JP7334650B2 - 車両のスライドドア装置 - Google Patents
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Description
また、上下の相対移動機構は、スライド方向に延びる支持レールと、前記支持レールに嵌合して、その支持レールに沿って摺動可能な摺動子とを備えている。
このため、スライドドアの開閉ストローク量を希望する値にまで大きくできる。
以下、図1~図10に基づいて本発明の実施形態1に係る車両のスライドドア装置について説明する。本実施形態に係るスライドドア装置は、車両左側に設けられたスライドドア装置である。ここで、図中に示す前後左右、及び上下は、本実施形態に係るスライドドア装置を備える車両の前後左右、及び上下に対応している。
車両ボディ10の側面には、図2に示すように、前部座席に対応するフロントドア開口部11と、中央座席R1、及び後部座席R2に対応するリヤドア開口部12が形成されている。そして、フロントドア開口部11がドアヒンジ(図示省略)を中心に回動可能なフロントドア15により開閉可能に構成されている。また、リヤドア開口部12が、図1、図2に示すように、スライドドア40により開閉可能に構成されている。
車両ボディ10には、図2、図3に示すように、スライドドア40をスライド方向にガイドするアッパーガイドレール21とロアガイドレール22とセンターガイドレール23とが車両前後方向に延びるように設けられている。アッパーガイドレール21とロアガイドレール22とは、リヤドア開口部12の上下に設けられており、センターガイドレール23は、図1、図3に示すように、リヤドア開口部12の後側で車両ボディの外側面の高さ方向中央位置に設けられている。
アッパーガイドレール21は、図4に示すように、断面略逆U字形に形成されたレールであり、車両ボディ10のルーフサイド部160の下側に形成されたレール収納空間S1内に設けられている。レール収納空間S1は、車幅方向外側が開口部となるように断面略コ字形に形成されている。ルーフサイド部160は、アウタパネル161とインナパネル162とが互いのフランジ部161f,162fの位置で合わせられることで車両前後方向に延びる筒状に形成されている。また、ルーフサイド部160のインナパネル162における車幅方向内側の縦壁部162wには、図4に示すように、レール収納空間S1を形成する断面略L字形のL形パネル17が接合されている。
ロアガイドレール22は、図6に示すように、断面略逆U字形に形成されたレールであり、車両ボディ10のロッカー部180に形成されたレール収納空間S2内に設けられている。レール収納空間S2は、車幅方向外側が開口部となるように断面略コ字形に形成されている。ロッカー部180は、リヤドア開口部12の下辺部において車両前後方向に延びる筒状の骨格部材である。ロッカー部180は、ロッカーインナー181と、ロッカーアウター183と、そのロッカーアウター183の上部外側を覆うサイドアウター187とから構成されている。
センターガイドレール23は、図1、図3及び図10に示すように、車両ボディの外側面(意匠面)の高さ方向中央位置に設けられている。センターガイドレール23は、アッパーガイドレール21、及びロアガイドレール22よりも一定寸法だけ長くなるように形成されており、センターガイドレール23の後端部がバックランプユニット14のケース部14cの内側まで延びている(図10参照)。このため、バックランプユニット14のケース部14cには、中央部ローラーユニット33との干渉を避けるため、センターガイドレール23に沿って切欠14xが形成されている。
スライドドア40は、ドア本体部40mと、ドア本体部40mの上側に設けられた窓枠部40wとを備えている。そして、上記したように、スライドドア40の窓枠部40wの前端上部に、図3に示すように、上部ローラーユニット31が設けられており、スライドドア40のドア本体部40mの前端下部に下部ローラーユニット32が設けられている。また、スライドドア40のドア本体部40mの後端上部に、図10に示すように、中央部ローラーユニット33が設けられている。
上部ローラーユニット31は、スライドドア40の上部を支えた状態で、アッパーガイドレール21に沿って転動するユニットであり、図4、図5に示すように、上部相対移動機構50を介してスライドドア40の窓枠部40wの前端上部に取付けられている。上部ローラーユニット31は、図4に示すように、アッパーガイドレール21内を転動する水平な転動ローラ31rと、転動ローラ31rの軸心が縦向きになるように、その転動ローラ31rを回転自在に支持するブラケット部31bとから構成されている。そして、上部ローラーユニット31のブラケット部31bが上部相対移動機構50の支持レール51に固定されている。また、上部ローラーユニット31のブラケット部31bには、図5に示すように、スライドドア40が閉じられたときに車両ボディ10の位置決め孔(図示省略)と嵌合する位置決めピン31pが設けられている。
上部相対移動機構50は、上部ローラーユニット31をスライド方向に移動可能な状態でスライドドア40の窓枠部40wの前端上部に取付ける機構である。上部相対移動機構50は、上記した支持レール51と、その支持レール51に沿って摺動可能に連結された摺動子53とから構成されている。支持レール51は、直線状のレールであり、図5に示すように、スライド方向(車両前後方向)に延びている。そして、前記支持レール51の前端部に上部ローラーユニット31のブラケット部31bが固定されている。また、摺動子53は、図4に示すように、スライドドア40の窓枠部40wの上部所定位置に固定されている。これにより、上部ローラーユニット31は、スライドドア40に対してスライド方向に相対移動可能な状態に保持される。
下部ローラーユニット32は、スライドドア40の下部を支えた状態で、ロアガイドレール22に沿って転動するユニットであり、図6~図9に示すように、下部相対移動機構60を介してスライドドア40のドア本体部40mの前端下部に取付けられている。下部ローラーユニット32は、図6に示すように、ロアガイドレール22内を転動する水平な転動ローラ32rと、ロッカー部180の下部パネル186上を転動する荷重受けローラ(図示省略)と、転動ローラ32r、及び荷重受けローラを回転自在に支持するブラケット部32bとから構成されている。そして、下部ローラーユニット32のブラケット部32bが下部相対移動機構60のブラケット支持部62に固定されている。
下部相対移動機構60は、下部ローラーユニット32をスライドドア40に対してスライド方向に移動させる機構である。下部相対移動機構60は、図6~図8に示すように、上記したブラケット支持部62と、そのブラケット支持部62の外側面に設けられた複数本(図では3本)の支持レール63と、それぞれの支持レール63に沿って摺動可能に連結された摺動子64とを備えている。そして、前記摺動子64が、図6に示すように、スライドドア40(ドア本体部40m)のインナパネル43の下端部に固定されている。
中央部ローラーユニット33は、スライドドア40のドア本体部40mの上部を支えた状態で、センターガイドレール23に沿って転動するユニットであり、図10に示すように、ドア本体部40mの裏側上部に直接的に取付けられている。即ち、中央部ローラーユニット33は、スライドドア40のドア本体部40mに対して相対移動不能に保持されている。このため、相対移動機構50,60を介してスライドドア40に取付けられている上部、下部のローラーユニット31,32と比べて、相対移動機構が存在しない中央部ローラーユニット33は、その分だけ長いセンターガイドレール23が必要になる。このため、センターガイドレール23は、上記したように、アッパーガイドレール21、及びロアガイドレール22よりも一定寸法だけ長くなるように構成されている。
スライドドア40の開スイッチが操作されると、ドアロック(図示省略)が解除されてロッカー部180のレール収納空間S2に収納された前記駆動装置、及び駆動モータが動作し、スライドドア40が上部、中央部、及び下部のガイドレール21,22,23に沿って開方向(後方向)にスライドする。この状態で、スライドドア40内の下部相対移動機構60のモータ67が正転方向に駆動され、ラック65とピニオン66の噛合作用でブラケット支持部、及び下部ローラーユニット32が張り出し端位置まで前方に移動する(図8参照)。
本実施形態のアッパーガイドレール21、ロアガイドレール22が本発明のガイドレールに相当し、上部ローラーユニット31、下部ローラーユニット32が本発明のローラーユニットに相当する。また、上部ローラーユニット31の位置決めピン31pと下部ローラーユニット32の嵌合部材62xとが本発明のローラーユニットの嵌合部に相当する。さらに、上部相対移動機構50、及び下部相対移動機構60が本発明の相対移動機構に相当する。また、下部相対移動機構60のモータ67が本発明のスライドドア内蔵モータに相当する。
本実施形態に係るスライドドア装置によると、上下の相対移動機構50,60により上下のローラーユニット31,32とスライドドア40とがスライド方向に相対移動可能に保持されている。このため、例えば、スライドドア40を開く際、スライドドア40に設けられたローラーユニット31,32がガイドレール21,22の端部に到達した場合でも、スライドドア40は相対移動機構50,60の動作によりローラーユニット31,32に対してスライド方向に移動可能になる。即ち、ローラーユニット31,32に対してスライドドア40が移動可能な寸法だけ、スライドドア40のスライド量が増加する。これにより、リヤドア開口部12を広く開放できるようになり、リヤドア開口部12から後部座席への乗降性が向上する。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、ラック65とピニオン66の機構、及びモータ67により、下部ローラーユニット32とスライドドア40とを相対移動させる構成を例示した。しかし、ラック65、ピニオン66、及びモータ67を省略して、手動により下部ローラーユニット32とスライドドア40とを相対移動させる構成でも可能である。また、本実施形態では、中央部ローラーユニット33とスライドドア40とを直接的に連結する例を示した。しかし、中央部ローラーユニット33とスライドドア40とを相対移動機構を介して連結することで、センターガイドレール23を短く製作し、バックランプユニット14との干渉を避けることが可能になる。
12・・・・リヤドア開口部
21・・・・アッパーガイドレール(ガイドレール)
22・・・・ロアガイドレール(ガイドレール)
23・・・・センターガイドレール(ガイドレール)
31p・・・位置決めピン(嵌合部)
31・・・・上部ローラーユニット(ローラーユニット)
32・・・・下部ローラーユニット(ローラーユニット)
33・・・・中央部ローラーユニット(ローラーユニット)
40・・・・スライドドア
50・・・・上部相対移動機構
51・・・・支持レール
53・・・・摺動子
60・・・・下部相対移動機構
62x・・・嵌合部材(嵌合部)
63・・・・支持レール
64・・・・摺動子
65・・・・ラック
66・・・・ピニオン
67・・・・モータ
Claims (3)
- 車両ボディのドア開口部を開閉するスライドドアをスライド可能に保持する車両のスライドドア装置であって、
前記車両ボディのドア開口部の上下に設けられており、前記スライドドアのスライドをガイドする上下のガイドレールと、
前記スライドドアの上下に設けられており、前記上下のガイドレールに沿ってそれぞれ移動可能に構成された上下のローラーユニットと、
を有しており、
前記上下のローラーユニットと前記スライドドア間には、前記上下のローラーユニットと前記スライドドアとをそれぞれスライド方向に相対移動可能に保持する上下の相対移動機構が設けられており、
前記上下の相対移動機構は、スライド方向に延びる支持レールと、前記支持レールに嵌合して、その支持レールに沿って摺動可能な摺動子とを備えている車両のスライドドア装置。 - 請求項1に記載された車両のスライドドア装置であって、
前記ローラーユニットのブラケット部には、前記スライドドアが閉じられたときに、前記車両ボディの被嵌合部と嵌合する嵌合部が設けられている車両のスライドドア装置。 - 請求項1又は請求項2のいずれかに記載された車両のスライドドア装置であって、
前記スライドドアは、車両ボディ側のモータの駆動力を利用して前記車両ボディに対して移動する構成であり、
前記相対移動機構は、スライドドア内蔵モータの駆動力を利用して前記ローラーユニットを前記スライドドアに対して移動させる構成であり、
前記車両ボディ側のモータと前記スライドドア内蔵モータとが同時に駆動されるように構成されている車両のスライドドア装置。
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- 2020-02-18 JP JP2020024972A patent/JP7334650B2/ja active Active
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