本発明に基づくストリンガー20は、図1~図8に示すように構成され、ストリンガー20は、スナップ30と、撚り戻し40と、フック部(ストリンガー用フック部材、フック部材)50とを有している。なお、図3に示すように、ストリンガー20におけるスナップ30に紐部10を通した状態として、ストリンガーセット5が構成される。実際には、ストリンガーセット5には、複数のストリンガー20が紐部10に設けられる。
ここで、スナップ30は、支持板部32と、開閉部34と、開閉部36とを有し、逆U字状に形成された開閉部34は、支持板部32に対して開閉自在に形成され、開閉部36も、支持板部32に対して開閉自在に形成されている。開閉部34は、支持板部32における折返し状の掛止部32aに掛止することにより閉状態となり、掛止部32aへの掛止を解除することにより開状態となる。また、開閉部36も、支持板部32における折返し状の掛止部32bに掛止することにより閉状態となり、掛止部32bへの掛止を解除することにより開状態となる。開閉部34の開口部は、開閉部36の開口部よりも大きく形成されている。紐部10は、開閉部34に挿通して設けられている。
また、撚り戻し40は、略円柱状の本体部42と、本体部42に対して回転可能に軸支されている環状部44と、本体部42に対して回転可能に軸支されている環状部46とを有し、環状部44と環状部46とは、互いに本体部42の反対側に設けられている。なお、環状部44には、スナップ30の開閉部36が挿通されて、スナップ30と撚り戻り40とが連結されている。また、環状部46には、フック部50の環状部50が挿通されて、撚り戻し40とフック部50が連結されている。
また、フック部50は、被掛止部52と、湾曲部55と、縦棒状部(第1縦棒状部)56と、環状部57と、縦棒状部58(連結部第2構成部、第2縦棒状部)と、開閉部60と、固定部材70とを有している。ここで、被掛止部52と、縦棒状部56と、環状部57と、縦棒状部58と、開閉部60とは、全体に1本の金属製の線状部材(具体的には、ステンレス製の線状部材)により形成されている。該線状部材は、横断面が円形(略円形としてもよい)の線状部材である。
湾曲部55と縦棒状部56と環状部57と縦棒状部58とで、連結部53が構成され、湾曲部55と縦棒状部56とで、連結部第1構成部54が構成される。
被掛止部52は、線状部材の端部を略U字状に折り返すことにより形成され、横方向に形成されている。この被掛止部52は、開閉部60が掛止する被掛止部材として機能し、棒状の本体部52aと、本体部52aの端部に設けられ、略U字状の折返し部52bと、折返し部52bの先端から横方向に連設された先端部(第1先端部)52cとを有し、本体部52aと先端部52cとは略平行に形成され、先端部52cは、本体部52aよりも短く形成されている。
また、湾曲部55は、本体部52aと縦棒状部56を連結するものであり、線状部材が円弧状(略1/4円弧状)に湾曲して形成されている。
また、縦棒状部(第1縦棒状部)56は、被掛止部52の端部(つまり、湾曲部55の端部)から連設され、直線状の棒状を呈し、縦方向に形成されている。つまり、縦棒状部56は、被掛止部52(特に、本体部52a)に対して略直角方向に形成されている。
また、環状部(曲がり部(第1曲がり部としてもよい))57は、縦棒状部56の上側の端部から連設され、曲がり形状、具体的には、環状に形成されていて、内側に開口部57aが設けられている。この環状部57は、正面視において、縦棒状部56の上端から図示斜め右側に折れ曲がって直線状に伸びた後に反時計回りに環状に湾曲する形状を呈している。
また、縦棒状部58は、環状部57の他方の端部から連設され、直線状の棒状を呈し、縦方向に形成されていて、縦棒状部56に沿って平行に設けられている。この縦棒状部58は、環状部57を経て下方に伸びた形状の部分となる。縦棒状部56と縦棒状部58とは、固定部材70により一体に固定されている。この固定部材70は、金属製(具体的には、ステンレス製)の帯板状のカシメ部材であり、縦棒状部56と縦棒状部58を固定部材70により巻き付けてかしめることにより縦棒状部56と縦棒状部58とが互いに平行に接して束ねた状態で一体にしている。これにより、湾曲部55と縦棒状部56と縦棒状部58とにより縦方向に柱状部59を形成している。なお、環状部57は、この柱状部59に対して図示右方向に偏心して設けられているといえる。この固定部材70により縦棒状部56と縦棒状部58が一体に固定されているので、環状部57と連結されている撚り戻し40が略U字状部62側に移動してしまうのを防止することができる。
また、開閉部60は、縦棒状部58の下端から連設され、縦棒状部58の下端から下方に向けて設けられるとともに、上方に向けて湾曲する形状を呈し、略U字状部62と、棒状先端部(棒状部としてもよい。以下においても同じ)64とを有している。
略U字状部(第2曲がり部)62は、縦棒状部58の下端から連設され、略U字状に湾曲した形状を呈し、この略U字状部62が魚をフックする部分となる。開閉部60が被掛止部52に掛止する状態では、この略U字状部62と被掛止部52とで環状に形成される。つまり、略U字状部62は、縦棒状部58の下端から該下端よりも下側に向けて伸びる(つまり、下方に向けて伸びる)とともに、上方に向けて曲がって形成されている。
また、棒状先端部(第2先端部)64は、略U字状部62の他方の端部から連設され、略棒状を呈し、開閉部60を被掛止部52に掛止した状態では、棒状先端部64は、上下方向を向いて柱状部59(特に、縦棒状部56、58としてもよい)と略平行(平行としてもよい)になるように構成されている。この棒状先端部64の長さS1は、指で側方に押すことにより開閉部60を開閉することができる長さに形成されていて、例えば、縦棒状部56の長さS2と略同一(同一としてもよい)となっている。なお、開閉部60を被掛止部52に掛止した状態では、開閉部60における略U字状部62と棒状先端部64の境界位置が本体部52aと先端部52cの間に位置して被掛止部52(特に、折返し部52b)に接するようになっている。
また、この棒状先端部64は、開閉部60を被掛止部52に掛止した状態では、環状部57の下側の領域Rの内部に位置し、環状部57を上方から視認した場合には、この環状部57に棒状先端部64が隠れる状態となっている。また、特に、棒状先端部64の先端が環状部57の直下に位置して、棒状先端部64の先端の上方が、環状部57によりカバーされた状態となっている。なお、開閉部60を被掛止部52に掛止した状態において、棒状先端部64の全体が環状部57の下側の領域Rの内部に位置していなくても、棒状先端部64の先端が環状部57の下側の領域Rの内部に位置していればよい。
なお、棒状先端部64は、先端部分及び抜け防止部100以外は円柱状(略円柱状としてもよい)の周面を有し、棒状先端部64の先端部分には、軸線Jの方向に対して傾斜した平面状の先端面64Tが設けられている。つまり、棒状先端部64の先端部分は、斜めに欠切して尖った形状となっている。棒状先端部64の先端が尖っているので、棒状先端部64の先端を魚に容易に刺すことができる。
また、棒状先端部64には、抜け防止部100が設けられている。すなわち、抜け防止部100は、棒状先端部64における基端側の領域に設けられていて、具体的には、該基端側の領域において、開閉部60を被掛止部52に掛止した状態における開閉部60の被掛止部52(つまり、開閉部60の被掛止部52との掛止位置(接触位置))よりも先端側の位置(つまり、棒状先端部64の先端面64T側の位置)に抜け防止部100が設けられている。すなわち、開閉部60を開状態にする際には、棒状先端部64を柱状部59側に押し込むが、略U字状部62における棒状先端部64側の部分(例えば、位置Wよりも棒状先端部64側の部分)及び棒状先端部64が、斜め下方に回動し、その際、抜け防止部100が被掛止部52に近づくので、開閉部60を開状態にする際に、抜け防止部100が被掛止部52に接触しないように、開閉部60が被掛止部52に掛止して閉じた状態で、抜け防止部100と被掛止部52間には、距離L1が設けられている。つまり、距離L1は、開閉部60を開状態にする際に、抜け防止部100が被掛止部52に接触しない程度の長さである。
ここで、抜け防止部100は、棒状先端部64の正面側に設けられた前構成部101と、棒状先端部64の背面側に設けられた後構成部121とを有している。
前構成部101は、棒状先端部64の正面側に設けられた前凹部102と、前凹部102から正面側に突出して形成された前突状部110とを有している。
前凹部102は、棒状先端部64の軸線Jの方向に縦長の略楕円形状(楕円形状としてもよい)を呈し(つまり、楕円の長軸が軸線Jの方向となっている)、前凹部102は、棒状先端部64の円柱状の周面に対して窪んでいる。前凹部102は、前突状部110を介して左側(X1側)の前左凹部(前第1凹部)104と、前突状部110を介して右側(X2側)の前右凹部(前第2凹部)106とを有し、前左凹部104と前右凹部106は、ともに、回転楕円体(長球)の表面の一部と略同一の曲面を有している。
また、前突状部110は、平板状を呈し、先端側の端部は、円弧状(略円弧状としてもよい)を呈している。この前突状部110は、棒状先端部64の軸線Jと直角方向に突出し、棒状先端部64の円柱状の周面よりも外側に突出して形成され、前凸状部110は、該軸線Jの方向に沿って形成されている。つまり、前突状部110の先端と棒状先端部64の軸線J間の距離R2は、棒状先端部64の半径R1よりも大きく形成されている。
後構成部121は、棒状先端部64の背面側に設けられた後凹部122と、後凹部122から背面側に突出して形成された後突状部130とを有している。後構成部121は、前構成部101と前後対称(つまり、前後面対称)に形成されており、後凹部122は、前凹部102と前後対称(つまり、前後面対称)に形成され、後突状部130は、前突状部110と前後対称(つまり、前後面対称)に形成されている。
すなわち、後凹部122は、棒状先端部64の軸線Jの方向に縦長の略楕円形状(楕円形状としてもよい)を呈し(つまり、楕円の長軸が軸線Jの方向となっている)、後凹部122は、棒状先端部64の円柱状の周面に対して窪んでいる。後凹部122は、後突状部130を介して左側(X1側)の後左凹部(後第1凹部)124と、後突状部130を介して右側(X2側)の後右凹部(後第2凹部)126とを有し、後左凹部124と後右凹部126は、ともに、回転楕円体(長球)の表面の一部と略同一の曲面を有している。
また、後突状部130は、平板状を呈し、先端側の端部は、円弧状(略円弧状としてもよい)を呈している。この後突状部130は、棒状先端部64の軸線Jと直角方向に突出し、棒状先端部64の円柱状の周面よりも外側に突出して形成され、後凸状部130は、該軸線Jの方向(軸線Jと略平行な方向としてもよい)に沿って形成されている。つまり、後突状部130の先端と棒状先端部64の軸線J間の距離R3は、棒状先端部64の半径R1よりも大きく形成されている。
なお、前左凹部104を構成する曲面104aは、前突状部110の左側面側の面と直角をなし、後左凹部124を構成する曲面124aは、後突状部130の左側面側の面と直角をなし、曲面104a、124aは、左側面視においては、ともに円弧状(略円弧状としてもよい)となっている。
また、前右凹部106を構成する曲面106aは、前突状部110の右側面側の面と直角をなし、後右凹部126を構成する曲面126aは、後突状部130の右側面側の面と直角をなし、曲面106a、126aは、右側面視においては、ともに円弧状(略円弧状としてもよい)となっている。
また、前突状部110の先端と後突状部130の先端間の長さ(軸線Jに対する直角方向の長さ)R4は、被掛止部52の本体部52aと先端部52c間の長さ(前後方向の長さ)R5よりも長く形成されている。これにより、棒状先端部64における抜け防止部100形成位置を本体部52aと先端部52c間を通過させようとしても、前突状部110が先端部52cに接触するとともに後突状部130が本体部52aに接触するので、該形成位置が、本体部52aと先端部52c間を通過することができない。
この抜け防止部100は、棒状先端部64を構成する線状部材の抜け防止部100の形成箇所にプレス加工を行なうことにより形成されたものである。当該プレス加工に際しては、図9、図10に示す下型200と、図11に示す上型300からなる型が用いられる。
下型200は、基部210と、基部210の左右両側から上方に立設した左壁部220及び右壁部240とを有し、左壁部220と右壁部240の間には、線状部材を配置するための配置空間が設けられている。下型200は、左右対称に形成されているとともに、前後対称に形成されている。
基部210は、水平方向に設けられた板状を呈するベース部211と、ベース部211の上側に突出して設けられた受け部213とを有し、受け部213の上面には、内底面部212が設けられている。内底面部212は、底面側に凹んだ円弧状(略円弧状としてもよい)の曲面であり、具体的には、前後方向の中心線を有する円筒形状(略円筒形状としてもよい)の内周面の一部をなす。この前後方向の中心線は、図13の(d)(A)のように、下型200に線状部材が配置された状態で上型300を押し込んで抜け防止部100を形成した状態で、線状部材Sの中心K(左右方向及び上下方向の中心)を通る。この内底面部212は、下型200に線状部材が配置された状態で上型300を押し込んだ際に、線状部材Sの下側の周面を支える。なお、基部210の底面は、水平方向の平面状となっている。
左壁部(第1壁部)220は、基部210の左側部分から上方に立設して設けられ、左壁部220の内側の面(右壁部240側の面)においては、図10(f)に示すように、正面側に縦平面部222が設けられるとともに背面側に縦平面部223が設けられ、縦平面部222と縦平面部223の間には、縦凸面部(第1縦凸面部)224と横平面部(第1横平面部)225と縦凹面部(第1縦凹面部)226が設けられている。
縦平面部222と縦平面部223は、内底面部212の上端から連設され、基部210の底面の方向(水平方向)に対して直角の方向に形成され、縦平面部222と縦平面部223は、平面状を呈し、縦平面部222と縦平面部223は同一平面上に形成されている。縦平面部222と縦平面部223は、ともに、縦長の長方形状を呈している。なお、図10(f)における一点鎖線は、内底面部212と縦平面部222、223との境界を示す仮想線である。
また、縦凸面部224は、内底面部212から連設され、右壁部240側に膨出した円弧状(略円弧状としてもよい)の曲面であり、具体的には、上下方向の中心線を有する円柱形状(略円柱形状としてもよい)の外周面の一部をなし、縦凸面部224の上下方向の幅は同一に形成され、縦凸面部224における前後方向の中心位置が最も右壁部240側に膨出した形状となっている。
また、横平面部225は、縦凸面部224の上端から連設され、水平方向に形成された平面状を呈している。横平面部225は、縦凸面部224の上端の辺部(円弧状の辺部)と縦凹面部226の下端の辺部(円弧状の辺部)により囲まれた平面であり、平面視においては、レンズ形状を呈している。
また、縦凹面部226は、横平面部225と縦平面部222、223から連設され、左側面側に凹んだ円弧状(略円弧状としてもよい)の曲面(周面としてもよい)であり、具体的には、上下方向の中心線Mを有する円筒形状(略円筒形状としてもよい)の内周面の一部をなし、縦凹面部226の上下方向の幅は同一に形成され、縦凹面部226における前後方向の中心位置が最も左側面側に凹んだ形状となっている。なお、縦凹面部226の上下方向の長さは、縦凸面部224の上下方向の長さよりも長く形成されている。
左壁部220は上記のように形成されているので、左壁部220は、縦平面部222と縦平面部223の延長面よりも右側面側に突出した凸状部230と、該延長面よりも左側面側に凹んだ凹状部232とを有している。
なお、縦凸面部224の円弧状の曲率と、縦凹面部226の円弧状の曲率は、同一に形成され、横平面部225は、平面視において、左右線対称に形成されている。
また、左壁部220の内側の面以外の4つの面(正面側の面と背面側の面と上面側の面と左側面側の面)は、平面状に形成されている。
抜け防止部100の製造に際して、縦凸面部224により前左凹部104が形成され、縦凹面部226により前右凹部106が形成される。
また、右壁部(第2壁部)240は、左壁部220と左右対称(つまり、左右面対称)に形成されている。つまり、右壁部240は、基部210の右側部分から上方に立設して設けられ、右壁部240の内側の面(左壁部220側の面)においては、図10(g)に示すように、正面側に縦平面部242が設けられるとともに背面側に縦平面部243が設けられ、縦平面部242と縦平面部243の間には、縦凸面部(第2縦凸面部)244と横平面部(第2横平面部)245と縦凹面部(第2縦凹面部)246が設けられている。
縦平面部242と縦平面部243は、内底面部212の上端から連設され、基部210の底面の方向(水平方向)に対して直角の方向に形成され、縦平面部242と縦平面部243は、平面状を呈し、縦平面部242と縦平面部243は同一平面上に形成されている。縦平面部242と縦平面部243は、ともに、縦長の長方形状を呈している。縦平面部242は、縦平面部222と互いに平行に対向し、縦平面部243は、縦平面部223と互いに平行に対向している。なお、図10(g)における一点鎖線は、内底面部212と縦平面部242、243との境界を示す仮想線である。
また、縦凸面部244は、内底面部212から連設され、左壁部220側に膨出した円弧状(略円弧状としてもよい)の曲面であり、具体的には、上下方向の中心線を有する円柱形状(略円柱形状としてもよい)の外周面の一部をなし、縦凸面部244の上下方向の幅は同一に形成され、縦凸面部244における前後方向の中心位置が最も左壁部220側に膨出した形状となっている。
また、横平面部245は、縦凸面部244の上端から連設され、水平方向に形成された平面状を呈している。横平面部245は、縦凸面部244の上端の辺部(円弧状の辺部)と縦凹面部246の下端の辺部(円弧状の辺部)により囲まれた平面であり、平面視においては、レンズ形状を呈している。横平面部245は、横平面部225と同一平面上にある。
また、縦凹面部246は、横平面部245と縦平面部242、243から連設され、右側面側に凹んだ円弧状(略円弧状としてもよい)の曲面(周面としてもよい)であり、具体的には、上下方向の中心線Mを有する円筒形状(略円筒形状としてもよい)の内周面の一部をなし、縦凹面部246の上下方向の幅は同一に形成され、縦凹面部246における前後方向の中心位置が最も右側面側に凹んだ形状となっている。なお、縦凹面部246の上下方向の長さは、縦凸面部244の上下方向の長さよりも長く形成されている。
右壁部240は上記のように形成されているので、右壁部240は、縦平面部242と縦平面部243の延長面よりも左側面側に突出した凸状部250と、該延長面よりも右側面側に凹んだ凹状部252とを有している。
なお、縦凸面部244の円弧状の曲率と、縦凹面部246の円弧状の曲率は、同一に形成され、横平面部245は、平面視において、左右線対称に形成されている。
また、図9(b)に示すように、下型200を平面視した際に、縦凹面部226の上辺と縦凹面部246の上辺は、1つの円(中心線Mを中心とする円)の円周に略一致して形成されている。同様に、横平面部225の外側の辺部と横平面部245の外側の辺部も、1つの円(中心線Mを中心とする円)の円周に略一致して形成されている。
また、右壁部240の内側の面以外の4つの面(正面側の面と背面側の面と上面側の面と右側面側の面)は、平面状に形成されている。
抜け防止部100の製造に際して、縦凸面部244により後左凹部124が形成され、縦凹面部246により後右凹部126が形成される。
左壁部220と右壁部240は、上記のように形成されているので、縦凸面部224と縦凸面部244は左右対称(つまり、左右面対称)に形成され、縦凹面部226と縦凹面部246は左右対称(つまり、左右面対称)に形成されている。
なお、縦平面部222、223と縦平面部242、243間の長さL2は、線状部材の径(直径)と略同一に形成され、線状部材を下型200内に配置した場合には、線状部材が縦平面部222、223及び縦平面部242、243に接するか、あるいは、線状部材と縦平面部222、223間及び線状部材と縦平面部242、243間に僅かな間隔が設けられた状態となる。
次に、上型300は、図11に示すように、支持部302と、支持部302の下面から下方に連設された上型本体305と、支持部302の下面から下方に連設されるとともに、上型本体305の内周面から連設された押圧部310、320とを有している。
ここで、支持部302は、平面視四角形状の板状を呈し、少なくとも下面が平面状を呈し、該下面が水平方向を向いている。
上型本体305は、平面状の正面部305-1と、平面状の背面部305-2と、平面状の左側面部305-3と、平面状の右側面部305-4と、曲面状の内上面部305-5を有し、正面部305-1と背面部305-2は互いに平行となっている。左側面部305-3は、正面部305-1及び背面部305-2に直角をなし、押圧部310を挟んで前後両側に設けられ、2つの左側面部305-3は、同一平面上に形成されている。また、右側面部305-4は、正面部305-1及び背面部305-2に直角をなし、押圧部320を挟んで前後両側に設けられ、2つの右側面部305-4は、同一平面上に形成されている。
また、内上面部305-5は、正面部305-1と背面部305-2と左側面部305-3と右側面部305-4から連設され、上面側に凹んだ円弧状(略円弧状としてもよい)の曲面であり、具体的には、前後方向の中心線を有する円筒形状(略円筒形状としてもよい)の内周面の一部をなす。この前後方向の中心線は、図13の(d)(A)のように、下型200に線状部材が配置された状態で上型300を押し込んで抜け防止部100を形成した状態で、線状部材Sの中心K(左右方向及び上下方向の中心)を通る。この内上面部305-5は、下型200に線状部材が配置された状態で上型300を押し込んだ際に、線状部材Sの上側の周面に接する。
また、押圧部310と押圧部320は、左右方向に間隔を介して設けられ、ともに、上下方向に伸びた略柱状を呈している。
押圧部(第1押圧部)310は、外面部(第1外面部)312と、外面部312の下辺から連設された底面部(第1底面部)316と、底面部316の内側の辺部から上方に連設された内面部(第1内面部)314とを有している。外面部312と内面部314は、円弧状(略円弧状としてもよい)の曲面(周面)となっている。
外面部312は、押圧部310の外面をなし、その上辺は、支持部302に接し、両側の側辺は、上型本体305の左側面部305-3に接している。外面部312は、円弧状(略円弧状としてもよい)の曲面であり、上下方向の中心線Nを有する円柱形状(略円柱形状としてもよい)の外周面の一部をなし、該中心線Nは、縦凹面部226の内周面における中心線Mと一致(略一致としてもよい)し、外面部312の円弧状の曲率は、縦凹面部226の円弧状の曲率と同一(略同一としてもよい)であり、上型300が、下型200に対して上下動する際には、外面部312は、縦凹面部226に接しながら縦凹面部226に対して摺動する。
また、内面部314は、押圧部310の内面をなし、その上辺は、内上面部305-5に接し、該上辺の両側の端部は、内上面部305-5と左側面部305-3間の辺部に接している。内面部314は、円弧状(略円弧状としてもよい)の曲面であり、上下方向の中心線を有する円柱形状(略円柱形状としてもよい)の外周面の一部をなし、該中心線は、縦凸面部224の外周面における中心線と一致(略一致としてもよい)し、内面部314の円弧状の曲率は、縦凸面部224の円弧状の曲率と同一(略同一としてもよい)であり、上型300が、下型200に取り付けられた状態では、縦凸面部224の上下方向の延長面上に内面部314が位置する。
底面部316は、押圧部310の底面をなし、外側の辺部が外面部312の下辺に接し、内側の辺部が内面部314の下辺に接している。底面部316は、押圧部310の上下方向の中心線(押圧部310の外面部312の正面側の辺部と背面側の辺部を結ぶ平面上の上下方向の直線)(外面部312の外周面における中心線Nと平行な中心線)や中心線Nに直角な平面をなす。下型200に上型300を取り付けた状態では、底面部316は、横平面部225と平行をなし、線状部材を下型200に配置した状態で、上型300を下型200に対して押し込むことにより、底面部316と横平面部225間に前突状部110が形成される。
押圧部(第2押圧部)320は、押圧部310と左右対称(つまり、左右面対称)に形成されていて、押圧部320は、外面部(第2外面部)322と、外面部322の下辺から連設された底面部(第2底面部)326と、底面部326の内側の辺部から上方に連設された内面部(第2内面部)324とを有している。外面部322と内面部324は、円弧状(略円弧状としてもよい)の曲面(周面)となっている。
外面部322は、押圧部320の外面をなし、その上辺は、支持部302に接し、両側の側辺は、上型本体305の右側面部305-4に接している。外面部322は、円弧状(略円弧状としてもよい)の曲面であり、上下方向の中心線Nを有する円柱形状(略円柱形状としてもよい)の外周面の一部をなし、該中心線Nは、縦凹面部246の内周面における中心線Mと一致(略一致としてもよい)し、外面部322の円弧状の曲率は、縦凹面部246の円弧状の曲率と同一(略同一としてもよい)であり、上型300が、下型200に対して上下動する際には、外面部322は、縦凹面部246に接しながら縦凹面部246に対して摺動する。
また、内面部324は、押圧部320の内面をなし、その上辺は、内上面部305-5に接し、該上辺の両側の端部は、内上面部305-5と右側面部305-4間の辺部に接している。内面部314は、円弧状(略円弧状としてもよい)の曲面であり、上下方向の中心線を有する円柱形状(略円柱形状としてもよい)の外周面の一部をなし、該中心線は、縦凸面部244の外周面における中心線と一致(略一致としてもよい)し、内面部324の円弧状の曲率は、縦凸面部244の円弧状の曲率と同一(略同一としてもよい)であり、上型300が、下型200に取り付けられた状態では、縦凸面部244の上下方向の延長面上に内面部324が位置する。
底面部326は、押圧部320の底面をなし、外側の辺部が外面部322の下辺に接し、内側の辺部が内面部324の下辺に接している。底面部326は、押圧部320の上下方向の中心線(押圧部320の外面部322の正面側の辺部と背面側の辺部を結ぶ平面上の上下方向の直線)(外面部322の外周面における中心線Nと平行な中心線)や中心線Nに直角な平面をなす。下型200に上型300を取り付けた状態では、底面部326は、横平面部245と平行をなし、線状部材を下型200に配置した状態で、上型300を下型200に対して押し込むことにより、底面部326と横平面部245間に後突状部130が形成される。
図11(b)に示すように、上型300を底面視した際に、外面部312の下辺と外面部322の下辺は、1つの円(中心線Nを中心とする円)の円周に略一致して形成されている。
押圧部310と押圧部320は、上記のように形成されているので、内面部314と内面部324は左右対称(つまり、左右面対称)に形成されている。
以上のように、縦凸面部224の上下方向の延長面上に内面部314が位置するので、前左凹部104と前右凹部106が前突状部110を挟んで対称形状に形成され、縦凸面部244の上下方向の延長面上に内面部324が位置するので、後左凹部124と後右凹部126が後突状部130を挟んで対称形状に形成される。
また、縦凸面部224と縦凸面部244が左右対称に形成されているので、前左凹部104と後左凹部124は対称形状に形成され、内面部314と内面部324は左右対称に形成されているので、前右凹部106と後右凹部126は対称形状に形成される。
上記構成の下型200と上型300を使用して抜け防止部100を作成するには、以下のようにする。
すなわち、下型200の左壁部220と右壁部240の間の位置に線状部材を配置する。すなわち、図12(a)の状態の下型200における縦平面部222、223と縦平面部242、243の間の位置に線状部材を配置する(図12(b)参照)。線状部材S(つまり、線状部材における棒状先端部64となる部分)を下型200に配置した状態では、線状部材Sは、横平面部225の辺部(つまり、横平面部225と縦凸面部224間の辺部)と横平面部245の辺部(横平面部245と縦凸面部244間の辺部)に接した状態となる。具体的には、線状部材Sは、横平面部225の辺部の右側面側の端部と横平面部245の片部の左側面側の端部に接する。なお、線状部材Sの軸線は、内底面部212の方向に平行であるとともに、縦平面部222、223、242、243に平行となっている。
その後、左壁部220と右壁部240間の隙間に押圧部310、320を挿入する(図12(c)参照)。その際、上型300における外面部312は縦凹面部226に接し、外面部322は、縦凹面部246に接した状態となっていて、押圧部310において下型200に挿入された部分の左半分が、凹状部232内に配置され、押圧部320において下型200に挿入された部分の右半分が、凹状部252内に配置された状態となる。
そして、上型300を下型200に対して下方に移動させることにより、押圧部310、320により線状部材Sが下方に押し込まれるが、線状部材Sを下方に押し込むことにより、凸状部230、250により線状部材Sの下側に凹部が形成されるとともに、押圧部310、320により線状部材Sの上側に凹部が形成される(図13(d))。つまり、図12(c)(A)の断面図における下側を左側、上側を右側とし、左側を前側、右側を後側とした場合には、凸状部230により前左凹部104が形成され、凸状部250により後左凹部124が形成され、押圧部310により前右凹部106が形成され、押圧部320により後右凹部126が形成される。
また、線状部材における前左凹部104と前右凹部106の領域に存在した部分が、横平面部225と押圧部310により挟まれて平板状の部分となり、該平板状の部分が前突状部110となり、線状部材における後左凹部124と後右凹部126の領域に存在した部分が、横平面部245と押圧部320により挟まれて平板状の部分となり、該平板状の部分が後突状部130となる。
なお、縦凹面部226と外面部312が円弧状の曲面であるので、前突状部110の先端は円弧状となり、縦凹面部246と外面部322が円弧状の曲面であるので、後突状部130の先端は円弧状となる。
また、下型200の内底面部212は円弧状の曲面であり、上型300の内上面部305-5が円弧状の曲面であるので、上型300を下型200に押し込んだ際に、線状部材Sの周面で、抜け防止部100が形成された領域以外の領域は、円柱状の周面が維持されることになる。
なお、図12(a)(A)は、図12(a)(B)におけるG1-G1断面図であり、図12(b)(A)は、図12(b)(B)におけるG2-G2断面図であり、図12(c)(A)は、図12(c)(B)におけるG3-G3断面図であり、図13(d)(A)は、図13(d)(B)におけるG4-G4断面図である。
フック部50の全体の製造工程について説明すると、まず、線状部材をフック部を製造するために必要な長さに切断して、フック部50の形状に曲げ加工する(線状部材曲げ工程)。
その後、線状部材の先端(棒状先端部64となる部分の先端)を斜めに欠切して該先端を尖った形状にする斜め加工を行なう(斜め加工工程)。その後、線状部材の全体を研磨する(研磨工程)。
線状部材曲げ工程と斜め加工工程と研磨工程とで、フック部材素体形成工程(すなわち、被掛止部52と、被掛止部から連設され、他の連結部品と連結するための連結部53と、連結部から連設された開閉部60とを有し、被掛止部と連結部と開閉部は、線状部材により形成され、被掛止部が、線状部材を略U字状に折り返して横方向に形成され、被掛止部が、棒状の本体部52aと、本体部の端部から連設された折返し部52bと、折返し部52bの本体部52aとは反対側の端部から連設され、本体部52aと略平行に設けられた先端部52cとを有し、本体部52aと先端部52cは、前後方向に間隔を介して設けられ、連結部53が、曲がり形状の曲がり部を有し、本体部52aの折返し部52bと反対側の端部から連設され、本体部52aから上方に向けて伸びるとともに、該曲がり部(環状部57)を経て下方に伸びた形状を有し、曲がり部の内側に開口部57aが設けられ、開閉部60が、第2曲がり部(略U字状部62)と棒状先端部64を有し、第2曲がり部が、連結部53における該下方に伸びた形状の部分の下端から該下端より下側に向けて伸びるとともに、上方に向けて曲がって形成され、棒状先端部64が、第2曲がり部の連結部53とは反対側の端部から連設された直線棒状を呈し、開閉部60が本体部52aと先端部52cの間に位置して被掛止部52に掛止した状態では、棒状先端部64は、被掛止部52から上方に突出するフック部材素体を製造するフック部材素体製造工程)が構成される。つまり、抜け防止部100を形成する前の段階までの構成が、フック部材素体となる。
その後、線状部材の抜け防止部100の形成箇所にプレス加工を行なうことにより抜け防止部100を形成する(抜け防止部形成工程、プレス加工工程)。つまり、上記のように、下型200と上型300を用いて図12(a)~(c)に示す工程及び図13(d)に示す工程によりプレス加工を行って、抜け防止部100を形成する。
上記のように、下型200と上型300とでプレス加工することにより抜け防止部100を形成できるので、容易に抜け防止部100を形成することができ、被掛止部52からの抜け防止機能を持ったフック部50を容易に製造することができる。
その後、抜け防止部100を形成した線状部材に焼き入れを行ない(焼き入れ工程)、その後、固定部材70を取り付ける(固定部材取付け工程)。つまり、帯板状の金属製部材(具体的には、ステンレス製部材)を柱状部59に巻き付けてかしめることにより固定部材70を取り付ける。以上のようにして、フック部50が形成される。
上記構成のストリンガー20の使用方法について説明する。釣り上げた魚をストリンガー20に掛止する方法は、上記特許文献1に示す方法と同様であり、まず、開閉部60を開状態にする。すなわち、開閉部60の棒状先端部64を柱状部59側に押し込み、被掛止部52を構成する先端部52cの先端位置Pまで押し込んだら、棒状先端部64を本体部52a側とは逆側に若干移動させて、開閉部60に与えていた力を解除する。すると、開閉部60の被掛止部52への掛止が解除されて、開閉部60が開状態となる。例えば、柱状部59と棒状先端部64とを一方の手で摘んだ状態にし、その後、摘んだ手の力を抜くことにより、容易に開状態にすることができる。
その後、魚の口からエラの手前当たり、例えば、図14に示す位置に開閉部60の棒状先端部64の先端を刺して、開閉部60の略U字状部62に魚を掛止させる。
その後、開閉部60を被掛止部52に掛止させて開閉部60を閉状態とする。つまり、開閉部60の棒状先端部64を柱状部59側に押し込み、被掛止部52を構成する先端部52cの先端位置Pまで押し込んだら、棒状先端部64を本体部52a側に若干押し込み、開閉部60に与えていた力を解除することにより、開閉部60が被掛止部52に掛止される。例えば、柱状部59と棒状先端部64とを一方の手で摘んだ状態にし、その後、摘んだ手の力を抜くことにより、開状態とする場合と同様に容易に開状態にすることができる。
以上のようにして、フック部50への魚の掛止が完了して、図14に示す状態としたら、魚を潮だまり等に入れて生かしておく。
なお、図14に示す状態で、魚を潮だまり等に入れて生かしておくと、魚が、開閉部60(具体的には、略U字状部62)を引っ張ることにより、棒状先端部64が、被掛止部52側(つまり、図14の矢印に示す方向)に移動する場合があるが、棒状先端部64が被掛止部52側に移動しても、抜け防止部100が被掛止部52に接触する。つまり、前突状部110が先端部52cに接触するとともに、後突状部130が本体部52aに接触する。すると、抜け防止部100が被掛止部52に接触した後は、棒状先端部64がさらに被掛止部52の側に移動することができないので、棒状先端部64が被掛止部52から抜けてしまうおそれがない。
なお、本実施例のストリンガー20においては、棒状先端部64が設けられていて、棒状先端部64が指で操作できる長さに形成され、特に、縦棒状部56と略同一の長さに形成され、棒状先端部64が長く形成されているので、棒状先端部64を操作することにより開閉部60の開閉操作をすることができ、少ない力で容易に開閉操作をすることができる。つまり、上記のように、柱状部59と棒状先端部64とを手で摘むようにして操作することにより少ない力で容易に開閉操作をすることが可能となる。
また、棒状先端部64は、環状部57の下側の領域の内部に位置し、特に、棒状先端部64の先端が、環状部57の下側の領域の内部に位置するので、棒状先端部64の先端の上方が、環状部57によりカバーされた状態となっており、魚を水中から引き上げる際に、棒状先端部64の先端が他の物に引っかかるおそれを小さくすることができる。これにより、魚を水中から引き上げる際に、フック部50が水中で他の物に引っかかることにより魚を引き上げるのが困難となることがなく、また、開閉部60の掛止が外れて魚が逃げてしまうのを防止することができる。
また、本実施例のストリンガー20においては、棒状先端部64を操作することにより開閉部60を開閉できるので、ストリンガー20に掛止されている魚をストリンガー20から外す際に、棒状先端部64は魚から離れた位置にあるので、開閉部60の掛止を解除する際に操作者の手が魚に接触するおそれを少なくでき、魚に接触することにより怪我をする危険を防ぐことができ、安全に作業を行うことができる。
なお、前突状部110と後突状部130の先端は、円弧状(略円弧状)であり、曲面104a、124aの左側面視の形状と曲面106a、126aの右側面視の形状は、円弧状(略円弧状)であるとしたが、前突状部110と後突状部130の先端は、楕円弧状(略楕円弧状としてもよい)であり、曲面104a、124aの左側面視の形状と曲面106a、126aの右側面視の形状は、楕円弧状(略楕円弧状としてもよい)であるとしてもよい。
その場合には、下型200における縦凸面部224、244や縦凹面部226、246は、楕円弧状(略楕円弧状としてもよい)の曲面状に形成され、上型300における外面部312、322と内面部314、324は、楕円弧状(略楕円弧状としてもよい)の曲面状に形成されることになる。
なお、上記の説明においては、抜け防止部100は、前凹部102と前突状部110とを有する前構成部101と、後凹部122と後突状部130とを有する後構成部121とを有する構成であるとしたが、これには限られず、抜け防止部を平打ち加工によって扁平状に形成したものでもよい。
例えば、図15に示す変形例1の抜け防止部100Aは、棒状先端部(第2先端部)64の基端側の領域に設けられていて、扁平状に形成されている。すなわち、抜け防止部100Aは、棒状先端部64における先端側の部分である先端側部分64-1と基端側の部分の部分である基端側部分64-2を連結する本体部(抜け防止部本体部)405と、本体部405から正面側に突出して形成された前突状部410と、本体部405から背面側に突出して形成された後突状部430とを有し、抜け防止部100Aは、全体に平板状となっている。
なお、抜け防止部100Aは、抜け防止部100と同様に、棒状先端部64における基端側の領域において、開閉部60を被掛止部52に掛止した状態における開閉部60の被掛止部52(つまり、開閉部60の被掛止部52との掛止位置(接触位置))よりも先端側の位置に設けられている。
本体部405は、方形状の平板状を呈し、前突状部410の先端側の端部と後突状部430の先端側の端部は、略円弧状(円弧状としてもよい)に形成されている。抜け防止部100Aにおける両側の面(左側面側の面と右側面側の面)は面一の平面状に形成され、両側の面における一方の面は、同一平面に形成され、他方の面も、同一平面に形成されている。前突状部410と後突状部430は、棒状先端部64の周面よりも外側に突出していて、前突状部410は、棒状先端部64の周面から前突状部410の前後方向の長さF0-1分突出し、後突状部430は、棒状先端部64の周面から後突状部430の前後方向の長さF0-2分突出している。前突状部410と後突状部430は、図15に示すように、棒状先端部64の軸線Jの方向に沿って形成されている。
抜け防止部100Aにおいては、前突状部410の先端から後突状部430の先端までの長さ(つまり、抜け防止部100Aにおける線状部材Sの軸線方向と直角方向の最大幅)F0は、被掛止部52の本体部52aと先端部52c間の長さ(前後方向の長さ)R5よりも長く形成されていて、これにより、棒状先端部64における抜け防止部100形成位置を本体部52aと先端部52c間を通過させようとしても、前突状部410が先端部52cに接触するとともに後突状部430が本体部52aに接触するので、該形成位置が、本体部52aと先端部52c間を通過することができない。
なお、抜け防止部100Aは、棒状先端部64の左右方向における中間の位置に設けられ、棒状先端部64の左側面側の端部と右側面側の端部と等距離の位置に設けられている。つまり、抜け防止部100Aの左側面側の面と棒状先端部64の左側面側の端部間の長さF1と抜け防止部100Aの右側面側の面と棒状先端部64の右側面側の端部間の長さF2は同一(略同一としてもよい)に形成されている。これにより、抜け防止部100Aの左側面側には凹部440が設けられ、抜け防止部100Aの右側面側には凹部442が設けられる。なお、抜け防止部100Aの厚み方向の長さF3は、棒状先端部64の直径よりも短く形成されている。また、抜け防止部100Aは、全体に平板状であるとしたが、略板状であればよい。
なお、抜け防止部100の代わりに抜け防止部100A又は後述の抜け防止部100Bを設ける場合においても、被掛止部52と、縦棒状部56と、環状部57と、縦棒状部58と、開閉部60とは、全体に1本の金属製の線状部材により形成され、該線状部材の横断面が円形(略円形としてもよい)となっている。
抜け防止部100Aの製造に用いる型は、図16に示す下型1200と上型1300からなる型が用いられる。
下型1200は、基部1210と、基部1210の左右両側から上方に立設した左壁部1220及び右壁部1240とを有し、左壁部1220と右壁部1240の間には、線状部材を配置するための配置空間が設けられている。下型1200は、左右対称に形成されているとともに、前後対称に形成されている。
ここで、基部1210は、水平方向に設けられた板状を呈するベース部1211と、ベース部1211の上側に突出して設けられた一対の受け部1213と、一対の受け部1213の間の位置に設けられた凸状部1218とを有している。
受け部1213の上面には、内底面部1212が設けられている。内底面部1212は、底面側に凹んだ円弧状(略円弧状としてもよい)の曲面であり、具体的には、前後方向の中心線Rを有する円筒形状(略円筒形状としてもよい)の内周面の一部をなす。この前後方向の中心線Rは、図17の(b)(B)のように、下型1200に線状部材が配置された状態で上型300を押し込んで抜け防止部100Aを形成した状態で、線状部材Sの中心(左右方向及び上下方向の中心)を通る。この内底面部1212は、下型1200に線状部材が配置された状態で上型1300を押し込んだ際に、線状部材Sの下側の周面を支える。
また、凸状部1218は、前後一対の縦平面部1214と、縦平面部1214の上辺間に設けられた横平面部1216とを有し、縦平面部1214は、配置される線状部材Sの中心線Rの方向に対して直角をなす平面状であり、横平面部1216は、縦平面部1214に対して直角をなし、水平方向(ベース部1211の底面と平行な方向)に設けられている。横平面部1216は、平面視においては、正面側と背面側に直線状の辺部を有し、左側面側と右側面側に円弧状の辺部を有する。
なお、凸状部1218の高さは、抜け防止部100Aの左側面側の面と棒状先端部64の左側面側の端部間の長さF1と同一(略同一としてもよい)とする。
また、左壁部1220は、基部1210の左側部分から上方に立設して設けられ、左壁部1220の内側の面(右壁部1240側の面)においては、図16(b)に示すように、正面側に縦平面部1222が設けられるとともに背面側に縦平面部1223が設けられ、縦平面部1222と縦平面部1223の間には、縦凹面部(第1縦凹面部)1226が設けられている。縦平面部1222、1223は、内底面部1212の上端から連設されている。
縦凹面部1226は、横平面部1216と縦平面部1222、1223から連設され、左側面側に凹んだ円弧状(略円弧状としてもよい)の曲面であり、具体的には、上下方向の中心線Mを有する円筒形状(略円筒形状としてもよい)の内周面の一部をなし、縦凹面部1226の上下方向の幅は同一に形成され、縦凹面部1226における前後方向の中心位置が最も左側面側に凹んだ形状となっている。
左壁部1220は上記のように形成されているので、左壁部1220は、縦平面部1222と縦平面部1223の延長面よりも左側面側に凹んだ凹状部1232とを有している。
また、左壁部1220の内側の面以外の4つの面(正面側の面と背面側の面と上面側の面と左側面側の面)は、平面状に形成されている。
抜け防止部100Aの製造に際して、縦凹面部1226により前突状部410の先端の辺部が形成される。
また、右壁部1240は、基部1210の右側部分から上方に立設して設けられ、左壁部1220と左右面対称に形成され、右壁部1240の内側の面(左壁部1220側の面)においては、図16(a)に示すように、正面側に縦平面部1242が設けられるとともに背面側に縦平面部1243が設けられ、縦平面部1242と縦平面部1243の間には、縦凹面部(第2縦凹面部)1246が設けられている。縦平面部1242、1243は、内底面部1212の上端から連設されている。
縦凹面部1246は、横平面部1216と縦平面部1242、1243から連設され、右側面側に凹んだ円弧状(略円弧状としてもよい)の曲面であり、具体的には、上下方向の中心線Mを有する円筒形状(略円筒形状としてもよい)の内周面の一部をなし、縦凹面部1246の上下方向の幅は同一に形成され、縦凹面部1246における前後方向の中心位置が最も右側面側に凹んだ形状となっている。
右壁部1240は上記のように形成されているので、右壁部1240は、縦平面部1242と縦平面部1243の延長面よりも右側面側に凹んだ凹状部1252とを有している。
また、右壁部1240の内側の面以外の4つの面(正面側の面と背面側の面と上面側の面と右側面側の面)は、平面状に形成されている。
抜け防止部100Aの製造に際して、縦凹面部1246により後突状部430の先端の辺部が形成される。
次に、上型1300は、支持部1302と、押圧部1310と、押圧部1310の正面側に連設された押さえ部1320と、押圧部1310の背面側に連設された押さえ部1330とを有している。上型1300は、左右対称に形成されているとともに、前後対称に形成されている。
支持部1302は、平面視四角形状の板状を呈し、少なくとも下面が平面状を呈し、該下面が水平方向を向いている。
押圧部1310は、支持部1302の下面から下方に連設され、柱状を呈し、左右両側に縦凸面部1312、1314を有し、正面側と背面側に縦平面部1316、1318を有し、底面側に底面部1319を有している。
ここで、左側面側に設けられた縦凸面部(第1縦凸面部)1312は、左側面側に膨出した円弧状(略円弧状としてもよい)の曲面であり、具体的には、上下方向の中心線Nを有する円柱形状(略円柱形状としてもよい)の外周面の一部をなし、縦凸面部1312の上下方向の幅は同一に形成され、縦凸面部1312における前後方向の中心位置が最も左側面側に膨出した形状となっている。縦凸面部1312の円弧状の曲率は、縦凹面部1226の円弧状の曲率と同一(略同一としてもよい)であり、上型1300が、下型1200に対して上下動する際には、縦凸面部1312は、縦凹面部1226に接しながら摺動する。
また、右側面側に設けられた縦凸面部(第2縦凸面部)1314は、右側面側に膨出した円弧状(略円弧状としてもよい)の曲面であり、具体的には、上下方向の中心線Nを有する円柱形状(略円柱形状としてもよい)の外周面の一部をなし、縦凸面部1314の上下方向の幅は同一に形成され、縦凸面部1314における前後方向の中心位置が最も右側面側に膨出した形状となっている。縦凸面部1314の円弧状の曲率は、縦凹面部1246の円弧状の曲率と同一(略同一としてもよい)であり、上型1300が、下型1200に対して上下動する際には、縦凸面部1314は、縦凹面部1246に接しながら摺動する。
また、正面側に設けられた縦平面部1316は、支持部1302の下面に対して直角をなし、前後方向(下型1200と上型1300を組み合わせた際の中心線Rの方向)に対して直角をなす平面状を呈している。つまり、縦平面部1316は、正面側を向いている。なお、押圧部1310の正面側の面には、押さえ部1320が設けられているので、縦平面部1316は、押さえ部1320から下方に露出した領域となる。
また、背面側に設けられた縦平面部1318は、縦平面部1316と平行に設けられ、前後方向(下型1200と上型1300を組み合わせた際の中心線Rの方向)に対して直角をなす平面状を呈している。つまり、縦平面部1318は、背面側を向いている。なお、押圧部1310の背面側の面には、押さえ部1330が設けられているので、縦平面部1318は、押さえ部1330から下方に露出した領域となる。
また、底面部1319は、縦凸面部1312、1314及び縦平面部1316、1318から連設され、平面状を呈し、支持部1302の下面と平行な方向に形成されている。この底面部1319の形状・大きさは、横平面部1216と略同一であり、底面部1319の前後方向の長さは、横平面部1216の前後方向の長さと同一であり、底面部1319の左右方向の幅は、押圧部1310が縦凹面部1226、1246の間の位置で摺動するために縦凹面部1226と縦凹面部1246間の幅よりも若干小さく形成されている。
押圧部1310の上下方向の長さとしては、線状部材Sが下型1200に配置された状態で上型1300を押し込んで、内上面部1322が線状部材Sの上側の周面に接した際に、押圧部1310の底面部1319と横平面部1216間の長さが抜け防止部100Aの厚みとなるような長さに形成されている。
また、押さえ部1320は、支持部1302の下面から下方に連設されるとともに、押圧部1310の正面側から連設され、押さえ部1320の下面には、円弧状の周面によりなる内上面部1322が設けられ、凹状に形成されている。つまり、内上面部1322は、上面側に凹んだ円弧状(略円弧状としてもよい)の曲面であり、具体的には、前後方向の中心線Rを有する円筒形状(略円筒形状としてもよい)の内周面の一部をなす。この前後方向の中心線Rは、上記と同様に、図17の(b)(B)のように、下型1200に線状部材が配置された状態で上型1300を押し込んで抜け防止部100Aを形成した状態で、線状部材Sの中心(左右方向及び上下方向の中心)を通る。この内上面部1322は、下型1200に線状部材が配置された状態で上型1300を押し込んだ際に、線状部材Sの上側の周面に接する。
また、押さえ部1330は、支持部1302の下面から下方に連設されるとともに、押圧部1310の背面側から連設され、押さえ部1320の下面には、円弧状の周面によりなる内上面部1332が設けられ、凹状に形成されていて、内上面部1332は、上面側に凹んだ円弧状(略円弧状としてもよい)の曲面であり、具体的には、前後方向の中心線Rを有する円筒形状(略円筒形状としてもよい)の内周面の一部をなす。この内上面部1332は、下型1200に線状部材が配置された状態で上型1300を押し込んだ際に、線状部材Sの上側の周面に接する。押さえ部1330は、押さえ部1320と前後対称に形成されている。
押さえ部1320、1330の上下方向の長さは、押圧部1310の上下方向の長さよりも短く形成され、内上面部1322の上端と押圧部1310の下端間の長さF4は、線状部材Sの直径から抜け防止部100Aの厚みを減算した値の1/2となる。
上記構成の下型1200と上型1300を使用して抜け防止部100Aを作成する抜け防止部形成工程(平打ち加工工程としてもよい)は、以下のように行なう。なお、抜け防止部形成工程の前までに行われるフック部材素体形成工程は、上記抜け防止部100を備えたフック部材50のフック部材素体形成工程と同様に行なう。
すなわち、下型1200の左壁部1220と右壁部1240の間の位置に線状部材を配置する。すなわち、図17(a)に示すように、下型1200における縦平面部1222、1223と縦平面部1242、1243の間の位置に線状部材を配置する。線状部材S(つまり、線状部材における棒状先端部64となる部分)を下型1200に配置した状態では、線状部材Sの下端は、横平面部1216に接した状態となる。
その後、左壁部1220と右壁部1240間の隙間に押圧部1310及び押さえ部1320、1330を挿入する。その際、上型1300における縦凸面部1312は、縦凹面部1226に接し、縦凸面部1314は、縦凹面部1246に接した状態となる。
そして、上型1300を下型1200に対して下方に移動させることにより、押圧部1310により線状部材Sが下方に押し込まれるが、線状部材Sを下方に押し込むことにより、凸状部1218により線状部材Sの下側に凹部が形成されるとともに、押圧部1310により線状部材Sの上側に凹部が形成されて、上下に凹部が形成された領域が、平板状となって抜け防止部100Aとなる(図17(b)参照)。つまり、凸状部1218により線状部材の下側をプレスするとともに、押圧部1310により線状部材の上側をプレスすることにより平打ち加工が行われる。
なお、図17(a)(B)は、図17(a)(A)におけるI1-I1断面図であり、図17(b)(B)は、図17(b)(A)におけるI2-I2断面図である。
なお、縦凹面部1226と縦凸面部1312が円弧状の曲面であるので、前突状部410の先端は円弧状となり、縦凹面部1246と縦凸面部1314が円弧状の曲面であるので、後突状部430の先端は円弧状となる。つまり、前突状部と後突状部の先端を円弧状に形成することができる。
また、下型1200の内底面部1212は円弧状の曲面であり、上型1300の内上面部1322が円弧状の曲面であるので、上型1300を下型1200に押し込んだ際に、線状部材Sの周面で、抜け防止部100Aが形成された領域以外の領域は、円柱状の周面が維持されることになる。
なお、図15~図17に示す例では、抜け防止部100Aは、棒状先端部64の左右方向の中間の位置に設けられているとしたが、左右方向の一方の端部に設けられていてもよい。つまり、変形例2の抜け防止部100Bは、図18に示すように、棒状先端部64の左側面側の端部に設けられている。つまり、抜け防止部Bにおいては、抜け防止部100Bの左側面側には凹部は設けられておらず、右側面側のみに凹部442が設けられている。
抜け防止部100Bの構成は、抜け防止部100Aと同様であるので、詳しい説明を省略する。つまり、棒状先端部64における先端側の部分と基端側の部分を連結する本体部405と、本体部405から正面側に突出して形成された前突状部410と、本体部405から背面側に突出して形成された後突状部430とを有し、抜け防止部100Bは、全体に平板状となっている。
なお、抜け防止部100Bにおいても、前突状部410の先端から後突状部430の先端までの長さ(つまり、抜け防止部100Bにおける線状部材Sの軸線方向と直角方向の最大幅)F0は、被掛止部52の本体部52aと先端部52c間の長さ(前後方向の長さ)R5よりも長く形成されている。また、前突状部410と後突状部430は、図18に示すように、棒状先端部64の軸線Jの方向に沿って形成されている。
抜け防止部100Bの製造に用いる型は、図19に示す下型1200’と上型1300’からなる型が用いられる。
下型1200’は、抜け防止部100Aを製造するための下型1200と略同一であり、基部1210と、左壁部1220と、右壁部1240を有するが、凸状部1218が設けられていない点が異なる。すなわち、基部1210は、水平方向に設けられた板状を呈するベース部1211と、ベース部1211の上側に突出して設けられた一対の受け部1213とを有している。受け部1213の構成は、下型1200と同様であり、受け部1213の上面には、底面側に凹んだ円弧状(略円弧状としてもよい)の曲面からなる内底面部1212が設けられている。
また、ベース部1211における受け部1213が設けられていない領域には、平面状の横平面部1216が設けられている。この横平面部1216の高さ方向の位置は、内底面部1212の下端位置と同じ高さとなっている。
左壁部1220は、下型1200における左壁部1220と同様の構成であるが、凸状部1218が設けられていないので、縦凹面部(第1縦凹面部)1226の上下方向の長さが下型1200における縦凹面部1226よりも長く形成されている。左壁部1220の内側の面には、縦平面部1222、1223と縦凹面部1226が設けられている。
右壁部1240は、下型1200における右壁部1240と同様の構成であるが、凸状部1218が設けられていないので、縦凹面部(第2縦凹面部)1246の上下方向の長さが下型1200における縦凹面部1246よりも長く形成されている。右壁部1240の内側の面には、縦平面部1242、1243と縦凹面部1246が設けられている。
左壁部1220は上記のように形成されているので、左壁部1220は、縦平面部1222と縦平面部1223の延長面よりも左側面側に凹んだ凹状部1232とを有している。また、右壁部1240は上記のように形成されているので、右壁部1240は、縦平面部1242と縦平面部1243の延長面よりも右側面側に凹んだ凹状部1252とを有している。
次に、上型1300’は、抜け防止部100Aを製造するための上型1300と略同一であり、支持部1302と、押圧部1310と、押圧部1310の正面側に連設された押さえ部1320と、押圧部1310の背面側に連設された押さえ部1330とを有しているが、押圧部1310が、上型1300の押圧部1310よりも長く形成され、押さえ部1320、1330が、上型1300の押さえ部1320、1330よりも長く形成され、さらに、内上面部1322が押さえ部1320、1330の左右方向の端部にまで形成されている点が異なる。
すなわち、上型1300’における押圧部1310の上下方向の長さとしては、線状部材Sが下型1200に配置された状態で上型1300を押し込んで、内上面部1322が線状部材Sの上側の周面に接した際に、押圧部1310の底面部1319と横平面部1216間の長さが抜け防止部100Bの厚みとなるような長さに形成されている。押圧部1310において、押圧部1310の上下方向の長さが異なる点以外は、上型1300の押圧部1310と同様であるので、詳しい説明を省略する。
また、押さえ部1320、1330の下面には、円弧状の周面によりなる内上面部1332が設けられているが、抜け防止部100Bは、線状部材Sの径方向の端部側(下型1200’における下側)に設けられるので、内上面部1332は、線状部材Sの周方向における半周分の長さに設けられる。
また、押さえ部1320、1330の上下方向の長さは、押圧部1310の上下方向の長さよりも短く形成され、内上面部1322の上端と押圧部1310の下端間の長さF5は、線状部材Sの直径の長さとなる。
押さえ部1320、1330において、上記の点以外は上型1300の押さえ部1320、1330と同様であるので、詳しい説明を省略する。
上記構成の下型1200’と上型1300’を使用して抜け防止部100Bを製造する抜け防止形成工程は、抜け防止部100Aを製造する場合と同様であり、以下のように行なう。なお、抜け防止部形成工程の前までに行われるフック部材素体形成工程は、上記抜け防止部100を備えたフック部材50のフック部材素体形成工程と同様に行なう。
すなわち、下型1200’の左壁部1220と右壁部1240の間の位置に線状部材を配置する。すなわち、図20(a)に示すように、下型1200’における縦平面部1222、1223と縦平面部1242、1243の間の位置に線状部材を配置する。線状部材S(つまり、線状部材における棒状先端部64となる部分)を下型1200’に配置した状態では、線状部材Sの下端は、内底面部1212及び横平面部1216に接した状態となる。
その後、左壁部1220と右壁部1240間の隙間に押圧部1310及び押さえ部1320、1330を挿入する。その際、上型1300における縦凸面部(第1縦凸面部)1312は、縦凹面部1226に接し、縦凸面部(第2縦凸面部)1314は、縦凹面部1246に接した状態となる。
そして、上型1300’を下型1200’に対して下方に移動させることにより、押圧部1310により線状部材Sが下方に押し込まれるが、線状部材Sを下方に押し込むことにより、押圧部1310により線状部材Sの上側に凹部が形成されて、線状部材Sの上側に凹部が形成された領域が、平板状となって抜け防止部100Bとなるる(図20(b)参照)。つまり、押圧部1310により線状部材の上側をプレスすることにより平打ち加工が行われる。
なお、図20(a)(B)は、図20(a)(A)におけるK1-K1断面図であり、図20(b)(B)は、図20(b)(A)におけるK2-K2断面図である。
なお、縦凹面部1226と縦凸面部1312が円弧状の曲面であるので、前突状部410の先端は円弧状となり、縦凹面部1246と縦凸面部1314が円弧状の曲面であるので、後突状部430の先端は円弧状となる。
また、下型1200’の内底面部1212は円弧状の曲面であり、上型1300’の内上面部1322が円弧状の曲面であるので、上型1300’を下型1200’に押し込んだ際に、線状部材Sの周面で、抜け防止部100Bが形成された領域以外の領域は、円柱状の周面が維持されることになる。
なお、上記の抜け防止部100Bは、棒状先端部64の左側面側の端部に設けられているとしたが、棒状先端部64の右側面側の端部に設けてもよく、さらには、上記のように平打ち加工して形成される抜け防止部100A(100B)は、棒状先端部64の左側面側の端部から右側面側の端部までの任意の位置に設けてもよい。抜け防止部を棒状先端部64の左側面側の端部から右側面側の端部までのいずれの位置に設けるかは、下型1200における凸状部1218の高さに応じて決められる(なお、抜け防止部を棒状先端部64の左側面側の端部に設ける場合には、下型は、図19の下型1200’のようになるが、これは凸状部1218の高さを0とした場合といえる)。
なお、前突状部410と後突状部430の先端は、円弧状(略円弧状)であるとしたが、前突状部410と後突状部430の先端は、楕円弧状(略楕円弧状としてもよい)であるとしてもよい。その場合には、下型1200(1200’)における縦凹面部1226、1246は、略楕円弧状(楕円弧状としてもよい)の曲面状に形成され、上型1300(1300’)における縦凸面部1312、1314は、楕円弧状(略楕円弧状としてもよい)の曲面状に形成されることになる。
なお、上記の説明において、略U字状部62と棒状先端部64の境界位置が被掛止部52に接しているが、開閉部60を閉状態にした際に、該境界位置が、被掛止部52よりも下方にあり、棒状先端部64の下側が被掛止部52に接する構成としてもよい。その場合でも、開閉部60が被掛止部52に掛止した状態では、棒状先端部64は、被掛止部52から上方に突出している。
なお、図面において、Y1-Y2方向は、X1-X2方向に直角な方向であり、Z1-Z2方向は、X1-X2方向及びY1-Y2方向に直角な方向である。