JP7334550B2 - シールド掘削機の掘進方向調整方法及びシールド掘進機の方向制御システム - Google Patents

シールド掘削機の掘進方向調整方法及びシールド掘進機の方向制御システム Download PDF

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Description

本発明は、シールド掘進機の掘進方向を制御するための、シールド掘進機の掘進方向調整方法及びシールド掘進機の方向制御システムに関する。
従来よりシールド掘進機は、コンピュータを利用した掘進方向の自動制御化が実現されており、高い掘進制度をもって作業を進めるべく、様々なシステムが検討されている。
例えば、特許文献1では、シールド掘進機に作用するジャッキ推力の作用力点を用いて、シールド掘進機の掘進方向を制御する、シールド掘進機の方向制御システムが開示されている。
具体的には、まず、シールド掘進機の正面視で、左右端に位置するシールドジャッキの伸縮量の差をストローク差、上下端方向のシールド掘進機の傾斜角度をピッチング角として設定し、所定区間だけ掘進して停止させたシールド掘進機において、現在のストローク差およびピッチング角を計測しておく。その一方で、現場職員が、次の所定区間の掘進作業に向けて、シールド掘進機を計画線形に沿って掘進させるための進行目標値を設定する。
方向制御システムは、進行目標値、現在のストローク差及びピッチング角と、実績に基づく回帰分析結果から、次の掘進作業でシールド掘進機を計画線形に沿って掘進させるために、適したジャッキ推力の作用力点として推奨する推奨力点を設定する。シールド掘進機のオペレーターは、この推奨力点を参照しつつシールド掘進機の性能や地盤状況を勘案し、最適な目標力点を決定し、これをシールド掘進機の制御装置に入力する。
すると、シールド掘進機の制御装置にシールドジャッキの自動制御機能が搭載されている場合、シールド掘進機は、掘進作業を再開するのみで、運転中のシールド掘進機に作用するジャッキ推力の実力点が目標力点を追従するよう、運転を自動制御される。
一方で、シールドジャッキの自動制御機能が搭載されていない場合、方向制御システムに格納されているジャッキパターンテーブルの中から、オペレーターが決定した目標力点に作用力点が最も近いジャッキパターンを、方向制御システムもしくはオペレーター自身が適宜選択する。そして、オペレーターは、選択されたジャッキパターンを用いて、運転中のシールド掘進機に作用するジャッキ推力の実力点が目標力点を追従するよう、シールド掘進機を運転する。
特開2019-82003号公報
トンネル施工では一般に、所定の作業時間内に実施する掘進予定範囲について、セグメントをリング状に組み立てた1リング分の全幅に相当する距離ごとに進行目標値を規定した掘進指示書を作成したうえで、この進行目標値に基づいてシールド掘進機による掘進作業を行っている。このため、1リング分の全幅に相当する距離を掘進した地点での実績値が進行目標値と合致しない場合には、次の掘進に向けて進行目標値を調整し、掘進方向の修正を図って後行の掘進作業を実施する手順を繰り返し、掘進指示書を満足するよう掘進予定範囲を掘進する。しかし、特許文献1には、このような進行目標値を調整する機能を有していないため、掘進指示書が作成された掘進予定範囲を掘進し終えた時点で、掘進指示書を満足しない事態が生じかねない。
また、特許文献1において、セグメントをリング状に組み立てた1リング分の全幅に相当する距離を掘進している途中段階で、シールド掘進機が掘進指示書に見合った掘進方向で掘進をしているか否かの確認作業を行う構成を有していない。このため、1リング分の全幅に相当する距離を掘進したのちに、実績値が進行目標値に合致していないことが判明することもあり得る。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、シールド掘進機を施工計画に基づく計画線形に沿って掘進させることの可能な、シールド掘削機の掘進方向調整方法及びシールド掘進機の方向制御システムを提供するものである。
かかる目的を達成するため、本発明のシールド掘進機の掘進方向調整方法は、シールド掘進機を、所定の掘進方向区間ごとに規定されているストローク差の進行目標値に追従させて掘進させるための、シールド掘進機の掘進方向調整方法であって、前記掘進方向区間中に、検証地点を複数設けるとともに該検証地点ごとに前記進行目標値に基づいて算定したストローク差の進行目標理論値を設定し、前記進行目標値に基づいて掘進方向を制御しつつ、前記シールド掘進機を掘進させ、前記検証地点に到達するごとに、前記シールド掘進機に係るストローク差検証地点実績値を計測し、計測した検証地点実績値が、前記進行目標理論値を満足しない場合に、前記検証地点実績値と前記進行目標値との差、掘進方向区間の距離、及び掘進方向区間の距離と掘進した距離との差に基づいて前記進行目標値の調整値を算出し前記進行目標値の調整値に基づいて掘進方向を制御しつつ、次の検証地点に向けて前記シールド掘進機を掘進させることを特徴とする。
上述する本発明のシールド掘進機の掘進方向調整方法によれば、掘進方向区間中に検証地点を複数設け、シールド掘進機が検証地点を通過するごとに、ストローク差にてシールド掘進機の姿勢及び掘進方向を確認するとともに、必要に応じて、進行目標値を調整し掘進方向の修正を図ることができる。これにより、シールド掘進機を、掘進方向区間ごとにあらかじめ規定した進行目標値に対してスムーズに追従させることができ、シールド掘進機を施工計画に基づく計画線形に沿って掘進させる際の精度を大幅に向上することが可能となる。
本発明のシールド掘進機の掘進方向調整方法は、前記シールド掘進機が、前記掘進方向区間を掘進するごとに、前記シールド掘進機に係るストローク差である区間終点実績値と、該区間終点実績値の累計値である実績値累計を計測し、該実績値累計が、先行して掘削した前記掘進方向区間ごとに規定されている前記進行目標値の累計値である目標値累計を満足しない場合に、前記実績値累計に基づいて、後行して掘進する前記掘進方向区間に規定されている前記進行目標値のストローク差を調整し、調整した後行の前記進行目標値に基づいて掘進方向を制御しつつ、前記シールド掘進機を掘進させることを特徴とする。
本発明のシールド掘進機の掘進方向調整方法によれば、掘進方向区間を掘進するごとに、ストローク差にてシールド掘進機の姿勢及び掘進方向を確認し、必要に応じて、次の掘進方向区間を掘進する際の進行目標値を調整し、掘進作業を行うことができる。これにより、例えば掘進指示書で、掘進予定範囲に複数の掘進方向区間ごとの進行目標値が規定されている場合に、掘進方向区間を掘進するごとに、先行の掘進によるズレを後行の掘進で相殺するよう掘進方向の修正を図ることができる。したがって、掘進予定範囲全体の掘進が終了した時点で掘進指示書を満足するように、シールド掘進機を掘進させることが可能となる。
本発明のシールド掘進機の方向制御システムは、シールド掘進機を、所定の掘進方向区間ごとに規定されているストローク差の進行目標値に追従させて掘進させるための、シールド掘進機の方向制御システムであって、前記シールド掘進機の稼働状況を監視する掘進管理/線形管理装置と、該掘進管理/線形管理装置に接続される方向制御装置と、を備え、前記掘進管理/線形管理装置は、少なくとも、前記掘進方向区間中に設定した複数の検証地点に前記シールド掘進機が到達するごとに、該シールド掘進機に係るストローク差検証地点実績値を計測して記録する機能を備え、前記方向制御装置は、前記検証地点実績値と、前記検証地点ごとに前記進行目標値に基づいて算定したストローク差の進行目標理論値とを比較する検証地点比較部と、前記検証地点実績値と前記進行目標値との差、掘進方向区間の距離、及び掘進方向区間の距離と掘進した距離との差に基づいて、前記進行目標値の調整値を算出する検証地点調整部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明のシールド掘進機の方向制御システムは、前記掘進管理/線形管理装置が、前記シールド掘進機が前記掘進方向区間を掘進するごとに、前記シールド掘進機に係るストローク差である区間終点実績値と、該区間終点実績値の累計値である実績値累計を計測して記録する機能を備え、前記方向制御装置は、前記実績値累計と、先行して掘削した前記掘進方向区間ごとに規定されている前記進行目標値の累計値である目標値累計とを比較する区間終点比較部と、前記実績値累計に基づいて、後行して掘進する前記掘進方向区間に規定されている前記進行目標値のストローク差を調整する区間終点調整部と、を備えることを特徴とする。
本発明のシールド掘進機の方向制御システムによれば、検証地点比較部で、シールド掘進機が検証地点を通過するごとにシールド掘進機の姿勢及び掘進方向を確認し、検証地点調整部で、進行目標値を調整し掘進方向の修正を図ることができる。また、区間終点比較部で、複数の掘進方向区間を掘進するごとにシールド掘進機の姿勢を確認し、区間終点調整部で、次の掘進方向区間を掘進する際の進行目標値を調整することができる。これにより、掘進途中の適宜のタイミングで掘進方向の修正を図ることができ、方向制御システムによる高精度な方向制御を行うことが可能となる。
本発明によれば、掘進方向区間を掘進するごと、及び掘進方向中に設けた複数の検証地点ごとで、進行目標値を適宜調整して進行方向の適切な修正を図ることができ、シールド掘進機を施工計画に基づく計画線形に沿って掘進させる際の精度を大幅に向上することが可能となる。
本発明の実施の形態におけるシールド掘進機及び方向制御システムを示す図である。 本発明の実施の形態におけるシールドジャッキ及びジャッキパターンを示す図である。 本発明の実施の形態におけるシールド掘進機の計画線形に対する逸脱量を示す図である。 本発明の実施の形態における方向制御装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態におけるシールド制御装置の操作盤上の選択画面を示す図である。 本発明の実施の形態における第1段階(掘進方向区間内)での掘進方向調整方法のフロー図である。 本発明の実施の形態における掘進方向区間内での進行目標値の調整事例を示す図である。 本発明の実施の形態における第2段階(掘進方向区間を掘進するごと)の掘進方向調整方法のフロー図である。 本発明の実施の形態における掘進指示書の例を示す図である。 本発明の実施の形態における掘進方向区間ごとの進行目標値の調整事例を示す図である。
本発明のシールド掘進機の掘進方向調整方法は、掘進途中の適宜段階でシールド掘進機の進行目標値に対する追従性を確認するとともに、必要に応じて進行目標値を調整し掘進方向の修正を図るものである。
以下に、本発明のシールド掘進機の掘進方向調整方法、及びシールド掘進機の方向制御システムの詳細を、図1~10を参照しながら説明するが、これに先立ち、シールド掘進機10、ジャッキ推力の作用力点P、掘進指示書、及び進行目標値について説明する。
シールド掘進機10は、図1(a)の側面図および図1(b)の正面図で示すように、先端面にカッターディスク25を備えた筒状の外殻体11と、外殻体11の内周面に沿って周方向に設けられる複数のシールドジャッキ14と、外殻体11の内部に装備されたコンピュータからなり、シールド掘進機10の駆動制御を実行するシールド制御装置15と、を備えている。
シールドジャッキ14は、左右対称に配置され、外殻体11の内部でセグメント3を組み立て形成したトンネル12の内壁面を覆う覆工体から掘進用の反力を得る。これにより、シールド掘進機10は、カッターディスク25を回転させつつ、覆工体を構成するセグメント13を掘進反力にして、シールドジャッキ14を伸張させる動作を繰り返すことで、地盤中を順次掘進していく。また、シールド掘進機10は、これら複数のシールドジャッキ14によってシールド掘進機10に作用するジャッキ推力の作用力点Pの位置により、その掘進方向が制御される。
作用力点Pは、図2(a)で示すように、複数のシールドジャッキ14のうち、シールド掘進機10の掘進に寄与するべく高圧なジャッキ圧が設定されるものと、掘進に寄与しない同調圧が設定されるものとの配置(ジャッキパターン)によりおおよその位置が決定される。したがって、これらの配置を適宜組み合わせることにより、シールド掘進機10に作用するジャッキ推力の作用力点Pにおける配置位置を変化させ、シールド掘進機10を所望の掘進方向に向けて掘進させる。
上述する構造のシールド掘進機10を用いてトンネル施工を実施するには、まず、現場職員が、例えば片番(昼勤、夜勤)ごとに、次の勤務時間内に実施する掘進予定範囲の掘進作業に向けて、図3(a)(b)で示すように、施工計画に基づく計画線形Lに沿ってシールド掘進機10を掘進させるための掘進指示書を作成する。
掘進指示書には、掘進予定範囲が複数の掘進方向区間に区分けされ、区分けされた掘進方向区間ごとにストローク差とピッチング角の進行目標値が規定されている。例えば、図9で示す掘進指示書では、掘進予定範囲が5区間に区分けされ、各区間ごとに施工計画を実現するための目標値となる進行目標値が規定されている。
なお、ストローク差は、図1(b)で示すように、シールド掘進機10の水平面内における左右方向の回転量であり、ピッチング角は、複数のシールドジャッキ14のうち、上下端に位置するシールドジャッキ14のストローク差から算出、あるいはシールド掘進機10に装備されている計測機器により測定される。
掘進指示書が作成されると、シールド掘進機10が掘進指示書に規定されている進行目標値を追従するよう、方向制御システム100を用いてシールド掘進機10の掘進方向を制御しつつ、シールド掘進機10を掘進させる。以下に、方向制御システム100の概略と方向制御システム100を用いてシールド掘進機10の掘進方向を制御する手順、及び推奨力点Rについて説明する。
シールド掘進機10の掘進方向を制御するには、まず、シールド掘進機10を掘進指示書で規定した進行目標値に追従して掘進させるために好適なジャッキ推力の作用力点Pとして推奨する推奨力点Rを算定する。推奨力点Rは、シールド掘進機10の方向制御システム100を用いて算定されるものであり、方向制御システム100は、図1(a)で示すように、掘進管理/線形管理装置20と、これに接続される方向制御装置30とを備えている。
掘進管理/線形管理装置20は、シールド掘進機10に装備された計測機器から得た掘進作業中の各種データの収集・計算・記録・蓄積を行うとともに、シールド掘進機10の稼働状況の監視するものである。また、シールド掘進機10の位置・姿勢、及び図3(a)(b)で示すような、施工計画に基づく計画線形Lに対する水平方向の逸脱量Dh及び鉛直方向の逸脱量Dp等を把握し、シールド掘進機10の線形管理を行う。
シールド掘進機10に装備された計測機器として、シールド掘進機10に自動測量機能が備えられている場合には、図1(a)で示すように、少なくともレーザー発振機16、光波距離計17、およびレーザーターゲット18が装備されている。また、自動測量機能が備えられていない場合は、水平方向はジャイロとストローク計により、垂直方向は水レベル計とピッチング計により、シールド掘進機10の位置の演算を実施する。
方向制御装置30は、図4で示すように、入力装置31、出力装置32、中央演算処理装置33、ファイル装置34、及びメインメモリ35とを備えている。入力装置31は、例えばキーボード、スキャナー、スイッチ等であり、出力装置32は、ディスプレイやプリンター等が挙げられる。中央演算処理装置33は、CPU、GPU、ROM、RAM及びハードウェアインタフェース等を有するコンピュータである。
また、ファイル装置34は、半導体メモリ又はハードディスクドライブ等からなる記憶装置であり、詳細は後述するが、少なくとも測量ファイル341、検証地点調整用ファイル342、区間終点調整用ファイル343、推奨力点設定用ファイル344等が格納されている。メインメモリ35は、中央演算処理装置33によって実行可能なプログラムやデータを一時的に格納するものであり、少なくも推奨力点設定部351、検証地点比較部352、検証地点調整部353、区間終点比較部354、区間終点調整部355が備えられている。
上記の方向制御システム100により、方向制御装置30の中央演算処理装置33がメインメモリ35に格納されている推奨力点設定部351の指令を受け、ファイル装置34の測量ファイル341に格納されているシールド掘進機10の計画線形Lに対する水平方向の逸脱量Dh及び鉛直方向の逸脱量Dpに係る情報や、推奨力点設定用ファイル344に格納されている情報、及び掘進指示書に規定されている進行目標値に基づいて、推奨力点Rを算定する。
なお、推奨力点Rを決定する方法の詳細は、特開2019-82003号公報に譲る。
そして、上述する構成の方向制御装置30は、図1(a)で示すように、多重伝送装置親局21および多重伝送装置子局22を介して、シールド掘進機10の内部に装備されているシールド制御装置15と接続されている。したがって、方向制御装置30の推奨力点設定部351にて算定された推奨力点Rは、多重伝送装置親局21を介してにシールド制御装置15に入力され、図5で示すように、シールド制御装置15の操作盤上の選択画面151に表示される。
シールド掘進機10のオペレーターは、シールド制御装置15の操作盤上の選択画面151に表示された推奨力点Rを参照しつつ、シールド掘進機10の性能や地盤状況、過去の経験等を勘案し、ジャッキ推力の目標力点Gを決定する。これをシールド制御装置15に入力すると、シールド制御装置15にシールドジャッキ14の自動制御機能が搭載されている場合には、シールド掘進機10の掘進作業を再開するのみで、運転中のシールド掘進機10に作用するジャッキ推力の実力点Eが、目標力点Gを追従するよう自動制御される。
また、シールドジャッキの自動制御機能が搭載されていない場合、方向制御システム100に格納されているジャッキパターンテーブル(図示せず)の中から、オペレーターが決定した目標力点に作用力点Pが最も近いジャッキパターンをシールド掘進機10のオペレーターが適宜選択する。そして、オペレーターは、選択したジャッキパターンを用いて、運転中のシールド掘進機10に作用するジャッキ推力の実力点Eが目標力点Gを追従するよう、シールド掘進機10を運転する。
上記の手順によるシールド掘進機10の掘進方向の制御は、掘進方向区間を掘進するごとに繰り返されるものであり、次に掘進する掘進方向区間の進行目標値に基づいて推奨力点Rを算定し、これを利用しながら、次の掘進方向区間を掘進する。
≪シールド掘進機の掘進方向調整方法≫
そこで、シールド掘進機10の掘進方向調整方法では、推奨力点Rを算定する前に掘進方向区間に到達するごとに、シールド掘進機10の掘進指示書に規定された進行目標値に対する追従性を確認する。そして、追従性に課題ありと判断された場合には、次の掘進方向区間の進行目標値を調整し、調整した進行目標値を用いて推奨力点Rを算定する。これにより、推奨力点Rを利用して次の掘進方向区間の掘進方向を修正し、先行の掘進でシールド掘進機10の掘進方向に計画線形Lに対するズレが生じていた場合にも、これを後行の掘進方向区間の掘進で相殺することを可能とした。
また、掘進方向区間に到達するまでの途中段階で、シールド掘進機10の進行目標値に対する追従性を確認し、追従性に課題ありと判断された場合には、追従性を高めるべく現行の進行目標値を調整し、調整した進行目標値を用いて推奨力点Rを算定する。これにより、推奨力点Rを利用して現行の掘進方向区間の掘進途中で掘進方向を修正し、掘進方向区間内でのシールド掘進機10における進行目標値に対する追従性を高めることとした。
以下に、シールド掘進機の掘進方向調整方法について、第1段階での掘進方向調整方法として、掘進方向区間に到達するまでの途中段階で調整する方法を、図6のフロー図にしたがって、方向制御システム100の詳細と併せて説明する。本実施の形態では、掘進方向区間が、セグメント13をリング状に組み立てた際の1リング分に相当する場合を事例とし、掘進方向区間の幅(掘進方向の長さ)が、セグメント全幅に相当するものとしている。
≪第1段階での掘進方向調整方法≫
<STEP1>
まず、図7で示すように、準備段階として掘進方向区間に検証地点を設けておく。本実施の形態では、掘進方向区間を掘進方向に等間隔で4分割し、掘進方向区間の終点を含める4地点を検証地点として設定する。また、掘進方向区間を掘進する際の進行目標値(ストローク差;左+8mm)を掘進方向区間の距離(セグメント13全幅)で分割し、検証地点ごとの累計値(掘進方向区間の幅で割った進行目標値を、掘進方向に進むごとに累計した値)を算出し、これを進行目標理論値(ストローク差)として設定する。以降、進行目標値及び進行目標理論値は、ストローク差を指す。
これを、方向制御システム100の入力装置31を介して方向制御装置30に入力すると、4つの検証地点各々において進行目標理論値が、現行の掘進方向区間の進行目標値とともに、ファイル装置34の検証地点調整用ファイル342に格納・蓄積される。また、検証地点調整用ファイル342には、掘進方向区間の距離(セグメント13の全幅)と、掘進方向区間の始点から4つの検証地点各々の距離を併せて格納しておく。
<STEP2>
方向制御装置30を用いて前述の方法により、現行の掘進方向区間の進行目標値(ストローク差;左+8mm)に基づいてジャッキ推力の推奨力点Rを算定する。推奨力点Rは、図5で示すような、シールド制御装置15における操作盤上の選択画面151に表示されるから、シールド掘進機10のオペレーターは、この推奨力点Rを参照しつつシールド掘進機の性能や地盤状況を勘案し、目標力点Gを決定する。また、この目標力点Gに最も近い作用力点Pを有するジャッキパターンを選択する。
<STEP3>
こののち、選択されたジャッキパターンを用いてシールド掘進機10を稼働させ、シールド掘進機10に作用する実力点Eが、オペレーターが決定した目標力点Gを追従するよう、シールド制御装置15によってシールド掘進機10を制御しつつ、現行の掘進方向区間を掘進する。
なお、シールド掘進機10により掘進方向区間を掘進する間、シールド掘進機10の位置・姿勢、その他施工計画に基づく計画線形Lに対する水平方向の逸脱量Dh及び鉛直方向の逸脱量Dp等、推奨力点Rを設定するために必要な情報等の各データは、シールド掘進機10に装備した前述の計測機器を用いて計測または算出されるごとに掘進管理/線形管理装置20に記録される。併せて、方向制御装置30に送信され、ファイル装置34の測量ファイル341もしくは推奨力点設定用ファイル344に格納・蓄積される。
シールド掘進機10が、検証地点1に到達したところで、掘進管理/線形管理装置20にて少なくとも、検証地点1におけるシールド掘進機10のストローク差を算定し、これを検証地点実績値として記録する。また、算定された検証地点実績値は、掘進管理/線形管理装置20から方向制御装置30に送信され、ファイル装置34の検証地点調整用ファイル342に格納・蓄積される。
<STEP4>
方向制御装置30に検証地点実績値が入力されたところで、中央演算処理装置33がメインメモリ35に格納されている検証地点比較部352の指令を受け、ファイル装置34の検証地点調整用ファイル342に格納されている検証地点1の進行目標理論値と、検証地点実績値とを比較して両者の差分を算出し、この差分をファイル装置34の検証地点調整用ファイル342に格納する。
<STEP5>
両者の差分が算出されたところで、中央演算処理装置33がメインメモリ35に格納されている検証地点調整部353の指令を受け、ファイル装置34の検証地点調整用ファイル342に格納されている、掘進方向区間の距離、進行目標値、掘進方向区間の始点から検証地点1までの距離、及び検証地点実績値を用いて、算定式(1)により、現行の掘進方向区間に規定されている進行目標値を調整した調整値を算出する。
調整値= (進行目標値-検証地点実績値)×
(掘進方向区間の距離/(掘進方向区間の距離-掘進した距離)) -(1)
こうして、進行目標値の調整値が算定されたところで、<STEP2>に戻って、中央演算処理装置33がメインメモリ35に格納されている検証地点比較部352の指令を受け、進行目標値を調整した調整値をファイル装置34の検証地点調整用ファイル342に格納する。また、メインメモリ35に格納されている推奨力点設定部351の指令を受け、進行目標値を調整した調整値と、ファイル装置34の推奨力点設定用ファイル344に格納されているデータとを用いて、シールド掘進機10を、検証地点2に向けて掘進するための推奨力点Rを算定する。
すると、シールド掘進機10のオペレーターは前述した手順により、検証地点2に向けてシールド掘進機10を掘進させるための目標力点Gを、推奨力点Rを参照しつつ決定するとともに、この目標力点Gに最も近い作用力点Pを有するジャッキパターンを選択する。こののち、選択されたジャッキパターンを用いてシールド掘進機10を稼働させ、検証地点2に向けた掘進を開始する。
一方、両者の差分が0、もしくは検証地点実績値が検証地点1における進行目標理論値を満足する程度の差分であった場合には、進行目標値の調整を行わず、現状のままシールド掘進機10を稼働させ、検証地点2に向けた掘進を開始する。
上記のとおり、<STEP2>~<STEP5>に係る作業を、4つの検証地点を掘削するまで繰り返す。
例えば、図2で示す掘進方向区間では、掘進方向区間の進行目標値(左+8mm)で算定した推奨力点Rを参照しつつ決定した目標力点G及びジャッキパターンにより掘進をスタートしてから最初の検証地点1では、進行目標理論値と検証地点実績値との差分が0であったため、進行目標値の調整を行わずに現状のままシールド掘進機10による掘進作業を続行している。
そして、検証地点2に到達したところで、進行目標理論値と検証地点実績値とを比較すると、両者の差分が左+1mm不足であったことから、進行目標値(左+8mm)を上記の(1)式に基づいて調整し、調整値を算定している。なお、調整後の進行目標値は、左+10mm=((左+8)-(左+3))×(1400/700)となっている。
次に、検証地点2から検証地点3に向けて、進行目標値(左+10mm)で算定した推奨力点Rを参照しつつ決定した目標力点G及びジャッキパターンにより掘進をした結果、検証地点3では、進行目標理論値と検証地点実績値との差分が左+2mm過多となっている。そこで、当初の進行目標値(左+8mm)を調整するが、上記の(1)式に基づいて調整値を算定すると、検証地点実績値が当初の進行目標値と同じ数値であるため、調整後の進行目標値は±0mmとなる。
したがって、検証地点3から検証地点4に向けて、進行目標値(±0mm)で算定した推奨力点Rを参照しつつ決定した目標力点G及びジャッキパターンにより掘進をした結果、検証地点3では、進行目標理論値と検証地点実績値との差分が±0となった。こうして、図2で示す掘進方向区間において、掘進方向区間の終点である検証地点4に到達したところで、掘進指示書に規定された進行目標値を満足する結果が得られた。
上記のとおり、掘進方向区間中に検証地点を複数設け、シールド掘進機10が検証地点を通過するごとに、進行目標理論値と検証地点実績値とを比較してシールド掘進機10の姿勢及び掘進方向を確認するとともに、進行目標値を満足しない場合には、進行目標値を調整して算出した推奨力点Rを利用して掘進方向の修正を図ることができる。これにより、シールド掘進機10を、掘進方向区間ごとにあらかじめ規定した進行目標値に対してスムーズに追従させることができ、シールド掘進機10を施工計画に基づく計画線形Lに沿って掘進させる際の精度を大幅に向上することが可能となる。
≪第2段階での掘進方向調整方法≫
次に、シールド掘進機10の掘進方向調整方法について、第2段階での掘進方向調整方法として、シールド掘進機10が複数の掘進方向区間に到達するごとに調整する方法を、図8のフロー図にしたがって、方向制御システム100の詳細と併せて説明する。
本実施の形態では、図9で示すような、片番(昼勤、夜勤)の勤務時間内に実施する掘進予定範囲が5区間に区分けされ、各区間ごとに進行目標値が規定されている掘進指示書を満足するように、進行目標値を調整し進行方向を修正する場合を事例に挙げる。また、第1段階での掘進方向調整方法と同様、掘進方向区間が、セグメント13をリング状に組み立てた際の1リング分に相当する場合を事例とし、掘進方向区間の幅(掘進方向の長さ)が、セグメント全幅に相当するものとしている。
<STEP1>
まず、図10で示すように、準備段階として、掘進指示書に規定されている5区間各々の進行目標値に基づいて、5区間ごとの累計値(掘進方向区間ごとの進行目標値を、掘進方向に進むごとに累計した値)を算出し、これを目標値累計(ストローク差)として設定する。以降、進行目標値及び目標値累計は、ストローク差を指す。
これを、方向制御システム100の入力装置31を介して方向制御装置30に入力すると、5区間各々において目標値累計が、5区間各々の進行目標値とともに、ファイル装置34の区間終点調整用ファイル343に格納・蓄積される。
<STEP2>
一方で、シールド掘進機10が、掘進方向区間を掘進し終えたところで一旦掘進作業を停止させ、掘進管理/線形管理装置20にて少なくとも、掘進方向区間の終点におけるシールド掘進機10のストローク差を算定しこれを実績値とし、また、実績値を累計した実績値累計を算定し記録する。なお、1区間目は、実績値と実績値累計が同じ数値となる。算定された実績値及び実績値累計は、掘進管理/線形管理装置20から方向制御装置30に送信され、ファイル装置34の区間終点調整用ファイル343に格納・蓄積される。
なお、第1段階での掘削方向調整方法と同様、シールド掘進機10により地山の掘進方向区間を掘進する間、シールド掘進機10の位置・姿勢、その他施工計画に基づく計画線形Lに対する水平方向の逸脱量Dh及び鉛直方向の逸脱量Dp等、推奨力点Rを設定するために必要な情報等の各データは、シールド掘進機10に装備した前述の計測機器を用いて計測または算出されるごとに掘進管理/線形管理装置20に記録される。併せて、方向制御装置30に送信され、ファイル装置34の測量ファイル341もしくは推奨力点設定用ファイル344に格納・蓄積される。
<STEP3>
方向制御装置30に実績値累計が入力されたところで、中央演算処理装置33がメインメモリ35に格納されている区間終点比較部354の指令を受け、ファイル装置34の区間終点調整用ファイル343に格納されている1区間目における目標値累計と実績値累計とを比較して両者の差分を算出し、この差分をファイル装置34の区間終点調整用ファイル343に格納する。
<STEP4>
両者の差分が算出されたところで、中央演算処理装置33がメインメモリ35に格納されている区間終点調整部355の指令を受け、ファイル装置34の区間終点調整用ファイル343に格納されている、2区間目の進行目標値と、1区間目の実績値累計とを用いて、算定式(2)により、2区間目の進行目標値について調整値を算定する。
調整値=(後行して掘進する掘進方向区間の進行目標値)
+(先行して掘進した掘進方向区間における目標値累計と実績値累計の差分) -(2)
<STEP5>
こうして、後行して掘進予定の掘進方向区間である、2区間目の進行目標値を調整した調整値が算定されたところで、中央演算処理装置33がメインメモリ35に格納されている区間終点比較部354の指令を受け、2区間目の進行目標値を調整した調整値をファイル装置34の区間終点調整用ファイル343に格納する。また、メインメモリ35に格納されている推奨力点設定部351の指令を受け、2区間目の進行目標値を調整した調整値と、ファイル装置34の推奨力点設定用ファイル344に格納されているデータとを用いて、シールド掘進機10で2区間目を掘進するための推奨力点Rを算定する。
2区間目の推奨力点Rが算定されると、推奨力点Rは、前述したように図5で示すような、シールド制御装置15における操作盤上の選択画面151に表示される。したがって、<STEP2>に戻って、シールド掘進機10のオペレーターは前述した手順により、シールド掘進機10で2区間目を掘進させるための目標力点Gを、推奨力点Rを参照しつつ決定するとともに、この目標力点Gに最も近い作用力点Pを有するジャッキパターンを選択する。こののち、選択されたジャッキパターンを用いてシールド掘進機10を稼働させ、2区間目の掘進を開始する。
一方、両者の差分が0、もしくは1区間目における実績値累計が目標値累計を満足する程度の差分であった場合には、2区間目の進行目標値の調整を行わず、掘進指示書に記載されている進行目標値のままシールド掘進機10を稼働させ、2区間目の掘進を開始する。
上記のとおり、<STEP2>~<STEP5>に係る作業を繰り返し、5つの掘進方向区間を掘進する。
例えば、図10で示すような、片番(昼勤、夜勤)の勤務時間内に実施する掘進予定範囲が、掘進方向区間にして5区間分ある場合に、まず、1区間目の進行目標値(左+2mm)で算定した推奨力点Rを参照しつつ決定した目標力点G及びジャッキパターンにより、1区間目を掘進する。そして、掘進し終えた時点では、1区間目における目標値累計と実績値累計の差分が、左+1mm不足であったことから、2区分目の進行目標値(左+2mm)を、上記の(2)式に基づいて調整し、調整値を算定する。なお、調整後の進行目標値は、左+3mm=((左+2)+(左+1))となっている。
次に、2区間目を、進行目標値(左+3mm)で算定した推奨力点Rを参照しつつ決定した目標力点G及びジャッキパターンにより掘進をした結果、2区間目を掘進し終えた時点では、2区間目における目標値累計と実績値累計の差分が両者の差分が、左+3mm不足であったことから、3区分目の進行目標値(左+2mm)を、上記の(2)式に基づいて調整し、調整値を算定する。なお、調整後の進行目標値は、左+5mm=((左+2)+(左+3))となっている。
次に、3区間目を、進行目標値(左+5mm)で算定した推奨力点Rを参照しつつ決定した目標力点G及びジャッキパターンにより掘進をした結果、3区間目を掘進し終えた時点では、3区間目における目標値累計と実績値累計の差分が両者の差分が、左+5mm不足であったことから、4区分目の進行目標値(左+2mm)を、上記の(2)式に基づいて調整し、調整値を算定する。なお、調整後の進行目標値は、左+7mm=((左+2)+(左+5))となっている。
次に、4区間目を、進行目標値(左+7mm)で算定した推奨力点Rを参照しつつ決定した目標力点G及びジャッキパターンにより掘進をした結果、4区間目を掘進し終えた時点では、4区間目における目標値累計と実績値累計の差分が両者の差分が、左+4mm不足であったことから、5区分目の進行目標値(左+2mm)を、上記の(2)式に基づいて調整し、調整値を算定する。なお、調整後の進行目標値は、左+6mm=((左+2)+(左+2))となっている。
そして、5区間目を、進行目標値(左+6mm)で算定した推奨力点Rを参照しつつ決定した目標力点G及びジャッキパターンにより掘進をした結果、5区間目を掘進し終えた時点では、5区間目における目標値累計と実績値累計の差分が±0となった。こうして、図10で示す掘進予定範囲において、掘進方向区間の終点である掘進方向区間の5区間目を掘進し終えたところで、掘進指示書に規定された進行目標値を満足する結果が得られた。
上記のとおり、掘進方向区間を掘進するごとに、目標値累計と実績値累計とを比較してシールド掘進機10の姿勢及び掘進方向を確認するとともに、実績値累計が目標値累計を満足しない場合には、次の掘進方向区間を掘進する際の進行目標値を調整し、調整した進行目標値を用いて算定した推奨力点Rを利用して掘進作業を行うことができる。
これにより、掘進指示書が作成されている掘進予定範囲において、複数の掘進方向区間ごとに進行目標値が規定されている場合に、掘進方向区間を掘進するごとに、先行の掘進によるズレを後行の掘進で相殺するよう掘進方向の修正を図ることができる。したがって、掘進予定範囲全体の掘進が終了した時点で掘進指示書を満足するように、シールド掘進機10を掘進させることが可能となる。
本発明のシールド掘進機の方向制御システム及びシールド掘進機の掘進方向調整方法によれば、掘進途中の適宜のタイミングでシールド掘進機10における掘進方向の修正を図ることができ、方向制御システム100による高精度な方向制御を行うことが可能となる。
本発明のシールド掘進機の方向制御システム100は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、本実施の形態では、掘進方向区間に対して設定した検証地点を4点としているが、その数量はこれに限定されるものではない。また、本実施の形態では、検証地点の間隔を等間隔に設定したが、異なる間隔で検証地点を設定してもよい。
また、本実施の形態では、掘進指示書において、掘進予定範囲が掘進方向区間にして5区間に区分けされている場合を例示したが、その数量はこれに限定されるものではなく、掘進指示書が対象とする掘進予定範囲の距離に応じて適宜設定すればよい。
10 シールド掘進機
11 外殻体
12 トンネル
13 セグメント
14 シールドジャッキ
15 シールド制御装置
16 レーザー発振機
17 光波距離計
18 レーザーターゲット

20 掘進管理/線形管理装置
21 多重伝送装置親局
22 多重伝送装置子局
25 カッターディスク

30 方向制御装置
31 入力装置
32 出力装置
33 中央演算処理装置
34 ファイル装置
341 測量ファイル
342 検証地点調整用ファイル
343 区間終点調整用ファイル
344 推奨力点設定用ファイル
35 メインメモリ
351 推奨力点設定部
352 検証地点比較部
353 検証地点調整部
354 区間終点比較部
355 区間終点調整部

100 方向制御システム

P 作用力点
R 推奨力点
G 目標力点
E 実力点

Claims (4)

  1. シールド掘進機を、所定の掘進方向区間ごとに規定されているストローク差の進行目標値に追従させて掘進させるための、シールド掘進機の掘進方向調整方法であって、
    前記掘進方向区間中に検証地点を複数設けるとともに、該検証地点ごとに前記進行目標値に基づいて算定したストローク差の進行目標理論値を設定し、
    前記進行目標値に基づいて掘進方向を制御しつつ、前記シールド掘進機を掘進させ、前記検証地点に到達するごとに、前記シールド掘進機に係るストローク差検証地点実績値を計測し、
    計測した検証地点実績値が、前記進行目標理論値を満足しない場合に、
    前記検証地点実績値と前記進行目標値との差、掘進方向区間の距離、及び掘進方向区間の距離と掘進した距離との差に基づいて前記進行目標値の調整値を算出し
    前記進行目標値の調整値に基づいて掘進方向を制御しつつ、次の検証地点に向けて前記シールド掘進機を掘進させることを特徴とするシールド掘進機の掘進方向調整方法。
  2. 請求項1に記載のシールド掘進機の掘進方向調整方法において、
    前記シールド掘進機が、前記掘進方向区間を掘進するごとに、前記シールド掘進機に係
    るストローク差である区間終点実績値と、該区間終点実績値の累計値である実績値累計を
    計測し、
    該実績値累計が、先行して掘削した前記掘進方向区間ごとに規定されている前記進行目
    標値の累計値である目標値累計を満足しない場合に、
    前記実績値累計に基づいて、後行して掘進する前記掘進方向区間に規定されている前記
    進行目標値のストローク差を調整し、
    調整した後行の前記進行目標値に基づいて掘進方向を制御しつつ、前記シールド掘進機
    を掘進させることを特徴とするシールド掘進機の掘進方向調整方法。

    付けられる固定具を備える折曲方向保持構造を設けることを特徴とするパイプクーリング方法。
  3. シールド掘進機を、所定の掘進方向区間ごとに規定されているストローク差の進行目標値に追従させて掘進させるための、シールド掘進機の方向制御システムであって、
    前記シールド掘進機の稼働状況を監視する掘進管理/線形管理装置と、該掘進管理/線形管理装置に接続される方向制御装置と、を備え、
    前記掘進管理/線形管理装置は、
    少なくとも、前記掘進方向区間中に設定した複数の検証地点に前記シールド掘進機が到達するごとに、該シールド掘進機に係るストローク差検証地点実績値を計測して記録する機能を備え、
    前記方向制御装置は、
    前記検証地点実績値と、前記検証地点ごとに前記進行目標値に基づいて算定したストローク差の進行目標理論値とを比較する検証地点比較部と、
    前記検証地点実績値と前記進行目標値との差、掘進方向区間の距離、及び掘進方向区間の距離と掘進した距離との差に基づいて、前記進行目標値の調整値を算出する検証地点調整部と、
    を備えることを特徴とするシールド掘進機の方向制御システム。
  4. 請求項3に記載のシールド掘進機の方向制御システムにおいて、
    前記掘進管理/ 線形管理装置が、
    前記シールド掘進機が前記掘進方向区間を掘進するごとに、前記シールド掘進機に係る
    ストローク差である区間終点実績値と、該区間終点実績値の累計値である実績値累計を計
    測して記録する機能を備え、
    前記方向制御装置は、
    前記実績値累計と、先行して掘削した前記掘進方向区間ごとに規定されている前記進行
    目標値の累計値である目標値累計とを比較する区間終点比較部と、
    前記実績値累計に基づいて、後行して掘進する前記掘進方向区間に規定されている前記
    進行目標値のストローク差を調整する区間終点調整部と、
    を備えることを特徴とするシールド掘進機の方向制御システム。
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