以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、明細書および図面において、同一の構成要素または対応する構成要素には、同一の符号を付し、重複する説明を繰り返さない。また、図面では、説明の便宜上、構成を省略または簡略化している場合もある。
<仕分け棚ユニットの構成>
まず本開示の一実施の形態に係る物品仕分けシステムの仕分け棚ユニットの構成について図1~図5を用いて説明する。
図1、図2および図3は、一実施の形態に係る物品仕分けシステムの仕分け棚ユニットの構成を示す斜視図、正面図および側面図である。図4は、図2の仕分け棚ユニットのトレイと表示DRとを拡大して示す拡大正面図である。図5は、図1の仕分け棚ユニットに用いられる検知部の構成および動作を説明するための図である。
図1に示されるように、一実施の形態に係る物品仕分けシステムは、複数の発注先からの発注に基づいて物品を仕分ける物品仕分けシステムである。この物品仕分けシステムは、複数(たとえば2つ)の物品仕分け棚ユニット10を有している。
複数の物品仕分け棚ユニット10の各々は、複数の棚1a、1b、1cと、トレイ供給用棚2と、複数のトレイ11と、指示部3a~3c、4と、コントローラ5と、センサー6と、プロジェクター台8とを主に有している。
複数の棚1a、1b、1cおよびトレイ供給用棚2は、上下方向に積層されており、多段の棚を構成している。棚1aは、多段の棚の最上部に配置されている。棚1aの下には棚1bが配置され、棚1bの下には棚1cが配置されている。また棚1cの下にはトレイ供給用棚2が配置されている。
複数の棚1a~1cの各々には、複数のトレイ11が配置されている。棚1aには、たとえば8個のトレイ11が配置されている。また棚1b、棚1c、トレイ供給用棚2の各々にも、たとえば8個のトレイ11が配置されている。これにより複数のトレイ11は、横方向(X方向)および縦方向(Y方向)の双方に並ぶことにより行列状に配置されている。
複数の棚1a~1cの各々に配置されたトレイ11は、発注に基づいて物品を投入されるものである。トレイ供給用棚2に配置されたトレイ11は、棚1a~1cに配置されたトレイ11の棚1a~1cからの搬出が完了した後に、棚1a~1cに新たに配置供給するためのものである。
指示部3a~3c、4は、複数の投影看板3a~3c(表示部)と、プロジェクター4とを有している。
投影看板3aは、棚1aの上方に配置されている。投影看板3bは、棚1aの前方であって棚1bの上方に配置されている。投影看板3cは、棚1bの前方であって棚1cの上方に配置されている。投影看板3a~3cの各々は、物品仕分け棚ユニット10の幅方向(X方向)のほぼ全体に亘って延びている。
図2に示されるように、プロジェクター4は、プロジェクター台8により支持されている。プロジェクター4は、投影看板3aと間隔を開けて投影看板3aの上方に配置されている。プロジェクター4は、物品仕分け棚ユニット10の幅方向の中央に配置されている。
プロジェクター4は、たとえば破線で囲まれた領域PRの範囲内へ投射可能である。具体的にはプロジェクター4は、複数の投影看板3a~3cを含む領域内に投射可能である。複数のトレイ11が配置される領域の幅寸法は、1つのプロジェクター4により投射可能な範囲(領域PR)の幅寸法以下である。
図4に示されるように、投影看板3aは、棚1aに配置された複数のトレイ11の各々の配置位置に対応して位置づけられた複数の表示DRを有している。投影看板3bは、棚1bに配置された複数のトレイ11の各々の配置位置に対応して位置づけられた複数の表示DRを有している。投影看板3cは、棚1cに配置された複数のトレイ11の各々の配置位置に対応して位置づけられた複数の表示DRを有している。
複数のトレイ11の各々の上方に、複数のトレイ11の各々に対応した表示DRが配置されている。具体的には、トレイ11Aに対応した表示はトレイ11Aの上方に配置された表示DRAであり、トレイ11Bに対応した表示はトレイ11Bの上方に配置された表示DRBであり、トレイ11Cに対応した表示はトレイ11Cの上方に配置された表示DRCである。
図1および図4に示されるように、プロジェクター4は、複数の表示DRの各々に表示内容を投射可能である。プロジェクター4は、複数の表示DRの1つにのみ選択的に表示内容を表示することが可能である。プロジェクター4は、複数の表示DRの2つ以上またはすべてに表示内容を表示することも可能である。
図1に示されるように、センサー6は、複数の棚1a~1cおよびトレイ供給用棚2の前方に配置されている。センサー6は、たとえば矩形の枠形状を有している。物品仕分け棚ユニット10を前方から後方へ向けて見た視点(正面視)において、物品仕分け棚ユニット10に配置される複数のトレイ11のすべてがセンサー6の矩形の枠の中に位置している。
センサー6は、上辺部6Aと、下辺部6Bと、左辺部6Cと、右辺部6Dとを有している。上辺部6Aおよび左辺部6Cの各々は、発光素子と、受光素子とを有している。下辺部6Bおよび右辺部6Dの各々は、反射部材を有している。
図5に示されるように、上辺部6Aの発光素子から矢印A1に示すように下辺部6Bに向けて発せられた光は、下辺部6Bの反射部材で反射されて、矢印A2に示すように上辺部6Aへ向かい、上辺部6Aの受光素子により受光可能である。
また左辺部6Cの発光素子から矢印A3に示すように右辺部6Dに向けて発せられた光は、右辺部6Dの反射部材で反射されて、矢印A4に示すように左辺部6Cへ向かい、左辺部6Cの受光素子により受光可能である。
上辺部6Aおよび下辺部6Bにより、物品が投入されたトレイ11の横方向位置(たとえばX方向位置)を特定することができる。また左辺部6Cおよび右辺部6Dにより、物品が投入されたトレイ11の縦方向位置(たとえばY方向位置)を特定することができる。以上よりセンサー6を用いることで物品が投入されたトレイ11の配置位置(XY座標における位置)を特定することができる。
このセンサー6により、作業者が複数のトレイ11のいずれに物品を投入したか、複数の表示DRのいずれにタッチしたかなどを検知可能である。このセンサー6における上辺部6Aおよび左辺部6Cの発光素子は、たとえば赤外線を発する素子であるが、これに限定されるものではなく、如何なる波長の光を発する素子であってもよい。
図3に示されるように、棚1aは、載置部1aa(第1載置部)と、傾斜部1ab(第1傾斜部)と、複数のローラ1ac(第1ローラ)とを有している。棚1bは、載置部1ba(第1載置部)と、傾斜部1bb(第1傾斜部)と、複数のローラ1bc(第1ローラ)とを有している。棚1cは、載置部1ca(第1載置部)と、傾斜部1cb(第1傾斜部)と、複数のローラ1cc(第1ローラ)とを有している。
載置部1aa、1ba、1caの各々は、前方側に配置されており、たとえば前方から後方に向かって上り勾配となる傾斜を有している。ただし載置部1aa、1ba、1caの各々は、傾斜していなくてもよい。
傾斜部1ab、1bb、1cbの各々は、載置部1aa、1ba、1caの各々に接続されており、前方から後方に向かって下り勾配となる傾斜を有している。傾斜部1ab、1bb、1cbの各々には複数のローラ1ac、1bc、1ccの各々が回転可能に支持されている。
載置部1aa、1ba、1caの各々は物品を投入されるトレイ11を載置するための部分である。傾斜部1ab、1bb、1cbの各々は、物品の投入が完了したトレイ11を後方の梱包場へ搬送するための部分である。
トレイ供給用棚2は、載置部2a(第2載置部)と、傾斜部2b(第2傾斜部)と、複数のローラ2c(第2ローラ)とを有している。載置部2aは、前方に配置されており、たとえば前方から後方に向かって上り勾配となる傾斜を有している。ただし載置部2aは、傾斜していなくてもよい。
傾斜部2bは、載置部2aに接続されており、後方から載置部2aに向かって下り勾配となる傾斜を有している。傾斜部2bには複数のローラ2cが回転可能に支持されている。
傾斜部2bは、空のトレイ11を後方の梱包場から前方の載置部2aへ搬送するための部分である。載置部2aは、トレイ11を載置する部分であって、載置部1aa、1ba、1caの各々のトレイ11が後方へ搬出されるまでの間、空のトレイ11を待機させるための部分である。
上記の物品仕分け棚ユニット10の棚1a~1cは、棚1a~1cにおける複数のトレイ11の配置位置の総数(1つの物品仕分け棚ユニット10につきたとえば24個)が、発注先ごとに付される背番号(仕分け先符号)の総数よりも少なくなるように構成されている。また棚1a~1cは、棚1a~1cにおける複数のトレイ11の配置位置の総数が、発注先からの発注ごとに付される作番(仕分け符号)の総数よりも少なくなるように構成されていてもよい。本件における背番号および作番については後述する。
なお図1においては、2つの物品仕分け棚ユニット10を横に並べた構成について説明したが、1つの物品仕分け棚ユニット10のみが用いられてもよく、また3つ以上の物品仕分け棚ユニット10が組み合わせて用いられてもよい。
<物品仕分けシステムの構成>
次に、本実施の形態に係る物品仕分けシステムの構成について図6を用いて説明する。
図6は、一実施の形態に係る物品仕分けシステムの構成を示す図である。図6に示されるように、本実施の形態に係る物品仕分けシステムは、上記の物品仕分け棚ユニット10以外に、読み取り部16と、報知部12と、ラベル印刷部13と、コンピュータ14とを有している。
読み取り部16は、トレイ11に投入される物品20に関連付けられた識別コードIDCを読み取るものである。読み取り部16は、たとえばバーコードリーダであるが、これに限定されるものではない。読み取り部16は、QRコード(登録商標)を読み取るQRコードリーダなど他の識別コードを読み取るものであってもよい。
報知部12は、作業者に警告、仕分け情報などを報知するものである。報知部12は、たとえばスピーカ12a、表示部(ディスプレイ)12bなどである。
ラベル印刷部13は、トレイ11に貼り付ける出荷情報ラベル30を印刷するものである。この出荷情報ラベル30には、たとえば作番、そのトレイ11に投入される部品のすべての名前とリファレンス番号、そのトレイ11の配置位置などが印刷される。
コンピュータ14は、プロジェクションアソートシステム(PAS)15に含まれるサーバーなどに接続されている。コンピュータ14は、コントローラ5およびラベル印刷部13に接続されている。これによりコンピュータ14を用いてコントローラ5およびラベル印刷部13を制御することができる。
プロジェクター4、センサー6、読み取り部16および報知部12の各々は、コントローラ5に接続されている。これによりセンサー6からの検知信号および読み取り部16からの読み取り情報をコントローラ5へ送信することができる。またコントローラ5は、投射制御の信号をプロジェクター4に送信することができ、かつ報知信号を報知部12へ送信することができる。
<背番号、作番および品番の関係>
次に、背番号、作番および品番の関係について図7を用いて説明する。
図7は、発注先に対応づけられる背番号と、作番と、品番との関係を示す図である。図7に示されるように、背番号は発注先ごとに付される番号である。作番は発注先からの発注ごとに付される番号である。品番は物品ごとに付される番号である。
発注先が複数の発注をする場合がある。この場合には、1つの発注先に対して複数の作番が設定される。発注の内容によっては、1つの発注の中に複数の物品が含まれる場合がある。この場合には、1つの作番の中に複数の品番が含まれる。
作番ごとにトレイが準備される。トレイごとに、上記物品仕分け棚ユニット10におけるトレイの配置位置が設定される。見積もり番号は、たとえば作番ごとに設定されてもよい。また出荷伝票は、たとえば品番ごとに発行されてもよい。
なお図7においては、背番号に大文字アルファベット、作番に小文字アルファベット、および品番にアラビア数字が例示として用いられているが、背番号、作番および品番には如何なる符号、数字、文字などが割り振られてもよい。
<コントローラ5の機能ブロック>
次に、本実施の形態に係る物品仕分けシステムにおけるコントローラ5の機能ブロックについて図8を用いて説明する。
図8は、一実施の形態に係る物品仕分けシステムの機能ブロックを示す図である。図8に示されるように、コントローラ5は、識別コード信号受部5a、識別コード信号判定部5bと、プロジェクター投射指令部5cと、ラベル印刷部指令部5dと、記憶部5eと、センサー信号受部5fと、投入判定部5gと、報知部指令部5hと、トレイ搬出完了判定部5iとを主に有している。
記憶部5eは、コンピュータ14などから情報を入力され記憶する部分である。この記憶部5eには、たとえば図7の表に記載されたデータ(背番号、作番、品番、トレイ配置位置など)が入力されている。
上記データにおいては、仕分け作業は複数のサイクルに分けられており、各サイクルごとに棚の位置(トレイ11の配置位置)に背番号、作番、品番などが割り当てられている。このため棚1a~1cにおける同一の位置でも、サイクルごとに異なる背番号、作番、品番が割り当てられている。
ここで1サイクルとは、たとえば図1に示される2つの物品仕分け棚ユニット10の場合には、48個のトレイ11のすべてを2つの物品仕分け棚ユニット10に載置し、載置されたトレイ11に物品20を投入し、物品20の投入後にトレイ11を物品仕分け棚ユニット10から搬出するまでを意味する。このため先のサイクルにてトレイ11を搬出した後に新たに別の48個のトレイ11を載置することは、先のサイクルとは別のサイクルになる。
識別コード信号受部5aは、読み取り部16が読み取った物品20の識別コード信号を受信する。識別コード信号受部5aは、受信した物品20の識別コード信号を識別コード信号判定部5bへ送信する。
識別コード信号判定部5bは、識別コード信号受部5aから物品20の識別コード信号を受信する。識別コード信号判定部5bは、受信した識別コード信号を記憶部5eに記憶された情報と照合する。これにより識別コード信号判定部5bは、その物品20を特定し、その物品20が属する作番を判定し、その物品20が投入されるべきトレイの位置を判定し、かつその物品20のトレイ11への投入が同一トレイ11に対する何回目の投入かを判定する。
識別コード信号判定部5bは、物品判定部5baと、作番判定部5bbと、トレイ位置判定部5bcと、投入回数判定部5bdとを有している。物品判定部5baは、識別コード信号判定部5bが受信した識別コード信号を記憶部5eに記憶された情報と照合することにより、その物品20自体を特定(判定)する。
作番判定部5bbは、受信した識別コード信号を記憶部5eに記憶された情報と照合することにより、その物品20が属する作番を判定する。トレイ位置判定部5bcは、受信した識別コード信号を記憶部5eに記憶された情報と照合することにより、その物品20が投入されるべきトレイ11の配置位置を判定する。投入回数判定部5bdは、記憶部5eに記憶された特定のトレイ11内への物品20の投入の記録を参照して、今回の物品20の投入が、そのトレイ11における何回目の投入であるのかを判定する。
識別コード信号判定部5bは、自己が判定した情報をプロジェクター投射指令部5cおよびラベル印刷部指令部5dの各々へ送信する。
なお識別コード信号判定部5bがラベル印刷部指令部5dへ判定情報を送信するのは、投入回数判定部により今回の物品20の投入がそのトレイ11における最初の投入であると判定された場合のみである。
プロジェクター投射指令部5cは、識別コード信号判定部5bから受信した情報に基づいてプロジェクター4の制御信号をプロジェクター4へ送信する。プロジェクター4は、プロジェクター投射指令部5cから受信した制御信号に基づいて、図4の表示DRに表示内容を投射する。
プロジェクター4は、識別された物品20が投入されるべきトレイ11の配置位置に対応する表示DRに表示内容を投射する。その表示DRにおける表示内容は、たとえば緑色の点滅である。
またプロジェクター4は、今回識別された物品20の前に識別された物品(先の物品)20がある場合には、その先の物品20が投入されたトレイ11の配置位置に対応する表示DRの表示内容を消灯する。
ラベル印刷部指令部5dは、識別コード信号判定部5bから受信した情報に基づいてラベル印刷部13の制御信号をラベル印刷部13へ送信する。ラベル印刷部13は、ラベル印刷部指令部5dから受信した制御信号に基づいて、図6に示されるような出荷情報ラベル30を発行する。
センサー信号受部5fは、センサー6が検知した検知信号を受信する。センサー信号受部5fは、受信したセンサー6の検知信号を投入判定部5gおよびトレイ搬出完了判定部5iの各々へ送信する。
投入判定部5gは、センサー6の検知信号に基づいて物品20が正しいトレイ11に投入されたか、間違ったトレイ11に投入されたかを判定する。投入判定部5gは、識別コード信号判定部5bにより判定されたトレイ11の配置位置とセンサー6により検知されたトレイ11の配置位置とを対比する。
上記の対比の結果、識別コード信号判定部5bにより判定されたトレイ11の配置位置とセンサー6により検知されたトレイ11の配置位置とが同じである場合には、投入判定部5gは、物品20が正しいトレイ11に投入されたと判定する。
また投入判定部5gは、物品20が正しいトレイ11に投入されたことを記憶部5eに記憶させる。また投入判定部5gは、記憶部5eの記憶内容を参照して、トレイ11への物品20の投入が最初の投入か、2回目以降の投入か、最後の投入かを判定する。
一方、上記の対比の結果、識別コード信号判定部5bにより判定されたトレイ11の配置位置とセンサー6により検知されたトレイ11の配置位置とが異なる場合には、投入判定部5gは、物品20が間違ったトレイ11に投入されたと判定する。
投入判定部5gは、自己が判定した情報をプロジェクター投射指令部5cおよび報知部指令部5hの各々へ送信する。
プロジェクター投射指令部5cは、投入判定部5gから受信した情報に基づいてプロジェクター4の制御信号をプロジェクター4へ送信する。プロジェクター4は、プロジェクター投射指令部5cから受信した制御信号に基づいて、図4の表示DRに投射された表示内容を変更または維持する。
プロジェクター4は、物品20が正しいトレイ11に投入され、かつその投入がそのトレイ11への最初の投入である場合には、そのトレイ11の配置位置に対応する表示DRの表示内容を変更する。その表示DRにおける変更後の表示内容は、たとえば緑色の点灯である。
またプロジェクター4は、物品20が正しいトレイ11に投入され、かつその投入がそのトレイ11への2回目以降の投入である場合には、そのトレイ11の配置位置に対応する表示DRの表示内容を維持する。その表示DRにおける表示内容は、たとえば緑色の点灯のままとされる。
またプロジェクター4は、物品20が正しいトレイ11に投入され、かつその投入がそのトレイ11への最後の投入である場合には、そのトレイ11の配置位置に対応する表示DRの表示内容を変更する。その表示DRにおける変更後の表示内容は、たとえば青色の点灯である。この青色の点灯は、そのトレイ11への物品20の投入完了にしたがって表示されるものであり、そのトレイ11を梱包場へ搬出することを促す表示である。
またプロジェクター4は、物品20が間違ったトレイ11に投入された場合には、表示DRに警報色を表示する。警報色は、たとえば赤色である。
報知部指令部5hは、投入判定部5gから受信した情報に基づいて報知部12の制御信号を報知部12へ送信する。報知部12は、報知部指令部5hから受信した制御信号に基づいて作業者に対する報知を行う。
報知部12は、物品20が正しいトレイ11に投入された場合には、報知部12であるスピーカ12aから正常音を発することにより作業者に報知する。また報知部12は、物品20が間違ったトレイ11に投入された場合には、報知部12であるスピーカ12aから警報音を発し、また報知部12である表示部12bに警報色を表示することにより作業者に報知する。
トレイ搬出完了判定部5iは、センサー6の検知信号に基づいて物品20のトレイ11への投入が完了したか否かを判定する。具体的には、作業者が物品20を投入すべきトレイ11の配置位置に対応する表示DRをタッチしたか、またはその表示DRの近傍に指を近付けたことをセンサー6が検知した場合、トレイ搬出完了判定部5iは物品20のトレイ11への投入が完了したと判定する。
トレイ搬出完了判定部5iは、自己が判定した情報をプロジェクター投射指令部5cおよび報知部指令部5hの各々へ送信する。
プロジェクター投射指令部5cは、トレイ搬出完了判定部5iから受信した情報に基づいてプロジェクター4の制御信号をプロジェクター4へ送信する。プロジェクター4は、プロジェクター投射指令部5cから受信した制御信号に基づいて、図4の表示DRに投射された表示内容を変更する。
プロジェクター4は、そのトレイ11への物品20の投入が完了した場合には、そのトレイ11の配置位置に対応する表示DRの表示内容を変更する。その表示DRにおける変更後の表示内容は、たとえば消灯である。この消灯は、そのトレイ11が配置されていた配置位置に別のトレイ11に交換することを促す表示である。
報知部12は、そのトレイ11への物品20の投入が完了した場合には、報知部12であるスピーカ12aから投入完了を知らせる音を発し、報知部12である表示部12bに投入完了を表示することにより作業者に報知する。
以上説明したようにコントローラ5の機能ブロックは構成されている。コントローラ5は、たとえばCPU(Central Processing Unit)を含んでいる。
以上よりコントローラ5は、第1発注の仕分けが完了した場合、その第1発注の作番が設定された配置位置に対して、その第1発注とは異なる第2発注の仕分け符号を設定する。
またコントローラ5は、背番号を複数のトレイ11の各々の配置位置に対して変更可能であり、変更前の背番号に対応した物品20をトレイ11へ投入するよう促す表示と、変更後の背番号に対応した物品20をトレイ11へ投入するよう促す表示とを切り換えて表示するように複数の表示DRにおける表示内容の各々を制御する。これによりコントローラ5は、1サイクル毎に、背番号を複数のトレイ11の各々の配置位置に対して変更可能である。またコントローラ5は、1サイクル毎に表示DRに対して割り当てる背番号を変更することができる。
またコントローラ5は、読み取り部16によって読み取られた識別コードIDCに含まれる情報に基づいて作番を特定して、特定された仕分け符号に対応するトレイ11の配置位置への表示を複数の投影看板3a~3cに行わせる。具体的には、コントローラ5は、物品20を投入すべきトレイ11に対応した表示DRに物品20の投入を促す表示を投射するようにプロジェクター4を制御する。
またコントローラ5は、読み取り部16によって読み取られた識別コードIDCに含まれる情報に基づいて物品20を投入すべきトレイ11の情報および物品20の情報を記載した出荷情報ラベル30を印刷するようにラベル印刷部13を制御する。
またコントローラ5は、物品20を投入すべきトレイ11に物品20が投入された場合には正常な投入が行われたことを報知し、かつ物品20を投入すべきでないトレイ11に物品20が投入された場合には異常な投入が行われたことを報知するように報知部12を制御する。
またコントローラ5は、トレイ11に投入されるべき物品20のすべてがトレイ11に投入されたことを検知すると、表示DRにトレイ11の搬出を促す表示を行わせる。
またコントローラ5は、トレイ11の搬出完了を検知すると、搬出されたトレイ11の配置位置における表示DRに別のトレイ11を載置することを促す表示を行わせる。上記においてコントローラ5は、複数の表示DRに表示を行わせるために、たとえば指示部(プロジェクター4)を制御する。
<仕分け動作>
次に、本実施の形態に係る物品仕分けシステムにおける仕分け動作について図9を用いて説明する。
図9は、一実施の形態に係る物品仕分けシステムにおける物品の仕分け動作を示すフロー図である。
発注先からの発注を受けると、そのすべての受注内容から、図7に示されるような背番号と、作番と、品番と、トレイ配置位置と、識別コードと、各作番に含まれる物品のリストとの関係を示す表が作成される。この表は、図6および図8に示されるようにPAS15とコンピュータ14を通じてコントローラ5の記憶部5eに入力され、記憶される。
また、その受注分のすべての出荷伝票が発行される。この出荷伝票は、たとえば物品20ごとに発行される。この出荷伝票は、対応する物品20を識別するための識別コードを有している。この出荷伝票は、対応する物品20に添付される。この後に、仕分け作業が行われる。
図6および図9に示されるように、物品20が仕分け場に搬送される。仕分け場にて、物品20に添付された出荷伝票に示された識別コードIDCが読み取り部16により読み取られる(ステップS1)。
図8および図9に示されるように、読み取り部16により読み取られた識別コード情報に基づいて、識別コード信号判定部5bにより物品20の特定、その物品20が含まれる作番の判定、その物品20が投入されるトレイ位置の判定、およびそのトレイ11への何回目の投入かの判定が行われる(ステップS2)。物品の特定は物品判定部5baにて行われ、作番の判定は作番判定部5bbにより行われる。またトレイ位置の判定はトレイ位置判定部5bcにより行われ、何回目の投入かの判定は投入回数判定部5bdにより行われる。
この後、判定されたトレイ位置に基づいて、プロジェクター4により複数の表示DRのうち物品20が投入されるトレイ11の配置位置に対応した表示DRが投射により表示される(ステップS3a)。この表示DRへの表示内容は、そのトレイ11へ最初に投入される物品20の識別の場合にはたとえば緑色の点滅であり、そのトレイ11へ2回目以降に投入される物品20の識別の場合には緑色の点灯である。この緑色の点滅および点灯の各々は、たとえば物品20の投入を促す文字表示であってもよい。
物品20がそのトレイ11における最初の投入でないと判定された場合には(ステップS3b)、ラベル印刷は行われない。
一方、物品20がそのトレイ11における最初の投入であると判定された場合には(ステップS3b)、ラベル印刷部13によりラベルが印刷される(ステップS3c)このラベルには、たとえば作番、そのトレイ11に投入される部品のすべての名前とリファレンス番号、そのトレイ11の配置位置などが印刷される。
作業者は、ラベル印刷部13により印刷された出荷情報ラベル30を、プロジェクター4により投射された表示DRに対応するトレイ11に貼り付ける。また作業者は、出荷情報ラベル30を貼り付けたトレイ11に物品20を投入する(ステップS4)。
作業者によるトレイ11への物品20の投入は、センサー6により検知される(ステップS5)。このセンサー6による検知結果に基づいて、物品20が正しいトレイ11に投入されたか否かが判定される(ステップS6)。この判定は、投入判定部5gにより行われる。
間違ったトレイ11に物品20が投入されたと投入判定部5gが判定した場合には、報知部12またはプロジェクター4により警報が報知される(ステップS7)。報知部12がスピーカ12aである場合には警報音が発せられ、報知部12が表示部12bである場合には警報色が表示される。また物品20が間違ったトレイ11に投入された場合には、プロジェクター4が表示DRに赤色などの警報色を表示する。
正しいトレイ11に物品20が投入されたと投入判定部5gが判定した場合には、物品20のそのトレイ11への投入が最初の投入か否かが判定される(ステップS8)。この判定は、投入判定部5gにより行われる。
そのトレイ11への物品20の投入が最初の投入であると投入判定部5gが判定した場合、物品20が投入されたトレイ11の配置位置に対応した表示DRの表示内容がプロジェクター4により変更される(ステップS9)。この表示DRの表示内容は、たとえば緑色の点滅から緑色の点灯に変更される。
そのトレイ11への物品20の投入が最初の投入ではないと投入判定部5gが判定した場合、物品20のそのトレイ11への投入が最後の投入か否かが判定される(ステップS10)。この判定は、投入判定部5gにより行われる。
そのトレイ11への物品20の投入が最後の投入であると投入判定部5gが判定した場合、物品20が投入されたトレイ11の配置位置に対応した表示DRの表示内容がプロジェクター4により変更される(ステップS11)。この表示DRの表示内容は、たとえば緑色の点灯から青色の点灯に変更される。
作業者は、上記ステップS11における表示DRの表示内容の変更を見て、そのトレイ11への物品20の投入作業が完了したことを認識する。作業者は、そのトレイ11への投入作業が完了したことを認識した後、そのトレイ11を後方へ押し出す。
これによりすべての物品20を投入されたトレイ11は、図3に示される棚1a(または1b、1c)の載置部1aa(または1ba、1ca)から傾斜部1ab(または1bb、1cb)上を搬送される。これによりすべての物品20を投入されたトレイ11は梱包場へ搬出される。
作業者は、すべての物品20が投入されたトレイ11を押し出した後、物品投入完了の操作を行う(ステップS12)。この操作は、たとえば作業者が押し出したトレイ11の配置位置に対応する表示DRをタッチするか、またはその表示DRの近傍に指を近付けることにより行われる。
この操作が所定時間内に行われない場合には、警報が発せられる(ステップS13)。またこの操作が行われた場合には、押し出されたトレイ11の配置位置に対応する表示DRの表示内容が消灯される(ステップS14)。
この消灯への変更は、搬出されたトレイ11の配置位置に別のトレイを載置することを促す表示である。この表示DRの消灯への変更を確認した作業者は、搬出したトレイ11の配置位置に、トレイ供給用棚2の載置部2aから空のトレイ11を供給する。この後、次のサイクルの仕分け動作が開始する。
以上により本実施の形態に係る仕分け動作は完了する。
本実施の形態においては、図1に示されるようなたとえば2つの物品仕分け棚ユニット10を用いて仕分け作業が行われる。2つの物品仕分け棚ユニット10には、たとえば合計48個の投入用トレイ11が配置される。また1つの投入用トレイ11に投入される物品20の平均個数はたとえば3つであり、48個の投入用トレイ11のすべてに30分ですべての物品20の投入を完了できるとすると、1日8時間の作業で16サイクルの仕分け作業ができるため、合計2304(=48×16×3)個の物品20を投入することができる。このことは、本実施の形態の2つの物品仕分け棚ユニット10を用いることにより、たとえば2304個の管理伝票を1日で処理できることを意味する。
また本実施の形態の物品仕分けシステムは、背番号ごとの梱包発送よりも、作番(発注先からの発注)ごとの梱包発送に適している。
<仕分け動作時における表示DRの変化>
次に、本実施の形態に係る物品仕分けシステムにおける仕分け動作での表示DRの変化について、1つのトレイ11に3つの物品20を投入する場合を例に挙げて図10(A)~図10(E)を用いて説明する。
図10(A)~図10(E)は、一実施の形態に係る物品仕分けシステムにおける仕分け動作時の表示DRの変化を示す図である。図10(A)に示されるように、1つ目(最初)の物品20の識別コードが読み取られた場合、その物品20を投入する予定のトレイ11の配置位置に対応する表示DRに、たとえば緑の点滅が表示される。
図10(B)に示されるように、1つ目の物品20がそのトレイ11に投入されると、物品20が投入されたトレイ11の配置位置に対応する表示DRの表示内容は、たとえば緑の点滅から緑の点灯に変更される。
図10(C)に示されるように、2つ目の物品20の識別コードが読み取られた場合、およびその物品20がそのトレイ11に投入された場合のいずれの場合にも、そのトレイ11の配置位置に対応する表示DRの表示は、たとえば緑の点灯が維持される。
また3つ目(最後)の物品20の識別コードが読み取られた場合にも、そのトレイ11の配置位置に対応する表示DRの表示は、たとえば緑の点灯が維持される。
図10(D)に示されるように、3つ目(最後)の物品20がそのトレイ11へ投入されると、その物品20が投入されたトレイ11の配置位置に対応する表示DRの表示内容は、たとえば緑の点灯から青の点灯に変更される。
図10(E)に示されるように、作業者が上記青の点灯を認識してトレイ11を梱包場へ搬出し(押し出し)、搬出したトレイ11の配置位置に対応した表示DRをタッチするか、またはその表示DRの近傍に指を近付けると、その表示DRの表示内容は青色の点灯から消灯に変更される。
上記において緑色の点滅および緑色の点灯の各々はたとえば物品20の投入を促す文字表示であってもよい。また青色の点灯はたとえばトレイ11の搬出を促す文字表示であってもよい。
<作用効果>
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態によれば、コントローラ5は、背番号をトレイ11の配置位置に固定せずに変更することができる。また複数のトレイ11の各々に対して、変更前の背番号に対応した物品20の投入を促す表示と、変更後の背番号に対応した物品20の投入を促す表示とを切り換えて表示DRに表示することができる。これにより仕分け作業を複数のサイクルに分けて、棚1a~1cにおける同一の位置にサイクルごとに異なる背番号を割り当てることが可能となる。よって、1サイクルにおいてすべての背番号に対応づけられたトレイ11を並べて配置する必要がなくなるため、棚1a~1cの幅方向(X方向:図1)の寸法を小さくできる。よって仕分け作業時における作業者の移動距離が短くなることで作業効率が向上し、かつ小さい床面積での仕分け作業が可能となる。
また小さい床面積での仕分け作業が可能となるため、従来例のように棚を回転させる必要がない。よって電動回転の時間が不要となり、この点からも作業効率が良好となる。
以上より本実施の形態によれば、作業効率が良好で、かつ小さい床面積で作業が可能な物品仕分けシステムを実現することができる。
また本実施の形態においては図1に示されるように、棚1a~1cにおける複数のトレイ11の配置位置の総数が背番号の総数よりも少なくなるように棚1a~1cは構成されている。これにより仕分け作業時における作業者の移動距離がさらに短くなることで作業効率がさらに向上し、かつさらに小さい床面積での仕分け作業が可能となる。
また本実施の形態においては図6に示されるように、読み取り部16によって読み取られた物品20の識別コードに含まれる情報に基づいて、その物品20を投入すべきトレイ11に対応した表示DRに物品20の投入を促す表示がなされる。これにより作業者は、表示DRの表示にしたがって物品20をトレイ11に投入すればよく、物品に付された背番号および作番を確認したうえで棚1a~1cに付された背番号の位置と作番の位置とを確認する作業が不要となる。よって作業の効率が向上するとともに誤投入を減らすこともできる。
また本実施の形態においては図2に示されるように、プロジェクター4は、物品20を投入すべきトレイ11に対応した表示DRに物品20の投入を促す表示を投射する。このようにプロジェクター4を用いることにより、表示画面を大きくできるとともに、表示内容を自由に変えることが可能となる。これにより仕分けに必要な情報を大きな文字などで作業者に伝達することができるため、未熟な作業者、知識・言語理解が乏しい作業者などであっても高効率でミスの無い仕分け作業が可能となる。またプロジェクター4を用いることにより、縦横行列状に配置された表示DRへの表示が容易となる。さらにプロジェクター4を用いることにより、表示DRへの表示内容を切り換えることが容易となる。
また本実施の形態においては図2に示されるように、複数のトレイ11が配置される領域の幅寸法は、1つのプロジェクター4により投射可能な範囲(領域PR)の幅寸法以下である。このようにトレイ11の配置領域の幅を限定することにより本実施の形態の物品仕分け棚ユニット10をセル式設備とすることができる。これにより物品仕分け棚ユニット10をコンパクトな設備にできるため、物品仕分け棚ユニット10の仕分け場への搬入、設置などが容易となる。
また本実施の形態においては図6に示されるように、ラベル印刷部13は、読み取り部16にて読み取った物品20の識別コードに基づいて物品20を投入すべきトレイ11の情報および物品20の情報を記載した出荷情報ラベル30を印刷する。このように印刷された出荷情報ラベル30を、物品20を投入するトレイ11に貼り付けることにより、物品20の投入時および投入後に誤った物品が投入されていないかなどの確認が容易となる。また物品20のトレイ11への投入時に出荷情報ラベル30をトレイ11に貼り付けることが可能となるため、出荷情報ラベル30のトレイ11への貼り付けの際にトレイ11を探す必要がなく、作業効率も向上する。
また本実施の形態においては図6に示されるように、物品仕分けシステムは、物品20が複数のトレイ11のいずれに投入されたかを検知するセンサー6と、報知部12とを有している。報知部12は、センサー6による検知結果に基づいて、物品20を投入すべきトレイ11に物品が投入された場合には正常な投入が行われたことを報知し、かつ物品20を投入すべきでないトレイ11に物品20が投入された場合には異常な投入が行われたことを報知する。これにより物品20の誤投入を防止することが可能となる。
また本実施の形態においては図8および図10に示されるように、コントローラ5の投入判定部5gが発注先からの発注に基づく物品20のすべてがトレイ11に投入されたと判定すると、表示DRにトレイ11の搬出を促す表示がなされる。これにより作業者は、トレイ11を正しいタイミングで確実に搬出することができる。
また本実施の形態においては図8および図10に示されるように、コントローラ5のトレイ搬出完了判定部5iがトレイ11の搬出完了と判定すると、表示DRにトレイ11が搬出された棚1a~1cの部分(第1載置部1aa、1ba、1ca)に別のトレイ11に載置する表示がなされる。これにより作業者は、トレイ11の搬出後に別のトレイ11を忘れることなく載置することができる。
また本実施の形態においては図3に示されるように、棚1a~1cの傾斜部1ab、1bb、1cbの各々は載置部1aa、1ba、1caから後方へ向かって下り勾配を有している。また傾斜部1ab、1bb、1cbには回転可能に複数のローラ1ac、1bc、1ccが設けられている。これにより棚1a~1cの載置部1aa、1ba、1caの各々からトレイ11を後方へ押し出すだけで、電動の搬送部を設けることなしに、傾斜部1ab、1bb、1cb上を後方へ向かって搬送することができる。
また本実施の形態においては図3に示されるように、トレイ供給用棚2は、載置部2aから後方へ向かって上り勾配を有する傾斜部2bを有している。また傾斜部2bには複数のローラ2cが設けられている。これにより傾斜部2bの後部から載置部2aに向かってトレイ11を押し出すだけで、電動の搬送部を設けることなしに、傾斜部2b上を前方へ向かって搬送することができる。
また本実施の形態においては、図2に示されるように、プロジェクター4は、物品20を投入すべきトレイ11に対応した表示DRに物品20の投入を促す表示を投射する。プロジェクター4を用いることにより、表示DRへの表示内容を切り換えることが容易となる。このため背番号をトレイ11の配置位置に対応した表示DRに固定せずに変更して投射することができる。これにより、すべての背番号に対応づけられたトレイ11を並べて配置する必要がなくなるため、棚1a~1cの幅方向の寸法を小さくできる。よって仕分け作業時における作業者の移動距離が短くなることで作業効率が向上し、かつ小さい床面積での仕分け作業が可能となる。
また図4に示されるように、プロジェクター4は、縦方向に並んだ複数のトレイ11および横方向に並んだ複数のトレイ11の各々の配置位置に対応した複数の表示DRに表示内容を投射することができる。このため物品20が投入されるトレイ11を特定するために従来例のように棚を回転させる必要がない。よって電動回転の時間が不要となり、作業効率が良好となる。
以上より本実施の形態によれば、作業効率が良好で、かつ小さい床面積で作業が可能な物品仕分けシステムを実現することができる。
上記の本実施の形態においては指示部が表示DR(投影看板3a~3c)とプロジェクター4とを有する場合について説明したが指示部はこれに限定されない。指示部に含まれる表示DRは、プロジェクター4により投射されるものでなく、液晶ディスプレイなどのディスプレイであってもよく、またLED(Light Emitting Diode)などのデバイスであってもよい。ただしプロジェクター4を用いることにより、画面サイズを変えることが容易で視認性を向上できるとともに、設備構造が簡易となり、コストを抑えることが可能となる。
本開示における棚は、図1~図3に示されるようにトレイ11を載置するための台のようなものであってもよく、またトレイ11を壁に掛けるための引っ掛け部のようなものであってもよい。また本開示の棚は、これらに限定されるものではなく、複数のトレイ11を位置決めして並べることができ、かつトレイ11への物品20の投入、トレイ11の搬入・搬出が可能なものであれば如何なるものであってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。