JP7329784B2 - 難聴の予防又は改善剤 - Google Patents

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Description

特許法第30条第2項適用 (1)平成29年6月28日に「The United Mitochondrial Disease Foundation(UMDF)」が発行した「MITOCHONDRIAL MEDICINE 2017」にて発表
特許法第30条第2項適用 (2)平成29年6月28日に「2017 UMDF Mitochondrial Medicine:Washington DC」のポスター発表にて発表
本発明は難聴の予防剤又は改善剤に関する。
音が外耳道を通り、鼓膜を振動させ、その振動が耳小骨を経由して内耳に達するまでは、音は物理的な振動として伝達される。その後、内耳の有毛細胞において、音の振動は神経の興奮に置き換えられ、それより先は、聴神経、脳幹部、中脳を経て神経のインパルスとして伝えられ、大脳皮質で音として感覚される。大脳皮質に生ずる音の感覚レベルが、正常状態と比べ、低下した状態が難聴である。
難聴は、65歳以上で3人に1人の割合で罹患する疾患であり、その克服は、高齢化社会における国民の生活の質にもかかわる重要課題である。難聴には、加齢の他、騒音、薬剤投与の副作用、遺伝、生活習慣等の様々な要因がある。
難聴の予防又は治療効果を有する成分として、循環障害改善剤であるカリジノゲナーゼ(特許文献1)や、エンドセリン受容体Bの発現を上昇させる物質(特許文献2)や、メチル基供与剤とヒストン脱アセチル化酵素阻害剤との配合剤(特許文献3)等が報告されている。
一方、本発明者らは、後述する本件化合物群が、エリスロポエチン発現増強効果及びミトコンドリア病の治療効果(特許文献4)や、臓器線維化抑制効果(特許文献5)を有することを報告している。しかしながら、本件化合物群が、難聴の予防又は改善効果を有することについては、これまで知られていなかった。
特開2004-99537号公報 特開2011-37738号公報 特開2012-148995 国際公開第2014/080640号パンフレット 特開2015-189670号公報
本発明の課題は、比較的簡便かつ安価に製造することができる低分子化合物を有効成分とする、難聴の予防又は改善剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を続けている。その過程において、後述する本件化合物群が、難聴の症状を効果的に予防又は改善(治療)する作用を有することを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕以下の一般式(I);
[式中、Rは、ベンゼン環が非置換のベンゾイルメチル基であるか、あるいはベンゼン環が炭素数1~7のアルキル基、炭素数1~7のアルコキシル基、フッ素及び/又は塩素で置換されたベンゾイルメチル基;非置換若しくはフッ素で置換された鎖状又は分枝状の炭素数4~6のアルキル基;又は、フェニル基若しくはシクロペンチル基で置換されたメチレン又はエチレン;を表し、前記フェニル基はさらに1以上のフェニル基で置換されていてもよく、Z、Z、Z、Zは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1~C6のアルキル基、C2~C6のアルケニル基、C2~C6のアルキニル基、ORで表される有機オキシ基を表し、Rは、C1~C7のアルキル基、C2~C6のアルケニル基、C2~C6のアルキニル基を表し、Zは、水素原子又はC1~C6のアルキル基を表し、RはOH、OR、NHR及びNRのいずれか一つから選ばれる基であり、R及びRは同一又は異なって、置換若しくは非置換の炭素数1~4のアルキル基である。]
、一般式(II);
[式中、Rは水素又はメチル基であり、Xは炭素数4~6のアルキレン基、若しくは炭素数4のエーテル基であり、RはOH、OR、NHR及びNRのいずれか一つから選ばれる基であり、R及びRは同一又は異なって、置換若しくは非置換の炭素数1~4のアルキル基である。]
、及び、一般式(III);
[式中、Aはインドール若しくはナフタレンを表し、Aがインドールのとき、インドールの3位及び5位に、それぞれ酢酸基及びROが置換されており、Aがナフタレンのとき、ナフタレンの1位及び7位に、それぞれ酢酸基及びROが置換されており、Rは炭素数1~5のアルキル基又はベンジル基を表し、該ベンジル基のベンゼン環は1又は2以上の炭素数1~3のアルキル基又は炭素数1~3のアルコキシ基で置換されていてもよく、RはOH、OR、NHR及びNRのいずれか一つから選ばれる基であり、R及びRは同一又は異なって、置換若しくは非置換の炭素数1~4のアルキル基である。]
で表される化合物、並びに、RがOHのときそれらの医薬的に許容される塩からなる群(以下、これらを総称して「本件化合物群」ということがある)から選択される1種又は2種以上の化合物を含む、難聴の予防又は改善剤。
〔2〕難聴が、内耳の機能低下;内耳より中枢側の神経の機能低下;薬剤投与;騒音;加齢;及び酸化ストレス;から選択される1又は2以上に起因する難聴であることを特徴とする上記〔1〕に記載の予防又は改善剤。
〔3〕化合物が、以下の式(I-2)で表される化合物若しくはその医薬的に許容される塩である、上記〔1〕又は〔2〕に記載の予防又は改善剤。
式(I-2);
また本発明の実施の他の形態として、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物を、難聴の予防又は改善(治療)を必要とする対象に投与する工程を含む、難聴を予防又は改善(治療)する方法;や、難聴の予防又は改善(治療)剤として使用するための、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物;や、難聴の予防又は改善(治療)における使用のための、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物;や、難聴の予防又は改善(治療)剤を製造するための、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物の使用;を挙げることができる。
本件化合物群は、難聴の症状、具体的には、聴覚(聴力)レベルを効果的に向上させる作用を有する。また、後述する実施例において具体的に示されているとおり、本件化合物群は、内耳性難聴、薬剤性難聴、遺伝性疾患、騒音性難聴、加齢性難聴、及び酸化ストレスの1又は2以上に起因する難聴に対して、特に有用である。さらに、本件化合物群は、比較的簡便かつ高収率で製造できる低分子化合物を、難聴の予防又は改善の有効成分とするため、比較的簡便かつ安価に製造することができる点でも優れている。
各種BSO処理群及び対照群における「m.1555A>G変異」細胞の細胞生存レベル(図1A)と、細胞障害レベル(図1B)を解析した結果を示す図である。図中の「*」は、化合物#5非存在下(図中の「DMSO」)のBSO処理群に対して、統計学的な有意差(p<0.05)があることを示す。 図2Aは、各種シスプラチン処理群及び対照群における「m.1555A>G変異」細胞の細胞生存レベルを解析した結果を示す図である。図2Bは、各種ゲンタマイシン処理群及び対照群における「m.1555A>G変異」細胞の細胞生存レベルを解析した結果を示す図である。 内耳を、各種濃度(0、5、7.5、10、15、及び20μM)のシスプラチンと、10μMの化合物#5(化合物#5処理群)又は0.01%のDMSO(DMSO処理群)とを含む培養液中で培養したときに、蝸牛の3部(頂部、中部、及び基底部)における外有毛細胞(図3A~C)及び内有毛細胞(図3D~F)の生存率を解析した結果を示す図である。図中の「**」は、同じシスプラチン濃度の化合物#5処理群とDMSO処理群の間で、統計学的な有意差(p<0.01)があることを示す。 内耳を、10μMのシスプラチンと、各種濃度(0、1、5、10、及び50μM)の化合物#5とを含む培養液中で培養したときに、蝸牛の3部(頂部、中部、及び基底部)における外有毛細胞(図4A~C)及び内有毛細胞(図4D~F)の生存率を解析した結果を示す図である。図中の「*」及び「**」は、化合物#5非存在下(0μMの化合物#5)で培養したときの細胞生存率に対して、統計学的な有意差(それぞれp<0.05、及びp<0.01)があることを示す。 図5Aは、3種類の群(対照群、DMSO処理群、及び化合物#5処理群)における「m.1555A>G変異」細胞のATP産生量を測定した結果を示す図である。図中の「*」は、対照群に対して統計学的に有意差(p<0.05)があることを示す。図5Bは、内耳を、10μMの化合物#5(化合物#5処理群)又は0.01%のDMSO(DMSO処理群)を含む培養液中で3時間、6時間、又は12時間培養したときのATP産生量を測定した結果を示す図である。図中の「**」は、化合物#5処理群とDMSO処理群の間で統計学的な有意差(p<0.01)があることを示す。 3種類のマウス(野生型マウス、Ndufs4 ヘテロKOマウス、及びNdufs4 KOマウス)の蝸牛組織を解析した結果を示す図である。図6Aの上段において、黒四角で囲った領域の拡大画像を、それぞれの下段に示す。図6Aの下段において、白線で囲った領域はラセン神経節を示す。図6Bの「ラセン神経節細胞数」は、図6Aの下段の画像において、白線で囲ったラセン神経節における細胞密度(平均値±標準偏差[SE])を測定した結果を示す図である。図6Bの「*」及び「**」は、それぞれ統計学的に有意差(p<0.05及びp<0.01)があることを示す。 4種類の群(野生型マウス未投与群[図中の「WT」]、Ndufs4 ヘテロKOマウス未投与群[図中の「He」]、Ndufs4 KOマウス未投与群[図中の「KO control」]、及びNdufs4 KOマウス投与群[図中の「KO #5」])の聴力を、聴性脳幹反応(ABR;Auditory brainstem responses)を基に評価した結果を示す図である。 3種類の群(野生型マウス未投与群[図中の「WT」]、Ndufs4 KOマウス未投与群[図中の「KO control」]、及びNdufs4 KOマウス投与群[図中の「KO #5」])の聴力を、ABRを基に評価した結果を示す図である。図8Aは、化合物#5投与直前の28日齢におけるABR閾値を示し、図8Bは、化合物#5投与後の60日齢におけるABR閾値を示す。図8Cは、上記60日齢におけるABR閾値と、上記28日齢におけるABR閾値との差(ABR閾値変化量)を示す。図中の「*」は、統計学的に有意差(p<0.05)があることを示す。 3種類の群(野生型マウス未投与群[図中の「WT」]、Ndufs4 KOマウス未投与群[図中の「KO control」]、及びNdufs4 KOマウス投与群[図中の「KO #5」])の聴力を、ABRを基に評価した結果を示す図である。図9Aは、化合物#5投与直前の28日齢におけるABR閾値を示し、図9Bは、化合物#5投与後の64日齢におけるABR閾値を示す。図9Cは、上記64日齢におけるABR閾値と、上記28日齢におけるABR閾値との差(ABR閾値変化量)を示す。図中の「*」は、統計学的に有意差(p<0.05)があることを示す。 3種類の群(野生型マウス未投与群[図中の「WT」]、野生型マウス投与(1)群[図中の「WT #5(1)」]、及び野生型マウス投与(10)群[図中の「WT #5(10)])の聴力を、ABRを基に評価した結果を示す図である。図10Aは、強大音響曝露前におけるABR閾値を示し、図10Bは、強大音響曝露4時間後におけるABR閾値を示す。図10Cは、上記強大音響曝露4時間後におけるABR閾値と、上記強大音響曝露前におけるABR閾値との差(ABR閾値変化量)を示す。図中の「*」及び「**」は、それぞれ統計学的に有意差(p<0.05及びp<0.01)があることを示す。
本発明の難聴の予防又は改善剤は、「難聴を予防又は改善するため」という用途が限定された、本件化合物群から選択される1種又は2種以上の化合物を有効成分として含有する剤(以下、「本件予防/改善剤」ということがある)であり、ここで難聴の予防には、難聴の発症予防の他、難聴の症状悪化の予防も含まれる。本件予防/改善剤は、有効成分である本件化合物群を、単独で飲食品又は医薬品(製剤)として使用してもよいし、さらに添加剤を混合し、組成物の形態(飲食品組成物又は医薬組成物)として使用してもよい。かかる飲食品としては、例えば、健康食品(機能性食品、栄養補助食品、健康補助食品、栄養強化食品、栄養調整食品、サプリメント等)、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等)を挙げることができる。
本明細書において、「難聴」とは、知覚可能な最小音圧レベルである最小可聴値(聴覚閾値)が、正常な聴覚閾値(通常約25[dB HL]以下)と比べ、低下した状態を意味する。難聴における聴覚閾値としては、通常26(dB HL)であり、好ましくは41(dB HL)、より好ましくは61(dB HL)、さらに好ましくは81(dB HL)である。「難聴の予防又は改善」とは、換言すると、聴覚閾値の低下の抑制、又は低下した聴覚閾値の向上(上昇)を意味する。難聴の要因は1つに限られず、複数(2以上)あってもよい。
本明細書における難聴は、機能障害が起こる耳の部位に応じて、伝音性難聴と、感音性難聴とに大別される。ここで、伝音性難聴とは、外耳及び/又は中耳(例えば、外耳道、鼓膜、耳小骨[ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨])の機能低下に起因する難聴をいい、伝音性難聴としては、具体的に、中耳炎、耳硬化症、鼓膜損傷、外耳道閉塞、外耳道炎、外耳道損傷等に起因する難聴を挙げることができる。また、上記感音性難聴とは、内耳(例えば、蝸牛)の機能低下に起因する難聴(内耳性難聴)、及び/又は内耳より中枢側の神経の機能低下に起因する難聴(後迷路性難聴)をいい、感音性難聴としては、具体的に、メニエール病、外リンパ瘻、蝸牛の機能低下等に起因する難聴;突発性難聴;薬剤性難聴;騒音性難聴;老人性難聴;などを挙げることができる。また、難聴は、症候性難聴(難聴以外にも他の症状、例えば、眼、皮膚等に認められる先天性疾患)と、非症候性難聴(難聴以外の症状を有さない難聴)とに大別されたり、先天性難聴と後天性難聴とに大別される。
上記難聴としては、本実施例でその効果が具体的に示されているため、内耳性難聴が好ましく、特に、蝸牛の機能低下に起因する難聴(蝸牛性難聴)が好ましい。かかる蝸牛性難聴は、例えば、ラセン神経節細胞、有毛細胞(内有毛細胞又は外有毛細胞)等の蝸牛における細胞が、何らかの要因で障害を受けた結果生じる。
上記先天性難聴としては、聴覚系統に関連する遺伝子疾患、妊娠中のウイルス感染、アルポート症候群等の先天的な要因に起因する難聴であればよく、例えば、GJB2遺伝子(コネキシン26をコードする遺伝子)、POU4F3遺伝子、SLC26A4遺伝子、NDUFS4遺伝子等の染色体遺伝子の異常や、ミトコンドリア遺伝子の異常などに起因する先天性難聴を挙げることができる。ここで、遺伝子の異常とは、正常な遺伝子において、1又は複数のヌクレオチドが付加、置換、欠失、及び/又は挿入し、その結果、当該遺伝子がコードするタンパク質の本来の機能や発現レベルが、異常になる(著しく低下又は向上する)ことをいう。
上記ミトコンドリア遺伝子の異常に起因する先天性難聴としては、ミトコンドリアゲノムDNA(NCBI Reference Sequence:NC_012920;配列番号1のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド)の1555番のアデニン(A)がグアニン(G)に置換した変異(m.1555A>G変異);前記ミトコンドリアゲノムDNAの3243番目のAがGに置換した変異(m.3243A>G変異);前記ミトコンドリアゲノムDNAの7445番目のAがGに置換した変異(m.7445A>G変異)等を例示することができる。
上記後天性難聴としては、突発性疾患、疲労、ウイルス感染、薬剤投与、酸化ストレス、頭部外傷、騒音、加齢等の後天的な要因に起因する難聴であればよく、本実施例でその効果が具体的に示されているため、薬剤投与に起因する難聴(薬剤性難聴)や、騒音に起因する難聴(騒音性難聴)や、加齢に起因する難聴(加齢性難聴)や、酸化ストレスに起因する難聴(酸化ストレス性難聴)が好ましい。かかる薬剤性難聴とは、薬剤投与による副作用に起因する難聴をいい、投与される薬剤としては、例えば、アミノグリコシド系抗菌物質(硫酸ストレプトマイシン、カナマイシン、ゲンタマイシン、ハベカシン等)、白金製剤(シスプラチン等)、サリチル酸剤(アスピリン等)、ループ利尿剤(フロセミド、トラセミド、ブメタニド、アゾセミド等)などを挙げることができる。特に上記アミノグリコシド系抗菌物質やシスプラチンに起因する薬剤性難聴は、多くが不可逆性にものであり、かかる難聴に罹患した患者のQOLは大きく低下するため、予防又は改善対象の難聴としては、上記アミノグリコシド系抗菌物質やシスプラチンに起因する薬剤性難聴がより好ましい。
本件化合物群に含まれる化合物の詳細な説明は以下に示す。
本発明の一態様において、上記一般式(I)におけるRは、ベンゼン環が非置換のベンゾイルメチル基であるか、あるいはベンゼン環が炭素数1~7のアルキル基、炭素数1~7のアルコキシル基、フッ素及び/又は塩素で置換されたベンゾイルメチル基である。かかる「ベンゼン環が炭素数1~7のアルキル基、炭素数1~7のアルコキシル基、フッ素及び/又は塩素で置換されたベンゾイルメチル基」とは、ベンゾイルメチル基のベンゼン環を構成する炭素原子に結合する1個若しくは2個以上の水素原子が、炭素数1~7のアルキル基、炭素数1~7のアルコキシル基、フッ素原子及び/又は塩素原子によって置き換わっていることを意味する。したがって、置換されたベンゼン環とは、ベンゼン環を構成する炭素原子に結合する水素原子のうち1~5個の水素原子が炭素数1~7のアルキル基、炭素数1~7のアルコキシル基、フッ素及び/又は塩素によって置き換えられたベンゼン環である。置換されたベンゼン環が2個以上の置換基を有する場合、当該置換基は同一であっても異なっていてもよい。例えば、1~5個の炭素数1~7のアルキル基で置換されたベンゼン環、1~5個の炭素数1~7のアルコキシル基で置換されたベンゼン環、1~5個のフッ素原子で置換されたベンゼン環、又は1~5個の塩素原子で置換されたベンゼン環を有するベンゾイルメチル基を挙げることができる。また、他の例として、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシル基、フッ素原子及び塩素原子から選択された合計2~5個の置換基で置換されたベンゼン環を有するベンゾイルメチル基を挙げることができる。ここで、炭素数1~7のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、1-エチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、n-ヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、1,1,2-トリメチルプロピル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基、1-エチル-1-メチルプロピル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、n-ヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、1,1,2-トリメチルプロピル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基、1-エチル-1-メチルプロピル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、n-ヘプチル基、1-メチルヘキシル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、1-エチルペンチル基、2-エチルペンチル基、3-エチルペンチル基、4,4-ジメチルペンチル基、1-プロピルブチル基等を挙げることができる。
上記炭素数1~7のアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペントキシ基、1-メチルブトキシ基、2-メチルブトキシ基、3-メチルブトキシ基、1-エチルプロポキシ基、1,1-ジメチルプロポキシ基、1,2-ジメチルプロポキシ基、2,2-ジメチルプロポキシル基、n-ヘキシルオキシ基、1-メチルペンチルオキシ基、2-メチルペンチルオキシ基、3-メチルペンチルオキシ基、4-メチルペンチルオキシ基、1,1-ジメチルブトキシ基、1,2-ジメチルブトキシ基、1,3-ジメチルブトキシ基、2,2-ジメチルブトキシ基、2,3-ジメチルブトキシ基、3,3-ジメチルブトキシ基、1,1,2-トリメチルプロポキシ基、1-エチルブトキシ基、2-エチルブトキシ基、1-エチル-1-メチルプロポキシ基、1-エチル-2-メチルプロポキシ基、n-ヘプチルオキシ基、1-メチルヘキシルオキシ基、2-メチルヘキシルオキシ基、3-メチルヘキシルオキシ基、4-メチルヘキシルオキシ基、5-メチルヘキシルオキシ基、1-エチルペンチルオキシ基、2-エチルペンチルオキシ基、3-エチルペンチルオキシ基、4,4-ジメルペンチルオキシ基、1-プロピルブトキシ基等を挙げることができる。
本発明の他の態様において、上記一般式(I)におけるRは、非置換若しくはフッ素で置換された鎖状又は分枝状の炭素数4~6のアルキル基である。非置換若しくはフッ素で置換された鎖状又は分枝状の炭素数4~6のアルキル基としては、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、1-エチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、n-ヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、1,1,2-トリメチルプロピル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基、1-エチル-1-メチルプロピル基、1-エチル-2-メチルプロピル基及びこれらのフッ素化体を挙げることができ、好ましくは1-エチルブチル基、2-エチルブチル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、5-メチルペンチル基、3,3,4,4,4-ペンタフルオロブチル基、4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチル基、5,5,6,6,6-ペンタフルオロヘキシル基であり、より好ましくは2-エチルブチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、及び4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチル基であり、最も好ましくは4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチル基である。
本発明の他の態様において、上記一般式(I)におけるRは、フェニル基若しくはシクロペンチル基が置換したメチレン又はエチレンであり、前記フェニル基はさらに1又は2以上のフェニル基で置換されていてもよい。フェニル基若しくはシクロペンチル基が置換したメチレン又はエチレンとは、ベンジル基、2-フェネチル基、シクロペンチルメチル基又は2-シクロペンチルエチル基である。1又は2以上のフェニル基が置換したベンジル基又は2-フェネチル基としては、3-フェニルベンジル基、4-フェニルベンジル基、3,5-ジフェニルベンジル基、2-(1,1’-ビフェニル-3-イル)-エチル基、2-(1,1’-ビフェニル-4-イル)-エチル基、及び2-(3,5-ジフェニルフェニル)-エチル基を挙げることができる。上記一般式(I)におけるRとしては、2-フェネエチル基、シクロペンチルメチル基、2-シクロペンチルエチル基及び2-(1,1’-ビフェニル-3-イル)-エチル基を好適に例示することができる。
上記一般式(I)におけるZ、Z、Z、Zとしては、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1~C6のアルキル基、C2~C6のアルケニル基、C2~C6のアルキニル基、ORで表される有機オキシ基を表し、Rは、C1~C7のアルキル基、C2~C6のアルケニル基、C2~C6のアルキニル基を表し、Zは、水素原子又はC1~C6のアルキル基を挙げることができる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。C1~C6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、1-エチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、n-ヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、1,1,2-トリメチルプロピル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基、1-エチル-1-メチルプロピル基、1-エチル-2-メチルプロピル基等を挙げることができる。C2~C6のアルケニル基としては、エテニル基(ビニル基)、1-プロペニル基、2-プロペニル基(アリル基)、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、イソブテニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1-ヘキセニル基、2-ヘキセニル基、3-ヘキセニル基、4-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基等を挙げることができる。C2~C6のアルキニル基としては、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基(プロパルギル基)、1-ブチニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、1-メチル-2-プロピニル基、2-メチル-3-ブチニル基、1-ペンチニル基 、2-ペンチニル基、3-ペンチニル基、4-ペンチニル基、1-メチル-2-ブチニル基、2-メチル-3-ペンチニル基、1-ヘキシニル基、1,1-ジメチル-2-ブチニル基等を挙げることができる。C1~C7のアルコキシル基(ORで表される有機オキシ基において、RがC1~C7のアルキル基である場合)としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペントキシ基、1-メチルブトキシ基、2-メチルブトキシ基、3-メチルブトキシ基、1-エチルプロポキシ基、1,1-ジメチルプロポキシ基、1,2-ジメチルプロポキシ基、2,2-ジメチルプロポキシル基、n-ヘキシルオキシ基、1-メチルペンチルオキシ基、2-メチルペンチルオキシ基、3-メチルペンチルオキシ基、4-メチルペンチルオキシ基、1,1-ジメチルブトキシ基、1,2-ジメチルブトキシ基、1,3-ジメチルブトキシ基、2,2-ジメチルブトキシ基、2,3-ジメチルブトキシ基、3,3-ジメチルブトキシ基、1,1,2-トリメチルプロポキシ基、1-エチルブトキシ基、2-エチルブトキシ基、1-エチル-1-メチルプロポキシ基、1-エチル-2-メチルプロポキシ基、n-ヘプチルオキシ基、1-メチルヘキシルオキシ基、2-メチルヘキシルオキシ基、3-メチルヘキシルオキシ基、4-メチルヘキシルオキシ基、5-メチルヘキシルオキシ基、1-エチルペンチルオキシ基、2-エチルペンチルオキシ基、3-エチルペンチルオキシ基、4,4-ジメルペンチルオキシ基、1-プロピルブトキシ基等を挙げることができる。好ましくは、Z、Z、Z、Zは、同一でも異なっていてもよく、水素、エトキシ基、フッ素、塩素である。
上記一般式(I)におけるR及びRは、同一又は異なって置換若しくは非置換の炭素数1~4のアルキル基である。置換若しくは非置換の炭素数1~4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、RとRが窒素と一緒になったピロリジンや、これらのメトキシ基、フェニル基、フッ素及び塩素により置換されたものを挙げることができ、好ましくは、メチル基、モノクロロメチル基、エチル基、2-メトキシエチル基、2,2,2-トリクロロエチル基、1-フェニルエチル基、2-フェニルエチル基、メトキシエチル基、イソプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、及びピロリジンであり、より好ましくは、メチル基及びエチル基である。
上記一般式(I)の実施態様として下記の一般式(I)で表される化合物、及び、好ましくは、一般式(1)で表される化合物が例示される。
[式中、R、Rは、上記〔1〕で定義したとおりの意味を有する。]
[式中、Z、Z、Z、Z、Zは、上記〔1〕で定義したとおりの意味を有する。]
上記式(1)の化合物において、Z、Z、Z、Zは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1~C6のアルキル基、C2~C6のアルケニル基、C2~C6のアルキニル基、ORで表される有機オキシ基を表し、Rは、C1~C7のアルキル基、C2~C6のアルケニル基、C2~C6のアルキニル基を表し、Zは、水素原子又はC1~C6のアルキル基を表す。
式(1)におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を挙げることができる。
式(1)におけるC1~C6のアルキル基とは、置換基を有していてもよい炭素数1~6の直鎖状または分岐状のアルキル基を意味し、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n-へキシル基等を挙げることができる。
上記「置換基を有していてもよい」の置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数2~6のアルキニル基、C6~C10のアリール基を挙げることができる。上記炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数2~6のアルキニル基は、式(1)における炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数2~6のアルキニル基と同じである。また、上記C6~C10のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基を挙げることができる。
式(1)におけるC2~C6のアルケニル基とは、置換基を有していてもよい炭素数2~6の直鎖状または分岐状のアルケニル基を意味し、具体的には、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1,3-ブテニル基、1-ペンテニル基、1-ヘキセニル基等を挙げることができる。
式(1)におけるC2~C6のアルキニル基とは、置換基を有していてもよい炭素数2~6の直鎖状または分岐状のアルキニル基を意味し、具体的には、エチニル基、1-プロピニル基、1-ブチニル基、1-ペンチニル基、1-ヘキシニル基等を挙げることができる。
上記Z、Z、Z、Zは、水素原子、ハロゲン原子、C1~C6のアルキル基、ORで表される有機オキシ基が好ましく、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基等のC1~C3のアルキル基、ORで表される有機オキシ基がより好ましい。
上記Zは、水素原子又はC1~C3のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。
上記Rは、C1~C6のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基等のC1~C3のアルキル基、ベンジル基がより好ましい。
前記式(1)で表される化合物の中でも、好ましくは、以下の式(2)、式(3)、式(4)、式(5)、式(6)で表される化合物又はその塩である。
上記式(2)、式(3)、式(4)、式(5)、式(6)中、Z、Z、Z、Z、Zは、式(1)におけるZ、Z、Z、Z、Zと同じ定義である。
式(1)で表される化合物は、具体的には、以下に示す化合物を例示することができる。
上記化合物の中でも、好ましくは、以下の化合物である。
上記一般式(I)におけるRが2,4-ジフルオロベンゾイルメチル基であり、Z、Z、Z、Z、Zが水素であり、かつRがOHのとき、一般式(I)で表される化合物は、実施例で後述する化合物#5を表し、上記一般式(I)におけるRが4-フルオロベンゾイルメチル基であり、Z、Z、Z、Z、Zが水素であり、かつRがOHのとき、一般式(I)で表される化合物は、実施例で後述する化合物#4を表し、上記一般式(I)におけるRが4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチル基であり、Z、Z、Z、Z、Zが水素であり、かつRがOHのとき、一般式(I)で表させる化合物は、実施例で後述する化合物#21を表し、上記一般式(I)におけるRが2-シクロペンチルエチル基であり、Z、Z、Z、Z、Zが水素であり、かつRがOHのとき、一般式(I)で表される化合物は、実施例で後述する化合物#24を表す。これら化合物の他、一般式(I)で表される化合物の中で具体的なものとしては、実施例で後述する化合物#2、4、5、及び20や、実施例で後述する化合物#17~19や、実施例で後述する化合物#22及び23や、実施例で後述する化合物#25を挙げることができる。
上記一般式(II)におけるXは、、炭素数4~6の直鎖のアルキレン基、即ちブチレン-(CH-、ペンチレン-(CH-、ヘキシレン-(CH-、又は炭素数4のエーテル基であり、炭素数4のエーテル基としては、メチレン-O-プロピレン基、エチレン-O-エチレン基、プロピレン-O-メチレン基を挙げることができ、ブチレン、ヘキシレン及びエチレン-O-エチレン基が好ましい。
上記一般式(II)におけるR及びRは、同一又は異なって置換若しくは非置換の炭素数1~4のアルキル基である。置換若しくは非置換の炭素数1~4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、RとRが窒素と一緒になったピロリジンや、これらのメトキシ基、フェニル基、フッ素及び塩素により置換されたものを挙げることができ、好ましくは、メチル基、モノクロロメチル基、エチル基、2,2,2-トリクロロメチル基、1-フェニルエチル基、2-フェニルエチル基、メトキシエチル基、イソプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、及びピロリジンであり、より好ましくはメチル基及びエチル基である。
上記一般式(II)におけるXがブチレンであり、Rが水素であり、かつRがOHのとき、一般式(II)で表させる化合物は、実施例で後述する化合物#15を表す。化合物#15の他、一般式(I)で表される化合物の中で具体的なものとしては、実施例で後述する化合物#13や、実施例で後述する化合物#14を挙げることができる。
上記一般式(III)におけるRは、炭素数1~5のアルキル基又はベンジル基である
。鎖状又は分枝状の炭素数1~5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、1-エチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、及び2,2-ジメチルプロピル基を挙げることができる。また、前記ベンジル基のベンゼン間は1又は2以上の炭素数1~3のアルキル基又は炭素数1~3のアルコキシ基で置換されていてもよい。炭素数1~3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、及びイソプロピル基を挙げることができ、炭素数1~3のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、及びイソプロポキシ基を挙げることができる。上記一般式(III)におけるRは、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、及び3,5-ジメトキシベンジル基であり、より好ましくは3,5-ジメトキシベンジル基である。
上記一般式(III)においてR及びRは、同一又は異なって置換若しくは非置換の炭素数1~4のアルキル基である。置換若しくは非置換の炭素数1~4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、RとRが窒素と一緒になったピロリジンや、これらのメトキシ基、フェニル基、フッ素及び塩素により置換されたものを挙げることができ、好ましくは、メチル基、モノクロロメチル基、エチル基、2,2,2-トリクロロメチル基、1-フェニルエチル基、2-フェニルエチル基、メトキシエチル基、イソプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、及びピロリジンであり、より好ましくはメチル基及びエチル基である。
上記一般式(III)におけるAがインドールであり、Rが3,5-ジメトキシベンジル基であり、かつRがOHのとき、一般式(III)で表させる化合物は、実施例で後述する化合物#35を表す。化合物#35の他、一般式(I)で表される化合物の中で具体的なものとしては、実施例で後述する化合物#36~38や、実施例で後述する化合物#33及び34を挙げることができる。
本件化合物群から選択される化合物が不斉炭素原子及び軸不斉に係わる不斉点をもつとき、かかる化合物は、考えられ得るすべての光学異性体を含み、それら光学異性体は任意の比で使用することができる。例えば、ある光学活性化合物は、エナンチオマーでもラセミでも任意の割合のエナンチオマー混合物でも使用することができ、不斉点が複数存在するときは、任意の割合のジアステレオマー混合物で使用してもよい。
本件化合物群における医薬的に許容される塩には、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム及び亜鉛から生成された金属塩や、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N-メチルグルカミン、リジン、プロカイン等から生成された有機塩などが含まれる。
本件化合物群から選択される化合物の合成方法は、以下に例示することができるが、これらの方法に限られず、一般的に知られている合成法を用いることができる。また、以下に示す化合物は、シグマ-アルドリッチ社、東京化成工業、和光純薬、関東化学等から入手することができる。また、反応溶媒、反応温度に関して、特に記載のない場合は、通常その反応に利用される溶媒、温度で反応が行われる。反応は、通常、アルゴン又は窒素雰囲気下で行われる。保護基は、Green&Wuts, “PROTECTIVE GROUPS in ORGANIC SYNTHESIS” 3rded.John Wiley&Sons, Inc.を参照し、用いることできる。
上記一般式(I)で示される化合物は、置換若しくは非置換のベンゼンと置換若しくは非置換のインドールを出発物質として合成することができる。まず、置換若しくは非置換のベンゼンと無水マレイン酸とを、フリーデル-クラフツ反応を用いて、4-アリール-4-オキソ-2-ブテン酸を合成する。このフリーデル-クラフツ反応は、ルイス酸、リン酸、ポリリン酸等を触媒として作用させることで行い、触媒として好適には塩化アルミニウムが用いられる。反応溶媒としては、塩素系の溶媒が好ましいが、出発物質の置換若しくは非置換のベンゼンを溶媒として用いることもできる。こうして得られた4-アリール-4-オキソ-2-ブテン酸と置換若しくは非置換のインドールとをマイケル反応させることにより、インドール酢酸のα位に置換若しくは非置換のベンゾイルオキシ基が置換した化合物を得て、一般式(I)で示される化合物の基本骨格を構築することができる。このマイケル反応において、4-アリール-4-オキソ-2-ブテン酸のカルボキシル基は保護されていても保護されていなくてもよく、通常は保護する必要はないが、保護する場合、用いられる保護基としては、メチルエステル、tert-ブチルエステル、2,2,2-トリクロロエチルエステル及びtert-ブチルジメチルシリルエステル等を挙げることができる。一方、インドールの窒素原子も保護されていても保護されていなくてもよく、保護する場合はベンジル系の保護基が好ましく、アミド系の保護基は反応性を下げてしまうため好ましくない。また、マイケル反応は、反応系を加熱することで進行することもできるし、ルイス酸等の触媒を用いることもできる。一般式(I)で示される化合物の骨格を得た後に、必要であれば保護基を除去することで、一般式(I)で示される化合物が合成できる。この後、目的に応じて、カルボン酸部分を適宜、エステル化、アミド化又は医薬的に許容される塩とすることもできる。具体的には、次式に示すように、1,3-ジフルオロベンゼン、無水マレイン酸及びインドールから実施例で後述する化合物#5を合成することができる。
上記一般式(I)で示される化合物の合成方法の他の態様としては、アルコールとインドール酢酸の保護体を出発原料として合成する方法を挙げることができる。アルコールの水酸基は、直接若しくは二段階の反応で、ヨウ素又は臭素へと変換することができる。直接変換する方法としては、これらに限られないが、アルコールに、トリフェニルホスフィン、イミダゾール及びヨウ素(I)を作用させてヨウ素(I・)を置換させる方法、又はトリフェニルホスフィンと四臭化炭素を作用させて臭素を置換させる方法を挙げることができる。複数工程を経て合成する方法としては、アルコールをメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等のスルホン酸エステルに誘導した後に、アルカリ金属のヨウ化物塩又はアルカリ金属の臭化物塩を反応させる方法を挙げることができる。こうして得られたハロゲン体にインドール酢酸の保護体から生じたα位のエノラートを求核反応させることで、一般式(I)で示される化合物の基本骨格を得ることができる。インドール酢酸の保護基としては、カルボキシル基の保護としてメチルエステル、tert-ブチルエステル、2,2,2-トリクロロエチルエステル及びtert-ブチルジメチルシリルエステル等へ誘導化する方法が挙げられる。一方、インドール酢酸のアミン部位は、炭酸アミドとして保護することが好ましく、保護基としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル等を挙げることができる。こうして得られたインドール酢酸の保護体に塩基を作用させることでエノラートへと誘導し、生じたエノラートとハロゲン体とを求核反応させることで、一般式(I)で示される化合物の基本骨格を得ることができる。この求核反応で用いることのできる塩基としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属の炭酸塩、メチルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム等のアルキルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラザン、ナトリウムヘキサメチルジシラザン、カリウムヘキサメチルジシラザン等のアルカリ金属アミドなどを挙げることができる。用いる塩基によって、使用できる溶媒は異なるが、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)やテトラヒドロフラン(THF)等の非プロトン性極性溶媒が好ましい。また、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の添加は反応を促進する効果がある。こうして得られた保護体から保護基を除去することで、目的の化合物を得ることができる。この後に、カルボン酸部分を適宜、エステル化、アミド化又はその医薬的に許容される塩とすることができる。具体的には、次式に示すように、4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンタノールと1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステルを出発物質として合成例で後述する化合物#21が合成できる。
本発明における式(1)で表される化合物は、公知の有機化学反応を用いる有機合成手法によって得ることができる。例えば、以下に示すように(E)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-オキソ-2-ブテン酸と式(7)で表されるインドール誘導体とをマイケル反応させることにより、式(1)で表される化合物を得ることができる。
(上記式(7)におけるZ、Z、Z、Z、Zは、式(1)におけるZ、Z、Z、Z、Zと同じ定義である。)
上記(E)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-オキソ-2-ブテン酸は、以下に示すように1,3-ジフルオロベンゼンと無水マレイン酸とのフリーデル-クラフツ反応により合成することができる。かかるフリーデル-クラフツ反応は、ルイス酸、リン酸、ポリリン酸等を触媒として作用させることで行い、触媒として好適には塩化アルミニウムが好適に用いられる。
上記式(7)で表されるインドール誘導体は、市販品を用いることができる。市販のインドール誘導体としては、4-フルオロインドール、4-クロロインドール、4-ブロモインドール、6-フルオロインドール、6-クロロインドール、6-ブロモインドール、5-メチルインドール等を挙げることができる。
また、上記式(7)で表されるインドール誘導体は、公知の有機化学反応を用いる有機合成手法によって得ることもできる。例えば、R、R、R、R、Rがハロゲン原子である場合、市販のインドールに、N-ブロモスクシンイミド、N-クロロスクシンイミド、N-ヨードスクシンイミド等のハロゲン化剤を作用させることにより上記式(7)で表されるインドール誘導体を得ることができる。また、R、R、R、RがC1~C6のアルキル基、C2~C6のアルケニル基、C2~C6のアルキニル基、ORで表される有機オキシ基である場合、上述のように市販のインドールをハロゲン化した後、アルキルリチウム等の有機リチウム試薬との反応、鈴木-宮浦カップリング反応等によって、上記式(7)で表されるインドール誘導体を得ることができる。さらに、RがC1~C6のアルキル基である場合、ブロモメタン、ブロモエタン等のC1~C6のハロゲン化アルキルと市販のインドールを反応させることにより、上記式(7)で表されるインドール誘導体を得ることができる。
上記のすべての有機反応は、それぞれ溶媒中で行うことができるが、溶媒は反応温度や反応物等によって適宜選択される。また、上記有機反応の反応温度は、用いる溶媒の沸点等の条件によって適宜選択される。上記有機反応で溶媒を用いる場合、得られた反応溶液を必要に応じて濃縮した後、残渣をそのまま次の反応に使用してもよく、適宜な後処理を行った後に、式(1)で表される化合物として用いてもよい。後処理の具体的な方法としては、抽出処理及び/又は晶出、再結晶、クロマトグラフィー等の公知の精製を挙げることができる。
上述の一般式(I)で示される化合物の合成方法は、一般式(II)で示される化合物を合成するために用いることもできる。すなわち、一般式(II)で示される化合物は、上述の一般式(I)で示される化合物の合成方法において、出発原料として用いられるアルコールやインドール酢酸の保護体の代わりに、アミノ基がtert-ブトキシカルボニルで保護された直鎖のアミノアルコール又は鎖中に酸素を有する直鎖のアミノアルコールや、α位にメチル基が置換したインドール酢酸の保護体を出発原料として用い、同様の方法で合成することができる。直鎖のアミノアルコール及び鎖中に酸素を有する直鎖のアミノアルコールのtert-ブトキシカルボニルアミドへの変換は、定法により行うことができるが、通常炭酸ジtert-ブチルを用いる。α位にメチル基が置換したインドール酢酸の保護体は、上記の一般式(I)で示される化合物の合成方法において、ハロゲン体をヨウ化メチルとしたときに得られる中間体であることは、当業者には容易に理解される。こうして調製した出発原料を用い、一般式(I)で示される化合物の合成方法と同様の方法で、一般式(II)で示される化合物を合成することができる。具体的には、次式に示すように、4-アミノブタノールと1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステルを出発物質として実施例で後述する化合物#15が合成できる。
上記一般式(III)で示される化合物は、Aがインドール又はナフタレンであるときに
共通して、5-ヒドロキシ-3-インドール酢酸エステル又はα-(7-ヒドロキシ-1-ナフタレニル)-酢酸エステルを出発原料として、合成することができる。5-ヒドロキシ-3-インドール酢酸エステル及びα-(7-ヒドロキシ-1-ナフタレニル)-酢酸エステルは、対応するカルボン酸をエステル化することによって得ることができるが、5-ヒドロキシ-3-インドール酢酸は活性プロトンを3つ、α-(7-ヒドロキシ-1-ナフタレニル)-酢酸は活性プロトンを2つ有し、反応の選択性が問題となる。このため、これら化合物のアルコール部分を保護し、エステル化を行った後に、保護基を除去し、出発原料を得ることもできる。また、E.Tsuda et. al.,“Alkoxy-auxins are selective inhibitors of auxin transport mediated by PIN, ABCB, and AUX1 transporters” Journal of Biological Chemistry, 286(3), 2354-2364; 2011.に記載の方法に従って、α-(7-ヒドロキシ-1-ナフタレニル)-酢酸 エチルエステルを合成することもできる。その他にも、5-ヒドロキシ-3-インドール酢酸エステルの合成法として、乾燥させたアルコール中で酸性条件下反応を行うことにより、良好な選択性で、溶媒として用いたアルコールとのエステルを合成できる。前記エステル化の反応条件としては、市販の塩酸/メタノールや、脱水したアルコールに乾燥した塩酸を吹き込む方法を挙げることができるが、予備乾燥したアルコールに酸クロライドを滴下し、系中で酸を発生させる方法が好ましい。この後に、カルボン酸部分を適宜、エステル化、アミド化又はその医薬的に許容される塩とすることができる。こうして準備した出発原料とヨウ化アルキル又は臭化アルキルとを反応させることで、一般式(III)で示される化合物の基本骨格を構築できる。これら5-ヒドロキシ-3-インドール酢酸エステル、又は7-ヒドロキシ-1-ナフタレニル酢酸エステルとヨウ化アルキル又は臭化アルキルとの反応に用いられる塩基としては、水素化ナトリウムや、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムといったアルカリ金属の炭酸塩が挙げられる。反応溶媒としては、DMFやTHF等の非プロトン性極性溶媒が好ましい。こうして、一般式(III)で示される化合物の骨格を得た後に、必要であれば保護基を除去することで、一般式(III)で示される化合物が合成できる。この後、目的に応じて、カルボン酸部分を適宜、エステル化、アミド化又は医薬的に許容される塩とすることもできる。具体的には、次式に示すように、出発物質として1-ヨードブタンとα-(7-ヒドロキシ-1-ナフタレニル)-酢酸 エチルエステルを用いて実施例で後述する化合物#34を合成できる。
同様に、出発物質として3,5-ジメトキシ臭化ベンジルと7-ヒドロキシ-3-インドール酢酸を用いて実施例で後述する化合物#35を合成できる。
本件化合物群としては、本願明細書の実施例において、その効果が具体的に示されている化合物#5が好ましい。
本件予防/改善剤の添加剤としては、薬学的に許容される通常の担体、結合剤、安定化剤、賦形剤、希釈剤、pH緩衝剤、崩壊剤、等張剤、添加剤、被覆剤、可溶化剤、潤滑剤、滑走剤、溶解補助剤、滑沢剤、風味剤、甘味剤、溶剤、ゲル化剤、栄養剤等の配合成分を例示することができる。かかる配合成分としては、具体的に、水、生理食塩水、動物性脂肪及び油、植物油、乳糖、デンプン、ゼラチン、結晶性セルロース、ガム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアルキレングリコール、ポリビニルアルコール、グリセリンを例示することができる。
本件予防/改善剤の投与形態としては、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、懸濁液などの剤型で投与する経口投与や、溶液、乳剤、懸濁液などの剤型を注射、又はスプレー剤の型で鼻孔内投与する非経口投与を挙げることができる。
本件予防/改善剤の投与量は、年齢、体重、性別、症状、薬剤への感受性等に応じて適宜決定され、例えば、1μg~200mg/kg(体重)/日の投与量の範囲である。後述する本実施例において、モデルマウスを用いた実験により、0.3~10mg/kg/日の化合物#5の投与量が具体的に示されている。かかる投与量は、マウスにおけるヒト等価用量(HED)12.3(資料「Guidance for Industry Estimating the Maximum Safe Starting Dose in Initial Clinical Trials for Therapeutics in Adult Healthy Volunteers」参照)を基に、ヒトへの投与量に換算した場合、24.4~813μg/kg/日である。このため、本件予防/治療剤の投与量としては、1μg~100mg/kg/日が好ましく、5μg~50mg/kg/日がより好ましく、10μg~10mg/kg/日がさらに好ましく、15μg~5mg/kg/日がさらにより好ましく、20μg~1.0mg/kg/日が最も好ましい。なお、本件予防/治療剤は、一日あたり単回又は複数回(例えば、2~4回)に分けて投与されるが、症状の改善の状況に応じて投与量を調節してよい。
本件予防/改善剤としては、本件化合物群以外の、難聴の予防又は改善成分を含むものであってもよいが、本件化合物群単独でも優れた難聴の予防又は改善効果を発揮するため、本件化合物群以外の、難聴の予防又は改善成分(例えば、タンパク質、DNA、RNA、植物由来の抽出物)を含まないものが好ましい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
1.本件化合物群の合成
以下に示す化合物の合成方法に用いる合成原料、反応試薬等は一般的な市販品である。また、反応溶媒、反応温度に関して特に記載のない場合は、通常その反応に利用される溶媒、温度で反応が行われる。また、反応は、アルゴン若しくは乾燥させた窒素雰囲気下で行われる。
[化合物#1の合成]
4-フェニル-2-(4-クロロ-1H-インドール-3-イル)-4-オキソ-ブタン(化合物#1)は、インドールの代わりに4-クロロインドールを用いて、後述する化合物#20の合成方法により合成した。
[化合物#2及び化合物#3の合成]
4-(4-クロロフェニル)-2-(1H-インドール-3-イル)-4-オキソ-ブタン酸(化合物#2)及び3-(1H-インドール-3-イル)-1-オキソ-1-フェニル-ブタン(化合物#3)は、Sayed,G. H. et al, “Synthesis and reactions of some β-aroyl-α-(indol-3-yl)propionic acids” Journal of the Chemical Society of Pakistan,7(4), 263-72; 1985の記載の方法に従って合成した。
(化合物#2)
[化合物#4の合成]
トランス-4-(4-フルオロフェニル)-4-オキソ-2-ブテン酸
50mL丸底フラスコに窒素充填下でフルオロベンゼン(0.50g,5.21mmol)をジクロロメタン(20mL)で溶解させ、無水マレイン酸(0.51g,5.20mmol)と塩化アルミニウム(1.40g,10.49mmol)を加え、室温で4時間攪拌した。反応液に1N塩酸(10mL)を加えpH1にして酢酸エチル(40mL)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、再結晶(ベンゼン)により精製を行いトランス-4-(4-フルオロフェニル)-4-オキソ-2-ブテン酸を得た。(0.57g,収率56%):融点114.8-119.6℃;H NMR(CDCl):δ 8.06(m,2H),7.98(d,J=15.4Hz,1H),7.21(m,2H),6.90(d,J=15.4Hz,1H);13C NMR(CDCl):δ 187.5,170.7,166.3(d,JC-F=255.5Hz),138.0,132.8(d,JC-F=3.2Hz),131.7(d,JC-F=9.9Hz),131.6,116.2(d,JC-F=22.1Hz);IR(neat):2972,1705,1665cm-1;FAB-MS m/z 195 [M+H]
4-(4-フルオロフェニル)-2-(1H-インドール-3-イル)-4-オキソ-ブタン酸(化合物#4)
30mL丸底フラスコにトランス-4-(4-フルオロフェニル)-4-オキソ-2-ブテン酸(0.21g,1.08mmol)をベンゼン(10mL)で溶解させ、インドール(0.26g,2.19mmol)を加えて、80℃で8時間撹拌し、室温になるまで攪拌した。反応液を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1)を用いて精製を行い4-(4-フルオロフェニル)-2-(1H-インドール-3-イル)-4-オキソ-ブタン酸(化合物#4)を得た。(0.15g,収率47%):融点161.6-166.6℃;H NMR(DMSO-d):δ 8.13(m,2H),7.68(d,J=7.9Hz,1H),7.35(m,4H),7.09(t,J=7.2Hz,1H),7.00(t,J=7.1Hz,1H),4.34(dd,J=10.7,3.9Hz,1H),4.03(dd,J=18.1,10.7Hz,1H),3.34(dd,J=18.1,3.9Hz,1H);13C NMR(DMSO-d):δ 197.96,175.61,166.00(d,JC-F=250.0Hz),137.16,134.11,131.93(d,JC-F=10.0Hz),127.15,124.16,122.07,119.97,119.53,116.6(d,JC-F=22.0Hz),112.79,112.42,42.03,38.57;IR(neat):3419,2925,1679cm-1;HRFAB-MS found m/z 312.1028 [M+H], calcd
for 312.1036 (C1815FNO).
[化合物#5の合成]
トランス-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-オキソ-2-ブテン酸
50mL丸底フラスコに窒素充填下で1,3-ジフルオロベンゼン(0.51g,4.47mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解させ、無水マレイン酸(0.43g,4.46mmol)と塩化アルミニウム(1.20g,9.01mmol)を加え、室温で4時間攪拌し、室温になるまで攪拌した。反応液に1N塩酸(10mL)を加えpH1にして酢酸エチル(40mL)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、ベンゼンで再結晶で精製を行いトランス-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-オキソ-2-ブテン酸を得た。(0.57g,収率56%):融点114.8-119.6℃;H NMR(アセトン-d):δ 7.98(m,1H),7.71(dd,JH-F=15.6,3.4Hz,1H),7.23(m,2H),6.75(dd,JH-F=15.6,1.2Hz,1H);13C NMR(アセトン-d):δ 187.2(d,JC-F=2.6Hz),166.9(dd,JC-F=254.5,12.3Hz),166.4,163.4(dd,JC-F=254.5,12.9Hz),140.0(d,JC-F=6.1Hz),134.0(dd,JC-F=10.9,3.6Hz),133.0(d,JC-F=1.6Hz),123.3(dd,JC-F=12.4,3.6Hz),113.4(dd,JC-F=21.5,3.6Hz),105.8(dd,JC-F=27.3,26.3Hz);IR(neat):2917,1697,1661cm-1;FAB-MS m/z 213 [M+H]
4-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-(1H-インドール-3-イル)-4-オキソ-ブタン酸(化合物#5)
30mL丸底フラスコにトランス-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-オキソ-2-ブテン酸(0.39g,1.84mmol)をベンゼン(10mL)で溶解させ、インドール(0.43g,2.19mmol)加えて、80℃で8時間撹拌し、室温になるまで攪拌した。反応液を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1)を用いて精製を行い4-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-(1H-インドール-3-イル)-4-オキソ-ブタン酸を得た。(0.15g,収率51%):融点180.2-184.6℃;H NMR(DMSO-d):δ 7.98(m,1H),7.65(d,J=7.9Hz,1H),7.37(d,J=8.1Hz,1H),7.42(m,1H),7.28(d,J=2.3Hz,1H),7.24(m,1H),7.09(t,J=7.1Hz,1H),7.01(t,J=7.5Hz,1H),4.34(dd,J=10.5,3.5Hz,1H),3.90(ddd,JH-F=18.5,10.6,2.4Hz,1H),3.30(ddd,JH-F=18.5,6.1,3.5Hz,1H);13C NMR(DMSO-d):δ 195.2(d,JC-F=4.1Hz),174.8,165.2(d,JC-F=253.0,13.4Hz),162.2(d,JC-F=255.5,13.4Hz),136.4,132.7(dd,JC-F=10.8,4.1Hz),126.3,123.3,122.2(dd,JC-F=12.3,3.6Hz),121.4,119.1,118.8,112.6(dd,JC-F=21.1,3.6Hz),111.9,111.8,105.4(dd,JC-F=26.1Hz),45.6(d,JC-F=6.3Hz),37.9;IR(neat):3382,2919,1678cm-1;HRFA-MS found m/z 330.0910 [M+H] , calcd for 330.0942 (C1814NO).
[化合物#6の合成]
トランス-4-(2,4-ジメチルフェニル)-4-オキソ-2-ブテン酸
50mL丸底フラスコに窒素充填下でm-キシレン(1.00g,9.42mmol)をジクロロメタン(40mL)に溶解させ、無水マレイン酸(0.93g,9.42mmol)と塩化アルミニウム(2.51g,18.84mmol)を加え、室温で4時間攪拌した。反応液に1N塩酸(10mL)を加えpH1にして酢酸エチル(40mL)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、再結晶(ベンゼン)により精製を行いトランス-4-(2,4-ジメチルフェニル)-4-オキソ-2-ブテン酸を得た。(1.49g,収率77%):融点85.4-88.8℃;H NMR(CDCl):δ 7.75(d,J=15.6Hz,1H),7.56(d,J=8.2Hz,1H),7.10(m,2H),6.70(d,J=15.6Hz,1H),2.50(s,3H),2.38(s,3H);13C NMR(CDCl):δ 192.5,170.9,143.1,141.7,139.5,133.6,133.0,130.9,130.0,126.4,21.5,21.2;IR(neat):2986,1703,1667cm-1;FAB-MS m/z 205 [M+H]
4-(2,4-ジメチルフェニル)-2-(1-プロピル-1H-インドール-3-イル)-4-オキソ-ブタン酸(化合物#6)
30mL丸底フラスコにトランス-4-(2,4-ジメチルフェニル)-4-オキソ-2-ブテン酸(0.50g,2.45mmol)をベンゼン(10mL)で溶解させ、N-プロピルインドール(0.85g,4.90mmol)加えて、80℃で8時間撹拌し、室温になるまで攪拌した。反応液を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:アセトン=5:1)を用いて精製を行い4-(2,4-ジメチルフェニル)-2-(1-プロピル-1H-インドール-3-イル)-4-オキソ-ブタン酸を得た。(0.98g,収率67%):融点139-141℃;H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.70(d,J=7.8Hz,1H),7.59(d,J=7.8Hz,1H),7.28(d,J=8.2Hz,1H),7.18(t,J=15.1Hz,1H),7.07(m,2H),6.99(d,J=8.7Hz,2H),4.56(dd,J=6.0,4.1Hz,1H),3.97(m,2H),3.92(m,1H),3.28(dd,J=17.8,4.1Hz,1H),2.43(s,3H),2.30(s,3H),1.80(m、2H),0.89(t,J=14.7,3H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 200.9,179.7,142.3,138.9,136.3,134.1,132.8,129.1,126.7,126.2,126.1,121.7,119.4,119.2,110.6,109.5,48.0,44.0,38.0,23.4,21.5,21.3,11.5;IR(neat):3428,2923,1707cm-1;FAB-MS m/z 364 [M+H].
4-フェニル-2-(1H-5-エトキシインドール-3-イル)-4-オキソ-ブタン酸(化合物#7)は、インドールの代わりに5-エトキシインドールを用いて、化合物#20と同様の方法で合成した。
化合物#8、13~15、17~19、及び21~25はN-メトキシカルボニルインドール酢酸メチルを鍵中間体として合成した。
1-メトキシカルボニルインドール-3-酢酸 メチルエステル
インドール-3-酢酸 メチルエステル
インドール-3-酢酸(2.00g,11.42mmol)をメタノール(40ml)に溶かし、そこに塩化アセチル(0.5ml,6.688mmol)を一滴ずつ滴下し、室温で2時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、飽和重曹水溶液を加え、反応を停止させ、酢酸エチル(50ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)で精製し、インドール-3-酢酸 メチルエステルを得た。(2.14g,収率99%):H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.13(s,1H),6.97(s,1H),7.59(d,J=7.7Hz,1H),7.23(d,J=7.9Hz,1H),7.10-7.19(m,2H),3.67(s,3H),3.76(s,2H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 172.3,136.0,127.1,123.2,122.0,119.5,118.6,111.2,108.0,51.9,31.0;IR(neat):3410,1730,1458,1435,1337,1164,1095,1011cm-1;EI-MS m/z 189 [M]
1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル
インドール-3-酢酸メチル(2.00g,10.57mmol)をジクロロメタン(30ml)に溶かし、そこにヨウ化テトラブチルアンモニウム(TBAI,30.0mg,0.081mmol)、30%水酸化ナトリウム水溶液(24ml)を加え、0℃に冷却した。反応液に塩化ギ酸メチル(1.96g,20.73mmol)を加え、0℃で2時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え、反応を停止させた。水(50ml)を加え、クロロホルム(50ml)で3回抽出し、有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:2)で精製し、N-メトキシカルボニルインドール-3-酢酸メチルを得た。(2.26g,収率87%):H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.18(d,J=7.0Hz,1H),7.59(s,1H),7.53(d,J=7.7Hz,1H),7.35(t,J=7.5Hz,1H),7.27(t,J=7.4Hz,1H),4.00(s,3H),3.72(s,3H),3.71(s,2H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 171.1,151.1,135.2,129.9,124.6,123.8,122.8,118.9,115.0,113.8,53.5,51.9,30.6;IR(neat):1746,1455,1382,1258,1164,1089,1018cm-1;EI-MS: m/z 247 [M]
化合物#8及び9は、国際公開公報2010/045451号パンフレットに記載の方法に従って合成した。
[化合物#8の合成]
2-(N-tert-ブトキシカルボニル-4-ピペリジニル)エタノール
2-(4-ピペリジニル)エタノール(1.0g,7.7mmol)をメタノール(50ml)に溶かし、そこに炭酸ジtert-ブチル(2.0g,9.3mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:アセトン=9:1)で精製し、N-tert-ブトキシカルボニル-2-(4-ピペリジニル)エタノールを得た。(1.68g,収率95%)
2-(N-tert-ブトキシカルボニル-4-ピペリジニル)-1-ヨウ化エタン
トリフェニルホスフィン(2.56g,9.760mmol)、イミダゾール(0.66g,9.694mmol)をジクロロメタン(15ml)に溶かし、5分撹拌した後、ヨウ素(2.47g,9.732mmol)を加え、10分撹拌した。そこにN-N-tert-ブトキシカルボニル-2-(4-ピペリジニル)エタノール(1.49g,6.497mmol)のジクロロメタン(4ml)溶液を滴下し、室温で2時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、反応液をセライト濾過し、濾液に5%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えてヨウ素を除去した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し、N-tert-ブトキシカルボニル-2-(4-ピペリジニル)-1-ヨウ化エタンを得た。(2.13g,収率96%)
α-[2-(N-tert-ブトキシカルボニル-4-ピペリジニル)-1-エチル]-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル
窒素雰囲気下、1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(500mg,2.022mmol)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA,1.81g,10.11mmol)をテトラヒドロフラン(4ml)に溶かし、-78℃に冷却した。これにリチウムジイソプロピルアミド(LDA)の1.5Mシクロヘキサン溶液(2.16ml,1.6eq)を一滴ずつゆっくり滴下し、-78℃で0.5時間撹拌した。この反応液に2-(N-tert-ブトキシカルボニル-4-ピペリジニル)-1-ヨウ化エタン(686mg,2.022mmol)のテトラヒドロフラン(2ml)溶液を一滴ずつゆっくり滴下し、-78℃で1時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後0℃にし、水(15ml)を加え、反応を停止させ、酢酸エチル(15ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:2)で精製し、α-2-(N-tert-ブトキシカルボニル-4-ピペリジニル)-エチル-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステルを得た。(626mg,収率68%):H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.19(m,1H),7.61(d,J=7.8Hz,1H),7.56(s,1H),7.35(t,J=7.7Hz,1H),7.25-7.30(m,1H),3.79-4.15(m,5H),3.77(t,J=7.6Hz,1H),3.68(s,3H),2.65(m,2H),2.05(m,2H),1.65(m,2H),1.25-1.50(m,12H),1.05-1.19(m,2H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 173.9,168.0,154.8,135.4,129.3,124.8,123.1,122.9,119.2,119.2,115.2,79.1,53.7,53.0,52.1,48.9,43.7,42.7,35.9,34.3,32.0,29.5,28.4;FAB―MS:m/z 459[M+H]
α-[2-(1-アセチル-4-ピペリジニル)-エチル]-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸メチルエステル
α-[2-(N-tert-ブトキシカルボニル-4-ピペリジニル)-1-エチル]-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸メチルエステル(100mg,0.218mmol)をジクロロメタン2mlに溶かし、トリフルオロ酢酸(1.0ml,13.07mmol)を加え、室温で5分間撹拌した。反応液を10%炭酸ナトリウム水溶液10mLに滴下し、反応を停止させた。この溶液を酢酸エチル(10mL)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水10mLで2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去し、α-[2-(4-ピペリジニル)-エチル]-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸メチルエステル(74.1mg)を得た。この(74.1mg,0.207mmol)をテトラヒドロフラン3mLに溶かし、トリエチルアミン(0.2mL)と塩化アセチル(10mg)を加え、室温で1.5時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液10mLを加えて反応を停止させ、酢酸エチル(10mL)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水10mLで2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:アセトン=9:1)で精製し、α-[2-(1-アセチル-4-ピペリジニル)-エチル]-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸メチルエステルを得た。(53.9mg, 収率65%):H NMR(400MHz,CDCl):δ8.18(d,J=6.7Hz,1H),7.61(d,J=7.8Hz,1H),7.56(s,1H),7.35(t,J=8.4Hz,1H),7.25-7.28(m,1H),4.57(d,J=12.8Hz,1H),4.03(s,3H),3.73-3.79(m,2H),3.68(s,3H),2.99(t,J=12.9Hz,1H),2.50(t,J=12.6Hz,1H),1.91-2.19(m,5H),1.73(t,J=10.4Hz,2H),1.49(m,1H),1.26-1.32(m,2H),1.05-1.12(m,2H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ173.8,168.7,151.2,135.4,129.3,124.8,122.9,119.2,119.1,115.2,53.7,52.1,46.6,42.7,41.7,35.9,34.2,32.5,31.6,29.2,21.4;FAB-MS:m/z 401[M+H]
α-2-(1-アセチル-4-ピペリジニル)-エチル-3-インドール酢酸(化合物#8)
α-2-(1-アセチル-4-ピペリジニル)-エチル-N-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(48.0mg,0.120mmol)をメタノール(2ml)に溶かし、そこに2N水酸化ナトリウム水溶液(0.5ml)を加え、70℃で2時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え、酸性(pH=3~4)にし、溶媒を減圧留去した。水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:アセトン=3:2)で精製し、α-2-(1-アセチル-4-ピペリジニル)-エチル-3-インドール酢酸(化合物#8)を得た。(25.5mg,収率65%:1H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.54(s,1H),7.67(d,J=7.9Hz,1H),7.31(d,J=8.0Hz,1H),7.16(t,J=7.7Hz,1H),7.07-7.11(m,2H),4.48(d,J=12.7Hz,1H),3.81(t,J=7.5Hz,1H),3.66(d,J=13.2Hz,1H),2.89(t,J=12.5Hz,1H),2.43(t,J=12.6Hz,1H),1.86-2.17(m,5H),1.62(t,J=16.5Hz,2H),1.41(m,1H),1.22-1.28(m,2H),0.93-1.01(m,2H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 178.8,169.3,136.2,126.5,122.3,122.0,119.5,119.1,113.3,111.4,46.7,43.1,42.0,35.7,34.2,32.5,31.6,29.7,21.3;IR (neat):3410,1699,1454,1271cm-1;FAB-MS:m/z 329[M+H]
α-2-(1-アセチル-4-ピペリジニル)-メチル-3-インドール酢酸(化合物#9)は、2-(N-tert-ブトキシカルボニル-4-ピペリジニル)エタノールの代わりにN-tert-ブトキシカルボニル-4-ピペリジニルメタノールを用いて、化合物#8と同様の手法で合成した。
[化合物#10の合成]
α-4-アミノブチル-N-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル
α-(N-tert-ブトキシカルボニル-4-アミノ-1-ブチル)-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(150mg,0.358mmol)にトリフルオロ酢酸(0.4ml,5.227mmol)を加え、室温で撹拌した。5分後に反応液を飽和重曹水に滴下し、反応を停止させた。水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去し、α-4-アミノブチル-N-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステルを得た。
α-[N-(1-アセチルピロリジン-2-カルボニル)-4-アミノブチル]-N-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル
α-4-アミノブチル-N-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(150mg,0.493mmol)をテトラヒドロフラン(3ml)に溶かし、そこにN-アセチル-L-プロリン(116mg,0.738mmol)、N-ヒドロキシコハク酸イミド(85.0mg,0.739mmol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(152mg,0.737mmol)、4-N,N-ジメチルアミノピリジン(72.0mg,0.589mmol)を加え、室温で7時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液で反応を停止させ、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:アセトン=7:3)で精製し、α-[N-(1-アセチルピロリジン-2-カルボニル)-4-アミノブチル]-N-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステルを得た。(107mg,収率49%):H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.17(d,J=7.1Hz,1H),7.61(d,J=7.7Hz,1H),7.55(s,1H),7.33(t,J=7.8Hz,1H),7.25(t,J=7.4Hz,1H),7.18(s,1H),4.50(d,J=7.3Hz,1H),4.02(s,3H),3.80(t,J=7.6Hz,1H),3.67(s,3H),3.36-3.58(m,2H),3.10-3.26(m,2H),1.76-2.40(m,9H),1.49-1.56(m,2H),1.33-1.38(m,2H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 173.8,171.0,170.8,151.1,135.3,129.2,124.6,122.9,122.8,119.2,119.1,115.0,59.4,53.6,51.9,48.1,42.3,38.9,31.5,29.0,27.2,24.8,24.7,22.3;FAB-MS:m/z 458[M+H]
α-[N-(1-アセチルピロリジン-2-カルボニル)-4-アミノブチル]-3-インドール酢酸(化合物#10)
α-[N-(1-アセチルピロリジン-2-カルボニル)-4-アミノブチル]-N-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(80.0mg,0.175mmol)をメタノール2mlに溶かし、そこに2N水酸化ナトリウム水溶液(0.5ml)を加え、70℃で1.5時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え、酸性(pH=3~4)にし、溶媒を減圧留去した。水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製し、α-[N-(1-アセチルピロリジン-2-カルボニル)-4-アミノブチル]-3-インドール酢酸(化合物#10)を得た。(63.6mg,収率94%):H NMR(400MHz,アセトン-d):δ 10.21(s,1H),8.03(s,1H),7.70(d,J=7.8Hz,1H),7.38(d,J=8.0Hz,1H),7.27(s,1H),7.09(t,J=7.3Hz,1H),7.01(t,J=7.6Hz,1H),4.35(d,J=7.2Hz,1H),3.85(t,J=7.6Hz,1H),3.53(m,1H),3.40-3.46(m,1H),3.23(m,1H),3.10-3.17(m,1H),1.85-2.14(m,9H),1.36-1.50(m,4H);13C NMR(100MHz,アセトン-d):δ 175.8,172.1,170.3,137.3,127.5,123.3,121.9,119.7,119.3,114.1,112.0,60.5,48.3,43.3,39.2,32.9,32.5,25.4,25.1,22.2;IR(Neat):3300,1634,1456,1245cm-1; FAB-MS:m/z 386[M+H]
[化合物#11の合成]
α-[2-(2-アミノエトキシ)-エチル]-N-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル
α-[N-tert-ブトキシカルボニル-(2-アミノエトキシエチル)]-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(140mg,0.322mmol)にトリフルオロ酢酸(0.3ml,3.920mmol)を加え、室温で撹拌した。5分後に反応液を飽和重曹水に滴下し、反応を停止させた。水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去し、α-[2-(2-アミノエトキシ)-エチル]-N-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステルを得た。(80.0mg,収率74%)
α-{N-(1-アセチルピロリジン-2-カルボニル)-[2-(2-アミノエトキシ)-エチル]}-N-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル
α-[2-(2-アミノエトキシ)-エチル]-N-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(80.0mg,0.239mmol)をテトラヒドロフラン(3ml)に溶かし、そこにN-アセチル-L-プロリン(56.4mg,0.359mmol)、N-ヒドロキシコハク酸イミド(41.2mg,0.358mmol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(74.0mg,0.359mmol)、4-N,N-ジメチルアミノピリジン(35.0mg,0.286mmol)を加え、室温で7時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液で反応を停止させ、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:アセトン=7:3)で精製し、α-[N-(1-アセチルピロリジン-2-カルボニル)-4-アミノブチル]-N-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステルを得た。(76.1mg,収率67%):H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.18(d,J=7.1Hz,1H),7.57-7.66(m,2H),7.35(t,J=7.7Hz,1H),7.25-7.28(m,2H),4.56(t,J=8.3Hz,1H),4.09(t,J=7.6Hz,1H),4.03(s,3H),3.68(s,3H),3.59(t,J=9.0Hz,1H),3.32-3.52(m,7H),2.36-2.48(m,2H),1.84-2.18(m,7H),1.49-1.56(m,2H),1.33-1.38(m,2H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 174.2,171.5,170.8,151.1,135.5,129.3,124.8,123.1,123.0,119.4,118.9,115.2,69.4,68.4,59.2,53.8,52.2,48.2,39.5,39.2,32.2,27.8,25.0,22.5;FAB-MS:m/z 474[M+H]
α-[N-(1-アセチルピロリジン-2-カルボニル)-4-アミノブチル]-3-インドール酢酸(化合物#11)
α-[N-(1-アセチルピロリジン-2-カルボニル)-4-アミノブチル]-N-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(60.0mg,0.127mmol)をメタノール(2ml)に溶かし、そこに2N水酸化ナトリウム水溶液(0.5ml)を加え、70℃で1.5時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え、酸性(pH=3~4)にし、溶媒を減圧留去した。水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製し、α-[N-(1-アセチルピロリジン-2-カルボニル)-4-アミノブチル]-3-インドール酢酸(化合物#11)を得た。(36.6mg,収率72%):H NMR(400MHz,アセトン-d):δ 8.48(d,J=13.4Hz,1H),7.70(d,J=7.9Hz,1H),7.34(d,J=8.1Hz,1H),7.09-7.21(m,3H),4.67(t,J=8.3Hz,1H),4.40-4.11(m,1H),3.18-3.76(m,8H),2.46-2.67(m,4H),1.86-2.22(m,7H);13C NMR(100MHz,アセトン-d):δ 178.0,171.6,171.2,136.1,126.5,122.3,122.0,119.4,118.9,113.7,111.2,69.3,68.6,60.0,48.5,41.2,39.9,33.7,29.1,24.8,22.3;IR(Neat):3317,1634,1456,1247,1119cm-1; FAB-MS:m/z 402[M+H]
[化合物#12の合成]
α-(N-tert-ブトキシカルボニル-6-アミノ-1-ヘキシル)-α-(1-ナフチル)-酢酸 メチルエステル
α-(1-ナフチル)-酢酸 メチルエステル(150mg,0.75mmol)をテトラヒドロフランに溶解し、ヘキサメチルホスホラミド(HMPA,671mg,3.75mmol)を加えて-78℃に冷却した。この溶液にリチウムジイソプロピルアミド(1.5Mシクロヘキサン溶液,0.75ml,1mmol)を滴下し、-78℃で30分間攪拌した後、N-tert-ブトキシカルボニル-6-アミノ-1-ヨードヘキサン(270mg,0.82mmol)のテトラヒドロフラン溶液(2mL)を滴下し、-78℃で1時間攪拌した。反応液の温度を15分間かけて0℃まで上昇させた後、溶液に50mLの水を加えて、50mLの酢酸エチルで、2回抽出した。有機層を飽和塩化アンモニウム溶液(20mL)、続いて食塩水(20mL)で洗浄した後、硫酸ナトリウムで脱水処理して減圧乾固した。反応物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:2)で精製し、α-(N-tert-ブトキシカルボニル-6-アミノ-1-ヘキシル)-α-(1-ナフチル)-酢酸 メチルエステルを得た。(271mg,収率91%):H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.11(d,J=8.5Hz,1H),7.83(d,J=8.0Hz,1H),7.74(d,J=8.1Hz,1H),7.40-7.54(m,4H),4.71(s,1H),4.36(t,J=7.8Hz,1H),3.61(s,3H),3.04(m,2H),2.07(m,2H),1.24-1.48(m,17H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 174.7,155.9,135.3,133.8,131.3,128.8,127.5,126.1,125.4,125.3,124.6,122.8,78.7,51.8,46.5,40.3,32.9,29.7,28.9,28.2,27.6,26.3;FAB-MS:m/z 400[M+H]
α-(N-tert-ブトキシカルボニル-6-アミノ-1-ヘキシル)-α-(1-ナフチル)-酢酸(化合物#12)
α-(N-tert-ブトキシカルボニル-6-アミノ-1-ヘキシル)-α-(1-ナフチル)-酢酸 メチルエステル(100mg,0.25mmol)をメタノールと水酸化ナトリウム水溶液の混合溶液(2N水酸化ナトリウム水溶液:メタノール=1:4,5mL)に溶解し、50℃で1時間加熱した。反応溶液を6N塩酸でpH3.5に調整し、減圧蒸留で、メタノールを除去した。この溶液に、水(15mL)を加えて、酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を飽和塩化アンモニウム溶液(20mL)、続いて食塩水(20mL)で洗浄した後、硫酸ナトリウムで脱水処理して減圧乾固した。反応物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=95:5)で精製し、α-(N-tert-ブトキシカルボニル-6-アミノ-1-ヘキシル)-α-(1-ナフチル)-酢酸(化合物#12)を得た。(90mg,収率93%):H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.13(d,J=8.4Hz,1H),7.84(d,J=7.9Hz,1H),7.75(d,J=8.1Hz,1H),7.41-7.53(m,4H),4.56(s,1H),4.35(t,J=7.4Hz,1H),3.03(m,2H),2.05(m,2H),1.22-1.46(m,17H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 179.0,156.0,135.1,133.9,131.6,128.9,127.7,126.2,125.5,125.4,124.9,123.1,79.0,46.6,40.4,32.7,29.8,29.0,28.3,27.7,26.4;IR(neat):3417,1705,1457,1268,1099cm-1;FAB-MS:m/z 386[M+H]
[化合物#13の合成]
N-tert-ブトキシカルボニル-6-アミノ-1-ヘキサノール
6-アミノ-1-ヘキサノール(1.0g,8.533mmol)をメタノール(10ml)に溶かし、そこに炭酸ジtert-ブチル(1.86g,8.522mmol)を加え、室温で1.5時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:アセトン=9:1)で精製し、N-tert-ブトキシカルボニル-6-アミノヘキサノールを得た。(1.80g,収率97%)
N-tert-ブトキシカルボニル-6-アミノ-1-ヨードへキサン
トリフェニルホスフィン(2.35g,8.96mmol)、イミダゾール(0.61g,8.96mmol)をジクロロメタン(15ml)に溶かし、5分撹拌した後、ヨウ素(2.28g,8.98mmol)を加え、10分撹拌した。そこにN-tert-ブトキシカルボニル-6-アミノヘキサノール(1.3g,5.98mmol)のジクロロメタン(4ml)溶液を滴下し、室温で2時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、反応液をセライト濾過し、濾液に5%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えてヨウ素を除去した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し、N-tert-ブトキシカルボニル-6-アミノ-1-ヨードへキサンを得た。(1.67g,収率86%)
α-メチル-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステルはKatayamaM, Kato Y, Marumo S. “Synthesis,absolute configuration and biological activity of both enantiomers of 2-(5,6-dichloro-3-indolyl)propionic acid: new dichloroindole auxins” Bioscience,Biotechnology,and Biochemistry,65(2),270-276
; 2001.に記載の方法に従って合成した。
α-(N-tert-ブトキシカルボニル-6-アミノ-1-ヘキシル)-α-メチル-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル
窒素雰囲気下、α-メチル-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(83.8mg,0.321mmol)をテトラヒドロフラン(2ml)に溶かし、-78℃に冷却した。これをリチウム ビストリメチルシリルアミド(LHMDS)の1.0Mテトラヒドロフラン溶液(0.69ml,1.5eq)を一滴ずつゆっくり滴下し、-78℃で0.5時間撹拌した。この反応液にN-tert-ブトキシカルボニル-6-アミノ-1-ヨードへキサン(105mg,0.321mmol)のテトラヒドロフラン(1ml)溶液を一滴ずつゆっくり滴下し、-78℃で2時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後0℃にし、水(5ml)を加え、反応を停止させ、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:2)で精製し、α-(N-tert-ブトキシカルボニル-6-アミノ-1-ヘキシル)-α-メチル-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステルを得た。(68.6mg,収率46%):H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.19(d,J=6.3Hz,1H),7.52(d,J=7.9Hz,1H),7.48(s,1H),7.32(t,J=7.5Hz,1H),7.21(t,J=7.5Hz,1H),4.54(s,1H),4.03(s,3H),3.62(s,3H),3.06(m,2H),2.04-2.12(m,2H),1.61(s,3H),1.17-1.43(m,17H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 176.3,155.9,151.3,135.8,128.6,124.9,124.5,122.8,122.0,120.0,115.2,78.9,53.7,52.1,45.5,40.4,37.2,29.9,29.5,28.3,26.5,24.2,22.5;FAB-MS:m/z 460[M]
α-(N-tert-ブトキシカルボニル-6-アミノ-1-ヘキシル)-α-メチル-3-インドール酢酸(化合物#13)
α-(N-tert-ブトキシカルボニル-6-アミノ-1-ヘキシル),α-メチル-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(60.0mg,0.130mmol)をメタノール(4.6ml)に溶かした。そこに水(0.4ml)、水酸化カリウム(1.68g,30mmol)を加え、70℃で2時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、溶媒を減圧留去した。水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ベンゼン:アセトン=85:15)で精製し、α-(N-tert-ブトキシカルボニル-6-アミノ-1-ヘキシル)-α-メチル-3-インドール酢酸(化合物#13)を得た。(40.0mg,収率79%):H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.26(s,1H),7.71(d,J=8.0Hz,1H),7.33(d,J=8.0Hz,1H),7.16(t,J=7.4Hz,1H),7.06(t,J=7.3Hz,1H),7.04(s,1H),4.52(s,1H),3.03(m,2H),2.08-2.17(m,2H),1.63(s,3H),1.23-1.48(m,17H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 181.7,156.1,136.7,125.5,121.4,120.4,119.2,118.8,111.3,79.1,45.7,40.5,37.5,29.7,28.5,26.5,24.2,22.6;IR(neat):3415,3339,1699,1519,1460,1369,1249,1170cm-1;FAB-MS:m/z 389[M+H]
[化合物#14の合成]
2-(N-tert-ブトキシカルボニル-2-アミノエトキシ)-エタノール
2-(2-アミノエトキシ)-エタノール(1.0g,9.511mmol)をメタノール(10ml)に溶かし、そこに炭酸ジtert-ブチル(2.07g,9.485mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:アセトン=3:2)で精製し、2-(N-tert-ブトキシカルボニル-2-アミノエトキシ)-エタノールを得た。(1.78g,収率91%)
2-(N-tert-ブトキシカルボニル-2-アミノエトキシ)-1-ヨードエタン
トリフェニルホスフィン(2.87g,10.94mmol)、イミダゾール(0.75g,11.02mmol)をジクロロメタン(15ml)に溶かし、5分撹拌した後、ヨウ素(2.78g,10.95mmol)を加え、10分撹拌した。そこに2-(N-tert-ブトキシカルボニル-2-アミノエトキシ)-エタノール(1.5g,7.308mmol)のジクロロメタン(4ml)溶液を滴下し、室温で1.5時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、反応液をセライト濾過し、濾液に5%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えてヨウ素を除去した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=85:15)で精製し、2-(N-tert-ブトキシカルボニル-2-アミノエトキシ)-1-ヨードエタンを得た。(2.19g,収率95%)
α-[2-(N-tert-ブトキシカルボニル-2-アミノエトキシ)-1-エチル]-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル
窒素雰囲気下、1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(500mg,2.022mmol)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA,1.81g,10.11mmol)をテトラヒドロフラン(4ml)に溶かし、-78℃に冷却した。これにリチウムジイソプロピルアミド(LDA)の1.5Mシクロヘキサン溶液(2.02ml,1.5eq)を一滴ずつゆっくり滴下し、-78℃で0.5時間撹拌した。この反応液に2-(N-tert-ブトキシカルボニル-2-アミノエトキシ)-1-ヨードエタン(637mg,2.022mmol)のテトラヒドロフラン(2ml)溶液を一滴ずつゆっくり滴下し、-78℃で1時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後0℃にし、水(15ml)を加え、反応を停止させ、酢酸エチル(15ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:2)で精製し、α-[2-(N-tert-ブトキシカルボニル-2-アミノエトキシ)-1-エチル]-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステルを得た。(645mg,収率79%):H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.18(d,J=7.0Hz,1H),7.63(d,J=7.7Hz,1H),7.57(s,1H),7.34(t,J=7.7Hz,1H),7.26(t,J=7.3Hz,1H),4.98(s,1H),4.02-4.06(m,4H),3.69(s,3H),3.43-3.51(m,4H),3.30(m,2H),2.29(m,2H),1.45(s,3H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 173.8,155.9,151.2,135.4,124.8,123.1,122.9,119.2,118.8,115.2,79.1,69.8,68.3,52.7,52.1,40.3,39.3,32.2,28.3;FAB-MS:m/z 435[M+H]
α-[2-(N-tert-ブトキシカルボニル-2-アミノエトキシ)-1-エチル]-3-インドール酢酸(化合物#14)
α-[2-(N-tert-ブトキシカルボニル-2-アミノエトキシ)-1-エチル]-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(80.0mg,0.184mmol)をメタノール(2ml)に溶かし、そこに2N水酸化ナトリウム水溶液(0.5ml)を加え、70℃で2時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、溶媒を減圧留去した。水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製し、α-[2-(N-tert-ブトキシカルボニル-2-アミノエトキシ)-1-エチル]-3-インドール酢酸(化合物#14)を得た。(70.2mg,収率87%):H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.40(s,1H),7.67(d,J=7.9Hz,1H),7.29(d,J=8.0Hz,1H),7.15(t,J=7.8Hz,1H),7.08(t,J=7.3Hz,1H),7.04(s,1H),5.03(s,1H),4.04(t,J=7.1Hz,1H),3.30-3.46(m,4H),3.23(m,2H),2.26(m,2H),1.44(s,9H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 179.2,156.2,136.2,126.4,122.6,122.1,119.5,119.1,112.6,111.3,79.4,69.7,68.5,40.3,39.7,32.3,28.4;IR(neat):3406,3332,1699,1520,1458,1367,1252,1169,1119cm-1;FAB-MS:m/z 385[M+Na]
[化合物#15の合成]
N-tert-ブトキシカルボニル-4-アミノ-1-ブタノール
4-アミノ-1-ブタノール(1.0g,11.22mmol)をメタノール(10ml)に溶かし、そこに炭酸ジtert-ブチル(2.53g,11.58mmol)を加え、室温で1.5時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:アセトン=9:1)で精製し、N-tert-ブトキシカルボニル-4-アミノ-1-ブタノールを得た。(1.88g,収率89%)
N-tert-ブトキシカルボニル-4-アミノ-1-ヨードブタン
トリフェニルホスフィン(3.3g,12.58mmol)、イミダゾール(0.86g,12.63mmol)をジクロロメタン(15ml)に溶かし、5分撹拌した後、ヨウ素(3.2g,12.61mmol)を加え、10分撹拌した。そこにN-tert-ブトキシカルボニル-4-アミノ-1-ブタノール(1.6g,8.454mmol)のジクロロメタン(4ml)溶液を滴下し、室温で2時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、反応液をセライト濾過し、濾液に5%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えてヨウ素を除去した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し、N-tert-ブトキシカルボニル-4-アミノ-1-ヨードブタンを得た。(1.83g,収率72%)
α-(N-tert-ブトキシカルボニル-4-アミノ-1-ブチル)-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル
窒素雰囲気下、1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(400mg,1.618mmol),ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA,1.45g,8.086mmol)をテトラヒドロフラン(4ml)に溶かし、-78℃に冷却した。これにリチウムジイソプロピルアミド(LDA)の1.5Mシクロヘキサン溶液(1.62ml,1.5eq)を一滴ずつゆっくり滴下し、-78℃で0.5時間撹拌した。この反応液にN-tert-ブトキシカルボニル-4-アミノ-1-ヨードブタン(484mg,1.618mmol)のテトラヒドロフラン(2ml)溶液を一滴ずつゆっくり滴下し、-78℃で1時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後0℃にし、水(15ml)を加え、反応を停止させ、酢酸エチル(15ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:2)で精製し、α-(N-tert-ブトキシカルボニル-4-アミノ-1-ブチル)-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステルを得た。(373mg,収率55%):H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.18(d,J=7.8Hz,1H),7.60(d,J=7.8Hz,1H),7.55(s,1H),7.34(t,J=7.9Hz,1H),7.25(t,J=7.7Hz,1H),4.59(s,1H),4.02(s,3H),3.80(t,J=7.6Hz,1H),3.67(s,3H),3.09(m,2H),2.03(m,2H),1.25-1.53(m,13H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 173.9,155.9,151.2,135.5,129.3,124.8,123.0,122.9,119.2,115.2,78.9,53.6,52.0,42.5,40.2,31.7,29.8,28.3,24.8;FAB-MS:m/z 419[M+H]
α-(N-tert-ブトキシカルボニル-4-アミノ-1-ブチル)-3-インドール酢酸(化合物#15)
α-(N-tert-ブトキシカルボニル-4-アミノ-1-ブチル)-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(100mg,0.239mmol)をメタノール(2ml)に溶かし、そこに2N水酸化ナトリウム水溶液(0.5ml)を加え、70℃で2時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、溶媒を減圧留去した。水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=95:5)で精製し、α-(N-tert-ブトキシカルボニル-4-アミノ-1-ブチル)-3-インドール酢酸(化合物#15)を得た。(71.8mg,収率87%):H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.35(s,1H),7.67(d,J=7.8Hz,1H),7.28(d,J=7.8Hz,1H),7.15(t,J=7.7Hz,1H),7.09(t,J=7.3Hz,1H),7.00(s,1H),4.57(s,1H),3.81(t,J=7.5Hz,1H),3.02(m,2H),1.97(m,2H),1.23-1.48(m,13H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 179.6,156.1,136.1,126.4,122.3,122.0,119.4,119.1,113.0,111.3,79.3,42.9,40.3,31.9,29.7,28.4,24.7;IR(neat):3747,1699,1520,1456,1367,1250,1170cm-1;FAB-MS:m/z 347[M+H]
[化合物#17の合成]
2-エチル-1-ヨードブタン
トリフェニルホスフィン(1.93g,7.358mmol)、イミダゾール(0.5g,7.344mmol)をジクロロメタン(5.0ml)に溶かし、5分撹拌した後、ヨウ素(1.86g,7.328mmol)を加え、10分撹拌した。そこに2-エチル-1-ブタノール(0.5g,5.672mmol)のジクロロメタン(2.0ml)溶液を滴下し、室温で1.5時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、反応液をセライト濾過し、濾液に5%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えてヨウ素を除去した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、2-エチル-1-ヨードブタンを得た。(0.35g,収率34%)
α-(2-エチル-1-ブチル)-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル
窒素雰囲気下、1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(100mg,0.404mmol),ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA,362mg,2.020mmol)をテトラヒドロフラン(2ml)に溶かし、-78℃に冷却した。これにリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(LHMDS)の1.0Mテトラヒドロフラン溶液(0.61ml,1.5eq)を一滴ずつゆっくり滴下し、-78℃で0.5時間撹拌した。この反応液に2-エチル-1-ヨードブタン(85.8mg,0.405mmol)のテトラヒドロフラン(1ml)溶液を一滴ずつゆっくり滴下し、-78℃で1時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後0℃にし、水(5ml)を加え、反応を停止させ、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し、α-(2-エチル-1-ブチル)-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステルを得た。(104mg,収率78%):H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.18(d,J=7.0Hz,1H),7.64(d,J=7.8Hz,1H),7.57(s,1H),7.34(t,J=7.7Hz,1H),7.26(t,J=7.4Hz,1H),4.01(s,3H),3.93(t,J=7.8Hz,1H),3.67(s,3H),1.96(m,2H),1.21-1.41(m,5H),0.82-0.88(m,6H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 174.3,151.3,135.5,129.5,124.7,122.9,119.7,119.3,115.2,53.7,52.0,40.4,38.0,35.6,25.1,24.9,10.4,10.4;IR(neat):1738,1455,1377,1256,1164,1085cm-1;EI-MS:m/z 331[M]
α-(2-エチル-1-ブチル)-3-インドール酢酸(化合物#17)
α-(2-エチル-1-ブチル)-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸(70.0mg,0.211mmol)をメタノール(2ml)に溶かし、そこに2N水酸化ナトリウム水溶液(0.5ml)を加え、70℃で2.5時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、溶媒を減圧留去した。水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=95:5)で精製し、α-(2-エチル-1-ブチル)-3-インドール酢酸(化合物#17)を得た。(52.4mg,収率96):H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.02(s,1H),7.70(d,J=7.9Hz,1H),7.30(d,J=8.0Hz,1H),7.17(t,J=7.9Hz,1H),7.11(t,J=7.5Hz,1H),7.08(s,1H),3.97(t,J=7.8Hz,1H),1.96(m,2H),1.23-1.39(m,5H),0.78-0.84(m,6H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 181.1,136.1,126.6,122.2,122.2,119.7,119.3,113.7,111.2,40.6,37.8,35.9,25.0,25.0,10.4,10.4;IR(neat):3414,1703,1458,1293,1098cm-1;FAB-MS:m/z 260[M+H]
[化合物#18の合成]
3-メチル-1-ヨードペンタン
トリフェニルホスフィン(1.93g,7.358mmol)、イミダゾール(0.5
g,7.344mmol)をジクロロメタン(5.0ml)に溶かし、5分撹拌した後、ヨウ素(1.86g,7.328mmol)を加え、10分撹拌した。そこに3-メチル-1-ペンタノール(0.5g,5.672mmol)のジクロロメタン(2.0ml)溶液を滴下し、室温で1.5時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、反応液をセライト濾過し、濾液に5%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えてヨウ素を除去した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=98:2)で精製し、3-メチル-1-ヨードペンタンを得た。(0.12mg,収率11%)
α-(3-メチル-1-ペンチル)-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル
窒素雰囲気下、1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(50.0mg,0.202mmol),ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA,181mg,1.011mmol)をテトラヒドロフラン(1ml)に溶かし、-78℃に冷却した。これにリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(LHMDS)の1.0Mテトラヒドロフラン溶液(0.30ml,1.5eq)を一滴ずつゆっくり滴下し、-78℃で0.5時間撹拌した。この反応液に3-メチル-1-ヨードペンタン(51.5mg,0.243mmol)のテトラヒドロフラン(1ml)溶液を一滴ずつゆっくり滴下し、-78℃で2時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後0℃にし、水(5ml)を加え、反応を停止させ、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=12:1)で精製し、α-(3-メチル-1-ペンチル)-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステルを得た。(25.8mg,収率39%):H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.18(d,J=6.7Hz,1H),7.62(d,J=7.7Hz,1H),7.56(s,1H),7.34(t,J=7.8Hz,1H),7.26(t,J=7.2Hz,1H),4.03(s,3H),3.77(t,J=7.9Hz,1H),3.68(s,3H),2.01(m,2H),1.10-1.39(m,5H),0.82-0.87(m,6H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 174.2,151.3,135.5,129.5,124.8,122.9,119.4,119.3,115.2,53.7,52.0,42.9,34.4,34.2,29.8,29.2,19.1,11.3;IR(neat):1741,1454,1378,1254,1084cm-1;EI-MS:m/z 331[M]
α-(3-メチル-1-ペンチル)-3-インドール酢酸(化合物#18)
α-(3-メチル-1-ペンチル)-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(20.0mg,0.060mmol)をメタノール(1ml)に溶かし、そこに2N水酸化ナトリウム水溶液(0.25ml)を加え、70℃で2.5時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、溶媒を減圧留去した。水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=95:5)で精製し、α-(3-メチル-1-ペンチル)-3-インドール酢酸(化合物#18)を得た。(16.8mg,収率89%):H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.07(s,1H),7.70(d,J=7.8Hz,1H),7.33(d,J=8.1Hz,1H),7.19(t,J=8.0Hz,1H),7.10-7.13(m,2H),3.82(t,J=6.7Hz,1H),1.97(m,2H),1.10-1.36(m,5H),0.79-0.85(m,6H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 180.4,136.1,126.6,122.2,122.2,119.7,119.3,113.7,111.2,43.2,34.5,34.3,30.1,29.2,19.1,11.3;IR(neat):3418,1704,1456,1294,1098cm-1;EI-MS:m/z 259[M]
[化合物#19の合成]
2-メチル-1-ヨードペンタン
トリフェニルホスフィン(1.93g,7.358mmol)、イミダゾール(0.5g,7.344mmol)をジクロロメタン(5.0ml)に溶かし、5分撹拌した後、ヨウ素(1.86g,7.328mmol)を加え、10分撹拌した。そこに2-メチル-1-ペンタノール(0.5g,5.672mmol)のジクロロメタン(2.0ml)溶液を滴下し、室温で1.5時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、反応液をセライト濾過し、濾液に5%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えてヨウ素を除去した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、2-メチル-1-ヨードペンタンを得た。(0.56g,収率54%)
α-(2-メチル-1-ペンチル)-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル
窒素雰囲気下、1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(100mg,0.404mmol)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA,362mg,2.020mmol)をテトラヒドロフラン(2ml)に溶かし、-78℃に冷却した。これにリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(LHMDS)の1.0Mテトラヒドロフラン溶液(0.61ml,1.5eq)を一滴ずつゆっくり滴下し、-78℃で0.5時間撹拌した。この反応液に2-メチル-1-ヨードペンタン(85.8mg,0.405mmol)のテトラヒドロフラン(1ml)溶液を一滴ずつゆっくり滴下し、-78℃で1時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後0℃にし、水(5ml)を加え、反応を停止させ、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し、α-(2-メチル-1-ペンチル)-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステルを得た。(101mg,収率75%):H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.18(d,J=5.7Hz,1H),7.63(d,J=7.8Hz,1H),7.55(s,1H),7.34(t,J=7.6Hz,1H),7.27(t,J=7.5Hz,1H),4.03(s,3H),3.91-3.97(m,1H),3.68(s,3H),1.58-2.24(m,2H),1.10-1.50(m,5H),0.83-0.97(m,6H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 174.4,151.2,135.4,129.4,124.7,122.9,122.8,119.9,119.4,115.2,53.7,52.0,40.4,39.6,39.3,30.7,19.8,19.4,14.2;IR(neat):1739,1456,1373,1217,1087cm-1;EI-MS:m/z 331[M]
α-(2-メチル-1-ペンチル)-3-インドール酢酸(化合物#19)
α-(2-メチル-1-ペンチル)-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(70.0mg,0.211mmol)をメタノール(2ml)に溶かし、そこに2N水酸化ナトリウム水溶液(0.5ml)を加え、70℃で2.5時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、溶媒を減圧留去した。水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=95:5)で精製し、α-(2-メチル-1-ペンチル)-3-インドール酢酸(化合物#19)を得た。(51.9mg,収率95%):H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.12(s,1H),7.70(d,J=7.8Hz,1H),7.30(d,J=8.0Hz,1H),7.17(t,J=7.4Hz,1H),7.11(t,J=7.2Hz,1H),7.06(s,1H),3.96-4.02(m,1H),1.60-2.22(m,2H),1.12-1.51(m,5H),0.79-0.94(m,6H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 180.9,136.1,126.5,122.3,122.2,119.7,119.3,113.3,111.2,40.7,39.9,39.2,30.3,19.8,19.4,14.3;IR(neat):3417,1699,1457,1292,1099cm-1;EI-MS:m/z 259[M]
[化合物#20の合成]
4-フェニル-2-(1H-インドール-3-イル)-4-オキソ-ブタン酸
(化合物#20)
30mL丸底フラスコにトランス-4-フェニル-4-オキソ-2-ブテン酸(1.0g,5.65mmol)をベンゼン(25mL)で溶解させ、インドール(0.79g,6.77mmol)を加えて、80℃で5時間撹拌し、室温になるまで攪拌した。反応液を減圧留去し、ベンゼンから再結晶を行い、4-フェニル-2-(1H-インドール-3-イル)-4-オキソ-ブタン酸(化合物#20)を得た。(1.24g,収率75%):融点149-150℃;H NMR(400MHz,アセトン-d):δ 10.17(1H,brs,1H),8.05(2H,d,J=8.2Hz),7.80(1H,d,J=8.3Hz),7.57(1H,t,J=7.8Hz),7.51(2H,dd,J=8.2,7.8Hz),7.41(1H,d,J=8.2Hz),7.37(1H,s),7.13(1H,t,J=8.2Hz),7.06(1H,t,J=8.2Hz),4.57(1H,dd,J=11.0,4.1Hz),4.13(1H,dd,J=17.8,11.0Hz),3.41(1H,dd,J=17.8,4.1Hz),;
IR:(neat):3400,3055,1711,1677,1453cm-1;HRFAB-MS found m/z 294.1143[M+H], calcd for 294.1130(C1816NO).
[化合物#21の合成]
4,4,5,5,5-ペンタフルオロ-1-ヨードペンタン
トリフェニルホスフィン(1.1g,4.211mmol)、イミダゾール(0.29g,4.211mmol)をジクロロメタン(5.0ml)に溶かし、5分撹拌した後、ヨウ素(1.07g,4.211mmol)を加え、10分撹拌した。そこに4,4,5,5,5-ペンタフルオロ-1-ペンタノール(0.5g,2.807mmol)のジクロロメタン(2.0ml)溶液を滴下し、室温で1.5時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、反応液をセライト濾過し、濾液に5%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えてヨウ素を除去した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、4,4,5,5,5-ペンタフルオロ-1-ヨードペンタンを得た。(0.36g,収率45%)
α-(4,4,5,5,5-ペンタフルオロ-1-ペンチル)-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル
窒素雰囲気下、1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(50.0mg,0.202mmol),ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA,181mg,1.011mmol)をテトラヒドロフラン(1ml)に溶かし、-78℃に冷却した。これにリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(LHMDS)の1.0Mテトラヒドロフラン溶液(0.30ml,1.5eq)を一滴ずつゆっくり滴下し、-78℃で0.5時間撹拌した。この反応液に4,4,5,5,5-ペンタフルオロ-1-ヨードペンタン(81.4mg,0.283mmol)のテトラヒドロフラン(1ml)溶液を一滴ずつゆっくり滴下し、-78℃で1時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後0℃にし、水(5ml)を加え、反応を停止させ、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=85:15)で精製し、α-(4,4,5,5,5-ペンタフルオロ-1-ペンチル)-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステルを得た。(59.8mg,収率73%):H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.19(d,J=7.6Hz,1H),7.60(d,J=7.8Hz,1H),7.57(s,1H),7.36(t,J=7.5Hz,1H),7.27(t,J=6.9Hz,1H),4.03(s,3H),3.83(t,J=7.6Hz,1H),3.69(s,3H),1.98-2.23(m,4H),1.62-1.68(m,2H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 173.5,151.3,135.5,129.1,125.0,123.1,123.1,119.2,118.6,115.3,53.8,52.2,42.3,31.4,30.6,30.3,30.1,18.6;IR (neat):1739,1456,1378,1257,1198cm-1;EI-MS:m/z 407[M]
α-(4,4,5,5,5-ペンタフルオロ-1-ペンチル)-3-インドール酢酸(化合物#21)
α-(4,4,5,5,5-ペンタフルオロ-1-ペンチル)-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(55.5mg,0.183mmol)をメタノール(1ml)に溶かし、そこに2N水酸化ナトリウム水溶液(0.25ml)を加え、70℃で1時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、溶媒を減圧留去した。水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=95:5)で精製し、α-(4,4,5,5,5-ペンタフルオロ-1-ペンチル)-3-インドール酢酸(化合物#21)を得た。(43.9mg,収率97%):H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.06(s,1H),7.67(d,J=7.9Hz,1H),7.33(d,J=8.1Hz,1H),7.20(t,J=8.0Hz,1H),7.12(t,J=7.9Hz,1H),7.09(s,1H),3.87(t,J=7.5Hz,1H),1.95-2.22(m,4H),1.60-1.67(m,2H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 179.9,136.2,126.2,122.4,122.4,119.9,119.1,112.5,111.4,42.7,31.5,30.6,30.3,30.1,18.6;IR(neat):3418,1704,1459,1198cm-1;EI-MS:m/z 335[M]
[化合物#22の合成]
3-(2-ヒドロキシ-1-エチル)-1,1’-ビフェニル
2-(3-ブロモフェニル)-1-エタノール(200mg,0.995mmol)をジメトキシエタン:エタノール(=5:1)の混合溶媒(3.0ml)に溶かし、フェニルボロン酸(242mg,1.985mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液(1.5ml)、テトラキス(トリフェニルホスフィン) パラジウム(0)(Pd(PPh,56.0mg,0.048mmol)を加え、加熱還流下4時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、反応液をセライト濾過し、濾液に塩酸を加えて中和し、酢酸エチル(10ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:2)で精製し、3-(2-ヒドロキシ-1-エチル)-1,1’-ビフェニルを得た。(172mg,収率87%)
3-(2-ヨード-1-エチル)-1,1’-ビフェニル
トリフェニルホスフィン(327mg,1.248mmol)、イミダゾール(85.0mg,1.249mmol)をジクロロメタン(3.0ml)に溶かし、5分撹拌した後、ヨウ素(317mg,1.248mmol)を加え、10分撹拌した。そこに3-(2-ヒドロキシ-1-エチル)-1,1’-ビフェニル(165mg,0.832mmol)のジクロロメタン(0.5ml)溶液を滴下し、室温で1時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、反応液をセライト濾過し、濾液に5%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えてヨウ素を除去した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=98:2)で精製し、3-(2-ヨード-1-エチル)-1,1’-ビフェニルを得た。(185mg,収率72%)
α-[2-(1,1’-ビフェニル-3-イル)-1-エチル]-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル
窒素雰囲気下、1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(80mg,0.324mmol),ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA,290mg,1.618mmol)をテトラヒドロフラン(2ml)に溶かし、-78℃に冷却した。これにリチウムジイソプロピルアミド(LDA)の1.5Mシクロヘキサン溶液(0.32ml,1.5eq)を一滴ずつゆっくり滴下し、-78℃で0.5時間撹拌した。この反応液に3-(2-ヨード-1-エチル)-1,1’-ビフェニル(99.7mg,0.324mmol)のテトラヒドロフラン(1ml)溶液を一滴ずつゆっくり滴下し、-78℃で1時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後0℃にし、水(5ml)を加え、反応を停止させ、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=85:15)で精製し、α-[2-(1,1’-ビフェニル-3-イル)-1-エチル]-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステルを得た。(132mg、収率96%):H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.19(d,J=6.8Hz,1H),7.55-7.58(m,4H),7.31-7.44(m,7H),7.24(t,J=8.1Hz,1H),7.15(d,J=7.5Hz,1H),4.02(s,3H),3.86(t,J=7.5Hz,1H),3.65(S,3H),2.73(t,J=7.7Hz,2H),2.25-2.58(m,2H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 173.8,151.2,141.4,141.3,141.1,135.5,129.3,128.8,128.6,127.3,127.2,127.1,124.9,124.8,123.1,122.9,119.3,118.9,115.2,53.7,52.1,41.8,33.7,33.5;EI-MS:m/z 427[M]
α-[2-(1,1’-ビフェニル-3-イル)-1-エチル]-3-インドール酢酸(化合物#22)
α-[2-(1,1’-ビフェニル-3-イル)-1-エチル]-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(80.0mg,0.187mmol)をメタノール(2ml)に溶かし、そこに2N水酸化ナトリウム水溶液(0.5ml)を加え、70℃で1.5時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、溶媒を減圧留去した。水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=95:5)で精製し、α-[2-(1,1’-ビフェニル-3-イル)-1-エチル]-3-インドール酢酸(化合物#22)を得た。(60.3mg,収率91%):H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.01(s,1H),7.65(d,J=7.9Hz,1H),7.53-7.55(m,2H),7.29-7.41(m,7H),7.17(t,J=7.2Hz,1H),7.07-7.13(m,3H),3.91(t,J=7.5Hz,1H),2.71(t,J=7.7Hz,2H),2.39(m,2H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 180.3,141.8,141.3,141.2,136.1,128.8,128.7,127.4,127.4,127.2,126.4,124.9,122.4,122.3,119.8,119.3,112.9,111.3,42.2,33.8,33.7;IR(neat):3420,1699,1456,1216,1097cm-1;EI-MS:m/z
355[M]
[化合物#23の合成]
α-(2-フェニル-1-エチル)-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル
窒素雰囲気下、1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(300mg,1.213mmol),ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA,1.09g,6.067mmol)をテトラヒドロフラン(2ml)に溶かし、-78℃に冷却した。これにリチウムジイソプロピルアミド(LDA)の1.5Mシクロヘキサン溶液(1.21ml,1.5eq)を一滴ずつゆっくり滴下し、-78℃で0.5時間撹拌した。この反応液に1-ブロモ-2-フェニルエタン(292mg,1.577mmol)のテトラヒドロフラン(2ml)溶液を一滴ずつゆっくり滴下し、-78℃で1時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後0℃にし、水(10ml)を加え、反応を停止させ、酢酸エチル(10ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ベンゼン)で精製し、α-(2-フェニル-1-エチル)-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステルを得た。(228mg,収率54%):H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.18(d,J=6.0Hz,1H),7.57(s,1H),7.55(d,J=8.0Hz,1H),7.31(t,J=7.8Hz,1H),7.13-7.26(m,6H),3.94(s,3H),3.83(t,J=7.5Hz,1H),3.64(s,3H),2.66(t,J=7.8Hz,2H),2.35(m,2H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 173.8,151.2,140.9,135.4,129.3,128.4,128.3,126.0,124.8,123.1,122.9,119.3,119.0,115.2,53.7,52.0,41.8,33.5;EI-MS:m/z 351[M]
α-(2-フェニル-1-エチル)-3-インドール酢酸(化合物#23)
α-(2-フェニル-1-エチル)-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(150mg,0.427mmol)をメタノール(2ml)に溶かし、そこに2N水酸化ナトリウム水溶液(0.5ml)を加え、70℃で1.5時間撹拌した。TLCで反終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、溶媒を減圧留去した。水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=95:5)で精製し、α-(2-フェニル-1-エチル)-3-インドール酢酸(化合物#23)を得た。(85.3mg,収率72%):H NMR(400MHz,アセトン-d):δ 10.16(s,1H),7.67(d,J=8.0Hz,1H),7.40(d,J=8.1Hz,1H),7.09-7.32(m,7H),7.03(t,J=7.6Hz,1H),3.93(t,J=7.4Hz,1H),2.67(t,J=5.4Hz,2H),2.35(m,2H);13C NMR(100MHz,アセトン-d):δ 175.4,142.4,137.2,128.8,128.7,127.2,126.2,123.2,121.8,119.4,119.2,113.6,111.8,42.5,34.9,34.1;IR (neat):3416,1700,1457,1246,1098cm-1;FAB-MS:m/z 280[M+H]
[化合物#24の合成]
2-シクロペンチル-1-ヨードエタン
トリフェニルホスフィン(1.03g,3.942mmol)、イミダゾール(0.27g,3.937mmol)をジクロロメタン(5ml)に溶かし、5分撹拌した後、ヨウ素(1.0g,3.940mmol)を加え、10分撹拌した。そこに2-シクロペンチル-1-エタノール(0.3g,2.627mmol)のジクロロメタン(1ml)溶液を滴下し、室温で2時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、反応液をセライト濾過し、濾液に5%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えてヨウ素を除去した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、2-シクロペンチル-1-ヨードエタンを得た。(0.46g,収率84%)
1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル
インドール3-酢酸メチルエステル(2.00g,10.57mmol)をジクロロメ
タン30mlに溶かし、そこにテトラブチルアンモニウムヨージド(30.0mg,0.
081mmol)、30%水酸化ナトリウム水溶液24mlを加え、0℃に冷却した。反応液にクロロギ酸メチル(1.96g,20.73mmol)を加え、0℃で2時間撹拌
した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え、反応を停止させた。水50mlを加え、クロロホルム50mlで3回抽出し、有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:2)で精製し、1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステルを得た。(2.26g,収率87%):H NMR (400 M
Hz, CDCl): d 8.18 (d, J=7.0Hz, 1H), 7.59(s, 1H), 7.53(d, J=7.7Hz, 1H), 7.35(t, J=7.5Hz, 1H), 7.27(t, J=7.4Hz, 1H), 4.00(s, 3H), 3.72(s, 3H), 3.71(s, 2H); 13C-NMR (100 MHz, CDCl): d 171.1, 151.1, 135.2, 129.9, 124.6, 123.8, 122.8, 118.9, 115.0, 113.8, 53.5, 51.9, 30.6; EI-MS: m/z 247 [M]
α-(2-シクロペンチル-1-エチル)-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル
窒素雰囲気下、1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(150mg,0.607mmol)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(544mg,3.036mmol)を無水テトラヒドロフラン2mlに溶かし、-78℃に冷却した。これにリチウムジイソプロピルアミド(1.5Mシクロヘキサン溶液、0.61ml,1.5eq)を一滴ずつゆっくり滴下し、-78℃で0.5時間撹拌した。この反応液に2-シクロ
ペンチル-1-ヨードエタン(204mg,0.910mmol)の無水テトラヒドロフラン1ml溶液を一滴ずつゆっくり滴下し、-78℃で1時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、0℃にし、水5mlを加え、反応を停止させ、酢酸エチル5mlで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5)で精製し、α-(2-シクロペンチル-1-エチル)-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステルを得た。(151mg,収率72%): H NMR
(400 MHz, CDCl3): d 8.18 (d, J=6.8Hz, 1H),7.62 (d, J=7.7Hz, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.34 (t, J=7.4Hz, 1H), 7.26 (t, J=7.3Hz, 1H), 4.02(s, 3H), 3.79 (t, J=7.6Hz, 1H),
3.68 (s, 3H), 2.03 (m, 2H), 1.73 - 1.77
(m, 3H), 1.48 -1.58 (m, 4H), 1.34 (q, J=7.2Hz, 2H), 1.04 - 1.07 (m, 2H); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3):d 174.2, 151.3, 135.5, 129.5, 124.7, 122.9, 119.5, 119.3, 115.2, 53.7, 52.0, 42.8, 39.9,34.1, 32.6, 32.5, 31.4, 25.1; EI-MS: m/z 343 [M]
α-(2-シクロペンチル-1-エチル)-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(化合物#24)
α-(2-シクロペンチル-1-エチル)-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(100mg,0.291mmol)をメタノール(2ml)に溶かし、そこに2N水酸化ナトリウム水溶液(0.5ml)を加え、70℃で2.5時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、溶媒を減圧留去した。水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=95:5)で精製し、α-(2-シクロペンチル-1-エチル)-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(化合物#24)を得た。(78.5mg,収率99%):H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.19(s,1H),7.69(d,J=7.9Hz,1H),7.29(d,J=8.0Hz,1H),7.16(t,J=8.0Hz,1H),7.10(t,J=7.5Hz,1H),7.06(s,1H),3.83(t,J=7.6Hz,1H),2.01(m,2H),1.70-1.75(m,3H),1.45-1.55(m,4H),1.34-1.37(m,2H),0.98-1.03(m,2H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 180.7,136.1,126.5,122.2,122.0,119.5,119.2,113.4,111.2,43.1,39.9,34.1,32.5,31.6,25.1;IR (neat):3415,1703,1457,1339,1098cm-1;FAB-MS:m/z 294[M+Na]
[化合物#25の合成]
シクロペンチルヨードメタン
トリフェニルホスフィン(1.18g,4.491mmol)、イミダゾール(0.31g,4.495mmol)をジクロロメタン(5ml)に溶かし、5分撹拌した後、ヨウ素(1.14g,4.492mmol)を加え、10分撹拌した。そこにシクロペンチルメタノール(0.3g,2.995mmol)のジクロロメタン(1ml)溶液を滴下し、室温で2時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、反応液をセライト濾過し、濾液に5%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えてヨウ素を除去した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、シクロペンチルヨードメタンを得た。(0.53g,収率84%)
α-シクロペンチルメチル-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル
窒素雰囲気下、1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(150mg,0.607mmol),ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA,544mg,3.036mmol)をテトラヒドロフラン(2ml)に溶かし、-78℃に冷却した。これにリチウムジイソプロピルアミド(LDA)の1.5Mシクロヘキサン溶液(0.61ml,1.5eq)を一滴ずつゆっくり滴下し、-78℃で0.5時間撹拌した。この反応液にシクロペンチルヨードメタン(153mg,0.728mmol)のテトラヒドロフラン(1ml)溶液を一滴ずつゆっくり滴下し、-78℃で1時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後0℃にし、水(5ml)を加え、反応を停止させ、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=13:1)で精製し、α-シクロペンチルメチル-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステルを得た。(153mg,収率76%):H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.18(d,J=6.0Hz,1H),7.63(d,J=7.8Hz,1H),7.57(s,1H),7.32(t,J=7.4Hz,1H),7.25(t,J=7.4Hz,1H),3.99(s,3H),3.88(t,J=7.7Hz,1H),3.67(s,3H),2.05(m,2H),1.76-1.79(m,3H),1.59-1.62(m,2H),1.47-1.50(m,2H),1.12-1.17(m,2H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 174.1,151.1,135.4,129.4,124.6,122.8,119.4,119.2,115.1,53.6,51.9,41.7,38.5,37.9,32.5,32.3,24.9;EI-MS:m/z 329[M]
α-シクロペンチルメチル-3-インドール酢酸(化合物#25)
α-シクロペンチルメチル-1-メトキシカルボニル-3-インドール酢酸 メチルエステル(100mg,0.304mmol)をメタノール(2ml)に溶かし、そこに2N水酸化ナトリウム水溶液(0.5ml)を加え、70℃で2.5時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、溶媒を減圧留去した。水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=95:5)で精製し、α-シクロペンチルメチル-3-インドール酢酸(化合物#25)を得た。(58.3mg,収率75%);H NMR(400MHz,アセトン-d):δ 10.13(s,1H),7.70(d,J=7.8Hz,1H),7.38(d,J=8.1Hz,1H),7.28(s,1H),7.10(t,J=8.0Hz,1H),7.02(t,J=7.1Hz,1H),3.73(t,J=7.7Hz,1H),2.06(m,2H),1.78-1.83(m,3H),1.47-1.61(m,4H),1.17-1.20(m,2H);13C NMR(100MHz,アセトン-d):δ 175.8,137.3,127.4,123.1,121.8,119.5,119.2,114.1,111.9,42.4,39.6,38.7,32.9,32.9,25.3,25.3;IR (neat):3418,1699,1456,1339,1097cm-1;FAB-MS:m/z 258[M+H]
化合物#26~31は、Muro Fumihito et. al. “Discovery of trans-4-[1-[[2,5-Dichloro-4-(1-methyl-3-indolylcarboxamido)phenyl]acetyl]-(4S)-methoxy-(2S)-pyrrolidinylmethoxy]cyclohexanecarboxylic Acid: An Orally Active, Selective Very Late Antigen-4 Antagonist” Journal of Medicinal Chemistry, 52(24), 7974-7992; 2009.
に記載の方法に従って合成した。
[化合物#26の合成]
N-メチル-3-インドール酢酸 メチルエステル
3-インドール酢酸 メチルエステルを(200mg,1.1mmol)をN,N-ジ
メチルホルムアミド(3mL)に溶解し、水素化ナトリウム(60mg)を加えた。この溶液に、ヨウ化メチル(223mg、1.58mmol)を加えて、室温で6時間攪拌し
た。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製し、N-メチル-3-インドール酢酸
メチルエステルを得た。(140mg,収率65%);H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.60(d,J=7.9Hz,1H),7.29(d,J=8.2Hz,1H),7.23(dd,J=8.2,7.9Hz,1H),7.12(dd,J=8.2,7.9Hz,1H),7.03(s,1H),3.75(s,3H),3.77(s,2H),3.69(s,3H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ
172.6,136.9,127.7,121.7(2C),119.26,118.9,109.3,106.8,51.9,32.7,31.0.
N-メチル-3-インドール酢酸(化合物#26)
N-メチル-3-インドール酢酸 メチルエステル(120mg,0.59mmol)
を、テトラヒドロフラン(0.5ml)に溶かし、そこにメタノール(0.5ml)及び2N水酸化ナトリウム水溶液(0.25ml)を加え、50℃で3時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、溶媒を減圧留去した。水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)で精製し、N-メチル-3-インドール酢酸(化合物#26)を得た。(108mg,収率96%);H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.59(d,J=8.0Hz,1H),7.35
(d,J=8.1Hz,1H),7.18(s,1H),7.16(dd,J=7.0,6.1Hz,1H),7.04(dd,J=8.1,6.7Hz,1H),3.79(s,
3H),3.73(s,2H).13C NMR(100MHz,CDCl):δ 177.6,136.8,127.9,127.5,121.8,119.2,118.9,109.5,106.1,53.7,31.7.
[化合物#27の合成]
N-エチル-3-インドール酢酸 メチルエステル
3-インドール酢酸メチルエステルを(200mg,1.1mmol)をN,N-ジメ
チルホルムアミド(3mL)に溶解し、水素化ナトリウム(60mg)を加えた。この溶液に、ヨウ化エチル(246mg、1.58mmol)を加えて、室温で6時間攪拌した
。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製し、N-エチル-3-インドール酢酸メチルエステルを得た。(133mg,収率58%);H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.60(d,J=7.8Hz,1H),7.31(d,J=8.3Hz,1H),7.21(dd,J=8.3,7.8Hz,1H),7.11(dd,J=8.3,7.8Hz,1H),7.09(s,1H),4.11(q,J=7.3Hz,2H),3.76(s,2H),3.68(s,3H),1.43(t,J=7.3,3H);
C NMR(100MHz,CDCl):δ 172.6,160.8,135.9,127.8,125.9,121.6,119.0,109.3,51.9,40.8,31.1,15.4.
N-エチル-3-インドール酢酸(化合物#27)
N-メチル-3-インドール酢酸 メチルエステル(120mg,0.59mmol)を、テトラヒドロフラン(0.5ml)に溶かし、そこにメタノール(0.5ml)及び2N水酸化ナトリウム水溶液(0.25ml)を加え、50℃で3時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、溶媒を減圧留去した。水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)で精製し、N-メチル-3-インドール酢酸(化合物#27)を得た。(108mg,収率97%);H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.60(d,J=7.9Hz,1H),7.40
(d,J=8.2Hz,1H),7.25(s,1H),7.15(ddd,J=7.5,7.6Hz,1H),7.04(ddd,J=7.3,7.5Hz,1H),4.20(q,J=7.3Hz,2H),3.74(s,2H),1.39(t,J=7.3Hz,3H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 173.3,136.8,129.0,127.1,122.0,119.8,119.4,110.1,108.1,41.1,31.9,15.8.
[化合物#28の合成]
N-プロピル-3-インドール酢酸 メチルエステル
3-インドール酢酸 メチルエステルを(200mg,1.1mmol)をN,N-ジ
メチルホルムアミド(3mL)に溶解し、水素化ナトリウム(60mg)を加えた。この溶液に、ヨウ化プロピル(268mg、1.58mmol)を加えて、室温で6時間攪拌
した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)で精製し、N-プロピル-3-インドール酢酸 メチルエステルを得た。(136mg,収率56%);H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.60(d,J=7.8Hz,1H)7.31(d,J=8.3Hz,1H)7.21(dd,J=8.0,7.1Hz,1H)7.11(dd,J=7.7,6.9Hz,1H)7.08(s,1H)4.04(t,J=7.1Hz,2H)3
.77(s,2H)3.69(s,3H)1.86(m,2H)0.93(t,J=7.
3Hz,3H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 172.6,136.2,127.70,126.7,121.5,119.0,119.0,109.4,106.6,51.9,47.9,31.1,23.5,11.5.
N-プロピル-3-インドール酢酸(化合物#28)
N-プロピル-3-インドール酢酸 メチルエステル(120mg,0.52mmol
)を、テトラヒドロフラン(0.5ml)に溶かし、そこにメタノール(0.5ml)及び2N水酸化ナトリウム水溶液(0.25ml)を加え、50℃で3時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、溶媒を減圧留去した。水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)で精製し、N-プロピル-3-インドール酢酸(化合物#28)を得た。(103mg,収率98%);H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.60(d,J=8.0Hz,1H),7.
32(d,J=8.2Hz,1H),7.21(dd,J=7.2,8.0Hz,1H),7.11(dd,J=7.3,9.8Hz,1H),7.09(s,1H),4.04(
t,J=7.1,2H),3.79(s,2H),1.85(m,2H),0.92(t
,J=7.4Hz,3H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 177
.5,136.2,127.6,127.0,121.6,119.1,119.0,109.5,106.0,53.7,31.7,23.5,11.5.
[化合物#29の合成]
N-ブチル-3-インドール酢酸 メチルエステル
3-インドール酢酸 メチルエステルを(200mg,1.1mmol)をN,N-ジ
メチルホルムアミド(3mL)に溶解し、水素化ナトリウム(60mg)を加えた。この溶液に、ヨウ化ブチル(290mg、1.58mmol)を加えて、室温で6時間攪拌し
た。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)で精製し、N-ブチル-3-インドール酢酸
メチルエステルを得た。(137mg,収率53%);H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.60(d,J=7.8Hz,1H),7.32(d,J=8.2Hz,1H),7.21(dd,J=8.5,9.8Hz,1H),7.11(dd,J=9.7,7.4Hz,1H),7.08(s,1H),4.08(t,J=7.1Hz,2
H),3.77(s,2H),3.69(s,3H),1.80(m,2H),1.34(m,2H),0.93(t,J=7.4Hz,3H);13C NMR(100MHz
,CDCl):δ 172.6,136.2,127.7,126.7,121.5,119.0,119.0,109.4,106.7,51.9,46.0,32.3,31.1,20.2,13.7.
N-ブチル-3-インドール酢酸(化合物#29)
N-ブチル-3-インドール酢酸 メチルエステル(120mg,0.52mmol)
を、テトラヒドロフラン(0.5ml)に溶かし、そこにメタノール(0.5ml)及び2N水酸化ナトリウム水溶液(0.25ml)を加え、50℃で3時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、溶媒を減圧留去した。水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)で精製し、N-ブチル-3-インドール酢酸(化合物#29)を得た。(104mg,収率98%);H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.59(d,J=7.9Hz,1H),7.31
(d,J=8.2Hz,1H),7.20(dd,J=7.1,7.9Hz,1H),7.11(dd,J=7.3,7.5Hz,1H),7.07(s,1H),4.06(t,
J=7.2Hz,2H),3.78(s,2H),1.79(m,2H),1.33(m
,2H),0.92(t,J=7.4,3H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 178.0,136.1,127.6,126.9,121.6119.10,119.0,109.5,106.0,53.6,31.7,29.1,20.2,13.7.
[化合物#30の合成]
N-ヘキシル-3-インドール酢酸 メチルエステル
3-インドール酢酸 メチルエステルを(200mg,1.1mmol)をN,N-ジ
メチルホルムアミド(3mL)に溶解し、水素化ナトリウム(60mg)を加えた。この溶液に、ヨウ化ヘキシル(334mg、1.58mmol)を加えて、室温で6時間攪拌
した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)で精製し、N-ヘキシル-3-インドール酢酸 メチルエステルを得た。(147mg,収率51%);H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.60(d,J=7.8Hz,1H)7.31,(d,J=8.2Hz,1H),7.20(ddd,J=8.6,5.6Hz,1H),7.11(dd
d,J=8.0,7.3Hz,1H),7.08(s,2H),4.06(t,J=7.2Hz,2H),3.77(s,2H),3.69(s,3H),1.81(m,2H),1.30(m,6H),0.87(t,J=6.9Hz,3H);13C NMR(10
0MHz,CDCl):δ 172.6,136.1,127.7,126.7,121.5,119.0,119.0,109.4,106.6,51.9,46.3,31.4,31.1,30.2,22.6,22.5,14.0.
N-ヘキシル-3-インドール酢酸(化合物#30)
N-ヘキシル-3-インドール酢酸 メチルエステル(120mg,0.52mmol
)を、テトラヒドロフラン(0.5ml)に溶かし、そこにメタノール(0.5ml)及び2N水酸化ナトリウム水溶液(0.25ml)を加え、50℃で3時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、溶媒を減圧留去した。水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)で精製し、N-ヘキシル-3-インドール酢酸(化合物#30)を得た。(103mg,収率96%);H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.59(d,J=7.9Hz,1H),7.
31(d,J=8.2Hz,1H),7.20(ddd,J=7.9,7.3Hz,1H),7.20(ddd,J=7.4,7.7Hz,1H),7.07(1H,s,1H),
4.05(t,J=7.2Hz,2H),3.78(s,2H),1.81(m,2H)
,1.31(m,6H),0.88(t,J=6.3Hz,3H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 178.0,136.1,127.6,127.6,121.6,119.1,119.0,109.5,106.0,53.7,31.7,29.2,28.9,27.0,23.0,14.02.
[化合物#31の合成]
N-ヘプチル-3-インドール酢酸 メチルエステル
3-インドール酢酸 メチルエステルを(200mg,1.1mmol)をN,N-ジ
メチルホルムアミド(3mL)に溶解し、水素化ナトリウム(60mg)を加えた。この溶液に、ヨウ化ヘプチル(358mg、1.58mmol)を加えて、室温で6時間攪拌
した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)で精製し、N-ヘプチル-3-インドール酢酸 メチルエステルを得た。(148mg,収率49%);H NMR(400MHz,CDCl):δ 3.69(3H,s), 7.60(1H,d,J=7.8),7.31(1H,d,J=8.2)7.11(1H,dd,J=8.2,6.7),7.08
(1H,s),4.06(2H,t,J=7.1),3.77(2H,s)3.59(1H,dd,J=8.2,6.7),1.82(2H,m),1.29(8H,m),0.87(3H,t,J=7.1).;13C NMR(100MHz,CDCl):δ 172.57,136.16,127.70,126.66,121.54,118.98,118.98,109.43,106.64,51.89,46.31,31.67,31.11,30.24,28.89,26.96,22.55,14.02.
N-ヘプチル-3-インドール酢酸(化合物#31)
N-ヘプチル-3-インドール酢酸 メチルエステル(120mg,0.52mmol
)を、テトラヒドロフラン(0.5ml)に溶かし、そこにメタノール(0.5ml)及び2N水酸化ナトリウム水溶液(0.25ml)を加え、50℃で3時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、溶媒を減圧留去した。水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)で精製し、N-ヘプチル-3-インドール酢酸(化合物#31)を得た。(180mg,収率95%);H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.59 (1H,d,J=7.96), 7.31(1H,d,J=8.17), 7.21 (1H,ddd,J=8.49,6.73),7.11(1H,ddd,J=7.21,7.29),7.08(1H,S), 4.06(2H,t,J=7.25), 3.79 (2H,s) 1.81 (2H,m ) 1.29(8H,m ) 0.87(3H,t,J=6.83);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 177.81, 136.10, 127.55,126.85,121.62, 119.11, 118.94, 109.49,105.91,53.63,46.32,30.99,29.68,29.16, 26.64,22.49, 13.99.
化合物#33及び34はα-(7-ヒドロキシ-1-ナフタレニル)-酢酸 エチルエステルを鍵中間体として合成した。α-(7-ヒドロキシ-1-ナフタレニル)-酢酸 エチルエステルはE.Tsuda et. al., “Alkoxy-auxins are selective inhibitors of auxin transport mediated by PIN, ABCB, and AUX1 transporters” Journal of Biological Chemistry, 286(3), 2354-2364; 2011.に記載の方法に従って合成した。
[化合物#33の合成]
α-(7-ブトキシ-1-ナフタレニル)-酢酸 エチルエステル
α-(7-ヒドロキシ-1-ナフタレニル)-酢酸 エチルエステル(90mg,0.39mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(5ml)に溶解し、この溶液に、1-ヨードブタン(107mg,0.58mmol)を滴下し、炭酸セシウム(127mg,0.39mmol)を加え、室温で6時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、反応液に水(5ml)を加え、酢酸エチル(10ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)で精製し、α-(7-ブトキシ-1-ナフタレニル)-酢酸 エチルエステルを無色オイルとして得た。(92mg,収率83%);H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.71(d,J=8.9Hz,1H),7.35(d,J=6.9Hz,1H),7.67(d,J=8.1Hz,1H),7.27(d,J=2.3Hz,1H),7.25(dd,J=8.1,6.9Hz,1H),7.14 (q,J=8.9,2.3Hz,1H),4.12(q,J=7.1Hz,2H),4.07(t,J=6.6Hz、2H),3.97(s、2H),1.82(m、2H),1.53(m、2H),1.19(t、J=7.1Hz,3H),0.96(t,J=7.5Hz,3H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 171.5、157.4,133.2,130.0,129.3,129.1,128.3,127.6,123.0,118.5,103.2,67.6,60.8,39.5,31.2,19.2,14.1,13.8;IR(neat): 2958,1733,1510,1459,1210,1156cm-1;HREI-MS found m/z286.1556[M],calcd for 286.1569(C1822).
α-(7-ブトキシ-1-ナフタレニル)-酢酸(化合物#33)
α-(7-ブトキシ-1-ナフタレニル)-酢酸 エチルエステル(75mg,0.26mmol)をテトラヒドロフラン:メタノール:2M水酸化ナトリウム水溶液=2:2:1の混合溶液(1.5ml)に溶かし、室温で1時間撹拌した。TLCで反応終了を確
認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、溶媒を減圧留去した。水(5ml)を加え、酢酸エチル(10ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製しα-(7-ブトキシ-1-ナフタレニル)-酢酸(化合物#33)を得た。(67mg,収率98%):融点102~104℃;H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.75(d,J=8.9Hz,1H),7.71(d,J=8.1Hz,1H),7.34(d,J=6.9Hz,1H),7.26(dd,J=8.1,6.9Hz,1H),7.23(d,J=2.0Hz,1H),7.16(q,J=8.9,2.0Hz,1H),4.05(t,J=6.5Hz,2H),4.00(s,2H),1.51(m,2H),1.80(m,2H),0.98(t,J=7.4Hz,3H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 177.6,157.6,133.2,130.2,129.1,128.6,127.9(2C),123.0,118.7,103.1,67.7,39.2,31.2,19.3,13.8;IR(neat):3021,2931,1699,1457,1138cm-1;HREI-MS found m/z 258.1268[M],calcd for 258.1256(C1618).
[化合物#34の合成]
α-(7-ペントキシ-1-ナフタレニル)-酢酸 エチルエステル
α-(7-ヒドロキシ-1-ナフタレニル)-酢酸 エチルエステル(90mg,0.39mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(5ml)に溶解し、この溶液に、1-ヨードペンタン(116mg,0.58mmol)を滴下し、炭酸セシウム(127mg,0.39mmol)を加え、室温で6時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、反応液に水(5ml)を加え、酢酸エチル(10ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)で精製し、α-(7-ペントキシ-1-ナフタレニル)-酢酸 エチルエステルを無色オイルとして得た。(103mg,収率88%):H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.00(t,J=7.2Hz,3H),1.26(t,J=7.1Hz,3H),1.48(m,2H),1.55(m,2H),1.91(m,2H),4.03(s,2H),4.13(t,J=6.5Hz,2H),4.19(q,J=7.1Hz,2H),7.20(dd,J=8.9,2.5Hz,1H),7.31(dd,J=8.1,7.0Hz,1H),7
.33(d,J=2.5Hz,1H),7.41(d,J=7.0Hz,1H),7.74(d,J=8.1Hz,1H),7.78(d,J=8.9Hz,1H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 171.5,157.4,133.2,130.0,129.3,129.1,128.4,127.6,123.0,118.5,103.2,67.8,60.8,39.6,28.9,28.2,22.4,14.1,14.0;IR(neat):2969,1734,1509,1459,1160cm-1;HREI-MS found m/z 300.1727[M],calcd for 300.1725 (C1924).
α-(7-ペントキシ-1-ナフタレニル)-酢酸(化合物#34)
α-(7-ペントキシ-1-ナフタレニル)-酢酸 エチルエステル(90mg,0.30mmol)をテトラヒドロフラン:メタノール:2M水酸化ナトリウム水溶液=2:2:1の混合溶液(1.5ml)に溶かし、室温で1時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、溶媒を減圧留去した。水(5ml)を加え、酢酸エチル(10ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=6:1)で精製しα-(7-ペントキシ-1-ナフタレニル)-酢酸(化合物#34)を得た。(75mg,収率92%):融点104~106℃;H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.71(d,J=8.1Hz,1H),7.39(d,J=6.9Hz,1H),7.26(t,J=8.1,6.9Hz,1H),7.21(d,J=2.1Hz,1H),7.15(dd,J=8.9,2.1Hz,1H),4.03(t,J=6.5Hz,2H),4.00(s,2H),3.87(d,J=8.9Hz,1H),1.82(m,2H),1.45(m,2H),1.39(m,2H),0.93(t,J=7.1Hz,3H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 177.6,157.6,133.2,130.2,129.1,128.6,128.4,128.0,123.0,118.7,103.1,68.0,39.1,28.9,28.2,22.5,14.0;IR(neat
):3014,2945,1689,1463,1169cm-1;HREI-MS found m/z 272.1378[M], calcd for 272.1412 (C1720).
化合物#35~37は5-ヒドロキシ-3-インドール酢酸 メチルエステルを鍵中間体として合成した。
5-ヒドロキシ-3-インドール酢酸 メチルエステル
5-ヒドロキシ-3-インドール酢酸1.00gをメタノール(25ml)に溶かし、塩化アセチル1.0mlをゆっりと滴下し、室温で2時間攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、飽和重曹水溶液を加え反応を停止させ、溶媒を減圧留去した後、水(20ml)を加え、酢酸エチル(50ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:2)で精製し、5-ヒドロキシ-3-インドール酢酸 メチルエステルを得た。(1.05g,収率98%);H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.20(s,J=8.7Hz,1H),7.13(d,J=2.4Hz,1H),7.00(d,J=2.4Hz,1H),6.78(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),3.72(s,2H),3.70(s,3H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 172.6,149.6,131.4,127.9,124.2,112.1,111.9,103.4,107.8,52.0,31.2;IR(neat):3411,3000,2952,1728,1459,1459,1154cm-1;EI-MS m/z[M] 205,146;HREI-MS found m/z 205.0761[M],calcd for 205.0739(C1111NO).
[化合物#35の合成]
5-(3,5-ジメトキシベンジルオキシ)-3-インドール酢酸 メチルエステル
5-ヒドロキシ-3-インドール酢酸 メチルエステル(42.9mg,0.21mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)に溶かし、そこに3,5-ジメトキシベンジルブロミド(82.2mg,0.36mmol)を滴下し、別容器に取り分けておいたヨウ化テトラN-ブチルアンモニウム(83.0mg,2.00mmol),炭酸セシウム(136.37mg,0.42mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、飽和重曹水を加え反応を停止させ、酢酸エチル(50ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:2)で精製し、5-(3,5-ジメトキシベンジルオキシ)-3-インドール酢酸 メチルエステルを得た。(81.5mg,収率94%);H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.17(d,J=2.2Hz,1H),7.12(d,J=8.7Hz,1H),7.04(s,2H),6.92(dd,J=8.7,2.2Hz,1H),6.64(d,J=2.2,2H),6.41(t,J=2.2Hz,1H),5.13(s,2H),3.78(s,6H),3.72(s,2H),3.67(s,3H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 172.5,160.9(2C),153.2,140.0,131.4,124.0,127.5,113.0,111.9,107.9,105.2(2C),102.2,99.8,70.8,55.3(2C),51.9,31.2;IR(neat):3396,2948,1734,1449,1159cm-1
5-(3,5-ジメトキシベンジルオキシ)-3-インドール酢酸(化合物#35)
5-(3,5-ジメトキシベンジルオキシ)-3-インドール酢酸 メチルエステル(81.5mg,0.23mmol)を、テトラヒドロフラン(0.5ml)に溶かし、そこにメタノール(0.5ml)及び2N水酸化ナトリウム水溶液(0.25ml)を加え、室温で0.5時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、溶媒を減圧留去した。水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)で精製し、5-(3,5-ジメトキシベンジルオキシ)-3-インドール酢酸(化合物#35)を得た。(55.2mg,収率100%);融点146.1~148.6℃;H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.19(d,J=8.8Hz,1H),7.12(d,J=2.2Hz,1H),7.06(s,1H),6.92(dd,J=8.8,2.2Hz,1H),6.68(d,J=2.2Hz,2H),6.40(t,J=2.2Hz,1H),5.01(S,2H),3.77(S,6H),3.73(s,2H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 177.5,160.8(2C),153.3,140.0,131.4,127.5,124.1,113.1,112.0,107.4,105.3(2C),102.2,99.9,70.9,55.3(2C),31.1;IR(neat):3406,2957,2926,1702,1458,1155cm-1
[化合物#36の合成]
5-メトキシ-3-インドール酢酸 メチルエステル
5-ヒドロキシ-3-インドール酢酸 メチルエステル(99.3mg,0.48mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(2ml)に溶かし、そこにヨードメタン(206.2mg,1.45mmol)を滴下し、別容器に取り分けておいた炭酸カリウム(200.8mg,1.45mmol)を加え、室温で一晩攪拌し、続いて、80℃で4時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、10%重曹水20mlを加え、酢酸エチル(50ml)で抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)で精製し、5-メトキシ-3-インドール酢酸 メチルエステルを得た(58.6mg,収率55.2%);H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.22(1H,d.J=8.8),7.11(d,J=2.3Hz,1H),7.05(d,J=1.3Hz,1H),6.93(dd,J=8.8,2.3Hz,1H),3.70(s,3H),3.85(s,3H),3.74(s,2H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 172.5,154.2,131.2,127.6,123.8,112.5,111.9,108.1,100.6,55.9,51.9,31.2;IR(neat):3403,2951,1729,1486,1213,1154cm-1;EI-MS m/z[M] 219,160;HREI-MS found m/z 219.0886[M],calcd for 219.0895(C1213NO).
5-メトキシ-3-インドール酢酸(化合物#36)
[化合物#36の合成]
5-メトキシ-3-インドール酢酸 メチルエステル(60.0mg,0.27mmol)をメタノール(2ml)に溶かし、水酸化リチウム(19.7mg,0.82mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、溶媒を減圧留去した。水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製し、5-メトキシ-3-インドール酢酸(化合物#36)を得た。(15.3mg,収率27.2%);融点147.0~149.8℃;H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.28(d,J=8.8Hz,1H),7.26(s,1H),7.11(d,J=2.3Hz,1H),6.77(dd,J=8.8,2.3Hz,1H),3.80(s,3H),3.71(s,1H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 173.3,154.8,132.6,128.9,125.2,112.7,112.4,108.8,101.4,55.8,31.5;IR(neat):3359,2996,2851,1705,1456,1137cm-1;EI-MS m/z[M] 205(75%),160;HREI-MS found m/z 205.0737[M],calcd for 205.0739(C1111NO).
[化合物#37の合成]
5-エトキシ-3-インドール酢酸 メチルエステル
5-ヒドロキシ-3-インドール酢酸 メチルエステル(109.0mg,0.53mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(2ml)に溶かし、そこにヨードエタン(248.74mg,1.60mmol)を滴下し、別容器に取り分けておいた炭酸カリウム(220.5mg,1.60mmol)を加え、室温で2時間撹拌し、80度で4時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、10%重曹水20mlを加え、酢酸エチル(50ml)で抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後,シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)で精製し、5-エトキシ-3-インドール酢酸 メチルエステルを得た。(100.7mg,収率81.2%);H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.86(q,J=7.0Hz,2H),7.23(d,J=8.8Hz,1H),7.05(d,J=2.3Hz,1H),7.12(d,J=2.0Hz,1H),6.87(dd,J=8.8,2.3Hz,1H),3.75(s,2H),3.70(s,3H),1.45(t,J=7.0Hz,3H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 172.5,153.4,131.2,127.6,123.7,113.0,111.8,108.1,101.8,64.2,52.0,31.2,15.0;IR(neat):3404,2978,1729,1474,1211,1154cm-1;HREI-MS found m/z 233.1034[M],calcd for 233.1052(C1315NO).
5-エトキシ-3-インドール酢酸(化合物#37)
5-エトキシ-3-インドール酢酸 メチルエステル(90.2mg,0.27mmol)をメタノール(4ml)に溶かし、水酸化リチウム(13.9mg,0.58mmol)を加え室温で一晩撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、溶媒を減圧留去した。水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製し、5-エトキシ-3-インドール酢酸(化合物#37)を得た。(83.8mg,収率98.9%);融点86.0~92.7℃;H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.23(d,J=8.8Hz,1H),7.12(d,J=1.9Hz,1H),7.04(d,J=2.3Hz,1H),6.86(dd.J=8.8,2.3Hz,1H),4.09(q,J=7.0Hz,2H),3.80(s,2H),1.42(t,J=7.0Hz,3H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 177.4,153.5,131.2,127.5,124.0,113.2,111.9,107.7,101.7,64.2,31.1,15.0;IR(neat):3354,3066,2930,1695,1457,1112cm-1;EI-MS
m/z[M] 219,205(40%),190,174,162(70%),160(50%);HREI-MS found m/z 219.0886[M],calcd for 219.0895(C1213NO).
[化合物#38の合成]
5-(1-プロポキシ)-3-インドール酢酸 メチルエステル
5-ヒドロキシ-3-インドール酢酸 メチルエステル(108.4mg,0.53mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(2ml)に溶かし、そこにヨードプロパンを滴下し、別容器に取り分けておいた炭酸カリウム(219.3mg,1.59mmol)を加え室温2時間撹拌し、80℃で4時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、10%重曹水20mlを加え、酢酸エチル(50ml)で抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)で精製し、5-(1-プロポキシ)-3-インドール酢酸 メチルエステルを得た。(78.6mg,収率60.1%);融点38.6~41.0℃;H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.21(d,J=8.8Hz,1H),7.10(d,J=2.3Hz,1H),7.05(d,J=2.3Hz,1H),6.86(dd,J=8.8,2.3Hz,1H),4.01(t,J=6.7Hz,2H),3.74(s,2H),3.70(s,3H),1.82(m,2H),1.07(t,J=6.7Hz,3H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 172.5,153.6,131.2,127.6,123.7,113.0,111.8,108.0,101.7,70.4,52.0,31.2,22.8,10.6;IR(neat):3355,3061,2961,1695,1457,1126cm-1;EI-MS m/z[M] 247(70%),188(30%),149,131(75%);HREI-MS found m/z 247.1225[M],calcd for 247.1208(C1417NO).
5-(1-プロポキシ)-3-インドール酢酸(化合物#38)
5-(1-プロポキシ)-3-インドール酢酸 メチルエステル(64.3mg,0.26mmol)をメタノール(2ml)に溶かし、水酸化リチウム(9.35mg,0.39mmol)を加え、室温で4時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、溶媒を減圧留去した。水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製し、5-(1-プロポキシ)-3-インドール酢酸(化合物#38)を得た。(59.3mg,収率97.7%);融点133.6~136.8℃;H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.23(d,J=8.8Hz,1H),7.13(s,1H),7.04(d,J=2.2Hz,1H),6.87(dd,J=8.1,2.2Hz,1H),3.96(t,J=6.6Hz,2H),3.76(s,3H),1.82(m,2H),1.05(t.J=7.4Hz,3H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 177.4,153.7,131.2,127.5,123.9,113.2,111.9,107.5,101.7,70.4,31.0,22.8,10.6,10.6;IR(neat): 3407,2954,1728,1456,1213,1160cm-1;EI-MS m/z[M] 233,191(50%);HREI-MS found m/z 233.1043[M],calcd for 233.1052(C1215NO).
[化合物#39の合成]
5-(1-ブトキシ)-3-インドール酢酸 メチルエステル
5-ヒドロキシ-3-インドール酢酸 メチルエステル(108.4mg,0.53mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(2ml)に溶かし、そこにヨードブタンを滴下し、別容器に取り分けておいた炭酸カリウム(184.2mg,1.33mmol)を加え、80℃で4時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、10%重曹水(20ml)を加え、酢酸エチル(50ml)で抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)で精製し、5-(1-ブトキシ)-3-インドール酢酸 メチルエステルを得た。(140.2mg,収率80.5%);H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.21(d,J=7.2Hz,1H),7.10(d,J=2.3Hz,1H),7.05(d,J=2.3Hz,1H),6.86(dd,J=8.8,2.3Hz,1H),4.01(t,J=6.5Hz,2H),3.74(s,2H),3.70(s,3H),1.82(m,2H),1.52(m,2H),0.98(t,J=7.4Hz,3H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 172.5,153.6,131.2,127.6,123.7,113.0,111.8,108.0,101.7,68.5,51.9,31.9,31.2,19.3,13.9;IR(neat): 3355,2957,1694,1459,1127cm-1;HREI-MS found m/z 261.137[M],calcd for 261.1365(C1519NO).
5-(1-ブトキシ)-3-インドール酢酸(化合物#39)
5-(1-ブトキシ)-3-インドール酢酸 メチルエステル(91.0mg,0.35mmol)をメタノール(2ml)に溶かし、水酸化リチウム(12.5mg,0.52mmol)を加え、室温で6時間撹拌した。TLCで反応終了を確認した後、6N塩酸を加え酸性(pH=3~4)にし、溶媒を減圧留去した。水(5ml)を加え、酢酸エチル(5ml)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製し、5-(1-ブトキシ)-3-インドール酢酸(化合物#39)を得た。(43.8mg,収率51.0%);融点137.8~141.1℃;H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.24(d,J=8.8Hz,1H),7.14(s,1H),7.04(d,J=2.0Hz,1H),6.87(dd,J=8.8,2.0Hz,1H),4.01(t,J=6.6Hz,2H),3.76(s,2H),1.78(m,2H),1.05(t.J=7.4Hz,3H);13C NMR(100MHz,CDCl):δ 173.3,153.8,131.2,123.9,113.2,111.6,107.5,101.6,31.6,29.7,19.3,13.9;IR(neat): 3407,2954,1728,1456,1213,1160cm-1;EI-MS m/z[M] 247,191(60%);HREI-MS found m/z 247.1189[M],calcd for 247.1208(C1417NO).
[式(1)の化合物の合成]
4-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-(6-フルオロ-1H-インドール-3-イル)-4-オキソブタン酸(化合物(4-1))の合成
6-フルオロインドール(485mg,3.59mmol)を50mL丸底フラスコに入れた後、(E)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-オキソ-2-ブテン酸(508mg,2.39mmol)を加え、ベンゼン(20mL)で溶解し、80℃で7時間、加熱還流した。反応液に蒸留水(50mL)を加えたのち、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を食塩水(30mL)で洗浄してから、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧濃縮した。濃縮して得られた生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:アセトン=2:1)で精製した、4-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-(6-フルオロ-1H-インドール-3-イル)-4-オキソブタン酸(433mg,収率52%)を無色結晶で得た。
融点 210-214℃;
1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ 10.31 (s, 1H), 8.01 (m, 1H), 7.47 (dd, J=8.8, 5.2, 1H),7.34 (d, J=2.0, 2H), 7.12-7.20 (m, 3H), 6.92 (td, J=9.6, 2.4, 1H), 4.54 (dd, J=10.4, 4.0, 1H), 4.01 (ddd, J=18.8, 10.8, 3.2, 1H), 3.38 (td, J=18.8, 3.2, 1H);
13C-NMR (100MHz, CDCl3) δ 195.18, 174.85, 166.28 JC-F(dd, 254, 13 Hz), 163.42 JC-F (dd, 254, 13 Hz), 161.74, 159.4, 137.54 JC-F (d, 13 Hz), 133.47 JC-F(dd, 11,
3 Hz), 123.35 JC-F(d, 4Hz), 123.02 JC-F (dd, 13, 4 Hz), 120.97 JC-F (d, 11 Hz),
113.51, 112.94 JC-F (dd, 10, 2 Hz) , 108.27 JC-F (d, 24 Hz), 105.59 JC-F (t, 27
Hz), 98.27 JC-F (d, 26 Hz), 46.68 JC-F (d, 7Hz) ,38.47;
FAB-MS m/z = 348 [M+H]+
4-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-(5-フルオロ-1H-インドール-3-イル)-4-オキソブタン酸(化合物(3-1))の合成
5-フルオロインドール(925mg,6.85mmol)を50mL丸底フラスコに入れた後、(E)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-オキソ-2-ブテン酸(969mg,4.57mmol)を加え、ベンゼン(20mL)で溶解し、80℃で11時間、加熱還流した。反応液に蒸留水(50mL)を加えたのち、酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を食塩水(30mL)で洗浄してから、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧濃縮した。濃縮して得られた生成物を桐山ロートでろ過し、クロロホルムと酢酸エチルから再結晶を行い、4-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-(5-フルオロ-1H-インドール-3-イル)-4-オキソブタン酸(1122mg,収率71%)を無色結晶で得た。
融点 207-208℃;
1H-NMR(400MHz, acetone-d6) δ10.34 (s, 1H), 8.02 (m, 1H), 7.47 (dd, J=10.4, 2.8,
1H), 7.39-7.43 (m, 2H), 7.13-7.21 (m, 2H), 6.93 (td, J=9.2 , 2.8, 1H), 4.52 (dd, J=10.4, 3.6, 1H), 4.03 (ddd, 18.4, 10.8, 3.6, 1H), 3.40 (td, 18.4, 3.6, 1H); 13C-NMR (100MHz, acetone-d6) δ 195.17, 174.86, 166.52 JC-F(dd, 254, 13 Hz), 163.58 JC-F(dd, 254, 13 Hz), 159.52, 157.21, 134.25, 133.46 JC-F (dd, 11, 4 Hz), 127.66 JC-F(d, 11 Hz), 123.01 JC-F (dd, 10, 4 Hz), 113.42 JC-F (d, 5 Hz), 113.28
JC-F(d, 10 Hz), 113.51 JC-F (dd, 21, 4 Hz), 110.56 JC-F(d, 27 Hz), 105.61 JC-F
(t, 27 Hz), 104.65 JC-F (d, 24 Hz), 46.68 JC-F (d, 8Hz), 38.48;
FAB-MS m/z = 348 [M+H]+
2-(7-クロロ-1H-インドール-3-イル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-オキソブタン酸(化合物(5-1))の合成
7-クロロインドール(1094mg,5.16mmol)を50mL丸底フラスコに入れた後、(E)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-オキソ-2-ブテン酸(935mg,4.41mmol)を加え、ベンゼン(20mL)で溶解し、80℃で10時間、加熱還流した。反応液に蒸留水(50mL)を加えたのち、酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を食塩水(30mL)で2回洗浄してから、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧濃縮した。濃縮して得られた生成物を桐山ロートでろ過し、ベンゼンとアセトンから再結晶を行い、2-(7-クロロ-1H-インドール-3-イル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-オキソブタン酸(1017mg,収率54%)を無色結晶で得た。
融点 225-227℃;
1H-NMR(400MHz, acetone-d6) δ10.55 (s, 1H), 8.01 (m, 1H), 7.75 (d, J=8.4, 1H), 7.45 (d, J=2.8, 1H), 7.06-7.14 (m, 4H), 7.08 (t. J=7.6, 1H), 4.57 (dd, J=10.4 , 3.6, 1H), 4.03 (ddd, 18.4, 10.8, 3.6, 1H), 3.41 (td, 18.4, 3.6, 1H);
13C-NMR(100MHz, acetone-d6) δ195.06, 74.67, 166.53, JC-F(dd, 252, 12 Hz), 163.63 JC-F(dd, 252, 12 Hz), 134.45, 133.46 JC-F(dd, 11, 5 Hz), 129.25, 124.97, 122.98 JC-F(dd, 13, 4 Hz), 121.91, 120.84, 119.03, 117.22, 114.73, 112.99 JC-F(dd, 21, 3 Hz), 105.61 JC-F(t, 27 Hz), 46.71 JC-F (d, 8 Hz) , 38.50;
FAB-MS m/z = 364 [M+H]+
2-(5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-オキソブタン酸(化合物(3-2))の合成
5-クロロインドール(1000mg,6.61mmol)を50mL丸底フラスコに入れた後、(E)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-オキソ-2-ブテン酸(935mg,4.41mmol)を加え、ベンゼン(20mL)で溶解し、80℃で7時間、加熱還流した。反応液に、蒸留水(50mL)を加えたのち、酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を食塩水(30mL)で2回洗浄してから、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧濃縮した。濃縮して得られた生成物を桐山ロートでろ過し、ベンゼンとアセトンから再結晶を行い、2-(5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-オキソブタン酸(1084mg,収率63%)を淡黄色結晶で得た。
融点 236-239℃;
1H-NMR(400MHz, acetone-d6) δ10.45 (s, 1H), 8.02 (q, J=8.3, 1H), 7.80 (d, J=1.6,
1H), 7.44 (m, 2H), 7.11-7.22 (m, 3H), 4.54 (dd, J=10.4, 3.8, 1H), 4.01 (ddd, J=18.7, 10.7, 3.2, 1H), 3.41 (td, J=18.7, 3.2, 1H);
13C-NMR (100MHz, acetone-d6) δ195.10, 174.76, 166.52 JC-F(dd, 253, 12Hz), 163.62 JC-F(dd, 253, 12 Hz), 136.06, 133.44 JC-F(dd, 12, 4 Hz), 128.47, 125.62, 122.96 JC-F(dd, 13, 4 Hz), 122.48, 119.33, 113.77, 113.12, 112.96 JC-F(dd, 22, 3 Hz), 105.61 JC-F(t, 27 Hz), 46.72 JC-F (d, 8 Hz), 38.35;
FAB-MS m/z = 364 [M+H]+
2-(4-クロロ-1H-インドール-3-イル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-オキソブタン酸(化合物(2-1))の合成
4-クロロインドール(903mg,5.98mmol)を50mL丸底フラスコに入れた後、(E)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-オキソ-2-ブテン酸(842mg,3.97mmol)を加え、ベンゼン(20mL)で溶解し、80℃で7時間、加熱還流した。反応液に蒸留水(50mL)を加えたのち、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を食塩水(30mL)で洗浄してから、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧濃縮した。生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製した後、ベンゼンとアセトンから再結晶を行い、2-(4-クロロ-1H-インドール-3-イル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-オキソブタン酸(602mg,収率51%)を無色結晶で得た。
融点 203-204℃;
1H-NMR(400MHz, acetone-d6) δ10.24 (s, 1H), 8.01 (m, 1H), 7.77 (d, J=8.4, 1H), 7.42 (d, J=8.0, 1H), 7.21~7.03 (m, 4H), 4.57 (dd, J=10.8, 3.6, 1H), 4.03 (ddd 18.8, 10.8, 3.2, 1H), 3.38 (td, 18.8, 3.2, 1H);
13C-NMR (100MHz, acetone-d6) δ195.28, 174.97, 166.55 JC-F(dd, 254, 12 Hz), 163.62 JC-F(dd, 254, 12 Hz), 137.646, 137.49, 133.46 JC-F (dd, 11, 4 Hz), 127.37, 123.70, 123.54, 123.05 JC-F(dd, 13, 4 Hz), 122.39, 119.88, 119.79, 112.95 JC-F(dd, 22, 4 Hz), 105.58 JC-F (t, 26 Hz), 46.95 JC-F (d, 8 Hz), 38.47;
FAB-MS m/z = 364 [M+H]+
4-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-(5-メチル-1H-インドール-3-イル)-4-オキソブタン酸(化合物(3-3))の合成
5-メチルインドール(171mg,1.31mmol)を50mL丸底フラスコに入れた後、(E)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-オキソ-2-ブテン酸(185mg,0.87mmol)を加え、ベンゼン(20mL)で溶解し、80℃で7時間、加熱還流した。反応液に蒸留水(50mL)を加えたのち、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を食塩水(30mL)で洗浄してから、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧濃縮した。濃縮して得られた生成物を桐山ロートでろ過し、ベンゼンとアセトンから再結晶を行い、4-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-(5-メチル-1H-インドール-3-イル)-4-オキソブタン酸(200mg,収率67%)を無色結晶で得た。
融点200-202℃;
1H-NMR(400MHz, acetone-d6) δ10.10 (s, 1H), 8.01 (m, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.20-7.31 (m, 2H), 7.13-7.20 (m, 1H), 7.96 (d, J=6.8, 1H), 4.53 (dd, J=10.6, 3.6, 1H), 4.01 (ddd 18.8, 10.6, 3.2, 1H), 3.36 (td, 18.8, 3.2, 1H), 2.40 (s, 3H);
13C-NMR (100MHz, acetone-d6) δ195.33, 175.08, 166.54 JC-F(dd, 254, 12 Hz), 163.49 JC-F(dd, 254, 12 Hz), 136.01, 133.45 JC-F(dd, 11, 4 Hz), 128.59, 127.63, 124.02, 123.72, 123.05 JC-F (dd, 13, 4 Hz), 119.43, 112.94 JC-F(dd, 22, 4 Hz), 112.74, 112.03, 105.59 JC-F(t, 26 Hz), 47.01 JC-F(d, 7 Hz), 38.45, 21.64;
FAB-MS m/z = 344 [M+H]+
4-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-4-オキソブタン酸(化合物(6-1))の合成
1-メチルインドール(2512mg,19.17mmol)を50mL丸底フラスコに入れた後、(E)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-オキソ-2-ブテン酸(2710mg,12.78mmol)を加え、ベンゼン(20mL)で溶解し、80℃で1時間、加熱還流した。反応液に蒸留水(50mL)を加えたのち、酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を食塩水(30mL)で2回洗浄してから、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧濃縮した。濃縮して得られた生成物を桐山ロートでろ過し、ベンゼンとアセトンから再結晶を行い、4-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-4-オキソブタン酸(3898mg,収率89%)を無色結晶で得た。
融点 192-193℃
1H-NMR(400MHz, acetone-d6) δ 8.00 (m, 1H), 7.75 (d, J=7.6, 1H) , 7.37 (d, J=8.4, 1H), 7.12-7.22 (m, 4H), 7.07 (t, J=7.6, 1H), 4.54 (dd, J=10.8, 3.6, 1H), 4.00 (ddd, 18.8, 10.4, 3.6, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.36 (td, 18.8, 3.6, 1H);
13C-NMR (100MHz, acetone-d6) δ195.22, 174.94, 166.52 JC-F(dd, 253, 13 Hz), 163.57 JC-F(dd, 253, 13 Hz), 138.08, 133.46 JC-F(dd, 11, 4 Hz), 128.00, 127.79, 123.03 JC-F(dd, 13, 4 Hz), 122.36, 120.07, 119.72, 112.94 JC-F(d, 22, 4 Hz), 112.33, 110.32, 105.60 JC-F(t, 27 Hz), 47.01 JC-F(d, 8 Hz), 38.36, 32.72;
FAB-MS m/z = 344 [M+H]+
4-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-(7-メトキシ-1H-インドール-3-イル)-4-オキソブタン酸の(化合物(5-2))の合成
7-メトキシインドール(1083mg,7.36mmol)を50mL丸底フラスコに入れた後、(E)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-オキソ-2-ブテン酸(1041mg,4.90mmol)を加え、ベンゼン(20mL)で溶解し、80℃で14時間、加熱還流した。反応液に蒸留水(50mL)を加えたのち、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を食塩水(30mL)で洗浄してから、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧濃縮した。濃縮して得られた生成物を桐山ロートでろ過し、ベンゼンとアセトンから再結晶を行い、続いて、クロロホルムから再結晶を行って、4-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-(7-メトキシ-1H-インドール-3-イル)-4-オキソブタン酸(1179mg,収率67%)を無色結晶で得た。
融点 181-183℃;
1H-NMR(400MHz, acetone-d6) δ10.26 (s, 1H), 8.01 (m, 1H), 7.35 (d, J=8.0, 1H), 7.28 (d, J=2.8, 1H), 7.12-7.20 (m, 2H), 6.98 (t, J=7.8, 1H), 6.67 (d, J=7.8, 1H),
4.54 (dd, J=10.8, 3.6, 1H), 4.03 (ddd 18.8, 10.6, 3.3, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.36
(td, 18.6, 3.2, 1H);
13C-NMR (100MHz, acetone-d6) δ1195.28, 174.98, 166.54 JC-F(dd, 252, 12 Hz), 163.48 JC-F(dd, 252, 12 Hz), 147.35, 133.44 JC-F(dd, 11, 4 Hz), 128.81, 127.83, 123.22, 123.05 JC-F (dd, 13, 4 Hz) , 120.43, 113.76, 112.94 JC-F(dd, 22, 4 Hz), 112.7, 105.59 JC-F(t, 27 Hz), 102.52, 55.52, 46.97 JC-F(d, 8 Hz) , 38.59;
FAB-MS m/z = 360 [M+H]+
4-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)-4-オキソブタン酸(化合物(3-4))の合成
5-メトキシインドール(1166mg,7.93mmol)を50mL丸底フラスコに入れた後、(E)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-オキソ-2-ブテン酸を加え、ベンゼン(20mL)で溶解し、80℃で10時間、加熱還流した。反応液に蒸留水(50mL)を加えたのち、酢酸エチル(50mL)で2回抽出した。有機層を食塩水(30mL)で2回洗浄してから、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧濃縮した。濃縮して得られた生成物を桐山ロートでろ過し、ベンゼンとアセトンから再結晶を行い、続いて、クロロホルムから再結晶を行って、4-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)-4-オキソブタン酸(1478mg,収率75%)を無色結晶で得た。
融点 205-206℃;
1H-NMR(400MHz, acetone-d6) δ10.09 (s, 1H), 8.02 (m, 1H), 7.27-7.31 (m, 3H), 7.13-7.20 (m, 2H), 6.79 (dd, J=8.8, 2.4, 1H), 4.52 (dd, J=10.8, 3.6, 1H), 4.00 (ddd, 18.8, 10.4, 3.4, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.38 (td, 18.6, 3.4, 1H;
13C-NMR (100MHz, acetone-d6) δ195.35, 175.03, 166.53, JC-F(dd, 253, 12 Hz), 163.61 JC-F(dd, 253, 12 Hz), 154.84, 133.45 JC-F(dd, 11, 4 Hz), 132.72, 127.78, 124.22, 123.04 JC-F (dd, 12, 4 Hz), 112.95 JC-F (dd, 22, 4 Hz), 112.96, 112.68, 105.61 JC-F (t, 26 Hz), 101.58, 55.79, 46.9 JC-F(d, 8 Hz), 38.67;
FAB-MS m/z = 360 [M+H]+
2-(6-ベンジルオキシ-1H-インドール-3-イル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-オキソブタン酸(化合物(4-2))の合成
6-ベンジルオキシインドール(1255mg,5.62mmol)を50mL丸底フラスコに入れた後、(E)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-オキソ-2-ブテン酸(795mg,3.74mmol)を加え、ベンゼン(20mL)で溶解し、80℃で9時間、加熱還流した。反応液に蒸留水(50mL)を加えたのち、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を食塩水(30mL)で洗浄してから、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧濃縮した。濃縮して得られた生成物を桐山ロートでろ過し、クロロホルムから再結晶を行って、2-(6-ベンジルオキシ-1H-インドール-3-イル)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-オキソブタン酸(531mg,収率33%)を淡黄色結晶で得た。
融点 177-178℃;
1H-NMR(400MHz, acetone-d6) δ 10.0 4(s, 1H), 8.01 (m, 1H), 7.65 (d, J=8.8, 1H), 7.48 (d, J-7.6, 2H), 7.38 (t, J=7.2, 2H), 7.31 (m, 1H), 7.13-7.20 (m, 3H), 7.03 (d, J=2.0, 1H), 6.83 (dd, J=8.4 , 2.0, 1H), 4.51 (dd, J=10.4 , 3.6, 1H), 4.01 (ddd, 18.1, 10.4, 3.3, 1H), 3.36 (td, 18.1, 3.3, 1H);
13C-NMR (100MHz, acetone-d6) δ195.29, 175.00, 166.54 JC-F(dd, 254, 12 Hz), 163.52 JC-F(dd, 254, 12 Hz), 156.33, 138.85, 138.45, 133.45, JC-F (dd, 11, 4 Hz), 129.17, 128.37, 128.23, 123.01 JC-F(dd, 13, 4 Hz), 122.49, 121.97, 120.54, 113.24,
113.06 JC-F (dd, 21, 4 Hz), 110.73, 105.59 JC-F(t, 27 Hz), 96.89, 70.70, 46.94 JC-F(d, 8 Hz), 38.57;
FAB-MS m/z = 436 [M+H]+
[参考例1]
(E)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-オキソ-2-ブテン酸
本件化合物#1~10の合成で用いた(E)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-オキソ-2-ブテン酸は、以下のとおり合成した。すなわち、1,3-ジフルオロベンゼン(1300mg,11.39mmol)を100mL丸底フラスコに入れた後、無水マレイン酸(894mg,9.12mmol)を加え、ジクロロメタン(40mL)で溶解し、スターラーで撹拌した。撹拌しながら、無水塩化アルミニウム(2279mg,17.09mmol)を少しずつ投入して室温で6時間撹拌した。反応液を丸底フラスコの中の反応物を氷水(100mL)に入れて反応を停止させた後、水層を酢酸エチル(150mL)で抽出し、有機層を食塩水(100mL)で2回抽出操作をした後、有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水した後、減圧濃縮して固形物を得た。この固形物を温浴中でベンゼンと少量のアセトンで再結晶させて精製したところ、淡黄色結晶の(E)-4-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-オキソ-2-ブテン酸を収率48%で得た。
融点 136.0~139.0℃;
1H-NMR(400MHz, acetone-d6) δ 7.98 (m, 1H), 7.72 (dd, J=15.6 , 3.6, 1H), 7.20-7.28 (m, 2H), 6.75 (d, J=15.6, 2H);
13C-NMR(100MHz, acetone-d6) δ187.13, 166.86 JC-F(dd, 254, 12 Hz), 166.35, 163.33 JC-F(dd, 254, 12 Hz), 139.95 JC-F(d, 7 Hz), 133.98 JC-F (dd, 66, 59 Hz), 132.91, 123.22 JC-F(d, 9 Hz), 113.33 JC-F(dd, 22 , 3 Hz), 105.76, JC-F (t, 22 Hz)
以下の実施例2、3、及び5において、「m.1555A>G変異」細胞は、「m.1555A>G変異」を有する患者に皮膚生検を行って皮膚線維芽細胞を得た後、10%FBS(Fetal bovine serum)を含むDMEM(低グルコース)培養液(ナカライテスク社製)中で5%CO/20%O、37℃条件下で初代培養を行い、単離した。また、以下の実施例4及び5において、内耳の培養は、10%FBS(Fetal bovine serum)を含むDMEM(高グルコース)培養液中で5%CO/20%O、37℃条件下で行った。
2.本件化合物群が、酸化ストレス処理による難聴患者由来細胞の細胞死及び細胞障害を抑制する効果を有することの確認
「m.1555A>G変異」を有する患者は、難聴をきたすことが知られている(文献「Usami et al., J Med Genet. 2000 Jan;37(1):38-40.」参照)。また、酸化ストレスが騒音性難聴のなりやすさに関連していること(文献「Honkura et al., Sci Rep. 2016 Jan 18;6:19329. doi: 10.1038/srep19329」参照)や、酸化ストレスによる聴覚系細胞の細胞死及び細胞障害が、老人性難聴に関連していること(文献「日耳鼻 112:414-421,2009」参照)が知られている。そこで、本件化合物による難聴の予防又は改善効果を確認するために、酸化ストレス処理した「m.1555A>G変異」細胞を、本件化合物群存在下で培養したときに、細胞生存レベル及び細胞障害レベルが回復するか否かを解析した。
2-1 方法
〔1〕96ウェル細胞培養プレートに1ウェルあたり2000個の「m.1555A>G変異」細胞を撒いた後、24時間培養した。
〔2〕グルタチオン合成阻害剤BSO(L-Buthionine sulphoximine)(Sigma-Aldrich社製)を、100μMとなるように培養液中に混和し、24時間培養した(BSO処理群)。なお、コントロールとして「m.1555A>G変異」細胞をBSO非存在下で24時間培養した(対照処理群)。
〔3〕BSO処理群について、実施例1で合成した化合物#5を、各種濃度(0.3、1、3、10、及び30μM)となるように培養液中に混和し、48時間培養した(n=4)。なお、コントロールとして化合物#5非存在下(DMSOを0.01%となるように添加)で培養した。
〔4〕細胞生存レベルを、Cell Counting Kit-8(同仁化学研究所社製)を用いたMTTアッセイにより測定した。すなわち、各ウェルにCell Count Reagent SFを100μLずつ添加し、2時間インキュベートし、マイクロプレートリーダーで3秒間撹拌した後、吸光度450nm(リファレンス750nm)を測定した。また、細胞障害レベルは、Cytotoxicity LDH Assay Kit-WST(同仁化学研究所社製)を用いて細胞外に放出された乳酸脱水素酵素(LDH)活性を測定することにより検出した。すなわち、各ウェルに調製したWorking Solutionを100μLずつ添加し、30分間インキュベーションし、Stop Solutionを50μLずつ添加し、マイクロプレートリーダーで3秒間撹拌した後、吸光度490nm(リファレンス750nm)を測定した。
2-2 結果
まず、「m.1555A>G変異」細胞を、BSO存在下で培養すると(図1の「BSO処理群のDMSO」)、BSO非存在下で培養した場合(図1の「対照群」)と比べ、細胞生存レベルが低下し(図1A参照)、細胞障害レベルが上昇する(図1B参照)ことを確認した。次に、かかる条件で化合物#5を添加すると、細胞生存レベルの低下は、少なくとも1μMの濃度で抑制され、10μMの濃度では有意に抑制された(図1A参照)。また、細胞障害レベルの上昇は、少なくとも0.3μMの化合物#5存在下で抑制され、さらに、少なくとも1μMの化合物#5存在下では、対照群とほぼ変わらないレベルまで低下し、特に3μMの化合物#5存在下では有意差が認められた(図1B参照)。
これらの結果は、化合物#5等の本件化合物群は、難聴患者の酸化ストレスによる細胞死や細胞障害を抑制する効果を有することを示し、酸化ストレスに起因する難聴に対する予防又は改善効果が期待される。
3.本件化合物群が、薬剤処理による難聴患者由来細胞の細胞死を抑制する効果を有することの確認
「m.1555A>G変異」を有する患者は、薬剤に対して感受性が高く、容易に難聴(薬剤性難聴)をきたすことが知られている(文献「Prezant et al., Nat Genet. 1993 Jul;4(3):289-94.」参照)。そこで、本件化合物による難聴の予防又は改善効果を確認するために、「m.1555A>G変異」細胞を、薬剤とともに本件化合物群の存在下で培養したときに、細胞生存レベルが回復するか否かを解析した。
3-1 方法
〔1〕96ウェル細胞培養プレートに1ウェルあたり2000個の「m.1555A>G変異」細胞を撒いた後、24時間培養した。
〔2〕シスプラチン(ヤクルト社製)、又はゲンタマイシン(ナカライテスク社製)を、それぞれ100μM、及び2000μMとなるように培養液中に混和し、さらに、実施例1で合成した化合物#5を、各種濃度(1及び10μM)となるように培養液中に混和し、24時間培養した(シスプラチン処理群、及びゲンタマイシン処理群)。なお、コントロールとして「m.1555A>G変異」細胞をシスプラチン非存在下(対照群)や、シスプラチン処理群において化合物#5非存在下(DMSOを0.01%となるように添加)で24時間培養した。
〔3〕細胞生存レベルを、Cell Counting Kit-8(同仁化学研究所社製)を用いたMTTアッセイにより測定した。すなわち、各ウェルにCell Count Reagent SFを100μLずつ添加し、2時間インキュベートし、マイクロプレートリーダーで3秒間撹拌した後、吸光度450nm(リファレンス750nm)を測定した。
3-2 結果
まず、「m.1555A>G変異」細胞を、シスプラチン又はゲンタマイシン存在下で培養すると(図2Aの「シスプラチン処理群のDMSO」、及び図2Bの「ゲンタマイシン処理群のDMSO」)、シスプラチン又はゲンタマイシン非存在下で培養した場合(図2A及び2Bの「対照群」)と比べ、細胞生存レベルが低下することを確認した(図2A及び2B参照)。次に、かかる条件で化合物#5を添加すると、シスプラチン処理による細胞生存レベルの低下は、少なくとも1~10μMの濃度で有意に抑制された(図2A参照)。また、ゲンタマイシンによる細胞生存レベルの低下についても、少なくとも1μMの化合物#5で抑制され、10μMの化合物#5では優位に抑制された(図2B参照)。
これらの結果は、化合物#5等の本件化合物群は、難聴患者の薬剤(例えば、シスプラチン、ゲンタマイシン)による細胞死を抑制する効果を有することを示し、薬剤性難聴に対する予防又は改善効果が期待される。
4.本件化合物群が、薬剤処理による内耳細胞の細胞死を抑制する効果を有することの確認
本件化合物群が、薬剤処理による内耳細胞の細胞死を抑制する効果を有することを確認するために、マウスから内耳を単離し、薬剤とともに本件化合物群の存在下で培養したときに、内耳細胞の生存レベルが回復するか否かを解析した。
4-1 方法
実験は、薬剤(シスプラチン)濃度を変えた場合と、本件化合物群(化合物#5)濃度を変えた場合の2つの実験を行った。
(薬剤濃度を変えた場合)
〔1〕生後3日目のC57BL/6Jマウス(以下、「P3マウス」という)の内耳を単離し、培養液中で24時間培養した。
〔2〕シスプラチンを、各種濃度(0、5、7.5、10、15、及び20μM)となるように培養液中に混和し、さらに実施例1で合成した化合物#5を、10μMとなるように培養液中に混和し、48時間培養した(化合物#5処理群)。なお、コントロールとして、内耳を、上記各種濃度のシスプラチンを含み、かつ化合物#5を含まない(0.01%のDMSOを含む)培養液中で、48時間培養した(DMSO処理群)。
〔3〕培養後のサンプルを、4%パラホルムアルデヒド(PFA)溶液中に、室温で2時間固定処理し、0.3% Triton X-100を含むTris緩衝液(TBS)中に、室温で10分間浸した後、遮光条件下の室温で30分間、ローダミン標識したファロイジン(1:100、Invitrogen社製)によりF-アクチンを染色した。その後、0.3% Triton X-100を含むTBS(TBST)溶液を用いた5分間の洗浄を2回行い、蛍光顕微鏡(BZ-9000、Keyence社製)で撮影し、BZ-H1ソフトウェア(Keyence社製)を用いて観察した。得られた画像から、頂回転、中回転、及び基底回転の各部位に相当する各々200μmずつの形態が保たれている細胞数と損傷細胞数を計測し、蝸牛の3部(頂部、中部、及び基底部)における外有毛細胞及び内有毛細胞の生存率(%)を算出した。
(本件化合物群濃度を変えた場合)
〔1〕P3マウスの内耳を単離し、培養液中で24時間培養した。
〔2〕シスプラチンを、10μMとなるように培養液中に混和し、さらに実施例1で合成した化合物#5を、各種濃度(0、1、5、10、及び50μM)となるように培養液中に混和し、48時間培養した。
〔3〕上記(薬剤濃度の変えた場合)の〔3〕に記載の方法により、組織学的に蝸牛の3部(頂部、中部、及び基底部)における外有毛細胞及び内有毛細胞の生存率(%)を算出した。
4-2 結果
(薬剤濃度を変えた場合)
DMSO処理群における外有毛細胞の生存率は、シスプラチンの濃度依存的に低下することを確認した(図3A~C参照)。一方、化合物#5処理群における外有毛細胞の生存率は、DMSO処理群と比べ上昇することが示された(図3A~C参照)。この結果は、化合物#5等の本件化合物群は、シスプラチン等の薬剤処理による内耳細胞の細胞死を抑制する効果を有することを示している。なお、内有毛細胞の生存率については、そもそもDMSO処理群において、シスプラチンによる細胞生存率低下がほとんど認められなかったため、化合物#5処理群との違いはほとんど認められなかった(図3D~F参照)。
(本件化合物群濃度を変えた場合)
外有毛細胞の生存率は、化合物#5の濃度依存的に上昇することが示された(図4A~C参照)。この結果から、化合物#5等の本件化合物群は、シスプラチン等の薬剤処理による内耳細胞の細胞死を、濃度依存的に抑制できることを示している。なお、内有毛細胞の生存率については、そもそもシスプラチンによる細胞生存率低下がほとんど認められなかったため、化合物#5の濃度の違いによる生存率の変化はほとんど認められなかった(図4D~F参照)。
5.本件化合物群が、難聴患者由来細胞及び内耳細胞におけるATP産生量を増加させる効果を有することの確認
本件化合物群による難聴患者由来細胞及び内耳細胞の細胞死抑制効果のメカニズムを解析するために、「m.1555A>G変異」細胞及び内耳細胞を化合物#5存在下で培養し、ATP産生量を測定した。
5-1 方法
(難聴患者由来細胞について)
〔1〕96ウェル細胞培養プレートに1ウェルあたり3000個の「m.1555A>G変異」細胞を撒いた後、24時間培養した。
〔2〕実施例1で合成した化合物#5を、10μMとなるように培養液中に混和し、12時間培養した(化合物処理群)。なお、コントロールとして「m.1555A>G変異」細胞を化合物#5非存在下の培養液中(対照群)や、0.01%のDMSOを含む培養液中(DMSO処理群)で12時間培養した。
〔3〕培養液中のATP濃度は、「細胞の」ATP測定試薬(東洋ビーネット社製)により測定した。
(内耳細胞について)
〔1〕P3マウスの内耳を単離し、培養液中で24時間培養した。
〔2〕実施例1で合成した化合物#5を、10μMとなるように培養液中に混和し、各種時間(3時間、6時間、及び12時間)培養した。なお、内耳細胞は分裂・増殖しないため、解剖摘出後、徐々に弱っていくことを考慮して、摘出後36時間の時点でATP産生量が測定できるように、化合物#5を添加する時期を調整した。
〔3〕培養液中のATP濃度は、「細胞の」ATP測定試薬(東洋ビーネット社製)により測定した。
5-2 結果
「m.1555A>G変異」細胞及び内耳細胞のいずれにおいても、化合物#5存在下で培養することにより、ATP産生量が増加することが示された(図5A及び5Bの「3時間の結果」参照)。この結果は、化合物#5等の本件化合物群が、難聴患者由来細胞及び内耳細胞におけるATP産生量を増加させた結果、酸化ストレスや薬剤処理によるこれら細胞の細胞死が抑制されたことを示唆している。また、「m.1555A>G変異」以外の他の遺伝性疾患(POU4F3遺伝子変異、MELAS[m.3243A>G変異]、及びアルポート症候群)に起因する難聴患者由来の皮膚細胞においても、「m.1555A>G変異」細胞と同様の効果が確認された。
6.本件化合物群が、聴力障害の改善効果を有することの確認1
ミトコンドリア内膜に存在する呼吸鎖複合体Iの構成タンパク質であるNdufs4(NADH dehydrogenase iron-sulfur protein 4)をノックアウトしたマウス(Ndufs4 KOマウス)から、60日齢の時点で蝸牛組織を単離し、4%PFA固定パラフィン包埋標本を作製した後、ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色し、ラセン神経節の細胞数を計測した(n=4)。その結果、「聴くこと」を司るラセン神経節細胞の密度が、野生型マウスや、Ndufs4のヘテロ欠損型マウス(Ndufs4 ヘテロKOマウス)と比べ、有意に小さいことが示された(図6参照)。この結果は、Ndufs4 KOマウスは、内耳(特に、蝸牛)の機能低下に起因する難聴、すなわち、内耳性(蝸牛性)難聴を発症している可能性を示唆している。そこで、本件化合物による難聴の予防又は改善効果を確認するために、Ndufs4 KOマウスに本件化合物群を投与し、聴力障害レベルが回復するか否かを解析した。
6-1 方法
Ndufs4 KOマウス(Ndufs4遺伝子の第二エクソンが、loxP配列で挟まれたNeoで置換されたことによる変異マウス)は、Jacson Laboratoryより購入した。マウスの遺伝的背景はC57BL/6とし、60日齢(体重10~13g)を用いた。28日齢~60日齢までの間、実施例1で合成した化合物#5(1mg/体重kg/日)を、Ndufs4 KOマウスに経口投与し(Ndufs4 KOマウス投与群、n=5)、60日齢の時点で、化合物#5投与群の聴力を聴性脳幹反応(ABR)により評価した。なお、コントロールとして、化合物#5未投与のNdufs4 KOマウス(Ndufs4 KOマウス未投与群、n=4)、化合物#5未投与の野生型マウス(野生型マウス未投与群、n=3)、及び化合物#5未投与のNdufs4 ヘテロKOマウス(Ndufs4 ヘテロKOマウス未投与群、n=4)の聴力を、60日齢の時点でABRにより評価した。なお、聴力測定の際、ケタミン(100mg/体重kg)、キシラジン(20mg/体重kg)の混合液を、マウスの腹腔内注射により麻酔した。また、ABRは、TDT System 3 ワークステーション及びBioSigRPソフトウェア(Tucker-Davis Technologies社製)を用いて解析した。各周波数(4、8、12、16、及び32kHz)のトーンバースト音に対する誘発反応の加算平均(1000回)を記録した。刺激音は、各周波数、100dB SPL(Sound Pressure Level)から10dB SPLまで5dB間隔で提示した。ABRの閾値は、少なくとも1つの波形が再現性を持って確認される最小の音圧閾値とした。
6-2 結果
Ndufs4 KOマウス未投与群におけるABR閾値は、野生型マウス未投与群やNdufs4 ヘテロKOマウス未投与群におけるABR閾値と比べ、上昇することが示された(図7参照)。この結果は、Ndufs4 KOマウスの聴力が低下していることを示している。一方、Ndufs4 KOマウス投与群におけるABR閾値は、Ndufs4 KOマウス未投与群におけるABR閾値と比べ、低下することが示された(図7参照)。この結果は、化合物#5をNdufs4 KOマウスに投与すると、ABR閾値の上昇レベルは低下することが示された(図7参照)。この結果は、Ndufs4 KOマウスの聴力低下は、化合物#5を投与することにより軽減することを示している。遺伝子疾患であるNdufs4 KOマウスの聴力低下は、内耳の機能低下に起因し、加齢とともに発症することから、本件化合物群は、遺伝子疾患、内耳の機能低下、及び加齢に起因する難聴に対して有効である。
7.本件化合物群が、聴力障害の改善効果を有することの確認2
7-1 方法
Ndufs4 KOマウスと、その同腹の野生型マウス(リターメイト野生型マウス)用い、実施例6の「6-1」の項目に記載の方法にしたがって、化合物#5未投与のリターメイト野生型マウス(野生型マウス未投与群、n=5)、化合物#5未投与のNdufs4 KOマウス(Ndufs4 KOマウス未投与群、n=5)、及び化合物#5投与のNdufs4 KOマウス(Ndufs4 KOマウス投与群、n=5)の聴力を、28日齢及び60日齢の時点でABRにより評価した。
7-2 結果
Ndufs4 KOマウス未投与群のABR閾値は、28日齢の時点では、野生型マウス未投与群のABR閾値と同レベルであることが示された(図8A参照)。この結果は、比較的若い時期のNdufs4 KOマウスの聴力は、正常であることを示している。
一方、60日齢の時点においては、Ndufs4 KOマウス未投与群のABR閾値は、野生型マウス未投与群のABR閾値と比べ、上昇したのに対して、Ndufs4 KOマウス投与群のABR閾値は、Ndufs4 KOマウス未投与群のABR閾値と比べ、低下することが示された(図8B及び8C参照)。この結果は、Ndufs4 KOマウスの聴力低下は、化合物#5を投与することより軽減することを示し、上記実施例6の結果が再現された。
8.本件化合物群が、聴力障害の改善効果を有することの確認3
8-1 方法
化合物#5の投与量(1mg/体重kg/日)を、0.3mg/体重kg/日へ減らし、実施例6の「6-1」の項目に記載の方法にしたがって、化合物#5未投与のリターメイト野生型マウス(野生型マウス未投与群、n=4)、化合物#5未投与のNdufs4 KOマウス(Ndufs4 KOマウス未投与群、n=4)、及び化合物#5投与のNdufs4 KOマウス(Ndufs4 KOマウス投与群、n=4)の聴力を、28日齢及び64日齢の時点でABRにより評価した。
8-2 結果
実施例7に示す結果と同様に、28日齢の時点では、野生型マウス未投与群とNdufs4 KOマウス未投与群との間でABR閾値にほとんど違いは認められなかったが、60日齢の時点においては、Ndufs4 KOマウス未投与群のABR閾値は、野生型マウス未投与群のABR閾値と比べ、上昇したのに対して、Ndufs4 KOマウス投与群のABR閾値は、Ndufs4 KOマウス未投与群のABR閾値と比べ、低下することが示された(図9B及び8C参照)。この結果は、化合物#5の投与量(1mg/体重kg/日)を、0.3mg/体重kg/日へ減らした場合でも同様に、化合物#5による聴力低下の軽減効果が認められることを示している。
9.本件化合物群が、聴力障害の改善効果を有することの確認4
次に、本件化合物による難聴の予防又は改善効果を確認するために、強大音響を曝露し、短期聴力障害を誘発したマウスに本件化合物群を投与し、聴力障害レベルが回復するか否かを解析した。
9-1 方法
2カ月齢の野生型オスマウス(C57BL/6)を、3種類の群(野生型マウス未投与群、野生型マウス投与(1)群、及び野生型マウス投与(10)群)にそれぞれ6匹ずつ分けた。野生型マウス投与(1)群には、化合物#5(1mg/体重kg/日)を1週間経口投与し、野生型マウス投与(10)群には、化合物#5(10mg/体重kg/日)を1週間経口投与した。なお、野生型マウス未投与群には、化合物#5を投与しなかった。1週間の経口投与後、それぞれの群のマウスを、覚醒状態で強大音響曝露用チャンバーに入れ、音圧レベル100dB SPL、8~16kHzのオクターブバンドノイズを、2時間曝露した。ノイズは、ノイズジェネレーター(SF-06、Random Noise Generator;RION社製)で生成した後、アンプ(D-75A;Crown社製)で増幅し、オーディオフィルター(Multifunction Filter;NF Corporation社製)で周波数帯域を設定し、チャンバー内の天井中央に取り付けたスピーカー(2446H;JBL社製)により出力した。音圧レベルは、実験ごとに音圧測定装置(2250L;Bruel & Kjar社製)で測定し、確認した。強大音響曝露前と、曝露4時間後に、実施例6の「6-1」の項目に記載の方法に従って、ABRにより聴力を評価した。
9-2 結果
強大音響曝露前のABR閾値は、上記3種類の群の間で違いは認められなかった(図10A参照)。一方、強大音響曝露4時間後のABR閾値については、野生型マウス未投与群と比べ、野生型マウス投与(1)群及び野生型マウス投与(10)群の方が低下することが示された(図10B参照)。また、強大音響曝露前後のABR閾値変化量は、野生型マウス未投与群と比べ、野生型マウス投与(1)群及び野生型マウス投与(10)群の方が減少することが示された(図10C参照)。
これらの結果は、強大音響曝露により誘発した短期聴力障害を、化合物#5を投与することより軽減することを示している。このため、本件化合物群は、特に騒音に起因する難聴に対して有用である。
本発明は、難聴の予防又は改善(治療)に資するものである。

Claims (2)

  1. 以下の一般式(I);
    [式中、Rは、ベンゼン環が非置換のベンゾイルメチル基であるか、あるいはベンゼン環が炭素数1~7のアルキル基、炭素数1~7のアルコキシル基、フッ素及び/又は塩素で置換されたベンゾイルメチル基を表し、Z 、Z、Z、Zは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1~C6のアルキル基、C2~C6のアルケニル基、C2~C6のアルキニル基、ORで表される有機オキシ基を表し、Rは、C1~C7のアルキル基、C2~C6のアルケニル基、C2~C6のアルキニル基を表し、Zは、水素原子又はC1~C6のアルキル基を表し、RはOH、OR、NHR及びNRのいずれか一つから選ばれる基であり、R及びRは同一又は異なって、置換若しくは非置換の炭素数1~4のアルキル基である。
    で表される化合物、並びに、RがOHのときそれらの医薬的に許容される塩からなる群から選択される1種又は2種以上の化合物を含む、難聴の予防又は改善剤であって、前記難聴が、騒音性難聴又は加齢性難聴である、前記予防又は改善剤
  2. 化合物が、以下の式(I-2)で表される化合物若しくはその医薬的に許容される塩である、請求項1に記載の予防又は改善剤。
    式(I-2);
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