JP7341749B2 - 口腔用組成物 - Google Patents
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Description
項1.
ヒドロキシアパタイト粒子、アルギン酸若しくはその塩、及び乳酸アルミニウムを含有する口腔用組成物であって、
前記ヒドロキシアパタイト粒子が、CuKα特性X線により測定される粉末X線回折パターンにおける2θ=26°付近の回折ピーク強度に対する2θ=32°付近の回折ピーク強度の比が0.8~1.5である、
口腔用組成物。
項2.
前記ヒドロキシアパタイト粒子のCa/Pモル比が1.67未満(好ましくは1.60以下)である、項1に記載の口腔用組成物。
項3.
前記ヒドロキシアパタイト粒子のメジアン径が5μm以下である、項1又は2に記載の口腔用組成物。
項4.
前記ヒドロキシアパタイト粒子の比表面積が55~200m2/gである、項1~3のいずれかに記載の口腔用組成物。
項5.
前記ヒドロキシアパタイト粒子が、CuKα特性X線により測定される粉末X線回折パターンにおける2θ=32°付近の回折ピーク強度に対する2θ=34°付近の回折ピーク強度の比が1以下である、項1~4のいずれかに記載の口腔用組成物。
項6.
前記ヒドロキシアパタイト粒子が、ヒドロキシアパタイト板状結晶の凝集体である、
項1~5のいずれかに記載の口腔用組成物。
項7.
さらに、硝酸カリウムを含有する、項1~6のいずれかに記載の口腔用組成物。
項8.
知覚過敏予防又は改善用である、項1~7のいずれかに記載の口腔用組成物。
項9.
前記前記ヒドロキシアパタイト粒子が、pHが4以上7未満であるリン酸アルカリ塩水溶液と水酸化カルシウムスラリーとを混合して35~85℃で反応させる工程を含む、ヒドロキシアパタイト粒子製造方法により製造されたものである、項1~8のいずれかに記載の口腔用組成物。
項10.
前記水酸化カルシウムスラリーが磨砕処理水酸化カルシウムスラリーである、項9に記載の口腔用組成物。
項11.
前記水酸化カルシウムスラリーのシュウ酸反応性(5質量%の濃度に調製され、25±1℃に保たれた水酸化カルシウムスラリー50gに、25±1℃に保たれた0.5モル/リットルの濃度のシュウ酸水溶液40gを一気に添加し、添加後pH7.0になるまでの時間(分))が40分以下である、項9又は10に記載の口腔用組成物。
項12.
前記水酸化カルシウムスラリーのBET比表面積が5m2/g以上である、項9~11のいずれかに記載の口腔用組成物。
シュウ酸反応性:5質量%の濃度に調製され、25±1℃に保たれた水酸化カルシウムスラリー50gに、25±1℃に保たれた0.5モル/リットルの濃度のシュウ酸水溶液40gを一気に添加し、添加後pH7.0になるまでの時間(分)。
Ca/Pモル比が0.5になるように、10.7質量%リン酸二水素ナトリウム・2水和物水溶液及び、固形分濃度8.6質量%磨砕処理水酸化カルシウムスラリー(BET比表面積:6.7m2/g シュウ酸反応性:15分30秒 特開第2017-036176号公報)を調製した。リン酸二水素ナトリウム・2水和物水溶液をステンレスビーカーに入れ、撹拌しながら60℃に加温し撹拌停止まで維持した。10%NaOH水溶液を添加してpHを5.5に調整した。そこに水酸化カルシウムスラリーを30分かけて添加した。添加終了後、更に1時間撹拌したあとに、ろ過、水洗、及び80℃にて乾燥させ、ヒドロキシアパタイト粒子(粉末)を得た。
Ca/Pモル比が0.5になるように、10.7質量%リン酸二水素ナトリウム・2水和物水溶液及び、固形分濃度8.6質量%磨砕処理水酸化カルシウムスラリー(BET比表面積:7.9m2/g シュウ酸反応性:12分30秒 特開第2017-036176号公報)を調製した。リン酸二水素ナトリウム・2水和物水溶液をステンレスビーカーに入れ、撹拌しながら60℃に加温し撹拌停止まで維持した。10%NaOH水溶液を添加してpHを6.0に調整した。そこに水酸化カルシウムスラリーを30分かけて添加した。添加終了後、更に1時間撹拌したあとに、ろ過、水洗、及び80℃にて乾燥させ、ヒドロキシアパタイト粒子(粉体)を得た。
Ca/Pモル比が0.5になるように、10.7質量%リン酸二水素ナトリウム・2水和物水溶液及び、固形分濃度8.6質量%磨砕処理水酸化カルシウムスラリー(BET比表面積7.9m2/g シュウ酸反応性:12分30秒 特開第2017-036176号公報)を調製した。リン酸二水素ナトリウム・2水和物水溶液をステンレスビーカーに入れ、撹拌しながら40℃に加温し撹拌停止まで維持した。10%NaOH水溶液を添加してpHを5.5に調整した。そこに水酸化カルシウムスラリーを50分かけて添加した。添加終了後、更に1時間撹拌したあとに、ろ過、水洗、及び80℃にて乾燥させ、ヒドロキシアパタイト粒子(粉体)を得た。
Ca/Pモル比が0.5になるように、10.7質量%リン酸二水素ナトリウム無水物水溶液及び、固形分濃度8.6質量%磨砕処理水酸化カルシウムスラリー(BET比表面積7.9m2/g シュウ酸反応性:12分30秒 特開第2017-036176号公報)を調製した。リン酸二水素ナトリウム無水物水溶液をステンレスビーカーに入れ、撹拌しながら80℃に加温した。pHは4.2のまま調整しなかった。そこに水酸化カルシウムスラリーを30分かけて添加した。添加終了後、更に1時間撹拌したあとに、ろ過、水洗、及び80℃にて乾燥させ、ヒドロキシアパタイト粒子(粉体)を得た。
Ca/Pモル比が0.5になるように、10.7質量%リン酸二水素ナトリウム無水物水溶液及び、固形分濃度8.6質量%磨砕処理水酸化カルシウムスラリー(BET比表面積7.9m2/g シュウ酸反応性:12分30秒 特開第2017-036176号公報)を調製した。リン酸二水素ナトリウム無水物水溶液をステンレスビーカーに入れ、撹拌しながら60℃に加温した。pHは4.2のまま調整しなかった。そこに水酸化カルシウムスラリーを30分かけて添加した。添加終了後、更に1時間撹拌したあとに、ろ過、水洗、及び80℃にて乾燥させ、ヒドロキシアパタイト微粒子(粉末)を得た。
Ca/Pモル比が0.5になるように、10.7質量%リン酸二水素ナトリウム無水物水溶液及び、固形分濃度8.6質量%磨砕処理水酸化カルシウムスラリー(BET比表面積7.9m2/g シュウ酸反応性:12分30秒 特開第2017-036176号公報)を調製した。水酸化カルシウムスラリーをステンレスビーカーに入れ、撹拌しながら40℃に加温した。そこにリン酸二水素ナトリウム無水物水溶液(pH:4.2)を30分かけて添加した。添加終了後、更に1時間撹拌したあとに、ろ過、水洗、及び80℃にて乾燥させ、ヒドロキシアパタイト得られたヒドロキシアパタイト粒子(粉体)を得た。
Ca/Pモル比が0.5になるように、10.7質量%リン酸二水素ナトリウム・2水和物水溶液及び、固形分濃度8.6質量%磨砕処理水酸化カルシウムスラリー(特開第2017-036176号公報)を調製した。リン酸二水素ナトリウム・2水和物水溶液をステンレスビーカーに入れ、撹拌しながら60℃に加温し撹拌停止まで維持した。pHは4.2のまま調整しなかった。そこに水酸化カルシウムスラリーを45分かけて添加した。添加終了後、更に1時間撹拌したあとに、ろ過、水洗、及び80℃にて乾燥させ試料を得た。
Ca/Pモル比が0.5になるように、10.7質量%リン酸二水素ナトリウム・2水和物水溶液及び、固形分濃度8.6質量%高純度水酸化カルシウムスラリー(BET比表面積:2.4m2/g、シュウ酸反応性:25秒 特開第2011-126772号公報)を調製した。リン酸二水素ナトリウム・2水和物水溶液をステンレスビーカーに入れ、撹拌しながら60℃に加温し撹拌停止まで維持した。10%NaOH水溶液を添加してpHを5.5に調整した。そこに水酸化カルシウムスラリーを30分かけて添加した。添加終了後、更に1時間撹拌したあとに、ろ過、水洗、及び80℃にて乾燥させ、試料を得た。
Ca/Pモル比が0.5になるように、10.7質量%リン酸二水素ナトリウム・2水和物水溶液及び、固形分濃度8.6質量%磨砕処理水酸化カルシウムスラリー(BET比表面積7.9m2/g シュウ酸反応性:12分30秒 特開第2017-036176号公報)を調製した。リン酸二水素ナトリウム・2水和物水溶液をステンレスビーカーに入れ、10%NaOH水溶液を添加してpHを5.5に調整した。そこに水酸化カルシウムスラリーを50分かけて添加した。添加終了後、更に1時間撹拌したあとに撹拌を停止し、9日間常温で静置後、ろ過、水洗、及び80℃にて乾燥させ、ヒドロキシアパタイト粒子(粉体)を得た。
Ca/Pモル比が0.5になるように、10.7質量%リン酸二水素ナトリウム・2水和物水溶液及び、固形分濃度8.6質量%磨砕処理水酸化カルシウムスラリー(特開第2017-036176号公報)を調製した。リン酸二水素ナトリウム・2水和物水溶液をステンレスビーカーに入れ、撹拌しながら80℃に加温し撹拌停止まで維持した。pHは4.2のまま調整しなかった。そこに水酸化カルシウムスラリーを50分かけて添加した。添加終了後、更に1時間撹拌したあとに、ろ過、水洗、及び80℃にて乾燥させ試料を得た。
[試験目的]
ヒドロキシアパタイト粒子の口腔内での反応性を評価するべく、人工唾液浸漬前後の結晶性の変化を粉末X線回折装置により測定した。
実施例1と同様にして得られたヒドロキシアパタイト粒子0.5gを人工唾液(CaCl2:1.5mM,KH2PO4:0.9mM,KCl:130mM,HEPES:20mM,pH7.0(KOH))200mLに7日間浸漬させた。吸引ろ過によりろ別した粉体を粉末X線回折装置により測定し、人工唾液浸漬前後での結晶性の変化を観測した。
・使用機種:Miniflex II (株式会社リガク)
・開始角度:20°
・終了角度:40°
・サンプリング幅:0.02°
・スキャンスピード:4.0°/min
・ターゲット:Cu、
・管電圧:30kV
・管電流:15mA
・発散スリット:1.25°
・散乱スリット:8.0mm
・受光スリット:0.3mm。
[試験目的]
ヒドロキシアパタイト粒子の象牙細管を封鎖する能力を評価するべく、ウシ象牙質表面をヒドロキシアパタイト粒子液でブラッシングし、象牙細管の封鎖度合いを電子顕微鏡(SEM)観察で調べた。
象牙質ブロック(サンプル)の作成
1. ウシ抜去歯根面部の象牙質を5×5mmのサイズに切り出した。
2. 切り出した歯片をレジン樹脂(ポリメチルメタクリレート)に埋没、ブロックを作成し、耐水研磨紙を用いて研磨し、表面出しを行った。
3. 当該象牙質ブロックを5%w/w EDTA水溶液(pH7.0)に2分間浸漬させた。
4. 蒸留水中で5分間超音波処理を行った。
5. 実施例1と同様にして得られたヒドロキシアパタイト粒子0.3gを粘性希釈液39.7gに懸濁させ、ヒドロキシアパタイト粒子を液得た。なお、当該粘性希釈液は、0.5w/w% カルボキシメチルセルロースナトリウム、10w/w% グリセリンを含む水溶液である。
6. ヒドロキシアパタイト粒子液(40g)中で、象牙質ブロックを30秒間歯ブラシ(GUM #211)でブラッシングした(ストローク:150rpm、荷重:160g)。
7. 象牙質ブロックを水洗したのち、人工唾液(CaCl2:1.5mM,KH2PO4:0.9mM,KCl:130mM,HEPES:20mM,pH7.0(KOH))に5分間浸漬させた。
8. 上記操作1と2を6回繰り返した。
9. 表面を蒸着処理した後、電子顕微鏡にて観察した。
{蒸着処理}
・使用機種:MCI1000(株式会社日立ハイテクノロジーズ)
・電流:20mA
・処理時間:120秒
{SEM観察}
・使用機種:S-3400N(株式会社日立ハイテクノロジーズ)
・検出器:SE(二次電子像)
・印加電圧:5kV
・プローブ電流:50mA
・倍率:25000倍。
[試験目的]
ヒドロキシアパタイト粒子の象牙細管内で固着する能力を評価するべく、ウシ象牙質表面をヒドロキシアパタイト粒子溶液でブラッシングした後、象牙質裏面から水圧をかけ、その水圧にヒドロキシアパタイト粒子の封鎖が耐えたかどうかを電子顕微鏡(SEM)観察で調べた。
象牙質ディスク(サンプル)の作成
1. ウシ抜去歯根面部の象牙質を5×5mmのサイズに切り出した。
2. 切り出した歯片を耐水研磨紙で研磨した。
3. 得られた象牙質ディスクを5%w/w EDTA水溶液(pH7.0)に2分間浸漬させた。
4. 蒸留水中で5分間超音波処理を行った。
5. 実施例1と同様にして得られたヒドロキシアパタイト粒子1gを粘性希釈液39gに懸濁させ、ヒドロキシアパタイト粒子液を得た。なお、当該粘性希釈液は、0.5w/w% カルボキシメチルセルロースナトリウム、10w/w% グリセリンを含む水溶液である。
6. ヒドロキシアパタイト粒子液(40g)中で、象牙質ディスクを30秒間歯ブラシ(GUM #211)でブラッシングした(ストローク:150rpm、荷重:160g)。
7. ディスクを水洗したのち、人工唾液(CaCl2:1.5mM,KH2PO4:0.9mM,KCl:130mM,HEPES:20mM,pH7.0(KOH))に5分間浸漬させた。
8. 上記操作1と2を6回繰り返した。
9. 人工唾液に7日間浸漬させた。
10. ブラッシング処理後の象牙質ディスクを、pashleyらの報告(Pashley DH, Galloway SE. The effects of oxalate treatment on the smear layer of ground surfaces of human dentin. Arch Oral Biol 1983; 30: 731-737.)を参考にした装置を用いて0.1MPaで30分加圧した。
11. 表面を蒸着処理した後、電子顕微鏡にて観察した。
{蒸着処理}
・使用機種:MCI1000(株式会社日立ハイテクノロジーズ)
・電流:20mA
・処理時間:120秒
{SEM観察}
・使用機種:S-3400N(株式会社日立ハイテクノロジーズ)
・検出器:SE(二次電子像)
・印加電圧:5kV
・プローブ電流:50mA
・倍率:25000倍。
[試験目的]
素材配合のハミガキ製剤の象牙細管を封鎖する能力を確認するべく、ウシ象牙質表面を素材溶液でブラッシングし、象牙細管の封鎖度合いを電子顕微鏡(SEM)で調べた。
象牙質ブロック(サンプル)の作成
1. ウシ抜去歯根面部の象牙質を5×5 mmのサイズに切り出した。
2. 切り出した歯片をレジン樹脂(ポリメチルメタクリレート)に埋没、ブロックを作成し、耐水研磨紙を用いて研磨し、表面出しを行った。
3. 当該象牙質ブロックを5w/w% EDTA 水溶液(pH 7.0)に2分間浸漬させた。
4. 蒸留水中で5分間超音波処理を行った。
5. 実施例1と同様にして得られたヒドロキシアパタイト粒子を3w/w%配合した歯磨剤10 gを常法により調製した。当該歯磨剤の組成を以下の表1に示す。なお、以下、表中の配合量の単位「%」は質量%を示す。
6. 当該歯磨剤10gを蒸留水で4倍希釈し、歯磨剤溶液を得た。当該歯磨剤溶液(40 g)中で、象牙質ブロックを30秒間歯ブラシ(GUM #211)でブラッシングした (ストローク:150rpm、荷重:160g)。
7. 象牙質ブロックを水洗したのち、人工唾液(CaCl2: 1.5mM, KH2PO4:0.9mM, KCl: 130mM, HEPES: 20mM, pH 7.0(KOH))に5分間浸漬させた。
8. 上記操作1と2を6回繰り返した。
9. 表面を蒸着処理した後、電子顕微鏡にて観察した。
{蒸着処理}
・使用機種: MCI1000 (株式会社日立ハイテクノロジーズ)
・電流: 20mA
・処理時間: 120秒
{SEM観察}
・使用機種: S-3400N (株式会社日立ハイテクノロジーズ)
・検出器:SE (二次電子像)
・印加電圧:5 kV
・プローブ電流 50mA
・倍率: 25000倍
[試験目的]
ヒドロキシアパタイト粒子配合のゲル製剤の象牙細管を封鎖する能力を確認するべく、ウシ象牙質表面にソフトピック(ゴム製の歯間ブラシ)を用いてゲル製剤を塗布し、象牙細管の封鎖度合いを電子顕微鏡(SEM)で調べた。
象牙質ブロック(サンプル)の作成
1. ウシ抜去歯根面部の象牙質を5×5 mmのサイズに切り出した。
2. 切り出した歯片をレジン樹脂(ポリメチルメタクリレート)に埋没、ブロックを作成し、耐水研磨紙を用いて研磨し、表面出しを行った。
3. 当該象牙質ブロックを5w/w% EDTA 水溶液(pH 7.0)に2分間浸漬させた。
4. 蒸留水中で5分間超音波処理を行った。
5. 当該象牙質ブロック2つを、象牙質表面が間隔1.1 mmで向かい合うようにテープで固定し、疑似的歯間空隙とした。
6. ソフトピック(ガム・ソフトピック カーブ型:サンスター株式会社)のブラシ部分に、実施例1と同様にして得られたヒドロキシアパタイト粒子を含有する(あるいは含有しない)ゲル製剤を載せ、空隙に挿入して5往復させた。なお、当該ゲル製剤の組成を以下の表2に示す。
7. 象牙質ブロックを水洗した。
8. 表面を蒸着処理した後、電子顕微鏡にて観察した。
{蒸着処理}
・使用機種: MCI1000 (株式会社日立ハイテクノロジーズ)
・電流: 20mA
・処理時間: 120秒
{SEM観察}
・使用機種: S-3400N (株式会社日立ハイテクノロジーズ)
・検出器:SE (二次電子像)
・印加電圧:5 kV
・プローブ電流 50mA
・倍率: 25000倍
[試験目的]
ヒドロキシアパタイト粒子配合のゲル製剤の抗知覚過敏に関する臨床効果を検討した。なお、当該検討において、ヒドロキシアパタイト粒子として実施例1と同様にして得られたヒドロキシアパタイト粒子を用いた。
(i)ヒドロキシアパタイト粒子、乳酸アルミニウム、及び硝酸カリウムを含有するゲル製剤(HAp+Al+K)、(ii)乳酸アルミニウム及び硝酸カリウムを含有するゲル製剤(Al+K)、並びに(iii)硝酸カリウムを含有するゲル製剤(K)、の3製剤での比較を行った。これらのゲル製剤の組成を以下の表3に示す。
被験者にジェル製剤(試験品)を1日2回(朝・晩)(起床後や食事後、就寝前等の規定はせず、各自の口腔清掃習慣に合わせることとする。)使用させた。具体的には、まず、指定のハブラシ(ガム・プロズデンタルブラシ#3C:サンスター株式会社)と歯磨剤(コープ ノンフォームハミガキ N)でブラッシング後、約10 mlの水で20秒間洗口させ(ブラッシング時間の規定はしない。)、その後にジェル製剤を使用させた。ジェル製剤の使用は、具体的には、被験歯1歯に対し、ジェル製剤(試験品)約0.04 g(米粒大くらい)をタフトブラシ(バトラーシングルタフトブラシ#01F:サンスター株式会社)で被験部位に塗布し、被験部位とその両隣接歯を1歯につき5秒以上ブラッシングさせた。被験部位と両隣接歯との歯間に指定の歯間清掃具(ガム・ソフトピック カーブ型:サンスター株式会社)を挿入可能な場合は、当該歯間清掃具を被験部位と両隣接歯との歯間部に頬側から挿入し、5回往復させた。ジェル製剤(試験品)の使用後、約10 mlの水で20秒間洗口させた。
<参考例>
表4に示す各成分を混合して各口腔用組成物を調製した。なお、表4に示す各成分の数値は質量%を示す。得られた各口腔用組成物を無色透明なガラス容器(柏洋硝子製)に60mL以上充填し、55℃、暗所にて6ヶ月間保存した。その後、各口腔用組成物の色差を次のようにして測定した。保存後の口腔用組成物をポリスチレン製の容器に高さ2cmとなるよう充填し、白板の上でFD-5(コニカミノルタ社製蛍光分光濃度計)にて撮影を行った。撮影条件は一定の照明、シャッター速度、しぼり、焦点距離とした。6か所の被測定部位のL*a*b*表色系におけるb*を測定し、平均値を算出して黄変色(黄ばみ)の評価の指標とした。当該結果も表4にあわせて示す。
実施例1と同様にして得られたヒドロキシアパタイト粒子(実施例1手順製造HAp)又は市販ヒドロキシアパタイト粒子(市販HAp(富田製薬(株)製);上記試薬HApとは別の市販ヒドロキシアパタイト)、並びに乳酸アルミニウムを用いて、口腔用組成物を調製した。具体的には、表5に示す各成分を混合して各口腔用組成物を調製した。なお、表5に示す各成分の数値は質量%を示す。また、実施例1手順製造HAp及び市販HApについて、上記実施例1と同様にしてX線結晶回折を行ったところ、2θ=26°付近の(002)面による回折ピーク強度比に対する、2θ=32°付近の(211)面による回折ピーク強度の比が、実施例1手順製造HApは1.44、市販HApでは2.72であった。また、乳酸アルミニウムを配合した組成物には、pHを7付近に調整するために苛性ソーダも配合した。なお、比較例1bの組成は、参考例1の組成と同じである。
Claims (8)
- ヒドロキシアパタイト粒子、アルギン酸若しくはその塩、及び乳酸アルミニウムを含有する口腔用組成物であって、
前記ヒドロキシアパタイト粒子が、CuKα特性X線により測定される粉末X線回折パターンにおける2θ=26°付近の回折ピーク強度に対する2θ=32°付近の回折ピーク強度の比が0.8~1.5であり、
前記ヒドロキシアパタイト粒子を1~10質量%
アルギン酸若しくはその塩を0.5~5質量%
乳酸アルミニウムを1~3質量%
含有する、
口腔用組成物。 - 前記ヒドロキシアパタイト粒子のCa/Pモル比が1.67未満である、請求項1に記載の口腔用組成物。
- 前記ヒドロキシアパタイト粒子のメジアン径が5μm以下である、請求項1又は2に記載の口腔用組成物。
- 前記ヒドロキシアパタイト粒子の比表面積が55~200m2/gである、請求項1~3のいずれかに記載の口腔用組成物。
- 前記ヒドロキシアパタイト粒子が、CuKα特性X線により測定される粉末X線回折パターンにおける2θ=32°付近の回折ピーク強度に対する2θ=34°付近の回折ピーク強度の比が1以下である、請求項1~4のいずれかに記載の口腔用組成物。
- 前記ヒドロキシアパタイト粒子が、ヒドロキシアパタイト板状結晶の凝集体である、
請求項1~5のいずれかに記載の口腔用組成物。 - さらに、硝酸カリウムを含有する、請求項1~6のいずれかに記載の口腔用組成物。
- 知覚過敏予防又は改善用である、請求項1~7のいずれかに記載の口腔用組成物。
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