JP7401019B1 - 積層体の分離回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、プラスチック基材からの印刷層や接着剤層の脱離性に優れ、さらに、脱離層より脱離した成分のプラスチック基材への再付着が抑制された、プラスチックリサイクルに適した積層体の効率のよい分離回収方法を提供することにある。さらに、回収したプラスチック基材を溶融混練して得られる成形用材料の製造方法、及び、成形用材料を加熱成形して得られる高品位な成型体の製造方法を提供することにある。【解決手段】少なくとも、第1の基材及び第1の基材に接して第1の脱離層を備える積層体から、第1の基材を分離回収する積層体の分離回収方法であり、下記工程を含む、積層体の分離回収方法。(工程1)上記積層体を、塩基性化合物を含む第1の脱離液に一定時間浸漬した状態で静置させる工程。(工程2)工程1を経た積層体を、塩基性化合物を含む第2の脱離液中で積層体を攪拌することで脱離層を脱離させて、第1の基材を回収する工程。【選択図】なし

Description

本発明の実施形態は、少なくとも第1の基材、及び第1の基材に接する脱離層を備える積層体から基材を分離回収する方法に関する。本発明の他の実施形態は、分離回収された基材から成形用材料の製造方法及び成形体の製造方法に関する。
近年、プラスチックフィルムを原料とするパッケージ、プラスチックボトル、その他プラスチック製品は、海洋にゴミとして廃棄又は投棄され環境汚染問題となっている。これらのプラスチック製品は海水中で分解されてサブミクロンサイズの破片(マイクロプラスチック)となり海水中に浮遊する。当該マイクロプラスチックは、魚類等の海洋生物に摂取されることで生物体内中に濃縮され、当該海洋生物を食料として摂取する海鳥や人間の健康にも影響することが懸念されている。
上記プラスチック製品としては、プラスチックフィルムを使用した複層構成の食品包装パッケージ等が挙げられ、このような食品包装パッケージでは、フィルム基材としてポリエステル基材、ナイロン基材(NY)、ポリプロピレン基材(PP)、ポリエチレン基材(PE)等、種々のプラスチック基材が使用されている。これらフィルム基材は、印刷インキにより印刷が施され、接着剤等を介して他のフィルム基材や熱溶融樹脂基材と貼り合わされた後に、カットされ熱融着されてパッケージとなる。しかしながら、このような複層構成の食品包装パッケージは、相溶しない異種の材料が複数混合しているため、このままではマテリアルリサイクルができないという問題がある。
このような複層構成の包装材のマテリアルリサイクルについて、例えば、特許文献1には、所定の酸価を有するポリウレタン樹脂を含む脱離層を備える積層体をアルカリ水溶液で処理することで、表刷り構成だけでなく複層構成の積層体から印刷層を脱離する技術が開示されている。
特許文献2には、所定の酸価を有するポリエステルポリオール系接着剤を備える積層体をアルカリ水溶液で処理することで、複層構成の積層体から接着剤層を脱離する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載の脱離工程において、生産性を向上させるために、アルカリ水溶液に対する包装材の処理量を増やすと、脱離性が低下し、さらに、プラスチック基材から分離した印刷層や接着剤層が細かく分散されて、分離したプラスチック基材に再付着してしまうという課題が発生する。そしてこのような基材をリサイクルして得られる成形用材料は、着色による外観低下や物理性状の低下を引き起こす。
また特許文献3には、アルカリ脱離可能なインキ層を備えたシュリンクラベルを、アルカリ浸漬し、その後水浸漬時に攪拌することで、前記シュリンクラベルからインキ層を除去する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献3に記載の技術はシュリンクラベルという特殊基材その技術を転用して、汎用の基材を用いた複層構成の積層体から印刷層や接着剤層を脱離するのは困難である。
特開2020-090627号公報 特開2020-084130号公報 国際公開第2021/225070号
したがって本発明の課題は、プラスチック基材からの印刷層や接着剤層の脱離性に優れ、さらに、脱離層より脱離した成分のプラスチック基材への再付着が抑制された、プラスチックリサイクルに適した積層体の効率のよい分離回収方法を提供することにある。さらに、回収したプラスチック基材を溶融混練して得られる成形用材料の製造方法、及び、成形用材料を加熱成形して得られる高品位な成型体の製造方法を提供することにある。
発明者らは、鋭利検討の結果、以下の方法により、課題が解決することを見出した。
すなわち、本発明は、
少なくとも、第1の基材及び第1の基材に接して第1の脱離層を備える積層体から、第1の基材を分離回収する積層体の分離回収方法であり、下記工程1及び2を含む、積層体の分離回収方法に関する。
(工程1)上記積層体を、塩基性化合物を含む第1の脱離液に一定時間浸漬した状態で静置させる工程。
(工程2)工程1を経た積層体を、塩基性化合物を含む第2の脱離液中で積層体を攪拌することで脱離層を脱離させて、第1の基材を回収する工程に関する。
また、本発明は、第1の基材が、ポリオレフィン基材である、上記分離回収方法に関する。
また、本発明は、積層体が、第2の基材をさらに備える、上記いずれかの分離回収方法に関する。
また、本発明は、積層体が、第2の基材に接する第2の脱離層をさらに備える、上記分離回収方法に関する。
また、本発明は、積層体が、ポリオール成分とポリイソシアネート成分を含む2液硬化型の接着剤層をさらに備える、上記いずれかの分離回収方法に関する。
また、本発明は、積層体が、包装体である上記いずれかの分離回収方法に関する。
また、本発明は、第1の脱離液、および/または第2の脱離液が、水と界面活性剤と含む、上記いずれかの分離回収方法に関する。
また、本発明は、工程1の所要時間1に対して、工程2の所要時間が1以下である、上記いずれかの分離回収方法に関する。
また、本発明は、上記いずれかの分離回収方法で分離回収された基材1を溶融混練することを特徴とする、成形用材料の製造方法に関する。
また、本発明は、上記製造方法により製造されてなる成形用材料を、加熱成形することを特徴とする、成形体の製造方法に関する。
本発明により、プラスチック基材からの印刷層や接着剤層の脱離性に優れ、さらに、プラスチック基材への脱離層より脱離した成分の再付着が抑制された、プラスチックリサイクルに適した積層体の効率のよい分離回収方法を提供することができる。さらに、回収したプラスチック基材を溶融混練して得られる成形用材料の製造方法、及び、成形用材料を加熱成形して得られる高品位な成型体の製造方法を提供することができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する実施形態又は要件の説明は、本発明の実施形態の一例であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。
<分離回収方法>
本発明の実施形態である積層体の分離回収方法は、少なくとも第1の基材及び第1の基材に接する第1の脱離層を備える積層体を、塩基性化合物を含む第1の脱離液に一定時間浸漬した状態で静置させる工程1、及び、塩基性化合物を含む第2の脱離液中で積層体を攪拌することで第1の脱離層を脱離させて、第1の基材を回収する工程2を含むことを特徴とする。
本発明の実施形態において「脱離」「分離」とは、時に断らない限り、基材と、基材に接する層とが、脱離液の存在により、接している状態から、接していない状態になる一連の挙動の一部または全部をいい、同義である。脱離液に添加されている成分と、脱離層が含む前記添加されている成分に親和する部位との間で生じた作用に起因して脱離が起こると推測される。また、脱離層が2か所以上ある場合は、それぞれの箇所で脱離が同時におこりうる。
例えば、脱離層が脱離液により溶解若しくは膨潤し剥離することにより、基材が積層体から脱離することを指し、(1)脱離層が溶解して基材が脱離する場合、(2)脱離層が溶解しなくとも、中和又は膨潤等により剥離し、基材が脱離する場合、の一方または両方の形態を含む。
当該分離回収方法では、工程1において、塩基性化合物を含む第1の脱離液に積層体を脱離処理釜内で一定時間浸漬した状態で静置させることで、基材上の脱離層を膨潤させ、基材との密着性を低下させることができる。また、攪拌しないため、前記釜に対して脱離液を多く仕込める上に、脱離液に対する積層体の量も増やすことが可能となり、生産性を大幅に向上することができる。
さらに、工程2において、塩基性化合物を含む第2の脱離液中で積層体を攪拌することで、複層構成の積層体においても、脱離層を脱離させて、第1の基材を回収することが可能となる。
本願においては、工程1と工程2を組み合わせることで、脱離性と再付着性の良好な脱離基材を効率的に回収でき、高品位な再生材を製造することができる。
本発明は、脱離後のプラスチック基材を、リサイクル基材又は再生基材として得ることを目的としているため、プラスチック基材から、脱離層等をできる限り多く除去した態様が好適である。具体的には、脱離層100質量%のうち、面積や膜厚方向において少なくとも50質量%以上が脱離していることが好ましい。より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上が脱離している態様が好ましい。
<脱離液>
本発明において、工程1に使用する第1の脱離液及び、工程2に使用する第2の脱離液はいずれも塩基性化合物を含む。塩基性化合物を含むことで、脱離層を膨潤及び脱離させることができる。
脱離液は、水を50質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上含むことがより好ましく、80質量%以上含むことが更に好ましい。
第1の脱離液と第2の脱離液は、同一の組成でも、異なる組成でもどちらでも構わない。
脱離液は、積層体の端部分から浸透して脱離層に接触し、溶解又は膨潤することで、プラスチック基材と脱離層を分離する。したがって効率的に脱離工程を進めるために、積層体は、裁断又は粉砕され、脱離液に浸漬する際に、断面に脱離層が露出している状態であることが好ましい。このような場合、より短時間で基材を脱離することができる。
[塩基性化合物]
本発明の実施形態において、脱離液は塩基性化合物を含む塩基性水溶液である。
塩基性化合物は特に制限されず、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH))、アンモニア、水酸化バリウム(Ba(OH))、炭酸ナトリウム(NaCO)が好適に用いられる。より好ましくは水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
塩基性水溶液中の塩基性化合物の含有量は、塩基性水溶液の質量を基準として、好ましくは0.5~20質量%、より好ましくは1~15質量%、さらに好ましくは2~15質量%の範囲である。上記範囲内にあると、塩基性水溶液は、後述する脱離層を溶解又は膨潤により脱離させてプラスチック基材を回収するのに充分な塩基性を保持することができる。
[界面活性剤]
脱離液は、界面活性剤を含んでいてもよい。
界面活性剤は、主に、脱離層の脱離性を向上させる役割を担う。これは、界面活性剤の作用により、脱離液がプライマー層、印刷層、及び接着剤層等の脱離層中に浸透しやすくなり、脱離性が促進するためと考えられる。また、脱離した脱離成分や基材の表面に界面活性剤が吸着することで、細かく分散された印刷層等の再付着を防止すると考えられる。
また、分離回収において脱離液に対する積層体の量を増やしていくと、特に、プラスチック基材がオレフィン基材であるとき、積層体及び分離した基材は脱離したインキ片を巻き込んだ状態でカールする傾向にあり、脱離液に浸漬したとしても、カールに巻き込まれたインキ片等をきれいに除去することは困難となる。しかしながら、脱離液が界面活性剤を含むことで、カールが抑制される。その結果、脱離性が向上し再付着を抑えることができる。積層体及び分離した基材表面に界面活性剤が吸着したためと考えられる。
本発明の実施形態における界面活性剤のHLB値は、7以上であることが好ましい。HLBが7以上であることで、上述したように優れた脱離性と再付着防止性とを発揮する。界面活性剤のHLB値は、好ましくは8以上、より好ましくは10以上である。また界面活性剤のHLB値は、好ましくは20以下、より好ましくは19以下、さらに好ましくは17以下である。HLB値が20以下であると、消泡性に優れるため好ましい。
HLB値とは界面活性剤の水及び油への親和性に関する指標値であり、親水基を持たない物質のHLB値を0、親水基のみを有する物質のHLB値を20として等分したものである。HLBの概念は1949年にAtlas Powder Companyのウィリアム・グリフィンによって提唱され、計算によって決定する方法がいくつか提案されているが、本発明の実施形態においてHLB値は、グリフィン法により次式から求めることができる。
式) HLB=20×[(界面活性剤中に含まれる親水基の分子量)/(界面活性剤の分子量)]
界面活性剤中に含まれる親水基としては、例えば、水酸基及びエチレンオキシ基が挙げられる。
界面活性剤の種類としては、例えば、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性が挙げられ、要求特性に応じて適宜好適な種類、配合量を選択して使用することができる。脱離性や発泡性の観点から、好ましくは、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
また、界面活性剤は、アルキレンオキサイド(以下、AOともいう)を付加した構造であることで、脱離性や再付着防止性が良好となるため好ましい。
(ノニオン性界面活性剤)
ノニオン性界面活性剤としては、特に制限されないが、好ましくは、アルキレンオキサイドが付加したアルキレンオキサイド付加物である。より好ましくは、活性水素を有するアルコール類にアルキレンオキサイドを付加して得られる化合物、アミン類にアルキレンオキサイドを付加して得られる化合物若しくは脂肪酸類にアルキレンオキサイドを付加して得られる化合物である。上記付加は、ランダム付加又はブロック付加のいずれであってもよい。また、アルキレンオキサイドの炭素数は、好ましくは炭素数2~4である。
ノニオン性界面活性剤としてより好ましくは、アルコール類に炭素数2~4のアルキレンオキサイドを付加したアルコール系ノニオン性界面活性剤である。
〔アルコール系ノニオン性界面活性剤〕
アルコール系ノニオン性界面活性剤としては、例えば、総炭素数8~24の第1級若しくは第2級アルコールのアルキレンオキサイド付加物、又は、総炭素数8~12のアルキルフェノールのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。上記総炭素数8~24の第1級若しくは第2級アルコールは、飽和若しくは不飽和のいずれであってもよい。
上記総炭素数8~24の第1級若しくは第2級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ドデシルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、リグノセリルアルコール、ミリスチルアルコール等が挙げられる。
また、アルコール類に付加するアルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドが挙げられ、エチレンオキサイドを必須とするのが好ましい。アルキレンオキサイドの付加モル数は、アルコール類又はアルキルフェノール1モルに対し、好ましくは1~100モル、より好ましくは2~50モルである。上記範囲であると、特に脱離性に優れるため好ましい。
〔脂肪酸系ノニオン性界面活性剤〕
脂肪酸系ノニオン性界面活性剤としては、構造は特に制限されないが、例えば、総炭素数10~24の高級脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物や、前記した総炭素数が10~24の飽和若しくは不飽和の高級脂肪酸とグリセリンとのエステルからなる油脂、さらには、前記した油脂と2~10の多価アルコールとの混合物のアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。上記総炭素数10~24の高級脂肪酸は、飽和若しくは不飽和のいずれであってもよい。
上記総炭素数10~24の高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘニン酸等の飽和高級脂肪酸;パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸、リシノール酸等の不飽和高級脂肪酸;が挙げられる。2~10価の多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール、ソルビタン、ショ糖等が挙げられる。アルキレンオキサイドの種類及び付加モル数は、上述する〔アルコール系ノニオン性界面活性剤〕の項の記載と同様である。
〔アミン系ノニオン性界面活性剤〕
アミン系ノニオン性界面活性剤としては、総炭素数8~36の飽和又は不飽和の第1級又は第2級アミンのAO付加物が挙げられる。アミンとしては、2-エチルヘキシルアミン、ジ2-エチルヘキシルアミン、ラウリルアミン、ジラウリルアミン、テトラデシルアミン、ジテトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ジヘキサデシルアミン、ステアリルアミン、ジステアリルアミン、オレイルアミン、ジオレイルアミン等が挙げられる。また、AOの種類及び付加モル数は上記と同様である。
(アニオン性界面活性剤)
アニオン性界面活性剤として好ましくは非石鹸系界面活性剤であり、例えば、スルホン酸系アニオン性界面活性剤、硫酸エステル系アニオン性界面活性剤、カルボン酸系アニオン性界面活性剤、リン酸エステル系アニオン性界面活性剤が挙げられる。
〔スルホン酸系アニオン性界面活性剤〕
上記スルホン酸系アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、アルキルメチルタウリン、スルホコハク酸ジエステル、スルホン酸のアルキレンオキサイド付加物、およびこれらの塩が挙げられる。具体例としては、ヘキサンスルホン酸、オクタンスルホン酸、デカンスルホン酸、ドデカンスルホン酸、トルエンスルホン酸、クメンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジニトロベンゼンスルホン酸、およびラウリルドデシルフェニルエーテルジスルホン酸等を用いることができる。
〔硫酸エステル系アニオン性界面活性剤〕
上記硫酸エステル系アニオン性界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル(アルキルエーテル硫酸エステル)、硫酸エステルのアルキレンオキサイド付加物、及びこれらの塩が挙げられる。具体例としては、ラウリル硫酸、ミリスチル硫酸、およびポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸等を用いることができる。
〔カルボン酸系アニオン性界面活性剤〕
上記カルボン酸系アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルカルボン酸、アルキルベンゼンカルボン酸、カルボン酸のアルキレンオキサイド付加物、及びこれらの塩が挙げられる。具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸、およびポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸等を用いることができる。
〔リン酸エステル系アニオン性界面活性剤〕
上記リン酸エステル系アニオン性界面活性剤としては、例えば、リン酸エステル(アルキルエーテルリン酸エステル)、リン酸エステルのアルキレンオキサイド付加物、及びこれらの塩が挙げられる。具体例としては、オクチルリン酸エステル、ラウリルリン酸エステル、トリデシルリン酸エステル、ミリスチルリン酸エステル、セチルリン酸エステル、ステアリルリン酸エステル、ポリオキシエチレンオクチルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル等を用いることができる。
アニオン性界面活性剤は、炭素数2~24のアルキル基又は炭素数2~24のアルケニル基を有することが好ましく、より好ましくは、炭素数8~18のアルキル基を有するものである。当該アルキル基又は当該アルケニル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
また、アニオン性界面活性剤がアルキレンオキサイド付加物である場合、該アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドが挙げられ、エチレンオキサイドが好ましい。アルキレンオキサイドの付加モル数は、アルコール類又はアルキルフェノール1モルに対し、好ましくは1~12モル、より好ましくは1~8モルである。上記範囲であると、特に脱離性に優れるため好ましい。
上述するアニオン性界面活性剤を構成する塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の金属塩が挙げられる。これらの塩は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でもアニオン性界面活性剤として好ましくは、脱離性及び再付着防止性の観点から、スルホン酸塩タイプ、リン酸塩タイプであり、より好ましくは、アルキルスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩等である。
(カチオン性界面活性剤)
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類が挙げられる。具体的にはステアリルアミンアセテート、トリメチルヤシアンモニウムクロリド、トリメチル牛脂アンモニウムクロリド、ジメチルジオレイルアンモニウムクロリド、メチルオレイルジエタノールクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、ラウリルピリジニウムクロリド、ラウリルピリジニウムブロマイド、ラウリルピリジニウムジサルフェート、セチルピリジニウムブロマイド、4-アルキルメルカプトピリジン、ポリ(ビニルピリジン)-ドデシルブロマイド、ドデシルベンジルトリエチルアンモニウムクロリド等を用いることができる。
(両性界面活性剤)
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体が挙げられる。
これらの界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。脱離液中の界面活性剤の含有量は、脱離液の質量を基準として、好ましくは0.001~10質量%の範囲であり、より好ましくは0.005~7質量%の範囲であり、さらに好ましくは0.03~5質量%であり、なお好ましくは0.05~3質量%である。0.001質量%以上であると脱離性や再付着防止性に優れるため好ましく、10質量%以下であると消泡性の観点で好ましい。
[消泡剤]
本発明の実施形態においては、脱離液はさらに、消泡剤を、上述の界面活性剤と組み合わせて用いることで、脱離性及び再付着防止性を低下させることなく良好な消泡性を発現し、界面活性剤による発泡を抑制することができる。消泡剤としては、例えば、シリコーン系化合物、非シリコーン系化合物が挙げられる。
(シリコーン系化合物)
上記シリコーン系化合物としては、例えば、エマルジョン型、自己乳化型、オイル型、オイルコンパウンド型、溶剤型が挙げられる。
エマルジョン型は、シリコーンオイルコンパウンドを活性剤で乳化させてO/W型(oil in water型)のエマルジョンとしたシリコーン系消泡剤であり、例えば、信越化学工業製の「KM-89」、「KM-98」、旭化成ワッカーシリコーン製の「FC2913」、「SILFOAMSE47」、ビックケミー・ジャパン製の「BYK-015」、「BYK-1640」が挙げられる。
自己乳化型は、水で希釈、混合することでエマルション状態となる有効成分100%のシリコーン系消泡剤であり、例えば、信越化学工業製の「KS-540」、「X-50-1176」、旭化成ワッカーシリコーン製の「SILFOAM SD670」、「SILFOAM SD850」が挙げられる。
オイル型は、溶剤や添加剤を含まない100%シリコーンオイルの消泡剤であり、例えば、信越化学工業製の「KM-89」、「KM-98」、旭化成ワッカーシリコーン製「AK350」、「AK12500」、ビックケミー・ジャパン製の「BYK-1770」が挙げられる。
オイルコンパウンド型とは、シリコーンオイルにシリカ粒子を配合したシリコーン系消泡剤であり、例えば、信越化学工業製の「KM-89」、「KM-98」、旭化成ワッカーシリコーン製「SILFOAM SC370」、「PULPSIL22274VP」、ビックケミー・ジャパン製の「BYK-017」、「BYK-018」が挙げられる。
溶剤型は、シリコーンオイルを溶剤に溶解させたシリコーン系消泡剤であり、例えば、信越化学工業製の「KM-89」、「KM-98」、ビックケミー・ジャパン製の「BYK-019」、「BYK-025」が挙げられる。
(非シリコーン系化合物)
上記非シリコーン系化合物としては、例えば、脂肪酸エステル系化合物、ウレア樹脂系化合物、パラフィン系化合物、ポリオキシアルキレングリコール系化合物、アクリルエステル共重合物、エステル系重合物、エーテル系重合物、アミド系重合物、ミネラルオイルの乳化タイプ、ポリシロキサンアダクト、フッ素系化合物、ビニル系重合物、アセチレンアルコール、アクリル系ポリマー、特殊ビニル系ポリマー、エチレングリコール、高級アルコール(オクチルアルコール、シクロヘキサノール等)が挙げられる。
消泡剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。脱離液中の消泡剤の含有量は、脱離液の質量を基準として、好ましくは0.0001~5質量%の範囲であり、より好ましくは0.001~4.5質量%の範囲であり、さらに好ましくは0.01~4質量%であり、なお好ましくは0.02~3.5質量%であり、特に好ましくは0.03~3質量%である。0.0001質量%以上であると消泡性に優れ、5質量%以下であると脱離性や再付着防止性に優れる。
上記消泡剤は、耐アルカリ性が良好であり、上記界面活性剤と組み合わせたときに、脱離性や再付着防止性を低下させにくいという観点から、エマルジョン型シリコーン系化合物、自己乳化型シリコーン系化合物、及び非シリコーン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
<工程1、工程2>
本発明の分離回収方法は、下記工程1および下記工程2の2つの工程を有することを特徴とする。
(工程1)上記積層体を、塩基性化合物を含む第1の脱離液に一定時間浸漬した状態で静置させる工程。
(工程2)工程1を経た積層体を、塩基性化合物を含む第2の脱離液中で積層体を攪拌することで脱離層を脱離させて、第1の基材を回収する工程。
工程1では、第1の脱離液に積層体を投入し浸漬させ、その状態で一定時間静置させる。なお、ここでいう静置とは、脱離層が基材から脱離する程度の物理的外的刺激を積層体に与えないという意味である。つまり、物理的な外的刺激がなくても、脱離または溶解することものがあってもよい。物理的な外的刺激がなくても、脱離した脱離層成分は多くは、層の形状を維持したまま脱離する。また、脱離していない脱離層成分の多くもわずかな外的刺激があれば脱離する状態になっている。そのため、この工程を有することで、脱離層が過度に粉砕されないので脱離後の脱離層除去が容易となる。
工程2では、脱離層の脱離を促進する意味で、物理的外的刺激である撹拌を行う。
工程1及び工程2における脱離液の温度は、好ましくは25~120℃、より好ましくは30~120℃、特に好ましくは30~80℃の範囲である。
攪拌を有する工程2に対し、工程1は積層体が脱離液に浸漬さえできれば良いため、釜に対する脱離液の容量比や、脱離液に対する積層体の質量比は工程1の方が大きく設定できる。工程1における釜に対する脱離液の容量比は、好ましくは1割~10割、より好ましくは2割~9割、さらに好ましくは3割~8割である。工程2における釜に対する脱離液の容量比比は、好ましくは1割~8割、より好ましくは2割~7割、さらに好ましくは3割~6割である。工程1における脱離液に対する積層体の質量比は、好ましくは10~50%、より好ましくは14~40%、さらに好ましくは18~30%である。工程2における脱離液に対する積層体の質量比は、好ましくは0.5~10%、より好ましくは1~8%、さらに好ましくは2~6%である。
工程1における脱離液への静置時間は、好ましくは1分~12時間、より好ましくは5分~6時間、さらに好ましくは10分~3時間、特に好ましくは30分~2時間の範囲である。工程2における脱離液中での攪拌時間は、好ましくは1分~5時間、より好ましくは2分~4時間、さらに好ましくは5分~2時間、特に好ましくは8分~45分の範囲である。
生産性や脱離後の印刷層等の再付着を考慮すると、工程1の所要時間が工程2より長い方が好ましい。工程1の所要時間1に対して、工程2の所要時間が好ましくは1以下、より好ましくは、0.1~1。0、さらに好ましくは0.1~0.5、特に好ましくは0.15~0.4の範囲である。
なお、工程1で、特に投入直後、積層体を脱離液中になるべく均等に浸漬静置させるため、脱離層が基材より脱離しない程度の極めて緩やかに攪拌する場合があり、これは静置している場合に含む。工程2における攪拌速度は、好ましくは80~5000rpm、より好ましくは100~4000rpmである。
積層体から、脱離層が脱離し、プラスチック基材を回収した後、得られたプラスチック基材を水洗及び乾燥する工程を経て、リサイクル基材を得ることができる。基材の表面における脱離層の除去率は、脱離前の脱離層の面積に対して、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上である。
また、得られたリサイクル基材は、押出機等によりペレット状に加工し、再生樹脂として再利用することができる。
工程1と工程2とは、同一釜における工程であっても、異なる釜における工程であってもよい。
第2の脱離液は、第1の脱離液をそのまま用いても、第1の脱離液に含まれる成分量変える所作をしたものであっても、完全に入れ替えたものであってもよい(完全に入れ替えたときに、第1の脱離液と同じ組成比のものであってもよい。)
また、工程2においては、脱離液、積層体または脱離した基材などの成分が、釜からいったん外に排出され、再び、排出された一部または全部が、釜に循環するような形態であってもよい。
<積層体>
本発明の実施形態において、積層体は、少なくとも第1の基材、及び第1の基材に接する第1の脱離層を備える。第1の基材に接した脱離層が上述した脱離液により脱離することで、第1の基材を回収しリサイクルすることが可能となる。
<脱離層、第1の脱離層、第2の脱離層>
本発明の実施形態における脱離層は、公知の脱離液により基材より脱離可能な層であり、脱離液に添加されている成分に親和する部位を有する層であることが好ましい。例えば、水溶性樹脂又は酸性基を有する化合物を含む層であることが好ましい。積層体が水溶性樹脂又は酸性基を有する化合物を含む脱離層を有することで、脱離液が、脱離層へより浸透し、脱離層が膨潤しやすくなり、基材の剥離を促進させる結果、印刷層や接着剤層の脱離性が顕著に高くなると推察される。
脱離層は、硬化後に水溶性であるか又は酸価を与える酸性基を有していれば、水溶性樹脂又は酸性基を有する硬化性化合物の硬化物であってもよい。
また、脱離層は、プラスチック基材に接する層であることから、好ましくは、プライマー層、印刷層及び接着剤層からなる群より選ばれる少なくとも1種の層である。すなわち、プライマー層、印刷層及び接着剤層からなる群より選ばれる少なくとも1種の層が、水溶性樹脂又は酸性基を有する化合物を含む層であることが好ましい。上記酸性基を有する化合物は、樹脂であってもよく、低分子化合物であってもよい。これらの水溶性樹脂又は酸性基を有する化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、脱離層が2か所以上ある場合は、それぞれの脱離層を構成する成分は、同じであっても、異なっていてもよい。
脱離層は、樹脂成分(以下、バインダー樹脂ともいう)などを含んでいてもよい。前記樹脂成分は、水溶性樹脂および酸性基を有する化合物でなくてもよい。
以下に、脱離層がプライマー層、印刷層、接着剤層である場合について各々説明する。
[プライマー層]
脱離層がプライマー層である場合、該プライマー層は、プラスチック基材と接して配置され、好ましくは、水溶性樹脂又は酸性基を有する化合物を有し、脱離液による溶解又は剥離等によりプラスチック基材を脱離する役割を担う。
(水溶性樹脂)
水溶性樹脂としては、水で膨潤又は溶解し、プラスチック基材から脱離することができる樹脂であればよい。水は温度25~100℃程度に加温されていてもよい。これにより、プライマー層を水(温水含む)で脱離することができる。
このような樹脂としては、水溶性を損なわない範囲で、公知の樹脂から選択でき、例えば、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性ポリアミド樹脂、水溶性ポリイミド樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ポリウレタン樹脂、水溶性ポリアリルアミン樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性フェノキシ樹脂、水溶性尿素樹脂、水溶性メラミン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、並びにこれらの樹脂の変性物が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、入手のしやすさ、脱離性の観点から、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂が好適に用いられる。
水溶性樹脂が造膜性を有する場合、プライマー層を構成するバインダー樹脂として水溶性樹脂を用いてもよい。
水溶性樹脂の例として、水溶性であり酸性基を有する樹脂と、水溶性であり酸性基を有しない樹脂とが挙げられる。水溶性樹脂は、例えば、水溶性であり酸性基を有しない樹脂であってよい。
ポリビニルアルコール樹脂としては、未変性のポリビニルアルコールの他に、ビニルエステル系樹脂の製造時に各種モノマーを共重合させ、これをケン化して得られる変性ポリビニルアルコールや、未変性ポリビニルアルコールに後変性によって各種官能基を導入した各種の後変性ポリビニルアルコールを用いてもよい。また、変性ポリビニルアルコールを更に後変性させたものでもよい。これらの変性は、ポリビニルアルコール樹脂の水溶性が損なわれない範囲で行うことができる。
これらの樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリビニルアルコール樹脂として好ましくは、側鎖に一級水酸基を有する構成単位を含有する樹脂、エチレン変性ポリビニルアルコール樹脂が挙げられる。中でも、溶融成形性に優れ、さらに水溶性に優れる点で、側鎖に一級水酸基を有する構成単位を含有するポリビニルアルコール樹脂が好ましい。これらの構成単位における一級水酸基の数は、通常1~5個、好ましくは1~2個、より好ましくは1個である。また、一級水酸基以外にも二級水酸基を有することが好ましい。側鎖に一級水酸基を有する構成単位を含有するポリビニルアルコール樹脂として、例えば、側鎖1,2-ジオール構成単位含有変性ポリビニルアルコール樹脂が挙げられる。
本発明の実施形態において、ポリビニルアルコール樹脂のケン化度(JIS K 6726に準拠して測定)は、通常60~100モル%である。また、ケン化度の好ましい範囲は、変性種によって異なり、例えば、未変性ポリビニルアルコール樹脂の場合、通常60~99.9モル%、好ましくは70~99.0モル%、より好ましくは75~98.5%である。側鎖1,2-ジオール構成単位含有変性ポリビニルアルコール樹脂のケン化度は、通常60~99.9モル%、好ましくは65~99.8モル%、より好ましくは70~99.5モル%である。かかるケン化度が低すぎると水溶性が低下する傾向がある。少量のエチレンで変性されたエチレン変性ポリビニルアルコール樹脂のケン化度は、通常60モル%以上、好ましくは70~99.5モル%、特に好ましくは75~99.0モル%である。
ケン化度が上記範囲内であると、水溶性に優れ脱離性が良好になるため好ましい。また、プライマー層を形成する際の、塗工性にも優れるため好ましい。
ポリビニルアルコール樹脂の平均重合度(JIS K 6726に準拠して測定)は、通常100~3000であり、好ましくは150~2000、より好ましくは180~1000、特に好ましくは200~800である。
(酸性基を有する化合物)
酸性基を有する化合物としては、酸性基を有する樹脂又は酸性基を有する低分子化合物を用いてもよい。これにより、プライマー層を上述する塩基性水溶液で脱離することができる。酸性基を有する樹脂の例として、酸性基を有する水溶性樹脂と、酸性基を有する水不溶性樹脂とが挙げられる。酸性基を有する樹脂は、例えば、酸性基を有しさえすれば、水溶性樹脂であっても不溶性樹脂であってもよい。
酸性基を有する樹脂の主鎖となる樹脂としては、例えば、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ケトン樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂が挙げられる。これらの樹脂の重合時に酸性基を有する原料を用いる、あるいは重合後に酸性基を有する化合物と反応させて、酸性基を有する樹脂とすることができる。上記酸性基としては、例えば、カルボキシ基、リン酸基、スルホ基、スルフィノ基等若しくはそれらのエステル又は塩が挙げられる。
また、酸性基を有する樹脂として、マレイン化ロジンやフマル化ロジン等の酸価を有するロジン変性樹脂を用いることができる。
また、酸性基を有する樹脂として、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸等のカルボキシ基を有する重合性モノマー;無水イタコン酸、無水マレイン酸等の酸無水物である重合性モノマー;スルホン化スチレン等のスルホン酸基を有する重合性モノマー;ビニルベンゼンスルホンアミド等のスルホンアミド基を有する重合性モノマー;のような酸性基を有する重合性モノマーを共重合させた、スチレン-(メタ)アクリル樹脂、スチレン-(無水)マレイン酸樹脂、テルペン-(無水)マレイン酸樹脂等のラジカル共重合体や、酸変性されたポリオレフィン樹脂を用いることができる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
酸性基を有する低分子化合物は、分子量分布を有しない化合物であって、且つ分子量が1,000以下の化合物を指す。このような化合物としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸;オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ソルビン酸等の不飽和脂肪酸;乳酸、リンゴ酸、クエン酸等のヒドロキシ酸;安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、没食子酸、メリト酸、ケイ皮酸等の芳香族カルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸等のジカルボン酸;アコニット酸等のトリカルボン酸;ピルビン酸、オキサロ酢酸等のオキソカルボン酸;アミノ酸、ニトロカルボン酸等のカルボン酸誘導体;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の酸無水物が挙げられる。
酸性基を有する低分子化合物は、上述する酸性基を有する樹脂又は公知のプライマー層を構成する公知のバインダー樹脂と組合せて用いることで、プライマー層を形成することができる。
プライマー層は、リコート適正の観点から、酸性基を有する化合物を含むことが好ましい。また、印刷適性の観点から、酸性基を有するウレタン樹脂、酸性基を有するアクリル樹脂、又はロジン変性樹脂を含むことが好ましい。プライマー層は、これらの樹脂を1種単独で、又は、2種以上を組み合わせて含んでよい。
〔酸性基を有するウレタン樹脂〕
酸性基を有するウレタン樹脂は特に制限されず、例えば、酸性基を有するポリオールとポリイソシアネートとを反応させてなるウレタン樹脂、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させてなるウレタン樹脂中の水酸基を酸変性してなる樹脂、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させてなるウレタン樹脂中のイソシアネート基にポリアミンを反応させてなるウレタンウレア樹脂中のアミノ基を酸変性してなる樹脂が挙げられる。
また、ポリオールとして酸性基を有するポリオールを使用することで、ウレタン樹脂にカルボキシ基に由来する酸価を付与することができ、脱離性を向上させることができる。
《ポリオール》
ポリオールは、一つの分子内に少なくとも二つの水酸基を有する化合物の総称である。ポリオールの数平均分子量は、好ましくは500~10,000、より好ましくは1,000~5,000である。上記数平均分子量とは、ポリオールの水酸基価から算出されるものであり、当該水酸基価はJIS K 0070による測定値を指す。ポリオールの数平均分子量が500以上であると、プライマー層の柔軟性に優れ、プラスチック基材への密着性が向上する。数平均分子量が10,000以下であると、プラスチック基材に対する耐ブロッキング性に優れる。
ポリオールとしては特に制限されず、より好ましくは、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、及びポリカーボネートポリオールからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリオールが用いられる。更にポリオールは、その他ダイマージオール、水添ダイマージオール、ひまし油変性ポリオール等を含んでもよい。
即ち、上記ウレタン樹脂は、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、及びポリカーボネートポリオールからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオール由来の構成単位を含むことが好ましい。ポリエステルポリオールのエステル結合部位がアルカリ加水分解することにより脱離性が向上するため、より好ましくは、ポリエステルポリオール由来の構成単位を含むものである。
ポリオール由来の構成単位の含有量は、ウレタン樹脂全量に対して、好ましくは10~75質量%、より好ましくは15~70質量%、さらに好ましくは20~65質量%である。ポリエステルポリオール由来の構成単位の含有量は、ポリオール由来の構成単位全量に対して、好ましくは5質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、特に好ましくは80質量%以上である。
《ヒドロキシ酸》
上記ポリオールはヒドロキシ酸を含んでもよい。上記ヒドロキシ酸は、活性水素基である水酸基及び酸性官能基の両方を一分子中に有する化合物を指す。該酸性官能基とは、酸価を測定する際に、水酸化カリウムで中和され得る官能基を示し、具体的にはカルボキシ基やスルホン酸基等が挙げられ、好ましくはカルボキシ基である。このようなヒドロキシ酸としては、例えば、2,2-ジメチロールプロピオン酸、2,2-ジメチロールブタン酸、2,2-ジメチロール吉草酸のようなジメチロールアルカン酸が好適に用いられる。
《ポリイソシアネート》
上記ポリイソシアネートは特に制限されず、従来公知のポリイソシアネートから選択することができる。好ましくは、ジイソシアネート又はトリイソシアネートを含み、より好ましくは、芳香族、脂肪族又は脂環式のジイソシアネートを含む。これらは単独又は2種以上を併用してもよい。
《ポリアミン》
ウレタンウレアとするためのポリアミンは特に制限されず、好ましくはジアミン化合物である。また、ウレタン樹脂に水酸基を導入できる点で、水酸基を有するジアミンを用いてもよい。
酸性基を有するウレタン樹脂の酸価は、好ましくは15mgKOH/g以上であり、より好ましくは15~70mgKOH/gであり、さらに好ましくは20~50mgKOH/gである。15mgKOH/g以上であると、脱離液による脱離性が良好となるため好ましく、70mgKOH/g以下であると、基材密着性や耐レトルト性が良好となるため好ましい。
ウレタン樹脂の水酸基価は、好ましくは1~35mgKOH/gであり、より好ましくは10~30mgKOH/gである。1mgKOH/g以上であると、脱離液による脱離性が良好となるため好ましく、35mgKOH/g以下であると、基材密着性が良好となるため好ましい。
酸性基を有するウレタン樹脂の重量平均分子量は、好ましくは10,000~100,000、より好ましくは15,000~70,000、さらに好ましくは15,000~50,000である。ウレタン樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは6以下である。Mwは重量平均分子量を表し、Mnは数平均分子量を表す。分子量分布が6以下であると脱離性、プライマー組成物の乾燥性、耐レトルト性に優れる。また、分子量分布が小さい、即ち分子量分布がシャープであるほど、脱離液による溶解又は剥離作用が均一に起こり、プラスチック基材の脱離性が向上する。分子量分布は、より好ましくは5以下、さらに好ましくは4以下である。また、分子量分布は好ましくは1.5以上、より好ましくは1.2以上である。
本明細書において、Mw、Mn及び分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めたポリスチレン換算値である。
酸性基を有するウレタン樹脂はアミン価を有していてもよい。ウレタン樹脂がアミン価を有する場合、アミン価は0.1~20mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは1~10mgKOH/gである。上記範囲内であると基材密着性に優れる。
酸性基を有するポリウレタン樹脂のウレタン結合数は、好ましくは1~3mmol/g、より好ましくは1.5~2mmol/gである。また、ウレア結合数は、好ましくは0~3mmol/g、より好ましくは0.2~1mmol/gである。また、ウレタン結合数とウレア結合数の合計は、好ましくは1~6mmol/g、より好ましくは1.7~3mmol/gである。
ウレタン結合数及びウレア結合数を該当範囲に設定することで、脱離性及び再付着防止性が向上する。
〔酸性基を有するアクリル樹脂〕
酸性基を有するアクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸等の酸性基を有する(メタ)アクリルモノマーを含むモノマーを重合した重合体;水酸基やグリシジル基を有する(メタ)アクリルモノマーを含むモノマーを重合した後、当該官能基を変性してカルボキシ基を導入した樹脂(例えば無水マレイン酸変性樹脂);が挙げられる。
酸性基を有するアクリル樹脂の酸価は、好ましくは50mgKOH/g以上、より好ましくは100mgKOH/g以上である。
〔ロジン変性樹脂〕
ロジン変性樹脂は、原料の一つとしてロジンを用いて調製された樹脂である。ロジンには、アビエチン酸、パラストリン酸、イソピマール酸、レボピマール酸等の樹脂酸が混合物として含まれ、これら樹脂酸は、親水性で化学活性なカルボキシ基が含まれ、中には共役二重結合を備えるものもある。そのため、多価アルコールや多塩基酸を組み合わせて縮重合させたり、ロジン骨格に含まれるベンゼン環にフェノールの縮合体であるレゾールを付加させたり、ジエノフィルである無水マレイン酸やマレイン酸とディールスアルダー反応をさせてマレイン酸や無水マレイン酸骨格を付加させさせたりすること等により、様々なロジン変性樹脂が調製されている。このようなロジン変性樹脂は、各種のものが市販されており、それを入手して用いることも可能である。
ロジン変性樹脂としては、例えば、マレイン化ロジン、フマル化ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキッド樹脂、ロジン変性ポリエステル樹脂が挙げられる。本発明の実施形態においては、いずれのロジン変性樹脂を用いてもよいが、これらの中でも、その構造中にマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸及び無水フマル酸からなる群より選択される少なくとも一つを由来とする部位を含むものが好ましく用いられる。「その構造中にマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸及び無水フマル酸からなる群より選択される少なくとも一つを由来とする部位を含む」樹脂とは、原料の一部としてマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸及び無水フマル酸からなる群より選択される少なくとも一つを用いて調製されたものであり、例えば、多塩基酸の一部としてマレイン酸やフマル酸を縮重合させたロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂や、ジエノフィルとしてマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸や無水フマル酸をディールスアルダー反応で付加させた構造を備えるマレイン化ロジン、フマル化ロジンや、これらに含まれる官能基を用いてさらに他の化学種を重合させた樹脂等を意味する。
ロジン変性樹脂の酸価は、好ましくは10~400mgKOH/gであり、より好ましくは100~300mgKOH/gである。
(その他成分)
プライマー層は、水溶性樹脂又は酸性基を有する化合物以外の樹脂を含有してもよい。
このような樹脂としては、例えば、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂若しくは塩化ビニル-アクリル系共重合樹脂等の塩化ビニル樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ダンマル樹脂、スチレン-アクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、テルペン樹脂、フェノール変性テルペン樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、ポリアセタール樹脂、石油樹脂、及びこれらの変性樹脂を挙げることができる。これらの樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、プライマー層は、セルロース樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン樹脂、アクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくも1種の樹脂を含むことが好ましい。より好ましくは、塩化ビニル樹脂、又はアクリル樹脂を含む。
酸性基を有するウレタン樹脂と、その他樹脂との質量比(酸性基を有するウレタン樹脂:その他樹脂)は、好ましくは95:5~50:50である。上記範囲内であると、塩基性水溶液中において、プライマー層と共に印刷層が剥離した際に、印刷層が薄膜の状態で剥離され、回収が容易となるため好ましい。
プライマー層は、体質顔料を含有してもよい。体質顔料としては、例えば、シリカ、硫酸バリウム、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の金属酸化物が挙げられる。中でも好ましくはシリカであり、より好ましくは親水性シリカである。
体質顔料の平均粒子径は、好ましくは0.5~10μmであり、より好ましくは1~8μmである。体質顔料の含有量は、プライマー層中に0.5~10質量%であることが好ましく、より好ましくは1~5質量%である。平均粒子径及び体質顔料の含有量が、上記範囲内であると、印刷層の濡れ性が向上し画質が向上する。
プライマー層は、上述する酸性基を有するウレタン樹脂が硬化剤で架橋された層であってもよい。プライマー層に架橋構造が導入されることで、プライマー層上に形成される印刷層の浸透や滲みが抑制され、優れた画質を示すことができる。
硬化剤としては、例えば、ポリイソシアネートが挙げられる。ポリイソシアネートとしては、特に制限されず、従来公知のポリイソシアネートから選択することができ、例えば、脂肪族ポリイソシアネート又は芳香脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。これらは単独又は2種以上を併用してもよい。
プライマー層は、さらに公知の添加剤を含有してもよい。公知の添加剤としては、例えば、分散剤、湿潤剤、接着補助剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、粘度調整剤、金属キレート、トラッピング剤、ブロッキング防止剤、上記以外のワックス成分、シランカップリング剤が挙げられる。
プライマー層の厚みは、好ましくは0.5~3.0μm、より好ましくは0.6~2.0μm、さらに好ましくは0.8~1.5μmの範囲であり、公知の方法を用いて形成することができる。
[印刷層]
印刷層とは、装飾、美感の付与、内容物、賞味期限、製造者又は販売者の表示等を目的とした、任意の印刷模様を形成する層であり、ベタ印刷層も含む。
脱離層が印刷層である場合、該印刷層は、プラスチック基材と接して配置され、水溶性樹脂又は酸性基を有する化合物を含み、脱離液による溶解又は剥離等によりプラスチック基材を脱離する役割を担う。印刷層は、好ましくは、水溶性樹脂又は酸性基を有する化合物と、着色剤とを含む。また印刷層の形成方法は制限されず、公知の方法を用いて形成することができる。
印刷層は、リコート適正の観点から、酸性基を含む化合物を含むことが好ましい。また、印刷適性の観点から、酸性基を有するウレタン樹脂、酸性基を有するアクリル樹脂、又はロジン変性樹脂を含むことが好ましい。印刷層は、これらの樹脂を1種単独で、又は、2種以上を組み合わせて含んでよい。
上記水溶性樹脂及び酸性基を有する化合物、並びに、酸性基を有するウレタン樹脂、酸性基を有するアクリル樹脂及びロジン変性樹脂は、上述する[プライマー層]の項における(水溶性樹脂)、(酸性基を有する化合物)、〔酸性基を有するウレタン樹脂〕、〔酸性基を有するアクリル樹脂〕及び〔ロジン変性樹脂〕の記載を援用できる。
(着色剤)
印刷層は、有色であっても無色であってもよく、印刷インキや塗料で使用される公知の着色剤を含有する。このような着色剤は特に制限されず、無機顔料、有機顔料、染料のほか、金属光沢を与える金属粉、近赤外吸収材料、紫外線吸収材料を用いてもよい。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、ベンガラ、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛等の有色顔料;炭酸カルシウム、カオリン、クレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タルク等の体質顔料;が挙げられる。
有機顔料としては、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、アゾキレーキ顔料、縮合アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、縮合多環顔料等が好適に用いられる。
なおこれらに限らず、前記顔料はカラーインデックスのジェネリックネームで記載のものが適宜使用できる。中でも、脱離液が塩基性水溶液である場合、塩基性水溶液に溶出しない、アルカリ耐性を有する顔料が好ましい。顔料の溶出を防ぐことで塩基性水溶液の再利用が容易となる。
顔料のアルカリ耐性は、概ね顔料の骨格又は構造で推定され、アルカリ耐性のある顔料としては、例えば、無機顔料、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントイエロー83が挙げられる。
顔料が酸化チタンである場合、酸化チタンの含有量は、印刷層中に好ましくは20~80質量%、より好ましくは30~75質量%である。また顔料が、酸化チタンを除く無機顔料、体質顔料、有機顔料である場合、これらの顔料の含有量はいずれも、印刷層中に好ましくは0.5~60質量%、より好ましくは10~50質量%である。
(その他成分)
印刷層は、着色剤の分散剤として、顔料誘導体又は樹脂型分散剤を含有してもよい。
顔料誘導体は、顔料の骨格に置換基を導入した化合物であり、顔料誘導体の含有量は、着色剤の質量を基準として、好ましくは0.01~10質量%、より好ましくは0.05~6質量%であり、さらに好ましくは0.1~4質量%である。0.01質量%以上であるとプラスチック基材の脱離性に優れ、10質量%以下であると、印刷層の再付着を抑制することができる。
樹脂型分散剤は、着色剤に吸着して印刷インキ等への分散を安定化する働きをするものであり、公知の樹脂型分散剤から適宜選択できる。樹脂型分散剤の含有量は、着色剤の質量を基準として、好ましくは0.01~30質量%、より好ましくは0.05~20質量%、さら好ましくは0.1~10質量%である。0.01質量%以上であるとプラスチック基材の脱離性に優れ、30質量%以下であると印刷層の耐水性に優れる。
印刷層は、水溶性樹脂又は酸性基を含む化合物以外の樹脂を含有してもよい。
このような樹脂としては、例えば、ニトロセルロース系、セルロースアセテート・プロピオネート等の繊維素材、塩素化ポリプロピレン系、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体系、ポリエステル系、アクリル系、ウレタン樹脂系及びアクリルウレタン系、ポリアミド系、ポリブチラール系、環化ゴム系、塩化ゴム系の樹脂を挙げることができる。これらの樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
印刷層の厚みは、好ましくは0.1μm以上100μm以下、より好ましくは0.1μm以上10μm以下、さらに好ましくは1μm以上5μm以下である。
[接着剤層]
脱離層が接着剤層である場合、該接着剤層は、プラスチック基材と接して配置され、酸性基を有する化合物を含み、脱離液による溶解又は剥離等によりプラスチック基材を脱離する役割を担う。接着剤層が、酸性基を有する樹脂又は酸性基を有する低分子化合物を含むことで、上述する塩基性水溶液を用いて接着剤層を脱離することができる。
上記酸性基を有する化合物、酸性基を有する樹脂及び酸性基を有する低分子化合物は、上述する[プライマー層]の項における(酸性基を有する化合物)の記載を援用できる。
また接着剤層の形成方法は制限されず、公知の方法を用いて形成することができる。
接着剤層は、脱離性の観点から、酸性基を有するポリエステルポリオールと、脂肪族ポリイソシアネート及び芳香脂肪族ポリイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネートとを含む接着剤の硬化物であってもよい。上記硬化物は、酸性基を有する樹脂に該当する。
また、接着剤層は、ポリエステルポリオールと、脂肪族ポリイソシアネート及び芳香脂肪族ポリイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネートと、酸性基を有する低分子化合物とを含む接着剤の硬化物であってもよい。
(ポリエステルポリオール)
ポリエステルポリオールは、酸性基を有していればよく、公知のポリエステルポリオールから適宜選択できる。このようなポリエステルポリオールを含むことにより、脱離液として塩基性水溶液を用いた場合、塩基性化合物との親和性が高いエステル結合を有することで、脱離性が向上するため好ましい。ポリエステルポリオールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリエステルポリオールは、特に限定されないが、カルボキシ基成分と水酸基成分とを反応させて得られるポリエステルポリオール;ポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β-メチル-γ-バレロラクトン)等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオール;が好適に用いられる。
上記カルボキシ基成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、無水フタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等二塩基酸若しくはそれらのジアルキルエステル又はそれらの混合物が挙げられる。
上記水酸基成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ブタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3,3′-ジメチロールヘプタン、1,9-ノナンジオール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、ポリウレタンポリオール等のジオール類若しくはそれらの混合物が挙げられる。
上記カルボキシ基成分及び水酸基成分は、2種以上を併用してもよい。
ポリエステルポリオールは、ポリオール中の水酸基にポリイソシアネートを反応させたポリエステルウレタンポリオールであってもよい。ポリエステルポリオールがウレタン結合を有することで、優れた耐熱性、接着性を発揮する。
上記ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネートが挙げられる。
また、ポリエステルポリオールは、ポリオール中の水酸基に酸無水物を反応させた酸無水物変性物であってもよい。これにより、ポリエステルポリオールに酸性基であるカルボキシ基を導入することができる。
酸無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸、無水メリト酸、無水トリメリット酸、トリメリット酸エステル無水物が挙げられる。トリメリット酸エステル無水物としては、例えば、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、プロピレングリコールビスアンヒドロトリメリテートが挙げられる。
ポリエステルポリオールの酸価は、好ましくは5.0mgKOH/g以上、より好ましくは10.0mgKOH/g以上である。また、ポリエステルポリオールの酸価は、好ましくは100mgKOH/g以下、より好ましくは80mgKOH/g以下である。ポリエステルポリオールの酸価が上記範囲であると、塩基性水溶液である脱離液と接触させた際に、塩基性水溶液が浸透して分解され、より優れた脱離性を発揮する。
接着剤が複数のポリエステルポリオールを含む場合、ポリエステルポリオール全体の酸価は、各々のポリエステルポリオール分の酸価とその質量比率から求めることができる。
ポリエステルポリオールの数平均分子量(Mn)は、好ましくは3,000~25,000、より好ましくは5,000~20,000、特に好ましくは7,000~15,000である。ポリエステルポリオールの数平均分子量が3,000以上であると、塗工性だけでなく十分な耐レトルト性を発揮することができ、20,000以下であると塗工性だけでなく脱離性が向上するため好ましい。
ポリエステルポリオール分は、包装材に要求される各種物性を満たすために、複数のポリエステルポリオール成分を併用してもよく、例えば、数平均分子量5,000~20,000のポリエステルポリオールを含んでもよく、さらに、基材密着性を向上させるために、数平均分子量3,000未満のポリエステルポリオールを含んでもよい。
数平均分子量が3,000未満のポリエステルポリオールの含有量は、ポリエステルポリオールの全質量を基準として、好ましくは0~30質量%、より好ましくは0~20質量%である。30質量%以下であると、耐レトルト性を維持できる。
(その他ポリオール)
接着剤層を構成する接着剤は、ポリエステルポリオール以外のその他ポリオールを含有してもよい。ポリエステルポリオール以外に含有してもよいポリオールは、特に限定されず、例えば、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、シリコーンポリオール、ヒマシ油系ポリオール、フッ素系ポリオールが挙げられる。
(ポリイソシアネート)
接着剤層を構成するために、上述するポリエステルポリオールと組み合わせるポリイソシアネートは、公知の脂肪族ポリイソシアネート及び芳香脂肪族ポリイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、1,2-ブチレンジイソシアネート等の非環状の脂肪族ジイソシアネート;1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(以下、イソホロンジイソシアネート)等の脂環式ジイソシアネート;上記ジイソシアネートから誘導された、アロファネートタイプ、ヌレートタイプ、ビウレットタイプ、アダクトタイプの誘導体、若しくはその複合体等のポリイソシアネート;が挙げられる。
誘導体として好ましくは、ヌレートタイプ、アダクトタイプであり、より好ましくはアダクトタイプである。脂肪族ポリイソシアネートとしては、脱離性とラミネート物性のバランスが確保しやすいヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIともいう)から誘導されたポリイソシアネートが好ましい。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3-又は1,4-キシリレンジイソシアネート若しくはその混合物、ω,ω′-ジイソシアネート-1,4-ジエチルベンゼン、1,3-又は1,4-ビス(1-イソシアネート-1-メチルエチル)ベンゼン若しくはその混合物等の芳香脂肪族ジイソシアネート;上記芳香脂肪族ジイソシアネートから誘導された、アロファネートタイプ、ヌレートタイプ、ビウレットタイプ、アダクトタイプの誘導体、若しくはその複合体等のポリイソシアネート;が挙げられる。
(その他ポリイソシアネート)
接着剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート以外のその他ポリイソシアネートを含有してもよい。このようなポリイソシアネートとしては、例えば、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネート;上記ジイソシアネートの誘導体、若しくはその複合体等のポリイソシアネート;が挙げられる。
上記ポリオールとポリイソシアネートとの配合割合は、ポリオール中の水酸基に対するポリイソシアネートのイソシアネート基のモル比(NCO/OH)が0.3~10.0になるよう配合してもよい。好ましくは、0.3~7.0であり、より好ましくは0.5~5.0である。
(その他成分)
接着剤層は、シランカップリング剤、リンの酸素酸若しくはその誘導体、レベリング剤、消泡剤、反応促進剤のほか、無機充填剤(例えば、シリカ、アルミナ、マイカ、タルク、アルミニウムフレーク、ガラスフレーク)、層状無機化合物、安定剤(例えば、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤)、防錆剤、増粘剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、フィラー、結晶核剤、硬化反応を調整するための触媒等を含有してもよい。
<第1の基材、第2の基材、プラスチック基材>
本発明で用いる第1の基材は、プラスチック基材であることが好ましい。
本発明において、積層体が第1の基材以外の基材を含むことを排除しない。また、当該第1の基材以外の基材は、必ずしも、分離回収の対象でない場合を排除しない。
また、第2の基材が存在する場合で、第2の基材も、回収するのであれば、プラスチック基材であることが好ましい。回収された第1の基材と回収された第2の基材とを分別する必要がない場合、あるいは、回収後、回収された第1の基材と回収された第2の基材とを分別できるときは、積層体を工程1および工程2を1回行うだけで、第1の基材と第2の基材とを
容易に分離回収できる。
プラスチック基材としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、アセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、繊維素系プラスチックが挙げられる。
<ポリオレフィン基材>
リサイクル基材として再利用する観点から、プラスチック基材は、ポリオレフィン樹脂を含む、ポリオレフィン基材であることが好ましい。このようなポリオレフィン樹脂を含む基材としては、例えば、ポリエチレン(PE)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)のようなプラスチック基材のほか、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、酸変性ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン(CPP)、酸変性ポリプロピレン、共重合ポリプロピレンのようなシーラント基材が挙げられる。
プラスチック基材層の厚みは特に制限されず、用途に応じて適宜選択してよい。好ましくは5~200μmであり、より好ましくは10~150μmである。また、ガスバリア基材として、アルミニウム箔、アルミニウム等の金属蒸着層、シリカやアルミナ等の金属酸化物蒸着層が挙げられる。アルミニウム箔の厚みは、経済的な面から3~50μmの範囲で用いることが多い。また、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着層及びアルミナ蒸着層は、塩基性水溶液に溶解し、脱離するため、脱離層として機能し、隣接するポリオレフィン樹脂を分離することができる。
第1の基材、および第2の基材は、それぞれ独立に、単層であっても、2層以上有する基材であってもよい。2層以上有する基材が分離回収される場合、脱離層が想定した量脱離しているなら、基材を構成する層のすべてが分離していなくてもよい。
<積層体の構成>
以下に、本発明の積層体構成の一例を挙げるが、これらに限定されない。また下記構成において、「基材層」とは、単層である必要はなく、複数の基材が積層された積層体であってもよい。
・プラスチック基材層(第1の基材)/印刷層(第1の脱離層)
・プラスチック基材層(第1の基材)/プライマー層(第1の脱離層)/印刷層
・プラスチック基材層(第1の基材)/印刷層(第1の脱離層)/接着剤層(第2の脱離層)/プラスチック基材層(第2の基材)
・プラスチック基材層(第1の基材)/プライマー層(第1の脱離層)/印刷層/接着剤層(第2の脱離層)/プラスチック基材層(第2の基材)
・基材層/印刷層/接着剤層(第1の脱離層)/プラスチック基材層(第1の基材)

・基材層(第1の基材)/印刷層(第1の脱離層)/接着剤層/基材層
・基材層(第1の基材)/印刷層(第1の脱離層)/基材層/接着剤層(第2の脱離層)/プラスチック基材層(第2の基材)
・プラスチック基材層(第1の基材)/プライマー層(第1の脱離層)/印刷層/接着剤層/蒸着層(第2の脱離層)/プラスチック基材層(第2の基材)
<プラスチック基材の製造方法>
上述する分離回収方法を用い、プラスチック基材を製造することができる。プラスチック基材は、破砕、裁断、粉砕等によって細片化された基材であってもよい。プラスチック基材の製造方法は、例えば、少なくともプラスチック基材層及びプラスチック基材層に接する脱離層を備え、前記脱離層が、水溶性樹脂又は酸性基を有する化合物を含む層である積層体を用意すること、上述の分離回収方法によりプラスチック基材を回収することを含む。
<成形用材料の製造方法>
上述した分離回収方法により回収されたプラスチック基材を溶融混練することで、成形用材料を製造することができる。本発明の実施形態である成形用材料の製造方法は、好ましくは下記工程3~5を含む。あるいは、上述の積層体の分離回収方法又はプラスチック基材の製造方法が、下記工程3を少なくとも含み、成形用材料の製造方法が、下記工程5を少なくとも含んでもよい。成形用材料がマスターバッチを含む場合、さらに下記工程6を含んでもよい。
(工程3)上記積層体を破砕し、脱離液に浸漬させて、該積層体からプラスチック基材を脱離させる工程、又は、上記積層体を破砕し、脱離液に浸漬させて、該積層体から脱離層を脱離させる工程
(工程4)工程3で得られたプラスチック基材を水洗浄する工程
(工程5)工程4で得られたプラスチック基材を溶融混練し、再生樹脂を得る工程
(工程6)工程5で得られた再生樹脂に、マスターバッチを混合する工程
工程3における包装材の破砕方法は、特に制限されず、例えば、ジョークラッシャー、インパクトクラッシャー、カッターミル、スタンプミル、リングミル、ローラーミル、ジェットミル、ハンマーミルを用いる方法が挙げられる。
工程4は、必要に応じて乾燥工程をさらに含んでもよい。工程2により、リサイクル後の基材(再生プラスチック基材ともいう)を得ることができる。
工程5における溶融混練工程は、必要に応じて各種添加剤等を加え、ヘンシェルミキサーやタンブラー、ディスパー等で混合した後、ニーダー、ロールミル、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、シュギミキサー、バーティカルグラニュレーター、ハイスピードミキサー、ファーマトリックス、ボールミル、スチールミル、サンドミル、振動ミル、アトライター、バンバリーミキサーのような回分式混練機、二軸押出機、単軸押出機、ローター型二軸混練機等を用いて、混合や分散することを指す。これにより樹脂組成物である再生樹脂が得られる。再生樹脂の形状は、特に制限されず、ペレット状、粉体状、顆粒状、ビーズ状であってもよい。溶融混練工程は、二軸押出機を用いるのが好ましい。
[マスターバッチ]
本発明の実施形態における成形用材料は、さらにマスターバッチを含有することができる。マスターバッチは、再生樹脂に対して相溶性を有するものであれば特に制限されず、一般的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂と着色剤とを混練したものを使用できる。マスターバッチに含まれる熱可塑性樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明の実施形態におけるマスターバッチは、本発明の効果を阻害しない範囲で、アルカリ金属やアルカリ土類金属又は亜鉛の金属石けん、ハイドロタルサイト、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、帯電防止剤、ハロゲン系、リン系又は金属酸化物等の難燃剤、エチレンビスアルキルアマイド等の滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤を含有してもよい。
<成形体の製造方法>
上述した製造方法により得られる成形用材料を加熱成形することで、成形体を得ることができる。加熱成形方法は特に制限されず、例えば、射出成形、押出し成形、ブロー成形、圧縮成形が挙げられる。
本発明の実施形態である分離回収方法により回収されたプラスチック基材を用いて製造された成形用材料は、印刷層や接着剤層が脱離され、さらに脱離成分の再付着が抑制されているため高品位であり、家電製品や文房具、自動車用のパーツ、おもちゃやスポーツ用品、医療用や建築又は建設資材の材料等、様々な分野に用いることができる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本発明における部及び%は、特に注釈の無い場合、質量部及び質量%を表す。
<分子量及び分子量分布>
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定を行い、ポリスチレンを標準物質に用いた換算分子量として求めた。測定条件を以下に示す。
GPC装置:昭和電工社製 Shodex GPC-104
カラム:下記カラムを直列に連結して使用した。
昭和電工社製 Shodex LF-404 2本
昭和電工社製 Shodex LF-G
検出器:RI(示差屈折計)
測定条件:カラム温度40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:0.3mL/分
<酸価、水酸基価>
酸価及び水酸基価は、JIS K 0070(1992)に記載の方法に従って測定した。
<プライマー組成物用樹脂の製造>
[合成例1-1](ポリウレタン樹脂P1)
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、及び温度計を備えた反応器中で窒素ガスを導入しながら、PPA(プロピレングリコールとアジピン酸の重縮合物からなる、数平均分子量2,000のポリエステルポリオール)135.7部、PPG(ポリプロピレングリコールからなる、数平均分子量2,000のポリエーテルポリオール)13.6部、DMPA(2,2-ジメチロールプロパン酸)を28.3部、IPDI(イソホロンジイソシアネート)105.7部、NPAC(酢酸ノルマルプロピル)200部を仕込み、90℃で5時間反応させて、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー溶液を得た。
次いで、AEA(2-(2-アミノエチルアミノ)エタノール)を16.7部、IPA(イソプロピルアルコール)を350部混合したものを、室温で60分間かけて滴下した後、70℃で3時間反応させて、ポリウレタン樹脂溶液を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液に、NPACを加えて固形分を調整し、固形分濃度30%、重量平均分子量30,000、Mw/Mn=3.0、酸価39.3mgKOH/gのポリウレタン樹脂P1の溶液を得た。
<プライマー層形成用組成物(プライマー組成物)>
[製造例1-1](プライマー組成物S1)
ポリウレタン樹脂P1溶液87部、EA5部、IPA5部、シリカ粒子(水澤化学社製P-73:平均粒子径3.8μmの親水性シリカ粒子)3部をディスパーを用いて撹拌混合して、プライマー組成物S1を得た。
<接着剤に用いるポリオールの製造>
[合成例2-1](ポリエステルポリオールB1)
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、エチレングリコール124部、ネオペンチルグリコール212部、1,6-ヘキサンジオール368部、イソフタル酸645部、アジピン酸36部、セバシン酸265部を仕込み、窒素気流下で撹拌しながら250℃まで昇温し、エステル化反応を行った。所定量の水が留出し、酸価が5以下になるまで反応を続けた後に、徐々に減圧を行って、1mmHg以下で5時間脱グリコール反応を行い、ポリエステルポリオールを得た。その後、イソホロンジイソシアネート35部を徐々に添加し、150℃で約2時間反応を行い、ポリエステルポリウレタンポリオールを得た。このポリエステルポリウレタンポリオール100部にエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートを12.0部添加し、180℃で約2時間反応させ、その後固形分濃度50%になるまで酢酸エチルで希釈することで、数平均分子量9,000、酸価30.3mgKOH/gの部分酸変性ポリエステルポリオールB1の溶液を得た。
[合成例2-2](ポリエステルポリオールB2)
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、エチレングリコール58部、ジエチレングリコール412部、ネオペンチルグリコール343部、イソフタル酸517部、アジピン酸393部を仕込み、窒素気流下で撹拌しながら250℃まで昇温し、エステル化反応を行った。所定量の水が留出し、酸価が5以下になるまで反応を続けた後に、徐々に減圧を行って、1mmHg以下で5時間脱グリコール反応を行い、ポリエステルポリオールを得た。このポリエステルポリオール100部に無水トリメリット酸を4.0部添加し、180℃で約2時間反応させ、その後固形分濃度50%になるまで酢酸エチルで希釈することで、数平均分子量2,000、酸価23.5mgKOH/gの部分酸変性ポリエステルポリオールB2の溶液を得た。
<ポリイソシアネート溶液の調製>
[調製例1](ポリイソシアネートC1)
コロネート2785(ヘキサメチレンジイソシアネートから誘導されるビウレット型ポリイソシアネート、東ソー社製)を酢酸エチルに希釈して、固形分濃度50%、NCO%=9.6%に調整し、ポリイソシアネートC1の溶液を得た。
<接着剤の製造>
[製造例2-1](接着剤D1)
ポリエステルポリオールB1溶液を90部、ポリエステルポリオールB2溶液を10部、ポリイソシアネートC1溶液を8部配合し、EA(酢酸エチル)を加えて固形分濃度30%の接着剤溶液を調製した。
<積層体の製造>
以下に積層体の製造方法について説明する。なお、プライマー組成物及び印刷インキは、各々、EA/IPAの混合溶剤(質量比70/30)を用いて、粘度が15秒(25℃、ザーンカップ#3(離合社製))になるように希釈してから使用した。また、プライマー層及び印刷層の厚みは、各々、約1.5μmとなるように調整した。
[製造例3-1](積層体L1)
OPP(コロナ処理延伸ポリプロピレンフィルム、厚み20μm)に対し、希釈したプライマー組成物S1及び印刷インキR1(東洋インキ製 汎用ラミネート用インキ「LPバイオSX R39藍」)を、版深30μmのグラビア版を備えたグラビア印刷機を用いてこの順で印刷し、50℃で乾燥して、OPP/S1/R1の構成である積層体を得た。
次いで、得られた積層体の印刷層上に、ドライラミネート機を用いて接着剤D1を乾燥後塗布量が2g/mになるように塗布及び乾燥した後、CPP(無延伸ポリプロピレンフィルム 厚み50μm)と貼り合せて、第1基材層(OPP)/プライマー層(S1)/印刷層(R1)/接着剤層(D1)/第2基材層(CPP)の構成である積層体L1を得た。
[製造例3-2](積層体L2)
NY(延伸ナイロンフィルム、厚み15μm)に対し、希釈した印刷インキR1を、版深30μmのグラビア版を備えたグラビア印刷機を用いて印刷し、50℃で乾燥して、NY/R1の構成である積層体を得た。
次いで、LLDPE(無延伸直鎖低密度ポリエチレンフィルム、厚み130μm)ドライラミネート機を用いて接着剤D1を乾燥後塗布量が2g/mになるように塗布及び乾燥した後、得られた積層体の印刷層面と貼り合せて、第1基材層(LLDPE)/接着剤層(D1)/印刷層(R1)/第2基材層(NY)の構成である積層体L2を得た。
[製造例3-3](積層体L3)
OPPに対し、希釈したプライマー組成物S1及び印刷インキR1を、版深30μmのグラビア版を備えたグラビア印刷機を用いてこの順で印刷し、50℃で乾燥して、第1基材層(OPP)/プライマー層(S1)/印刷層(R1)の構成である積層体L3を得た。
[製造例3-4](積層体L4)
防曇OPP(防曇処理延伸ポリプロピレンフィルム、厚み20μm)に対し、希釈した印刷インキR2(東洋インキ製 汎用表刷り用インキ「レアルNEX BO S3 R39藍」)を、版深30μmのグラビア版を備えたグラビア印刷機を用いて印刷し、50℃で乾燥して、第1基材層(防曇OPP)/印刷層(R2)の構成である積層体L4を得た。
[製造例3-5](積層体L5)
PET(ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み12μm)に対し、希釈した印刷インキR1を、版深30μmのグラビア版を備えたグラビア印刷機を用いて印刷し、50℃で乾燥して、第1基材層(PET)/印刷層(R1)の構成である積層体L5を得た。
<脱墨用処理液(脱離液)の製造>
[製造例4-1](脱離液A1)
界面活性剤Aとしてポリオキシエチレンラウリルエーテル(POE付加数;4、HLB;9.7)0.2部、消泡剤としてBYK-1650(ビックケミー・ジャパン製、シリコーン系エマルジョン型消泡剤、固形分濃度27.5%)0.02部、水酸化ナトリウム2部、水97.8部を配合し、ディスパーで撹拌して、脱離液A1を得た。
[製造例4-2~5](脱離液A2~5)
表1に記載の配合組成に変更した以外は製造例4-1と同様の手法により、脱離液A2~5を得た。
以下に、表1中の略称を示す。
界面活性剤A:ノニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(POE付加数;4、HLB;9.7)
界面活性剤B:ノニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアセチレンジオール(POE付加数;30、HLB;17)
界面活性剤C:アニオン性界面活性剤、POEラウリルエーテルリン酸(POE付加数;4、HLB;10.0)
消泡剤:BYK-1650:ビックケミー・ジャパン製、シリコーン系エマルジョン型、固形分濃度27.5%、主溶剤;水
<積層体の分離回収(脱墨試験)>
[実施例1]
(工程1)
撹拌羽根付きの1000mLのステンレスビーカーに、脱離液A1を800g、包装材L1を1cm×1cmの大きさに切り出したサンプル(フラフ)160gを入れ、70℃、表2に記載した浸漬時間、0rpmで静置した。
(工程2)
工程1のフラフを取り出し、別の撹拌羽根付きの1000mLのステンレスビーカーに、別の脱離液A1を500g、工程1で取り出したフラフ20gを入れ、70℃、表2に記載した撹拌時間、3000rpmの条件で撹拌した。積層体の分離回収状態について、以下の評価を行った。
[実施例2~16、比較例1~5]
表2に記載の材料を用いた以外は実施例1と同様の手法により、積層体の分離回収状態について評価を行った。
結果を表2に示す。
<積層体の評価>
(生産性)
下記式において、1000kg分のフラフを処理するのに要する時間を算出し、以下の基準で評価した。
(式)生産性(1000kgのフラフを処理するのに要する合計時間)
=(1000/工程1でのフラフ処理量(g))×工程1に要する時間(h)
+(1000/工程2でのフラフ処理量(g))×工程2に要する時間(h)
A(優):生産性が10時間未満
B(良):生産性が10時間以上、15時間未満
C(可):生産性が15時間以上、20時間未満
D(不可):生産性が20時間以上
(脱離性)
工程1及び工程2終了後のフラフを回収し、水洗及び乾燥した。得られた基材から、第1の基材を10枚サンプリングし、印刷層の除去率を目視で確認し、以下の基準で評価した。
A(優):印刷層の100%が剥離する。
B(良):印刷層の95%以上100%未満が剥離する。
C(可):印刷層の90%以上95%未満が剥離する。
D(不可):印刷層の90%未満が剥離しない。
(再付着性(フラフの着色))
工程1及び工程2終了後のフラフを回収し、水洗及び乾燥した。得られた基材から、第1の基材を10枚サンプリングし、得られた基材10枚を重ねて分光測色計(X-rite社製、X-rite eXact)で色彩値L 、a 、b を測定した。
一方、印刷前の基材についても、同様に基材10枚を重ねて色彩値L 、a 、b を測定した。
下記式により色差ΔEを求め、以下の基準で再付着性を評価した。
(式)ΔE=((L -L +(a -a +(b ―b 1/2
A(優):ΔEが2未満
B(良):ΔEが2以上、5未満
C(可):ΔEが5以上、8未満
D(不可):ΔEが8以上
(再生材の評価、再生フィルムの製造、及び透過率評価)
工程1及び工程2を経て脱離した基材を回収し、水洗、乾燥した後、回収基材を単軸押し出し機にて200℃で押し出し、ペレタイズ工程を経て、再生樹脂のペレットを得た。再生樹脂をTダイフィルム成形機にて200℃で押し出し、厚み30μmの再生フィルムを作製した。なお、実施例2においては、比重分離で浮上した分離後のLLDPEのみを回収して再生フィルムを作製した。
再生フィルムの着色について、ヘイズメーター(日本電子工業(株)製、SH7000)を用いて全光線透過率を測定し、以下の基準で評価した。
A(優):全光線透過率が90%以上
B(良):全光線透過率が80%以上90%未満
C(可):全光線透過率が70%以上80%未満
D(不可):全光線透過率が70%未満
実施例1と比較例2(従来のやり方、工程1の静置がない)とを比較して明らかなように、工程2において、同じ積層体を同じ脱離液中で同じ条件で脱墨処理しても、工程1を行うことにより、脱離性、再付着性、再生材の評価は、いずれにおいても、格段の向上が見られた。比較例1で示す通り、脱離性、再付着性、再生材の評価は、処理時間を長くすることにより向上するが、実施例1に比べるとあまり向上していない。
なお、比較例7で示したように、脱墨工程(工程2)において、フラフの量を多くすると、撹拌効率が著しく低下し、結果として、基材から脱墨効率も著しく低下、脱離成分の基材への付着も著しかった。しかし、撹拌することなく、脱離液に浸漬する工程1であれば、同じフラフの量であっても、処理可能であった。従って、工程1を行うことにより、大量のフラフを効率よく効果的に処理することが可能となった。
比較例3で示したように、工程1の静置のみで、工程2の攪拌工程がない場合は、脱離層がほぼ脱離せずに基材上に残るため、脱離性等が不可であった。
比較例4および6で示したように、工程2で脱離液に塩基性化合物を含まない場合は、工程1で脱離層が膨潤しているため、攪拌効果により脱墨はかろうじてするものの、再付着性が悪く、再生材品質も不可であった。
比較例5で示したように、工程1で脱離液に塩基性化合物を含まない場合は、静置工程で脱離層が膨潤しないため、工程2が他実施例同様の攪拌時間では脱離性が不可であった。
上記の評価結果より、本発明の実施形態による方法であれば、包装材の処理量が多い場合でも、包装材から印刷層や接着剤層を容易に脱離させ、印刷層や接着剤層の再付着が少ない良質なリサイクル基材が効率的に得られ、さらには着色の少ない高品位な成形用材料が得られることが示された。

Claims (10)

  1. 少なくとも、第1のプラスチック基材及び第1のプラスチック基材に接して第1の脱離層を備える積層体から、第1のプラスチック基材を分離回収する積層体の分離回収方法であり、下記工程1及び2を含み、下記第1の脱離液、および/または下記第2の脱離液が、水と界面活性剤とを含み、前記水の含有率が、下記第1の脱離液および/または下記第2の脱離液中、50質量%以上である、積層体の分離回収方法。
    (工程1)上記積層体を、塩基性化合物を含む第1の脱離液に一定時間浸漬した状態で静置させる工程。
    (工程2)工程1を経た積層体を、塩基性化合物を含む第2の脱離液中で積層体を攪拌することで脱離層を脱離させて、第1のプラスチック基材を回収する工程(ただし、前記第2の脱離液を120℃以上で前記第1のプラスチック基材の融点よりも20℃以上40℃以下高い温度まで加熱する工程である場合を除く)
  2. 第1のプラスチック基材が、ポリオレフィン基材である、請求項1に記載の分離回収方法。
  3. 積層体が、第2のプラスチック基材をさらに備える、請求項1に記載の分離回収方法。
  4. 積層体が、第2のプラスチック基材に接する第2の脱離層をさらに備える、請求項3に記載の分離回収方法。
  5. 積層体が、ポリオール成分とポリイソシアネート成分を含む2液硬化型の接着剤層をさらに備える、請求項1に記載の分離回収方法。
  6. 積層体が、包装体である請求項1記載の分離回収方法。
  7. 第1のプラスチック基材が、プラスチックフィルムである、請求項1記載の分離回収方法。
  8. 工程1の所要時間1に対して、工程2の所要時間が1以下である、請求項1に記載の分離回収方法。
  9. 請求項1~8いずれか1項に記載の分離回収方法で分離回収された第1のプラスチック基材を溶融混練することを特徴とする、成形用材料の製造方法。
  10. 請求項9に記載の製造方法により製造されてなる成形用材料を、加熱成形することを特徴とする、成形体の製造方法。
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