JP2018030957A - インク、インクジェット記録方法、及び記録物 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、環境負荷が少なく、非浸透性記録媒体に直接記録できる水性インクが提案されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
本発明にインクは、水、有機溶剤、ポリシロキサン界面活性剤、アクリル−シリコーン樹脂粒子、及びウレタン樹脂粒子を含有し、前記ポリシロキサン界面活性剤のHLB値が、8以下であり、前記アクリル−シリコーン樹脂粒子の含有量(質量%)と、前記ウレタン樹脂粒子の含有量(質量%)との質量比(アクリル−シリコーン樹脂粒子/ウレタン樹脂粒子)が、0.5以上4.0以下であり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
本発明のインクは、一般的に、溶剤系インクは、インク中の有機溶剤により非浸透性記録媒体を膨潤させながら定着するため、非浸透性記録媒体に対する定着性に優れるが、従来の水性インクでは、最終記録物としてはインク塗膜が記録媒体上に留まる構成となるため、インク塗膜の記録媒体への定着性が不十分であり、高速記録性に劣るという問題があるという知見に基づくものである。また、屋外用途を想定した場合、記録物の耐擦過性についても、屋内向けとは比較できないほどの強靭な耐擦過性、画像硬度などの性質が求められている。しかし、従来の水性インクでは溶剤系インクに匹敵する十分な前記性質が得られていないという問題があるという知見に基づくものである。
インクに含まれる成分のうち、界面活性剤の選定は記録する非浸透性記録媒体へのインクの定着性を左右するため、その果たす役割は非常に大きい。本発明者らは、ポリシロキサン界面活性剤のうち、HLB値が、8以下である化合物をインクに加えることでインクの定着性が著しく向上することを知見した。その理由については定かではないが、HLB値が8以下であると疎水性が高まることで、各種非浸透性記録媒体との親和性が向上するためと推察される。
また、前記インクの非浸透性記録媒体への定着性が向上することにより、高速記録時においても隣接インク滴同士が着弾後に合一し収縮する現象(ビーディング)を抑制することができ、高品位の画像を得ることができることを見出した。また、定着速度の向上は、乾燥性向上も高めることができ、密着性を向上できることから、記録後の記録媒体巻き取り時に裏紙への転写を抑制できることを知見した。
前記ポリシロキサン界面活性剤としては、例えば、ポリジメチルシロキサン等のポリシロキサン構造を有する化合物(シリコーン系化合物)の側鎖に親水性の基や親水性ポリマー鎖を有する化合物、ポリジメチルシロキサン等のポリシロキサン構造を有する化合物(シリコーン系化合物)の末端に親水性の基や親水性ポリマー鎖を有する化合物などが挙げられる。なお、前記ポリシロキサン界面活性剤とは、その構造中にポリシロキサン構造を有していればよく、ポリシロキサン系界面活性剤も含む意味である。
また、末端に重合性ビニル基を有するポリジメチルシロキサン等と、共重合可能なその他のモノマー(前記モノマーの少なくとも一部には(メタ)アクリル酸、又はその塩などの親水性モノマーを用いることが好ましい)と、の共重合で得られる側鎖にポリジメチルシロキサンなどのシリコーン系化合物鎖を有するビニル系共重合体なども好適に挙げられる。
これらの中でも、ポリシロキサン構造を有する化合物であり、かつ親水性ポリマー鎖を有する化合物が好ましく、前記親水性ポリマー鎖としてポリエーテル基を含有することがより好ましく、ポリシロキサン界面活性剤が疎水基としてメチルポリシロキサンを有し、親水基としてポリオキシエチレンの構造を有する非イオン界面活性剤であることが特に好ましい。
HLB値=20×(親水部の式量の総和/分子量)
前記アクリル−シリコーン樹脂粒子は、インク中における前記ポリシロキサン界面活性剤の分離の発生を抑制でき、他の諸特性を向上させることができる。
ここで、前記塩としては、例えば、ナトリウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
前記反応性乳化剤としては、例えば、アデカリアソープSE、NE、PP(株式会社ADEKA製)、ラテムルS−180(花王株式会社製)、エレミノールJS−2、エレミノールRS−30(三洋化成工業株式会社製)、アクアロンRN−20(第一工業製薬株式会社製)などが挙げられる。
前記ポリウレタン樹脂粒子は、高い画像光沢度、及び耐擦過性を付与することができることができる。さらに、驚くべきことに、前記ポリシロキサン界面活性剤、前記アクリル−シリコーン樹脂粒子、及びポリウレタン樹脂粒子を併用することにより、記録後に形成される塗膜の耐擦過性だけでなく、耐溶剤性も大きく向上することができる。
前記ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、活性水素原子を2個以上有する化合物の少なくとも1種を出発原料として、アルキレンオキサイドを付加重合させたものなどが挙げられる。
また、前記ポリウレタン樹脂粒子の製造に使用できるポリカーボネートポリオールとしては、例えば、炭酸エステルとポリオールとを反応させて得られるもの、ホスゲンとビスフェノールA等とを反応させて得られるものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子量のポリオールとポリカルボン酸とをエステル化反応して得られるもの、ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合反応して得られるポリエステル、これらの共重合ポリエステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、これらの無水物又はエステル形成性誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、本発明のインクは、ポスターや看板などの屋外向けの用途としても用いられるため、非常に高い長期耐候性を持つ塗膜を必要としており、前記長期耐候性の点から、脂環式ジイソシアネートが好ましい。
前記脂環式ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネートの含有量としては、イソシアネート化合物全量に対して、60質量%以上が好ましい。
前記ポリウレタン樹脂粒子は、従来一般的に用いられている製造方法により得ることができ、例えば、次の方法などが挙げられる。
まず、無溶剤下又は有機溶剤の存在下で、前記ポリオールと前記ポリイソシアネートとを、イソシアネート基が過剰になる当量比で反応させて、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを製造する。
次いで、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー中のアニオン性基を必要に応じて中和剤により中和し、その後、鎖延長剤と反応させて、最後に必要に応じて系内の有機溶剤を除去することによって得ることができる。
前記鎖延長剤としては、例えば、ポリアミンやその他の活性水素基含有化合物などが挙げられる。
有機溶剤、色材、及び水と配合して水性のインクを調製する作業の容易性や、前記インク中にできるだけ均一に分散させること等を考慮すると、樹脂粒子が水を分散媒として安定に分散した状態である、樹脂エマルジョンの状態でインクに添加することが好ましい。
前記塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、ピリジン、モルホリン等の有機アミン;モノエタノールアミン等のアルカノールアミン;Na、K、Li、Ca等を含む金属塩基化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記強制乳化型の樹脂粒子を用いて水分散体を製造する方法としては、例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤等の界面活性剤を用いる方法などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、耐水性の点から、ノニオン性界面活性剤を用いる方法が好ましい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(マイクロトラック MODEL UPA9340、日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
温度プログラム:
1.30℃以上250℃以下:昇温速度30℃/分間、保持時間1分間
2.250以上−100℃以下:冷却速度30℃/分間、保持時間30分間
3.−100以上250℃以下:昇温速度5℃/分間、保持時間1分間
4.250以上30℃以下:冷却速度30℃/分間、保持時間2分間
また、前記最低造膜温度は、樹脂粒子の体積平均粒径によっても変化するため、樹脂粒子の体積平均粒径の制御因子により樹脂粒子の最低造膜温度を狙いの値とすることができる。
前記質量比(アクリル−シリコーン樹脂粒子/ウレタン樹脂粒子)としては、0.5以上4.0以下である。前記質量比(アクリル−シリコーン樹脂粒子/ウレタン樹脂粒子)が、0.5以上4.0以下であると、耐擦過性、及び密着性を向上することができる。
前記有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、水溶性有機溶剤などが挙げられる。なお、水溶性とは、例えば、25℃の水100gに5g以上溶解することを意味する。
前記一般式(1)で表される化合物は、樹脂溶解性が高いことから、樹脂粒子の造膜性が良くなるために、耐擦過性の優れた印字画像を得ることが出来る。
前記炭素数1以上8以下の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。
前記エーテル結合を有する炭素数1以上8以下の炭化水素基としては、例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基などが挙げられる。
これらの中でも、R1は、吐出安定性の点から、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基が好ましく、ペンチル基、ヘキシル基がより好ましく、R2、及びR3は、メチル基が好ましい。
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分としては、色材、ポリシロキサン界面活性剤以外の界面活性剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤、ヒンダードフェノールやヒンダードフェノールアミンのようなゴム及びプラスチックス用無色老化防止剤などが挙げられる。
前記色材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、顔料、染料などが挙げられる。これらの中でも、顔料が好ましい。
前記顔料としては、例えば、無機顔料、有機顔料などが挙げられる。
その他、中空樹脂粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
前記数平均粒径は、例えば、粒度分析装置(マイクロトラック MODEL UPA9340、日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
本発明のインクは、記録媒体への濡れ性を確保する点から、ポリシロキサン界面活性剤以外の界面活性剤を併用してもよい。
また、組成によってはフッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤を併用又は単独で使用することもできる。
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
前記インクの製造方法としては、例えば、前記水、前記有機溶剤、前記ポリシロキサン界面活性剤、前記アクリル−シリコーン樹脂粒子、前記ポリウレタン樹脂粒子、及び必要に応じて前記その他の成分を、撹拌混合することにより製造することができる。前記撹拌混合としては、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散機、通常の撹拌羽を用いた撹拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機などを用いることができる。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
記録媒体としては特に制限はなく、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできるが、非浸透性基材を用いても良好な画像形成が可能である。
前記非浸透性基材とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m2以下である基材をいう。
前記非浸透性基材としては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムを、好適に使用することができる。
前記着色記録媒体としては、着色された紙や前記フィルム、生地、衣服、セラミックスなどが代表例である。
前記インク収容容器は、本発明の前記インクを容器に収容してなる。
前記インク収容容器としては、前記インクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材などを有してなる。
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有しても良い。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
前記インクジェット記録装置は、インク飛翔手段を有し、加熱手段を有することが好ましく、更に必要に応じて更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
本発明のインクジェット記録方法は、前記インクジェット記録装置により好適に実施することができ、前記インク飛翔工程は前記インク飛翔手段により好適に行うことができる。前記加熱工程は、前記加熱手段により好適に行うことができる。また、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
前記インク飛翔工程は、本発明の前記インクに、刺激を印加し、前記インクを飛翔させて画像を形成する工程であり、インク飛翔手段により実施することができる。
前記インク飛翔手段としては、特に制限はなく、例えば、インクジェットヘッドなどが挙げられる。
前記加熱工程は、画像を記録した記録媒体を加熱する工程であり、加熱手段により実施することができる。
前記インクジェット記録方法としては、前記記録媒体としての非浸透性記録媒体に高画像品質な記録ができるが、より一層高画質で耐擦過性、及び記録媒体への密着性の高い画像の形成、並びに高速の記録条件にも対応できるようにするために、記録後に前記非浸透性記録媒体を加熱することが好ましい。記録後に加熱工程を含むと、インク中に含有される樹脂粒子の造膜が促進されるため、記録物の画像硬度を向上させることができる。
なお、搬送ベルト151の記録媒体142と反対側には、ヒーター群203が設けられており、画像形成された記録媒体142を加熱可能である。
前記その他の工程としては、例えば、刺激発生工程、制御工程などが挙げられる。
前記その他の手段としては、例えば、刺激発生手段、制御手段などが挙げられる。
前記刺激発生手段としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライトなどが挙げられ、具体的には、例えば、圧電素子等の圧電アクチュエーター、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエーター、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエーター、静電力を用いる静電アクチュエーターなどが挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
実施態様の一例として、前記ホワイトインクを記録媒体の全面に塗布する場合は、インクジェット記録方法以外の塗工方法で塗工し、ホワイト以外の色のインクで記録する場合は、インクジェット記録方法で記録する態様が可能である。
別の実施態様として、ホワイトインクを用いた記録も、ホワイト以外の色のインクを用いた記録も、インクジェット記録方法で記録する態様が可能である。
ホワイトインクの代わりにクリアインクを用いた場合も同様である。
本発明の記録物は、記録媒体上に、本発明のインクを用いて形成された画像を有してなる。
インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録して記録物とすることができる。
また、本発明の記録物は、記録媒体と、前記記録媒体上に、ポリシロキサン界面活性剤、アクリル−シリコーン樹脂、及びウレタン樹脂を含有する画像と、を有し、前記ポリシロキサン界面活性剤のHLB値が、8以下であり、前記アクリル−シリコーン樹脂の含有量(質量%)と、前記ウレタン樹脂の含有量(質量%)との質量比(アクリル−シリコーン樹脂/ウレタン樹脂)が、0.5以上4.0以下である。
<自己分散型ブラック顔料分散体の調製>
以下の処方混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(株式会社シンマルエンタープライゼス製、KDL型、メディア:直径0.3mmジルコニアボール使用)で7時間循環分散して自己分散型ブラック顔料分散体(顔料固形分濃度:15質量%)を得た。
・カーボンブラック顔料(商品名:Monarch800、キャボット社製)・・・15質量部
・アニオン性界面活性剤(商品名:パイオニンA−51−B、竹本油脂株式会社製)・・・2質量部
・イオン交換水・・・83質量部
<ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂エマルジョンの調製>
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を挿入した反応容器に、ポリカーボネートジオール(1,6−ヘキサンジオールとジメチルカーボネートとの反応生成物(数平均分子量(Mn):1,200)1,500質量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸(以下、「DMPA」とも称することがある)220質量部、及びN−メチルピロリドン(以下、「NMP」とも称することがある)1,347質量部を窒素気流下で仕込み、60℃に加熱してDMPAを溶解させた。
次に、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート1,445質量部、及びジブチルスズジラウリレート(触媒)2.6質量部を加えて90℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。この反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン149質量部を添加し、混合したものの中から4,340質量部を抜き出して、強撹拌下、水5,400質量部、及びトリエチルアミン15質量部の混合溶液の中に加えた。
次に、氷1,500質量部を投入し、35質量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626質量部を加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30質量%となるように溶媒を留去し、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂エマルジョンを得た。
得られたポリカーボネート系ポリウレタン樹脂エマルジョンについて、「造膜温度試験装置」(株式会社井元製作所製)で測定したところ、最低造膜温度は55℃であった。
<ポリエーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンの調製>
温度計、窒素ガス導入管、及び撹拌器を備えた窒素置換された容器中で、ポリエーテルポリオール(「PTMG1000」、三菱化学株式会社製、重量平均分子量:1,000)100.2質量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸15.7質量部、イソホロンジイソシアネート48.0質量部、及び有機溶剤としてメチルエチルケトン77.1質量部を、触媒としてジブチルスズジラウレート(以下、「DMTDL」とも称することがある)0.06質量部を使用し、反応させた。
前記反応を4時間継続した後、希釈溶剤としてメチルエチルケトン30.7質量部を供給し、更に反応を継続した。
前記反応物の重量平均分子量が20,000以上60,000以下の範囲に達した時点で、メタノール1.4質量部を投入し、前記反応を終了することによって、ウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。
前記ウレタン樹脂の有機溶剤溶液に48質量%水酸化カリウム水溶液を13.4質量部加えることで前記ウレタン樹脂が有するカルボキシル基を中和した。次いで、水715.3質量部を加え十分に撹拌した後、エージング及び脱溶剤することによって、固形分濃度が30質量%のポリエーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンを得た。
得られたポリエーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンについて、前記ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂エマルジョンの調製例1と同様にして、最低造膜温度を測定した。その結果、最低造膜温度は43℃であった。
<ポリエステル系ポリウレタン樹脂エマルジョンの調製>
前記ポリウレタン樹脂粒子の調製例2において、ポリエーテルポリオール(「PTMG1000」、三菱化学株式会社製、重量平均分子量:1,000)を、ポリエステルポリオール(「ポリライトOD−X−2251」、DIC株式会社製、重量平均分子量:2,000)に変更した以外は、前記ポリウレタン樹脂粒子の調製例2と同様にして、固形分濃度が30質量%のポリエステル系ポリウレタン樹脂エマルジョンを得た。
得られたポリエステル系ポリウレタン樹脂エマルジョンについて、前記ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂エマルジョンの調製例1と同様にして、最低造膜温度を測定した。その結果、最低造膜温度は74℃であった。
自己分散型ブラック顔料分散体20.0質量%、ポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物(ポリシロキサン界面活性剤、商品名:FZ2110、東レ・ダウコーニング株式会社製、HLB値:1.0)1.0質量%、アクリル−シリコーン樹脂エマルジョン4(商品名:AE980、株式会社イーテック製、固形分濃度:50質量%、ガラス転移温度(Tg):−14℃)1.5質量%、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂エマルジョン(固形分濃度:30質量%)5.0質量%、1,2−プロパンジオール(株式会社ADEKA製)12.0質量%、2,3−ブタンジオール(東京化成工業株式会社製)3.0質量%、3−メトキシ−3−メチルブタノール(株式会社クラレ製)3.0質量%、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(和光純薬工業株式会社製)3.0質量%、N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド(出光興産株式会社製)25.0質量%、防腐剤として商品名:プロキセルLV(アビシア社製)0.1質量%、及び合計が100質量%となるように高純水を添加し、混合撹拌して、平均孔径が0.2μmのポリプロピレンフィルター(商品名:BetafineポリプロピレンプリーツフィルターPPGシリーズ、3M社製)にてろ過することにより、インクを作製した。
実施例1において、下記表1〜表3に記載の組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜9、及び比較例1〜5のインクを作製した。
・ポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物:東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:FZ2110、HLB値:1.0
・ポリエーテル変性シリコーン1:信越化学工業株式会社製、商品名:KF−945、HLB値:4.0
・ポリエーテル変性シリコーン2:信越化学工業株式会社製、商品名:KF−6017、HLB値:4.5
・ポリエーテル変性シリコーン3:東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:SH−3772M、HLB値:6.0
・ポリエーテル変性シリコーン4:日信化学工業株式会社製、商品名:シルフェイスSAG005、HLB値:7.0
・ポリエーテル変性シリコーン5:東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:SH−3773M、HLB値:8.0
・ポリエーテル変性シリコーン6:信越化学工業株式会社製、商品名:KF−353、HLB値:10.0
・アクリル−シリコーン樹脂エマルジョン1:ダイセルファインケム株式会社製、商品名:AQ914、固形分濃度:24質量%、Tg:50℃
・アクリル−シリコーン樹脂エマルジョン2:DIC株式会社製、商品名:SA−6360、固形分濃度:50質量%、Tg:21℃
・アクリル−シリコーン樹脂エマルジョン3:東亞合成株式会社製、商品名:サイマック480、固形分濃度:30質量%、Tg:0℃
・アクリル−シリコーン樹脂エマルジョン4:商品名:AE980、株式会社イーテック製、固形分濃度:50質量%、Tg:−14℃
・アクリル−シリコーン樹脂エマルジョン5:商品名:AE981A、株式会社イーテック製、固形分濃度:50質量%、Tg:−15℃
・アクリル−シリコーン樹脂エマルジョン6:商品名:AE982、株式会社イーテック製、固形分濃度:50質量%、Tg:0℃
・1,2−プロパンジオール:株式会社ADEKA製
・2,3−ブタンジオール:東京化成工業株式会社製
・3−メトキシ−3−メチルブタノール:株式会社クラレ製
・2−メチル−2,4−ペンタンジオール:和光純薬工業株式会社製
・N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド:出光興産株式会社製
・防腐剤:アビシア株式会社製、商品名:プロキセルLV
得られた実施例1〜9、及び比較例1〜5のインクを30mL容量の容器(商品名:ガラスバイヤルSV−30、日電理化硝子株式会社製)、50℃、60℃、及び70℃でそれぞれ7日間保管し、目視により観察し、下記基準に基づいて、「保存安定性」を評価した。前記評価がB以上であることが実使用上望ましい。
[評価基準]
A:70℃保存において相分離していない
B:60℃保存において相分離していないが、70℃保存において相分離している
C:50℃保存において相分離していないが、60℃保存において相分離している
D:50℃保存において相分離している
次に、得られた実施例1〜9、及び比較例1〜5のインクをインクジェットプリンター(装置名:IPSiO GXe5500改造機、株式会社リコー製)に充填し、ポリ塩化ビニルフィルム(CPPVWP1300、桜井株式会社製、以下、「PVCフィルム」とも称することがある)記録媒体に対し、インク付着量が0.6g/cm2で、ベタ画像を記録した。記録後、前記ベタ画像を80℃に設定したホットプレート(NINOS ND−1、アズワン株式会社製)上で1時間乾燥させた。
なお、前記IPSiO GXe5500改造機は、IPSiO GXe5500機を、150cmの印字幅で30m2/hrの記録速度相当の記録をA4サイズで再現できるように改造し、また、前記ポットプレートを設置し、記録後の加熱条件(加熱温度、加熱時間)を変えることができるように改造した。
PVCフィルム記録媒体に形成されたベタ画像の記録ムラを目視により観察し、下記評価基準に基づいて、「定着性(ビーディング)」を評価した。前記評価がB以上であることが実使用上望ましい。
[評価基準]
A:非常に良好(ビーディングが全くなかった)
B:良好(わずかにビーディングが観察された)
C:普通(ビーディングがあった)
D:不良(著しいビーディングがあった)
PVCフィルム記録媒体に形成されたベタ画像を乾いた木綿(カナキン3号)で400gの荷重をかけて擦過し、画像の状態を目視で観察し、下記評価基準に基づいて、「耐擦過性」を評価した。前記評価がB以上であることが実使用上望ましい。
[評価基準]
AA:50回以上擦っても画像が変化しなかった
A:50回擦った段階で多少の傷が残るが画像には影響しなかった
B:31回以上49回以下擦っても画像が変化しなかった
C:30回以下擦っても画像が変化しなかった
PVCフィルム記録媒体に形成されたベタ画像を、60質量%エタノール水溶液に常温(25℃)で24時間浸漬し、次いで、室温(25℃)で24時間自然乾燥させた後、X−Rite938(X−Rite社製)を用いて、画像濃度を測定し、浸漬前の画像の初期濃度に対する浸漬後の画像における画像濃度値の減少量を算出し、下記の評価基準に基づいて、「耐溶剤性」を評価した。前記評価がB以上であることが実使用上望ましい。
[評価基準]
AA:画像濃度値の減少が10%未満
A:画像濃度値の減少が10%以上20%未満
B:画像濃度値の減少が20%以上30%未満
C:画像濃度値の減少が30%以上
PVCフィルム記録媒体に形成されたベタ画像の60°光沢度を、光沢度計(BYK Gardener社製、4501)により4回測定し、光沢値の平均値を求め、下記評価基準に基づいて、「画像光沢度」を評価した。前記評価がB以上であることが実使用上望ましい。
[評価基準]
AA:光沢値が100以上
A:光沢値が90以上100未満
B:光沢値が80以上90未満
C:光沢値が80未満
前記ベタ画像の形成方法と同様にして、PPフィルム記録媒体(東洋紡株式会社製、P2161)に形成されたベタ画像に対し、布粘着テープ(ニチバン株式会社製、123LW−50)を用いた碁盤目剥離試験により、試験マス目100個の残存マス数をカウントし、下記評価基準に基づいて、記録媒体に対する「密着性」を評価した。前記評価がB以上であることが実使用上望ましい。
[評価基準]
AA:残存マス数が98個以上
A:残存マス数が90個以上98個未満
B:残存マス数が70個以上90個未満
C:残存マス数が70個未満
実施例3は、一般式(1)で表される化合物を含有しない例であり、実施例1、及び実施例2に比べ耐擦過性が劣る結果となった。
実施例4、及び実施例5は、ポリシロキサン界面活性剤のHLB値がやや高い例であり、実施例1、及び実施例2に比べ画像光沢度が劣る結果となった。
実施例6は、ポリシロキサン界面活性剤の添加量がやや少ない例であり、実施例1、及び実施例2に比べ定着性及び耐溶剤性が劣る結果となった。
実施例7は、ポリシロキサン界面活性剤の添加量がやや多い例であり、実施例1、及び実施例2に比べ保存安定性が劣る結果となった。
実施例8、及び実施例9は、アクリル−シリコーン樹脂エマルジョンのTgが0℃より高い例であり、実施例1、及び実施例2に比べて耐擦過性が劣る結果となった。
比較例2は、ウレタン樹脂粒子を含むインクではない例であり、実施例1、及び実施例2に比べ耐擦過性が劣る結果となった。
比較例3は、HLB値が8以上であるポリシロキサン界面活性剤を用いた例であり、実施例1、及び実施例2に比べ定着性が劣る結果となった。
比較例4は、ウレタン樹脂粒子に対してアクリル−シリコーン樹脂粒子が十分でない例であり、実施例1、及び実施例2に比べ密着性が劣る結果となった。
比較例5は、ウレタン樹脂粒子に対してアクリル−シリコーン樹脂粒子が過剰である例であり、実施例1、及び実施例2に比べ耐擦過性が劣る結果となった。
<試験例1>
実施例1のインクにおいて、下記表5に示すように記録後の加熱条件(加熱温度、加熱時間)に変更した以外は、実施例1と同様にして、「保存安定性」、「定着性(ビーディング)」、「耐擦過性」、「耐溶剤性」、「画像光沢度」、及び「密着性」を評価した。結果を下記表5に示した。
なお、試験例1は、実施例1と同様にして、ベタ画像の記録を行い、記録後の加熱なし(25℃で24時間放置)することにより乾燥させた。
<1> 水、有機溶剤、ポリシロキサン界面活性剤、アクリル−シリコーン樹脂粒子、及びウレタン樹脂粒子を含有し、
前記ポリシロキサン界面活性剤のHLB値が、8以下であり、
前記アクリル−シリコーン樹脂粒子の含有量(質量%)と、前記ウレタン樹脂粒子の含有量(質量%)との質量比(アクリル−シリコーン樹脂粒子/ウレタン樹脂粒子)が、0.5以上4.0以下であることを特徴とするインクである。
<2> 前記有機溶剤として、下記一般式(1)で表される化合物を含有する前記<1>に記載のインクである。
<3> 前記ポリシロキサン界面活性剤のHLB値が、4以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクである。
<4> 前記ポリシロキサン界面活性剤の含有量が、1.0質量%以上2.0質量%以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載のインクである。
<5> 前記アクリル−シリコーン樹脂粒子のガラス転移温度が、0℃以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクである。
<6> 前記アクリル−シリコーン樹脂粒子に由来するシリコーンの含有量が、0.01質量%以上0.04質量%以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載のインクである。
<7> 前記アクリル−シリコーン樹脂粒子の含有量(質量%)と、前記ウレタン樹脂粒子の含有量(質量%)との質量比(アクリル−シリコーン樹脂粒子/ウレタン樹脂粒子)が、0.5以上4.0以下である前記<1>から<6>のいずれかに記載のインクである。
<8> 前記アクリル−シリコーン樹脂粒子の最低造膜温度が、20℃以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載のインクである。
<9> 前記アクリル−シリコーン樹脂粒子の含有量が、0.5質量%以上5質量%以下である前記<1>から<8>のいずれかに記載のインクである。
<10> 前記フッ素樹脂粒子のガラス転移温度が、100℃以上300℃以下である前記<1>から<9>のいずれかに記載のインクである。
<11> 前記有機溶剤の含有量が、10質量%以上60質量%以下である前記<1>から<10>のいずれかに記載のインクである。
<12> 前記一般式(1)で表される化合物の含有量が、5質量%以上30質量%以下である前記<2>から<11>のいずれかに記載のインクである。
<13> 前記一般式(1)で表される化合物が、N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミドである前記<2>から<12>のいずれかに記載のインクである。
<14> 色材をさらに含有する前記<1>から<13>のいずれかに記載のインクである。
<15> 前記色材が、顔料である前記<14>に記載のインクである。
<16> 前記<1>から<15>のいずれかに記載のインクに刺激を印加し、前記インクを飛翔させて記録媒体に画像を記録するインク飛翔工程を含むことを特徴とするインクジェット記録方法である。
<17> 前記記録媒体を加熱する加熱工程を含む前記<16>に記載のインクジェット記録方法である。
<18> 前記加熱工程における加熱温度が、40℃以上100℃以下である前記<17>に記載のインクジェット記録方法である。
<19> 記録媒体と、前記記録媒体上に、ポリシロキサン界面活性剤、アクリル−シリコーン樹脂、及びウレタン樹脂を含有する画像と、を有し、
前記ポリシロキサン界面活性剤のHLB値が、8以下であり、
前記アクリル−シリコーン樹脂の含有量(質量%)と、前記ウレタン樹脂の含有量(質量%)との質量比(アクリル−シリコーン樹脂/ウレタン樹脂)が、0.5以上4.0以下であることを特徴とする記録物である。
<20> 前記ポリシロキサン界面活性剤のHLB値が、4以下である前記<19>に記載の記録物である。
Claims (9)
- 水、有機溶剤、ポリシロキサン界面活性剤、アクリル−シリコーン樹脂粒子、及びウレタン樹脂粒子を含有し、
前記ポリシロキサン界面活性剤のHLB値が、8以下であり、
前記アクリル−シリコーン樹脂粒子の含有量(質量%)と、前記ウレタン樹脂粒子の含有量(質量%)との質量比(アクリル−シリコーン樹脂粒子/ウレタン樹脂粒子)が、0.5以上4.0以下であることを特徴とするインク。 - 前記有機溶剤として、下記一般式(1)で表される化合物を含有する請求項1に記載のインク。
- 前記ポリシロキサン界面活性剤のHLB値が、4以下である請求項1から2のいずれかに記載のインク。
- 前記ポリシロキサン界面活性剤の含有量が、1.0質量%以上2.0質量%以下である請求項1から3のいずれかに記載のインク。
- 前記アクリル−シリコーン樹脂粒子のガラス転移温度が、0℃以下である請求項1から4のいずれかに記載のインク。
- 請求項1から5のいずれかに記載のインクに刺激を印加し、前記インクを飛翔させて記録媒体に画像を記録するインク飛翔工程を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
- 前記記録媒体を加熱する加熱工程を含む請求項6に記載のインクジェット記録方法。
- 前記加熱工程における加熱温度が、40℃以上100℃以下である請求項7に記載のインクジェット記録方法。
- 記録媒体と、前記記録媒体上に、ポリシロキサン界面活性剤、アクリル−シリコーン樹脂、及びウレタン樹脂を含有する画像と、を有し、
前記ポリシロキサン界面活性剤のHLB値が、8以下であり、
前記アクリル−シリコーン樹脂の含有量(質量%)と、前記ウレタン樹脂の含有量(質量%)との質量比(アクリル−シリコーン樹脂/ウレタン樹脂)が、0.5以上4.0以下であることを特徴とする記録物。
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