JP3144968U - 帆立貝養殖用の係止ピン - Google Patents
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Abstract
【課題】帆立貝の耳片に設けた掛止孔に係止ピンの先端部の係止部を挿入し、抜止片で掛止孔から係止部の抜け出しを規制する際、係止ピンが180°回転して係止部が反転した状態において、係止ピンの抜止片の帆立貝耳片の掛止孔から抜け出すのを簡素な構造で確実に防止し、帆立貝の養殖を効率良く行わせるようにした帆立貝養殖用の係止ピンを提供する。
【解決手段】軸部2の先端部3に、軸方向後方に斜め上方に延出する抜止片5を備え、先端部が銛状で、その形状が略∠形の係合部を構成し、先端部の係合部を帆立貝9の耳片9aに穿設した掛止孔9bに挿通し、挿通後に抜止片5が立ち上がって掛止孔9b周辺部に抜止片5の先端部5cが当接し、抜止片5により掛止孔9bから係合部の抜け出しを防止するようにした抜止片5を備え、合成樹脂で形成した帆立貝養殖用の係止ピンであり、抜止片5の外側面(上面)に、外方(上方)に突出する抜止用突起8を設けた。
【選択図】図5
【解決手段】軸部2の先端部3に、軸方向後方に斜め上方に延出する抜止片5を備え、先端部が銛状で、その形状が略∠形の係合部を構成し、先端部の係合部を帆立貝9の耳片9aに穿設した掛止孔9bに挿通し、挿通後に抜止片5が立ち上がって掛止孔9b周辺部に抜止片5の先端部5cが当接し、抜止片5により掛止孔9bから係合部の抜け出しを防止するようにした抜止片5を備え、合成樹脂で形成した帆立貝養殖用の係止ピンであり、抜止片5の外側面(上面)に、外方(上方)に突出する抜止用突起8を設けた。
【選択図】図5
Description
本考案は、帆立貝の養殖に際し、帆立貝の係止ピンからの抜け出しを防止するようにした帆立貝養殖用の係止ピンの改良に関するものである。
図11は、帆立貝養殖における帆立貝の支持状態を示す説明図であり、(a)に示すように、海中に垂らしたロープ100に、係止ピン101をロープの長さ方向に対して、直交するように、ロープ100を貫通して装着し、係止ピン101は、ロープの長さ方向に所定ピッチ間隔を開けて多数本装着されており、図11の(a)では、図の状態で係止ピン101は上下方向に所定ピッチを開けて装着されている。
係止ピン101の軸部102の尖鋭な先端部103,103は、両端部で対称的な向きの∠状をなし、先端部103,103には、軸部の径方向外方に、軸方向内方に対称的に向かい合う傾斜した抜止片104,104を備える。抜止片104,104は、可撓性を有すると共に、径方向外方に傾斜する弾性を備える。軸部102の中間部には、この例では「ハ」形のロープの抜止部105,105を備える。
係止ピン100は、各部一体に合成樹脂で形成されている。
係止ピン101の軸部102の尖鋭な先端部103,103は、両端部で対称的な向きの∠状をなし、先端部103,103には、軸部の径方向外方に、軸方向内方に対称的に向かい合う傾斜した抜止片104,104を備える。抜止片104,104は、可撓性を有すると共に、径方向外方に傾斜する弾性を備える。軸部102の中間部には、この例では「ハ」形のロープの抜止部105,105を備える。
係止ピン100は、各部一体に合成樹脂で形成されている。
係止ピン101の両先端部103,103に、帆立貝110,110(稚貝)を耳片110a,110aに穿設した掛止孔111(図11の(b)以降を参照)を介して矢印のように通し、軸部102の両端部の小径部102a,102aに帆立貝の耳片の孔を臨ませ、この際、抜止片104,104は、耳片の掛止孔を矢印のように通す過程で小径部102a,102a方向に撓み、耳片110a,110aの孔を通る。耳片110a,110aの孔を通過後、抜止片104,104は復帰弾力により径方向外方に∠状に突出し、耳片110a,110aの掛止孔周辺部と当接し、帆立貝110,110の係止ピン101からの抜け出しを防止する。この状態が図11の(a)で示す状態である。
以上のように、帆立貝110,110は、ロープ100に係止し、海中に垂らした状態で養殖を行うが、潮流、ロープの揺れ、暴れ、帆立貝の生育の過程での運動や暴れ等により、係止ピン101が図11の(b)のように矢印方向に回転し、先端部103が(b)から180°回転し、同図(c)のように下向きとなる場合がある。
下向きとなった抜止片104は、帆立貝の重量によって先端部103が撓んで下方に湾曲することもあって、抜止片194の先端部が帆立貝110の掛止孔111周辺部の湾曲した外面に当接する。
この結果、湾曲面にガイドされて矢印のように撓曲し(図11の(c)参照)、抜止片104の先端部が掛止孔111の臨み(図11の(d)参照)、撓曲の進行で掛止孔111内に掛止片104が矢印のように侵入し(図11の(d),(e)参照)、帆立貝110の運動やロープ100の揺れにより、帆立貝110は、掛止孔111内において同図(e)のように動き、鎖線110Aで示したように、帆立貝は係止ピンから外れることとなる。
下向きとなった抜止片104は、帆立貝の重量によって先端部103が撓んで下方に湾曲することもあって、抜止片194の先端部が帆立貝110の掛止孔111周辺部の湾曲した外面に当接する。
この結果、湾曲面にガイドされて矢印のように撓曲し(図11の(c)参照)、抜止片104の先端部が掛止孔111の臨み(図11の(d)参照)、撓曲の進行で掛止孔111内に掛止片104が矢印のように侵入し(図11の(d),(e)参照)、帆立貝110の運動やロープ100の揺れにより、帆立貝110は、掛止孔111内において同図(e)のように動き、鎖線110Aで示したように、帆立貝は係止ピンから外れることとなる。
従来、上記した不都合を解決する手法として、出願人が提案した帆立貝養殖用の係止ピンが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−171862号公報
特許文献1の係止ピンは、先端部が∠状の係止ピンの抜止片を円弧状に湾曲させ、抜止片の先端部を掛止ピンの先端部方向に湾曲させるようにした構造である。
以上の特許文献1の係止ピンは、抜止片が樹脂の薄片で形成され、撓曲性を有すること等から、掛止した帆立貝耳片の掛止孔から撓んで抜け出しを防止する作用が充分とは言い難い。このため、同公報の図3、図4、図6に示すように、掛止孔(支持孔)を大径、小径の二段とし、大径部側から掛止孔への挿入を容易化し、小径孔を通して抜止片の抜け止めを阻止する構成である。
従って、帆立貝耳片への孔加工が面倒、煩雑であること、実際には、小径孔を設けても、抜止片の抜け出しは充分に阻止し難いこと等の不都合がある。
本考案は、以上の問題点を解決すべくなされたものである。
従って、帆立貝耳片への孔加工が面倒、煩雑であること、実際には、小径孔を設けても、抜止片の抜け出しは充分に阻止し難いこと等の不都合がある。
本考案は、以上の問題点を解決すべくなされたものである。
本考案は、帆立貝の耳片に設けた掛止孔に係止ピンの先端部の係止部を挿入し、抜止片で掛止孔から係止部の抜け出しを規制する際、係止ピンが180°回転して係止部が反転した状態において、係止ピンの抜止片の帆立貝耳片の掛止孔から抜け出すのを簡素な構造で確実に防止し、帆立貝の養殖を効率良く行わせるようにした帆立貝養殖用の係止ピンを提供することを課題とする。
請求項1に係る考案は、軸部先端部に、軸方向後方に斜め上方に延出する抜止片を備え、先端部が銛状で、その形状が略∠形の係合部を構成し、先端部の係合部を帆立貝の耳片に穿設した掛止孔に挿通し、挿通後に抜止片が立ち上がって掛止孔周辺部に抜止片の先端部が当接し、抜止片により掛止孔から係合部の抜け出しを防止するようにした抜止片を備え、合成樹脂で形成した帆立貝養殖用の係止ピンにおいて、前記抜止片の外側面(上面)に、外方(上方)に突出する抜止用突起を設けたことを特徴とする。
請求項2に係る考案は、請求項1において、前記抜止片に設けた前記抜止用突起は、抜止片の長さ方向に複数有することを特徴とする。
請求項3に係る考案は、請求項1または請求項2において、前記抜止片に設けた抜止用突起は、抜止片の長さ方向に離間して設けた複数の柱状突起であることを特徴とする。
請求項4に係る考案は、請求項1または請求項2において、前記抜止片に設けた抜止用突起は、抜止片の長さ方向に離間して設けた複数の切り起し片であることを特徴とする。
請求項5に係る考案は、請求項1または請求項2において、前記抜止片に設けた抜止用突起は、抜止片の長さ方向に設けた複数の山谷部からなる鋸歯状であることを特徴とする。
請求項6に係る考案は、請求項1または請求項2において、前記抜止片に設けた抜止用突起は、ローレット状の凹凸であることを特徴とする。
請求項7に係る考案は、請求項1〜請求項6の何れか1項において、前記抜止片は、軸部の両端部に備えることを特徴とする。
請求項8に係る考案は、請求項1〜請求項7の何れか1項において、前記抜止片の抜止用突起は、帆立貝の耳片に穿設した掛止孔からの抜け出しを阻止するように傾斜していることを特徴とする。
請求項9に係る考案は、請求項1〜請求項8の何れか1項において、前記軸部の軸方向中央部には、ロープの抜止片を有することを特徴とする。
請求項1に係る考案では、抜止片の外側面(上面)に、外方(上方)に突出する抜止用突起を設けたので、係止ピンが180°反転して帆立貝の掛止孔に抜止片の先端部が接し、帆立貝の外側面にガイドされて撓曲しても、抜止片の係止用突起が掛止孔に衝合し、掛止孔への侵入が阻止され、帆立貝の係止ピンからの抜け出しを防止することができる。
また、樹脂成形に際し、抜止片に掛止用突起を成形するので、成形容易に、安価に、抜け止め効果の高い帆立貝養殖用の係止ピンを得ることができる。
また、樹脂成形に際し、抜止片に掛止用突起を成形するので、成形容易に、安価に、抜け止め効果の高い帆立貝養殖用の係止ピンを得ることができる。
請求項2に係る考案では、抜止片に設けた抜止用突起は、抜止片の長さ方向に複数有するので、掛止孔に抜止片が臨んだ際、万一、一つの抜止用突起が掛止孔に侵入しても、次の抜止用突起が掛止孔の周辺部で踏ん張り、抜止片の掛止孔からの抜け出しを防止する。従って、高い抜け止め効果が得られる。
請求項3に係る考案では、抜止片に設けた抜止用突起を抜止片の長さ方向に離間して設けた複数の柱状突起としたので、柱状突起で掛止孔に対し高い抜け止め効果が得られ、また、柱状突起は複数設けられているので、一つの柱状突起が掛止孔に侵入しても、次の柱状突起が掛止孔の周辺部で踏ん張り、抜止片の掛止孔からの抜け出しを防止する。従って、高い抜け止め効果が得られる。
請求項4に係る考案では、抜止片に設けた抜止用突起を抜止片の長さ方向に離間して設けた複数の切り起し片で構成したので、切り起こし片の掛止孔周辺部や掛止孔に対する衝合で踏ん張り、高い抜け止め効果が得られるとともに、抜止片を厚肉に形成し、これに切り起こし片を形成すれば抜止用突起が得られるので、成形が容易で、安価に、抜け止め効果に優れる係止ピンが得られる。
請求項5に係る考案では、抜止片に設けた抜止用突起は、抜止片の長さ方向に設けた複数の山谷部からなる鋸歯状としたので、掛止孔の周辺部や掛止孔内で鋸歯状に引っ掛って高い抜け止め効果を得ることができる。
請求項6に係る考案では、抜止片に設けた抜止用突起をローレット状の凹凸としたので、掛止孔の周辺部や掛止孔内で凸部が引っ掛って高い抜け止め効果を得ることができるとともに、抜止片の外面に凹凸からなるローレット状部分を設けるだけなので、成形容易に、安価に、抜け止め効果の高い帆立貝養殖用の係止ピンを得ることができる。
請求項7に係る考案では、抜止片を軸部の両端部に備えるので、二つの帆立貝を、係止ピンの両端部に、高い抜け出し防止効果を確保しつつ掛止し得る係止ピンを得ることができる。
請求項8に係る考案では、抜止片の抜止用突起を、帆立貝の耳片に穿設した掛止孔からの抜け出しを阻止するように傾斜させたので、掛止孔からの抜け止めに際し、高い抜け止め効果が得られるとともに、高い抜け止め効果を、抜止用突起を傾斜させる、という簡素な構造で実現できる。
請求項8に係る考案では、軸部の軸方向中央部にロープの抜止片を有するので、係止ピン自身のロープからの抜け出し防止効果の高いものが得られる。
本考案を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は、本考案に係る帆立貝養殖用の係止ピンの単体を示す斜視図、図2は、単体として切り離す直前の状態を示す説明図である。
帆立貝養殖用の係止ピン(以下係止ピンと記す)1は丸棒状の軸部2の両端に尖鋭な先端部3,3を有し、両端の各先端部3,3の手前には、軸方向内方から先端部方向に傾斜部2a,2aを経て連続する小径部4,4を有する。
図1は、本考案に係る帆立貝養殖用の係止ピンの単体を示す斜視図、図2は、単体として切り離す直前の状態を示す説明図である。
帆立貝養殖用の係止ピン(以下係止ピンと記す)1は丸棒状の軸部2の両端に尖鋭な先端部3,3を有し、両端の各先端部3,3の手前には、軸方向内方から先端部方向に傾斜部2a,2aを経て連続する小径部4,4を有する。
小径部4,4の先部から軸方向外方、即ち先端部方向に軸部2と同径となり、形状が>(反対側では<)の形状とした尖鋭な先端部3,3に繋がる。
小径部4,4の先端部から径方向外方に起き上がり、且つ軸方向内方に傾斜した抜止片5,5が両端部で対称に設けられている。
これにより、軸部の両端部に、尖鋭な先端部3及び抜止片5等からなる∠状の係合部が、対称に形成される。
上記の抜止片5,5は、各基部5a,5aは、先端部3,3の上流部で、軸部と同径の先部3a,3aに連続し、実施の形態では、若干軸方向内方に向かいつつ外方に湾曲して形成さている(図3も参照)。
小径部4,4の先端部から径方向外方に起き上がり、且つ軸方向内方に傾斜した抜止片5,5が両端部で対称に設けられている。
これにより、軸部の両端部に、尖鋭な先端部3及び抜止片5等からなる∠状の係合部が、対称に形成される。
上記の抜止片5,5は、各基部5a,5aは、先端部3,3の上流部で、軸部と同径の先部3a,3aに連続し、実施の形態では、若干軸方向内方に向かいつつ外方に湾曲して形成さている(図3も参照)。
以上の係止ピン1の軸部2の長さ方向中間部には、実施の形態では抜止片5,5と同側に突出する一対のロープ抜止片6,6を突設し、ロープ抜止片6,6は、実施の形態では「ハ」形に突設され、ロープ抜止片6,6間の間隔は、ロープの外径と略一致する。
図1は、切り離された係止ピン1の単体を示している。
以上の係止ピン1は、各部合成樹脂で、全一体に成形する。
図1は、切り離された係止ピン1の単体を示している。
以上の係止ピン1は、各部合成樹脂で、全一体に成形する。
係止ピン1は、図2に示したように、実施の形態では軸部2…(…は複数を表す。以下同じ)を平行に多数本所定ピッチ離間して並べ、係止ピン1…の各軸部2の軸方向に離間して設けた片状や紐状の連結片7,7…で、軸部2…相互を連結して成形する。
従って、図2に示したように、係止ピン1…は、図の上下方向に極めて多数本並べて成形されており、連結片7,7…を切断することで、係止ピン1…を取り出す。
従って、図2に示したように、係止ピン1…は、図の上下方向に極めて多数本並べて成形されており、連結片7,7…を切断することで、係止ピン1…を取り出す。
図3は、係止ピンの一方の先端部の拡大側面図、図4は、同平面図である。
係止ピン1の軸部2の両端の先端部3の軸方向の上流部には、前記した抜止片5は夫々設けられたが、該各帆立貝掛止片5,5の外面(上面)に、掛止用突起8…を突設する。
掛止用突起8…は、この実施の形態では山形をなし、抜止片5の上面において長さ方向に離間して3つ突設され、後面8aは、急角度後方(軸部の軸方向内方)に傾斜して起立し、後面8bは緩い角度同方向に傾斜している。
係止ピン1の軸部2の両端の先端部3の軸方向の上流部には、前記した抜止片5は夫々設けられたが、該各帆立貝掛止片5,5の外面(上面)に、掛止用突起8…を突設する。
掛止用突起8…は、この実施の形態では山形をなし、抜止片5の上面において長さ方向に離間して3つ突設され、後面8aは、急角度後方(軸部の軸方向内方)に傾斜して起立し、後面8bは緩い角度同方向に傾斜している。
実施の形態では、図4に示すように、抜止片5が、基部が幅が広く、先部(後端部)方向に幅が狭く設定されているので、掛止用突起8…は、抜止片5の基部から先部にかけて順次幅が狭くなるように設定した。
図5は、係止ピンの先端部である係止部に帆立貝を掛止し、係止ピンが反転した状態における抜止片の抜け止め作用を説明する図である。
この図に従って説明する。
9は帆立貝を示し、耳片9aに掛止孔9bが穿設されており、掛止孔9bに係止ピン1の係合部である尖鋭な先端部3を通し、同係合部の主要部である抜止片5を、該掛止孔9bに通す。
この図に従って説明する。
9は帆立貝を示し、耳片9aに掛止孔9bが穿設されており、掛止孔9bに係止ピン1の係合部である尖鋭な先端部3を通し、同係合部の主要部である抜止片5を、該掛止孔9bに通す。
掛止孔9bを抜止片5が通過する際、該掛止片5は可撓性を有するので小径部4方向に撓み、掛止孔9b内を通過する。通過の差異、抜止用突起8…が抵抗となるが、抜止用突起8…は、前記したように掛止孔9bに接する後面8bは上記した通り傾斜面であり、抜止用突起8…が撓曲性を有することもあって、小径部4方向に容易に撓み、円滑に、容易に掛止孔9b内を通過して、該掛止孔9b周辺部に、前記した図11(a)と同様に抜止片5の先部は当接し、一次的には係止ピンの両端の先端部3,3に、帆立貝を係止ピンの先端(両端)に掛止することとなる。
ところで、前記した通り係止ピン1は、ロープにロープ抜止片6,6によって係止され、保持されるが、前記した通り潮流、ロープの揺れ、暴れ、帆立貝の生育の過程での運動や暴れ等により、係止ピン1が回転し、先端部3が180°回転(反転)し、下向きとなる場合がある。
図5はこの状態を示し、下向きとなった抜止片5は、先端部5cが帆立貝9の外面9cに当接してこの湾曲面にガイドされて撓曲し、掛止孔9b方向に曲がり、先端部5cは掛止孔9bに臨む。
図5はこの状態を示し、下向きとなった抜止片5は、先端部5cが帆立貝9の外面9cに当接してこの湾曲面にガイドされて撓曲し、掛止孔9b方向に曲がり、先端部5cは掛止孔9bに臨む。
抜止片5の先端部5cの外面には、前記した通り抜止用突起8…が突出しており、先端部5cが若干掛止孔9bに臨んでも、抜止用突起8、図のように先ず1段目の抜止用突起8Aが掛止孔9bの周辺部に当接し、突っ張り作用で抜止片5の先端部5cの掛止孔9bへの侵入を阻止する。
このように、抜止用突起8の作用で、帆立貝耳片に設けた掛止孔9bから、抜止片5の抜け出しを阻止する。
このように、抜止用突起8の作用で、帆立貝耳片に設けた掛止孔9bから、抜止片5の抜け出しを阻止する。
ところで、万一、抜止片5の先部の撓みが大きくなり、1段目の抜止用突起8Aが掛止孔9b内に侵入したとしても、次の2段目の掛止用突起が同様の作用を行い、抜止片5の抜け出しを阻止する。
掛止用突起8は、このように多段に亘り抜け止め作用を行い、抜止片による帆立貝の係止ピンからの抜け止めを確実に行う。
掛止用突起8は、このように多段に亘り抜け止め作用を行い、抜止片による帆立貝の係止ピンからの抜け止めを確実に行う。
図6は、本考案に係る係止ピンの第2実施例を示す説明的斜視図である。
本実施例では、抜止片5の外面に設ける抜止用突起18…を基部が太く、先部が細い円錐台形状としたもので、実施の形態では、前記実施例と同様に3つ設けたものである。
本実施例においても、抜け止め作用を行うことは、前記した実施例と同様である。
本実施例では、抜止片5の外面に設ける抜止用突起18…を基部が太く、先部が細い円錐台形状としたもので、実施の形態では、前記実施例と同様に3つ設けたものである。
本実施例においても、抜け止め作用を行うことは、前記した実施例と同様である。
図7は、本考案に係る係止ピンの第3実施例を示す説明的斜視図である。
本実施例では、抜止片5の外面に、外面の一部を切り欠いて斜め外方に先端部が起き上がる切り起こし片類似のものを形成し、抜止用突起28…としたものである。
本実施例においても、抜け止め作用を行うことは、前記した実施例と同様である。
本実施例では、抜止片5の外面に、外面の一部を切り欠いて斜め外方に先端部が起き上がる切り起こし片類似のものを形成し、抜止用突起28…としたものである。
本実施例においても、抜け止め作用を行うことは、前記した実施例と同様である。
図8及び図9は、本考案に係る係止ピンの第4実施例を示す要部の側面図及び説明的斜視図である。
本実施例では、抜止片5の外面に、段部状に山形の突起38a…を、平行に長さ方向に複数設けて、鋸歯状の抜止用突起38としたものである。
本実施例においても、抜け止め作用を行うことは、前記した実施例と同様である。
本実施例では、抜止片5の外面に、段部状に山形の突起38a…を、平行に長さ方向に複数設けて、鋸歯状の抜止用突起38としたものである。
本実施例においても、抜け止め作用を行うことは、前記した実施例と同様である。
図10は、本考案に係る係止ピンの第5実施例を示す説明的斜視図である。
本実施例では、抜止片5の外面に、多数の凹凸からなるローレット状の抜止用突起48を設けたものである。
実施例では、ローレット状の凹凸は、交差する溝間に尖った突起を設けたものであるが、これに代え、細かく、凹凸が明確な山谷を平行にした鋸歯状のものであっても良い。
本実施例においても、抜け止め作用を行うことは、前記した実施例と同様である。
本実施例では、抜止片5の外面に、多数の凹凸からなるローレット状の抜止用突起48を設けたものである。
実施例では、ローレット状の凹凸は、交差する溝間に尖った突起を設けたものであるが、これに代え、細かく、凹凸が明確な山谷を平行にした鋸歯状のものであっても良い。
本実施例においても、抜け止め作用を行うことは、前記した実施例と同様である。
本考案に係る係止ピンは、帆立貝の養殖に好適する。
1…係止ピン、 2…軸部、 3…尖鋭な先端部、 5…抜止片、6…ロープ抜止片、 8,18,28,38,48…抜止用突起、9…帆立貝、 9a…耳片、 9b…掛止孔。
Claims (9)
- 軸部先端部に、軸方向後方に斜め上方に延出する抜止片を備え、先端部が銛状で、その形状が略∠形の係合部を構成し、先端部の係合部を帆立貝の耳片に穿設した掛止孔に挿通し、挿通後に抜止片が立ち上がって掛止孔周辺部に抜止片の先端部が当接し、抜止片により掛止孔から係合部の抜け出しを防止するようにした抜止片を備え、合成樹脂で形成した帆立貝養殖用の係止ピンにおいて、
前記抜止片の外側面(上面)に、外方(上方)に突出する抜止用突起を設けた、
ことを特徴とする帆立貝養殖用の係止ピン。 - 前記抜止片に設けた前記抜止用突起は、抜止片の長さ方向に複数有することを特徴とする請求項1に記載の帆立貝養殖用の係止ピン。
- 前記抜止片に設けた抜止用突起は、抜止片の長さ方向に離間して設けた複数の柱状突起であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の帆立貝養殖用の係止ピン。
- 前記抜止片に設けた抜止用突起は、抜止片の長さ方向に離間して設けた複数の切り起し片であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の帆立貝養殖用の係止ピン。
- 前記抜止片に設けた抜止用突起は、抜止片の長さ方向に設けた複数の山谷部からなる鋸歯状であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の帆立貝養殖用の係止ピン。
- 前記抜止片に設けた抜止用突起は、ローレット状の凹凸であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の帆立貝養殖用の係止ピン。
- 前記抜止片は、軸部の両端部に備えることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の帆立貝養殖用の係止ピン。
- 前記抜止片の抜止用突起は、帆立貝の耳片に穿設した掛止孔からの抜け出しを阻止するように傾斜していることを特徴とする請求項1〜請求項7何れか1項に記載の帆立貝養殖用の係止ピン。
- 前記軸部の軸方向中央部には、ロープの抜止片を有することを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の帆立貝養殖用の係止ピン。
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