JP5129990B2 - 燃料電池用膜−電極接合体の製造方法と燃料電池用膜−電極接合体ならびに燃料電池 - Google Patents

燃料電池用膜−電極接合体の製造方法と燃料電池用膜−電極接合体ならびに燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池、特に固体高分子型燃料電池(PEFC)、に用いられる膜−電極接合体(MEA)の製造方法、膜−電極接合体ならびに燃料電池に関する。
近年、高効率および低環境負荷を実現できる燃料電池が、次世代のエネルギー源として期待されている。特に、電解質として、高分子からなるプロトン導電性膜(高分子電解質膜)を用いた固体高分子型燃料電池(PEFC)は、自動車などの車両用動力源、家庭用コジェネレーションのエネルギー源、あるいは、長時間の連続使用の要求が高い携帯機器用電源としての応用が期待されており、最も注目を集めている。PEFCには、その発電要素として、高分子電解質膜と、当該膜を狭持するように配置された一対の触媒層(アノードおよびカソードに相当する)とが一体化され、必要に応じて、上記電解質膜および触媒層を狭持する一対のガス拡散層がさらに配置された、膜−電極接合体(MEA:Membrane-Electrode Assembly)が広く用いられている。
MEAには、大きく分けて2種類の作製方法がある。一つは、カーボンペーパーなどからなるガス拡散層の表面に、触媒成分を含有する「インク」を塗布して乾燥させ、ガス拡散層の表面に触媒層を形成した後に、触媒層と高分子電解質膜とが接するように、ガス拡散層および電解質膜を接合する方法である。もう一つは、高分子電解質膜の表面に、触媒成分を含有する「インク」を塗布して乾燥させ、インク中の触媒成分を電解質膜の表面に堆積させて、高分子膜と一体化された触媒層を形成する方法である。
前者の方法では、電解質膜と拡散層とを接合するために高温プレスの実施が一般的であるが、電解質膜を構成する高分子体およびガス拡散層の種類によっては、過酷なプレス条件が要求され、プレス時の熱と圧力とにより電解質膜の変質が生じることがある。また、電解質膜の変質を抑制するためにプレス条件を緩和すると、両者の接合が不十分となって、後の燃料電池製造工程において、あるいは発電時に、両者が剥離することがある。この問題を解決するために、高分子電解質膜の表面を一時的に液相化または軟化させた状態で加圧接合を行う方法が提案されているが(特許文献1参照)、この方法では、軟化した電解質膜が圧迫されることで膜の変形や局所的な厚さのばらつきが生じることがあり、電解質膜としての特性が劣化することがある。
一方、後者の方法では、触媒層を形成する際に電解質膜への圧迫がないため、電解質膜としての本来の特性を維持した状態でMEAを形成できる点において、前者の方法よりも優位である。しかし、この方法では、インクと電解質膜との親和性が低い場合、電解質膜と当該膜の表面に堆積させた触媒層との接合が不十分となって、膜から触媒層が剥がれたり、両者の界面抵抗が増大するなどの問題が生じることがある。インクと電解質膜との親和性を高めることを目的として、例えば、インクに含まれる溶媒を、単に、電解質膜を構成する高分子体に対する溶解性が高いものとすると、当該溶媒による電解質膜の溶解が過度に進行して、その特性が低下することがある。
特開2005−222894号公報
そこで本発明は、高分子電解質膜の表面に触媒成分を含有する触媒インクを塗布することにより、高分子膜と一体化された触媒層を形成する燃料電池用MEAの製造方法であって、電解質膜の特性の劣化を抑制できるとともに、電解質膜と触媒層との間の良好な接合状態を実現できる方法の提供を目的とする。
本発明の製造方法は、高分子電解質膜の表面に、当該膜と一体化された触媒層が形成された燃料電池用膜−電極接合体(MEA)の製造方法であって、(i)高分子電解質膜の表面に、触媒成分と前記膜を溶解しうる第1の溶媒とを含む第1の触媒インクを塗布し、前記膜に対する前記第1の溶媒の溶解作用により前記膜の表面を荒らし、前記第1の溶媒を揮発させて前記荒らされた膜の表面に触媒成分を堆積させる工程と、(ii)前記工程(i)において堆積させた触媒成分上に、前記触媒成分と同一のまたは異なる触媒成分と、前記第1の溶媒に比べて前記膜に対する溶解能に劣る第2の溶媒とを含む第2の触媒インクを塗布し、前記第2の溶媒を揮発させて触媒成分を堆積させ、前記膜の表面に当該膜と一体化された触媒層を形成する工程とを含む。
本発明の燃料電池用膜−電極接合体は、上記本発明の製造方法により得た接合体である。
本発明の燃料電池は、上記本発明の燃料電池用膜−電極接合体を備える。
本発明の方法では、高分子電解質膜の表面に塗布する触媒インクとして、従来のような一種類のインクではなく、当該膜を溶解しうる第1の溶媒を含む第1の触媒インクと、第1の溶媒に比べて当該膜に対する溶解能に劣る、好ましくは当該膜を溶解しない、第2の溶媒を含む第2の触媒インクとを用い、さらに、その塗布の順序を定めている。
電解質膜の表面への第1のインクの塗布(工程(i))では、当該インクに含まれる第1の溶媒によって、膜の表面が溶解して微細な凹凸が形成される(表面が荒らされる)が、当該インクには触媒成分が含まれているため、第1の溶媒の揮発に伴い、形成された凹凸の形状に従うように触媒成分が膜表面に堆積する。即ち、工程(i)では、第1の溶媒の溶解作用により膜表面に形成された凹凸部を一種のアンカーとして、当該表面と強く接合した触媒層(第1の触媒層)を形成できる。
一方、工程(i)の後で実施される、第1の触媒層上への第2のインクの塗布(工程(ii))では、当該インクに含まれる第2の溶媒の電解質膜に対する溶解能が、第1の溶媒に比べて劣るため、電解質膜を過度に溶解または膨潤して当該膜を劣化させることなく、触媒成分をさらに堆積させることができ(第2の触媒層が形成される)、工程(i)で形成した第1の触媒層と合わせて、電解質膜と一体化した触媒層を形成できる。
従って、工程(i)、(ii)により、電解質膜の特性の劣化が抑制されるとともに、電解質膜と触媒層との間の良好な接合状態が実現されたMEAを製造できる。
本発明の製造方法の一例を、図1A〜図1Eに示す。
最初に、高分子電解質膜1の表面に第1の触媒インク2を塗布する(図1A)。インク2が塗布されると、インク2に含まれる第1の溶媒によって電解質膜1の表面が溶解し、当該表面に微細な凹凸が形成される(図1B)。インク2には触媒成分が含まれており、当該触媒成分は、第1の溶媒の揮発に伴い、形成された凹凸に従うように電解質膜1の表面に堆積し、図1Cに示すように、凹凸部3を一種のアンカーとして、当該表面と強く接合した第1の触媒層4が形成される(工程(i))。
次に、上記のように形成した第1の触媒層4上に、第2の触媒インク5を塗布する(図1D)。インク5に含まれる第2の溶媒が揮発すると、インク5中の触媒成分が第1の触媒層4上に堆積して第2の触媒層6が形成される。また、塗布されたインク5の一部は第1の触媒層4に浸透するため、インク5中の触媒成分の一部は第1の触媒層4の内部にも堆積し、両触媒層は一体となる。このようにして、図1Eに示すように、電解質膜1の表面に、当該膜と接合した触媒層7が形成された燃料電池用MEA8を得ることができる(工程(ii))。なお、第1および第2の触媒層における「第1」、「第2」の名称は、各工程の説明の便宜を図るために用いたものであり、実際には、塗布されたインク5の一部が第1の触媒層4に浸透することもあって、両者の境界は観察されないことがある。
第1の触媒インク2が含む第1の溶媒は、電解質膜1の表面に塗布可能な触媒インクを形成できるとともに、電解質膜1を溶解できる限り特に限定されない。
第2の触媒インク5が含む第2の溶媒は、第1の触媒層4上に塗布可能な触媒インクを形成できるとともに、第1の溶媒に比べて電解質膜1に対する溶解能に劣ればよいが、電解質膜1を溶解しない溶媒であることが好ましい。この場合、MEA形成時における電解質膜の特性の劣化をより抑制できる。
第1の溶媒は、典型的には、高分子電解質膜1を構成する高分子体の良溶媒であり、第2の溶媒は、典型的には、上記高分子体の貧溶媒または非溶媒である。高分子電解質膜1が、後述するように、イオン伝導性を有する基を有する高分子鎖が樹脂基材にグラフト重合した構造を有する場合、例えば、第1の溶媒は、上記樹脂基材を構成する高分子体(「電解質膜の基材成分」ともいえる)の良溶媒であり、第2の溶媒は、上記樹脂基材を構成する高分子体の貧溶媒であってもよい。
工程(i)において、高分子電解質膜1の表面に第1の触媒インク2を塗布する方法は特に限定されず、スプレーなどによる噴霧、コーターなどによる塗工、あるいは、転写などの各種の塗布手段を用いればよい。特に、噴霧により第1の触媒インク2を塗布する方法が、薄くかつ均一な厚さの第1の触媒層4の形成が容易であることから好ましい。
工程(i)は、第1の溶媒による電解質膜1の溶解と、第1の溶媒の揮発による触媒成分の堆積とのバランスを図るために、温度制御雰囲気下で行ってもよく、例えば、加熱雰囲気下で行ってもよい。
加熱雰囲気の温度は、用いる電解質膜および第1の溶媒の種類に応じて、電解質膜の溶解が過度に進行しない範囲で、適宜設定すればよく、例えば、60℃〜130℃程度の範囲であってもよい。当該温度が過度に低くなると、第1の溶媒の揮発が遅れることで当該溶媒による電解質膜の溶解が過度に進行したり、第1の溶媒により電解質膜が過度に膨潤し変形したりして、電解質膜の特性が劣化することがある。一方、当該温度が過度に高くなると、電解質膜の表面が十分に荒らされる前に第1の溶媒が揮発し、触媒成分が堆積することで、電解質膜と第1の触媒層との十分な接合が確保できなくなることがある。
工程(i)を加熱雰囲気下で行うには、例えば、上記温度に保持した恒温槽中において工程(i)を実施してもよいし、単に、上記温度に保持したホットプレートなどの加熱手段上に電解質膜を配置して、当該膜の表面に第1の触媒インクを塗布してもよい。
工程(i)において堆積させる触媒成分の厚さ、即ち、第1の触媒層の厚さは特に限定されないが、0.1μm〜10μm程度の範囲が好ましい。当該厚さが0.1μm未満の場合、第1の触媒層と電解質膜との十分な接合が確保できないことがある。一方、当該厚さが10μmを超えると、第1の溶媒を揮発させるために高い温度が必要となって、第1の触媒層と電解質膜との十分な接合が確保できなくなることがある他、工程(i)の実施に長時間を要して、MEAの生産効率が低下することがある。
工程(i)において電解質膜の表面を荒らす程度は特に限定されないが、当該膜の表面を、JIS B0601(1994)に規定する算術表面粗さRaにして0.05〜1.0μmの範囲となるように荒らすことが好ましい。Raが0.05μm未満の場合、膜表面の凹凸が過度に微細となって、凹凸部3によるアンカー効果が十分に得られず、第1の触媒層と電解質膜との十分な接合が確保できないことがある。一方、Raが1.0μmを超えると、電解質膜自身の厚さが不均一となって、電解質膜としての特性が劣化することがある。
aは、走査型電子顕微鏡(SEM)などによる電解質膜の断面の画像解析などにより求めることができる。
工程(i)における電解質膜の表面を荒らす程度は、工程(i)を実施する温度、塗布する第1の触媒インクの量などにより制御できる。
高分子電解質膜と、当該膜を溶解しうる第1の溶媒との組み合わせとして、以下の組み合わせが例示できる。
例えば、高分子電解質膜がポリフッ化ビニリデンを含み、第1の溶媒が、シクロヘキサノン、N−メチル−ピロリドン、N,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジオキサンおよびアセトンから選ばれる少なくとも1種である組み合わせ。
例えば、高分子電解質膜が、超高分子量ポリエチレンおよび高密度ポリエチレンから選ばれる少なくとも1種を含み、第1の溶媒が、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、アセトン、キシレン、トルエン、エチルベンゼンおよびo−ジクロロベンゼンから選ばれる少なくとも1種である組み合わせ。
例えば、高分子電解質膜が、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体を含み、第1の溶媒が、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルフォルムアミド、イソプロピルエーテル、イソプロピルベンゼンおよびエチルベンゼンから選ばれる少なくとも1種である組み合わせ。
これらの組み合わせにおいて示される第1の溶媒は、高分子電解質膜を構成する上記各高分子体の良溶媒である。
第1のインク2が含む触媒成分は、触媒層となった後に燃料電池の触媒(アノード触媒またはカソード触媒)として機能できる限り特に限定されない。例えば、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)などの触媒粒子が担持されたカーボン粒子が、触媒成分として挙げられる。
第1の触媒インク2に含まれる触媒成分と、第2の触媒インク5に含まれる触媒成分とは、同一であっても異なっていてもよい。
第1のインク2は、第1の溶媒および触媒成分以外の物質を含んでいてもよく、例えば、形成された触媒層中において三相界面を確立するために、パーフルオロカーボンスルホン酸(例えば、デュポン社製ナフィオン(登録商標))などの高分子電解質と、当該電解質の溶媒(例えば、電解質がパーフルオロカーボンスルホン酸である場合、プロピルアルコール)を含んでいてもよい。
電解質膜1の構成は特に限定されず、均一な構造を有していてもよいし、例えば、後述の実施例に示すように、樹脂基材、例えばフッ素樹脂からなる樹脂基材、に、イオン伝導性を有する基を有する高分子鎖をグラフト重合させた構造を有していてもよい。
工程(ii)において、第1の触媒層4の表面に第2の触媒インク5を塗布する方法は特に限定されず、工程(i)において電解質膜1の表面に第1の触媒インク2を塗布する方法と同様であればよい。特に、噴霧により第2の触媒インク5を塗布する方法が、均一な厚さの第2の触媒層6の形成が容易であることから好ましい。
工程(ii)は、第2の溶媒の揮発による触媒成分の堆積を促進するために、温度制御雰囲気下で行ってもよく、例えば、加熱雰囲気下で行ってもよい。
加熱雰囲気の温度は、用いる第2の溶媒の種類に応じて適宜設定すればよい。
工程(ii)において堆積させる触媒成分の厚さ、即ち、第2の触媒層の厚さは特に限定されず、得たい触媒層7の厚さと工程(i)で形成した第1の触媒層4の厚さとに基づいて調整すればよい。第2の触媒層の厚さは、例えば、10μm〜200μm程度の範囲である。
第2の溶媒の具体的な種類としては、例えば、炭素数4以下の鎖状アルコールと水との混合溶媒が挙げられる。これらの溶媒は、上述した組み合わせで示した各高分子体に対して非溶媒である。
上記炭素数4以下の鎖状アルコールは、例えば、プロピルアルコールであってもよい。プロピルアルコールは、形成された触媒層中において三相界面を確立するために、第2の触媒インクがパーフルオロカーボンスルホン酸を含む場合に、当該電解質の溶媒としての役割も担うことができる。
第2の触媒インクは、第1の触媒インクと同様に、第2の溶媒および触媒成分以外の物質を含んでいてもよい。
本発明の製造方法では、工程(ii)の後に、工程(i)、(ii)により形成した高分子電解質膜と触媒層との接合体に対し、当該触媒層を電解質膜とともに狭持するようにガス拡散層を配置する工程を、さらに実施してもよい。この工程の実施により、ガス拡散層をさらに有するMEAを形成できる。ガス拡散層の配置方法は、従来の方法に従えばよい。
配置するガス拡散層の種類は特に限定されず、導電性およびガス透過性を有する、燃料電池に一般的に用いられるガス拡散層であればよい。このようなガス拡散層としては、例えば、カーボンクロス、カーボンペーパー、カーボンフェルトなどのカーボン繊維の織布、不織布などが挙げられる。
本発明の燃料電池用MEAの一例を、図2に示す。
図2に示すMEA21は、電解質膜1の双方の主面上に、当該膜と一体化するように一対の触媒層7a、7bが形成されており、触媒層7a、7bは、上述した本発明の製造方法により電解質膜1の表面に形成された層である。触媒層7a、7bは、それぞれ、アノード触媒層およびカソード触媒層に対応する。このようなMEA21は、例えば、電解質膜1のそれぞれの主面に対して上記工程(i)、(ii)を実施し、触媒層7a、7bを形成して得ることができる。
MEA21では、触媒層7a、7bと電解質膜1との接合状態が良好であり、電解質膜1から触媒層7a、7bが剥離しにくい他、両者の間の界面抵抗を低くすることができる。即ち、耐久性に優れ、発電特性に優れる燃料電池用MEAとすることができる。
図3に、本発明の燃料電池用MEAの別の一例を示す。図3に示すMEA31は、図2に示す電解質膜1および触媒層7a、7bを狭持するように、一対のガス拡散層12a、12bが配置された構造を有する。このようなMEA31は、例えば、電解質膜1のそれぞれの主面に対して上記工程(i)、(ii)を実施して触媒層7a、7bを形成した後、当該電解質膜1および触媒層7a、7bを狭持するように、一対のガス拡散層12a、12bを配置して得ることができる。
本発明の燃料電池の一例を、図4に示す。
図4に示す燃料電池11は、図3に示すMEA31と、MEA31を狭持するように配置された一対のセパレータ(アノードセパレータ13aおよびカソードセパレータ13b)とを備えている。燃料電池11を構成する各部材は、各部材の主面に垂直な方向に、所定の圧力が印加された状態で保持されている。
燃料電池11は、典型的には、固体高分子型燃料電池(PEFC)であり、電解質膜1の種類によっては、リン酸型燃料電池(PAFC)とすることもできる。なお、PEFCには、ダイレクトメタノール型燃料電池(DMFC)を含む。
MEA31は本発明の膜−電極接合体であり、このようなMEA31を備える燃料電池11は、MEA31における電解質膜1と触媒層7a、7bとが互いに剥離しにくいことに基づいて耐久性に優れるとともに、電解質膜1と触媒層7a、7bとの間の界面抵抗が低いことに基づいて発電特性に優れる。
図4に示す燃料電池11は単セル(シングルセル)であるが、このような単セルを複数積層して、燃料電池スタックとしてもよい。
セパレータ13a、13bは、導電性を有しており、通常、カーボンまたはSUSなどの金属から構成される。各々のセパレータ13a、13bには、燃料ガス流路14aおよび酸化剤ガス流路14bが形成されており、各流路を介して、燃料ガスおよび酸化剤ガスが、それぞれ、触媒層7aおよび7bに供給される。
本発明の燃料電池が備える部材は、図4に示す各部材に限定されず、燃料電池として一般的に用いられるその他の部材を備えていてもよい。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、以下に示す実施例に限定されない。
(カソード触媒層を形成するための触媒インク原液(A)の調製)
カソード触媒成分としてPt(白金)担持カーボン3g、ならびに、n−プロピルアルコール16g、イソプロピルアルコール19g、水21gおよびデュポン社製ナフィオン(登録商標)溶液(DE2020CS、固形分20重量%)8gを秤量、混合し、得られた混合体を遊星ボールミルを用いて攪拌、混合した後、ミルより取り出して冷蔵庫で1日以上放置して、カソード触媒層を形成するための触媒インク原液(A)を得た。
(アノード触媒層を形成するための触媒インク原液(B)の調製)
アノード触媒成分としてPt−Ru(ルテニウム)混合粉末(Pt/Ru(重量比)=67/33)5g、ならびに、n−プロピルアルコール15g、イソプロピルアルコール16g、水19gおよび原液(A)の調製に用いたナフィオン溶液3gを秤量、混合し、得られた混合体を遊星ボールミルを用いて攪拌、混合した後、ミルより取り出して冷蔵庫で1日以上放置して、アノード触媒層を形成するための触媒インク原液(B)を得た。
(高分子電解質膜の作製)
電解質膜に用いる高分子基材として、10cm角に切断したポリフッ化ビニリデン(PVdF)フィルム(膜厚50μm)を準備し、当該フィルムの表面に、室温、大気雰囲気下において、加速電圧を250kVとして得た電子線を線量にして30kGy照射した。照射後のPVdFフィルムを、電子線照射により生成したラジカルが維持されるように、ドライアイス温度にまで冷却して保管した後、当該フィルムを、スチレンモノマー200g、ジビニルベンゼン6.94g、メタノール100gおよびクロロホルム100gを混合し、90℃のオイルバスで加熱して沸騰させて得たグラフト重合溶液に浸漬し、スチレンをグラフト重合させた。グラフト重合を行う際には、重合前後におけるフィルムの重量増加率が13%になるように、重合時間を調整した。
重合完了後、PVdFフィルムを重合溶液から取り出し、トルエン中において12時間洗浄し、さらにメタノール中において10分間洗浄した後、60℃の乾燥炉中において乾燥させて、ポリスチレン鎖がグラフト重合したPVdFフィルムを得た。
次に、得られたフィルムを、濃度0.2Mの1,3,5-トリメチルベンゼン-2-スルホン酸/o−ジクロロベンゼン溶液中に浸漬し、135℃で30分処理して、ポリスチレン鎖にスルホン基を導入した。次に、ポリスチレン鎖にスルホン基を導入したフィルムを、イソプロピルアルコール中で30分間、2回洗浄し、さらに60℃の温水中で30分間洗浄した後、60℃の乾燥炉中において乾燥させて、PVdFからなる基材の表面に、イオン伝導基としてスルホン基を有するポリスチレン鎖がグラフト重合した構造を有する高分子電解質膜を得た。
(実施例および比較例サンプルの作製)
−サンプル1−
10分以上攪拌した触媒インク原液(A)1gに、第1の溶媒としてN−メチルピロリドン1gを加えてさらに10分以上攪拌し、後の工程においてカソード触媒層の一部となる第1の触媒インク(A)を調製した。これとは別に、上記のように作製した高分子電解質膜を7cm角に裁断後、5cm×5cmの正方形状に膜の表面が露出するようにガラス板に貼付し、100℃に加熱したホットプレート上に設置した。次に、ホットプレート上にある電解質膜の露出面に、上記調製した第1の触媒インク(A)を、エアスプレーにより、第1の溶媒を揮発させながら10分以上かけて断続的に噴霧して、カソード触媒成分を含む第1の触媒層を形成した。
次に、10分以上攪拌した触媒インク原液(A)5gに、第2の溶媒として、n−プロピルアルコール/イソプロピルアルコール/水(重量比1:1:1)の混合溶媒5gを加えてさらに10分以上攪拌し、後の工程においてカソード触媒層の一部となる第2の触媒インク(A)を調製した。
次に、第1の触媒層が形成された電解質膜における当該触媒層上に、第2の触媒インク(A)を、エアスプレーにより、第2の溶媒を揮発させながら20分以上かけて断続的に噴霧して第2の触媒層を形成し、電解質膜の一方の表面に、当該膜と接合、一体化したカソード触媒層が形成された評価用サンプル(サンプル1)を得た。
形成したカソード触媒層のPt担持量を、触媒層を形成する前後におけるサンプルの重量増加率から評価したところ、1.5mg/cm2であった。
−サンプル2−
10分以上攪拌した触媒インク原液(B)0.5gに、第1の溶媒としてN−メチルピロリドン1gを加えてさらに10分以上攪拌し、後の工程においてアノード触媒層の一部となる第1の触媒インク(B)を調製した。これとは別に、上記のように作製した高分子電解質膜を7cm角に裁断後、5cm×5cmの正方形状に膜の表面が露出するようにガラス板に貼付し、100℃に加熱したホットプレート上に設置した。次に、ホットプレート上にある電解質膜の露出面に、上記調製した第1の触媒インク(B)を、エアスプレーにより、第1の溶媒を揮発させながら10分以上かけて断続的に噴霧し、アノード触媒成分を含む第1の触媒層を形成した。
次に、10分以上攪拌した触媒インク原液(B)2.5gに、第2の溶媒として、n−プロピルアルコール/イソプロピルアルコール/水(重量比1:1:1)の混合溶媒3gを加えてさらに10分以上攪拌し、後の工程においてアノード触媒層の一部となる第2の触媒インク(B)を調製した。
次に、第1の触媒層が形成された電解質膜における当該触媒層上に、第2の触媒インク(B)を、エアスプレーにより、第2の溶媒を揮発させながら20分以上かけて断続的に噴霧して第2の触媒層を形成し、電解質膜の一方の表面に、当該膜と接合、一体化したアノード触媒層が形成された評価用サンプル(サンプル2)を得た。
形成したアノード触媒層のPt−Ru担持量を、サンプル1におけるPt担持量と同様に評価したところ、3.0mg/cm2であった。
−サンプル3−
サンプル2におけるアノード触媒層が形成されている面とは反対側の面に、サンプル1と同様にしてカソード触媒層を形成し、電解質膜を狭持するようにアノード触媒層およびカソード触媒層が接合され、各触媒層と電解質膜とが一体化したMEAサンプル(サンプル3)を得た。
−サンプルA(比較例)−
10分以上攪拌した触媒インク原液(A)6gに、n−プロピルアルコール/イソプロピルアルコール/水(重量比1:1:1)の混合溶媒6gを加えてさらに10分以上攪拌し、後の工程においてカソード触媒層となる触媒インク(C)を調製した。これとは別に、上記のように作製した高分子電解質膜を7cm角に裁断後、5cm×5cmの正方形状に膜の表面が露出するようにガラス板に貼付し、100℃に加熱したホットプレート上に設置した。次に、ホットプレート上にある電解質膜の露出面に、上記調製した触媒インク(C)を、エアスプレーにより、触媒インク(C)に含まれる溶媒成分を揮発させながら30分以上かけて断続的に噴霧し、カソード触媒層を形成して、電解質膜の一方の表面に、当該膜と一体化したカソード触媒層が形成された評価用サンプル(サンプルA)を得た。
形成したカソード触媒層のPt担持量を、サンプル1におけるPt担持量と同様に評価したところ、1.5mg/cm2であった。
−サンプルB(比較例)−
10分以上攪拌した触媒インク原液(B)3gに、n−プロピルアルコール/イソプロピルアルコール/水(重量比1:1:1)の混合溶媒3gを加えてさらに10分以上攪拌し、後の工程においてアノード触媒層となる触媒インク(D)を調製した。これとは別に、上記のように作製した高分子電解質膜を7cm角に裁断後、5cm×5cmの正方形状に膜の表面が露出するようにガラス板に貼付し、100℃に加熱したホットプレート上に設置した。次に、ホットプレート上にある電解質膜の露出面に、上記調製した触媒インク(D)を、エアスプレーにより、触媒インク(D)に含まれる溶媒成分を揮発させながら30分以上かけて断続的に噴霧し、アノード触媒層を形成して、電解質膜の一方の表面に、当該膜と一体化したアノード触媒層が形成された評価用サンプル(サンプルB)を得た。
形成したアノード触媒層のPt−Ru担持量を、サンプル1におけるPt担持量と同様に評価したところ、3.0mg/cm2であった。
−サンプルC(比較例)−
サンプルBにおけるアノード触媒層が形成されている面とは反対側の面に、サンプルAと同様にしてカソード触媒層を形成し、電解質膜を狭持するようにアノード触媒層およびカソード触媒層が接合され、各触媒層と電解質膜とが一体化したMEAサンプル(サンプルC)を得た。
(電解質膜の表面の評価)
サンプル3、Cについて、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、JIS B0601(1994)の規定に基づいて、電解質膜の表面における算術平均粗さRaを求めたところ、サンプル3のRaは0.21μm、サンプルCのRaは0.03μmであった。
サンプル3の断面のSEM観察像を図5に、サンプルCの断面のSEM観察像を図6に示す。図5、6に示すように、比較例であるサンプルCの表面がほぼ均一であるのに対して、サンプル3の表面には、微細な凹凸が形成されていることがわかった。また、図5に示すように、サンプル3では、電解質膜の内部に潜り込むように凹部が形成されている(図5における部分A参照)が、このような部分にも、当該部分を充填するように触媒成分が堆積していた。なお、図5、6では、電解質膜と触媒層との界面をわかりやすくするために、当該界面に対応する破線を記している。
(電解質膜と触媒層との接合性の評価)
電解質膜の一方の面に触媒層が形成されたサンプル1、2、AおよびBについて、電解質膜と触媒層との接合状態の評価を、触媒層維持率の評価により、以下のように行った。
各サンプルを秤量して洗浄処理前の重量W1(g)を求めた後、当該サンプルを、触媒層が露出するようにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シート上に固定し、全体を十分な量の純水に浸漬させた状態で、超音波洗浄装置により30分間、洗浄処理を行った。次に、処理したサンプルを乾燥後に秤量して、洗浄処理後の重量W2(g)を求めた。これとは別に、電解質膜のみの重量W3(g)を予め求めておき、以下の式により、触媒層維持率(%)を求めた。触媒層維持率が高いほど、電解質膜と触媒層との接合が強く、接合状態が良好であるといえる。
触媒層維持率(%)={1−(W1−W2)/(W1−W3)}×100
上記式において、W1−W2(g)は、洗浄処理によって電解質膜から剥離した触媒層の重量に、また、W1−W3(g)は、洗浄処理前に各サンプルが有する触媒層の重量に相当する。
(発電特性の評価)
電解質膜の双方の面に触媒層が形成されたサンプル3、Cについて、その発電特性の評価を、以下のように行った。
各サンプルを狭持するように、カーボンペーパーからなる一対のガス拡散層、および、グラファイトからなる一対のセパレータを順に配置し、各層の積層方向に圧力を加えた状態で固定して、図4に示すような単セルの燃料電池を作製した。各セパレータの表面には、燃料または酸化剤の流路が形成されており、セパレータを配置する際には、当該流路がガス拡散層の側を向くようにした。作製した燃料電池のセル面積は、電解質膜における触媒層が形成された部分の面積と等しい25cm3である。
このように作製した燃料電池のアノード側に燃料として濃度1Mのメタノール水溶液を、カソード側に酸化剤として空気を流して発電させ、発電特性として、発電時におけるセルの電気抵抗(アノードセパレータとカソードセパレータとの間の抵抗)、および、セル電圧が0.4V時の出力特性を評価した。なお、発電条件は、セル温度70℃、燃料の流量3.0ml/分、酸化剤の流量500ml/分とした。
評価結果を以下の表1に示す。
表1に示すように、比較例であるサンプルA、Bに比べて、サンプル1、2では、触媒層維持率が大幅に改善した。また、比較例であるサンプルCに比べて、サンプル3では、セル抵抗が低下するとともに出力特性が大きく向上した。これらの結果から、比較例サンプルに比べて実施例サンプルでは、電解質膜の特性の劣化が抑制されるとともに、電解質膜と触媒層との接合状態が向上できたと考えられる。
以上説明したように本発明によれば、高分子電解質膜の特性の劣化を抑制できるとともに、電解質膜と触媒層との間の良好な接合状態を実現できる膜−電極接合体の製造方法を提供できる。
本発明の製造方法の一例における一工程を模式的に示す断面図である。 本発明の製造方法の一例における、図1Aの工程に続く工程を模式的に示す断面図である。 本発明の製造方法の一例における、図1Bの工程に続く工程を模式的に示す断面図である。 本発明の製造方法の一例における、図1Cの工程に続く工程を模式的に示す断面図である。 本発明の製造方法の一例における、図1Dの工程に続く工程を模式的に示す断面図である。 本発明の燃料電池用膜−電極接合体の一例を示す模式図である。 本発明の燃料電池用膜−電極接合体の別の一例を示す模式図である。 本発明の燃料電池の一例を示す模式図である。 実施例であるMEAサンプル3の断面のSEM観察像を示す図である。 比較例であるMEAサンプルCの断面のSEM観察像を示す図である。
符号の説明
1 電解質膜
2 第1の触媒インク
3 凹凸部
4 第1の触媒層
5 第2の触媒インク
6 第2の触媒層
7 触媒層
7a 触媒層(アノード触媒層)
7b 触媒層(カソード触媒層)
11 燃料電池
12a、12b ガス拡散層
13a セパレータ(アノードセパレータ)
13b セパレータ(カソードセパレータ)
14a 流路(燃料流路)
14b 流路(酸化剤流路)
21、31 膜−電極接合体(MEA)

Claims (15)

  1. 高分子電解質膜の表面に、当該膜と一体化された触媒層が形成された燃料電池用膜−電極接合体(MEA)の製造方法であって、
    (i)高分子電解質膜の表面に、触媒成分と前記膜を溶解しうる第1の溶媒とを含む第1の触媒インクを塗布し、前記膜に対する前記第1の溶媒の溶解作用により前記膜の表面を荒らし、前記第1の溶媒を揮発させて前記荒らされた膜の表面に触媒成分を堆積させる工程と、
    (ii)前記工程(i)において堆積させた触媒成分上に、前記触媒成分と同一のまたは異なる触媒成分と、前記第1の溶媒に比べて前記膜に対する溶解能に劣る第2の溶媒とを含む第2の触媒インクを塗布し、前記第2の溶媒を揮発させて触媒成分を堆積させ、前記膜の表面に当該膜と一体化された触媒層を形成する工程と、を含む、燃料電池用膜−電極接合体の製造方法。
  2. 前記第2の溶媒が、前記高分子電解質膜を溶解しない溶媒である請求項1に記載の燃料電池用膜−電極接合体の製造方法。
  3. 前記工程(i)を加熱雰囲気下において行う請求項1に記載の燃料電池用膜−電極接合体の製造方法。
  4. 前記工程(i)において堆積させる触媒成分の厚さが、0.1〜10μmの範囲である請求項1に記載の燃料電池用膜−電極接合体の製造方法。
  5. 前記工程(i)において、前記膜の表面を、JIS B0601(1994)に規定する算術表面粗さRaにして0.05〜1.0μmとなるように荒らす、請求項1に記載の燃料電池用膜−電極接合体の製造方法。
  6. 前記高分子電解質膜が、ポリフッ化ビニリデンを含み、
    前記第1の溶媒が、シクロヘキサノン、N−メチル−ピロリドン、N,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジオキサンおよびアセトンから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の燃料電池用膜−電極接合体の製造方法。
  7. 前記高分子電解質膜が、超高分子量ポリエチレンおよび高密度ポリエチレンから選ばれる少なくとも1種を含み、
    前記第1の溶媒が、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、アセトン、キシレン、トルエン、エチルベンゼンおよびo−ジクロロベンゼンから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の燃料電池用膜−電極接合体の製造方法。
  8. 前記高分子電解質膜が、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体を含み、
    前記第1の溶媒が、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルフォルムアミド、イソプロピルエーテル、イソプロピルベンゼンおよびエチルベンゼンから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の燃料電池用膜−電極接合体の製造方法。
  9. 前記第2の溶媒が、炭素数4以下の鎖状アルコールと水との混合溶媒である請求項1に記載の燃料電池用膜−電極接合体の製造方法。
  10. 前記鎖状アルコールが、プロピルアルコールである請求項9に記載の燃料電池用膜−電極接合体の製造方法。
  11. 前記高分子電解質膜は、イオン伝導性を有する基を有する高分子鎖が樹脂基材にグラフト重合した構造を有する請求項1に記載の燃料電池用膜−電極接合体の製造方法。
  12. 前記基材が、フッ素樹脂からなる請求項11に記載の燃料電池用膜−電極接合体の製造方法。
  13. 前記工程(ii)の後に、前記高分子電解質膜とともに前記触媒層を狭持するように、ガス拡散層を配置する工程をさらに実施する請求項1に記載の燃料電池用膜−電極接合体の製造方法。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の製造方法により得た燃料電池用膜−電極接合体。
  15. 請求項14に記載の燃料電池用膜−電極接合体を、発電要素として備える燃料電池。
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