JP7331265B2 - 膜電極アセンブリー及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は膜電極アセンブリーの製造方法に関し、より具体的には、高分子電解質膜と電極との間の接着力及び界面耐久性が強化した膜電極アセンブリー、及び高分子電解質膜上に触媒スラリーを直接コーティングして電極を形成するにあたり、別途の追加工程なしでも前記高分子電解質膜と前記電極との間の接着力及び界面耐久性を強化させることができ、膜電極アセンブリーの耐久性及び生産性を共に向上させることができる膜電極アセンブリーの製造方法に関する。
膜電極アセンブリー(Membrane-Electrode Assembly:MEA)とセパレーター(separator)[「バイポーラプレート(bipolar plate)」とも言う]とからなる単位セル(unit cell)の積層構造を用いて電気を発生させる高分子電解質膜燃料電池(Polymer Electrolyte Membrane Fuel Cell:PEMFC)は高いエネルギー効率性及び環境に優しい特徴によって化石エネルギーを代替することができる次世代エネルギー源として注目されている。
前記膜電極アセンブリーは、一般的にアノード(anode)(「燃料極」ともいう)、カソード(cathode)(「空気極」ともいう)、及びこれらの間の高分子電解質膜(polymer electrolyte membrane)を含む。
水素ガスのような燃料がアノードに供給されれば、アノードでは水素の酸化反応によって水素イオン(H)と電子(e)とが生成される。生成された水素イオンは高分子電解質膜を介してカソードに伝達され、生成された電子は外部回路を介してカソードに伝達される。カソードに供給される酸素が前記水素イオン及び前記電子と結合して還元することにより水が生成される。
高分子電解質膜と電極との間の低い界面耐久性は燃料電池の長時間運転による膜電極アセンブリーの性能低下を引き起こす。高分子電解質膜と電極との間の低い界面耐久性はこれらの間の不十分な接着力に起因する。
高分子電解質膜と電極との間の接着力を増加させるための努力の一環として、(i)スタンププレシング(stamp pressing)、サンドペーパリング(sandpapering)、サンドブラスティング(sandblasting)、ラビング(rubbing)などのような物理的方法、または(ii)プラズマ処理、コロナ放電処理などのような物理的及び化学的方法を用いて高分子電解質膜の表面に凹凸を形成することにより前記表面の粗度を増加させることが提案されたことがある。
しかし、このような方法は高分子電解質膜に表面粗度を付与するための別途の追加工程が必要であるので、工程の簡便性の側面で好ましくないだけでなく、膜電極アセンブリーの生産性向上を制限する。また、このような方法によって製造される膜電極アセンブリーの高分子電解質膜と電極との間の接着力が充分に高くなくて満足な界面耐久性を保障することができなかった。
したがって、本発明はこのような関連技術の制限及び欠点に起因する問題点を防止することができる膜電極アセンブリー及びその製造方法に関する。
本発明の一観点は、高分子電解質膜と電極との間の接着力及び界面耐久性が強化した膜電極アセンブリーを提供することである。
本発明の他の観点は、高分子電解質膜上に触媒スラリーを直接コーティングして電極を形成するにあたり、別途の追加工程なしにも前記高分子電解質膜と前記電極との間の接着力及び界面耐久性を強化させることができ、膜電極アセンブリーの耐久性及び生産性を共に向上させることができる膜電極アセンブリーの製造方法を提供することである。
以上で言及した本発明の観点の他にも、本発明の他の特徴及び利点が以下で説明され、そのような説明から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解可能であろう。
このような本発明の一観点によって、高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜の第1表面上の第1電極とを含み、前記第1電極は第1触媒と第1イオン伝導体とを含み、前記第1表面上には多数の溝が無作為に(randomly)形成されており、前記溝のそれぞれは5μm以下の深さ及び10μm以下の幅を有し、前記溝のそれぞれは前記第1電極の一部で満たされており、前記溝を満たす前記第1電極の前記一部の前記第1イオン伝導体の含量は前記第1電極の残りの部分の前記第1イオン伝導体の含量より高い膜電極アセンブリーが提供される。
前記溝を満たす前記第1電極の前記一部と前記残りの部分との前記第1イオン伝導体の含量差は前記残りの部分の前記第1イオン伝導体の含量の2~12%であることができる。
本発明の他の観点によって、第1触媒スラリーを得るために第1触媒と第1イオン伝導体を第1分散媒に分散させる段階と、前記第1触媒スラリーを高分子電解質膜の第1表面上に塗布する段階と、第1電極形成のために前記第1表面上に塗布された前記第1触媒スラリーを乾燥させる段階とを含み、前記第1分散媒は、(i)前記高分子電解質膜を前記第1表面で部分的に溶かすか前記第1表面の変形を引き起こすことにより前記第1表面上に多数の溝を形成することができる第1成分、及び(ii)前記第1成分と異なる第2成分を含み、前記第1成分は、アルコール、酢酸、プロピオン酸、ジメチルアセトアミド、またはこれらの中で2種以上の混合物であり、前記アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、エトキシエタノール、ブタノール、またはこれらの中で2種以上の混合物であり、前記第2成分は、水、N-メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、またはこれらの中で2種以上の混合物であり、前記第1触媒スラリー内の前記第1分散媒の含量は83~98重量%であり、前記第1分散媒内の前記第1成分の含量は55~80重量%であり、前記乾燥段階で前記第1電極が形成されるとき、前記溝の少なくとも一部が前記第1触媒、前記第1イオン伝導体、またはこれらの混合物で満たされる膜電極アセンブリーの製造方法が提供される。
前記第1触媒スラリーを10~200μmの塗布厚さに前記第1表面上に塗布することができる。
前記乾燥段階は50~150℃の温度で10~300秒間遂行することができる。
前記溝のそれぞれが5μm以下の深さ及び10μm以下の幅を有するように、(i)前記第1触媒スラリー内の前記第1分散媒の含量、(ii)前記第1分散媒内の前記第1成分の含量、(iii)前記第1触媒スラリーの塗布厚さ、(iv)前記乾燥段階の温度、及び(v)前記乾燥段階の時間を決定することができる。
前記分散段階は、超音波ホモジナイザー(ultrasonic homogenizer)、ボールミル(ball mill)、ロールミル(roll mill)、共鳴音響ミキサー(resonant acoustic mixer)、高圧ホモジナイザー(high pressure homogenizer)、遊星ミキサー(planetary mixer)、及び均一ミキサー(homogeneous mixer)からなる群から選択される少なくとも一つを用いて遂行することができる。
前記高分子電解質膜はフッ素系イオン伝導体を含むことができる。
前記乾燥段階は、熱風乾燥、赤外線乾燥、またはホットプレート乾燥によって遂行することができる。
前記膜電極アセンブリーの製造方法は、前記第1電極を形成した後、前記第1表面の反対側にある前記高分子電解質膜の第2表面上に第2触媒スラリーを塗布する段階と、第2電極形成のために前記第2表面上に塗布された前記第2触媒スラリーを乾燥させる段階とをさらに含むことができる。
前記第1触媒スラリーを前記第1表面上に塗布する段階は、前記高分子電解質膜の前記第2表面上に保護フィルムが付着されている状態で遂行することができる。
前記膜電極アセンブリーの製造方法は、前記第2触媒スラリーを前記第2表面上に塗布するに先立ち、前記第2表面から前記保護フィルムを除去する段階をさらに含むことができる。
前記膜電極アセンブリーの製造方法は、前記第2表面から前記保護フィルムを除去するに先立ち、前記第1電極が形成された前記第1表面上に第1保護シートを付着する段階をさらに含むことができる。
前記膜電極アセンブリーの製造方法は、前記第2電極が形成された前記第2表面上に第2保護シートを付着する段階をさらに含むことができる。
前記膜電極アセンブリーの製造方法は、前記第1触媒スラリーを前記第1表面上に塗布するに先立ち、第1ウィンドウを有する第1マスキングフィルムを前記第1表面上に付着する段階と、前記第1電極を形成した後、前記第1マスキングフィルムを除去する段階と、前記第2触媒スラリーを前記第2表面上に塗布するに先立ち、第2ウィンドウを有する第2マスキングフィルムを前記第2表面上に付着する段階と、前記第2電極を形成した後、前記第2マスキングフィルムを除去する段階とをさらに含むことができ、前記第1触媒スラリーを前記第1表面上に塗布する段階は、前記第1ウィンドウによって露出された前記第1表面の部分上に前記第1触媒スラリーを塗布することによって遂行することができ、前記第2触媒スラリーを前記第2表面上に塗布する段階は、前記第2ウィンドウによって露出された前記第2表面の部分上に前記第2触媒スラリーを塗布することによって遂行することができる。
このような本発明についての一般的敍述は本発明を例示するか説明するためのものであるだけで、本発明の権利範囲を限定しない。
本発明によれば、高分子電解質膜の表面上に無作為に配列された所定の大きさの溝が前記表面上に形成された電極の一部で満たされることにより、前記高分子電解質膜と前記電極との間の接着力が従来技術に比べてずっと強化することができ、よって高分子電解質膜と電極との間の界面耐久性が従来技術に比べて数等向上した膜電極アセンブリーを提供することができる。
高分子電解質膜と電極との間の接着力を増加させてこれらの間の界面耐久性を向上させようとした既存の物理的または物理化学的方法が工程の簡便性及び膜電極アセンブリーの生産性を低下させるのに対し、本発明の膜電極アセンブリーの製造方法は、高分子電解質膜上に触媒スラリーを直接コーティングして電極を形成するにあたり、別途の追加工程なしにも前記高分子電解質膜と前記電極との間の接着力及び界面耐久性を強化させることができる。よって、本発明の方法によれば、優れた耐久性を有する膜電極アセンブリーを比較的簡単な方式でかつ高い生産性で製造することが可能である。
添付図面は本発明の理解を助け、この明細書の一部を構成するためのものであり、本発明の実施例を例示し、発明の詳細な説明とともに本発明の原理を説明する。
本発明の方法によって高分子電解質膜上に電極を形成する過程を概略的に例示する図である。 本発明の方法によって高分子電解質膜上に電極を形成する過程を概略的に例示する図である。 本発明の方法によって高分子電解質膜上に電極を形成する過程を概略的に例示する図である。 本発明の一実施例による膜電極アセンブリーの製造方法を概略的に示す図である。 図3の(a)及び(b)は、本発明の他の実施例による膜電極アセンブリーの製造方法を概略的に例示する図である。 本発明のさらに他の実施例による膜電極アセンブリーの製造方法を概略的に例示する図である。 実施例1で得られた膜電極アセンブリーの表面を示す光学顕微鏡写真である。 図6の(a)及び(b)は、実施例1で得られた膜電極アセンブリーの表面及び断面をそれぞれ示す走査顕微鏡写真である。 実施例1で得られた膜電極アセンブリーに対してwet/dryサイクルを20,000サイクル遂行しながら測定したHクロスオーバー(crossover)を示すグラフである。 図8の(a)及び(b)は、実施例1で得られた膜電極アセンブリーに対してOCV維持法(OCV hold method)を500時間遂行しながら測定した電圧維持率(voltage retention)及びHクロスオーバーをそれぞれ示すグラフである。
以下では添付図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。ただ、以下で説明する実施例は本発明の明確な理解を助けるための例示的目的で提示するものであるだけで、本発明の範囲を限定しない。
図1a~図1cは本発明の方法によって高分子電解質膜上に電極を形成する過程を概略的に例示する。
図1aに示すように、本発明の膜電極アセンブリーの製造方法は、第1触媒スラリー210aを高分子電解質膜100の第1表面上に塗布する段階を含む。
本発明によれば、前記第1触媒スラリー210aを得るために、第1触媒211と第1イオン伝導体212とを第1分散媒213に分散する。前記第1イオン伝導体212の一部212aは前記第1触媒211の少なくとも一部上にコーティングされ、その残り212bは前記第1触媒211上にコーティングされていない自由イオン伝導体(free ion conductor)の形態として存在する。
前記第1触媒211は、担体(support)211a、及び前記担体211a上に分散されている多数の触媒金属粒子211bを含むことができる。
前記担体211aは、(i)炭素系担体、(ii)ジルコニア、アルミナ、チタニア、シリカ、及びセリアのような多孔性無機酸化物担体、または(iii)ゼオライト担体であることができる。
前記炭素系担体は、例えば黒鉛、スーパーピー(super P)、炭素繊維(carbon fiber)、炭素シート(carbon sheet)、カーボンブラック(carbon black)、ケッチェンブラック(Ketjen Black)、デンカブラック(Denka black)、アセチレンブラック(acetylene black)、カーボンナノチューブ(carbon nanotube、CNT)、炭素球体(carbon sphere)、炭素リボン(carbon ribbon)、フラーレン(fullerene)、活性炭素(active carbon)、カーボンナノファイバー(carbon nanofiber)、カーボンナノワイヤ(carbon nanowire)、カーボンナノボール(carbon nanoball)、カーボンナノホーン(carbon nanohorn)、カーボンナノケージ(carbon nanocage)、カーボンナノリング(carbon nanoring)、規則性ナノ多孔性炭素(ordered nano-/meso-porous carbon)、カーボンエーロゲル(carbon aerogel)、メソポーラスカーボン(mesoporous carbon)、グラフェン(graphene)、安定化カーボン(stabilized carbon)、活性化カーボン(activated carbon)、またはこれらの中で2種以上の組合せであることができる。
前記触媒金属粒子211bは、白金または白金系合金を含むことができる。前記白金系合金は、(i)Pt-Co、Pt-Pd、Pt-Mn、Pt-Sn、Pt-Mo、Pt-Cr、Pt-W、Pt-Ir、Pt-Ru、Pt-Ni、Pt-Feなどの2元合金(binary alloy)、(ii)Pt-Ru-W、Pt-Ru-Ni、Pt-Ru-Mo、Pt-Ru-Ir、Pt-Co-Mn、Pt-Co-Ni、Pt-Co-Fe、Pt-Co-Ir、Pt-Co-S、Pt-Co-P、Pt-Fe-Ir、Pt-Fe-S、Pt-Fe-P、Pt-Au-Co、Pt-Au-Fe、Pt-Au-Ni、Pt-Ni-Ir、Pt-Cr-Irなどの3元合金(ternary alloy)、または(iii)Pt-Ru-Rh-Ni、Pt-Ru-Sn-W、Pt-Ru-Ir-Niなどの4元合金(quaternary alloy)であることができるが、これらに限定されるものではない。
前記第1触媒211とともに前記第1分散媒213に分散される前記第1イオン伝導体212は第1電極210b内で水素イオン伝達機能を果たすだけでなく、前記高分子電解質膜100と前記第1電極210bとの間の接着力向上のためのバインダーとしての機能も果たす。
前記第1イオン伝導体212はイオン交換基を有するフッ素系または炭化水素系イオン伝導体であることができる。前記イオン交換基は、スルホン酸基、カルボキシル基、ボロン酸基、リン酸基、イミド基、スルホンイミド基、スルホンアミド基、及びスルホン酸フルオライド基からなる群から選択される少なくとも1種の陽イオン(proton)交換基であることができる。
フッ素系イオン伝導体の例としては、ポリ(ペルフルオロスルホン酸)、ポリ(ペルフルオロカルボン酸)などがあるが、これらに限定されない。
炭化水素系イオン伝導体の例としては、スルホン化ポリイミド(sulfonated polyimide:S-PI)、スルホン化ポリアリールエーテルスルホン(sulfonated polyarylethersulfone:S-PAES)、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン(sulfonated polyetheretherketone:SPEEK)、スルホン化ポリベンズイミダゾール(sulfonated polybenzimidazole:SPBI)、スルホン化ポリスルホン(sulfonated polysulfone:S-PSU)、スルホン化ポリスチレン(sulfonated polystyrene:S-PS)、スルホン化ポリホスファゼン(sulfonated polyphosphazene)、スルホン化ポリキノキサリン(sulfonated polyquinoxaline)、スルホン化ポリケトン(sulfonated polyketone)、スルホン化ポリフェニレンオキサイド(sulfonated polyphenylene oxide)、スルホン化ポリエーテルスルホン(sulfonated polyether sulfone)、スルホン化ポリエーテルケトン(sulfonated polyether ketone)、スルホン化ポリフェニレンスルホン(sulfonated polyphenylene sulfone)、スルホン化ポリフェニレンスルフィド(sulfonated polyphenylene sulfide)、スルホン化ポリフェニレンスルフィドスルホン(sulfonated polyphenylene sulfide sulfone)、スルホン化ポリフェニレンスルフィドスルホンニトリル(sulfonated polyphenylene sulfide sulfone nitrile)、スルホン化ポリアリーレンエーテル(sulfonated polyarylene ether)、スルホン化ポリアリーレンエーテルニトリル(sulfonated polyarylene ether nitrile)、スルホン化ポリアリーレンエーテルエーテルニトリル(sulfonated polyarylene ether ether nitrile)、ポリアリーレンエーテルスルホンケトン(sulfonated polyarylene ether sulfone ketone)などがあるが、これらに限定されない。
本発明の前記第1分散媒213は前記第1表面から前記高分子電解質膜100を部分的に(partially)かつ少し(slightly)除去するか前記第1表面にしわなどの変形を引き起こすことにより前記第1表面上に多数の溝Gを形成することができる溶媒である。本明細書で使われる「溝」と言う用語は、前記高分子電解質膜100の部分的除去またはしわのような表面変形によって引き起こされる角形状(angular shape)、曲面形状(curved shape)、またはこれらのハイブリッド形状(hybrid shape)の溝をすべて通称する概念である。
例えば、前記第1分散媒213は、(i)アルコール、酢酸、プロピオン酸、ジメチルアセトアミド、またはこれらの中で2種以上の混合物である第1成分、及び(ii)前記第1成分と異なる第2成分、例えば水、N-メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、またはこれらの中で2種以上の混合物を含むことができ、前記アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、エトキシエタノール、ブタノール、またはこれらの中で2種以上の混合物であることができる。
前記第1触媒スラリー210a内の前記第1分散媒213の含量は83~98重量%であることができる。前記第1分散媒213の含量がこの範囲を外れる場合、高分子電解質膜100の表面に溝が形成されにくい。
前記第1成分の前記第1分散媒213内の含量は55~80重量%であることができる。
超音波ホモジナイザー(ultrasonic homogenizer)、ボールミル(ball mill)、ロールミル(roll mill)、共鳴音響ミキサー(resonant acoustic mixer)、高圧ホモジナイザー(high pressure homogenizer)、遊星ミキサー(planetary mixer)、及び均一ミキサー(homogeneous mixer)からなる群から選択される少なくとも一つを用いて前記第1触媒211及び前記第1イオン伝導体212を前記第1分散媒213に分散させることができる。
前記高分子電解質膜100はイオン伝導体を含む。前記第1触媒スラリー210aの形成に使用可能な上述したイオン伝導体を前記高分子電解質膜100のためにも使うことができるので、前記高分子電解質膜100用のイオン伝導体についての具体的説明は省略する。前記高分子電解質膜100に含まれているイオン伝導体は前記第1触媒スラリー210aの前記第1イオン伝導体212と同じか異なることができる。
本発明の前記第1分散媒213によって前記高分子電解質膜100の第1表面上に多数の溝Gをよく形成するために(すなわち、前記第1表面の粗度を充分に増加させることができるように)、前記高分子電解質膜100は炭化水素系イオン伝導体よりはフッ素系イオン伝導体を含むことが好ましい。しかし、前記第1分散媒213の前記第1成分の前述した例の中でいずれか(例えば、ジメチルアセトアミド)は炭化水素系高分子電解質膜であってもその表面粗度をフッ素系高分子電解質膜に劣らず充分に増加させることができる。
前記高分子電解質膜100は、(i)実質的にイオン伝導体のみから形成された単一膜または(ii)多孔性支持体の空隙が前記イオン伝導体で満たされている強化複合膜であることができる。
前記強化複合膜は、実質的にイオン伝導体のみから形成された2個の純粋層(pure layers)及びこれらの間に存在する前記多孔性支持体及び前記イオン伝導体の共存層(coexistence layer)を含むことができる。強化複合膜型の高分子電解質膜100において、前記高分子電解質膜100の全体容積(entire volume)に対する前記多孔性支持体の見掛け容積(apparent volume)(すなわち、前記共存層の容積)の比は5~90%であることができる。
本発明の前記第1分散媒213は前記高分子電解質膜100のイオン伝導体を部分的に(partially)かつ少し(slightly)除去するかしわなどのような表面変形を引き起こすことができる前記第1成分(すなわち、アルコール、酢酸、プロピオン酸、ジメチルアセトアミド、またはこれらの中で2種以上の混合物)を55~80重量%の含量含むことにより、図1bに例示するように、前記高分子電解質膜100の前記第1表面に多数の溝(grooves)Gを不規則に形成してその表面粗度(surface roughness)を増加させることができる。
前述したように、前記アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、エトキシエタノール、ブタノール、またはこれらの中で2種以上の混合物であることができる。
前記第1成分の前記第1分散媒213内の含量は55~80重量%であることができる。
前記第1成分の前記第1分散媒213内の含量が55重量%未満であれば高分子電解質膜100の表面に溝が形成されにくい。よって、前記高分子電解質膜100の表面粗度が充分に増加することができなく、その結果、前記高分子電解質膜100と前記第1電極210bとの間の接着力及び界面耐久性が充分に強化することができない。
一方、前記第1成分の前記第1分散媒213内の含量が80重量%を超えれば、前記高分子電解質膜100のイオン伝導体があまりにも多く除去されるかしわなどのような表面変形があまりにもひどく引き起こされ、高分子電解質膜100の表面にあまりにも大きな溝(すなわち、5μm超過の深さまたは10μm超過の幅を有する溝)が形成される。その結果、前記高分子電解質膜100の耐久性が意図に反して低下するか界面接合不良が発生することがある。
本発明の前記第1分散媒213内の残り成分である前記第2成分は膜電極アセンブリー用触媒スラリーの製造に通常用いられる任意の成分、例えば(i)水(HO)を含む親水性溶媒、及び/または(ii)N-メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、及びこれらの中で2種以上の混合物からなる群から選択される有機溶媒であることができる。
本発明の一実施例によれば、前記第1触媒スラリー210aは10~200μm、より具体的には20~200μmの塗布厚さに前記高分子電解質膜100の第1表面上に塗布されることができる。
前記第1触媒スラリー210aの塗布厚さが10μm未満であれば、前記高分子電解質膜100の表面粗度及び電極ローディング量が充分に増加することができなく、その結果、前記高分子電解質膜100と前記第1電極210bとの間の接着力及び界面耐久性が充分に強化することができない。一方、前記第1触媒スラリー210aの塗布厚さが200μmを超えれば、前記第1触媒スラリー210aの第1分散媒213が後続の乾燥工程で完全に除去されなくて電極形成不良を引き起こすだけでなく、後工程に悪影響を及ぼすことになる。また、前記第1分散媒213によって前記高分子電解質膜100のイオン伝導体があまりにも多く除去されるかしわなどの表面変形があまりにもひどく引き起こされて(または、あまりにも大きな溝が形成されて)前記高分子電解質膜100の耐久性が意図に反して低下するか電極形成不良が引き起こされることがある。
本発明で、前記第1触媒スラリー210aを前記高分子電解質膜100の第1表面上に塗布する方法は、前記第1触媒スラリー210aの塗布厚さを前記範囲内に制御することができる限り、特に限定されない。例えば、スロットダイコーティング(slot-die coating)、コンマコーティング(comma coating)、スプレーコーティング(spray coating)などのようなコーティング方法を用いることができる。
次いで、前記高分子電解質膜100の第1表面上に塗布された本発明の前記第1触媒スラリー210aを乾燥させることによって第1電極210bを形成する。前記乾燥段階は、熱風乾燥、赤外線乾燥、またはホットプレート乾燥によって遂行することができる。
図1cに例示するように、前記乾燥段階によって前記第1電極210bが形成されるとき、前記溝Gの中で少なくとも一部が前記第1触媒211、前記第1イオン伝導体212、またはこれらの混合物で満たされる。
結果的に、本発明によれば、前記第1電極210bと前記高分子電解質膜100との接触面積が増加する。すなわち、高分子電解質膜100上に前記第1触媒スラリー210aを直接コーティングして前記第1電極210bを形成することの他に別途の追加工程を遂行しなくても前記高分子電解質膜100と前記第1電極210bとの間の接着力及び界面耐久性を強化させることができる。よって、本発明の方法によれば、膜電極アセンブリーの耐久性及び生産性を共に向上させることができる。
また、本発明によれば、前記第1触媒スラリー210aを用いて前記第1電極210bを形成するとき、前記高分子電解質膜100の前記第1表面上に多数の溝Gが形成されるので、前記溝Gを満たす前記第1電極210bの部分とその残りの部分とは前記第1イオン伝導体212の含量の側面で異なる。具体的には、前記溝Gを満たす前記第1電極210bの部分の前記第1イオン伝導体212の含量が前記第1電極210bの残りの部分の前記第1イオン伝導体212の含量より高い[例えば、前記残りの部分の前記第1イオン伝導体212の含量の2~12%の分だけ高い]。
本発明の一実施例によれば、前記第1触媒スラリー210aから前記第1分散媒213を除去するための乾燥段階は、50~150℃、より具体的には50~130℃の温度で10~300秒間、より具体的には10~200秒間遂行することができる。
前記乾燥段階を50℃未満の温度で遂行すれば、前記第1分散媒213が完全に除去されず電極形成不良を引き起こすだけでなく、後工程に悪影響を及ぼすことになる。また、残存の第1分散媒213が前記高分子電解質膜100の内部に過度に深く浸透して前記高分子電解質膜100のイオン伝導体をあまりにも多く除去するかしわなどの表面変形をあまりにもひどく引き起こすことにより(または、あまりにも大きな溝を形成することにより)前記高分子電解質膜100の耐久性が低下するか電極形成不良を引き起こすことがある。一方、前記乾燥段階を150℃より高い温度で遂行すれば、前記第1分散媒213が急速に蒸発するので、前記第1分散媒213による高分子電解質膜100のイオン伝導体の部分的除去またはしわなどの表面変形を充分になすことができない。よって、前記高分子電解質膜100の表面粗度が充分に増加することができなく、その結果、前記高分子電解質膜100と前記第1電極210bとの間の接着力及び界面耐久性が充分に強化することができない。さらに、100℃より高い乾燥温度は前記高分子電解質膜100の変形及び/または変性を引き起こし、最終製品である膜電極アセンブリー及び燃料電池の性能及び耐久低下を引き起こすことがある。
前記乾燥段階を10秒未満の時間の間にのみ遂行すれば、前記第1分散媒213の一部が全部蒸発することができずに残存して電極形成不良を引き起こすだけでなく後工程に悪影響を及ぼすことがある。また、このような残存の第1分散媒213によって前記高分子電解質膜100のイオン伝導体があまりにも多く除去されるかしわなどの表面変形があまりにもひどく引き起こされ、前記高分子電解質膜100の耐久性が大きく低下するか電極形成不良が引き起こされることがある。一方、前記乾燥段階を300秒を超えて持続すれば、前記高分子電解質膜100自体の変形及び/または変性によってイオン伝導度が低下する危険があるだけではなく膜電極アセンブリーの生産性が低下する。
本発明によれば、前記高分子電解質膜100の耐久性及び性能の低下なしに表面粗度を増加させるために、前記高分子電解質膜100の第1表面またはその付近のみが前記第1分散媒213の影響を受けるようにすることが好ましい。このような理由で、本発明の一実施例によれば、前記第1分散媒213が前記第1表面を通して前記高分子電解質膜100をその厚さの70%以上に変形させることができないように、(i)前記第1触媒スラリー210a内の前記第1分散媒213の含量、(ii)前記第1分散媒213内の前記第1成分の含量、(iii)前記第1触媒スラリー210aの塗布厚さ、(iv)前記乾燥段階の温度、及び(v)前記乾燥段階の時間を決定することができる。
代案としてまたは追加として、前記高分子電解質膜100の耐久性及び性能の低下なしに表面粗度を増加させるために、前記高分子電解質膜100の第1表面に不規則に形成される多数の溝Gのそれぞれは5μm以下、好ましくは0.05~5μm、より好ましくは0.1~4.5μmの深さD、及び10μm以下、好ましくは0.5~10μm、より好ましくは1~9μmの幅Wを有することができる。前記溝Gのそれぞれがこのような範囲の深さD及び幅Wを有するように、(i)前記第1触媒スラリー210a内の前記第1分散媒213の含量、(ii)前記第1分散媒213内の前記第1成分の含量、(iii)前記第1触媒スラリー210aの塗布厚さ、(iv)前記乾燥段階の温度、及び(v)前記乾燥段階の時間を決定することができる。
このように製造された本発明の膜電極アセンブリーは高分子電解質膜100及び前記高分子電解質膜100の第1表面上の第1電極210bを含む。前記第1電極210bは第1触媒211と第1イオン伝導体212とを含み、前記第1表面上には多数の溝Gが無作為に(randomly)形成され、前記溝Gのそれぞれは5μm以下の深さD及び10μm以下の幅Wを有する。
前記溝Gの深さD/幅Wは、サンプル(2cm×2cm)の断面SEM写真の観察によって各溝Gの深さD/幅Wを測定し、このように得られた測定値の算術平均を求めることによって得ることができる。
また、本発明によれば、溝Gを満たす第1電極210b部分の前記第1イオン伝導体212の含量が前記第1電極210bの残りの部分の前記第1イオン伝導体212の含量より高い[例えば、前記残りの部分の第1イオン伝導体212の含量の2~12%の分だけ高い]。
第1高分子電解質膜100上に塗布された第1触媒スラリー210aの乾燥工程中に前記第1イオン伝導体212が自然に下側に移動するので、前記第1高分子電解質膜100の正常表面(normal surface)(すなわち、溝が形成されていない表面)より下側に位置する溝G内に相対的に高い含量の第1イオン伝導体212が存在する。その結果、前記高分子電解質膜100と前記第1電極210bとの間の接着力及び界面耐久性が向上することができる。
前記第1電極210bの部分別イオン伝導体含量は次のように求めることができる。
まず、サンプル(2cm×2cm)の電極の任意の5個地点のそれぞれのイオン伝導体含量をTGA(thermogravimetric analysis)方法で測定し、この測定値の算術平均を算出することにより、前記第1電極210bの残りの部分(すなわち、前記溝の外にある部分)の第1イオン伝導体212の含量を得る。
次いで、表面界面切削分析システム(surface and interfacial cutting analysis system:SAICAS)を用いて前記第1電極210bの前記残りの部分を全部除去することにより、前記溝Gを満たす第1電極210b部分のみを残す。前記溝Gを満たす第1電極210b部分のそれぞれのイオン伝導体含量をTGA方法で測定し、この測定値の算術平均を算出することにより、前記溝Gを満たす第1電極210b部分の第1イオン伝導体212の含量を得る。本発明によれば、高分子電解質膜100の第1表面上に無作為に配列された所定の大きさの溝Gが前記第1表面上に形成された第1電極210bの一部で満たされることにより、前記高分子電解質膜100と前記第1電極210bとの間の接着力が従来技術に比べてずっと強化することができ、よって高分子電解質膜100と第1電極210bとの間の界面耐久性が従来技術に比べて数等向上した膜電極アセンブリーを提供することができる。
前記第1電極210bを形成する方法と実質的に同様な方法で前記高分子電解質膜100の第2表面上に第2電極220bを形成することができる。
例えば、本発明の膜電極アセンブリーの製造方法は、前記第1電極210bを形成した後、前記第1表面の反対側にある前記高分子電解質膜100の第2表面上に第2触媒スラリー220aを塗布する段階、及び第2電極220bの形成のために前記第2表面上に塗布された前記第2触媒スラリー220aを乾燥させる段階をさらに含むことができる。
前記第2触媒スラリー220aは第2触媒と第2イオン伝導体を第2分散媒に分散させることによって得ることができる。ここで、上述した第1触媒211用物質の全部を前記第2触媒として使うことができ、上述した第1イオン伝導体212用物質の全部を前記第2イオン伝導体として使うことができ、上述した第1分散媒213用組成物を前記第2分散媒として使うことができる。
以下では、図2を参照して本発明の一実施例による膜電極アセンブリーの製造方法を説明する。
図2に例示するように、本発明の膜電極アセンブリーはバッチ工程(batch processes)によって製造することができる。
具体的には、第2表面上に保護フィルム10が付着されている高分子電解質膜100を準備する。前記保護フィルム10は、工程中に前記高分子電解質膜100の折れまたはしわくちゃを防止し、前記高分子電解質膜100の容易な取扱(easy handling)のためのものである。このような目的を果たすことができる機械的物性を持っている限り、前記保護フィルム10の物質は限定されない。
次いで、前記高分子電解質膜100の第1表面上に本発明の第1触媒スラリー210aを所定の形態及び大きさに塗布して乾燥させることによって第1電極210bを形成する。例えば、スロットダイ(slot-die)を用いて前記第1触媒スラリー210aを塗布することができる。オプションで(optionally)、所定の形態及び大きさの第1ウィンドウを有する第1マスキングフィルム(図示せず)を前記第1表面上に付着した状態で前記第1触媒スラリー210aを塗布することにより、前記第1ウィンドウによって露出された部分のみを前記第1触媒スラリー210aで塗布することができる。
次いで、前記高分子電解質膜100の第2表面から前記保護フィルム10を除去した後、前記第2表面上に第2触媒スラリー220aを所定の形態及び大きさに塗布して乾燥させることによって第2電極(図2では見えない)を形成する。本発明の一実施例によれば、前記第2触媒スラリー220aは前記第1触媒スラリー210aと同一である。ただ、前記第1及び第2触媒スラリー210a、220aは互いに異なることもできる。前記第2触媒スラリー220aもやはりスロットダイを用いて所定の形態及び大きさに前記第2表面上に塗布するか、第2ウィンドウを有する第2マスキングフィルム(図示せず)を用いて所定の形態及び大きさに前記第2表面上に塗布することができる。
前記第1及び第2マスキングフィルムは、前記電極を形成した後、最終的に除去する。
以下では、図3を参照して本発明の他の実施例による膜電極アセンブリーの製造方法を説明する。
図3に例示するように、第1及び第2電極210b、220bをロールツーロール工程(roll-to-roll process)でそれぞれ製造することができる。
図3(a)に示すように、第2表面上に保護フィルム10が付着されている高分子電解質膜100をPEMアンワインダー1100から供給する。
第1コーター1210は前記PEMアンワインダー1100から供給される高分子電解質膜100の第1表面上に本発明の第1触媒スラリー210aを所定の形態及び大きさにコーティングする。前述したように、本発明の前記第1分散媒213は前記高分子電解質膜100の前記第1表面に多数の溝Gを不規則に(すなわち、無作為に)形成してその表面粗度を増加させる。
前記第1触媒スラリー210aがコーティングされた高分子電解質膜100を第1乾燥手段1310に通過させながら前記第1触媒スラリー210a内の第1分散媒213を除去して第1電極210bを形成する。前述したように、前記乾燥段階で前記第1電極210bが形成されるとき、前記溝Gの少なくとも一部が前記第1触媒211、前記第1イオン伝導体212、またはこれらの混合物で満たされることにより、前記第1電極210bと前記高分子電解質膜100との接触面積が増加する。したがって、前記高分子電解質膜100と前記第1電極210bとの間の接着力及び界面耐久性が強化する。
前記高分子電解質膜100をその第1表面上に一定間隔で形成された第1電極210b及びその第2表面上に付着されている保護フィルム10と一緒に第1ワインダー1510に巻き取る。オプションで(optionally)、図3(a)に示すように、第1アンワインダー1410から供給される第1保護シート21を前記第1電極210bが形成された前記第1表面上に付着されるように前記高分子電解質膜100と一緒に前記第1ワインダー1510に巻き取ることができる。前記第1保護シート21は前記第1電極210bを保護するためのシートであり、紙またはポリマーフィルムであることができる。
次いで、図3(b)に示すように、前記第1ワインダー1510に巻き取られていた高分子電解質膜100、その第1表面上に一定間隔で形成された第1電極210b、及び前記第1電極210b保護用第1保護シート21をアンワインドする。この際、前記高分子電解質膜100の第2表面上に付着されていた前記保護フィルム10が保護フィルムワインダー1600によって前記第2表面から除去される。
第2コーター1220は、前記第1ワインダー1510から供給される高分子電解質膜100の第2表面上に本発明の第2触媒スラリー220aを所定の形態及び大きさにコーティングする。前記第2触媒スラリー220a内の分散媒も前記高分子電解質膜100の前記第2表面に多数の溝を不規則に形成してその表面粗度を増加させる。
前記第2触媒スラリー220aがコーティングされた高分子電解質膜100を第2乾燥手段1320に通過させながら前記第2触媒スラリー220a内の分散媒を除去して第2電極220bを形成する。前述したように、前記乾燥段階で前記第2電極220bが形成されるとき、前記溝の少なくとも一部が触媒、イオン伝導体、またはこれらの混合物で満たされることにより、前記第2電極220bと前記高分子電解質膜100との接触面積が増加する。したがって、前記高分子電解質膜100と前記第2電極220bとの間の接着力及び界面耐久性が強化する。
前記高分子電解質膜100を、その第1表面上に一定間隔で形成された第1電極210b、その第2表面上に一定間隔で形成された第2電極220b、及び前記第1電極210b保護用第1保護シート21と一緒にMEAワインダー1700に巻き取る。この際、図3(b)に示すように、第2アンワインダー1420から供給される第2保護シート22を前記第2電極220bが形成された前記第2表面上に付着されるように前記高分子電解質膜100と一緒に前記MEAワインダー1700に巻き取る。前記第2保護シート22は前記第2電極220bを保護するためのシートであり、紙またはポリマーフィルムであることができる。
本発明の代案的実施例によれば、前記第1保護シート21は、前記第1電極210bと設備を保護するために、前記第2電極220bが形成されるうちにのみ一時的に前記第1電極210bと設備との間に提供することができる[すなわち、前記MEAワインダー1700には巻き取らないことができる]。
以下では、図4を参照して本発明のさらに他の実施例による膜電極アセンブリーの製造方法を説明する。
図3に例示した方法では、第1及び第2電極210b、220bが別個のロールツーロール工程でそれぞれ製造されるのに対し、図4に例示する方法では、第1及び第2電極210b、220bを単一のロールツーロール工程でそれぞれ製造する。
図4に示すように、第2表面上に保護フィルム10が付着されている高分子電解質膜100をPEMアンワインダー1100から供給する。
第1コーター1210は、前記PEMアンワインダー1100から供給される高分子電解質膜100の第1表面上に本発明の第1触媒スラリー210aを所定の形態及び大きさにコーティングする。前述したように、本発明の前記第1分散媒213は前記高分子電解質膜100の前記第1表面に多数の溝Gを不規則に形成してその表面粗度を増加させる。
前記第1触媒スラリー210aがコーティングされた高分子電解質膜100を第1乾燥手段1310に通過させながら前記第1触媒スラリー210a内の第1分散媒213を除去して第1電極210bを形成する。前述したように、前記乾燥段階で前記第1電極210bが形成されるとき、前記溝Gの少なくとも一部が前記第1触媒211、前記第1イオン伝導体212、またはこれらの混合物で満たされることにより、前記第1電極210bと前記高分子電解質膜100との接触面積が増加する。したがって、前記高分子電解質膜100と前記第1電極210bとの間の接着力及び界面耐久性が強化する。
次いで、前記高分子電解質膜100をその第1表面上に一定間隔で形成された第1電極210b及びその第2表面上に付着されている保護フィルム10と一緒に第1及び第2プレスロール1810、1820に通過させる。この際、図4に示すように、第1アンワインダー1410から供給される第1保護シート21もやはり第1及び第2プレスロール1810、1820に通過させることにより、前記第1電極210bが形成された前記高分子電解質膜100の第1表面上に付着させる。上述したように、前記第1保護シート21は前記第1電極210bを保護するためのシートであり、紙またはポリマーフィルムであることができる。
次いで、図4に示すように、前記高分子電解質膜100の第2表面上に付着されていた前記保護フィルム10を保護フィルムワインダー1600によって前記第2表面から除去する。
第2コーター1220は前記高分子電解質膜100の第2表面上に本発明の第2触媒スラリー220aを所定の形態及び大きさにコーティングする。前記第2触媒スラリー220a内の分散媒もやはり前記高分子電解質膜100の前記第2表面に多数の溝を不規則に形成してその表面粗度を増加させる。
前記第2触媒スラリー220aがコーティングされた高分子電解質膜100を第2乾燥手段1320に通過させながら前記第2触媒スラリー220a内の分散媒を除去して第2電極220bを形成する。前述したように、前記乾燥段階で前記第2電極220bが形成されるとき、前記溝の少なくとも一部が触媒、イオン伝導体、またはこれらの混合物で満たされることにより、前記第2電極220bと前記高分子電解質膜100との接触面積が増加する。したがって、前記高分子電解質膜100と前記第2電極220bとの間の接着力及び界面耐久性が強化する。
前記高分子電解質膜100をその第1表面上に一定間隔で形成された第1電極210b、その第2表面上に一定間隔で形成された第2電極220b、及び前記第1電極210b保護用第1保護シート21と一緒にMEAワインダー1700に巻き取る。この際、図4に示すように、第2アンワインダー1420から供給される第2保護シート22を前記第2電極220bが形成された前記第2表面上に付着されるように前記高分子電解質膜100と一緒に前記MEAワインダー1700に巻き取る。前記第2保護シート22は前記第2電極220bを保護するためのシートであり、紙またはポリマーフィルムであることができる。
前述したように、代案として、前記第1保護シート21は、前記第1電極210bと設備を保護するために、前記第2電極220bが形成されるうちにのみ前記第1電極210bと設備との間に一時的に提供することができる[すなわち、前記MEAワインダー1700には巻き取らないことができる]。
オプションで(optionally)、前記第1及び第2電極210b、220bが一様に所定の形態及び大きさを有し、一定間隔で形成されるようにするために、マスキングフィルムを用いることができる。具体的には、本発明の一実施例による方法は、前記第1触媒スラリー210aを前記第1表面上に塗布するに先立ち、第1ウィンドウを有する第1マスキングフィルム(図示せず)を前記第1表面上に付着する段階、前記第1電極210bが形成された後、前記第1マスキングフィルムを除去する段階、前記第2触媒スラリー220aを前記第2表面上に塗布するに先立ち、第2ウィンドウを有する第2マスキングフィルムを前記第2表面上に付着する段階、及び前記第2電極220bが形成された後、前記第2マスキングフィルムを除去する段階をさらに含むことができる。したがって、前記第1コーター1210から供給される前記第1触媒スラリー210aは前記第1ウィンドウによって露出された前記第1表面の部分上にのみ塗布することができる。同様に、前記第2コーター1220から供給される前記第2触媒スラリー220aは前記第2ウィンドウによって露出された前記第2表面の部分上にのみ塗布することができる。
以下、具体的な実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。ただ、下記の実施例は本発明の理解を助けるためのものであるだけで、これによって本発明の権利範囲が限定されてはいけない。
実施例1
商用触媒1gを反応容器に入れて水で濡らした。次いで、イオン伝導体パウダー0.4gを前記反応容器に入れた。次いで、60重量%のエタノールと40重量%の水を含む分散媒40gを前記反応容器に入れた。次いで、均一ミキサーで前記触媒及びイオン伝導体を前記分散媒に分散させることによって触媒スラリーを得た。前記触媒スラリー内の前記分散媒の含量は96.6重量%であった。
第2表面に保護フィルムが付着されているフッ素系高分子電解質膜の第1表面上にマスキングフィルムを付着した状態で、前記触媒スラリーをスロットダイで130μmの厚さに塗布した後、80℃の温度で180秒間乾燥させることによって第1電極を形成した。前記高分子電解質膜は多孔性支持体を含む強化複合膜型であった。前記マスキングフィルムを除去した後、前記第1電極が形成された前記第1表面上に保護シートを付着した。次いで、前記第2表面から前記保護フィルムを引き離した後、前記第2表面上にマスキングフィルムを付着した。そして、前記マスキングフィルムのウィンドウを通して露出された前記第2表面の部分上に前記触媒スラリーをスロットダイで100μmの厚さに塗布した後、80℃の温度で100秒間乾燥させることによって第2電極を形成した。次いで、前記保護シートを前記第1表面から除去することによって膜電極アセンブリーを完成した。
実施例2
前記触媒スラリー内の前記分散媒の含量が83.0重量%であることを除き、実施例1と同様な方法で膜電極アセンブリーを完成した。
実施例3
前記触媒スラリー内の前記分散媒の含量が98.0重量%であることを除き、実施例1と同様な方法で膜電極アセンブリーを完成した。
実施例4
前記分散媒が55重量%のエタノール及び45重量%の水を含むことを除き、実施例1と同様な方法で膜電極アセンブリーを完成した。
実施例5
前記分散媒が80重量%のエタノール及び20重量%の水を含むことを除き、実施例1と同様な方法で膜電極アセンブリーを完成した。
実施例6
前記分散媒がエタノールの代わりにメタノールを含むことを除き、実施例1と同様な方法で膜電極アセンブリーを完成した。
実施例7
前記分散媒がエタノールの代わりにプロパノールを含むことを除き、実施例1と同様な方法で膜電極アセンブリーを完成した。
実施例8
前記分散媒がエタノールの代わりにエトキシエタノールを含むことを除き、実施例1と同様な方法で膜電極アセンブリーを完成した。
実施例9
前記分散媒がエタノールの代わりにブタノールを含むことを除き、実施例1と同様な方法で膜電極アセンブリーを完成した。
実施例10
前記分散媒が水の代わりにNMPを含むことを除き、実施例1と同様な方法で膜電極アセンブリーを完成した。
実施例11
前記分散媒が水の代わりにTHFを含むことを除き、実施例1と同様な方法で膜電極アセンブリーを完成した。
比較例1
前記分散媒が20重量%のエチレングリコール及び80重量%の水を含むことを除き、実施例1と同様な方法で膜電極アセンブリーを完成した。
比較例2
前記触媒スラリー内の前記分散媒の含量が80.0重量%であることを除き、実施例1と同様な方法で膜電極アセンブリーを完成した。
比較例3
前記触媒スラリー内の前記分散媒の含量が98.2重量%であることを除き、実施例1と同様な方法で膜電極アセンブリーを完成した。
比較例4
前記分散媒が50重量%のエタノール及び50重量%の水を含むことを除き、実施例1と同様な方法で膜電極アセンブリーを完成した。
比較例5
前記分散媒が90重量%のエタノール及び10重量%の水を含むことを除き、実施例1と同様な方法で膜電極アセンブリーを完成した。
比較例6
前記分散媒が50重量%のエトキシエタノール及び50重量%の水を含むことを除き、実施例1と同様な方法で膜電極アセンブリーを完成した。
比較例7
前記分散媒が50重量%のイソプロピルアルコール及び50重量%の水を含むことを除き、実施例1と同様な方法で膜電極アセンブリーを完成した。
[膜電極アセンブリーの表面及び断面分析]
実施例1の膜電極アセンブリーの表面及び断面を光学顕微鏡及び走査顕微鏡(SEM)でそれぞれ観察した。
図5は実施例1で得られた膜電極アセンブリーの表面を示す光学顕微鏡写真、図6の(a)及び(b)は実施例1で得られた膜電極アセンブリーの表面及び断面をそれぞれ示す走査顕微鏡(SEM)写真である。
図5及び図6(a)の表面写真から、実施例1の膜電極アセンブリーは高分子電解質膜の表面粗度が増加するとともに、電極が形成されたにもかかわらず、電極形成過程で電極の表面までクラックが発生する大部分の他の方式とは違い、電極がクラック(crack)がなく柔らかい(smooth)表面を有することを確認することができる。
また、図6(b)の断面SEM写真から、高分子電解質膜の表面に5μm以下の深さ及び10μm以下の幅を有する溝(円で表示)が形成されており、前記溝が電極物質で満たされていることを確認することができる。すなわち、電極と高分子電解質膜との接触面積が増加したことを確認することができる。このような接触面積の増加によってこれらの間の接着力及び界面耐久性が向上することに合理的に期待される。
同様な方式で、実施例2~11及び比較例1~7の断面SEM写真によって高分子電解質膜の表面(第1電極が形成されている第1表面)に5μm以下の深さ及び10μm以下の幅を有する溝が形成されているかを確認し、その結果を下記の表1に示した。
Figure 0007331265000001
上記の表1から分かるように、実施例1-11によって製造された膜電極アセンブリーのそれぞれの高分子電解質膜の表面に5μm以下の深さ及び10μm以下の幅を有する溝が形成されたことを確認した。これに対し、触媒スラリー内の分散媒含量が本発明の範囲を外れた場合(比較例2及び3)と分散媒内の第1成分の含量が本発明の範囲を外れた場合(比較例1及び4-7)には5μm以下の深さ及び10μm以下の幅を有する溝が形成されないことを確認した。特に、分散媒内の第1成分の含量が90重量%であった比較例5の場合には5μmを超える深さ及び/または10μmを超える幅を有する溝が形成された。
[膜電極アセンブリーの物理的耐久性及び化学的耐久性評価]
実施例1及び比較例1の膜電極アセンブリーのそれぞれの物理的耐久性及び化学的耐久性を米国エネルギー省(Department of Energy:DOE)の耐久性評価プロトコルに基づいて評価した。具体的には、膜電極アセンブリーの物理的耐久性評価のために、wet/dryサイクルを20,000サイクル遂行した後、Hクロスオーバー(crossover)を測定し、その測定値を下記の表2に示した。図7は実施例1で得られた膜電極アセンブリーに対してwet/dryサイクルを20,000サイクル遂行しながら測定したHクロスオーバー(crossover)を示すグラフである。
また、膜電極アセンブリーの化学的耐久性評価のために、OCV維持法(OCV hold method)を500時間遂行した後、Hクロスオーバー及び電圧損失(voltage loss)をそれぞれ測定し、その測定値を下記の表2に示した。図8の(a)及び(b)は実施例1で得られた膜電極アセンブリーに対してOCV維持法(OCV hold method)を500時間遂行しながら測定した電圧維持率(voltage retention)及びHクロスオーバーをそれぞれ示すグラフである。
Figure 0007331265000002
前記表2及び図7のグラフから分かるように、比較例1の膜電極アセンブリーに比べ、実施例1の膜電極アセンブリーはDOE基準(Hクロスオーバー≦15mA/cm@Wet/Dry20,000サイクル)を満たし、耐久性評価の前/後に非常に安定した物理的耐久性を示した。また、前記表2及び図8のグラフから分かるように、比較例1の膜電極アセンブリーに比べ、実施例1の膜電極アセンブリーはDOE基準(電圧損失≦20%@500hrs、Hクロスオーバー≦15mA/cm2@500時間)を満たしながらより少ない電圧損失を有する化学的耐久性を示した。
5μm以下の深さ及び10μm以下の幅を有する溝が高分子電解質膜の表面に形成された実施例2~11の膜電極アセンブリーも実施例1の膜電極アセンブリーと同様に優れた物理的及び化学的耐久性を示したが、5μm以下の深さ及び10μm以下の幅を有する溝が高分子電解質膜の表面に形成されない比較例2~7の膜電極アセンブリーは相対的に低い物理的及び化学的耐久性を示した。
このような評価結果から、本発明の膜電極アセンブリーの製造方法は高分子電解質膜の耐久性を低下させないながらも膜電極アセンブリーの耐久性を向上させることができることを確認することができる。

Claims (15)

  1. 高分子電解質膜と、
    前記高分子電解質膜の第1表面上の第1電極と、
    を含み、
    前記第1電極は第1触媒と第1イオン伝導体とを含み、
    前記第1表面上には多数の溝が無作為に(randomly)形成されており、
    前記溝のそれぞれは5μm以下の深さ及び10μm以下の幅を有し、
    前記溝のそれぞれは前記第1電極の一部で満たされており、
    前記溝を満たす前記第1電極の前記一部の前記第1イオン伝導体の含量は前記第1電極の残りの部分の前記第1イオン伝導体の含量より高い、
    膜電極アセンブリー。
  2. 前記溝を満たす前記第1電極の前記一部と前記残りの部分との前記第1イオン伝導体の含量差は前記残りの部分の前記第1イオン伝導体の含量の2~12%である、
    請求項1に記載の膜電極アセンブリー。
  3. 第1触媒スラリーを得るために第1触媒と第1イオン伝導体を第1分散媒に分散させる段階と、
    前記第1触媒スラリーを高分子電解質膜の第1表面上に塗布する段階と、
    第1電極形成のために前記第1表面上に塗布された前記第1触媒スラリーを乾燥させる段階と、
    を含み、
    前記第1分散媒は、(i)前記高分子電解質膜を前記第1表面で部分的に溶かすか前記第1表面の変形を引き起こすことにより前記第1表面上に多数の溝を形成することができる第1成分、及び(ii)前記第1成分と異なる第2成分を含み、
    前記第1成分は、アルコール、酢酸、プロピオン酸、ジメチルアセトアミド、またはこれらの中で2種以上の混合物であり、
    前記アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、エトキシエタノール、ブタノール、またはこれらの中で2種以上の混合物であり、
    前記第2成分は、水、N-メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、またはこれらの中で2種以上の混合物であり、
    前記第1触媒スラリー内の前記第1分散媒の含量は83~98重量%であり、
    前記第1分散媒内の前記第1成分の含量は55~80重量%であり、
    前記乾燥段階で前記第1電極が形成されるとき、前記溝の少なくとも一部が前記第1触媒、前記第1イオン伝導体、またはこれらの混合物で満たされる、
    膜電極アセンブリーの製造方法。
  4. 前記第1触媒スラリーを10~200μmの塗布厚さに前記第1表面上に塗布する、
    請求項3に記載の膜電極アセンブリーの製造方法。
  5. 前記乾燥段階は50~150℃の温度で10~300秒間遂行する、
    請求項3に記載の膜電極アセンブリーの製造方法。
  6. 前記溝のそれぞれが5μm以下の深さ及び10μm以下の幅を有するように、(i)前記第1触媒スラリー内の前記第1分散媒の含量、(ii)前記第1分散媒内の前記第1成分の含量、(iii)前記第1触媒スラリーの塗布厚さ、(iv)前記乾燥段階の温度、及び(v)前記乾燥段階の時間を決定する、
    請求項3に記載の膜電極アセンブリーの製造方法。
  7. 前記分散段階は、超音波ホモジナイザー(ultrasonic homogenizer)、ボールミル(ball mill)、ロールミル(roll mill)、共鳴音響ミキサー(resonant acoustic mixer)、高圧ホモジナイザー(high pressure homogenizer)、遊星ミキサー(planetary mixer)、及び均一ミキサー(homogeneous mixer)からなる群から選択される少なくとも一つを用いて遂行する、
    請求項3に記載の膜電極アセンブリーの製造方法。
  8. 前記高分子電解質膜はフッ素系イオン伝導体を含む、
    請求項3に記載の膜電極アセンブリーの製造方法。
  9. 前記乾燥段階は、熱風乾燥、赤外線乾燥、またはホットプレート乾燥によって遂行する、
    請求項3に記載の膜電極アセンブリーの製造方法。
  10. 前記第1電極を形成した後、前記第1表面の反対側にある前記高分子電解質膜の第2表面上に第2触媒スラリーを塗布する段階と、
    第2電極形成のために前記第2表面上に塗布された前記第2触媒スラリーを乾燥させる段階と、
    をさらに含む、
    請求項3に記載の膜電極アセンブリーの製造方法。
  11. 前記第1触媒スラリーを前記第1表面上に塗布する段階は、前記高分子電解質膜の前記第2表面上に保護フィルムが付着されている状態で遂行する、
    請求項10に記載の膜電極アセンブリーの製造方法。
  12. 前記第2触媒スラリーを前記第2表面上に塗布するに先立ち、前記第2表面から前記保護フィルムを除去する段階をさらに含む、
    請求項11に記載の膜電極アセンブリーの製造方法。
  13. 前記第2表面から前記保護フィルムを除去するに先立ち、前記第1電極が形成された前記第1表面上に第1保護シートを付着する段階をさらに含む、
    請求項12に記載の膜電極アセンブリーの製造方法。
  14. 前記第2電極が形成された前記第2表面上に第2保護シートを付着する段階をさらに含む、
    請求項13に記載の膜電極アセンブリーの製造方法。
  15. 前記第1触媒スラリーを前記第1表面上に塗布するに先立ち、第1ウィンドウを有する第1マスキングフィルムを前記第1表面上に付着する段階と、
    前記第1電極を形成した後、前記第1マスキングフィルムを除去する段階と、
    前記第2触媒スラリーを前記第2表面上に塗布するに先立ち、第2ウィンドウを有する第2マスキングフィルムを前記第2表面上に付着する段階と、
    前記第2電極を形成した後、前記第2マスキングフィルムを除去する段階と、
    をさらに含み、
    前記第1触媒スラリーを前記第1表面上に塗布する段階は、前記第1ウィンドウによって露出された前記第1表面の部分上に前記第1触媒スラリーを塗布することによって遂行し、
    前記第2触媒スラリーを前記第2表面上に塗布する段階は、前記第2ウィンドウによって露出された前記第2表面の部分上に前記第2触媒スラリーを塗布することによって遂行する、
    請求項10に記載の膜電極アセンブリーの製造方法。
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