JPH07138512A - 水性印刷インキ組成物 - Google Patents

水性印刷インキ組成物

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JPH07138512A
JPH07138512A JP28919593A JP28919593A JPH07138512A JP H07138512 A JPH07138512 A JP H07138512A JP 28919593 A JP28919593 A JP 28919593A JP 28919593 A JP28919593 A JP 28919593A JP H07138512 A JPH07138512 A JP H07138512A
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秀一 和田
Katsushi Furuta
克司 古田
Naotaka Yamaji
直貴 山路
Tsuyoshi Fujiwara
剛志 藤原
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Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 架橋剤と反応し得る活性アミノ基を積極的に
導入することにより、接着性、耐温水性及び耐溶剤性に
優れたポリウレタンエマルジョンの水性印刷インキ組成
物を提供する。 【構成】 分子末端にイソシアネート基を有するウレタ
ンプレポリマーを水に乳化分散した後、これに、少なく
とも2個の1級アミノ基と少なくとも1個の2級アミノ
基とを有するポリアミンを添加し反応することにより、
活性アミノ基含有ポリウレタンを含有するエマルジョン
を得、これに架橋剤を添加して水性印刷インキ組成物を
得る。 【効果】 エポキシ系等の架橋剤と併用して用いること
により、インキ膜の接着性、耐温水性及び耐溶剤性が顕
著に改質される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種反応性基と容易に
反応し得る活性アミノ基を有するポリウレタン水分散体
と架橋剤とを含有する水性印刷インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】各種プラスチックフィルム、金属箔など
に用いられる印刷インキには、ポリウレタン、ポリアミ
ド、ニトロセルロース、ポリエステル等の樹脂がバイン
ダーとして使用されている。これらの樹脂は単独もしく
は併用され、有機溶剤に溶解させて使用されている。こ
の有機溶剤型インキにおいては、バインダー自身が耐水
性を有しており、イソシアネート化合物やエポキシ化合
物を使用して架橋したインキ膜を得ることで、耐溶剤
性、耐薬品性などの優れた物性を発現している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの印刷
インキは、有機溶剤による火災の危険性があり、また、
大気を汚染するという問題点を有している。また、省資
源の観点からも好ましくない。そのため、これらの有機
溶剤型インキに代わる耐溶剤性、耐薬品性、耐水性など
の物性に優れた水性印刷インキの開発が盛んに行われて
いる。
【0004】水性印刷インキにおいては、バインダーと
してスチレン−マレイン酸共重合樹脂、スチレン−アク
リル共重合樹脂、アクリル樹脂などが一般的に用いられ
ている。しかし、これらの樹脂からなるバインダーを使
用した水性インキを用いて印刷を行うと、印刷物の耐水
性、耐溶剤性、耐薬品性等の物性は実用上極めて低いレ
ベルであるという問題点が指摘されている。
【0005】耐溶剤性、耐薬品性、耐水性など充分な物
性を得るために、水性印刷インキ中にエポキシ化合物、
カルボジイミド化合物等の架橋剤を添加し、乾燥後、イ
ンキ膜を架橋させることにより、ある程度の物性が得ら
れることが知られている。しかし、これら水性バインダ
ーの官能基とこれら架橋剤との間の架橋が弱いためか、
十分な耐溶剤性、耐薬品性、耐水性が得られていないと
いうのが現状である。
【0006】一方、樹脂の可撓性、各種素材に対する接
着性等が優れているという理由から、水性ウレタンバイ
ンダーが提案されている。しかし、従来の水性ウレタン
バインダーは、基本的には熱可塑性ウレタンの水分散体
であるため、前述したような耐溶剤性、耐薬品性、耐水
性などの点で不十分であり、一層の性能向上がのぞまれ
ているのが現状である。
【0007】本発明はこのような従来技術の問題点を解
決するために為されたものであり、本発明の目的は、耐
溶剤性、耐薬品性、耐水性などの物性に優れた水性印刷
インキ組成物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の水性印刷インキ
組成物は、活性アミノ基を有するポリウレタン水分散体
と架橋剤とを含有することを特徴とする。本発明に使用
するポリウレタン水分散体は、以下の方法により製造す
ることができる。
【0009】すなわち、本発明の水性印刷インキ組成物
は、2個以上の活性水素原子を有する化合物と、有機ポ
リイソシアネートとの反応により得られる、分子末端に
イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを水に
分散させ、次に、これに、少なくとも2個の1級アミノ
基と少なくとも1個の2級アミノ基とを1分子内に有す
るポリアミンを添加し反応することにより得られる。そ
の際の、(ウレタンプレポリマーの末端NCO基)/
(ポリアミンの1級アミノ基)のモル比は1/1〜1/
0.7の範囲内である。
【0010】上記製法で得られたポリウレタンエ水分散
体は、2級アミノ基が活性アミノ基としてポリウレタン
骨格に導入され(また、一部では、1級アミノ基もポリ
ウレタン骨格に導入され)、これにより、エポキシ系、
メラミン等の架橋剤を併用した場合に低温で架橋反応が
起こり、その結果、ポリウレタン水分散体の物性を顕著
に改善する。
【0011】以下、本発明に使用するポリウレタン水分
散体についてさらに詳細に説明する。ここで用いられる
分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリ
マーは、2個以上の活性水素原子を有する化合物と、過
剰量の有機ポリイソシアネートとを溶剤の存在下又は不
存在下で反応させることにより得られる。
【0012】上記した2個以上の活性水素原子を有する
化合物として、分子末端又は分子内に2個以上のヒドロ
キシ基を有するもので、一般に公知のポリエーテル、ポ
リエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルエステ
ル、ポリチオエーテル、ポリアセタール、ポリプタジエ
ン、ポリシロキサン等のポリオール化合物が挙げられ
る。なお、これら活性水素原子を2個以上有する化合物
の分子量は、300〜5,000の範囲であるのが好ま
しい。
【0013】また、上記の2個以上の活性水素原子を有
する化合物には、必要に応じて鎖延長剤を配合してもよ
く、その鎖延長剤の具体例として、低分子量の1,4−
ブタンジオール,1,6−ヘキサンジオール,3−メチ
ル−1,5−ペンタンジオール,エチレングリコール,
ネオペンチルグリコール,ジエチレングリコール,トリ
メチロールプロパン,シクロヘキサンジメタノール等が
挙げられる。
【0014】一方、上記有機ポリイソシアネートとして
は、従来より慣用されている芳香族、脂肪族又は脂環族
の有機ポリイソシアネートを使用でき、具体例として、
トリレンジイソシアネート,ジフェニルメタンジイソシ
アネート,ナフタレンジイソシアネート,キシリレンジ
イソシアネート,ヘキサメチレンジイソシアネート,ジ
シクロヘキシルメタンジイソシアネート,イソホロンジ
イソシアネート,水添化キシリレンジイソシアネート,
テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の有機ポリ
イソシアネート、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0015】上述した2個以上の活性水素原子を有する
化合物と、過剰量の有機ポリイソシアネートとの反応
は、従来から公知の一段式又は多段式イソシアネート重
付加反応法により50〜120℃の温度条件下で行う。
【0016】上記方法では、必要に応じて、リン酸,ア
ジピン酸,ベンゾイルクロライド等の反応制御剤、ジブ
チルスズジラウレート,スタナスオクトエート,トリエ
チルアミン等の反応触媒、さらにはイソシアネート基と
反応しない有機溶媒を反応段階又は反応終了後に添加し
てもよい。
【0017】上記有機溶剤としては、アセトン,メチル
エチルケトン,テトラヒドロフラン,ジオキサン,酢酸
エチル,トルエン,キシレン等が挙げられる。尚、有機
溶剤を使用しないことは可能であるが、しかし、ウレタ
ンプレポリマーの粘度により希釈のために溶剤を使用し
た場合には、最終段階でこれを回収する。
【0018】さらに上記重付加反応法では、必要であれ
ば、反応段階又は反応終了後に酸化防止剤、紫外線吸収
剤等の安定剤を添加することもできる。
【0019】このようにして得られるウレタンプレポリ
マーの末端イソシアネート基含有量は3〜0.3重量%
が好ましく、2〜1重量%が特に好ましい。この末端イ
ソシアネート基含有量が3重量%以上であれば、後述す
るポリアミンとの反応段階で乳化破壊してゲル化する
か、又は得られたポリウレタンエマルジョン組成物の製
品安定性及び経時安定性が不良となる。また、末端イソ
シアネート基含有量が0.3重量%以下であれば、後述
するポリアミンとの反応による活性アミノ基の導入量が
少なくなり、前記メラミン系、エポキシ系等の架橋剤に
よる架橋改質効果が発揮されない等の問題がある。
【0020】次に、上記で得られたウレタンプレポリマ
ーを水に分散させて乳化する。この分散に際し、ウレタ
ンプレポリマー自身が分散性を有する場合にはそのまま
水に添加される。ウレタンプレポリマーが自己分散性を
有しない場合には、水に分散する以前に行う処理方法と
して下記3通りの方法を採用することができる。すなわ
ち、(1)前記ウレタンプレポリマー調製段階で、予め
分子内にカルボキシル基含有のポリオール成分、例え
ば、ジメチロールプロピオン酸等と有機ポリイソシアネ
ートとの反応よるカルボキシル基を導入しておき、次い
でそのカルボキシル基を塩基性化合物のトリエチルアミ
ン,トリメチルアミン,ジエタノールモノメチルアミ
ン,ジメチルエタノールアミン,苛性ソーダ,苛性カリ
ウム等で中和してカルボキシル基の塩類に変換しておく
方法、(2)前記ウレタンプレポリマー調製段階で、予
め分子内にオキシエチレン鎖を5重量%以上含有させた
ウレタンプレポリマーとしておき、且つ、ウレタンプレ
ポリマー調製後、HLB値6〜18の非イオン活性剤を
50℃以下で添加混合しておく方法(但し、非イオン活
性剤の使用量は、乳化分散性やインキ膜の耐水性を考慮
してウレタンプレポリマーに対して15重量%以下とす
るのが好ましい)、さらには、(3)前記ウレタンプレ
ポリマー調製後、その末端イソシアネート基の50〜5
%、好ましくは30〜5%に相当するアミノエタンスル
ホン酸,アミノ酢酸等のナトリウム塩又はカリウム塩水
溶液を5〜50℃、好ましくは20〜40℃で60分間
反応させておく方法、である。
【0021】これらの処理操作は、上述のように、ウレ
タンプレポリマー自身が分散性を有する場合には必要の
ないものである。
【0022】上記(1),(2)又は(3)の処理操作
を実施したウレタンプレポリマーにに水を加え、又は自
己分散性を有するウレタンプレポリマーの場合にはこれ
らの処理を施すこと無く水を加え、ホモミキサー、ホモ
ジナイザー等の乳化分散装置を用いて乳化する。この操
作を実施する場合、ウレタンプレポリマーの末端イソシ
アネート基と水との反応を抑制するために乳化分散温度
は低温がよく、5〜40℃、好ましくは5〜30℃、特
に好ましくは5〜20℃の範囲で乳化すればよい。
【0023】上記したようにウレタンプレポリマーを水
中で乳化した後、これにポリアミンを添加し、乳化分散
系でウレタンプレポリマーの末端イソシアネート基とポ
リアミンとを反応させてポリアミン鎖伸長反応を実施す
ることにより、本発明による活性アミノ基含有ポリウレ
タンエマルジョン組成物が得られる。
【0024】上記で添加するポリアミンは、同一分子内
に少なくとも2個の1級アミノ基と少なくとも1個の2
級アミノ基とを有するポリアミンであり、具体例とし
て、ジエチレントリアミン,トリエチレンテトラミン,
ジプロピレントリアミン等が挙げられる。
【0025】上記ポリアミンの使用量は、(ウレタンプ
レポリマーの末端NCO基)/(ポリアミンの1級アミ
ノ基)モル比が1/1〜1/0.7の範囲内となるよう
に用いればよい。このモル比が1/1よりも小さい場合
(1級アミノ基のモル数が大きい)は、有効な高分子量
化が阻害される傾向となる。一方、モル比が1/0.7
よりも大きい場合(1級アミノ基のモル数が小さい)
は、導入される活性アミノ基の量が少なくなり、その結
果、得られたポリウレタン水分散体に架橋剤を併用して
も架橋反応による物性向上効果そのものが小さくなる。
また、モル比が1/0.7よりも大きい場合、エマルジ
ョン組成物の増粘、ゲル化等が起こるので好ましくな
い。
【0026】上記乳化分散系でのポリアミン鎖伸長反応
に際しては、均一な反応を実施するためにホモミキサ
ー、ホモジナイザー等の乳化分散装置を用い、さらに、
急激な反応や局部的な反応による乳化破壊等に起因する
ゲル化、並びに後の製品安定性及び経時安定性を考慮し
て、反応温度は5〜40℃、好ましくは5〜30℃、特
に好ましくは5〜20℃の範囲とし、そして、通常10
〜120分間かけてポリアミン鎖伸長反応を実施する。
【0027】上記ポリアミン鎖伸長反応では、ポリアミ
ン分子中の1級アミノ基がイソシアネート基に対してよ
り速い反応速度を有するため、選択的に鎖伸長反応に作
用し、その結果、ポリアミン分子中の2級アミノ基の部
位がポリウレタン骨格構造中に導入されることとなる。
【0028】なお、ウレタンプレポリマーのイソシアネ
ート基とポリアミンとの反応を有効に実施し且つ水とイ
ソシアネート基との副反応を抑制するために、リン酸,
塩酸,ベンゾイルクロライド等を添加することができ
る。
【0029】最終的に得られた乳化分散物中に有機溶媒
を含有する場合、必要であれば減圧下、30〜70℃で
留去することにより、本発明の水性印刷インキ組成物に
使用する活性アミノ基含有ポリウレタン水分散体が得ら
れる。
【0030】更に、本発明の水性印刷インキ組成物に使
用する架橋剤としては、水溶性又は水分散性の架橋剤が
挙げられる。具体的にはエポキシ系及びメラミン系のも
のが挙げられる。これらの架橋剤を例示すれば、エポキ
シ系架橋剤として、グリセロールポリグリシジルエーテ
ル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタン
ポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシ
ジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテ
ル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピ
レングリコールジグリシジルエーテル等の脂肪族多価ア
ルコールのポリグリシジルエーテルが挙げられる。メラ
ミン系の架橋剤としては、メタノールでアルキルエーテ
ル化されたメチル化メラミン樹脂、2種以上のアルコー
ルでアルキルエーテル化された混合エーテル化メラミン
樹脂が挙げられる。
【0031】前記活性アミノ基含有ポリウレタン水分散
体とこれらの架橋剤とを含有してなる本発明の水性印刷
インキ組成物においては、低温で架橋反応を行うために
は、前記架橋剤として、エポキシ系のものが好ましい。
【0032】
【作用】本発明の水性印刷インキ組成物は、ポリウレタ
ン骨格中に活性アミノ基を含有するポリウレタン水分散
体と、エポキシ系、メラミン系等の架橋剤とを含有す
る。そのため、該活性アミノ基がこれらの架橋剤と容易
に架橋反応して強固なインキ膜を形成する。
【0033】また、エポキシ系架橋剤を併用した場合、
風乾程度で活性アミノ基と架橋剤のエポキシ基との架橋
反応が起こる。上記活性アミノ基と架橋剤との架橋反応
により、従来の官能基を持たないポリウレタンエマルジ
ョンを用いた場合よりも、耐水性、耐溶剤性、耐接着性
等の物性がさらに向上したインキ膜を得ることができ
る。
【0034】
【発明の効果】本発明の水性印刷インキ組成物は、以上
説明したように構成されており、以下に記載されるよう
な顕著な効果を奏する。
【0035】すなわち、本発明の水性印刷インキ組成物
中のポリウレタンには、その骨格に活性アミノ基を積極
的に導入してあるため、既知の架橋剤、例えばエポキシ
系架橋剤等を添加すれば室温乾燥程度で架橋反応を起こ
して強固なインキ膜を形成する。また、この水性印刷イ
ンキ組成物中のポリウレタンは架橋剤で容易に架橋する
ため、加熱操作を経ることなくインキ膜を形成すること
ができる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。なお、後述
する合成例、実施例、比較合成例、比較例等に於ける
「部」及び「%」は、特に明示がない限りそれぞれ重量
部、重量%を示す。
【0037】<合成例1>ポリエステルポリオール(ブ
チレンアジペート、分子量2000)350部、トリメ
チロールプロパン10.1部、ポリエチレングリコール
35部(分子量600)、PO(プロピレンオキサイ
ド)/EO(エチレンオキサイド)ランダム共重合ポリ
エーテルポリオール35部(PO/EO=30/70,
分子量3400)、及び1,4−ブタンジオール78.
3部をメチルエチルケトン400部に添加し溶解した
後、イソホロンジイソシアネート310部を系内温度5
0℃で添加した。その後、ジブチルスズジラウレート
0.05部を添加し、徐々に加温して系内温度75℃と
した。75℃で60分間反応させた段階でさらにジブチ
ルスズジラウレート0.05部を添加した。その後、反
応を続行して75℃/200分経過した時点で冷却し、
系内温度50℃とした。50℃に冷却後のウレタンプレ
ポリマーの遊離イソシアネート基は2.0%(対固型
分)であった。
【0038】次に、系内温度45℃にて、ジスチレン化
フェノールのエチレンオキサイド付加物であるポリオキ
シエチレンアリルフェノールエーテル型非イオン界面活
性剤(HLB=15)80部添加し、10分間混合し
た。その後、系内内容物をホモミキサーを用いて300
0rpmで高速攪拌し、その中へ蒸留水1300部を徐
々に添加し、その後、系内温度30℃にて20分間乳化
を実施した。
【0039】系内温度をさらに20℃に冷却した後、ジ
エチレントリアミン18部を蒸留水130部に溶解した
ジエチレントリアミン水溶液(ウレタンプレポリマーの
末端NCO基/ジエチレントリアミンの一級アミノ基の
モル比=1/0.9)を添加した。系内温度を20〜2
5℃にコントロールして、60分間ホモミキサーを用い
て3000rpmで攪拌を続行した。次に、エバポレー
ターにより、使用溶剤であるメチルエチルケトンを減圧
回収(温浴40℃)した。以上により、本発明の活性ア
ミノ基含有ポリウレタンエマルジョン組成物が調製でき
た。
【0040】得られた活性アミノ基含有ポリウレタンエ
マルジョン組成物の分析を行った。
【0041】結果を表1に示す。含有される活性アミノ
基量は、エマルジョン10部を精秤してN−メチル−2
−ピロリドン300部に溶解させ、ブロムフェノールブ
ルーを指示薬として塩酸滴定により求めた。すなわち、
試料1gを中和するのに必要なカルボキシル基と等モル
のKOHmg数を、Am・V (アミン価)(単位;KOH
mg/g) として表した。
【0042】
【表1】
【0043】<合成例2>ポリカーボネートポリオール
(1,6ヘキサンのポリカーボネート、分子量200
0)255部にトリメチロールプロパン7.0部及び
1,4−ブタンジオール57.0部を添加した後、メチ
ルエチルケトン290部を添加して溶解した。
【0044】次に、これにイソホロンジイソシアネート
260部及びジブチルスズジラウレート0.01部を系
内温度50℃で添加し、徐々に加温し、系内温度75℃
にて180分間反応を行い、遊離イソシアネート基を
5.0%(対固型分)含有するウレタンプレポリマーを
得た。次に、これにジメチロールプロピオン酸26.5
部及びメチルエチルケトン120部を添加した後、ジブ
チルスズジラウレート0.07部を添加し、さらにトリ
エチルアミン9.9部を添加した。これを徐々に加温
し、系内温度75℃にて120分間反応を行い、さらに
系内温度を50℃まで冷却すると、遊離イソシアネート
基を1.99%(対固型分)とカルボキシル基とを含有
するウレタンプレポリマーが得られた。
【0045】次に、これに系内温度50℃でトリエチル
アミン9.9部を追加し、残余のカルボキシル基を中和
した。その後、蒸留水900部を徐々に添加し、ホモミ
キサーを用いて3000rpmで攪拌し、乳化操作を系
内温度25℃で20分間実施した。
【0046】次に、ジエチレントリアミン13.3部を
蒸留水80部に溶解したジエチレントリアミン水溶液
(ウレタンプレポリマーの末端NCO基/ジエチレント
リアミンの一級アミノ基のモル比=1/0.9)を系内
温度25℃で添加し、25℃で60分間攪拌混合した。
その後、エバポレーターにより、使用溶剤であるメチル
エチルケトンを減圧回収(湯浴40℃)した。以上によ
り、活性アミノ基含有ポリウレタンエマルジョン組成物
が得られた。
【0047】この活性アミノ基含有ポリウレタンエマル
ジョン組成物の分析を行い、その結果を表1に併せて示
した。含有されるアミノ基量は合成例1と同様の方法で
測定した。
【0048】<比較合成例1及び2>合成例1及び2と
同様の操作で、ウレタンプレポリマー調製、乳化を行
い、その後、合成例で用いたジエチレントリアミンを添
加する代わりにエチレンジアミンを各々同モル量添加し
て、合成例1及び2と同様に攪拌混合し、さらに使用溶
剤を回収して、従来技術による比較合成例1及び2のポ
リウレタンエマルジョンを得た。これらのポリウレタン
エマルジョンの分析を行い、その結果を表1に併せて示
した。含有されるアミノ基量は合成例1と同様の方法で
測定した。
【0049】合成例1及び2では、乳化分散後のウレタ
ンプレポリマーに添加するポリアミンが少なくとも2個
の1級アミノ基と少なくとも1個の2級アミノ基とを1
分子内に有するものであり、且つ、該ポリアミンを、
(ウレタンプレポリマーの末端NCO基)/(ポリアミ
ンの1級アミノ基)モル比が1/1〜1/0.7の範囲
内となるように添加するものである。
【0050】これにより、ポリアミンの各アミノ基(1
級、2級)とイソシアネート基との反応速度差から、1
級アミノ基とイソシアネート基との反応が選択的に進行
し、優先的に反応する。その結果、ポリアミンの2級ア
ミノ基部分が残存してポリウレタン骨格中に導入され、
従って、得られたポリウレタンエマルジョン組成物は活
性アミノ基を含有するものと考えられる。
【0051】一方、比較合成例1及び2では、活性アミ
ノ基を含有しない従来のポリウレタンエマルジョンが得
られる。これは、ウレタンプレポリマーの末端NCO基
とポリアミンの全アミノ基(1級、2級)とが高分子量
化反応に関与するためである。
【0052】次に、本願発明の合成例1及び2のポリウ
レタンエマルジョン組成物を用いて印刷インキを調製
し、各印刷インキのインキ膜の接着性、耐溶剤性及び耐
水性を評価した。また、比較合成例1及び2の従来技術
のポリウレタンエマルジョンを同様に用いて印刷インキ
を調製し、そのインキ膜について同様の評価を行った。
【0053】(印刷インキの調製) <実施例1及び2、参考例1及び2>合成例1〜2で調
製した活性アミノ基含有ポリウレタンエマルジョン組成
物各々100部に顔料であるリオノールブルーFG73
30(東洋インキ製造(株)製、商品名)を樹脂固型分
/顔料=2/1となるように配合し混練した。これらを
参考例1及び2の水性印刷インキとした。
【0054】次に、上記参考例1及び2の水性印刷イン
キに、水溶性エポキシ架橋剤(グリセリンのトリグリシ
ジルエーテル)を(活性アミノ基)/(エポキシ基)モ
ル比=1/1となるように配合し、それぞれ実施例1及
び2の水性印刷インキとした。
【0055】<比較例1〜4>比較合成例1〜2で調製
した従来技術のウレタンエマルジョン各々100部にリ
オノールブルーFG7330(東洋インキ製造(株)、
商品名)を実施例1〜2と同様に配合混練した。これら
を比較例1及び2の水性印刷インキとした。
【0056】次に、比較例1及び2の水性印刷インキ
に、実施例3及び4と同じ水溶性エポキシ系架橋剤を各
々に同量配合し、比較例3及び4の水性印刷インキとし
た。
【0057】(インキ膜の物性評価)厚さ20μmのコ
ロナ放電処理した延伸ポリプロピレンフィルムのコロナ
放電処理面に、膜厚5μmとなるように実施例1〜4及
び比較例1〜4の水性印刷インキを塗布し、その後、4
0℃乾燥器で24時間放置して試験片を作製した。各試
験片の印刷表面の接着性、耐溶剤性、耐水性を評価し、
その結果を表2に示す。試験方法及び評価基準は以下の
とおりである。
【0058】
【表2】
【0059】<接着性>ニチバン製セロテープを用いて
試験片の剥離試験を行った。評価基準は以下のとおりで
ある。
【0060】◎ 急激に引離しても剥離しない ○ ◎〜△と中間的な接着強度 △ 急激に引離せば剥離するが、徐々に引離した場合は
剥離しない × 徐々に引離しても剥離する <耐溶剤性>エタノールを試験片の印刷表面にたらし、
30分後に脱脂綿でこすり表面状態を判定した(学振型
堅牢度試験機使用)。評価基準は以下のとおりである。
【0061】○ 30回でもインキ膜を保持している △ 10〜30回でインキ膜が消失する × 10回以下でインキ膜が消失する <耐水性>60℃の温水に試験片を30分間浸漬した
後、インキ膜の表面状態を判定した。評価基準は以下の
とおりである。
【0062】○ 透明で印刷色が鮮明 △ 部分的に白化し、印刷色が部分的に不鮮明 × 白化して印刷色が不鮮明 表2より、実施例1及び2の活性アミノ基含有ポリウレ
タンを含有する水性印刷インキは、参考例1及び2のイ
ンキと比較すれば明らかなように、エポキシ系架橋剤を
併用した場合に、室温程度の温度で接着性、耐温水性及
び耐溶剤性が向上していることがわかる。これは、活性
アミノ基含有ポリウレタンの活性アミノ基と架橋剤のエ
ポキシ基とが室温又はそれ以上の温度で架橋反応するこ
とによるものと考えられる。
【0063】一方、比較例1〜4の従来技術によるポリ
ウレタンエマルジョン塗料は、エポキシ系架橋剤を併用
しても、室温乾燥程度ではほとんど物性の向上又は変化
が認められない。これは、従来技術によるポリウレタン
エマルジョンではエポキシ系架橋剤との共架橋が弱いた
めであると考えられる。
【0064】実施例1〜2における活性アミノ基含有ポ
リウレタンエマルジョン組成物とエポキシ系架橋剤とに
よるインキ膜の改質は、両者の架橋によるものであり一
体化されたものと考えられる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2個以上の活性水素原子を有する化合物
    と有機ポリイソシアネートとの反応により得られる、分
    子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマ
    ーを水に分散させたものに、 少なくとも2個の1級アミノ基と少なくとも1個の2級
    アミノ基とを1分子内に有するポリアミンを添加し反応
    することにより得られる活性アミノ基含有ポリウレタン
    水分散体と、 架橋剤とを含有することを特徴とする水性印刷インキ組
    成物。
  2. 【請求項2】 前記ウレタンプレポリマーへの前記ポリ
    アミンの添加を、(前記ウレタンプレポリマーの末端N
    CO基)/(前記ポリアミンの1級アミノ基)のモル比
    が1/1〜1/0.7の範囲内となるように行うことを
    特徴とする請求項1に記載の水性印刷インキ組成物。
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