JP7341661B2 - ネイティブに対合するt細胞受容体配列のt細胞受容体標的識別のための高スループットプロセス - Google Patents

ネイティブに対合するt細胞受容体配列のt細胞受容体標的識別のための高スループットプロセス Download PDF

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相互参照
本出願は、2015年9月25日に出願された米国仮出願番号第62/232,511号に基づく優先権を主張しており、この仮出願は、その全体が参考として本明細書中に援用される。
背景
Tリンパ球またはT細胞は、ヒトおよび他の動物における適応免疫系の不可欠な成分である。これらは、生物内の細胞媒介性免疫の重要な部分を構成する。細胞傷害性T細胞およびヘルパーT細胞を含む、多くのT細胞サブセットが存在する。細胞傷害性T細胞(CD8T細胞としても既知)は、異常な細胞、例えば、ウイルス感染細胞または腫瘍細胞を死滅させる。ヘルパーT細胞(CD4T細胞としても既知)は、他の免疫細胞の活性化および成熟を助ける。
細胞傷害性T細胞およびヘルパーT細胞は共に、そのそれぞれの応答を誘発する特異的標的抗原の認識に引き続いて、それらの機能を実行する。T細胞の抗原特異性は、T細胞の表面上で発現されるT細胞受容体(TCR)によって規定される。T細胞受容体は、最も一般的にはアルファおよびベータ鎖である2つのポリペプチド鎖から構成されるヘテロ二量体タンパク質であるが、少数のT細胞は、ガンマおよびデルタ鎖を発現する。TCRの特定のアミノ酸配列および結果として生じる三次元構造が、TCRの抗原特異性および親和性を規定する。任意の個々のT細胞についてのTCR鎖のアミノ酸およびコードするDNAの配列は、ほとんどの場合、生物のTCRレパートリー全体において固有であるまたは非常に低い存在量であるが、それは、膨大な数の可能なTCR配列が存在するからである。この大きい配列多様性は、いくつかの細胞機構を介したT細胞の発生の間に達成され、多様な潜在的抗原に応答する免疫系の能力の重要な一局面である。
TCR標的抗原は、抗原提示細胞(APC)によって提示されるペプチドである。APCの細胞表面上で、ペプチドは、ヒトではヒト白血球抗原(HLA)と呼ばれる主要組織適合性複合体(MHC)タンパク質との複合体中でT細胞に提示される。MHCクラスIタンパク質は、ペプチド抗原を細胞傷害性T細胞に提示し、MHCクラスIIタンパク質は、ペプチド抗原をヘルパーT細胞に提示する。MHC遺伝子は、高度に多型であり、したがって、任意の生物についてのMHCタンパク質の特定のセットは、その種内のほとんどまたは全ての他の生物とは実質的に異なる場合が多い。
TCR-抗原認識が生じるために、T細胞は、TCRの同族ペプチドを提示するAPCと相互作用する。このペプチドは、TCRによって認識されるMHC分子との複合体中になければならず、CD8T細胞ではMHC-Iタンパク質またはCD4T細胞ではMHC-IIタンパク質のいずれかで、T細胞型と適合性である。適切なTCR-抗原/MHC認識の際に、T細胞は活性化されて、種々の細胞効果をもたらす。
要旨
ハイスループット単一細胞分析に由来する多数のTCRの抗原特異性をスクリーニングおよび決定するための方法および組成物が、本明細書で開示されている。一態様では、ハイスループット並行単一細胞配列決定を使用して、対象由来の生物学的試料から、複数のネイティブに対合したTCR鎖を識別するステップ;1つまたは複数の操作された細胞においてTCRポリペプチドを発現させるステップであって、このTCRポリペプチドが、ネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含む、ステップ;1つまたは複数の操作された細胞を、複数の操作された抗原提示細胞(APC)のうちの1つまたは複数に接触させるステップであって、複数の操作されたAPCの各操作されたAPCが、異なる抗原ポリペプチドを含む、ステップ;複数の操作されたAPCのうちの反応性の操作されたAPCを識別するステップであって、この反応性の操作されたAPCが、TCRポリペプチドを発現する操作された細胞に対する反応性を有し、そして/またはTCRポリペプチドを発現する操作された細胞に対する応答を示す、ステップ;および選択されたAPCの抗原ポリペプチドを決定するステップであって、それによって、ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップを含む方法が、本明細書で提供される。
一態様では、ハイスループット並行単一細胞配列決定を使用して、対象由来の生物学的試料から、複数のネイティブに対合したTCR鎖を識別するステップ;1つまたは複数の操作された細胞においてTCRポリペプチドを発現させるステップであって、このTCRポリペプチドが、ネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含む、ステップ;1つまたは複数の操作された細胞を、複数の操作された抗原提示細胞(APC)のうちの1つまたは複数に接触させるステップであって、複数の操作されたAPCの各操作されたAPCが、異なる抗原ポリペプチドを含む、ステップ;複数の操作されたAPCのうちの活性化している操作されたAPCを識別するステップであって、この活性化している操作されたAPCが、TCRポリペプチドを発現する操作された細胞を活性化する、ステップ;および選択され操作されたAPCの抗原ポリペプチドを決定するステップであって、それによって、ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップを含む方法が、本明細書で提供される。
一態様では、ハイスループット並行単一細胞配列決定を使用して、対象由来の生物学的試料から、複数のネイティブに対合したTCR鎖を識別するステップ;1つまたは複数の操作された細胞においてTCRポリペプチドを発現させるステップであって、このTCRポリペプチドが、ネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含む、ステップ;1つまたは複数の操作された細胞を、複数の操作された抗原提示細胞(APC)のうちの1つまたは複数に接触させるステップであって、複数の操作されたAPCの各操作されたAPCが、異なる抗原ポリペプチドを提示する、ステップ;複数の操作されたAPCのうちの反応性の操作されたAPCを識別するステップであって、この反応性の操作されたAPCが、TCRポリペプチドを発現する操作された細胞に対する反応性を有し、そして/またはTCRポリペプチドを発現する操作された細胞に対する応答を示す、ステップ;および選択され操作されたAPCの細胞表面上に提示される抗原ポリペプチドを決定するステップであって、それによって、ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップを含む方法が、本明細書で提供される。
一態様では、ハイスループット並行単一細胞配列決定を使用して、対象由来の生物学的試料から、複数のネイティブに対合したTCR鎖を識別するステップ;1つまたは複数の操作された細胞においてTCRポリペプチドを発現させるステップであって、このTCRポリペプチドが、ネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含む、ステップ;1つまたは複数の操作された細胞を、複数の操作された抗原提示細胞(APC)のうちの1つまたは複数に接触させるステップであって、複数の操作されたAPCの各操作されたAPCが、異なる抗原ポリペプチドを提示する、ステップ;複数の操作されたAPCのうちの活性化している操作されたAPCを識別するステップであって、この活性化している操作されたAPCが、TCRポリペプチドを発現する操作された細胞を活性化する、ステップ;および選択され操作されたAPCの細胞表面上に提示される抗原ポリペプチドを決定するステップであって、それによって、ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップを含む方法が、本明細書で提供される。
一態様では、ハイスループット並行単一細胞配列決定を使用して、対象由来の生物学的試料から、複数のネイティブに対合したTCR鎖を識別するステップ;1つまたは複数の操作された細胞においてTCRポリペプチドを発現させるステップであって、このTCRポリペプチドが、ネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含む、ステップ;1つまたは複数の操作された細胞を、複数の操作された抗原提示細胞(APC)に接触させるステップであって、複数の操作されたAPCの各操作されたAPCが、異なる抗原ポリペプチドを含む、ステップ;複数の操作されたAPCのうちの反応性の操作されたAPCを識別するステップであって、この反応性の操作されたAPCが、TCRポリペプチドを発現する操作された細胞に対する反応性を有し、そして/またはTCRポリペプチドを発現する操作された細胞に対する応答を示す、ステップ;および選択されたAPCの抗原ポリペプチドを決定するステップであって、それによって、ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップを含む方法が、本明細書で提供される。
一態様では、ハイスループット並行単一細胞配列決定を使用して、対象由来の生物学的試料から、複数のネイティブに対合したTCR鎖を識別するステップ;1つまたは複数の操作された細胞においてTCRポリペプチドを発現させるステップであって、このTCRポリペプチドが、ネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含む、ステップ;1つまたは複数の操作された細胞を、複数の操作された抗原提示細胞(APC)のうちの1つまたは複数に接触させるステップであって、複数の操作されたAPCの各操作されたAPCが、異なる抗原ポリペプチドを含む、ステップ;TCRポリペプチドを発現する1つもしくは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する反応性を有し、そして/またはTCRポリペプチドを発現する1つもしくは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する応答を示す、操作されたAPCの抗原ポリペプチドを決定するステップ、ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップであって、この決定された標的抗原が、TCRポリペプチドを発現する1つもしくは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する反応性を有し、そして/またはTCRポリペプチドを発現する1つもしくは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する応答を示す、操作されたAPCの抗原ポリペプチドである、ステップを含む方法が、本明細書で提供される。
一態様では、ハイスループット並行単一細胞配列決定を使用して、対象由来の生物学的試料から、複数のネイティブに対合したTCR鎖を識別するステップ;1つまたは複数の操作された細胞においてTCRポリペプチドを発現させるステップであって、このTCRポリペプチドが、識別されたネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含む、ステップ;1つまたは複数の操作された細胞を、複数の操作された抗原提示細胞(APC)のうちの1つまたは複数に接触させるステップであって、複数の操作されたAPCの各操作されたAPCが、異なる抗原ポリペプチドを提示する、ステップ;TCRポリペプチドを発現する1つもしくは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する反応性を有し、そして/またはTCRポリペプチドを発現する1つもしくは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する応答を示す、操作されたAPCの細胞表面上に提示される抗原ポリペプチドを決定するステップ;ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップであって、この決定された標的抗原が、TCRポリペプチドを発現する1つもしくは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する反応性を有し、そして/またはTCRポリペプチドを発現する1つもしくは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する応答を示す、操作されたAPCの細胞表面上に提示される抗原ポリペプチドである、ステップを含む方法が、本明細書で提供される。
一態様では、ハイスループット並行単一細胞配列決定を使用して、対象由来の生物学的試料から、複数のネイティブに対合したTCR鎖を識別するステップ;1つまたは複数の操作された細胞においてTCRポリペプチドを発現させるステップであって、このTCRポリペプチドが、識別されたネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含む、ステップ;1つまたは複数の操作された細胞を、複数の操作された抗原提示細胞(APC)のうちの1つまたは複数に接触させるステップであって、複数の操作されたAPCの各操作されたAPCが、異なる抗原ポリペプチドを含む、ステップ;TCRポリペプチドを発現する1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞を活性化する操作されたAPCの抗原ポリペプチドを決定するステップ;ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップであって、この決定された標的抗原が、TCRポリペプチドを発現する1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞を活性化する操作されたAPCの抗原ポリペプチドである、ステップを含む方法が、本明細書で提供される。
一態様では、ハイスループット並行単一細胞配列決定を使用して、対象由来の生物学的試料から、複数のネイティブに対合したTCR鎖を識別するステップ;1つまたは複数の操作された細胞においてTCRポリペプチドを発現させるステップであって、このTCRポリペプチドが、識別されたネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含む、ステップ;1つまたは複数の操作された細胞を、複数の操作された抗原提示細胞(APC)のうちの1つまたは複数に接触させるステップであって、複数の操作されたAPCの各操作されたAPCが、異なる抗原ポリペプチドを提示する、ステップ;TCRポリペプチドを発現する1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞を活性化する操作されたAPCの細胞表面上に提示される抗原ポリペプチドを決定するステップ;ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップであって、この決定された標的抗原が、TCRポリペプチドを発現する1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞を活性化する操作されたAPCの細胞表面上に提示される抗原ポリペプチドである、ステップを含む方法が、本明細書で提供される。
一態様では、1つまたは複数の操作された細胞を、複数の抗原提示細胞(APC)のうちの1つまたは複数に接触させるステップであって、1つまたは複数の操作された細胞が、対象由来の単一の免疫細胞のネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含むT細胞受容体(TCR)ポリペプチドを発現する、ステップ;TCRポリペプチドを発現する1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する複数のAPCのうちのAPCの反応性についてアッセイするステップ;TCRポリペプチドを発現する1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する反応性を有するAPCを選択するステップ;および選択されたAPCの抗原ポリペプチドを決定するステップであって、それによって、ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップを含む方法が、本明細書で提供される。
一態様では、1つまたは複数の操作された細胞を、複数の抗原提示細胞(APC)のうちの1つまたは複数に接触させるステップであって、1つまたは複数の操作された細胞が、対象由来の単一の免疫細胞のネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含むT細胞受容体(TCR)ポリペプチドを発現する、ステップ;TCRポリペプチドを発現する1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞による複数のAPCのうちのAPCの活性化についてアッセイするステップ;TCRポリペプチドを発現する1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞を活性化するAPCを選択するステップ;および選択されたAPCの抗原ポリペプチドを決定するステップであって、それによって、ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップを含む方法が、本明細書で提供される。
一態様では、1つまたは複数の操作された細胞を、複数の抗原提示細胞(APC)のうちの1つまたは複数に接触させるステップであって、1つまたは複数の操作された細胞が、対象由来の単一の免疫細胞のネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含むT細胞受容体(TCR)ポリペプチドを発現する、ステップ;TCRポリペプチドを発現する1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する反応性を有する複数のAPCのうちのAPCによって提示される抗原ポリペプチドを決定するステップ;およびネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップであって、この決定された標的抗原が、TCRポリペプチドを発現する1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する反応性を有する複数のAPCのうちのAPCによって提示される決定された抗原ポリペプチドである、ステップを含む方法が、本明細書で提供される。
一態様では、1つまたは複数の操作された細胞を、複数の抗原提示細胞(APC)に接触させるステップであって、1つまたは複数の操作された細胞が、対象由来の単一の免疫細胞のネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含むT細胞受容体(TCR)ポリペプチドを発現する、ステップ;TCRポリペプチドを発現する1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞によって活性化される複数のAPCのうちの活性化されたAPCによって提示される抗原ポリペプチドを決定するステップ;および天然TCR鎖ペアの標的抗原を決定するステップであって、この決定された標的抗原が、TCRポリペプチドを発現する1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞によって活性化される複数のAPCのうちの活性化されたAPCによって提示される決定された抗原ポリペプチドである、ステップを含む方法が、本明細書で提供される。
一態様では、1つまたは複数の操作された細胞を、疾患と関連する抗原ポリペプチドを提示する複数の操作された抗原提示細胞(APC)に接触させるステップであって、1つまたは複数の操作された細胞が、対象由来の単一の免疫細胞のネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含むT細胞受容体(TCR)ポリペプチドを発現する、ステップ;1つもしくは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞によって活性化されるか、または1つもしくは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する反応性を有する複数のAPCのうちの操作されたAPCを決定するステップ;1つもしくは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞によって活性化されるか、または1つもしくは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する反応性を有する複数のAPCのうちのその操作されたAPCを選択するステップを含む方法が、本明細書で提供される。
一態様では、1つまたは複数の操作された細胞を、複数の細胞を含む試料に接触させるステップであって、1つまたは複数の操作された細胞が、対象由来の単一の免疫細胞のネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含むT細胞受容体(TCR)ポリペプチドを発現する、ステップ;TCRポリペプチドを発現する1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する反応性と、複数の細胞のうちの細胞の複数の細胞を含む試料中の細胞に対する反応性とについてアッセイするステップ;複数の細胞を含む試料から、TCRポリペプチドを発現する1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する反応性を有する細胞を選択するステップ;および選択された細胞の抗原ポリペプチドを決定するステップであって、それによって、ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップを含む方法が、本明細書で提供される。
一態様では、1つまたは複数の操作された細胞を、複数の細胞を含む試料に接触させるステップであって、1つまたは複数の操作された細胞が、対象由来の単一の免疫細胞のネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含むT細胞受容体(TCR)を発現する、ステップ;TCRポリペプチドを発現する1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞による複数の細胞のうちの細胞の活性化と、複数の細胞を含む試料中の細胞による複数の細胞のうちの細胞の活性化とについてアッセイするステップ;複数の細胞を含む試料から、TCRポリペプチドを発現する1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞を活性化する細胞を選択するステップ;および選択された細胞の抗原ポリペプチドを決定するステップであって、それによって、ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップを含む方法が、本明細書で提供される。
一態様では、1つまたは複数の操作された細胞を、複数の細胞を含む試料に接触させるステップであって、1つまたは複数の操作された細胞が、対象由来の単一の免疫細胞のネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含むT細胞受容体(TCR)ポリペプチドを発現する、ステップ;複数の細胞を含む試料中の、TCRポリペプチドを発現する1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する反応性を有する細胞によって提示される抗原ポリペプチドを決定するステップ、ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップであって、この決定された標的抗原が、複数の細胞を含む試料中の、TCRポリペプチドを発現する1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する反応性を有する細胞によって提示される決定された抗原ポリペプチドである、ステップを含む方法が、本明細書で提供される。
一態様では、1つまたは複数の操作された細胞を、複数の細胞を含む試料に接触させるステップであって、1つまたは複数の操作された細胞が、対象由来の単一の免疫細胞のネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含むT細胞受容体(TCR)ポリペプチドを発現する、ステップ;複数の細胞を含む試料中の、TCRポリペプチドを発現する1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞を活性化する細胞によって提示される抗原ポリペプチドを決定するステップ、ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップであって、この決定された標的抗原が、複数の細胞を含む試料中の、TCRポリペプチドを発現する1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞を活性化する細胞によって提示される決定された抗原ポリペプチドである、ステップを含む方法が、本明細書で提供される。
一部の実施形態では、複数のネイティブに対合したTCR鎖は、同時に、または単一の反応から識別される。
一部の実施形態では、このAPCは、操作されたAPCである。
一部の実施形態では、このTCRポリペプチドは、外因性ポリヌクレオチドから発現される。一部の実施形態では、この抗原ポリペプチドは、外因性ポリヌクレオチド配列から発現される。一部の実施形態では、複数の操作されたAPCの各操作されたAPCは、異なる抗原をコードする外因性ポリヌクレオチド配列から発現される抗原ポリペプチドを含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の操作された細胞は、外因性ポリヌクレオチド配列からTCRポリペプチドを発現する。
一部の実施形態では、この外因性ポリヌクレオチド配列は、第1のT細胞受容体(TCR)鎖および第2のTCR鎖をコードする。一部の実施形態では、この第1および第2のTCR鎖は、ネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含む。
一部の実施形態では、操作された細胞によって活性化されるか、または操作されたAPCに対する反応性を有する操作されたAPCは、免疫療法薬としての使用のためである。一部の実施形態では、この操作されたAPCは、複数の操作された細胞を認識する複数の操作されたAPCを含む。
一部の実施形態では、複数の操作されたAPCは、少なくとも1つのMHC型を発現する。一部の実施形態では、複数の操作されたAPCは、少なくとも2つのMHC型を発現する。一部の実施形態では、操作された細胞によって活性化されるか、または操作された細胞に対する反応性を有する操作されたAPCは、操作された細胞のTCRポリペプチドに特異的なMHC型を発現する。一部の実施形態では、複数の操作された細胞は、複数の操作されたAPC中の操作されたAPCによって発現されるMHC型に特異的なTCRポリペプチドを発現する。
一部の実施形態では、疾患と関連する抗原ポリペプチドは既知である。一部の実施形態では、1つまたは複数の操作された細胞は、第1の対象由来の第1の複数の操作された細胞と第2の対象由来の第2の複数の操作された細胞とを含み、複数の操作されたAPCは、第1の複数の操作されたAPCと第2の複数の操作されたAPCとを含む。一部の実施形態では、この方法は、第1の複数の操作された細胞を、第1の複数のAPCに接触させるステップ、および第2の複数の操作された細胞を、第2の複数のAPCに接触させるステップを含む。一部の実施形態では、第1の複数の操作されたAPCと第2の複数の操作されたAPCとは、同じ抗原ポリペプチドを提示する。一部の実施形態では、第1の複数の操作されたAPCは、第1のMHC型を発現し、第2の複数の操作されたAPCは、第2のMHC型を発現する。
一部の実施形態では、第1の複数の操作された細胞は、第1の複数の操作されたAPCによって発現される第1のMHC型に特異的な第1のTCRポリペプチドを発現し、第2の複数の操作された細胞は、第2の複数の操作されたAPCによって発現される第2のMHC型に特異的な第2のTCRポリペプチドを発現する。一部の態様では、第1のTCRポリペプチドおよび第2のTCRポリペプチドを含むTCRポリペプチドのライブラリーが提供される。一部の実施形態では、第1のTCRポリペプチドは、抗原ポリペプチドと第1のMHC型のMHCとを含む複合体に特異的であり、第2のTCRポリペプチドは、抗原ポリペプチドと第2のMHC型のMHCとを含む複合体に特異的である。
一部の実施形態では、このTCRポリペプチドは、免疫療法薬としての使用のためである。
一部の実施形態では、この方法は、ハイスループット並行単一細胞配列決定を使用して、対象由来の生物学的試料から、複数のネイティブに対合したTCR鎖を識別するステップであって、複数のネイティブに対合したTCR鎖が、同時に、または単一の反応から識別される、ステップをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、同時に、または単一の反応から識別されたこの識別されたネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つを発現する1つまたは複数の操作された細胞を生成するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、このAPCは、罹患対象由来である。
一部の実施形態では、この試料細胞は、対象由来である。一部の実施形態では、この試料細胞は細胞株である。一部の実施形態では、この試料細胞は、罹患対象由来である。一部の実施形態では、この抗原提示細胞は、がんを有する対象由来である。一部の実施形態では、この抗原提示細胞は、ウイルスが感染した対象由来である。一部の実施形態では、この抗原提示細胞は、単一の免疫細胞と同じ対象由来である。一部の実施形態では、この抗原提示細胞は、単一の免疫細胞を含む対象のMHCレパートリーと類似の主要組織適合性複合体(MHC)レパートリーを有する対象由来である。一部の実施形態では、この抗原提示細胞は、単一の免疫細胞を含む対象のMHCハプロタイプと類似の主要組織適合性複合体(MHC)ハプロタイプを有する対象由来である。一部の実施形態では、この抗原提示細胞は、単一の免疫細胞を含む対象と適合性の主要組織適合性複合体(MHC)レパートリーを有する対象由来である。一部の実施形態では、この操作されたAPCは、対象とマッチしたMHC遺伝子を発現するように操作される。一部の実施形態では、この操作されたAPCは、K562細胞株に由来する。一部の実施形態では、TCRポリペプチドを発現する操作された細胞は、Jurkat細胞株に由来する。一部の実施形態では、この抗原提示細胞は初代細胞である。一部の実施形態では、この抗原提示細胞は細胞株である。一部の実施形態では、対象由来の抗原提示細胞(APC)は、TCRポリペプチドを発現する操作された細胞に対する反応性を有する。一部の実施形態では、対象由来の抗原提示細胞(APC)は、TCRポリペプチドを発現する操作された細胞によって活性化される。
一部の実施形態では、この方法は、操作されたAPCを単離するステップをさらに含む。一部の実施形態では、操作されたAPCの抗原を決定するステップは、操作されたAPCによって提示される抗原をコードする操作されたAPCの配列を配列決定することを含む。一部の実施形態では、この操作されたAPCは、蛍光活性化セルソーティングによって単離される。
一部の実施形態では、この方法は、第1のT細胞受容体(TCR)鎖および第2のTCR鎖をコードする外因性ポリヌクレオチド配列をトランスフェクトするステップをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、異なる抗原をコードする外因性ポリヌクレオチド配列をトランスフェクトするステップをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、操作されたAPCの細胞表面に異なる抗原を添加するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、この方法は、接触させるステップの前に、対象由来の単一の免疫細胞のネイティブに対合したTCR鎖配列を決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、この方法は、複数のネイティブに対合したTCR鎖の各々の標的抗原を決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、この操作された細胞は、ネイティブに対合したTCR鎖配列の異なるペアを各々が発現する複数の操作された細胞を含む。
一部の実施形態では、この操作された細胞は、内因性TCRポリペプチドを発現しない操作されたT細胞である。一部の実施形態では、この操作された細胞は、内因性TCR遺伝子を転写しない操作されたT細胞である。一部の実施形態では、この操作された細胞は、内因性TCR遺伝子を含まない操作されたT細胞である。一部の実施形態では、この操作された細胞は、TCRノックアウト細胞である操作されたT細胞である。一部の実施形態では、この操作された細胞はT細胞である。一部の実施形態では、この操作された細胞は、CD4を発現する。一部の実施形態では、この操作された細胞は、CD8を発現する。
一部の実施形態では、この抗原提示細胞は、異なる抗原を各々が提示する複数の抗原提示細胞を含む。一部の実施形態では、このアッセイするステップの抗原提示細胞は、別々のベッセル中にある。
一部の実施形態では、このAPCは、外因性レポーター配列を含む。一部の実施形態では、このAPCは、レポーター遺伝子をコードする外因性レポーター配列を含む。一部の実施形態では、このレポーター遺伝子はルシフェラーゼ遺伝子である。一部の実施形態では、このレポーター遺伝子は、蛍光タンパク質をコードする。一部の実施形態では、このレポーター遺伝子は、細胞表面タンパク質をコードする。一部の実施形態では、細胞表面に発現されたタンパク質リガンドの、操作されたAPC上の合成Notch(synNotch)受容体への結合は、レポーター遺伝子の発現を引き起こす。一部の実施形態では、この細胞表面に発現されたタンパク質リガンドは、操作された細胞によって発現される。一部の実施形態では、この細胞表面に発現されたタンパク質リガンドは、誘導性プロモーターの制御下にある。一部の実施形態では、この誘導性プロモーターはNFATプロモーターである。一部の実施形態では、このsynNotch受容体が切断され、GAL4-VP64ドメインなどの転写アクチベータードメインが生成される。一部の実施形態では、この転写アクチベータードメインは、レポーター遺伝子の発現を誘導する。一部の実施形態では、この転写アクチベータードメインは、GAL4-UAS活性化性配列などの活性化性配列への結合によって、レポーター遺伝子の発現を誘導する。一部の実施形態では、このレポーター遺伝子の発現は、APCによる操作された細胞の活性化を示す。一部の実施形態では、このレポーター遺伝子の発現は、操作された細胞に対する操作されたAPCの反応性を示す。一部の実施形態では、アッセイするステップは、レポーター遺伝子の発現についてアッセイすることを含む。
一部の実施形態では、アッセイすることは、cDNAアレイ、mRNA検出またはタンパク質検出を含む。
一部の実施形態では、このAPCは、レポーター遺伝子をコードする外因性レポーター配列を含む。一部の実施形態では、このレポーター遺伝子はルシフェラーゼ遺伝子である。一部の実施形態では、このレポーター遺伝子は、蛍光タンパク質をコードする。一部の実施形態では、このレポーター遺伝子は、細胞表面タンパク質をコードする。一部の実施形態では、このレポーター遺伝子は、IL6、IL-12、IFNα、IL-23、IL-1、TNFまたはIL-10をコードする。一部の実施形態では、この細胞表面タンパク質は、CD80、CD86、MHCI、MHCII、CD11c、CD11b、CD8α、OX40-L、ICOS-1またはCD40である。一部の実施形態では、このレポーター遺伝子は、操作された細胞上のCD28への、操作されたAPC上のCD80/CD86の結合に応答して活性化される。一部の実施形態では、このレポーター遺伝子は、APC中のNotchシグナル伝達活性化の下流で活性化される。一部の実施形態では、このレポーター遺伝子は、APC中のPI3K/AKTシグナル伝達活性化の下流で活性化される。一部の実施形態では、このレポーター遺伝子は、NF-κB経路またはNOTCH1シグナル伝達経路の下流で活性化される。
一部の実施形態では、このレポーター遺伝子は、第2の受容体の下流で活性化される。一部の実施形態では、この第2の受容体は、操作された細胞によって分泌されるリガンドを結合した後に活性化される。一部の実施形態では、リガンドの発現は、操作されたAPC上の合成Notch(synNotch)受容体の結合後に誘導される。
一部の実施形態では、この操作されたAPCは、内因性MHCポリペプチドを発現しない。一部の実施形態では、この操作されたAPCは、内因性MHC遺伝子を転写しない。一部の実施形態では、この操作されたAPCは、内因性MHC遺伝子を含まない。
一部の実施形態では、この第1のTCR鎖は、TCR-アルファ鎖を含み、第2のTCR鎖は、TCR-ベータ鎖を含む。一部の実施形態では、この第1のTCR鎖は、TCR-ガンマ鎖を含み、第2のTCR鎖は、TCR-デルタ鎖を含む。
一態様では、処置の方法であって、本明細書に記載されている方法に従って決定された抗原を含むタンパク質に対して標的化された治療薬を、それを必要とする対象に投与するステップを含む方法が、本明細書に提供される。一部の実施形態では、この対象はヒトである。一部の実施形態では、この治療薬は、小分子、ペプチド、タンパク質、抗体もしくはその断片、細胞療法または免疫療法である。一部の実施形態では、この細胞療法は、養子細胞療法を含む。一部の実施形態では、この方法は、本明細書に記載されている方法に従って識別された複数のTCR鎖のうちの1つまたは複数のネイティブに対合したTCR鎖を発現するように操作されたT細胞を投与するステップを含む。一部の実施形態では、この対象は、疾患または病状を有する。一部の実施形態では、この疾患または病状はがんである。
参照による組込み
本明細書で言及される全ての刊行物、特許および特許出願は、各個々の刊行物、特許または特許出願が参照により組み込まれると具体的かつ個々に示されるのと同じ程度まで、全ての目的のためにそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載されている新規特徴は、特に添付の特許請求の範囲に示されている。本明細書に記載されている特徴および特徴の利点に関するより良好な理解は、本明細書に記載されている特徴の原理が利用されている説明例が示されている以下の詳細な記載および添付の図面を参照することにより得られ得る。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
(a)ハイスループット並行単一細胞配列決定を使用して、対象由来の生物学的試料から、複数のネイティブに対合したTCR鎖を識別するステップ;
(b)1つまたは複数の操作された細胞においてTCRポリペプチドを発現させるステップであって、前記TCRポリペプチドが、前記ネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含む、ステップ;
(c)前記1つまたは複数の操作された細胞を、複数の操作された抗原提示細胞(APC)のうちの1つまたは複数に接触させるステップであって、前記複数の操作されたAPCの各操作されたAPCが、異なる抗原ポリペプチドを含む、ステップ;
(d)前記複数の操作されたAPCのうちの反応性の操作されたAPCを識別するステップであって、前記反応性の操作されたAPCが、前記TCRポリペプチドを発現する前記操作された細胞に対する反応性を有し、そして/または前記TCRポリペプチドを発現する前記操作された細胞に対する応答を示す、ステップ;および
(e)選択されたAPCの前記抗原ポリペプチドを決定するステップであって、それによって、前記ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップ
を含む、方法。
(項目2)
(a)ハイスループット並行単一細胞配列決定を使用して、対象由来の生物学的試料から、複数のネイティブに対合したTCR鎖を識別するステップ;
(b)1つまたは複数の操作された細胞においてTCRポリペプチドを発現させるステップであって、前記TCRポリペプチドが、前記ネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含む、ステップ;
(c)前記1つまたは複数の操作された細胞を、複数の操作された抗原提示細胞(APC)のうちの1つまたは複数に接触させるステップであって、前記複数の操作されたAPCの各操作されたAPCが、異なる抗原ポリペプチドを含む、ステップ;
(d)前記複数の操作されたAPCのうちの活性化している操作されたAPCを識別するステップであって、前記活性化している操作されたAPCが、前記TCRポリペプチドを発現する前記操作された細胞を活性化する、ステップ;および
(e)選択され操作されたAPCの前記抗原ポリペプチドを決定するステップであって、それによって、前記ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップ
を含む、方法。
(項目3)
(a)ハイスループット並行単一細胞配列決定を使用して、対象由来の生物学的試料から、複数のネイティブに対合したTCR鎖を識別するステップ;
(b)1つまたは複数の操作された細胞においてTCRポリペプチドを発現させるステップであって、前記TCRポリペプチドが、前記ネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含む、ステップ;
(c)前記1つまたは複数の操作された細胞を、複数の操作された抗原提示細胞(APC)のうちの1つまたは複数に接触させるステップであって、前記複数の操作されたAPCの各操作されたAPCが、異なる抗原ポリペプチドを提示する、ステップ;
(d)前記複数の操作されたAPCのうちの反応性の操作されたAPCを識別するステップであって、前記反応性の操作されたAPCが、前記TCRポリペプチドを発現する前記操作された細胞に対する反応性を有し、そして/または前記TCRポリペプチドを発現する前記操作された細胞に対する応答を示す、ステップ;および
(e)選択され操作されたAPCの細胞表面上に提示される前記抗原ポリペプチドを決定するステップであって、それによって、前記ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップ
を含む、方法。
(項目4)
(a)ハイスループット並行単一細胞配列決定を使用して、対象由来の生物学的試料から、複数のネイティブに対合したTCR鎖を識別するステップ;
(b)1つまたは複数の操作された細胞においてTCRポリペプチドを発現させるステップであって、前記TCRポリペプチドが、前記ネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含む、ステップ;
(c)前記1つまたは複数の操作された細胞を、複数の操作された抗原提示細胞(APC)のうちの1つまたは複数に接触させるステップであって、前記複数の操作されたAPCの各操作されたAPCが、異なる抗原ポリペプチドを提示する、ステップ;
(d)前記複数の操作されたAPCのうちの活性化している操作されたAPCを識別するステップであって、前記活性化している操作されたAPCが、前記TCRポリペプチドを発現する前記操作された細胞を活性化する、ステップ;および
(e)選択され操作されたAPCの細胞表面上に提示される前記抗原ポリペプチドを決定するステップであって、それによって、前記ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップ
を含む、方法。
(項目5)
(a)ハイスループット並行単一細胞配列決定を使用して、対象由来の生物学的試料から、複数のネイティブに対合したTCR鎖を識別するステップ;
(b)1つまたは複数の操作された細胞においてTCRポリペプチドを発現させるステップであって、前記TCRポリペプチドが、前記ネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含む、ステップ;
(c)前記1つまたは複数の操作された細胞を、複数の操作された抗原提示細胞(APC)に接触させるステップであって、前記複数の操作されたAPCの各操作されたAPCが、異なる抗原ポリペプチドを含む、ステップ;
(d)前記複数の操作されたAPCのうちの反応性の操作されたAPCを識別するステップであって、前記反応性の操作されたAPCが、前記TCRポリペプチドを発現する前記操作された細胞に対する反応性を有し、そして/または前記TCRポリペプチドを発現する前記操作された細胞に対する応答を示す、ステップ;ならびに
(e)選択されたAPCの前記抗原ポリペプチドを決定するステップであって、それによって、前記ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップ
を含む、方法。
(項目6)
(a)ハイスループット並行単一細胞配列決定を使用して、対象由来の生物学的試料から、複数のネイティブに対合したTCR鎖を識別するステップ;
(b)1つまたは複数の操作された細胞においてTCRポリペプチドを発現させるステップであって、前記TCRポリペプチドが、前記ネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含む、ステップ;
(c)前記1つまたは複数の操作された細胞を、複数の操作された抗原提示細胞(APC)のうちの1つまたは複数に接触させるステップであって、前記複数の操作されたAPCの各操作されたAPCが、異なる抗原ポリペプチドを含む、ステップ;
(d)TCRポリペプチドを発現する前記1つもしくは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する反応性を有し、そして/またはTCRポリペプチドを発現する前記1つもしくは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する応答を示す、操作されたAPCの前記抗原ポリペプチドを決定するステップ、
(e)前記ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップであって、前記決定された標的抗原が、TCRポリペプチドを発現する前記1つもしくは複数の操作された細胞のうちの前記操作された細胞に対する反応性を有し、そして/またはTCRポリペプチドを発現する前記1つもしくは複数の操作された細胞のうちの前記操作された細胞に対する応答を示す、前記操作されたAPCの前記抗原ポリペプチドである、ステップ
を含む、方法。
(項目7)
(a)ハイスループット並行単一細胞配列決定を使用して、対象由来の生物学的試料から、複数のネイティブに対合したTCR鎖を識別するステップ;
(b)1つまたは複数の操作された細胞においてTCRポリペプチドを発現させるステップであって、前記TCRポリペプチドが、前記識別されたネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含む、ステップ;
(c)前記1つまたは複数の操作された細胞を、複数の操作された抗原提示細胞(APC)のうちの1つまたは複数に接触させるステップであって、前記複数の操作されたAPCの各操作されたAPCが、異なる抗原ポリペプチドを提示する、ステップ;
(d)TCRポリペプチドを発現する前記1つもしくは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する反応性を有し、そして/またはTCRポリペプチドを発現する前記1つもしくは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する応答を示す、操作されたAPCの細胞表面上に提示される前記抗原ポリペプチドを決定するステップ;
(e)前記ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップであって、前記決定された標的抗原が、TCRポリペプチドを発現する前記1つもしくは複数の操作された細胞のうちの前記操作された細胞に対する反応性を有し、そして/またはTCRポリペプチドを発現する前記1つもしくは複数の操作された細胞のうちの前記操作された細胞に対する応答を示す、前記操作されたAPCの細胞表面上に提示される前記抗原ポリペプチドである、ステップ
を含む、方法。
(項目8)
(a)ハイスループット並行単一細胞配列決定を使用して、対象由来の生物学的試料から、複数のネイティブに対合したTCR鎖を識別するステップ;
(b)1つまたは複数の操作された細胞においてTCRポリペプチドを発現させるステップであって、前記TCRポリペプチドが、前記識別されたネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含む、ステップ;
(c)前記1つまたは複数の操作された細胞を、複数の操作された抗原提示細胞(APC)のうちの1つまたは複数に接触させるステップであって、前記複数の操作されたAPCの各操作されたAPCが、異なる抗原ポリペプチドを含む、ステップ;
(d)TCRポリペプチドを発現する前記1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞を活性化する操作されたAPCの前記抗原ポリペプチドを決定するステップ;
(e)前記ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップであって、前記決定された標的抗原が、TCRポリペプチドを発現する前記1つまたは複数の操作された細胞のうちの前記操作された細胞を活性化する前記操作されたAPCの前記抗原ポリペプチドである、ステップ
を含む、方法。
(項目9)
(a)ハイスループット並行単一細胞配列決定を使用して、対象由来の生物学的試料から、複数のネイティブに対合したTCR鎖を識別するステップ;
(b)1つまたは複数の操作された細胞においてTCRポリペプチドを発現させるステップであって、前記TCRポリペプチドが、前記識別されたネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含む、ステップ;
(c)前記1つまたは複数の操作された細胞を、複数の操作された抗原提示細胞(APC)のうちの1つまたは複数に接触させるステップであって、前記複数の操作されたAPCの各操作されたAPCが、異なる抗原ポリペプチドを提示する、ステップ;
(d)TCRポリペプチドを発現する前記1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞を活性化する操作されたAPCの細胞表面上に提示される前記抗原ポリペプチドを決定するステップ;
(e)前記ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップであって、前記決定された標的抗原が、TCRポリペプチドを発現する前記1つまたは複数の操作された細胞のうちの前記操作された細胞を活性化する前記操作されたAPCの細胞表面上に提示される前記抗原ポリペプチドである、ステップ
を含む、方法。
(項目10)
(a)1つまたは複数の操作された細胞を、複数の抗原提示細胞(APC)のうちの1つまたは複数に接触させるステップであって、前記1つまたは複数の操作された細胞が、対象由来の単一の免疫細胞のネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含むT細胞受容体(TCR)ポリペプチドを発現する、ステップ;
(b)TCRポリペプチドを発現する前記1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する前記複数のAPCのうちのAPCの反応性についてアッセイするステップ;
(c)TCRポリペプチドを発現する前記1つまたは複数の操作された細胞のうちの前記操作された細胞に対する反応性を有するAPCを選択するステップ;および
(d)前記選択されたAPCの抗原ポリペプチドを決定するステップであって、それによって、前記ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップ
を含む、方法。
(項目11)
(a)1つまたは複数の操作された細胞を、複数の抗原提示細胞(APC)のうちの1つまたは複数に接触させるステップであって、前記1つまたは複数の操作された細胞が、対象由来の単一の免疫細胞のネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含むT細胞受容体(TCR)ポリペプチドを発現する、ステップ;
(b)TCRポリペプチドを発現する前記1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞による前記複数のAPCのうちのAPCの活性化についてアッセイするステップ;
(c)TCRポリペプチドを発現する前記1つまたは複数の操作された細胞のうちの前記操作された細胞を活性化するAPCを選択するステップ;および
(d)前記選択されたAPCの抗原ポリペプチドを決定するステップであって、それによって、前記ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップ
を含む、方法。
(項目12)
(a)1つまたは複数の操作された細胞を、複数の抗原提示細胞(APC)のうちの1つまたは複数に接触させるステップであって、前記1つまたは複数の操作された細胞が、対象由来の単一の免疫細胞のネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含むT細胞受容体(TCR)ポリペプチドを発現する、ステップ;
(b)TCRポリペプチドを発現する前記1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する反応性を有する前記複数のAPCのうちのAPCによって提示される抗原ポリペプチドを決定するステップ;および
(c)前記ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップであって、前記決定された標的抗原が、TCRポリペプチドを発現する前記1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する反応性を有する前記複数のAPCのうちの前記APCによって提示される前記決定された抗原ポリペプチドである、ステップ
を含む、方法。
(項目13)
(a)1つまたは複数の操作された細胞を、複数の抗原提示細胞(APC)に接触させるステップであって、前記1つまたは複数の操作された細胞が、対象由来の単一の免疫細胞のネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含むT細胞受容体(TCR)ポリペプチドを発現する、ステップ;
(b)TCRポリペプチドを発現する前記1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞によって活性化される前記複数のAPCのうちの活性化されたAPCによって提示される抗原ポリペプチドを決定するステップ;および
(c)天然TCR鎖ペアの標的抗原を決定するステップであって、前記決定された標的抗原が、TCRポリペプチドを発現する前記1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞によって活性化される前記複数のAPCのうちの前記活性化されたAPCによって提示される前記決定された抗原ポリペプチドである、ステップ
を含む、方法。
(項目14)
(a)1つまたは複数の操作された細胞を、疾患と関連する抗原ポリペプチドを提示する複数の操作された抗原提示細胞(APC)に接触させるステップであって、前記1つまたは複数の操作された細胞が、対象由来の単一の免疫細胞のネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含むT細胞受容体(TCR)ポリペプチドを発現する、ステップ;
(b)前記1つもしくは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞によって活性化されるか、または前記1つもしくは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する反応性を有する前記複数のAPCのうちの操作されたAPCを決定するステップ;
(c)前記1つもしくは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞によって活性化されるか、または前記1つもしくは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する反応性を有する前記複数のAPCのうちの前記操作されたAPCを選択するステップ
を含む、方法。
(項目15)
(a)1つまたは複数の操作された細胞を、複数の細胞を含む試料に接触させるステップであって、前記1つまたは複数の操作された細胞が、対象由来の単一の免疫細胞のネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含むT細胞受容体(TCR)ポリペプチドを発現する、ステップ;
(b)TCRポリペプチドを発現する前記1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する反応性と、前記複数の細胞のうちの細胞の前記複数の細胞を含む前記試料中の細胞に対する反応性とについてアッセイするステップ;
(c)前記複数の細胞を含む前記試料から、TCRポリペプチドを発現する前記1つまたは複数の操作された細胞のうちの前記操作された細胞に対する反応性を有する細胞を選択するステップ;および
(d)前記選択された細胞の抗原ポリペプチドを決定するステップであって、それによって、前記ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップ
を含む、方法。
(項目16)
(a)1つまたは複数の操作された細胞を、複数の細胞を含む試料に接触させるステップであって、前記1つまたは複数の操作された細胞が、対象由来の単一の免疫細胞のネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含むT細胞受容体(TCR)を発現する、ステップ;
(b)TCRポリペプチドを発現する前記1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞による前記複数の細胞のうちの細胞の活性化と、前記複数の細胞を含む前記試料中の細胞による前記複数の細胞のうちの細胞の活性化とについてアッセイするステップ;
(c)前記複数の細胞を含む前記試料から、TCRポリペプチドを発現する前記1つまたは複数の操作された細胞のうちの前記操作された細胞を活性化する細胞を選択するステップ;および
(d)前記選択された細胞の抗原ポリペプチドを決定するステップであって、それによって、前記ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップ
を含む、方法。
(項目17)
(a)1つまたは複数の操作された細胞を、複数の細胞を含む試料に接触させるステップであって、前記1つまたは複数の操作された細胞が、対象由来の単一の免疫細胞のネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含むT細胞受容体(TCR)ポリペプチドを発現する、ステップ;
(b)前記複数の細胞を含む前記試料中の、TCRポリペプチドを発現する前記1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する反応性を有する細胞によって提示される抗原ポリペプチドを決定するステップ、
(c)前記ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップであって、前記決定された標的抗原が、前記複数の細胞を含む前記試料中の、TCRポリペプチドを発現する前記1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する反応性を有する細胞によって提示される前記決定された抗原ポリペプチドである、ステップ
を含む、方法。
(項目18)
(a)1つまたは複数の操作された細胞を、複数の細胞を含む試料に接触させるステップであって、前記1つまたは複数の操作された細胞が、対象由来の単一の免疫細胞のネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含むT細胞受容体(TCR)ポリペプチドを発現する、ステップ;
(b)前記複数の細胞を含む前記試料中の、TCRポリペプチドを発現する前記1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞を活性化する細胞によって提示される抗原ポリペプチドを決定するステップ、
(c)前記ネイティブに対合したTCR鎖の標的抗原を決定するステップであって、前記決定された標的抗原が、前記複数の細胞を含む前記試料中の、TCRポリペプチドを発現する前記1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞を活性化する前記細胞によって提示される前記決定された抗原ポリペプチドである、ステップ
を含む、方法。
(項目19)
前記複数のネイティブに対合したTCR鎖が、同時に、または単一の反応から識別される、項目1から18のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
前記APCが、操作されたAPCである、項目10から13のいずれか一項に記載の方法。
(項目21)
前記TCRポリペプチドが、外因性ポリヌクレオチドから発現される、項目1から20のいずれか一項に記載の方法。
(項目22)
前記抗原ポリペプチドが、外因性ポリヌクレオチド配列から発現される、項目1から21のいずれか一項に記載の方法。
(項目23)
前記複数の操作されたAPCの各操作されたAPCが、異なる抗原をコードする外因性ポリヌクレオチド配列から発現される抗原ポリペプチドを含む、項目1から9および14から22のいずれか一項に記載の方法。
(項目24)
前記1つまたは複数の操作された細胞が、外因性ポリヌクレオチド配列からTCRポリペプチドを発現する、項目1から23のいずれか一項に記載の方法。
(項目25)
前記外因性ポリヌクレオチド配列が、第1のT細胞受容体(TCR)鎖および第2のTCR鎖をコードする、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記第1および第2のTCR鎖が、ネイティブに対合したTCR鎖の前記少なくとも1つのペアを含む、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記操作された細胞によって活性化されるか、または前記操作されたAPCに対する反応性を有する前記操作されたAPCが、免疫療法薬としての使用のためである、項目14に記載の方法。
(項目28)
前記操作されたAPCが、複数の操作された細胞を認識する複数の操作されたAPCを含む、項目14または27に記載の方法。
(項目29)
前記複数の操作されたAPCが、少なくとも1つのMHC型を発現する、項目14、27または28に記載の方法。
(項目30)
前記複数の操作されたAPCが、少なくとも2つのMHC型を発現する、項目14または27から29のいずれか一項に記載の方法。
(項目31)
前記操作された細胞によって活性化されるか、または前記操作された細胞に対する反応性を有する前記操作されたAPCが、前記操作された細胞の前記TCRポリペプチドに特異的なMHC型を発現する、項目14または27から30のいずれか一項に記載の方法。
(項目32)
前記複数の操作された細胞が、前記複数の操作されたAPC中の前記操作されたAPCによって発現されるMHC型に特異的なTCRポリペプチドを発現する、項目14または27から31のいずれか一項に記載の方法。
(項目33)
疾患と関連する前記抗原ポリペプチドが既知である、項目14または27から32のいずれか一項に記載の方法。
(項目34)
前記1つまたは複数の操作された細胞が、第1の対象由来の第1の複数の操作された細胞と第2の対象由来の第2の複数の操作された細胞とを含み、前記複数の操作されたAPCが、第1の複数の操作されたAPCと第2の複数の操作されたAPCとを含む、項目33に記載の方法。
(項目35)
前記第1の複数の操作された細胞を、前記第1の複数のAPCに接触させるステップ、および前記第2の複数の操作された細胞を、前記第2の複数のAPCに接触させるステップを含む、項目33に記載の方法。
(項目36)
前記第1の複数の操作されたAPCと第2の複数の操作されたAPCとが、同じ抗原ポリペプチドを提示する、項目33または35に記載の方法。
(項目37)
前記第1の複数の操作されたAPCが、第1のMHC型を発現し、前記第2の複数の操作されたAPCが、第2のMHC型を発現する、項目33から36のいずれか一項に記載の方法。
(項目38)
前記第1の複数の操作された細胞が、前記第1の複数の操作されたAPCによって発現される前記第1のMHC型に特異的な第1のTCRポリペプチドを発現し、前記第2の複数の操作された細胞が、前記第2の複数の操作されたAPCによって発現される前記第2のMHC型に特異的な第2のTCRポリペプチドを発現する、項目33から37のいずれか一項に記載の方法。
(項目39)
前記TCRポリペプチドが、免疫療法薬としての使用のためである、項目1から38のいずれか一項に記載の方法。
(項目40)
ハイスループット並行単一細胞配列決定を使用して、対象由来の生物学的試料から、複数のネイティブに対合したTCR鎖を識別するステップであって、前記複数のネイティブに対合したTCR鎖が、同時に、または単一の反応から識別される、ステップをさらに含む、項目1から39のいずれか一項に記載の方法。
(項目41)
同時に、または単一の反応から識別された前記識別されたネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つを発現する1つまたは複数の操作された細胞を生成するステップをさらに含む、項目1から40のいずれか一項に記載の方法。
(項目42)
前記APCが、罹患対象由来である、項目1から41のいずれか一項に記載の方法。
(項目43)
前記試料細胞が、対象由来である、項目1から42のいずれか一項に記載の方法。
(項目44)
前記試料細胞が細胞株である、項目1から43のいずれか一項に記載の方法。
(項目45)
前記試料細胞が、罹患対象由来である、項目1から44のいずれか一項に記載の方法。
(項目46)
前記抗原提示細胞が、がんを有する対象由来である、項目1から45のいずれか一項に記載の方法。
(項目47)
前記抗原提示細胞が、ウイルスが感染した対象由来である、項目1から46のいずれか一項に記載の方法。
(項目48)
前記抗原提示細胞が、前記単一の免疫細胞と同じ対象由来である、項目1から47のいずれか一項に記載の方法。
(項目49)
前記抗原提示細胞が、前記単一の免疫細胞を含む前記対象のMHCレパートリーと類似の主要組織適合性複合体(MHC)レパートリーを有する対象由来である、項目1から48のいずれか一項に記載の方法。
(項目50)
前記抗原提示細胞が、前記単一の免疫細胞を含む前記対象のMHCハプロタイプと類似の主要組織適合性複合体(MHC)ハプロタイプを有する対象由来である、項目1から49のいずれか一項に記載の方法。
(項目51)
前記抗原提示細胞が、前記単一の免疫細胞を含む前記対象と適合性の主要組織適合性複合体(MHC)レパートリーを有する対象由来である、項目1から50のいずれか一項に記載の方法。
(項目52)
前記操作されたAPCが、前記対象とマッチしたMHC遺伝子を発現するように操作される、項目1から51のいずれか一項に記載の方法。
(項目53)
前記操作されたAPCが、K562細胞株に由来する、項目1から52のいずれか一項に記載の方法。
(項目54)
前記TCRポリペプチドを発現する前記操作された細胞が、Jurkat細胞株に由来する、項目1から53のいずれか一項に記載の方法。
(項目55)
前記抗原提示細胞が初代細胞である、項目1から54のいずれか一項に記載の方法。
(項目56)
前記抗原提示細胞が細胞株である、項目1から55のいずれか一項に記載の方法。
(項目57)
対象由来の抗原提示細胞(APC)が、前記TCRポリペプチドを発現する前記操作された細胞に対する反応性を有する、項目1から56のいずれか一項に記載の方法。
(項目58)
対象由来の抗原提示細胞(APC)が、前記TCRポリペプチドを発現する前記操作された細胞によって活性化される、項目1から57のいずれか一項に記載の方法。
(項目59)
前記選択され操作されたAPCを単離するステップをさらに含む、項目1から58のいずれか一項に記載の方法。
(項目60)
前記操作されたAPCの前記抗原を決定する前記ステップが、前記操作されたAPCによって提示される抗原をコードする前記操作されたAPCの配列を配列決定することを含む、項目1から59のいずれか一項に記載の方法。
(項目61)
前記操作されたAPCが、蛍光活性化セルソーティングによって単離される、項目1から60のいずれか一項に記載の方法。
(項目62)
第1のT細胞受容体(TCR)鎖および第2のTCR鎖をコードする前記外因性ポリヌクレオチド配列をトランスフェクトするステップをさらに含む、項目1から61のいずれか一項に記載の方法。
(項目63)
異なる抗原をコードする前記外因性ポリヌクレオチド配列をトランスフェクトするステップをさらに含む、項目1から62のいずれか一項に記載の方法。
(項目64)
前記操作されたAPCの細胞表面に異なる抗原を添加するステップをさらに含む、項目1から63のいずれか一項に記載の方法。
(項目65)
前記接触させるステップの前に、前記対象由来の前記単一の免疫細胞の前記ネイティブに対合したTCR鎖配列を決定するステップをさらに含む、項目1から64のいずれか一項に記載の方法。
(項目66)
複数のネイティブに対合したTCR鎖の各々の前記標的抗原を決定するステップをさらに含む、項目1から65のいずれか一項に記載の方法。
(項目67)
前記操作された細胞が、ネイティブに対合したTCR鎖配列の異なるペアを各々が発現する複数の操作された細胞を含む、項目1から66のいずれか一項に記載の方法。
(項目68)
前記操作された細胞が、内因性TCRポリペプチドを発現しない操作されたT細胞である、項目1から67のいずれか一項に記載の方法。
(項目69)
前記操作された細胞が、内因性TCR遺伝子を転写しない操作されたT細胞である、項目1から68のいずれか一項に記載の方法。
(項目70)
前記操作された細胞が、内因性TCR遺伝子を含まない操作されたT細胞である、項目1から69のいずれか一項に記載の方法。
(項目71)
前記操作された細胞が、TCRノックアウト細胞である操作されたT細胞である、項目1から70のいずれか一項に記載の方法。
(項目72)
前記抗原提示細胞が、異なる抗原を各々が提示する複数の抗原提示細胞を含む、項目1から71のいずれか一項に記載の方法。
(項目73)
前記アッセイするステップの前記抗原提示細胞が、別々のベッセル中にある、項目1から72のいずれか一項に記載の方法。
(項目74)
前記操作された細胞がT細胞である、項目1から73のいずれか一項に記載の方法。
(項目75)
前記操作された細胞が、CD4を発現する、項目1から74のいずれか一項に記載の方法。
(項目76)
前記操作された細胞が、CD8を発現する、項目1から75のいずれか一項に記載の方法。
(項目77)
前記APCが、外因性レポーター配列を含む、項目1から76のいずれか一項に記載の方法。
(項目78)
前記APCが、レポーター遺伝子をコードする外因性レポーター配列を含む、項目1から77のいずれか一項に記載の方法。
(項目79)
前記レポーター遺伝子がルシフェラーゼ遺伝子である、項目78に記載の方法。
(項目80)
前記レポーター遺伝子が、蛍光タンパク質をコードする、項目79に記載の方法。
(項目81)
前記レポーター遺伝子が、細胞表面タンパク質をコードする、項目80に記載の方法。
(項目82)
細胞表面に発現されたタンパク質リガンドの、前記操作されたAPC上の合成Notch(synNotch)受容体への結合が、前記レポーター遺伝子の発現を引き起こす、項目78から81のいずれか一項に記載の方法。
(項目83)
前記細胞表面に発現されたタンパク質リガンドが、前記操作された細胞によって発現される、項目82に記載の方法。
(項目84)
前記細胞表面に発現されたタンパク質リガンドが、誘導性プロモーターの制御下にある、項目82または83に記載の方法。
(項目85)
前記誘導性プロモーターがNFATプロモーターである、項目84に記載の方法。
(項目86)
前記synNotch受容体が切断され、GAL4-VP64ドメインなどの転写アクチベータードメインが生成される、項目82から85のいずれか一項に記載の方法。
(項目87)
前記転写アクチベータードメインが、前記レポーター遺伝子の発現を誘導する、項目86に記載の方法。
(項目88)
前記転写アクチベータードメインが、GAL4-UAS活性化性配列などの活性化性配列への結合によって、前記レポーター遺伝子の発現を誘導する、項目87に記載の方法。
(項目89)
前記レポーター遺伝子の発現が、前記APCによる前記操作された細胞の活性化を示す、項目78から88のいずれか一項に記載の方法。
(項目90)
前記レポーター遺伝子の発現が、前記操作された細胞に対する前記操作されたAPCの反応性を示す、項目78から89のいずれか一項に記載の方法。
(項目91)
前記アッセイするステップが、前記レポーター遺伝子の発現についてアッセイすることを含む、項目1から90のいずれか一項に記載の方法。
(項目92)
前記アッセイすることが、cDNAアレイ、mRNA検出またはタンパク質検出を含む、項目91に記載の方法。
(項目93)
前記操作されたAPCが、レポーター遺伝子をコードする外因性レポーター配列を含む、項目1から92のいずれか一項に記載の方法。
(項目94)
前記レポーター遺伝子がルシフェラーゼ遺伝子である、項目93に記載の方法。
(項目95)
前記レポーター遺伝子が、蛍光タンパク質をコードする、項目93に記載の方法。
(項目96)
前記レポーター遺伝子が、細胞表面タンパク質をコードする、項目93に記載の方法。
(項目97)
前記レポーター遺伝子が、IL6、IL-12、IFNα、IL-23、IL-1、TNFまたはIL-10をコードする、項目93に記載の方法。
(項目98)
前記細胞表面タンパク質が、CD80、CD86、MHCI、MHCII、CD11c、CD11b、CD8α、OX40-L、ICOS-1またはCD40である、項目96に記載の方法。
(項目99)
前記レポーター遺伝子が、前記操作された細胞上のCD28への、前記操作されたAPC上のCD80/CD86の結合に応答して活性化される、項目93から98のいずれか一項に記載の方法。
(項目100)
前記レポーター遺伝子が、前記操作されたAPC中のNotchシグナル伝達活性化の下流で活性化される、項目93から99のいずれか一項に記載の方法。
(項目101)
前記レポーター遺伝子が、前記操作されたAPC中のPI3K/AKTシグナル伝達活性化の下流で活性化される、項目93から100のいずれか一項に記載の方法。
(項目102)
前記レポーター遺伝子が、NF-κB経路またはNOTCH1シグナル伝達経路の下流で活性化される、項目93から101のいずれか一項に記載の方法。
(項目103)
前記レポーター遺伝子が、第2の受容体の下流で活性化される、項目93から102のいずれか一項に記載の方法。
(項目104)
前記第2の受容体が、前記操作された細胞によって分泌されるリガンドを結合した後に活性化される、項目103に記載の方法。
(項目105)
前記リガンドの発現が、前記操作されたAPC上の合成Notch(synNotch)受容体の結合後に誘導される、項目104に記載の方法。
(項目106)
前記操作されたAPCが、内因性MHCポリペプチドを発現しない、項目1から105のいずれか一項に記載の方法。
(項目107)
前記操作されたAPCが、内因性MHC遺伝子を転写しない、項目1から106のいずれか一項に記載の方法。
(項目108)
前記操作されたAPCが、内因性MHC遺伝子を含まない、項目1から107のいずれか一項に記載の方法。
(項目109)
前記第1のTCR鎖が、TCR-アルファ鎖を含み、前記第2のTCR鎖が、TCR-ベータ鎖を含む、項目1から108のいずれか一項に記載の方法。
(項目110)
前記第1のTCR鎖が、TCR-ガンマ鎖を含み、前記第2のTCR鎖が、TCR-デルタ鎖を含む、項目1から109のいずれか一項に記載の方法。
(項目111)
処置の方法であって、項目1から110のいずれか一項の方法に従って決定された前記抗原を含むタンパク質に対して標的化された治療薬を、それを必要とする対象に投与するステップを含む、方法。
(項目112)
前記対象がヒトである、項目111に記載の方法。
(項目113)
前記治療薬が、小分子、ペプチド、タンパク質、抗体もしくはその断片、細胞療法または免疫療法である、項目111または112に記載の方法。
(項目114)
前記細胞療法が、養子細胞療法を含む、項目113に記載の方法。
(項目115)
項目1から110のいずれか一項に記載の方法に従って識別された前記複数のTCR鎖のうちの1つまたは複数のネイティブに対合したTCR鎖を発現するように操作されたT細胞を投与するステップを含む、項目114に記載の方法。
(項目116)
前記対象が、疾患または病状を有する、項目111から115のいずれか一項に記載の方法。
(項目117)
前記疾患または病状ががんである、項目116に記載の方法。
(項目118)
項目38の前記第1のTCRポリペプチドおよび前記第2のTCRポリペプチドを含むTCRポリペプチドのライブラリー。
(項目119)
前記第1のTCRポリペプチドが、前記抗原ポリペプチドと前記第1のMHC型のMHCとを含む複合体に特異的であり、前記第2のTCRポリペプチドが、前記抗原ポリペプチドと前記第2のMHC型のMHCとを含む複合体に特異的である、項目118に記載のライブラリー。
図1は、患者由来TCRの初期腫瘍反応性をスクリーニングするための方法の例示のフローチャートを示す。
図2は、患者由来TCRの標的を識別するための方法の例示のフローチャートを示す。
図3は、ヒト由来抗原特異的TCRを発見するための方法の例示的フローチャートを示す。
図4は、エマルジョン内での単一免疫細胞バーコード付与方法の結果を例示する。
図4Aは、細胞および溶解/反応(LR)混合物を含有する2つの水性流動を油内に通して、毎時800万液滴を超えて単分散エマルジョンを生成する例示の図である。
図4Bは、ベッセル内の細胞が溶解され、単一反応で分子特異的および液滴特異的バーコード付与に供されることを示す例示の図である。
図4Cは、標的mRNAが逆転写され、ユニバーサルアダプター配列で鋳型スイッチタグ化されることを示す例示の図である。その後、初めに1液滴当たり約1分子に希釈された液滴バーコード鋳型のPCR増幅が起こる。増幅されたバーコードを、相補的オーバーラップ伸長法により、鋳型スイッチしたcDNAに追加する。エマルジョンから産物を回収し、追加のライブラリー処理ステップおよびハイスループット配列決定の前に、RTプライマーのビオチンを使用して精製する。
図4Dは、二重バーコード付与により、配列決定読み取りをそれらの由来分子および由来液滴にクラスター化することが可能になり、配列決定エラーおよび増幅バイアスを最小限に抑えつつ、ネイティブ受容体鎖対合が再構築されることを示す例示の図である。
図5は、単離された健常B細胞からBCRを回収するための方法の結果を例示する。
図5Aは、300万個のB細胞が細胞0.2個/液滴でエマルジョン内を通過し、占領細胞の約90%が単一細胞を含有する結果となった液滴の例示の図である。
図5Bは、V対合精度の例示の図である。エマルジョンバーコード付与および配列決定後、データを、単一細胞液滴に由来するデータについて濃縮し、V対合精度を、増殖クローン中の対の一貫性を使用して評価した。
図5Cは、液滴バーコードパーセント対Igアイソタイプの例示のグラフである。259,368個のフィルタリングされたV対の重鎖アイソタイプ(各液滴内の最も多量なアイソタイプ)および軽鎖遺伝子座使用率が示されている。
図5Dは、6つの独立エマルジョン画分の各々の、100個の最高頻度重鎖のクローンのランク存在量の例示のグラフである。0.05%の全体頻度に印が付けられている。
図5Eは、各液滴バーコード内の捕捉mRNAの数により評価した、細胞内でのV対V発現の例示のグラフである。アイソタイプ毎に、5,000個の点が示されている。
図5Fは、BCR対のV対V突然変異相関性および各アイソタイプ内の密度分布の例示のグラフである。
図6は、HIV広域中和抗体(bNAb)を発見するための方法の結果を例示する。
図6Aは、エマルジョンに入れられたHIV長期非進行者のB細胞に由来する38,620個の回収したV対の重鎖アイソタイプ分布の例示のグラフである。既に既知のbNAb(「PGT様」)と良好にアラインするIgG鎖の割合はわずかである。
図6Bは、既知のbNAb+新たに回収されたもの(線で接続、液滴バーコードで標識されている)の完全なVDJアミノ酸配列の系統樹の例示の図である。重鎖(左)および軽鎖(右)は別々にプロットされている。ミスマッチの可能性のある抗体は、PGT122重鎖およびPGT123軽鎖、ならびに、PGT123重鎖およびPGT122軽鎖である。
図6Cは、PGT121の対照ストックと比較した、10株のHIVに対する、8つの新たに発見されたPGT様バリアントの中和活性(IC50、μg/mL)の例示の図である。
図7は、卵巣腫瘍に由来するTILを特徴付けるための方法の結果を例示する。
図7Aは、卵巣腫瘍に由来する400,000個のソーティングされていない剥離細胞がエマルジョンに入れられ、BCRおよびTCR対が、エマルジョンバーコード付与により同時に回収された液滴の例示の図である。
図7Bは、フィルタリング後に液滴バーコード内で観察された全てのV/VおよびVα/Vβ組合せの数を示す、液滴バーコード対受容体鎖組合せの例示のグラフである。
図7Cは、回収したBCR対の液滴バーコードパーセント対重鎖アイソタイプ分布の例示のグラフである。
図7Dは、BCR対のV対V突然変異相関性および各アイソタイプ内の密度分布の例示のグラフである。
図7Eは、全体の(上段)TCR対およびBCR対の、および異なるアイソタイプ(下段)の捕捉mRNAの数の例示のグラフを示す。
図7Fは、6つの独立エマルジョン画分の各々における、30個の最高頻度のBCR重鎖クローン(上段)および30個の最高頻度のTCRベータ鎖クローンのランク存在量を示すクローン分析の例示のグラフを示す。1%および10%の全体頻度レベルが示されている。
図8Aは、追加のmRNAおよびタンパク質標的を有する免疫受容体配列の例示の同時捕捉を示す。表面タンパク質標的は、エマルジョン配列決定の前に、細胞をDNA標識染色抗体と共に事前にインキュベートすることにより定量化される。
図8Bは、健常ヒトT細胞から生成された3,682個の液滴バーコードTCR VαVβ対の、例示のCD4およびCD8 mRNAならびにタンパク質測定を示す。
図8Cは、mRNAとタンパク質測定との例示の合致を示す(各点は、TCR VαVβ対に関連する液滴バーコードである)。
図8Dは、エマルジョン内でのソーティングされていないT細胞に由来するCD4およびCD8のmRNAおよびタンパク質の同時検出の例示の表を示す。30,000個のインプットT細胞から、3,682個のTCR対が回収された。mRNA対タンパク質(分子計数、多数決原理に基づく)によりCD4またはCD8とみなされたTCR対の頻度が、マトリックスで示されている。
図9Aは、本明細書に記載されている方法のベッセルの例示の模式図を示す。
図9Bは、抗体にコンジュゲートされているオリゴヌクレオチドタグの例示の設計を示す。各有色ブロックは、完全なオリゴヌクレオチド配列の部分を表わす。融合配列は、エマルジョン反応内での液滴特異的DNAバーコードの酵素的付着に使用される。配列の1つの考え得る配置のみが示されているが、他の配置も本記載の方法と適合する。
図10は、抗体-オリゴヌクレオチドコンジュゲートを使用してイムノフェノタイピングするための方法を例示する。
図10Aは、抗体-オリゴヌクレオチドコンジュゲートに結合されている単一細胞を各々が含有する2つのベッセルを示す例示の模式図を示す。(DB1-液滴バーコード1;DB2-液滴バーコード2;MB1-分子バーコード1;MB2-分子バーコード2;AID-抗原IDバーコード;AMB1-抗体分子バーコード1;AMB2-抗体分子バーコード2)。
図10Bは、図9Aのベッセルの溶解細胞に由来するRNA分子を各々が含有する2つのベッセルを示す例示の模式図を示す。RNA分子が逆転写され、逆転写により創出されたcDNA分子の末端に非鋳型ヌクレオチドが付加されている。逆転写により創出されたcDNA分子の末端に付加された非鋳型ヌクレオチドに、分子バーコードがハイブリダイズされている。
図10Cは、増幅され、図10BのベッセルのcDNAにハイブリダイゼーションにより付着されている、各々が鋳型バーコード化ポリヌクレオチドを含有する2つのベッセルを示す例示の模式図を示す。cDNAは、伸長されている(上段)。その後、伸長されたcDNAが増幅される(下段)。
図10Dは、同じ同一RNA配列に付着されている同じ分子バーコード(MB)を有するRNA-MB-DB種が、PCR複製の結果である可能性が高いことを示す例示の模式図を示す。同じ同一RNA配列に付着されている2つの異なるMBを有するRNA-MB-DB種(RNA1-MB1-DBおよびRNA1-MB2-DB)は、2つの当初の独立RNA分子であり、PCR複製由来ではない。
図10Eは、同じ液滴バーコード(DB)および抗原IDバーコード(AID)を有する配列に付着されている、同じ抗体分子バーコード(AMB)を有するDB-AMB-AID種が、PCR複製の結果である可能性が高いことを示す例示の模式図を示す。同じ液滴バーコード(DB)および抗原IDバーコード(AID)を有する配列に付着されている、2つの異なるAMBを有するDB1-AMB1-AID1およびDB1-AMB2-AID1種は、ベッセル内の同じ単一細胞に付着された同じ標的抗原に特異的に結合する抗体を各々が有する2つの独立抗体オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子に由来し、PCR複製由来ではない2つの独立オリゴヌクレオチド分子である。同じ液滴バーコード(DB)および同じまたは異なる抗体分子バーコード(AMB)を有する配列に付着されている、2つの異なるAIDを有するDB1-AMBn-AID1およびDB1-AMBn-AID2種は、ベッセル内の同じ単一細胞に付着されている2つの独立抗体オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子に由来する2つの独立オリゴヌクレオチド分子であり、抗体オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子の一方は、第1の標的抗原と特異的に結合する抗体を有し、他方の抗体オリゴヌクレオチドコンジュゲート分子は、第2の標的抗原と特異的に結合する抗体を有する。
詳細な説明
いくつかの態様が、例示のために、例となる適用に関連して、以下に記載される。多くの具体的な詳細、関連性および方法が、本明細書に記載される特色の完全な理解を提供するために示されていることを理解すべきである。しかし、当業者は、本明細書に記載される特色が、具体的な詳細のうち1つもしくは複数を伴わずに、または他の方法を伴って実施され得ることを容易に認識する。一部の行為は、他の行為もしくは事象とは異なる順序でおよび/またはそれらと同時に生じ得るので、本明細書に記載される特色は、行為または事象の例示された順序付けによっては限定されない。さらに、全ての例示された行為または事象が、本明細書に記載される特色に従って方法論を実行するために必要とされるわけではない。
本明細書で使用される用語法は、特定の場合のみを記載することを目的としているのであって、限定を意図するものではない。本明細書で使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「この(the)」は、文脈が明確に他を示さない限り、複数形も同様に含むことが意図される。さらに、用語「含む(including)」、「含む(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「有する(with)」、またはそれらの異形は、詳細な説明および/または特許請求の範囲のいずれかで使用される限りにおいて、かかる用語は、用語「含む(comprising)」と類似の様式で包括的である意図である。
用語「約」または「およそ」は、値がどのように測定または決定されるか、即ち、測定系の限界に一部依存する、当業者によって決定される特定の値について許容される誤差範囲内であることを意味し得る。例えば、「約」は、当技術分野の実務に従って、1または1よりも大きい標準偏差以内であることを意味し得る。あるいは、「約」は、所与の値の最大で20%、最大で10%、最大で5%または最大で1%の範囲を意味し得る。あるいは、特に、生物学的系またはプロセスに関して、この用語は、ある値の5倍以内、より好ましくは2倍以内のオーダーの大きさ以内であることを意味し得る。特定の値が本出願および特許請求の範囲に記載される場合、特記しない限り、その特定の値についての許容される誤差範囲内であることを意味する用語「約」を前提とすべきである。
(例えば、エマルジョン中の)単一の細胞(免疫細胞)を、抗体-オリゴヌクレオチドコンジュゲートを使用してフェノタイピングするための方法および組成物を提供することが、本発明の目的である。
TCR特異性は、そのTCR鎖の両方(アルファおよびベータまたはガンマおよびデルタ)のアミノ酸配列によって決定される。さらなる特徴付けのためにTCRを再現するためには、両方の鎖の配列が決定されることが所望される。これらのポリペプチド鎖は、T細胞内で固有の遺伝子座から独立して発現される。バルクT細胞集団を使用するTCR配列決定アプローチは、多くの鎖配列を生じるが、同じ元の細胞に由来するTCR鎖の天然の対合を決定することは、困難なままである。したがって、個々のT細胞由来の、完全な適切に対合したTCR鎖配列を決定するために、単一細胞分析法が重要である。
単一細胞TCR配列決定法は、何年もの間存在してきたが、これらは歴史的に、非常に低いスループット(1回の実験当たり細胞1~100個)を有する。最近、研究者らは、莫大な数の単一のT細胞の対合したTCRのレパートリーをプロファイリングする新たな方法を発明し、数千~数百万のネイティブに対合したTCR配列を得ている。残念ながら、多数のTCRの抗原特異性を決定するためのわかりやすく効率的な方法は存在しない。
一態様では、方法は、どのTCRが目的の特定の組織型(例えば、腫瘍細胞またはウイルス感染細胞)に対して反応性であるかを決定するステップを含む(図1)。最初の配列決定の後、対合したTCR鎖は、適切な発現ベクターまたはレンチウイルスベクター中にクローニングされ得、適切なT細胞株内で共発現され得る。T細胞株(例えば、Jurkat)は、実験の目的に依存して、内因性TCRを発現せずCD4またはCD8共受容体を発現するように操作され得る。したがって、これらのT細胞の抗原特異性は、導入されたTCRによって決定され得る。さらに、これらのT細胞は、TCR-抗原認識および引き続くT細胞活性化の際にレポーター遺伝子(例えば、ルシフェラーゼまたは蛍光タンパク質)を発現するレポーターDNA構築物を含有し得る。これには、例えば、T細胞活性化の際に上方調節されるNFATタンパク質応答性プロモーターが関与し得る。
これらの操作されたTCR発現T細胞は、初代細胞または細胞株のいずれかの目的のAPCと共にインキュベートされ得る。これらのAPC細胞は、TCRを得た元の宿主または類似のMHCレパートリーを有する別の宿主に由来し得る。これは、MHC対立遺伝子が、調査中のTCRによって認識され得ることを確実にし得る。
T細胞活性化/TCR反応性は、操作されたレポーター遺伝子発現または免疫関連サイトカイン(例えば、IFN-ガンマ)の分泌のいずれかによって決定され得る。
一態様では、方法は、候補TCRヒットの抗原を識別するステップをさらに含む(図2)。一部の実施形態では、TCR発現ベクターは、上記と類似のT細胞株中にトランスフェクトされる。一部の実施形態では、TCR発現ベクターは、活性化レポーターなしに、上記と類似のT細胞株中にトランスフェクトされる。
一部の実施形態では、T細胞は、細胞ベースの人工APCまたは操作されたAPC(それぞれ、aAPCまたはeAPC)と混合される。一部の実施形態では、これらのaAPC細胞株(例えば、K562細胞株に基づく)は、内因性MHCタンパク質を発現しない。一部の実施形態では、これらのaAPC細胞は、調査中のTCRの供給源生物のものとマッチしたMHC遺伝子(複数可)でトランスフェクトされる。MHCは、本明細書で、ヒトではヒト白血球抗原(HLA)とも呼ばれる。一部の実施形態では、aAPCは、T細胞による抗原認識の際にレポーター遺伝子(例えば、ルシフェラーゼ、蛍光タンパク質、表面タンパク質)を発現するレポーター構築物を含有するようにも操作される。
一部の実施形態では、抗原発現ベクターのライブラリーが、aAPC中にトランスフェクトされる。抗原コード配列は、目的のペプチド、ミニ遺伝子構築物、またはMHC-I結合および表面提示の前にペプチドへと適切にプロセシングされ得るcDNAコード配列全体をコードし得る。ペプチドはまた、MHC負荷のためにaAPCに直接添加され得る。この抗原ライブラリーは、目的の標的細胞由来のタンパク質コード領域の不偏のセットから構成され得、またはより狭く定義され得る(例えば、エクソーム配列決定によって決定されたるネオ抗原、ウイルス由来遺伝子)。
一部の実施形態では、TCR発現T細胞は、抗原提示aAPCと共にインキュベートされる。首尾よいTCR-抗原/MHC認識は、T細胞の活性化をもたらし、aAPCレポーター遺伝子を発現させる。一部の実施形態では、TCR発現T細胞は、内因性MHCを発現する操作されていないAPCおよび/または非人工APCと共にインキュベートされる。一部の実施形態では、内因性APCは、標的抗原のライブラリーでパルスされる。
この方法の利点は、単一のTCRを発現するT細胞集団を、潜在的抗原の大きいライブラリーに対して調べることができることである。T細胞TCRの標的抗原を提示するaAPCは、レポーター遺伝子を発現し得る。このレポーター遺伝子の発現は、aAPCの単離を可能にし得る。例えば、このレポーター遺伝子の発現は、蛍光活性化セルソーティングまたは表面マーカーベースの方法によるaAPCの単離を可能にし得る。提示された抗原、したがってTCRの標的の正体を明らかにする、各単離されたaAPCにおいて発現される抗原のコード配列が決定され得る。これは、最終的に、潜在的抗原の大きいライブラリーに対する多くのTCRの特異性のロバストな決定を可能にする。
本明細書に記載されている方法および組成物は、疾患標的に対する治療的に適切なTCRの発見を可能にする。一部の実施形態では、代表的なヒト集団由来のTCR配列が取得される。一部の実施形態では、これらのライブラリーは、T細胞中にトランスフェクトまたは形質導入される。一部の実施形態では、これらのT細胞は、特定のMHCおよび標的抗原を発現するaAPCの異なるセットと共にインキュベートされる。一部の実施形態では、このT細胞は、抗原認識およびT細胞活性化の際に発現されるレポーター遺伝子構築物を含有する。一部の実施形態では、このレポーターは、蛍光または表面マーカーベースのソーティングを介した、集団からの活性化された細胞の単離を可能にする。一部の実施形態では、疾患関連標的に対して反応性のかかるTCRは、疾患の処置において有用であり得、適用可能であり得る。ヒト集団内のMHC配列における多様性に起因して、同じ抗原に対して反応性であるが、特定の比較的一般的なMHCと適合性の複数のTCRを発見することは、好都合である。
末梢血由来の数百万の未刺激のナイーブB細胞および静止メモリーB細胞、ならびに数十万の解離した腫瘍細胞が評価されて、血液試料由来の全長の対合したBCR、ならびに腫瘍中のTIL由来のBCRおよびTCRの両方の、レパートリーレベルのデータセットが得られた。T細胞は伝統的に、TIL研究の主要な焦点であったが、腫瘍におけるB細胞の役割が、ますます注目を浴びている。広い科学コミュニティからの、TILにおける新たな興味は、細胞移入免疫療法における革新的な開発、固形腫瘍に対するCAR-Tの開発、ならびにチェックポイント阻害剤および腫瘍成長に対するそれらの影響の発見に起因し得る。これらの研究分野は全て、応答性患者対非応答性患者においてTILの変動および進化をモニタリングするため、またはTIL受容体をツールとして使用する新規腫瘍抗原の発見のために、関与するTILの理解を必要とする。この研究分野を進捗させることに対する主要な障壁は、腫瘍中の小さい百分率のTILのみが、全般的炎症に起因して存在する非特異的免疫細胞の大きい背景を伴って、抗原特異的であり得ることである。
したがって、腫瘍環境において特異的に富化されたものを識別するためには、十分な数のTCRおよびBCRを試料採取することが重要であり、これは、プレートベースのTIL分析によって得られる小さい数ではなく、何千もの細胞を必要とする可能性が高い作業である。さらに、TILは、非カノニカルな表面表現型を示すことが報告されているので、マーカーベースのソーティングは、重要なTIL集団を失う可能性がある。
いくつかの最近の研究が、単一細胞トランスクリプトーム分析のスケールアップにおける説得力のある進歩を報告しているが、今日まで、これらは、不均一な試料からの免疫レパートリーの有意義なV(D)J捕捉に必要な読み取り長さ、または1試料当たり数十万細胞のスループットを実証してこなかった。特に、Kleinらの方法(InDrop)およびMacoskoらの方法(Dropseq)は、数千細胞からのエマルジョンベースの全トランスクリプトーム配列決定を可能にした。しかし、全長免疫受容体遺伝子の捕捉は、実質的に異なる課題を提示するだけでなく、適切な免疫レパートリー特徴付けのための、実験1回当たり、それらの報告において示されたものよりも数十倍~数百倍多い細胞を必要とする。本明細書に記載されている方法は、DropseqおよびInDropのものよりも15分の1~75分の1少ないエマルジョン液滴の使用によって得られる、そのより高いスループット、ならびにスプリット-プール合成によるバーコード化ビーズの事前の合成の必要性を除去するPCRによるエマルジョン内のクローン性液滴バーコードの生成に起因して、本出願に十分適している。さらに、本明細書で提示される方法には、元のエマルジョン液滴中での逆転写およびPCRの両方が関与するので、より大きい範囲の標的型が、バーコード間のポスト-エマルジョン交差汚染の危険性もまた最小化しつつ、単一の細胞からmRNA、標識されたタンパク質および潜在的にはゲノムDNAが同時に捕捉されるのを可能にすることを目的とし得る。
今日まで、標的化されたBCRまたはTCR配列決定のための全ての方法は、以下の制限のうち少なくとも1つに悩まされている:対合していない受容体鎖、対合した鎖の低いスループット(実験1回当たり<10)、または部分的な配列回収。対照的に、本明細書で提示されるエマルジョン法は、これらの制限を克服し、いくつかのさらなる利点を示す。第1に、Dekoskyらによって実行されたような長いアンプリコンへの物理的スプライシングではなく、鎖を短い配列バーコードと連結することが、完全V(D)J可変領域の配列決定を可能にし、体細胞変異の網羅的分析を確実にし、完全に正確な機能的再構築を可能にする。第2に、単一の細胞由来のmRNA自体および全ての産物の両方を二重バーコード化することによって、PCRおよび配列決定エラーが最小化され得、特に、各クローン性系譜中の細胞の数は、そのクローンの細胞内の発現レベルからデコンボリューションされ得る。免疫レパートリー分析に本明細書で初めて適用されたこの特色は、クローンの存在量ではなく全体的発現を測定するバルクmRNAからの免疫配列決定の制限、ならびにクローンの存在量を明らかにするが発現については何も明らかにしないゲノムDNAからの免疫配列決定の制限を克服する。第3に、このバーコード化アプローチは、mRNAレベルおよびタンパク質レベルの両方で表現型的に価値のあるさらなる遺伝子に拡張され得、各受容体配列を発現するT細胞およびB細胞のサブタイプについての重要な情報を付け加える。本明細書で提示される方法は、エマルジョン中の単一の細胞からのタンパク質測定との同時RNA配列決定の最初の実証を示す。このアプローチは、フローサイトメトリーによって収集された情報の型を、免疫配列決定のデジタル分解能と組み合わせて、その全長受容体配列への、各細胞の表現型の直接的な結びつけを可能にする。したがって、方法は、どのT細胞系譜およびB細胞系譜が特定の細胞サブタイプを示すかを明らかにすることによって、腫瘍受容体プロファイリングへの強力な追加である見込があり、免疫抑制または「疲弊」などの状態は、抗腫瘍反応性の重要な指標である場合が多い。アプローチは、エマルジョンの単離および分析の前に、B細胞をDNA-バーコード化標的抗原と共にインキュベートすることによって、所望の抗原に特異的な抗体の発見にも適用できる。
まとめると、ネイティブに対合したBCRおよびTCRを、解離された腫瘍試料中の数千のTILから回収して、変異されクラススイッチされ細胞によって高度に発現されるクローン的に拡大増殖された多数の受容体系譜の識別をもたらしたが、これは、機能的に活性なB細胞およびT細胞の、腫瘍部位への特異的動員を強く示唆している。このおよび他の腫瘍において見出されるTIL受容体の標的を識別するための相補性アプローチと共に、本明細書に記載されている技術は、新規腫瘍抗原の発見を可能にし、腫瘍免疫生物学についての我々の基本的理解をさらに可能にし、新興の免疫療法の免疫効果を調査するための強力なツールを提供するはずである。
天然に対合ネイティブに対合したT細胞受容体鎖の決定
T細胞受容体鎖対および抗体免疫グロブリン鎖対は、免疫受容体の両方の型であり、進化的に関連している。ハイスループット配列決定および診断学のためのポリヌクレオチドライブラリーを生成することが、本発明の目的である。特定の共通の性状を有する患者またはコホートからの抗体および/またはTCR発見のためのヒト由来のライブラリーパネルを開発することもまた、本発明の目的である。出発材料は、免疫細胞が包括的に単離される、または所望の場合にはナイーブ、メモリーおよびASCについてサブソーティングされる、末梢血であり得る、または組織生検由来であり得る。開示された発明は、複数の異なる型の対合した可変配列、例えば、T細胞受容体鎖対および抗体免疫グロブリン鎖対に適用され得る。
免疫細胞などの単離された細胞は、液滴1つ当たり単一の免疫細胞またはそれ未満を含有する個々のピコリットル区画を創出するような方法で、油中水エマルジョン(液滴)などのベッセル中にカプセル化され得る。数百万の細胞が、対象由来の生物学的試料などの各試料について処理されて、単一細胞配列決定技術におけるハイスループットを可能にし得る。ビーズなどの固体支持体の使用は、本明細書に記載されている方法を使用して回避され得る。ベッセルの2つの別々の集団を生成する必要性もまた、本明細書に記載されている方法を使用して回避され得る。例えば、配列のライブラリーは、同じもしくは単一の反応において、または単一の複数のベッセルもしくはベッセルの集団中で生成され得る。細胞ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド、例えば、VおよびV抗体鎖ならびに/またはVα/VβおよびVγ/VδT細胞受容体(TCR)鎖は、ベッセルの形成の間に導入される。ベッセルバーコードを有するポリヌクレオチドもまた、ベッセルの形成の間に導入され得る。これらのベッセルバーコード化ポリヌクレオチドは、ベッセルバーコードを含有する各細胞ポリヌクレオチドが、それが存在するベッセルに対応する固有の正体コードを含有するように、ディジェネレートバーコードを保有し得る。分子バーコードを有する複数のポリヌクレオチドもまた、ベッセルの形成の間に導入され得る。これらの分子バーコード化ポリヌクレオチドは、分子バーコードを含有する各細胞ポリヌクレオチド分子が、それらが由来する単一の細胞ポリヌクレオチド分子に対応する固有の正体コードを含有するように、ディジェネレートバーコードを保有し得る。数百万の単一の免疫細胞が、エマルジョンの内側で溶解され得、細胞転写物、例えば、VおよびVならびに/またはVα/Vβおよび/もしくはVγ/Vδ鎖転写物は、プライマーを使用して逆転写またはコピーされ得、その後、ベッセルバーコードおよび分子バーコードでタグ化され得、バーコード化ポリヌクレオチドがPCR増幅され得る。単一の免疫細胞(例えば、B細胞またはT細胞)から生じる各VおよびVならびに/またはVα/Vβおよび/もしくはVγ/Vδ鎖は事実上、同じベッセルバーコード正体を有して、互いに連結され得る。
次いで、VおよびVならびに/またはVα/Vβおよび/もしくはVγ/Vδ鎖は、次世代シークエンシング(NGS)タグを付加するために、ベッセルから回収され得、PCR富化され得る。ライブラリーは、ハイスループット配列決定プラットフォームを使用して配列決定され得、その後、レパートリー多様性の分析、抗体頻度、CDR3特徴付け、体細胞超変異系統発生分析などがなされ得る。正確にマッチさせたVおよびVならびに/またはVα/Vβおよび/もしくはVγ/Vδペアのデータベースは、ベッセルおよび分子バーコード配列をデコンボリューションすることによって生成され得る。各単一の免疫細胞は、そのそれぞれのベッセル中で単離されるので、2回観察された各ベッセルバーコードについて、配列決定された転写物は、同じエマルジョン液滴に起源し、したがって、固有の単一の細胞に起源した。同じベッセルバーコードを含む配列について、観察された各異なる分子バーコードについて、配列決定された転写物は、単一の細胞由来の異なる転写物分子に起源した。同じベッセルバーコードを含む配列について、観察された各同じ分子バーコードについて、配列決定された転写物は、単一の細胞由来の同じ転写物分子(例えば、PCR重複)に起源した。
配列決定と並行して、ベッセルから回収されたVおよびVならびに/またはVα/Vβおよび/もしくはVγ/Vδ鎖のライブラリーは、抗体発現ベクター中にクローニングされ得、酵母ディスプレイスクリーニングのために共トランスフェクトされ得る。この同一のライブラリープールをクローニングすることは、開始時に生物学的試料を分割することと比較して好ましい方法であるが、それは、一部の稀な免疫細胞が、一方のアッセイまたは他方のアッセイのみにおいて捕捉されるからである。ヒト由来のVおよびVならびに/またはVαおよびVβならびに/またはVγおよびVδ鎖のライブラリーは、古典的なディスプレイアッセイと同様、対のマッチングが正確か不正確かに関わらず発現され得る。次いで、酵母ディスプレイが、潜在的抗体候補について富化するために、1つまたは複数の抗原標的に対して実行され得る。
酵母ディスプレイなどのディスプレイ技術から出現する陽性候補抗体は、配列決定され得、マッチさせた対のバーコードデータベースに対して問い合わせされ得る。各酵母ディスプレイされたVおよび/またはVαおよび/またはVγ鎖は、それぞれ、そのそれぞれのVまたはVβまたはVδ鎖に再びマッチされ得、各酵母が提示したVおよび/またはVβおよび/またはVδ鎖は、それぞれ、そのそれぞれのVまたはVαまたはVγ鎖に再びマッチされ得る。これらの正確に対合した候補は、哺乳動物細胞株において合成および発現され、目的の標的に対して機能的に検証される遺伝子であり得る。これらの候補は、完全ヒト抗体および/またはTCRであり得る。
したがって、本明細書の用語「抗体」は、最も広い意味で使用され、これには、断片抗原結合性(Fab)断片、F(ab’)2断片、Fab’断片、Fv断片、組換えIgG(rIgG)断片、単鎖可変断片(scFv)を含む単鎖抗体断片、および単一ドメイン抗体(例えば、sdAb、sdFv、ナノボディ)断片を含む、インタクトな抗体およびその機能的(抗原結合性)抗体断片を含む、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体が含まれる。この用語は、免疫グロブリンの遺伝子操作された形態および/または他の方法で改変された形態、例えば、イントラボディ、ペプチボディ、キメラ抗体、完全ヒト抗体、ヒト化抗体、およびヘテロコンジュゲート抗体、多特異性、例えば二特異性抗体、ダイアボディ、トリアボディおよびテトラボディ、タンデムジ-scFv、タンデムトリ-scFvを包含する。特記しない限り、用語「抗体」は、その機能的抗体断片を包含すると理解すべきである。この用語は、IgGならびにそのサブクラス、IgM、IgE、IgAおよびIgDを含む、任意のクラスまたはサブクラスの抗体を含む、インタクトな抗体または全長抗体もまた包含する。
「超可変領域」または「HVR」と同義の用語「相補性決定領域」および「CDR」は、抗原特異性および/または結合親和性を付与する、抗体可変領域内のアミノ酸の非隣接配列を指すことが、当技術分野で公知である。一般に、各重鎖可変領域中の3つのCDR(CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3)および各軽鎖可変領域中の3つのCDR(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3)が存在する。「フレームワーク領域」および「FR」は、重鎖および軽鎖の可変領域の非CDR部分を指すことが、当技術分野で公知である。一般に、各全長重鎖可変領域中の4つのFR(FR-H1、FR-H2、FR-H3およびFR-H4)、および各全長軽鎖可変領域中の4つのFR(FR-L1、FR-L2、FR-L3およびFR-L4)が存在する。
所与のCDRまたはFRの正確なアミノ酸配列境界は、Kabatら(1991年)、「Sequences of Proteins of Immunological Interest」、第5版 Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、MD(「Kabat」番号付けスキーム)、Al-Lazikaniら、(1997年)JMB 273巻、927~948頁(「Chothia」番号付けスキーム)、MacCallumら、J. Mol. Biol. 262巻:732~745頁(1996年)、「Antibody-antigen interactions: Contact analysis and binding site topography」、J. Mol. Biol. 262巻、732~745頁(「Contact」番号付けスキーム)、Lefranc MPら、「IMGT unique numbering for immunoglobulin and T cell receptor variable domains and Ig superfamily V-like domains」、Dev Comp Immunol、2003年1月;27巻(1号):55~77頁(「IMGT」番号付けスキーム)、ならびにHonegger AおよびPluckthun A、「Yet another numbering scheme for immunoglobulin variable domains: an automatic modeling and analysis tool」、J Mol Biol、2001年6月8日;309巻(3号):657~70頁、(「Aho」番号付けスキーム)によって記載されるものを含む、いくつかの周知のスキームのいずれかを使用して容易に決定され得る。
所与のCDRまたはFRの境界は、識別に使用されるスキームに依存して変動し得る。例えば、Kabatスキームは、構造アラインメントに基づくが、Chothiaスキームは、構造情報に基づく。KabatスキームおよびChothiaスキームの両方についての番号付けは、一部の抗体において現れる、挿入文字によって提供される挿入、例えば「30a」および欠失を伴う、最も一般的な抗体領域配列長に基づく。2つのスキームは、異なる位置においてある特定の挿入および欠失(「インデル」)を配置して、示差的な番号付けを生じる。Contactスキームは、複合体の結晶構造の分析に基づき、Chothia番号付けスキームに多くの点で類似している。
以下の表Aは、それぞれKabat、ChothiaおよびContactのスキームによって識別された場合の、CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3およびCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3の境界の例示の位置を列挙する(Kabat et al. (1991), Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD;および Al-Lazikani et al., (1997) JMB 273,927-948を参照)。CDR-H1については、残基番号付けは、Kabat番号付けスキームおよびChothia番号付けスキームの両方を使用して列挙されている。FRは、CDR間に位置する、例えば、FR-L1は、CDR-L1とCDR-L2との間に位置する、など。示されたKabat番号付けスキームは、H35AおよびH35Bに挿入を配置するので、示されたKabat番号付け慣習を使用して番号付けした場合のChothia CDR-H1ループの末端は、ループの長さに依存して、H32とH34との間で変動することに留意されたい。
したがって、特記しない限り、所与の抗体またはその領域、例えば、その可変領域の「CDR」または「相補性決定領域」、または個々の特定されたCDR(例えば、CDR-H1、CDR-H2)は、上述のスキームのいずれかによって規定される、ある(または特定の)相補性決定領域を包含すると理解すべきである。例えば、特定のCDR(例えば、CDR-H3)が、所与のVHまたはVLアミノ酸配列中の対応するCDRのアミノ酸配列を含むと述べられる場合、かかるCDRは、上述のスキームのいずれかによって規定される、可変領域内の対応するCDR(例えば、CDR-H3)の配列を有すると理解される。一部の実施形態では、特定されたCDR配列が特定される。
同様に、特記しない限り、所与の抗体またはその領域、例えば、その可変領域のFRまたは個々の識別されたFR(単数または複数)(例えば、FR-H1、FR-H2)は、公知のスキームのいずれかによって規定される、ある(または特定の)フレームワーク領域を包含すると理解すべきである。一部の例では、特定のCDR、FR、またはFR(複数)もしくはCDR(複数)の識別のためのスキームは、Kabat、ChothiaまたはContactの方法によって規定されるCDRのように、特定される。他の場合には、CDRまたはFRの特定のアミノ酸配列が与えられる。
用語「可変領域」または「可変ドメイン」とは、抗体の抗原への結合に関与する、抗体重鎖または軽鎖のドメインを指す。ネイティブ抗体の重鎖および軽鎖の可変ドメイン(それぞれ、VHおよびVL)は一般に、類似の構造を有し、各ドメインは、4つの保存されたフレームワーク領域(FR)および3つのCDRを含む(例えば、Kindtら Kuby Immunology、第6版、W.H. Freeman and Co.、91頁(2007年)を参照のこと)。単一のVHまたはVLドメインが、抗原結合特異性を付与するのに十分であり得る。さらに、特定の抗原と結合する抗体は、それぞれ相補的VLまたはVHドメインのライブラリーをスクリーニングするために、その抗原と結合する抗体由来のVHまたはVLドメインを使用して単離され得る。例えば、Portolanoら、J. Immunol. 150巻:880~887頁(1993年);Clarksonら、Nature 352巻:624~628頁(1991年)を参照のこと。
提供される抗体の中でも特に、抗体断片が挙げられる。「抗体断片」とは、インタクトな抗体が結合する抗原と結合するインタクトな抗体の一部分を含む、インタクトな抗体以外の分子を指す。抗体断片の例には、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2;ダイアボディ;直鎖抗体;単鎖抗体分子(例えば、scFv);および抗体断片から形成される多特異性抗体が含まれるがこれらに限定されない。特定の実施形態では、これらの抗体は、可変重鎖領域および/または可変軽鎖領域を含む単鎖抗体断片、例えば、scFvである。
特記しない限り、用語「TCR」は、完全TCRならびにその抗原結合性部分または抗原結合性断片(MHC-ペプチド結合性断片とも呼ばれる)を包含すると理解すべきである。一部の実施形態では、TCRは、インタクトなまたは全長TCRである。一部の実施形態では、TCRは、全長TCR未満であるが、MHC分子に結合した(即ち、MHC分子との関連での)特異的抗原性ペプチド、即ち、MHC-ペプチド複合体に結合する、抗原結合性部分である。一部の場合には、TCRの抗原結合性部分または断片は、全長またはインタクトなTCRの構造ドメインの一部分だけを含み得るが、それでもなお完全TCRが結合するエピトープ(例えば、MHC-ペプチド複合体)と結合することが可能である。一部の場合には、TCRの抗原結合性部分または断片は、特異的MHC-ペプチド複合体への結合のための結合部位を形成するのに十分なTCRの可変ドメイン、例えば、TCRの可変α鎖および可変β鎖を含み、ここで、例えば一般に、各鎖は3つの相補性決定領域を含む。抗原結合性ドメインであるまたは抗原結合性ドメインと相同である結合性ドメインを有するポリペプチドまたはタンパク質が含まれる。相補性決定領域(CDR)移植抗体およびTCRならびに他のヒト化抗体およびTCR(CDR改変およびフレームワーク領域改変を含む)もまた、これらの用語によって企図される。免疫グロブリン鎖(例えば、重鎖および軽鎖)のみに対して言及がなされ得るが、開示された発明は、複数の他の異なる型の対合した配列、例えば、T細胞受容体鎖ペア(TCRα鎖およびTCRβ鎖ならびにTCRγ鎖およびTCRδ鎖)に適用され得、免疫グロブリンに限定されないことに留意すべきである。
種々のがんまたは感染性生物と関連する抗原を認識するT細胞の能力は、アルファ(α)鎖およびベータ(β)鎖の両方またはガンマ(γ)およびデルタ(δ)鎖の両方から構成されるそのTCRによって付与される。これらの鎖を構成するタンパク質は、TCRの極めて大きい多様性を生成するために固有の機構を使用するDNAによってコードされる。この多サブユニット免疫認識受容体は、CD3複合体と会合し、抗原提示細胞(APC)の表面上のMHCクラスIおよびIIタンパク質によって提示されるペプチドと結合する。APC上の抗原性ペプチドへのTCRの結合は、T細胞活性化における中心的な事象であり、これは、T細胞とAPCとの間の接触点の免疫シナプスにおいて生じる。
一部の実施形態では、TCRまたは他のMHC-ペプチド結合分子は、MHCクラスI分子との関連でT細胞エピトープを認識するまたは潜在的に認識する。MHCクラスIタンパク質は、高等脊椎動物の全ての有核細胞において発現される。MHCクラスI分子は、12kDaの軽鎖β-2ミクログロブリンと非共有結合的に会合した46kDa重鎖から構成されるヘテロ二量体である。ヒトでは、いくつかのMHC対立遺伝子、例えば、HLA-A2、HLA-A1、HLA-A3、HLA-A24、HLA-A28、HLA-A31、HLA-A33、HLA-A34、HLA-B7、HLA-B45およびHLA-Cw8などが存在する。MHC対立遺伝子の配列は既知であり、例えば、www.ebi.ac.uk/ipd/imgt/hlaにおいて利用可能なIMGT/HLAデータベースにおいて見出すことができる。一部の実施形態では、MHCクラスI対立遺伝子は、一部の集団ではその集団のおよそ50%によって発現されるHLA-A2対立遺伝子である。一部の実施形態では、HLA-A2対立遺伝子は、HLA-A0201、0202、0203、0206または0207遺伝子産物であり得る。一部の場合には、異なる集団間で、サブタイプの頻度における差異が存在し得る。例えば、一部の実施形態では、HLA-A2陽性コーカサス人集団の95%よりも多くがHLA-A0201であるが、中国人集団では、この頻度は、およそ23%のHLA-A0201、45%のHLA-A0207、8%のHLA-A0206および23%のHLA-A0203であると報告されている。
一部の実施形態では、TCRまたは他のMHC-ペプチド結合分子は、MHCクラスII分子との関連でT細胞エピトープを認識するまたは潜在的に認識する。MHCクラスIIタンパク質は、抗原提示細胞(APC)と一般に呼ばれる、有核脊椎動物細胞のサブセットにおいて発現される。ヒトでは、いくつかのMHCクラスII対立遺伝子、例えば、DR1、DR3、DR4、DR7、DR52、DQ1、DQ2、DQ4、DQ8およびDP1などが存在する。一部の実施形態では、MHCクラスII対立遺伝子は、HLA-DRB10101、HLA-DRB0301、HLA-DRB0701、HLA-DRB0401およびHLA-DQB10201である。MHC対立遺伝子の配列は既知であり、例えば、www.ebi.ac.uk/ipd/imgt/hlaにおいて利用可能なIMGT/HLAデータベースにおいて見出すことができる。
各TCRは、可変相補性決定領域(CDR)ならびにフレームワーク領域(FR)を含む。αおよびβ鎖可変ドメインの第3の相補性決定領域(CDR3)ループのアミノ酸配列は、それぞれ、β鎖遺伝子座における可変(Vβ)遺伝子セグメント、多様性(Dβ)遺伝子セグメントおよび連結(Jβ)遺伝子セグメントの間での組換え、ならびにα鎖遺伝子座における類似のVα遺伝子セグメントとJα遺伝子セグメントとの間での組換えから生じる、αβT細胞の配列多様性を主に決定する。TCRのαおよびβ鎖遺伝子座における複数のかかる遺伝子セグメントの存在は、多数の別個のCDR3配列がコードされることを可能にする。TCR遺伝子再配置のプロセスの間のVβ-Dβ、Dβ-JβおよびVα-Jα接合部におけるヌクレオチドの独立した付加および欠失は、CDR3配列の多様性をさらに増加させる。これに関して、免疫適格性は、TCRの多様性に反映される。
B細胞によって発現される免疫グロブリン(Ig)は、一部の態様では、H構造を形成する4つのポリペプチド鎖、2つの重鎖(IgH)および2つの軽鎖(IgL)からなるタンパク質である。IgH鎖およびIgL鎖の各ペアは、VおよびV領域からなる超可変ドメイン、ならびに定常ドメインを含む。IgのIgH鎖は、いくつかの型、μ、δ、γ、αおよびβのものである。個体内のIgの多様性は、超可変ドメインによって主に決定される。TCRと同様に、IgH鎖のVドメインは、V、DおよびJ遺伝子セグメントのコンビナトリアル連結によって創出される。Ig遺伝子再配置のプロセスの間のV-D、D-JおよびV-J接合部におけるヌクレオチドの独立した付加および欠失は、超可変ドメイン配列の多様性をさらに増加させる。ここで、免疫適格性は、Igの多様性に反映される。
用語「可変領域」または「可変ドメイン」とは、抗原への抗体の結合に関与する、抗体重鎖または軽鎖のドメインを指す。ネイティブ抗体の重鎖および軽鎖の可変ドメイン(それぞれ、VHおよびVL)は一般に、類似の構造を有し、各ドメインは、4つの保存されたフレームワーク領域(FR)および3つのCDRを含む(例えば、Kindtら Kuby Immunology、第6版、W.H. Freeman and Co.、91頁(2007年)を参照のこと)。単一のVHまたはVLドメインが、抗原結合特異性を付与するのに十分であり得る。さらに、特定の抗原と結合する抗体は、それぞれ、相補的なVLまたはVHドメインのライブラリーをスクリーニングするために、抗原と結合する抗体由来のVHまたはVLドメインを使用して単離され得る。例えば、Portolanoら、J. Immunol. 150巻:880~887頁(1993年);Clarksonら、Nature 352巻:624~628頁(1991年)を参照のこと。
「親和性部分」とは、標的抗原と相互作用する親和性-オリゴヌクレオチドコンジュゲートの部分を指す。例示の親和性部分には、抗体、ペプチド、タンパク質、アプタマー、小分子、薬物、細胞などが含まれる。
「超可変領域」とは、抗原結合を担う、抗体またはTCRのアミノ酸残基を指す。この超可変領域は、相補性決定領域またはCDR由来のアミノ酸残基を含む。フレームワークまたはFR残基は、本明細書で定義されるように、超可変領域残基以外の可変ドメイン残基である。
提供される抗体のなかでも特に、抗体断片が挙げられる。「抗体断片」とは、インタクトな抗体が結合する抗原と結合するインタクトな抗体の一部分を含む、インタクトな抗体以外の分子を指す。抗体断片の例には、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2;ダイアボディ;直鎖抗体;単鎖抗体分子(例えば、scFv);および抗体断片から形成される多特異性抗体が含まれるがこれらに限定されない。特定の実施形態では、抗体は、可変重鎖領域および/または可変軽鎖領域を含む単鎖抗体断片、例えば、scFvである。
単一ドメイン抗体は、抗体の重鎖可変ドメインの全てもしくは一部分、または抗体の軽鎖可変ドメインの全てもしくは一部分を含む抗体断片である。ある特定の実施形態では、単一ドメイン抗体は、ヒト単一ドメイン抗体である。
抗体断片は、インタクトな抗体のタンパク質分解性消化、ならびに組換え宿主細胞による産生が含まれるがこれらに限定されない種々の技術によって作製され得る。一部の実施形態では、これらの抗体は、組換え産生された断片、例えば、天然に存在しない配置を含む断片、例えば、合成リンカー、例えばペプチドリンカーによって連結された2もしくはそれよりも多くの抗体領域もしくは鎖を有する断片、および/または天然に存在するインタクトな抗体の酵素消化によっては産生されない可能性がある断片である。一部の態様では、これらの抗体断片は、scFvである。
抗原結合性断片を含むTCR断片もまた提供される。一部の実施形態では、TCRは、その抗原結合性部分、例えば、完全可溶性TCRと呼ばれ得る、その膜貫通および/または細胞質領域(単数または複数)を含まない全長TCRのバリアントである。一部の実施形態では、TCRは、二量体TCR(dTCR)である。一部の実施形態では、TCRは、単鎖TCR(scTCR)、例えば、PCT特許公開番号WO03/020763、WO04/033685またはWO2011/044186に記載されるような構造を有するscTCRである。ある特定の実施形態では、TCRは、ベータ鎖可変領域に連結されたアルファ鎖可変領域を含む単鎖TCR断片、例えば、scTvである。一部の実施形態では、scTvは、scFvとも呼ばれる。
単鎖FvまたはscFvとは、一部の態様では、抗体の可変重鎖(V)および可変軽鎖(V)ドメイン、またはTCRの可変アルファもしくはガンマ鎖(VαもしくはVγ)および可変ベータもしくはデルタ鎖(VβもしくはVδ)ドメインを含む抗体またはTCR断片を指し、これらのドメインは、単一のポリペプチド鎖中に存在する。一般に、Fvポリペプチドは、抗原結合のための所望の構造をsFvが形成するのを可能にするポリペプチドリンカーを、VドメインとVドメインとの間、またはVαドメインとVβドメインとの間、またはVγドメインとVδドメインとの間にさらに含む。
ダイアボディとは、一部の態様では、2つの抗原結合部位を有する小さい抗体および/またはTCR断片を指し、この断片は、同じポリペプチド鎖(V-V)中のVに接続されたV、または同じポリペプチド鎖(Vα-Vβ)中のVβに接続されたVα、または同じポリペプチド鎖(Vγ-Vδ)中のVδに接続されたVγを含む。同じ鎖上の2つのドメイン間の対合を可能にするには短すぎるリンカーを使用することによって、それらのドメインは、別の鎖の相補的ドメインと対合し、2つの抗原結合部位を創出するように強いられる。例示のダイアボディは、例えば、EP404097およびWO93111161中により完全に記載されている。
二特異性抗体または二特異性TCRとは、一部の態様では、2つの異なる型の抗原に対する特異性を示す抗体またはTCRを指す。これらの用語には、本明細書で使用する場合、標的抗原に対する、および特定の組織への送達を促進する別の標的に対する結合特異性を示す抗体およびTCRが具体的に含まれるがこれらに限定されない。同様に、多特異性抗体およびTCRは、2またはそれよりも多くの結合特異性を有する。
直鎖抗体または直鎖TCRとは、一部の態様では、抗原結合性領域の対を形成するタンデムFdセグメント(例えば、V-CH1-V-CH1またはVα-Cα-Vα-Cα)の対を指す。直鎖抗体およびTCRは、例えば、Zapataら、Protein Eng. 8巻(10号):1057~1062頁(1995年)に記載されるように、二特異性または単一特異性であり得る。
抗原結合性ドメインとは、一部の態様では、抗原に特異的に結合する能力を保持する、抗体またはTCRの1つまたは複数の断片を指す。かかる用語内に含まれる抗体断片の非限定的な例には、(i)V、V、CおよびCH1ドメインからなる一価断片であるFab断片;(ii)ヒンジ領域においてジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価断片であるF(ab’)断片;(iii)VおよびCH1ドメインからなるFd断片;(iv)scFvを含む、抗体の単一のアームのVおよびVドメインを含むFv断片、(v)Vドメインを含むdAb断片(Wardら、(1989年)Nature 341巻:544 546頁);ならびに(vi)単離されたCDRが含まれるがこれらに限定されない。さらに、単一の重鎖および単一の軽鎖を含む抗体、または単一のアルファ鎖もしくは単一のベータ鎖を有するTCRが、この定義に含まれる。
「F(ab’)」および「Fab’」部分は、ペプシンおよびパパインなどのプロテアーゼでIgを処理することによって産生され得、これらには、2つの重鎖の各々中のヒンジ領域間に存在するジスルフィド結合の近傍で免疫グロブリンを消化することによって生成される抗体断片が含まれる。例えば、パパインは、2つの重鎖の各々中のヒンジ領域間に存在するジスルフィド結合の上流でIgGを切断して、VおよびCから構成される軽鎖ならびにVおよびCHγ1(重鎖の定常領域中のγ1領域)から構成される重鎖断片が、それらのC末端領域においてジスルフィド結合を介して接続される、2つの相同な抗体断片を生成する。これら2つの相同な抗体断片の各々は、’Fab’と呼ばれる。ペプシンもまた、2つの重鎖の各々中のヒンジ領域間に存在するジスルフィド結合の下流でIgGを切断して、2つの上述の’Fab’がヒンジ領域において接続される断片よりも、わずかに大きい抗体断片を生成する。この抗体断片は、F(’ab’)と呼ばれる。Fab断片はまた、軽鎖の定常ドメインおよび重鎖の第1の定常ドメイン(C1)を含む。’Fab’断片は、抗体ヒンジ領域由来の1つまたは複数のシステイン(単数または複数)を含む重鎖C1ドメインのカルボキシル末端における数個の残基の付加により、Fab断片とは異なる。Fab’-SHは、定常ドメインのシステイン残基(単数または複数)が遊離チオール基を有するFab’についての本明細書での命名である。F(ab’)抗体断片は元々、それらの間にヒンジシステインを有するFab’断片の対として産生される。
Fvとは、一部の態様では、完全な抗原認識および抗原結合部位を含む抗体またはTCR断片を指す。この領域は、緊密に非共有結合的に会合した、1つの重鎖および1つの軽鎖可変ドメインまたは1つのTCRα鎖および1つのTCRβ鎖または1つのTCRγ鎖および1つのTCRδ鎖の二量体からなる。この構成では、各可変ドメインの3つのCDRが相互作用して、V-V二量体またはVα-Vβ二量体またはVγ-Vδ二量体の表面上の抗原結合部位を規定する。集合的に、VおよびV鎖またはVα-Vβ鎖またはVγ-Vδ鎖の各々由来のCDRのうち1つまたは複数の組合せは、抗体またはTCRに抗原結合特異性を付与する。例えば、CDRH3およびCDRL3は、レシピエントの選択された抗体、TCRまたはそれらの抗原結合性断片のVおよびV鎖またはVαおよびVβ鎖またはVγ-Vδ鎖に移入された場合に、抗体またはTCRに抗原結合特異性を付与するのに十分であり得、CDRのこの組合せは、結合、親和性などについて試験され得ることが理解される。単一の可変ドメイン(または抗原に特異的な3つのCDRのみを含むFvの半分)であっても、抗原を認識し抗原と結合する能力を有するが、第2の可変ドメインと組み合わせた場合よりも低い親和性である可能性が高い。さらに、Fv断片の2つのドメイン(VおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ)は、別々の遺伝子によってコードされるが、これらは、VおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ鎖領域が対合して一価分子を形成する単一のタンパク質鎖(単鎖Fv(scFv)として公知;Birdら(1988年)Science 242巻:423~426頁;Hustonら(1988年)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85巻:5879~5883頁;およびOsbournら(1998年)Nat. Biotechnol. 16巻:778頁)としてそれらが作製されることを可能にする合成リンカーによって、組換え方法を使用して連結され得る。かかるscFvもまた、抗体の用語「抗原結合性部分」内に包含される意図である。特異的scFvの任意のVおよびV配列は、完全なIg(例えば、IgG)分子または他のアイソタイプをコードする発現ベクターを生成するために、Fc領域のcDNAまたはゲノム配列に連結され得る。VおよびVは、タンパク質化学または組換えDNA技術のいずれかを使用する、Fab、FvまたはIgの他の断片の生成においても使用され得る。
抗原結合性ポリペプチドには、例えば、ラクダ科動物およびサメ由来の抗体などの、重鎖二量体もまた含まれ得る。ラクダ科動物抗体およびサメ抗体は、V様およびC様ドメインの2つの鎖のホモ二量体対を含む(どちらも軽鎖を有さない)。ラクダ科動物における重鎖二量体IgGのV領域は、軽鎖と疎水性相互作用しないので、軽鎖と通常接触する重鎖中の領域は、ラクダ科動物では親水性アミノ酸残基に変化される。重鎖二量体IgGのVドメインは、VHHドメインと呼ばれる。サメIg-NARは、1つの可変ドメイン(V-NARドメインと呼ばれる)および5つのC様定常ドメイン(C-NARドメイン)のホモ二量体を含む。ラクダ科動物では、抗体レパートリーの多様性は、VまたはVHH領域中のCDR1、2および3によって決定される。ラクダVHH領域中のCDR3は、平均16アミノ酸の、その比較的長い長さを特徴とする(Muyldermansら、1994年、Protein Engineering 7巻(9号):1129頁)。
「ヒト化」抗体は、全てまたは実質的に全てのCDRアミノ酸残基が非ヒトCDRに由来し、全てまたは実質的に全てのFRアミノ酸残基がヒトFRに由来する抗体である。ヒト化抗体は、任意選択で、ヒト抗体に由来する抗体定常領域の少なくとも一部分を含み得る。非ヒト抗体の「ヒト化形態」とは、親非ヒト抗体の特異性および親和性を保持しつつ、ヒトに対する免疫原性を典型的には低減させるためにヒト化を受けた非ヒト抗体のバリアントを指す。一部の実施形態では、ヒト化抗体中の一部のFR残基は、例えば、抗体の特異性または親和性を回復または改善するために、非ヒト抗体(例えば、CDR残基が由来する抗体)由来の対応する残基で置換される。
提供される抗体のなかでも特に、ヒト抗体が挙げられる。「ヒト抗体」は、ヒトもしくはヒト細胞、またはヒト抗体レパートリーもしくはヒト抗体ライブラリーなどの他のヒト抗体をコードする配列を利用する非ヒト供給源によって産生される抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有する抗体である。この用語は、非ヒト抗原結合性領域を含む非ヒト抗体のヒト化形態、例えば、全てまたは実質的に全てのCDRが非ヒトであるものを排除する。
ヒト抗体は、抗原チャレンジに応答してインタクトなヒト抗体、またはヒト可変領域を有するインタクトな抗体を産生するように改変されたトランスジェニック動物に免疫原を投与することによって調製され得る。かかる動物は、典型的には、内因性免疫グロブリン遺伝子座を置き換える、または染色体外に存在するもしくは動物の染色体中にランダムに組み込まれる、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の全てまたは一部分を含む。かかるトランスジェニック動物では、内因性免疫グロブリン遺伝子座は一般に、不活化されている。ヒト抗体はまた、ヒトレパートリーに由来する抗体コード配列を含む、ファージディスプレイライブラリーおよび無細胞ライブラリーを含むヒト抗体ライブラリーに由来し得る。
提供される抗体のなかでも特に、モノクローナル抗体断片を含むモノクローナル抗体が挙げられる。用語「モノクローナル抗体」とは、本明細書で使用する場合、実質的に均一な抗体の集団に由来する抗体またはかかる集団内の抗体を指す、即ち、集団を構成する個々の抗体は、天然に存在する変異を含むまたはモノクローナル抗体調製物の産生の間に生じる可能なバリアントを除いて同一であり、かかるバリアントは一般に、微量で存在する。異なるエピトープに対する異なる抗体を典型的には含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、ある抗原上の単一のエピトープに対するものである。この用語は、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とすると解釈すべきではない。モノクローナル抗体は、ハイブリドーマからの生成、組換えDNA法、ファージディスプレイおよび他の抗体ディスプレイ法が含まれるがこれらに限定されない種々の技術によって作製され得る。
用語「ポリペプチド」および「タンパク質」は、アミノ酸残基のポリマーを指すために相互交換可能に使用され、最小の長さに制限されない。提供される抗体および抗体鎖ならびに他のペプチド、例えばリンカーおよび結合性ペプチドを含むポリペプチドは、天然および/または非天然のアミノ酸残基を含むアミノ酸残基を含み得る。これらの用語は、ポリペプチドの発現後修飾、例えば、グリコシル化、シアル酸付加、アセチル化、リン酸化などもまた含む。一部の態様では、ポリペプチドは、タンパク質が所望の活性を維持する限り、ネイティブまたは天然の配列に対する改変を含んでもよい。これらの改変は、部位特異的変異誘発などを介して計画的であり得、またはタンパク質を産生する宿主の変異もしくはPCR増幅に起因したエラーなどを介して偶発的であり得る。
「生殖系列配列」とは、生殖系列(一倍体配偶子およびそれらが形成される二倍体細胞)由来の遺伝子配列を指す。生殖系列DNAは、単一のIg重鎖もしくは軽鎖、または単一のTCRαもしくはTCRβ鎖、または単一のTCRγもしくはTCRδ鎖をコードする複数の遺伝子セグメントを含む。これらの遺伝子セグメントは、生殖細胞中に保有されるが、機能的遺伝子へと配置されるまで、転写および翻訳することができない。骨髄におけるB細胞およびT細胞の分化の間に、これらの遺伝子セグメントは、10よりも大きい特異性を生じることが可能なダイナミックな遺伝子系によってランダムにシャッフルされる。これらの遺伝子セグメントのほとんどは、生殖系列データベースによって公開および収集されている。
親和性とは、2つの薬剤の可逆的結合についての平衡定数を指し、Kとして表される。リガンドに対する結合性タンパク質の親和性、例えば、エピトープに対する抗体の親和性は、例えば、約100ナノモル濃度(nM)~約0.1nM、約100nM~約1ピコモル濃度(pM)、または約100nM~約1フェムトモル濃度(fM)であり得る。用語「アビディティー」とは、希釈後の解離に対する、2またはそれよりも多くの薬剤の複合体の抵抗性を指す。
エピトープとは、一部の態様では、抗体またはTCRの可変領域結合ポケットとの結合相互作用を形成することが可能な、抗原または他の高分子の一部分を指す。かかる結合相互作用は、1つまたは複数のCDRの1つまたは複数のアミノ酸残基との分子間接触として顕在化され得る。抗原結合には、例えば、CDR3、CDR3対、または一部の例では、VおよびV鎖の最大で6つ全てのCDRの相互作用が関与し得る。エピトープは、直鎖ペプチド配列であり得る(即ち、「連続的」)、または非隣接アミノ酸配列から構成され得る(即ち、「コンフォメーション」または「不連続的」)。抗体またはTCRは、1つまたは複数のアミノ酸配列を認識できる;したがって、エピトープは、1つよりも多くの別個のアミノ酸配列を規定できる。一部の態様では、TCRは、MHCとの関連で1つまたは複数のアミノ酸配列またはエピトープを認識できる。抗体およびTCRによって認識されるエピトープは、当業者に周知のペプチドマッピングおよび配列分析技術によって決定され得る。結合相互作用は、CDRの1つまたは複数のアミノ酸残基との分子間接触として顕在化される。
一部の実施形態では、特異的結合を有する抗体またはTCRに対する言及は、ある抗体またはTCRが、抗体またはTCRによって認識されるエピトープを含む抗原以外の分子に対するいずれの顕著な結合も示さない状況を指す。この用語は、例えば、抗原結合性ドメインが、いくつかの抗原によって保有される特定のエピトープに特異的である場合にも適用可能であり、この場合、選択された抗体、TCR、または抗原結合性ドメインを保有するそれらの抗原結合性断片は、エピトープを保有する種々の抗原に結合できる。用語「優先的に結合する」または「特異的に結合する」とは、抗体、TCRまたはそれらの断片が、無関係のアミノ酸配列に結合する場合よりも高い親和性でエピトープに結合し、このエピトープを含む他のポリペプチドと交差反応性である場合には、ヒト使用への投与のために製剤化されるレベルにおいてそれらが毒性でないことを意味する。一態様では、かかる親和性は、無関係のアミノ酸配列に対する抗体、TCRまたはそれらの断片の親和性よりも、少なくとも1倍大きい、少なくとも2倍大きい、少なくとも3倍大きい、少なくとも4倍大きい、少なくとも5倍大きい、少なくとも6倍大きい、少なくとも7倍大きい、少なくとも8倍大きい、少なくとも9倍大きい、10倍大きい、少なくとも20倍大きい、少なくとも30倍大きい、少なくとも40倍大きい、少なくとも50倍大きい、少なくとも60倍大きい、少なくとも70倍大きい、少なくとも80倍大きい、少なくとも90倍大きい、少なくとも100倍大きい、または少なくとも1000倍大きい。用語「結合」とは、例えば、生理的条件下での共有結合、静電、疎水性、ならびにイオン性および/または水素結合相互作用に起因する2つの分子間の直接的会合を指し、これには、相互作用、例えば、塩架橋および水架橋、ならびに結合の任意の他の従来の手段が含まれる。
薬学的に許容されるとは、生理的に容認可能であり、ヒトに投与した場合にアレルギー反応または類似の有害な反応、例えば、胃の不調、眩暈などを典型的には生じない、分子実体および組成物を指す。
治療的組成物に言及して使用される場合、単位用量とは、ヒトへの単位的投薬量として適切な物理的に個別の単位を指し、各単位は、必要な希釈剤;即ち、担体またはビヒクルと関連して、所望の治療効果を生じるように計算された所定の量の活性材料を含有する。
包装材料とは、キットの成分を収容する物理的構造を指す。この包装材料は、成分を無菌で維持でき、かかる目的のために一般に使用される材料(例えば、紙、波板(corrugated fiber)、ガラス、プラスチック、ホイル、アンプルなど)で製造され得る。標識または添付文書は、適切な書面の指示書を含み得る。したがって、キットは、本発明の任意の方法においてキット成分を使用するための標識または指示書をさらに含み得る。キットは、本明細書に記載されている方法において化合物を投与するための指示書と共に、パックまたはディスペンサー中の化合物を含み得る。
「予防(prevention)」とは、予防(prophylaxis)、症状の発症の予防(prevention)、過剰なレベルのタンパク質と関連するまたはタンパク質活性と相関する疾患または障害の進行の予防(prevention)を指す。
「阻害」、「処置」および「処置すること」は、相互交換可能に使用され、例えば、症状の停滞、生存の延長、症状の部分的または完全な寛解、および過剰なレベルのタンパク質と関連するまたはタンパク質活性と相関する状態、疾患または障害の部分的または完全な根絶を指す。例えば、がんの処置には、がん性成長または腫瘍の停滞、部分的または完全な排除が含まれるがこれらに限定されない。処置または部分的排除には、例えば、成長または腫瘍のサイズおよび/もしくは体積における所定倍率の低減、例えば、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約10倍、約20倍、約50倍、またはそれらの間の任意の倍率の低減が含まれる。同様に、処置または部分的排除には、成長または腫瘍のサイズおよび/もしくは体積における、約1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%またはそれらの間の任意の百分率の低減の、パーセント低減が含まれ得る。
中和抗体または中和TCRとは、一部の態様では、中和が達成される機構に関わりなく、ウイルスまたは細菌などの病原体の複製を阻害する任意の抗体またはTCRを指す。
抗体レパートリーまたはTCRレパートリーとは、抗体、TCRまたはそれらの断片の収集を指す。抗体レパートリーは、例えば、特定の抗体を選択するため、または特定の特性、例えば、結合能、結合特異性、胃腸輸送の能力、安定性、親和性などについてスクリーニングするために使用され得る。この用語は、例えば、ナイーブ、合成および半合成ライブラリーを含む、任意の供給源由来の単鎖Fv(scFv)およびFab抗体ファージディスプレイライブラリーが限定なしに含まれる抗体ファージディスプレイライブラリーなどのコンビナトリアルライブラリーの全ての形態を含む、抗体およびTCRライブラリーを具体的に含む。
「標的核酸分子」、「標的分子」、「標的ポリヌクレオチド」、「標的ポリヌクレオチド分子」とは、目的の任意の核酸を指す。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)とは、二本鎖ポリヌクレオチドの相補鎖の同時プライマー伸長によるポリヌクレオチド配列のin vitro増幅反応を指す。PCR反応は、プライマー結合部位が隣接する鋳型ポリヌクレオチドのコピーを生成する。2つのプライマーを用いた結果は、各サイクルによって両方の鎖が複製されることによる、各サイクルによる両方の鎖の鋳型ポリヌクレオチドコピー数における指数関数的増加である。ポリヌクレオチド二重鎖は、使用されるプライマーの末端に対応する末端を有する。PCRは、鋳型ポリヌクレオチドを変性させること、プライマーをプライマー結合部位にアニーリングさせること、およびヌクレオチドの存在下でDNAまたはRNAポリメラーゼによってプライマーを伸長させることの、1または複数回の反復を含み得る。特定の温度、各ステップにおける持続時間、およびステップ間の変化の速度は、当業者に周知の多くの因子に依存する(McPhersonら、IRL Press、Oxford(1991年および1995年))。例えば、Taq DNAポリメラーゼを使用する従来のPCRでは、二本鎖鋳型ポリヌクレオチドは、>90℃の温度で変性され得、プライマーは、50~75℃の範囲の温度でアニーリングされ得、プライマーは、72~78℃の範囲の温度で伸長され得る。一部の実施形態では、PCRは、逆転写PCR(RT-PCR)、リアルタイムPCR、ネステッドPCR、定量的PCR、多重PCRなどを含む。一部の実施形態では、PCRは、RT-PCRを含まない(米国特許第5,168,038号、同第5,210,015号、同第6,174,670号、同第6,569,627号および同第5,925,517号;Mackayら、Nucleic Acids Research、30巻:1292~1305頁(2002年))。RT-PCRは、逆転写反応が先行するPCR反応を含み、得られたcDNAが増幅され、ネステッドPCRは、第1のセットのプライマーを使用する第1のPCR反応のアンプリコンが、それらのうち少なくとも一方が第1のPCR反応のアンプリコンの内部位置に結合する第2のプライマーセットを使用する第2のPCR反応のための試料になる、二段階PCRを含む。多重PCRは、複数のポリヌクレオチド配列が同じ反応混合物中で同時にPCRに供されるPCR反応を含む。PCR反応体積は、0.2pL~1000μLの間のいずれかであり得る。定量的PCRは、試料中の1つまたは複数の配列の絶対量もしくは相対量、存在量、または濃度を測定するために設計されたPCR反応を含む。定量的測定は、1つまたは複数の参照配列または標準を目的のポリヌクレオチド配列と比較することを含み得る(Freemanら、Biotechniques、26巻:112~126頁(1999年);Becker-Andreら、Nucleic Acids Research、17巻:9437~9447頁(1989年);Zimmermanら、Biotechniques、21巻:268~279頁(1996年);Diviaccoら、Gene、122巻:3013~3020頁(1992年);Becker-Andreら、Nucleic Acids Research、17巻:9437~9446頁(1989年))。
他の実施形態では、本明細書で開示されている方法、キットおよび組成物は、支持体を含んでいてもよい。一部の実施形態では、本明細書で開示されている方法、キット、および組成物は、支持体を含まない。典型的には、固体支持体は、1つまたは複数の剛性または半剛性表面を含む1つまたは複数の材料を含む。一部の実施形態では、この支持体は非固体支持体である。この支持体または基材は、膜、紙、プラスチック、被覆表面、平坦表面、ガラス、スライド、チップ、またはそれらの任意の組合せを含んでいてもよい。一部の実施形態では、支持体の1つまたは複数の表面は実質的に平坦であるが、一部の実施形態では、例えば、ウェル、隆起領域、ピン、またはエッチングされた溝などを有する、様々な化合物のための合成領域が物理的に分離されていることが望ましい場合がある。一部の実施形態では、固体支持体は、ビーズ、樹脂、ゲル、ミクロスフェア、または他の幾何学的構成を含む。あるいは、固体支持体は、シリカチップ、マイクロ粒子、ナノ粒子、プレート、およびアレイを含んでいてもよい。この固体支持体は、マイクロウェルでの自己集合可能なビーズの使用を含み得る。例えば、この固体支持体は、IlluminaのBeadArray技術を含む。あるいは、この固体支持体は、Abbott MolecularのBead Array技術、およびApplied MicroarrayのFlexiPlex(商標)システムを含む。あるいは、この固体支持体は、プレートである。プレートの例としては、これらに限定されないが、MSDマルチアレイプレート、MSD Multi-Spot(登録商標)プレート、マイクロプレート、ProteOnマイクロプレート、AlphaPlate、DELFIAプレート、IsoPlate、およびLumaPlateが挙げられる。一部の実施形態では、支持体は、複数のビーズを含んでいてもよい。一部の実施形態では、支持体は、アレイを含んでいてもよい。一部の実施形態では、支持体は、ガラススライドを含んでいてもよい。ポリマーに適用可能な方法、基材および技法(米国特許第5,744,305号、同第5,143,854号、同第5,242,974号、同第5,252,743号、同第5,324,633号、同第5,384,261号、同第5,405,783号、同第5,424,186号、同第5,451,683号、同第5,482,867号、同第5,491,074号、同第5,527,681号、同第5,550,215号、同第5,571,639号、同第5,578,832号、同第5,593,839号、同第5,599,695号、同第5,624,711号、同第5,631,734号、同第5,795,716号、同第5,831,070号、同第5,837,832号、同第5,856,101号、同第5,858,659号、同第5,936,324号、同第5,968,740号、同第5,974,164号、同第5,981,185号、同第5,981,956号、同第6,025,601号、同第6,033,860号、同第6,040,193号、同第6,090,555号、同第6,136,269号、同第6,269,846号および同第6,428,752号;米国特許出願公開第20090149340号、同第20080038559号、同第20050074787号;ならびにPCT公開番号WO00/58516、WO99/36760およびWO01/58593)。支持体へのポリヌクレオチドの付着は、アミン-チオール架橋、マレイミド架橋、N-ヒドロキシスクシンイミド、またはN-ヒドロキシスルホスクシンイミド、Zenon、またはSiteClickを含んでいてもよい。支持体への標識核酸の付着は、ビオチンを複数のポリヌクレオチドに付着させること、および1つまたは複数のビーズをストレプトアビジンでコーティングすることを含んでいてもよい。一部の実施形態では、この固体支持体は、ビーズである。ビーズの例としては、これらに限定されないが、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁性ビーズ、Dynabeads(登録商標)、MACS(登録商標)マイクロビーズ、抗体コンジュゲートビーズ(例えば、抗免疫グロブリンマイクロビーズ)、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、ポリヌクレオチドdTコンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、およびBcMag(商標)カルボキシ末端磁気ビーズが挙げられる。ビーズの直径は、約5μm、10μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μm、または50μmであってもよい。この固体支持体は、アレイまたはマイクロアレイであってもよい。この固体支持体は、個別の領域を含んでいてもよい。この固体支持体は、アレイ、例えば、アドレス可能なアレイであってもよい。
「ヌクレオチド」、「ヌクレオシド」、「ヌクレオチド残基」および「ヌクレオシド残基」とは、本明細書で使用する場合、デオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチド残基、または増幅反応(例えば、PCR反応)における使用に適切なプライマーの成分として機能することが可能な他の類似のヌクレオシドアナログを意味し得る。かかるヌクレオシドおよびその誘導体は、特記した場合を除き、本明細書に記載されるプライマーの構成要素として使用され得る。化学的改変が、必要に応じて、ポリメラーゼによる、デオキシグアニン、デオキシシトシン、デオキシチミジンまたはデオキシアデニンとしてのそれらの認識を妨害しないことを条件として、増幅反応におけるそれらの安定性または有用性を増強するために化学改変されたヌクレオシド誘導体または塩基の利用を妨げることを意味するものは、本出願中には存在しない。一部の実施形態では、ヌクレオチドアナログは、ハイブリッド形成を安定化し得る。一部の実施形態では、ヌクレオチドアナログは、ハイブリッド形成を不安定化し得る。一部の実施形態では、ヌクレオチドアナログは、ハイブリダイゼーションの特異性を増強し得る。一部の実施形態では、ヌクレオチドアナログは、ハイブリダイゼーションの特異性を低減させ得る。
「核酸」または文法的等価物とは、単一のヌクレオチド、または共有結合によって一緒に連結された少なくとも2つのヌクレオチドのいずれかを指す。
「ポリヌクレオチド」または「ポリヌクレオチド」または「ポリヌクレオチド」または文法的等価物とは、共有結合によって一緒に連結された少なくとも2つのヌクレオチドを指す。ポリヌクレオチドは、2またはそれよりも多くのヌクレオチドを含む分子を含む。ポリヌクレオチドは、プリンおよびピリミジン塩基、または他の天然のヌクレオチド塩基、化学的に改変されたもしくは生化学的に改変された非天然のヌクレオチド塩基、またはヌクレオチド塩基の誘導体を含む、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチドまたはペプチド核酸(PNA)のいずれかの、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を含む。ポリヌクレオチドの骨格は、糖およびリン酸基、または改変もしくは置換された糖もしくはリン酸基を含み得る。ポリヌクレオチドは、改変ヌクレオチド、例えば、メチル化ヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログを含み得る。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分によって中断され得る。ポリヌクレオチドは、他の分子、例えば、別のハイブリダイズしたポリヌクレオチドを含み得る。ポリヌクレオチドは、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、またはその両方の配列を含む。ポリヌクレオチドの非限定的な例には、遺伝子、遺伝子断片、エクソン、イントロン、遺伝子間DNA(ヘテロクロマチンDNAが限定なしに含まれる)、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA、リボソームRNA、リボザイム、低分子干渉RNA(siRNA)、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分岐鎖ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、ある配列の単離されたDNA、ある配列の単離されたRNA、核酸プローブおよびプライマーが含まれる。ポリヌクレオチドは、天然の供給源から単離された、組換えの、または人工的に合成されたものであり得る。
ポリヌクレオチドは、非標準ヌクレオチド、例えば、ヌクレオチドアナログまたは改変ヌクレオチドを含み得る。一部の実施形態では、非標準ヌクレオチドは、ハイブリッド形成を安定化し得る。一部の実施形態では、非標準ヌクレオチドは、ハイブリッド形成を不安定化し得る。一部の実施形態では、非標準ヌクレオチドは、ハイブリダイゼーションの特異性を増強し得る。一部の実施形態では、非標準ヌクレオチドは、ハイブリダイゼーションの特異性を低減させ得る。非標準ヌクレオチド改変の例には、2’O-Me、2’O-アリル、2’O-プロパルギル、2’O-アルキル、2’フルオロ、2’アラビノ、2’キシロ、2’フルオロアラビノ、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロアミデート(phosphoroamidate)、2’アミノ、5-アルキル置換ピリミジン、3’デオキシグアノシン、5-ハロ置換ピリミジン、アルキル置換プリン、ハロ置換プリン、二環式ヌクレオチド、2’MOE、PNA分子、LNA-分子、LNA様分子、ジアミノプリン、S2T、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン(xantine)、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、ベータ-D-ガラクトシルキューオシン(beta-D-galactosylqueosine)、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N-アデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、ベータ-D-マンノシルキューオシン(beta-D-mannosylqueosine)、5’-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-D46-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、ウブトキソシン(wybutoxosine)、シュードウラシル、キューオシン(queosine)、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、5-メチル-2-チオウラシル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、2,6-ジアミノプリン、およびそれらの誘導体が含まれる。
「対象」、「個体」、「宿主」または「患者」とは、哺乳動物などの生きた生物を指す。対象および宿主の例には、ウマ、雌ウシ、ラクダ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、ラット、マウス(例えば、ヒト化マウス)、スナネズミ、非ヒト霊長類(例えば、マカク)、ヒトなど、例えば、非哺乳動物脊椎動物、例えば、鳥類(例えば、ニワトリまたはアヒル)、魚類(例えば、サメ)またはカエル(例えば、Xenopus)、および非哺乳動物無脊椎動物を含む非哺乳動物、ならびにそれらのトランスジェニック種が含まれるがこれらに限定されない。ある特定の態様では、対象とは、単一の生物(例えば、ヒト)を指す。ある特定の態様では、あるいは、研究のための共通の免疫因子および/もしくは疾患を有する小さいコホート、ならびに/または疾患を有さない個体のコホート(例えば、陰性/正常対照)を構成する個体の群が提供される。試料が取得される対象は、疾患および/または障害(例えば、1つまたは複数のアレルギー、感染、がんまたは自己免疫障害など)に苦しみ得、疾患に罹患していない陰性対照対象に対して比較され得る。
「キット」とは、本明細書に開示される方法を実行するために材料または試薬を送達するための送達系を指す。一部の実施形態では、キットには、反応試薬(例えば、適切な容器中のプローブ、酵素など)および/または支持材料(例えば、アッセイを実行するための緩衝液、書面の指示書など)の貯蔵、1つの位置から別の位置へのそれらの輸送または送達を可能にする系が含まれる。例えば、キットは、適切な反応試薬および/または支持材料を含む1つまたは複数のエンクロージャー(例えば、箱)を含む。かかる内容物は、意図したレシピエントに一緒にまたは別々に送達され得る。例えば、第1の容器は、アッセイにおける使用のための酵素を含み得るが、第2の容器は、複数のプライマーを含む。
ポリペプチドとは、一部の態様では、少なくとも2つのアミノ酸を含む分子を指す。一部の実施形態では、ポリペプチドは、単一のペプチドからなる。一部の実施形態では、ポリペプチドは、2またはそれよりも多くのペプチドを含む。例えば、ポリペプチドは、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900または1000のペプチドまたはアミノ酸を含み得る。ポリペプチドの例には、アミノ酸鎖、タンパク質、ペプチド、ホルモン、ポリペプチド、サッカライド、脂質、糖脂質、リン脂質、抗体、酵素、キナーゼ、受容体、転写因子およびリガンドが含まれるがこれらに限定されない。
試料とは、一部の態様では、生物学的、環境的、医学的な、対象の、もしくは患者の試料、または標的ポリヌクレオチドなどのポリヌクレオチドを含む試料を指す。
試料
ポリヌクレオチドを含有する任意の生物学的試料が、本明細書に記載されている方法において使用され得る。例えば、試料は、RNAまたはDNAを含有する対象由来の生物学的試料であり得る。これらのポリヌクレオチドは、生物学的試料から抽出され得、またはこの試料は、ポリヌクレオチドの抽出も精製もなしに、この方法に直接供され得る。この試料は、抽出または単離されたDNAまたはRNAであり得る。試料はまた、生物学的検体から抽出された総RNAもしくはDNA、cDNAライブラリー、ウイルスまたはゲノムDNAであり得る。一実施形態では、ポリヌクレオチドは、種々の他の成分、例えば、タンパク質、脂質および非鋳型核酸を含有する生物学的試料から単離される。核酸鋳型分子は、動物、植物、細菌、真菌または任意の他の細胞性生物から取得される任意の細胞性材料から取得され得る。ある特定の実施形態では、これらのポリヌクレオチドは、単一の細胞から取得される。ポリヌクレオチドは、生物から直接、または生物から取得された生物学的試料から取得され得る。任意の組織または体液検体は、本発明における使用のための核酸の供給源として使用され得る。ポリヌクレオチドが、培養細胞、例えば、初代細胞培養物または細胞株からも単離され得る。鋳型核酸が取得される細胞または組織は、ウイルスまたは他の細胞内病原体に感染し得る。
ある特定の実施形態では、抗体またはTCR産出免疫細胞を、免疫されているか、または感染症、がん、自己免疫状態、もしくは任意の他の疾患を罹患しているヒトまたは他の動物等の、ヒトまたは他の動物等の対象または宿主の血液または他の生物学的試料から単離して、臨床的に重要である可能性がある、病原体特異的、腫瘍特異的、および/または疾患特異的な抗体またはTCRを識別することができる。例えば、ヒトは、疾患を有すると診察されていてもよく、疾患の症状を示しているが、疾患を有すると診察されていなくてもよく、または疾患の症状を示していなくてもよい。例えば、ヒトは、感染因子(例えば、ウイルス、細菌、寄生動物、プリオン等)、抗原、もしくは疾患に曝されたヒト、および/または感染因子(例えば、ウイルス、細菌、寄生動物、プリオン等)、抗原、もしくは疾患に対する有用な抗体またはTCRを作ることができるヒトであってもよい。例えば、動物は、感染因子(例えば、ウイルス、細菌、寄生動物、プリオン等)、抗原、もしくは疾患に曝された動物、および/または感染因子(例えば、ウイルス、細菌、寄生動物、プリオン等)、抗原、もしくは疾患に対する有用な抗体またはTCRを作ることができる動物であってもよい。免疫された宿主に由来するある特定の免疫細胞は、問題となっている1つもしくは複数の標的抗原および/または1つもしくは複数の未知抗原に対する抗体またはTCRを作る。本発明では、リンパ球プールは、抗体鎖が配列決定されるか、抗体が作られるか、または発現ライブラリーが作られる前に、蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)、磁気活性化細胞ソーティング(MACS)を使用した細胞のスクリーニングおよびソーティング、パニング法、または免疫細胞ライブラリー等の、試料に由来する複数の免疫細胞を生成するための他のスクリーニング方法等の、任意の好適な方法により所望の免疫細胞を濃縮することができる。異なる抗体を発現する免疫細胞のほんの少数のサブセット、したがって可変ドメインのほんの少数の天然由来の組合せを提供するに過ぎない従来技術の濃縮方法とは対照的に、本発明の免疫細胞ライブラリーは、異なる抗体またはTCRを発現する個々の免疫細胞の少なくとも2つのサブセットを含有する。例えば、本発明の免疫細胞ライブラリーは、異なる抗体またはTCRを発現する個々の免疫細胞の、少なくとも5、10、100、250、500、750、1000、2500、5000、10000、25000、50000、75000、10000、250000、500000、750000、1000000、2500000、5000000、7500000、または10000000個のサブセットを含有していてもよい。本発明の方法は、免疫細胞回収を最大化し、非常に高度な多様性をもたらす。
一部の実施形態では、非免疫ヒトドナーまたは非ヒトドナーに由来する免疫細胞が利用される。動物のナイーブレパートリー(抗原負荷前のレパートリー)は、中程度の親和性(約1×10-6~1×10-7MのK)で本質的にあらゆる非自己分子に結合することができる抗体またはTCRを動物に提供する。抗体またはTCR結合部位の配列多様性は、生殖系列に直接にはコードされていないが、V遺伝子セグメントからコンビナトリアル様式でアセンブルされる。免疫処置は、上述のような、免疫原に結合して増殖し(クローン拡大)、対応する抗体を分泌するV-VまたはVα-VβまたはVγ-Vδ組合せを作る任意の免疫細胞を誘発する。しかしながら、免疫されていない対象に由来する脾臓細胞および/または免疫細胞もしくは他の末梢血リンパ球(PBL)を使用することにより、考え得る抗体またはTCRレパートリーのより良好な提示を提供することができ、また、その後、任意の動物種を使用してB細胞またはT細胞抗体またはTCRライブラリーを構築することを可能にする。
一部の場合では、試験に十分な核酸を得るため、少なくとも0.001、0.005、0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、3、4、5、10、20、25、30、35、40、45、または50mLの血液容積を採取する。
一部の場合では、出発物質は末梢血である。末梢血細胞は、特定の細胞タイプ(例えば、単核細胞、赤血球細胞、CD4細胞、CD8細胞、免疫細胞、T細胞、またはNK細胞等)を濃縮することができる。また、末梢血細胞は、特定の細胞タイプ(例えば、単核細胞、赤血球細胞、CD4細胞、CD8細胞、免疫細胞、T細胞、またはNK細胞等)を選択的に枯渇させることができる。
一部の場合では、出発物質は、固形組織を含む組織試料であってもよく、非限定的な例としては、脳、肝臓、肺、腎臓、前立腺、卵巣、脾臓、リンパ節(扁桃腺を含む)、甲状腺、膵臓、心臓、骨格筋、腸、喉頭、食道、および胃が挙げられる。他の場合では、出発物質は、核酸を含有する細胞、免疫細胞、および特にB細胞またはT細胞であってもよい。一部の場合では、出発物質は、遺伝物質を得ることができる、任意の生物に由来する、核酸を含有する試料であってもよい。一部の場合では、試料は、流体、例えば、血液、唾液、リンパ液、または尿である。
試料は、ある状態を有する対象から採取することができる。一部の場合では、試料が採取される対象は、患者、例えば、がん患者、またはがんを有する疑いのある患者であってもよい。対象は、哺乳動物、例えばヒトであってもよく、雄または雌であってもよい。一部の場合では、雌は妊娠している。試料は、腫瘍生検であってもよい。生検は、例えば、医師、医師助手、看護師、獣医、歯科医、脊椎指圧師、医療補助員、皮膚科医、がん専門医、胃腸科専門医、または外科医を含む医療従事者により実施されてもよい。
一部の場合では、非核酸物質を、酵素処理(プロテアーゼ消化等)を使用して出発物質から除去してもよい。
一部の場合では、EDTAを含むがそれに限定されないマグネシウムキレート剤を含有する装置内に血液を収集し、4℃で保管する。任意選択で、EGTAを含むがそれに限定されないカルシウムキレート剤を添加してもよい。別の場合では、これらに限定されないが、ホルムアルデヒド、ホルムアルデヒド誘導体、ホルマリン、グルタルアルデヒド、グルタルアルデヒド誘導体、タンパク質架橋剤、核酸架橋剤、タンパク質および核酸架橋剤、第一級アミン反応性架橋剤、スルフヒドリル反応性架橋剤、スルフヒドリル付加またはジスルフィド還元、炭水化物反応性架橋剤、カルボキシル反応性架橋剤、光反応性架橋剤、または切断可能架橋剤を含む、細胞溶解阻害剤を血液に添加する。
一部の場合では、抽出された物質が、一本鎖RNA、二本鎖RNA、またはDNA-RNAハイブリッドを含む場合、これら分子は、本分野で公知の技法を使用して二本鎖DNAに変換することができる。例えば、逆転写酵素を用いて、RNA分子からDNAを合成してもよい。一部の場合では、RNAのDNAへの変換は、リンカー断片をRNAにライゲーションさせる事前ライゲーションステップを必要とする場合があり、ユニバーサルプライマーを使用することにより、逆転写の開始が可能になる。他の場合では、例えば、mRNA分子のポリAテールを使用して、逆転写を開始させることができる。DNAへの変換後、一部の場合では、本明細書に詳述されている方法を使用して、所望の配列をさらに捕捉、選択、タグ化、または単離することができる。
核酸分子としては、デオキシリボ核酸(DNA)および/またはリボ核酸(RNA)が挙げられる。核酸分子は、合成であってもよく、または天然由来の供給源に由来していてもよい。一実施形態では、核酸分子は、タンパク質、脂質、および非鋳型核酸等の様々な他の成分を含有する生物学的試料から単離される。核酸鋳型分子は、動物、植物、細菌、真菌、または任意の他の細胞性生物から得される任意の細胞性物質から得ることができる。ある特定の実施形態では、核酸分子は、単一細胞から得られる。本発明で使用される生物学的試料としては、ウイルス粒子または調製物が挙げられる。核酸分子は、直接的に生物から、または生物から得られる生物学的試料、例えば、血液、尿、脳脊髄液、精液、唾液、痰、糞便、および組織から得ることができる。任意の組織または体液検体を、本発明で使用される核酸の供給源として使用することができる。また、核酸分子は、初代細胞培養または細胞株等の培養細胞から単離してもよい。鋳型核酸がそこから得られる細胞または組織は、ウイルスまたは他の細胞内病原体に感染していてもよい。
また、試料は、生物学的検体から抽出される全RNA、cDNAライブラリー、ウイルス、またはゲノムDNAであってもよい。ある特定の実施形態では、核酸分子は、タンパク質、酵素、基質、抗体、結合材、ビーズ、小分子、ペプチド、または任意の他の分子等の他の標的分子に結合されている。一般的に、核酸は、SambrookおよびRussell、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第3版、Cold Spring Harbor、N.Y.(2001年)に記載されているもの等の様々な技法により生物学的試料から抽出することができる。核酸分子は、一本鎖、二本鎖、または一本鎖領域を有する二本鎖(例えば、ステムおよびループ構造)であってもよい。
DNA抽出法は、当技術分野で周知である。古典的なDNA単離プロトコールは、フェノールおよびクロロホルムの混合物等の有機溶媒を使用して抽出し、その後エタノールで析出させることに基づく(J. Sambrookら、「Molecular Cloning: A Laboratory Manual」、1989年、第2版、Cold Spring Harbour Laboratory Press: New York、N.Y.)。他の方法としては、以下のものが挙げられる:塩析DNA抽出法(P. Sunnucksら、Genetics、1996年、144巻:747~756頁;S. M. Aljanabiら、Nucl. Acids Res.、1997年、25巻:4692~4693頁)、トリメチルアンモニウム臭化物塩DNA抽出法(S. Gustincichら、BioTechniques、1991年、11巻:298~302頁)、およびグアニジウムチオシアネートDNA抽出法(J. B. W. Hammondら、Biochemistry、1996年、240巻:298~300頁)。生物学的試料からDNAを抽出するための様々なキットが、商業的に入手可能である(例えば、BD Biosciences Clontech(パロアルト、カリフォルニア州):Epicentre Technologies(マディソン、ウィスコンシン州);Gentra Systems,Inc.(ミネアポリス、ミネソタ州);MicroProbe Corp.(ボセル、ワシントン州);Organon Teknika(ダーラム、ノースカロライナ州);およびQiagen Inc.(バレンシア、カリフォルニア州))。
また、RNA抽出法は、当技術分野で周知であり(例えば、J. Sambrookら、「Molecular Cloning: A Laboratory Manual」、1989年、第211版、Cold Spring Harbour Laboratory Press: New York)、および体液からRNAを抽出するためのキットは、商業的に入手可能である(例えば、Ambion,Inc.(オースティン、テキサス州);Amersham Biosciences(ピスカタウエイ、ニュージャージー州);BD Biosciences Clontech(パロアルト、カリフォルニア州);BioRad Laboratories(ハーキュリーズ、カリフォルニア州);Dynal Biotech Inc.(レークサクセス、ニューヨーク州);Epicentre Technologies(マディソン、ウィスコンシン州);Gentra Systems,Inc.(ミネアポリス、ミネソタ州);GIBCO BRL(ゲイサーズバーグ、メリーランド州);Invitrogen Life Technologies(カールズバッド、カリフォルニア州);MicroProbe Corp.(ボセル、ワシントン州);Organon Teknika(ダーラム、ノースカロライナ州);Promega,Inc.(マディソン、ウィスコンシン州);およびQiagen Inc.(バレンシア、カリフォルニア州))。
1つまたは複数の試料は、1つまたは複数の供給源に由来していてもよい。1つまたは複数の試料は、2つまたはそれよりも多くの供給源に由来していてもよい。1つまたは複数の試料は、1つまたは複数の対象に由来していてもよい。1つまたは複数の試料は、2つまたはそれよりも多くの対象に由来していてもよい。1つまたは複数の試料は、同じ対象に由来していてもよい。1つまたは複数の対象は、同じ種に由来していてもよい。1つまたは複数の対象は、異なる種に由来していてもよい。1つまたは複数の対象は、健常であってもよい。1つまたは複数の対象は、疾患、障害、または状態により影響を受けていてもよい。
一部の実施形態では、試料は、血液、唾液、リンパ液、尿、脳脊髄液、精液、痰、糞便、または組織ホモジネート等の流体である。
試料は、ある状態を有する対象から採取されてもよい。一部の実施形態では、試料が採取される対象は、患者、例えば、がん患者、またはがんを有する疑いのある患者であってもよい。対象は、哺乳動物、例えばヒトであってもよく、雄または雌であってもよい。一部の実施形態では、雌は妊娠している。試料は、腫瘍生検であってもよい。生検は、例えば、医師、医師助手、看護師、獣医、歯科医、脊椎指圧師、医療補助員、皮膚科医、がん専門医、胃腸科専門医、または外科医を含む医療従事者により実施されてもよい。
一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、タンパク質、酵素、基質、抗体、結合材、ビーズ、小分子、ペプチド、または任意の他の分子等の他の標的分子に結合されている。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、固体支持体に結合されていない。核酸は、様々な技法により生物学的試料から抽出することができる(Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第3版、Cold Spring Harbor、N.Y.(2001年))。
一部の実施形態では、試料は唾液である。一部の実施形態では、試料は全血である。一部の場合では、試験に十分な量のポリヌクレオチドを得るため、少なくとも約0.001、0.005、0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、3、4、5、10、20、25、30、35、40、45、または50mLの血液容積を採取する。一部の実施形態では、血液は、EDTAを含むがそれに限定されないマグネシウムキレート剤を含有する装置内に収集することができ、4℃で保管される。任意選択で、EGTAを含むがそれに限定されないカルシウムキレート剤を添加してもよい。
一部の実施形態では、これらに限定されないが、ホルムアルデヒド、ホルムアルデヒド誘導体、ホルマリン、グルタルアルデヒド、グルタルアルデヒド誘導体、タンパク質架橋剤、核酸架橋剤、タンパク質および核酸架橋剤、第一級アミン反応性架橋剤、スルフヒドリル反応性架橋剤、スルフヒドリル付加またはジスルフィド還元、炭水化物反応性架橋剤、カルボキシル反応性架橋剤、光反応性架橋剤、または切断可能架橋剤を含む、細胞溶解阻害剤を血液に添加する。一部の実施形態では、非核酸物質を、酵素処理(プロテアーゼ消化等)を使用して出発物質から除去してもよい。
複数の試料は、少なくとも2、3、4、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100個、またはそれよりも多くの試料を含んでいてもよい。複数の試料は、少なくとも約100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000個、またはそれよりも多くの試料を含んでいてもよい。複数の試料は、少なくとも約1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000個の試料、9000、または10,000個の試料、または100,000個の試料、または1,000,000個、またはそれよりも多くの試料を含んでいてもよい。複数の試料は、少なくとも約10,000個の試料を含んでいてもよい。
第1の試料中の1つまたは複数のポリヌクレオチドは、第2の試料中の1つまたは複数のポリヌクレオチドと異なっていてもよい。第1の試料中の1つまたは複数のポリヌクレオチドは、複数の試料中の1つまたは複数のポリヌクレオチドと異なっていてもよい。試料中の1つまたは複数のポリヌクレオチドは、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%配列同一性を含んでいてもよい。一部の実施形態では、試料中の1つまたは複数のポリヌクレオチドは、約100、90、80、70、60、50、40、30、25、20、25、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1つ未満のヌクレオチドまたは塩基対が異なっていてもよい。複数の試料の1つまたは複数の試料中の複数のポリヌクレオチドは、2つまたはそれよりも多くの同一配列を含んでいてもよい。複数の試料の1つまたは複数中の総ポリヌクレオチドの少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%が、同じ配列を含んでいてもよい。複数の試料の1つまたは複数の試料中の複数のポリヌクレオチドは、少なくとも2つの異なる配列を含んでいてもよい。複数の試料の1つまたは複数中の総ポリヌクレオチドの少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%が、少なくとも2つの異なる配列を含んでいてもよい。一部の実施形態では、1つまたは複数のポリヌクレオチドは、互いのバリアントである。例えば、1つまたは複数のポリヌクレオチドは、遺伝子多型または他のタイプの突然変異を含有していてもよい。別の例では、1つまたは複数のポリヌクレオチドは、スプライスバリアントである。
第1の試料は、1つまたは複数の細胞を含んでいてもよく、第2の試料は、1つまたは複数の細胞を含んでいてもよい。第1の試料の1つまたは複数の細胞は、第2の試料の1つまたは複数の細胞と同じ細胞タイプであってもよい。第1の試料の1つまたは複数の細胞は、複数の試料の1つまたは複数の異なる細胞と異なる細胞タイプであってもよい。
複数の試料は、同時的に得てもよい。複数の試料は、同時に得ることができる。複数の試料は、順次得ることができる。複数の試料は、1つまたは複数の異なる試料を得てから年単位の経過にわたって、例えば、100年、10年、5年、4年、3年、2年、または1年にわたって得ることができる。1つまたは複数の試料は、1つまたは複数の異なる試料を得てから約1年以内に得ることができる。1つまたは複数の試料は、1つまたは複数の異なる試料を得てから12か月、11か月、10か月、9か月、8か月、7か月、6か月、4か月、3か月、2か月、または1か月以内に得ることができる。1つまたは複数の試料は、1つまたは複数の異なる試料を得てから30日、28日、26日、24日、21日、20日、18日、17日、16日、15日、14日、13日、12日、11日、10日、9日、8日、7日、6日、5日、4日、3日、2日、または1日以内に得ることができる。1つまたは複数の試料は、1つまたは複数の異なる試料を得てから約24時間、22時間、20時間、18時間、16時間、14時間、12時間、10時間、8時間、6時間、4時間、2時間、または1時間以内に得ることができる。1つまたは複数の試料は、1つまたは複数の異なる試料を得てから約60秒、45秒、30秒、20秒、10秒、5秒、2秒、または1秒以内に得ることができる。1つまたは複数の試料は、1つまたは複数の異なる試料を得てから1秒未満以内に得ることができる。
試料の異なるポリヌクレオチドは、異なる濃度または量(例えば、異なる数の分子)で試料中に存在していてもよい。例えば、1つのポリヌクレオチドの濃度または量は、試料中の別のポリヌクレオチドの濃度または量よりも多くてもよい。一部の実施形態では、試料中の少なくとも1つのポリヌクレオチドの濃度または量は、試料中の少なくとも1つの他のポリヌクレオチドの濃度または量よりも、少なくとも約1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000倍、またはそれよりも大きな倍率で多くてもよい。別の例では、1つのポリヌクレオチドの濃度または量は、試料中の別のポリヌクレオチドの濃度または量よりも少なくてもよい。試料中の少なくとも1つのポリヌクレオチドの濃度または量は、試料中の少なくとも1つの他のポリヌクレオチドの濃度または量よりも、少なくとも約1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000分の1、またはそれよりも大きな倍率で少なくてもよい。
一部の実施形態では、2つまたはそれよりも多くの試料は、異なる量または濃度のポリヌクレオチドを含有していてもよい。一部の実施形態では、1つの試料中の1つのポリヌクレオチドの濃度または量は、異なる試料中の同じポリヌクレオチドの濃度または量よりも多くてもよい。例えば、血液試料は、尿試料よりも多くの量の特定のポリヌクレオチドを含有する場合がある。あるいは、単一の試料は、2つまたはそれよりも多くのサブ試料に分けることができる。サブ試料は、異なる量または濃度の同じポリヌクレオチドを含有していてもよい。1つの試料中の少なくとも1つのポリヌクレオチドの濃度または量は、別の試料中の同じポリヌクレオチドの濃度または量よりも、少なくとも約1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000倍、またはそれよりも大きな倍率で多くてもよい。あるいは、1つの試料中の1つのポリヌクレオチドの濃度または量は、異なる試料中の同じポリヌクレオチドの濃度または量よりも少なくてもよい。例えば、1つの試料中の少なくとも1つのポリヌクレオチドの濃度または量は、別の試料中の同じポリヌクレオチドの濃度または量よりも、少なくとも約1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000分の1、またはそれよりも大きな倍率で少なくてもよい。
標的ポリヌクレオチド
一部の場合には、本明細書で提供されている方法は、標的ポリヌクレオチド分子、例えば、細胞由来のポリヌクレオチド分子の増幅および配列決定に向けられる。一部の場合には、本明細書で提供されている方法は、標的ポリヌクレオチド分子の2またはそれよりも多くの領域の増幅および配列決定に向けられる。一部の場合には、本明細書で提供されている方法は、2またはそれよりも多くの標的ポリヌクレオチド分子の増幅および配列決定に向けられる。一態様では、標的ポリヌクレオチドはRNAである。一態様では、標的ポリヌクレオチドはゲノム核酸である。特定の生物の染色体中の遺伝子材料に由来するDNAは、ゲノムDNAであり得る。好ましい実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、免疫細胞によって産生される抗体またはTCRの可変領域を含む配列を含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、免疫細胞によって産生される抗体の重鎖の可変領域を含む配列を含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、免疫細胞によって産生される抗体の軽鎖の可変領域を含む配列を含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、免疫細胞によって産生されるTCRのアルファ鎖の可変領域を含む配列を含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、免疫細胞によって産生されるTCRのベータ鎖の可変領域を含む配列を含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、免疫細胞によって産生されるTCRのガンマ鎖の可変領域を含む配列を含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、免疫細胞によって産生されるTCRのデルタ鎖の可変領域を含む配列を含む。
標的ポリヌクレオチドは、事実上任意の供給源から得ることができ、当技術分野で公知の方法を使用して調製することができる。例えば、標的ポリヌクレオチドは、生物または細胞(例えば、免疫細胞)からゲノムDNAの断片またはmRNAを抽出して、標的ポリヌクレオチドを得ることを含むがこれに限定されない、当技術分野で公知の方法を使用して、増幅せずに直接単離してもよい。また、標的ポリヌクレオチドは、RNA(mRNA等)から逆転写PCRにより生成されるcDNAを包含することができる。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、RNA分子である。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、mRNA分子またはそのmRNA分子から産生されるcDNAである。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、単一の免疫細胞に由来するmRNA分子またはそのmRNA分子から産生されるcDNA分子である。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、個々の免疫細胞に由来するmRNA分子またはそれらmRNA分子から産生されるcDNA分子である。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、単一の免疫細胞に由来する、抗体配列をコードするmRNA分子である。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、個々の免疫細胞に由来する、重鎖抗体配列をコードするmRNA分子である。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、単一の免疫細胞に由来する、重鎖抗体配列をコードするmRNA分子である。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、個々の免疫細胞に由来する、軽鎖抗体配列をコードするmRNA分子である。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、単一の免疫細胞に由来する、軽鎖抗体配列をコードするmRNA分子である。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、個々の免疫細胞に由来する、抗体可変配列をコードするmRNA分子である。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、単一の免疫細胞に由来する、可変抗体配列をコードするmRNA分子である。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、個々の免疫細胞に由来する、可変軽鎖抗体配列をコードするmRNA分子である。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、単一の免疫細胞に由来する、可変軽鎖抗体配列をコードするmRNA分子である。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、個々の免疫細胞に由来する、可変重鎖抗体配列をコードするmRNA分子である。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、単一の免疫細胞に由来する、可変重鎖抗体配列をコードするmRNA分子である。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、無細胞性の核酸、例えばDNAまたはRNAであってもよい。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、個々の免疫細胞に由来する、可変アルファ、ベータ、ガンマ、および/またはデルタ鎖TCR配列をコードするmRNA分子である。
本明細書に記載されている方法は、配列決定のために、1つまたは複数の標的ポリヌクレオチド由来のポリヌクレオチドのライブラリーを生成するために使用され得る。標的ポリヌクレオチドは、増幅反応の産物ではない、任意の目的のポリヌクレオチドを含む。例えば、標的ポリヌクレオチドは、生物学的試料中のポリヌクレオチドを含み得る。例えば、標的ポリヌクレオチドは、PCR反応の産物を含まない。例えば、標的ポリヌクレオチドは、増幅反応の産物を生成するために使用されるポリヌクレオチド鋳型を含み得るが、増幅産物自体は含まない。例えば、標的ポリヌクレオチドは、逆転写反応またはプライマー伸長反応の産物を生成するために使用されるポリヌクレオチド鋳型を含み得、逆転写反応またはプライマー伸長反応産物自体もまた含む。例えば、標的ポリヌクレオチドは、逆転写反応またはプライマー伸長反応に供され得る目的のポリヌクレオチドを含む。例えば、標的ポリヌクレオチドは、RNAまたはDNAを含む。例えば、標的ポリヌクレオチドは、cDNAを含む。一部の実施形態では、標的RNAポリヌクレオチドは、mRNAである。一部の実施形態では、標的RNAポリヌクレオチドは、ポリアデニル化される。一部の実施形態では、RNAポリヌクレオチドは、ポリアデニル化されない。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、DNAポリヌクレオチドである。DNAポリヌクレオチドは、ゲノムDNAであり得る。DNAポリヌクレオチドは、エクソン、イントロン、非翻訳領域、またはそれらの任意の組合せを含み得る。
一部の実施形態では、ライブラリーは、標的ポリヌクレオチドの2またはそれよりも多くの領域から生成され得る。一部の実施形態では、方法ライブラリーは、2またはそれよりも多くの標的ポリヌクレオチドから生成され得る。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、染色体に由来するゲノム核酸またはDNAである。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、多型または変異などのバリアントを含む配列を含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、DNAを含みRNAを含まない。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、RNAを含みDNAを含まない。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、DNAおよびRNAを含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、mRNA分子である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、DNA分子である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、一本鎖ポリヌクレオチドである。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、二本鎖ポリヌクレオチドである。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、二本鎖ポリヌクレオチドの単一の鎖である。
標的ポリヌクレオチドは、任意の生物学的試料から得ることができ、当技術分野で公知の方法を使用して調製することができる。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、増幅せずに直接単離される。直接単離するための方法は、当技術分野で公知である。非限定的な例としては、生物学的試料、生物、または細胞からゲノムDNAまたはmRNAを抽出することが挙げられる。
一部の実施形態では、1つまたは複数の標的ポリヌクレオチドは、生物学的試料から精製される。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、それが含有されている生物学的試料から精製されていない。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、生物学的試料から単離される。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、それが含有されている生物学的試料から単離されていない。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、無細胞性の核酸であってもよい。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、断片化核酸であってもよい。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、転写された核酸であってもよい。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、修飾ポリヌクレオチドである。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、非修飾ポリヌクレオチドである。
一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、単一の細胞由来のポリヌクレオチドである。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、個々の細胞由来である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、複数の細胞を含有する試料由来のポリヌクレオチドである。
一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、バイオマーカー配列をコードする。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、2つまたはそれよりも多くのバイオマーカー配列をコードする。一部の実施形態では、複数の標的ポリヌクレオチドは、バイオマーカー配列をコードする。一部の実施形態では、複数の標的ポリヌクレオチドは、2つまたはそれよりも多くのバイオマーカー配列をコードする。一部の実施形態では、複数の標的ポリヌクレオチドは、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100個、またはそれよりも多くのバイオマーカー配列をコードする。
一部の実施形態では、複数の標的ポリヌクレオチドは、免疫グロブリン配列のパネルを含む。一部の実施形態では、複数の標的ポリヌクレオチドは、TCR配列のパネルを含む。例えば、免疫グロブリン配列のパネルは、Vおよび/またはV配列であってもよい。一部の実施形態では、免疫グロブリンまたはTCR配列のパネルは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の免疫グロブリンまたはTCR配列を含有する。一部の実施形態では、免疫グロブリンまたはTCR配列のパネルは、少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、9×1010、1×1011、2×1011、3×1011、4×1011、5×1011、6×1011、7×1011、8×1011、9×1011、1×1012、2×1012、3×1012、4×1012、5×1012、6×1012、7×1012、8×1012、または9×1012個の免疫グロブリンまたはTCR配列を含有する。一部の実施形態では、免疫グロブリンまたはTCR配列のパネルは、多くとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、9×1010、1×1011、2×1011、3×1011、4×1011、5×1011、6×1011、7×1011、8×1011、9×1011、1×1012、2×1012、3×1012、4×1012、5×1012、6×1012、7×1012、8×1012、または9×1012個の免疫グロブリンまたはTCR配列を含有する。一部の実施形態では、免疫グロブリンまたはTCR配列のパネルは、約10~20、10~30、10~40、10~30、10~40、10~50、10~60、10~70、10~80、10~90、10~100、50~60、50~70、50~80、50~90、50~100、100~200、100~300、100~400、100~300、100~400、100~500、100~600、100~700、100~800、100~900、100~1000、500~600、500~700、500~800、500~900、500~1000、1000~2000、1000~3000、1000~4000、1000~3000、1000~4000、1000~5000、1000~6000、1000~7000、1000~8000、1000~9000、1000~10000、5000~6000、5000~7000、5000~8000、5000~9000、5000~10000、1~1×10、1~2×10、1~3×10、1~4×10、1~5×10、1~6×10、1~7×10、1~8×10、9×10、1~1×10、1~2×10、1~3×10、1~4×10、1~5×10、1~6×10、1~7×10、1~8×10、9×10、1×10、1~2×10、1~3×10、1~4×10、1~5×10、1~6×10、1~7×10、1~8×10、1~9×10、1~1×10、1~2×10、1~3×10、1~4×10、1~5×10、1~6×10、1~7×10、1~8×10、1~9×10、1~1×10、1~2×10、1~3×10、1~4×10、1~5×10、1~6×10、1~7×10、1~8×10、1~9×10、1~1×1010、1~2×1010、1~3×1010、1~4×1010、1~5×1010、1~6×1010、1~7×1010、1~8×1010、1~9×1010、1~1×1011、1~2×1011、1~3×1011、1~4×1011、1~5×1011、1~6×1011、1~7×1011、1~8×1011、1~9×1011、1~1×1012、1~2×1012、1~3×1012、1~4×1012、1~5×1012、1~6×1012、1~7×1012、1~8×1012、または1~9×1012個の免疫グロブリンまたはTCR配列を含有する。
一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、長さが、約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、または20,000塩基または塩基対である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、長さが、少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、または20,000塩基または塩基対である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、長さが、多くとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、または20,000塩基または塩基対である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、長さが、約10~20、10~30、10~40、10~30、10~40、10~50、10~60、10~70、10~80、10~90、10~100、50~60、50~70、50~80、50~90、50~100、100~200、100~300、100~400、100~300、100~400、100~500、100~600、100~700、100~800、100~900、100~1000、500~600、500~700、500~800、500~900、500~1000、1000~2000、1000~3000、1000~4000、1000~3000、1000~4000、1000~5000、1000~6000、1000~7000、1000~8000、1000~9000、1000~10000、5000~6000、5000~7000、5000~8000、5000~9000、または5000~10000塩基または塩基対である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドまたはそれらの断片の平均の長さは、約100、200、300、400、500、もしくは800塩基対未満であってもよく、または約5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、もしくは200ヌクレオチド未満であってもよく、または約1、2、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100キロベース未満であってもよい。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドを含有する試料等の、相対的に短い鋳型に由来する標的配列は、約40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100塩基である。ある特定の実施形態では、配列決定データは、疾患または状態に関連する配列または免疫グロブリンもしくはTCR配列を含有するデータベースを使用して、既知のまたは予想される配列に対してアラインされる。
B細胞ライブラリー遺伝子材料のクローニングおよび発現
一部の態様では、「抗体発現ライブラリー」または「TCR発現ライブラリー」または「発現ライブラリー」は、本明細書で使用される場合、核酸またはタンパク質レベルのいずれかでの分子のコレクション(つまり2つまたはそれよりも多くの分子)を指す場合がある。したがって、一部の実施形態では、この用語は、複数の抗体またはTCR分子をコードする発現ベクターのコレクション(つまり、核酸レベル)を指していてもよく、かつ/またはそれらが適切な発現系で発現された後の抗体またはTCR分子のコレクション(つまり、タンパク質レベル)を指していてもよい。あるいは、発現ベクター/発現ライブラリーは、それらが発現され得る好適な宿主細胞に含有されていてもよい。本発明の発現ライブラリー中のコードまたは発現されている抗体分子は、任意の適切な形式であってもよく、例えば、抗体またはTCR分子全体であってもよく、抗体またはTCR断片、例えば単鎖抗体(例えばscFv抗体)、Fv抗体、Fab’抗体、(Fab’)断片、ダイアボディ等であってもよい。用語「コードする(encoding)」および「コードする(coding for)」、例えば、特定の酵素を「コードする」/「コードする」核酸配列、または特定の酵素のDNAコード配列、または特定の酵素を「コードする」/「コードする」ヌクレオチド配列など、ならびに他の同義的な用語は、適切な調節配列の制御下に置かれると酵素に転写および翻訳されるDNA配列を指す。「プロモーター配列」は、細胞内でRNAポリメラーゼに結合可能であり、下流(3’方向)コード配列の転写を開始可能であるDNA調節領域である。プロモーターは、DNA配列の一部である。この配列領域は、その3’末端に開始コドンを有する。プロモーター配列は、バックグラウンドを超える検出可能なレベルで転写を開始させるために必要なエレメントを有する最小数の塩基を含む。しかしながら、RNAポリメラーゼがこの配列に結合し、転写が開始コドン(プロモーターを有する3’末端)から開始されると、転写は、3’方向の下流に進行する。プロモーター配列内には、転写開始部位(ヌクレアーゼS1でマッピングすることにより便利に規定される)ならびにRNAポリメラーゼの結合をもたらすタンパク結合ドメイン(コンセンサス配列)が見出されることになる。
本発明の抗体またはTCR発現ライブラリーにより特定される、に由来する、から選択される、またはから得ることができる抗体またはTCR分子は、本発明のまたさらなる態様を形成する。この場合も、これら抗体またはTCR分子は、抗体またはTCR分子をコードするタンパク質または核酸であってもよく、次いで、核酸は、適切な発現ベクターに組み込まれてもよく、および/または好適な宿主細胞に含有されてもよい。
cDNAプールは、抗体遺伝子の重鎖の定常領域にハイブリダイズするポリヌクレオチド、および抗体またはTCR遺伝子のVまたはVαまたはVγ鎖領域の5’末端にハイブリダイズするポリヌクレオチドと共にPCR反応に供してもよい。cDNAプールは、抗体またはTCR遺伝子の重鎖またはアルファもしくはガンマ鎖の定常領域にハイブリダイズするポリヌクレオチド、および抗体またはTCR配列を含むバーコード化ポリヌクレオチドのVまたはVαまたはVγ鎖領域の領域5’~5’末端にハイブリダイズするポリヌクレオチドと共にPCR反応に供してもよい。また、PCR反応は、例えばカッパおよびラムダクラスのVまたはVβまたはVδ鎖プールを増幅するように設定してもよい。cDNAプールは、抗体遺伝子の軽鎖の定常領域にハイブリダイズするポリヌクレオチド、および抗体またはTCR遺伝子のVまたはVβまたはVδ鎖領域の5’末端にハイブリダイズするポリヌクレオチドと共にPCR反応に供してもよい。cDNAプールは、抗体遺伝子の軽鎖の定常領域にハイブリダイズするポリヌクレオチド、および抗体またはTCR配列を含むバーコード化ポリヌクレオチドのVまたはVβまたはVδ鎖領域の領域5’~5’末端にハイブリダイズするポリヌクレオチドと共にPCR反応に供してもよい。そのようなオリゴヌクレオチドまたはプライマーは、既知であり公的に入手可能な免疫グロブリンまたはTCR遺伝子配列データベース情報に基づいて設計することができる。
一部の実施形態では、VおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ配列は、重鎖または軽鎖遺伝子に、特にVおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδポリヌクレオチドの末端領域の一方または両方に特異的ではない1つまたは複数のプライマーを使用したPCR増幅により産生されるVおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ配列のライブラリーから便利に得ることができる。一部の実施形態では、VおよびV配列は、ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドの領域に特異的なプライマーを使用したPCR増幅により産生されるVおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ配列のライブラリーから便利に得ることができる。一部の実施形態では、VおよびV配列は、C遺伝子ファミリー特異的プライマーまたはC遺伝子特異的プライマーを使用したPCR増幅により産生されるVおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ配列のライブラリーから便利に得ることができる。一部の実施形態では、VおよびV配列は、ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドの領域に特異的な第1のプライマー、およびC遺伝子ファミリー特異的プライマーまたはC遺伝子特異的プライマーである第2のプライマーまたは複数の第2のプライマーを有するプライマーセットを使用したPCR増幅により産生されるVおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ配列のライブラリーから便利に得ることができる。一部の実施形態では、VおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ配列は、ベッセルバーコード化ポリヌクレオチドの領域に特異的な第1のプライマーおよびユニバーサル配列に特異的な第2のプライマーを有するプライマーセットを使用したPCR増幅により産生されるVおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ配列のライブラリーから便利に得ることができる。
一部の実施形態では、逆転写時に、得られたcDNA配列を、免疫グロブリン遺伝子に特異的な、特にVおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδポリヌクレオチドの末端領域の一方または両方に特異的な1つまたは複数のプライマーを使用して、PCRにより増幅してもよい。一部の実施形態では、VおよびV配列は、V遺伝子ファミリー特異的プライマーまたはV遺伝子特異的プライマーを使用したPCR増幅により産生されるVおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ配列のライブラリーから得ることができ(Nichollsら、J. Immunol. Meth.、1993年、165巻:81頁;WO93/12227)、または入手可能な情報に基づき、標準的な当技術分野で公知の方法に従って設計される。(VおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ配列を、通常は介在スペーサー配列(例えば、インフレーム可撓性ペプチドスペーサーをコードする)とライゲーションさせて、単鎖抗体をコードするカセットを形成することができる)。V領域配列は、免疫グロブリン発現細胞のcDNAまたはPCR増幅産物として便利にクローニングすることができる。VおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ領域は、任意選択で、本明細書に記載されている方法で、特に、言及されているある特定のステップ後(例えば、単一細胞PCR後、哺乳動物または他の細胞表面ディスプレイ後、およびFACSスクリーニング後等)に配列決定される。他の理由の中でも、多様性のレベルが許容可能なレベルにあることを確認するために、配列決定を使用してもよい。配列決定は、ハイスループット配列決定、ディープシーケンシング(複数の個々の試料に由来する同じ遺伝子を配列決定して、配列の差異を識別する)、またはこの2つの組合せを含んでいてもよい。
一部の実施形態では、本明細書に記載されている方法を使用して、天然のVおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ組合せを、物理的に連結することは必要とされない。一部の実施形態では、cDNA、バーコード化ポリヌクレオチド、またはPCR増幅バーコード化cDNAは、物理的に連結されていない。一部の実施形態では、cDNA、バーコード化ポリヌクレオチド、またはPCR増幅バーコード化cDNAは、同じ反応またはベッセルでは、物理的に連結されていない。
一部の実施形態では、天然のVおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ組合せは、cDNAプライマーに加えて、VまたはVαまたはVγ遺伝子の5’末端に対する1つのプライマーまたは複数のプライマー、およびVまたはVβまたはVδ遺伝子の5’末端に対する別のプライマーまたは複数のプライマーを使用して、物理的に連結される。また、これらプライマーは、VおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ遺伝子の自己集合を可能にするための追加的な配列である相補的尾部を含有する。増幅および連結反応は各細胞内で実施されたため、PCR増幅および連結後に、混合産物、言い換えれば混合可変領域を得る可能性は最小限である。混合のリスクは、V領域cDNA対が細胞区画の外に出て相互混合せず、PCR増幅および連結のために細胞内に残留することを更に保証するために、ジゴキシゲニン標識ヌクレオチド等の嵩高い試薬を利用することによりさらに低減させることができる。増幅された配列は、相補的末端配列のハイブリダイゼーションにより連結される。連結後、配列は、本明細書に記載のさらなる方法ステップで使用される細胞から回収することができる。例えば、回収されたDNAは、必要に応じて末端プライマーを使用してPCR増幅し、下記に詳述されているような、プラスミド、ファージ、コスミド、ファージミド、ウイルスベクター、またはそれらの組合せであってもよいベクターにクローニングすることができる。ハイブリダイズされた配列に便利な制限酵素部位を組み込んで、クローニングを容易にしてもよい。また、こうしたベクターは、後に使用するための、連結された可変領域のライブラリーとして保存してもよい。
さらなるVおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδの組合せを提供することが所望される一部の実施形態では、発現系は、これを促進するように選択される。例えば、バクテリオファージ発現系は、重鎖および軽鎖の配列のランダムな組合せを可能にする。他の適切な発現系が、当業者に既知である。
非ヒトに由来するVおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδ配列の場合、一部の実施形態では、これら配列を完全ヒトFcとキメラ化することが好ましい場合があることが留意されるべきである。本明細書で使用される場合、「キメラ化」は、重鎖および軽鎖可変領域またはVαおよびVβまたはVγおよびVδ領域がヒト由来ではなく、重鎖および軽鎖またはVαおよびVβまたはVγおよびVδ鎖の定常領域がヒト由来である免疫グロブリンまたはTCRを指す。これは、可変ドメインをヒトFcに増幅およびクローニングすることにより達成される。ヒトFcは、ベクターの一部であってもよく、または別々の分子にあってもよく、Fcのライブラリーを使用することもできる。好ましい実施形態では、キメラ化分子をCHO細胞等の哺乳動物細胞で成長させ、FACSで2回スクリーニングして、細胞集団を、目的の抗体を発現する細胞について濃縮する。キメラ化抗体またはTCRは、配列決定してから機能的に特徴付けるか、または直接的な機能特徴付けもしくは動力学のいずれかにより特徴付けられる。成長、スクリーニング、および特徴付けは、下記に詳細に記載されている。
上述のPCR反応は、IgG形態の抗体をクローニングするために記載されていることに留意することが重要である。IgG形態の抗体は、一般的により成熟した免疫応答と関連しており、一般的にIgM抗体よりも高い親和性を示し、ある特定の治療または診断応用により望ましいため、好ましい。しかしながら、明らかに、所望であるかまたは適切である場合、免疫グロブリン分子の他の形態、例えば、IgM、IgA、IgE、およびIgDの1つまたは複数のクローニングを可能にすることになるポリヌクレオチドを設計することができる。
抗体またはTCRを識別し、前記細胞の適切な集団を一旦適切な時点で単離し、任意選択で上述のように濃縮した後、細胞に含有されている遺伝物質の完全性を維持することができ、それにより後日ライブラリーを作ることが可能である場合、抗体またはTCR発現ライブラリーを直ちに生成する必要はない。したがって、例えば、細胞、細胞溶解物、または核酸、例えばRNAまたはそれに由来するDNAは、適切な方法、例えば凍結により後日まで保管し、後日に所望となった時点で、発現ライブラリーを生成してもよい。
発現ベクターのライブラリーが生成されたら、コードされた抗体分子を、適切な発現系で発現し、周知であり当技術分野で記録されている適切な技法を使用してスクリーニングすることができる。したがって、上記で規定されている本発明の方法は、下記さらに詳述するように、適切な発現系で発現ベクターのライブラリーを発現すること、および発現されたライブラリーを所望の特性を有する抗体についてスクリーニングすることをさらに含んでいてもよい。
本明細書に示されているように、抗体またはTCR配列をコードするポリヌクレオチドを含む、本開示の方法により調製されるポリヌクレオチドとしては、これらに限定されないが、それ自体が抗体またはTCR断片のアミノ酸配列をコードするもの、抗体もしくはTCR全体またはその部分の非コード配列、抗体またはTCR、断片または部分のコード配列、ならびに上述の追加のコード配列を有するまたは有していない、少なくとも1つのシグナルリーダーまたは融合ペプチドのコード配列等の、非コード5’および3’配列を含むがこれらに限定されない追加の非コード配列を共に有する、少なくとも1つのイントロン等の、スプライシングおよびポリアデニル化シグナル(例えば、リボソーム結合およびmRNAの安定性)を含む、転写、mRNAプロセシングに役割を果たす転写された未翻訳配列等の、追加の配列;追加の機能性を提供するもの等の、追加のアミノ酸をコードする追加のコード配列が挙げられる。したがって、抗体をコードする配列は、抗体またはTCR断片または部分を含む融合抗体またはTCRの精製を容易にするペプチドをコードする配列等のマーカー配列に融合されていてもよい。
その後、任意選択で、一次PCR産物を、抗体またはTCR可変ドメインV、VカッパおよびVラムダまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδの5’および3’末端にハイブリダイズする新しいポリヌクレオチドセットが用いられる二次PCR反応に供してもよい(適宜、新しいポリヌクレオチドセットが使用される一次PCR反応が、重鎖または軽鎖抗体遺伝子またはVαもしくはVβ TCR遺伝子またはVγもしくはVδ TCR遺伝子の部分を増幅するように設計されていたか否かに応じて)。これらポリヌクレオチドは、後にクローニングするための規定セットの制限酵素に特異的なDNA配列(つまり、制限酵素部位)を含むことが有利である。選択された制限酵素は、ヒト抗体またはTCR V遺伝子セグメント内で切断が起こらないように選択しなければならない。そのようなポリヌクレオチドは、公知であり公的に入手可能な免疫グロブリンまたはTCR遺伝子配列および制限酵素データベース情報に基づいて設計することができる。しかしながら、含まれる好ましい制限酵素部位は、NcoI、HindIII、MluI、およびNotIである。そのような二次PCR反応の産物は、種々のV重鎖、V軽鎖カッパ、およびV軽鎖ラムダ抗体断片/ドメインのレパートリーである。したがって、目的の発現ライブラリー形式が、scFvまたはFv形式であり、抗体またはTCRのVおよびVまたはVαおよびVβまたはVγおよびVδドメインのみが存在する場合、一般的に、このタイプの二次PCR反応が実施される。
また、PCR産物は、バーコード化ポリヌクレオチドの5’および3’末端にハイブリダイズする新しいプライマーセットを用いたPCR反応に供してもよい。これらポリヌクレオチドは、有利には、後にクローニングするための、規定セットの制限酵素に特異的なDNA配列(つまり、制限酵素部位)を含むことができる。選択された制限酵素は、ヒト抗体またはTCR V遺伝子セグメント内で切断が起こらないように選択しなければならない。そのようなポリヌクレオチドは、公知であり公的に入手可能な免疫グロブリンまたはTCR遺伝子配列および制限酵素データベース情報に基づいて設計することができる。しかしながら、導入される好ましい制限酵素部位は、NcoI、HindIII、MluI、およびNotIである。そのような二次PCR反応の産物は、種々のV、Vカッパ、およびVラムダ抗体断片/ドメイン、またはVαおよびVβもしくはVγおよびVδ TCR断片/ドメインのレパートリーである。
当業者は、重鎖もしくは軽鎖またはVαもしくはVβ鎖またはVγもしくはVδ鎖FvもしくはFab断片または単鎖抗体もしくはTCRを、この系と共に使用することもできることを認識する。重鎖もしくは軽鎖またはVαもしくはVβ鎖またはVγもしくはVδ鎖に突然変異を誘発させ、その後、相補鎖を溶液に添加してもよい。その後、2つの鎖を組み合わせて、機能性抗体断片を形成することが可能である。ランダムで非特異的な軽鎖もしくは重鎖またはVαもしくはVβ鎖またはVγもしくはVδ鎖配列を添加することにより、多様なメンバーのライブラリーを生成するためのコンビナトリアル系を産生することが可能になる。
本明細書で規定されている免疫負荷宿主のBまたはTリンパ球に由来する抗体またはTCR遺伝子の可変重鎖もしくはVα鎖もしくはVγ鎖領域またはそれらの断片、および/あるいは可変軽鎖もしくはVβ鎖もしくはVδ鎖領域またはそれらの断片を含む、クローニングされた断片のそのようなレパートリーのライブラリーは、本発明のさらなる態様を形成する。クローニングされた可変領域を含むこうしたライブラリーを、任意選択で発現ベクターに挿入して、発現ライブラリーを形成してもよい。
一部の実施形態では、PCR反応は、単離された免疫細胞集団に含有されている種々の抗体またはTCR鎖の定常領域の全体または一部を保持するように設定することができる。これは、発現ライブラリー形式がFab形式であり、重鎖またはアルファ鎖またはガンマ鎖成分が、VまたはVαまたはVγおよびCまたはCαまたはCγドメインを含み、軽鎖またはVβ鎖またはVδ鎖成分が、VまたはVβまたはVδ鎖およびCまたはCβまたはCδドメインを含む場合に望ましい。この場合も、抗体またはTCR鎖の定常領域の全体または一部を含むそのようなクローニングされた断片のライブラリーは、本発明のさらなる態様を形成する。
こうした核酸は、本発明のポリヌクレオチドの他の配列を含むことができるため便利である。例えば、1つまたは複数のエンドヌクレアーゼ制限部位を含む多重クローニング部位を核酸に挿入して、ポリヌクレオチドの単離を支援することができる。また、翻訳可能な配列を挿入して、翻訳された本発明のポリヌクレオチドの単離を支援することができる。例えば、ヘキサヒスチジンマーカー配列は、本発明のタンパク質を精製するための便利な手段を提供する。任意選択で、コード配列を除く本発明の核酸は、本発明のポリヌクレオチドをクローニングおよび/または発現するためのベクター、アダプター、またはリンカーである。
追加の配列を、そのようなクローニングおよび/または発現配列に付加して、クローニングおよび/または発現時のそれらの機能を最適化し、ポリヌクレオチドの単離を支援し、またはポリヌクレオチドの細胞への導入を向上させることができる。クローニングベクター、発現ベクター、アダプター、およびリンカーの使用は、当技術分野で周知である。(例えば、Ausubel、上記;またはSambrook、上記を参照)。
本明細書で開示されているライブラリーは、様々な用途で使用することができる。本明細書で使用される場合、ライブラリーは、複数の分子を含む。一部の実施形態では、ライブラリーは、複数のポリヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、ライブラリーは、複数のプライマーを含む。一部の実施形態では、ライブラリーは、1つまたは複数のポリヌクレオチド、アンプリコン、またはアンプリコンセットに由来する複数の配列読み取りを含む。ライブラリーは、保管し、分析用の試料を生成するために複数回使用することができる。一部の用途としては、例えば、遺伝子多型を遺伝子型決定すること、RNAプロセシングを研究すること、および本明細書で提供されている方法により配列決定するための代表的クローンを選択することが挙げられる。配列決定または増幅のためのプライマーまたはライブラリー等の複数のポリヌクレオチドを含むライブラリーを生成することができ、複数のポリヌクレオチドは、少なくとも、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1,000,000、50,000,000、100,000,000個、またはそれよりも多くの分子バーコードまたはベッセルバーコードを含む。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドのライブラリーは、複数の少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1,000,000、50,000,000、100,000,000個、またはそれよりも多くの固有のポリヌクレオチドを含み、各固有のポリヌクレオチドは、1つまたは複数の分子バーコードおよびベッセルバーコードを含む。
バーコード
バーコードは、分子バーコードまたはベッセルバーコードであり得る。一部の実施形態では、バーコード、例えば、分子バーコードまたはベッセルバーコードは、2~36ヌクレオチド、4~36ヌクレオチド、または6~30ヌクレオチド、または8~20ヌクレオチド、2~20ヌクレオチド、4~20ヌクレオチド、または6~20ヌクレオチドの範囲内の長さを各々有し得る。ある特定の態様では、セット内のバーコードの融解温度は、互いに10℃以内、互いに5℃以内、または互いに2℃以内である。ある特定の態様では、セット内のバーコードの融解温度は、互いに10℃以内、互いに5℃以内、または互いに2℃以内ではない。他の態様では、バーコードは、最小限に交差ハイブリダイズするセットのメンバーである。例えば、かかるセットの各メンバーのヌクレオチド配列は、セットの全ての他のメンバーのヌクレオチド配列とは十分に異なり得、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で任意の他のメンバーの相補体と安定な二重鎖を形成できるメンバーは存在しない。一部の実施形態では、最小限に交差ハイブリダイズするセットの各メンバーのヌクレオチド配列は、全ての他のメンバーのヌクレオチド配列とは、少なくとも2つのヌクレオチドが異なる。バーコード技術は、Winzelerら(1999年)Science 285巻:901頁;Brenner(2000年)Genome Biol.1巻:1頁;Kumarら(2001年)Nature Rev. 2巻:302頁;Giaeverら(2004年)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 101巻:793頁;Easonら(2004年)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 101巻:11046頁;およびBrenner(2004年)Genome Biol. 5巻:240頁に記載されている。
本明細書で使用する場合、分子バーコードは、単一の細胞由来のもしくは単一のベッセル由来の単一の分子、あるいは2もしくはそれよりも多くの単一の細胞由来のまたは2もしくはそれよりも多くの単一のベッセル由来の複数の分子または分子のライブラリーのうちの2またはそれよりも多くの分子に固有の情報を含む。本明細書で使用する場合、ベッセルバーコードは、異なる単一の細胞由来のまたは異なる単一のベッセル由来のポリヌクレオチドと比較して、単一の細胞由来のまたは単一のベッセル由来のポリヌクレオチドに固有の情報を含む。一部の実施形態では、この固有の情報は、ヌクレオチドの固有の配列を含む。例えば、分子バーコードまたはベッセルバーコードの配列は、分子バーコードまたはベッセルバーコードを構成するヌクレオチドの固有の配列またはランダム配列の正体および順序を決定することによって決定され得る。一部の実施形態では、この固有の情報は、標的ポリヌクレオチドの配列を識別するためには使用できない。例えば、分子バーコードは、1つの標的ポリヌクレオチドに付着され得るが、分子バーコードは、それが付着される標的ポリヌクレオチドを決定するためには使用できない。一部の実施形態では、この固有の情報は、標的ポリヌクレオチドの配列の正体に関連付けられた既知の配列ではない。例えば、ベッセルバーコードは、1つまたは複数の標的ポリヌクレオチドに付着され得るが、このベッセルバーコードは、そのうちの、それが付着される1つまたは複数の標的ポリヌクレオチドを決定するためには使用できない。一部の実施形態では、この固有の情報は、ヌクレオチドのランダム配列を含む。一部の実施形態では、この固有の情報は、ポリヌクレオチド上のヌクレオチドの1つまたは複数の固有の配列を含む。一部の実施形態では、この固有の情報は、ディジェネレートヌクレオチド配列またはディジェネレートバーコードを含む。ディジェネレートバーコードは、可変ヌクレオチド塩基の組成または配列を含み得る。例えば、ディジェネレートバーコードは、ランダム配列であり得る。一部の実施形態では、分子バーコードまたはベッセルバーコードの相補体の配列もまた、分子バーコードまたはベッセルバーコードの配列である。
分子バーコードまたはベッセルバーコードは、任意の長さのヌクレオチドを含み得る。例えば、分子バーコードまたはベッセルバーコードは、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、200、500または1000ヌクレオチドを含み得る。例えば、分子バーコードまたはベッセルバーコードは、多くて約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、200、500または1000ヌクレオチドを含み得る。一部の実施形態では、分子バーコードまたはベッセルバーコードは、特定の長さのヌクレオチドを有する。例えば、分子バーコードまたはベッセルバーコードは、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、200、500または1000ヌクレオチド長であり得る。
一部の実施形態では、複数の分子バーコードまたはベッセルバーコード中の各分子バーコードまたはベッセルバーコードは、少なくとも約2ヌクレオチドを有する。例えば、複数の分子バーコードまたはベッセルバーコード中の各分子バーコードまたはベッセルバーコードは、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、200、500または1000ヌクレオチド長であり得る。一部の実施形態では、複数の分子バーコードまたはベッセルバーコード中の各分子バーコードまたはベッセルバーコードは、多くて約1000ヌクレオチドを有する。例えば、複数の分子バーコードまたはベッセルバーコード中の各分子バーコードまたはベッセルバーコードは、多くて約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、200、500または1000ヌクレオチド長であり得る。一部の実施形態では、複数の分子バーコードまたはベッセルバーコード中の各分子バーコードまたはベッセルバーコードは、同じ長さのヌクレオチドを有する。例えば、複数の分子バーコードまたはベッセルバーコード中の各分子バーコードまたはベッセルバーコードは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、200、500または1000ヌクレオチド長であり得る。一部の実施形態では、複数の分子バーコードまたはベッセルバーコード中の1つまたは複数の分子バーコードまたはベッセルバーコードは、異なる長さのヌクレオチドを有する。例えば、複数の分子バーコードまたはベッセルバーコード中の1つまたは複数の第1の分子バーコードまたはベッセルバーコードは、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、200、500もしくは1000ヌクレオチドまたは少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、200、500もしくは1000ヌクレオチドを有し得、複数の分子バーコードまたはベッセルバーコード中の1つまたは複数の第2の分子バーコードまたはベッセルバーコードは、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、200、500または1000ヌクレオチドを有し得、ここで、1つまたは複数の第1の分子バーコードまたはベッセルバーコードのヌクレオチドの数は、1つまたは複数の第2の分子バーコードまたはベッセルバーコードとは異なる。
分子バーコードの数は、複数のベッセル中の標識しようとする分子の総数に対して過剰であってもよい。ベッセルバーコードの数は、複数のベッセル中の標識しようとする分子の総数に対して過剰であってもよい。例えば、分子バーコードまたはベッセルバーコードの数は、複数のベッセル中の標識しようとする分子の総数の、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、または100倍であってもよい。
異なる分子バーコードの数は、複数のベッセル中の標識しようとする分子の総数に対して過剰であってもよい。一部の実施形態では、異なる分子バーコードの数は、複数のベッセル中の標識しようとする分子の総数の、少なくとも約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、または100倍である。
単一ベッセル中の異なる分子バーコードの数は、単一ベッセル中の標識しようとする異なる分子の数に対して過剰であってもよい。一部の実施形態では、単一ベッセル中の異なる分子バーコードの数は、単一ベッセル中の標識しようとする異なる分子の数の、少なくとも約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、または100倍である。
異なるベッセルバーコードの数は、複数のベッセル中の標識しようとする分子の総数よりも少なくてもよい。一部の実施形態では、異なるベッセルバーコードの数は、複数のベッセル中の標識しようとする分子の総数の、多くとも約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、または100分の1である。
単一ベッセル中のベッセルバーコード化ポリヌクレオチド分子に由来する増幅産物分子の数は、単一ベッセル中の標識しようとする異なる分子の数に対して過剰であってもよい。一部の実施形態では、単一ベッセル中のベッセルバーコード化ポリヌクレオチド分子に由来する増幅産物分子の数は、単一ベッセル中の標識しようとする異なる分子の数の、少なくとも約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、または100倍である。
単一ベッセル中のベッセルバーコード化ポリヌクレオチド分子の数は、単一ベッセル中の標識しようとする異なる分子の数よりも少なくてもよい。一部の実施形態では、単一ベッセル中のベッセルバーコード化ポリヌクレオチド分子の数は、単一ベッセル中の標識しようとする異なる分子の数の、多くとも約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、または100分の1である。
単一ベッセル中のベッセルバーコード化ポリヌクレオチド分子の数は、1つの分子であってもよい。単一ベッセル中の増幅されていないベッセルバーコード化ポリヌクレオチド分子の数は、1つの分子であってもよい。
一部の実施形態では、異なる分子バーコードの少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%または100%は、同じ濃度を有する。一部の実施形態では、異なるベッセルバーコードの少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%または100%は、同じ濃度を有する。
一部の実施形態では、異なる分子バーコードの少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%または100%は、異なる濃度を有する。一部の実施形態では、異なるベッセルバーコードの少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%または100%は、異なる濃度を有する。
分子バーコードまたはベッセルバーコードの集団中の分子バーコードまたはベッセルバーコードは、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000またはそれよりも多くの異なる配列を有し得る。例えば、集団中の分子バーコードまたはベッセルバーコードは、少なくとも2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、10,000、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1,000,000またはそれよりも多くの異なる配列を有し得る。したがって、複数の分子バーコードまたはベッセルバーコードは、標的ポリヌクレオチドなどの1つまたは複数のポリヌクレオチドとは異なる、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000またはそれよりも多くの配列を生成するために使用され得る。例えば、複数の分子バーコードまたはベッセルバーコードは、標的ポリヌクレオチドなどの1つまたは複数のポリヌクレオチドとは異なる、少なくとも2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、10,000、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、9×1010、1×1011、2×1011、3×1011、4×1011、5×1011、6×1011、7×1011、8×1011、9×1011、1×1012、2×1012、3×1012、4×1012、5×1012、6×1012、7×1012、8×1012、9×1012またはそれよりも多くの配列を生成するために使用され得る。例えば、複数の分子バーコードまたはベッセルバーコードは、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、9×1010、1×1011、2×1011、3×1011、4×1011、5×1011、6×1011、7×1011、8×1011、9×1011、1×1012、2×1012、3×1012、4×1012、5×1012、6×1012、7×1012、8×1012、9×1012またはそれよりも多くの標的ポリヌクレオチドとは異なる、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×10、2×10、3×10、4×10、5×10、6×10、7×10、8×10、9×10、1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、9×1010、1×1011、2×1011、3×1011、4×1011、5×1011、6×1011、7×1011、8×1011、9×1011、1×1012、2×1012、3×1012、4×1012、5×1012、6×1012、7×1012、8×1012、9×1012またはそれよりも多くの配列を生成するために使用され得る。
一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分ける。一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は、同じ分子バーコードを含有する。一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードまたはベッセルバーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は、アンプリコンセットを含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は複数の配列を含み、上記複数の配列が生成されたポリヌクレオチドは、増幅反応中の同じポリヌクレオチド分子に由来していた。
一部の実施形態では、1つまたは複数のベッセルバーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分ける。一部の実施形態では、1つまたは複数のベッセルバーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は、同じベッセルバーコードを含有する。一部の実施形態では、1つまたは複数のベッセルバーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は、1つまたは複数のアンプリコンセットを含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のベッセルバーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は複数の配列を含み、上記複数の配列が生成されたポリヌクレオチドは、単一ベッセルまたは単一細胞に由来するポリヌクレオチド分子に由来していた。
一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードおよびベッセルバーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分ける。一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードおよびベッセルバーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は、同じ分子バーコードおよび同じベッセルバーコードを含有する。一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードおよびベッセルバーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は、1つまたは複数のアンプリコンセットを含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードおよびベッセルバーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、各ビンにおける配列は複数の配列を含み、上記複数の配列が生成されたポリヌクレオチドは、増幅反応中の同じポリヌクレオチドに由来し、単一細胞またはベッセルに由来していた。一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードおよびベッセルバーコードを使用せずに、配列をアラインする。
一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードを使用せずに、配列をアラインする。一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードを使用して、配列をアラインする。一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、標的特異的領域を使用して配列をアラインする。一部の実施形態では、1つまたは複数のベッセルバーコードを使用せずに、配列をアラインする。一部の実施形態では、1つまたは複数のベッセルバーコードを使用して、配列をアラインする。一部の実施形態では、1つまたは複数のベッセルバーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、標的特異的領域を使用して配列をアラインする。一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードおよびベッセルバーコードを使用して、配列をアラインする。一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードおよびベッセルバーコードを使用して、配列をグループ化またはビンに振り分け、標的特異的領域を使用して配列をアラインする。
一部の実施形態では、アラインされた配列は、同じ分子バーコードを含有する。一部の実施形態では、アラインされた配列は、同じベッセルバーコードを含有する。一部の実施形態では、アラインされた配列は、同じ分子バーコードおよびベッセルバーコードを含有する。一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードまたはベッセルバーコードを使用して、配列をアラインし、アラインされた配列は、アンプリコンセットに由来する2つまたはそれよりも多くの配列を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードまたはベッセルバーコードを使用して、配列をアラインし、アラインされた配列は複数の配列を含み、上記複数の配列が生成されたポリヌクレオチドは、増幅反応中の同じポリヌクレオチド分子に由来していた。一部の実施形態では、1つまたは複数の分子バーコードまたはベッセルバーコードを使用して、配列をアラインし、アラインされた配列は複数の配列を含み、上記複数の配列が生成されたポリヌクレオチドは、単一細胞または単一ベッセルに由来していた。
液滴生成
複数の細胞の試料を小さな反応容積に分割し、複数の細胞の個々の細胞からの、または個々の細胞に由来するポリヌクレオチドの分子およびベッセルバーコード付与と併用することにより、バイオマーカー配列等の配列のレパートリーのハイスループット配列決定が可能になり得る。
複数の細胞の試料を小さな反応容積に分割し、複数の細胞の個々の細胞からの、または個々の細胞に由来するポリヌクレオチドの分子およびベッセルバーコード付与と併用することにより、生物のトランスクリプトームのパーセントを表す配列等の配列のレパートリーのハイスループット配列決定が可能になり得る。例えば、配列のレパートリーは、生物のトランスクリプトームの少なくとも約0.00001%、0.00005%、0.00010%、0.00050%、0.001%、0.005%、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、30%、35%、40%、45、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、または100%である複数の配列を含んでいてもよい。
免疫細胞の試料を小さな反応容積に分割し、複数の免疫細胞の個々の免疫細胞からの、または個々の細胞に由来するポリヌクレオチドの分子およびベッセルバーコード付与と併用することにより、重鎖および軽鎖配列のレパートリーのハイスループット配列決定が可能になり得る。また、こうした方法は、バーコード化配列に基づいて配列決定した後、重鎖および軽鎖の対合を可能にし得る。また、本明細書に記載のように試料を小さな反応容積に分割することは、試薬使用量を低減し、それにより分析の材料費の削減を可能にし得る。
一部の場合では、逆転写反応および/または増幅反応(例えば、PCR)は、液滴デジタルPCR等のように、液滴中で実施される。ある特定の態様では、本発明は、標的物質の全体または部分を含有する流体区画を提供する。一部の実施形態では、区画は、液滴である。明細書の全体にわたって「液滴」が参照されているが、この用語は、別様の指定がない限り、流体区画および流体分配と同義的に使用される。別様の指定がある場合を除き、便宜的に「液滴」を使用し、任意の流体分配または区画を使用することができる。本明細書で使用される液滴は、米国特許第7,622,280号に記載のもの等の、エマルジョン組成物(または、2つまたはそれよりも多くの不混和性流体の混合物)を含んでいてもよい。液滴は、WO2010/036352に記載のデバイスにより生成することができる。用語「エマルジョン」は、本明細書で使用される場合、不混和性液体(油および水等の)の混合物を指す場合がある。油相および/または油中水型エマルジョンは、水性液滴内での反応混合物の区画化を可能にする。エマルジョンは、連続油相内に水性液滴を含むことができる。本明細書で提供されるエマルジョンは、液滴が連続水相内の油液滴である水中油型エマルジョンであってもよい。本明細書で提供される液滴は、区画間の混合を防止し、各区画が、その内容物を、蒸発および他の区画の内容物との凝集から保護するように設計される。
本明細書に記載されている混合物またはエマルジョンは、安定であってもよく、または不安定であってもよい。エマルジョンは、比較的安定しており、凝集は最小限である。小液滴が組み合わさって次第により大きな液滴を形成する場合、凝集が生じたという。一部の場合では、液滴生成装置から生成された液滴の0.00001%、0.00005%、0.00010%、0.00050%、0.001%、0.005%、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、6%、7%、8%、9%、または10%未満が、他の液滴と凝集する。また、エマルジョンは、フロキュレーションが限定的であってもよく、フロキュレーションとは、分散相が懸濁液からフレーク状に沈殿するプロセスである。
約0.001、0.01、0.05、0.1、1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、100、120、130、140、150、160、180、200、300、400、もしくは500ミクロンの、または約0.001、0.01、0.05、0.1、1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、100、120、130、140、150、160、180、200、300、400、もしくは500ミクロン未満の、または約0.001、0.01、0.05、0.1、1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、100、120、130、140、150、160、180、200、300、400、もしくは500ミクロンよりも大きな、または少なくとも約0.001、0.01、0.05、0.1、1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、100、120、130、140、150、160、180、200、300、400、もしくは500ミクロンの平均直径を有する液滴を生成することができる。液滴は、約0.001~約500、約0.01~約500、約0.1~約500、約0.1~約100、約0.01~約100、または約1~約100ミクロンの平均直径を有していてもよい。マイクロチャネルクロスフローフォーカシング(microchannel cross-flow focusing)または物理的な撹拌を使用して、単分散または多分散エマルジョンのいずれかが生成される、エマルジョン液滴を生成するためのマイクロ流体法が既知である。液滴は、単分散液滴であってもよい。液滴は、液滴のサイズが、液滴の平均サイズのプラスまたはマイナス5%を超えて変動しないように生成することができる。一部の場合では、液滴は、液滴のサイズが、液滴の平均サイズのプラスまたはマイナス2%を超えて変動しないように生成される。液滴生成装置は、単一試料から液滴の集団を生成することができ、液滴はいずれも、液滴の全集団の平均サイズのプラスまたはマイナス約0.1%、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%、または10%を超えてサイズが変動しない。
より高い機械的安定性は、マイクロ流体の操作、およびより高剪断での流体処理(例えば、マイクロ流体毛細管での、または流体経路中のバルブ等の90度屈曲による)に有用であり得る。熱処理前または熱処理後の液滴またはカプセルは、標準的ピペット操作および遠心分離に対して機械的に安定であり得る。
液滴は、油相を水性試料に通して流動させることにより形成することができる。水相は、細胞、ヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、分子バーコード化ポリヌクレオチド、ベッセルバーコード化ポリヌクレオチド、プライマー、鋳型核酸、ならびにDNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、および/または逆転写酵素等の酵素を含む、増幅反応を実施するための緩衝溶液および試薬を含んでいてもよい。
水相は、ビーズ等の固体表面を用いてまたは用いずに増幅反応を実施するための緩衝溶液および試薬を含んでいてもよい。緩衝溶液は、約1、5、10、15、20、30、50、100、もしくは200mMの、約1、5、10、15、20、30、50、100、もしくは200mMよりも多くの、または約1、5、10、15、20、30、50、100、もしくは200mM未満のTrisを含んでいてもよい。一部の場合では、塩化カリウムの濃度は、約10、20、30、40、50、60、80、100、200mMであるか、約10、20、30、40、50、60、80、100、200mMよりも高いか、または約10、20、30、40、50、60、80、100、200mM未満であってもよい。緩衝溶液は、約15mM Trisおよび50mM KClを含んでいてもよい。ヌクレオチドは、濃度が、各々、約50、100、200、300、400、500、600、もしくは700μmの、約50、100、200、300、400、500、600、もしくは700μmよりも高い、または約50、100、200、300、400、500、600、もしくは700μm未満のdATP、dCTP、dGTP、およびdTTPを含むデオキシリボヌクレオチド三リン酸分子を含んでいてもよい。一部の場合では、dUTPは、約50、100、200、300、400、500、600、もしくは700、800、900、もしくは1000μmの、約50、100、200、300、400、500、600、もしくは700、800、900、もしくは1000μmよりも高い、または約50、100、200、300、400、500、600、もしくは700、800、900、もしくは1000μm未満の濃度になるように水相内に添加される。一部の場合では、塩化マグネシウムまたは酢酸マグネシウム(MgCl)は、約1.0、2.0、3.0、4.0、もしくは5.0mMの、約1.0、2.0、3.0、4.0、もしくは5.0mMよりも高い、または約1.0、2.0、3.0、4.0、もしくは5.0mM未満の濃度で水相に添加される。MgClの濃度は、約3.2mMであってもよい。一部の場合では、酢酸マグネシウムまたはマグネシウムが使用される。一部の場合では、硫酸マグネシウムが使用される。
BSAまたはウシ皮膚に由来するゼラチン等の非特異的ブロッキング剤を使用することができ、ゼラチンまたはBSAは、およそ0.1~0.9%w/vの濃度範囲で存在する。他の考え得るブロッキング剤としては、ベータラクトグロブリン、カゼイン、粉乳、または他の一般的のブロッキング剤を挙げることができる。一部の場合では、BSAおよびゼラチンの好ましい濃度は、約0.1%w/vである。
水相内の増幅用プライマーは、約0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.2、1.5、1.7、もしくは2.0μmの、約0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.2、1.5、1.7、もしくは2.0μmよりも高い、または約0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.2、1.5、1.7、もしくは2.0μm未満の濃度を有していてもよい。水相内のプライマー濃度は、約0.05~約2、約0.1~約1.0、約0.2~約1.0、約0.3~約1.0、約0.4~約1.0、または約0.5~約1.0μmであってもよい。プライマーの濃度は、約0.5μmであってもよい。PCRにおける標的核酸濃度の許容範囲は、限定されないが、約1pg~約500ngの間が挙げられる。
また、一部の場合では、水相は、添加剤を含んでいてもよく、添加剤としては、これらに限定されないが、非特異的バックグラウンド/ブロッキング核酸(例えば、サケ精子DNA)、バイオプリザバティブ(biopreservative)(例えば、アジ化ナトリウム)、PCRエンハンサー(例えば、ベタイン、トレハロース等)、および阻害剤(例えば、RNAse阻害剤)が挙げられる。他の添加剤としては、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセロール、ベタイン(一)水和物(N,N,N-トリメチルグリシン=[カルボキシ(caroxy)-メチル]トリメチルアンモニウム、トレハロース、7-デアザ-2’-デオキシグアノシン三リン酸(dC7GTPまたは7-デアザ-2’-dGTP)、BSA(ウシ血清アルブミン)、ホルムアミド(メタンアミド)、テトラメチルアンモニウムクロリド(TMAC)、他のテトラアルキルアンモニウム誘導体(例えば、テトラエチルアンモニウムクロリド(tetraethyammonium chloride)(TEA-Cl)およびテトラプロピルアンモニウムクロリド(TPrA-Cl))、非イオン性洗剤(例えば、Triton X-100、Tween 20、Nonidet P-40(NP-40))、またはPREXCEL-Qを挙げることができる。一部の場合では、水相は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10種の異なる添加剤を含んでいてもよい。他の場合では、水相は、少なくとも0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10種の異なる添加剤を含んでいてもよい。
一部の場合では、非イオン性エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーを、約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、または1.0%の濃度で水相に添加してもよい。一般的なバイオサーファクタント(biosurfactant)としては、Pluronic F-68、Tetronics、およびZonyl FSN等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。Pluronic F-68は、約0.5%w/vの濃度で存在していてもよい。
一部の場合では、塩化マグネシウムの代わりに、硫酸マグネシウムを同様の濃度で用いることができる。種々の供給業者から市販されている広範な一般的PCR緩衝液を、緩衝溶液の代わりに用いることができる。
エマルジョンは、加熱することにより固体様界面フィルムを有するマイクロカプセルへと変換することができる液体様界面フィルムを有する高度に単分散性の液滴を生成するように調合することができる。そのようなマイクロカプセルは、PCR増幅等の反応プロセス中にわたって内容物を保持することが可能なバイオリアクターとして働くことができる。マイクロカプセル形態への変換は、加熱時に生じてもよい。例えば、そのような変換は、約50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、または95℃よりも高い温度で生じてもよい。一部の場合では、この加熱は、サーモサイクラーを使用して生じる。加熱プロセス中、流体または鉱油オーバーレイを使用して、蒸発を防止してもよい。過剰な連続相油は、加熱前に除去してもよく、または除去しなくてもよい。生体適合性カプセルは、幅広い熱的および機械的処理で凝集および/またはフロキュレーションに耐性であってもよい。変換後、カプセルは、約3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、もしくは40℃で、約3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、もしくは40℃よりも高い温度で、または約3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、もしくは40℃未満で保管することができる。こうしたカプセルは、巨大分子、特に、核酸またはタンパク質または両方一緒の混合物を含有する水性生物学的流体の安定デジタル化封入;薬物およびワクチン送達;生体分子ライブラリー;および臨床イメージング用途等の、生物医学的用途に有用であり得る。
マイクロカプセルは、1つまたは複数のポリヌクレオチドを含有していてもよく、特に高温で凝集に耐性であってもよい。したがって、PCR増幅反応は、非常に高い密度(例えば、1単位容積当たりの反応数)で生じてもよい。一部の場合では、1ml当たり100,000、500,000、1,000,000、1,500,000、2,000,000、2,500,000、5,000,000、または10,000,000よりも多くの別個の反応が生じてもよい。一部の場合では、反応は、単一のウェルにて、例えば、マイクロタイタープレートのウェルにて、反応容積間で相互混合を生じさせずに生じる。また、マイクロカプセルは、逆転写、プライマー伸長、および/またはPCR反応が生じることを可能にするために必要な他の成分、例えばプライマー、プローブ、dNTP、DNAまたはRNAポリメラーゼ等を含有していてもよい。こうしたカプセルは、幅広い熱的および機械的処理で凝集およびフロキュレーションに耐性を示す。
一部の場合では、増幅ステップは、マイクロ流体に基づくデジタルPCRまたは液滴デジタルPCR等のデジタルPCRを実施することにより行われる。
液滴は、マイクロ流体システムまたはデバイスを使用して生成することができる。本明細書で使用される場合、「マイクロ」という接頭辞(例えば、「マイクロチャネル」または「マイクロ流体」の)は、一般的に、約1mm未満の、一部の場合では、約100ミクロン(マイクロメートル)未満の幅または直径を有する要素または物品を指す。一部の場合では、要素または物品は、流体が流動し得るチャネルを含む。加えて、「マイクロ流体」は、本明細書で使用される場合、少なくとも1つのマイクロスケールチャネルを含むデバイス、装置、またはシステムを指す。
マイクロ流体システムおよびデバイスは、様々な状況で、典型的には小型実験室(例えば、臨床)分析の状況で記載されている。他の使用も同様に記載されている。例えば、国際特許出願公開番号WO01/89788、WO2006/040551、WO2006/040554、WO2004/002627、WO2008/063227、WO2004/091763、WO2005/021151、WO2006/096571、WO2007/089541、WO2007/081385、およびWO2008/063227。
液滴は、一般的に、第2のキャリア流体内に、ある量の第1の試料流体を含む。当技術分野で既知の、液滴を形成するための任意の技法を、本発明の方法と共に使用することができる。例示の方法は、標的物質(例えば、免疫細胞)を含有する試料流体の流動を、流動中のキャリア流体の2つの対向流動と交差するように流動させることを含む。キャリア流体は、試料流体と不混和性である。試料流体を、流動中のキャリア流体の2つの対向流動と交差させることにより、標的物質を含有する個々の試料液滴内への試料流体の分配がもたらされる。
キャリア流体は、試料流体と不混和性である任意の流体であってもよい。例示のキャリア流体は、油である。ある特定の実施形態では、キャリア流体は界面活性剤を含む。
同じ方法を適用して、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、多重鎖置換増幅等の非PCR系増幅反応、または当業者に既知の他の方法等の増幅反応用の試薬等の他の試薬を含有する個々の液滴を創出することができる。PCRに基づく増幅反応の実施に好適な試薬は当業者に既知であり、これらに限定されないが、DNAポリメラーゼ、フォワードおよびリバースプライマー、デオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP)、ならびに1つまたは複数の緩衝液が挙げられる。
ある特定の実施形態では、流体区画は、標的物質(例えば、免疫細胞および/またはビーズ等の固体支持体)を含む第1の流体分配(例えば、液滴)および第2の流体(例えば、流体流動として、または液滴内)を提供することにより形成される。第1および第2の流体を合流させて、液滴を形成する。合流は、2つの流体に電場をかけることにより達成してもよい。ある特定の実施形態では、第2の流体は、ポリメラーゼ連鎖反応または増幅反応等の増幅反応を実施するための試薬を含有する。
ある特定の態様では、本発明は、固有にバーコード化された重鎖および軽鎖抗体配列ならびに/またはアルファおよびベータ鎖TCR配列ならびに/またはガンマおよびデルタ鎖TCR配列のライブラリーを作製するための方法であって、各構築物が固有のN量体および機能性N量体を含む複数の核酸構築物を得ることを含む方法を提供する。機能性N量体は、ランダムN量体、PCRプライマー、ユニバーサルプライマー、抗体、粘着末端、または任意の他の配列であってもよい。上記方法は、各々が固有の構築物の1つまたは複数のコピーを含有するN数の流体区画のM個のセットを作製することを含んでいてもよい。上記方法は、追加の構築物をセット内の各区画に添加し、これを各セットについて繰り返して、各々が固有な1対の構築物を含有するN×M個の区画を生成することにより、より高度な複雑さを有するバーコードライブラリーを創出することができる。これらの対をハイブリダイズまたはライゲーションして、新しい構築物を生成してもよい。バーコードライブラリー内の各構築物では、各固有N量体は、配列決定、プローブハイブリダイゼーション、他の方法、または方法の組合せにより識別するのに適していてもよい。
液滴ライブラリー
一般的に、液滴ライブラリーは、単一コレクション内に共にプールされているいくつかのライブラリー要素で構成される。ライブラリーは、複雑さが、単一のライブラリー要素から1×1015個またはそれよりも多くのライブラリー要素まで、様々であってもよい。各ライブラリー要素は、一定濃度の1つまたは複数の所与の成分である。要素は、これらに限定されないが、細胞、ビーズ、アミノ酸、タンパク質、ポリペプチド、核酸、ポリヌクレオチド、または小分子化合物であってもよい。要素は、分子バーコード、ベッセルバーコード、または両方等の識別子を含有していてもよい。
細胞ライブラリー要素としては、これらに限定されないが、ハイブリドーマ、B細胞、T細胞、初代細胞、培養細胞株、がん細胞、幹細胞、または任意の他の細胞タイプを挙げることができる。細胞ライブラリー要素は、1個から数万個までの数の細胞を個々の液滴に封入することにより調製される。封入細胞の数は、通常、細胞の数密度および液滴の容積からポアソン統計により求められる。しかしながら、一部の場合では、個数は、Eddら、“Controlled encapsulation of single-cells into monodisperse picolitre drops.” Lab Chip、8巻(8号):1262~1264頁、2008年に記載されているようにポアソン統計から逸脱する。細胞は性質が分散性であるため、ライブラリーを、全てが単一の開始培地に存在する、各々が1つの抗体またはTCRを産生する免疫細胞等の複数の細胞バリアントを有する集団に調製することが可能であり、その後、その培地を、多くとも1つの細胞を含有する個々の液滴カプセルに分ける。その後、個々の液滴カプセル内の細胞を溶解し、溶解細胞に由来する重鎖および軽鎖ポリヌクレオチドならびに/またはアルファおよびベータ鎖ポリヌクレオチドならびに/またはガンマおよびデルタ鎖ポリヌクレオチドを、分子バーコードおよびベッセルでバーコード化し、増幅し、その後組み合わせ、またはプールして、重鎖および軽鎖ならびに/またはアルファおよびベータ鎖ならびに/またはガンマおよびデルタ鎖ライブラリー要素で構成されるライブラリーを形成する。
ビーズに基づくライブラリー要素は、1つまたは複数のビーズを含有し、また、抗体、酵素、または他のタンパク質等の他の試薬を含んでいてもよい。全てのライブラリー要素が異なるタイプのビーズを含有するが、周囲媒体が同じである場合、ライブラリー要素は全て、単一の開始流体から調製されていてもよく、または様々な開始流体を有していてもよい。バリアントのコレクションから集団に調製する細胞のライブラリーの場合、ライブラリー要素は、様々な開始流体から調製されることになる。複数の細胞から開始する場合、1液滴当たり正確に1つの細胞を有しており、1つよりも多くの細胞を含有する液滴が極少数であることが望ましい。一部の場合では、1液滴当たり正確に1つの細胞を含有する液滴がより多くなり、空の液滴または1つよりも多くの細胞を含有する液滴が少数の例外になるように、ポアソン統計からの変動を実現して、液滴の積み込み強化を提供することができる。
一部の実施形態では、複数のベッセルバーコード化ポリヌクレオチドから開始する場合、1液滴当たり正確に1つのベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを有しており、1つよりも多くのベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを含有する液滴が極少数であることが望ましい。一部の場合では、1液滴当たり正確に1つのベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを有する液滴がより多くなり、空の液滴または1つよりも多くのベッセルバーコード化ポリヌクレオチドを含む液滴が少数の例外になるように、ポアソン統計からの変動を実現して、液滴の積み込み強化を提供することができる。
液滴ライブラリーの例は、ビーズ、細胞、小分子、DNA、プライマー、抗体、およびバーコード化ポリヌクレオチド等の様々な異なる内容物を有する液滴のコレクションである。液滴のサイズは、直径が、およそ0.5ミクロンから500ミクロンまでの範囲であり、これは、約1ピコリットル~1ナノリットルに対応する。しかしながら、液滴は、5ミクロンと小さくてもよく、500ミクロンと大きくてもよい。好ましくは、液滴は、直径が、100ミクロン未満、約1ミクロン~約100ミクロンである。最も好ましいサイズは、直径が、約20~40ミクロン(10~100ピコリットル)である。液滴ライブラリーの検討される好ましい特性としては、浸透圧バランス、均一なサイズ、およびサイズ範囲が挙げられる。
本発明により提供される液滴ライブラリー内に含まれる液滴は、サイズが、好ましくは均一である。すなわち、ライブラリー内の任意の液滴の直径は、同じライブラリー内の他の液滴の直径と比較して、5%、4%、3%、2%、1%、または0.5%未満しか変動しないだろう。ライブラリーの液滴のサイズが均一であることは、液滴の安定性および完全性を保つために重要である場合があり、また、後に、本明細書に記載されている種々の生物学的および化学的アッセイのために、ライブラリー内の液滴を使用するために不可欠である場合がある。
本発明は、不混和性流体内に複数の水性液滴を含み、各液滴が、好ましくはサイズが実質的に均一であり、異なるライブラリー要素を含む液滴ライブラリーを提供する。本発明は、液滴ライブラリーを形成するための方法であって、異なるライブラリー要素を含む単一の水性流体を準備すること、各ライブラリー要素を不混和性流体内の水性液滴内に封入することを含む方法を提供する。
ある特定の実施形態では、異なるタイプの要素(例えば、細胞またはビーズ)を、同じ培地に含有される単一供給源にプールする。初期プールを行った後、要素を液滴に封入して、液滴のライブラリーを生成し、異なるタイプのビーズまたは細胞を有する各液滴は、異なるライブラリー要素である。初期溶液を希釈することにより、封入プロセスが可能になる。一部の実施形態では、形成される液滴は、単一の要素を含有することになるか、または何も含有しないことになる、つまり空になるかのいずれかである。他の実施形態では、形成される液滴は、ライブラリー要素の複数コピーを含有することになる。封入されている要素は、一般的に、あるタイプのバリアントである。一例では、要素は、血液試料の免疫細胞であり、各免疫細胞は、免疫細胞内の抗体のヌクレオチド配列を増幅およびバーコード化するために封入される。
例えば、1つのタイプのエマルジョンライブラリーには、異なる粒子、つまり異なる培地内の細胞またはバーコード化ポリヌクレオチドを有し、プールする前に封入されているライブラリー要素が存在する。一例では、指定数のライブラリー要素、つまりn数の異なる細胞またはバーコード化ポリヌクレオチドが、異なる培地内に含有されている。ライブラリー要素の各々は、別々に乳化およびプールされ、その地点で、n数のプールされた異なるライブラリー要素の各々が組み合わされ、単一プールにプールされる。その結果として得られるプールは、各々が異なるタイプの粒子を含有する複数の油中水型エマルジョン液滴を含有する。
一部の実施形態では、形成される液滴は、単一のライブラリー要素を含有することになるか、または何も含有しないことになる、つまり空になるかのいずれかである。他の実施形態では、形成される液滴は、ライブラリー要素の複数コピーを含有することになる。ビーズの内容物は、ポアソン分布に従い、事象が既知の平均率で生じ、その直前の事象と時間的に独立している場合、ある一定期間にいくつかの事象が生じる確率を表す離散確率分布が存在する。ライブラリーを創出するために使用される油および界面活性剤は、ライブラリーの内容物が液滴間で交換されることを防止する。
プライマー
一般的に、1対または複数対のプライマーを増幅反応に使用することができる。プライマー対の1つのプライマーは、フォワードプライマーであってもよく、プライマー対の1つのプライマーは、リバースプライマーであってもよい。
一部の場合では、第1の対のプライマーを増幅反応に使用することができる。第1の対の1つのプライマーは、第1の標的ポリヌクレオチド分子の配列に相補的なフォワードプライマーであってもよく、第1の対の1つのプライマーは、リバースプライマーであってもよく、第1の標的ポリヌクレオチド分子の第2の配列と相補的であってもよく、第1の標的遺伝子座は、第1の配列と第2の配列との間に存在していてもよい。一部の実施形態では、第1の標的遺伝子座は、VまたはVαまたはVγ配列を含む。
一部の場合では、第2の対のプライマーを増幅反応に使用することができる。第2の対の1つのプライマーは、第2の標的ポリヌクレオチド分子の第1の配列に相補的なフォワードプライマーであってもよく、第2の対の1つのプライマーは、第2の標的ポリヌクレオチド分子の第2の配列と相補的なリバースプライマーであってもよく、第2の標的遺伝子座は、第1の配列と第2の配列との間に存在していてもよい。一部の実施形態では、第2の標的遺伝子座は、VまたはVβまたはVδ配列を含む。
一部の場合では、第3の対のプライマーを増幅反応に使用することができる。第3の対の1つのプライマーは、第3の標的ポリヌクレオチド分子の第1の配列に相補的なフォワードプライマーであってもよく、第3の対の1つのプライマーは、第3の標的ポリヌクレオチド分子の第2の配列と相補的なリバースプライマーであってもよく、第3の標的遺伝子座は、第1の配列と第2の配列との間に存在していてもよい。一部の実施形態では、第3の標的遺伝子座は、分子バーコードまたはベッセルバーコード等のバーコードを含む。
フォワードプライマーおよびリバースプライマーの長さは、標的ポリヌクレオチドおよび標的遺伝子座の配列に依存していてもよい。例えば、フォワードプライマーおよびリバースプライマーの長さおよび/またはTは、最適化することができる。一部の場合では、プライマーは、長さが、約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、もしくは60個の、約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、もしくは60個よりも多くの、または約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、もしくは60個未満のヌクレオチドであってもよい。一部の場合では、プライマーは、長さが、約15~約20、約15~約25、約15~約30、約15~約40、約15~約45、約15~約50、約15~約55、約15~約60、約20~約25、約20~約30、約20~約35、約20~約40、約20~約45、約20~約50、約20~約55、約20~約60個のヌクレオチドである。
プライマーは、鋳型ポリヌクレオチドと結合する前は、一本鎖DNAであってもよい。一部の場合では、プライマーは、初期には二本鎖配列を含む。プライマーの適切な長さは、プライマーの使用目的に依存していてもよいが、約6から約50個までのヌクレオチド、または約15から約35個までのヌクレオチドの範囲であってもよい。短いプライマー分子の場合、一般的には、鋳型との十分に安定したハイブリッド複合体を形成するためには、より低い温度が必要とされる場合ある。一部の実施形態では、プライマーは、鋳型核酸の正確な配列を反映する必要はなく、鋳型とのハイブリダイズに十分な程度に相補的であればよい。一部の場合では、プライマーは、鋳型ポリヌクレオチドと結合する前は、部分的に二本鎖であってもよい。二本鎖配列を有するプライマーは、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20個の、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20個よりも多くの、または約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20個未満の塩基のヘアピンループを有していてもよい。プライマーの二本鎖部分は、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、もしくは50個の、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、もしくは50個よりも多くの、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、もしくは50個未満の、または少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、もしくは50個の塩基対であってもよい。所与の標的配列を増幅するための好適なプライマーの設計は、当技術分野で周知である。
プライマーには、プライマーの検出または固定化を可能にするが、プライマーの基本的な特性(例えば、DNA合成開始地点として作用すること)を変更しない追加の特徴を組み込むことができる。例えば、プライマーは、標的核酸にハイブリダイズしないが、クローニングまたはさらなる増幅または増幅産物の配列決定を容易にする追加の核酸配列を5’末端に含有していてもよい。例えば、追加の配列は、ユニバーサルプライマー結合部位等のプライマー結合部位を含んでいてもよい。鋳型とハイブリダイズするのに十分な相補性を有するプライマーの領域は、本明細書では、ハイブリダイズ領域と呼ばれる場合がある。
別の場合では、本明細書に記載されている方法および組成物に利用されるプライマーは、1つまたは複数のユニバーサルヌクレオシドを含んでいてもよい。ユニバーサルヌクレオシドの非限定的な例は、米国特許出願公開第2009/0325169号および第2010/0167353号に記載されている5-ニトロインドールおよびイノシンである。
プライマーは、二次構造および自己ハイブリダイゼーションを回避するための既知のパラメータに従って設計することができる。異なるプライマー対は、ほぼ同じ温度で、例えば、別のプライマー対の1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、または10℃以内でアニーリングおよび融解してもよい。一部の場合では、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、200、500、1000、5000、10,000個、またはそれよりも多くのプライマーが、初期に使用される。そのようなプライマーは、本明細書に記載の標的ポリヌクレオチドとハイブリダイズすることができる。
プライマーは、これらに限定されないが、適切な配列のクローニング、および当技術分野で周知の方法を使用した直接的化学合成を含む様々な方法により調製することができる(Narangら、Methods Enzymol.、68巻:90頁(1979年);Brownら、Methods Enzymol.、68巻:109頁(1979年))。また、プライマーは、商業的供給源から得ることができる。プライマーは、同一の融解温度を有していてもよい。プライマーは、非同一の融解温度を有していてもよい。プライマーの長さを、5’末端または3’末端で伸長または短縮して、所望の融解温度を有するプライマーを生成することができる。プライマー対のプライマーの一方は、他方のプライマーよりも長くてもよい。プライマー対内の、プライマーの3’アニーリング長は、異なっていてもよい。また、各プライマー対のアニーリング位置は、プライマー対の配列および長さが、所望の融解温度をもたらすように設計することができる。25塩基対よりも短いプライマーの融解温度を決定するための式は、ウォーレスのルール(T=2(A+T)+4(G+C))である。また、コンピュータプログラムを使用して、プライマーを設計してもよい。各プライマーのT(融解温度またはアニーリング温度)は、ソフトウェアプログラムを使用して算出することができる。プライマーのアニーリング温度は、これらに限定されないが、1、2、3、4、5サイクル目、6~10サイクル目、10~15サイクル目、15~20サイクル目、20~25サイクル目、25~30サイクル目、30~35サイクル目、または35~40サイクル目を含む、任意の増幅サイクル後に再計算し、増加させてもよい。最初の増幅サイクル後、プライマーの5’側半分を、各目的遺伝子座に由来する産物に組み込んでもよく、したがって、Tは、各プライマーの5’側半分および3’側半分の両配列に基づいて再計算してもよい。
本明細書で開示されている方法の1つまたは複数の反応を実施することは、1つまたは複数のプライマーの使用を含み得る。本明細書で使用する場合、プライマーは、鋳型ポリヌクレオチドにハイブリダイズするのに十分に相補的な、二本鎖、一本鎖または部分的に一本鎖のポリヌクレオチドを含む。プライマーは、鋳型ポリヌクレオチドを結合する前は一本鎖DNAであり得る。一部の実施形態では、このプライマーは、最初に二本鎖配列を含む。プライマー部位は、プライマーがハイブリダイズする鋳型の領域を含む。一部の実施形態では、プライマーは、鋳型指向核酸合成の開始点として作用することが可能である。例えば、プライマーは、4つの異なるヌクレオチド、およびDNAもしくはRNAポリメラーゼまたは逆転写酵素等の重合剤または酵素が存在する場合、鋳型指向核酸合成を開始させることができる。プライマー対は2つのプライマー:鋳型配列の5’末端とハイブリダイズする5’上流領域を有する第1のプライマー、および鋳型配列の3’末端の相補体とハイブリダイズする3’下流領域を有する第2のプライマーを含む。プライマーセットは、2つまたはそれよりも多くのプライマー:鋳型配列または複数の鋳型配列の5’末端とハイブリダイズする5’上流領域を有する第1のプライマーまたは第1の複数のプライマー、および鋳型配列または複数の鋳型配列の3’末端の相補体とハイブリダイズする3’下流領域を有する第2のプライマーまたは第2の複数のプライマーを含む。一部の実施形態では、プライマーは、標的特異的配列を含む。一部の実施形態では、プライマーは、試料バーコード配列を含む。一部の実施形態では、プライマーは、ユニバーサルプライミング配列を含む。一部の実施形態では、プライマーは、PCRプライミング配列を含む。一部の実施形態では、プライマーは、ポリヌクレオチドの増幅を開始させるために使用されるPCRプライミング配列を含む。(Dieffenbach, PCR Primer: A Laboratory Manual、第2版(Cold Spring Harbor Press、New York(2003年))。ユニバーサルプライマー結合部位または配列は、ポリヌクレオチドおよび/またはアンプリコンへのユニバーサルプライマーの付着を可能にする。ユニバーサルプライマーは当技術分野で周知であり、これらに限定されないが、-47F(M13F)、アルファMF、AOX3’、AOX5’、BGHr、CMV-30、CMV-50、CVMf、LACrmt、ラムダ(lamgda)gt10F、ラムダgt10R、ラムダgt11F、ラムダgt11R、M13リバース、M13フォワード(-20)、M13リバース、メール(male)、p10SEQPpQE、pA-120、pet4、pGAPフォワード、pGLRVpr3、pGLpr2R、pKLAC14、pQEFS、pQERS、pucU1、pucU2、リバースA、seqIREStam、seqIRESzpet、seqori、seqPCR、seqpIRES-、seqpIRES+、seqpSecTag、seqpSecTag+、seqretro+PSI、SP6、T3-prom、T7-prom、およびT7-termInvが挙げられる。本明細書で使用される場合、付着は、共有結合による相互作用および非共有結合による相互作用の両方またはいずれかを指すことができる。ユニバーサルプライマー結合部位へのユニバーサルプライマーの付着を、ポリヌクレオチドおよび/またはアンプリコンの増幅、検出、および/または配列決定に使用してもよい。ユニバーサルプライマー結合部位は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000個のヌクレオチドまたは塩基対を含んでいてもよい。別の例では、ユニバーサルプライマー結合部位は、少なくとも約1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、8500、9000、9500、または10000個のヌクレオチドまたは塩基対を含む。一部の実施形態では、ユニバーサルプライマー結合部位は、1~10、10~20、10~30、または10~100個のヌクレオチドまたは塩基対を含む。一部の実施形態では、ユニバーサルプライマー結合部位は、約1~90、1~80、1~70、1~60、1~50、1~40、1~30、1~20、1~10、2~90、2~80、2~70、2~60、2~50、2~40、2~30、2~20、2~10、1~900、1~800、1~700、1~600、1~500、1~400、1~300、1~200、1~100、2~900、2~800、2~700、2~600、2~500、2~400、2~300、2~200、2~100、5~90、5~80、5~70、5~60、5~50、5~40、5~30、5~20、5~10、10~90、10~80、10~70、10~60、10~50、10~40、10~30、10~20、10~10、5~900、5~800、5~700、5~600、5~500、5~400、5~300、5~200、5~100、10~900、10~800、10~700、10~600、10~500、10~400、10~300、10~200、10~100、25~900、25~800、25~700、25~600、25~500、25~400、25~300、25~200、25~100、100~1000、100~900、100~800、100~700、100~600、100~500、100~400、100~300、100~200、200~1000、200~900、200~800、200~700、200~600、200~500、200~400、200~300、300~1000、300~900、300~800、300~700、300~600、300~500、300~400、400~1000、400~900、400~800、400~700、400~600、400~500、500~1000、500~900、500~800、500~700、500~600、600~1000、600~900、600~800、600~700、700~1000、700~900、700~800、800~1000、800~900、または900~1000個のヌクレオチドまたは塩基対を含む。
プライマーは、プライマー伸長産物の合成におけるその使用と適合する長さを有していてもよい。プライマーは、長さが8~200個のヌクレオチドであるポリヌクレオチドであってもよい。プライマーの長さは、鋳型ポリヌクレオチドおよび鋳型遺伝子座の配列に依存していてもよい。例えば、プライマーまたはプライマーセットの長さおよび/または融解温度(T)は最適化することができる。一部の場合では、プライマーは、長さが、約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、もしくは60個の、約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、もしくは60個よりも多くの、または約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、もしくは60個未満のヌクレオチドであってもよい。一部の実施形態では、プライマーは、長さが約8~100個のヌクレオチド、例えば、長さが10~75、15~60、15~40、18~30、20~40、21~50、22~45、25~40、7~9、12~15、15~20、15~25、15~30、15~45、15~50、15~55、15~60、20~25、20~30、20~35、20~45、20~50、20~55、または20~60個の、およびそれら間の任意の長さのヌクレオチドである。一部の実施形態では、プライマーは、長さが、多くとも約10、12、15、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100個のヌクレオチドである。
一般的に、1対または複数対のプライマーを指数関数的増幅反応に使用することができる。プライマー対の1つのプライマーは、フォワードプライマーであってもよく、プライマー対の1つのプライマーは、リバースプライマーであってもよい。一部の実施形態では、第1の対のプライマーを指数関数的増幅反応に使用することができる。第1の対の1つのプライマーは、第1の鋳型ポリヌクレオチド分子の配列に相補的なフォワードプライマーであってもよく、第1の対の1つのプライマーは、第1の鋳型ポリヌクレオチド分子の第2の配列と相補的なリバースプライマーであってもよく、第1の鋳型遺伝子座は、第1の配列と第2の配列との間に存在していてもよい。一部の実施形態では、第2の対のプライマーを増幅反応に使用することができる。第2の対の1つのプライマーは、第2の標的ポリヌクレオチド分子の第1の配列に相補的なフォワードプライマーであってもよく、第2の対の1つのプライマーは、第2の標的ポリヌクレオチド分子の第2の配列と相補的なリバースプライマーであってもよく、第2の標的遺伝子座は、第1の配列と第2の配列との間に存在していてもよい。一部の実施形態では、第2の標的遺伝子座は、可変軽鎖抗体配列を含む。一部の実施形態では、第3の対のプライマーを増幅反応に使用することができる。第3の対の1つのプライマーは、第3の鋳型ポリヌクレオチド分子の第1の配列に相補的なフォワードプライマーであってもよく、第3の対の1つのプライマーは、第3の鋳型ポリヌクレオチド分子の第2の配列と相補的なリバースプライマーであってもよく、第3の鋳型遺伝子座は、第1の配列と第2の配列との間に存在していてもよい。
1つまたは複数のプライマーは、複数の鋳型ポリヌクレオチドの少なくとも部分にアニーリングすることができる。1つまたは複数のプライマーは、複数の鋳型ポリヌクレオチドの3’末端および/または5’末端にアニーリングすることができる。1つまたは複数のプライマーは、複数の鋳型ポリヌクレオチドの内部領域にアニーリングすることができる。内部領域は、複数の鋳型ポリヌクレオチドの3’末端または5’末端から、少なくとも約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、100、150、200、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、650、700、750、800、850、900、または1000個のヌクレオチドであってもよい。1つまたは複数のプライマーは、一定のパネルのプライマーを含んでいてもよい。1つまたは複数のプライマーは、少なくとも1つまたは複数の特注プライマーを含んでいてもよい。1つまたは複数のプライマーは、少なくとも1つまたは複数の対照プライマーを含んでいてもよい。1つまたは複数のプライマーは、少なくとも1つまたは複数のハウスキーピング遺伝子プライマーを含んでいてもよい。1つまたは複数のプライマーは、ユニバーサルプライマーを含んでいてもよい。ユニバーサルプライマーは、ユニバーサルプライマー結合部位にアニーリングすることができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の特注プライマーは、SBC、標的特異的領域、それらの相補体、またはそれらの任意の組合せにアニーリングする。1つまたは複数のプライマーは、ユニバーサルプライマーを含んでいてもよい。1つまたは複数のプライマーは、プライマー伸長、逆転写、線形伸長、非指数関数的増幅、指数関数的増幅、PCR、または1つもしくは複数の標的もしくは鋳型ポリヌクレオチドの任意の他の増幅法を増幅または実施するように設計することができる。
標的特異的領域は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、100、150、200、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、650、700、750、800、850、900、または1000個のヌクレオチドまたは塩基対を含んでいてもよい。別の例では、標的特異的領域は、少なくとも約1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、8500、9000、9500、または10000個のヌクレオチドまたは塩基対を含む。一部の実施形態では、標的特異的領域は、約5~10、10~15、10~20、10~30、15~30、10~75、15~60、15~40、18~30、20~40、21~50、22~45、25~40、7~9、12~15、15~20、15~25、15~30、15~45、15~50、15~55、15~60、20~25、20~30、20~35、20~45、20~50、20~55、20~60、2~900、2~800、2~700、2~600、2~500、2~400、2~300、2~200、2~100、25~900、25~800、25~700、25~600、25~500、25~400、25~300、25~200、25~100、100~1000、100~900、100~800、100~700、100~600、100~500、100~400、100~300、100~200、200~1000、200~900、200~800、200~700、200~600、200~500、200~400、200~300、300~1000、300~900、300~800、300~700、300~600、300~500、300~400、400~1000、400~900、400~800、400~700、400~600、400~500、500~1000、500~900、500~800、500~700、500~600、600~1000、600~900、600~800、600~700、700~1000、700~900、700~800、800~1000、800~900、または900~1000個のヌクレオチドまたは塩基対を含む。
プライマーは、二次構造および自己ハイブリダイゼーションを回避するための既知のパラメータに従って設計することができる。一部の実施形態では、異なるプライマー対は、ほぼ同じ温度で、例えば、別のプライマー対の1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、または10℃以内でアニーリングおよび融解してもよい。一部の実施形態では、複数のプライマーの1つまたは複数のプライマーは、ほぼ同じ温度で、例えば、複数のプライマー中の別のプライマー対の1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10℃以内でアニーリングおよび融解してもよい。一部の実施形態では、複数中の1つまたは複数のプライマーは、複数のプライマー中の別のプライマーとは異なる温度でアニーリングおよび融解してもよい。
本明細書に記載されている方法の1つまたは複数のステッブのための複数のプライマーは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1,000,000、50,000,000、100,000,000個の、多くとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1,000,000、50,000,000、100,000,000個の、または少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1,000,000、50,000,000、100,000,000個の異なるプライマーを含む複数のプライマーを含んでいてもよい。例えば、複数のプライマーの各プライマーは、異なる標的または鋳型特異的領域または配列を含んでいてもよい。
逆転写
一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、逆転写によりRNAから調製される。一部の場合では、標的ポリヌクレオチドは、ポリメラーゼ等を使用して、プライマー伸長によりDNAから調製される。
本明細書に記載されている方法は、逆転写-PCR併用法(coupled reverse transcription-PCR)(逆転写-PCR)で使用することができる。例えば、逆転写およびPCRは、2つの個別ステップで実施してもよい。最初に、ポリヌクレオチドdTプライマー、配列特異的プライマー、ユニバーサルプライマー、または本明細書に記載の任意のプライマーのいずれかを使用して、試料mRNAのcDNAコピーを合成してもよい。
逆転写およびPCRは、単一の閉鎖ベッセル反応で実施してもよい。例えば、1つは逆転写用、2つはPCR用の3つのプライマーを用いてもよい。逆転写用のプライマーは、PCRアンプリコンの位置に対して3’側でmRNAと結合してもよい。必須ではないが、逆転写プライマーは、RNA残基、またはmRNAにハイブリダイズしてもRNaseHの基質を形成することがない2’-OメチルRNA塩基等の修飾類似体を含んでいてもよい。
逆転写反応を実施する温度は、使用されている逆転写酵素に依存する。一部の場合では、熱安定性逆転写酵素が使用され、逆転写反応は、約37℃~約75℃で、約37℃~約50℃で、約37℃~約55℃で、約37℃~約60℃で、約55℃~約75℃で、約55℃~約60℃で、または約37℃~約60℃で実施される。一部の場合では、3つまたはそれよりも多くの非鋳型末端ヌクレオチドを転写産物の末端に移動させる逆転写酵素が使用される。
本明細書に記載の逆転写反応およびPCR反応は、チューブ、マイクロタイタープレート、マイクロ流体デバイス、または好ましくは液滴内等の、当技術分野で公知の種々の形式で実施することができる。
逆転写反応は、5μLから100μLまでの範囲の容積で、または10μL~20μLの反応容積で実施することができる。液滴の場合、反応容積は、1pLから100nLまで、または10pL~1nLの範囲であってもよい。一部の場合では、逆転写反応は、約1nLまたはそれ未満の容積を有する液滴中で実施される。一部の場合では、PCR反応は、1pLから100nLまで、好ましくは10pL~1nLの反応容積範囲を有する液滴中である。一部の場合では、PCR反応は、約1nLまたはそれ未満の容積を有する液滴中で実施される。一部の場合では、逆転写反応およびPCR反応は、1pLから100nLまでの、または10pL~1nLの反応容積範囲を有する同じ液滴内で実施される。一部の場合では、逆転写反応およびPCR反応は、約1nLもしくはそれ未満の容積、または約1pLもしくはそれ未満の容積を有する液滴内で実施される。一部の場合では、逆転写反応およびPCR反応は、異なる液滴内で実施される。一部の場合では、逆転写反応およびPCR反応は、各々が、1pLから100nLまでの、または10pL~1nLの反応容積範囲を有する複数の液滴内で実施される。一部の場合では、逆転写反応およびPCR反応は、各々が約1nLまたはそれ未満の容積を有する複数の液滴内で実施される。
一部の場合では、第1のPCR反応は、1pLから100nLまでの、好ましくは10pL~1nLの範囲の反応容積を有する第1に液滴内であり、第2のPCR反応は、1pLから100nLまでの、好ましくは10pL~1nLの範囲の反応容積を有する第2の液滴内である。一部の場合では、第1のPCR反応は、約1nLまたはそれ未満の容積を有する第1の液滴内であり、第2のPCR反応は、約1nLまたはそれ未満の容積を有する第2の液滴内である。
一部の場合では、第1のPCR反応および第2のPCR反応は、各々が、1pLから100nLまでの、または10pLから1nLの反応容積範囲を有する複数の液滴内で実施される。一部の場合では、第1のPCR反応および第2のPCR反応は、各々が約1nLまたはそれ未満の容積を有する複数の液滴内で実施される。
RNA等の標的ポリヌクレオチドを、1つまたは複数の逆転写プライマーを使用してcDNAへと逆転写してもよい。1つまたは複数の逆転写プライマーは、定常領域等の、RNAの領域に相補的な領域(例えば、mRNAの重鎖もしくは軽鎖定常領域またはポリAテール)を含んでいてもよい。一部の実施形態では、逆転写プライマーは、第1のRNAの定常領域に相補的な領域を有する第1の逆転写プライマー、および第2のRNAの定常領域に相補的な領域を有する第2の逆転写プライマーを含んでいてもよい。一部の実施形態では、逆転写プライマーは、それぞれ、第1のRNAの定常領域に相補的な領域を有する第1の逆転写プライマー、および1つまたは複数のRNAの定常領域に相補的な領域を有する1つまたは複数の逆転写プライマーを含んでいてもよい。
一部の実施形態では、逆転写プライマーは、バーコードを含まない。
逆転写プライマーは、RNAの領域に相補的でない領域をさらに含んでいてもよい。一部の実施形態では、RNAの領域に相補的でない領域は、RNAに相補的なプライマーの領域に対して5’側である。一部の実施形態では、RNAの領域に相補的でない領域は、RNAに相補的なプライマーの領域に対して3’側である。一部の実施形態では、RNAの領域に相補的でない領域は、5’突出領域である。一部の実施形態では、RNAの領域に相補的でない領域は、増幅および/または配列決定反応用のプライミング部位を含む。本明細書に記載の1つまたは複数のプライマーを使用し、当技術分野で公知の好適な試薬を使用して、RNA分子を逆転写する。
RNA分子の逆転写反応を実行した後に、得られたcDNA分子は、分子バーコードおよびベッセルバーコードでバーコード化され得、1つまたは複数のPCR反応、例えば、第1および/または第2のPCR反応によって増幅され得る。この第1および/または第2のPCR反応は、プライマーの1つのペアまたは複数のプライマー対を利用し得る。この第1および/または第2のPCR反応は、複数のフォワード/リバースプライマーおよび1つのリバースプライマーを利用し得る。この第1および/または第2のPCR反応は、複数のフォワード/リバースプライマーおよび1つのフォワードプライマーを利用し得る。複数のフォワード/リバースプライマーのうちの第1および/または第2のプライマーは、cDNA分子またはバーコード化cDNA分子と相補的な領域を含有するフォワード/リバースプライマーであり得る。複数のフォワード/リバースプライマーのうちの第1および/または第2のプライマーは、バーコード化cDNA分子と相補的な領域を含有するフォワード/リバースプライマーであり得る。
一部の実施形態では、複数のフォワード/リバースプライマーは、1つまたは複数のフォワード/リバースプライマーを含み、複数のフォワード/リバースプライマーのフォワード/リバースプライマーの各々は、cDNAまたはバーコード化cDNAのVセグメントの1つまたは複数の上流または下流領域に相補的な領域を含む。例えば、複数のフォワード/リバースプライマーは、cDNAまたはバーコード化cDNAのVセグメントの上流または下流領域に相補的な領域を含むフォワード/リバースプライマー、およびcDNAまたはバーコード化cDNAのVセグメントの1つまたは複数の他の上流または下流領域に相補的な領域を含む1つまたは複数の他のフォワード/リバースプライマーを含む。例えば、複数のフォワード/リバースプライマーは、cDNAまたはバーコード化cDNAのVセグメントの第1および/または第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第1および/または第2のフォワード/リバースプライマー、およびcDNAまたはバーコード化cDNAのVセグメントの第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第2のフォワード/リバースプライマーを含む。例えば、複数のフォワード/リバースプライマーは、cDNAまたはバーコード化cDNAのVセグメントの第1および/または第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第1および/または第2のフォワード/リバースプライマー、cDNAまたはバーコード化cDNAのVセグメントの第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第2のフォワード/リバースプライマー、およびcDNAまたはバーコード化cDNAのVセグメントの第3の上流または下流領域に相補的な領域を含む第3のフォワード/リバースプライマー等を含む。複数のフォワード/リバースプライマー中のプライマーを使用して、試料中の免疫B細胞またはT細胞等の細胞により発現されるあらゆるVセグメントのあらゆる考え得る上流または下流領域にアニーリングすることができる。
一部の実施形態では、複数のフォワード/リバースプライマーは、1つまたは複数のフォワード/リバースプライマーを含み、複数のフォワード/リバースプライマー中のフォワード/リバースプライマーの各々は、cDNAまたはバーコード化cDNAのCセグメントの1つまたは複数の上流または下流領域に相補的な領域を含む。例えば、複数のフォワード/リバースプライマーは、cDNAまたはバーコード化cDNAのCセグメントの上流または下流領域に相補的な領域を含むフォワード/リバースプライマー、およびcDNAまたはバーコード化cDNAのCセグメントの1つまたは複数の他の上流または下流領域に相補的な領域を含む1つまたは複数の他のフォワード/リバースプライマーを含む。例えば、複数のフォワード/リバースプライマーは、cDNAまたはバーコード化cDNAのCセグメントの第1および/または第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第1および/または第2のフォワード/リバースプライマー、およびcDNAまたはバーコード化cDNAのCセグメントの第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第2のフォワード/リバースプライマーを含む。例えば、複数のフォワード/リバースプライマーは、cDNAまたはバーコード化cDNAのCセグメントの第1および/または第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第1および/または第2のフォワード/リバースプライマー、cDNAまたはバーコード化cDNAのCセグメントの第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第2のフォワード/リバースプライマー、およびcDNAまたはバーコード化cDNAのCセグメントの第3の上流または下流領域に相補的な領域を含む第3のフォワード/リバースプライマー等を含む。複数のフォワード/リバースプライマー中のプライマーを使用して、試料中の免疫B細胞またはT細胞等の細胞により発現されるあらゆるCセグメントのあらゆる考え得る上流または下流領域にアニーリングすることができる。
一部の実施形態では、複数のフォワード/リバースプライマーは、1つまたは複数のフォワード/リバースプライマーを含み、複数のフォワード/リバースプライマー中のフォワード/リバースプライマーの各々は、バーコード化cDNAの分子バーコードの1つまたは複数の上流または下流領域に相補的な領域を含む。例えば、複数のフォワード/リバースプライマーは、バーコード化cDNAの分子バーコードの上流または下流領域に相補的な領域を含むフォワード/リバースプライマー、およびバーコード化cDNAの分子バーコードの1つまたは複数の他の上流または下流領域に相補的な領域を含む1つまたは複数の他のフォワード/リバースプライマーを含む。例えば、複数のフォワード/リバースプライマーは、バーコード化cDNAの分子バーコードの第1および/または第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第1および/または第2のフォワード/リバースプライマー、およびバーコード化cDNAの分子バーコードの第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第2のフォワード/リバースプライマーを含む。例えば、複数のフォワード/リバースプライマーは、バーコード化cDNAの分子バーコードの第1および/または第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第1および/または第2のフォワード/リバースプライマー、バーコード化cDNAの分子バーコードの第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第2のフォワード/リバースプライマー、およびバーコード化cDNAの分子バーコードの第3の上流または下流領域に相補的な領域を含む第3のフォワード/リバースプライマー等を含む。複数のフォワード/リバースプライマーを使用して、試料中の免疫B細胞またはT細胞等の細胞により発現されるあらゆる分子バーコードのあらゆる考え得る上流または下流領域にアニーリングすることができる。
一部の実施形態では、複数のフォワード/リバースプライマーは、1つまたは複数のフォワード/リバースプライマーを含み、複数のフォワード/リバースプライマー中のフォワード/リバースプライマーの各々は、バーコード化cDNAのベッセルバーコードの1つまたは複数の上流または下流領域に相補的な領域を含む。例えば、複数のフォワード/リバースプライマーは、バーコード化cDNAのベッセルバーコードの上流または下流領域に相補的な領域を含むフォワード/リバースプライマー、およびバーコード化cDNAのベッセルバーコードの1つまたは複数の他の上流または下流領域に相補的な領域を含む1つまたは複数の他のフォワード/リバースプライマーを含む。例えば、複数のフォワード/リバースプライマーは、バーコード化cDNAのベッセルバーコードの第1および/または第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第1および/または第2のフォワード/リバースプライマー、およびバーコード化cDNAのベッセルバーコードの第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第2のフォワード/リバースプライマーを含む。例えば、複数のフォワード/リバースプライマーは、バーコード化cDNAのベッセルバーコードの第1および/または第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第1および/または第2のフォワード/リバースプライマー、バーコード化cDNAのベッセルバーコードの第2の上流または下流領域に相補的な領域を含む第2のフォワード/リバースプライマー、およびバーコード化cDNAのベッセルバーコードの第3の上流または下流領域に相補的な領域を含む第3のフォワード/リバースプライマー等を含む。複数のフォワード/リバースプライマー中のプライマーを使用して、試料中の免疫B細胞またはT細胞等の細胞により発現されるあらゆるベッセルバーコードのあらゆる考え得る上流または下流領域にアニーリングすることができる。
複数のフォワード/リバースプライマー中のフォワード/リバースプライマーは、RNAの領域に相補的でない領域をさらに含む。一部の実施形態では、RNAの領域に相補的でない領域は、RNAに相補的なフォワード/リバースプライマーの領域に対して5’側である(つまり、Vセグメントの上流または下流領域)。一部の実施形態では、RNAの領域に相補的でない領域は、RNAに相補的なフォワード/リバースプライマーの領域に対して3’側である。一部の実施形態では、RNAの領域に相補的でない領域は、5’突出領域である。一部の実施形態では、RNAの領域に相補的でない領域は、増幅および/または第2の配列決定反応用のプライミング部位を含む。一部の実施形態では、RNAの領域に相補的でない領域は、増幅および/または第3の配列決定反応用のプライミング部位を含む。一部の実施形態では、RNAの領域に相補的でない領域は、第2および第3の配列決定反応用のプライミング部位を含む。一部の実施形態では、第2および第3の配列決定反応用のプライミング部位の配列は、同じである。本明細書に記載の1つまたは複数のフォワード/リバースプライマーおよびリバースプライマーを使用し、当技術分野で公知の好適な試薬を使用して、cDNA分子を増幅する。一部の実施形態では、領域は、mRNAの定常領域またはポリAテール等のRNAの領域に相補的である。
増幅
標的ポリヌクレオチドを含有する試料は、増幅され得るmRNAまたはその断片を含み得る。一部の場合には、mRNAまたはその断片の平均長さは、約100、200、300、400、500もしくは800塩基対未満、または約5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190もしくは200ヌクレオチド未満、または約1、2、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100キロ塩基未満であり得る。一部の場合には、比較的短い鋳型、例えば、約40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100塩基である鋳型を含有する試料由来の標的配列が、増幅される。
増幅反応は、1つまたは複数の添加剤を含んでいてもよい。一部の場合では、1つまたは複数の添加剤は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセロール、ベタイン(一)水和物(N,N,N-トリメチルグリシン=カルボキシ-メチル]トリメチルアンモニウム、トレハロース、7-デアザ-2’-デオキシグアノシン三リン酸(dC7GTPまたは7-デアザ-2’-dGTP)、BSA(ウシ血清アルブミン)、ホルムアミド(メタンアミド)、テトラメチルアンモニウムクロリド(TMAC)、他のテトラアルキルアンモニウム誘導体(例えば、テトラエチルアンモニウムクロリド(TEA-Cl)およびテトラプロピルアンモニウムクロリド(TPrA-Cl))、非イオン性洗剤(例えば、Triton X-100、Tween 20、Nonidet P-40(NP-40))、またはPREXCEL-Qである。一部の場合では、増幅反応は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10種の異なる添加剤を含む。他の場合では、増幅反応は、少なくとも0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10種の異なる添加剤を含む。
反応容積(例えば、液滴)に含有されている試料に対して、熱サイクル反応を実施することができる。液滴は、多分散であってもよく、または好ましくは単分散であってもよく、当業者であれば、撹拌、超音波処理、またはマイクロ流体的にT型チャネル接合部を通過させること、または他の手段により生成することができる。密度は、20,000液滴/40ul(1nL液滴)、200,000液滴/40ul(100pL液滴)を超えていてもよい。液滴は、熱サイクル中、完全性を保つことができる。液滴は、約10,000液滴/μL、100,000液滴/μL、200,000液滴/μL、300,000液滴/μL、400,000液滴/μL、500,000液滴/μL、600,000液滴/μL、700,000液滴/μL、800,000液滴/μL、900,000液滴/μL、または1,000,000液滴/μLを超える密度で、熱サイクル中に完全性を保つことができる。他の場合では、2つまたはそれよりも多くの液滴が、熱サイクル中に凝集しない。他の場合では、100個よりも多くのまたは1,000個よりも多くの液滴が、熱サイクル中に凝集しない。
これらに限定されないが、E.coli DNAポリメラーゼ、E.coli DNAポリメラーゼ1のクレノー断片、T7 DNAポリメラーゼ、T4 DNAポリメラーゼ、Taqポリメラーゼ、Pfu DNAポリメラーゼ、Vent DNAポリメラーゼ、バクテリオファージ29、REDTaq(商標)、ゲノムDNAポリメラーゼ、またはシーケナーゼを含む、プライマー伸長を触媒する任意のDNAポリメラーゼを使用することができる。一部の場合では、熱安定性DNAポリメラーゼが使用される。また、ポリメラーゼを添加する前に反応を2分間95℃に加熱するか、または1サイクル目の最初の加熱ステップまでポリメラーゼを不活性にしておくことができるホットスタートPCRを実施してもよい。ホットスタートPCRを使用すると、非特異的増幅を最小限に抑えることができる。任意の回数のPCRサイクル、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、もしくは45回のサイクル、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、もしくは45回よりも多くのサイクル、または約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、もしくは45回未満のサイクルを使用してDNAを増幅することができる。増幅サイクルの回数は、約1~45、10~45、20~45、30~45、35~45、10~40、10~30、10~25、10~20、10~15、20~35、25~35、30~35、または35~40であってもよい。
標的核酸の増幅は、当技術分野で公知の任意の手段により実施することができる。標的核酸は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)または等温DNA増幅により増幅してもよい。使用することができるPCR技法の例としては、これらに限定されないが、定量PCR、定量蛍光PCR(QF-PCR)、マルチプレックス蛍光PCR(MF-PCR)、リアルタイムPCR(逆転写-PCR)、単一細胞PCR、制限断片長多型PCR(PCR-RFLP)、PCR-RFLP/逆転写-PCR-RFLP、ホットスタートPCR、ネステッドPCR、in situポロニーPCR、in situローリングサークル増幅(RCA)、デジタルPCR(dPCR)、液滴デジタルPCR(ddPCR)、ブリッジPCR、ピコリットルPCR、およびエマルジョンPCRが挙げられる。他の好適な増幅方法としては、リガーゼ連鎖反応法(LCR)、転写増幅法、分子反転プローブ(MIP)PCR法、自家持続配列複製法、標的ポリヌクレオチド配列の選択的増幅法、コンセンサス配列プライムドポリメラーゼ連鎖反応法(CP-PCR;consensus sequence primed polymerase chain reaction)、任意プライムドポリメラーゼ連鎖反応法(AP-PCR;arbitrarily primed polymerase chain reaction)、ディジェネレートポリヌクレオチドプライムドPCR法(DOP-PCR;degenerate polynucleotide-primed PCR)、および核酸に基づく配列増幅法(NABSA;nucleic acid based sequence amplification)挙げられる。本明細書で使用することができる他の増幅方法としては、米国特許第5,242,794号、第5,494,810号、第4,988,617号、および第6,582,938号に記載されているもの、ならびにQベータレプリカーゼ媒介性RNA増幅法が挙げられる。増幅は、等温増幅、例えば等温線形増幅であってもよい。
一部の実施形態では、増幅は、固体支持体では生じない。一部の実施形態では、増幅は、液滴内の固体支持体では生じない。一部の実施形態では、増幅が液滴内でない場合、増幅は、固体支持体で生じる。
増幅反応は、1種または複数の添加剤を含み得る。一部の実施形態では、この1種または複数の添加剤は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセロール、ベタイン(一)水和物(N,N,N-トリメチルグリシン=[カルボキシ(caroxy)-メチル]トリメチルアンモニウム)、トレハロース、7-デアザ-2’-デオキシグアノシン三リン酸(dC7GTPまたは7-デアザ-2’-dGTP)、BSA(ウシ血清アルブミン)、ホルムアミド(メタンアミド)、塩化テトラメチルアンモニウム(TMAC)、他のテトラアルキルアンモニウム誘導体(例えば、塩化テトラエチルアンモニウム(TEA-Cl)および塩化テトラプロピルアンモニウム(TPrA-Cl)、非イオン性界面活性剤(例えば、Triton X-100、Tween 20、Nonidet P-40(NP-40))またはPREXCEL-Qである。一部の実施形態では、増幅反応は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10種の異なる添加剤を含み得る。他の場合には、増幅反応は、少なくとも0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10種の異なる添加剤を含み得る。
配列決定
本明細書に記載されている方法または方法ステップの1つまたは複数を実施した後、生成されたポリヌクレオチドのライブラリーを配列決定してもよい。
配列決定は、当技術分野で公知の任意の配列決定法により実施することができる。一部の実施形態では、配列決定は、ハイスループットで実施することができる。好適な次世代シークエンシング技術としては、454ライフサイエンスプラットフォーム(Roche、ブランフォード、コネティカット州)(Marguliesら、Nature、437巻、376~380頁(2005年));Illuminaのゲノムアナライザー、GoldenGateメチル化アッセイ、またはInfiniumメチル化アッセイ、つまりInfinium HumanMethylation 27K BeadArray、またはVeraCode GoldenGateメチル化アレイ(Illumina、サンディエゴ、カリフォルニア州、Bibkovaら、Genome Res.、16巻、383~393頁(2006年)、および米国特許第6,306,597号、第7,598,035号、第7,232,656号)、またはライゲーションによるDNA配列決定、SOLiDシステム(Applied Biosystems/Life Technologies、米国特許第6,797,470号、第7,083,917号、第7,166,434号、第7,320,865号、第7,332,285号、第7,364,858号、および第7,429,453号);またはHelicos True Single Molecule DNA配列決定技術(Harrisら、Science、320巻、106~109頁(2008年);および米国特許第7,037,687号、第7,645,596号、第7,169,560号、および第7,769,400号)、Pacific Biosciencesの一分子リアルタイム(SMRTTm)技術および配列決定法(Soniら、Clin. Chem.、53巻、1996~2001頁(2007年))が挙げられる。こうしたシステムは、試料から単離された多数のポリヌクレオチドのマルチプレックス並列配列決定を可能にする(Dear、Brief Funct. Genomic Proteomic、1巻(4号)、397~416頁(2003年)、およびMcCaughanら、J. Pathol.、220巻、297~306頁(2010年))。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、色素修飾プローブのライゲーションによる配列決定法、ピロシーケンス法、または一分子配列決定法により配列決定される。ポリヌクレオチドの配列の決定は、Helioscope(商標)一分子配列決定法、ナノポアDNA配列決定法、Lynx Therapeuticsの大規模並列シグネチャー配列決定法(MPSS)、454ピロシーケンス法、一分子リアルタイム(RNAP)配列決定法、Illumina(Solexa)配列決定法、SOLiD配列決定法、Ion Torrent(商標)、イオン半導体配列決定法、一分子SMRT(商標)配列決定法、ポロニー配列決定法、DNAナノボール配列決定法、およびVisiGen Biotechnologies手法等の配列決定法により実施することができる。あるいは、ポリヌクレオチドの配列の決定には、これらに限定されないが、Illuminaが提供するゲノムアナライザーIIx、HiSeq、およびMiSeq;Pacific Biosciences(カリフォルニア)が提供するPacBio RSシステムおよびSolexaシーケンサー等の一分子リアルタイム(SMRT(商標))技術;Helicos Inc.(ケンブリッジ、マサチューセッツ州)が提供するHeliScope(商標)等のTrue Single Molecule Sequencing(tSMS(商標))技術を含む配列決定プラットフォームを使用してもよい。配列決定は、MiSeq配列決定を含んでいてもよい。配列決定は、HiSeq配列決定を含んでいてもよい。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドの配列の決定は、ペアエンド配列決定法、ナノポア配列決定法、ハイスループット配列決定法、ショットガン配列決定法、色素ターミネーター配列決定法、多重プライマーDNA配列決定法、プライマーウォーキング法、サンガー式ジデオキシ配列決定法、マクシム-ギルバート配列決定法、ピロシーケンス法、true single molecule配列決定法、またはそれらの任意の組合せを含む。あるいは、ポリヌクレオチドの配列は、電子顕微鏡または化学感応性電界効果トランジスター(chemFET)アレイにより決定してもよい。
方法は、ライブラリー中の1つまたは複数のポリヌクレオチドを配列決定することをさらに含んでいてもよい。方法は、ライブラリー中の1つまたは複数のポリヌクレオチド配列、配列読み取り、アンプリコン配列、またはアンプリコンセット配列を互いにアラインすることをさらに含んでいてもよい。
本明細書で用いられる場合、アラインメントは、配列読み取り等の試験配列を、1つまたは複数の他の試験配列、参照配列、またはそれらの組合せと比較することを含む。一部の実施形態では、アラインメントを使用して、複数の配列またはアラインされた配列からコンセンサス配列を決定してもよい。一部の実施形態では、アラインメントは、各々が同一の分子バーコードまたはベッセルバーコードを有する複数の配列からコンセンサス配列を決定することを含む。一部の実施形態では、比較目的でアラインされる配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%である。2つまたはそれよりも多くの配列の実際の比較は、周知の方法により、例えば数学的アルゴリズムを使用して達成することができる。そのような数学的アルゴリズムの非限定的な例は、Karlin, S.およびAltschul, S.、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、90巻-5873~5877頁(1993年)に記載されている。そのようなアルゴリズムは、Altschul, S.ら、Nucleic Acids Res.、25巻:3389~3402頁(1997年)に記載されているNBLASTおよびXBLASTプログラム(バージョン2.0)に組み込まれている。BLASTおよびギャップ付きBLASTプログラムを利用する場合、それぞれのプログラム(例えば、NBLAST)の任意の関連パラメータを使用してもよい。例えば、配列比較のパラメータは、スコア=100、ワード長=12に設定してもよく、または様々であってもよい(例えば、W=5またはW=20)。他の例としては、MyersおよびMiller、CABIOS(1989年)のアルゴリズム、ADVANCE、ADAM、BLAT、およびFASTAが挙げられる。一部の実施形態では、2つのアミノ酸配列間のパーセント同一性は、例えば、GCGソフトウェアパッケージ(Accelrys、ケンブリッジ、英国)のGAPプログラムを使用して達成することができる。
配列決定は、ポリヌクレオチドの少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100個、またはそれよりも多くのヌクレオチドまたは塩基対を配列決定することを含んでいてもよい。一部の実施形態では、配列決定は、ポリヌクレオチドの少なくとも約200、300、400、500、600、700、800、900、1000個、またはそれよりも多くのヌクレオチドまたは塩基対を配列決定することを含む。他の場合では、配列決定は、ポリヌクレオチドの少なくとも約1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000個、またはそれよりも多くのヌクレオチドまたは塩基対を配列決定することを含む。
配列決定は、1実行当たり、少なくとも約200、300、400、500、600、700、800、900、1000個、またはそれよりも多くの配列決定読み取りを含んでいてもよい。本明細書で使用される場合、配列読み取りは、配列決定技法により生成されるデータの配列またはストリームから決定されるヌクレオチドの配列を含む。一部の実施形態では、配列決定は、1実行当たり、少なくとも約1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000個、またはそれよりも多くの配列決定読み取りを含む。配列決定は、1実行当たり、約1,000,000,000個よりも多くの、約1,000,000,000個未満の、または約1,000,000,000個に等しい配列決定読み取りを含んでいてもよい。配列決定は、1実行当たり、約200,000,000個よりも多くの、約200,000,000個未満の、または約200,000,000個に等しい配列決定読み取りを含んでいてもよい。
一部の実施形態では、コンセンサス配列を決定するために使用される配列読み取りの数は、約2~1000の配列読み取りである。例えば、コンセンサス配列を決定するために使用される配列読み取りの数は、約2~900、2~800、2~700、2~600、2~500、2~400、2~300、2~200、2~100、25~900、25~800、25~700、25~600、25~500、25~400、25~300、25~200、25~100、100~1000、100~900、100~800、100~700、100~600、100~500、100~400、100~300、100~200、200~1000、200~900、200~800、200~700、200~600、200~500、200~400、200~300、300~1000、300~900、300~800、300~700、300~600、300~500、300~400、400~1000、400~900、400~800、400~700、400~600、400~500、500~1000、500~900、500~800、500~700、500~600、600~1000、600~900、600~800、600~700、700~1000、700~900、700~800、800~1000、800~900または900~1000の配列読み取りであり得る。一部の実施形態では、コンセンサス配列を決定するために使用される配列読み取りの数は、少なくとも約1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、20,000、25,000、30,000,35,000、40,000、45,000、50,000、55,000、60,000、65,000、70,000、75,000、80,000、85,000、90,000、95000、100,000、150,000、200,000、250,000、300,000、350,000、400,000、450,000、500,000、550,000、600,000、650,000、700,000、750,000、800,000、850,000、900,000、950,000、1,000,000、50,000,000または100,000,000の読み取りである。一部の実施形態では、コンセンサス配列を決定するために使用される配列読み取りの数は、多くて約1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、20,000、25,000、30,000,35,000、40,000、45,000、50,000、55,000、60,000、65,000、70,000、75,000、80,000、85,000、90,000、95000、100,000、150,000、200,000、250,000、300,000、350,000、400,000、450,000、500,000、550,000、600,000、650,000、700,000、750,000、800,000、850,000、900,000、950,000、1,000,000、50,000,000または100,000,000の読み取りである。
方法は、配列決定ミスリードを含み得る。方法は、例えば、反応条件を決定するため、またはプライマー配列を設計するために、ミスリードの数を決定するステップを含み得る。1つまたは複数の第1の条件または条件セットの下で生成されたミスリードの数を比較することは、好ましい条件または条件セットを決定するために使用され得る。例えば、第1の方法は、PCR反応の間に高い塩濃度で実施され得、第2の方法は、PCR反応の間に低い塩濃度で実施され得、この第1および第2の方法は、塩濃度の差異を除き、実質的に同じに実施される。第1の方法が、より高い数のミスリード、例えば、特定の標的ポリヌクレオチド配列またはプライマーについてより高い数のミスリードを生じる場合、その特定の標的ポリヌクレオチド配列またはプライマーにとって好ましい、より低い塩反応条件が決定され得る。
酵素
本明細書で開示されている方法およびキットは、1つまたは複数の酵素を含んでいてもよい。酵素の例としては、これらに限定されないが、リガーゼ、逆転写酵素、ポリメラーゼ、および制限ヌクレアーゼが挙げられる。
一部の実施形態では、ポリヌクレオチドに対するアダプターの付着は、1つまたは複数のリガーゼを使用することを含む。リガーゼの例としては、これらに限定されないが、DNAリガーゼI、DNAリガーゼIII、DNAリガーゼIV、およびT4 DNAリガーゼ等のDNAリガーゼ;ならびにT4 RNAリガーゼIおよびT4 RNAリガーゼII等のRNAリガーゼが挙げられる。
本明細書で開示されている方法およびキットは、1つまたは複数の逆転写酵素を使用することをさらに含んでいてもよい。一部の実施形態では、逆転写酵素は、HIV-1逆転写酵素、M-MLV逆転写酵素、AMV逆転写酵素、およびテロメラーゼ逆転写酵素である。一部の実施形態では、逆転写酵素は、M-MLV逆転写酵素である。
一部の実施形態では、本明細書で開示されている方法およびキットは、1つまたは複数のプロテアーゼを使用することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で開示されている方法およびキットは、1つまたは複数のポリメラーゼを使用することを含む。ポリメラーゼの例としては、これらに限定されないが、DNAポリメラーゼおよびRNAポリメラーゼが挙げられる。一部の実施形態では、DNAポリメラーゼは、DNAポリメラーゼI、DNAポリメラーゼII、DNAポリメラーゼIIIホロ酵素、およびDNAポリメラーゼIVである。商業的に入手可能なDNAポリメラーゼとしては、これらに限定されないが、Bst2.0 DNAポリメラーゼ、Bst2.0WarmStart(商標)DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼ、スルフォロブスDNAポリメラーゼIV、Taq DNAポリメラーゼ、9°N(商標)mDNAポリメラーゼ、Deep VentR(商標)(エキソ)DNAポリメラーゼ、Deep VentR(商標)DNAポリメラーゼ、Hemo KlenTaq(商標)、LongAmp(登録商標)Taq DNAポリメラーゼ、OneTaq(登録商標)DNAポリメラーゼ、Phusion(登録商標)DNAポリメラーゼ、Q5(商標)高フィデリティーDNAポリメラーゼ、Therminator(商標)γDNAポリメラーゼ、Therminator(商標)DNAポリメラーゼ、Therminator(商標)II DNAポリメラーゼ、Therminator(商標)III DNAポリメラーゼ、VentR(登録商標)DNAポリメラーゼ、VentR(登録商標)(エキソ)DNAポリメラーゼ、Bsu DNAポリメラーゼ、phi29 DNAポリメラーゼ、T4 DNAポリメラーゼ、T7 DNAポリメラーゼ、ターミナルトランスフェラーゼ、Titanium(登録商標)Taqポリメラーゼ、KAPA Taq DNAポリメラーゼ、およびKAPA TaqホットスタートDNAポリメラーゼが挙げられる。
一部の実施形態では、ポリメラーゼは、RNAポリメラーゼI、RNAポリメラーゼII、RNAポリメラーゼIII、E.coliポリ(A)ポリメラーゼ、phi6 RNAポリメラーゼ(RdRP)、ポリ(U)ポリメラーゼ、SP6RNAポリメラーゼ、およびT7 RNAポリメラーゼ等のRNAポリメラーゼである。
人工抗原提示細胞(aAPC)およびAPCレポーター
本明細書で操作されたAPC(eAPC)とも呼ばれる人工抗原提示細胞(aAPC)は、内因性MHCタンパク質を発現しないAPC細胞(一部の実施形態では、K562細胞株に基づく細胞)を指し得る。一部の実施形態では、これらのaAPC細胞は、調査中のTCRの供給源生物のものとマッチしたMHC遺伝子(複数可)でトランスフェクトされる。aAPCは、目的のペプチド抗原をコードする発現ベクターでさらにトランスフェクトされ得る、または標的抗原のライブラリーでパルスされ得る。
一部の実施形態では、aAPCは、T細胞による抗原認識の際にレポーター(例えば、ルシフェラーゼ、蛍光タンパク質、表面タンパク質)を発現できるレポーター遺伝子構築物を含有するようにさらに操作される。一部の態様では、T細胞による認識および/またはT細胞との係合の際にレポーターを発現するAPC(およびaAPC)は、T細胞に対する反応性を有すると思われる。これらのレポーター遺伝子の発現は、T細胞へのaAPCの結合を検出し、それによって、目的のTCRの標的抗原の識別を可能にする方法であり得る。一部の実施形態では、この標的抗原は、既知ではない。一部の実施形態では、このTCRは、既知の可変領域配列を有するTCRを含む。例えば、本明細書に記載されている方法は、目的の既知の可変領域配列を有するTCRの未知の標的抗原を識別するステップを含み得る。
一部の実施形態では、TCRへのMHC-ペプチド複合体の結合によって活性化されたaAPCの検出は、レポーター遺伝子の発現を生じ得る。一部の実施形態では、このレポーターは、蛍光タンパク質、例えば、ルシフェラーゼ、赤色蛍光タンパク質、緑色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質、緑色蛍光タンパク質誘導体、または任意の操作された蛍光タンパク質である。さらなる実施形態では、この蛍光レポーターの検出は、蛍光技術を使用して検出され得る。例えば、蛍光タンパク質の発現は、蛍光プレートリーダー、フローサイトメトリーまたは蛍光顕微鏡を使用して測定され得る。一部の実施形態では、活性化されたAPCは、蛍光活性化セルソーター(FACS)を使用して、蛍光レポーターの発現に基づいてソーティングされ得る。
一部の実施形態では、TCRへのMHC-ペプチド複合体の結合によって活性化されるaAPCの検出は、細胞表面マーカーをコードするレポーターの発現を生じ得る。APCは、TCRを係合する際に種々の細胞表面マーカーを上方調節または下方調節し得る。一部の実施形態では、CD80、CD86、MHC I、MHC II、CD11c、CD11b、CD8α、OX40-L、ICOS-1またはCD40などの細胞表面タンパク質の発現のレベルは、TCRへのMHC-ペプチド複合体の結合後に、変化(例えば、増加または減少)し得る。一部の実施形態では、この細胞表面レポーターの検出は、免疫組織化学、蛍光染色、およびフローサイトメトリーによる定量などの技術を使用して、またはcDNAアレイもしくはmRNA定量を用いて遺伝子発現における変化についてアッセイして、検出され得る。一部の実施形態では、活性化されたAPCは、磁気活性化セルソーティングを使用して、細胞表面レポーターの発現に基づいて単離され得る。
一部の実施形態では、TCRへのMHC-ペプチド複合体の結合によって活性化されるaAPCの検出は、IL6、IL-12、IFNα、IL-23、IL-1、TNFまたはIL-10などの分泌因子をコードするレポーター遺伝子の発現を生じ得る。さらなる実施形態では、これらの分泌因子は、mRNA定量、cDNAアレイ、または酵素結合性免疫吸着アッセイ(ELISA)もしくは酵素結合イムノスポット(ELISPOT)などのアッセイによる発現されたタンパク質の定量によって検出され得る。
一部の実施形態では、aAPCにおけるレポーター遺伝子の発現は、T細胞活性化の間の、操作されたT細胞によるシグナルの結合によって誘発され得る。例えば、目的の抗原を提示するAPCは、合成Notch(synNotch)受容体もまた発現するように操作され得る。一部の実施形態では、このsynNotch受容体は、外部および内部ドメインを有する経細胞タンパク質である。一部の実施形態では、synNotchは、MHC-ペプチドTCR複合体の形成と同時に、標的抗原に結合できる。なお他の実施形態では、synNotchは、MHC-ペプチドTCR複合体の形成後に、標的抗原に結合できる。標的抗原へのsynNotchの結合の際に、この受容体の内部ドメインは、切断されて、核に移動する転写活性化ドメインを生じさせ、APCによるレポーター遺伝子の発現を促進する。一部の態様では、APCによって発現される合成Notch受容体は、そのT細胞が(例えば、適切なMHC-ペプチド複合体とのTCR係合によって)活性化されるときにだけ標的T細胞によって発現されるタンパク質リガンドおよび/または抗原を認識する。
一部の実施形態では、APCおよび/または操作された/人工APCによって発現されるレポーター系は、操作されたT細胞がその同族抗原を認識する(例えば、APC上に提示されたMHC-ペプチド複合体を認識する)場合に分泌される1つまたは複数のエフェクター剤(例えば、酵素)によって切断されることができる成分を含むシグナリング系を含む。一部の実施形態では、この系は、FRETベースの検出系である。例示の系は、国際特許出願公開番号WO2015143558において見出され得る。一部の態様では、aAPCと操作されたT細胞との係合は、T細胞の活性化、ならびに/または酵素、サイトカインおよび/もしくはケモカインの放出を生じる。一部の態様では、これらの酵素、サイトカインおよび/またはケモカインは、細胞傷害性シグナルおよび/またはエフェクター機能を示す。一部の態様では、エフェクター剤としては、これらに限定されないが、グランザイム、パーフォリンおよびグラニュライシンが含まれるがこれらが挙げられる。一部の実施形態では、T細胞受容体とMHC-エピトープ複合体との接触および特異的認識の際に、操作されたT細胞は活性化され、グランザイムプロテアーゼおよびパーフォリンを含む種々のエフェクター剤を含有する顆粒を産生する。一部の態様では、活性化された操作されたT細胞の顆粒は、細胞表面に輸送され、aAPCに隣接する細胞間環境中に放出される。一部の態様では、パーフォリンは、レポーター細胞の細胞膜を通る孔を形成し、それによって、レポーター細胞(例えば、aAPC)の細胞質ゾルにグランザイムおよび他のエフェクター剤が進入するのを可能にする。一部の実施形態では、このシグナリング系および/またはレポーター構築物は、シグナルを生成するために蛍光部分を放出するペプチド連結の酵素的切断(例えば、グランザイム切断)によってクエンチされ得るクエンチされた蛍光タンパク質を含み得る。一部の態様では、このレポーター構築物は、操作されたT細胞によってaAPCに送達されたエフェクター剤によって切断される(例えば、酵素的に切断される)場合に蛍光シグナルを生じるFRETベースの蛍光タンパク質シグナリング系を含む。一態様では、このレポーター構築物は、グランザイムB(GzmB)切断可能なリンカーによって分離された、遺伝子にコードされたCFP-YFP融合FRET対を含む。
一部の実施形態では、APC活性化を測定するための系は、合成Notch受容体などの合成レポーターを含む操作されたAPCを含む。一部の実施形態では、この合成レポーターは、細胞内ドメインを含む受容体である。この細胞内ドメインは、転写アクチベータータンパク質を含み得る。例えば、この細胞内ドメインは、GAL4-VP64ドメインを含み得る。一部の実施形態では、この合成レポーターは、操作されたAPCにおいて構成的に発現される。
一部の実施形態では、APC活性化を測定するための系は、NFATプロモーターなどの誘導性プロモーターの制御下に細胞表面発現されたタンパク質リガンドをコードする遺伝子を含む操作されたT細胞を含む。合成Notch受容体などの合成レポーターは、操作されたT細胞の細胞表面上の細胞表面発現されたタンパク質リガンドを特異的に結合できる。
一部の実施形態では、APC活性化を測定するための系は、APC内で活性化性配列の下流に蛍光レポーターを含む。例えば、この活性化性配列は、GAL4-UASであり得る。本明細書に記載されているAPC活性化を測定するための系では、非刺激条件下では、T細胞は、その表面上にタンパク質リガンドを発現しない。T細胞上で発現されたTCRの、同族MHC-ペプチド複合体を提示するAPCとの接触およびそれによる引き続く刺激の際に、このT細胞のレポーターは活性になり、細胞表面リガンドが発現される。例えば、このタンパク質リガンドは、APC上の合成Notch受容体の細胞外ドメインと相互作用し、細胞内GAL4-VP64ドメインがAPC内で切断されるようにする。切断の際に、このGAL4-VP64ドメインは、核に移行し、GAL4-UAS配列の下流の蛍光レポーターを活性化する。
TCR抗原標的を同定識別する
目的のネイティブに対合したTCR鎖は、発現ベクターを使用してT細胞中にトランスフェクトされ得る。一部の実施形態では、T細胞株は、内因性TCR発現を欠如するように操作される。一部の態様では、例示のT細胞株として、Jurkat細胞株が挙げられる。一部の態様では、目的のTCRを発現するT細胞は、目的のTCRが由来した宿主生物とマッチするMHC分子上の抗原のライブラリーを提示するaAPC(上記)と共に培養される。一部の実施形態では、T細胞は、TCRを介したMHC-ペプチド複合体の係合を介してaAPCを結合し、上記のように、APCによるレポーター遺伝子の発現を生じる。活性化されたAPCは、蛍光活性化セルソーティング(FACS)または磁気活性化セルソーティング(MACS)を使用して単離され得る。一部の実施形態では、抗原性ペプチドは、酸および/または逆相HPLC(RP-HPLC)による処理によって、MHC分子から溶出され得る。さらなる実施形態では、この抗原性ペプチドは、配列決定され得るまたは質量分析によって分析され得る。この方法は、目的のTCRに対する標的抗原の大きいパネルの迅速かつ同時のスクリーニングを可能にし、それによって、TCRの標的抗原の正確な識別を可能にする。
一部の実施形態では、抗原のプールは、デコンボリューションされ得る。例えば、対象由来のTCRを発現する操作されたT細胞は、複数の抗原標的を発現する操作されたAPCを含む操作されたAPCのプールと接触させられ得る。例えば、対象由来のTCRを発現する操作されたT細胞は、第1の抗原標的を発現する操作されたAPCと第2の抗原標的を発現する操作されたAPCとを含む操作されたAPCのプールと接触させられ得る。例えば、対象由来のTCRを発現する操作されたT細胞は、第1の抗原標的を発現する操作されたAPCと第2の抗原標的を発現する操作されたAPCとを含む操作されたAPCの第1のプールと接触させられ得、TCRを発現する操作されたT細胞は、第3の抗原標的を発現する操作されたAPCと第4の抗原標的を発現する操作されたAPCとを含む操作されたAPCの第2のプールと接触させられ得る。
例えば、対象由来の第1のTCRを発現する操作されたT細胞は、第1の抗原標的を発現する操作されたAPCと第2の抗原標的を発現する操作されたAPCとを含む操作されたAPCのプールと接触させられ得、対象由来の第2のTCRを発現する操作されたT細胞は、第1の抗原標的を発現する操作されたAPCと第2の抗原標的を発現する操作されたAPCとを含む操作されたAPCのプールと接触させられ得る。
例えば、対象由来の第1のTCRを発現する操作されたT細胞は、第1の抗原標的を発現する操作されたAPCと第2の抗原標的を発現する操作されたAPCとを含む操作されたAPCのプールと接触させられ得、対象由来の第2のTCRを発現する操作されたT細胞は、第1の抗原標的を発現する操作されたAPCと第2の抗原標的を発現する操作されたAPCとを含む操作されたAPCの別のプールと接触させられ得る。
例えば、対象由来の第1のTCRを発現する操作されたT細胞は、第1の抗原標的を発現する操作されたAPCと第2の抗原標的を発現する操作されたAPCとを含む操作されたAPCの第1のプールと接触させられ得、第1のTCRを発現する操作されたT細胞は、第3の抗原標的を発現する操作されたAPCと第4の抗原標的を発現する操作されたAPCとを含む操作されたAPCの第2のプールと接触させられ得;対象由来の第2のTCRを発現する操作されたT細胞は、第1の抗原標的を発現する操作されたAPCと第2の抗原標的を発現する操作されたAPCとを含む操作されたAPCの別の第1のプールと接触させられ得、第2のTCRを発現する操作されたT細胞は、第3の抗原標的を発現する操作されたAPCと第4の抗原標的を発現する操作されたAPCとを含む操作されたAPCの別の第2のプールと接触させられ得る。
活性化されたAPCを含有するウェルなどのベッセル中のAPCは、2またはそれよりも多くのベッセルが、それらが由来するベッセル由来のAPCのサブセットを含有するように、2またはそれよりも多くのウェルなどのベッセル中に再プレートされ得る。例えば、活性化されたAPCを含有するウェルなどのベッセル中のAPCは、2またはそれよりも多くのベッセルが、それらが由来するベッセルよりも少ない数のAPCを含有するように、2またはそれよりも多くのウェルなどのベッセル中に再プレートされ得る。一部の実施形態では、活性化されたAPCを含有するウェルなどのベッセル中のAPCは、2またはそれよりも多くのベッセルが単一のAPCを含有するように、2またはそれよりも多くのウェルなどのベッセル中に再プレートされ得る。
次いで、再プレートされたAPCは、対象由来の1つまたは複数のTCRを発現する操作されたT細胞による活性化についてアッセイされ得る。次いで、活性化される再プレートされたAPCの抗原が識別され得る。例えば、活性化される再プレートされたAPC中の抗原をコードする遺伝子が、次いで、増幅および配列決定され得る。
一部の実施形態では、次世代配列決定が、抗原を識別するために使用され得る。例えば、「m」個の抗原のうち1つを各々が発現するAPCの集団のサブプールは、任意のウェル中で発現される「n」個の抗原が存在し、「n」が「m」未満であるように、「o」個のウェル中にプレートされ得る。例えば、このサブプールのサイズおよびウェルの数は、複数のウェルが「m」個の抗原の各々を発現するAPCを含有するように、バランスがとられ得る。次いで、各ウェルは、目的のTCRを発現する操作されたT細胞を用いてアッセイされ得る。次いで、活性化されたAPCを含有するウェルが収集され得る。次いで、収集されたAPCの抗原が識別され得る。例えば、収集されたAPCにおいて発現される抗原をコードするDNAは、増幅され得、例えば、次世代配列決定法によって、引き続いて配列決定され得る。活性化されたAPCを含有する第1のウェル中の抗原のセットは、活性化されたAPCを含有する第2のウェル中の抗原のセットと比較され得る。例えば、活性化されたAPCを含有するウェル中の抗原のセットは、活性化されたAPCを含有する各他のウェル中の抗原のセットと比較され得る。別のウェル中の抗原の第2のセット中の識別された抗原と同じである、活性化されたAPCを含有するウェル中の抗原の第1のセットから識別された抗原は、TCRの標的抗原として識別され得る。例えば、各他のウェル中の抗原のセットの各々中の識別された抗原と同じである、活性化されたAPCを含有するウェル中の抗原のセットから識別された抗原は、TCRの標的抗原として識別され得る。
抗原特異的TCRを同定識別する
本開示は、目的の抗原に対して反応性であるヒト由来TCRを識別し、それによって、治療的に適切なTCRの発見を可能にする方法を提供する。一部の実施形態では、目的の抗原は、がんなどの疾患状態を代表し得る。一部の実施形態では、腫瘍浸潤リンパ球の種々のTCRが、CD4およびCD8共受容体を発現するT細胞株中にトランスフェクトされ得る。一部の実施形態では、このT細胞株は、内因性TCR発現を欠如するように操作される。一部の態様では、例示のT細胞株として、Jurkat細胞株が挙げられる。一部の実施形態では、TCRは、T細胞の複数の集団を与える、複数の患者のT細胞から単離され得る。目的の種々のTCRを発現するT細胞は、目的の標的抗原を提示するaAPCと共に培養され得る。一部の実施形態では、これらのaAPCは、aAPCの複数の集団で構成され、ここで、各集団は、同じ標的抗原を全てが提示する、共培養物中に存在する各T細胞集団とマッチするMHC分子でトランスフェクトされ得る。一部の態様では、aAPCにおいてこのレポーター遺伝子の発現を誘導するTCR発現T細胞が単離され、目的の抗原に対して反応性のTCRを決定するために分析される。
一部の実施形態では、疾患状態を代表する標的抗原に対して反応性である識別されたTCRが、T細胞において操作され得、免疫療法として使用され得る。ある特定の実施形態では、このT細胞免疫療法は、その病状を処置するために、それを必要とする対象に投与され得る。
処置の方法
本開示は、ネイティブに対合したTCR鎖の識別された標的抗原に対する治療薬を用いた、それを必要とする対象の処置のための方法を提供する。一部の実施形態では、それを必要とする対象は、ヒトであり得る。この対象は、標的抗原が発現される疾患を有し得る。例えば、この疾患は、B細胞リンパ腫、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、副腎皮質癌、副腎皮質がん、AIDS関連がん、肛門がん、虫垂がん、星細胞腫、非定型奇形/ラブドイド腫瘍、基底細胞癌、胆管がん、肝外、膀胱がん、骨がん(ユーイング肉腫および骨肉腫および悪性線維性組織球腫を含む)、脳腫瘍、乳がん、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍(消化管)、原発不明癌、中枢神経系、リンパ腫、原発性、子宮頚がん、胆管細胞癌、慢性リンパ性白血病(cll)、慢性骨髄性白血病(cml)、慢性骨髄増殖性新生物、結腸直腸がん、皮膚T細胞リンパ腫、非浸潤性乳管癌(dcis)、子宮内膜がん、食道、ユーイング肉腫、性腺外生殖細胞腫瘍、眼がん、眼球内黒色腫、網膜芽細胞腫、卵管がん、骨の線維性組織球腫、悪性、および骨肉腫、胆嚢がん、胃(gastric)(胃(stomach))がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(gist)、生殖細胞腫瘍、性腺外、卵巣、精巣、妊娠性絨毛性疾患、神経膠腫、ヘアリー細胞白血病、頭頚部がん、肝細胞(肝臓)がん、組織球増殖症、ランゲルハンス細胞、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、眼球内黒色腫、島細胞腫瘍、膵神経内分泌腫瘍、カポジ肉腫、腎臓、ランゲルハンス細胞組織球増殖症、喉頭がん、白血病、口唇および口腔(oral cavity)がん、肝臓がん(原発性)、肺がん、リンパ腫、マクログロブリン血症、ワルデンストレーム、男性乳がん、骨の悪性線維性組織球腫および骨肉腫、黒色腫、黒色腫、眼内(眼)、メルケル細胞癌、中皮腫、悪性、原発不明転移性扁平上皮性頸部がん、口こうがん、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、菌状息肉症、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物および慢性骨髄増殖性新生物、骨髄性白血病、慢性(cml)、骨髄性白血病、急性(AML)、鼻腔および副鼻腔がん、鼻咽頭がん、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺がん、口腔(oral)がん、口唇および口腔(oral cavity)がんならびに中咽頭がん、骨肉腫および骨の悪性線維性組織球腫、卵巣がん、膵がんおよび膵神経内分泌腫瘍(島細胞腫瘍)、傍神経節腫、副鼻腔および鼻腔がん、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、褐色細胞腫、下垂体腫瘍、形質細胞新生物/多発性骨髄腫、妊娠および乳がん、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、原発性腹膜がん、前立腺がん、直腸がん、腎細胞(腎臓)がん、網膜芽細胞腫、唾液腺がん、肉腫、ユーイング肉腫、カポジ肉腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、子宮肉腫、セザリー症候群、皮膚がん、小細胞肺がん、小腸がん、軟部組織肉腫、扁平上皮癌、原発不明扁平上皮性頸部がん、転移性、胃(stomach)(胃(gastric))がん、T細胞リンパ腫、皮膚、精巣がん、咽喉がん、胸腺腫および胸腺癌、甲状腺がん、腎盂および尿管の移行上皮がん、尿管および腎盂、移行上皮がん、尿道がん、子宮がん、子宮内膜および子宮肉腫、腟がん、外陰部がん、ワルデンストレームマクログロブリン血症、またはウィルムス腫瘍を含むがんであり得る。
一部の実施形態では、標的抗原は、任意のがんと関連し得る。一部の実施形態では、試料は、患者から採取され得、上記方法を使用して、TCRに対してスクリーニングされ得る。本開示で提供されている方法を使用して、標的抗原は、操作されたT細胞の反応性によって識別され得る。ある特定の実施形態では、患者は次いで、標的抗原に対する治療薬で処置され得る。例えば、患者には、識別された抗原に標的化された小分子、抗体、ペプチドもしくはタンパク質生物製剤、または免疫療法の有効用量が投与され得る。一部の実施形態では、この免疫療法は、標的抗原に特異的なTCRを発現するように操作されたT細胞を含み得る。
一部の実施形態では、標的抗原に対する治療剤は、TCRまたはTCR様キメラ抗原受容体(CAR)であり得る。一部の態様では、TCR様CARは、MHCとの関連でタンパク質エピトープに特異的に結合および/またはそれを特異的に認識する。CARを含む例示の抗原受容体、ならびにかかる受容体を操作するための方法およびそれを細胞中に導入するための方法として、例えば、国際特許出願公開番号WO200014257、WO2013126726、WO2012/129514、WO2014031687、WO2013/166321、WO2013/071154、WO2013/123061、米国特許出願公開番号US2002131960、US2013287748、US20130149337、米国特許第6,451,995号、同第7,446,190号、同第8,252,592号、同第8,339,645号、同第8,398,282号、同第7,446,179号、同第6,410,319号、同第7,070,995号、同第7,265,209号、同第7,354,762号、同第7,446,191号、同第8,324,353号および同第8,479,118号、ならびに欧州特許出願番号EP2537416に記載されるもの、ならびに/またはSadelainら、Cancer Discov. 2013年4月;3巻(4号):388~398頁;Davilaら(2013年)PLoS ONE 8巻(4号):e61338頁;Turtleら、Curr. Opin. Immunol.、2012年10月;24巻(5号):633~39頁;Wuら、Cancer、2012年3月18巻(2号):160~75頁によって記載されるものが挙げられる。CARの例としては、上述の刊行物のいずれか、例えば、WO2014031687、US8,339,645、US7,446,179、US2013/0149337、米国特許第7,446,190号、米国特許第8,389,282号、Kochenderferら、2013年、Nature Reviews Clinical Oncology、10号、267~276頁(2013年);Wangら(2012年)J. Immunother. 35巻(9号):689~701頁;およびBrentjensら、Sci Transl Med. 2013年5巻(177号)で開示されているようなCARが挙げられる。WO2014031687、US8,339,645、US7,446,179、US2013/0149337、米国特許第7,446,190号および米国特許第8,389,282号もまた参照のこと。TCR様CARなどのキメラ受容体としては、一般に、細胞外抗原結合性ドメイン、例えば、抗体分子の一部分、一般に、抗体の可変重(VH)鎖領域および/または可変軽(VL)鎖領域、例えば、scFvおよび/またはscTv抗体断片が挙げられる。MHCとの関連でのペプチドエピトープなどの、TCRによって一般に認識されるエピトープに特異的に結合するおよび/またはかかるエピトープを特異的に認識する抗体断片、例えば、TCR様scFvおよび/またはscTvの操作が関与する方法、ならびに/あるいは、例えばその1つもしくは複数のCDRを含有するかかるTCR様scFvおよび/もしくはscTvなどのscFvのある特定の特色を有するTCRの生成および/または操作のための方法もまた、提供される。
一部の実施形態では、TCR様キメラ抗原受容体(CAR)は、T細胞受容体の細胞内ドメインを含む細胞内ドメインと、抗体のTCR様抗原結合性部分、例えば、抗体のTCR様sFvおよび/またはscTvを含む細胞外部分とを含み得る。一般に、キメラ受容体(例えば、TCR様CAR)は、抗原結合性部分と膜貫通ドメインとの間に、リンカーまたはスペーサードメインを含む。一部の実施形態では、このリンカーまたはスペーサーは、免疫グロブリンヒンジ領域に由来する。一部の実施形態では、T細胞受容体の細胞内ドメインを含む細胞内ドメインと、抗体の抗原結合性部分、例えば、抗体のsFv、および/またはscTvを含む細胞外部分とをコードすることに加えて、TCR様CAR構築物、一部の実施形態ではTCR様CARベクターをコードする核酸は、プロモーターを含み得る。例えば、プロモーターは、骨髄増殖性肉腫ウイルスエンハンサーと共に改変型MoMuLV LTRのU3領域を含有する合成プロモーターであり得る。他の実施形態では、プロモーターは、EF1aプロモーターまたはEF1プロモーターであり得る。一部の実施形態では、TCR様CARは、T細胞受容体の共刺激ドメインおよび細胞内ドメインを含む細胞内ドメインと、単鎖抗体またはその断片であり得る、本明細書で提供される1つまたは複数の抗体などの抗体を含む細胞外部分とを含み得る。一部の実施形態では、この抗体は、sV、scFvおよび/もしくはscTvである、またはsV、scFvおよび/もしくはscTvを含む。一部の実施形態では、このTCR様CARは、さらなる細胞外部分(複数可)、例えば、スペーサーおよび/またはヒンジ領域をさらに含み得る。
一部の態様では、グリシンおよびセリン(および/またはスレオニン)に富んだリンカーは、少なくとも80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98または99%のかかるアミノ酸(複数可)を含む。一部の実施形態では、これらは、少なくとも50%、55%、60%、70%もしくは75%でグリシン、セリンおよび/もしくはスレオニンを含み、または約50%、55%、60%、70%もしくは75%のグリシン、セリンおよび/もしくはスレオニンを含む。一部の実施形態では、このリンカーは、グリシン、セリンおよび/またはスレオニンから実質的に完全に構成される。これらのリンカーは一般に、約5アミノ酸長と約50アミノ酸長との間、典型的には、10アミノ酸長と30アミノ酸長との間、または約10アミノ酸長と約30アミノ酸長との間、例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29もしくは30アミノ酸長、一部の例では、10アミノ酸長と25アミノ酸長との間である。例示のリンカーとしては、種々の数のリピートの配列GGGGS(4GS)またはGGGS(3GS)、例えば、2、3、4および5リピートの間のかかる配列を有するリンカーが挙げられる。例示のリンカーとしては、GGGGSGGGGSGGGGSを有するものまたはGGGGSGGGGSGGGGSからなるものが挙げられる。例示のリンカーとしては、配列GSTSGSGKPGSGEGSTKGを有するものまたは配列GSTSGSGKPGSGEGSTKGからなるものがさらに挙げられる。
一部の実施形態では、この細胞内シグナル伝達ドメインとしては、CD28、CD137(4-1 BB)、OX40および/またはICOSなどの共刺激受容体の細胞内シグナル伝達ドメインが挙げられる。一部の実施形態では、TCR様CARは、TCR複合体の一次活性化を調節する一次細胞質シグナル伝達配列を含む。刺激性の様式で作用する一次細胞質シグナル伝達配列は、免疫受容活性化チロシンモチーフまたはITAMとして既知のシグナル伝達モチーフを含有し得る。一次細胞質シグナル伝達配列を含有するITAMの例としては、TCRゼータ、FcRガンマ、FcRベータ、CD3ガンマ、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD8、CD22、CD79a、CD79bおよびCD66dに由来するものが挙げられる。一部の実施形態では、TCR様CAR中の細胞質シグナル伝達分子(複数可)は、細胞質シグナル伝達ドメイン、その部分、またはCD3ゼータに由来する配列を含有する。
一部の実施形態では、方法には、提供される抗体、TCR様CARおよび/もしくはTCR、またはそれらの断片を発現する遺伝子操作された細胞が対象に投与される、養子細胞療法が含まれる。かかる投与は、疾患または障害の細胞が破壊のために標的化されるような標的化された様式で、細胞の活性化(例えば、T細胞活性化)を促進できる。
したがって、提供される方法および使用としては、養子細胞療法のための方法および使用が挙げられる。一部の実施形態では、方法には、細胞または細胞を含有する組成物の、疾患、病状もしくは障害を有する、疾患、病状もしくは障害のリスクがある、または疾患、病状もしくは障害を有する疑いがあるものなどの、対象、組織または細胞への投与が含まれる。一部の実施形態では、これらの細胞、集団および組成物は、例えば、養子細胞療法、例えば、養子T細胞療法を介して処置される特定の疾患または病状を有する対象に投与される。一部の実施形態では、これらの細胞または組成物は、疾患もしくは病状を有するまたは疾患もしくは病状のリスクがある対象などの対象に投与される。一部の態様では、処置する方法は、例えば、疾患または病状の1つまたは複数の症状を寛解させる。
養子細胞療法のための細胞の投与の方法は、既知であり、提供された方法および組成物と併せて使用され得る。例えば、養子T細胞療法の方法は、例えば、Gruenbergらに対する米国特許出願公開番号2003/0170238;Rosenbergに対する米国特許第4,690,915号;Rosenberg(2011年)Nat Rev Clin Oncol. 8巻(10号):577~85頁に記載されている。例えば、Themeliら(2013年)Nat Biotechnol. 31巻(10号):928~933頁;Tsukaharaら(2013年)Biochem Biophys Res Commun 438巻(1号):84~9頁;Davilaら(2013年)PLoS ONE 8巻(4号):e61338頁を参照のこと。
一部の実施形態では、細胞療法、例えば、養子細胞療法、例えば、養子T細胞療法は、自家移入によって実施され、このとき、細胞は、細胞療法を受けることになる対象から、またはかかる対象に由来する試料から、単離されるおよび/または他の方法で調製される。したがって、一部の態様では、これらの細胞は、処置を必要とする対象、例えば患者に由来し、単離および処理の後に、これらの細胞は、同じ対象に投与される。
一部の実施形態では、細胞療法、例えば、養子細胞療法、例えば、養子T細胞療法は、同種移入によって実施され、このとき、細胞は、細胞療法を受けることになる対象または細胞療法を最終的に受ける対象、例えば第1の対象以外の対象から単離されるおよび/または他の方法で調製される。かかる実施形態では、これらの細胞は次いで、同じ種の異なるペア象、例えば第2の対象に投与される。一部の実施形態では、この第1および第2の対象は、遺伝的に同一である。一部の実施形態では、この第1および第2の対象は、遺伝的に類似である。一部の実施形態では、この第2の対象は、第1の対象と同じHLAクラスまたはスーパータイプ(supertype)を発現する。
一部の実施形態では、細胞、細胞集団または組成物が投与される対象は、霊長類、例えばヒトである。一部の実施形態では、この霊長類は、サルまたは類人猿である。この対象は、雄性または雌性であり得、乳幼児、若年、青年期、成体および老齢の対象を含む、任意の適切な齢であり得る。一部の実施形態では、この対象は、非霊長類哺乳動物、例えば、げっ歯類である。一部の例では、患者または対象は、疾患、養子細胞療法のための、および/またはサイトカイン放出症候群(CRS)などの毒性転帰を評価するための、検証された動物モデルである。
追加の試薬
本明細書で開示されている方法およびキットは、1つまたは複数の試薬を使用することを含んでいてもよい。試薬の例としては、これらに限定されないが、PCR試薬、ライゲーション試薬、逆転写試薬、酵素試薬、ハイブリダイゼーション試薬、試料調製試薬、親和性捕捉試薬、ビーズ等の固体支持体、ならびに核酸精製および/または単離用の試薬が挙げられる。
固体支持体は、事実上あらゆる不溶性または固体材料を含むことができ、水に不溶性である固体支持体組成物が選択されることが多い。例えば、固体支持体は、シリカゲル、ガラス(例えば、細孔制御ガラス(CPG))、ナイロン、Sephadex(登録商標)、Sepharose(登録商標)、セルロース、金属表面(例えば、鋼、金、銀、アルミニウム、ケイ素、および銅)、磁性材料、プラスチック材料(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、およびポリビニリデンジフルオリド(PVDF))等を含んでいてもよく、またはこれらから本質的になっていてもよい。本実施形態により使用されるビーズの例としては、ビーズと核酸分子との相互作用を可能にする親和性部分を挙げることができる。固相(例えば、ビーズ)は、結合対のメンバー(例えば、アビジン、ストレプトアビジン、またはそれらの誘導体)を含んでいてもよい。例えば、ビーズは、ストレプトアビジンがコーティングされたビーズであってもよく、ビーズに固定する核酸分子は、ビオチン部分を含んでいてもよい。一部の場合では、各ポリヌクレオチド分子は、ポリヌクレオチドをさらに安定させるために、ビオチン等の2つの親和性部分を含んでいてもよい。ビーズは、核酸の固定に使用するための、または下流でのスクリーニングまたは選択プロセスで使用することができる追加の特徴を含んでいてもよい。例えば、ビーズは、結合性部分、蛍光標識、または蛍光クエンチャーを含んでいてもよい。一部の場合では、ビーズは、磁性であってもよい。一部の例では、支持体はビーズである。ビーズの例としては、これらに限定されないが、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、Dynabeads(登録商標)、MACS(登録商標)マイクロビーズ、抗体コンジュゲートビーズ(例えば、抗免疫グロブリンマイクロビーズ)、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、ポリヌクレオチドdTコンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、およびBcMag(商標)カルボキシ末端磁気ビーズが挙げられる。ビーズまたは粒子は、膨潤可能であってもよく(例えば、Wang樹脂等のポリマー性ビーズ)、または膨潤不能であってもよい(例えば、CPG)。一部の実施形態では、固相は、実質的に親水性である。一部の実施形態では、固相(例えば、ビーズ)は、実質的に疎水性である。一部の実施形態では、固相は、結合対のメンバー(例えば、アビジン、ストレプトアビジン、またはそれらの誘導体)を含み、実質的に疎水性または実質的に親水性である。一部の実施形態では、固相は、結合対のメンバー(例えば、アビジン、ストレプトアビジン、またはそれらの誘導体)を含み、固体支持体1mg当たり約1350ピコモルの遊離捕捉剤(例えば、遊離ビオチン)よりも高い結合能を有する。一部の実施形態では、結合対のメンバーを含む固相の結合能は、固体支持体1mg当たり、800、900、1000、1100、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1600、1800、2000ピコモルの遊離捕捉剤よりも高い。本発明に好適なビーズの他の例は、金コロイド、またはポリスチレンビーズもしくはシリカビーズ等のビーズである。実質的に任意のビーズ半径を使用することができる。ビーズの例としては、150ナノメートルから10ミクロンまでの範囲の半径を有するビーズを挙げることができる。他のサイズも使用することができる。
本明細書で開示されている方法およびキットは、1つまたは複数の緩衝液を使用することを含んでいてもよい。緩衝液の例としては、これらに限定されないが、洗浄緩衝液、ライゲーション緩衝液、ハイブリダイゼーション緩衝液、増幅緩衝液、および逆転写緩衝液が挙げられる。一部の実施形態では、ハイブリダイゼーション緩衝液は、TMAC Hyb溶液、SSPEハイブリダイゼーション溶液、およびECONO(商標)ハイブリダイゼーション緩衝液等の商業的に入手可能な緩衝液である。本明細書で開示されている緩衝液は、1つまたは複数の洗剤を含んでいてもよい。
本明細書で開示されている方法およびキットは、1つまたは複数の担体を使用することを含んでいてもよい。担体は、本明細書で開示されている1つまたは複数の反応(例えば、ライゲーション反応、逆転写、増幅、ハイブリダイゼーション)の効率を増強または向上させることができる。担体は、分子またはそれらの任意の産物(例えば、ポリヌクレオチドおよび/またはアンプリコン)の非特異性の喪失を減少または防止することができる。例えば、担体は、表面への吸収によるポリヌクレオチドの非特異性の喪失を減少させることができる。担体は、表面または基材(例えば、容器、Eppendorfチューブ、ピペットチップ)へのポリヌクレオチドの親和性を減少させることができる。あるいは、担体は、表面または基材(例えば、ビーズ、アレイ、ガラス、スライド、チップ)へのポリヌクレオチドの親和性を増加させることができる。担体は、ポリヌクレオチドの分解を防止することができる。例えば、担体は、リボヌクレアーゼからRNA分子を保護することができる。あるいは、担体は、DNaseからDNA分子を保護することができる。担体の例としては、これらに限定されないが、DNAおよび/またはRNA等のポリヌクレオチド、またはポリペプチドが挙げられる。DNA担体の例としては、プラスミド、ベクター、ポリアデニル化DNA、およびDNAポリヌクレオチドが挙げられる。RNA担体の例としては、ポリアデニル化RNA、ファージRNA、ファージMS2 RNA、E.coli RNA、酵母RNA、酵母tRNA、哺乳動物RNA、哺乳動物tRNA、短鎖ポリアデニル化合成リボヌクレオチド、およびRNAポリヌクレオチドが挙げられる。RNA担体は、ポリアデニル化RNAであってもよい。あるいは、RNA担体は、非ポリアデニル化RNAであってもよい。一部の実施形態では、担体は、細菌、酵母、またはウイルスに由来する。例えば、担体は、細菌、酵母、またはウイルスに由来するポリヌクレオチドまたはポリペプチドであってもよい。例えば、担体は、Bacillus subtilisに由来するタンパク質である。別の例では、担体は、Escherichia coliに由来するポリヌクレオチドである。あるいは、担体は、哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ヤギ、ラット、ウシ、ヒツジ、ブタ、イヌ、またはウサギ)、トリ、両生類、または爬虫類に由来するポリヌクレオチドまたはペプチドである。
本明細書で開示されている方法およびキットは、1つまたは複数の対照物質を使用することを含んでいてもよい。対照物質としては、対照ポリヌクレオチド、不活性酵素、非特異的競合物質を挙げることができる。あるいは、対照物質は、ブライトハイブリダイゼーション(bright hybridization)、ブライトプローブ対照、核酸鋳型、スパイクイン対照、PCR増幅対照を含む。PCR増幅対照は、陽性対照であってもよい。他の例では、PCR増幅対照は、陰性対照である。核酸鋳型対照は、既知の濃度であってもよい。対照物質は、1つまたは複数の標識を含んでいてもよい。
スパイクイン対照は、反応または試料に添加される鋳型であってもよい。例えば、スパイクイン鋳型を、増幅反応に添加してもよい。スパイクイン鋳型は、最初の増幅サイクル後の任意の時点で増幅反応に添加してもよい。一部の実施形態では、スパイクイン鋳型は、サイクル数が2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、または50回に達した後で、増幅反応に添加される。スパイクイン鋳型は、最後の増幅サイクル前の任意の時点で増幅反応に添加してもよい。スパイクイン鋳型は、1つまたは複数のヌクレオチドまたは核酸塩基対を含んでいてもよい。スパイクイン鋳型は、DNA、RNA、またはそれらの任意の組合せを含んでいてもよい。スパイクイン鋳型は、1つまたは複数の標識を含んでいてもよい。
本明細書で開示されているものは、本明細書で開示されている方法および組成物に使用することができる、方法および組成物と共に使用することができる、方法および組成物を調製するために使用することができる、分枝、材料、組成物および成分であり、または方法および組成物の産物である。これら物質の組合せ、サブセット、相互作用、グループ等が開示されている場合、これら分子および化合物の様々な個々のおよび集合的な組合せおよび順列に対する具体的な参照を明示的に開示することができない場合でも、各々は、本明細書にて具体的に企図および記載されていることが理解される。例えば、ヌクレオチドまたは核酸が開示および考察され、そのヌクレオチドまたは核酸を含むいくつかの分子になすことができるいくつかの修飾が考察されている場合、特に別様の指示がない限り、ヌクレオチドまたは核酸のありとあらゆる組合せおよび順列ならびに考え得る修飾が、具体的に企図されている。この概念は、本開示の方法および組成物を作製および使用するための方法のことを含むがそれらに限定されない、本出願の全ての態様に当てはまる。したがって、実施することができる様々な追加ステップが存在する場合、そうした追加ステップの各々は、本開示の方法の任意の特定の実施形態でまたは実施形態を組み合わせて実施することができ、各々のそのような組合せは、具体的に企図され、開示されているとみなされるべきであることが理解される。
本明細書に記載されている一部の実施形態が、本明細書に表示および記載されているが、そのような実施形態は、例示のために提供されているに過ぎない。今や、当業者であれば、本明細書で提供されている開示から逸脱せずに、多数の変異、変更、および置換を起想するだろう。本明細書に記載されている実施形態の種々の代替を、本明細書に記載されている方法の実行に用いることができることが理解されるべきである。
別様に説明されていない限り、本明細書で使用されている技術的および科学的用語は全て、本開示が属する技術分野の当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。以下の参考文献は、本明細書で使用することができる方法および組成物の実施形態を含む:The Merck Manual of Diagnosis and Therapy、第18版、Merck Research Laboratoriesから出版、2006年(ISBN0-9119102);Benjamin Lewin、Genes IX、Jones & Bartlett Publishingから出版、2007年(ISBN-13:9780763740634);Kendrewら(編)、The Encyclopedia of Mol. Biology、Blackwell Science Ltd.から出版、1994年(ISBN0-632-02182-9);およびRobert A. Meyers(編)、Mol. Biology and Biotechnology: a Comprehensive Desk Reference、VCH Publishers, Inc.から出版、1995年(ISBN1-56081-569-8)。
本開示の標準的手順は、以下に記載されている:例えば、Maniatisら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.、USA(1982年);Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual(第2版)、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.、USA(1989年);Davisら、Basic Methods in Molecular Biology、Elsevier Science Publishing, Inc.、New York、USA(1986年);またはMethods in Enzymology: Guide to Molecular Cloning Techniques、152巻、S. L. BergerおよびA. R. Kimmerl(編)、Academic Press Inc.、San Diego、USA(1987年)。Current Protocols in Molecular Biology (CPMB)(Fred M. Ausubelら編、John Wiley and Sons, Inc.)、Current Protocols in Protein Science (CPPS)(John E. Coliganら編、John Wiley and Sons, Inc.)、Current Protocols in Immunology (CPI)(John E. Coliganら編、John Wiley and Sons, Inc.),Current Protocols in Cell Biology (CPCB)(Juan S. Bonifacinoら編、John Wiley and Sons, Inc.)、Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique 、R. Ian Freshney著、出版社:Wiley-Liss;第5版(2005年)、およびAnimal Cell Culture Methods(Methods in Cell Biology、57巻、Jennie P. MatherおよびDavid Barnes編、Academic Press、第1版、1998年)。
以下の例は、本開示の一部の態様をさらに説明するために含まれており、本発明の範囲を限定するために使用されるべきでない。
(実施例1)
BCRおよびTCRのハイスループット識別
腫瘍浸潤リンパ球(TIL)は、抗がん免疫応答に重要であるが、それらの存在量、表現型、および機能は予測不能であるため、研究は困難である。本発明者らは、細胞ソーティング、刺激、または培養を行う必要なく、TILを高深度で特徴付けるための方法を開発した。エマルジョンに基づく単一細胞バーコード付与法により、数百万個のインプット細胞中のリンパ球の中から、ネイティブに対合したB細胞およびT細胞受容体(BCRおよびTCR)配列が捕捉される。以前の手法とは対照的に、回収される可変領域は全長であり、さらなるmRNAおよびタンパク質標的が付随し得る。卵巣腺癌に由来する400,000個のソーティングされていない細胞を処理し、11,000個を超えるTILから対合したBCRおよびTCRを回収する前に、健常ヒト血液に由来する300万個のB細胞およびHIV患者に由来する350,000個のB細胞で本方法を検証した。本発明者らの結果は、任意の対合したBCRまたはTCRレパートリーの最も高深度のサンプリングであると共に、エマルジョン中での単一細胞の同時RNA配列決定およびタンパク質測定を最初に実証するものである。
(実施例2)
単一細胞のバーコード付与
免疫レパートリーの配列決定は、基礎免疫学、自己免疫、感染症、および腫瘍学において幅広い応用を有する。多くの研究では、循環血液中のBCRおよびTCR多様性が調査されているが、TILの免疫受容体に対する関心が高まっている。その機能は、がん成長または退縮に高度に関連しているが、その程度は様々であり、特徴付けされていないことが多い。TILのより良好な理解に向かって重要なことは、新しい腫瘍関連抗原の識別を可能にし得るため、TILのBCRおよびTCRの回収および機能的な特徴付けである。腫瘍抗原は、がんワクチンを開発するために、チェックポイント阻害剤の役割を理解するために、および固形腫瘍のキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法を進歩させるために、非常に必要とされている。しかしながら、免疫配列決定における数十年に及ぶ技術的進歩にも関わらず、全長のネイティブに対合したBCR(重鎖および軽鎖)およびTCR(アルファおよびベータ鎖)を、観察されるレパートリーを制限および偏向するin vitro培養または細胞ソーティングを行わずに、腫瘍等の不均質試料から回収した研究はない。初代未培養免疫細胞は、in vitro刺激細胞の100分の1未満の受容体RNAを含み得るため、技術的な困難性が非常に高い。複雑な不均質試料に由来するネイティブに対合したBCRおよびTCRの包括的な分析を可能にするため、多数の単一細胞を並列単離およびDNAバーコード付与するためのマイクロ流体エマルジョンに基づく方法を開発した(図4)。毎時最大100万個の細胞が、個々の約65ピコリットルエマルジョン液滴中で単離される。液滴内で細胞を溶解し、標的特異的プライマーを用いて標的mRNAを逆転写し、二段階DNAバーコード付与プロセスにより、分子特異的および液滴特異的バーコードをcDNAに付着する。その後の回収および次世代シークエンシングの後、この二重バーコード付与戦略は、配列読み取りを、それらの当初の分子および細胞の両方にクラスター化することを可能にする。これより、エラーおよび増幅バイアスの広範な矯正、mRNAおよび細胞の両レベルでのクローン計数、重鎖アイソタイプの決定、ならびに、重要なことには、BCRおよびTCRの全長のネイティブに対合したV(D)J配列を超ハイスループットで同時に回収することが可能になる。
(実施例3)
健常血液試料からのB細胞Vペア対の大規模回収
最初に、本技術を開発し、対合能力およびスループットを、陰性ビーズ濃縮により健常ボランティアの末梢血から単離された300万個のB細胞でアセスメントした。エマルジョンを6つの別々の画分に分割し、それらを並列で処理し、配列決定前に再混合しなかった。エマルジョンを、1液滴当たり0.2細胞になるように装填した。これは、占有液滴の約90%が単一細胞を含有するというポアソン期待値をもたらし、エマルジョン液滴観察と一致していた(図5A)。エマルジョン破壊および追加のライブラリー処理ステップを行った後、Illumina MiSeqを用いて、ペアエンド325+300bp配列決定を実施した。配列決定データを処理するため、液滴および分子バーコードを共に使用して、元々の各mRNA分子からPCR複製読み取りを収集し、各mRNAについてコンセンサスを決定して、少なくとも2つの読み取りから組み立てられたmRNA配列のみを維持した。フォワードおよびリバース読み取りを繋ぎ合わせて、5’UTR、完全V(D)J配列、およびアイソタイプ決定に十分な定常領域を含む全長産物を生成した。IMGT High-VQuestおよび/またはIgBLASTを用いて、再配置された免疫グロブリン重鎖および軽鎖配列に注釈を付けた。
得られたデータセットは、少なくとも1つの重鎖(V)および1つの軽鎖(V)mRNAと関連していた324,988個の液滴バーコードを含有し、重鎖クラスター分析で評価して229,869個の異なるVクローン系列が存在していた。この生セットは、複数細胞ならびに単一細胞液滴に由来するデータを含むため、非一致の重鎖または軽鎖V(D)J配列に関連した液滴バーコードをフィルタリングして取り除くことにより、単一細胞液滴に由来するデータを濃縮した(図5B)。このことを実施することが可能であるのは、典型的な免疫レパートリーの多様性が高いためであり、2つのランダム細胞に由来するVまたはV mRNAがマッチングすることは、ほとんど全くないだろう。得られた濃縮データセットは、259,368個のV液滴バーコードを含み、182,745個のVのクローン系列を含有していた。これは、現在までで最も高深度の対合した免疫レパートリーのサンプリングであることをほぼ間違いなく示す。クローン的に関連する細胞は、それらのV対合が一貫しているはずであるため、クローン拡大の発生を識別することにより、V対合の精度を直接的に評価した。1つよりも多くのエマルジョン画分で、クローン的に拡大した細胞であることが高い信頼性で観察された2,604個のVクローンが識別された。これらVクローンと対合したV配列は、画分間の一貫性が非常に高く、96.1%の対合精度を示した。これにより、259,368個のVペアのフィルタリングされたデータセット全体に高い信頼性が与えられた。交差画分VおよびV配列は、各画分にて異なる液滴および分子バーコードと関連することが常であり、したがってライブラリー交差汚染を示さなかった。一部のB細胞は複数の軽鎖を発現することが公知であるため、分析は、対合精度を過小評価する場合がある。259,368個のフィルタリングされたV液滴バーコードまたは「Vペア」の75.0%は、IgMおよび/またはIgDを含有していた(図5C)。これは、未感作ナイーブB細胞は典型的にはIgMIgD表現型であることを考慮すると、予想通り一緒に観察されることが多かった。より少ないがかなりの割合のIgA(18.3%)およびIgG(6.6%)Vペアも見出された。Vアイソタイプは全て、約3:2の比率でIgκまたはIgλのいずれかと対合した。182,745個のVクローン系列中のクローン拡大を2つの方法でアセスメントした:クローンに関連する液滴バーコードの数;およびエマルジョン画分にわたるそのクローンの観察。複数の液滴バーコードでクローンが見られることは、クローン拡大を反映する場合もあり、または複数バーコード液滴を反映する場合もある。初期λ=1であったこと、つまり液滴内へのバーコードの分散がポアソン分散であったことを考慮すると、液滴の約37%で複数バーコード液滴が予想された。しかしながら、>8つの液滴バーコードにより表わされるクローンは全て、間違いなく拡大性である可能性が高い(単一液滴中のポアソン確率は、<10-6)。全体でクローンの6.0%が1つよりも多くの画分で見られたが、8つよりも多くの液滴バーコードで見られたクローン(全体で0.7%)の場合、それらの99%は、1つよりも多くの画分で見られた。100個の最も高頻度のクローン(各々30~137個の液滴バーコード、図5D)は全て、6つの画分の少なくとも5つで見られた。したがって、バーコード計数および独立した画分分析を組み合わせると、非増殖クローンの厖大なバックグラウンドの中から、希少な拡大系列を検出することが可能になる。しかしながら、最も多量の拡大したクローンでさえ、1000個に1個未満の細胞にしか存在していなかったことは注目すべきことであり、ヒト末梢免疫レパートリーの多様性が非常に高いことを例示している。
発現レベルの推定としての、ペア内の各VおよびV鎖の捕捉mRNAの数(図5E)。概して、1液滴バーコード当たり10個未満の重鎖(平均2.0)および軽鎖(平均4.0)mRNAが捕捉され、1細胞当たり、数ダース~数百個の捕捉重鎖および軽鎖mRNAを有する液滴バーコードの小集団が、ほとんど排他的にIgGおよびIgA発現細胞から観察された。興味深いことには、ペア内のVおよびV突然変異の程度は、各アイソタイプ(例えば、IgGの場合は、V対V)内、およびアイソタイプ間(例えば、IgG対IgM)の両方で、強い相関性を示した(図2F)。さらに、IgGおよびIgA対はほとんど全てが、VおよびV鎖の両方にかなりの突然変異を示したが、IgMおよびIgDペアはほとんどが、VまたはV突然変異をほとんど示さなかった。こうした結果は、B細胞活性化の機序と一致し、IgMおよびIgDからIgGまたはIgAへのクラススイッチ、免疫グロブリン発現の増加、ならびに細胞の重鎖および軽鎖遺伝子座の両方に影響を及ぼす体細胞超変異に至る。高度に突然変異を起こしたV鎖は、高度に突然変異を起こしたV鎖と対合する傾向があるというこの観察に加えて、本方法は、休止ヒトB細胞レパートリーに由来する多数の全長のネイティブに対合したBCRを生成することが可能である。
(実施例4)
HIV長期非進行者からの公既知の低頻度V対ペアの回収。
アッセイの対合感度および正確性のさらなる検証として、いくつかの希少な(10,000個の細胞中、<1個の細胞)ネイティブV対合が既に既知である試料を処理した。HIV長期非進行患者から末梢B細胞を得た。この患者のメモリB細胞は、HIV中和活性を示す抗体が近年詳細に探索されている。350,000個のB細胞を処理して、合計38,620個のフィルタリングされたVペアを生成した。興味深いことには、この個体は、以前の健常試料(図3A)または典型的な健常末梢B細胞レパートリーよりも高い割合のIgGを示した。このデータセットに由来するV配列を、PGT121を含む、この個体に由来する全ての報告されている広域中和抗体(bNAb)と比較し、8つの類似または同一のV配列を見出した。これは、bNAbのこのファミリーが循環B細胞の0.03%未満であることを示す。重要なことには、これら重鎖と対合した全ての軽鎖は、予想される同様に希少のbNAb系列のものであり、以前に報告されているように、同じIgλ-V3-21/J3再配置および特徴的な3コドン挿入を示し、本発明者らの方法の正確性および感度が高いことが支持された。さらに、この個体に由来する、全ての既知の新らたに生成されたPGT121様Vペアの系統樹(図3B)では、VおよびVツリーは、鏡像様位置を占める対合したVおよびV配列と非常に類似したトポロジーを示しており、これは、系統発生史が共通していることを反映している可能性が高い。ここで発見されたバリアントペアは、このルールに良好に当てはまる。興味深いことには、2つの発表されている抗体PGT122およびPGT123は、例外であると考えられ、これら2つの対合を支持するものは見出されなかったが、その代わりに、PGT122V:PGT123V様のおよびPGT123V:PGT122V様のペアが見出された。これは、元々の報告書では確認されていない対合を示している。8つの新規なPGT様Vペアの完全なV(D)J領域をコードするDNAを合成し、抗体を完全IgGとして発現させ、複数のHIV擬似系統を中和する能力を試験した(図6C)。抗体は良好に発現され、全てがウイルスに対する強力な中和活性を示し、関連する生物学的試料からネイティブに対合した機能性抗体バリアントを迅速に生成する本発明者らの手法の有用性が実証された。
(実施例5)
腫瘍浸潤リンパ球に由来するB細胞およびT細胞受容体対ペア
対合した受容体をハイスループットで回収するためにエマルジョンバーコード付与が検証されたことを受けて、免疫受容体を、腫瘍から直接回収した。プロテアーゼで分離された切除卵巣腺癌試料を得、400,000個のソーティングされていない細胞をエマルジョンに入れた。別々の等量の試料をCD3/CD19染色することにより、かなりの数の浸潤性B(約5%)およびT細胞(約20%)が物質中に存在することが示唆された。エマルジョン中の単一細胞分散系は、いくつかの限定的な塊が視認されたとはいえ、精製細胞と類似しており、試料の細胞タイプが不均質であったことを考慮すると予想通りに液滴内の細胞サイズおよび形状に広範なばらつきがあった(図7A)。
T細胞受容体アルファおよびベータ鎖の定常領域を共に標的とするプライマーを、以前に使用されたBCRプライマーと共に使用し、配列決定およびストリンジェントなフィルタリング後に、BCRまたはTCR産物にリンクする数千個の液滴バーコードを回収した。単一細胞精度をアセスメントするため、液滴バーコード内の4つの標的遺伝子座(V、V、Vα、Vβ)のあらゆる考え得る組合せを計数した(図7B)。
1つよりも多くの標的鎖を有する液滴バーコードの大部分(97.9%)は、生物学的に予想されるBCR V またはTCR VαVβの対合を含有し、混合BCR-TCR組合せは2.1%しか含有されていなかった。産物のバーコード付与は、標的鎖に関して偏りがないため、この結果は、得られた6,056個のBCR Vおよび5,217個のTCR VαVβペアの信頼性を高度化することが可能である。BCRでは、他のアイソタイプと比較して、IgG(>80%)が著しく優勢であったが(図7C)、全てが存在した(IgE<0.05%のみ)ことが示された。カッパおよびラムダ軽鎖は、末梢血データセットと同様の比率で存在した。
末梢血と同様に、BCRアイソタイプとVおよびV鎖の両方の突然変異レベルとの間に相関性が観察され、IgGおよびIgAペアは、IgDおよびIgMよりも大きなVおよびV突然変異、ならびに各アイソタイプ内でのVおよびV間の突然変異の一般的相関性を示した(図7D)。興味深いことには、IgD、IgM、およびIgAペアは、腫瘍と末梢血データセットとの間で非常に類似した突然変異分布を示した(図5F)。また、腫瘍IgG画分は、末梢血では観察されなかった、ほとんど突然変異していないかまたは全く突然変異してない配列をかなりの割合で含有していた。TCRの場合、およびIgDを含有するBCRの場合、1液滴バーコード当たり、末梢血のBCR結果と同様の数の捕捉mRNAが観察された(図7、ほとんどが1液滴バーコード当たり<10)。極めて対照的だが、腫瘍由来のIgM、IgA、およびIgGペアは、10~100倍の平均発現レベル増加を示し、液滴バーコードの多くには数百または数千個の標的mRNAが捕捉された。その後、捕捉TIL-TCRおよびBCRレパートリーの多様性をアセスメントした(図7F)。5,217個の合計TCRペアの中で、2,423個の異なるTCRベータクローンが観察された。7つのクローンが、>1%の頻度で存在し、上位クローンは、全ての液滴バーコードの16.9%に相当した。6,056個の合計BCRペア中で、1,518個の異なる重鎖クローンが観察され、15個のクローンが>1%の頻度であったが、>5%の頻度のものはなかった。これは、多様性が、健常末梢BCRレパートリーよりも実質的により制限されていることを表わしているが(0.06%を超える頻度で存在するクローンはなかった)、クラス転換し、突然変異を起こし、高度に発現されたクローンが、腫瘍試料中に非常に多く存在することは、TILを特徴付けるためには、高深度で高感度のサンプリング手法が必要であることを示す。本方法は、規定されたTIL集団を事前にソーティングまたは外因的活性化する必要なく、BおよびT細胞の両方から同時に、多数のTIL免疫受容体ペアを迅速に回収することを可能にする。
(実施例6)
追加の目的の表現型マーカーの捕捉
液滴バーコード付与による受容体鎖の対合は、潜在的に、免疫受容体の他に追加の標的の捕捉を可能にする。この可能性を調査するため、CD4およびCD8集団に入る健常T細胞を、磁気ビーズ濃縮により分離し、各タイプの20,000個の細胞を別々のエマルジョンに入れ、TCRアルファおよびベータ鎖を標的とするプライマーならびにCD4およびCD8のmRNAを用いて実験を行った。配列決定後、CD4単離細胞に由来するTCR VαおよびVβ(「TCRペア」)を含有する3,861個の液滴バーコードの47.0%は、CD4 mRNAに関連していたが、CD8 mRNAに関連したものは0.3%に過ぎなかった。反対に、CD8単離細胞に由来する2,235個のTCRペアの50.6%が、CD8 mRNAにリンクしていたが、CD4 mRNAにリンクしていたものは0.6%に過ぎなかった。これは、以前の報告と同様に、細胞表現型を決定するためのmRNAに基づく手法は、高特異性だが、感度に制限があることを示す。対照的に、細胞表面受容体等のタンパク質は、通常、それらのコードmRNAよりも非常に大きな数(1細胞当たり1,000~100,000個)で存在し、検出がより容易である可能性が高いだけでなく、より直接的に細胞表現型と関連する可能性が高い。各細胞での標的タンパク質レベルを測定するため、特注オリゴヌクレオチドDNA標識を、抗ヒトCD4およびCD8抗体にコンジュゲートし、標識抗体を、30,000個の細胞をエマルジョンに入力する前に、CD4およびCD8 T細胞の未分離混合物と共にインキュベートした(図8A)。DNA標識は、抗体特異的配列タグだけでなく、分子バーコード、および増幅された液滴バーコードに相補的な配列を担持し、mRNAでの実施と同様に、エマルジョン液滴バーコード付与、および分子計数を可能にする。DNA標識、ならびにTCR、CD4、およびCD8 mRNAを、同時に標的とした。配列決定およびフィルタリング後、3,682個の液滴バーコードを、高い信頼性でTCR VαVβペアであると識別した。以前の実験と一致して、TCRペアのおよそ半分(52%)を、mRNAに基づいてCD4またはCD8ステータスに帰属させることができた(図8B)。しかしながら、液滴バーコードの95%超は、タンパク質ステータスに基づいてCD4またはCD8に帰属させることができ、1液滴当たりの平均分子計数は、CD4/8タンパク質(平均20.5)が、CD4/8 mRNA(平均1.0)よりもかなり高かった。mRNAおよびタンパク質決定が両方とも合致していたことを考慮すると、mRNAとタンパク質シグナルとの間の合致率は高く(図8C)、液滴の96.0%だった。一部の希少な例では、CD4およびCD8タンパク質の両方が検出された。これは、液滴が、2つまたはそれよりも多くの細胞を含有していた結果であると考えられた。エマルジョンバーコード付与により、単一細胞免疫受容体を、目的のmRNAおよびタンパク質マーカーと、全てハイスループットで直接的に関連付けることが初めて可能になった。抗PD-1および抗CTLA-4等の拡大された免疫腫瘍学的関連マーカーセットを用いて、この手法をTILに応用することは、保証されている。
(実施例7)
ヒト試料
健常レパートリー検証用の血液試料を、Personal Genome Projectの承認に基づいて収集した。HIV bNAb実験用のPBMCを、IAVIプロトコールGコホートのHIV-1感染ドナーであるドナー17から得た。ヒトHIV試料は全て、ルワンダ共和国国立倫理委員会、エモリー大学内治験審査委員会、ザンビア大学研究倫理委員会、チャリングクロス研究倫理委員会、UVRI科学および倫理委員会、ニューサウスウェールズ大学研究倫理委員会、聖ビンセント病院および東シドニー地区ヘルスサービス、ケニヤッタ国立病院倫理調査委員会、ケープタウン大学倫理委員会、国際施設内治験審査委員会、マヒドン大学倫理委員会、ウォルターリード陸軍研究所(WRAIR)施設内治験審査委員会、およびコートジボアール委員会「National d’Ethique des Sciences de la Vie et de la Sante」(CNESVS)により承認された臨床試験プロトコールに基づいて書面によるインフォームドコンセントを得たうえで収集した。凍結保存され、解離され、切除された、単一ドナーに由来する卵巣腺癌を、IRB承認プロトコールに基づいて、書面によるインフォームドコンセントを得たうえで、Conversant Biologicsから得た。
(実施例8)
細胞調製
300万個の健常B細胞に関する研究では、ヘパリンナトリウム(BD)を有するVacutainer CPT細胞調製チューブに50mLの血液を採取し、1800×gで20分間遠心分離し、細胞調製緩衝液(2%ウシ胎仔血清および2mM EDTAで補填された1×PBS)で2回洗浄し、200×gのスピンを使用して血小板を除去し、得られたPBMCを、RPMI-1640培地(Life Technologies)+20%ウシ胎仔血清+10%DMSOに、必要になるまで-80℃で凍結保存した。エマルジョン生成の前に、PBMCを解凍し、細胞調製緩衝液で2回洗浄し、計数した。ネガティブ選択に基づくヒトB細胞濃縮キット(Stem Cell Technologies)を製造業者の説明書に従って使用して、B細胞を単離した。20μm細胞ストレーナーに細胞を通し、細胞調製緩衝液で6.2×10細胞/mL(300万個のB細胞での実験)または3.1×10細胞/mL(PGTドナーおよび卵巣腫瘍での実験)に希釈した。
(実施例9)
エマルジョン内での免疫受容体バーコード付与
エマルジョン生成プラットフォームは、親フッ素性にコーティングされた石英Dolomite小型2試薬チップ内への、2つの水相および1つの親フッ素性油連続相のコンピュータ制御流動が可能になるように、単一の空気圧縮機により駆動され、各々がMitos流速センサを有する3つのMitos Pポンプ(Dolomite Microfluidics)を備えていた。1つの水性インプットチャネルは、所望の1液滴当たりの細胞占有レベルをもたらすように、必要とされる密度の細胞を含有し、第2の水性のチャネルは、AbPair(商標)反応緩衝液およびオリゴヌクレオチド(www.abvitro.com/catalog AV2070-1SおよびAV2080-1S)、5単位/μLのMuMLVに基づく逆転写酵素(Thermo Scientific)、および0.1単位/μLのHerculase II PCRポリメラーゼを含む溶解および反応混合物を含有していた。100μLのHamilton Microliterシリンジを使用して、100μL内部径PEEKチューブ試料ループに、各々約100μLのLRミックスを2回のインジェクションで負荷した。100μLのHamilton Gastightシリンジを使用して、約100μLの0.2mm内部径FEPチューブループに、約110μLの細胞懸濁液を負荷した。エマルジョンは、チップの2つの油チャネルから油を同時に流動させた2試薬チップに、水相を同一の流速で集中流噴射することにより形成した。チップ出口チャネルを出るエマルジョンを、冷却ブロックに配置した0.2mLのPCRストリップチューブ(Eppendorf)内に滴下させ、その後、過剰な油を、ピペットでチューブの底部から取り除き、40μLのオーバーレイ溶液(25mM Na-EDTA、pH8.0)を添加し、チューブを、転写タグ化反応のために標準的サーモサイクラーに移した。45分間の逆転写(RT)ステップ中、標的特異的RTプライマーを用いて、ランダム化分子バーコードを含有するユニバーサルアダプター配列の鋳型スイッチに基づく付加により、RNAを42℃で逆転写した。RT後、エマルジョンを、40サイクルの熱サイクル(各サイクル:82℃で10秒間、65℃で25秒間)にかけて、液滴バーコード鋳型のPCR増幅を実施し、それを、初期溶解および反応混合物中で30,000cp/μLに希釈し、15,000cp/μLまたは約65pl液滴当たり約1個の最終混合物中での濃度を生成した。液滴バーコードの一方の末端は、Illumina読み取り2(「P7」)プライマー部位を含み、他方の末端は、ユニバーサルアダプターオリゴヌクレオチドの共通配列とマッチングする。したがって、PCR中、鋳型スイッチしたcDNAは、増幅された液滴バーコード鎖にアニーリングし、オーバーラップ伸長によりスプライスされて、標的、分子バーコード、および液滴バーコード配列を含有する全長産物を産生することができる。
(実施例10)
エマルジョン破壊、クリーンアップ、下流PCR、プール化、および配列決定
熱サイクル後、オーバーレイ溶液を、ピペットで取り除き、40μLエマルジョン破壊溶液(1:1 FC-40:パーフルオロオクタノール)を、15μL溶解物クリアリング溶液(12.5μL Qiagenプロテアーゼ、2.5μLの0.5M Na-EDTA、pH8.0)と共に添加した。10回反転させてエマルジョンを破壊した後、混合物を50℃で15分間、および95℃で3分間インキュベートして、プロテアーゼを不活化した。15,000×gで1分間遠心分離して水相を単離した後、回収した物質を徹底的に精製して、オリゴヌクレオチド、試薬、および過剰な液滴バーコードPCR産物を除去した。全長産物は、RTプライマーの5’ビオチン化によりビオチンを含有するため、ストレプトアビジンビーズをクリーンアップすることにより、それらは、過剰な液滴バーコードPCR産物から効率的に分離することができ、したがって、オーバーラップ伸長法に共通の問題である下流PCR組換えアーティファクトが最小限に抑えられる。まず、製造業者の説明書を使用して1:1比のAMPure XPビーズ(Agencourt)を使用し、その後、この場合も製造業者の説明書を使用してストレプトアビジンビーズ(New England Biolabs)を使用してクリーンアップし、その後、95℃の脱イオン水で溶出させ、その後1:1比のAMPure XPビーズで第2のクリーンアップを行うことにより、産物を精製した。その後、産物を、標的濃縮PCRに入れ、BまたはT細胞受容体標的の定常領域に特異的なプライマーを、液滴バーコード配列のユニバーサル末端に特異的なプライマーと共に使用した。このリバースプライマーは、製造業者の説明書に従ってMiSeq機器でマルチプレックス配列決定するための6塩基インデックスバーコードも含んでいた。したがって、このステップでは、全長液滴バーコード化標的配列のみが増幅される。まず、反応開始時に2分間の98℃ポリメラーゼ活性化ステップを含む製造業者の推奨条件下で、Q5ホットスタートポリメラーゼ(New England Biolabs)を使用して、全ての標的を、98℃で10秒間;64℃で20秒間;72℃で15秒間の7サイクルで一緒に増幅した。この後、1.5:1のビーズ:PCR比でAMPure XPクリーンアップを行った。その後、同じ熱サイクル条件を以前と同様に使用して、各鎖(V、V、Vα、Vβ)を別々に標的とする第2の7サイクルを実施し、その後、AMPure XPクリーンアップを行った。その後、同じ熱サイクル条件および5~15サイクル(qPCRにより判断される収量に応じて)で、全長Illumina配列決定アダプターを付加し、TapeStation D1000(Agilent)定量化に十分な物質を生成する最終PCRを実施した。その後、ライブラリーをプールし、V3 2×300bp MiSeqプラットフォーム(Illumina)で配列決定した。
(実施例11)
MiSeqプラットフォームの改変
BCRまたはTCRの完全な可変V(D)J領域の再構成には、2つのペアエンドIllumina読み取りを繋ぎ合わせることが必要である。このプロセスを向上させるため、2×300bpキットのフォワード読み取りを325bpに延長した。免疫受容体ライブラリーは、定常領域プライマー部位の多様性を制限するため、10%phiXスパイクインを使用して、ライブラリー多様性の制限という問題を軽減した。
(実施例12)
読み取りのバイオインフォマティクス処理の概要
pRESTOパッケージ(バージョン0.4)の周辺に組み立てた特注パイプラインを使用して、Illumina MiSeq読み取りを処理して、各液滴からmRNA分子の全長コンセンサス配列を生成し、IgBLASTおよび/またはIMGT/HighV-QUESTで注釈を付け、特注スクリプトおよびChange-Oパッケージを用いて、さらにアラインし、フィルタリングし、および処理して、統計情報を生成した。
(実施例13)
読み取り処理および注釈、アイソタイプ帰属。
生読み取り処理、V(D)J注釈、およびクローンの帰属は、pRESTOおよびChange-Oパッケージを利用して特注パイプラインで実施した。手短に言えば、生Illuminaペアエンド325+300bp読み取りを品質管理し、プライマートリミングし、液滴特異的(DB)および分子特異的バーコード(MB)を、プライマー部位のファジーマッチングにより識別した。まとめると、DBおよびMBにより由来分子が固有に識別され、この固有な分子識別子(UMI)を使用して、同じ分子から生じる一致PCR複製読み取り(最小で2つ)をグループ化し、各mRNA配列のコンセンサスを生成する。アイソタイプ特異的プライミングは、プライマートリミングされた配列内の既知のアイソタイプ特異的定常領域のファジーマッチングにより確認した。V(D)J生殖系列セグメントおよび再配置構造を、IgBLASTを使用して決定し、IMGT/HighV-QUESTで確認し、適切な場合は、Change-Oおよび特注スクリプトで解析した。マッチングするIGHV遺伝子、IGHJ遺伝子、および接合部長を有する機能性V(D)J配列を、Change-Oに実装されているように、グループ内で単一連鎖クラスター化することにより、クローンを帰属させた。300万個の循環細胞データセットでは、対称化トランジション/トランスバージョンモデルを使用して、4.0の重みが加えられたクローン内距離を、クローン内の最近傍距離カットオフとして使用した。
(実施例14)
液滴免疫受容体含有フィルタリングおよび対合フィデリティー算出
液滴からB細胞配列を回収する精度は、本バーコード付与法により2つのやり方:液滴内mRNA配列一致および交差画分対合一致を使用してアセスメントすることができる。各液滴内では、1遺伝子座当たり複数のmRNAが捕捉され、1つの細胞に由来する発現V(D)J配列は、一致するはずである。配列一致を規定する、複数のアラインされたV(D)Jセグメントの2%配列多様性(平均のペアを成すヌクレオチド差pi55<0.02)のカットオフを使用して、1液滴当たり1つよりも多くの生産的VDJおよび1つの生産的VJ配列の存在を、推定免疫受容体含有または複数細胞占有として、バイオインフォマティクス的に目印を付ける。対立遺伝子排除的な液滴毎に重鎖および軽鎖コンセンサス配列を組み立て、クローン規定および交差画分対合分析に使用した。300万個の循環B細胞データセットでは、各V系列は、データセット中の>20,000個の軽鎖クローンの1つ(理想的な場合)と関連している。Vペアを有する259,368個の免疫遺伝子座排除的な液滴中、10,870個のVDJ重鎖遺伝子座再配置クラスターが、少なくとも6つの物理的に分離されたエマルジョン画分の2つに存在していた。これらクラスターは、増殖系列であるか、または同じVJエクソンの、独立しているが類似の再配置であるかのいずれかを表わす。VDJ再配置が、2つの複製で一貫したVJ再配置と対合している場合、両実験は、独立して真の陽性をもたらした(より希少な再配置を有する2,604個のクローンの35,922個の考え得るペアを成す比較のうち33,157個)。したがって、各複製の精度は、96.1%(0.923^0.5)である。
(実施例15)
HIV bNAb候補配列の発見
本発明者らの38,620個のVペアを、tblastx、MUSCLE、およびPhyMLを使用して文献から選別した既知のbNAb HCDR3、VDJ配列、およびドナー17系列との類似性について探索することにより、HIVの新しいネイティブに対合した広域中和抗体(BNAb)を発見し、その後、完全なV(D)Jアミノ酸配列の系統樹を手作業で検査して、既知のbNAb配列で分散されている抗体候補を選択した。
(実施例16)
HIV bNAbタンパク質発現および精製
抗体配列を合成し、以前に記載されている重鎖および軽鎖ベクターにクローニングした。重鎖および軽鎖プラスミドを、製造業者のプロトコールに従って293fectin(Invitrogen)を使用して、293FreeStyle細胞に同時トランスフェクトした(1:1比)。抗体上清を、トランスフェクトの4日後に採集し、プロテインA親和性クロマトグラフィーで精製した。精製した抗体を、さらなるアッセイで使用する前にPBSで緩衝液交換した。
(実施例17)
擬似ウイルス産生および中和アッセイ
HIV-1 Env発現プラスミドおよびEnv欠損ゲノムバックボーンプラスミド(pSG3ΔEnv)を293T細胞にトランスフェクトすることにより、擬似ウイルスを生成した。トランスフェクション72時間後に、擬似ウイルスを、中和アッセイで使用するために採集した。単一ラウンドの複製擬似ウイルスアッセイおよびTZM-Bl標的細胞を使用して、中和活性をアセスメントした。手短に言えば、TZM-Bl細胞を、96ウェル平底プレートに播種した。このプレートに、擬似ウイルスを添加し、それを、抗体の系列希釈物と共に37℃で1時間、事前にインキュベートした。感染72時間後に溶解し、Bright-Gloルシフェラーゼ基質(Promega)を添加して、ルシフェラーゼレポーター遺伝子発現を定量化した。IC50値を決定するために、用量反応曲線を非線形回帰法でフィッティングした。
(実施例18)
卵巣腫瘍標的鎖の同定識別
エマルジョン中の卵巣解離腫瘍組織からBCRおよびTCRを同時に捕捉した後、以前に記載されるように分子および液滴バーコードを使用して読み取りをフィルタリングしたが、その後、4つの考え得る標的鎖タイプ(BCR V、BCR V、TCR Vα、TCR Vβ)の各々の存在を探した。各々が少なくとも2つの配列決定読み取りを有する少なくとも2つのmRNAにより支持されていた場合、標的鎖を保持した。BCR VまたはTCR VαVβペアのみを含有する全ての液滴バーコードを、さらに分析した。BCR重鎖およびTCRベータ鎖クローンを、個別のCDR3アミノ酸配列に基づいてコールした。
(実施例19)
DNA標識抗体染色によるエマルジョン内のタンパク質検出
一本鎖200bp DNAオリゴヌクレオチドを、固有の5bp抗原ID配列を含有するように設計し、5’アミノ基で修飾した(Integrated DNA Technologies)。マウスモノクローナル抗ヒトCD4(BioLegend、#300516)およびCD8a(BioLegend、#301018)抗体を、製造業者のプロトコールに従ってThunder-Linkキット(Innova Biosciences)を使用して、DNAオリゴヌクレオチドタグにコンジュゲートした。エマルジョン前の細胞標識化では、末梢血に由来する200万個のネガティブ選択されたT細胞を、400μL細胞緩衝液+2mM EDTA+0.05%アジ化ナトリウムで希釈した。一本鎖サケ精子DNAを、200μg/mLの最終濃度で細胞に添加し、細胞を室温で5分間回転させた。CD4およびCD8a DNA標識抗体の混合物(各々、5nMの最終濃度)を細胞に添加し、30分間室温でインキュベートした。細胞を、細胞緩衝液+2mM EDTA+0.05%アジ化ナトリウム+200μg/mL一本鎖サケ精子DNAで3回洗浄した。エマルジョン分析に入る前に、細胞を、細胞緩衝液+0.05%アジ化ナトリウムに再懸濁した。30,000個の細胞を、エマルジョン配列決定に使用した。
(実施例20)
TCR抗原標的の識別
一部の場合では、ネイティブに対合したTCR鎖を、TCR鎖、およびAPCによる活性化の際に発現されるルシフェラーゼまたは蛍光タンパク質等のレポーター遺伝子をコードするDNA構築物をコードする発現ベクターにクローニングする。内因性TCR鎖を発現しないように遺伝子操作されている、Jurkat細胞等のTリンパ球細胞株に、目的の対合したTCR鎖をコードする発現ベクターをトランスフェクトする。CD4またはCD8共受容体を、Tリンパ球細胞株により発現させる。TCRを、同系APCまたは腫瘍細胞と共にインキュベートすることにより初期スクリーニングする。それらは、初代細胞またはMHCマッチング細胞株である。TCR反応性は、レポーター遺伝子により、またはIFNγ等のサイトカインをELISPOTにより測定することにより決定し、目的の候補TCRを識別する。
目的のネイティブに対合したTCR鎖候補、一部の場合では、上述のように初期スクリーニングを使用して識別した目的のネイティブに対合したTCR鎖を、発現ベクターにクローニングする。Tリンパ球細胞に、目的のTCRをコードする発現ベクターをトランスフェクトする。一部の場合では、Tリンパ球細胞は、内因性TCR発現を欠如していてもよい。別々に、K562細胞株等の、内因性MHC受容体を発現しないAPC細胞株に、TCR鎖が由来する生物とマッチングするMHC遺伝子をトランスフェクトすることにより、人工抗原提示細胞(aAPC)を生成する。また、aAPCを、ルシフェラーゼまたは蛍光タンパク質等のレポーター遺伝子で遺伝子操作する。抗原発現ベクターのライブラリーを、抗原提示細胞にトランスフェクトする。抗原をコードする配列は、目的のペプチドの正確な配列、ミニ遺伝子構築物、またはcDNAコード配列全体であってもよい。あるいは、APCを、目的のペプチドのライブラリーで直接パルスする。
目的のネイティブに対合したTCR鎖を発現するT細胞を、抗原のライブラリーを提示するaAPCと共に共培養する。TCRをMHC-ペプチド複合体と結合させることによるTリンパ球のaAPCとの絡み合い(engagement)は、T細胞の活性化およびaAPCレポーターの活性化をもたらす。例えば、TCRをMHC-ペプチド複合体と結合させることは、ルシフェラーゼまたは蛍光タンパク質のaAPC発現に至る。活性化されたaAPCを、蛍光活性化セルソーティング(FACS)等のソーティング技法により単離する。弱酸性処理および逆相HPLC(RP-HPLC)等の標準的技法により、ペプチドをMHCタンパク質から解離する。質量分析または配列決定を実施して、ネイティブに対合したTCR鎖の抗原標的を識別する。
本発明の好ましい実施形態が、本明細書に表示および記載されているが、当業者には、そのような実施形態は、例示のために提供されているに過ぎないことは明らかである。今や、当業者であれば、本発明から逸脱せずに、多数の変異、変更、および置換を起想し得る。本明細書に記載されている本発明の実施形態の種々の代替を、本発明の実施に用いることができることが理解されるべきである。本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲により規定され、特許請求の範囲内の方法および構造ならびにそれらの等価物は、それにより網羅されることが意図されている。

Claims (27)

  1. (a)1つまたは複数の操作された細胞を、複数の抗原提示細胞(APC)に接触させるステップであって、前記1つまたは複数の操作された細胞が、T細胞受容体(TCR)ポリペプチドを発現し、前記TCRポリペプチドが、対象由来の単一の免疫細胞の、ネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含み、ここで、前記複数のAPCがcDNAライブラリーに由来する異なる抗原に由来する異なる抗原ポリペプチドを提示する、ステップ;
    (b)前記複数のAPCの選択されたAPCにより提示される抗原ポリペプチドを決定し、それによって、前記ネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアの標的抗原を決定するステップ;
    を含む、前記cDNAライブラリーに由来するネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアの前記標的抗原を決定するための方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、(a)の前に:
    (a’)1つまたは複数の操作された細胞においてTCRポリペプチドを発現させるステップであって、前記TCRポリペプチドが、前記ネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含む、ステップ
    をさらに含む、方法。
  3. 請求項2に記載の方法であって、(a’)の前に:
    ハイスループット並行単一細胞配列決定を使用して、対象由来の生物学的試料から、複数のネイティブに対合したTCR鎖を識別するステップ
    をさらに含む、方法。
  4. (a)の前記複数のAPCが、操作されたAPCである、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 請求項4に記載の方法であって、(b)の前記選択されたAPCが:
    (i)前記TCRポリペプチドを発現する前記操作された細胞に対する反応性を有する操作された反応性APCであるか、または、
    (ii)前記TCRポリペプチドを発現する前記操作された細胞を活性化する、操作された活性化APCである、
    方法。
  6. 請求項4または5に記載の方法であって、(a)の後に:
    (b’)TCRポリペプチドを発現する前記1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞に対する、前記複数のAPCのうちのAPCの反応性についてアッセイするステップ
    をさらに含む、方法。
  7. 請求項6に記載の方法であって、APCを選択するステップをさらに含み、選択された細胞が、TCRポリペプチドを発現する前記1つまたは複数の操作された細胞のうちの前記操作された細胞に対する反応性を有する、方法。
  8. 請求項4または5に記載の方法であって、(a)の後に:
    (b’’)TCRポリペプチドを発現する前記1つまたは複数の操作された細胞のうちの操作された細胞を活性化する、前記複数のAPCのうちの活性化しているAPCについてアッセイするステップ
    をさらに含む、方法。
  9. 請求項8に記載の方法であって、APCを選択するステップをさらに含み、選択されたAPCが、TCRポリペプチドを発現する前記1つまたは複数の操作された細胞のうちの前記操作された細胞を活性化する、方法。
  10. 前記複数のネイティブに対合したTCR鎖が、同時に、または単一の反応から識別される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記TCRポリペプチドが、第1のTCR鎖と第2のTCR鎖とをコードする外因性ポリヌクレオチド配列から発現され、ネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記複数の操作されたAPCのうちの各操作されたAPCが、異なる抗原をコードする外因性ポリヌクレオチド配列から発現される抗原ポリペプチドを含む、請求項4~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記操作されたAPCが、前記対象とマッチしたMHC遺伝子を発現するように操作される、請求項4~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記操作されたAPCが、K562細胞株に由来し、そして/または、前記TCRポリペプチドを発現する前記操作された細胞が、Jurkat細胞株に由来する、請求項4~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 請求項4~14のいずれかに一項に記載の方法であって、蛍光活性化セルソーティング(FACS)により、前記選択されたAPCを単離するステップをさらに含む、方法。
  16. 前記選択されたAPCによって提示される前記抗原ポリペプチドを決定するステップが、配列決定することまたは質量分析を含む、請求項4~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記操作された細胞が、内在性TCRポリペプチドを発現しない操作されたT細胞であるか、またはTCRノックアウト細胞であり、任意選択で、CD4またはCD8を発現する、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記選択されたAPCが、外因性レポーター遺伝子を含み、前記レポーター遺伝子が、蛍光タンパク質、細胞表面タンパク質、ルシフェラーゼレポーターシステム、IL-6、IL-12、IFNα、IL-23、IL-1、TNF、IL-10、CD80、CD86、MHCI、MHCII、CD11c、CD11b、CD8α、OX40-L、ICOS-1、またはCD40をコードする、請求項4~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記選択されたAPCの識別が、cDNAアレイ、mRNA検出、またはタンパク質検出により、前記レポーター遺伝子の発現についてアッセイするステップを含み、前記レポーター遺伝子の発現が、(a)前記APCによる前記操作された細胞の活性化、(b)前記APCに対する前記操作された細胞の反応性、または(c)前記操作された細胞上のCD28への、前記選択されたAPC上のCD80/CD86の結合を示す、請求項18に記載の方法。
  20. 前記レポーター遺伝子が、NOTCHシグナル伝達活性化の下流で、PI3K-AKTシグナル伝達活性化の下流で、NF-κB経路の下流で、または第2の受容体の下流で活性化され、ここで、前記第2の受容体は、前記操作された細胞によって分泌されるリガンドを結合した後に活性化され、前記リガンドの発現は、前記選択されたAPC上の合成NOTCH受容体の結合により誘導される、請求項18または19に記載の方法。
  21. 前記操作されたAPCが、内因性MHCポリペプチドを発現しない、請求項4~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記ネイティブに対合したTCR鎖の少なくとも1つのペアが、TCR-アルファ鎖およびTCR-ベータ鎖を含むか、または、TCR-ガンマ鎖およびTCR-デルタ鎖を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記選択されたAPCによって提示される前記抗原ポリペプチドが、疾患、がん、またはウイルス感染と関連する、請求項4~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記1つまたは複数の操作された細胞が、第1の対象由来の第1の複数の操作された細胞と、第2の対象由来の第2の複数の操作された細胞とを含み、前記複数の操作されたAPCが、第1の複数の操作されたAPCと第2の複数の操作されたAPCとを含む、請求項4~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 請求項24に記載の方法であって、前記第1の複数の操作された細胞を前記第1の複数の操作されたAPCに接触させるステップ、および、前記第2の複数の操作された細胞を前記第2の複数の操作されたAPCに接触させるステップを含む、方法。
  26. 前記第1の複数の操作されたAPCが、第1のMHC型を発現し、前記第2の複数の操作されたAPCが、第2のMHC型を発現する、請求項24または25に記載の方法。
  27. 前記第1の複数の操作された細胞が、前記第1の複数の操作されたAPCによって発現される前記第1のMHC型に特異的な第1のTCRポリペプチドを発現し、前記第2の複数の操作された細胞が、前記第2の複数の操作されたAPCによって発現される前記第2のMHC型に特異的な第2のTCRポリペプチドを発現する、請求項26に記載の方法。
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