミン価:0.00mgKOH/g
・樹脂固形分濃度:30.3質量%
(合成例14)ポリウレタン14の合成
攪拌機、温度計、環流冷却器及び窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、2-メチル-1,3-プロパンジオールとアジピン酸を原料とするポリエステルポリオール(水酸基価:56mgKOH/g) 80.0部、ポリエチレングリコール(水酸基価:277mgKOH/g) 20.0部、及びIPDI 25.4部を仕込み、窒素気流下に90℃で20時間反応させ、ウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル 83.6部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液(ウレタンプレポリマー溶液)とした。
次いで、酢酸エチル 113.3部、イソプロピルアルコール 106.0部、及びIPDA 4.9部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間攪拌反応させて、ポリウレタン14を含有するポリウレタン樹脂溶液14を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液14の特性値は、以下の通りであった。
・樹脂固形分水酸基価:0.0mgKOH/g
・樹脂固形分酸価:0.0mgKOH/g
・樹脂固形分の数平均分子量:48,600
・樹脂固形分の重量平均分子量:88,000
・樹脂固形分アミン価:2.10mgKOH/g
・樹脂固形分濃度:30.2質量%
(合成例15)ポリウレタン15の合成
攪拌機、温度計、環流冷却器及び窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、2-メチル-1,3-プロパンジオールと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとネオペンチルグリコールとアジピン酸を原料とするポリエステルポリオール(水酸基価:22mgKOH/g) 100.0部、及びIPDI 9.2部を仕込み、窒素気流下に100℃で10時間反応させ、ウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル 72.8部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液(ウレタンプレポリマー溶液)とした。
次いで、酢酸エチル 99.1部、イソプロピルアルコール 92.6部、及びIPDA 4.2部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間攪拌反応させて、ポリウレタン15を含有するポリウレタン樹脂溶液15を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液15の特性値は、以下の通りであった。
・樹脂固形分水酸基価:0.0mgKOH/g
・樹脂固形分酸価:0.0mgKOH/g
・樹脂固形分の数平均分子量:52,700
・樹脂固形分の重量平均分子量:95,400
・樹脂固形分アミン価:2.40mgKOH/g
・樹脂固形分濃度:29.7質量%
合成例1~合成例15で得られたポリウレタンの特性を表1~表3にまとめた。
(実施例1)
N-プロピルアセテート(酢酸ノルマルプロピル) 40部、酢酸エチル 10部、藍顔料 11部、 塩酢ビ樹脂(塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂) 3部、イソプロピルアルコール 6部、分散剤 1部、及び合成例1で調製したポリウレタン樹脂溶液1 29部を混合し、混合物を得た。
得られた混合物100部に対して、ザーンカップ#3(離合社製)で15秒程度(25℃)となるように、42%のIPA/EtAc混合溶剤(イソプロピルアルコール/酢酸エチル=50/50(部/部))を加え、皮膜形成用組成物を調製した。
調製した皮膜形成用組成物を以下の評価に供した。結果を表4に示す。
<評価項目1:粘度安定性>
得られた皮膜形成用組成物を、密封容器に入れ、25℃環境下で24時間静置した。24時間放置後の皮膜形成用組成物の粘度をザーンカップ#3で測定し、以下の評価基準で評価した。
[評価基準]
3: 24時間静置後に著しい粘度増粘が認められない。
2: 24時間静置後に著しい粘度上昇が認められるが、撹拌することで元の粘度に戻る。
1: 24時間静置後に著しい粘度上昇が認められ、再撹拌後も粘度上昇が認められる。
<評価項目2:基材密着性>
調製した皮膜形成用組成物を、バーコーター#4を用いて、基材Aに、縦240mm×横80mmのベタ絵柄を印刷後、ドライヤーで乾燥し印刷層1を形成し、下記構成1の印刷物を得た。
<<印刷物の構成>>
・構成1:基材A-印刷層1
基材A:コロナ処理ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製 エステルE5100 厚さ12μm)(PET)
得られた印刷物を、直ぐに又は24時間放置後、印刷面にセロハンテープ(ニチバン製12mm幅)5cmを貼り付け、セロハンテープの一端を印刷面に対して直角方向に素早く引き剥がした時の印刷皮膜の残存率を、面積比率を基準に外観を目視判定した。
[評価基準]
5:印刷皮膜が全く剥がれない。
4:印刷皮膜の80%以上がフィルムに残った。
3:印刷皮膜の50%以上~80%未満がフィルムに残った。
2:印刷皮膜の50%未満がフィルムに残った。
1:セロハンテープを貼り付ける際に、フィルムからセロハンテープに印刷皮膜が剥離してしまう。
<評価項目3:剥離性>
調製した皮膜形成用組成物を、バーコーター#4を用いて、基材Aに、縦240mm×横80mmのベタ絵柄を印刷後、ドライヤーで乾燥し印刷層1を形成し、下記構成1の印刷物を得た。
<<印刷物の構成>>
・構成1:基材A-印刷層1
基材A:コロナ処理ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製 エステルE5100 厚さ12μm)(PET)
<<アルカリ溶液>>
下記各条件で剥離試験を実施し、各条件下における剥離のしやすさを比較した。
・水酸化ナトリウム1質量%、界面活性剤0.3%、85℃
・水酸化ナトリウム1質量%、界面活性剤なし、85℃
ここで、界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤を用いた。
<<剥離試験条件>>
剥離試験は、各条件での処理時間を15分として評価を行った。なお処理5分以内に剥離すればかなり高い性能であることを示す。
印刷物を20mm×20mmのサイズにカットした試験片を溶液に浸漬してスターラーで撹拌した。撹拌後に剥離状態を確認した後、指で印刷物を擦り、擦ることで塗膜が剥離するかも確認した。
上記の条件におけるインキ塗膜の剥離性を下記評価基準に従い評価した。
[評価基準]
5: 5分以内の撹拌でインキ塗膜の脱離を確認。擦ると完全に脱離
4: 15分の撹拌でインキ塗膜の脱離を確認。擦ると完全に脱離
3: 15分の撹拌でインキ塗膜の脱離を未確認。擦ると完全に脱離
2: 15分の撹拌でインキ塗膜の脱離を未確認。擦ると部分的に脱離
1: 15分の撹拌でインキ塗膜の脱離を未確認。擦っても脱離を未確認
(実施例2~16、及び比較例1~5)
実施例1において、皮膜形成用組成物の配合を、下記表4~表7に記載の配合に変更した以外は、実施例1と同様にして、皮膜形成用組成物を調製した。
調製した皮膜形成用組成物について、実施例1と同様に、評価を行った。結果を表4~表7に示す。
皮膜形成用組成物の配合、及び評価結果を、下記表4~表7に示す。
以上より、本発明の皮膜形成用組成物を使用すれば、アルカリ溶液での処理によって容易に脱離でき、かつプラスチック基材から皮膜層を容易に取り除くことができる皮膜を形成することができるとともに、基材への密着性に優れる皮膜を形成することができる。

Claims (13)

  1. アルカリ溶液での処理により脱離する皮膜を基材Aの表面に直接又は他の層を介して形成するための脱離可能な皮膜形成用組成物であって、
    水酸基価を有し、重量平均分子量が45,000以上かつ数平均分子量が10,000以上であるウレタン樹脂を含有する、皮膜形成用組成物。
  2. 前記ウレタン樹脂の酸価が、15.0mgKOH/g未満である、請求項1に記載の皮膜形成用組成物。
  3. 前記水酸基価が、1.0mgKOH/g~30.0mgKOH/gである、請求項1に記載の皮膜形成用組成物。
  4. 前記ウレタン樹脂が、構成成分として、ポリエステルポリオール、及びポリエーテルポリオールの少なくともいずれかを含む、請求項1に記載の皮膜形成用組成物。
  5. 着色剤を含有する、請求項1に記載の皮膜形成用組成物。
  6. 印刷インキとして用いられる、請求項5に記載の皮膜形成用組成物。
  7. 前記印刷インキが、有機溶剤系インキである、請求項6に記載の皮膜形成用組成物。
  8. プライマー、又はニスとして用いられる、請求項1に記載の皮膜形成用組成物。
  9. 基材Aの表面に直接又は他の層を介して、請求項1から8のいずれかに記載の皮膜形成用組成物からなる皮膜を有する印刷物。
  10. 前記皮膜が、印刷層、プライマー層、及びニス層から選ばれる少なくとも一つである、請求項9に記載の印刷物。
  11. 請求項10に記載の印刷物に対して、前記印刷層の前記基材Aが配置されている面とは反対側の面に、基材Bを配置し、前記印刷物と前記基材Bとを積層してなる積層体。
  12. 請求項10に記載の印刷物に対して、アルカリ溶液で処理することにより前記皮膜を基材Aから脱離して得られるリサイクル基材Aの製造方法。
  13. 請求項11に記載の積層体に対して、アルカリ溶液で処理することにより前記皮膜とともに基材Bを脱離して得られるリサイクル基材Aの製造方法。
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