以下において、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、添付の図面における各図は、模式的な図であり、必ずしも厳密に図示されたものでない。さらに、各図において、実質的に同一の構成要素に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
<収容体の概略構成>
実施の形態に係る配達サービス用収容体(以下、単に「収容体」とも称する)1の概略構成を説明する。図1は、実施の形態に係る収容体1の外観の一例を示す斜視図である。図2は、実施の形態に係る収容体1の人による移動状況の一例を示す斜視図である。図3は、実施の形態に係る収容体1の車両Vへの積載状態の一例を示す斜視図である。
図1に示すように、実施の形態に係る収容体1は、配達サービス用の収容体である。配達サービスは、エンドユーザに配達物を配達するサービス及び発送される配達物をエンドユーザから受け取るサービスを含み、例えば、宅配サービス及び郵便サービス等を含む。配達物の例は、書類、荷物及び商品などの宅配物及び郵便物等であり、配達されるものである。収容体1は、受取人であるエンドユーザが受け取る直前の配達物を収容する。また、収容体1は、発送人であるエンドユーザが発送する配達物を受け入れる。例えば、収容体1は、集配センター、営業所又は郵便局等の宅配業者又は郵便会社の最終拠点からエンドユーザに配達物を配達する工程及びその逆の工程で用いられる。つまり、収容体1は、最終拠点とエンドユーザとの間の物流サービスであるラストワンマイルで用いられる。これに限定されないが、本実施の形態では、収容体1は、宅配業者のラストワンマイルで段ボールケース等の宅配物を、配達物として扱うものとして説明する。
本実施の形態では、収容体1は、不特定多数のエンドユーザが利用可能である宅配ボックスとして用いられる。収容体1は、不特定多数のエンドユーザに配達されるべき配達物を収容し、エンドユーザによって入力される情報に対応して、当該エンドユーザに配達されるべき配達物を搬出する。また、収容体1は、不特定多数のエンドユーザによって入力される情報に対応して、当該エンドユーザが発送する配達物を受け入れる。
図2に示すように、収容体1は、車輪17を備え、人によって床面及び地面上で移動されることが可能である。さらに、収容体1は、車両への積載も可能である。例えば、図3に示すように、収容体1は、エンドユーザへの配達に一般的に用いられている車両Vの荷室又は荷台に積載可能であるように構成されている。例えば、収容体1は、最終拠点において配達物が積み込まれた後、車両Vに積載され、車両Vによって所定の場所に運搬され、車両Vから降ろされる。また、収容体1は、所定の場所において車両Vに積み込まれ、最終拠点に運搬され回収される。
所定の場所に配置された収容体1に対して、エンドユーザが配達物に関する情報を入力することによって、収容体1は、当該情報に対応する配達物を自動的に搬出する又は受け入れる。収容体1の配置場所は、特に限定されないが、不特定多数のエンドユーザがアクセスしやすい場所であってもよい。例えば、配置場所は、ショッピングセンタ、スーパーマーケット及びコンビニエンスストアなどの店舗、駅、オフィスビル、並びに、集合住宅又はその近傍等であってもよい。
また、所定の場所に配置された収容体1は、収容している各配達物が各エンドユーザに搬出される、又は配置後に所定の期間が経過すると、再び車両Vに積載され、最終拠点に戻される。最終拠点において、収容体1は、再度配達物の積み込みを受ける。
<収容体の外部構成>
収容体1の外部構成の一例を説明する。図4は、実施の形態に係る収容体1への配達物Aの積み込み時の状況の一例を示す斜視図である。図1及び図4に示すように、収容体1は箱体10と受付装置20とを備える。受付装置20は箱体10の外表面に配置され、エンドユーザによる情報の入力を受け付ける。受付装置20の詳細は後述する。
本実施の形態では、箱体10の形状は、直方体状であるが、これに限定されない。箱体10は、配達物開口11と、積降開口13と、配達物開口扉14と、積降開口扉16とを有する。配達物開口11は第一開口の一例であり、積降開口13は第二開口の一例である。配達物開口扉14は第一扉の一例であり、積降開口扉16は第二扉の一例である。
積降開口13は、宅配業者の作業者Pが箱体10に配達物A(「配達物A1」又は「配達物A2」等と称する場合もある)を積み降ろすために用いられる。積降開口13は、箱体10の長手方向D1に沿った2つの側壁10a及び10bの一方の側壁10aに配置され、側壁10aの上下左右の略全体にわたる大きさの開口である。
配達物開口11は、エンドユーザが箱体10内の配達されるべき配達物Aを受け取るために用いられる。また、配達物開口11は、エンドユーザが発送する配達物Aを箱体10内に投入するためにも用いられる。配達物開口11は、側壁10bにおける側壁10c及び受付装置20に近い位置に配置されている。側壁10cは、箱体10の短手方向D2に沿った2つの側壁10c及び10dの一方である。また、受付装置20も、側壁10bにおける側壁10cに近い位置に配置されている。
配達物開口扉14は、配達物開口11を開閉する扉であり、片開き方式の扉であるが、これに限定されない。さらに、配達物開口扉14の開閉装置14aが設けられ、配達物開口扉14のロック及びロック解除を行う。開閉装置14aは配達物開口扉14の開閉動作を行ってもよい。
積降開口扉16は、積降開口13を開閉する扉であり、観音開き方式の扉であるが、これに限定されない。積降開口扉16の開閉装置16aが設けられ、積降開口扉16のロック及びロック解除を行う。開閉装置16aは積降開口扉16の開閉動作を行ってもよい。
箱体10の内部には、配達物開口11及び積降開口13を通じてアクセス可能である。配達物開口扉14及び積降開口扉16がそれぞれ、配達物開口11及び積降開口13を閉鎖しているとき、箱体10の外部から内部にアクセスすることができない。
また、箱体10は、底壁10eに複数の車輪17を有している。箱体10は、複数の車輪17を用いて、載置された表面上で移動可能である。これにより、最終拠点及び収容体1の配置場所において、車両に積み込むための箱体10の移動及び車両から降ろすための箱体10の移動が容易になる。なお、車輪17の回転を制止するロック機構が備えられてもよい。これにより、車両内及び配置場所等において、箱体10の不要な移動及び意図されない移動が防がれる。車両への箱体10の積み降ろしは、車両に備えられたリフト装置又は車両とは別のリフト装置等により行われてもよい。箱体10は、車輪17を回転駆動させる又は車輪17の回転駆動を補助する車輪駆動装置(図示せず)を備えてもよい。
図1及び図2に示すように、箱体10は、箱体10を移動する際に作業者Pが掴むことができるハンドル18を備えてもよい。本実施の形態では、ハンドル18は、箱体10の側壁10cに配置される。ハンドル18は、回動可能であり、車輪17の向きを変えることができるように車輪17の車軸と接続されていてもよい。これにより、作業者Pは、ハンドル18を用いて箱体10の移動方向を変えることができる。箱体10は、ハンドル18の回動及び車輪17の向きの変更を補助するハンドル駆動装置(図示せず)を備えてもよい。例えば、ハンドル18に、車輪駆動装置及びハンドル駆動装置の駆動力の大きさ及び駆動力のオン又はオフを制御する装置が設けられてもよい。
<収容体の内部構成>
収容体1の内部構成の一例を説明する。図5は、実施の形態に係る収容体1の箱体10の内部構成の一例を透視した斜視図である。図5に示すように、収容体1は、箱体10の内部に、保持棚30と、仮置台40と、ロボット50と、撮像装置60と、制御装置70と、電源装置80とを備える。
[保持棚]
保持棚30の構成を説明する。図4及び図5に示すように、保持棚30は、最終拠点からエンドユーザに配達物Aを配達するまでの間、配達物Aを保持する棚であり、複数の配達物Aを載置し収納することができる。また、保持棚30は、エンドユーザから受け取った発送配達物Aを、最終拠点まで保持する。保持棚30は、箱体10の積降開口13と隣接して配置されている。保持棚30は、箱体10の側壁10aの上下左右の略全体にわたって配置されている。積降開口13は、保持棚30つまり全棚段の略全体にわたる大きさを有する。
保持棚30は、上下に複数の棚段を形成する複数の棚板30aを有し、各棚板30aは方向D1に延びる。配達物Aは、各棚板30a上において方向D1に並べて配置されることができる。各棚板30aは、積降開口13からのアクセスと、積降開口13と反対側からのアクセスとが可能である。各棚板30aは、積降開口13から及び積降開口13と反対側から、配達物Aの積み降ろしが可能である。最終拠点において、作業者Pは、積降開口13を通じて、棚板30aの全てに対して配達物Aを容易に積み降ろすことができる。
[仮置台]
仮置台40の構成を説明する。図1及び図5に示すように、仮置台40には、配達物開口11を介して箱体10から搬出される配達物Aが一時的に載置される。仮置台40には、配達物開口11を介して箱体10内に投入される配達物Aが一時的に載置されてもよい。仮置台40は、配達物開口11と隣接して箱体10の底壁10e上に配置されている。仮置台40は、配達物Aが載置される載置部40aを有し、載置部40aは配達物開口11の正面に位置している。エンドユーザは、載置部40a上の配達物Aを配達物開口11を通じて箱体10の外に取り出すことができ、箱体10の外部の配達物Aを配達物開口11を通じて載置部40a上に載置することできる。
[ロボット]
ロボット50の構成を説明する。図6は、実施の形態に係るロボット50の構成の一例を示す平面図である。図5及び図6に示すように、ロボット50は、搬送装置の一例であり、箱体10内に配置され且つ保持棚30及び仮置台40に対して配達物Aを搬送する。ロボット50は、箱体10内において保持棚30に対して積降開口13と反対側に配置されている。ロボット50は、ロボット本体51と、走行レール52と、支持体53と、位置センサ54及び55とを備える。
走行レール52は、ロボット本体51の方向D1の移動を案内する。2つの走行レール52が、箱体10の上壁10f及び底壁10eの内面に配置され、方向D1に互いに平行に延びる。2つの走行レール52は、箱体10の側壁10cから側壁10dに保持棚30の全体にわたって延びる。
支持体53は、走行レール52上でロボット本体51を支持する。支持体53は、上下に延びる柱状の形状を有し、上端及び下端において2つの走行レール52と係合している。支持体53は、その上端及び下端に、走行装置53aを備えており、各走行レール52上を方向D1に走行することができる。走行装置53aの構成は、走行レール52上を走行できれば特に限定されない。走行装置53aの駆動装置は、支持体53の上端及び下端の一方又は両方に配置されてもよい。駆動装置の例は、サーボモータなどの電気モータ等である。駆動装置の動作は、制御装置70によって制御される。
限定するものではないが、例えば、走行装置53aは、走行レール52に当接するローラ等の回転体と回転体を回転駆動する駆動装置とを備える構成であってもよい。回転体が歯車(ピニオン)であり、走行レール52に形成されたラックと係合するように構成されてもよい。回転体は、回転駆動されることで、支持体53と一緒に走行レール52上を走行する。又は、走行装置53aは、方向D1に延びる無端状のベルト又はチェーンとこれを周回駆動する駆動装置とを備える構成であってもよい。無端状のベルト又はチェーンは、周回駆動されることで、支持体53を走行レール52に沿って移動させる。
ロボット本体51は、配達物等の物品を様々な位置に移動することができる。ロボット本体51は、取付部51aと、昇降装置51bと、ロボットアーム51cと、ロボットハンド(「エンドエフェクタ」とも呼ぶ)51dとを備えている。取付部51aは、支持体53の軸方向に移動可能に支持体53に取り付けられ、具体的には、支持体53上を移動可能である。昇降装置51bは、支持体53に沿って取付部51aを昇降させる装置である。昇降装置51bの構成は、取付部51aを昇降させることができれば特に限定されない。昇降装置51bの駆動装置の動作は、制御装置70によって制御される。駆動装置の例は、サーボモータなどの電気モータ等である。
限定するものではないが、例えば、昇降装置51bは、支持体53に当接又は係合するローラ又は歯車(ピニオン)等の回転体と回転体を回転駆動する駆動装置とを備える構成であってもよい。回転体は、回転駆動されることで、ロボット本体51と一緒に支持体53上を上下に走行する。又は、昇降装置51bは、支持体53の軸方向に延びる無端状のベルト又はチェーンとこれを周回駆動する駆動装置とを備える構成であってもよい。無端状のベルト又はチェーンは、周回駆動されることで、ロボット本体51を昇降させる。又は、昇降装置51bは、支持体53の外周面に形成されたねじ溝に螺合するナットとナットを回転駆動する駆動装置とを備える構成であってもよい。ナットは、回転駆動されることで、ロボット本体51と一緒に支持体53上を昇降する。
ロボットアーム51cは、サーボモータ等の電気モータによって駆動される1つ以上の関節を有し、関節において屈曲できるように構成されている。ロボットアーム51cは、取付部51aから延びる。本実施の形態では、ロボットアーム51cは、3つの関節51ca1~51ca3と、これら関節51ca1~51ca3によって順次連結される3つのリンク51cb1~51cb3と、各関節51ca1~51ca3を回転駆動する電気モータ51cc1~51cc3とを有する。関節51ca1は、取付部51aと一体的に接続されている。本実施の形態では、ロボット本体51は水平多関節型ロボットであり、関節51ca1~51ca3を鉛直方向の関節軸を中心に回動させるが、これに限定されない。関節、リンク及び電気モータの数量は上記に限定されない。電気モータ51cc1~51cc3の動作は制御装置70によって制御される。
ロボットハンド51dは、配達物Aを載せる、把持する及び/又は吸着する等をし、配達物Aを搬送することができる。ロボットハンド51dは、ロボットアーム51cの先端、具体的にはリンク51cb3の先端と接続される。ロボットハンド51dは、配達物Aの下に挿入されることで配達物Aを載せるように構成されてもよく、配達物Aを上下方向及び/又は側方から把持するように構成されてもよく、配達物Aを上方等から吸着するように構成されてもよい。本実施の形態では、ロボットハンド51dは、複数のフォーク(爪)51daを有し、配達物Aの下にフォーク51daを挿入してその上に配達物Aを載せる。配達物Aを把持又は吸着する構成のロボットハンド51dの場合、把持及び吸着のための駆動装置が設けられ、駆動装置の動作は制御装置70によって制御されてもよい。
上述のようなロボット本体51は、ロボットアーム51cを動作させることで、水平方向でロボットハンド51dを任意の向き及び位置にすることができる。さらに、ロボット本体51が支持体53上を昇降し、且つ支持体53が走行レール52上を移動することによって、ロボット本体51は、保持棚30に対向する任意の位置に移動することができる。よって、ロボット本体51は、ロボットハンド51dを用いて、保持棚30の複数の棚板30aのいかなる位置の配達物Aも取り出すことができ、且つ、ロボットハンド51d上の配達物Aを複数の棚板30aのいかなる位置に載置することもできる。
位置センサ54及び55は、箱体10内におけるロボット本体51の位置を検出し、検出信号を制御装置70に出力する。位置センサ54は、ロボット本体51の水平方向、具体的に方向D1での位置を検出する。位置センサ55は、ロボット本体51の鉛直方向、具体的に方向D1及びD2に垂直な方向での位置を検出する。
位置センサ54は、走行レール52上における支持体53の位置を検出することで、ロボット本体51の水平方向の位置を検出してもよい。この場合、位置センサ54は、走行装置53aの動作量を検出し、この動作量に基づき、走行レール52上における支持体53の位置を検出してもよい。又は、位置センサ54は、箱体10の側壁10c又は10dまでの距離を検出することで、ロボット本体51の水平方向の位置を検出してもよい。この場合、位置センサ54は、光電センサ、レーザセンサ、レーザライダ(Lidar)及び超音波センサ等であってもよい。
位置センサ55は、支持体53上におけるロボット本体51の位置を検出することで、ロボット本体51の鉛直方向の位置を検出してもよい。この場合、位置センサ55は、昇降装置51bの動作量を検出し、この動作量に基づき、支持体53上におけるロボット本体51の位置を検出してもよい。又は、位置センサ55は、箱体10の上壁10f又は底壁10eまでの距離を検出することで、ロボット本体51の鉛直方向の位置を検出してもよい。この場合、位置センサ55は、光電センサ、レーザセンサ、レーザライダ及び超音波センサ等であってもよい。
[撮像装置]
撮像装置60の構成を説明する。図5及び図6に示すように、撮像装置60は、箱体10内を撮像する。具体的には、撮像装置60は、保持棚30を撮像することで、棚板30aに載置された配達物Aの画像を取得する。撮像装置60は、撮像した画像を制御装置70に出力する。撮像装置60の例は、デジタルカメラ及びデジタルビデオカメラである。撮像装置60の動作は制御装置70によって制御されてもよい。
本実施の形態では、撮像装置60は、ロボットアーム51cの関節51ca1に取り付けられ、その撮像方向が保持棚30に向かう方向D2に方向付けられている。ロボット50が動作することで、撮像装置60は、保持棚30の複数の棚板30aのいかなる位置にある配達物Aも撮像することができる。なお、撮像装置60は、ロボットアーム51cの他の部位又はロボット本体51のロボットアーム51c以外の部位に取り付けられてもよく、箱体10の壁等のロボット本体51以外の場所に取り付けられてもよい。撮像装置60は、撮像方向を固定して配置されてもよく、制御装置70によって制御されるジンバル等を備え撮像方向を変えることができてもよい。
また、撮像装置60に対して、光源61が設けられてもよい。光源61は、撮像装置60の撮像領域を照明する。光源61の構成、配置場所及び向きは、撮像装置60の撮像領域を照明できれば、特に限定されない。例えば、光源61は、撮像装置60と一体化されていてもよく、撮像装置60から分かれて配置されてもよい。後者の場合、光源61は、関節51ca1、ロボットアーム51cの他の部位、ロボット本体51のロボットアーム51c以外の部位、又は、ロボット本体51以外の場所に配置されてもよい。本実施の形態では、光源61は、LED(Light Emitting Diode)で構成されるが、これに限定されない。光源61の動作は制御装置70によって制御されてもよい。
[電源装置]
電源装置80の構成を説明する。図5に示すように、電源装置80は、ロボット50の動作領域と干渉しない位置に配置され、例えば、箱体10の側壁10cと隣接して配置される。本実施の形態では、電源装置80は、仮置台40における載置部40aの下方の空間内に配置され、当該空間の有効利用が図られている。電源装置80は、ロボット50、撮像装置60、光源61、制御装置70、受付装置20、開閉装置14a及び16a等の電力を消費する収容体1の構成要素に電力を供給する。電源装置80の電力は、制御装置70の制御に従って、各構成要素に供給される。
電源装置80は、二次電池等の蓄電池を備え、蓄電池の電力を各構成要素に供給してもよく、商用電源又は収容体1の外部の装置等の外部電源と接続できるように構成され、外部電源の電力を各構成要素に供給してもよい。電源装置80は蓄電池を備え且つ外部電源と接続できるように構成されてもよい、なお、二次電池は、電力の充放電が可能である電池であり、鉛蓄電池、リチウムイオン二次電池、ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池等であってもよい。電源装置80は、電力の放電のみが可能である一次電池を備えてもよい。
<受付装置>
受付装置20の構成を説明する。図7は、実施の形態に係る制御装置70の機能的構成及びその周辺の構成の一例を示すブロック図である。図1及び図7に示すように、受付装置20は、操作入力装置21と、読取装置22と、通信装置23と、表示装置24とを構成要素として含む。なお、これらの構成要素の全てが必須ではない。例えば、操作入力装置21、読取装置22及び通信装置23のうち、少なくとも1つが設けられてもよい。
操作入力装置21は、人による操作の入力を受け付け、入力された操作の情報を制御装置70に出力する。操作入力装置21の例は、ボタン、キー、タッチパネル、マイク及びカメラ等であるが、これらに限定されない。例えば、操作入力装置21は、配達物に関する情報(以下、「配達物関連情報」とも呼ぶ)と、箱体10に対する配達物の搬出、投入、積み込み又は荷降ろしの要求を示す搬出入指令とを受け付ける。配達物関連情報は、第一情報の一例であり、配達物自体に関する情報である配達物情報と、当該配達物に関連するユーザの情報であるユーザ情報との少なくとも1つを含む情報である。
例えば、配達物情報は、配達物の識別情報、配達物の形状、寸法及び重量などの配達物のサイズ、並びに、配達物の梱包状態及び梱包ケース等の情報を含んでもよい。配達物の識別情報は、配達物を識別するための情報であり、配達物に設定されたIDなどの専用の情報、配達物の内容、配達物の送り先の氏名、名称、住所、電話番号、メールアドレス及びIDなどの専用の情報、配達物の発送元の氏名、名称、住所、電話番号、メールアドレス及びIDなどの専用の情報、配達物の発送日、並びに配達物の配達予定日時等を含んでもよい。
ユーザ情報は、配達物の受け取り対象又は投入対象のエンドユーザの識別情報、及び、宅配業者の作業者の識別情報などのユーザの識別情報等を含んでもよい。ユーザの識別情報は、ユーザを識別するための情報であり、ユーザに設定されたIDなどの専用の情報、並びに、ユーザの氏名若しくは名称、所属会社、生年月日、住所、電話番号及びメールアドレスなどの個人情報又は特有の情報等を含んでもよい。なお、ユーザは、個人、自営業者、法人、会社、団体、公共団体、省庁等を含む。なお、限定ではなく例として、「法人」とは、自然人ではないが、社会的活動を営む組織体であり、法律上人格を認められ、法律行為を有効になし、権利・義務の主体となりうる資格を与えられたものである。法人の例は、会社、労働組合などの組合、私立学校などの学校及び神社等である。
読取装置22は、配達物関連情報を含む媒体から当該配達物関連情報を読み取り、制御装置70に出力する。上記媒体は、配達物の搬出入指令を含んでもよい。読み取られる配達物関連情報及び搬出入指令は、バーコード及びQRコード(登録商標)等のコード情報として媒体に含まれてもよく、文字列及び記号として媒体に含まれてもよい。読取装置22は、コード情報を読み取るコードリーダ、又は、コード情報、文字列及び記号等を撮像する撮像装置を備えてもよい。媒体は、紙などの記録媒体、又は、端末装置の画面等であってもよい。端末装置は、宅配業者及びエンドユーザの端末装置である。端末装置の例は、スマートフォン及びタブレット端末などのスマートデバイス並びに専用端末装置等である。
また、読取装置22は、エンドユーザ及び宅配業者の作業者の指紋を配達物関連情報及び/又は搬出入指令として読み取るように構成されてもよい。読取装置22は、エンドユーザ及び宅配業者の作業者のIC(Integrated Circuit)タグ(「電子タグ」とも呼ばれる)、磁気式タグ、ICカード又は磁気カードから配達物関連情報及び/又は搬出入指令を読み取るように構成されてもよい。読取装置22は、エンドユーザ及び宅配業者の作業者の顔を撮像することで、顔認証の結果を配達物関連情報及び/又は搬出入指令として取得するように構成されてもよい。
通信装置23は、宅配業者及びエンドユーザの端末装置と通信し、配達物関連情報及び搬出入指令等を取得して制御装置70に出力する。通信装置23が用いる通信は、いかなる通信であってもよく、例えば、無線通信又は可視光通信であってもよい。
表示装置24は、制御装置70の指令に従って種々の情報を示す画面を表示する。表示装置24の例は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)及び有機又は無機ELディスプレイ(Electro-Luminescence Display)であるが、これらに限定されない。表示装置24は、操作入力装置21の機能を兼ねるタッチパネルであってもよい。なお、受付装置20は、表示装置24に加えて、又は、表示装置24の代わりに、上記情報を音声で出力するスピーカを備えてもよい。
<制御装置>
制御装置70の構成を説明する。制御装置70は、収容体1の各構成要素の動作を制御する。図7に示すように、制御装置70は、情報処理部71と、情報出力部72と、決定部73と、開閉制御部74と、撮像制御部75と、画像処理部76と、搬送制御部77と、記憶部78とを機能的構成要素として含む。画像処理部76は、抽出部76aと位置特定部76bとを機能的構成要素として含む。搬送制御部77は、本体位置検出部77aと、本体制御部77bと、アーム位置検出部77cと、アーム制御部77dと、ハンド位置検出部77eとを機能的構成要素として含む。上記の機能的構成要素は、他の機能的構成要素が出力する情報を使用し、他の機能的構成要素の動作とリンクした動作を行う。なお、上記の機能的構成要素の全てが必須ではない。
情報処理部71、情報出力部72、決定部73、開閉制御部74、撮像制御部75、画像処理部76及び搬送制御部77の各機能的構成要素の機能は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ、RAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリ及びROM(Read-Only Memory)などの不揮発性メモリ等からなるコンピュータシステム(図示せず)により実現されてもよい。上記機能的構成要素の一部又は全部の機能は、CPUがRAMをワークエリアとして用いてROMに記録されたプログラムを実行することによって実現されてもよい。なお、上記機能的構成要素の一部又は全部の機能は、上記コンピュータシステムにより実現されてもよく、電子回路又は集積回路等の専用のハードウェア回路により実現されてもよく、上記コンピュータシステム及びハードウェア回路の組み合わせにより実現されてもよい。
記憶部78は、種々の情報の格納することができ、且つ、格納した情報の読み出しを可能にする。記憶部78は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリなどの半導体メモリ、ハードディスク及びSSD(Solid State Drive)等の記憶装置によって実現される。記憶部78は、配達物、エンドユーザ及び宅配業者の作業者に関する情報、各構成要素が用いるパラメータ及び閾値等を格納する。例えば、記憶部78は、配達物関連情報を構成する配達物情報とユーザ情報とを紐付けて格納してもよく、当該紐付けのための情報を格納してもよい。また、記憶部78は、後述する載置配達物情報及びスペース情報を格納してもよい。載置配達物情報及びスペース情報は、第二情報の一例である。また、記憶部78は、各構成要素が実行するプログラムを格納してもよく、撮像装置60によって撮像された画像を格納してもよい。
情報処理部71は、受付装置20から取得される情報及び指令を、制御装置70の各機能的構成要素に出力する。これにより、各機能的構成要素は、当該情報及び指令に対応するプログラムに従って動作する。
情報出力部72は、表示装置24の画面に表示する画像の情報を、受付装置20に出力する。例えば、情報出力部72は、受付装置20への入力を要求する情報、及び、入力された情報と箱体10内の配達物との照合結果等を出力してもよい。
撮像制御部75は、撮像装置60の動作を制御する。撮像制御部75は、撮像装置60の撮像動作に合わせて、光源61の照明動作を制御してもよい。撮像制御部75は、撮像装置60に、保持棚30に載置された配達物Aを撮像させる。例えば、作業者Pは、最終拠点において積降開口13を通じた配達物Aの積み込みが完了すると、受付装置20の操作入力装置21等を用いて、撮像実行の指令を入力する。
撮像実行の指令を受け取った搬送制御部77は、保持棚30の各棚板30aをロボットアーム51cの撮像装置60で走査するように、ロボット50を動作させる。このとき、撮像制御部75は、搬送制御部77からロボットアーム51cの位置の情報を随時取得し、撮像装置60に、ロボットアーム51cの所定の位置又は所定のタイミングで保持棚30を撮像させてもよく、連続的に撮像させてもよい。撮像制御部75は、撮像装置60に、全ての棚板30a及び棚板30a上の配達物Aの画像を取得させる。撮像制御部75は、光源61を、撮像装置60の撮像タイミングで間欠的に点灯させてもよく、例えば全ての配達物Aの撮像が終了するまで、連続的に点灯させてもよい。
撮像制御部75は、撮像された画像と、当該画像の撮像タイミングでのロボットアーム51cの位置の情報とを関連付けて含む画像データを、記憶部78に格納する及び/又は画像処理部76に出力する。
なお、作業者Pが配達物Aの積み込み開始時又は積み込み中に受付装置20を用いて、撮像実行の指令を入力してもよい。この場合、撮像制御部75は、作業者Pによる配達物Aの積み込みと並行して、保持棚30の配達物Aを撮像装置60に撮像させる。
画像処理部76の抽出部76aは、保持棚30を撮像した画像データの画像から配達物Aの画像を抽出する。配達物Aの画像の抽出方法は、既知のいかなる方法であってもよい。例えば、抽出部76aは、画像から配達物Aの外形のエッジ及び/又はテクスチャ等を抽出することで、配達物Aを抽出してもよい。又は、抽出部76aは、画像から、配達物Aに付けられたラベル又は記号等のエッジ及び/又はテクスチャ等を抽出することで、配達物Aを抽出してもよい。さらに、抽出部76aは、抽出された配達物Aの画像から、配達物Aの配達物関連情報を抽出する。配達物Aの配達物関連情報は、配達物Aの送り状などのラベル等に記載されたコード情報又は番号及び記号等の文字列であってもよい。配達物Aの配達物関連情報は、配達物Aの配達物情報を含むが、配達物Aの受け取り対象のエンドユーザのユーザ情報を含んでもよい。
画像処理部76の位置特定部76bは、画像内の配達物Aの位置と、当該画像の撮像タイミングでの撮像装置60の位置と、当該配達物Aの配達物関連情報とに基づき、保持棚30上における配達物Aの位置、つまり保持棚30上の配達物Aの3次元位置を特定する。以下において、箱体10内の構成要素の3次元位置、3次元の方向及び3次元の姿勢は、箱体10を基準とした3次元座標を用いた位置、方向及び姿勢であるとして説明するが、これに限定されない。
具体的には、位置特定部76bは、画像データに含まれるロボットアーム51cの位置から、撮像装置60の3次元位置及び3次元の撮像方向を取得する。さらに、位置特定部76bは、抽出部76aの抽出結果を用いて、上記画像データの画像内における各配達物Aの2次元位置を取得する。位置特定部76bは、画像内における配達物Aの2次元位置と、当該画像の撮像タイミングでの撮像装置60の3次元位置及び3次元の撮像方向とを用いて、当該配達物Aの3次元位置を取得する。そして、位置特定部76bは、配達物Aの3次元位置の情報と当該配達物Aの配達物関連情報とを関連付けて含む情報である載置配達物情報を記憶部78に格納する。
また、位置特定部76bは、保持棚30に載置されている配達物Aの3次元位置の情報から、保持棚30の棚板30a上における空きスペースの3次元位置を取得し、空きスペースの3次元位置を含む情報であるスペース情報を記憶部78に格納する。なお、位置特定部76bは、画像内における配達物Aの2次元の領域及び位置と、当該画像の撮像タイミングでの撮像装置60の3次元位置及び3次元の撮像方向とを用いて、空きスペースの3次元の領域及び位置を取得してもよい。位置特定部76bは、スペース情報として、空きスペースの3次元の領域及び位置を含む情報を記憶部78に格納してもよい。
決定部73は、受付装置20から取得される配達物関連情報に対応する配達物A又は空きスペースを、保持棚30に載置された配達物A又は棚板30a上の空きスペースの中から決定する。決定部73は、決定結果を、開閉制御部74及び搬送制御部77等に出力する。
具体的には、決定部73は、受付装置20によって箱体10からの搬出の要求が受け付けられた配達物の配達物関連情報と、記憶部78に記憶される載置配達物情報とに基づき、保持棚30に載置されている配達物Aの中から搬出対象の配達物Aを決定する。例えば、決定部73は、受付装置20から配達物関連情報と配達物の搬出を要求する搬出入指令とを取得すると、記憶部78の載置配達物情報の中から、当該配達物関連情報に対応する配達物関連情報を含む載置配達物情報を抽出し、当該載置配達物情報の配達物Aを搬出対象に決定する。さらに、決定部73は、搬出対象の配達物Aの載置配達物情報と当該配達物Aの保持棚30から仮置台40への搬送の指令とを搬送制御部77に出力する。
なお、決定部73は、搬出対象の配達物Aが存在する場合、配達物の搬出を許可し、存在しない場合、配達物の搬出を許可しない。決定部73は、搬出許可及び搬出不許可の決定結果を表示装置24に表示させてもよい。
また、決定部73は、受付装置20によって箱体10への投入の要求が受け付けられた配達物の配達物関連情報と、記憶部78に記憶されるスペース情報とに基づき、保持棚30上の空きスペースの中から当該配達物を載置する対象の空きスペースを決定する。例えば、決定部73は、受付装置20から、配達物関連情報と配達物の投入を要求する搬出入指令とを取得すると、記憶部78のスペース情報の中から、当該配達物関連情報の配達物のサイズに対応するスペース情報を取得し、当該スペース情報の空きスペースを載置対象に決定する。さらに、決定部73は、載置対象のスペース情報と、仮置台40への配達物の受け取り及び載置対象の空きスペースへの当該配達物の搬送をロボット50に実行させる指令とを搬送制御部77に出力する。
なお、決定部73は、載置対象の空きスペースが存在する場合、配達物の投入を許可し、存在しない場合、配達物の投入を許可しない。決定部73は、投入許可及び投入不許可の決定結果を表示装置24に表示させてもよい。
開閉制御部74は、配達物開口扉14及び積降開口扉16それぞれの開閉装置14a及び16aの動作を制御する。
例えば、開閉制御部74は、受付装置20を介して入力される投入配達物の配達物関連情報に対する決定部73の決定結果に従って、開閉装置14aに配達物開口扉14をロック又はロック解除させる。例えば、開閉制御部74は、投入許可の場合にロック解除させ、投入不許可の場合にロックを維持させる。
また、開閉制御部74は、受付装置20を介して入力される搬出配達物の配達物関連情報に対する決定部73の決定結果に従って、開閉装置14aに配達物開口扉14をロック又はロック解除させる。例えば、開閉制御部74は、搬出許可の場合にロック解除させ、搬出不許可の場合にロックを維持させる。
また、開閉制御部74は、受付装置20を介して入力される開閉を要求する指令に従って、開閉装置16aに積降開口扉16をロック又はロック解除させる。上記指令は、箱体10への配達物の積み込み又は荷降ろしを要求する搬出入指令であってもよい。
搬送制御部77の本体位置検出部77aは、支持体53の位置センサ54の検知値と、ロボット本体51の位置センサ55の検知値とを用いて、ロボット本体51の3次元位置を検出する。
搬送制御部77の本体制御部77bは、本体位置検出部77aによって検出されるロボット本体51の3次元位置と、他の機能的構成要素から受け取る指令等とに基づき、ロボット本体51の移動を制御する。具体的には、本体制御部77bは、支持体53の走行装置53a及びロボット本体51の昇降装置51bの動作を制御する。例えば、本体制御部77bは、決定部73の指令に従った制御を行う。
搬送制御部77のアーム位置検出部77cは、ロボットアーム51cの電気モータ51cc1~51cc3の回転量等の動作量の情報を用いて、各リンク51cb1~51cb3の位置及び姿勢を検出する。アーム位置検出部77cは、ロボット本体51の取付部51a等に対する各リンク51cb1~51cb3の相対的な位置及び姿勢を検出してもよく、各リンク51cb1~51cb3の3次元の位置及び姿勢を検出してもよい。
搬送制御部77のハンド位置検出部77eは、ロボットアーム51cのリンク51cb3の位置及び姿勢に基づき、ロボットハンド51dの位置、姿勢及び向きを検出する。ハンド位置検出部77eは、ロボット本体51の取付部51a等に対するロボットハンド51dの相対的な位置、姿勢及び向きを検出してもよく、ロボットハンド51dの3次元の位置、姿勢及び向きを検出してもよい。
搬送制御部77のアーム制御部77dは、ロボット本体51の3次元位置と、各リンク51cb1~51cb3の位置及び姿勢と、ロボットハンド51dの位置、姿勢及び向きと、他の機能的構成要素から受け取る指令等とに基づき、電気モータ51cc1~51cc3の動作を制御することで、ロボットアーム51cの動作を制御する。例えば、アーム制御部77dは、決定部73の指令に従った制御を行う。
<配達物の積み込み時の収容体の動作>
宅配業者の最終拠点において、作業者Pが収容体1に配達物Aを積み込む時の収容体1の動作の一例を説明する。図8は、実施の形態に係る収容体1の配達物Aの積み込み時の動作の一例を示すフローチャートである。
図1、図4、図7及び図8に示すように、まず、作業者Pが、受付装置20に、作業者Pの識別情報等のユーザ情報を含む配達物関連情報と、積降開口扉16の開放の指令とを入力し、制御装置70が、当該情報及び指令を受け付ける(ステップS101)。上記指令は、配達物の積み込みを指令する搬出入指令である。なお、積降開口扉16は閉鎖されロックされている。
次いで、制御装置70の決定部73は、記憶部78に記憶された宅配業者の作業者のユーザ情報を参照し、入力されたユーザ情報と同じユーザ情報が登録されているか否かを判定する(ステップS102)。決定部73は、登録されている場合(ステップS102でYes)、積降開口扉16のロック解除を決定し、ロック解除の指令を開閉制御部74に出力する(ステップS103)。一方、決定部73は、登録されていない場合(ステップS102でNo)、ロックの維持を決定し、ユーザ情報が認証できない旨の通知を、表示装置24に表示させる(ステップS104)。
次いで、ロック解除の指令を受け付けた開閉制御部74は、開閉装置16aに積降開口扉16のロックを解除させる(ステップS105)。開閉制御部74は、解除の完了を示す通知を表示装置24に表示させてもよい。
次いで、作業者Pは、積降開口扉16を開放し、保持棚30に配達物Aを積み込む(ステップS106)。このとき、作業者Pは、保持棚30の棚板30aに任意に配達物Aを載置することができ、配達物Aの載置位置を記録しなくてもよい。
次いで、配達物Aの積み込み完了後、作業者Pは、積降開口扉16を閉じ、受付装置20に積み込み完了の情報を入力し、制御装置70が当該情報を受け付ける(ステップS107)。本例では、積み込み完了の情報は、撮像実行の指令を示す。
次いで、制御装置70の撮像制御部75は、撮像装置60に保持棚30の配達物Aを撮像させる(ステップS108)。具体的には、開閉制御部74は、開閉装置16aに積降開口扉16をロックさせる。さらに、搬送制御部77は、保持棚30の各棚板30aをロボットアーム51cの撮像装置60で走査するように、ロボット本体51及び支持体53を動作させる。並行して、撮像制御部75は、所定の位置又は所定のタイミングで撮像装置60に保持棚30を撮像させる。
次いで、撮像完了後、制御装置70の画像処理部76は、撮像された画像を用いて、保持棚30の全ての配達物Aについての当該配達物Aの位置を含む載置配達物情報と、保持棚30の全ての空きスペースについての当該空きスペースの位置を含むスペース情報とを取得し保持する(ステップS109)。具体的には、画像処理部76は、画像から配達物Aの画像を抽出し、画像における当該配達物Aの配達物関連情報及び位置と撮像時の撮像装置60の位置とに基づき、保持棚30上の当該配達物Aの3次元位置及び配達物関連情報を含む載置配達物情報を取得する。画像処理部76は、全ての配達物Aについて載置配達物情報を取得し記憶部78に記憶させる。同様に、画像処理部76は、保持棚30上の配達物A間の全ての空きスペースについて3次元の位置及び領域を含むスペース情報を取得し記憶部78に記憶させる。
このように、ステップS101~S109の処理を実行することによって、収容体1は、保持棚30の全ての配達物Aの載置配達物情報と、保持棚30の全ての空きスペースのスペース情報とを取得し保持する。
<配達物の受け取り時の収容体の動作>
収容体1の配置場所において、配達物A1の受け取り対象であるエンドユーザが収容体1から配達物A1を受け取る時の収容体1の動作の一例を説明する。図9は、実施の形態に係る収容体1の配達物A1の搬出時の動作の一例を示すフローチャートである。
図1、図5及び図9に示すように、まず、エンドユーザが、受付装置20に搬出対象の配達物A1の配達物関連情報と、当該配達物A1の搬出を指令する搬出入指令とを入力し、制御装置70が当該情報及び指令を受け付ける(ステップS201)。なお、配達物開口扉14及び積降開口扉16は閉鎖されロックされている。
次いで、制御装置70の決定部73は、記憶部78に記憶された載置配達物情報を参照し、搬出対象の配達物A1の配達物関連情報に対応する配達物関連情報を含む載置配達物情報が登録されているか否か判定する(ステップS202)。つまり、決定部73は、配達物A1の配達物関連情報が登録されているか否かを判定する。
例えば、配達物A1の配達物関連情報が配達物情報のみを含む場合、決定部73は、配達物A1の配達物情報と、載置配達物情報の配達物情報とを照合することで、登録の有無を判定してもよく、配達物A1の配達物情報と、載置配達物情報のユーザ情報とを紐付けることで、登録の有無を判定してもよい。配達物A1の配達物関連情報がユーザ情報のみを含む場合、決定部73は、配達物A1のユーザ情報と、載置配達物情報のユーザ情報とを照合することで、登録の有無を判定してもよく、配達物A1のユーザ情報と、載置配達物情報の配達物情報とを紐付けることで、登録の有無を判定してもよい。配達物A1の配達物関連情報が配達物情報及びユーザ情報を含む場合、決定部73は、当該配達物情報及びユーザ情報のいずれを用いて、登録の有無を判定してもよい。
決定部73は、登録されている場合(ステップS202でYes)、配達物A1の搬出を決定し、載置配達物情報と当該載置配達物情報の配達物A1の搬出の指令とを搬送制御部77に出力する(ステップS203)。一方、決定部73は、登録されていない場合(ステップS202でNo)、該当する配達物が存在しない旨の通知を、表示装置24に表示させる(ステップS204)。
次いで、載置配達物情報及び搬出の指令を受け付けた搬送制御部77は、載置配達物情報に含まれる3次元位置に基づき、配達物A1を保持棚30から取り出し、仮置台40に搬送させるように、ロボット本体51及び支持体53を動作させる(ステップS205)。つまり、搬送制御部77は、ロボット50に配達物開口11の仮置台40にまで配達物A1を搬送させる。
次いで、仮置台40への配達物A1の載置の完了後、制御装置70の開閉制御部74は、開閉装置14aに配達物開口扉14のロックを解除させる(ステップS206)。開閉制御部74は、ロック解除完了又は配達物A1の取り出し可能を示す通知を表示装置24に表示させてもよい。
次いで、エンドユーザが、配達物開口扉14を開放し配達物開口11を通じて配達物A1を取り出す。エンドユーザが、取り出し完了後、配達物開口扉14を閉鎖し受付装置20に取り出し完了の情報を入力すると、開閉制御部74は、当該情報を受け付け、開閉装置14aに配達物開口扉14をロックさせる(ステップS207)。なお、開閉制御部74は、配達物開口扉14の開放時点から所定の時間が経過すると、開閉装置14aに配達物開口扉14を閉鎖及び/又はロックさせてもよい。
次いで、決定部73は、保持棚30における配達物A1が取り出された位置の情報を、配達物A1の載置配達物情報から取得し、新たな空きスペースのスペース情報として記憶部78に記憶させる(ステップS208)。なお、撮像制御部75が撮像装置60に、配達物A1が取り出された位置を撮像させ、画像処理部76が撮像された画像を処理して、当該位置における空きスペースの領域を算出してもよい。決定部73は、当該空きスペースの3次元の位置及び領域を含むスペース情報を記憶部78に記憶させてもよい。
このように、ステップS201~S208の処理を実行することによって、収容体1は、エンドユーザの配達物Aの搬出要求に対応して、保持棚30に保持する配達物A1を当該エンドユーザに提供する。
<配達物の投入時の収容体の動作>
収容体1の配置場所において、配達物A2の発送を意図するエンドユーザが収容体1に配達物A2を投入する時の収容体1の動作の一例を説明する。図10は、実施の形態に係る収容体1の配達物A2の投入時の動作の一例を示すフローチャートである。
図1、図5及び図10に示すように、まず、エンドユーザが、受付装置20に投入対象の配達物A2の配達物関連情報と、当該配達物A2の投入を指令する搬出入指令とを入力し、制御装置70が当該情報及び指令を受け付ける(ステップS301)。本例では、配達物関連情報は、投入対象の配達物A2のサイズを少なくとも含むとする。例えば、サイズは、配達物の寸法であってもよく、配達物の形状及び寸法であってもよく、配達物の形状及び寸法を示す規定された数値又は記号であってもよい。また、サイズは、配達物の重量を含んでもよい。なお、配達物開口扉14及び積降開口扉16は閉鎖されロックされている。
次いで、制御装置70の決定部73は、記憶部78に記憶されたスペース情報を参照し、投入対象の配達物A2のサイズに対応する空きスペースの領域を含むスペース情報が登録されているか否か判定する(ステップS302)。決定部73は、登録されている場合(ステップS302でYes)、配達物A2の受け入れを決定し、スペース情報と当該スペース情報の空きスペースへの配達物A2の受け入れの指令とを開閉制御部74及び搬送制御部77に出力する(ステップS303)。一方、決定部73は、登録されていない場合(ステップS302でNo)、配達物A2の受け入れができない旨の通知を、表示装置24に表示させる(ステップS304)。
次いで、開閉制御部74は、開閉装置14aに配達物開口扉14のロックを解除させる(ステップS305)。開閉制御部74は、ロック解除完了又は配達物A2の投入可能を示す通知を表示装置24に表示させてもよい。
次いで、エンドユーザが配達物開口11を通じて配達物A2を投入し仮置台40上に載置した後に配達物開口扉14を閉鎖すると、開閉制御部74は、開閉装置14aに配達物開口扉14をロックさせる(ステップS306)。なお、エンドユーザが受付装置20に投入完了の情報を入力することで、開閉制御部74が配達物開口扉14をロックさせてもよい。また、開閉制御部74は、配達物開口扉14の開放時点から所定の時間が経過すると開閉装置14aに配達物開口扉14を閉鎖及び/又はロックさせてもよい。また、開閉制御部74は配達物A2の受け付け完了を示す通知を表示装置24に表示させてもよい。
次いで、搬送制御部77は、配達物開口11の仮置台40にまで移動して配達物A2を把持し、スペース情報に含まれる保持棚30の空きスペースの位置に搬送させるように、ロボット本体51及び支持体53を動作させる(ステップS307)。つまり、配達物A2がロボット50により保持棚30の空きスペースに搬送される。
空きスペースへの配達物A2の載置後、決定部73は、配達物A2が載置された位置の情報を、当該空きスペースのスペース情報から取得し、新たな配達物A2の載置配達物情報として記憶部78に記憶させる(ステップS308)。なお、決定部73は、新たな配達物A2の載置配達物情報として、配達物A2の位置の情報と配達物関連情報とを関連付けた情報を記憶部78に記憶させる。
このように、ステップS301~S308の処理を実行することによって、収容体1は、エンドユーザの配達物A2の発送要求に対応して、配達物A2を受け入れる。
<効果等>
上述したように、実施の形態に係る配達サービス用収容体1は、複数の配達物を収容可能であり、且つ配達物の取り出しが可能である第一開口としての配達物開口11を有する箱体10と、箱体10内に配置され且つ配達物を搬送する搬送装置としてのロボット50と、配達物に関する第一情報としての配達物関連情報の入力を受け付ける受付装置20と、制御装置70とを備える。制御装置70は、箱体10内の配達物に関する第二情報としての載置配達物情報を記憶する記憶部78と、受付装置20によって箱体10からの搬出の要求が受け付けられた配達物の配達物関連情報と、記憶部78に記憶される載置配達物情報とに基づき、箱体10内の配達物の中から搬出対象の配達物を決定する決定部73と、ロボット50の動作を制御する搬送制御部77とを含む。搬送制御部77は、ロボット50を制御して、決定部73によって決定された搬出対象の配達物を配達物開口11に搬送させる。
上記構成によると、制御装置70は、受付装置20を介して搬出が要求された配達物に対応する搬出対象の配達物を、箱体10の配達物の中から決定し、ロボット50に、決定された配達物を箱体10の配達物開口11に搬送させる。よって、収容体1は、収容された配達物の中から、要求される任意の配達物を搬出することができる。
また、実施の形態に係る収容体1において、制御装置70の決定部73は、受付装置20によって箱体10への投入の要求が受け付けられた配達物の配達物関連情報と、記憶部78に記憶される第二情報としてのスペース情報とに基づき、投入対象の配達物を配置する位置を決定し、搬送制御部77は、ロボット50を制御して、配達物開口11から投入される投入対象の配達物を、決定部73によって決定された位置に搬送させてもよい。
上記構成によると、制御装置70は、記憶部78に記憶されたスペース情報を用いることで、投入対象の配達物の配置位置を簡易に且つ迅速に決定することができる。よって、収容体1は、要求される任意の配達物を箱体10内へ迅速且つ円滑に搬入することを可能にする。
また、実施の形態に係る収容体1において、ロボット50は、モータによって駆動される関節を有し且つ配達物を移動するロボットアーム51cを備えてもよい。上記構成によると、ロボット50は、ロボットアーム51cを自在に動作させて、任意の位置に対して任意の配達物を搬送することができる。
また、実施の形態に係る収容体1は、箱体10内の配達物を撮像する撮像装置60を備え、制御装置70は、撮像装置60によって撮像された画像から配達物を抽出する抽出部76aと、画像における配達物の位置と撮像装置60の位置とに基づき、箱体10内での配達物の位置を特定する位置特定部76bとを含み、位置特定部76bは、載置配達物情報として、特定した配達物の位置を記憶部78に記憶させてもよい。
上記構成によると、収容体1は、箱体10内の任意の位置に載置された配達物を撮像装置60で撮像することによって、当該配達物の位置を特定し、記憶部78に記憶させておくことができる。これにより、制御装置70は、記憶部78に記憶された載置配達物情報を用いることで、搬出対象の配達物の位置を簡易に且つ迅速に特定することができる。よって、迅速且つ確実な配達物の搬出が可能になる。
また、実施の形態に係る収容体1は、撮像装置60の撮像領域を照明する光源61を備えてもよい。上記構成により、撮像装置60によって撮像される画像が鮮明になるため、当該画像の処理精度が向上する。
また、実施の形態に係る収容体1において、受付装置20は、配達物関連情報を含む媒体から当該配達物関連情報を読み取る読取装置22を含んでもよい。上記構成によると、搬出又は投入が要求される配達物の配達物関連情報を受付装置20へ入力する操作が簡易になる。
また、実施の形態に係る収容体1において、受付装置20は、他の装置と通信する通信装置23を含み、通信装置23を介して、他の装置から配達物関連情報を受け取ってもよい。上記構成によると、搬出又は投入が要求される配達物の配達物関連情報を受付装置20へ入力する操作が簡易になる。さらに、収容体1に対する直接的な操作入力を必要とせずに、当該情報の入力が可能である。
また、実施の形態に係る収容体1において、箱体10は、配達物が載置される保持棚30と、保持棚30の全体にわたる大きさの第二開口としての積降開口13と、配達物開口11を開閉する第一扉としての配達物開口扉14と、積降開口13を開閉する第二扉としての積降開口扉16と、配達物開口扉14を開閉する開閉装置14aとを有し、制御装置70は、受付装置20によって受け付けられる情報に対応して開閉装置14aの動作を制御し、配達物開口扉14を開閉させてもよい。
上記構成によると、積降開口13を用いて保持棚30へ複数の配達物を積み込む又は荷降ろしする場合、積降開口13を通じて保持棚30の全体にアクセスすることができるため、容易且つ迅速な配達物の積み込み及荷降ろしが可能になる。また、配達物開口11を通じた箱体10内へのアクセスは、受付装置20によって受け付けられる情報に対応して制限される。よって、対象配達物以外の配達物が配達物開口11を通じて投入及び搬出されることが抑制される。
(変形例)
変形例に係る収容体1Aは、箱体10Aに、エンドユーザからの配達物の投入を受け入れる配達物開口11と、エンドユーザに配達物を搬出する搬出開口12とを有する。以下、本変形例について、実施の形態と異なる点を中心に説明し、実施の形態と同様の点の説明を省略する。
図11は、変形例に係る収容体1Aの外観の一例を図1と同様に示す斜視図である。図12は、変形例に係る収容体1Aの箱体10Aの内部構成の一例を図5と同様に透視した斜視図である。図11及び図12に示すように、本変形例に係る収容体1Aの箱体10Aは、側壁10cに搬出開口12及び搬出開口扉15を有する。搬出開口12は、エンドユーザが箱体10内の配達されるべき配達物Aを受け取るために用いられる。また、側壁10bの配達物開口11は、エンドユーザが発送する配達物Aを箱体10内に投入するために用いられる。配達物開口11及び搬出開口12の位置は上記に限定されない。例えば、配達物開口11及び搬出開口12の位置が入れ替えられてもよい。
搬出開口扉15は、搬出開口12を開閉する扉であり、スライド方式の扉であるが、これに限定されない。搬出開口扉15の開閉装置15aが設けられ、搬出開口扉15のロック及びロック解除を行う。開閉装置15aは、搬出開口扉15の開閉動作を行ってもよい。開閉装置15aの動作は制御装置70によって制御される。制御装置70による開閉装置15aの制御は、実施の形態における配達物の搬出時の配達物開口扉14の開閉装置14aの制御と同様である。
また、搬出開口12は、配達物開口11の下方で仮置台40Aの正面に位置する。仮置台40Aは、最上段の載置部40aと、載置部40aの下の棚段を形成する1つ以上の棚板40bとを有する。本変形例では、仮置台40Aは、上下に並び且つ搬出開口12に面する3つの棚板40bを有する。各棚板40b上の配達物Aは搬出開口12を通じて搬出可能である。例えば、1人のエンドユーザに複数の配達物Aが搬出される場合、当該エンドユーザは、棚板40b上に載置された複数の配達物Aを一度に受け取ることができる。載置部40aには、配達物開口11を通じて、外部からの配達物Aの載置が可能である。なお、配達物開口11及び搬出開口12それぞれに対して別々の仮置台が配置されてもよい。
よって、エンドユーザが、受付装置20に搬出対象の配達物の配達物関連情報及び搬出の指令を入力すると、制御装置70は、ロボット50に、箱体10A内の搬出対象の配達物Aを仮置台40Aの棚板40bに搬送させ、開閉装置15aに搬出開口扉15のロックを解除させる。これにより、エンドユーザは搬出開口12を通じて配達物Aを受け取ることができる。また、エンドユーザが、受付装置20に投入対象の配達物Aの配達物関連情報及び投入の指令を入力すると、制御装置70は、開閉装置14aに配達物開口扉14のロックを解除させる。エンドユーザが配達物開口11を通じて仮置台40Aの載置部40a上に配達物Aを載置すると、制御装置70は、開閉装置14aに配達物開口扉14をロックさせ、ロボット50に配達物Aを載置部40aから保持棚30の空きスペースに搬送させる。
上述のような変形例に係る収容体1Aによっても、実施の形態と同様の効果が得られる。さらに、収容体1Aにおいて、箱体10Aは、箱体10A内に配達物が投入される配達物開口11と、箱体10A内から配達物が搬出される搬出開口12とを含み、制御装置70の搬送制御部77は、ロボット50に、箱体10A内の搬出対象の配達物を搬出開口12に搬送させ、配達物開口11から箱体10A内に投入された投入対象の配達物を箱体10内に搬送させてもよい。上記構成によると、収容体1Aは、配達物開口11を通じて配達物を受け入れ、搬出開口12を通じて配達物を搬出する。よって、収容体1Aは、配達物の投入の要求と搬出の要求とを受け付けた場合でも、配達物の受け入れ及び搬出の各作業を、互いの干渉を抑え円滑に行うことができる。
(その他の実施の形態)
以上、本発明の実施の形態の例について説明したが、本発明は、上記実施の形態及び変形例に限定されない。すなわち、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。例えば、各種変形を実施の形態及び変形例に施したもの、及び、異なる実施の形態及び変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
例えば、実施の形態及び変形例において、収容体は、エンドユーザの要求に対応して、箱体からの配達物の搬出と、箱体への配達物の受け入れとを行うように構成されたが、これに限定されず、搬出及び受け入れの一方のみを行うように構成されてもよい。
実施の形態及び変形例において、収容体の箱体の配達物開口11及び搬出開口12の数量はそれぞれ1つであったが、これに限定されない。配達物開口11及び搬出開口12それぞれの数量は2つ以上であってもよい。
実施の形態及び変形例において、収容体は、箱体内に1つの保持棚30を有していたが、これに限定されず、2つ以上の保持棚30を有してもよい。例えば、2つの保持棚30が設けられる場合、保持棚30はロボット50の両側に配置されてもよい。また、収容体が配達物を収納するものとして、保持棚30が備えられていたが、これに限定されず、収納箱等の配達物を収納できるものであればよい。よって、本明細書及び特許請求の範囲において、「棚」は、棚段を有する棚だけなく、複数の配達物を収納できるものを含む。なお、棚は必須ではない。
実施の形態及び変形例において、収容体は、箱体内に1つのロボット50を有していたが、これに限定されず、2つ以上のロボット50を有してもよい。
実施の形態及び変形例において、制御装置70は、ロボットハンド51dの位置、姿勢及び向きを、ロボットアーム51cの電気モータ51cc1~51cc3の動作量の情報を用いて検出していたが、これに限定されない。例えば、ロボットハンド51dが、IMU(慣性計測装置:Inertial Measurement Unit)等の位置及び姿勢の計測装置を備えてもよい。制御装置70は、位置及び姿勢の計測装置の検知信号に基づき、ロボットハンド51dの位置、姿勢及び向きを検出してもよい。又は、ロボットアーム51cの関節51ca1~51ca3の回転量を検知する回転センサが設けられてもよい。制御装置70は、回転センサの検知信号に基づき、ロボットハンド51dの位置、姿勢及び向きを検出してもよい。
実施の形態及び変形例において、ロボット50の搬送対象の配達物は、段ボールケースで梱包された宅配物であったが、これに限定さない。例えば、配達物は、所定の形状を有する他の物体であってもよく、所定の形状を有しない物体であってもよい。
実施の形態及び変形例において、ロボット本体51は、水平多関節型ロボットであったが、これに限定されない。例えば、ロボット本体51は、極座標型ロボット、円筒座標型ロボット、直角座標型ロボット、垂直多関節型ロボット、又はその他のロボットとして構成されてもよい。
実施の形態及び変形例において、ロボット50は、ロボット本体51、走行レール52及び支持体53を備えることで、ロボット本体51が鉛直方向及び水平方向に移動するように構成されていたが、これに限定されない。ロボットは、保持棚30及び仮置台40に対して、配達物を搬送し、配達物を載置する及び取り除くことができればよい。例えば、ロボットは、保持棚30に沿って移動可能であり且つ上下方向に伸縮可能であるように構成されてもよい。又は、ロボットは、保持棚30に沿って移動可能であることと、上下方向に伸縮可能であることの一方が可能であるように構成されてもよい。この場合、例えば、ロボットの型式は、上記で例示したロボットのいずれかであってもよい。
実施の形態及び変形例において、ロボット本体51のロボットアーム51cは、3つの関節を有する構成であったが、これに限定されない。例えば、ロボットアーム51cは、4つ以上の関節を有してもよく、2つ以下の関節を有してもよい。
また、上記で用いた序数、数量等の数字は、全て本発明の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数字に制限されない。また、構成要素間の接続関係は、本発明の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本発明の機能を実現する接続関係はこれに限定されない。
また、機能ブロック図におけるブロックの分割は一例であり、複数のブロックを一つのブロックとして実現する、一つのブロックを複数に分割する、及び/又は、一部の機能を他のブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数のブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。