JP7528995B2 - 印刷物、及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷物、及びその製造方法に関する。
近年、商品の包装材には装飾や表面保護のために印刷が施されているのが一般的である。また、印刷物の意匠性、美粧性、高級感等の印刷品質は、そのでき如何によって、消費者の購入意欲を促進させるものであり、産業上の価値は大きい。
近年では、印刷時の環境負荷低減、安全性への要求の高まりから、水性インキの使用が求められている。包装材の中でも、プラスチック基材に印刷インキが表刷りされた包装材では、印刷インキ層が外側に剥き出しとなるため、加工、充填、流通の各段階において印刷インキ層が物理的に摩擦される。また、様々な温度及び湿度の環境下で流通、長期保管がされるため、上記印刷インキ層は、高精細画質、基材密着性、耐摩擦性、耐水摩擦性、耐水性、及び耐熱性といった優れた塗膜物性、更にプラスチック基材においては困難な耐ブロッキング性維持が要求される。
表刷り印刷された包装材の中で、例えば、食品や飲料用容器等に装着するプラスチックラベルや熱収縮性フィルム(シュリンクフィルム)を用いたラベルのような包装材は、意匠性、美粧性を高めるため、通常印刷インキが重ね印刷がされ、また、表面保護層を印刷されるケースが多い。プラスチック基材に重ね刷り印刷や表裏で印刷をした場合、印刷工程で印刷物を巻き取った際に、インキがフィルム基材の裏面に接着しないための耐ブロッキング性(耐巻きブロッキング性ともいう)、こすれに対する耐摩擦性、耐水摩擦性、製袋時の耐熱性などといった各種耐性が特に課題としてある。
上記課題を解決するため、水性インキに硬化剤を添加することが活発に検討されている(特許文献1、特許文献2)。水性インキに含まれる水性樹脂を硬化剤を用いて架橋させることで、基材密着性や耐水摩擦性といった塗膜物性が向上することが知られている。当該硬化剤は、例えばカルボジイミド系硬化剤、オキサゾリン系硬化剤、エポキシ系硬化剤、及びイソシアネート系硬化剤等が挙げられる。
特許文献3には、水性ウレタン樹脂、水性アクリル樹脂及び水性アクリルウレタン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種をバインダー樹脂として含み、更にイソシアネート系硬化剤を含む表刷り用水性インキ組成物の発明が開示されている。しかし、基材の表裏に印刷したケースは記載されておらず、分子量の小さいイソシアネート系硬化剤を用いているため、印刷工程で印刷物を巻き取った際に、巻きブロッキングを起こす懸念がある。
特開平7-242850号公報 特開2020-23663号公報 特許第7093461号公報
本発明の課題は基材密着性、耐水摩擦性、耐熱性及び耐巻きブロッキング性に優れた印刷物を提供することにある。
本発明者らが鋭意検討を進めた結果、以下に記載の印刷物及び印刷物の製造方法を用いることで本願課題を解決できることを見出し、本発明を成すに至った。
すなわち本発明は、着色層、プラスチック基材及び表面保護層を順次有する印刷物であって、前記着色層が、顔料、並びに、水性ウレタンアクリル樹脂、水性ウレタン樹脂、及び水性アクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の水性バインダー樹脂を含む水性インキからなり、前記表面保護層が、水性ウレタンアクリル樹脂、水性ウレタン樹脂、及び水性アクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の水性バインダー樹脂を含む水性コート剤からなり、前記水性インキ及び/又は水性コート剤が、z平均分子量(Mz)が2,000以上であるイソシアネート系硬化剤を含む、印刷物に関する。
また本発明は、表面保護層が、体質顔料及び/又は有機粒子を含む、上記の印刷物に関する。
また本発明は、体質顔料が、硫酸バリウム及び/又はシリカを含む、上記の印刷物に関する。
また本発明は、有機粒子が、アクリル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、及びベンゾグアナミン樹脂粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、上記の印刷物に関する。
また本発明は、ラベル用である、上記の印刷物に関する。
また本発明は、シュリンクラベル用である、上記の印刷物に関する。
また本発明は、着色層、プラスチック基材及び表面保護層を順次有する印刷物の製造方法であって、前記プラスチック基材上に、顔料、並びに、水性ウレタンアクリル樹脂、水性ウレタン樹脂、及び水性アクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の水性バインダー樹脂を含む水性インキをフレキソ印刷し、着色層を得る工程、並びに、プラスチック基材の、着色層に接する面と反対の面に、水性ウレタンアクリル樹脂、水性ウレタン樹脂、及び水性アクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の水性バインダー樹脂を含む水性コート剤をフレキソ印刷し、表面保護層を得る工程を含み、前記水性インキ及び/又は水性コート剤が、z平均分子量(Mz)が2,000以上であるイソシアネート系硬化剤を含む、印刷物の製造方法に関する。
本発明により基材密着性、耐水摩擦性、耐熱性及び耐巻きブロッキング性に優れた印刷物を得ることができる。
以下に本発明の実施形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。
本明細書では、水性インキを単に「インキ」、水性コート剤を単に「コート剤」と称することがあるが同義である。また、本明細書において、「(メタ)アクリル」との記載は、「メタクリル」又は「アクリル」を表す。同様に、「(メタ)アクリレート」との記載は、「メタクリレート」又は「アクリレート」を表す。水性ウレタンアクリル樹脂、水性ウレタン樹脂、及び水性アクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種を総称して「水性バインダー樹脂」と称する。
なお、以下の説明において「部」は特に断らない限り「質量部」、「%」は「質量%」を表す。
なお、以下、本発明の説明において、「着色層」とは、顔料その他の着色剤を含有するインキを印刷して形成される層であり、
「表面保護層」とは、顔料その他の着色剤を実質的に含有しない水性コート剤を印刷して形成された表面保護層であるが、意図せず混入した僅かな着色剤等を排除するものではない。
<印刷物>
以下、本発明の印刷物について詳細に説明する。
本発明は着色層、プラスチック基材及び表面保護層を順次有する印刷物であって、
前記着色層が、顔料、並びに、水性ウレタンアクリル樹脂、水性ウレタン樹脂、及び水性アクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の水性バインダー樹脂を含む水性インキからなり、
前記表面保護層が、水性ウレタンアクリル樹脂、水性ウレタン樹脂、及び水性アクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む水性コート剤からなり、
前記水性インキ及び/又は水性コート剤が、z平均分子量(Mz)が2,000以上であるイソシアネート系硬化剤を含む印刷物に関する。
本発明では、水性インキ及び/又は水性コート剤が、z平均分子量(Mz)が2,000以上であるイソシアネート系硬化剤を含むことで、印刷物の耐ブロッキング性、基材密着性、耐水摩擦性、耐熱性及び耐巻きブロッキング性が向上し、特に耐巻きブロッキング性が向上する。当該観点から、水性インキ及び水性コート剤が、z平均分子量(Mz)が2,000以上であるイソシアネート系硬化剤を含むことがより好ましい。
これは、Mz2,000以上であるイソシアネート系硬化剤自身の、あるいは水性ウレタンアクリル樹脂、水性ウレタン樹脂、及び水性アクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の水性バインダー樹脂と、当該イソシアネート系硬化剤との架橋反応が進行し、ウレタン結合あるいはウレア結合を含む架橋構造を形成することで、着色層及び/又は表面保護層の凝集力が高まり、強靭な塗膜を形成するためだと考えられる。上記効果は、イソシアネート系硬化剤のMzが2,000以上であることではじめて得られる。
なお上記説明は考察の一つであり、本発明を何ら限定するものではない。
<イソシアネート系硬化剤>
水性インキ及び/又は水性コート剤は、z平均分子量(Mz)が2,000以上であるイソシアネート系硬化剤を含む。イソシアネート系硬化剤のz平均分子量(Mz)は、2,000~10,000であることがより好ましく、2,200~8,000であることが更に好ましく、2,200~6,000であることが特に好ましい。
当該イソシアネート系硬化剤は、水系イソシアネート硬化剤であることが好ましい。水系イソシアネート硬化剤は、中でも、ポリイソシアネートを変性し、乳化性を持たせることで水媒体中でも安定に分散できるようにした乳化性イソシアネート系硬化剤であることが好ましい。当該イソシアネート系硬化剤としては、例えば、東ソー製 アクアネート105、130、200、旭化成製 デュラネートWT31-100、WR80-70Pが挙げられる。
イソシアネート系硬化剤は、ビウレット構造、アダクト構造、又はヌレート構造を含むことが好ましく、中でもヌレート構造を含むことが好ましい。イソシアネート系硬化剤を構成するポリイソシアネートとしては、脂肪族ポリイソシアネートが好ましく、中でもイソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートがより好ましい。ヘキサメチレンジイソシアネートが更に好ましい。
[z平均分子量(Mz)の測定方法]
イソシアネート系硬化剤のz平均分子量(Mz)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法によって測定することができる。本発明では、以下に示す測定条件で測定を行い、ポリスチレンを標準物質に用いた換算分子量として求め、z平均分子量を測定した。
GPC装置:昭和電工社製 Shodex GPC-104
カラム:下記カラムを直列に連結して使用した。
昭和電工社製 Shodex LF-404 2本
昭和電工社製 Shodex LF-G
検出器:RI(示差屈折計)
測定条件:カラム温度40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:0.3mL/分
イソシアネート系硬化剤のイソシアネート基含有率は、特に制限されないが、イソシアネート系硬化剤総質量中7~30質量%であることが好ましく、9~25質量%であることがなお好ましく、15~23質量%であることが更に好ましい。
水性インキ及び/又は水性コート剤に含まれる水性バインダー樹脂が水酸基を有する場合は、水性インキ及び/又は水性コート剤のそれぞれにおいて、水性バインダー樹脂に含まれる当該水酸基の合計1モルに対して、イソシアネート系硬化剤由来のイソシアネート基が0.5~3.0モルの範囲であることが好ましく、1.0~2.5モルの範囲であることがより好ましい。
水性インキにイソシアネート系硬化剤が含まれる場合、イソシアネート系硬化剤の含有率は、水性インキの総質量を基準として、1~10質量%であることが好ましく、1~6質量%であることがより好ましい。水性インキに含まれる水性ウレタンアクリル樹脂、水性ウレタン樹脂、及び水性アクリル樹脂などの水性バインダー樹脂の総質量に対するイソシアネート系硬化剤の質量比(水性バインダー樹脂:イソシアネート系硬化剤)は、97:3~40:60が好ましく、97:3~50:50がなお好ましく、95:5~60:40が更に好ましい。当該範囲であると、印刷物の耐水摩擦性及び耐熱性を十分に発現させることができる。
水性コート剤にイソシアネート系硬化剤が含まれる場合、イソシアネート系硬化剤の含有率は、水性コート剤の総質量を基準として、1~10質量%であることが好ましく、1~6質量%であることがより好ましい。水性コート剤に含まれる水性ウレタンアクリル樹脂、水性ウレタン樹脂、及び水性アクリル樹脂などの水性バインダー樹脂の総質量に対するイソシアネート系硬化剤の質量比(水性バインダー樹脂:イソシアネート系硬化剤)は、97:3~50:50が好ましく、95:5~70:30がなお好ましく、90:10~75:25が更に好ましい。
当該範囲であると、印刷物の耐水摩擦性及び耐熱性を十分に発現させることができる。
<着色層>
着色層は、顔料、並びに、水性ウレタンアクリル樹脂、水性ウレタン樹脂、及び水性アクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の水性バインダー樹脂を含む水性インキからなる層であり、例えば、当該水性インキをフレキソ印刷して得ることができる。
着色層の厚みは0.1~20μmであることが好ましく、0.2~15μmであることがより好ましく、0.3~12μmであることが特に好ましい。水性インキの塗布量を上記範囲に収めることで、印刷物は意匠性、美粧性、基材密着性、耐熱性及び耐巻きブロッキング性に優れる。本発明では、単一の着色層だけでなく、複数の着色層が重なった層も着色層とし、色相の異なる着色層を任意に組み合わせることができる。
[水性インキ]
水性インキは、顔料、並びに、水性ウレタンアクリル樹脂、水性ウレタン樹脂、及び水性アクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の水性バインダー樹脂を含むことを特徴とし、更に、前述の通り、z平均分子量(Mz)が2,000以上のイソシアネート系硬化剤を含むことが好ましい。また必要に応じて添加剤、水、親水性溶剤等を配合することができる。
[顔料]
顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無彩色の顔料又は有彩色の有機顔料が使用できる。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどの有機顔料は、水性インキ100質量%中、5~30質量%の割合で配合する事が好ましい。
印刷物の耐巻きブロッキング性の観点から、顔料は、酸化チタンであることがより好ましい。酸化チタンは、水性インキ100質量%中、10~60質量%の割合で配合することが好ましい。
有機顔料としては、例えば、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッドなどの不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2Bなどの溶性アゾ顔料、アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーンなどの建染染料からの誘導体、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系有機顔料、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタなどのキナクリドン系有機顔料、ペリレンレッド、ペリレンスカーレットなどのペリレン系有機顔料、イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジなどのイソインドリノン系有機顔料、ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジなどのピランスロン系有機顔料、チオインジゴ系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、キノフタロンエローなどのキノフタロン系有機顔料、イソインドリンエローなどのイソインドリン系有機顔料、その他の顔料として、フラバンスロンエロー、アシルアミドエロー、ニッケルアゾエロー、銅アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレットが挙げられる。
有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで例示すると、C.I.ピグメントエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86 93、109、110、117、120、125、128、129、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、166、168、180、185、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、177、180、192、202、206、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントブラウン23、25、26等が挙げられる。また、カーボンブラック、酸化チタンである場合も好ましい。
[水性バインダー樹脂]
[水性ウレタンアクリル樹脂]
水性ウレタンアクリル樹脂としては、水性エマルジョン型ウレタンアクリル樹脂であることが好ましく、例えば、コアシェル型水性ウレタンアクリル樹脂であってよい。また、水性ウレタンアクリル樹脂は、アクリル樹脂部とウレタン樹脂部の交互共重合体、主鎖がウレタン樹脂部で側鎖がアクリル樹脂部又は主鎖がアクリル樹脂部で側鎖がウレタン樹脂部である、いわゆるグラフト重合体等が挙げられるが、コアシェル型水性ウレタンアクリル樹脂が好適である。
当該水性ウレタンアクリル樹脂は、エマルジョンである場合、その平均粒子径は60nm~1000nmであることが好ましく、60nm~400nmであることが更に好ましい。なお平均粒子径は動的光散乱法による測定値をいう。
また、コアシェル型水性ウレタンアクリル樹脂は、コア部にアクリル樹脂部を、シェル部にウレタン樹脂部を有していることが好ましい。ただし、ウレタン樹脂部をコア部、水溶化したアクリル樹脂部をシェル部として構成されていてもよい。水性ウレタンアクリル樹脂総質量中のウレタン樹脂部とアクリル樹脂部との質量比は、9:1~5:5が好ましく、8:2~6:4がより好ましい。水性ウレタンアクリル樹脂総質量中のウレタン樹脂部とアクリル樹脂部との質量比が上記範囲であると、印刷物の基材密着性及び耐水摩擦性を、十分に発現させることができる。
(ウレタン樹脂部)
ウレタン樹脂部は、ポリオールとポリイソシアネートとを縮合反応させて形成させることができ、末端にヒドロキシ基を有するものが好ましい。またウレタン樹脂部は、ポリオールとポリイソシアネートとの縮合反応物である末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、鎖延長剤との反応(鎖延長という)により得られるウレタンウレア樹脂部であってもよい。ウレタン樹脂部の質量平均分子量は、1,000~1,000,000であることが好ましく、5,000~50,000がより好ましい。
(ポリオール)
ポリオールには、ポリエーテルポリオールを含むことが好ましく、ポリエーテルポリオール及びカルボキシル基を有するポリオールを含むことがより好ましく、その他ポリオールを含んでいてもよい。
(ポリエーテルポリオール)
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合のポリエーテルポリオール、ポリテトラメチレングリコールが挙げられる。これらのうち、ポリエチレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールが好ましい。
ポリオールがポリエーテルポリオールを含む場合、ポリエーテルポリオールの含有率は、ウレタン樹脂部の総質量中、10~80質量%であることが好ましく、20~70質量%であることがより好ましく、40~60質量%であることが更に好ましい。
上記範囲であると、基材密着性、樹脂の顔料吸着能力、インキの溶解性、及び潤滑性に優れるため好ましい。
ウレタン樹脂部を水媒体中に溶解又は分散させるためには、樹脂骨格中に親水基を導入する必要がある。上記で挙げたポリエーテルポリオールも親水基として有用ではあるが、エチレンオキサイド鎖のみで、水媒体中に溶解又は分散させるためには、樹脂骨格中に大量に導入する必要がある。その場合に、樹脂被膜の耐水性をより向上させるためには、アニオン性基を有するポリオールを、ポリエーテルポリオールと併用することが好ましい。アニオン性基を有するポリオールの中でも、乾燥後の優れた耐性発現の観点から、カルボキシル基を有するポリオールを使用することがより好ましい。
(カルボキシル基を有するポリオール)
カルボキシル基を有するポリオールとしては、例えば、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、2,2-ジメチロール酪酸、2,2-ジメチロールペンタン酸等のジメチロールアルカン酸や、ジヒドロキシコハク酸、ジヒドロキシプロピオン酸、ジヒドロキシ安息香酸等が挙げられる。これらのカルボキシル基含有ポリオールは単独、又は複数で使用することができる。カルボキシル基を有するポリオールは、アルカリ化合物との作用でウレタン樹脂部を水性化する役割を担う。
ポリオールがカルボキシル基を有するポリオールを含む場合、カルボキシル基を有するポリオールの含有率は、耐水摩擦性の観点から、ウレタン樹脂総質量中、1~50質量%であることが好ましく、2~30質量%であることがより好ましく、5~15質量%であることが更に好ましい。
(その他ポリオール)
その他ポリオールとしては、ポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、二塩基酸と低分子ジオールの縮合物であることが好ましく、当該低分子ジオールとしてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1、4-ブタンジオール、1、6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,5-ヘキサンジオール、2-メチル-1,4-ペンタンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジオール等の分岐構造を有する低分子ジオールが好ましい。なお、分岐構造を有する低分子ジオールとはジオールの有するアルキレン基の少なくとも一つの水素原子がアルキル基に置換された構造を有するジオールをいう。
二塩基酸としては、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸など多価カルボン酸あるいはこれらの無水物が好ましい。中でもアジピン酸、セバシン酸、アセライン酸、コハク酸その他の脂肪族二塩基酸などが挙げられる。
低分子ジオールとしては上記のものに加え、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジオール等の脂肪族環構造を有するジオールが好適である。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリオールとジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネート等のカーボネート化合物との反応により得られるものを挙げることができる。ポリカーボネートポリオールを構成するポリオールとしては、ポリエステルポリオールの構成成分として先に例示したポリオールを用いることができる。また、ジアルキルカーボネートとしてはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等を、アルキレンカーボネートとしてはエチレンカーボネート等を、ジアリールカーボネートとしてはジフェニルカーボネート等を挙げることができる。
(ポリイソシアネート)
ポリイソシアネートとしては、芳香族、脂肪族、脂環族のポリイソシアネートが好適に例示できる。特に脂環族ポリイソシアネートであることが好ましい。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジクロロ-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、1,5-テトラヒドロナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、1,4-シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。上記の中でも、本発明の印刷物の基材密着性、耐水摩擦性、耐熱性及び耐巻きブロッキング性の観点から、イソホロンジイソシアネートであることが好ましい。
イソシアネート基と水酸基との反応に用いられる触媒としては、ジブチル錫ジラウレート、オクトエ酸錫、ジブチル錫ジ(2-エチルヘキソエート)、2-エチルヘキソエート鉛、チタン酸2-エチルヘキシル、チタンエチルアセテート、2-エチルヘキソエート鉄、2-エチルヘキソエートコバルト、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、テトラ-n-ブチル錫、塩化第一錫、塩化第二錫、塩化鉄等が挙げられる。
(アクリル樹脂部)
アクリル樹脂部は、アクリルモノマー等から構成される。
アクリル樹脂部を構成するアクリルモノマーとしては、例えば、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシジエチレングリコールメタクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールメタクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコールアクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコールメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート等の芳香族系アルキル基含有アクリルモノマー、
更には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、tーブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート等の直鎖または分岐アルキル基含有アクリルモノマー、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート等の脂環式アルキル基含有アクリルモノマーなどがあるがこれらに限定されない。
なお、アクリルモノマー以外に、スチレン、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、m-メチルスチレン、ビニルナフタレン等の芳香族系モノマーを更に含有することもできる。
上記の中でも、ウレタン樹脂部との相溶性、基材密着性、及び耐ブロッキング性の観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むことが好ましく、アルキル基の炭素数が1~4である(メタ)アクリル酸アルキルエステルがより好ましい。すなわち、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、及びtーブチル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる一種以上である。また、上記のヒドロキシル基含有アクリルモノマーを更に含むことも好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有率は、アクリル樹脂部を構成するアクリルモノマーの総質量中、60~100質量%であることが好ましく、70~100質量%であることがより好ましく、80~100質量%であることが更に好ましい。
アクリル樹脂部の質量平均分子量は、1,000~1,000,000であることが好ましい。
アクリル樹脂部のガラス転移温度は-70℃~110℃であることが好ましく、-30~90℃であることが好ましく、-10~70℃であることが更に好ましい。具体的には、アクリル樹脂部として配合した各モノマーのホモポリマーにおけるガラス転移温度をTg1~Tgm、アクリル樹脂部として使用した各モノマーの質量比率をW1~Wmとしたとき、以下FOX式で表される。
1/Tg=(W1/Tg1)+(W2/Tg2)+…+(Wm/Tgm)
W1+W2+…+Wm=1
なお示差走査熱量測定(DSC)による測定値であってもよい。近しい値となるためである。
[コアシェル型水性ウレタンアクリル樹脂の製造方法]
コアシェル型水性ウレタンアクリル樹脂の製造方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法で製造される。例えば、特許第6565337号に記載されたように、あらかじめ水溶性のウレタン樹脂を公知の手法で製造しておき、その後、ウレタン樹脂の水溶液中にアクリルモノマーを添加し重合させる方法等が挙げられる。より具体的には、例えば、ポリオールとポリイソシアネートを40~120℃で反応させウレタンプレポリマーを合成し、酸性基を中和し水系媒体に分散させウレタン樹脂水溶液とする。前記ウレタン樹脂水溶液中にアクリルモノマーと重合開始剤を添加し、ウレタン樹脂でアクリルモノマーを内包させた後に、アクリルモノマーを30℃~100℃で重合させることにより得られる。
[水性ウレタン樹脂]
水性ウレタン樹脂は、ポリオールとポリイソシアネートとを縮合反応させてなる、末端にヒドロキシ基を有するものが好ましい。またウレタン樹脂は、ポリオールとポリイソシアネートとの縮合反応物である末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、鎖延長剤との反応により得られる水性ウレタン樹脂としてもよい。
ポリオールにはポリエーテルポリオール及びカルボキシル基を有するポリオールを含むことが好ましく、その他ポリオールを含んでいてもよい。水性ウレタン樹脂に用いるポリオール、ポリイソシアネート、及び鎖延長剤は、上記水性ウレタンアクリル樹脂の説明において例示した化合物を好ましく用いることができる。ウレタン樹脂の質量平均分子量は、5,000~100,000であることが好ましい。
[水性ウレタン樹脂の製造方法]
水性ウレタン樹脂の製造方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法で製造される。例えば、特許第4900136号に記載されたように、有機溶剤を用いずにポリオールとポリイソシアネートとを重合させる方法等が挙げられる。より具体的には、例えば、ポリオ-ル及びポリイソシアネートを仕込んだ後、乾燥窒素で置換し、90℃~220℃で10分~5時間反応させる。その後、冷却しながら中和剤を加えることにより得られる。
[水性アクリル樹脂]
水性アクリル樹脂は、上記水性ウレタンアクリル樹脂のアクリル樹脂部についての説明で例示したものと同様の態様が好ましく、同様のアクリルモノマー等から構成されることが好ましい。
水性アクリル樹脂は、基材密着性及び耐巻きブロッキング性の観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むものが好ましく、アルキル基の炭素数が1~4である(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むことがより好ましい。水性アクリル樹脂を構成するアクリルモノマーのうち、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有率は、60~100質量%であることが好ましく、70~100質量%であることがより好ましく、80~100質量%であることが更に好ましい。水性アクリル樹脂のガラス転移温度は-70℃~110℃であることが好ましく、-30~90℃であることが好ましく、-10~70℃であることが更に好ましい。上記ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)による測定値である。水性アクリル樹脂の質量平均分子量(Mw)は、100,000~600,000である事が好ましい。
[水性アクリル樹脂の製造方法]
水性アクリル樹脂は、界面活性剤や高分子分散剤を乳化剤として、アクリルモノマーを乳化重合して得ることができる。例えば、特許5991191号に記載されたように、乳化剤として界面活性剤を用いてアクリルモノマーを重合する方法等が挙げられる。より具体的には、例えば、反応槽に水、界面活性剤、アクリルモノマーを仕込み、攪拌して乳化液を得る。乳化液を80℃~90℃に昇温した反応層に水、重合開始剤の存在下で徐々に乳化液を滴下し乳化重合させ、温度を80℃~90℃に保ったまま、5時間反応させた後、反応液を冷却することで得られる。
[添加剤]
水性インキに使用できる添加剤としては、ヒドラジン系添加剤、ブロッキング防止剤、増粘剤、レオロジー調整剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、表面張力調整剤、中和剤、ポリオレフィン粒子等が好適に挙げられる。
(ヒドラジン系添加剤)
水性インキには、基材への密着性向上や、樹脂の常温架橋(ケト基含有の場合)等の目的で、ヒドラジン系添加剤を含有してもよい。ヒドラジン系添加剤としては、例えば、アジピン酸ヒドラジド等が挙げられる。ヒドラジン系添加剤としてはアジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドその他のジヒドラジド化合物が好ましい。
(ポリオレフィン粒子)
水性インキには、インキ皮膜の耐摩擦性とブロッキング性を向上する目的及び水・有機溶剤の乾燥性を向上させる目的で、更にポリオレフィン粒子を含むことが好ましい。
かかるポリオレフィン粒子は融点が90~140℃であることが好ましく、95~135℃であることがより好ましく、95~125℃であることが更に好ましい。平均粒子径は0.5~10μmであることが好ましく、0.5~8μmであることがより好ましく、0.5~5μmであることが更に好ましい。なお、平均粒子径はコールターカウンター法による測定値である。該当する粒子径及び融点では本発明における水性バインダー樹脂となじんだ強いインキ皮膜を形成し、耐水摩擦性の良化を促す。
ポリオレフィン粒子の含有率は、水性インキ総質量中、固形分で0.5~5質量%であることが好ましい。0.5質量%以上で耐水摩擦性が向上し、5質量%以下で使用すると水性インキの経時安定性も良好となる。
ポリオレフィン粒子としては、市販のポリオレフィン粒子を使用することができる。例えば、三井化学社製、ケミパールW100、W200、W300、W310、W306、W400、W401、W4005、W410、W500、WF640、W700、W800、W900、W950、WH201、WP100が挙げられる。
(表面調整剤)水性インキには、基材へのレベリング性を調節する目的で、各種表面調整剤を含有する事ができる。表面調整剤の含有率は、塗膜物性への影響のバランスを考慮して、水性インキ100質量%中、固形分換算で0~1.0質量%程度であることが好ましい。
表面調整剤としては例えば、日信化学社製、サーフィノール104E,104H、104A、104PA,104PG-50、104S、420、440、465、485、SE,SE-F、PSA-336、61、2502、ダイノール604、607、ビックケミー社製BYK-381、3441、302、307、325、331、333、342、345、346、347、348、349、378、3455が挙げられる。
(中和剤)
水性インキは、水性インキ中の樹脂の再溶解性を向上させる目的で、各種中和剤を含有することが好ましい。中和剤として使用する塩基性化合物としては、アンモニア;モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン、N-メチルモルホリン、2-アミノ-2-エチル-1-プロパノール等の有機アミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ類等が挙げられ、1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、アンモニア、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミンが好ましい。
[液状媒体]
水性インキは、液状媒体として水を含むことが好ましく、基材への濡れ性、インキの乾燥性を制御する目的で、更に親水性溶剤を含有することが好ましい。親水性溶剤の含有率は、インキのレベリング性、乾燥性の観点から、水性インキ100質量%中、1~10質量%であることが好ましく、2~5質量%であることがより好ましい。親水性溶剤としては、例えば、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-ブタノール、2-メチル-2-プロパノールなどの一価のアルコール溶剤;
エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ペンチレングリコール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等のグリコール系溶剤;
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤;
N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン、ε-カプロラクタム等のラクタム系溶剤;
ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、出光製エクアミドM-100、エクアミドB-100等のアミド系溶剤が挙げられる。
これらは1種類又は2種以上を併用して用いることができる。
[水性インキの製造方法]
水性インキは、例えば特開2020-186344号公報に記載されたように、樹脂及び着色顔料などを水及び規定量の溶剤に溶解及び/又は分散処理(顔料分散)をすることにより製造することができる。その後、得られた分散体に、必要に応じて添加剤、水及び必要に応じ親水性溶剤等を配合することにより、水性インキを製造することができる。顔料分散に使用する分散機としては、一般に使用される、例えば、ローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。中でも、サンドミル、ガンマミルその他のビーズミルで分散することが好ましい。
前記方法で製造された水性インキの粘度は、顔料の沈降を防ぎ、適度に分散させる観点から10mPa・s以上、インキ製造時や印刷時の作業性効率の観点から1000mPa・s以下の範囲であることが好ましい。尚、上記粘度はB型粘度計で25℃において測定された粘度である。当該粘度計はトキメック社製などのものが使用できる。
[着色層の形成]
着色層は、例えば、当該水性インキを印刷した後、揮発成分を乾燥することによって形成される層である。印刷方法としてはフレキソ印刷方式が好ましく、例えば、水性インキがフレキソ印刷に適した粘度及び濃度にまで希釈溶剤で希釈され、単独で又は混合されて各印刷ユニットに供給され、塗布される。その後、オーブン等による乾燥によって被膜を定着させることで着色層を得ることができる。
<プラスチック基材>
本発明の印刷物に用いるプラスチック基材として、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂;ナイロン6、ナイロン12等のポリアミド系樹脂;ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などのポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどの含塩素系樹脂;エチレン-ビニルアルコール共重合物系樹脂;セロハン;紙;アルミニウム、ステンレス、鉄などの金属箔;もしくは、これらの複合材料からなるフィルム状またはシート状のものが利用できる。
中でもポリオレフィン系樹脂及び/又はポリエステル系樹脂であることが好ましい。
本発明の印刷物に用いるプラスチック基材として、シュリンクフィルムを用いることも好ましい。前記シュリンクフィルムとしては、ポリ塩化ビニル系シュリンクフィルム、ポリプロピレン系シュリンクフィルム、ポリエチレン系シュリンクフィルム、ポリスチレン系シュリンクフィルム、ポリ乳酸系シュリンクフィルム、及びポリエチレンテレフタレート系シュリンクフィルムなどが挙げられる。中でもポリスチレン系シュリンクフィルム及びポリエチレンテレフタレート系シュリンクフィルムであることが好ましい。
上記基材は、印刷される面(着色層と接する面)が易接着処理されていることが好ましく、易接着処理とは、例えば、コロナ放電処理、紫外線/オゾン処理、プラズマ処理、酸素プラズマ処理、プライマー処理等が挙げられる。例えばコロナ放電処理では基材上に水酸基、カルボキシル基、カルボニル基等が発現する。これらの官能基は、印刷層及び/又は表面保護層中の樹脂が水酸基等の官能基を有する場合に、それらと水素結合を形成することができる。
<表面保護層>
表面保護層は、着色層と接する面とは反対のプラスチック基材上に位置する。表面保護層は、水性ウレタンアクリル樹脂、水性ウレタン樹脂、及び水性アクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の水性バインダー樹脂を含む水性コート剤からなる層であり、前記水性コート剤が、z平均分子量(Mz)が2,000以上であるイソシアネート系硬化剤を含むことが好ましい。表面保護層の厚みは0.1~10μmであることが好ましく、0.3~6μmであることがより好ましく、0.5~3μmであることが特に好ましい。
水性コート剤の塗布量を上記範囲に収めることで、印刷物は意匠性、美粧性、基材密着性及び耐巻きブロッキング性に優れる。表面保護層は、後述の通り、クリアコート層又はマットコート層の態様を取りうる。
表面保護層の厚みは、0.1~10μmであることが好ましく、0.15~5μmであることがより好ましく、0.2~3μmであることが特に好ましい。表面保護層の厚みを上記範囲に収めることで、印刷物の意匠性及び美粧性に優れ、基材密着性及び耐巻きブロッキング性に優れる。
表面保護層は、クリアコート層又はマットコート層の態様を取りうる。
本発明では、表面保護層の、JISK7136に従って測定されたHAZE値が、15%以下である場合を「クリアコート層」、上記範囲外である場合を「マットコート層」とする。
[クリアコート層]
クリアコート層の光沢値は、80以上であることが好ましく、90以上であることがより好ましく、100以上であることが更に好ましい。なお、本発明における光沢値は、例えば、BYK CHEMIE社製マイクロトリグロス光沢計にて測定可能な、JISZ8741に記載された入射角60°-反射角60°における光沢値の値である。
クリアコート層の動摩擦係数は、0.5以下であることが好ましく、0.2~0.4であることがより好ましい。なお、本発明における動摩擦係数は、JIS K7125に規定の測定方法に準じて測定した値である。詳細には、水平に設置した摩擦測定機(東洋精機製、TR-2)の試験テーブル上に、ステンレス製の板を固定した。別途、底面をフェルトで覆われた滑り片(一辺の長さ63mmの正方形、200g)の底面に、印刷物のクリアコート層が外側にくるようにして固定し、この滑り片をステンレス製の板が固定された試験テーブル上に静置し、滑り片をワイヤーに引っ掛けた状態で、試験テーブルを速度100mm/分で動かし、その際の摩擦力から、下記式1によって動摩擦係数を求めることが可能である。計5回測定し、その平均値を用いることができる。
(式1) μD=FD/FP
μD:動摩擦係数
FD:動摩擦力(N)
FP:滑り片の質量によって生じる法線力(=1.96N)
[マットコート層]
マットコート層の光沢値は、60以下であることが好ましく、50以下であることがより好ましく、40以下であることが更に好ましい。マットコート層の動摩擦係数は、0.5以下であることが好ましく、0.2~0.4であることがより好ましい。
[水性コート剤]
表面保護層の形成に用いる水性コート剤は、水性ウレタンアクリル樹脂、水性ウレタン樹脂、及び水性アクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の水性バインダー樹脂を含み、また必要に応じて添加剤、水、及び親水性溶剤を含む。水性コート剤は、z平均分子量(Mz)が2,000以上であるイソシアネート系硬化剤を含むことが好ましい。
水性コート剤に用いる水性ウレタンアクリル樹脂、水性ウレタン樹脂、水性アクリル樹脂、添加剤及び親水性溶剤は、上記水性インキの説明において例示したものと同様のものを好ましく用いることができる。
以下、前記「クリアコート層」の形成に用いる水性コート剤を「水性クリアコート剤」、前記「マットコート層」の形成に用いる水性コート剤を「水性マットコート剤」とする。
[水性クリアコート剤]
水性クリアコート剤は、耐水摩擦性及び耐巻きブロッキング性の観点から、体質顔料及び/又は有機粒子を含むことも好ましく、有機粒子を含むことがより好ましい。
体質顔料の含有率は、水性クリアコート剤の総質量中、0.1~5質量%であることが好ましく、0.15~4質量%であることがより好ましく、0.2~3質量%であることが更に好ましい。
有機粒子の含有率は、水性クリアコート剤の総質量中、0.1~5質量%であることが好ましく、0.15~4質量%であることがより好ましく、0.2~3質量%であることが更に好ましい。
[水性マットコート剤]
水性マットコート剤は、体質顔料及び/又は有機粒子を含むことが好ましい。水性マットコート剤に含まれる体質顔料及び/又は有機粒子は、艶消し効果あるいは耐擦性を付与するために添加される。体質顔料及び/又は有機粒子は、表面保護層の表面に微細な凹凸を形成して、光を乱反射させることにより、艶消し効果が発現すると推察される。
体質顔料の含有率は、水性マットコート剤の総質量中、1~30質量%であることが好ましく、3~25質量%であることがより好ましく、5~20質量%であることが更に好ましい。
有機粒子の含有率は、水性マットコート剤の総質量中、0.1~15質量%であることが好ましく、0.5~10質量%であることがより好ましく、1~5質量%であることが更に好ましい。
[体質顔料]
水性コート剤に好ましく用いられる体質顔料として、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ホワイトカーボン、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナホワイト、珪石粉末、珪藻土、シリカ、ケイ酸カルシウム、アタパルジャイト、セリサイト、マイカ、ハイドロタルサイト、ベントナイト、ゼオライト、カオリンクレー、パイロフィライトが挙げられる。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。中でも硫酸バリウム及び/又はシリカを含むことが好適であり、硫酸バリウムを含むことがなお好ましい。
体質顔料の平均粒子径は、0.01~10.0μmであることが好ましく、0.1~8.0μmであることがなお好ましい。また体質顔料として硫酸バリウムを用いる場合、その吸油量は5~50ml/100gであることが好ましく、15~35ml/100gであることがなお好ましい。
[有機粒子]
有機粒子は固有の屈折率によって光拡散性の制御が可能であり、光沢、艶消し、透明性等によって求める意匠性を印刷物に付与する事ができる。水性コート剤に好ましく用いられる有機粒子としては、アクリル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、オレフィン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂粒子、ポリカーボネート樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子、ポリアミド樹脂粒子、ポリイミド樹脂粒子などが挙げられ、上記有機粒子から選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。中でも、アクリル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、及びベンゾグアナミン樹脂粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
有機粒子の屈折率は1.48以上であることが好ましく、1.50以上であることがなお好ましい。1.51より大きいことが更に好ましい。また、1.75以下であることが好ましく、1.70以下であることがなお好ましく、1.66以下であることが更に好ましい。耐摩耗性と艶消し効果向上のためである。
有機粒子の平均粒径は、0.1~30μmであることが好ましく、0.5~20μmであることがなお好ましく、1~10μmであることが更に好ましい。
体質顔料及び有機粒子の平均粒径は、電子顕微鏡(SEM等)による測定値をいう。例詳細には、粒子が球状の場合はその直径を、粒子が非球状の場合は最長径(観察視野またはその写真上で、個々の粒子を平行な2本の線分で挟み込んだときの最長距離)及び最短径(観察視野またはその写真上で、個々の粒子を平行な2本の線分で挟み込んだときの最短距離)を求め、その算術平均値をその粒子の平均直径とする。さらに粒子20個程度の直径または平均直径を算術平均し、その値を平均粒径とすればよい。
[水性コート剤の製造方法]
水性コート剤は、攪拌羽根、回転翼等を供えた攪拌機に樹脂、並びに必要に応じて体質顔料及び/又は有機粒子、水、添加剤、及び親水性溶剤を仕込み、混合、攪拌して得ることができる。撹拌速度としては特に制限されることはなく、50~2000rpmで行うことが可能である。
[表面保護層の形成]
表面保護層は、例えば、上記水性コート剤を用いて印刷した後、揮発成分を除去することによって形成することができる。印刷方法としてはフレキソ印刷方式が好ましく、例えば、水性コート剤がフレキソ印刷に適した粘度及び濃度にまで希釈溶剤で希釈され、単独で又は混合されて各印刷ユニットに供給され、塗布される。その後、オーブン等による乾燥によって被膜を定着させることで表面保護層を得ることができる。
[ラベル]
本発明の印刷物は、着色層、プラスチック基材及び表面保護層を順次有する印刷物であって、基材密着性、耐水摩擦性、耐熱性及び耐巻きブロッキング性に優れることから、ラベル用であることが好ましい。プラスチック基材を含むプラスチックラベルであれば、特に限定されず、プラスチックラベルとしては、具体的には、ストレッチラベル、シュリンクラベル、ストレッチシュリンクラベル、インモールドラベル、タックラベル、ロールラベル(巻き付け方式の糊付ラベル)、感熱接着ラベル等が挙げられる。中でも、タックラベル、シュリンクラベルであることが好ましい。
<印刷物の製造方法>
本発明の印刷物の製造方法は、着色層、プラスチック基材及び表面保護層を順次有する印刷物の製造方法であって、
前記プラスチック基材上に、顔料、並びに、水性ウレタンアクリル樹脂、水性ウレタン樹脂、及び水性アクリル樹脂からなる群より選ばれる1種以上の水性バインダー樹脂を含む水性インキを印刷し、着色層を得る工程、並びに、
着色層に接する面とは反対のプラスチック基材上に、水性ウレタンアクリル樹脂、水性ウレタン樹脂、及び水性アクリル樹脂からなる群より選ばれる1種以上の水性バインダー樹脂を含む水性コート剤を印刷し、表面保護層を得る工程を含み、
前記水性インキ及び/又は水性コート剤が、z平均分子量(Mz)が2,000以上であるイソシアネート系硬化剤を含むことを特徴とする。
上記工程は順序を問わないが、耐巻きブロッキング性の観点から、着色層及び表面保護層をこの順に形成することが好ましい。水性インキ及び水性コート剤の印刷方法としてはフレキソ印刷方式が好ましい。
上記印刷物の製造方法としては例えば、当該水性インキを、フレキソ印刷機(MIRAFLEX CM)にて、プラスチック基材(ポリエチレンテレフタラート基材,東洋紡績社製 E5100 厚さ12μm)上に、速度300m/分にて2000m印刷を行い、着色層を形成する。その後、当該プラスチック基材で前記着色層を有しない面に、前記同様に水性コート剤をフレキソ印刷して表面保護層を形成し、着色層、プラスチック基材及び表面保護層を順次有する印刷物を製造することができる。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利
範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は「質量部」、「%」は
「質量%」を表す。
実施例5、9、34~39、45、51、53、及び55~58は参考例である。
<酸価>
樹脂1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数。乾燥させた水溶性樹脂(A)について、JIS K2501に記載の方法に従い、水酸化カリウム・エタノール溶液で電位差滴定をおこない算出した。
<z平均分子量、質量平均分子量>
z平均分子量及び質量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法によって測定を行い、ポリスチレンを標準物質に用いた換算分子量として求めた。測定条件を以下に示す。
GPC装置:昭和電工社製 Shodex GPC-104
カラム:下記カラムを直列に連結して使用した。
昭和電工社製 Shodex LF-404 2本
昭和電工社製 Shodex LF-G
検出器:RI(示差屈折計)
測定条件:カラム温度40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:0.3mL/分
<表面保護層のHAZE値>
水性コート剤を、フレキソ版(感光性樹脂版 KODAK社製 FLEXCEL NXHデジタルフレキソプレート 版厚1.14mm 版線数150lpi)及びアニロックスロール(900lpi 3cc/m)を具備したフレキソ印刷機(MIRAFLEX CM)にて、プラスチック基材(ポリエチレンテレフタラート基材,東洋紡績社製 E5100 厚さ12μm)上に、速度300m/分にて2000m印刷を行い、表面保護層を形成し、印刷物を得た。得られた印刷物について、日本電色工業(株)製「分光ヘーズメーターSH7000」を用いて、JIS K7136に記載の方法に従って、表面保護層のHAZE値を測定した。
(合成例1)水性ウレタン樹脂(PU01)の合成
温度計、撹拌機、還流冷却管、撹拌装置、還流器を備えた反応容器に窒素ガスを導入しながら、PEG2000(数平均分子量2000のポリエチレングリコール)22.5部、PTG2000(数平均分子量2000のポリテトラメチレングリコール)22.5部、ポリエステルポリオールA(1.6ヘキサンジオール:アジピン酸:ネオペンチルグリコール=4:6:1を重縮合させたポリエステルポリオール)45.0部、2,2-ジメチロールプロピオン酸10.0部、イソホロンジイソシアネート20.0部を仕込み、90℃で、3時間反応させた。冷却後、得られた水溶性樹脂にトリエチルアミン6.0部とイオン交換水の混合溶液を徐々に滴下して中和することにより水溶化し、固形分30質量%のウレタン樹脂の水溶液(PU01)を得た。得られた水性ウレタン樹脂(PU01)の酸価は34.9mgKOH/g、質量平均分子量(Mw)は40,000であった。
(合成例2)コアシェル型水性ウレタンアクリル樹脂(PUA01)の合成
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、温度計を備えた反応容器に、PEG2000(数平均分子量2000のポリエチレングリコール)22.5部、PTG2000(数平均分子量2000のポリテトラメチレングリコール)22.5部、ポリエステルポリオールA:(1.6ヘキサンジオール:アジピン酸:ネオペンチルグリコール=4:6:1を重縮合させたポリエステルポリオール)45.0部、2,2-ジメチロールプロピオン酸10.0部、イソホロンジイソシアネート20.0部、NMP500.0部を仕込み、触媒としてジブチルスズジラウリレート2.0部を添加後、窒素雰囲気下、80~90℃で、6時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン6.0部を添加・混合した。反応混合物を、強攪拌下のもと水520.0部の中に加えた。ついで、イソホロンジアミン10.0部を加えて、ウレタン樹脂溶液を得た。
得られたウレタン樹脂溶液350部に、アクリル酸ブチル6.0部、メタクリル酸メチル18.0部、メタクリル酸ブチル6.0部、水90.0部を加え、50℃に加温した。次に、1質量%アスコルビン酸水溶液9.5部と、7質量%過酸化ブチル水溶液2.5部とを加えた。発熱が収まった後、50℃で加熱し留去して調整し、固形分30%のコアシェル型水性ウレタンアクリル樹脂の水分散液(PUA01)を得た。得られたコアシェル型水性ウレタンアクリル樹脂(PUA01)の酸価は24.4mgKOH/g、質量平均分子量(Mw)は550,000であった。
(合成例3)水性アクリル樹脂(PA01)の合成
攪拌機、還流冷却器、滴下槽及び温度計を備えた反応容器を準備し、滴下槽にはイオン交換水50部、ドデシルベンゼンスルホン酸[ネオペレックスG-15 花王社製]8.0部、アクリル酸ブチル6.0部、メタクリル酸メチル18.0部、メタクリル酸ブチル6.0部を仕込み、攪拌することにより乳化液を調製した。反応容器にイオン交換水50部を仕込み、攪拌下で85℃に昇温した。15分後に滴下槽の乳化液の0.1%相当分を添加し、5分後に25%過硫酸アンモニウム水溶液2.0部を添加した。5分後、反応容器に滴下槽の乳化液の残りを4時間かけて反応容器内に徐々に滴下して乳化重合させた後、さらに1時間反応を行った。重合開始30分後から13%APS(過硫酸アンモニウム)水溶液1部を30分かけて反応容器内に連続滴下した。反応終了後、冷却しながら、反応液をメッシュを用いてろ過、イオン交換水で固形分を調整し、固形分30%の水性アクリル樹脂(PA01)を得た。得られた水性アクリル樹脂(PA01)の酸価は0、質量平均分子量(Mw)は420,000であった。
(調製例1)水性インキ(INK1)の製造
顔料[タイペークCR80 石原産業社製]38.0部、合成例1のウレタン樹脂(PU01)40.0部、イオン交換水2.0部、表面調製剤[サーフィノール420 日信化学工業社製]0.4部、アジピン酸ヒドラジド0.3部、イソプロパノール(IPA)5.0部を加え、撹拌機で10分撹拌したのち、ビーズミル分散機であるアイガーミル(アイガー社製 ビーズミル)を使用して10分間で分散処理し、顔料分散液を得た。前記顔料分散液に、三井化学社製ケミパールW500(固形分40.0%)3.0部、トリエチルアミン2.0部を加えた後、硬化剤A[東ソー製 アクアネート105]を3.0部添加し、混練して目的の水性インキ(INK1)を得た。
(調製例2~12及び比較調製例1)水性インキ(INK1~13)の製造
表1に示す各原料及び比率を用いた以外は上記調製例1と同様の方法でアイガーミル(アイガー社製 ビーズミル)を使用して10分間で分散処理し、調製例2~12及び比較調製例1のインキINK2~13を作製した。
(調製例13)水性コート剤(C1)の製造
合成例1のウレタン樹脂(PU01)50.0部、硫酸バリウム[堺化学工業製 バリエースB35]15.0部、日本触媒製エポスターM05 5.0部、イオン交換水19.0部、表面調製剤[サーフィノール420 日信化学工業社製]0.4部、アジピン酸ヒドラジド0.3部、イソプロパノール5.0部、三井化学社製ケミパールW500(固形分40.0%)3.0部、トリエチルアミン2.0部を加えた後、撹拌機で10分撹拌したのち、硬化剤A[東ソー製 アクアネート105]を3.0部添加し、攪拌混合して水性コート剤(C1)を得た。
(調製例14~44及び比較調製例2、3)水性コート剤(C2~C34)の製造
表2及び表3に示す各原料及び比率を用いた以外は上記調製例1と同様の方法で、調製例14~44及び比較調製例2、3の水性コート剤C2~34を作製した。
表1、表2及び表3における各原料の略号は、以下の原料を示す。
水性スチレンマレイン酸樹脂(星光PMC社製 X-228L)
硬化剤A (ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体であるイソシアネート系硬化剤(固形分100%), 東ソー製 アクアネート105,z平均分子量2,620)
硬化剤B (ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体であるイソシアネート系硬化剤(固形分100%), 東ソー製 アクアネート200, z平均分子量 4,200)
硬化剤C (ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体であるイソシアネート系硬化剤(固形分100%), 旭化成製 デュラネートWT31-100, z平均分子量2,000)
硬化剤D (ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体であるイソシアネート系硬化剤(固形分100%), 旭化成製 デュラネートWT30-100, z平均分子量1,900)
硬化剤E(カルボジイミド系硬化剤, 日清紡製 カルボジライトSV-02)
硫酸バリウム(堺化学工業製 バリエースB-30 平均粒径0.3μm 吸油量18mL/100g)
シリカ(富士シリシア化学製 サイリシア320 平均粒子径3.2μm 吸油量310mL/100g)
炭酸カルシウム(ニューライム社製 TB-113 平均粒径0.015μm 吸油量160mL/100g)
エポスターM05(ベンゾグアナミン樹脂粒子 日本触媒製 平均粒径6.0μm、屈折率1.66)
ART PEARL MM-120T(ウレタン樹脂粒子 根上工業製 平均粒径2.0μm、屈折率1.52)
ART PEARL J-6PF(アクリル樹脂粒子 根上工業製 平均粒径4.0μm、屈折率1.50)
テクポリマーSBX-30(ポリスチレン系樹脂粒子 積水化成社製 平均粒径30.0μm 屈折率1.59)
(実施例1)
上記水性インキ(INK1)を、フレキソ版(感光性樹脂版 KODAK社製 FLEXCEL NXHデジタルフレキソプレート 版厚1.14mm 版線数150lpi)及びアニロックスロール(900lpi 3cc/m)を具備したフレキソ印刷機(MIRAFLEX CM)にて、プラスチック基材(ポリエチレンテレフタラート基材,東洋紡績社製 E5100 厚さ12μm)上に、速度300m/分にて2000m印刷を行い、着色層を形成した。その後、当該プラスチック基材で前記着色層を有しない面に、前記同様の方法で上記水性コート剤(C1)を印刷し、印刷物を得た。なお印刷層の乾燥条件は乾燥温度:色間ドライヤー100℃、トンネルドライヤー100℃とした。得られた印刷物については25℃、24時間のエージングを行った。
(実施例2~58、比較例1~14)
表3、表4及び表5に示した水性インキ、プラスチック基材、及び水性コート剤を使用した以外は、上記印刷物の作製と同様の手順で行い、実施例2~57及び比較例1~14の印刷物を作成した。
表1、表2及び表3のプラスチック基材は、以下の基材を用いた。
PET:ポリエチレンテレフタラート(東洋紡績社製 E5100 厚さ12μm)
OPP:ポリプロピレン(東洋紡社製 P2161、厚さ12μ)
S-PET:ポリエチレンテレフタラート系シュリンクフィルム(三菱ケミカル製 ヒシペットLX-61S 厚さ40μm)
上記実施例1~58及び比較例1~14で示した印刷物において、基材密着性、耐水摩擦性、耐熱性及び耐巻きブロッキング性について以下に記載する方法で評価を行った。
[基材密着性]
上記実施例及び比較例で得られた印刷物について、印刷物の着色層に粘着テープ(ニチバン社製セロテープ(登録商標)18mm幅)を貼り付け、垂直方向に剥離をおこない、インキの剥がれた面積の割合から基材密着性を評価した。印刷物の表面保護層についても同様の評価方法を用いて、併せて評価を行った。評価基準は以下の通りであり、下記比率については着色層及び表面保護層における合計値で評価した。
A:インキ及びコート剤の剥がれがない(優良)
B:インキ及び/又はコート剤の剥がれがややある(10%未満)(良好)
C:インキ及び/又はコート剤の剥がれがある(10%以上、30%未満)(使用可)
D:インキ及び/又はコート剤の剥がれがかなりある(30%以上)(不良)
なお、実用レベルの評価はA~Cである。
[耐水摩擦性]
上記実施例及び比較例で得られた印刷物を1分間常温水に浸漬させた後、摩擦子にカナキン(JISL0803)を用い、印刷物の着色層を学振試験機(テスター産業社製)により、荷重200gで100往復させ、着色層の剥がれた面積の割合から耐水摩擦性について評価した。印刷物の表面保護層についても前記と同様の評価方法を用いて、併せて評価を行った。
評価基準は以下の通りであり、下記比率については着色層及び表面保護層における合計値で評価した。
A:インキ及びコート剤の剥がれがない(優良)
B:インキ及び/又はコート剤の剥がれが5%未満である(良好)
C:インキ及び/又はコート剤の剥がれが5%以上30%未満である(使用可)
D:インキ及び/又はコート剤の剥がれが30%以上70%未満である(不良)
なお、実用レベルの評価はA~Cである。
[耐熱性]
上記実施例および比較例で得られた印刷物について、着色層と表面保護層が接するように重ね合わせ、ヒートシーラーにて熱圧着し剥がした際のインキ及びコート剤の取られ具合及び剥離抵抗を評価した。評価条件は100℃、180秒間熱圧着するとした。評価基準は以下の通りである。
A:インキ及びコート剤取られがなく、剥がした際の剥離抵抗がないもの(優良)
B:インキ及びコート剤取られがなく、剥がした際に弱い剥離抵抗があるもの(良好)
C:インキ及びコート剤取られがなく、剥がした際に強い剥離抵抗があるもの(使用可)
D:インキ及び/又はコート剤取られがあり、剥がした際に強い剥離抵抗があるもの(不良)
なお、実用レベルの評価はA~Cである。
[耐巻きブロッキング性]
上記実施例及び比較例で得られた印刷物を、印刷物を製造し巻き取ったロールの状態から、巻き外から巻き芯にかけて巻き返しを行い、インキ及びコート剤の取られ具合及び剥離抵抗を評価した。評価基準は以下の通りである。
A:インキ及びコート剤取られがなく、巻き返した際の剥離抵抗がないもの(優良)
B:インキ及びコート剤取られがなく、巻き返した際にわずかな剥離抵抗があるもの(良好)
C:インキ及びコート剤取られがなく、巻き返した際に弱い剥離抵抗があるもの(使用可)
D:インキ及び/又はコート剤取られがあり、巻き返した際に強い剥離抵抗があるもの(不良)
なお、実用レベルの評価はA~Cである。
[評価結果]
表4及び表5に示される通り、実施例では基材密着性、耐水摩擦性、耐熱性及び耐巻きブロッキング性全てが実用レベルである印刷物が得られた。一方、表6に示される通り、比較例の印刷物は、基材密着性、耐水摩擦性、耐熱性及び耐巻きブロッキング性のうちのいずれか一つ以上において実用レベルに満たないものであった。

Claims (6)

  1. 着色層、プラスチック基材及び表面保護層を順次有する印刷物であって、
    前記着色層が、顔料、並びに、水性ウレタンアクリル樹脂、水性ウレタン樹脂、及び水性アクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の水性バインダー樹脂を含む水性インキからなり、
    前記表面保護層が、水性ウレタンアクリル樹脂、水性ウレタン樹脂、及び水性アクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の水性バインダー樹脂を含む水性コート剤からなり、
    前記水性インキ及び/又は水性コート剤が、z平均分子量(Mz)が2,000以上であるイソシアネート系硬化剤を含み、
    前記表面保護層が、有機粒子を含み、
    前記有機粒子が、アクリル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、及びベンゾグアナミン樹脂粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、印刷物。
  2. 表面保護層が、更に、体質顔料を含む、請求項1に記載の印刷物。
  3. 体質顔料が、硫酸バリウム及び/又はシリカを含む、請求項2に記載の印刷物。
  4. ラベル用である、請求項1又は2に記載の印刷物。
  5. シュリンクラベル用である、請求項1又は2に記載の印刷物。
  6. 着色層、プラスチック基材及び表面保護層を順次有する印刷物の製造方法であって、
    前記プラスチック基材上に、顔料、並びに、水性ウレタンアクリル樹脂、水性ウレタン樹脂、及び水性アクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の水性バインダー樹脂
    を含む水性インキをフレキソ印刷し、着色層を得る工程、並びに、
    プラスチック基材の、着色層に接する面と反対の面に、水性ウレタンアクリル樹脂、水性ウレタン樹脂、及び水性アクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の水性バインダー樹脂を含む水性コート剤をフレキソ印刷し、表面保護層を得る工程を含み、
    前記水性インキ及び/又は水性コート剤が、z平均分子量(Mz)が2,000以上であるイソシアネート系硬化剤を含み、
    前記水性コート剤が、有機粒子を含み、
    前記有機粒子が、アクリル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、及びベンゾグアナミン樹脂粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、印刷物の製造方法。
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