JP6928767B2 - 包装材、及びリサイクル基材製造方法 - Google Patents

包装材、及びリサイクル基材製造方法 Download PDF

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Description

本発明はリサイクル可能な基材を含む包装材、およびリサイクル基材製造方法に関する。
近年、プラスチックフィルムを原料とするパッケージ、プラスチックボトルその他のプラスチック製品は海洋にゴミとして廃棄・投棄され、環境汚染問題となっている。これらのプラスチック製品は海水中で分解されてサブミクロンサイズの破片(マイクロプラスチック)となり、海水中に浮遊する。当該プラスチックを魚類などの海洋生物が摂取すれば、生物体内中で濃縮される。そうすれば当該海洋生物を食料として摂取する海鳥や人間の健康にも影響することが懸念される。このような問題を改善するためにマイクロプラスチックを減らす様々な取り組みが始まっている。
上記プラスチック製品としてはプラスチック基材を使用した食品包装パッケージ等が主として挙げられる。当該パッケージでは、フィルム基材としてポリエステル(PET)基材、ナイロン(NY)基材、ポリプロピレン(PP)基材など、種々のプラスチック基材が使用されている。これらプラスチック基材は、グラビアインキ、フレキソインキ、その他の印刷インキにより印刷層が施され、更に接着剤等を介して熱溶融樹脂基材と貼り合わされ、積層体としたのちに、当該積層体をカットして熱融着されてパッケージとなる。
上記マイクロプラスチックを削減する試みとしては上記パッケージにおいて(1)プラスチック基材を紙に代替する、(2)プラスチック基材を同種のみの使用に限定して(モノマテリアル化という)リサイクルを簡易化する、(3)不純物を除去してプラスチックをリサイクルする、などが挙げられる。
上記(1)は、安全性・リサイクル性の面で有望だが、ガスバリア性、水蒸気バリア性、耐水性など従来のプラスチック基材と比較して性能的に劣る面が多々ある。
上記(2)は、バリアコート剤等の機能性コーティング剤でポリオレフィンの弱点をカバーする技術が開発されつつあるが、レトルト適性や遮光性など従来のプラスチック基材と比較して性能的に劣るため、ポリオレフィンへの置き換えは容易ではない。さらに、ポリオレフィン基材間のインキ、機能性コーティング剤及び接着剤等は、ポリオレフィンをリサイクルする上で不純物となる課題もある
上記(3)としては、リサイクル過程において不純物となる、パッケージ外表面の印刷層をアルカリ水溶液で除去する試みが行われてきた。
例えば引用文献1では、プラスチック基材上にアクリル系樹脂やスチレンマレイン酸系樹脂からなる下塗り層を設け、下塗り層上に配置された印刷層をアルカリ水により除去する技術が開示されている。また、特許文献2では酸性基を有するポリウレタン樹脂やアクリル樹脂をバインダー樹脂とするインキを表刷り印刷し、同じくアルカリ水により当該印刷層を除去する技術が開示されている。しかしながら、これらはパッケージ外側の表刷りインキを除去するのみの技術であって、ラミネート積層体中のインキ層を除去し、基材同士を剥離させるまでには至っていない。
プラスチックリサイクルのために表刷りインキ層の除去に加え、ラミネート積層体におけるインキ層を除去する技術は、プラスチックリサイクルを進めるうえで、環境保全のために産業上利用できる重要な技術となる。しかしこの両方を成しえた技術は未だ報告されていない。
特開2001−131484号公報 特開平11−209677号公報
よって、本発明の課題は、包装材として必要な基材接着性に優れ、かつ、パッケージ外側の印刷層だけでなく内側の印刷層の除去が可能で印刷基材の脱離性に優れた、プラスチックリサイクルに適した包装材及び包装容器を提供することにある。
本発明は、少なくとも、第1の基材、第1の基材を脱離させて第1の基材をリサイクルするためのプライマー層、及び印刷層をこの順に備えた包装材であって、
前記プライマー層を形成することに用いられるプライマー組成物は、バインダー樹脂として、60℃の1質量%水酸化ナトリウム水溶液に12時間浸漬後の重量平均分子量(Mw)が70%以下(浸漬前のMwを100%とする)となる樹脂(A)を含有する、包装材に関する。
また、本発明は、少なくとも、第1の基材、第1の基材を脱離させて第1の基材をリサイクルするためのプライマー層、印刷層、及び第2の基材をこの順に備えた包装材であって、
前記プライマー層を形成することに用いられるプライマー組成物は、バインダー樹脂として、60℃の1質量%水酸化ナトリウム水溶液に12時間浸漬後の重量平均分子量(Mw)が70%以下(浸漬前のMwを100%とする)となる樹脂(A)を含有する、包装材に関する。
また、本発明は、印刷層を形成することに用いられる印刷インキは、バインダー樹脂として、60℃の1質量%水酸化ナトリウム水溶液に12時間浸漬後の重量平均分子量(Mw)が60%以上(浸漬前のMwを100%とする)となる樹脂(B)を含有する、上記包装材に関する。
また、本発明は、プライマー組成物は、プライマー組成物中の樹脂成分総量のうち樹脂(A)を60質量%以上含有し、かつ、
印刷インキは、印刷インキ中の樹脂成分総量のうち樹脂(B)を60質量%以上含有する、上記包装材に関する。
また、本発明は、包装材を2cm×2cmに切り出したものを70℃の2質量%水酸化ナトリウム水溶液15gに2時間浸漬させた後の水溶液の可視光領域中(400〜760nm)最大吸収波長における透過率が、75%以上になることを特徴とする、上記包装材に関する。
また、本発明は、プライマー組成物が、酸価15〜70mgKOH/gのポリウレタン樹脂を含む、上記包装材に関する。
上記包装材を塩基性水溶液に浸漬する工程を含むリサイクル基材製造方法であって、
前記塩基性水溶液は、塩基性化合物を塩基性水溶液全体の0.5〜10質量%含み、かつ浸漬時の塩基性水溶液の水温は30〜120℃である、リサイクル基材製造方法に関する。
本発明により、包装材として必要な基材接着性に優れ、かつ、パッケージ外側の印刷層だけでなく内側の印刷層の除去が可能で印刷基材の脱離性に優れた、プラスチックリサイクルに適した包装材及び包装容器を提供することができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する実施形態又は要件の説明は、本発明の実施形態の一例であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。
本発明の包装材は、少なくとも、第1の基材、第1の基材を脱離するためのプライマー層及び印刷層をこの順に備えた包装材、あるいは、さらに印刷層のプライマー層とは反対側に第2の基材を少なくとも有する包装材であって、前記プライマー層を形成することに用いられるプライマー組成物は、バインダー樹脂として、60℃の1%水酸化ナトリウム水溶液に12時間浸漬後のMwが70%以下(浸漬前のMwを100%とする)となる樹脂(A)を含有することを特徴とする。
本発明において「脱離」とは、プライマー層が塩基性水溶液により中和若しくは溶解し剥離することにより、第1の基材が包装材から脱離することを指し、(1)プライマー層が溶解して第1の基材が脱離する場合、(2)プライマー層が溶解しなくとも、中和・膨潤等により剥離し、第1の基材が脱離する場合、の両方の形態を含む。
なお、第2の基材が存在する包装材において、第1の基材が脱離する際に、第2の基材と印刷層とが一体となっていても、それぞれ別々となっていてもよい。
当該包装材は、プライマー層が塩基性水溶液等により溶解・剥離することで、第1の基材が脱離し、第1の基材を分離・回収することが可能である。したがって、本発明の包装材は、第1の基材を分離・回収するために用いられる包装材に該当する。
以下に本発明について詳細に説明するが、これらは本発明の実施態様の一例であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。
<第1の基材を脱離するためのプライマー層、プライマー組成物>
本発明におけるプライマー層は、プライマー組成物から形成され、第1の基材と接触する形で配置され、塩基性水溶液を用いた溶解・剥離等により第1の基材を脱離するための層であり、バインダー樹脂として、60℃の1質量%水酸化ナトリウム水溶液に12時間浸漬後の重量平均分子量(Mw)が70%以下(浸漬前のMwを100%とする)となる樹脂(A)を含有する。プライマー組成物が樹脂(A)を含有することで、塩基性水溶液中で分子量が低下してプライマー層が膨潤・溶解しやすくなり、塩基性水溶液による脱離性が良好となる。
<樹脂(A)>
前記樹脂(A)は、特に制限されず、従来公知の樹脂から選択することができ、単独又は2種以上を併用してもよい。
前記樹脂(A)は、プライマー層を構成する樹脂成分総量のうち60質量%以上、より好ましくは、80重量%以上含有することが好ましい。
樹脂(A)の樹脂骨格としては、例えば、ウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、ポリ乳酸等が挙げられ、ラミネート適性が良好であることから、好ましくはウレタン樹脂である。
[ウレタン樹脂]
ウレタン樹脂の酸価は、好ましくは15mgKOH/g以上であり、より好ましくは15〜70mgKOH/gであり、さらに好ましくは20〜50mgKOH/gである。15mgKOH/g以上であると、塩基性水溶液中で樹脂の分子量が低下しやすく、塩基性水溶液による脱離性が良好となるため好ましく、70mgKOH/g以下であると、基材接着性や耐レトルト性が良好となるため好ましい。
また、ウレタン樹脂の水酸基価は、好ましくは1〜35mgKOH/gであり、より好ましくは10〜30mgKOH/gである。1mgKOH/g以上であると、塩基性水溶液による脱離性が良好となるため好ましく、35mgKOH/g以下であると、基材接着性が良好となるため好ましい。
水酸基価及び酸価は、いずれもJISK0070に従って測定した値である。
ウレタン樹脂の重量平均分子量は、好ましくは10,000〜100,000であり、より好ましくは15,000〜70,000であり、さらに好ましくは15,000〜50,000である。
ウレタン樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、6以下であることが好ましい。Mwは重量平均分子量を表し、Mnは数平均分子量を表す。分子量分布が6以下である場合、過剰な高分子量成分及び、未反応成分、副反応成分その他の低分子量成分に起因する影響を回避することができ、脱離性、プライマー組成物の乾燥性、耐レトルト適性が良好となる。
また、分子量分布が小さい即ち分子量分布がシャープであるほど、塩基性水溶液による溶解・剥離作用が均一に起こり、第1の基材の脱離性が向上するため好ましい。分子量分布は、より好ましくは5以下であり、さらに好ましくは4以下である。さらに、分子量分布は1.5以上が好ましく、より好ましくは1.2以上である。
Mw、Mn及び分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)により求めたポリスチレン換算値である。
分子量分布と酸価が、上記範囲内であると、塩基性水溶液による脱離性だけでなく、プライマー組成物の乾燥性、基材接着性、耐レトルト性も良好となるため好ましい。
上記ウレタン樹脂はアミン価を有していてもよい。ウレタン樹脂がアミン価を有する場合、アミン価は0.1〜20mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは1〜10mgKOH/gである。上記範囲内であると基材接着性が良好となるため好ましい。
ウレタン樹脂は特に制限されず、例えば、ポリオール、ヒドロキシ酸及びポリイソシアネートを反応させてなる樹脂であることが好ましい。ヒドロキシ酸を使用することで、ウレタン樹脂に酸価を付与することができ、脱離性を向上させることができる。より好ましくは、ポリオール、ヒドロキシ酸及びポリイソシアネートを反応させてなる樹脂に、さらに、ポリアミンを反応させてなる樹脂である。
(ポリオール)
ポリオールは、一つの分子内に少なくとも二つの水酸基を有する化合物の総称であり、後述のヒドロキシ酸を含まないものである。
ポリオールの数平均分子量は、好ましくは500〜10,000であり、より好ましくは1,000〜5,000である。ここでいう数平均分子量とは、ポリオールの水酸基価から算出されるものであり、当該水酸基価はJISK0070による測定値をいう。ポリオールの数平均分子量が500以上であると、プライマー層の柔軟性に優れ、第1の基材への密着性が向上する。数平均分子量が10,000以下であると、プライマー層形成後、巻取り工程がある場合、第1の基材に対する耐ブロッキング性に優れる。
ポリオールとしては特に制限されず、より好ましくは、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、及びポリカーボネートポリオールからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリオールが用いられる。更にポリオールは、その他ダイマージオール、水添ダイマージオール、ひまし油変性ポリオールなどを含んでもよい。
本発明におけるウレタン樹脂は、ポリエステルポリオール、及びポリカーボネートポリオールからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリオール由来の構成単位を含むことがより好ましく、塩基性水溶液中で分子量が低下しやすいため脱離性が向上する。
ポリオール由来の構成単位の含有量は、ウレタン樹脂全量に対して、好ましくは10〜75質量%、より好ましくは15〜70質量%、さらに好ましくは20〜65質量%である。
〔ポリエステルポリオール〕
ポリエステルポリオールとしては、例えば、二塩基酸とジオールとの縮合物からなるポリエステルポリオール;環状エステル化合物の開環重合物であるポリラクトンポリオールからなるポリエステルポリオール;が挙げられ、ポリエステルジオールが好ましい。ポリエステルポリオールは単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
二塩基酸としては、アジピン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸、グルタル酸、1、4−シクロヘキシルジカルボン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸等が挙げられ、中でもアジピン酸又はコハク酸が好ましい。
ジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール(以下プロピレングリコール)、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3,5−トリメチルペンタンジオール、2、4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,12−オクタデカンジオール、1,2−アルカンジオール、1,3−アルカンジオール、1−モノグリセライド、2−モノグリセライド、1−モノグリセリンエーテル、2−モノグリセリンエーテル、ダイマージオール、水添ダイマージオール等が挙げられる。
ポリエステルジオールとしては、二塩基酸と分岐構造を有するジオールとの縮合物を用いてもよい。分岐構造を有するジオールを用いることで、プラスチック基材との密着性や耐レトルト性を向上させることができるため好ましい。
分岐構造を有するジオールとして好ましくは、アルキレングリコールの少なくとも1つの水素原子がアルキル基で置換された構造を有するジオールであり、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−1,4−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオールが挙げられる。中でも好ましくは、1,2−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、及び2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、1,2−プロパンジオール又は3−メチル−1,5−ペンタンジオールが好適に用いられる。
前記ポリエステルポリオールの原料としては、水酸基を3個以上有するポリオール、カルボキシル基を3個以上有する多価カルボン酸を併用してもよい。
上記環状エステル化合物としては、α-アセトラクトン、β-プロピオラクトン、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン等が好適に挙げられる。
〔ポリカーボネートポリオール〕
ポリカーボネートポリオールとしては、脂肪族ポリカーボネートポリオールを含むものが好ましい。ポリカーボネートポリオールの数平均分子量は、好ましくは500〜5,000であり、より好ましくは800〜4,000、さらに好ましくは1,000〜3,000である。
脂肪族ポリカーボネートポリオールは、置換若しくは未置換のアルキレングリコールのような脂肪族ジオール由来の構成単位を含むものが好ましく、その製造方法は限定されるものではないが、脂肪族ジオールとカーボネート化合物との、エステル交換反応による重縮合物であることが好ましい。
前記脂肪族ジオールは、好ましくは炭素数が4〜10であり、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブチンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコール等が挙げられる。脂肪族ジオールの有する置換基は、炭素数10以下のアルキル基であることが好ましい。これら脂肪族ジオールは、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
前記カーボネート化合物は、特に制限されず、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネートのようなジアルキルカーボネート;ジフェニルカーボネートのようなジアリールカーボネート;エチレンカーボネートのようなアルキレンカーボネート;が挙げられる。脂肪族ジオールとのエステル交換反応での重縮合物となり置換されるため、カーボネート化合物の構造は限定されなく、反応性において良好なものを適宜選択すればよい。
上記ポリカーボネートポリオールは、25℃において液状であることが好ましい。液状のポリカーボネートポリオールをポリウレタン樹脂の原料として使用することで、プライマー層に柔軟性及び弾性が与えられ、基材への密着性が向上し、レトルト適性及び耐ブロッキング性が向上する。
このような液状のポリカーボネートポリオールとしては、例えば、脂肪族ジオール成分として、炭素数が奇数且つ直鎖構造を有するアルキレングリコールと、炭素数が偶数且つ直鎖構造を有するアルキレングリコール(直鎖状ジオール)と、を用いた脂肪族ポリカーボネートジオール、又は、アルキル置換基を有するアルキレングリコール(分岐状ジオール)を用いた脂肪族ポリカーボネートポリオール等が好適に挙げられる。
脂肪族ポリカーボネートポリオールは、脂肪族ジオール成分として3級炭素を有する分岐ジオールに由来する構造単位を含有すると、脱離性及び耐ブロッキング性が良好となるため好ましい。
3級炭素を有する分岐ジオールとしては、例えば、1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールが挙げられ、好ましくは3−メチル−1,5−ペンタンジオールである。
より好ましくは、直鎖状ジオールと3級炭素を有する分岐ジオールとを併用するものであり、1,6−ヘキサンジオールと3−メチル−1,5−ペンタンジオールとを用いた脂肪族ポリカーボネートポリオールが特に好ましい。
脂肪族ポリカーボネートポリオール総質量中の質量比(直鎖状ジオール:3級炭素を有する分岐ジオール)は、好ましくは70:30〜5:95、より好ましくは50:50〜10:90である。
(ヒドロキシ酸)
本発明におけるヒドロキシ酸は、活性水素基である水酸基及び酸性官能基の両方を一分子中に有する化合物を指す。
該酸性官能基とは、酸価を測定する際に、水酸化カリウムで中和されうる官能基を示し、具体的にはカルボキシル基やスルホン酸基等が挙げられ、好ましくはカルボキシル基である。当該酸性基がイソシアネート基と反応する確率は低いため、水酸基含有ウレタン樹脂とした場合にも酸価を保持することができる。
ヒドロキシ酸は特に制限されず、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール吉草酸のようなジメチロールアルカン酸が好適に用いられる。これらは単独又は2種以上を混合して用いることができる。
(ポリイソシアネート)
前記ポリイソシアネートは特に制限されず、従来公知のポリイソシアネートから選択することができ、好ましくは、ジイソシアネート又はトリイソシアネートを含み、より好ましくは、芳香族、脂肪族又は脂環式のジイソシアネートを含むものである。これらは単独又は2種以上を併用してもよい。
芳香族、脂肪族又は脂環式のジイソシアネートとしては、例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4、4’−ジベンジルイソシアネート、ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネート及び2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネートのような芳香族ジイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートのような脂肪族ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネートのような脂環式ジイソシアネート;等が挙げられる。
中でも、反応性の観点から好ましくは、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも一種である。当該ジイソシアネートは、イソシアヌレート構造のような三量体構造を有するトリイソシアネートである場合も好ましい。
(ポリアミン)
本発明におけるポリアミンは特に制限されず、好ましくはジアミン化合物である。
ジアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン、さらにダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミンが挙げられる。これらは単独又は2種以上を混合して用いることができる。
より好ましくは、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の水酸基を有するジアミンである。水酸基を有するジアミンを使用することで、水酸基を一定量未反応で残存することができ、ウレタン樹脂に水酸基価を導入することができる。
ジアミン化合物としては、アミノ酸を使用することができる。アミノ酸は、アミノ基及び酸性官能基の両方を一分子中に有する化合物を指し、例えば、グルタミン、アスパラギン、リジン、ジアミノプロピオン酸、オルニチン、ジアミノ安息香酸、ジアミノベンゼンスルホン酸が挙げられる。当該酸性基は、イソシアネート基と反応する確率が低いため、ポリウレタン樹脂において当該酸価を保持することができる。
前記ポリアミンを反応させる際に、重合停止剤を併用してもよい。重合停止剤としては、例えば、ジ−n−ジブチルアミンのようなジアルキルアミン化合物;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ブタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、N−ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N−ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、N−ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミンのような水酸基を有するアミン化合物;グリシン、アラニン、グルタミン酸、タウリン、アスパラギン酸、アミノ酪酸、バリン、アミノカプロン酸、アミノ安息香酸、アミノイソフタル酸、スルファミン酸のようなモノアミン型アミノ酸化合物;が挙げられる。ポリウレタン樹脂に水酸基価を導入するために、水酸基を有するアミン化合物を用いることが好ましい。
水酸基含有ウレタン樹脂を含む場合は、水酸基含有ウレタン樹脂と、プライマー組成物中の該その他樹脂との質量比(水酸基含有ウレタン樹脂:プライマー組成物中の該その他樹脂)は、好ましくは95:5〜50:50である。上記範囲内であると、塩基性水溶液中において、プライマー層と共に印刷層が剥離した際に、印刷層が薄膜の状態で剥離され、回収が容易となるため好ましい。
[ウレタン樹脂の製造]
前述のとおり、ウレタン樹脂としてより好ましくは、ポリオール、ヒドロキシ酸及びポリイソシアネートを反応させてなる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーに、さらに、ポリアミンを反応させて鎖延長した樹脂である。この場合、ポリオール、ヒドロキシ酸及びポリイソシアネートの反応(以下ウレタン化工程という)において、ポリイソシアネートと、ポリオール及びヒドロキシ酸と、の官能基モル比(NCO/OH)は、好ましくは1.05〜3.0であり、より好ましくは1.1〜2.8である。また、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基とポリアミンのアミノ基との官能基モル比(アミノ基/NCO)は、好ましくは0.7〜1.3である。
ポリウレタン樹脂のウレタン結合数は、好ましくは1〜3mmol/gであり、より好ましくは1.5〜2mmol/gである。ポリウレタン樹脂のウレア結合数は、好ましくは0〜3mmol/gであり、より好ましくは0.2〜1mmol/gである。また、ウレタン結合数とウレア結合数の合計は、好ましくは1〜6mmol/gであり、より好ましくは1.7〜3mmol/gである。
ウレタン結合数及びウレア結合数を該当範囲に設定することで、脱離及び基材接着性が良好となるため好ましい。
ウレタン結合数は、ウレタン化反応工程において、(NCOモル数/OHモル数)>1の場合は下記式(3)で表される値であり、(NCOモル数/OHモル数)≦1の場合は下記式(4)で表される値である。
式(3): ウレタン結合数(mmol/g)=総水酸基モル数(mmol)/固形分総質量(g)
式(4): ウレタン結合数(mmol/g)=総イソシアネート基モル数(mmol)/
固形分総質量(g)
式(3)及び(4)において、総水酸基モル数は、ウレタン化工程に用いられるポリオール及びヒドロキシ酸等が有する水酸基の総モル数を表し、固形分総質量は、ポリウレタン樹脂の不揮発成分の総質量を表し、総イソシアネート基モル数は、ポリイソシアネートが有するイソシアネート基の総モル数を表す。
ウレア結合数は、(NCOモル数/OHモル数)>1の条件でウレタン化反応を行ったものに適用される値である。
ウレア結合数は、ウレア化反応工程において、(アミノ基モル数/NCOモル数)>1の場合は下記式(5)で表される値であり(アミノ基モル数/NCOモル数)≦1の場合は下記式(6)で表される値である。
式(5): ウレア結合数(mmol/g)=[総イソシアネート基モル数(mmol)−総水酸基モル数(mmol)]/固形分総質量(g)
式(6): ウレア結合数(mmol/g)=総アミノ基モル数(mmol)/固形分総質量(g)
式(5)及び(6)において、総イソシアネート基モル数は、ウレタン化工程に用いられるポリイソシアネートが有するイソシアネート基の総モル数を表し、総水酸基モル数は、ウレタン化工程に用いられるポリオール及びヒドロキシ酸等が有する水酸基の総モル数を表し、総アミノ基モル数は、ウレア化反応工程に用いられるポリアミンが有する1級及び/又は2級のアミノ基の総モル数を表し、固形分総質量は、ポリウレタン樹脂の不揮発成分の総質量を表す。
[セルロース樹脂]
セルロース樹脂としては例えば、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシアルキルセルロース、およびカルボキシアルキルセルロース等が挙げられる。セルロース樹脂に任意で含まれるアルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、およびヘキシル基等が挙げられる。アルキル基は置換基を有していてもよい。中でも、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、およびニトロセルロースが好ましい。重量平均分子量は5,000〜1,000,000であることが好ましく、10,000〜200,000であることが更に好ましい。
[その他樹脂]
プライマー層は、さらに樹脂(A)以外のその他樹脂を含有してもよい。
その他樹脂としては、60℃の1質量%水酸化ナトリウム水溶液に12時間浸漬後の重量平均分子量(Mw)が70質量%より大きい樹脂(浸漬前のMwを100質量%とする)となる樹脂であり、例えば、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂あるいは塩化ビニル−アクリル系共重合樹脂等の塩化ビニル樹脂、ロジン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ダンマル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、テルペン樹脂、フェノール変性テルペン樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、ポリアセタール樹脂、石油樹脂、及びこれらの変性樹脂を挙げることができる。これらの樹脂は、単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
中でも、プライマー層は、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン樹脂、アクリル樹脂及びスチレン−マレイン酸共重合樹脂からなる群から選ばれる少なくも1種の樹脂を含むことが好ましい。塩化ビニル系樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、ロジン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種であることがなお好ましい。塩化ビニル系樹脂は、主樹脂としてウレタン樹脂を使用した際の相溶性に優れ、塗膜強度を付与する目的で好適に用いられる。また、さらに好ましくは、ロジン系樹脂であるロジンの二塩基酸変性樹脂、スチレンマレイン酸共重合樹脂、アクリル酸およびメタクリル酸を含有するアクリル樹脂を併用することが特に好ましい。これらの樹脂を併用することで、プライマー層の親水性が向上し、脱離性に有利となる。
[その他成分]
プライマー層は、さらに、樹脂以外のその他成分を含有してもよい。
プライマー層は、被膜強度向上、光学的性質の改善、及びプライマー組成物の流動性向上の観点から、体質顔料を含有することが好ましい。
体質顔料としては、シリカ、硫酸バリウム、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の金属酸化物が挙げられる。これらは流動性、皮膜強度、光学的性質、印刷インキを重ね印刷する際の画質の改善のために用いられる。中でもシリカ、硫酸バリウムの使用が好ましい。シリカである場合には親水性であることが好ましい。硫酸バリウムの場合には、沈降性硫酸バリウムであることが好ましい。体質顔料は平均粒子径が0.5〜10μmであることが好ましく、1〜8μmであることがなお好ましい。体質顔料はインキ総量中に0.5〜30質量%含有することが好ましく、1〜25質量%含有することがなお好ましい。さらに、シリカなら1〜5質量%が好ましく、硫酸バリウムなら10〜25質量%が好ましい。
さらに、公知の添加剤を添加してもよい。公知の添加剤としては、分散剤、湿潤剤、接着補助剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、粘度調整剤、硬化剤、金属キレート、トラッピング剤、ブロッキング防止剤、上記以外のワックス成分、シランカップリング剤等が挙げられる。また、プライマー組成物は、添加剤として防曇剤、親水化剤、帯電防止剤を含むことが好ましい。防曇剤、親水化剤、帯電防止剤は、一般的なフィルムやコーティング剤に、防曇性、親水性、帯電防止性を付与する目的で添加する添加剤として従来公知のものを含むことができる。特に好ましい例として具体的には、グリセリン脂肪酸エステル、リン酸エステル、4級アンモニウム塩などがあげられる。
その他成分は、あらかじめ樹脂(A)に配合してもよいし、樹脂(A)を配合する際に添加してもよい。
<プライマー組成物の製造>
プライマー組成物は、少なくとも樹脂(A)を有機溶剤中に溶解及び/又は分散することにより製造することができ、必要に応じて、前述のその他成分を含有してもよい。
有機溶剤としては、トルエン、キシレンのような芳香族系有機溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチルのようなエステル系有機溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールのようなアルコール系有機溶剤;エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールエーテル系溶剤;など公知の有機溶剤が挙げられ、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
プライマー組成物中の固形分濃度は、好ましくは5〜50質量%であり、より好ましくは10〜40質量%である。更にプライマー組成物中の樹脂(A)の含有量は、好ましくは0.5〜50質量%であり、より好ましくは5〜30質量%である。上記範囲であることによって最適な印刷適性を得ることができる。
プライマー組成物の粘度は、印刷工程において適切な印刷適性が得られるため、好ましくは20〜500mPa・sであり、より好ましくは30〜300mPa・sである。プライマー組成物の粘度は、樹脂(A)の含有量や、後述のその他成分の含有量等によって適宜調整することができる。
プライマー層は、第1の基材上に、プライマー組成物を、公知の印刷装置あるいは塗布装置で層形成することができる。プライマー組成物の粘度は、使用する印刷装置あるいは塗布装置に依存し、前記有機溶剤等で調整できる。
<第1の基材>
第1の基材は、リサイクル可能な基材であり、包装材に一般的に用いられるフィルム上又はシート状のプラスチック基材が挙げられ、これらが積層された積層体であってもよい。
プラスチック基材としては、例えば、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂のフィルムが挙げられ、好ましくは熱可塑性樹脂のフィルムである。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、アセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、繊維素系プラスチックが挙げられる。
より詳細には、ポリエチレン(PE)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)のようなポリオレフィン樹脂フィルム;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ乳酸(PLA)のようなポリエステル樹脂フィルム;リスチレン樹脂フィルム;ナイロン6、ポリ−p−キシリレンアジパミド(MXD6ナイロン)のようなポリアミド樹脂フィルム;ポリカーボネート樹脂フィルム;ポリアクリルニトリル樹脂フィルム;ポリイミド樹脂フィルム;これらの複層体(例えば、ナイロン6/MXD6/ナイロン6、ナイロン6/エチレン−ビニルアルコール共重合体/ナイロン6)や混合体;等が用いられる。中でも、機械的強度や寸法安定性を有するものが好ましい。
プラスチックフィルムの厚さは、好ましくは5μm以上200μm以下、より好ましくは10μm以上100μm以下、さらに好ましくは10μm以上50μm以下である。
第1の基材は、ガスバリア基材、例えば、アルミニウム、シリカ、アルミナ等の無機蒸着層を有するプラスチック基材;ポリビニルアルコール等の有機層を有するプラスチック基材;等であってもよい。
無機蒸着層を有するプラスチック基材の市販品としては、例えば、プラスチック基材上に、アルミナ等の無機蒸着層が積層された、「GL FILM」(凸版印刷社製)や、IB−FILM(大日本印刷社製)等が挙げられる。なお、アルミニウムやアルミナは、塩基性水溶液への溶解性を有するため、後述の脱離工程において溶解し、プラスチック基材のみをリサイクルすることが可能である。
リサイクル基材として再利用する観点から、第1の基材は、ポリエチレン、二軸延伸ポリプロピレンのようなポリオレフィン樹脂フィルムを含むことが好ましい。
第1の基材が積層体である場合、基材同士は接着剤層を介して積層されていることが好ましい。該接着剤層の形成方法は制限されず、公知の接着剤を用いて公知の方法で形成することができる。
第1の基材は、必要に応じて、プラスチック基材に対して帯電防止剤、防曇剤、紫外線防止剤などの添加剤を塗工あるいは混練したものや、基材の表面をコロナ処理あるいは低温プラズマ処理したものなども使用することができる。
特にポリプロピレン基材などに防曇剤を塗工あるいは混練した防曇性を有するプラスチックフィルムでは、基材そのものの親水性が高いため、脱離性に有利である。
<印刷層>
本発明における印刷層は、プライマー層の第1の基材と反対の側に、プライマー層に接して設けられた層であり、装飾、美感の付与、内容物、賞味期限、製造者又は販売者の表示等を目的とした、任意の印刷模様を形成する層、および/または印刷模様を形成する層を保護したり光沢などの意匠性を付与することを目的としたクリア層であり、ベタ印刷層も含む。印刷層は、例えば、プライマー層と接着剤層との間に設けることができ、プライマー層の全面に設けてもよく、あるいは一部に設けてもよい。
印刷層は、必要に応じて従来公知の顔料や染料を用いて形成することができ、顔料や染料を含む印刷インキを用いて形成してもよく、その形成方法は特に限定されない。印刷層は、単層あるいは複数の層から形成されていてもよい。
印刷層の厚さは、好ましくは0.1μm以上100μm以下、より好ましくは0.1μm以上10μm以下、さらに好ましくは1μm以上5μm以下である。
印刷層を形成するための印刷インキとしては、例えば、顔料、バインダー樹脂、溶剤又は水等の媒体を含む印刷インキが挙げられる。上記バインダー樹脂としては、60℃の1質量%水酸化ナトリウム水溶液に12時間浸漬後のMwが60%以上(浸漬前のMwを100%とする)となる樹脂(B)を含有する。印刷インキが樹脂(B)を含有することで、塩基性水溶液中で印刷層が溶解あるいは微細に分散してしまうことを抑制し、印刷層の回収が容易になる。例えば、ニトロセルロース系、セルロースアセテートプロピオネート等の繊維素材、塩素化ポリプロピレン系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系、ポリエステル系、アクリル系、スチレン系、ロジン系、ポリウレタン系及びアクリルウレタン系、ポリアミド系、ポリブチラール系、環化ゴム系、塩化ゴム系あるいはそれらを適宜併用したバインダーを用いることができる。中でも、ポリアミド樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ロジン系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂が印刷層の塗膜物性確保のためには好適である。また、ロジン系樹脂であるロジンの二塩基酸変性樹脂、スチレンマレイン酸共重合樹脂、アクリル酸およびメタクリル酸を含有するアクリル樹脂を併用することも好ましく、これらの樹脂を併用することで、印刷層の親水性が向上し、アルカリ水溶液との馴染みがよくなるため、脱離性に有利となる。
[顔料]
本発明で用いられる印刷層を含む包装材は、2cm×2cmに切り出したものを70℃の2質量%水酸化ナトリウム水溶液15gに2時間浸漬させた後の水溶液の可視光領域中(400〜760nm)最大吸収波長における透過率が、75%以上であることが好ましい。当該透過率を下げる大きな要因は、印刷層に含まれるインキの顔料が、水酸化ナトリウム水溶液に溶出することによる。包装材をリサイクルした基材は、一般的に着色する場合があり、着色を問題としない用途に使われることが多いが、着色していないリサイクル基材が得られれば、その用途の幅を広がることが期待される。リサイクル基材が着色するかしないかの指標である、当該透過率の規定を満たすことは意義がある。
顔料が、当該透過率の規定を満たすためには、当該顔料がアルカリ耐性を有することが、必要となる。顔料のアルカリ耐性は、概ね顔料骨格・構造で推定できる。アルカリ水溶液に溶解する染料由来のものや、アルカリ水溶液で分解するものは、アルカリ耐性を有しないといえる。
さらに、顔料そのものは、アルカリ耐性を有していても、顔料に含まれる副成分が、透過率を下げることもあり、この場合も着色を問題とする用途においては、好ましくない。
例えば、アルカリ耐性のある顔料としては、無機顔料、P.B.15、P.Y.83等が挙げられる。
印刷インキの塗工方法は特に限定されず、グラビアコート法、フレキソコート法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、カーテンコート法、スピンコート法、インクジェット法等の方法により塗布することができる。これを放置するか、必要により送風、加熱、減圧乾燥、紫外線照射等を行うことにより印刷層を形成することができる。
<第2の基材>
本発明の包装材は、第1の基材を下側とした場合、印刷層が包装材の最も上側に位置する形態であるが、必要に応じて、印刷層のさらに上側に保護層などが設けられてもよい。また、印刷層の上側に第2の基材が存在する形態であってもよい。
第2の基材は、例えば、上述の第1の基材で挙げた基材、又は、シーラント基材が挙げられ、これらが積層された積層体であってもよい。第2の基材として好ましくはシーラント基材であり、ポリオレフィンを含むものである。第2の基材は、シリカ、アルミナ等の蒸着膜を有していてもよい。
シーラント基材としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン、酸変性ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン(CPP)、酸変性ポリプロピレン、共重合ポリプロピレン、エチレン−ビニルアセテート共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、アイオノマーが挙げられる。
リサイクル性の観点から、第2の基材は、第1の基材低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンや高密度ポリエチレン等のポリエチレン、酸変性ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、酸変性ポリプロピレン、共重合ポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましい。
レトルト耐性の観点では、好ましくはポリプロピレンであり、ヒートシール性の観点では、好ましくは無延伸ポリプロピレンである。
第2の基材の厚みは特に限定されず、包装容器への加工性又はヒートシール性等を考慮すると、好ましくは10μm以上150μm以下であり、より好ましくは20μm以上70μm以下である。第2の基材に数μm程度の高低差を有する凸凹を設けることで、滑り性や包装材の引き裂き性を付与することができる。
第2の基材を積層する方法は特に限定されず、例えば、第1の基材、プライマー層及び印刷層を有する積層フィルムの印刷面と、第2の基材とを、ラミネート接着剤を用いて貼り合わせる方法;第2の基材を構成する樹脂を溶融させて、印刷層上に押出し、冷却固化する方法;等が挙げられる。
以下に、本発明の包装材の構成の一例を挙げるが、これらに限定されない。前述のとおり、第1の基材及び第2の基材は、複数の基材が積層された積層体であってもよい。
・第1の基材/プライマー層/印刷層
・第1の基材(積層体)/プライマー層/印刷層
・第1の基材/プライマー層/印刷層/接着剤層/第2の基材
・第1の基材/プライマー層/印刷層/接着剤層/第2の基材(積層体)
<包装容器>
本発明の包装材は、単独で、袋状、筒状などに加工して用いることができるが、他の包装材と組み合わせて、包装容器として用いることができる。
当該包装容器は、少なくとも一部が、前記包装材で形成されているものであるから、前記包装材部分から、主に印刷基材として用いられた第1の基材がリサイクルできる包装容器が得られる。
本発明の包装材および前記包装容器の種類及び用途は、特に限定されるものではないが、例えば、食品容器、洗剤容器、化粧品容器、医薬品容器等に好適に用いることができる。包装容器の形状としては限定されず、内容物に応じた形状に成形することができ、パウチ等に好適に用いられる。
<リサイクル基材製造方法>
本発明のリサイクル基材製造方法は、少なくとも、第1の基材、第1の基材を脱離するためのプライマー層及び印刷層をこの順に備え、前記プライマー層が、バインダー樹脂として、60℃の1質量%水酸化ナトリウム水溶液に12時間浸漬後のMwが70質量%以下(浸漬前のMwを100質量%とする)となる樹脂(A)を含有し、前記第1の基材に接して前記プライマー層が設けられており、かつ、前記プライマー層の第1の基材と反対の側に印刷層が設けられている包装材、又は、該包装材で形成されている包装容器を、塩基性水溶液に浸漬する工程を含む。
本発明は、脱離後の第1の基材を、リサイクル基材・再生基材として得ることを目的としているため、第1の基材から、プライマー層をできる限り多く除去した態様が好適である。具体的には、プライマー層100質量%のうち、面積や膜厚方向において少なくとも50質量%以上が脱離していることが好ましい。より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上が脱離している態様が好ましい。
塩基性水溶液に使用する塩基性化合物は特に制限されず、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH))、アンモニア、水酸化バリウム(Ba(OH))、炭酸ナトリウム(NaCO)が好適に用いられるが、これらに限定されない。より好ましくは水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムからなる群選ばれる少なくとも1種である。
塩基性水溶液は、塩基性化合物を塩基性水溶液全体の0.5〜20質量%含むことが好ましく、より好ましくは1〜15質量%、特に好ましくは3〜15質量%含む。濃度が上記範囲内にあることで、塩基性水溶液は、プライマー層を溶解又は膨潤により剥離させて、第1の基材を脱離させるのに充分な塩基性を保持することができる。
塩基性水溶液は、包装材又は包装容器の端部分から浸透してプライマー層に接触し、溶解又は膨潤することで、第1の基材とプライマー層とを分離する。したがって効率的に脱離工程を進めるために、包装材又は包装容器は、裁断又は粉砕され、塩基性水溶液に浸漬する際に、断面にプライマー層が露出している状態であることが好ましい。このような場合、より短時間で第1の基材層を脱離することができる。
包装材を浸漬する時の塩基性水溶液の温度は、好ましくは25〜120℃、より好ましくは30〜120℃、特に好ましくは30〜80℃である。塩基性水溶液への浸漬時間は、好ましくは1分間〜24時間、より好ましくは1分間〜12時間、好ましくは1分間〜6時間である。塩基性水溶液の使用量は、包装材の質量に対して、好ましくは100〜100万倍量であり、脱離効率を向上させるために、塩基性水溶液の攪拌又は循環等を行うことが好ましい。回転速度は、好ましくは80〜250rpm、より好ましくは80〜200rpmである。
包装材から、印刷層と共にプライマー層が剥離し、第1の基材を脱離・回収した後、第1の基材を水洗・乾燥する工程を経て、リサイクル基材を得ることができる。第1の基材の表面における印刷層の除去率は、脱離前の印刷層の面積に対して、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上である。
したがって、本発明によれば、包装材又は包装容器を塩基性水溶液に浸漬する工程、包装材又は包装容器からプライマー層を溶解若しくは剥離させて第1の基材を脱離する工程、第1の基材を回収する工程、第1の基材を水洗及び乾燥する工程、を経ることで、第1の基材のリサイクル基材を得ることができる。また、得られたリサイクル基材は、押出機等によりペレット状に加工し、再生樹脂として再利用することができる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本発明における部および%は、特に注釈の無い場合、質量部および質量%を表わす。
(分子量および分子量分布)
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定を行い、ポリスチレンを標準物質に用いた換算分子量として求めた。測定条件を以下に示す。
GPC装置:昭和電工社製 Shodex GPC−104
カラム:下記カラムを直列に連結して使用した。
昭和電工社製 Shodex LF−404 2本
昭和電工社製 Shodex LF−G
検出器:RI(示差屈折計)
測定条件:カラム温度40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:0.3mL/分
(酸価)
以下において、JISK0070(1992)に記載の方法に従って酸価を測定した。
(NaOH水溶液混合後のMw変化率)
樹脂溶液と1wt%の水酸化ナトリウム水溶液を質量比1/1で混合したサンプルを60℃のオーブンで12時間加温した後に、テトラヒドロフランで希釈し、ろ過後にGPCにて分子量の測定を行い、元の樹脂のMwを100%とした時のサンプルのMw変化率を算出した。
<プライマー組成物の樹脂の製造>
[合成例1](ポリウレタン樹脂P1)
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、及び温度計を備えた反応器中で窒素ガスを導入しながら、PC(3−メチル−1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールと炭酸ジメチルのモル比が9/1/10の重縮合物からなる、数平均分子量2,000のポリカーボネートポリオール)142.4部、PPG(ポリエチレングリコールからなる、数平均分子量2,000のポリエーテルポリオール)14.2部、DMPA(2,2−ジメチロールプロパン酸)、28.7部、IPDI(イソホロンジイソシアネート)101.3部、NPAC(酢酸ノルマルプロピル)200部を仕込み、90℃で5時間反応させて、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー溶液を得た。
次いで、AEA(2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール)13.4部、IPA(イソプロピルアルコール)350部を混合したものを、室温で60分間かけて滴下した後、70℃で3時間反応させて、ポリウレタン樹脂溶液を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液に、NPACを加えて固形分を調整し、固形分濃度30%、質量平均分子量31,000、Mw/Mn=3.5、酸価40.0mgKOH/gのポリウレタン樹脂P1の溶液を得た。
[合成例2〜7、比較合成例1](ポリウレタン樹脂P2〜P7、PP1)
表1に記載の原料および仕込み量を用いた以外は合成例1と同様の手法により、ポリウレタン樹脂P2〜P7、PP1の溶液を得た。
Figure 0006928767
以下に、表1中の略称を示す。
・ PC:3−メチル−1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールと炭酸ジメチルのモル比が9/1/10の重縮合物からなる、数平均分子量2,000のポリカーボネートポリオール
・ PMPA:3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸の重縮合物からなる、数平均分子量2,000のポリエステルポリオール
・ PPA:プロピレングリコールとアジピン酸の重縮合物からなる、数平均分子量2,000のポリエステルポリオール
・ PPG:ポリエチレングリコールからなる、数平均分子量2,000のポリエーテルポリオール
・ DMPA:2,2−ジメチロールプロパン酸
・ BD:1,4−ブタンジオール
・ IPDI:イソホロンジイソシアネート
・ NPAC:酢酸ノルマルプロピル
・ AEA:2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール
・ IPA:イソプロピルアルコール
なお、上記合成例2〜7、比較合成例1は、表1に記載のMw/Mnおよび質量平均分子量となるように、滴下量、滴下速度、温度調節および撹拌速度等の合成条件を調整した。
<プライマー層形成用組成物>
[製造例1](プライマー組成物S1)
ポリウレタン樹脂P1溶液87部、EA(酢酸エチル)5部、IPA5部、シリカ粒子(水澤化学社製P−73:平均粒子径3.8μmの親水性シリカ粒子)3部をディスパーを用いて撹拌混合して、プライマー組成物S1を得た。
[製造例2〜12、比較製造例1〜2](プライマー組成物S2〜S12、SS1〜SS2)
表2に示した原料および配合比率を使用した以外は、製造例1と同様の手法により、プライマー組成物S2〜S12、SS1〜SS2を得た。
Figure 0006928767
以下に、表2中の略称を示す。・P8溶液:ニトロセルロース樹脂溶液(窒素含有量11.5質量% 質量平均分子量30000のニトロセルロース 固形分30%溶液)Mw変化率:69%
・P9溶液:ニトロセルロース樹脂(P8と同じ)/アルキッド樹脂(日立化成社製 フタルキッド133−60)(固形分重量比率70:30の混合溶液、質量平均分子量20000、固形分30重量% トルエン溶液)Mw変化率:65%
・PP2溶液:重量平均分子量40000、酸価60mgKOH/gのスチレン−アクリル共重合樹脂(固形分30%溶液)Mw変化率:95%
・PP4溶液:ロジン−マレイン酸樹脂溶液(固形分濃度30%、酸価200mgKOH/gのロジン−マレイン酸変性樹脂溶液)Mw変化率:85%
・シリカ粒子:水澤化学社製 P−73(平均粒子径3.8μmの親水性シリカ粒子)
・親水化剤A:グリセリンモノ12−ヒドロキシステアレート
<インキの製造>
[インキ製造例1](印刷インキR1)
PP1溶液20部、PP3溶液5部、藍顔料10部、酢酸エチル10部、イソプロパノール10部を混合撹拌し、ビーズミルとしてサンドミルを用いて20分間分散処理を行った。その後、PP1溶液25部、酢酸エチル10部、イソプロパノール10部を混合撹拌し、印刷インキR1を得た。
[インキ製造例2〜7](印刷インキR2〜8)
表3に示した原料および配合比率を使用した以外は、インキ製造例1と同様の手法により、印刷インキR2〜8を得た。
Figure 0006928767
以下に、表3中の略称を示す。
・PP3溶液:塩化ビニル−酢酸ビニル共重樹脂溶液(日信化学社製 ソルバインTAO:固形分30質量% 酢酸エチル溶液
・藍顔料:C.I.Pigment Blue 15
・黄顔料:C.I.Pigment Yellow 83
・赤顔料:C.I.Pigment Red 57:1
<包装材の製造>
[実施例1(1)](表刷り印刷物L1(1))
プライマー組成物S1および印刷インキR1を、各々、EA/IPAの混合溶剤(質量比70/30)を用いて、ザーンカップ#3(離合社製)25℃で15秒になるように希釈した。
PET(コロナ処理ポリエチレンテレフタレート基材 膜厚12μm)に対し、希釈したプライマー組成物S1および印刷インキR1を、版深30μmのグラビア版を備えたグラビア印刷機を用いてこの順で印刷し、50℃で乾燥して、第1の基材層(PET)/プライマー層(S1)/印刷層(R1)の構成である表刷り印刷物L1(1)を得た。
[実施例2(1)〜20(1)、比較実施例1(1)〜4(1)](表刷り印刷物L2(1)〜L20(1)、LL2(1)〜LL4(1))
表4に記載のプライマー組成物と印刷インキを用いた以外は表刷り印刷物L1(1)と同様の手法により、表刷り印刷物L2(1)〜L20(1)、LL2(1)〜LL4(1)を得た。
[比較実施例1(1)](表刷り印刷物LL1(1))
印刷インキR1を、EA/IPAの混合溶剤(質量比70/30)を用いて、ザーンカップ#3(離合社製)25℃で15秒になるように希釈した。
PET(コロナ処理ポリエチレンテレフタレート基材 膜厚12μm)に対し、希釈した印刷インキR1を、版深30μmのグラビア版を備えたグラビア印刷機を用いて印刷し、50℃で乾燥して、第1の基材層(PET)/印刷層(R1)の構成である表刷り印刷物LL1(1)を得た。
[実施例1(2)](ラミネート積層体L1(2))
プライマー組成物S1および印刷インキR1を、各々、EA/IPAの混合溶剤(質量比70/30)を用いて、ザーンカップ#3(離合社製)25℃で15秒になるように希釈した。
OPP(コロナ処理延伸ポリプロピレン基材 膜厚20μm)に対し、プライマー組成物S1および印刷インキR1を、版深30μmのグラビア版を備えたグラビア印刷機を用いてこの順で印刷し、50℃で乾燥して、第1の基材層(OPP)/プライマー層(S1)/印刷層(R1)の構成である積層体を得た。
次いで、得られた積層体の印刷層上に、ドライラミネート機を用いて接着剤A(ポリエステル系ウレタン接着剤「東洋モートン社製 TM250HV/CAT−RT86L−60」)を乾燥後塗布量が2g/mになるように塗布・乾燥した後、CPP(無延伸ポリプロピレン基材 膜厚30μm)と貼り合せて、第1の基材層(OPP)/プライマー層(S1)/印刷層(R1)/接着剤層/第2の基材層(CPP)の構成であるラミネート積層体L1(2)を得た。
[比較実施例1(2)](ラミネート積層体LL1(2))
印刷インキR1を、EA/IPAの混合溶剤(質量比70/30)を用いて、ザーンカップ#3(離合社製)25℃で15秒になるように希釈した。
OPP(コロナ処理延伸ポリプロピレン基材 膜厚20μm)に対し、印刷インキR1を、版深30μmのグラビア版を備えたグラビア印刷機を用いて印刷し、50℃で乾燥して、第1の基材層(OPP)/印刷層(R1)の構成である積層体を得た。
次いで、得られた積層体の印刷層上に、ドライラミネート機を用いて接着剤A(ポリエステル系ウレタン接着剤「東洋モートン社製 TM250HV/CAT−RT86L−60」)を乾燥後塗布量が2g/mになるように塗布・乾燥した後、CPP(無延伸ポリプロピレン基材 膜厚30μm)と貼り合せて、第1の基材層(OPP)/印刷層(R1)/接着剤層/第2の基材層(CPP)の構成であるラミネート積層体LL1(2)を得た。
[実施例2(2)〜20(2)、比較実施例2(2)〜4(2)](ラミネート積層体L2(2)〜L20(2)、LL2(2)〜LL4(2))
表4に記載のプライマー組成物と印刷インキを用いた以外はラミネート積層体L1(2)と同様の手法により、ラミネート積層体L2(2)〜L20(2)、LL2(2)〜LL4(2)を得た。
<包装材の評価>
得られた包装材について以下の評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 0006928767
<表刷り印刷物における脱離性評価>
得られた表刷り印刷物を、2cm×2cmに切出し、2%の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液50gに浸し、液温50℃、回転速度150rpmにて撹拌し、水洗・乾燥した後、PET基材からの印刷層の剥離性を評価した。
5(優):撹拌20分以内に印刷層が100%PETフィルムから剥離。
4(良):撹拌20分を超え1時間以内に印刷層が100%PETフィルムから
剥離。
3(可):撹拌1時間を超え12時間以内に印刷層が80%以上100%以下PETフィルムから剥離。
2(不可):撹拌12時間で印刷層の20%以上80%未満がPETフィルムから剥離。1(劣):撹拌12時間で印刷層20%未満がPETフィルムから剥離。
3、4および5は実用上問題がない範囲である。
<ラミネート積層体における脱離性評価>
得られたラミネート積層体を、2cm×2cmに切出し、2%の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液50gに浸し、50℃にて撹拌して水洗・乾燥した後、絵柄層のOPPフィルムからの剥離性を評価した。
5(優):撹拌20分以内に印刷層・接着剤層等が100%OPPフィルムから剥離。
4(良):撹拌20分を超え1時間以内に印刷層・接着剤層等が100%OPPフィルムから剥離。
3(可):撹拌1時間を超え12時間以内に印刷層・接着剤層等が80%以上100%以下OPPフィルムから剥離。
2(不可):撹拌12時間で印刷層・接着剤層等の20%以上80%未満がOPPフィルムから剥離。
1(劣):撹拌12時間で印刷層・接着剤層等の20%未満がOPPフィルムから剥離。 3、4および5は実用上問題がない範囲である。
<表刷り印刷物における基材接着性(テープ接着性)評価>
得られた表刷り印刷物について、ニチバン社製セロハンテープ(12mm幅)を印刷層上に貼り、テープをゆっくり引き剥がし、途中から急激に引き剥がした時の、インキ被膜の剥離程度を評価した。
5(優):急激に剥がしてもインキ被膜が全く剥離しない。
4(良):急激に剥がした部分のうち25%未満の面積のインキ被膜が剥離する。
3(可):急激に剥がした部分のうち25%以上75%未満の面積のインキ被膜が剥離する。
2(不可):急激に剥がした部分のうち75%以上の面積のインキ被膜が剥離する、またはゆっくり剥がした部分のうちインキ被膜の一部が剥離する。
1(劣):ゆっくり剥がした部分のインキ被膜が全面剥離する。
3、4および5は実用上問題がない範囲である。
(透過率)
得られたラミネート積層体を2cm×2cmの大きさに切り出し、2%のNaOH水溶液15gに浸し、液温70℃、回転速度150rpmで2時間撹拌した。サンプルの溶液部分を取り出して測定セルに入れ、紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製V−560)にて可視光領域(400〜760nm)の最大吸収波長における透過率を測定した。
当該透過率が高いほど、フィルムをペレット状のリサイクル基材に再生する際に、透明度の高いペレットが得られる上、NaOH水溶液の着色も抑制するので、 NaOH水溶液の再利用も容易となる。
上記の評価結果より、本発明のプライマー組成物と印刷インキで作製した包装材であれば、表刷り構成およびラミネート構成での包装材において、アルカリ水溶液中で基材からインキ等を容易に脱離できて良質なリサイクル基材が得られることが示された。

Claims (6)

  1. 少なくとも、第1の基材、第1の基材を脱離させて第1の基材をリサイクルするためのプライマー層、及び印刷層をこの順に備えた包装材であって、
    前記プライマー層を形成することに用いられるプライマー組成物は、バインダー樹脂として、60℃の1質量%水酸化ナトリウム水溶液に12時間浸漬後の重量平均分子量(Mw)が70%以下(浸漬前のMwを100%とする)となる樹脂(A)を含有し、
    印刷層を形成することに用いられる印刷インキは、バインダー樹脂として、60℃の1質量%水酸化ナトリウム水溶液に12時間浸漬後の重量平均分子量(Mw)が60%以上(浸漬前のMwを100%とする)となる樹脂(B)を含有する、包装材。
  2. 少なくとも、第1の基材、第1の基材を脱離させて第1の基材をリサイクルするためのプライマー層、印刷層、及び第2の基材をこの順に備えた包装材であって、
    前記プライマー層を形成することに用いられるプライマー組成物は、バインダー樹脂として、60℃の1質量%水酸化ナトリウム水溶液に12時間浸漬後の重量平均分子量(Mw)が70%以下(浸漬前のMwを100%とする)となる樹脂(A)を含有し、
    印刷層を形成することに用いられる印刷インキは、バインダー樹脂として、60℃の1質量%水酸化ナトリウム水溶液に12時間浸漬後の重量平均分子量(Mw)が60%以上(浸漬前のMwを100%とする)となる樹脂(B)を含有する、包装材。
  3. プライマー組成物は、プライマー組成物中の樹脂総量のうち樹脂(A)を60質量%以上含有し、かつ、
    印刷インキは、印刷インキ中の樹脂成分総量のうち樹脂(B)を60質量%以上含有する、請求項1または2に記載の包装材。
  4. 包装材を2cm×2cmに切り出したものを70℃の2質量%水酸化ナトリウム水溶液15gに2時間浸漬させた後の水溶液の可視光領域中(400〜760nm)最大吸収波長における透過率が、75%以上になることを特徴とする、請求項1〜いずれかに記載の包装材。
  5. プライマー組成物が、酸価15〜70mgKOH/gのポリウレタン樹脂を含む、請求項1〜いずれかに記載の包装材。
  6. 請求項1〜いずれかに記載の包装材を塩基性水溶液に浸漬する工程を含むリサイクル基材製造方法であって、
    前記塩基性水溶液は、塩基性化合物を塩基性水溶液全体の0.5〜10質量%含み、かつ浸漬時の塩基性水溶液の水温は30〜120℃である、リサイクル基材製造方法。
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