以下、図面を参照して、本発明の集塵機の一実施形態とその変形例について説明する。その後、濾過機付き集塵機の一実施形態について説明する。以下に示す各実施形態は、集塵機、及び濾過機付き集塵機の一例にすぎず、本発明の技術的範囲は、これに限定されるものではない。
本実施形態の集塵機1は、図1に示したように、塵芥を含有する気体を吸引する吸引口を有するダクト11と、ダクト11の下方に設けられており、ダクト11から吸引された気体に含まれる塵芥を捕集する液体を貯留する第1貯留槽12と、第1貯留槽12を通過した気体に含まれる塵芥を捕集する液体を貯留する第2貯留槽13と、集塵機1の内部の気体を吸引して、吸引した気体を外部に排出するブロア14と、ブロア14の吐出側に設けられる排気ダクトとを有する。排気ダクトの端部は、排気音を低減して気体を集塵機1の外に排出する排気口として機能する。
第1貯留槽12では、ダクト11から吸引された塵芥のうち比重の大きい塵芥が捕集される。比重の大きい塵芥は、ダクト11の内壁に接触するなどして、弾き飛ばされて第1貯留槽12に貯留された液中に沈降して捕集される。第1貯留槽12に貯留する液体は、塵芥の比重、pH、粘性、極性などの物性に応じて選択すればよい。後述する第2貯留槽に貯留する液体についても同様である。例えば、液体として、水を使用することができる。
第1貯留槽12と第2貯留槽13とは、第1隔壁15によって仕切られている。第1隔壁15によって、第1貯留槽12に貯留された液体と、第2貯留槽13に貯留された液体とが混じり合わないようにされている。第1貯留槽12は、集塵機1の底板と、第1隔壁15と、集塵機1の左右の側壁と、集塵機の正面側の壁17とで構成される。第2貯留槽13は、集塵機1の底板と、第1隔壁15と、集塵機1の左右の側壁と、集塵機の背面側の壁16とで構成される。
第1隔壁15の上方には、集塵機の上下方向に沿って冤罪する第2隔壁18が配されている。第1隔壁15と第2隔壁18との間には、間隔19が設けられている。間隔19には、気体に含まれる液分を除去するための邪魔板として複数のアングル材20が配されている。第1貯留槽12で比較的に比重の大きい塵芥が除去された気体は、間隔19に配された複数のアングル材20の間を通って、第2貯留槽13に貯留された液体の上方の空間へと進む。
第2貯留槽13の上方には、図1及び図2に示したように、吸気口から吸引された気体と第2貯留槽13に貯留された液体との混合流を巻き上げる気液混合部21と、第2貯留槽の上方に配され、第2貯留槽13の一部を覆うカバー22とが配される。気液混合部21及びカバー22は、それぞれ、第2貯留槽13の一部を覆うように配される。本実施形態の集塵機1では、第2貯留槽13は、上述の第1隔壁15と第2隔壁18との間に設けられる間隔19と、後述する貫通孔23を除けば、気液混合部21とカバー22とによって、閉鎖された構造となっている。気液混合部21及びカバー22は、集塵機の左右の側壁に固定されている。カバー22の一端部は、集塵機の背面側の壁16に固定されている。第1隔壁15、及び第2隔壁18の両端部は、集塵機の左右の側壁に固定されている。後述する第3隔壁27、液切板24、25、26についても、同様である。
気液混合部21は、貯留槽に貯留された液体と、吸気口から吸引された気体とを、接触させ気液混合流を発生させて、当該混合流を巻き上げることができるものであればよい。本実施形態の集塵機1では、気液混合部21は、湾曲部を有する板状部材から構成されている。気液混合部21の両端部は、集塵機の左右の側壁に固定されている。板状部材の下端部は第2貯留槽13に貯留された液体の液面下に位置する。第1隔壁15と第2隔壁18との間に設けられる間隔19から吸気口から吸引された気体が噴き出されると、図2において円弧状の矢印で示したように、板状部材の下端部に沿って、気体が移動する際に、板状部材の上の液体を巻き込みながら、湾曲部に沿って上方に気体と液体との混合流が巻き上げられる。この際に、液体がミスト状の微細な粒子を含む液滴状に分散して、気体に含まれる塵芥と液体との接触面積が飛躍的に増大する。
気体に含まれる塵芥のうち、第1貯留槽12で捕集された塵芥に比して、比重が小さいものは、第2貯留槽13で発生した上記のミスト状の液体に捕捉される。また、比重が小さい塵芥のうちの一部は、板状部材の下端部で気体と液体が接触する際に、第2貯留槽13に貯留された液体によっても捕集される。
上記の気液混合部21の上方には、複数の液切板24、25、26が設けられる。下段に設けられる液切板24は、第2隔壁18から斜め下方に延在する。中段の液切板25は、集塵機1の背面側の壁16から斜め下方に延在する。上段の液切板26は、第3隔壁27から斜め下方に延在する。なお、第3隔壁27は、上述のダクト11が設けられる空間と、上段の液切板26よりも上の空間、すなわちブロア14が気体を吸引する空間とを隔てるものである。それぞれの液切板24、25、26には、端部を下方に屈曲させた形状の返しが設けれている。各液切板の傾斜と、返しとにより、液切がなされる。
下段の液切板24と気液混合部21との間には、間隔28が設けられる。この間隔28には、邪魔板として複数のアングル材29が配置される。気液混合部21によって巻き上げられた前記の混合流は、図2において右斜め下方向の矢印で示したように、複数のアングル材29の間から斜め下方に排出される。
第2貯留槽13の上方には、貫通孔23が設けられた板状のカバー22が設けられている。集塵機1の左右方向におけるカバー22の両端部は、集塵機の左右の側壁に固定されている。集塵機1の前後方向におけるカバー22の一端部は、集塵機1の背面側の壁16に固定されている。集塵機1の前後方向におけるカバー22の他端部は、気液混合部21に固定されている。これによって、気液混合部21、カバー22、集塵機1の内壁で構成される凹部30が形成されている。そして、この凹部30に後述する整流装置4が収納されている。上記のカバー22には、図2及び図5に示したように、第2貯留槽13に連通する貫通孔23が設けられている。貫通孔23には、図2に示したように、仕切部31として上端部が貫通孔23と連通し、下端部が第2貯留槽13と連通する管状部材が接続されている。仕切部31によって、貫通孔23の下の液面は区画されている。気液混合部21の下端部と第1隔壁との間の間隔19に吹き付けられた気体によって第2貯留槽13の液面は乱されやすくなる。貫通孔23の下方の液面は、仕切部31によって区画されているので、液面の乱れが波及しにくくなっており、貫通孔23から第2貯留槽13の液体が逆流しにくくなっている。
カバー22の上部には、図2及び図5に示したように、整流装置4が配置される。整流装置4は、整流板41を備えており、複数のアングル材29の間から斜め下方に排出される前記混合流を受けとめる。整流板41で受け止められた混合流は、整流板41に沿って、カバー22の上に流れ落ち、カバー22に設けられた貫通孔23を経て第2貯留槽13へと還流する。前記の混合流には、吸気口から吸引された塵芥が含まれている。塵芥は、液体と共に第2貯留槽13へと還流される。整流板41は、カバー22の上方へ突出し、間隙28の斜め下に配置される。
図14に示したように、整流装置4を省略した集塵機では、複数のアングル材29の間から排出された前記混合流は、吸気口から吸引された気体に押されて、集塵機の背面側の壁16を液体が伝うようにして、集塵機1の排気口へと押し出される。その結果、集塵機1の排気口から塵芥を含む液体が漏出し、環境中に塵芥が放出されてしまう。
本実施形態の集塵機1では、整流板41は、集塵機1の左右の側壁の間に延在する方形の板状部材であり、前記混合流を受ける面は、集塵機1の上下方向に沿って延在する。
本実施形態の集塵機1では、整流装置4は、整流板41の下端部に複数の支持体42を備える。図3及び図5に示したように、複数の支持体42は、整流板41を支持すると共に、整流板41の面の強度を補強する。複数の支持体42によって、整流板41を支えることによって、前記混合流が整流板41に当たった際に、整流板41を変形しにくくすることができる。複数の支持体42は、整流板41が延在する左右方向に直交する方向に所定の間隔を空けて配置されている。このため整流板41で受けた前記混合流が複数の支持体42の間を自由に通過して、前記貫通孔23を経て、第2貯留槽13へ円滑に還流することができる。
個々の支持体42は、図4に示したように、整流板41が延在する左右方向に、整流板41で受けた前記混合流を通過させる切欠部421を有する形状である。この切欠部421によって、整流板41の長手方向が延在する集塵機1の左右方向に沿って、前記混合流が自由に支持体42を通過することができる。これによって、前記混合流が、切欠部421及び前記貫通孔23を経て、第2貯留槽13へ円滑に還流することができる。
図4に示したように、支持体42は、整流板41が延在する左右方向に直交する方向に沿ってその長手方向が延在する板状の部材であり、長方形上の上部422と、上部422から下方に延びる3つの脚部423とを有している。各脚部423の間に切欠部421を有する形状である。
整流板41の左右方向における長さは、集塵機1の左右の側壁の間隔の長さに略同一である。また、左右方向に直交する方向における各支持体42の長さは、集塵機1の背面側の板と気液混合部21との間隔と略同一である。すなわち、整流装置4は、気液混合部21、カバー22、及び集塵機の内壁で構成される前記凹部30に内嵌めすることができる程度の寸法にされている。整流装置4は、溶接や接着剤などによりカバー22に対して固定せず、カバー22の上部に載置しておくだけでも、前記混合流を受けた際に整流装置4の位置がずれにくくなっている。
個々の支持体42には、整流板41が延在する左右方向に直交する方向に対して、所定の間隔を空けて複数の凹状の溝424が配されている。この溝424によって、整流板41固定する位置を多段に変更することが可能になっている。このため、整流板41と支持体42とは、着脱可能に構成されている。例えば、前記混合流に近い位置の溝424に整流板41を嵌めることも可能であるし、前記混合流から離れた位置の溝424に整流板41を固定することも可能である。前記混合流が噴出する位置は、吸気口から吸引される空気の流速、又は集塵機の容積などによって変化する。このような条件に合わせて、整流板41を固定する位置を変更することができる。
図4に示したように、左右方向に所定の間隔を空けて、整流板41にも凹状の溝411が設けられている。この溝411によって、前記混合流を整流板41で受けた際に整流板41や支持体42の位置が左右方向にずれることが防止される。前記溝424と溝411を嵌め合わせることで、整流板41と支持体42とは、左右方向と直交方向の双方への位置がずれないように固定することができる。
上記の整流装置4は、単独で使用した場合にも、吸気口から吸引する空気の流速を上昇させた場合に、排気口から液体や塵芥が漏出するのを防止することができる。また、上記の整流装置4は、例えば、図7に示した液切装置5又は図9に示した複数の屈曲部材6と組み合わせることで、吸気口から吸引する空気の流速をさらに上昇させることが可能になる。
液切装置5は、図6ないし図8に示したように、液切板24の上にガイド部材51をスペーサーとして固定し、前記ガイド部材51の上に板状部材52を固定した構成を有する。ガイド部材51の幅は、板状部材52の幅に比して小さい。液切板24と板状部材52の間には、ガイド部材51によって隙間が形成される。ガイド部材51は、傾斜した部分を備えている。上述の気液混合部21で発生したミストを含む気体と液体との混合流は、集塵機1の内部を浮遊して、板状部材52の表面に付着して液滴化する。付着した一部の液滴は、図8に示したように、板状部材52の上方から液切板24と板状部材52との間に侵入し、ガイド部材51の傾斜した部分によって、斜め下方へと案内される。板状部材52の下方からは、液切板24の下方から吸引された気体に押し上げられて液滴が昇ってくる。昇ってきた液滴は、板状部材52と液切板24との間に侵入し、ガイド部材51の傾斜した部分によって、斜め下方へと案内される。
上記のようにして、下方に案内された液滴は、液切板24の端部を3回折り曲げた凹形状を有する樋241に受けられる。樋241は、液切板24の裏面から表面へと、液滴が移動するのを妨げる働きも有する。
液切板24と板状部材52との間に形成される隙間の大きさは、空気中に含まれる液分の凝集や液分の集合が促される程度であることが好ましく、また、毛管現象により液滴が取り込まれやすくなる程度であることが好ましく、例えば、1~15mmであることが好ましく、3~5mmであることがより好ましい。
図9に示したように、中段の液切板25にも上記と同様に、ガイド部材51と板状部材52とを有する液切装置5が配されている。最も下方の液切板24では、樋241は集塵機1の背面側に突出する形状とされていた。中段の液切板25でも、樋251は集塵機1の背面側に突出する形状とされている。図9に示したように、液切装置5によって、下方へ案内された液滴は、液切板251から下方へ延びる壁部252を伝って落ちる。集塵機1の背面側の壁16と液切板251の裏面を伝ってきた液滴については、樋251に受けられる。これによって、液滴が液切板25の表面に移動するのが防止される。
中段の液切板25の上方には、集塵機1の背面側の壁16と隙間を空けた状態で複数の屈曲部材6が配置されている。詳細な原理は不明であるが、複数の屈曲部材6を背面側の壁16との間に隙間を空けた状態で配置することによって、図9に示したように、複数の屈曲部材6の間を気体が通り抜けて、背面側の壁16に沿って下方に流れる気体の流れが形成されるものと推測される。これによって、背面側の壁16に沿って、液滴が吸気された気体に押されて這い上がることが防止される。
吸気口から吸引された気体は、第1貯留槽12の上方、間隙19、気液混合部21、間隙28を通過する。そして、前記気体は、下段の液切板24と中段の液切板25との間隙、中段の液切板25と、上段の液切板26との間隙を通過して、ブロア14を経て、集塵機1の外へと排出される。
複数の屈曲部材6は、例えば、図11に示しように、縦方向に配される板状の屈曲部材6の取付部61に固定すれば、複数の屈曲部材6を一つのユニットとして扱うことが可能になる。これにより、組付け又は取り外しの作業が容易になる。複数の取付部61は、図11に示したように、板状の固定具62に固定してよい。これによりさらに扱いやすくなる。固定具62を用いる場合は、固定具62を集塵機1の正面側に位置するように配置する。
上記の実施形態の集塵機1では、整流板41の形状は、長方形である。整流板の形状は、方形に限定されず、例えば、台形、楕円形など、前記の混合流を受けることができる形状であればよい。
上記の実施形態の集塵機1では、支持体42の形状は、長方形状の板状である。
支持体の形状は、板状に限定されず、ブロック状、台形状、円柱状、円錐状など、整流板を支持することができる形状であればよい。
上記の実施形態の集塵機1では、支持体42を備える構成を例示した。支持体は、省略してもよい。支持体を省略する場合は、整流板が整流装置を構成する。その場合は、整流板を、例えば、カバーの上部に溶接等により固定してもよい。また、カバーを整流板と一体に構成してもよい。
上記の実施形態の集塵機では、気液混合部は湾曲部を有する円弧状の板材を使用した。気液混合部は、湾曲部を有するものに変えて、単一の角部を有するアングル形状の板状部材としてもよいし、複数の角部を有する多角状の板状部材としてもよい。
上記の実施形態の集塵機では、貫通孔23に連通される仕切部は、管状のものを使用した。仕切部の形状は、菅状に限定されず、第2貯留槽13と貫通孔23との間に配置された板状の部材で構成してもよい。板状の部材は、第2貯留槽13と貫通孔23の下方の空間との連通部を設けるとよい。
液切装置を構成する板状部材は、液切装置を上方から観察した際に、長方形状のアクリル板で構成したが、板状であればその材料や形状は特に限定されない。例えば、ステンレス鋼板、防錆塗装施した鉄板、又は合成樹脂板などで構成することができる。その形状は、例えば、情報から観察した際に方形状、楕円状、円状、又は台形状などにすることができる。
液切装置を構成するガイド部材は、帯状の板材を中ほどで屈曲させた形状のものを使用したが、その形状はこれに限定されない。例えば、図10に示したように、下方から上方へ傾斜する帯状の板材でガイド部材51bを構成した液切装置5bを使用してもよい。この場合、図10に矢印で示したように、液切板24と板状部材52との間の隙間に侵入した液滴は、斜め下方へと案内される。
上記の実施形態に係る集塵機1では、複数の屈曲部材は、単一の角部を備えるアングル材を複数個重ねた形状である。個々の屈曲部材は、断面が円弧状に湾曲したものを使用してもよい。
上記の実施形態に係る集塵機1では、カバーは、平坦な平板状であるが、これに限定されない。例えば、カバーの強度を向上させるために、曲げ加工による曲部を設けてもよい。
集塵機1で集塵することができる塵芥は、特に限定されないが、例えば、砂塵、ヒューム、鉄粉、オイルミスト、臭気成分、ウィルス、又は塗料の飛沫などが挙げられる。
上記の実施形態に係る集塵機は、第1貯留槽と第2貯留槽を備える構成とした。貯留槽の数は、一つにしてもよい。この場合、気液混合部及びカバーは、単一の貯留槽の上方に設けられ、それぞれ、貯留槽の一部を塞ぐ形状とする。
図1又は図6の集塵機では、液分を含む気体や塵芥が排気口から吐出されないように対策されているため、吸気する気体の流量を、従来に比して向上させることが可能である。そして、従来に比して流量を向上させても、排気口から液分を含む気体や塵芥が排気口から排出されるのを防止することができた。また、集塵機を小型化した場合でも、ブロアの流量を上げることにより、単位時間あたりに集塵機に取り込んで集塵することができる空気の量を増大することが可能になる。つまり、小型の集塵機でありながら、大型の集塵機と並ぶ程度の空気の処理量を稼ぐことが可能になる。
次に、上記の実施形態の集塵機1に濾過機81を付加した濾過機付き集塵機8について説明する。集塵機1の構成は、図1の例と同様であるので、説明を省略する。
図1の濾過機81は、汚れていない濾材を貯めておく第1部分と、汚れた濾材を排出するための第2部分と、第1部分と第2部分との間に展延された濾材82と、濾材を移動させる駆動部83と、第1部分と第2部分との間に展延された濾材82に塵芥を含有する液体を供給する給液部84とを備える。濾材82が汚れた際には、駆動部83によって、第1部分から汚れていない濾材を供給し、汚れた濾材を第2部分に排出可能に構成されている。そして、給液部84は、濾材に対して塵芥を含有する液体85を放散する構成を有する。なお、給液部は、濾材に対して塵芥を含有する液体を供給するものであればよく、液体を放散する構成に限定されない。例えば、濾液を滴下したり、濾液を流したりするもであってもよい。
濾材は、塵芥の粒子径にあわせて適切なものを使用すればよい。濾材としては、シート状のものを使用することが好ましく、例えばシート状の濾紙を使用すればよい。
第1部分は、汚れていない濾材82を貯めておくことができるものであればよい。図1の濾過機81では、第1部分は、濾材82を巻回して収納することができる第1ローラー86から構成される。第1ローラー86は、回転可能な状態で両端が後述する第1収納室861の内壁に支持されている。
図1の濾過機81では、第1ローラー86は、第1収納室861に格納されている。第1収納室861は、扉862によって開閉可能に構成されている。扉862を開閉し、第1ローラー86に新しい濾材を巻回することによって、濾材を補充することが可能になっている。
第1収納室861には、スリット871を有する隔壁が設けられている。この隔壁は、第1収納室861と、後述する濾過室87とを隔てる。第1ローラー86に巻回された濾材82は、スリット871を通って、後述する濾過室87へと供給される。
第2部分は、汚れた濾材82を排出することができるものであればよい。図1の濾過機81では、第2部分は、濾材82を貯めておくことができる第2収納室88から構成される。この構成に替えて、例えば、第2収納室88に汚れた濾紙を巻き上げる第2ローラー(図示略)を設けてもよい。第2ローラーは、回転可能な状態でその両端を第2収納室88の内壁に支持して、電動モーターなどの駆動源で回転させればよい。この場合は、電動モーターが濾材を移動させる駆動部として機能する。
第2収納室88には、スリット881を有する隔壁が設けられている。この隔壁は、第2収納室88と、後述する濾過室87とを隔てる。濾過室87にて濾過によって汚れた濾材82は、スリット881を通って、第2収納室88へと供給される。濾過室87から供給された汚れた濾材82は、第2収納室88の底部に載置され、順次蓄積されていく。第2収納室88は、扉882によって開閉可能に構成されている。扉882を開閉することによって、第2収納室88の底部に蓄積された汚れた濾材82を濾過機81から排出することができる。
第1収納室861と第2収納室88との間には、濾過室87が設けられる。濾過室87は、上記のスリット871、881を介して、第1収納室861と第2収納室88とそれぞれ連通している。濾過室87には、第3ローラー872と、第4ローラー873とが配されている。第3ローラー872及び第4ローラー873に濾材82を巻回することによって、濾材82が延びる方向を転換する。これによって、第1部分と第2部分との間に濾材82を展延する。第3ローラー872と第4ローラー873のそれぞれの両端は、濾過室87の壁面により回転可能な状態で支持されている。濾材82が延びる方向を転換するローラーの構成は特に限定されない。
濾過室87の第3ローラー872の上方には、第1部分と第2部分との間に展延された濾材82に塵芥を含有する液体21を供給する給液部84が配されている。図13の例では、給液部84は、複数の貫通孔841を有する中空の管から構成される。図13において矢印で示したように、濾過前の液体を給液部84の内部に供給すると、複数の貫通孔841から濾過前の液体が噴出して、第3ローラー872に巻回された濾材82に対して濾過前の液体が供給される。
本実施形態の濾過機81では、給液部84を中空な菅に複数の貫通孔を設けることによって構成したが、濾材に対して濾過前の液体を放散可能な構成であれば、他の構成を採用してもよい。例えば、放散用のノズルを利用する構成などが挙げられる。
第3ローラー872の外径は、第4ローラー873の外径に対して、比較的に大きく構成されている。第3ローラー872の外径を大きくすることによって、濾過前の液体が濾材82に対して放散される領域が大きくなるように構成されている。これによって、短時間で濾材82が目詰まりしないようにされている。濾過室87の底面874は、複数の貫通孔が設けられており、濾過室87と後述する貯留槽89とは、複数の貫通孔を介して連通する。これによって、濾過前の液体が濾材82の上に多量に溜まらずに下に抜けるようになっている。濾過室87の底面は、例えば、パンチングメタルを使用することによって形成することができる。
濾過室87の底面874の形状は、第3ローラー872と同様に円弧状となっており、第3ローラー872との間に隙間が形成されるものである。例えば、濾材82に目詰まりが生じた際には、濾材の上に濾過前の液体が溜まって、濾過前の液体の重みによって濾材82が下方に撓む。このときに円弧状の底面874が撓んだ濾材82を支えることによって、濾材82が濾過前の液体の重みで破断したりすることを防ぐことが可能になっている。
濾過室87には、濾材が目詰まりしたことを検知するセンサー875が配されている。また、第2収納室88のスリット881の下には駆動部83が配される。センサー875が濾材82に目詰まりが生じたことを検知すると、センサー875が信号を図示しない制御部(図示略)に送信し、制御部によって駆動部83を駆動させて、第1部分から汚れていない濾材82を濾過室87に供給すると共に、汚れた濾材を第2部分に排出することができるように構成されている。
センサーとしては、後述するポンプ90の吸引時の圧力を検知するセンサーを使用してもよいし、濾過前の液体の液位を検知するフローティングセンサーを使用してもよい。本実施形態の濾過機81では、センサーとして、濾過前の液体の液位を検知するフローティングセンサーを使用している。フローティングセンサーは、液位を検知して汚れた濾材82を排出することができるため、濾過前の液体の液位が過剰に上昇して濾過機81から溢れ出したり、駆動部83などが液体に浸かってしまう事態を直接的に防止することができる。
フローティングセンサーを設ける位置は、濾材82の上側に設けることが好ましく、駆動部83など電気系の部品が設けられる位置よりも下で液位が上限に達したことを検知するように配置することが好ましい。また、フローティングセンサーを設ける位置は、汚れた濾材82を排出する際に過剰な液圧が濾材82に対してかからない程度の液位で上限に達したことを検知するように配置することが好ましい。
上述の駆動部83は、図10に示したように、例えば、第5ローラー831と第6ローラー832とから構成することができる。第5ローラー831と第6ローラー832とは、濾材82が通過できる程度の隙間を空けて配置されており、第5ローラー831及び第6ローラー832の内側(図1において矢印を付した方向)に回転する。これによって、汚れた濾材82を巻き取って、第2収納室88に収納することができる。第5ローラー831及び/又は第6ローラー832は、電動モーターなどによって駆動すればよい。
駆動部の構成は、特に限定されず、汚れた濾材を第2部分に排出し、汚れていない濾材を給液部に供給することが可能であればよい。そのため、上記のような第5ローラー831と第6ローラー832とから構成される駆動部83の構成に替えて、例えば、上述の通り、汚れた濾紙を巻き上げる第2ローラーを配するようにしてもよい。また、駆動部は、例えば、ハンドルを回転させることによってローラーを回転させて汚れた濾材を巻き取るようにしてもよい。
本実施形態の濾過機81では、上述の濾過室87の下方には、濾過後の液体を貯留する貯留槽89が設けられている。貯留槽は、濾過後の液体を貯留することができる構成であればよい。上述の通り、貯留槽89は濾過室87と連通しており、濾材82によって濾過された液が溜まる構造となっている。貯留槽89は、上述の第2収納室88と隣り合う位置関係となっている。貯留槽89と第2収納室88とは、隔壁によって隔てられている。そして、第2収納室88及び貯留槽89と、濾過室87と、第1収納室861とは、記載した順に下方から上方に向けて配置され、略角柱状の筐体に内蔵されている。このため、本実施形態の濾過機81は、コンパクトであり、省スペースである。
本実施形態の濾過機81の貯留槽89は、上方の部分に比べて下方の部分の容積が小さくなる形状である。具体的には、貯留槽89は、上方に幅広部を備えており、下方に狭小部を備えており、幅広部と狭小部とが連通する形状である。このような形状を備えているため、貯留槽に貯留される液体の量が小さいときには液位が高くなるようなっている。液量が小さいときにポンプで液を吸引する際にエアがポンプにかみにくいようになっている。上方は幅広部とすることによって、貯留槽33の容積が大きくなるようになっている。
本実施形態の濾過機の貯留槽89の底部分には、貯留槽89に貯留された液体を吸引するポンプ90が接続される。ポンプ90には濾過後の液体が供給されるため、塵芥がポンプ90に混入することに起因するポンプ90の損耗や故障を防ぐことができる。
本実施形態の濾過機81では、給液部84から濾材82に対してまんべんなく濾過前の液体が放散される。このため、濾材82の任意の箇所に濾過前の液体に含まれる塵芥が集中することが防がれる。すなわち、濾材に対する濾過前の液体の供給にむらができにくくなるため、濾材82の一部に濾過に貢献しない部分が生じることを防ぐことが可能になる。
濾過前の液体を貯留する槽の底面に濾材を敷いて濾過を行う場合は、濾材に大きな液圧がかかるという問題がある。濾材に目詰まりが生じるとさらに液位が上昇して濾材に作用する液体の圧力はさらに上昇する。このような状態で汚れた濾材を巻き取って汚れていない濾材を供給しようとすると、液圧によって濾材が損傷するおそれがあるという問題がある。本実施形態の濾過機81では、濾材に対する濾過前の液体の放散は、気中で行われる。そして、濾過は、濾材を濾過前の液体に浸漬した状態で行うのではなく、濾材に対して濾過前の液体を放散しながら行う。このため、濾材に対してそれほど大きな液圧は作用しない。汚れた濾材を第2部分に排出する際に、濾材に対して大きな液圧が作用することが防止されているから、濾過室87への汚れていない濾材の供給と、第2部分への汚れた濾紙の排出を円滑に行うことができる。
濾材82が目詰まりした際に液位が上昇しすぎないようにするために、フローティングセンサーが検知する液面の上限位置は、濾材にフローティングセンサーが干渉しない範囲で、濾材に対して近く設定することが好ましい。このようにすれば、液位が過剰に上昇する前に、汚れた濾材が第2収納室88に排出されるため、液位が過剰に上昇することを防ぐことが可能になる。
集塵機の第2貯留槽と濾過機の給液部は、第1経路94により、液密に接続されており、濾過機の貯留槽と集塵機の捕集槽とは、第2経路95により、液密に接続されており、第2経路95には、ポンプ90が配されている。第1経路、又は第2経路は、液密又は気密に構成された経路であればよく、合成樹脂材料で構成した配管、弾性を有する合成樹脂材料で構成した弾性配管、金属製の配管などが挙げられる。
以上のような濾過機81を、上記の集塵機1に組み合わせている。集塵機の稼働を続けると、第2貯留槽13に貯留された塵芥捕集用の液体に含まれる塵芥の濃度が上昇する。このまま放置すると、上述の通り、集塵機の排出口から塵芥が外気中に漏出する原因となる。しかし、濾過機81のポンプ90を作動させることによって、貯留槽89と第2貯留槽13とを接続する第2経路95を経て、貯留槽89に含まれる清浄な液体が集塵機1の第2貯留槽13に供給されると共に、第2貯留槽13と給液部84とを接続する第1経路94を経て、第2貯留槽13に貯留された液体が、給液部84から押し出されて濾材82で濾過される。濾過された液体は、貯留槽89へ移動し、上記経路を経て、再び第2貯留槽13へと搬送される。つまり、第2貯留槽13は、塵芥を捕集するための液体を循環させながら濾過できるように濾過機81と接続されており、第2貯留槽13の液体は集塵機1と濾過機81との間で循環させながら濾過されるため、第2貯留槽13の液体は塵芥の濃度が低い状態に維持される。これによって、排気口から塵芥が環境中に排出されることがより確実に防止される。これに加えて、上記の実施形態に係る集塵機1は、整流装置4と液切装置5と屈曲部材6とを備えるため、ブロアの流速を大きく上昇させても、塵芥や塵芥を含有する液分が排気口から排出されることを防ぐことができる。
濾過機81が濾過を継続すると、濾材82が塵芥で目詰まりしてくる。その際には、第1部分から汚れていない濾材82を濾過室87へと供給することにより、濾過の効率の低下を防いで、第2貯留槽13の液体を清浄に維持することができる。これによっても、塵芥や塵芥を含有する液分が集塵機の排気口から排出されることを防ぐことができる。