JP2017082189A - 水系インク - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2では、変形可能な基材にマークまたは画像を印刷するのに適したインク組成物として、ポリエステルとポリウレタンエラストマーと水と共溶媒と任意要素の界面活性剤と任意要素の着色剤とを含む、伸長可能なインク組成物について記載されている。
特許文献3では、硬化して得られた画像の密着性及び耐湿熱性に優れるインク組成物として、ウレタン構造又はウレア構造の少なくとも一方を有するグラフト主鎖と、特定の構造を含むグラフト側鎖とを有するグラフトポリマー、重合性化合物、及び重合開始剤を含み、前記重合性化合物における単官能重合性化合物の含有量が50質量%以上である、インク組成物が記載されている。
本発明の一課題は、PETへの密着性に優れ、更にナイロンへの密着性、及び耐擦過性にも優れた水系インク及びその製造方法を提供することに関する。
更に、本発明の一課題は、上記課題に加えて、耐アルコール性に優れた水系インク及びその製造方法を提供することに関する。
[1] 着色剤及び樹脂粒子を含有する水系インクであって、
前記樹脂粒子が、ポリエステルセグメントとポリウレタンセグメントとを有する複合樹脂を含有し、
前記複合樹脂中のポリエステルセグメント/ポリウレタンセグメントの質量比率が、20/80以上95/5以下であり、
前記ポリウレタンセグメントが、ポリエーテルポリオールを含むポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との反応物であるポリウレタンである、
水系インク。
[2] 前記ポリエステルセグメントが、アルコール成分とカルボン酸成分との重縮合物であり、該カルボン酸成分として3価以上の多価カルボン酸を含有する、[1]に記載の水系インク。
[3] 前記カルボン酸成分として、炭素数1以上20以下のアルキル基又は炭素数2以上20以下のアルケニル基で置換されたコハク酸を含有する、[2]に記載の水系インク。
[4] 工程1:アルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合させてポリエステルを得る工程、
工程2:ポリエーテルポリオールを含むポリオール化合物とポリイソシアネート化合物を反応させてポリウレタンを得る工程、
工程3:工程1で得られたポリエステルと、工程2で得られたポリウレタンとから、複合樹脂を得る工程、
工程4:工程3で得られた複合樹脂を水系媒体へ分散し、樹脂粒子の水性分散液を得る工程、及び
工程5:工程4で得られた樹脂粒子の水性分散液と、着色剤とを混合する工程
を有し、
工程3のポリエステル/ポリウレタンの質量比率が20/80以上95/5以下である、水系インクの製造方法。
更に、本発明の[2]又は[3]によれば、上記課題に加えて、耐アルコール性に優れた水系インク及びその製造方法を提供することができる。
本発明の水系インクは、着色剤及び樹脂粒子を含有する水系インクである。
本発明において、前記樹脂粒子は、ポリエステルセグメントとポリウレタンセグメントとを有する複合樹脂を含有する。
そして、前記複合樹脂中のポリエステルセグメント/ポリウレタンセグメントの質量比率が、20/80以上95/5以下であり、前記ポリウレタンセグメントが、ポリエーテルポリオールを含むポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との反応物であるポリウレタンである。
本発明の水系インクでは、ポリエステルセグメントとポリウレタンセグメントとを有する複合樹脂を含有する。適度な極性を有するポリエステルは皮膜強度に優れ、かつ水系の樹脂エマルションを形成できる。このポリエステルに、ポリエーテルポリウレタンを結合させることで、ウレタン結合を多数有するポリウレタン部位がナイロンのアミド結合と親和性が高いため、ナイロンへの密着性を発現しつつ、ポリエステルの皮膜が印刷画像上を覆うことにより、耐擦過性に優れる膜性能を発揮するものと考えられる。
<複合樹脂>
樹脂粒子は、ポリエステルセグメントとポリウレタンセグメントとを有する複合樹脂を含有する。
複合樹脂中のポリエステルセグメント/ポリウレタンセグメントの質量比率は、PETへの密着性に優れ、更にナイロンへの密着性、及び耐擦過性にも優れた水系インクを得る観点から、20/80以上95/5以下であり、好ましくは40/60以上、より好ましくは45/55以上、更に好ましくは50/50以上であり、そして、好ましくは90/10以下、より好ましくは85/15以下、更に好ましくは80/20以下である。
ポリエステルセグメントは、アルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られる、すなわちアルコール成分とカルボン酸成分との重縮合物であるポリエステルである。
アルコール成分としては、ジオール、3価以上の多価アルコール等が挙げられ、好ましくはジオールである。
ジオールとしては、主鎖炭素数2以上12以下の脂肪族ジオール、芳香族ジオール、及び脂環式ジオールが挙げられる。
脂肪族ジオールは、優れた耐擦過性を得る観点から、好ましくは、第二級炭素原子に結合したヒドロキシ基を有する炭素数3以上6以下の脂肪族ジオールである。
第二級炭素原子に結合したヒドロキシ基を有する炭素数3以上6以下の脂肪族ジオールとしては、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール等が挙げられ、好ましくは、1,2−プロパンジオール及び2,3−ブタンジオールから選ばれる少なくとも1種、より好ましくは1,2−プロパンジオールである。
ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物は、優れた耐擦過性を得る観点から、好ましくは下記一般式(I)で表される化合物である。
x及びyは、アルキレンオキシドの付加モル数に相当する。更に、カルボン酸成分との反応性の観点から、xとyの和の平均値は、好ましくは2以上であり、そして、好ましくは7以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは3以下である。
また、x個のOR1とy個のR2Oは、各々同一であっても異なっていてもよいが、インクの記録媒体への定着性を向上させる観点から、同一であることが好ましい。ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。このビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物は、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物及びビスフェノールAのエチレンオキシド付加物が好ましく、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物がより好ましい。
また、各種樹脂記録媒体への密着性、耐擦過性及び耐アルコール性にも優れた水系インクを得る観点からは、好ましくは、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、及び第二級炭素原子に結合したヒドロキシ基を有する炭素数3以上6以下の脂肪族ジオールから選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、更に好ましくは、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物である。
前記アルコール成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリエステルのアルコール成分中における第二級炭素原子に結合したヒドロキシ基を有する炭素数3以上6以下の脂肪族ジオールの含有量は、優れた耐擦過性を得る観点から、好ましくは50モル%以上、より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上であり、そして、好ましくは100モル%以下である。
カルボン酸成分としては、ジカルボン酸、3価以上の多価カルボン酸、並びにそれらの酸無水物及びそれらの炭素数1以上3以下のアルキルエステル等が挙げられ、中でも、優れた密着性を得る観点から、好ましくはジカルボン酸を含み、より好ましくはジカルボン酸からなる。
なお、カルボン酸成分には、カルボン酸のみならず、それらの無水物及びそれらの炭素数1以上3以下のアルキルエステル等も含まれる。すなわち、本明細書中では、単にカルボン酸の名称のみを記載している場合、そのカルボン酸の無水物及び炭素数1以上3以下のアルキルエステルも含めて記載されているものとする。
芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等が挙げられ、耐擦過性を向上させる観点から、好ましくは、テレフタル酸である。
脂肪族ジカルボン酸としては、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、アゼライン酸、コハク酸、炭素数1以上20以下のアルキル基又は炭素数2以上20以下のアルケニル基で置換されたコハク酸等が挙げられる。炭素数1以上20以下のアルキル基又は炭素数2以上20以下のアルケニル基で置換されたコハク酸の具体例としては、ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等が挙げられる。これらの中でも、優れた密着性を得る観点から、好ましくは、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、及びドデセニルコハク酸から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくはフマル酸である。
脂環式ジカルボン酸としては、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸としては、トリメリット酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
前記カルボン酸成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
3価以上の多価カルボン酸としては、優れた耐アルコール性を得る観点から、好ましくは3価以上の芳香族カルボン酸である。
3価以上の芳香族カルボン酸の炭素数は、優れた耐アルコール性を得る観点から、好ましくは8以上、より好ましくは9以上、そして、好ましくは16以下、より好ましくは14以下である。
多価カルボン酸の価数は、優れた耐アルコール性を得る観点から、好ましくは3価である。
樹脂製記録媒体への密着性及び耐擦過性に加えて、優れた耐アルコール性を得る観点から、好ましくはトリメリット酸及びその無水物、より好ましくはトリメリット酸無水物である。
ポリエステルセグメントのカルボン酸成分中の3価以上の多価カルボン酸の含有量は、樹脂製記録媒体への密着性及び耐擦過性に加えて、優れた耐アルコール性を得る観点から、好ましくは2モル%以上、より好ましくは5モル%以上、更に好ましくは8モル%以上であり、そして、好ましくは50モル%以下、より好ましくは30モル%以下、更に好ましくは20モル%以下である。
また、本発明で用いる置換コハク酸の置換基がアルケニル基の場合、該アルケニル基の炭素数は、好ましくは4以上、より好ましくは6以上、更に好ましくは8以上であり、そして、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下である。
置換コハク酸の具体例としては、ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等が挙げられる。これらの中でも、樹脂製記録媒体への密着性及び耐擦過性に加えて、優れた耐アルコール性を得る観点から、好ましくはドデシルコハク酸及びドデセニルコハク酸からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくはドデシルコハク酸無水物、及びドデセニルコハク酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、更に好ましくはドデセニルコハク酸無水物である。
ポリエステルセグメントの軟化点は、耐擦過性を向上させる観点から、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上、更に好ましくは90℃以上であり、そして、非吸水性記録媒体への密着性を向上させる観点から、好ましくは165℃以下、より好ましくは130℃以下、更に好ましくは110℃以下である。
また、ポリエステルセグメントの軟化点は、耐擦過性及び耐アルコール性を向上させる観点から、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上、更に好ましくは110℃以上であり、そして、非吸水性記録媒体への密着性及び耐アルコール性を向上させる観点から、好ましくは165℃以下、より好ましくは140℃以下、更に好ましくは130℃以下である。
ポリエステルセグメントの酸価は、複合樹脂粒子の分散安定性を向上させる観点、及び耐擦過性を向上させる観点から、好ましくは5mgKOH/g以上、より好ましくは10mgKOH/g以上、更に好ましくは15mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは35mgKOH/g以下、より好ましくは30mgKOH/g以下、更に好ましくは25mgKOH/g以下である。
上記ポリエステルセグメントのガラス転移温度、軟化点、水酸基価、酸価及び数平均分子量は、いずれも、ポリエステルの製造に用いるモノマーの種類、配合比率、重縮合の温度、反応時間を適宜調節することにより所望のものを得ることができる。
ポリエステルセグメントは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ポリウレタンセグメントは、PETへの密着性に優れ、更にナイロンへの密着性、及び耐擦過性にも優れた水系インクを得る観点から、ポリエーテルポリオールを含有するポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させて得られる、すなわちポリエーテルポリオールを含有するポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との反応物であるポリウレタンである。
ポリオール化合物には、PETへの密着性に優れ、更にナイロンへの密着性、及び耐擦過性にも優れた水系インクを得る観点から、ポリエーテルポリオールが含まれる。
ポリエーテルポリオールは、アルキレンオキシ基を繰り返し単位として有する。
ポリエーテルポリオールのアルキレンオキシ基の炭素数は、PETへの密着性に優れ、更にナイロンへの密着性、及び耐擦過性にも優れた水系インクを得る観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは4以上であり、そして、好ましくは8以下、より好ましくは7以下、更に好ましくは6以下である。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールが挙げられる。これらの中でも、PETへの密着性に優れ、更にナイロンへの密着性、及び耐擦過性にも優れた水系インクを得る観点から、ポリテトラメチレングリコールが好ましい。
ポリオール化合物としては、ポリエーテルポリオール以外に、前述のポリエステルセグメントを構成するアルコール成分として例示したジオール等を用いることもできるが、ポリウレタンおよび複合樹脂の乳化性の観点からポリマーにカルボキシ基を導入するため、カルボキシ基を有するジオールを併用することが好ましい。
カルボキシ基を有するジオール成分としては、例えば、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、酒石酸が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、並びに、これらジイソシアネートのプレポリマー型、イソシアヌレート型、ウレア型、カルボジイミド型変性体が挙げられる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、脂環式ジイソシアネート、鎖状脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。
脂環式ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」ともいう)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下「DCI」ともいう)、4−メチル−1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,2−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
鎖状脂肪族ジイソシアネートとしては、直鎖状脂肪族ジイソシアネート、分岐鎖状脂肪族ジイソシアネートが挙げられ、より具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下「HMDI」ともいう)等が挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネートが挙げられる。
以上のポリイソシアネート化合物の中でも、ナイロンへの密着性を向上させる観点から、脂肪族ジイソシアネートが好ましく、脂環式ジイソシアネートがより好ましく、イソホロンジイソシアネート及び4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートから選ばれる少なくとも1種が更に好ましい。
ポリウレタンセグメントの原料モノマー中の、ポリオール化合物の水酸基と、ポリイソシアネート成分のイソシアネート基のモル比率(OH/NCO)は、ポリウレタンセグメントの分子量を高める観点、及び、イソシアネート基をポリウレタン中に残す観点から、好ましくは1.0以下、より好ましくは1.0未満であり、そして、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.7以上である。
ポリウレタンセグメントは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
複合樹脂のガラス転移温度は、耐擦過性を向上させる観点から、好ましくは20℃以上、より好ましくは25℃以上、更に好ましくは30℃以上であり、そして、PETへの密着性及びナイロンへの密着性を向上させる観点から、好ましくは80℃以下、より好ましくは60℃以下、更に好ましくは50℃以下である。
複合樹脂の数平均分子量は、PETへの密着性、ナイロンへの密着性、及び耐擦過性を向上させる観点から、好ましくは1,000以上、より好ましくは1,500以上、更に好ましくは2,000以上であり、そして、好ましくは10,000以下、より好ましくは9,000以下、更に好ましくは8,000以下である。
複合樹脂中のポリウレタンセグメントの含有量は、PETへの密着性に優れ、更にナイロンへの密着性、及び耐擦過性にも優れた水系インクを得る観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、そして、好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは55質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。
複合樹脂中のポリイソシアネート化合物由来の構成単位の含有量は、PETへの密着性に優れ、更にナイロンへの密着性、及び耐擦過性にも優れた水系インクを得る観点から、好ましくは2質量%以上、より好ましくは4質量%以上、更に好ましくは5質量%以上であり、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは13質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
[PES]>[PEP]>[PIS]
また、樹脂粒子には、本発明の効果を損なわない範囲で、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤等の添加剤等を任意成分として含有させてもよい。
本発明において着色剤とは、顔料又は染料をいう。また、着色剤は、界面活性剤や分散用ポリマーを用いてインク中で安定な微粒子にしてもよい。
本発明に用いる着色剤としては、顔料、疎水性染料、水溶性染料(酸性染料、反応染料、直接染料等)等が挙げられる。これらの中でも、インクの分散安定性、印刷物の耐水性、光沢性、及び表面平滑性を向上させる観点から、好ましくは、顔料及び疎水性染料から選ばれる少なくとも1種、より好ましくは顔料である。
無機顔料としては、カーボンブラック、金属酸化物等が挙げられ、黒色インクに用いる場合、好ましくはカーボンブラックである。
有機顔料としては、アゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アントラキノン顔料、キノフタロン顔料等が挙げられ、これらの中でも、好ましくはフタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、より好ましくは銅フタロシアニンである。
色相は特に限定されず、イエロー、マゼンタ、シアン、ブルー、レッド、オレンジ、グリーン等の有彩色顔料をいずれも用いることができる。
前記の顔料は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて任意の割合で混合して用いることができる。
前記の着色剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて任意の割合で混合して用いることができる。
樹脂粒子に対する着色剤の質量比〔着色剤/樹脂粒子〕は、水系インクの吐出性を良好にする観点、各種樹脂製記録媒体への密着性を向上させる観点から、インク中、好ましくは10/90以上、より好ましくは20/80以上、更に好ましくは30/70以上、更に好ましくは40/60以上であり、そして、好ましくは80/20以下、より好ましくは70/30以下、更に好ましくは60/40以下、更に好ましくは50/50以下である。
着色剤は、好ましくは、界面活性剤、ポリマーを用いて、着色剤を含有するポリマー粒子として用いることが好ましい。
以下に、着色剤を含有するポリマー粒子について説明する。
水不溶性ポリマーとしては、ポリエステル、ポリウレタン、ビニル系ポリマー等が挙げられ、インクの保存安定性を向上させる観点から、好ましくはビニル単量体(ビニル化合物、ビニリデン化合物、ビニレン化合物)の付加重合により得られるビニル系ポリマーである。
アニオン性モノマーの中では、着色剤を含有するポリマー粒子のインク中での分散安定性を向上させる観点から、好ましくはカルボン酸モノマー、より好ましくはアクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる少なくとも1種である。
イオン性モノマー成分の量は、着色剤を含有するポリマー粒子のインク中での分散安定性を向上させる観点から、水不溶性ポリマー中、好ましくは2質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは8質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。
なお、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートから選ばれる少なくとも1種を示す。
疎水性モノマー成分の量は、着色剤を含有するポリマー粒子のインク中での分散安定性を向上させる観点から、水不溶性ポリマー中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、そして、好ましくは98質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。
マクロマー及びノニオン性モノマー成分の量は、着色剤を含有するポリマー粒子のインク中での分散安定性を向上させる観点から、水不溶性ポリマー中、それぞれ、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成したポリマーを単離及び精製してもよい。
着色剤を含有するポリマー粒子は、例えば、水不溶性ポリマー、有機溶媒、着色剤、水、及び必要に応じて中和剤、界面活性剤等を含有する混合物を分散処理して、着色剤を含有するポリマー粒子の分散体を得たのち、該分散体から前記有機溶媒を除去して、着色剤を含有するポリマー粒子の水性分散液を得る方法で製造することができる。
水不溶性ポリマーがアニオン性ポリマーの場合、中和剤を用いて水不溶性ポリマー中のアニオン性基を中和してもよい。中和剤を用いる場合、pHが7以上11以下になるように中和することが好ましい。中和剤としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、各種アミン等の塩基が挙げられる。また、該水不溶性ポリマーを予め中和しておいてもよい。
前記水不溶性ポリマーの量に対する着色剤の量の質量比〔着色剤/水不溶性ポリマー〕は、着色剤を含有するポリマー粒子のインク中及び水系媒体中での分散安定性を向上させる観点から、好ましくは50/50以上、より好ましくは60/40以上、更に好ましくは70/30以上であり、そして、好ましくは90/10以下、より好ましくは80/20以下である。
本発明の水系インクには、有機溶媒、浸透剤、分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤、pH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤を添加することができる。
有機溶媒としては、多価アルコール、多価アルコールアルキルエーテル、多価アルコールアリールエーテル、環状カーボネート、含窒素複素環化合物、アミド、アミン、含硫黄化合物等が挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテルとしては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等が挙げられる。
アミドとしては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
アミンとしては、モノエタノ−ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。
含硫黄化合物としては、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール、チオジグリコール等が挙げられる。
有機溶媒は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよいが、2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。
これらの中でも、多価アルコール、多価アルコールアルキルエーテル、及び含窒素複素環化合物から選ばれる少なくとも1種又は2種以上が好ましく、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、グリセリン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、及び2−ピロリドンから選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のグリコールエーテル、アセチレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、琥珀酸エステルスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシド、等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、等が挙げられる。
界面活性剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、ノニオン性界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤から選ばれる少なくとも1種が好ましく、グリコールエーテル、アセチレングリコール、ポリエステル変性シリコーン、及びポリエーテル変性シリコーンから選ばれる少なくとも1種がより好ましく、グリコールエーテル、及びアセチレングリコールから選ばれる少なくとも1種が更に好ましく、アセチレングリコール、及びポリオキシエチレンアルキルエーテルから選ばれる少なくとも1種が更に好ましい。
防腐剤及び防黴剤としては、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、りん系酸化防止剤、等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
本発明の水系インクは、例えば、樹脂粒子の水性分散液と、着色剤を含有する水性分散液とを混合することで得られる。
ここでは、前述した任意成分の少なくとも1種を更に混合してもよい。混合には、例えば、各種撹拌装置を用いることができる。
水系インク中の、樹脂粒子、及び着色剤の好適含有量は、前述のとおりである。
工程1:アルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合させてポリエステルを得る工程、
工程2:ポリエーテルポリオールを含むポリオール化合物とポリイソシアネート化合物を反応させてポリウレタンを得る工程、
工程3:工程1で得られたポリエステルと工程2で得られたポリウレタンとから、複合樹脂を得る工程、
工程4:工程3で得られた複合樹脂を水系媒体へ分散し、樹脂粒子の水性分散液を得る工程、
工程5:工程4で得られた樹脂粒子の水性分散液と、着色剤とを混合する工程、
を有する水系インクの製造方法が好ましい。なお、工程3のポリエステル/ポリウレタンの質量比率は、好ましくは20/80以上95/5以下である。
工程1で得られるポリエステルは、複合樹脂のポリエステルセグメントの原料となる。
工程1では、例えば、前記アルコール成分と前記カルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じエステル化触媒及び重合禁止剤を用いて、120℃以上250℃以下の温度で重縮合することにより製造することができる。
エステル化触媒の使用量は、特に制限はないが、カルボン酸成分とアルコール成分との総量100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、そして、好ましくは1.5質量部以下、より好ましくは1.0質量部以下である。
工程2で得られるポリウレタンは、複合樹脂のウレタンセグメントの原料となる。
工程2において、ポリウレタンは、後のポリエステルとの反応を行う観点から、イソシアネート基含有ポリウレタンとすることが好ましい。
工程2では、例えば、前記ポリエーテルポリオールを含有するポリオール化合物と前記ポリイソシアネート化合物を不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じてウレタン化触媒を用いて反応させることにより製造することができる。
ウレタン化触媒の使用量に制限はないが、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との総量100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、そして、好ましくは1.5質量部以下、より好ましくは1.0質量部以下である。
工程2の原料モノマー中の、水酸基とイソシアネート基のモル比率(OH/NCO)は、ポリエステルとの結合のための、イソシアネート基をポリウレタン中に残す観点から、好ましくは1.0以下、より好ましくは1.0未満であり、そして、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.7以上である。
反応温度は、好ましくは20℃以上100℃以下で溶媒の沸点以下である。
反応時間は、好ましくは1時間以上、より好ましくは2時間以上、更に好ましくは3時間以上であり、そして、好ましくは24時間以下、より好ましくは12時間以下、更に好ましくは6時間以下である。
工程3において、ポリエステルとポリウレタンとを結合させることで複合樹脂を製造することができる。
イソシアネート基を有するポリウレタンと水酸基を有するポリエステルを加熱混合すること、水酸基を有するポリウレタンと水酸基を有するポリエステルにジイソシアネート化合物を添加して加熱混合すること、水酸基を有するポリウレタンとあらかじめイソシアネート化合物とポリエステルを加熱混合して得られるイソシアネート基を含有するポリエステルを加熱混合すること、などの方法で得ることができる。
工程3においても、必要に応じてウレタン化触媒を用いて反応させることにより製造することができる。ウレタン化触媒としては、工程2と同様のものを使用することができる。
工程3の反応温度は、好ましくは20℃以上100℃以下で溶媒の沸点以下である。
工程3の反応時間は、好ましくは0.2時間以上、より好ましくは0.5時間以上、更に好ましくは1時間以上であり、そして、好ましくは6時間以下、より好ましくは5時間以下、更に好ましくは4時間以下である。
なお、固形分は樹脂、必要に応じて添加されうる界面活性剤、着色剤等の前記の任意成分等の不揮発性成分の総量である。
工程4は、工程3で得られた複合樹脂を水系媒体へ分散し、樹脂粒子の水性分散液を得る工程である。
工程4においては、複合樹脂を有機溶媒に溶解させた複合樹脂溶液に対して、水系媒体を徐々に添加して、転相し、乳化する工程(転相乳化法)が好ましい。工程3で複合樹脂を有機溶媒溶液として得なかった場合には、転相乳化を行う前に、複合樹脂を有機溶媒に溶解させて、複合樹脂溶液を得てもよい。
なお、転相乳化法においては、複合樹脂を有機溶媒に溶解させた溶液に対して塩基性化合物を加えて中和することが好ましい。
樹脂の酸基に対する前記塩基性化合物の使用当量(モル%)は、樹脂粒子の分散安定性を向上させる観点から、好ましくは10モル%以上、より好ましくは50モル%以上であり、そして、好ましくは150モル%以下、より好ましくは120モル%以下、更に好ましくは100モル%以下である。
なお、中和剤の使用当量(モル%)は、下記式によって求めることができる。中和剤の使用当量は、100モル%以下の場合、中和度と同義であり、下記式で中和剤の使用当量が100モル%を超える場合には、中和剤が樹脂の酸基に対して過剰であることを意味し、この時の樹脂の中和度は100モル%とみなす。
中和剤の使用当量(モル%)=〔{中和剤の添加質量(g)/中和剤の当量}/[{樹脂の酸価(mgKOH/g)×樹脂の質量(g)}/(56×1000)]〕×100
水以外の成分としては、炭素数1以上5以下のアルキルアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の炭素数3以上5以下のジアルキルケトン;テトラヒドロフラン等の環状エーテル等の水に溶解する有機溶媒が用いられる。
全量添加後の、有機溶媒に対する水系媒体の質量比(水系媒体/有機溶媒)は、好ましくは40/60以上、より好ましくは50/50以上、更に好ましくは60/40以上であり、そして、好ましくは90/10以下、より好ましくは85/15以下、更に好ましくは80/20以下である。
水系媒体の添加速度は、樹脂粒子の分散安定性を向上させる観点から、転相が終了するまでは、樹脂100質量部に対して、好ましくは0.5質量部/分以上、より好ましくは1質量部/分以上、更に好ましくは3質量部/分以上であり、そして、好ましくは50質量部/分以下、より好ましくは30質量部/分以下、更に好ましくは20質量部/分以下である。転相後の水系媒体の添加速度には制限はない。
有機溶媒の除去方法は、特に限定されず、任意の方法を用いることができるが、水と溶解しているため蒸留するのが好ましい。また、有機溶媒は、完全に除去されず水性分散液中に残留していてもよい。この場合、有機溶媒の残存量は、水性分散液中、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは実質的に0%である。
なお、固形分は樹脂、必要に応じて添加されうる界面活性剤、着色剤等の前記の任意成分等の不揮発性成分の総量である。
工程5では、工程4で得られた樹脂粒子の水性分散液と、着色剤(好ましくは着色剤を含有するポリマー粒子)とを混合する。その他、上述の有機溶媒、浸透剤、分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤、pH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤を添加してもよい。
以上の工程1〜5を経ることで、本発明の水系インクが得られる。
本発明の水系インクは、インクジェット記録用のインクとして用いることができる。本発明の水系インクをインクジェット記録方法に用いる際の好適な態様としては、本発明の水系インクをインクジェット記録方式で樹脂製記録媒体に付着させた後、該水系インクが付着した樹脂製記録媒体を40℃以上100℃以下に加熱する。水系インク中の樹脂粒子を構成する樹脂が、該樹脂製記録媒体の印字面に拡散し、塗膜を形成する際に着色剤の定着助剤として作用することができ、樹脂製記録媒体に対する密着性を更に向上させることができる。
なお、本発明において、「非吸水性又は低吸水性」とは、記録媒体と水との接触時間100m秒における記録媒体の吸水量が0g/m2以上10g/m2以下であることを意味する。
一般的に入手できるフィルムとしては、例えば、ルミラーT60(東レ株式会社製、ポリエチレンテレフタレート)、PVC80B P(リンテック株式会社製、塩化ビニル)、DGS−210WH(ローランドディージー株式会社製、塩化ビニル)、透明塩ビRE−137(株式会社ミマキエンジニアリング製、塩化ビニル)、カイナスKEE70CA(リンテック株式会社製、ポリエチレン)、ユポSG90 PAT1(リンテック株式会社製、ポリプロピレン)、FOR、FOA(いずれもフタムラ化学株式会社製、ポリプロピレン)、ボニールRX(興人フィルム&ケミカルズ株式会社製、ナイロン)、エンブレムONBC(ユニチカ株式会社製、ナイロン)等が挙げられる。
樹脂製記録媒体の加熱温度は、各種樹脂記録媒体への優れた密着性を得る観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上であり、そして、好ましくは90℃以下、より好ましくは85℃以下である。
JIS K0070に従って測定した。但し、測定溶媒をアセトンとトルエンの混合溶媒〔アセトン:トルエン=1:1(容量比)〕とした。
フローテスター「CFT−500D」(株式会社島津製作所製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出した。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
示差走査熱量計「Q−100」(ティー エイ インスツルメント ジャパン株式会社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却し、測定用サンプルを調製した。その後、昇温速度10℃/minで昇温し、熱量を測定した。観測される吸熱ピークのうち、ピーク面積が最大のピーク温度を吸熱の最大ピーク温度とし、吸熱の最大ピーク温度以下のベースラインの延長線と、該ピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とした。
(1)測定装置:ゼータ電位・粒径測定システム「ELSZ−2」(大塚電子株式会社製)
(2)測定条件:キュムラント解析法。測定する粒子の濃度が約5×10−3質量%になるように水で希釈した分散液を測定用セルに入れ、温度25℃、入射光と検出器との角度90°、積算回数100回、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333)を入力して測定した。
赤外線水分計「FD−230」(株式会社ケツト科学研究所製)を用いて、測定試料5gを乾燥温度100℃、測定モード96(監視時間2.5分/変動幅0.05%)の条件にて乾燥させ、溶液中の溶剤量(質量%)を測定した。固形分濃度は次の式に従って算出した。
固形分濃度(質量%)=100−溶剤量(質量%)
赤外線水分計「FD−230」(株式会社ケツト科学研究所製)を用いて、測定試料5gを乾燥温度150℃、測定モード96(監視時間2.5分/変動幅0.05%)の条件にて乾燥させ、水性分散液の水分(質量%)を測定した。固形分濃度は次の式に従って算出した。
固形分濃度(質量%)=100−水分(質量%)
以下の方法により、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより分子量分布を測定し、数平均分子量を算出した。
(1)試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mlになるように、試料をクロロホルムに溶解させた。次いで、この溶液をポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター「FP−200」(住友電気工業株式会社製)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とした。
(2)分子量分布測定
溶解液としてテトラヒドロフランを1ml/分の流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させた。そこに試料溶液100μlを注入して測定を行った。試料の分子量は、あらかじめ作製した検量線に基づき算出した。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー株式会社製の2.63×103、2.06×104、1.02×105、ジーエルサイエンス株式会社製の2.10×103、7.00×103、5.04×104)を標準試料として作成したものを用いた。
測定装置:CO−8010(東ソー株式会社製)
分析カラム:GMHLX+G3000HXL(東ソー株式会社製)
以下の測定装置と分析カラムを用い、N,N−ジメチルホルムアミドに、リン酸及びリチウムブロマイドをそれぞれ60mmol/Lと50mmol/Lの濃度となるように溶解した液を溶離液として、ゲル浸透クロマトグラフィー法により測定した。試料の分子量(Mw、Mn)は、数種類の単分散ポリスチレン(製品名:「TSKgel標準ポリスチレン」;タイプ名:「A−500」、「A−2500」、「F−1」、「F−10」;いずれも東ソー株式会社製)を標準試料として、あらかじめ作成した検量線に基づき算出した。試料はN,N−ジメチルホルムアミドに溶解し固形分0.3質量%の溶液とした。
<測定条件>
測定装置:「HLC−8120GPC」(東ソー株式会社製)
分析カラム:「TSK−GEL α−M」×2本(東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
流速:1mL/min
30mLのポリプロピレン製容器(内径40mm、高さ30mm)にデシケーター中で恒量化した硫酸ナトリウム10.0gを量り取り、そこへ試料約1.0gを添加して、混合させた後、正確に秤量し、105℃で2時間維持して、揮発分を除去し、更にデシケーター内で15分間放置し、質量を測定した。揮発分を除去した後の試料の質量を固形分として、添加した試料の質量で除して固形分濃度とした。
インクジェットプリンタ「IPSiO GX 2500」(株式会社リコー製、ピエゾ式)に水系インクを充填し、二軸延伸PETフィルム「ルミラー75T60」(東レ株式会社製)、及び二軸延伸コロナ処理ナイロンフィルム「エンブレムONBC」(ユニチカ株式会社製)にA4ベタ画像を印刷した。80℃の乾燥機にて10分乾燥し、室温25℃、相対湿度50%の環境室にて1日静置して試料を調製した。その後、試料の印刷面に長さ4cmのテープ「セロテープCT15」(登録商標)(ニチバン株式会社製)を貼りつけ、角度90°で10cm/secの速度で該テープを剥がし、試料の塗工面の残存面積を目視により次の5段階で評価した。点数が高いほど各種フィルムへの密着性に優れる。
<評価基準>
剥離なし、または剥離があるが剥離面積5%未満:5点
剥離面積5%以上25%未満:4点
剥離面積25%以上50%未満:3点
剥離面積50%以上75%未満:2点
剥離面積75%以上:1点
インクジェットプリンタ「IPSiO GX 2500」(株式会社リコー製、ピエゾ方式)に水系インクを充填し、二軸延伸コロナ処理ナイロンフィルム「エンブレムONBC」(ユニチカ株式会社製)にA4ベタ画像を印刷した。80℃の乾燥機にて10分乾燥し、室温25℃、相対湿度50%の環境室にて1日静置して試料を調製した。学振型摩擦試験機「RT−300」(株式会社大栄科学精器製作所製)を用いて、試料の塗工面を、普通紙「XEROX 4200DP」(富士ゼロックス株式会社)で500g荷重/100回で擦った後、塗工面の状態を目視により次の5段階で評価した。点数が高いほど耐擦過性に優れる。
<評価基準>
傷及び剥がれがない:5点
塗工面の一部に傷がある:4点
塗工面の全体に傷がある:3点
塗工面の全体に傷があり、かつ一部に剥がれがある:2点
塗工面の全体に剥がれがある:1点
インクジェットプリンタ「IPSiO GX GX 2500」(株式会社リコー製、ピエゾ式)に水系インクを充填し、二軸延伸PETフィルム「ルミラー75T60」(東レ株式会社製)にA4ベタ画像を印刷した。80℃の乾燥機にて10分乾燥し、室温25℃、相対湿度50%の環境室にて1日静置して試料を調製した。その後、0〜100質量%で10質量%ごとに濃度調整したエタノールの水溶液を含浸させた綿棒にて、試料の塗工面にできるだけ荷重がかからないようにしながら、2〜3cmの幅で1秒間に1往復の速度で、塗工面を10回往復してなでるように擦った。塗工面の状態を目視により評価し、擦過前後で塗工面に傷、剥がれ、白濁等の変化が認められなかった最も高いエタノール濃度を耐アルコール性の指標とした。濃度が高いほど耐アルコール性に優れる。
製造例S1(ポリエステルPES1の製造)
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した四つ口フラスコの内部を窒素置換し、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン6160g、フマル酸2125g、4−tert−ブチルカテコール4g、及びジ(2−エチルヘキサン酸)錫40gを入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、5時間かけて210℃まで昇温し、210℃で2時間保持した後、8.3kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行い、ポリエステルPES1を得た。ポリエステルPES1の特性を表1に示す。
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した四つ口フラスコの内部を窒素置換し、1,2−プロパンジオール2888g、テレフタル酸4416g、フマル酸1102g、4−tert−ブチルカテコール2g、及びジ(2−エチルヘキサン酸)錫40gを入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、180℃まで昇温した。その後、5時間かけて210℃まで昇温し、210℃で2時間保持した。その後、220℃にて所望の軟化点に達するまで反応を行い、ポリエステルPES2を得た。ポリエステルPES2の特性を表1に示す。
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した四つ口フラスコの内部を窒素置換し、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン5600g、テレフタル酸1594g、トリメリット酸無水物369g、及びジ(2−エチルヘキサン酸)錫40gを入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、230℃まで昇温し、230℃で6時間保持した後、フラスコ内の圧力を下げ、8.3kPaにて1時間保持した。その後、210℃まで冷却し、大気圧に戻した後、フマル酸557g及び4−tert−ブチルカテコール2gを加え、210℃で5時間保持した後に、フラスコ内の圧力を下げ、8.3kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行い、ポリエステルPES3を得た。ポリエステルPES3の特性を表1に示す。
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した四つ口フラスコの内部を窒素置換し、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン5250g、テレフタル酸1494g、ドデセニルコハク酸無水物1197g、及びジ(2−エチルヘキサン酸)錫40gを入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、230℃まで昇温し、230℃で7時間保持した後、フラスコ内の圧力を下げ、8.3kPaにて1時間保持した。その後、215℃まで冷却し、大気圧に戻した後、トリメリット酸無水物346gを加え、215℃で2時間保持した後に、フラスコ内の圧力を下げ、8.3kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行い、ポリエステルPES4を得た。ポリエステルPES4の特性を表1に示す。
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した四つ口フラスコの内部を窒素置換し、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン5250g、テレフタル酸1270g、ドデセニルコハク酸無水物1556g、及びジ(2−エチルヘキサン酸)錫40gを入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、230℃まで昇温し、230℃で6時間保持した後、フラスコ内の圧力を下げ、8.3kPaにて1時間保持した。その後、215℃まで冷却し、大気圧に戻した後、トリメリット酸無水物288gを加え、215℃で1時間保持した後に、フラスコ内の圧力を下げ、8.3kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行い、ポリエステルPES5を得た。ポリエステルPES5の特性を表1に示す。
製造例U1(ポリウレタンPU1の製造)
窒素導入管、還流冷却管、撹拌器「スリーワンモーターBL300」(新東科学株式会社製)及び熱電対を装備した四つ口フラスコに、メチルエチルケトン150g、ポリテトラメチレングリコール「ポリテトラメチレンオキシド1,000」(和光純薬工業株式会社製、重量平均分子量1,000)100g、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸9.7g、触媒としてジ(2−エチルヘキサン酸)錫 0.5gを入れ、室温(25℃)、窒素雰囲気下で、撹拌して混合した。次に、イソホロンジイソシアネート36.7gを入れ、撹拌しながら、80℃へ昇温し、80℃を保持しながら5時間反応させて加熱を終了し、イソシアネート基を有するポリウレタンPU1を得た。室温まで冷却後、メチルエチルケトンを加え、固形分濃度を50質量%に調整し、ポリウレタンPU1の50質量%メチルエチルケトン溶液(SPU1)を得た。
窒素導入管、還流冷却管、撹拌器「スリーワンモーターBL300」(新東科学株式会社製)及び熱電対を装備した四つ口フラスコに、メチルエチルケトン150g、ポリテトラメチレングリコール「ポリテトラメチレンオキシド1,000」(和光純薬工業株式会社製、重量平均分子量1,000)100g、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸9.0g、触媒としてジ(2−エチルヘキサン酸)錫 0.5gを入れ、室温(25℃)、窒素雰囲気下で、撹拌して混合した。次に、ヘキサメチレンジイソシアネート27.0gを入れ、撹拌しながら、80℃へ昇温し、80℃を保持しながら5時間反応させて加熱を終了し、イソシアネート基を有するポリウレタンPU2を得た。室温まで冷却後、メチルエチルケトンを加え、固形分濃度を50質量%に調整し、ポリウレタンPU2の50質量%メチルエチルケトン溶液(SPU2)を得た。
窒素導入管、還流冷却管、撹拌器「スリーワンモーターBL300」(新東科学株式会社製)及び熱電対を装備した四つ口フラスコに、メチルエチルケトン170g、ポリテトラメチレングリコール「ポリテトラメチレンオキシド1,000」(和光純薬工業株式会社製、重量平均分子量1,000)100g、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸10.2g、触媒としてジ(2−エチルヘキサン酸)錫 0.5gを入れ、室温(25℃)、窒素雰囲気下で、撹拌して混合した。次に、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート44.3gを入れ、撹拌しながら、80℃へ昇温し、80℃を保持しながら5時間反応させて加熱を終了し、イソシアネート基を有するポリウレタンPU3を得た。室温まで冷却後、メチルエチルケトンを加え、固形分濃度を50質量%に調整し、ポリウレタンPU3の50質量%メチルエチルケトン溶液(SPU3)を得た。
窒素導入管、還流冷却管、撹拌器「スリーワンモーターBL300」(新東科学株式会社製)及び熱電対を装備した四つ口フラスコに、メチルエチルケトン170g、ポリテトラメチレングリコール「ポリテトラメチレンオキシド650」(和光純薬工業株式会社製、重量平均分子量650)100g、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸10.6g、触媒としてジ(2−エチルヘキサン酸)錫 0.5gを入れ、室温(25℃)、窒素雰囲気下で、撹拌して混合した。次に、イソホロンジイソシアネート50.1gを入れ、撹拌しながら、80℃へ昇温させる。80℃を保持しながら5時間反応させて加熱を終了し、イソシアネート基を有するポリウレタンPU4を得た。室温まで冷却後、メチルエチルケトンを加え、固形分濃度を50質量%に調整し、ポリウレタンPU4の50質量%メチルエチルケトン溶液(SPU4)を得た。
窒素導入管、還流冷却管、撹拌器「スリーワンモーターBL300」(新東科学株式会社製)及び熱電対を装備した四つ口フラスコに、メチルエチルケトン150g、ポリテトラメチレングリコール「ポリテトラメチレンオキシド1,400」(和光純薬工業株式会社製、重量平均分子量1,400)100g、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸9.2g、触媒としてジ(2−エチルヘキサン酸)錫 0.5gを入れ、室温(25℃)、窒素雰囲気下で、撹拌して混合した。次に、イソホロンジイソシアネート29.6gを入れ、撹拌しながら、80℃へ昇温させる。80℃を保持しながら5時間反応させて加熱を終了し、イソシアネート基を有するポリウレタンPU5を得た。室温まで冷却後、メチルエチルケトンを加え、固形分濃度を50質量%に調整し、ポリウレタンPU5の50質量%メチルエチルケトン溶液(SPU5)を得た。
窒素導入管、還流冷却管、撹拌器「スリーワンモーターBL300」(新東科学株式会社製)及び熱電対を装備した四つ口フラスコに、ポリエステルPES1100gとメチルエチルケトン100gを混合して作製した溶液を入れ、さらにイソシアネート基を有するポリウレタンPU1の50質量%メチルエチルケトン溶液(SPU1)200gを入れ、室温(25℃)、窒素雰囲気下で、撹拌して混合した。次に、撹拌しながら、80℃へ昇温させ、80℃を2時間保持し、ポリウレタンが結合したポリエステル(複合樹脂1)を得た。室温まで冷却後、メチルエチルケトンを加え、固形分濃度を50質量%に調整し、複合樹脂1溶液(50質量%メチルエチルケトン溶液)を得た。複合樹脂1溶液中の複合樹脂1の特性を表2に示す。なお、前記方法による複合樹脂の各特性の測定にあたっては、溶液の一部を採取し、乾燥させて複合樹脂1を回収し、測定に供した。
窒素導入管、還流冷却管、撹拌器「スリーワンモーターBL300」(新東科学株式会社製)及び熱電対を装備した四つ口フラスコに、ポリエステルPES1140gとメチルエチルケトン140gを混合して作製した溶液を入れ、さらにイソシアネート基を有するポリウレタンPU1の50質量%メチルエチルケトン溶液(SPU1)120gを入れ、室温(25℃)、窒素雰囲気下で、撹拌して混合した。次に、撹拌しながら、80℃へ昇温させ、80℃を2時間保持し、ポリウレタンが結合したポリエステル(複合樹脂2)を得た。室温まで冷却後、メチルエチルケトンを加え、固形分濃度を50質量%に調整し、複合樹脂2溶液(50質量%メチルエチルケトン溶液)を得た。複合樹脂2溶液中の複合樹脂2の特性を表2に示す。
窒素導入管、還流冷却管、撹拌器「スリーワンモーターBL300」(新東科学株式会社製)及び熱電対を装備した四つ口フラスコに、ポリエステルPES1180gとメチルエチルケトン180gを混合して作製した溶液を入れ、さらにイソシアネート基を有するポリウレタンPU1の50質量%メチルエチルケトン溶液(SPU1)40gを入れ、室温(25℃)、窒素雰囲気下で、撹拌して混合した。次に、撹拌しながら、80℃へ昇温させ、80℃を2時間保持し、ポリウレタンが結合したポリエステル(複合樹脂3)を得た。室温まで冷却後、メチルエチルケトンを加え、固形分濃度を50質量%に調整し、複合樹脂3溶液(50質量%メチルエチルケトン溶液)を得た。複合樹脂3溶液中の複合樹脂3の特性を表2に示す。
複合樹脂1の製造において、ポリエステルとポリウレタンをそれぞれ表2に示すものを用いた以外は同様にして、複合樹脂4〜14の溶液を得た。複合樹脂溶液中の複合樹脂の特性を表2に示す。
IPDI: イソホロンジイソシアネート
HMDI: ヘキサメチレンジイソシアネート
DCI: ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート
PTMG: ポリテトラメチレングリコール
窒素導入管、還流冷却管、撹拌器「スリーワンモーターBL300」(新東科学株式会社製)及び熱電対を装備した四つ口フラスコに、表3に示す種類の複合樹脂溶液を入れ、次いで、表3に示す量の5質量%水酸化ナトリウム水溶液を添加して30分撹拌し、有機溶媒系スラリーを得た。30℃、撹拌下、20mL/minの速度で脱イオン水を滴下し、60℃に昇温した後、80kPa〜30kPaに段階的に減圧していきながらメチルエチルケトンを留去し、更に一部の水を除去した。25℃まで冷却後、150メッシュの金網で濾過し、脱イオン水にて固形分濃度を30質量%に調整し、樹脂粒子の水性分散液を得た。
得られた樹脂粒子の水性分散液中の樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)を表3に示す。
複合樹脂溶液を表3に示す種類の樹脂溶液に変更した以外は、上記製造例E1と同様にして、樹脂粒子の水性分散液を得た。得られた樹脂粒子の水性分散液中の樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)を表3に示す。
(1)水不溶性ポリマー(アニオン性ポリマー)の合成
ベンジルメタクリレート399g(和光純薬工業株式会社製)、メタクリル酸91g(和光純薬工業株式会社製)、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート「M−230G」(新中村化学工業株式会社製、オキシエチレン基の平均付加モル数:23)140g、スチレンマクロモノマー「AS−6S」(東亞合成株式会社製、固形分:50%)140gを混合し、モノマー混合液(770g)を調製した。反応容器内に、メチルエチルケトン15.75g及び重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.350g、前記モノマー混合液の10質量%(77g)を入れて混合し、窒素ガス置換を行った。
一方、滴下ロートに、前記モノマー混合液の80質量%(616g)、前記重合連鎖移動剤2.45g、メチルエチルケトン173.25g及び重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(製品名:「V−65」、和光純薬工業株式会社製)5.6gを混合したものを入れ、窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を撹拌しながら75℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を4.5時間かけて滴下した。その後、前記モノマー混合液の残り10質量%(77g)、前記重合連鎖移動剤0.7g、メチルエチルケトン126g及び前記重合開始剤1.4gを混合したものを2段目滴下として75℃、1.7時間かけて滴下した。
滴下終了後、前記開始剤2.1gを混合し、80℃まで昇温し、1.5時間撹拌した。この開始剤の混合、昇温及び撹拌操作を更に2回行なうことでポリマー溶液(ポリマーの重量平均分子量:26,000)を得た。
(2)顔料を含有するポリマー粒子(顔料含有アニオン性ポリマー粒子)の水性分散液の製造
前記(1)の水不溶性ポリマー(アニオン性ポリマー)の合成で得られたポリマー溶液を減圧乾燥させて得られたポリマー20gを、メチルエチルケトン62.8gに溶解し、その中に、5N水酸化ナトリウム水溶液5.01g、25質量%アンモニア水1.13g、及びイオン交換水236.5gを加え、10〜15℃でディスパー翼を用いて2,000r/minで15分撹拌混合を行なった。
続いてマゼンタ顔料:PV19(製品名:「Inkjet Magenta E5B02」、クラリアントジャパン株式会社製)45g、及びマゼンタ顔料:PR122(製品名:「6111T」、大日精化工業株式会社製)25gを加え、10〜15℃でディスパー翼を用いて7,000r/minで3時間撹拌混合した。得られた分散液を200メッシュ濾過し、マイクロフルイダイザー「M−110K」(Microfluidics社製、高圧ホモジナイザー)を用いて、150MPaの圧力で20パス分散処理した。
得られた分散液を、減圧下60℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去し、遠心分離し、液層部分を孔径5μmのフィルター(Sartorius Stedim Biotech社製)で濾過して粗大粒子を除いた。さらにこの分散液80gに防腐剤「プロキセルXL2」(アビシア社製)0.2g、及びイオン交換水19.8gを混合し、70℃で1時間の滅菌処理を行なった後、25℃まで冷却し、前記孔径5μmのフィルターで濾過することで、顔料を含有するポリマー粒子(顔料含有アニオン性ポリマー粒子)の水性分散液C1(固形分濃度:20質量%、体積平均粒径(DV):133nm)を得た。
100mLスクリュー管に、プロピレングリコール(和光純薬工業株式会社製)20.0質量部、1,2−ブタンジオール(和光純薬工業株式会社製)10.0質量部、濡れ剤「オルフィンE1010」(オルフィンは登録商標)(有効成分:アセチレングリコール系界面活性剤、日信化学工業株式会社製)1.0質量部、及び脱イオン水26.6質量部を混合し、マグネチック・スターラーを用い、室温(25℃)で15分間撹拌して、混合溶液を得た。
次に、製造例C1で得られた顔料含有アニオン性ポリマー粒子の水性分散液25.7質量部(顔料分換算4.0質量部(水系インク100質量部中))をマグネチック・スターラーで撹拌しながら、前記混合溶液全量を混合し、更に表4に示す樹脂粒子の水性分散液16.7質量部(固形分換算5.0質量部(水系インク100質量部中))をスポイトで滴下しながら撹拌混合した。最後に孔径1.2μmのフィルター「ミニザルト」(登録商標)(Sartorius Stedim Biotech社製)で濾過し、水系インクを得た。得られた水系インクの評価結果を表4及び表5に示す。なお、耐アルコール性の評価は、実施例1及び実施例9〜14についてのみ行った。
樹脂粒子の水性分散液16.7質量部(固形分換算5.0質量部(水系インク100質量部中))を、樹脂粒子9の水性分散液E9 8.35質量部及び樹脂粒子10の水性分散液E10 8.35質量部(合計固形分換算5.0質量部(水系インク100質量部中))とした以外は、実施例1と同様にして、水系インク53を得た。得られた水系インクの評価結果を表4に示す。なお、耐アルコール性の評価は、実施例1及び実施例9〜14についてのみ行った。
一方、表5の結果から、実施例1の水系インクでは、水(アルコール濃度0%)に対しては十分な耐久性を有したものの、10質量%のエタノール水溶液では塗工面への影響が認められた。これに対し、ポリエステルセグメントの構成単位に、3価以上の多価カルボン酸を用いた場合、印刷画像上を覆う皮膜が分岐・架橋構造をとることでアルコールとの親和性が低下することにより、耐アルコール性が向上することがわかる。
Claims (11)
- 着色剤及び樹脂粒子を含有する水系インクであって、
前記樹脂粒子が、ポリエステルセグメントとポリウレタンセグメントとを有する複合樹脂を含有し、
前記複合樹脂中のポリエステルセグメント/ポリウレタンセグメントの質量比率が、20/80以上95/5以下であり、
前記ポリウレタンセグメントが、ポリエーテルポリオールを含むポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との反応物であるポリウレタンである、
水系インク。 - 前記複合樹脂における、ポリエステルセグメントの含有量が20質量%以上95質量%以下、ポリエーテルポリオール由来の構成単位の含有量が3質量%以上65質量%以下、ポリイソシアネート化合物由来の構成単位の含有量が2質量%以上20質量%以下である、請求項1に記載の水系インク。
- 前記複合樹脂における、ポリエステルセグメントの含有量[PES](質量%)、ポリエーテルポリオール由来の構成単位の含有量[PEP](質量%)、ポリイソシアネート化合物由来の構成単位の含有量[PIS](質量%)が以下の関係を有する、請求項1又は2に記載の水系インク。
[PES]>[PEP]>[PIS] - 前記ポリウレタンセグメントの原料モノマー中の、ポリオール化合物の水酸基と、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基のモル比率(OH/NCO)が、0.5以上1.0以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の水系インク。
- 前記複合樹脂のガラス転移温度が、20℃以上80℃以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の水系インク。
- 前記ポリエーテルポリオールが、炭素数2以上8以下のアルキレンオキシ基を有し、重量平均分子量(Mw)が500以上5,000以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の水系インク。
- 前記ポリウレタンセグメントの原料モノマーのポリオール化合物が、カルボキシ基を有するジオールを更に含む、請求項1〜6のいずれかに記載の水系インク。
- 前記ポリエステルセグメントが、アルコール成分とカルボン酸成分との重縮合物であり、該カルボン酸成分として3価以上の多価カルボン酸を含有する、請求項1〜7のいずれかに記載の水系インク。
- 前記カルボン酸成分として、炭素数1以上20以下のアルキル基又は炭素数2以上20以下のアルケニル基で置換されたコハク酸を含有する、請求項8に記載の水系インク。
- 前記着色剤が、着色剤を含有するポリマー粒子である、請求項1〜9のいずれかに記載の水系インク。
- 工程1:アルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合させてポリエステルを得る工程、
工程2:ポリエーテルポリオールを含むポリオール化合物とポリイソシアネート化合物を反応させてポリウレタンを得る工程、
工程3:工程1で得られたポリエステルと、工程2で得られたポリウレタンとから、複合樹脂を得る工程、
工程4:工程3で得られた複合樹脂を水系媒体へ分散し、樹脂粒子の水性分散液を得る工程、及び
工程5:工程4で得られた樹脂粒子の水性分散液と、着色剤とを混合する工程
を有し、
工程3のポリエステル/ポリウレタンの質量比率が20/80以上95/5以下である、水系インクの製造方法。
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