JP7354828B2 - 包装材、及びリサイクル基材製造方法 - Google Patents
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Description
上記(2)は、バリアコート剤等の機能性コーティング剤でポリオレフィンの弱点をカバーする技術が開発されつつあるが、レトルト適性や遮光性など従来のプラスチック基材と比較して性能的に劣るため、ポリオレフィンへの置き換えは容易ではない。さらに、ポリオレフィン基材間のインキ、機能性コーティング剤及び接着剤等は、ポリオレフィンをリサイクルする上で不純物となる課題もある
例えば引用文献1では、プラスチック基材上にアクリル系樹脂やスチレンマレイン酸系樹脂からなる下塗り層を設け、下塗り層上に配置された印刷層を塩基性水溶液により除去する技術が開示されている。また、特許文献2では酸性基を有するポリウレタン樹脂やアクリル樹脂をバインダー樹脂とするインキを表刷り印刷し、同じく塩基性水溶液により当該印刷層を除去する技術が開示されている。しかしながら、これらはパッケージ外側の表刷りインキを除去するのみの技術であって、ラミネート積層体中のインキ層を除去し、基材同士を剥離させるまでには至っていない。
第2の基材と、第2の基材を脱離させて第2の基材をリサイクルするための第2の脱離層と、を備えた包装材であって、
前記第1の脱離層は、第1の脱離層形成組成物(A)から形成され、
前記第2の脱離層は、第2の脱離層形成組成物(B)から形成され、
前記第1の脱離層形成組成物(A)が、樹脂(a)と溶剤とを含み、前記樹脂(a)の酸価が、15mgKOH/g以上であり、
前記第2の脱離層形成組成物(B)は、アルミニウム、酸化アルミニウムおよびシリカからなる群より選ばれる無機物質を少なくとも一種含み、かつ、前記無機物質は、第2の脱離層形成組成物(B)総量の10重量%以上である、包装材に関する。
前記塩基性水溶液は、塩基性化合物を塩基性水溶液全体の0.5~10質量%含み、かつ浸漬時の塩基性水溶液の水温は30~120℃である、リサイクル基材製造方法に関する。
第2の基材と、第2の基材を脱離させて第2の基材をリサイクルするための第2の脱離層(以下、無機層ともいう)とを備えること特徴とする。
本発明において「脱離」とは、脱離層が塩基性水溶液により中和若しくは溶解し剥離することにより、第1の基材及び第2の基材が、包装材から脱離することを指し、
・ 脱離層が溶解して基材が脱離する場合、(2)脱離層が溶解しなくとも、中和・膨潤等により剥離し、基材が脱離する場合、の両方の形態を含む。
この場合、第1の脱離層の脱離挙動と、第2の脱離層の脱離挙動は異なっていてもよい。
すなわち、例えば、第1の基材が剥離するまでの時間と、第2の基材が剥離するまでの時間は、同じであっても、異なっていてもよい。
なお、本発明の包装材において、基材のリサイクルに支障のない範囲で、第1の基材の外側(第1の脱離層とは反対側)に層があってもよいし、第2の基材の外側(第2の脱離層とは反対側)に層があってもよい。
また、第1の脱離層と第2の脱離層とは同一組成であってもよい。また、第1の脱離層と第2の脱離層は、一体となっていてもよい。
また、第1の脱離層と第2の脱離層との間に層があってもよい。この場合、両方の基材が剥離していれば、剥離後、第1の脱離層と第2の脱離層とが層を介して一体となっていてもよい。
また、基材1または基材2の外側、あるいは、基材1と基材2との間に、リサイクルすべき第3の基材があってもよい。
本発明の包装材の、具体的な層構成の詳細については後述する。
以下に本発明について詳細に説明するが、これらは本発明の実施態様の一例であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。
本発明における第1の脱離層は、第1の脱離層形成組成物(A)から形成され、第1の基材と接触する形で配置され、塩基性水溶液を用いた溶解・剥離等により第1の基材を脱離するための層である。
以下、第1の脱離層とは別に印刷層(絵柄層あるいはベタ層ともいう)が存在しうる場合は、第1の脱離層をプライマー層ということがある。
もちろん、第1の脱離層自体が、印刷層であってもよい。また、第1の脱離層形成組成物(A)を、プライマー組成物ということがある。
前記樹脂(a)は、第1の脱離層を構成する樹脂成分総量のうち60質量%以上、より好ましくは、80重量%以上含有することが好ましい。
第1の脱離層は、バインダー樹脂として、樹脂(a)を含む。
樹脂(a)は、塩基性水溶液と接触して、第1の基材を脱離させるために、塩基性水溶液と作用する樹脂(a)であることが好ましい。塩基性水溶液中で脱離させるため樹脂(a)の酸価は、5mgKOH/g以上であり、好ましく15mgKOH/g以上、さらに好ましくは20mgKOH/g以上、より好ましくは25mgKOH/g以上であることが好ましい。また、塩基性水溶液に対して分解しやすいエステル構造を有する樹脂を含むことも好ましい。あるいは、塩基性水溶液に対して膨潤しやすい樹脂を含むことも好ましい。
また、樹脂(a)の水酸基価は、好ましくは1~250mgKOH/gであり、より好ましくは10~45mgKOH/gである。1mgKOH/g以上であると、塩基性水溶液による脱離性が良好となるため好ましく、250mgKOH/g以下であると、基材密着性が良好となるため好ましい。
水酸基価及び酸価は、いずれもJISK0070に従って測定した値である。
樹脂(a)の樹脂骨格としては、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂あるいは塩化ビニル-アクリル系共重合樹脂等の塩化ビニル樹脂、ロジン系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、スチレン樹脂、スチレン-マレイン酸共重合樹脂、スチレン-アクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ダンマル樹脂、アルキッド樹脂、テルペン樹脂、フェノール変性テルペン樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、ポリアセタール樹脂、石油樹脂、アミノ樹脂、ポリ乳酸、及びこれらの変性樹脂を挙げることができる。これらの樹脂は、単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
中でも、第1の脱離層は、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン樹脂及びスチレン-マレイン酸共重合樹脂からなる群から選ばれる少なくも1種の樹脂を含むことが好ましい。
ウレタン樹脂の酸価は、好ましくは15mgKOH/g以上であり、より好ましくは15~70mgKOH/gであり、さらに好ましくは20~50mgKOH/gである。15mgKOH/g以上であると、塩基性水溶液中で樹脂の分子量が低下しやすく、塩基性水溶液による脱離性が良好となるため好ましく、70mgKOH/g以下であると、基材密着性や耐レトルト性が良好となるため好ましい。
ウレタン樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、6以下であることが好ましい。Mwは重量平均分子量を表し、Mnは数平均分子量を表す。分子量分布が6以下である場合、過剰な高分子量成分及び、未反応成分、副反応成分その他の低分子量成分に起因する影響を回避することができ、脱離性、第1の脱離層形成組成物(A)の乾燥性、耐レトルト適性が良好となる。
Mw、Mn及び分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)により求めたポリスチレン換算値である。
分子量分布と酸価が、上記範囲内であると、塩基性水溶液による脱離性だけでなく、第1の脱離層形成組成物(A)の乾燥性、基材密着性、耐レトルト性も良好となるため好ましい。
ポリオールは、一つの分子内に少なくとも二つの水酸基を有する化合物の総称であり、後述のヒドロキシ酸を含まないものである。
ポリオールの数平均分子量は、好ましくは500~10,000であり、より好ましくは1,000~5,000である。ここでいう数平均分子量とは、ポリオールの水酸基価から算出されるものであり、当該水酸基価はJISK0070による測定値をいう。ポリオールの数平均分子量が500以上であると、第1の脱離層の柔軟性に優れ、第1の基材への密着性が向上する。数平均分子量が10,000以下であると、第1の脱離層形成後、巻取り工程がある場合、第1の基材に対する耐ブロッキング性に優れる。
本発明におけるウレタン樹脂は、ポリエステルポリオール、及びポリカーボネートポリオールからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリオール由来の構成単位を含むことがより好ましく、塩基性水溶液中で分子量が低下しやすいため脱離性が向上する。
ポリオール由来の構成単位の含有量は、ウレタン樹脂全量に対して、好ましくは10~75質量%、より好ましくは15~70質量%、さらに好ましくは20~65質量%である。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、二塩基酸とジオールとの縮合物からなるポリエステルポリオール;環状エステル化合物の開環重合物であるポリラクトンポリオールからなるポリエステルポリオール;が挙げられ、ポリエステルジオールが好ましい。ポリエステルポリオールは単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
二塩基酸としては、アジピン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸、グルタル酸、1、4-シクロヘキシルジカルボン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸等が挙げられ、中でもアジピン酸又はコハク酸が好ましい。
分岐構造を有するジオールとして好ましくは、アルキレングリコールの少なくとも1つの水素原子がアルキル基で置換された構造を有するジオールであり、例えば、1,2-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,5-ヘキサンジオール、2-メチル-1,4-ペンタンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジオールが挙げられる。中でも好ましくは、1,2-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、及び2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、1,2-プロパンジオール又は3-メチル-1,5-ペンタンジオールが好適に用いられる。
上記環状エステル化合物としては、α-アセトラクトン、β-プロピオラクトン、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン等が好適に挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、脂肪族ポリカーボネートポリオールを含むものが好ましい。ポリカーボネートポリオールの数平均分子量は、好ましくは500~5,000であり、より好ましくは800~4,000、さらに好ましくは1,000~3,000である。
このような液状のポリカーボネートポリオールとしては、例えば、脂肪族ジオール成分として、炭素数が奇数且つ直鎖構造を有するアルキレングリコールと、炭素数が偶数且つ直鎖構造を有するアルキレングリコール(直鎖状ジオール)と、を用いた脂肪族ポリカーボネートジオール、又は、アルキル置換基を有するアルキレングリコール(分岐状ジオール)を用いた脂肪族ポリカーボネートポリオール等が好適に挙げられる。
3級炭素を有する分岐ジオールとしては、例えば、1,2-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールが挙げられ、好ましくは3-メチル-1,5-ペンタンジオールである。
より好ましくは、直鎖状ジオールと3級炭素を有する分岐ジオールとを併用するものであり、1,6-ヘキサンジオールと3-メチル-1,5-ペンタンジオールとを用いた脂肪族ポリカーボネートポリオールが特に好ましい。
脂肪族ポリカーボネートポリオール総質量中の質量比(直鎖状ジオール:3級炭素を有する分岐ジオール)は、好ましくは70:30~5:95、より好ましくは50:50~10:90である。
本発明におけるヒドロキシ酸は、活性水素基である水酸基及び酸性官能基の両方を一分子中に有する化合物を指す。
該酸性官能基とは、酸価を測定する際に、水酸化カリウムで中和されうる官能基を示し、具体的にはカルボキシル基やスルホン酸基等が挙げられ、好ましくはカルボキシル基である。当該酸性基がイソシアネート基と反応する確率は低いため、水酸基含有ウレタン樹脂とした場合にも酸価を保持することができる。
ヒドロキシ酸は特に制限されず、例えば、2,2-ジメチロールプロピオン酸、2,2-ジメチロールブタン酸、2,2-ジメチロール吉草酸のようなジメチロールアルカン酸が好適に用いられる。これらは単独又は2種以上を混合して用いることができる。
前記ポリイソシアネートは特に制限されず、特に制限されず、従来公知のポリイソシアネートから選択することができ、例えば、脂肪族ポリイソシアネート又は芳香族ポリイソシアネートが挙げられる。これらは単独又は2種以上を併用してもよい。
アネート、芳香脂肪族ジイソシアネート又はこれらの誘導体を用いることができる。
例えば、1,5-ナフチレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4、4’-ジベンジルイソシアネート、ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、p-キシリレンジイソシアネート、o-キシリレンジイソシアネート及び2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネートのような芳香族ジイソシアネート;
メチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、1,2-ブチレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、2,4,4-又は2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6-ジイソシアネートメチルカプロエート等の脂肪族ジイソシアネート;
1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4′-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、m-テトラメチルキシリレンジイソシアネートやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;
1,3-又は1,4-キシリレンジイソシアネート若しくはその混合物、ω,ω′-ジイソシアネート-1,4-ジエチルベンゼン、1,3-又は1,4-ビス(1-イソシアネート-1-メチルエチル)ベンゼン若しくはその混合物等の芳香脂肪族ジイソシアネート;
上記ジイソシアネートから誘導された、アロファネート型、ヌレート型、ビウレット型、アダクト型の誘導体、2官能型プレポリマー、若しくはその複合体等のポリイソシアネート;等が挙げられる。
用いることができる。
芳香族ジイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、又は上記ジイソシアネートから誘導された、アロファネート型、ヌレート
型、ビウレット型、アダクト型の誘導体、2官能型プレポリマー、若しくはその複合体等
が挙げられる。
本発明におけるポリアミンは特に制限されず、好ましくはジアミン化合物である。
ジアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジアミン、さらにダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミンが挙げられる。これらは単独又は2種以上を混合して用いることができる。
より好ましくは、2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の水酸基を有するジアミンである。水酸基を有するジアミンを使用することで、水酸基を一定量未反応で残存することができ、ウレタン樹脂に水酸基価を導入することができる。
水酸基含有ウレタン樹脂を含む場合は、水酸基含有ウレタン樹脂と、脱離層形成組成物中の該その他樹脂との質量比(水酸基含有ウレタン樹脂:脱離層形成組成物中の該その他樹脂)は、好ましくは95:5~50:50である。上記範囲内であると、塩基性水溶液中において、第1の脱離層と共に印刷層が剥離した際に、印刷層が薄膜の状態で剥離され、回収が容易となるため好ましい。
前述のとおり、ウレタン樹脂としてより好ましくは、ポリオール、ヒドロキシ酸及びポリイソシアネートを反応させてなる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーに、さらに、ポリアミンを反応させて鎖延長した樹脂である。この場合、ポリオール、ヒドロキシ酸及びポリイソシアネートの反応(以下ウレタン化工程という)において、ポリイソシアネートと、ポリオール及びヒドロキシ酸と、の官能基モル比(NCO/OH)は、好ましくは1.05~3.0であり、より好ましくは1.1~2.8である。また、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基とポリアミンのアミノ基との官能基モル比(アミノ基/NCO)は、好ましくは0.7~1.3である。
ウレタン結合数及びウレア結合数を該当範囲に設定することで、脱離及び基材密着性が良好となるため好ましい。
式(1): ウレタン結合数(mmol/g)=総水酸基モル数(mmol)/固形分総質量(g)
式(2): ウレタン結合数(mmol/g)=総イソシアネート基モル数(mmol)/固形分総質量(g)
式(1)及び(2)において、総水酸基モル数は、ウレタン化工程に用いられるポリオール及びヒドロキシ酸等が有する水酸基の総モル数を表し、固形分総質量は、ポリウレタン樹脂の不揮発成分の総質量を表し、総イソシアネート基モル数は、ポリイソシアネートが有するイソシアネート基の総モル数を表す。
ウレア結合数は、ウレア化反応工程において、(アミノ基モル数/NCOモル数)>1の場合は下記式(3)で表される値であり(アミノ基モル数/NCOモル数)≦1の場合は下記式(4)で表される値である。
式(3): ウレア結合数(mmol/g)=[総イソシアネート基モル数(mmol)-総水酸基モル数(mmol)]/固形分総質量(g)
式(4): ウレア結合数(mmol/g)=総アミノ基モル数(mmol)/固形分総質量(g)
式(3)及び(4)において、総イソシアネート基モル数は、ウレタン化工程に用いられるポリイソシアネートが有するイソシアネート基の総モル数を表し、総水酸基モル数は、ウレタン化工程に用いられるポリオール及びヒドロキシ酸等が有する水酸基の総モル数を表し、総アミノ基モル数は、ウレア化反応工程に用いられるポリアミンが有する1級及び/又は2級のアミノ基の総モル数を表し、固形分総質量は、ポリウレタン樹脂の不揮発成分の総質量を表す。
アクリル樹脂は、(メタ)アクリルモノマーを重合してなる樹脂である。アクリル樹脂を単独バインダー樹脂として用いる場合は、当該アクリル樹脂がカルボキシル基を有する必要であり、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、などのカルボキシル基を有する(メタ)アクリルモノマーを含むモノマーを重合したアクリル樹脂であることが好ましい。
あるいは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの官能基を有する(メタ)アクリルモノマーを含むモノマーを重合し、重合後当該官能基に、カルボキシル基を有しかつ当該官能基と反応する化合物(無水マレイン酸など)を反応させて、アクリル樹脂にカルボキシル基を有させることもできる。
カルボキシル基を有する(メタ)アクリルモノマー以外のモノマーとしては、
メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリルモノマー;
マレイン酸、無水マレイン酸、スチレン、酢酸ビニル、ブタジエン、アクリロニトリルなどのビニルモノマーなどが挙げられる。
アクリル樹脂を単独バインダー樹脂として用いる場合の、アクリル樹脂の酸価は、50以上、好ましくは100以上である。
アクリル樹脂は、中和反応を行って、水性樹脂として用いても構わない。水性樹脂は、エマルジョン形態であっても、溶解形態であってもよい。
セルロース樹脂としては例えば、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシアルキルセルロース、およびカルボキシアルキルセルロース等が挙げられる。セルロース樹脂に任意で含まれるアルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、およびヘキシル基等が挙げられる。アルキル基は置換基を有していてもよい。中でも、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、およびニトロセルロースが好ましい。重量平均分子量は5,000~1,000,000であることが好ましく、10,000~200,000であることが更に好ましい。
第1の脱離層は、さらに、樹脂以外のその他成分を含有してもよい。
第1の脱離層は、被膜強度向上、光学的性質の改善、及び脱離層形成組成物の流動性向上の観点から、体質顔料を含有することが好ましい。
体質顔料としては、シリカ、硫酸バリウム、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の金属酸化物が挙げられる。中でも好ましくはシリカであり、より好ましくは親水性シリカである。
体質顔料の平均粒子径は、好ましくは0.5~10μmであり、より好ましくは1~8μmである。体質顔料の含有量は、第1の脱離層中に0.5~10質量%であることが好ましく、より好ましくは1~5質量%である。平均粒子径及び体質顔料の含有量が、上記範囲内であると、印刷層の濡れ性が向上し画質が向上するため好ましい。
さらに、公知の添加剤を添加してもよい。公知の添加剤としては、分散剤、湿潤剤、接着補助剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、粘度調整剤、硬化剤、金属キレート、トラッピング剤、ブロッキング防止剤、上記以外のワックス成分、シランカップリング剤等が挙げられる。
その他成分は、あらかじめ、樹脂(a)に配合されていてもよいし、樹脂(a)を配合する際に添加してもよい。
第1の脱離層形成組成物(A)は、少なくとも樹脂(a)を溶剤中に溶解及び/又は分散することにより製造することができ、必要に応じて、前述のその他成分を含有してもよい。
溶剤としては、水;トルエン、キシレンのような芳香族系有機溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチルのようなエステル系有機溶剤;メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノールのようなアルコール系有機溶剤;エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールエーテル系溶剤;など公知の有機溶剤が挙げられ、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
第1の脱離層形成組成物(A)の粘度は、印刷工程において適切な印刷適性が得られるため、好ましくは20~500mPa・sであり、より好ましくは30~300mPa・sである。第1の脱離層形成組成物(A)の粘度は、樹脂(a)の含有量や、後述のその他成分の含有量等によって適宜調整することができる。
第1の脱離層は、第1の基材上に、第1の脱離層形成組成物(A)を、公知の印刷装置あるいは塗布装置で層形成することができる。第1の脱離層形成組成物(A)の粘度は、使用する印刷装置あるいは塗布装置に依存し、前記有機溶剤等で調整できる。
第1の基材は、リサイクル可能な基材であり、包装材に一般的に用いられるフィルム上又はシート状のプラスチック基材が挙げられ、これらが積層された積層体であってもよい。
プラスチック基材としては、例えば、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂のフィルムが挙げられ、好ましくは熱可塑性樹脂のフィルムである。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、アセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、繊維素系プラスチックが挙げられる。
プラスチックフィルムの厚さは、好ましくは5μm以上200μm以下、より好ましくは10μm以上100μm以下、さらに好ましくは10μm以上50μm以下である。
無機蒸着層を有するプラスチック基材の市販品としては、例えば、プラスチック基材上に、アルミナ等の無機蒸着層が積層された、「GL FILM」(凸版印刷社製)や、IB-FILM(大日本印刷社製)等が挙げられる。なお、アルミニウムやアルミナは、塩基性水溶液への溶解性を有するため、後述の脱離工程において溶解し、プラスチック基材のみをリサイクルすることが可能である。
第1の基材は、必要に応じて帯電防止剤、紫外線防止剤等の添加剤を含有してもよく、基材表面が、コロナ処理又は低温プラズマ処理されていてもよい。
本発明における印刷層は、第1の脱離層が印刷層を兼ねる場合以外は、第1の脱離層の第1の基材と反対の側に、第1の脱離層に接して設けられた層であり、装飾、美感の付与、内容物、賞味期限、製造者又は販売者の表示等を目的とした、任意の印刷模様を形成する層であり、ベタ印刷層も含む。印刷層は、例えば、第1の脱離層と第2の脱離層との間に設けることができ、第1の脱離層の全面に設けてもよく、あるいは一部に設けてもよい。
印刷層は、従来公知の顔料や染料を用いて形成することができ、顔料や染料を含む印刷インキを用いて形成してもよく、その形成方法は特に限定されない。印刷層は、単層あるいは複数の層から形成されていてもよい。
各印刷層の厚さは、好ましくは0.1μm以上100μm以下、より好ましくは0.1μm以上10μm以下、さらに好ましくは1μm以上5μm以下である。
本発明で用いられる印刷層を含む包装材は、2cm×2cmに切り出したものを70℃の2質量%水酸化ナトリウム水溶液50mlに2時間浸漬させた後の水溶液の可視光領域中(400~760nm)最大吸収波長における透過率が、75%以上であることが好ましい。当該透過率を下げる大きな要因は、印刷層に含まれるインキの顔料が、水酸化ナトリウム水溶液に溶出することによる。包装材をリサイクルした基材は、一般的に着色する場合があり、着色を問題としない用途に使われることが多いが、着色していないリサイクル基材が得られれば、その用途の幅を広がることが期待される。リサイクル基材が着色するかしないかの指標である、当該透過率の規定を満たすことは意義がある。
顔料が、当該透過率の規定を満たすためには、当該顔料がアルカリ耐性を有することが、必要となる。顔料のアルカリ耐性は、概ね顔料骨格・構造で推定できる。アルカリ水溶液に溶解する染料由来のものや、アルカリ水溶液で分解するものは、アルカリ耐性を有しないといえる。
さらに、顔料そのものは、アルカリ耐性を有していても、顔料に含まれる副成分が、透過率を下げることもあり、この場合も着色を問題とする用途においては、好ましくない。
例えば、アルカリ耐性のある顔料としては、無機顔料、P.B.15、P.Y.83等が挙げられる。
<第2の基材>
本発明の包装材は、第1の基材を下側とした場合、第2の基材が包装材の最も上側に位置する形態であるが、必要に応じて、第2の基材のさらに上側に保護層などが設けられてもよい。
第2の基材は、例えば、上述の第1の基材で挙げた基材、又は、シーラント基材が挙げられ、これらが積層された積層体であってもよい。第2の基材として好ましくはシーラント基材であり、ポリオレフィンを含むものである。第2の基材は、シリカ、アルミナ等の蒸着膜を有していてもよい。
シーラント基材としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン、酸変性ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン(CPP)、酸変性ポリプロピレン、共重合ポリプロピレン、エチレン-ビニルアセテート共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、アイオノマーが挙げられる。
リサイクル性の観点から、第2の基材は、第1の基材低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンや高密度ポリエチレン等のポリエチレン、酸変性ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、酸変性ポリプロピレン、共重合ポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましい。
レトルト耐性の観点では、好ましくはポリプロピレンであり、ヒートシール性の観点では、好ましくは無延伸ポリプロピレンである。
第2の基材を積層する方法は特に限定されず、例えば、第1の基材、第1の脱離層及び印刷層を有する積層フィルムの印刷面と、無機層(第2の脱離層)を有する第2の基材とを、ラミネート接着剤を用いて貼り合わせる方法等が挙げられる。
・第1の基材/第1の脱離層/第2の脱離層/第2の基材
・第1の基材(積層体)/第1の脱離層/印刷層/第2の脱離層/第2の基材
・第1の基材/第1の脱離層/印刷層/第2の脱離層/第2の基材
・第1の基材/第1の脱離層/印刷層/第2の脱離層/第2の基材(積層体)
本発明における第2の脱離層は、第2の脱離層形成組成物(B)から形成され、第2の基材と接触する形で配置され、塩基性水溶液を用いた溶解・剥離等により第2の基材を脱離するための層である。
第2の脱離層形成組成物(B)は、アルミニウム、酸化アルミニウムおよびシリカからなる群より選ばれる無機物質を少なくとも一種含み、かつ、前記無機物質は、第2の脱離層形成組成物(B)総量の10重量%以上である。
当該無機物質を含有する形態としては、第2の脱離層はアルミニウム、酸化アルミニウムおよびシリカからなる群より選ばれる少なくとも一種の無機物質の蒸着層を有する層、
またはアルミニウム、酸化アルミニウムおよびシリカからなる群より選ばれる少なくとも一種の無機物質およびバインダー樹脂を含有する層であることが好ましい。
なお、脱離層形成組成物(B)は、蒸着膜の場合は、無機物質1種のみからなるものであってもよい。
第2の脱離層は、蒸着層であることが好ましい。蒸着層は、アルミニウム、酸化アルミニウムおよびシリカからなる群より選ばれる少なくとも一種の無機物質から構成され、従来公知の方法により形成することができ、その組成および形成方法は特に限定されない。蒸着層は非結晶性(アモルファス)の層からなることが好ましい。また、可視光透過性の観点から酸化アルミニウムおよび/またはシリカであることが好ましい。遮光性を示す形態とするためにはアルミニウムであることが好ましい。ただし、蒸着の際、アルミニウム、酸化アルミニウムおよびシリカ以外の元素もしくは化合物を存在することを排除しない。
第2の脱離層は蒸着層を2層以上有してもよい。蒸着層を2層以上有する場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。なお、包装材が、蒸着層を有する場合、塩基性水溶液を用いて脱離を行う前は、酸素および/または水蒸気バリア層としても機能する。
上記蒸着層の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、およびイオンプレ-ティング法等の物理気相成長法(PhysicalVaporDeposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、および光化学気相成長法等の化学気相成長法(ChemicalVaporDeposition法、CVD法)等を好適に挙げることができる。
当該蒸着層を有するプラスチック基材の市販品としては、例えば、第1の基材上に、アルミナ等の蒸着層が積層された、「GL FILM」(凸版印刷社製)や、IB-FILM(大日本印刷社製)等が挙げられる。
第2の脱離層はアルミニウム、酸化アルミニウムおよびシリカからなる群より選ばれる少なくとも一種の無機物質およびバインダー樹脂を含有する層である場合も好ましい。膜厚としては1~10μmであることが好ましく、1~6μmであることが好ましい。
また、バインダー樹脂と無機物質との質量比(バインダー樹脂/無機物質)は、90/10~20/80であることが好ましい。
無機物質とバインダー樹脂を含む層に含まれるアルミニウムは、当該層全体の80質量%以上であることが好ましい。また、当該層に含まれる酸化アルミニウムは、当該層全体の10質量%以上であることが好ましい。また、当該層に含まれるシリカは、当該層全体の10質量%以上であることが好ましい。
前述した印刷層が、アルミニウム、酸化アルミニウムおよびシリカを含むことを排除しないが、印刷層に含まれるアルミニウム、酸化アルミニウムおよびシリカの量は、第2の脱離層よりも少ない。
無機物質とバインダー樹脂を含む層に用いられるバインダー樹脂は、上記易接着層の場合と同様の種類である樹脂が好適に挙げられ、水性樹脂であってもよいし、有機溶剤に可溶な樹脂であってもよい。例えば、ポリウレタン樹脂層、アクリル樹脂層、ポリエステル樹脂およびポリビニルアルコールから選ばれる樹脂であることが好ましい。これらは、複数種組み合わせて使用してもよい。
上記有機溶剤としてはイソプロピルアルコール(IPA)、エタノールおよびノルマルプロパノールその他のアルコール系有機溶剤、酢酸エチル、酢酸ノルマルプロピルその他のエステル系有機溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンその他のケトン系有機溶剤、並びに、トルエン、キシレンその他の芳香族有機溶剤などが好適に挙げられる。二種以上の混合溶剤として使用することが好ましい。
無機物質、バインダー樹脂および有機溶剤からなる組成物は、アルミニウム、酸化アルミニウムおよびシリカからなる群より選ばれる少なくとも一種の無機物質並びにバインダー樹脂を有機溶剤液中に溶解および/または分散することにより製造することができる。例えば、酸化アルミニウム粒子およびポリウレタン樹脂有機溶剤中に分散させておき、無機物質分散体に、ポリウレタン樹脂、必要に応じて有機溶剤、その他樹脂や添加剤などを配合することによりかかる組成物を製造することができる。また、組成物の粘度等は分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、金属粒子分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度などを適宜調節することにより、調整することができる。分散機としては一般に使用される、例えばローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。サンドミルその他のビーズミルを用いて製造することが好ましい。
無機物質、バインダー樹脂および有機溶剤からなる組成物は、添加剤として従来公知のものを適宜含むことができ、例えば顔料誘導体、分散剤、湿潤剤、接着補助剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、粘度調整剤、金属キレート、トラッピング剤、ブロッキング防止剤、ワックス成分などを使用することができる。
本発明の包装材は、単独で、袋状、筒状などに加工して用いることができるが、他の包装材と組み合わせて、包装容器として用いることができる。
当該包装容器は、少なくとも一部が、前記包装材で形成されているものであるから、前記包装材部分から、基材がリサイクルできる包装容器が得られる。
本発明の包装材および前記包装容器の種類及び用途は、特に限定されるものではないが、例えば、食品容器、洗剤容器、化粧品容器、医薬品容器等に好適に用いることができる。包装容器の形状としては限定されず、内容物に応じた形状に成形することができ、パウチ等に好適に用いられる。
本発明のリサイクル基材製造方法は、
少なくとも、第1の基材、第1の基材を脱離するための第1の脱離層、第2の基材、第2の基材を脱離するための第2の脱離層を備える包装材を、塩基性水溶液に浸漬する工程により、第1の基材および第2の基材が、包装材より脱離し、第1の基材および第2の基材をリサイクルすることができる。
塩基性水溶液は、塩基性化合物を塩基性水溶液全体の0.5~20質量%含むことが好ましく、より好ましくは1~15質量%、特に好ましくは3~10質量%含む。濃度が上記範囲内にあることで、塩基性水溶液は、それぞれの脱離層を溶解又は膨潤により剥離させて、それぞれの基材を脱離させるのに充分な塩基性を保持することができる。
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定を行い、ポリスチレンを標準物質に用いた換算分子量として求めた。測定条件を以下に示す。
GPC装置:昭和電工社製 Shodex GPC-104
カラム:下記カラムを直列に連結して使用した。
昭和電工社製 Shodex LF-404 2本
昭和電工社製 Shodex LF-G
検出器:RI(示差屈折計)
測定条件:カラム温度40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:0.3mL/分
酸価および水酸基価は、JISK0070(1992)に記載の方法に従って測定した。
[合成例1](油性ポリウレタン樹脂P1)
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、及び温度計を備えた反応器中で窒素ガスを導入しながら、PPBS(1,3-プロパンジオールとブチルエチルプロパンジオールとコハク酸のモル比が2/1/3の重縮合物からなる、数平均分子量2,000のポリエステルポリオール)147.9部、PPG(ポリプロピレングリコールからなる、数平均分子量2,000のポリエーテルポリオール)14.8部、DMPA(2,2-ジメチロールプロパン酸)25.2部、IPDI(イソホロンジイソシアネート)96.8部、NPAC(酢酸ノルマルプロピル)200部を仕込み、90℃で5時間反応させて、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー溶液を得た。
次いで、AEA(2-(2-アミノエチルアミノ)エタノール)15.4部、IPA(イソプロピルアルコール)350部を混合したものを、室温で60分間かけて滴下した後、70℃で3時間反応させて、油性ポリウレタン樹脂溶液を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液に、NPACを加えて固形分を調整し、固形分濃度30%、質量平均分子量28,000、Mw/Mn=3.2、酸価35.1mgKOH/g、水酸基価27.7mgKOH/gの油性ポリウレタン樹脂P1の溶液を得た。
表1に記載の原料及び仕込み量を用いた以外は合成例1と同様の手法により、油性ポリウレタン樹脂P2~P6の溶液を得た。Mw、酸価等の樹脂性状については表1に示した。
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、及び温度計を備えた反応器中で窒素ガスを導入しながら、PPA(プロピレングリコールとアジピン酸の重縮合物からなる、数平均分子量2,000のポリエステルポリオール)を109.5部、PEG(ポリエチレングリコールからなる、数平均分子量2,000のポリエーテルポリオール)を41.1部、DMPAを36.7部、IPDIを103.5部、NPACを200部仕込み、90℃で5時間反応させて、末端にイソシアネート基を有するプレポリマー溶液を得た。
次いで、AEAを9.3部、IPA150部を混合したものを、室温で60分間かけて滴下した後、28%アンモニア水10.0部及びイオン交換水690部を徐々に添加して、樹脂中のカルボキシル基を中和することにより水溶化した。
次いで、NPAC及びIPAを減圧留去して、固形分濃度30%、質量平均分子量34,000、Mw/Mn=3.4、酸価51.2mgKOH/g、水酸基価16.6mgKOH/gの水性ポリウレタン樹脂P7の水溶液を得た。但しP7における酸価は中和前の値である。
表1に記載の原料及び仕込み量を用いた以外は合成例7と同様の手法により、水性ポリウレタン樹脂P8の溶液を得た。Mw、酸価等の樹脂性状については表1に示した。
・ PPBS:1,3-プロパンジオールとブチルエチルプロパンジオールとコハク酸のモル比が2/1/3の重縮合物からなる、数平均分子量2,000のポリエステルポリオール
・ PPA:プロピレングリコールとアジピン酸の重縮合物からなる、数平均分子量2,000のポリエステルポリオール
・ PMPA:3-メチル-1,5-ペンタンジオールとアジピン酸の重縮合物からなる、数平均分子量2,000のポリエステルポリオール
・ PC:3-メチル-1,5-ペンタンジオールと1,6-ヘキサンジオールと炭酸ジメチルのモル比が9/1/10の重縮合物からなる、数平均分子量2,000のポリカーボネートポリオール
・ PPG:ポリプロピレングリコールからなる、数平均分子量2,000のポリエーテルポリオール
・ PEG:ポリエチレングリコールからなる、数平均分子量2,000のポリエーテルポリオール
・ DMPA:2,2-ジメチロールプロパン酸
・ IPDI:イソホロンジイソシアネート
・ NPAC:酢酸ノルマルプロピル
・ AEA:2-(2-アミノエチルアミノ)エタノール
・ IPA:イソプロピルアルコール
なお、上記合成例2~合成例8は、表1に記載のMw及びMw/Mnとなるように、滴下量、滴下速度、温度調節及び撹拌速度等の合成条件を調整した。
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、及び温度計を備えた反応器中で窒素ガスを導入しながら、ベンジルメタクリレート65部、アクリル酸30部、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル5部、酢酸エチル(EA)40部、イソプロパノール(IPA)40部を仕込み、90℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1部とEAを15部加えて4時間重合反応を行い、さらにAIBNを0.1部とEAを3部加えて2時間反応させて、油性アクリル樹脂溶液を得た。
得られた油性アクリル樹脂溶液にIPAを加えて固形分調整を調整し、固形分濃度30%、質量平均分子量28,000、酸価234mgKOH/g、 水酸基価22mgKOH/gの油性アクリル樹脂溶液P9を得た。
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、及び温度計を備えた反応器中で窒素ガスを導入しながら、メタクリル酸ブチル40部、メタクリル酸10部、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル50部、EAを40部、IPAを40部仕込み、90℃まで昇温してAIBNを1部とEAを15部加えて4時間重合反応を行い、さらにAIBNを0.1部とEAを3部加えて2時間反応させて、油性アクリル樹脂溶液を得た。
得られた油性アクリル樹脂溶液にIPAを加えて固形分調整を調整し、固形分濃度30%、質量平均分子量30,000、酸価65mgKOH/g、 水酸基価216mgKOH/gの油性アクリル樹脂溶液P10を得た。
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、及び温度計を備えた反応器中で窒素ガスを導入しながら、スチレン84部、アクリル酸8部、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル8部、EAを40部、IPAを40部仕込み、90℃まで昇温してAIBNを1部とEAを15部加えて4時間重合反応を行い、さらにAIBNを0.1部とEAを3部加えて2時間反応させて、油性アクリル樹脂溶液を得た。
得られた油性アクリル樹脂溶液にIPAを加えて固形分調整を調整し、固形分濃度30%、質量平均分子量29,000、酸価62mgKOH/g、 水酸基価35mgKOH/gの油性アクリル樹脂溶液P11を得た。
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、及び温度計を備えた反応器中で窒素ガスを導入しながら、スチレン40部、メタクリル酸35部、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル15部、アクリル酸ブチル10部、メチルエチルケトン(MEK)40部、IPAを40部仕込み、90℃まで昇温してAIBNを1部とMEKを15部加えて4時間重合反応を行い、さらにAIBNを0.1部とMEKを3部加えて2時間反応させた。その後、28%アンモニア水25部及びイオン交換水200部を徐々に添加して、樹脂中のカルボキシル基を中和することにより水溶化した。
次いで、MEK及びIPAを減圧留去して、イオン交換水を加えて固形分調整を調整し、固形分濃度30%、質量平均分子量32,000、酸価228mgKOH/g、 水酸基価65mgKOH/gの水性アクリル樹脂溶液P12を得た。但しP12における酸価は中和前の値である。
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、及び温度計を備えた反応器中で窒素ガスを導入しながら、イオン交換水40部と界面活性剤としてアデカリアソープSR-10(株式会社ADEKA製)0.2部とを仕込み、別途、スチレン42部、アクリル酸8部、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル10部、2-エチルヘキシルアクリレート40部、SR-10を1.8部、イオン交換水53部をあらかじめ混合しておいたプレエマルジョンのうちの1%をさらに加えた。内温を70℃に昇温し十分に窒素置換した後、過硫酸カリウムの5%水溶液10部の10%を添加し重合を開始した。反応系内を70℃で5分間保持した後、内温を70℃に保ちながらプレエマルジョンの残りと過硫酸カリウムの5%水溶液の残りを3時間かけて滴下し、さらに2時間攪拌を継続した。その後、温度を30℃まで冷却し、pH8.5となるよう18%アンモニア水で調整し、水性アクリル樹脂エマルジョンを得た。
得られた水性アクリル樹脂エマルジョンにイオン交換水を加えて固形分調整を調整し、固形分濃度30%、質量平均分子量35,000、酸価62mgKOH/g、 水酸基価43mgKOH/gの水性アクリル樹脂エマルジョンP13を得た。但しP13における酸価は中和前の値である。
[製造例1](脱離インキS1)
ポリウレタン樹脂P1溶液87部、EA酢(酸エチル)5部、IPA5部、シリカ粒子(水澤化学社製P-73:平均粒子径3.8μmの親水性シリカ粒子)3部を、ディスパーを用いて撹拌混合して、脱離インキS1を得た。
表2に示した原料及び配合比率を使用した以外は、製造例1と同様の手法により、脱離インキS2~S20、SS1を得た。
銅フタロシアニン藍(トーヨーカラー社製 フタロシアニン LIONOL BLUE FG-7358-G)10部、ポリウレタン樹脂(P2)40部、EA3部、IPA3部を撹拌混合し、更にサンドミルで20分顔料分散した後、更にポリウレタン樹脂溶液(P2)40部、EA2部、IPA2部を攪拌混合し、藍色脱離インキ(S21)を得た。なお、表2に示した各成分については合計の値を示した。
表2に示した原料及び配合比率を使用した以外は、製造例21と同様の手法により、脱離インキS22を得た。
・ P14樹脂:マレイン化ロジン水溶液(荒川化学 マルキードNo.32、固形分30重量%、酸価130mgKOH/g)
・ PP1樹脂:塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂(塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール=88/1/11(質量比)、固形分濃度30%、酸価0mgKOH/g)
・ 硬化剤A:HDI2官能プレポリマー(旭化成 デュラネートD101 酢酸エチルにて固形分50重量%に希釈した溶液)
・ 硬化剤B:HDI-TMPアダクト(旭化成 デュラネートP301-75E 酢酸エチルにて固形分50重量%に希釈した溶液)
・ 硬化剤C:HDIビウレット(旭化成 デュラネート22A-75E 酢酸エチルにて固形分50重量%に希釈した溶液)
・ 硬化剤D:HDIヌレート(旭化成 デュラネートTPA100 酢酸エチルにて固形分50重量%に希釈した溶液)
・ 硬化剤E:XDI-TMPアダクト(三井化学 タケネートD110NB 酢酸エチルにて固形分50重量%に希釈した溶液)
・ シリカ粒子:水澤化学社製 P-73(平均粒子径3.8μmの親水性シリカ粒子)
・ ポリエチレン粒子:三井化学社製 ハイワックス220P(Mw2,000 低分子ポリエチレンワックス)
・ 硫酸バリウム:堺化学工業社製 バリエースB30(平均粒子径0.3μm)
・ 銅フタロシアニン:トーヨーカラー社製 フタロシアニン LIONOL BLUE FG-7358-G
[製造例A](印刷インキR1)
PU(ポリウレタン樹脂溶液、荒川化学社製 KL-593:ポリエステルポリエーテル併用系ポリウレタン樹脂 固形分濃度30% 酢酸エチルとイソプロパノールの混合溶液)30部、PVC(塩化ビニル-酢酸ビニル共重樹脂溶液、日信化学社製 ソルバインTAO:固形分濃度30% 酢酸エチル溶液)10部、藍顔料(トーヨーカラー社製 LIONOL BLUE FG7330)10部、及びNPACとIPAの混合溶剤20部を撹拌混合して、サンドミルを用いて20分間分散処理を行った。その後、NPACとIPAの混合溶剤30部を撹拌混合して印刷インキR1を得た。
表3に示した原料及び配合比率を使用した以外は、製造例Aと同様の手法により、印刷インキR2~R5を得た。
・ PU:ポリウレタン樹脂溶液(荒川化学社製 KL-593:ポリエステルポリエーテル併用系ポリウレタン樹脂 固形分濃度30% 酢酸エチルとイソプロパノールの混合溶液)
・ PVC:塩化ビニル-酢酸ビニル共重樹脂溶液(日信化学社製 ソルバインTAO:固形分濃度30% 酢酸エチル溶液)
・ NC:ニトロセルロース樹脂溶液(窒素含有量11.5% Mw50,000のニトロセルロース 固形分濃度30%溶液)
・ PAM:ポリアミド樹脂溶液(ダイマー酸由来構造を有するポリアミド樹脂 固形分濃度30%溶液)
・ AC:アクリル樹脂溶液(Mw40,000、酸価60mgKOH/gのスチレン-アクリル共重合樹脂の固形分濃度30%溶液)
・ 藍顔料:トーヨーカラー社製 LIONOL BLUE FG7330
<接着剤(第1の脱離層と第2の脱離層との貼り合わせ用)の製造>
<ポリオールの製造>
(合成例1)ポリエステルポリオール(A-1)
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、エチレングリコール124部、ネオペンチルグリコール212部、1,6-ヘキサンジオール368部、イソフタル酸645部、アジピン酸36部、セバシン酸265部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら250℃まで昇温し、エステル化反応を行った。所定量の水が留出し、酸価が5以下になるまで反応を続けた後に、徐々に減圧を行って、1mmHg以下で5時間脱グリコール反応を行い、ポリエステルポリオールを得た。その後、イソホロンジイソシアネート35部を徐々に添加し、150℃で約2時間反応を行い、ポリエステルポリウレタンポリオールを得た。このポリエステルポリウレタンポリオール100部にエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートを12.0部添加し、180℃で約2時間反応させ、その後不揮発分50%になるまで酢酸エチルで希釈することで、数平均分子量9,000、酸価30.3mgKOH/gの部分酸変性ポリエステルポリオール(A-1)の溶液を得た。
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、エチレングリコール58部、ジエチレングリコール412部、ネオペンチルグリコール343部、イソフタル酸517部、アジピン酸393部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら250℃まで昇温し、エステル化反応を行った。所定量の水が留出し、酸価が5以下になるまで反応を続けた後に、徐々に減圧を行って、1mmHg以下で5時間脱グリコール反応を行い、ポリエステルポリオールを得た。このポリエステルポリオール100部に無水トリメリット酸を4.0部添加し、180℃で約2時間反応させ、その後不揮発分50%になるまで酢酸エチルで希釈することで、数平均分子量2,000、酸価23.5mgKOH/gの部分酸変性ポリエステルポリオール(A-2)の溶液を得た。
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、エチレングリコール95部、ネオペンチルグリコール632部、イソフタル酸498部、アジピン酸474部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら250℃まで昇温し、エステル化反応を行った。所定量の水が留出し、酸価が5以下になるまで反応を続けた後に、徐々に減圧を行って、1mmHg以下で5時間脱グリコール反応を行い、ポリエステルポリオールを得た。その後、イソホロンジイソシアネート4.0部を徐々に添加し、150℃で約2時間反応を行い、ポリエステルポリウレタンポリオールを得た。その後不揮発分50%になるまで酢酸エチルで希釈することで、数平均分子量12,000、酸価0.5mgKOH/gのポリエステルポリオール(A-3)の溶液を得た。
(調製例1)ポリイソシアネート(HDI誘導体)
コロネート2785(ヘキサメチレンジイソシアネートから誘導されるビウレット型ポリイソシアネート、東ソー社製)を酢酸エチルに希釈して、不揮発分50%、NCO%=9.6%に調整し、ポリイソシアネート(HDI誘導体)の溶液を得た。
(接着剤T1、T2)
上記合成例1~3で得られたポリオール溶液、及び上記調製例1で得られたポリイソシアネート溶液を、表5に示す割合(質量比)で配合し、酢酸エチルを加えて不揮発分30質量%の接着剤溶液を調整した。
以下の包装材の製造において、脱離インキ及び印刷インキの印刷には、レーザー175線/インチ 25μmベタのグラビア版を用いた。印刷速度は70m/分とした。また、脱離インキ層及び印刷層の厚みは、いずれも0.8μmとした。
脱離インキS1及び印刷インキR1を、各々、EA/IPAの混合溶剤(質量比70/30)を用いて、ザーンカップ#3、25℃で15秒になるように希釈した。
厚み20μmのOPPフィルムに対し、希釈した脱離インキS1及び印刷インキR1を、グラビア版を備えたグラビア2色印刷機を用いてこの順で印刷し、50℃で乾燥して、第1の基材層(OPP)/第1の脱離層/印刷層の構成である積層体を得た。
次いで、得られた積層体の印刷層上に、ドライラミネート機を用いて接着剤T1を乾燥後塗布量が2g/m2になるように塗布・乾燥した後、厚み25μmのVM/CPPフィルムの蒸着面と貼り合せて、第1の基材層(OPP)/第1の脱離層/印刷層/接着剤層/第2の脱離層/第2の基材層(CPP)の構成である包装材L1を得た。
表6に記載の材料を用いた以外は包装材L1と同様の手法により、包装材L2~L24、LL3を得た。
脱離インキS20を、EA/IPAの混合溶剤(質量比70/30)を用いて、ザーンカップ#3、25℃で15秒になるように希釈した。
厚み20μmのOPPフィルムに対し、希釈した脱離インキS20を、グラビア版を備えたグラビア印刷機を用いて印刷し、50℃で乾燥して、第1の基材層(OPP)/第1の脱離層の構成である積層体を得た。
次いで、得られた積層体の脱離層上に、ドライラミネート機を用いて接着剤T1を乾燥後塗布量が2g/m2になるように塗布・乾燥した後、厚み25μmのVM/CPPフィルムの蒸着面と貼り合せて、第1の基材層(OPP)/第1の脱離層/接着剤層/第2の脱離層/第2の基材層(CPP)の構成である包装材L25を得た。
表6に記載の材料を用いた以外は包装材L25と同様の手法により、包装材L26、L27を得た。
脱離インキS1及び印刷インキR1を、各々、EA/IPAの混合溶剤(質量比70/30)を用いて、ザーンカップ#3、25℃で15秒になるように希釈した。
厚み20μmのOPPフィルムに対し、希釈した脱離インキS1及び印刷インキR1を、グラビア版を備えたグラビア2色印刷機を用いてこの順で印刷し、50℃で乾燥して、第1の基材層(OPP)/第1の脱離層/印刷層の構成である積層体を得た。
次いで、得られた積層体のOPPフィルム上に、ドライラミネート機を用いて接着剤T2を乾燥後塗布量が2g/m2になるように塗布・乾燥した後、厚み25μmのVM/CPPフィルムの蒸着面と貼り合せて、印刷層/第1の脱離層/第1の基材層(OPP)/接着剤層/第2の脱離層/第2の基材層(CPP)の構成である包装材L28を得た。
脱離インキS1及び印刷インキR1を、各々、EA/IPAの混合溶剤(質量比70/30)を用いて、ザーンカップ#3、25℃で15秒になるように希釈した。
厚み20μmのOPPフィルムに対し、希釈した脱離インキS1及び印刷インキR1を、グラビア版を備えたグラビア2色印刷機を用いてこの順に印刷し、50℃で乾燥して、第1の基材層(OPP)/第1の脱離層/印刷層の構成である積層体を得た。
次いで、得られた積層体の印刷層上に、ドライラミネート機を用いて脱離接着剤T1を乾燥後塗布量が2g/m2になるように塗布・乾燥した後、厚み12μmのVM/PETフィルムの蒸着面と貼り合せた。
次いで、PET上に接着剤T1を乾燥後塗布量が2g/m2になるように塗布・乾燥した後、厚み30μmのCPPフィルムと貼り合せて、第1の基材層(OPP)/第1の脱離層/印刷層/接着剤層/第2の脱離層/第2の基材層(PET)/接着剤層/第3の基材層(CPP)の構成である包装材L29を得た。
表6に記載の材料を用いた以外は包装材L29と同様の手法により、包装材L30を得た。
脱離インキS1を、EA/IPAの混合溶剤(質量比70/30)を用いて、ザーンカップ#3、25℃で15秒になるように希釈した。
厚み20μmのOPPフィルムに対し、希釈した脱離インキS1を、グラビア版を備えたグラビア印刷機を用いて印刷し、50℃で乾燥して、第1の基材層(OPP)/第1の脱離層の構成である積層体を得た。
次いで、得られた積層体の脱離層上に、ドライラミネート機を用いて脱離接着剤T2を乾燥後塗布量が2g/m2になるように塗布・乾燥した後、厚み12μmのVM/PETフィルムの蒸着面と貼り合せた。
次いで、PET上に接着剤T2を乾燥後塗布量が2g/m2になるように塗布・乾燥した後、厚み30μmのCPPフィルムと貼り合せて、第1の基材層(OPP)/第1の脱離層/接着剤層/第2の脱離層/第2の基材層(PET)/接着剤層/第3の基材層(CPP)の構成である包装材L31を得た。
表6に記載の材料を用いた以外は包装材L31と同様の手法により、包装材L32を得た。
印刷インキR1を、EA/IPAの混合溶剤(質量比70/30)を用いて、ザーンカップ#3、25℃で15秒になるように希釈した。
厚み20μmのOPPフィルムに対し、希釈した印刷インキR1を、グラビア版を備えたグラビア印刷機を用いて印刷し、50℃で乾燥して、第1の基材層(OPP)/印刷層の構成である積層体を得た。
次いで、得られた積層体の印刷層上に、ドライラミネート機を用いて接着剤T1を乾燥後塗布量が2g/m2になるように塗布・乾燥した後、厚み30μmのCPPフィルムと貼り合せて、第1の基材層(OPP)/印刷層/接着剤層/第2の基材層(CPP)の構成である包装材LL1を得た。
脱離インキS1及び印刷インキR1を、各々、EA/IPAの混合溶剤(質量比70/30)を用いて、ザーンカップ#3、25℃で15秒になるように希釈した。
厚み20μmのOPPフィルムに対し、希釈した脱離インキS1及び印刷インキR1を、グラビア版を備えたグラビア2色印刷機を用いてこの順で印刷し、50℃で乾燥して、第1の基材層(OPP)/第1の脱離層/印刷層の構成である積層体を得た。
次いで、得られた積層体の脱離層上に、ドライラミネート機を用いて接着剤T1を乾燥後塗布量が2g/m2になるように塗布・乾燥した後、厚み30μmのCPPフィルムと貼り合せて、第1の基材層(OPP)/第1の脱離層/印刷層/接着剤層/第2の基材層(CPP)の構成である包装材LL2を得た。
得られた包装材について以下の脱離性評価を行った。結果を表6に示す。
得られた包装材を1cm×1cmの大きさに切り出したサンプル100枚と水酸化ナトリウム(以下、NaOH)の固形分濃度2%水溶液800gを1Lフラスコに入れ、70℃、回転速度200rpmで4時間撹拌した。サンプルを水洗・乾燥した後、目視で印刷層が80%以上除去されている透明なフィルムを回収し、枚数を数えた。収率は、以下計算式で求めた。
収率=回収できた透明フィルムの枚数/元の包装材を構成するプラスチック基材枚数
収率について、以下の基準で評価した。○、△は実用上問題がない範囲である。
○:収率が80%以上
△:収率が60%以上80%未満
×:収率が60%未満
得られた包装材を1cm×1cmの大きさに切り出したサンプル100枚と水酸化ナトリウム(以下、NaOH)の固形分濃度2%水溶液800gを1Lフラスコに入れ、70℃、回転速度200rpmで4時間撹拌した。サンプルを水洗・乾燥した後、印刷層の除去率については目視で確認した。得られたサンプルから透明なフィルムを回収し、フィルムの表裏5ヶ所について、FT-IRを用いて接着剤の吸収ピークの有無を確認し、接着剤の除去率を確認した。印刷層、接着剤層の除去率について、以下の基準で評価した。○、△は実用上問題がない範囲である。
○:収率が80%以上
△:収率が60%以上80%未満
×:収率が60%未満
得られた包装材を幅15mm裁断し、基材1と基材2の間の剥離強度(ラミネート強度)をインテスコ社製201万能引っ張り試験機にて測定した。
基材密着性について、以下の基準で評価した。○、△は実用上問題がない範囲である。
○:ラミネート強度が1.0N/15mm以上
△:ラミネート強度が0.5N/15mm以上1.0N/15mm未満
×:ラミネート強度が0.5N/15mm未満
・ OPP: 延伸ポリプロピレンフィルム 厚み20μm
・ VM/CPP: アルミニウムがアモルファス状に蒸着された蒸着層を有する無延伸ポリプロピレンフィルム 厚み25μm
・ CPP: 無延伸ポリプロピレンフィルム 厚み30μm
・ VM/PET: アルミニウムがアモルファス状に蒸着された蒸着層を有するポリエチレンテレフタレートフィルム 厚み12μm
Claims (6)
- 第1の基材と、第1の基材を脱離させて第1の基材を分離回収しリサイクルするための第1の脱離層と、並びに、
第2の基材と、第2の基材を脱離させて第2の基材を分離回収しリサイクルするための第2の脱離層と、を備えた包装材であって、
前記第1の脱離層は、前記第1の基材と接触する形で配置され、
前記第2の脱離層は、前記第2の基材と接触する形で配置され、
前記第1の脱離層は、第1の脱離層形成組成物(A)から形成され、
前記第2の脱離層は、第2の脱離層形成組成物(B)から形成され、
前記第1の脱離層形成組成物(A)が、樹脂(a)と溶剤とを含み、前記樹脂(a)の酸価が、15mgKOH/g以上であり、
前記第2の脱離層形成組成物(B)は、アルミニウム、酸化アルミニウムおよびシリカからなる群より選ばれる無機物質を少なくとも一種含み、かつ、前記無機物質は、第2の脱離層形成組成物(B)総量の10重量%以上である、包装材。 - 樹脂(a)の水酸基価が、1~250mgKOH/gである請求項1記載の包装材。
- 樹脂(a)の酸価が、15~70mgKOH/g、かつ、樹脂(a)の水酸基価が、1~45mgKOH/gである、請求項1または2記載の包装材。
- 樹脂(a)が、ウレタン樹脂を含む、請求項1~3いずれか記載の包装材。
- ウレタン樹脂が、ポリエステルポリオール由来の構造単位を含む、請求項4記載の包装材。
- 請求項1~5いずれかに記載の包装材を塩基性水溶液に浸漬する工程を含むリサイクル基材製造方法であって、
前記塩基性水溶液は、塩基性化合物を塩基性水溶液全体の0.5~10質量%含み、かつ浸漬時の塩基性水溶液の水温は30~120℃である、リサイクル基材製造方法。
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