JP7331354B2 - 積層体 - Google Patents

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本発明は、積層体に関し、より詳しくは、エチレン・プロピレン共重合体などからなるポリエチレン樹脂組成物を含有する樹脂層と金属箔または金属蒸着フィルムの基材層を含む積層体に関するものである。
従来、包装・容器等の内容物保存性を高めるため、バリア性のあるアルミニウム箔などの金属箔、金属蒸着フィルム等を用いた積層体が用いられている。
これら積層体には、ヒートシール層として、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)等からなるポリエチレン系樹脂組成物が用いられてきた。近年では、これら積層体のヒートシール強度、低温ヒートシール性、ホットタック性、耐衝撃性、耐ピンホール性等を向上させるため、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、特にメタロセン触媒で重合されたLLDPEの使用が提案され、軟包装、液体紙容器などのシーラントとして広く使用されてきている。しかしながら、易引裂性包装用途では、引裂性が悪いため、開封に力を要する、樹脂層が伸びる等の問題を有している。加えて、液体紙容器等のストローホールがある容器については、ストローの貫通性が悪い等の問題を有している。
これら積層体の製造には、ドライラミネート法や共押出成形、押出ラミネート成形が用いられている。押出ラミネート成形においては、接着剤を塗布する場合としない場合があり、いずれも安定した高い接着強度が求められる。
接着剤を使用した場合、積層体の層間の接着強度は保持されるものの、接着剤を多量に使用することによる製造コストの増大や、有機溶剤を使用することによる安全性の低下および環境面での問題、最終製品への匂いの残留などの問題がある。一方、接着剤を使用しない場合、積層体の層間の接着強度が弱くなるため、この積層体からなる包装体は破損しやすく、包材としての品質が安定しないという問題を有している。
アルミニウム箔などの金属箔、金属蒸着フィルム等の金属との接着性に優れる樹脂として、エチレンとメチルアクリレートとの共重合体(EMMA)、エチレンとアクリル酸との共重合体(EAA)、アイオノマー、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)などが使用されている例がある。しかしながら、これらの樹脂を使用した容器は、樹脂の分解による臭気、溶出成分が内容物に移行し、内容物の品質悪化を招くという欠点を有するばかりでなく、高価であるという問題点も有している。
かかる問題を解決する試みは多くなされており、例えば、メタロセン触媒で重合されたLLDPEとチーグラー触媒で重合されたLLDPEの積層体が提案されている(特許文献1参照)が、この積層体は、チーグラー触媒により重合されたLLDPEにより引裂き性は、多少は改善されるものの、依然としてメタロセン触媒で重合されたLLDPE層の伸びは解消できず、何よりヒートシール性を大きく犠牲にするため望ましい方法とはいえず、基材との接着に関する記載はない。さらに、メタロセン触媒で重合されたLLDPEに特定のスウェル比を有するLDPEを配合する発明(特許文献2参照)が開示されているが、ヒートシール強度と引裂きバランスでは満足といえるものではなく、基材との接着性に関する記載はない。
また、接着剤を利用しない方法として、特定の物性を示す、あるいは特定のコポリマーを含むポリエチレン系樹脂を使用する方法(特許文献3参照)が提案されているが、接着強度と引裂性に関する記載はなく、接着強度と引裂性の両方に優れた開示はなかった。
特開平10-24539号公報 特開2000-212339号公報 特開2001-191452号公報
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、金属箔または金属蒸着フィルム基材との良好な接着性および、易引裂性による開封取扱いに優れた積層体を提供することにある。
本発明者は、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、新たに以下に示す(c-1)~(c-4)の新領域の物性を有するエチレン・プロピレン共重合体を試作するとともに、かかる特定の特性を有するエチレン・プロピレン共重合体、すなわち、エチレンである主成分とプロピレンである副成分を所定量含み、密度およびMFRがある一定の範囲であり、共重合体中に含まれる二重結合の量が多く、分岐数が多いエチレン・プロピレン共重合体を含有するポリエチレン樹脂組成物を用いて、金属箔または金属蒸着フィルム基材層上に直接樹脂層を形成した積層体は、優れた接着性を有するとともに、易引裂性にも優れ、いずれの性能も両立する、内容物の保護性能と取扱性に優れた積層体になることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の第1の発明によれば、樹脂層(A)および基材層(B)の少なくとも2層を有し、
樹脂層(A)は、前記基材層(B)上に直接接着することにより形成され、樹脂層(A)および基材層(B)が、それぞれ下記の特性を満たすことを特徴とする、積層体が提供される。
樹脂層(A):下記(c-1)~(c-4)の特性を有するエチレン・プロピレン共重合体(C)を含有するポリエチレン樹脂組成物(D)を含む
(c-1)エチレンに由来する構成単位を主成分として80~98mol%、プロピレンに由来する構成単位を必須の副成分として2~20mol%含み、エチレン及びプロピレン以外の第3のα-オレフィンに由来する構成単位を副成分として5mol%以下含んでいてもよい
(ただし、前記第3のα-オレフィンに由来する構成単位を含む場合は、エチレンに由来する構成単位とプロピレンに由来する構成単位と第3のα-オレフィンに由来する構成単位の合計が100mol%を超えない)
(c-2)MFR(190℃、21.18N荷重)が0.1~100g/10分
(c-3)密度が0.88~0.94g/cm
(c-4)エチレン・プロピレン共重合体中のビニル、ビニリデンの合計量が0.35(個/total 1000C)以上
(ただし、ビニル、ビニリデンの個数は、NMRで測定した主鎖、側鎖の合計1000個の炭素数あたりの数である。)
基材層(B):金属箔または金属蒸着フィルム
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記ポリエチレン樹脂組成物(D)が、前記エチレン・プロピレン共重合体(C)95~10重量%および下記(e-1)~(e-2)の特性を有する高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン(E)5~90重量%を含有することを特徴とする、積層体が提供される。
(e-1)MFR(190℃、21.18N荷重)が0.1~20g/10分
(e-2)密度が0.915~0.930g/cm
また、本発明の第3の発明によれば、第1または第2の発明において、前記エチレン・プロピレン共重合体(C)が、さらに下記特性(c-5)を満たすことを特徴とする、積層体が提供される。
(c-5)エチレン・プロピレン共重合体中のコモノマーによる分岐数(Y)と密度(X)が下記式(1)の関係を満たす。
式(1):(Y)≧ -1157×(X)+1080
(ただし、Yは、NMRで測定した主鎖、側鎖の合計1000個の炭素数あたりの数である。)
また、本発明の第4の発明によれば、第1~第3のいずれかの発明において、前記エチレン・プロピレン共重合体(C)が、さらに下記特性(c-6)を満たすことを特徴とする、積層体が提供される。
(c-6)エチレン・プロピレン共重合体中のコモノマーによる分岐数(Y)と密度(X)が下記式(2)の関係を満たす。
式(2):(Y)≧ -1157×(X)+1084
(ただし、Yは、NMRで測定した主鎖、側鎖の合計1000個の炭素数あたりの数である。)
また、本発明の第5の発明によれば、第1~第4のいずれかの発明において、前記ポリエチレン樹脂組成物(D)が、さらに下記特性(d-1)~(d-2)を満たすことを特徴とする、積層体が提供される。
(d-1)MFRが1~100g/10分
(d-2)密度が0.88~0.94g/cm
また、本発明の第6の発明によれば、第1~第5のいずれかの発明において、前記積層体が押出コーティング法により形成されていることを特徴とする、積層体が提供される。
本発明の積層体は、ポリエチレン樹脂組成物と金属箔または金属蒸着フィルムとの良好な接着性と易引裂性を示すものであり、内容物の保護性能および開封取扱性に優れた積層体である。
本発明は、特定のエチレン・プロピレン共重合体等を含むポリエチレン樹脂組成物を含有する樹脂層と、金属箔または金属蒸着フィルムである基材層とを備えることを特徴とする積層体に係るものである。
以下、本発明において用いられる各成分および、それらを用いた積層体等について詳細に説明する。
1.ポリエチレン樹脂組成物(D)
本発明のポリエチレン樹脂組成物(以下、単に樹脂組成物ともいう)は、エチレン・プロピレン共重合体(C)を含有することを特徴とし、更に高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン(E)を含有することが好ましく、エチレン・プロピレン共重合体(C)95~10重量%および高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン(E)5~90重量%を含有することがより好ましい。
(1)エチレン・プロピレン共重合体(C)
本発明において用いられるエチレン・プロピレン共重合体(C)は、下記(c-1)~(c-4)の特性を有する。
(c-1)エチレンに由来する構成単位を主成分として80~98mol%、プロピレンに由来する構成単位を必須の副成分として2~20mol%含み、エチレン及びプロピレン以外の第3のα-オレフィンに由来する構成単位を副成分として5mol%以下含んでいてもよい
(ただし、上記第3のα-オレフィンに由来する構成単位を含む場合は、エチレンに由来する構成単位とプロピレンに由来する構成単位と第3のα-オレフィンに由来する構成単位の合計が100mol%を超えない)
(c-2)MFR(190℃、21.18N荷重)が0.1~100g/10分
(c-3)密度が0.88~0.94g/cm
(c-4)エチレン・プロピレン共重合体中のビニル、ビニリデンの合計量が0.35(個/total 1000C)以上
(ただし、ビニル、ビニリデンの個数は、NMRで測定した主鎖、側鎖の合計1000個の炭素数あたりの数である。)
なお、エチレンとプロピレンを構成成分とする共重合体としては、いわゆるエチレンプロピレンゴム(EPM)と呼ばれる、プロピレン成分を20mol%より多く含み、密度も0.870g/cm以下の溶液重合法により得られるゴム状重合体が、エラストマーの分野において用いられているが、本発明のエチレン・プロピレン共重合体(C)は、これらエチレンプロピレンゴムとは、密度範囲も、含まれるエチレンやプロピレンの量が異なり、物性等も全く異なる重合体である。
また、プロピレン重合体において、製造過程でエチレン成分を若干量含むプロピレンエチレン共重合体も知られているが、これらもそのプロピレン含有量等の点で本発明のエチレン・プロピレン共重合体(C)と大きく異なり、物性等もまったく異なる重合体である。
また、いわゆる通常の直鎖状の分子構造を有するエチレン・α-オレフィン共重合体(例えばLLDPE)は主にフィルム用途として開発されているために、通常、高強度の共重合体を得るためのC4やC6といったC4以上のα-オレフィンを主のコモノマー成分とするのが常であり、低強度となるC3コモノマーを主の副成分として用いたエチレンとプロピレンからなる共重合体であって、密度が0.88g/cm以上の共重合体は、今まで殆ど注目されず、少なくとも本出願人からは市販等されていなかった。
今般、新たに、かかる密度領域の、C3コモノマーを主の副成分として用いてエチレン・プロピレン共重合体を試作すると共に、種々検討したところ、特に(c-1)~(c-4)といった新たな領域の物性を有するエチレン・プロピレン共重合体を用いたポリエチレン樹脂組成物を含む積層体において、本発明の効果が得られることを見出した。
(i)エチレン・プロピレン共重合体(C)の特性
(c-1)モノマー構成
本発明に用いられるエチレン・プロピレン共重合体(C)は、エチレンに由来する構成単位を主成分として80~98mol%、プロピレンに由来する構成単位を副成分として2~20mol%含むことを特徴とする、エチレン・プロピレン共重合体であり、具体例としては触媒重合法により重合してなる共重合体であって、実質的に直鎖状にランダムに重合してなる共重合体である。具体例としては、エチレンとプロピレンのランダム共重合体である。好ましくは、エチレンに由来する構成単位が82~97mol%、プロピレンに由来する構成単位が3~18mol%、更に好ましくはエチレンに由来する構成単位が85~95mol%、プロピレンに由来する構成単位が5~15mol%である。ここで、エチレン含有量等のモノマー量は、13C-NMRにより、後述する実施例に記載の条件で測定し、算出した値である。
なお、その他のα-オレフィン、特に炭素数4~20のα-オレフィンに由来する構成単位及び他のモノマー成分を全く含まない構成が好ましいが、実質的に微量でかかる構成を含んでいてもよい。本明細書においては、エチレン及びプロピレン以外のα-オレフィンを第3のα-オレフィンという。本発明のエチレン・プロピレン共重合体(C)は、エチレン及びプロピレン以外の第3のα-オレフィンに由来する構成単位を副成分として例えば5mol%以下、好ましくは2mol%以下、更に好ましくは1.5mol%以下、一層好ましくは1mol%以下、最も好ましくは0.5mol%以下含んでいてもよい。ここで、本発明のエチレン・プロピレン共重合体(C)が第3のα-オレフィンに由来する構成単位を含む場合は、エチレンに由来する構成単位とプロピレンに由来する構成単位と第3のα-オレフィンに由来する構成単位の合計が100mol%を超えない。また、この場合、プロピレンに由来する構成単位の含有量は、第3のα-オレフィンに由来する構成単位の含有量より高いことが好ましい。また、本発明のエチレン・プロピレン共重合体(C)が第3のα-オレフィンに由来する構成単位を含む場合は、1種又は2種以上の第3のα-オレフィンを使用することができる。
また、エチレン・プロピレン共重合体(C)は、(c-1)~(c-4)、更に好ましくは(c-5)、(c-6)を充足する範囲で、1種または2種以上の組み合わせでもよい。
プロピレンを副成分として必須コモノマーとし、特に、後に記載するメタロセン触媒を用いた高圧イオン重合法を採用した場合、特異的にビニル、ビニリデンの合計数が多いエチレン・α-オレフィン共重合体を得ることが可能となる。1-ヘキセン、1-オクテンといったα-オレフィンをコモノマー主成分として重合した場合、この効果は得られにくい。
(c-2)MFR
本発明に用いるエチレン・プロピレン共重合体(C)は、メルトフローレート(MFR:190℃、21.18N荷重)が0.1~100g/10分であり、好ましくは1~80g/10分であり、より好ましくは5~70g/10分である。MFRが0.1g/10分未満であると成形時の延展性が悪くなり、押出機内のモーター負荷が高くなるため好ましくない。一方、MFRが100g/10分を超えると成形時の溶融膜の状態が不安定になるので好ましくない。
ポリマーのMFRを調節するには、例えば、重合温度、コモノマー量などを適宜調調節する方法がとられる。エチレン・プロピレン共重合体のMFRは、JIS-K6922-2:1997附属書(190℃、21.18N荷重)に準拠して測定する。
(c-3)密度
本発明に用いるエチレン・プロピレン共重合体(C)は、密度が0.88~0.94g/cmであり、好ましくは0.885~0.94g/cmであり、より好ましくは0.89~0.93g/cmである。密度が0.88g/cm未満であると、ブロッキングが不良になるので好ましくない。一方、密度が0.94g/cmを超えると、接着性が不良となるので好ましくない。
ポリマーの密度を調節するには、例えばコモノマー含有量、重合温度、触媒量などを適宜調節する方法がとられる。なお、エチレン・プロピレン共重合体の密度は、JIS-K6922-2:1997附属書(低密度ポリエチレンの場合)に準拠して測定する(測定温度23℃)。
(c-4)ビニル、ビニリデンの合計数
エチレンとα-オレフィンの1種以上を共重合してなる共重合体においては、積極的なジエンモノマーの添加を行わない場合でも、製造過程のメカニズムの違いに起因して、種々の二重結合(ビニル、ビニリデン、シス-ビニレン、トランス-ビニレン、三置換オレフィン)を生じる場合があり、その量や種類も様々である。
従来、太陽電池封止材として良好な架橋特性を得るためには、エチレン・α-オレフィン共重合体に含まれる二重結合数が多いと架橋特性が良好であることは知られていたが、積層用樹脂組成物分野においては、二重結合の量や種類による違いについては検討されていなかった。
本発明では、エチレン・プロピレン共重合体に含まれる種々の二重結合のうち、特にビニルとビニリデンが接着強度において重要であることを見出し、かつ、ビニルとビニリデンの合計数が、通常のエチレン・α-オレフィン共重合体よりも多いエチレン・プロピレン共重合体を製造し、積層用樹脂組成物用のエチレン・プロピレン共重合体として用いることによって、本発明の効果を達成することを見出し、完成したものである。
本発明で用いるエチレン・プロピレン共重合体(C)は、NMRで測定した主鎖、側鎖の合計1000個の炭素数当たりのビニル、ビニリデンの二重結合の合計数が0.35(個/total 1000C)以上であり、好ましくは0.40~5.0(個/total 1000C)であり、より好ましくは0.45~4.5(個/total 1000C)であり、更に好ましくは0.50~4.0(個/total 1000C)である。
ビニル、ビニリデンの合計数が上記範囲であると、接着強度に優れた樹脂組成物となり、0.35個未満であると、接着強度が十分なものとならない。ビニル、ビニリデンの合計数は、適当なメタロセン触媒の選択、重合温度、コモノマー種、コモノマー量を適宜調節することにより、上記範囲に制御することができる。
なお、これら二重結合の数は、主鎖、側鎖の合計1000個の炭素数あたりの数であり、H-NMRスペクトルの特性ピークの積算強度を用いて算出した値であり、後述の実施例に記載の条件で測定し、算出した値である。
更に本発明においては、エチレン・プロピレン共重合体(C)中のビニルの個数は、0.2(個/total 1000C)以上の範囲を満たすことが好ましい。
また、本発明においては、エチレン・プロピレン共重合体(C)中のビニリデンの個数は、0.12(個/total 1000C)以上の範囲を満たすことが好ましい。
(c-5)コモノマーによる分岐数(Y)と密度(X)との関係
本発明で用いるエチレン・プロピレン共重合体(C)は、コモノマーによる分岐数(Y)と密度(X)が、下記式(1)を満たすことが好ましい。
式(1):(Y)≧ -1157×(X)+1080
密度と分岐数が上記式(1)の関係を満たすと、コモノマーによる分岐数が十分に確保され、易引裂性と接着強度に優れた樹脂組成物となる。
ここで、コモノマーによる分岐数(Y)は、エチレン・プロピレン共重合体(C)をNMRで測定した主鎖、側鎖の合計1000個の炭素数あたりの数(個/total 1000C)である。
また、密度(X)は、エチレン・プロピレン共重合体(C)の密度であり、上記の通り測定される。
なお、コモノマーによる分岐数(Y)は、ポリマー中に含まれる三級炭素の量を示し、NMRで測定した、主鎖、側鎖の合計1000個の炭素数あたりの数であり、例えばE. W. Hansen, R. Blom, and O. M. Bade, Polymer, 36巻 4295頁(1997年)を参考に13C-NMRスペクトルから算出することができる。
密度と分岐数の関係は、共重合するコモノマーの種類と比率、重合温度等の重合条件により調整することができる。
(c-6)コモノマーによる分岐数(Y)と密度(X)との関係
本発明で用いるエチレン・プロピレン共重合体(C)は、コモノマーによる分岐数(Y)と密度(X)が、下記式(2)を満たすことがより好ましい。
式(2):(Y)≧ -1157×(X)+1084
密度と分岐数が上記式(2)の関係を満たすと、モノマーによる分岐数が十分に確保され、易引裂性と接着強度に優れた樹脂組成物となる。
ここで、コモノマーによる分岐数(Y)は、エチレン・プロピレン共重合体(C)をNMRで測定した主鎖、側鎖の合計1000個の炭素数あたりの数(個/total 1000C)である。
また、密度(X)は、エチレン・プロピレン共重合体(C)の密度であり、上記の通り測定される。
(ii)エチレン・プロピレン共重合体(C)の重合触媒および重合方法
本発明で使用されるエチレン・プロピレン共重合体(C)の製造に用いられる触媒としては、特に限定されないが、より好ましくはメタロセン触媒を用いる。
メタロセン触媒としては、特に限定されるわけではないが、シクロペンタジエニル骨格を有する基等が配位したジルコニウム化合物などのメタロセン化合物と助触媒とを触媒成分とする触媒が挙げられる。特に、シクロペンタジエニル骨格を有する基等が配位したジルコニウム化合物などのメタロセン化合物を使用するのが好ましい。
製造法としては、特に限定されず、高圧イオン重合法、気相法、溶液法、スラリー法等を用いることができるが、本発明に係る二重結合を調整したエチレン・プロピレン共重合体(C)を得るためには150~330℃の高温で重合を行うことが望ましいため、高圧イオン重合法を利用するのが好ましい(「ポリエチレン技術読本」第4章、松浦一雄・三上尚孝 編著、2001年)。
(2)高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン(E)
本発明において用いられる高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン(E)(以下、単に低密度ポリエチレン(E)ともいう)は、下記(e-1)~(e-2)の特性を有する高圧ラジカル重合法により得られた低密度ポリエチレン(LDPE)であり、好ましくは長鎖分岐状低密度ポリエチレンである。
(e-1)MFR(190℃、21.18N荷重)が0.1~20g/10分
(e-2)密度が0.915~0.930g/cm
(i)高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン(E)の特性
(e-1)MFR
本発明に用いる低密度ポリエチレン(E)のメルトフローレート(MFR:190℃、21.18N荷重)は、0.1~20g/10分であり、好ましくは0.5~15g/10分であり、より好ましくは1~15g/10分である。MFRが0.1g/10分未満では延展性が不十分となり高速成形時に膜切れを生じる。一方、MFRが20g/10分を超えると溶融膜が不安定となる。
ここで、MFRは、JIS-K6922-2:1997附属書(190℃、21.18N荷重)に準拠して測定する値である。
(e-2)密度
本発明に用いる低密度ポリエチレン(E)の密度は、0.915~0.930g/cmであり、好ましくは0.916~0.926g/cmであり、より好ましくは0.917~0.925g/cmである。密度が0.915g/cm未満ではベタツキが多くなる。一方、0.93g/cmを超えると接着性が不良となる。
ここで、密度は、JIS-K6922-2:1997附属書(低密度ポリエチレンの場合)に準拠して測定する(測定温度23℃)。
(ii)高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン(E)の重合方法
本発明で使用する低密度ポリエチレン(E)の製造は、一般に槽型反応器または管型反応器を用いて、ラジカル発生剤の存在下、重合圧力1000~3000kg/cm、重合温度150~300℃の条件下でエチレンを重合することによって行われる。分子量調節剤として水素やメタン、エタンなどの炭化水素を用いることによってMFRを調節することができる。
(3)エチレン・プロピレン共重合体(C)と低密度ポリエチレン(E)の組成割合
本発明で用いられるポリエチレン樹脂組成物(D)がエチレン・プロピレン共重合体(C)及び低密度ポリエチレン(E)を含有する場合において、エチレン・プロピレン共重合体(C)と高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン(E)との比率は、(C):(E)が、10~95重量%:5~90重量%であり、好ましくは20~95重量%:5~80重量%であり、より好ましくは30~95重量%:5~70重量%である。更に好ましくは40~95重量%:5~60重量%である。エチレン・プロピレン共重合体(C)が多すぎると、溶融膜の安定性が低下するおそれがあり、また、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン(E)が多いと接着強度が低下するおそれがある。
特に、エチレン・プロピレン共重合体(C)と高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン(E)との比率(C:E)が、50~95重量%:5~50重量%であると、より接着強度が高くなるため、好ましい。
(4)ポリエチレン樹脂組成物(D)の特性
(d-1)MFR
本発明において用いられるポリエチレン樹脂組成物(D)のメルトフローレート(MFR:190℃、21.18N荷重)は、好ましくは1~100g/10分であり、より好ましくは1~80g/10分であり、更に好ましくは2~70g/10分である。MFRが1g/10分未満であると成形時の延展性が悪くなり、押出機内のモーター負荷が高くなるため好ましくない。一方、MFRが100g/10分を超えると成形時の溶融膜の状態が不安定になるので好ましくない。
ここで、MFRは、JIS-K6922-2:1997附属書(190℃、21.18N荷重)に準拠して測定する値である。
(d-2)密度
本発明において用いるポリエチレン樹脂組成物(D)の密度は、好ましくは0.88~0.94g/cmであり、より好ましくは0.885~0.94g/cmであり、更に好ましくは0.89~0.935g/cmである。密度が0.88g/cm未満であると、ブロッキングが不良になるので好ましくない。一方、密度が0.94g/cmを超えると、接着性が不良となるので好ましくない。
ここで、密度は、JIS-K6922-2:1997附属書(低密度ポリエチレンの場合)に準拠して測定する(測定温度23℃)。
(5)その他の成分
本発明において用いられるポリエチレン樹脂組成物(D)またはそれを含有する樹脂層(A)には、必要に応じて、ポリエチレン系樹脂に通常使用されるフェノール系、リン系等の酸化防止剤、金属石鹸等の安定剤、アンチブロッキング剤、滑剤、分散剤、有機系または無機系の着色剤等の顔料、不飽和脂肪酸エステル等の防曇剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、核剤などの添加剤を配合しても良い。
また、ポリエチレン組成物層の特性を損ねない範囲で、LDPE、C4-LLDPE、HAO-LLDPE、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタアクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-アクリル酸エステル共重合体(EEA、EMA、EMMA等)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン系樹脂、エチレン-無水マレイン酸共重合体などの接着性樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン樹脂等、他の熱可塑性樹脂を配合しても構わない。
また、本発明のポリエチレン樹脂組成物(D)は架橋剤を含有しないことが好ましい。
2.基材層(B)
本発明において用いられる基材層(B)は、金属箔または金属蒸着フィルムである。本発明における金属箔または金属蒸着フィルムとは、アルミニウム、金、銀、鉄、鋼、銅、ニッケル、これらを主成分とする合金等の金属箔;ポリエステル、ポリアミド等のフィルムの表面に、アルミニウム、ケイ素等の金属等を蒸着した蒸着フィルムのことである。
3.積層体
本発明の積層体は、上述したポリエチレン樹脂組成物(D)を含む樹脂層(A)及び基材層(B)の少なくとも2層を有し、樹脂層(A)は、基材層(B)上に直接接着することにより形成されている積層体である。基材層(B)の少なくとも一方の面には、ポリエチレン樹脂組成物(D)を含有する樹脂層(A)が直接接着することにより形成されている。
積層体の構成についての制約はないが、例えば下記のような構成を含む積層体が例示される。
基材層(B)/樹脂組成物(D)を含む樹脂層(A)、樹脂組成物(D)を含む樹脂層(A)/基材層(B)/樹脂組成物(D)を含む樹脂層(A)、基材層(B)/樹脂組成物(D)を含む樹脂層(A)/基材層(B)、樹脂組成物(D)を含む樹脂層(A)/基材層(B)/樹脂組成物(D)を含む樹脂層(A)/基材層(B)、基材層(B)/樹脂組成物(D)を含む樹脂層(A)/基材層(B)/樹脂組成物(D)を含む樹脂層(A)/基材層(B)、基材層(B)/樹脂組成物(D)を含む樹脂層(A)/他基材層、他樹脂層/基材層(B)/樹脂組成物(D)を含む樹脂層(A)、他基材層/基材層(B)/樹脂組成物(D)を含む樹脂層(A)、基材層(B)/樹脂組成物(D)を含む樹脂層(A)/他樹脂層
ここで、他基材層としては、基材層(B)とは異なる基材層であり、例としてポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート等のプラスチックフィルムまたはシート、上記フィルムまたはシートの延伸物、印刷物、金属等の蒸着物等の二次加工したフィルムまたはシート、アルミニウム、鉄、銅、これらを主成分とする合金等の金属箔または金属板、セロファン、紙、織布、不織布等が挙げられる。
また、他樹脂層としては、樹脂層(A)とは異なる樹脂層であり、例としてLDPE、C4-LLDPE、HAO-LLDPE、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタアクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-アクリル酸エステル共重合体(EEA、EMA、EMMA等)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン系樹脂、エチレン-無水マレイン酸共重合体などの接着性樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン樹脂等、他の熱可塑性樹脂が挙げられる。
積層体の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、基材層に、ポリエチレン樹脂組成物を溶融押出しし積層するいわゆる押出コーティング法が好ましい。また、上記押出コーティングは単層、サンドイッチラミネート、共押出ラミネート、タンデムラミネート等の方法により一層以上積層されることが好ましい。ポリエチレン樹脂組成物(D)を含む樹脂層(A)は、接着層として使用できるうえ、表層のシーラントとしても使用することができる。本発明によれば、基材との接着が良好であるため、高速成形が可能となる。
また、基材層との接着性を確保する方法としては特に限定されないが、例えば、基材の表面処理を行ってもよい。表面処理の方法としては、コロナ放電処理法、オゾン処理法、フレーム処理法、低温プラズマ処理法等の各種処理法が挙げられる。また、溶融樹脂へオゾンを吹きかける方法も挙げられる。なお、他基材層を備える場合は、必要に応じて、アンカーコート処理することが好ましい。
本発明の積層体は、上記のポリエチレン樹脂組成物(D)を含む樹脂層(A)により形成され、基材層(B)との接着強度に優れる上に、易引裂性も良好であり、内容物の保護性能および取扱性に優れた積層体である。
本発明の積層体は、基材層(B)との接着強度および易引裂性のいずれも良好である。そのため、易引裂包装袋用フィルム、食品包装用フィルム、液体紙容器、羊羹、ゼリー等の冷菓、乾燥品食品、油脂、菓子類等の包装用容器等として好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例、比較例で用いた評価方法および使用樹脂は、以下の通りである。
1.樹脂物性の評価方法
(1)メルトフローレート(MFR)
前述の通り、エチレン・プロピレン共重合体、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレンまたはポリエチレン樹脂組成物のMFRは、JIS-K6922-2:1997附属書(190℃、21.18N荷重)に準拠して測定した。
(2)密度
前述の通り、エチレン・プロピレン共重合体、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレンまたはポリエチレン樹脂組成物の密度は、JIS-K6922-2:1997附属書(23℃、低密度ポリエチレンの場合)に準拠して測定した。
(3)コモノマー量、コモノマーによる分岐数および二重結合数
コモノマー量およびコモノマーによる分岐数(Y)は、13C-NMRにより、二重結合数(ビニル、ビニリデン)は、H-NMRにより、次の条件で測定し、主鎖および側鎖の合計1000個の炭素あたりの個数で求めた。
装置:ブルカー・バイオスピン(株)AVANCE III cryo-400MHz
溶媒:o-ジクロロベンゼン/重化ブロモベンゼン=8/2混合溶液
<試料量>
試料460mg/溶媒2.3ml
13C-NMR>
Hデカップル、NOEあり
・積算回数:256scan
・フリップ角:90°
・パルス間隔20秒・AQ(取り込み時間)=5.45s D1(待ち時間)=14.55s
H-NMR>
・積算回数:1400scan
・フリップ角:1.03°
・AQ(取り込み時間)=1.8s D1(待ち時間)=0.01s
(4)接着強度
得られた積層体を、流れ方向に15mm幅の短冊状に切出し、樹脂層(A)と基材層(B)との層間の界面で剥離し、被検体数5、剥離速度300mm/分、T剥離試験での剥離強度をもって接着強度とした。基材層(B)に対して樹脂層(A)を引っ張って剥離しながらこの層が切れた場合にはチャートの最高点の数値をもって接着強度とした。
(5)引裂性
得られた積層体を、加工時の流れ方向(MD)と流れ方向に対して垂直方向(TD)に、それぞれノッチ部から手で引き裂いた際の切れ性を官能評価した。引き裂いたときにサンプル伸びが出ず、抵抗なく切れたものを「○」、サンプル伸びが発生し、抵抗があったものを「×」とした。
2.材料
(1)基材層(B)
金属箔または金属蒸着フィルムとして、以下に記載の(B-1)、(B-2)をそれぞれ用いた。
(B-1):東洋アルミニウム社製 アルミニウム箔(厚さ7μm)
(B-2):東レフィルム加工社製 VM-PET 1310(厚さ12μm、アルミ蒸着フィルム)
(2)エチレン・プロピレン共重合体(C)または他のエチレン・α-オレフィン共重合体
下記製造方法により得られた(PE-1)、(PE-4)及び(PE-5)をエチレン・プロピレン共重合体として用いた。また、(PE-2)として市販のメタロセン系エチレン・α-オレフィン共重合体を用いた。その物性値を表1~2に示す。
<(PE-1)、(PE-4)及び(PE-5)の製造方法>
(i)触媒の調製
特開平10-218921号公報に記載された方法で調製した錯体「rac-ジメチルシリレンビスインデニルハフニウムジメチル」0.05molに、等molの「N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート」を加え、トルエンで50Lに希釈して触媒溶液を調製した。
(ii)重合方法
内容積5.0Lの撹拌式オートクレーブ型連続反応器を用い、反応器内の圧力を80MPaに保ち、エチレン、プロピレン、1-ヘキセンを適宜調整しながら、55kg/時の割合で原料ガスを連続的に供給した。また、上記「(i)触媒の調整」の項に記載の触媒溶液を連続的に供給し、重合温度は200~250℃の範囲内で適宜調整することで(PE-1)、(PE-4)及び(PE-5)のエチレン・プロピレン共重合体を得た。
(3)高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン(E)
表1~2に示す物性値を有する高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン(PE-3)を用いた。
(実施例1)
エチレン・プロピレン共重合体(PE-1)70重量%と、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン(PE-3)30重量%を配合した。これを十分に混合し、40mmφ単軸押出機を用いてポリエチレン樹脂組成物(D)のペレットを得た。
押出ラミネート成形機を用い、繰出機から、幅500mm、厚み12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡社製 エスペットフィルムT4102)を繰り出して他基材層とし、上記で得られたペレットを引取速度100m/分、被覆厚み15μmとなるように調整し、サンド側から基材層(B)として(B-1)を繰り出し、押出サンドラミネート加工を行った。このとき、樹脂層(A)側のポリエステルフィルム面にアンカーコート処理を実施した。次に、基材層(B)の樹脂層(A)側の反対面へアンカーコート処理を実施し、LDPE(日本ポリエチレン社製 ノバテックLC600A)を引取速度100m/分、被覆厚み20μmにて押出ラミネート加工を行い、ポリエステルフィルム12μm、樹脂層(A)、基材層(B)、LC600A層の積層体を得た。アンカーコート剤は、東洋モートン株式会社製 オリバインEL420とメタノールを1:9の比率で混合したものを用いた。押出ラミネート成形機は、口径90mmφの押出機に装着したTダイスから押し出される樹脂の温度が320℃になるように設定し、冷却ロール表面温度20℃、ダイス幅560mm、ダイリップ開度0.7mmで引取加工速度が100m/分の場合に被覆厚みが規定値になるように押出量を調整した。次いで、得られた積層体を用いて、上述の接着強度、引裂性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、基材層(B)として(B-2)を使用した以外は、実施例1と同様に積層体を製造した。評価結果を表2に示す。
(実施例3)
実施例1において、エチレン・プロピレン共重合体(C)である(PE-1)の代わりに、エチレン・プロピレン共重合体である(PE-4)を使用した以外は、実施例1と同様に積層体を製造した。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、エチレン・プロピレン共重合体(C)である(PE-1)の代わりに、エチレン・プロピレン共重合体である(PE-5)を使用した以外は、実施例1と同様に積層体を製造した。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、エチレン・プロピレン共重合体(C)である(PE-1)の代わりに、エチレン・α-オレフィン共重合体である(PE-2)を使用した以外は、実施例1と同様に積層体を製造した。評価結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、エチレン・プロピレン共重合体(C)を用いずに、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン(E)である(PE-3)のみからなるポリエチレン樹脂組成物(D)を使用した以外は、実施例1と同様に積層体を製造した。評価結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例2において、エチレン・プロピレン共重合体(C)である(PE-1)の代わりに、エチレン・α-オレフィン共重合体である(PE-2)を使用した以外は、実施例2と同様に積層体を製造した。評価結果を表2に示す。
(比較例4)
実施例2において、エチレン・プロピレン共重合体(C)を用いずに、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン(E)である(PE-3)のみからなるポリエチレン樹脂組成物(D)を使用した以外は、実施例2と同様に積層体を製造した。評価結果を表2に示す。
Figure 0007331354000001
Figure 0007331354000002
(評価)
この表1~2の結果から明らかなように、本発明の実施例による積層体は、易引裂性に優れると共に、金属箔または金属蒸着フィルムとの接着強度に優れた積層体である。
一方、エチレン・α-オレフィン共重合体を用いた場合(比較例1、3)では、接着強度が小さく、引裂性も不良であった。高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレンのみを用いた場合(比較例2、4)では、引裂性は良好なものの、接着強度が小さくなった。
本発明の積層体は、易引裂包装袋用フィルム、食品包装用フィルム、液体紙容器、羊羹、ゼリー等の冷菓、乾燥品食品、油脂、菓子類等の包装用容器等として用いることができる。

Claims (7)

  1. 樹脂層(A)および基材層(B)の少なくとも2層を有し、
    樹脂層(A)は、前記基材層(B)上に直接接着することにより形成され、樹脂層(A)および基材層(B)が、それぞれ下記の特性を満たすことを特徴とする包装用積層体。
    樹脂層(A):下記(c-1)~(c-4)の特性を有するエチレン・プロピレン共重合体(C)を含有するポリエチレン樹脂組成物(D)を含む
    (c-1)直鎖状にランダムに重合してなる共重合体であり、エチレンに由来する構成単位を主成分として80~98mol%、プロピレンに由来する構成単位を必須の副成分として2~20mol%含み、エチレン及びプロピレン以外の第3のα-オレフィンに由来する構成単位を副成分として5mol%以下含んでいてもよい
    (ただし、前記第3のα-オレフィンに由来する構成単位を含む場合は、エチレンに由来する構成単位とプロピレンに由来する構成単位と第3のα-オレフィンに由来する構成単位の合計が100mol%を超えない)
    (c-2)MFR(190℃、21.18N荷重)が0.1~100g/10分
    (c-3)密度が0.88~0.94g/cm
    (c-4)エチレン・プロピレン共重合体中のビニル、ビニリデンの合計量が0.35(個/total 1000C)以上
    (ただし、ビニル、ビニリデンの個数は、NMRで測定した主鎖、側鎖の合計1000個の炭素数あたりの数である。)
    基材層(B):金属箔または金属蒸着フィルム
  2. 前記ポリエチレン樹脂組成物(D)が、前記エチレン・プロピレン共重合体(C)95~10重量%および下記(e-1)~(e-2)の特性を有する高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン(E)5~90重量%を含有することを特徴とする請求項1に記載の包装用積層体。
    (e-1)MFR(190℃、21.18N荷重)が0.1~20g/10分
    (e-2)密度が0.915~0.930g/cm
  3. 前記エチレン・プロピレン共重合体(C)が、さらに下記特性(c-5)を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の包装用積層体。
    (c-5)エチレン・プロピレン共重合体中のコモノマーによる分岐数(Y)と密度(X)が下記式(1)の関係を満たす。
    式(1):(Y)≧ -1157×(X)+1080
    (ただし、Yは、NMRで測定した主鎖、側鎖の合計1000個の炭素数あたりの数である。)
  4. 前記エチレン・プロピレン共重合体(C)が、さらに下記特性(c-6)を満たすことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の包装用積層体。
    (c-6)エチレン・プロピレン共重合体中のコモノマーによる分岐数(Y)と密度(X)が下記式(2)の関係を満たす。
    式(2):(Y)≧ -1157×(X)+1084
    (ただし、Yは、NMRで測定した主鎖、側鎖の合計1000個の炭素数あたりの数である。)
  5. 前記ポリエチレン樹脂組成物(D)が、さらに下記特性(d-1)~(d-2)を満たすことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の包装用積層体。
    (d-1)MFRが1~100g/10分
    (d-2)密度が0.88~0.94g/cm
  6. 前記ポリエチレン樹脂組成物(D)が架橋剤を含有しないことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の包装用積層体。
  7. 前記積層体を、押出コーティング法により形成してなることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の包装用積層体の製造方法。
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