JP7402748B2 - トンネル掘削装置の制御方法およびトンネル掘削装置 - Google Patents

トンネル掘削装置の制御方法およびトンネル掘削装置 Download PDF

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Description

本発明は、トンネルを掘削する際に用いられるトンネル掘削装置の制御方法およびトンネル掘削装置に関する。
機械前面にカッタを含むカッタヘッドと、機械後方における左右側面に設けられたグリッパとを備えた掘削機を用いて、トンネルの掘削が行われている。この掘削機は、左右のグリッパをトンネル左右側壁に対して押し付けた状態で、カッタヘッドを回転させながら切羽を押し付けて、トンネルを掘削していく(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1には、トンネル掘削を行うカッタを有する前胴部と、掘削のための反力を得るためのグリッパを有するとともに前胴部と複数のスラストシリンダを介して連結される後胴部と、を備えたトンネル掘削装置の制御方法について開示されている。
このトンネル掘削装置では、曲線状のトンネルの掘削を行う際に、岩盤質の硬度の変化等によってトンネル掘削装置の進む方向が計画掘削線から変化した場合に、オペレータが表示モニタを確認して計画掘削線から外れないようにスラストシリンダのストロークを調整している。
特開2015-105512号公報
しかしながら、上記特許文献1では、前胴部のみ位置調整が行われているため、トンネルの曲線が急な場合に後胴部を内壁に沿って移動させることが難しかった。
本開示は、急曲線であってもトンネル内壁に沿って移動可能なトンネル掘削装置の制御方法およびトンネル掘削装置を提供することを目的とする。
第1の開示に係るトンネル掘削装置の制御方法は、複数のカッタを有する前胴部と、前胴部の後方に配置された後胴部と、前胴部と後胴部との間に配置された複数のスラストシリンダと、を備えたトンネル掘削装置の制御方法であって、第1前進ステップと、第2前進ステップと、を備える。第1前進ステップは、後胴部のグリッパを張り出して後胴部をトンネルの内壁に固定した状態で、第1経路線に基づいて設定された移動予想線に沿って前胴部を前方に移動させるように複数のスラストシリンダを制御する。第2前進ステップは、前胴部のグリッパを張り出して前胴部をトンネルの内壁に固定した状態で、第2経路線に基づいて設定された移動予想線に沿って後胴部を前方に移動させるように複数のスラストシリンダを制御する。
第2の開示に係るトンネル掘削装置の制御方法は、複数のカッタを有する前胴部と、前胴部の後方に配置された後胴部と、前胴部と後胴部との間に配置された複数のスラストシリンダと、を備えたトンネル掘削装置の制御方法であって、第1後進ステップを備える。第1後進ステップは、前胴部のグリッパを張り出して前胴部をトンネルの内壁に固定した状態で、第3経路線に基づいて設定された移動予想線に沿って後胴部を後方に移動させるように複数のスラストシリンダを制御する。
第3の開示に係るトンネル掘削装置は、前胴部と、後胴部と、複数のスラストシリンダと、制御部と、を備える。前胴部は、複数のカッタと、トンネルの内壁を押圧するグリッパとを有する。後胴部は、トンネルの内壁を押圧するグリッパを有し、前胴部の後方に配置されている。複数のスラストシリンダは、前胴部と後胴部との間に配置されている。制御部は、後胴部のグリッパを張り出して後胴部をトンネルの内壁に固定した状態で、第1経路線に基づいて設定された移動予想線に沿って前胴部を前方に移動させるように複数のスラストシリンダを制御し、前胴部のグリッパを張り出して前胴部をトンネルの内壁に固定した状態で、第2経路線に基づいて設定された移動予想線に沿って後胴部を前方に移動させるように複数のスラストシリンダを制御する。
第4の開示に係るトンネル掘削装置は、前胴部と、後胴部と、複数のスラストシリンダと、制御部と、を備える。前胴部は、複数のカッタと、トンネルの内壁を押圧するグリッパとを有する。後胴部は、トンネルの内壁を押圧するグリッパを有し、前胴部の後方に配置されている。複数のスラストシリンダは、前胴部と後胴部との間に配置されている。制御部は、前胴部のグリッパを張り出して前胴部をトンネルの内壁に固定した状態で、第3経路線に基づいて設定された移動予想線に沿って後胴部を後方に移動させるように前記複数のスラストシリンダを制御する。
本開示によれば、急曲線であってもトンネル内壁に沿って移動可能なトンネル掘削装置の制御方法およびトンネル掘削装置を提供することができる。
本発明にかかる実施の形態におけるトンネル掘削装置の構成を示す全体図。 図1のトンネル掘削装置を用いて直線状にトンネル掘削を行う状態を示す断面図。 図1のトンネル掘削装置を用いて曲線状にトンネル掘削を行う状態を示す断面図。 図1のトンネル掘削装置の制御構成を示すブロック図。 図1のトンネル掘削装置の制御の際に用いられる曲線を示す説明図。 図1のトンネル掘削装置の表示入力部を示す図。 掘進時における前胴ズレ量表示部の表示を説明するための図。 掘進時における前胴ズレ量表示部の表示を説明するための図。 掘進時における後胴ズレ量表示部の表示を説明するための図。 掘進時における後胴ズレ量表示部の表示を説明するための図。 後進時における後胴ズレ量表示部の表示を説明するための図。 後進時における後胴ズレ量表示部の表示を説明するための図。 後進時における前胴ズレ量表示部の表示を説明するための図。 後進時における前胴ズレ量表示部の表示を説明するための図。 図1のトンネル掘削装置の掘進時における制御動作を示すフロー図。 図1のトンネル掘削装置の後進時における制御動作を示すフロー図。
本開示にかかる実施の形態におけるトンネル掘削装置およびトンネル掘削装置の制御方法について、図面を参照しながら説明する。
本実施の形態において登場するトンネル掘削装置10(図1等)は、トンネル掘削に用いられる掘削装置であって、TBM(トンネルボーリングマシン)のうち、いわゆるグリッパTBM、ハードロックTBMと呼ばれるものである。また、本実施形態では、トンネル掘削装置10によって掘削されるトンネル(トンネルT1)は、断面が略円形のトンネル(トンネルT1(図2参照))である。なお、本実施形態に係るトンネル掘削装置10によって掘削されるトンネルの断面形状は、円形に限らず、楕円形、複円形、馬蹄形などであってもよい。
(トンネル掘削装置10の概略)
図1は、トンネル掘削装置10の構成を示す全体図である。
トンネル掘削装置10は、例えば第1トンネルT1(図2等参照)の掘削を行う。なお、本実施の形態で説明するトンネル掘削装置10は、グリッパ12aによって後方支持された状態でカッタヘッド11aを回転させて掘削を行う。
トンネル掘削装置10は、岩盤等を掘削しながら前進して第1トンネルT1の掘削工事を行う装置であって、図1に示すように、前胴部11、後胴部12、リンク機構13、ベルトコンベア14、制御部15(図4参照)、および表示入力部16(図4参照)と、を備えている。
前胴部11は、カッタヘッド11aを有し、岩盤等を掘削する。後胴部12は、前胴部11の後側に配置されている。リンク機構13は、前胴部11と後胴部12を接続する。リンク機構13によって前胴部11が後胴部12に対して屈曲可能である。ベルトコンベア14は、カッタヘッド11aで掘削された土砂を後方に運搬する。
制御部15は、前胴部11、後胴部12、リンク機構13、およびベルトコンベア14の動作を制御する。表示入力部16は、例えば、タッチパネル式のモニタ画面であって、オペレータからの操作入力を受け付ける。オペレータの入力によってリンク機構13が操作され、後胴部12に対する前胴部11の屈曲が変更される。なお、図示していないが、後胴部12の後方には、カッタヘッド11a、グリッパ12a、ベルトコンベア14、およびリンク機構13の複数のスラストシリンダ13a~13fを駆動する制御装置、電源装置、および油圧システム等が設けられた車両が複数繋がっており、これらの車両のいずれかに運転席が設けられている。運転席の前方には、例えば表示入力部16が配置されている。
(前胴部11)
前胴部11は、トンネル掘削装置10の前部に配置されている。前胴部11は、後述するリンク機構13に含まれる複数のスラストシリンダ13a~13fによって、後胴部12に対する位置・姿勢を変化させる。前胴部11は、カッタヘッド11aと、グリッパ11bと、を有している。
カッタヘッド11aは、前胴部11の先端に配置されている。カッタヘッド11aは、正面視において略円形状であって、中心軸を回転中心として回転することで、先端側表面に設けられた複数のディスクカッタ11cによって岩盤等を掘削する。また、カッタヘッド11aは、ディスクカッタ11cによって細かく砕かれた岩盤や岩石等を、表面に形成された開口部(図示せず)から内部に取り込む。
グリッパ11bは、少なくとも前胴部11の幅方向の両側に設けられている。グリッパ11bは、図2に示すように、前胴部11の外周面からトンネルT1の側壁T1aに向かって突出して、側壁T1aに押し付けられる。これにより、例えば、トンネル掘削装置10を後進させる際等に、前胴部11をトンネルT1内において支持しながらリンク機構13を伸びる方向に駆動させることで、後胴部12を後進させることができる。
(後胴部12)
後胴部12は、図1に示すようにトンネル掘削装置10の後部に配置されている。後胴部12は、前胴部11の後側に配置されている。
後胴部12の幅方向の両側部には、グリッパ12aが配設されている。また、後胴部12と前胴部11とは、リンク機構13によって連結されている。
グリッパ12aは、図2に示すように、後胴部12の外周面から径方向外側に向かって突出することで、掘削中の第1トンネルT1の側壁T1aに対して押し付けられる。これにより、後胴部12を第1トンネルT1内において支持することができる。
(リンク機構13)
リンク機構13は、図1に示すように、トンネル掘削装置10の前後方向における中程に配置されている、リンク機構13は、油圧アクチュエータである6基のスラストシリンダ13a~13fを有している。このため、前胴部11と後胴部12との間においてそれぞれのスラストシリンダ13a~13fを伸縮させることで、後胴部12に対する前胴部11の姿勢(向き)が所望の方向になるように制御しながら、カッタヘッド11aによって第1トンネルT1を掘削していく。
6基のスラストシリンダ13a~13fは、リンクとして前胴部11と後胴部12との間に並列に配置されており、前胴部11と後胴部12とを連結している。6基のスラストシリンダ13a~13fは、ラチス構造に配置されている。6基のスラストシリンダ13a~13fのロッド側の端は、前胴部11のうち後胴部12と対向している部分に接続されている。また、スラストシリンダ13a~13fのシリンダ側の端は、後胴部12のうち前胴部11と対向している部分に接続されている。
スラストシリンダ13a~13fを伸長させることで、後胴部12に対して前胴部11を前進させて、あるいは前胴部11に対して後胴部12を後進させて、トンネル掘削装置10を少しずつ前進・後進させていくことができる。また、スラストシリンダ13a~13fを収縮させることで、前胴部11に対して後胴部12を引き寄せ、あるいは後胴部12に対して前胴部11を引き寄せることによって、トンネル掘削装置10を少しずつ前進・後進させていくことができる。
スラストシリンダ13a~13fのそれぞれには、後述する図4に示すように、ストロークセンサ17a~17fが取り付けられている。ストロークセンサ17a~17fは、各々のスラストシリンダ13a~13fのストローク量を取得する。
(ベルトコンベア14)
ベルトコンベア14は、前胴部11と後胴部12との間に設けられており、カッタヘッド11aによって掘削された岩盤や砂等を、前胴部11から後胴部12へと搬送する。
なお、このベルトコンベア14の付近には、トンネル掘削装置10の前後方向における屈曲ポイントとなる仮想的な中折れ点Px(図5参照)を有している。スラストシリンダ13a~13fのストローク量を調整することによって、仮想的な中折れ点Pxを屈曲ポイントとして、前胴部11が後胴部12に対して斜めになることで、直進方向以外の方向への掘削も可能となる。
トンネル掘削装置10は、以上の構成により、グリッパ12aが第1トンネルT1の側壁T1aに対して圧接されることで、第1トンネルT1内において移動しないように保持される。この状態で、先端側のカッタヘッド11aを回転させながらリンク機構13のスラストシリンダ13a~13fを伸ばしてカッタヘッド11aを押し付けることで岩盤等を掘削し前進させる。
このときに、トンネル掘削装置10では、掘削された岩盤や砂等をベルトコンベア14等によって後方へと運搬する。このようにして、トンネル掘削装置10は、第1トンネルT1(図2参照)を掘り進んでいくことができる。
また、前胴部11を後胴部12に対して斜めにした状態で掘り進めることによって、図3に示すように曲線状のトンネルT2を掘り進めることもできる。
(トンネル掘削装置10の動作の種類)
以上の構成によって、トンネル掘削装置10は、以下の動作を行うことによって掘進(前進)または後進を行う。
(掘進)
掘進時において、後胴部12のグリッパ12aを張り出して後胴部12をトンネル内壁に固定した状態でスラストシリンダ13a~13fを伸長することによって前胴部11を後胴部12に対して前進させる。このときにカッタヘッド11aを回転させて掘削が行われる。
掘進時において、前胴部11のグリッパ11bを張り出して前胴部11をトンネル内壁に固定した状態でスラストシリンダ13a~13fを収縮して後胴部12を前胴部11に近づけるように前進させる(盛替え動作ともいう)。
以上の動作を繰り返すことによって、トンネル掘削装置10は前進することができる。
(後進)
後進時において、前胴部11のグリッパ11bを張り出して前胴部11をトンネル内壁に固定した状態でスラストシリンダ13a~13fを伸長して後胴部12を後進させる。
後進時において、後胴部12のグリッパ12aを張り出して後胴部12をトンネル内壁に固定した状態でスラストシリンダ13a~13fを収縮して前胴部11を後胴部12に近づけるように後進させる。
以上の動作を繰り返すことによって、トンネル掘削装置10は後進することができる。
(制御部15)
制御部15は、プロセッサと、記憶装置を含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)である。或いは、プロセッサは、CPUと異なるプロセッサであってもよい。プロセッサは、プログラムに従ってトンネル掘削装置10の制御のための処理を実行する。記憶装置は、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリおよびRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含む。記憶装置は、ハードディスク、あるいはSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置を含んでいてもよい。記憶装置は、非一時的な(non-transitory)コンピュータで読み取り可能な記録媒体の一例である。記憶装置は、トンネル掘削装置10を制御するためのプログラムおよびデータを記憶している。
制御部15には、オペレータによる表示入力部16からの指令信号が入力される。オペレータは、表示入力部16を操作して、掘進または後進を選択することができる。オペレータによって選択された動作の情報が制御部15に入力される。
また、制御部15にはストロークセンサ17a~17fの検出値が入力され、制御部15は、各々のスラストシリンダ13a~13fのストローク量を取得できる。
制御部15は、後胴姿勢読込部21と、前胴姿勢演算部22と、中折れ点位置演算部23と、移動予想線演算部24と、位置算出部25と、表示制御部26と、シリンダ制御部27と、を有している。図5は、制御部15で求められる移動予想線を示す図である。
後胴姿勢読込部21は、後胴部12の現状位置・姿勢から、その中心位置P1および中心線C1(向き)を求める(図5参照)。なお、後胴部12の中心位置P1、中心線C1については、例えば、トータルステーション(図示せず)を用いた測量によって求めることができる。中心位置P1は、例えば、後胴部12の幅方向の中心であって、後胴部12の前後方向における全長の中心に設定することができる。また、中心線C1は、例えば、後胴部12の幅方向の中心線に設定することができる。中心位置P1および中心線C1の高さ位置は、いずれの位置に設定してもよいが、例えば後胴部12の全高の中央に設定してもよい。
前胴姿勢演算部22は、後胴姿勢読込部21において求められた後胴部12の中心位置P1・中心線C1の位置情報と、各スラストシリンダ13a~13fのストローク量とに基づいて、後胴部12に対する前胴部11の中心位置P2・姿勢(中心線C2)を演算する。より具体的には、前胴姿勢演算部22は、図4に示すように、スラストシリンダ13a~13fにそれぞれ取り付けられたストロークセンサ17a~17fと接続されており、各スラストシリンダ13a~13fのストローク量を取得する。これにより、前胴姿勢演算部22は、前胴部11の位置・姿勢を演算する際に必要な、各スラストシリンダ13a~13fのストローク量に関する情報を得ることができる。なお、中心位置P2は、例えば、前胴部11の幅方向の中心であって、前胴部11の前後方向における全長の中心に設定することができる。また、中心線C2は、例えば、前胴部11の幅方向の中心線に設定することができる。中心位置P2および中心線C2の高さ位置は、いずれの位置に設定してもよいが、例えば前胴部11の全高の中央に設定してもよい。
中折れ点位置演算部23は、後胴姿勢読込部21において求められた後胴部12の中心位置P1および中心線C1の位置情報と、前胴姿勢演算部22において求められた前胴部11の中心位置P2および中心線C2の位置情報と、に基づいて、仮想的な中折れ点Px(図5参照)の位置を演算によって求める。
移動予想線演算部24は、図5に示すように、後胴部12の中心位置P1に関する情報、仮想的な中折れ点Pxに関する位置情報、前胴部11の中心位置P2に関する情報と、に基づいて、後胴部12の中心位置P1と前胴部11の中心位置P2とを結ぶ滑らかな3次元曲線を演算によって求める。この線が、現状の姿勢によってトンネル掘削装置10が移動する移動予想線D1(後述する図7A等参照)である。
また、この曲線は、上述した後胴部12の中心位置P1、前胴部11の中心位置P2、中折れ点Pxという3点を制御点とするパラメトリック曲線であって、後胴部12の中心線C1と前胴部11の中心線C2とを接線としている。なお、本実施形態でのパラメトリック曲線は2次ベジェ曲線である。
すなわち、本実施形態では、後胴部12の中心位置P1を1つ目の制御点、中折れ点Pxを2つ目の制御点、前胴部の中心位置P2を3つ目の制御点として、精度良く3次元の円弧軌跡を近似することができる。よって、2つ目の制御点を中折れ中心として用いることで、1次元のパラメータ変化で、3次元的曲率半径R施工の軌跡(目標値)を演算によって求めることができる。
位置算出部25は、現状位置ズレ量(Q1f、Q1r)と、目標位置ズレ量(Q0f、Q0r)と、を算出する。
現状位置ズレ量Q1fは、掘進時において、後胴姿勢読込部21および前胴姿勢演算部22によって求められた前胴部11の中心位置P2の第1経路線からの位置ズレ量であり、第1経路線からの位置ズレの方向も含む。また、現状位置ズレ量Q1fは、後進時において、後胴姿勢読込部21および前胴姿勢演算部22によって求められた前胴部11の中心位置P2の第3経路線からの位置ズレ量であり、第3経路線からの位置ズレの方向も含む。
現状位置ズレ量Q1rは、掘進時において、後胴姿勢読込部21によって求められた後胴部12の中心位置P1の第2経路線からの位置ズレ量であり、第2経路線からの位置ズレの方向も含む。また、現状位置ズレ量Q1rは、後進時において、後胴姿勢読込部21によって求められた後胴部12の中心位置P2の第3経路線からの位置ズレ量であり、第3経路線からの位置ズレの方向も含む。
目標位置ズレ量Q0fは、掘進時において、現状の姿勢から求められる移動予想線D1に沿って前胴部11が所定距離進んだと仮定した位置の第1経路線からの位置ズレ量である。目標位置ズレ量Q0fは、後進時において、現状の姿勢から求められる移動予想線D1に沿って前胴部11が所定距離後進したと仮定した位置の第3経路線からの位置ズレ量である。
目標位置ズレ量Q0rは、掘進時において、現状の姿勢から求められる移動予想線D1に沿って後胴部12が所定距離進んだと仮定した位置の第2経路線からの位置ズレ量である。目標位置ズレ量Q0rは、後進時において、現状の姿勢から求められる移動予想線D1に沿って後胴部12が所定距離後進したと仮定した位置の第3経路線からの位置ズレ量である。
所定距離は、複数設定可能としてもよく、例えば、50cm、1m等に設定することができる。
なお、掘進動作において、第1経路線は、トンネルの掘削計画線である。トンネルの掘削計画線(第1経路線)は、例えば、計画されるトンネルの幅方向の中心の鉛直線上であって前胴部11の中心位置P2と同じ高さの位置を繋いだ線として設定できる。また、後胴部12は前胴部11によって掘削されたトンネルに沿って前進する必要があるため、第2経路線は、実際に掘削した前胴部11の実績線である。実績線(第2経路線)は、実際に掘削した際に前胴部11の中心位置P2が移動した線として設定できる
また、後進の際は、掘削されたトンネルに沿って後進する必要があるため、後進動作において、第3経路線は、実際に掘削した前胴部11または後胴部12の実績線である。実績線(第3経路線)は、実際に掘削した際に前胴部11の中心位置P2または後胴部12の中心位置P1が移動した線として設定できる。
オペレータによって掘進が選択されている場合には、位置算出部25は、現状の前胴部11の第1経路線からの位置ズレ量である現状位置ズレ量Q1fおよび前胴部11が所定距離前進した場合の第1経路線からの位置ズレ量である目標位置ズレ量Q0fを算出し、現状の後胴部12の第2経路線からの位置ズレ量である現状位置ズレ量Q1rおよび後胴部12が所定距離前進した場合の第2経路線からの位置ズレ量である目標位置ズレ量Q0rを算出する。
また、オペレータによって後進が選択されている場合には、位置算出部25は、現状の後胴部12の第3経路線からの位置ズレ量である現状位置ズレ量Q1rおよび後胴部12が所定距離後進した場合の第3経路線からの位置ズレ量である目標位置ズレ量Q0rを算出し、現状の前胴部11の第3経路線からの位置ズレ量である現状位置ズレ量Q1fおよび前胴部11が所定距離後進した場合の第3経路線からの位置ズレ量である目標位置ズレ量Q0fを算出する。
表示制御部26は、位置算出部25で算出した各々の位置ズレ量を表示入力部16に表示させる。
オペレータによって掘進動作が選択されている場合には、表示制御部26は、位置算出部25で算出された前胴部11の現状位置ズレ量Q1fと前胴部11が所定距離前進した場合の目標位置ズレ量Q0fを表示入力部16に表示させ、位置算出部25で算出された後胴部12の現状位置ズレ量Q1rと後胴部12が所定距離前進した場合の目標位置ズレ量Q0rを表示入力部16に表示させる。
また、オペレータによって後進動作が選択されている場合には、表示制御部26は、位置算出部25で算出された前胴部11の現状位置ズレ量Q1fと前胴部11が所定距離後進した場合の目標位置ズレ量Q0fを表示入力部16に表示させ、位置算出部25で算出された後胴部12の現状位置ズレ量Q1rと後胴部12が所定距離後進した場合の目標位置ズレ量Q0rを表示入力部16に表示させる。
なお、後述するが、表示入力部16における掘削計画線上の位置または掘削実績線上の位置とのズレ量の表示に基づいて、オペレータは、ズレ量が少なくなるように表示入力部16を操作してスラストシリンダ13a~13fを動作することにより、移動予想線D1が再演算され、位置ズレ量も再演算されて表示される。
シリンダ制御部27は、移動予想線演算部24において演算によって求められた移動予想線D1に沿って前胴部11または後胴部12が移動するように、リンク機構13に含まれる各スラストシリンダ13a~13fのストローク量を制御する。
オペレータによって掘進時における伸長動作が選択されている場合には、シリンダ制御部27は、前胴部11の中心位置P2が移動予想線D1に沿うようにスラストシリンダ13a~13fを制御して前胴部11を前進させる。
オペレータによって掘進時における収縮動作が選択されている場合には、シリンダ制御部27は、後胴部12の中心位置P1が移動予想線D1に沿うようにスラストシリンダ13a~13fを制御して後胴部12を前進させる。
オペレータによって後進時における伸長動作が選択されている場合には、シリンダ制御部27は、後胴部12の中心位置P1が移動予想線D1に沿うようにスラストシリンダ13a~13fを制御して後胴部12を後進させる。
オペレータによって後進時における収縮動作が選択されている場合には、シリンダ制御部27は、前胴部11の中心位置P2が移動予想線D1に沿うようにスラストシリンダ13a~13fを制御して前胴部11を後進させる。
(表示入力部16)
表示入力部16は、例えば、タッチパネル式のモニタ表示画面である。本実施の形態では、移動予想線を設定するためのインターフェースとして用いられる。
表示入力部16には、掘進・後進設定部30と、姿勢変更部31と、ズレ量表示部32と、が表示される。
掘進・後進設定部30は、オペレータによって、トンネル掘削装置10の前進または後進の設定が行われる。ズレ量表示部32は、現状位置での掘削計画線または実績線とのズレ量と、移動予想線に沿って所定距離進んだ位置と、掘削計画線または実績線に沿って所定距離進んだ位置とのズレ量を表示する。姿勢変更部31には、ズレ量表示部32の表示に基づいて、オペレータが方向修正を行うための方向入力部43が表示されている。
(掘進・後進設定部30)
掘進・後進設定部30は、トンネル掘削装置10の移動方向(前進・後進)を切り替えるスイッチであって、トンネル掘削装置10の掘進または後進の設定が行われる。
掘進・後進設定部30には、掘進ボタン41と、後進ボタン42と、スラストシリンダ13a~13f全体を伸縮操作するシリンダ操作部44と、が設けられている。
シリンダ操作部44は、リンク機構13に含まれる6基のスラストシリンダ13a~13fの動作を設定する操作入力部であって、伸ボタン44a、止ボタン44b、縮ボタン44cを有している。
伸ボタン44aは、スラストシリンダ13a~13fを伸びる方向に駆動させる際に操作される。
止ボタン44bは、スラストシリンダ13a~13fの動きを停止させる際に操作される。
縮ボタン44cは、スラストシリンダ13a~13fを縮める方向に駆動させる際に操作される。
掘進ボタン41は、トンネルを掘削する際に押下される。後胴部12のグリッパ12aが張り出されて後胴部12がトンネルの坑道に固定された状態で、掘進ボタン41を押下した後にシリンダ操作部44の伸ボタン44aを押下することによって、前胴部11の中心位置P2が移動予想線D1に沿うようにスラストシリンダ13a~13fが伸長され前胴部11が前進する。
また、前胴部11のグリッパ11bが張り出されて前胴部11がトンネルの坑道に固定された状態で、掘進ボタン41を押下した後にシリンダ操作部44の縮ボタン44cを押下することによって後胴部12の中心位置P1が移動予想線D1に沿うようにスラストシリンダ13a~13fが収縮され後胴部12が前進する。
なお、後胴部12のグリッパ12aおよび前胴部11のグリッパ11bの操作は、図示されない操作部によってオペレータによって操作される。
また、後進ボタン42は、トンネルに沿って後進する際に押下される。前胴部11のグリッパ11bが張り出されて前胴部11がトンネルの坑道に固定された状態で、後進ボタン42を押下した後にシリンダ操作部44の伸ボタン44aを押下することによって後胴部12の中心位置P1が移動予想線D1に沿うようにスラストシリンダ13a~13fが伸長され後胴部12が後進する。
後胴部12のグリッパ12aが張り出されて後胴部12がトンネルの坑道に固定された状態で、後進ボタン42を押下した後にシリンダ操作部44の縮ボタン44cを押下することによって前胴部11の中心位置P2が移動予想線D1に沿うようにスラストシリンダ13a~13fが収縮され前胴部11が後進する。
(姿勢変更部31)
姿勢変更部31は、方向入力部43を有する。方向入力部43は、所望の方向を操作することによって、その方向に向かうようにスラストシリンダ13a~13fを操作することができる。
方向入力部43は、目標位置に向かって掘進または後進中にずれが生じた場合にトンネル掘削装置10の姿勢を修正するために、オペレータによって操作され、複数の方向ボタン(上ボタン43a、下ボタン43b、右ボタン43c、左ボタン43d)を有している。
上ボタン43a、下ボタン43b、右ボタン43c、左ボタン43dは、オペレータがズレ量表示部32を見てズレ量がどの方向に生じているかを確認しながら、ズレ量が小さくなる方向のボタンが操作される。これにより、オペレータは、ズレ量表示部32を見ながら、直感的にズレ量を解消する方向にボタン操作するだけで、トンネル掘削装置10が掘削計画線または実績線に向かって掘進していくように制御することができる。
例えば、掘進動作において伸ボタン44aが押下された際に、左ボタン43dを操作すると、所定のスラストシリンダが微量に伸長して後胴部12に対して前胴部11が現在の状態よりも左方向側に屈折するように姿勢が変更されて、前胴部11が前進する。また、掘進動作において縮ボタン44cが押下された際に、左ボタン43dを操作すると、所定のスラストシリンダが微量に収縮して前胴部11に対して後胴部12が現在の状態よりも左方向側に屈折するように姿勢が変更されて、後胴部12が前進する。
以上のように、オペレータは、ズレ量表示部32を見ながら方向入力部43とシリンダ操作部44を操作してトンネル掘削装置10の姿勢を修正することによって、移動予想線D1を修正することができる。
(ズレ量表示部32)
ズレ量表示部32は、前胴ズレ量表示部45と、後胴ズレ量表示部46を有している。前胴ズレ量表示部45は、掘進時および後進時において前胴部11の現状位置ズレ量Q1fと目標位置ズレ量Q0fを表示する。
後胴ズレ量表示部46は、掘進時および後進時において後胴部12の現状位置ズレ量Q1rと目標位置ズレ量Q0rを表示する。
(掘進動作における表示)
以下に、オペレータによって掘進動作が設定されている場合における前胴ズレ量表示部45と後胴ズレ量表示部46の表示について説明する。
(掘進動作における前胴ズレ量表示部45の表示)
オペレータは、掘進ボタン41を押下することによる掘進動作において、伸ボタン44aを押下してスラストシリンダ13a~13fを伸長させる際に、前胴ズレ量表示部45の表示を確認しながら行う。掘進動作において、後胴部12のグリッパ12aが張り出されて後胴部12がトンネルの坑道に固定された状態で、伸ボタン44aが押下されると、スラストシリンダ13a~13fを伸ばすことによって前胴部11が前進し、掘削が行われる。
図7Aは、現状位置ズレ量Q1fと目標位置ズレ量Q0fを説明するための模式図である。上段にはトンネル掘削装置10の姿勢を示し、下段には前胴ズレ量表示部45の表示を示す。図7Aの上段では、トンネル掘削計画線D10が一点鎖線で示されている。また、現状のトンネル掘削装置10の姿勢に基づいて算出された移動予想線D1が示されている。
掘進動作における現状位置ズレ量Q1fは、図7Aに示すように、前胴部11の中心位置P2のトンネル掘削計画線D10からのズレ量である。現状位置ズレ量Q1fは、水平方向のズレ量と鉛直方向のズレ量を含む。
現状位置ズレ量Q1fは、現状の姿勢における前胴部11の中心線C2(図5参照)に対して垂直な方向のズレ量である。なお、現状位置ズレ量Q1fを、掘削計画線D10の接線方向と垂直な方向における、前胴部11の中心位置P2の掘削計画線D10からの位置ズレ量としてもよい。
また、現状位置ズレ量Q1fは、前胴部11の中心位置P2を基準とした位置ズレ量に限らなくてもよく、例えば、前胴部11の先端または後端の幅方向における中央位置を基準としてもよい。
目標位置ズレ量Q0fは、現状の前胴部11から移動予想線D1に沿って所定距離M前進したと仮定した場合における前胴部11の中心位置P2のトンネル掘削計画線D10からのズレ量である。目標位置ズレ量Q0fは、水平方向のズレ量と鉛直方向のズレ量を含む。なお、目標位置ズレ量Q0fは、図7Aでは、現状の前胴部11の姿勢における中心線C2に対して垂直な方向のズレ量としているが、これに限らなくてもよく、例えば、移動予想線D1に沿って所定距離M前進したと仮定した場合の前胴部11の姿勢における中心線C2に対して垂直な方向のズレ量としてもよい。また、目標位置ズレ量Q0fを、掘削計画線D10の接線方向と垂直な方向における、所定距離M前進したと仮定した場合の前胴部11の中心位置P2の掘削計画線D10からの位置ズレ量としてもよい。
また、目標位置ズレ量Q0fは、前胴部11の中心位置P2を基準とした位置ズレ量として記載しているが、これに限らなくてもよく、例えば、前胴部11の先端または後端の中央位置を基準としてもよい。
前胴ズレ量表示部45には、水平線Xと鉛直線Yが示されており、XYの交点がトンネル掘削計画線D10(目標点ともいう)に設定されている。上述したように運転席は後胴部12よりも後方に配置されており、掘進の際に前胴ズレ量表示部45には、運転席から前胴部11を見た場合の現状位置ズレ量Q1fと目標位置ズレ量Q0fが表示される。前胴ズレ量表示部45には、現状位置ズレ量Q1fが黒三角“▲”で示されており、目標位置ズレ量Q0fが黒丸“●”で示されている。オペレータは、前胴ズレ量表示部45で、現状の水平方向および鉛直方向における位置ズレ量と、現状の姿勢で掘進伸長動作を行って前進した場合の水平方向および鉛直方向における位置ズレ量と、を認識することができる。
次に、オペレータが姿勢変更部31を操作してトンネル掘削装置10の姿勢を変更する。具体的には、図7Bの上段に示すように、右ボタン43cを押下してスラストシリンダ13a~13gのうち所望のスラストシリンダを操作することによって、後胴部12に対する前胴部11の左側への屈曲を減少させる。これによって、新たな移動予想線D1が作成される。図7Bは、図7Aから前胴部11の姿勢を変更した状態を示す図である。図7Bでは、以前の移動予想線がD1´として、二点鎖線で示されている。
そして、屈曲が減少された現状の前胴部11が新たな移動予想線D1に沿って所定距離M前進したと仮定した場合における前胴部11の位置のトンネル掘削計画線D10からのズレ量が演算され、新たな目標位置ズレ量Q0fとなる。また、前胴部11の位置・姿勢が変更されているため、新たな現状位置ズレ量Q1fが演算される。
図7Bの下段に示される前胴ズレ量表示部45の表示に基づいて、トンネル掘削装置10の姿勢を修正したことによって、トンネル掘削計画線D10に近づくように姿勢を修正できたか否かをオペレータが確認することができる。そして、修正量が十分でないと判断した場合には、再度、姿勢変更部31を変更することによって、トンネル掘削計画線D10に近づけるように設定することができる。
これによって、曲線が急であっても、掘削して形成されたトンネル掘削計画線D10に沿って前胴部11を前進させることができる。
(掘進動作における後胴ズレ量表示部46の表示)
オペレータは、掘進ボタン41を押下することによる掘進動作において縮ボタン44cを押下してスラストシリンダ13a~13fを収縮させる際に、後胴ズレ量表示部46の表示を確認しながら行う。掘進動作において、前胴部11のグリッパ11bが張り出されて前胴部11がトンネルの坑道に固定された状態で、縮ボタン44cが押下されると、スラストシリンダ13a~13fが縮められ後胴部12が前進する。
図8Aは、現状位置ズレ量Q1rと目標位置ズレ量Q0rを説明するための模式図である。上段にはトンネル掘削装置10の姿勢を示し、下段には後胴ズレ量表示部46の表示を示す。図8Aの上段では、実績線D20が一点鎖線で示されている。また、現状のトンネル掘削装置10の姿勢に基づいて算出された移動予想線D1が示されている。
ここで、実績線D20は、前胴部11が実際に通過した線であり、掘削されたトンネルの中心線と一致する。
掘進動作における現状位置ズレ量Q1rは、図8Aに示すように、後胴部12の中心位置P1の実績線D20からのズレ量である。現状位置ズレ量Q1rは、水平方向のズレ量と鉛直方向のズレ量を含む。
現状位置ズレ量Q1rは、現状の姿勢における後胴部12の中心線C1(図5参照)に対して垂直な方向のズレ量である。なお、現状位置ズレ量Q1rを、実績線D20の接線方向と垂直な方向における、後胴部12の中心位置P1の実績線D20からの位置ズレ量としてもよい。
また、現状位置ズレ量Q1rは、後胴部12の中心位置P1を基準とした位置ズレ量に限らなくてもよく、例えば、後胴部12の先端または後端の幅方向における中央位置を基準としてもよい。
掘進動作における目標位置ズレ量Q0rは、現状の後胴部12から移動予想線D1に沿って所定距離M前進したと仮定した場合における後胴部12の中心位置P1の実績線D20からのズレ量である。目標位置ズレ量Q0rは、水平方向のズレ量と鉛直方向のズレ量を含む。なお、目標位置ズレ量Q0rは、図8Aでは、現状の後胴部12の姿勢における中心線C1に対して垂直な方向のズレ量としているが、これに限らなくてもよく、例えば、移動予想線D1に沿って所定距離M前進したと仮定した場合の後胴部12の姿勢における中心線C1に対して垂直な方向のズレ量としてもよい。また、目標位置ズレ量Q0rを、実績線D20の接線方向と垂直な方向における、所定距離M前進したと仮定した場合の後胴部12の中心位置P1の実績線D20からの位置ズレ量としてもよい。
また、目標位置ズレ量Q0rは、後胴部12の中心位置P1を基準とした位置ズレ量として記載しているが、これに限らなくてもよく、例えば、後胴部12の先端または後端の幅方向における中央位置を基準としてもよい。
後胴ズレ量表示部46には、水平線Xと鉛直線Yが示されており、XY交点が実績線D20(目標点ともいう)に設定されている。上述したように運転席は後胴部12よりも後方に配置されており、掘進の際に後胴ズレ量表示部46には、運転席から後胴部12を見た場合の現状位置ズレ量Q1rと目標位置ズレ量Q0rが表示される。後胴ズレ量表示部46には、現状位置ズレ量Q1rが黒三角“▲”で示されており、目標位置ズレ量Q0rが黒丸“●”で示されている。オペレータは、後胴ズレ量表示部46で、現状の水平方向および鉛直方向における位置ズレ量と、現状の姿勢で掘進収縮動作を行って前進した場合の水平方向および鉛直方向における位置ズレ量を認識することができる。
次に、オペレータが姿勢変更部31を操作してトンネル掘削装置10の姿勢を変更する。具体的には、図8Bの上段に示すように、右ボタン43cを押下してスラストシリンダ13a~13gのうち所望のスラストシリンダを操作することによって、前胴部11に対する後胴部12の左側への屈曲を減少させる。これによって、新たな移動予想線D1が作成される。図8Bは、図8Aから後胴部12の姿勢を変更した状態を示す図である。図8Bでは、以前の移動予想線がD1´として、二点鎖線で示されている。
そして、屈曲が減少された現状の後胴部12が新たな移動予想線D1に沿って所定距離M前進したと仮定した場合における後胴部12の位置のトンネル掘削計画線D10からのズレ量が演算され、新たな目標位置ズレ量Q0rとなる。また、後胴部12の位置・姿勢が変更されているため、新たな現状位置ズレ量Q1rが演算される。
図8Bの下段に示される後胴ズレ量表示部46の表示に基づいて、トンネル掘削装置10の姿勢を修正したことによって、実績線D20に近づくように姿勢を修正できたか否かをオペレータが確認することができる。そして、修正量が十分でないと判断した場合には、再度姿勢変更部31を変更することによって、実績線D20に近づけるように設定することができる。
これによって、曲線が急であっても、掘削して形成されたトンネルの坑道に沿って後胴部12を前進させることができる。
なお、図7Aおよび図7Bでは、前胴ズレ量表示部45のみを示し、図8Aおよび図8Bでは、後胴ズレ量表示部46のみを示しているが、双方は同時に表示されており、移動予想線D1の設定によって双方が変更される。
また、図7Bおよび図8Bにおいて、一例として右ボタン43cを押下して水平方向の位置ズレを修正する説明を行ったが、水平方向だけでなく上ボタン43aまたは下ボタン43bを押下して鉛直方向の位置ズレも修正することができる。
(後進動作における表示)
以下に、オペレータによって後進動作が設定されている場合における前胴ズレ量表示部45と後胴ズレ量表示部46の表示について説明する。
(後進動作における後胴ズレ量表示部46の表示)
オペレータは、後進ボタン42を押下することによる後進動作において、伸ボタン44aを押下してスラストシリンダ13a~13fを伸長させる際に、後胴ズレ量表示部46の表示を確認しながら行う。後進動作において、前胴部11のグリッパ11bが張り出されて前胴部11がトンネルの坑道に固定された状態で、伸ボタン44aが押下されると、スラストシリンダ13a~13fを伸ばすことによって後胴部12が後進する。
図9Aは、現状位置ズレ量Q1rと目標位置ズレ量Q0rを説明するための模式図である。上段にはトンネル掘削装置10の姿勢を示し、下段には後胴ズレ量表示部46の表示を示す。図9Aの上段では、実績線D30が一点鎖線で示されている。また、現状のトンネル掘削装置10の姿勢に基づいて算出された移動予想線D1が示されている。
ここで、実績線D30は、前胴部11または後胴部12が実際に通過した線であり、掘削されたトンネルの中心線と一致する。
後進動作における現状位置ズレ量Q1rは、図9Aに示すように、後胴部12の中心位置P1の実績線D30からのズレ量である。現状位置ズレ量Q1rは、水平方向のズレ量と鉛直方向のズレ量を含む。現状位置ズレ量Q1rは、現状の姿勢における後胴部12の中心線C1(図5参照)に対して垂直な方向のズレ量である。なお、現状位置ズレ量Q1rを、実績線D30の接線方向と垂直な方向における、後胴部12の中心位置P1の実績線D30からの位置ズレ量としてもよい。
また、現状位置ズレ量Q1rは、後胴部12の中心位置P1を基準とした位置ズレ量に限らなくてもよく、例えば、後胴部12の先端または後端の幅方向における中央位置を基準としてもよい。
後進動作における目標位置ズレ量Q0rは、現状の後胴部12から移動予想線D1に沿って所定距離M後進したと仮定した場合における後胴部12の中心位置P1の実績線D30からのズレ量である。目標位置ズレ量Q0rは、水平方向のズレ量と鉛直方向のズレ量を含む。なお、目標位置ズレ量Q0rは、図9Aでは現状の後胴部12の姿勢における中心線C1に対して垂直な方向のズレ量としているが、これに限らなくてもよく、例えば、移動予想線D1に沿って所定距離M後進したと仮定した場合の後胴部12の姿勢における中心線C1に対して垂直な方向のズレ量としてもよい。また、目標位置ズレ量Q0rを、実績線D30の接線方向と垂直な方向における、所定距離M後進したと仮定した場合の後胴部12の中心位置P1の実績線D30からの位置ズレ量としてもよい。
また、目標位置ズレ量Q0rは、後胴部12の中心位置P1を基準として位置ズレ量を求めているが、これに限らなくてもよく、例えば、後胴部12の先端または後端の幅方向における中央位置を基準としてもよい。
後胴ズレ量表示部46には、水平線Xと鉛直線Yが示されており、XYの交点が実績線D30(目標点ともいう)に設定されている。上述したように運転席は後胴部12よりも後方に配置されており、後進の際に後胴ズレ量表示部46には、運転席から後胴部12を見た場合の現状位置ズレ量Q1rと目標位置ズレ量Q0rが表示される。後胴ズレ量表示部46には、現状位置ズレ量Q1rが黒三角“▲”で示されており、目標位置ズレ量Q0rが黒丸“●”で示されている。オペレータは、後胴ズレ量表示部46で、現状の水平方向および鉛直方向における位置ズレと、現状の姿勢で後進伸長動作を行って後進した場合の水平方向および鉛直方向における位置ズレ量を認識することができる。
次に、オペレータが姿勢変更部31を操作してトンネル掘削装置10の姿勢を変更する。具体的には、図9Bの上段に示すように、右ボタン43cを押下してスラストシリンダ13a~13gのうち所望のスラストシリンダを操作することによって、前胴部11に対する後胴部12の屈曲を減少させる。これによって、新たな移動予想線D1が作成される。図9Bは、図9Aから後胴部12の姿勢を変更した状態を示す図である。図9Bでは、以前の移動予想線がD1´として二点鎖線で示されている。
そして、屈曲が減少された現状の後胴部12が新たな移動予想線D1に沿って所定距離M後進したと仮定した場合における後胴部12の位置の実績線D30からの位置ズレ量が演算され、新たな目標位置ズレ量Q0rとなる。また、後胴部12の位置・視線が変更されているため、新たな現状位置ズレ量Q1rが演算される。
図9Bの下段に示される後胴ズレ量表示部46の表示に基づいて、トンネル掘削装置10の姿勢を修正したことによって、実績線D30に近づくように姿勢を修正できたか否かをオペレータが確認することができる。そして、修正量が十分でないと判断した場合には、再度姿勢変更部31を変更することによって、実績線D30に近づけるように設定することができる。
これによって、曲線が急であっても、掘削して形成されたトンネルの坑道に沿って後胴部12を後進させることができる。
(後進動作における前胴ズレ量表示部45の表示)
オペレータは、後進ボタン42を押下することによる後進動作において、縮ボタン44cを押下してスラストシリンダ13a~13fを収縮させる際に、前胴ズレ量表示部45の表示を確認しながら行う。後進動作において、後胴部12のグリッパ12aが張り出されて後胴部12がトンネルの坑道に固定された状態で、縮ボタン44cが押下されると、スラストシリンダ13a~13fを縮めることによって前胴部11が後進する。
図10Aは、現状位置ズレ量Q1fと目標位置ズレ量Q0fを説明するための模式図である。上段にはトンネル掘削装置10の姿勢を示し、下段には前胴ズレ量表示部45の表示を示す。図10Aの上段では、実績線D30が一点鎖線で示されている。また、現状のトンネル掘削装置10の姿勢に基づいて算出された移動予想線D1が示されている。
ここで、実績線D30は、前胴部11または後胴部12が実際に通過した線であり、掘削されたトンネルの中心線と一致する。
後進動作における現状位置ズレ量Q1fは、図10Aに示すように、前胴部11の中心位置P2の実績線D30からのズレ量である。現状位置ズレ量Q1fは、水平方向のズレ量と鉛直方向をズレ量も含む。現状位置ズレ量Q1fは、現状の姿勢における前胴部11の中心線C2(図5参照)に対して垂直な方向のズレ量である。なお、現状位置ズレ量Q1fを、実績線D30の接線方向と垂直な方向における、前胴部11の中心位置P2の実績線D30からの位置ズレ量としてもよい。
また、現状位置ズレ量Q1fは、前胴部11の中心位置P2を基準とした位置ズレ量に限らなくてもよく、例えば、前胴部11の先端または後端の幅方向における中央位置を基準としてもよい。
後進動作における目標位置ズレ量Q0fは、現状の前胴部11から移動予想線D1に沿って所定距離M後進したと仮定した場合における前胴部11の中心位置P2の実績線D30からのズレ量である。目標位置ズレ量Q0fは、水平方向のズレ量と鉛直方向のズレ量を含む。なお、目標位置ズレ量Q0fは、図10Aでは、現状の前胴部11の姿勢における中心線C2に対して垂直な方向のズレ量としているが、これに限らなくてもよく、移動予想線D1に沿って所定距離M後進したと仮定した場合の前胴部11の姿勢における中心線C2に対して垂直な方向のズレ量としてもよい。また、目標位置ズレ量Q0fを、実績線D30の接線方向と垂直な方向における、所定距離M後進したと仮定した場合の前胴部11の中心位置P2の実績線D30からの位置ズレ量としてもよい。
また、目標位置ズレ量Q0fは、前胴部11の中心位置P2を基準として位置ズレ量を求めているが、これに限らなくてもよく、例えば、前胴部11の先端または後端の中央位置を基準としてもよい。
前胴ズレ量表示部45には、水平線Xと鉛直線Yが示されており、XYの交点が目標点に設定されている。なお、上述したように運転席は後胴部12よりも後方に配置されており、後進の際に前胴ズレ量表示部45には、運転席から前胴部11を見た場合の現状位置ズレ量Q1fと目標位置ズレ量Q0fが表示される。前胴ズレ量表示部45には、現状位置ズレ量Q1fが黒三角“▲”で示されており、目標位置ズレ量Q0fが黒丸“●”で示されている。オペレータは、前胴ズレ量表示部45で、現状の水平方向および鉛直方向における位置ズレと、現状の姿勢で後進収縮動作を行って後進した場合の水平方向および鉛直方向における位置ズレ量と、を認識することができる。
次に、オペレータが姿勢変更部31を操作してトンネル掘削装置10の姿勢を変更する。具体的には、図10Bの上段に示すように、右ボタン43cを押下してスラストシリンダ13a~13gのうち所望のスラストシリンダを操作することによって、後胴部12に対する前胴部11の屈曲を減少させる。これによって、新たな移動予想線D1が作成される。図10Bは、図10Aから前胴部11の姿勢を変更した状態を示す図である。図10Bでは、以前の移動予想線がD1´として、二点鎖線で示されている。
そして、屈曲が減少された現状の前胴部11が新たな移動予想線D1に沿って所定距離M後進したと仮定した場合における前胴部11の位置の実績線D30からのズレ量が演算され、新たな目標位置ズレ量Q0fとなる。また、前胴部11の位置・姿勢が変更されているため、新たな現状位置ズレ量Q1fが演算される。
図10Bの下段に示される前胴ズレ量表示部45の表示に基づいて、トンネル掘削装置10の姿勢を変更したことによって、実績線D30に近づくように修正できたか否かをオペレータが修正することができる。そして、変更量が十分でないと判断した場合には、再度姿勢変更部31を修正することによって、実績線D30に近づけるように設定することができる。
これによって、曲線が急であっても、掘削して形成されたトンネルの坑道に沿って前胴部11を後進させることができる。
なお、図9Aおよび図9Bでは、前胴ズレ量表示部45のみを示し、図10Aおよび図10Bでは、後胴ズレ量表示部46のみを示しているが、双方は同時に表示されており、姿勢の修正によって双方の表示が変更される。
また、図9Bおよび図10Bにおいて、一例として右ボタン43cを押下して水平方向の位置ズレを修正する説明を行ったが、水平方向だけでなく上ボタン43aまたは下ボタン43bを押下して鉛直方向の位置ズレも修正することができる。
<動作>
以下に、本開示における実施の形態のトンネル掘削装置10の動作について説明するとともに、トンネル掘削装置の制御方法についても同時に述べる。
(掘進時における動作)
図11は、掘進動作におけるトンネル掘削装置10の制御動作を示すフロー図である。
オペレータによって掘進ボタン41が押下されると、ステップS11において掘進動作が開始される。
次に、ステップS12において、後胴姿勢読込部21が、後胴部12の中心位置P1および中心線C1(向き)を求める(図4参照)。なお、後胴部12の中心位置P1、中心線C1については、例えば、トータルステーション(図示せず)を用いた測量や後胴部12に設けられた姿勢センサ等によって求めることができる。
また、ステップS12において、前胴姿勢演算部22が、後胴姿勢読込部21において求められた後胴部12の中心位置P1・中心線C1の位置情報および姿勢と、各スラストシリンダ13a~13fのストローク量とに基づいて、後胴部12に対する前胴部11の中心位置P2・姿勢(中心線C2)を演算する。
次に、ステップS13において、中折れ点位置演算部23が、後胴姿勢読込部21において求められた後胴部12の中心位置P1および中心線C1の位置情報と、前胴姿勢演算部22において求められた前胴部11の中心位置P2および中心線C2の位置情報と、に基づいて、仮想的な中折れ点Px(図4参照)の位置を演算によって求める。
次に、ステップS14において、移動予想線演算部24が、後胴部12の中心位置P1に関する情報、仮想的な中折れ点Pxに関する位置情報、前胴部11の中心位置P2に関する情報と、に基づいて、後胴部12の中心位置P1と前胴部11の中心位置P2とを結ぶ滑らかな移動予想線D1を演算によって求める。
次に、ステップS15において、位置算出部25が、前胴部11の掘削計画線D10に対する現状位置ズレ量Q1f、および目標位置ズレ量Q0fを算出し、後胴部12の実績線D20に対する現状位置ズレ量Q1r、および目標位置ズレ量Q0rを算出する。そして、表示制御部26が、図7Aに示すように、前胴ズレ量表示部45に現状位置ズレ量Q1fと目標位置ズレ量Q0fを表示し、図8Aに示すように後胴ズレ量表示部46に現状位置ズレ量Q1rと、目標位置ズレ量Q0rを表示する。
次に、ステップS16において、制御部15は、伸ボタン44aが押下されたか縮ボタン44cが押下されたかを判定する。後胴部12のグリッパ12aが張り出されて後胴部12がトンネルの坑道に固定された状態で、伸ボタン44aが押下された場合には、制御はステップS17に進む。ステップS17では、前胴部11の中心位置P2が、最新の移動予想線D1に沿うようにスラストシリンダ13a~13fが伸長する。ここで、最新の移動予想線D1とは、後述するステップS19~S21で繰り返し姿勢が変更された場合には、最後に変更された姿勢に基づいて算出された移動予想線D1を示す。また、ステップS19において一度も姿勢変更を行っていない場合、すなわち、ステップS20、S21の制御がおこなわれていない場合には、初期の移動予想線D1が最新の移動予想線となる。
ステップS16において、前胴部11のグリッパ11bが張り出されて前胴部11がトンネルの坑道に固定された状態で、縮ボタン44cが押下された場合には、制御はステップS18に進む。ステップS18では、後胴部12の中心位置P1が、最新の移動予想線D1に沿うようにスラストシリンダ13a~13fが収縮する。
次に、ステップS19において、制御部15がオペレータによって姿勢変更部31の方向入力部43が操作されたか否かを判定する。オペレータは、前胴ズレ量表示部45の表示を確認し、トンネル掘削装置10の姿勢を変更する必要があるか否かを判断し、ズレ量が大きく姿勢を変更する必要があると判断した場合には、姿勢変更部31を操作する。
ステップS19においてオペレータによって操作されたと判定された場合、ステップS20においてスラストシリンダ13a~13fの方向指示手動操作が入力され、ステップS21において、所定のスラストシリンダ13a~13fが微量に伸縮される。
次に、制御は、ステップS22に進み、制御部15は、ステップS17またはステップS18におけるスラストシリンダ13a~13fの制御が終了したか否かを判断する。
ステップS22において、終了していないと判断された場合には、制御はステップS12に戻る。
ステップS22における判断のように、スラストシリンダ13a~13fが駆動しているため姿勢が変更されており、ステップS12~S14において、変更された姿勢に基づいて新たな移動予想線D1が演算され、移動予想線D1が更新される。
そして、ステップS15において、現状位置ズレ量Q1f、Q1rおよび更新された移動予想線D1に基づいた新たな目標位置ズレ量Q0f、Q0rが位置算出部25によって算出され、表示制御部26が図7Bに示すように、算出された目標位置ズレ量Q0fと現状位置ズレ量Q1fを表示し、前胴ズレ量表示部45の表示を更新する。また、表示制御部26は、図8Bに示すように、後胴ズレ量表示部46の目標位置ズレ量Q0rと現状位置ズレ量Q1rの表示を更新する。
これによって、オペレータは、スラストシリンダ13a~13fの駆動に伴う姿勢を変更することによる目標位置(トンネル掘削計画線D10または実績線D20)への接近を確認することができる。また、オペレータが位置ズレ量に満足できない場合には、ステップS19において姿勢変更を行い新たな移動予想線D1を作成することができる。
ステップS22において、制御部15がスラストシリンダ13a~13fの制御が終了したと判定すると、ステップS23において、掘進動作が終了する。
このように、スラストシリンダ13a~13fの制御が終了するまで、ステップS12~ステップS21が繰り返される。すなわち、スラストシリンダ13a~13fの制御が終了するまで、移動予想線D1は随時変更され、前胴ズレ量表示部45における現状位置ズレ量Q1fおよび目標位置ズレ量Q0f、並びに後胴ズレ量表示部46における現状位置ズレ量Q1rおよび目標位置ズレ量Q0rも随時変更される。そして、随時変更される表示に基づいてオペレータは、ステップS19~S21において、手動によって制御に介入することができる。
(後進時における動作)
図12は、後進動作におけるトンネル掘削装置10の制御動作を示すフロー図である。
オペレータによって後進ボタン42が押下されると、ステップS31において後進動作が開始される。
後進時の動作は、図11に示す掘進時の動作と比較して、ステップS15~ステップS18が異なる。そのため、相違点について述べて他のステップの説明は省略する。
後進時における動作では、図11のステップS15に代えたステップS35において、位置算出部25が、前胴部11の現在位置ズレ量Q1fおよび前胴部11が所定距離M分後進した場合の目標位置ズレ量Q0fを算出し、後胴部12の現在位置ズレ量Q1rおよび後胴部12が所定距離M分後進した場合の目標位置ズレ量Q0rを算出する。そして、表示制御部26が、図9Aに示すように、前胴ズレ量表示部45に現状位置ズレ量Q1fと目標位置ズレ量Q0fを表示し、図10Aに示すように後胴ズレ量表示部46に現状位置ズレ量Q1rと、目標位置ズレ量Q0rを表示する。
そして、ステップS35の次のステップS36において、制御部15は、伸ボタン44aが押下されたか縮ボタン44cが押下されたかを判定する。前胴部11のグリッパ11bが張り出して前胴部11がトンネルの坑道に固定された状態で、伸ボタン44aが押下された場合には、制御はステップS37に進む。ステップS37では、後胴部12の中心位置P1が、最新の移動予想線Dに沿うようにスラストシリンダ13a~13fが伸長する。
また、ステップS36において、後胴部12のグリッパ12aが張り出して後胴部12がトンネルの坑道に固定された状態で、縮ボタン44cが押下された場合には、制御はステップS38に進む。ステップS38では、前胴部11の中心位置P2が、最新の移動予想線Dに沿うようにスラストシリンダ13a~13fが収縮する。
そして、ステップS22において、シリンダの制御が終了すると、ステップS43において、後進動作が終了する。
後進時においても同様に、ステップS37またはステップS38におけるスラストシリンダ13a~13fの制御が終了していない場合には、ステップS12~S14およびステップS35、ステップS19~S21が繰り返される。すなわち、スラストシリンダ13a~13fの制御が終了するまで、移動予想線D1は随時変更され、前胴ズレ量表示部45における目標位置ズレ量Q0fおよび現状位置ズレ量Q1f、並びに後胴ズレ量表示部46における目標位置ズレ量Q0rおよび現状位置ズレ量Q1rも随時変更される。そして、随時変更される表示に基づいてオペレータは、ステップS19~S21において、手動によって制御に介入することができる。
(特徴等)
(1)
本実施の形態のトンネル掘削装置10の制御方法は、複数のディスクカッタ11c(カッタの一例)を有する前胴部11と、前胴部11の後方に配置された後胴部12と、前胴部11と後胴部12との間に配置された複数のスラストシリンダ13a~13fと、を備えたトンネル掘削装置の制御方法であって、ステップS21(第1前進ステップの一例)と、ステップS22(第2前進ステップの一例)と、を備える。ステップS21は、後胴部12のグリッパ12aを張り出して後胴部12をトンネルの内壁に固定した状態で、トンネル掘削計画線D10(第1経路線の一例)に基づいて設定された移動予想線D1に沿って前胴部11を前方に移動させるように複数のスラストシリンダ13a~13fを制御する。ステップS22は、前胴部11のグリッパ11bを張り出して前胴部11をトンネルの内壁に固定した状態で、実績線D20(第2経路線の一例)に基づいて設定された移動予想線D1に沿って後胴部12を前方に移動させるように複数のスラストシリンダ13a~13fを制御する。
このように、トンネル掘削装置10を前進する際に、後胴部12を実績線D20に基づいて設定された移動予想線D1に沿って移動させることによって、急曲線において前胴部11だけでなく後胴部12もトンネルの内壁に沿って移動させることができる。
(2)
本実施の形態のトンネル掘削装置10の制御方法は、複数のディスクカッタ11c(カッタの一例)を有する前胴部11と、前胴部11の後方に配置された後胴部12と、前胴部11と後胴部12との間に配置された複数のスラストシリンダ13a~13fと、を備えたトンネル掘削装置10の制御方法であって、ステップS41(第1後進ステップの一例)を備える。ステップS41は、前胴部11のグリッパ11bを張り出して前胴部11をトンネルの内壁に固定した状態で、実績線D30(第3経路線の一例)に基づいて設定された移動予想線D1に沿って後胴部12を後方に移動させるように複数のスラストシリンダ13a~13fを制御する。
このように、トンネル掘削装置10を後進する際に、後胴部12を実績線D30に基づいて設定された移動予想線D1に沿って移動させることによって、急曲線において前胴部11だけでなく後胴部12もトンネルの内壁に沿って移動させることができる。
(3)
本実施の形態のトンネル掘削装置10の制御方法は、ステップS42(第2後進ステップの一例)を更に備える。ステップS42は、後胴部12のグリッパ12aを張り出して後胴部12をトンネルの内壁に固定し、実績線D30(第3経路線の一例)に基づいて設定された移動予想線D1に沿って前胴部11を後方に移動させるように複数のスラストシリンダ13a~13fを制御する。
このように、トンネル掘削装置10を後進する際に、前胴部11を実績線D30に基づいて設定された移動予想線D1に沿って移動させることによって、急曲線において後胴部12もトンネルの内壁に沿って移動させることができる。
(4)
本実施の形態のトンネル掘削装置10の制御方法では、ステップS21における移動予想線D1はトンネル掘削計画線D10に基づいて設定されている。
移動予想線D1をトンネル掘削計画線D10に沿うように設定することによって、前胴部11をトンネル掘削計画線D0に沿うように移動することができる。
(5)
本実施の形態のトンネル掘削装置10の制御方法では、ステップS22における移動予想線D1は、前胴部11の移動した実績線D20に基づいて設定されている。
これによって、前胴部11の掘削によって形成されたトンネルの内壁に沿って後胴部12を移動することができる。
(6)
本実施の形態のトンネル掘削装置10の制御方法では、ステップS41、S42における移動予想線D1は、前胴部11または後胴部12の移動したトンネル掘削の実績線D30である。
これによって、前進によって形成されたトンネルの内壁に沿って後進することができる。
(7)
本実施の形態のトンネル掘削装置10の制御方法では、ステップS21(第1前進ステップの一例)では、前胴部11の中心位置P2が移動予想線D1に沿うように、複数のスラストシリンダ13a~13fが制御される。
これによって、前胴部11を移動予想線D1に沿って前進移動することができる。
(8)
本実施の形態のトンネル掘削装置10の制御方法では、ステップS22(第2前進ステップの一例)では、後胴部12の中心位置P1が移動予想線D1に沿うように、複数のスラストシリンダ13a~13fが制御される。
これによって、後胴部12を移動予想線D1に沿って前進移動することができる。
(9)
本実施の形態のトンネル掘削装置10の制御方法では、ステップS41(第1後進ステップの一例)では、後胴部12の中心位置P1が移動予想線D1に沿うように、複数のスラストシリンダ13a~13fが制御される。
これによって、後胴部12を移動予想線D1に沿って後進移動することができる。
(10)
本実施の形態のトンネル掘削装置10の制御方法では、ステップS42(第2後進ステップの一例)では、前胴部11の中心位置P2が移動予想線D1に沿うように、複数のスラストシリンダ13a~13fが制御される。
これによって、前胴部11を移動予想線D1に沿って後進移動することができる。
(11)
本実施の形態のトンネル掘削装置10の制御方法では、移動予想線D1は、前胴部11の中心位置P2と、後胴部12の中心位置P1と、前胴部11の中心線C2と後胴部12の中心線C1の交点である中折れ点Pxから求められる。
これによって、前胴部11が移動する予定の移動予想線D1、または後胴部12が移動する予定の移動予想線D1が算出される。
(12)
本実施の形態のトンネル掘削装置10の制御方法は、ステップS15(第1前進表示ステップの一例)を更に備える。ステップS15は、前胴部11から所定距離Mにおけるトンネル掘削計画線D10(第1経路線の一例)上の目標位置(位置の一例)との目標位置ズレ量Q0f(第1位置ズレ量の一例)を表示する。
この表示によって、オペレータは、第1経路線と移動予想線D1とのズレ量を確認でき、例えばスラストシリンダ13a~13fを手動で操作することによって移動予想線D1を変更して、移動予想線D1を第1経路線に近づけるように設定することができる。このため、第1経路線が例えばトンネル掘削の計画線である場合には、計画線に沿って前胴部を前進移動させることが可能となる。
(13)
本実施の形態のトンネル掘削装置10の制御方法は、ステップS15(第2前進表示ステップの一例)を更に備える。ステップS15は、後胴部12から所定距離Mにおける実績線D20(第2経路線の一例)上の目標位置(位置の一例)との目標位置ズレ量Q0r(第2位置ズレ量の一例)を表示する。
この表示によって、オペレータは、実績線D20と移動予想線D1とのズレ量を確認でき、例えばスラストシリンダ13a~13fを手動で操作することによって移動予想線D1を変更して、移動予想線Dを実績線D20に近づけるように設定することができる。このため、実績線D20に沿って後胴部12を前進移動させることが可能となる。
(14)
本実施の形態のトンネル掘削装置10の制御方法は、ステップS35(第1後進表示ステップの一例)を更に備える。ステップS35は、前胴部11から所定距離Mにおける実績線D30(第3経路線の一例)上の目標位置(位置の一例)との目標位置ズレ量Q0f(第3位置ズレ量の一例)を表示する。
この表示によって、オペレータは、実績線D30と移動予想線D1とのズレ量を確認でき、例えばスラストシリンダ13a~13fを手動で操作することによって移動予想線D1を変更して、移動予想線D1を実績線D30に近づけるように設定することができる。このため、実績線D30に沿って前胴部11を後進移動させることが可能となる。
(15)
本実施の形態のトンネル掘削装置10の制御方法は、ステップS35(第2後進表示ステップの一例)を更に備える。ステップS35は、後胴部12から所定距離Mにおける実績線D30上の目標位置(位置の一例)との目標位置ズレ量Q0f(第4位置ズレ量の一例)を表示する。
この表示によって、オペレータは、実績線D30と移動予想線D1とのズレ量を確認でき、例えばスラストシリンダ13a~13fを手動で操作することによって移動予想線D1を変更して、移動予想線D1を実績線D30に近づけるように設定することができる。このため、実績線D30に沿って後胴部12を後進移動させることが可能となる。
(16)
本実施の形態のトンネル掘削装置10の制御方法では、ステップS15(第1前進表示ステップの一例)は、目標位置ズレ量Q0f(第1位置ズレ量の一例)とともに、前胴部11の現状位置のトンネル掘削計画線D10(第1経路線の一例)からの現状位置ズレ量Q1f(第5位置ズレ量の一例)も表示する。
これによって、現状のトンネル掘削装置10の姿勢で前進した場合に、前胴部11のトンネル掘削計画線D10からの位置ズレ量が現状より小さくなるか否かをオペレータが判断しやすくなる。
(17)
本実施の形態のトンネル掘削装置10の制御方法では、ステップS15(第2前進表示ステップの一例)は、目標位置ズレ量Q0r(第2位置ズレ量の一例)とともに、後胴部12の現状位置の実績線D20(第2経路線の一例)からの現状位置ズレ量Q1r(第6位置ズレ量の一例)も表示する。
これによって、現状のトンネル掘削装置10の姿勢で前進した場合に、後胴部12の実績線D20からの位置ズレ量が現状より小さくなるか否かをオペレータが判断しやすくなる。
(18)
本実施の形態のトンネル掘削装置10の制御方法では、ステップS35(第1後進表示ステップの一例)は、目標位置ズレ量Q0r(第3位置ズレ量の一例)とともに、後胴部12の現状位置の実績線D30(第3経路線の一例)からの現状位置ズレ量Q1r(第7位置ズレ量の一例)も表示する。
これによって、現状のトンネル掘削装置10の姿勢で後進した場合に、後胴部12の実績線D30からの位置ズレ量が現状より小さくなるか否かをオペレータが判断しやすくなる。
(19)
本実施の形態のトンネル掘削装置10の制御方法では、ステップS35(第2後進表示ステップの一例)は、目標位置ズレ量Q0f(第4位置ズレ量の一例)とともに、前胴部11の現状位置の実績線D30(第3経路線の一例)からの現状位置ズレ量Q1f(第8位置ズレ量の一例)も表示する。
これによって、現状のトンネル掘削装置10の姿勢で後進した場合に、前胴部11の実績線D30からの位置ズレ量が現状より小さくなるか否かをオペレータが判断しやすくなる。
(20)
本実施の形態のトンネル掘削装置10は、前胴部11と、後胴部12と、複数のスラストシリンダ13a~13fと、を備える。前胴部11は、複数のディスクカッタ11c(カッタの一例)と、トンネルの内壁を押圧するグリッパ11bとを有する。後胴部12は、トンネルの内壁を押圧するグリッパ12aを有し、前胴部11の後方に配置されている。複数のスラストシリンダ13a~13fは、前胴部11と後胴部12との間に配置されている。制御部15は、後胴部12のグリッパ12aを張り出して後胴部12をトンネルの内壁に固定した状態で、トンネル掘削計画線D10(第1経路線の一例)に基づいて設定された移動予想線D1に沿って前胴部11を前方に移動させるように複数のスラストシリンダ13a~13fを制御し、前胴部11のグリッパ11bを張り出して前胴部11をトンネルの内壁に固定した状態で、実績線D20(第2経路線の一例)に基づいて設定された移動予想線D1に沿って後胴部12を前方に移動させるように複数のスラストシリンダ13a~13fを制御する。
このように、トンネル掘削装置10を前進する際に、後胴部12を実績線D20に基づいて設定された移動予想線D1に沿って移動させることによって、急曲線において前胴部11だけでなく後胴部12もトンネルの内壁に沿って移動させることができる。
(21)
本実施の形態のトンネル掘削装置10は、前胴部11と、後胴部12と、複数のスラストシリンダ13a~13fと、を備える。前胴部11は、複数のディスクカッタ11c(カッタの一例)と、トンネルの内壁を押圧するグリッパ11bとを有する。後胴部12は、トンネルの内壁を押圧するグリッパ12aを有し、前胴部11の後方に配置されている。複数のスラストシリンダ13a~13fは、前胴部11と後胴部12との間に配置されている。制御部15は、前胴部11のグリッパ11bを張り出して前胴部11をトンネルの内壁に固定した状態で、実績線D30(第3経路線の一例)に基づいて設定された移動予想線D1に沿って後胴部12を後方に移動させるように複数のスラストシリンダ13a~13fを制御する。
このように、トンネル掘削装置10を後進する際に、後胴部12を実績線D30に基づいて設定された移動予想線D1に沿って移動させることによって、急曲線において前胴部11だけでなく後胴部12もトンネルの内壁に沿って移動させることができる。
(22)
本実施の形態のトンネル掘削装置10では、制御部15は、後胴部12のグリッパ12aを張り出して後胴部12をトンネルの内壁に固定した状態で、実績線D30に基づいて設定された移動予想線D1に沿って前胴部11を後方に移動させるように複数のスラストシリンダ13a~13fを制御する。
このように、トンネル掘削装置10を後進する際に、前胴部11を実績線D30に基づいて設定された移動予想線D1に沿って移動させることによって、急曲線において後胴部12もトンネルの内壁に沿って移動させることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施の形態では、前胴部11の現状位置ズレ量Q1fおよび目標位置ズレ量Q0fと、後胴部12の現状位置ズレ量Q1rおよび目標位置ズレ量Q0rとは、別々の表示部(前胴ズレ量表示部45と後胴ズレ量表示部46)に表示されているが、1つの表示部に表示されていてもよい。
(B)
上記実施の形態では、1つのステップS15において、前胴部11の現状位置ズレ量Q1fおよび目標位置ズレ量Q0fと、後胴部12の現状位置ズレ量Q1rおよび目標位置ズレ量Q0rを演算表示させているが、現状位置ズレ量Q1fおよび目標位置ズレ量Q0fの演算表示と、現状位置ズレ量Q1rおよび目標位置ズレ量Q0rの演算表示が別々のステップで行われてもよい。
(C)
上記実施形態では、6基のスラストシリンダ13a~13fを含むリンク機構13を備えたトンネル掘削装置10を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
リンク機構を構成するスラストシリンダの基数は、例えば、8基、10基等、6本より多ければ何基でもよい。
(D)
上記実施形態では、表示入力部16としてタッチパネル式のモニタ表示画面を例に挙げて説明したが、これに限らなくてもよく、例えば、一般的なPC画面を見ながらキーボードやマウス等で操作入力を行ってもよく、表示部と入力部が分かれていてもよい。
(E)
上記実施形態では、生成する曲線としてパラメトリック曲線である2次ベジェ曲線を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、パラメトリック曲線としてスプライン曲線を用いてもよい。
(F)
上記実施の形態では、一例として第1経路線はトンネル掘削計画線D10であり、第2経路線は実績線D20と記載したが、これに限らず第1経路線と第2経路線は同じであってもよく、例えば第2経路線がトンネル掘削計画線D10であってもよい。
(G)
上記実施形態では、表示入力部16に、各種操作部(掘進・後進設定部30と、姿勢変更部31と、ズレ量表示部32)を配置した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、モニタ表示画面に表示させる表示態様としては、他の態様を採用してもよい。
(H)
上記実施の形態では、ステップS19でオペレータの手動操作の有無を判定し、ステップS20での方向修正操作をステップS21におけるスラストシリンダの伸縮に反映させており、オペレータが位置ズレ量を確認して方向修正を行っているが、これに限らず自動制御が行われてもよい。例えば、制御部が、位置ズレ量を自動で認識して位置ズレ量が小さくなる方向に自動的に方向修正指令を行ってもよい。
本発明のトンネル掘削装置の制御方法およびトンネル掘削装置は、急曲線であってもトンネル内壁に沿って移動可能な効果を奏することから、鉱山を掘削する際に等に対しても適用可能である。
10 :トンネル掘削装置
11 :前胴部
12 :後胴部
13a~13f :スラストシリンダ
15 :制御部

Claims (19)

  1. 複数のカッタを有する前胴部と、前記前胴部の後方に配置された後胴部と、前記前胴部と前記後胴部との間に配置された複数のスラストシリンダと、を備えたトンネル掘削装置の制御方法であって、
    前記後胴部のグリッパを張り出して前記後胴部をトンネルの内壁に固定した状態で、トンネルの掘削計画線である第1経路線に基づいて設定された移動予想線に沿って前記前胴部を前方に移動させるように前記複数のスラストシリンダを制御する第1前進ステップと、
    前記前胴部のグリッパを張り出して前記前胴部を前記トンネルの内壁に固定した状態で、前記前胴部の移動したトンネル掘削の実績線である第2経路線に基づいて設定された移動予想線に沿って前記後胴部を前方に移動させるように前記複数のスラストシリンダを制御する第2前進ステップと、を備えた、
    トンネル掘削装置の制御方法。
  2. 複数のカッタを有する前胴部と、前記前胴部の後方に配置された後胴部と、前記前胴部と前記後胴部との間に配置された複数のスラストシリンダと、を備えたトンネル掘削装置の制御方法であって、
    前記前胴部のグリッパを張り出して前記前胴部をトンネルの内壁に固定した状態で、前記前胴部または前記後胴部の移動したトンネル掘削の実績線である第3経路線に基づいて設定された移動予想線に沿って前記後胴部を後方に移動させるように前記複数のスラストシリンダを制御する第1後進ステップを備えた、
    トンネル掘削装置の制御方法。
  3. 前記後胴部のグリッパを張り出して前記後胴部を前記トンネルの内壁に固定した状態で、前記第3経路線に基づいて設定された移動予想線に沿って前記前胴部を後方に移動させるように前記複数のスラストシリンダを制御する第2後進ステップを更に備えた、
    請求項2に記載のトンネル掘削装置の制御方法。
  4. 前記第1前進ステップでは、前記前胴部の中心位置が前記移動予想線に沿うように、前記複数のスラストシリンダが制御される、
    請求項1に記載のトンネル掘削装置の制御方法。
  5. 前記第2前進ステップでは、前記後胴部の中心位置が前記移動予想線に沿うように、前記複数のスラストシリンダが制御される、
    請求項1またはに記載のトンネル掘削装置の制御方法。
  6. 前記第1後進ステップでは、前記後胴部の中心位置が前記移動予想線に沿うように、前記複数のスラストシリンダが制御される、
    請求項2に記載のトンネル掘削装置の制御方法。
  7. 前記第2後進ステップでは、前記前胴部の中心位置が前記移動予想線に沿うように、前記複数のスラストシリンダが制御される、
    請求項3に記載のトンネル掘削装置の制御方法。
  8. 前記移動予想線は、前記前胴部の中心位置と、前記後胴部の中心位置と、前記前胴部の中心線と前記後胴部の中心線の交点である中折れ点から求められる、
    請求項1~3のいずれか1項に記載のトンネル掘削装置の制御方法。
  9. 前記前胴部から所定距離における前記第1経路線上の位置と前記第1経路線に基づいて設定された移動予想線上の位置との第1位置ズレ量を表示する第1前進表示ステップを更に備えた、請求項1に記載のトンネル掘削装置の制御方法。
  10. 前記後胴部から所定距離における前記第2経路線上の位置と前記第2経路線に基づいて設定された移動予想線上の位置との第2位置ズレ量を表示する第2前進表示ステップを更に備えた、請求項1またはに記載のトンネル掘削装置の制御方法。
  11. 前記後胴部から所定距離における前記第3経路線上の位置と前記第3経路線に基づいて設定された移動予想線上の位置との第3位置ズレ量を表示する第1後進表示ステップを更に備えた、
    請求項2に記載のトンネル掘削装置の制御方法。
  12. 前記前胴部から所定距離における前記第3経路線上の位置と前記第3経路線に基づいて設定された移動予想線上の位置との第4位置ズレ量を表示する第2後進表示ステップを更に備えた、
    請求項3に記載のトンネル掘削装置の制御方法。
  13. 前記第1前進表示ステップは、前記第1位置ズレ量とともに、前記前胴部の現状位置の前記第1経路線からの第5位置ズレ量も表示する、
    請求項に記載のトンネル掘削装置の制御方法。
  14. 前記第2前進表示ステップは、前記第2位置ズレ量とともに、前記後胴部の現状位置の前記第2経路線からの第6位置ズレ量も合わせて表示する、
    請求項10に記載のトンネル掘削装置の制御方法。
  15. 前記第1後進表示ステップは、前記第3位置ズレ量とともに、前記後胴部の現状位置の前記第3経路線からの第7位置ズレ量も合わせて表示する、
    請求項11に記載のトンネル掘削装置の制御方法。
  16. 前記第2後進表示ステップは、前記第4位置ズレ量とともに、前記前胴部の現状位置の前記第3経路線からの第8位置ズレ量も合わせて表示する、
    請求項12に記載のトンネル掘削装置の制御方法。
  17. 複数のカッタと、トンネルの内壁を押圧するグリッパと、を有する前胴部と、
    前記トンネルの内壁を押圧するグリッパを有し、前記前胴部の後方に配置された後胴部と、
    前記前胴部と前記後胴部との間に配置された複数のスラストシリンダと、
    前記後胴部のグリッパを張り出して前記後胴部を前記トンネルの内壁に固定した状態で、トンネルの掘削計画線である第1経路線に基づいて設定された移動予想線に沿って前記前胴部を前方に移動させるように前記複数のスラストシリンダを制御し、
    前記前胴部のグリッパを張り出して前記前胴部を前記トンネルの内壁に固定した状態で、前記前胴部の移動したトンネル掘削の実績線である第2経路線に基づいて設定された移動予想線に沿って前記後胴部を前方に移動させるように前記複数のスラストシリンダを制御する制御部と、を備えた、
    トンネル掘削装置。
  18. 複数のカッタと、トンネルの内壁を押圧するグリッパと、を有する前胴部と、
    前記トンネルの内壁を押圧するグリッパを有し、前記前胴部の後方に配置された後胴部と、
    前記前胴部と前記後胴部との間に配置された複数のスラストシリンダと、
    前記前胴部のグリッパを張り出して前記前胴部を前記トンネルの内壁に固定した状態で、前記前胴部または前記後胴部の移動したトンネル掘削の実績線である第3経路線に基づいて設定された移動予想線に沿って前記後胴部を後方に移動させるように前記複数のスラストシリンダを制御する制御部と、を備えた、
    トンネル掘削装置。
  19. 前記制御部は、前記後胴部のグリッパを張り出して前記後胴部を前記トンネルの内壁に固定した状態で、前記第3経路線に基づいて設定された移動予想線に沿って前記前胴部を後方に移動させるように前記複数のスラストシリンダを制御する、
    請求項18に記載のトンネル掘削装置。
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