JP7328533B2 - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Description

本開示は、冷凍サイクル装置に関する。
例えば、特許文献1(特開2001-141290号公報)のように、蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置の冷媒回路に、冷凍サイクル装置の運転状態監視や運転制御を目的として種々のセンサが設けられる場合がある。
例えば、特許文献1(特開2001-141290号公報)に開示されているように、冷媒回路に吸入圧力を測定する吸入圧センサを設け、吸入圧力の低下を検知すれば、圧縮機に吸入される冷媒量の不足を把握できる。
しかし、コスト抑制のため、冷凍サイクル装置に吸入圧センサが設けられない場合がある。吸入圧センサを有さない冷凍サイクル装置では、吸入圧力の低下を検知して圧縮機に吸入される冷媒量の不足を把握し、これに対応する制御を行うことが困難になる場合がある。
第1観点の冷凍サイクル装置は、冷媒回路と、第1センサと、制御部と、を備える。冷媒回路は、圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器を含む。第1センサは、冷媒回路における冷凍サイクルの凝縮温度又は凝縮圧力を検知する。制御部は、冷媒回路における冷凍サイクルを制御する。制御部は、第1条件が成立している場合に、冷媒回路における冷凍サイクルの蒸発圧力を上げる第1制御を行う。第1条件は、冷媒回路の凝縮器の出口における冷媒の過冷却度が上昇し、かつ、第1センサが検知する凝縮温度又は凝縮圧力が低下していることである。
冷凍サイクル装置において凝縮器の出口の冷媒の過冷却度が上昇すると、通常は凝縮温度及び凝縮圧力が上昇する。冷凍サイクル装置において、過冷却度が上昇しているにも関わらず、凝縮温度や凝縮圧力が低下している場合には、圧縮機に吸入される冷媒量が不足している可能性がある。
第1観点の冷凍サイクル装置では、過冷却度が上昇し、かつ、凝縮温度又は凝縮圧力が低下している場合に冷凍サイクルの蒸発圧力を上げる制御を行う。そのため、第1観点の冷凍サイクル装置では、吸入される冷媒量の不足に伴う圧縮機の損傷を抑制しつつ、冷凍サイクル装置の運転を継続することができる。
第2観点の冷凍サイクル装置は、第1観点の冷凍サイクル装置であって、制御部は、第1制御を行っていない場合に、過冷却度を目標過冷却度に近づけるよう膨張弁の開度を調節する第2制御を行う。
第2観点の冷凍サイクル装置は、第1制御が行われていない場合に、凝縮器の出口の過冷却度を目標値に調節する第2制御を行う。言い換えれば、第2観点の冷凍サイクル装置は、冷凍サイクルの蒸発圧力が低下していない場合に、過冷却度制御を行う。このような第2制御が行われることで、効率のよい冷凍サイクル装置の運転が可能である。
第3観点の冷凍サイクル装置は、第2観点の冷凍サイクル装置であって、制御部は、第1条件の成立後の第2制御において、以下の(a)~(c)の少なくとも1つを行う。
(a)目標過冷却度を下げる。
(b)単位時間あたりの膨張弁の開度の低減量を小さくする。
(c)膨張弁の最小開度を大きくする。
第2制御の実行時に第1条件が成立した場合、その後に同じ制御内容で第2制御が行われると、圧縮機に吸入される冷媒量が再び不足するおそれがある。
第3観点の冷凍サイクル装置では、第1条件が成立すると、第2制御の制御内容が第1条件の成立しにくい制御内容に変更されるため、第1制御が必要になる事態の発生を抑制できる。
第4観点の冷凍サイクル装置は、第1観点から第3観点のいずれかの冷凍サイクル装置であって、制御部は、第1制御として、膨張弁の開度を第1条件が成立した際の膨張弁の開度より大きくする制御を行う。
第4観点の冷凍サイクル装置では、冷凍サイクルにおける蒸発圧力を上昇させることができる。
第5観点の冷凍サイクル装置は、第1観点から第4観点のいずれかの冷凍サイクル装置であって、制御部は、第1制御として、圧縮機の回転数を第1条件が成立した際の圧縮機の回転数より下げる制御を行う。
第5観点の冷凍サイクル装置では、冷凍サイクルにおける蒸発圧力を上昇させることができる。
第6観点の冷凍サイクル装置は、第1観点から第5観点のいずれかの冷凍サイクル装置であって、蒸発器に空気を供給するファンを更に備える。制御部は、第1制御として、ファンの回転数を第1条件が成立した際のファンの回転数より上げる制御を行う。
第6観点の冷凍サイクル装置では、冷凍サイクルにおける蒸発圧力を上昇させることができる。
第7観点の冷凍サイクル装置は、第1観点から第6観点のいずれかの冷凍サイクル装置であって、第2センサと、第3センサと、を更に備える。第2センサは、蒸発器を流れる冷媒の温度を測定する。第3センサは、圧縮機に吸入される冷媒の温度を測定する。制御部は、第1制御の開始後に、冷媒回路の冷凍サイクルにおける凝縮圧力が所定圧力に上昇すると、又は、第3センサの計測値から第2センサの計測値を差し引いた値が所定値に増加すると、第1制御を終了する。
第7観点の冷凍サイクル装置では、凝縮圧力の上昇や、圧縮機に吸入される冷媒の温度と蒸発器を流れる冷媒の温度との温度差の増加に基づき、冷凍サイクルの蒸発圧力の上昇を検知して第1制御を中止し、通常の冷凍サイクル装置の運転に復帰できる。
第8観点の冷凍サイクル装置は、第1観点から第7観点のいずれかの冷凍サイクル装置であって、制御部は、圧縮機の回転数が所定時間変化しない時に第1条件が成立すると、第1制御を行う。
第8観点の冷凍サイクル装置では、圧縮機の回転数の低下を原因として凝縮温度及び凝縮圧力が低下している状態が、冷凍サイクルの蒸発圧力が低下している状態と判断されて第1制御が実行されることを抑制できる。
冷凍サイクル装置の一実施形態に係る空調装置の概略構成図である。 図1の空調装置の制御ブロック図である。 図2のコントローラの第1制御及び第1制御に関連する処理について説明するフローチャートである。 変形例Bに係る空調装置の概略構成図である。
冷凍サイクル装置の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(1)全体構成
冷凍サイクル装置の一実施形態に係る空調装置1の全体構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、空調装置1の概略構成図である。
空調装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを利用して、空調対象空間の冷房及び暖房を行う装置である。ただし、空調装置1は、冷房及び暖房の両方を行うことが可能な装置に限定されず、例えば、冷房だけを行うことが可能な冷房専用装置であってもよい。また、本開示の冷凍サイクル装置は、空調装置に限定されない。冷凍サイクル装置は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを利用する他の種類の装置、例えば、給湯装置や、冷蔵装置等であってもよい。
冷媒の種類を限定するものではないが、本実施形態では、空調装置1が利用する冷媒は、例えばR32等のフルオロカーボン系の冷媒である。
空調装置1は、図1のように、熱源ユニット2と、利用ユニット3と、冷媒連絡管41,42と、を主に有する。本実施形態では、空調装置1は、利用ユニット3を1台だけ有するが、空調装置1は、互いに並列に接続される複数の利用ユニット3を有してもよい。冷媒連絡管41,42は、液冷媒連絡管41と、ガス冷媒連絡管42と、を含む。冷媒連絡管41,42は、熱源ユニット2と利用ユニット3とを接続する配管である。冷媒連絡管41,42は、空調装置1の設置の際に、設置現場で施工される配管である。
熱源ユニット2と利用ユニット3とが、液冷媒連絡管41及びガス冷媒連絡管42を介して接続されることで、空調装置1の冷媒回路10が構成される。冷媒回路10は、熱源ユニット2の圧縮機21、流向切換機構22、熱源熱交換器23、及び膨張弁24と、利用ユニット3の利用熱交換器31と、を主に含む。
(2)詳細構成
空調装置1の詳細構成について、図2を更に参照しながら説明する。図2は、空調装置1の制御ブロック図である。
(2-1)利用ユニット
利用ユニット3は、例えば、空調対象空間内に設置されている。例えば、利用ユニット3は、空調対象空間の天井に設置される天井埋込型のユニットである。ただし、利用ユニット3は、天井埋込型のユニットに限定されるものではなく、天井吊下型のユニットや、壁掛型のユニットや、床置型のユニットであってもよい。なお、利用ユニット3は、空調対象空間とは異なる空間に配置されてもよく、利用ユニット3で冷却又は加熱された空気がダクト等で空調対象空間に供給されてもよい。
利用ユニット3は、図1のように、利用熱交換器31と、第1ファン32と、第1制御部62と、を主に有する。また、利用ユニット3は、図1のように、利用熱交換器31の液側端と液冷媒連絡管41とを接続する液冷媒管33と、利用熱交換器31のガス側端とガス冷媒連絡管42とを接続するガス冷媒管34と、を有する。
利用熱交換器31は、構造を限定するものではないが、例えば、伝熱管(図示省略)と多数のフィン(図示省略)とにより構成されるクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。利用熱交換器31では、利用熱交換器31を流れる冷媒と空調対象空間の空気との間で熱交換が行われる。
利用熱交換器31は、冷房運転時には蒸発器として機能する。利用熱交換器31は、暖房運転時には凝縮器(放熱器)として機能する。
利用熱交換器31には、利用熱交換器31を流れる冷媒の温度を測定する利用熱交温度センサ75が設けられている。例えば、利用熱交温度センサ75は、冷媒流れ方向における利用熱交換器31の中間位置を流れる冷媒の温度を測定する。利用熱交温度センサ75は、例えばサーミスタである。利用熱交温度センサ75は、空調装置1の冷房運転の際には、蒸発器を流れる冷媒の温度を測定する。利用熱交温度センサ75は、空調装置1の暖房運転の際には、凝縮器を流れる冷媒の温度を測定する。言い換えれば、利用熱交温度センサ75は、空調装置1の暖房運転の際には、冷凍サイクルにおける凝縮温度を測定する。
第1ファン32は、利用ユニット3内に空気を吸入して利用熱交換器31に供給し、利用熱交換器31において冷媒と熱交換した空気を空調対象空間へと供給する。第1ファン32は、空調装置1の冷房運転の際には、蒸発器としての利用熱交換器31に空気を供給する。第1ファン32は、空調装置1の暖房運転の際には、凝縮器としての利用熱交換器31に空気を供給する。
第1ファン32は、例えばターボファンやシロッコファン等の遠心ファンである。ただし、第1ファン32のタイプは、遠心ファンに限定されるものではなく、適宜選択されればよい。第1ファン32は、ファンモータ32aによって駆動される。ファンモータ32aの回転数は、インバータにより制御可能である。
第1制御部62は、利用ユニット3を構成する各部の動作を制御する。
第1制御部62は、利用ユニット3の有するファンモータ32a等の機器に電気的に接続されている。また、第1制御部62は、利用ユニット3に設けられている各種センサと、通信可能に接続されている。利用ユニット3に設けられている各種センサには、利用熱交温度センサ75や、空調対象空間の温度を計測する温度センサ(図示省略)を含む。第1制御部62は、CPUやメモリを含むマイクロコンピュータや、入出力装置等を有する(図示省略)。第1制御部62は、CPUが、メモリに記憶されているプログラムを実行することで、利用ユニット3を構成する各部の動作を制御する。なお、第1制御部62は、全ての制御をソフトウェアで実現する必要はなく、一部又は全部の制御を各種の制御回路を用いてハードウェアにより実現してもよい。
第1制御部62は、図示しない空調装置1の操作用のリモコンから送信される、空調装置1の運転信号及び停止信号を含む各種制御信号を受信可能に構成されている。また、第1制御部62は、通信回線を介し、熱源ユニット2の第2制御部61との間で各種信号等のやりとりを行う。第1制御部62及び第2制御部61は、協働してコントローラ60として機能する。コントローラ60の機能については後述する。
(2-2)熱源ユニット
熱源ユニット2は、設置場所を限定するものではないが、例えば、空調装置1の設置される建物の屋上や機械室、建物の周辺等に設置されている。
熱源ユニット2は、図1のように、圧縮機21と、流向切換機構22と、熱源熱交換器23と、膨張弁24と、アキュムレータ25と、第2ファン26と、液閉鎖弁27と、ガス閉鎖弁28と、第2制御部61と、を主に有する。また、熱源ユニット2は、吸入温度センサ71,吐出温度センサ72、熱源熱交温度センサ73、及び液管温度センサ74を含む、各種センサを有する。
熱源ユニット2は、図1のように、吸入管10aと、吐出管10bと、第1ガス冷媒管10cと、液冷媒管10dと、第2ガス冷媒管10eと、を有する。吸入管10aは、流向切換機構22と圧縮機21の吸入端とを接続する。吸入管10aには、吸入温度センサ71が設けられている。吐出管10bは、圧縮機21の吐出端と流向切換機構22とを接続する。吐出管10bには、吐出温度センサ72が設けられている。第1ガス冷媒管10cは、流向切換機構22と熱源熱交換器23のガス側端とを接続する。液冷媒管10dは、熱源熱交換器23の液側端と液冷媒連絡管41とを接続する。液冷媒管10dの液冷媒連絡管41との接続部には、液閉鎖弁27が設けられている。液冷媒管10dには、膨張弁24が設けられている。液冷媒管10dの、膨張弁24と液閉鎖弁27との間には、液管温度センサ74が設けられている。第2ガス冷媒管10eは、流向切換機構22とガス冷媒連絡管42とを接続する。第2ガス冷媒管10eのガス冷媒連絡管42との接続部には、ガス閉鎖弁28が設けられている。液閉鎖弁27及びガス閉鎖弁28は、手動で開閉される弁である。
以下に、熱源ユニット2の構成について更に説明する。
(2-2-1)圧縮機
圧縮機21は、圧縮機構21aにより冷媒を圧縮して吐出する機器である。圧縮機21は、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒を、冷凍サイクルにおける高圧にまで加圧する。圧縮機21は、タイプを限定するものではないが、例えば、ロータリ式やスクロール式等の容積圧縮機である。圧縮機21の圧縮機構21aは、圧縮機モータ21bにより駆動される(図1参照)。圧縮機モータ21bの回転数は、インバータにより制御可能である。なお、圧縮機21の圧縮機構21aは、モータ以外の原動機(例えば内燃機関)により駆動されてもよい。
(2-2-2)流向切換機構
流向切換機構22は、圧縮機21が吐出する冷媒の流向を切り換える機構である。言い換えれば、流向切換機構22は、冷媒回路10における冷媒の流向を切り換える機構である。本実施形態では、流向切換機構22は四路切換弁である。ただし、四路切換弁に代えて、複数の電磁弁及び冷媒管が組み合わされて、以下で説明するような冷媒の流向の切り換えが可能な流向切換機構22が実現されてもよい。
空調装置1は、流向切換機構22により冷媒の流向を切り換えることで、空調装置1の冷房運転と、空調装置1の暖房運転と、を切り換える。
流向切換機構22は、冷房運転の際には、図1中の流向切換機構22内の実線のように、吸入管10aを第2ガス冷媒管10eと連通させ、吐出管10bを第1ガス冷媒管10cと連通させる。流向切換機構22がこのように冷媒管を接続する結果、冷房運転の際、圧縮機21から吐出される冷媒は、冷媒回路10内を、熱源熱交換器23、膨張弁24、利用熱交換器31、の順に流れ、圧縮機21の吸入端へと戻る。冷房運転時には、熱源熱交換器23は凝縮器として機能し、利用熱交換器31は蒸発器として機能する。
流向切換機構22は、暖房運転の際には、図1中の流向切換機構22内の破線のように、吸入管10aを第1ガス冷媒管10cと連通させ、吐出管10bを第2ガス冷媒管10eと連通させる。流向切換機構22がこのように冷媒管を接続する結果、暖房運転の際、圧縮機21から吐出される冷媒は、冷媒回路10内を、利用熱交換器31、膨張弁24、熱源熱交換器23、の順に流れ、圧縮機21の吸入端へと戻る。暖房運転時には、利用熱交換器31は凝縮器として機能し、熱源熱交換器23は蒸発器として機能する。
(2-2-3)熱源熱交換器
熱源熱交換器23は、構造を限定するものではないが、例えば、伝熱管(図示省略)と多数のフィン(図示省略)とにより構成されるクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。熱源熱交換器23では、熱源熱交換器23を流れる冷媒と熱源空気との間で熱交換が行われる。
熱源熱交換器23は、冷房運転時には凝縮器(放熱器)として機能する。熱源熱交換器23は、暖房運転時には蒸発器として機能する。
(2-2-4)膨張弁
膨張弁24は、冷媒の流量の調節等に用いられる開度調節が可能な電子膨張弁である。
膨張弁24は、液冷媒管10dに設けられている。膨張弁24は、熱源熱交換器23から利用熱交換器31に向かって流れる冷媒、又は、利用熱交換器31から熱源熱交換器23に向かって流れる冷媒を減圧する。
(2-2-5)アキュムレータ
アキュムレータ25は、流入する冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分ける気液分離機能を有する容器である。アキュムレータ25は、図1のように、吸入管10aに設けられる。言い換えれば、アキュムレータ25は、図1のように、冷媒の流れ方向における圧縮機21の上流側に配置される。アキュムレータ25に流入する冷媒は、ガス冷媒と液冷媒とに分かれ、上部空間に集まるガス冷媒が圧縮機21へと流入する。
(2-2-6)第2ファン
第2ファン26は、熱源ユニット2内に熱源空気を吸入して熱源熱交換器23に供給し、熱源熱交換器23において冷媒と熱交換した空気を熱源ユニット2外に排出するファンである。第2ファン26は、空調装置1の冷房運転時には、凝縮器としての熱源熱交換器23に空気を供給する。第2ファン26は、空調装置1の暖房運転時には、蒸発器としての熱源熱交換器23に空気を供給する。
第2ファン26は、例えばプロペラファン等の軸流ファンである。ただし、第2ファン26のタイプは、軸流ファンに限定されるものではなく、適宜選択されればよい。第2ファン26は、ファンモータ26aによって駆動される。ファンモータ26aの回転数は、インバータにより制御可能である。
(2-2-7)センサ
熱源ユニット2は、吸入温度センサ71,吐出温度センサ72、熱源熱交温度センサ73、及び液管温度センサ74を含む、各種センサを有する。熱源ユニット2は、コスト抑制等のため、吸入圧力センサは有していない。
吸入温度センサ71,吐出温度センサ72、熱源熱交温度センサ73、及び液管温度センサ74は、例えばサーミスタである。
吸入温度センサ71は、圧縮機21に吸入される冷媒の温度(吸入温度)を測定する。吸入温度センサ71は、第3センサの一例である。
吐出温度センサ72は、圧縮機21が吐出する冷媒の温度(吐出温度)を測定する。
熱源熱交温度センサ73は、熱源熱交換器23に設けられている。熱源熱交温度センサ73は、熱源熱交換器23を流れる冷媒の温度を測定する。例えば、冷媒流れ方向における熱源熱交換器23の中間位置を流れる冷媒の温度を測定する。熱源熱交温度センサ73は、空調装置1の冷房運転の際には、凝縮器を流れる冷媒の温度を測定する。言い換えれば、熱源熱交温度センサ73は、空調装置1の冷房運転の際には、冷凍サイクルにおける凝縮温度を測定する。一方、熱源熱交温度センサ73は、空調装置1の暖房運転の際には、蒸発器を流れる冷媒の温度を測定する。
液管温度センサ74は、液冷媒管10dを流れる冷媒の温度を計測する。
(2-2-8)第2制御部
第2制御部61は、熱源ユニット2を構成する各部の動作を制御する。
第2制御部61は、圧縮機モータ21b、流向切換機構22、膨張弁24、及びファンモータ26aを含む、熱源ユニット2の有する各種機器に電気的に接続されている。また、第2制御部61は、熱源ユニット2に設けられている各種センサと、通信可能に接続されている。熱源ユニット2に設けられている各種センサには、温度センサ71~74を含む。第2制御部61は、CPUやメモリを含むマイクロコンピュータや、入出力装置等を有する(図示省略)。第2制御部61は、CPUが、メモリに記憶されているプログラムを実行することで、熱源ユニット2を構成する各部の動作を制御する。なお、第2制御部61は、全ての制御をソフトウェアで実現する必要はなく、一部又は全部の制御を各種の制御回路を用いてハードウェアにより実現してもよい。
第2制御部61は、通信回線を介し、利用ユニット3の第1制御部62との間で各種信号等のやりとりを行う。第2制御部61及び第1制御部62は、協働してコントローラ60として機能する。コントローラ60の機能については後述する。
(2-3)コントローラ
本実施形態では、熱源ユニット2の第2制御部61と、利用ユニット3の第1制御部62と、が協働することで、空調装置1の動作を制御するコントローラ60として機能する。例えば、第2制御部61のCPUが空調装置1の制御用のプログラムを実行し、第1制御部62のCPUが空調装置1の制御用のプログラムを実行することで、コントローラ60は、空調装置1の動作を制御する。ただし、コントローラ60としての一部又は全部の機能は、制御回路等のハードウェアにより実現されてもよい。
なお、空調装置1は、第2制御部61及び第1制御部62に加えて、以下で説明する機能の一部又は全部を実現する、図示しない制御装置を有してもよい。また、空調装置1は、第2制御部61及び第1制御部62に代えて、以下で説明する機能の全部を実現する、図示しない制御装置を有してもよい。ここでの制御装置は、熱源ユニット2及び利用ユニット3とは別に設けられる装置である。
コントローラ60は、図2に示されているように、吸入温度センサ71、吐出温度センサ72、熱源熱交温度センサ73、液管温度センサ74、及び利用熱交温度センサ75と通信可能に接続されている。コントローラ60は、これらの温度センサ71~75の送信する計測信号を受信する。コントローラ60は、圧縮機モータ21b、流向切換機構22、膨張弁24、ファンモータ26a、及びファンモータ32aと電気的に接続されている。コントローラ60は、空調装置1の制御用リモコンが送信する制御信号や、温度センサ71~75を含むセンサの計測信号に基づき、圧縮機モータ21b、流向切換機構22、膨張弁24、ファンモータ26a、及びファンモータ32aを含む空調装置1の機器の動作を制御する。コントローラ60は、空調装置1の動作を制御することで、冷媒回路10における冷凍サイクルを制御する。
コントローラ60は、空調装置1の各種機器を制御して、空調装置1に冷房運転や暖房運転を実行させる。
なお、コントローラ60は、空調装置1において冷房運転や暖房運転を開始する際、最初に起動制御を行う。起動制御は、圧縮機21の圧縮機モータ21bの回転数を所定の最低回転数から目標回転数へと段階的に上昇させながら、圧縮機モータ21bの回転数の上昇に合わせ、膨張弁24の開度を次第に大きくする制御である。起動制御は、通常、数分程度で終了する。起動制御の終了後、コントローラ60は、通常制御を行う。
通常制御時には、コントローラ60は、運転容量の変化がない(変化が所定量以下である)場合には、圧縮機21の圧縮機モータ21bを一定に制御する。また、コントローラ60は、通常制御時に、第2制御の一例である過冷却度制御を行う。過冷却度制御は、凝縮器の出口における冷媒の過冷却度を、所定の目標過冷却度に近づけるよう膨張弁24の開度を調節する制御である。
また、コントローラ60は、通常制御中に、第1条件が成立すると、第1制御を行う。具体的には、コントローラ60は、第1条件が成立していると判断する場合に、第1制御を行う。第1条件、第1制御、及び第1制御の終了条件について以下に説明する。
(2-3-1)第1条件
コントローラ60は、以下の第1項目及び第2項目が共に成立していると判断する時に、第1条件が成立していると判断する。
(A)第1項目
コントローラ60は、冷媒回路10の凝縮器の出口における冷媒の過冷却度が上昇している場合、第1項目が成立していると判断する。言い換えると、冷房運転時であれば、コントローラ60は、熱源熱交換器23の出口における冷媒の過冷却度が上昇している場合に、第1項目が成立していると判断する。また、暖房運転時であれば、コントローラ60は、利用熱交換器31の出口における冷媒の過冷却度が上昇している場合に、第1項目が成立していると判断する。
なお、冷媒の過冷却度が上昇している状態には、冷房運転時であれば、熱源熱交温度センサ73及び液管温度センサ74の計測値を用いて算出される過冷却度の値が上昇している状態を含む。この時、過冷却度の値は、熱源熱交温度センサ73の計測値から、液管温度センサ74の計測値を差し引くことで算出される。また、冷媒の過冷却度が上昇している状態には、暖房運転時であれば、利用熱交温度センサ75及び液管温度センサ74の計測値を用いて算出される過冷却度の値が上昇している状態を含む。この時、過冷却度の値は、利用熱交温度センサ75の計測値から、液管温度センサ74の計測値を差し引くことで算出される。
例えば、コントローラ60は、算出される過冷却度が、前回算出された過冷却度に比べて所定値以上大きい場合、過冷却度が上昇していると判断する。例えば、コントローラ60は、算出される過冷却度が、30秒前に算出された過冷却度に比べて所定値以上大きい場合、過冷却度が上昇していると判断する。
また、コントローラ60は、複数回の計測結果に基づいて冷媒の過冷却度が上昇しているか否かを判断してもよい。例えば、具体的には、コントローラ60は、数秒に1度(例えば5秒に1度)センサの計測値に基づいて過冷却度を算出する。そして、コントローラ60は、複数回(例えば5回)連続して算出した過冷却度の値が増加している場合に、冷媒の過冷却度が上昇していると判断してもよい。
(B)第2項目
コントローラ60は、冷媒回路10における冷凍サイクルの凝縮温度を計測する第1センサが検知する凝縮温度が低下している場合、第2項目が成立していると判断する。例えば、冷房運転時であれば、コントローラ60は、第1センサとしての熱源熱交温度センサ73の計測値の値が低下している場合に、第2項目が成立していると判断する。暖房運転時であれば、コントローラ60は、第1センサとしての利用熱交温度センサ75の計測値の値が低下している場合に、第2項目が成立していると判断する。
例えば、コントローラ60は、第1センサが計測する温度が、前回第1センサが計測した温度に比べて所定値以上低い場合、第1センサが検知する凝縮温度が低下していると判断する。例えば、コントローラ60は、第1センサが計測する温度が、30秒前に第1センサが計測した温度に比べて所定値以上低い場合、第1センサが検知する凝縮温度が低下していると判断する。
また、コントローラ60は、複数回の計測結果に基づいて、第1センサが検知する凝縮温度が低下していると判断してもよい。例えば、第1センサの計測値は、数秒に1度(例えば5秒に1度)計測される。そして、コントローラ60は、第1センサの計測値が、複数回(例えば5回)連続して低下している場合に、第1センサが検知する凝縮温度が低下していると判断してもよい。
(2-3-2)第1制御
コントローラ60の実行する第1制御は、冷媒回路10における冷凍サイクルの蒸発圧力を上げる制御である。言い換えれば、コントローラ60の実行する第1制御は、蒸発器内において気液二相状態の冷媒が流れる領域を増やす制御である。
コントローラ60は、第1条件が成立すると、第1制御として、以下の制御内容(i)~(iii)の少なくとも1つを実行する。
(i)膨張弁24の開度を、第1条件が成立した際の膨張弁24の開度よりも大きくする。
(ii)圧縮機21の圧縮機モータ21bの回転数を、第1条件が成立した際の圧縮機21の圧縮機モータ21bよりも下げる。
(iii)蒸発器に空気を供給するファンのファンモータの回転数を、第1条件が成立した際のファンのファンモータの回転数よりも上げる。冷房運転時であれば、第1条件が成立すると、第1ファン32のファンモータ32aの回転数を、第1条件が成立した際のファンモータ32aの回転数よりも上げる。暖房運転時であれば、第1条件が成立すると、第2ファン26のファンモータ26aの回転数を、第1条件が成立した際のファンモータ26aの回転数よりも上げる。
(2-3-3)第1制御の終了条件
コントローラ60は、第1制御を、以下の2つの終了条件のいずれかが成立した時に終了する。以下の2つの終了条件のそれぞれは、圧縮機21に吸入される冷媒量の不足が改善されていると判断される条件である。
(A)第1終了条件
コントローラ60は、冷媒回路10の冷凍サイクルにおける凝縮圧力が所定圧力に上昇すると、第1終了条件が成立していると判断する。例えば、コントローラ60は、冷媒回路10の冷凍サイクルにおける凝縮圧力が、第1条件の成立時の凝縮圧力に対して、所定値以上上昇すると、第1終了条件が成立していると判断する。
なお、本実施形態では、冷媒回路10に凝縮圧力を測定するための圧力センサが設けられていない。そのため、コントローラ60は、凝縮圧力が所定圧力に上昇しているかの判断に、凝縮圧力と相関する冷凍サイクルの凝縮温度を計測する第1センサの計測値を利用する。コントローラ60は、例えば、凝縮圧力と相関する冷凍サイクルの凝縮温度を計測する第1センサの計測値に基づき、冷媒回路10の冷凍サイクルにおける凝縮圧力が、第1条件の成立時の凝縮圧力に対して所定値以上上昇していることを判断する。コントローラ60は、冷房運転時であれば、第1センサとしての熱源熱交温度センサ73の計測値に基づき、第1終了条件が成立しているか否かを判断する。コントローラ60は、暖房運転時であれば、第1センサとしての利用熱交温度センサ75の計測値に基づいて、第1終了条件が成立しているか否かを判断する。
なお、コントローラ60は、凝縮圧力と相関する圧縮機21の吐出温度を計測する吐出温度センサ72の計測値に基づき、冷媒回路10の冷凍サイクルにおける凝縮圧力が、第1条件の成立時の凝縮圧力に対して、所定値以上上昇していることを判断してもよい。
(B)第2終了条件
コントローラ60は、圧縮機21に吸入される冷媒の温度を測定する吸入温度センサ71の計測値から、蒸発器を流れる冷媒の温度を測定する第2センサの計測値を差し引いた値が、所定値に増加すると、第2終了条件が成立したと判断する。詳しく説明すると、コントローラ60は、冷房運転時であれば、吸入温度センサ71の計測値から、蒸発器としての利用熱交換器31を流れる冷媒の温度を測定する利用熱交温度センサ75の計測値を差し引いた値が所定値に増加すると、第2終了条件が成立したと判断する。また、コントローラ60は、暖房運転時であれば、吸入温度センサ71の計測値から、蒸発器としての熱源熱交換器23を流れる冷媒の温度を測定する熱源熱交温度センサ73の計測値を差し引いた値が所定値に増加すると、第2終了条件が成立したと判断する。
第2終了条件が、圧縮機21に吸入される冷媒の不足状態が改善されていると判断される条件である理由について説明する。
まず、第2センサは、通常は、気液二層状態の冷媒の温度を測定することを意図して設けられるセンサである。言い換えれば、第2センサは、冷凍サイクルにおける蒸発温度(飽和温度)を測定するセンサである。
しかし、圧縮機21に吸入される冷媒量が不足している状況では、蒸発器に流入する冷媒量が少ないため、蒸発器の冷媒入口近傍で、既に全ての冷媒がガス状態になる可能性がある。そのため、蒸発器のどの部分を流れる冷媒の温度が第2センサで測定されるかによっては、第2センサの計測する冷媒の温度は、過熱がついた状態の冷媒の温度である可能性がある。この状態では、第2センサの計測値が、圧縮機21に吸入される冷媒の温度を測定する吸入温度センサ71の計測値と、ほぼ同一になる可能性がある。言い換えれば、吸入温度センサ71の計測値から第2センサの計測値を差し引いた値は、圧縮機21に吸入される冷媒に過熱がついているのにも関わらずほぼゼロになる可能性がある。言い換えれば、圧縮機21に吸入される冷媒の加熱度がついているにも関わらず、過熱度がついていないと誤って検知される可能性がある。
これに対し、第1制御が行われ、圧縮機21へ吸入される冷媒量の不足が改善されると、第2センサの計測値は、気液二層状態の冷媒の温度の計測値となる。その結果、吸入温度センサ71の計測値(過熱度のついている冷媒の温度)から第2センサの計測値(気液二層の冷媒の温度)を差し引いた値は、正の値になる。よって、吸入温度センサ71の計測値から第2センサの計測値を差し引いた値を用いて、圧縮機21へ吸入される冷媒の不足の状態が改善されていることを検知できる。
(3)コントローラによる空調装置の制御
コントローラ60による空調装置1の冷房運転時の通常制御、コントローラ60による空調装置1の暖房運転時の通常制御、及び、コントローラ60による第1制御及び第1制御に関連してコントローラ60が実行する処理について説明する。
(3-1)冷房運転時の通常制御
空調装置1のリモコン等からの指示によって冷房運転の指示がなされると、コントローラ60は、流向切換機構22が図1の実線で示された状態になるように流向切換機構22を制御する。そして、コントローラ60は、起動制御の後、通常制御を開始する。
通常制御では、コントローラ60は、空調負荷に応じ、圧縮機21の圧縮機モータ21bの回転数を所定の回転数に制御する。空調負荷に変化がない(変化量が所定量以下である)場合、コントローラ60は、圧縮機21の圧縮機モータ21bの回転数を一定に制御する。また、コントローラ60は、熱源熱交温度センサ73の計測値から液管温度センサ74の計測する計測値を差し引いた値(過冷却度)が、目標温度に近づくよう、膨張弁24の動作を制御する(過冷却度制御)。
冷房運転時の冷媒回路10内の冷媒の流れを説明する。
冷房運転時には、冷媒回路10内の低圧のガス冷媒は、圧縮機21に吸入されて圧縮され、高圧のガス冷媒となる。圧縮機21で圧縮されたガス冷媒は、流向切換機構22を通じて熱源熱交換器23に送られる。熱源熱交換器23に送られた高圧のガス冷媒は、凝縮器として機能する熱源熱交換器23において、第2ファン26によって供給される室外空気と熱交換を行って冷却されて凝縮し、高圧の液冷媒となる。熱源熱交換器23で凝縮した液冷媒は、膨張弁24で減圧されて膨張し、液閉鎖弁27及び液冷媒連絡管41を通じて、利用ユニット3に送られる。利用ユニット3に送られた冷媒は、利用熱交換器31に送られる。利用熱交換器31に送られた冷媒は、蒸発器として機能する利用熱交換器31において、第1ファン32によって供給される室内空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発し、低圧のガス冷媒となる。低圧のガス冷媒は、ガス冷媒連絡管42を通じ、利用ユニット3から熱源ユニット2に送られる。熱源ユニット2に送られた低圧のガス冷媒は、ガス閉鎖弁28及び流向切換機構22を通じて、圧縮機21に再び吸入される。
(3-2)暖房運転時の通常制御
空調装置1のリモコン等からの指示によって暖房運転の指示がなされると、コントローラ60は、流向切換機構22が図1の破線で示された状態になるように流向切換機構22を制御する。そして、コントローラ60は、起動制御の後、通常制御を開始する。
通常制御では、コントローラ60は、空調負荷に応じて、圧縮機21の圧縮機モータ21bの回転数を所定の回転数に制御する。空調負荷に変化がない(変化量が所定量以下である)場合、コントローラ60は、圧縮機21の圧縮機モータ21bの回転数を一定に制御する。また、コントローラ60は、利用熱交温度センサ75の計測値から液管温度センサ74の計測する計測値を差し引いた値(過冷却度)が、目標温度に近づくよう、膨張弁24の動作を制御する(過冷却度制御)。
暖房運転時の冷媒回路10内の冷媒の流れを説明する。
暖房運転時には、冷媒回路10内の低圧のガス冷媒は、圧縮機21に吸入されて圧縮され、高圧のガス冷媒となる。圧縮機21で圧縮されたガス冷媒は、流向切換機構22、ガス閉鎖弁28及びガス冷媒連絡管42を通じて、熱源ユニット2から利用ユニット3に送られる。利用ユニット3に送られた高圧のガス冷媒は、利用熱交換器31に送られる。利用熱交換器31に送られた高圧のガス冷媒は、凝縮器(放熱器)として機能する利用熱交換器31において、第1ファン32によって供給される室内空気と熱交換を行って冷却されて凝縮し、高圧の液冷媒となる。高圧の液冷媒は、液冷媒連絡管41を通じて、利用ユニット3から熱源ユニット2に送られる。熱源ユニット2に送られた冷媒は、膨張弁24に送られ、膨張弁24によって減圧されて、熱源熱交換器23に送られる。熱源熱交換器23に送られた冷媒は、蒸発器として機能する熱源熱交換器23において、第2ファン26によって供給される室外空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発して、低圧のガス冷媒となる。低圧のガス冷媒は、流向切換機構22を通じて、再び、圧縮機21に吸入される。
(3-3)第1制御及び第1制御に関連する処理
コントローラ60が実行する第1制御、及び、第1制御に関連してコントローラ60が実行する処理について、図3を参照しながら説明する。図3は、コントローラ60の第1制御及び第1制御に関連する処理について説明するフローチャートである。
ここでは、冷房運転の際に、コントローラ60が実行する第1制御、及び、第1制御に関連してコントローラ60が実行する処理について説明する。なお、暖房運転の際には、利用熱交換器31が凝縮器になり、熱源熱交換器23が蒸発器になる。そのため、暖房運転時に第1制御に関連してコントローラ60が実行する処理において、第1センサ及び第2センサとして機能するセンサが、冷房運転時と異なる。ただし、暖房運転時に第1制御に関連してコントローラ60が実行する処理は、使用されるセンサが異なる点を除くと、冷房運転時に第1制御に関連してコントローラ60が実行する処理と概ね同様であるため、詳細な説明は省略する。
まず、コントローラ60は、空調装置1のリモコン等からの指示に応じて停止していた空調装置1が冷房運転を開始する際、上述のように起動制御を行う(ステップS1)。コントローラ60は、圧縮機21の圧縮機モータ21bの回転数を所定の最低回転数から目標回転数へと段階的に上昇させながら、圧縮機モータ21bの回転数の上昇に合わせ、膨張弁24の開度を次第に大きくする。
起動制御が終了すると、コントローラ60は、通常制御を開始する(ステップS2)。具体的には、コントローラ60は、運転容量の変化がない(変化が所定量以下である)場合には、圧縮機21の圧縮機モータ21bを一定に制御する。また、コントローラ60は、通常制御時に、凝縮器の出口の過冷却度を所定の目標過冷却度に近づけるよう、膨張弁24の開度を調節する第2制御(過冷却度制御)を行う。
なお、コントローラ60は、過冷却度制御中は、所定時間毎(例えば5秒毎)に、熱源熱交温度センサ73の計測値から液管温度センサ74の計測値を差し引いた値を、過冷却度として算出している。算出した過冷却度の値は、運転情報としてコントローラ60の記憶部60aに記憶される。また、コントローラ60は、通常制御中、圧縮機21の圧縮機モータ21bの回転数をある値に設定してからの経過時間を把握している。
コントローラ60は、通常制御中、圧縮機21の圧縮機モータ21bの回転数を一定の値に維持している時間が、所定時間(例えば30秒)を超えたかを判断する(ステップS3)。言い換えれば、コントローラ60は、圧縮機21の圧縮機モータ21bの回転数が変化しない時間が、所定時間を超えたかを判断する。コントローラ60が、圧縮機21の圧縮機モータ21bの回転数が変化しない時間が所定時間を超えていると判断すると、ステップS4に進む。コントローラ60は、圧縮機21の圧縮機モータ21bの回転数が変化しない時間が所定時間を超えていると判断されるまで、ステップS3の処理を繰り返す。
ステップS4では、コントローラ60は、第1条件のうち、第1項目が成立しているか否かを判断する。言い換えると、ステップS4では、コントローラ60は、冷媒回路10の凝縮器の出口における冷媒の過冷却度が上昇しているか否かを判断する。なお、第1項目が成立しているか否かの判断方法は既に説明したため、ここでは説明を省略する。コントローラ60が、第1項目が成立している判断する場合にはステップS5に進む。コントローラ60が、第1項目が成立していないと判断する場合には、ステップS3に戻る。
ステップS5では、コントローラ60は、第1条件のうち、第2項目が成立しているか否かを判断する。言い換えると、ステップS5では、コントローラ60は、第1センサの計測値が低下しているか否かを判断する。第1センサは、冷媒回路10における冷凍サイクルの凝縮温度を計測するセンサである。例えば、コントローラ60は、熱源熱交温度センサ73が計測する温度が低下しているか否かを判断する。なお、第2項目が成立しているか否かの判断方法については既に説明したため、ここでは説明を省略する。コントローラ60が、第2項目が成立している判断する場合にはステップS6に進む。コントローラ60が、第2項目が成立していないと判断する場合には、ステップS3に戻る。
ステップS6では、コントローラ60は、ステップS4及びステップS5の判断がいずれも“Yes“であることから、第1条件が成立していると判断する。コントローラ60は、この際、各種の運転パラメータ(各種センサの計測値や、モータ21b,26a,32aの回転数や、膨張弁24の開度等)を記憶部60aに記憶する。また、コントローラ60は、第1条件が成立していると判断すると、過冷却度制御を中断する。言い換えれば、コントローラ60は、凝縮器の出口の過冷却度を、目標過冷却度に近づけるよう膨張弁24の開度を調節する制御を中断する。
その後、コントローラ60は、第1制御を開始する。コントローラ60は、上述した制御内容(i)~(iii)の少なくとも1つを、第1制御として実行する。例えば、コントローラ60が制御内容(i)を実行する場合には、コントローラ60は、膨張弁24の開度を、第1条件が成立した際の膨張弁24の開度よりも大きくする。コントローラ60が制御内容(ii)を実行する場合には、コントローラ60は、圧縮機21の圧縮機モータ21bの回転数を、第1条件が成立した際の圧縮機21の圧縮機モータ21bよりも下げる。コントローラ60が制御内容(iii)を実行する場合には、コントローラ60は、第1ファン32のファンモータ32aの回転数を、第1条件が成立した際のファンモータ32aの回転数よりも上げる。
コントローラ60は、第1制御を開始すると、第1終了条件又は第2終了条件のいずれかが成立しているか否かを判断する(ステップS7参照)。
コントローラ60は、第1終了条件が終了しているかを例えば以下のように判断する。コントローラ60は、熱源熱交温度センサ73の計測値(凝縮温度)を、記憶部60aに記憶されているテーブルや数式を用いて凝縮圧力の値に読み替える。そして、コントローラ60は、冷媒回路10の冷凍サイクルにおける凝縮圧力が、第1条件の成立時の圧力(凝縮温度から算出される凝縮圧力)に比べ所定値以上上昇しているかを判断し、所定値以上上昇している場合に第1終了条件が成立していると判断する。
コントローラ60は、第2終了条件が終了しているかを例えば以下のように判断する。コントローラ60は、吸入温度センサ71の計測値から、蒸発器としての利用熱交換器31を流れる冷媒の温度を測定する利用熱交温度センサ75の計測値を差し引いた値が所定値(例えば0.5度)に増加すると、第2終了条件が成立したと判断する。
なお、第1終了条件及び第2終了条件が成立しているか否かの判断方法については既に説明したため、これ以上の詳細な説明を省略する。
コントローラ60が、第1終了条件又は第2終了条件が成立していると判断すると、ステップS8に進む。
なお、ここでは、コントローラ60は、第1終了条件及び第2終了条件の両方についてその成立を判断し、いずれか一方が成立していると判断すると、ステップS8の処理に進む。ただし、このような態様に限定されるものではなく、コントローラ60は、第1終了条件又は第2終了条件のいずれか一方の終了条件についてのみその成立を判断し、その終了条件が成立した場合に、ステップS8の処理に進むように構成されてもよい。
コントローラ60は、ステップS8において、通常制御中の過冷却度制御に関し、第1条件の成立前に対して、少なくとも以下の設定変更(a)~(c)のいずれかを実行することが好ましい。なお、ステップS8の処理を実行する目的は、通常制御中に、圧縮機21に吸入される冷媒量が不足しにくくすることにある。
(a)過冷却度制御の目標過冷却度を下げる。例えば第1条件の成立前の目標過冷却度が5℃であるとすれば、ステップS8で目標過冷却度を1℃下げて4℃にする。
(b)過冷却度制御の際の単位時間あたりの膨張弁24の開度の低減量を小さくする。以下に、詳細を説明する。
コントローラ60は、過冷却度を上昇させ、過冷却度を目標過冷却度に近づける際、膨張弁24の開度を小さくする制御を行う。例えば、コントローラ60は、膨張弁24の開度を小さくする制御を行う際、第1条件の成立前には、所定の時間間隔ΔT1毎に、1回の制御当たり、パルス数を所定の量A1だけ小さくする制御を行っているとする。これに対し、コントローラ60は、第1条件が成立すると、膨張弁24の開度を変更する時間間隔を、ΔT1から、ΔT1より大きなΔT2に変更する。これに加え、あるいは、これに代えて、コントローラ60は、第1条件が成立すると、膨張弁24の1回の制御あたりに変更するパルス数を、量A1から、量A1より小さな量A2に変更する。このようにして、コントローラ60は、過冷却度制御の際の単位時間あたりの膨張弁24の開度の低減量を小さくする。
(c)膨張弁24の最小開度を大きくする。例えば、第1条件の成立前には、コントローラ60は、過冷却度制御の際、膨張弁24の開度(パルス数)を最小値B1まで低減することが許容されているとする。これに対し、ステップS8では、コントローラ60は、過冷却度制御の際に許容される膨張弁24の開度の最小値を、B1から、B1より大きなB2に変更する。
ステップS8の実行後、コントローラ60は、第1制御を終了し(ステップS9)、通常制御に戻る(ステップS2)。なお、コントローラ60は、通常制御に復帰後、ステップS8で変更された設定を用いて、過冷却度制御を行う。
以上、ここでは、図3のフローチャートに基づいて、第1制御に関連してコントローラ60が実行する処理を説明している。ただし、ここで説明した処理の内容や処理の順序等は一例に過ぎず、矛盾しない範囲で適宜変更されてもよい。例えば、矛盾しない範囲で、ステップS3~ステップS5の判断の順番は適宜変更されてもよく、ステップS3~ステップS5の処理は並列的に実行されてもよい。また、例えば、ステップS8の処理は、第1制御の終了条件の成立時に実行される必要はなく、第1条件が成立したと判断すると、直ちに実行されてもよい。
(4)空調装置の特徴
空調装置1の特徴について説明する。
以下の空調装置1の特徴に関する説明は、冷房運転時に関しては、凝縮器を熱源熱交換器23、蒸発器を利用熱交換器31、第1センサを熱源熱交温度センサ73、第2センサを利用熱交温度センサ75、ファンを第1ファン32、と読み替えればよい。また、以下の空調装置1の特徴に関する説明は、暖房運転時に関しては、凝縮器を利用熱交換器31、蒸発器を熱源熱交換器23、第1センサを利用熱交温度センサ75、第2センサを熱源熱交温度センサ73、ファンを第2ファン26、と読み替えればよい。
(4-1)
冷凍サイクル装置の一例としての空調装置1は、冷媒回路10と、第1センサと、制御部の一例としてのコントローラ60と、を備える。冷媒回路10は、圧縮機21、凝縮器、膨張弁24及び蒸発器を含む。第1センサは、冷媒回路10における冷凍サイクルの凝縮温度を検知する。コントローラ60は、冷媒回路10における冷凍サイクルを制御する。コントローラ60は、第1条件が成立している場合に、冷媒回路10における冷凍サイクルの蒸発圧力を上げる第1制御を行う。第1条件は、冷媒回路10の凝縮器の出口における冷媒の過冷却度が上昇し、かつ、第1センサが検知する凝縮温度が低下していることである。
空調装置1において凝縮器の出口の冷媒の過冷却度が上昇すると、通常は凝縮温度が上昇する。空調装置1において、過冷却度が上昇しているにも関わらず、凝縮温度が低下している場合には、圧縮機21に吸入される冷媒量が不足している可能性がある。
本実施形態の空調装置1では、過冷却度が上昇し、かつ、凝縮温度が低下している場合に冷凍サイクルの蒸発圧力を上げる制御を行う。そのため、空調装置1では、吸入される冷媒量の不足に伴う圧縮機21の損傷を抑制しつつ、空調装置1の運転を継続することができる。
(4-2)
本実施形態の空調装置1では、コントローラ60は、第1制御を行っていない場合に、過冷却度を目標過冷却度に近づけるよう膨張弁24の開度を調節する、第2制御の一例としての過冷却度制御を行う。
本実施形態の空調装置1は、第1制御が行われていない場合に、凝縮器の出口の過冷却度を目標値に調節する過冷却度制御を行うため、効率のよい空調装置1の運転が可能である。
(4-3)
本実施形態の空調装置1では、コントローラ60は、第1条件の成立後の過冷却度制御において、以下の(a)~(c)の少なくとも1つを行う。
(a)目標過冷却度を下げる。
(b)単位時間あたりの膨張弁24の開度の低減量を小さくする。
(c)膨張弁24の最小開度を大きくする。
過冷却度制御を実行している時に第1条件が成立した場合、その後に同じ制御内容で過冷却度制御が行われると、圧縮機21に吸入される冷媒量が再び不足するおそれがある。
本実施形態の空調装置1では、第1条件が成立すると、過冷却度制御の制御内容が第1条件の成立しにくい制御内容に変更されるため、第1制御が必要になる事態の発生を抑制できる。
(4-4)
本実施形態の空調装置1では、コントローラ60は、第1制御として、以下の制御内容(i)~(iii)の少なくとも1つを実行する。
(i)膨張弁24の開度を、第1条件が成立した際の膨張弁24の開度より大きくする。
(ii)圧縮機21の回転数を、第1条件が成立した際の圧縮機21の回転数より下げる。
(iii)蒸発器に空気を供給するファンの回転数を、第1条件が成立した際のファンの回転数より上げる。
本実施形態の空調装置1では、このような第1制御を行うことで、冷凍サイクルにおける蒸発圧力を上昇させることができる。
(4-5)
本実施形態の空調装置1は、第2センサと、第3センサの一例としての吸入温度センサ71と、を備える。第2センサは、蒸発器を流れる冷媒の温度を測定する。吸入温度センサ71は、圧縮機21に吸入される冷媒の温度を測定する。コントローラ60は、第1制御の開始後に、冷媒回路10の冷凍サイクルにおける凝縮圧力が所定圧力に上昇すると、又は、吸入温度センサ71の計測値から第2センサの計測値を差し引いた値が所定値に増加すると、第1制御を終了する。
本実施形態の空調装置1では、凝縮圧力の上昇や、圧縮機21に吸入される冷媒の温度と蒸発器を流れる冷媒の温度との温度差の増加に基づき、冷凍サイクルの蒸発圧力の上昇を検知して第1制御を中止し、通常の空調装置1の運転に復帰できる。
(4-6)
本実施形態の空調装置1では、コントローラ60は、圧縮機21の圧縮機モータ21bの回転数が所定時間変化しない時に第1条件が成立すると、第1制御を行う。
本実施形態のでは、圧縮機21の回転数の低下を原因として凝縮温度が低下している状態が、冷凍サイクルの凝縮温度が低下している状態と判断されて第1制御が実行されることを抑制できる。
(5)変形例
以下に上記実施形態の変形例を示す。なお、以下に示す各変形例は、上記実施形態及び他の変形例の構成の一部又は全部と、互いに矛盾しない範囲で適宜組み合わせられてもよい。
(5-1)変形例A
上記実施形態では、コントローラ60は、センサの計測値を利用して、冷媒回路10の凝縮器の出口における冷媒の過冷却度が上昇していると判断している。
ただし、コントローラ60は、センサの計測値は利用せずに、冷媒の過冷却度が上昇しているか否かを判断してもよい。例えば、コントローラ60は、他の運転条件を変化させていない状態(例えば圧縮機モータ21bの回転数は変化させていない状態)であって、膨張弁24の開度を小さくする制御を行っている場合には、冷媒の過冷却度が上昇していると判断してもよい。
(5-2)変形例B
冷媒回路10には、図4のように、吐出管10bに吐出圧センサ76が設けられてもよい。冷媒回路10に、吐出圧センサ76が設けられている場合には、コントローラ60は、吐出圧センサ76の計測値が、第1条件の成立時の吐出圧センサ76の計測値に対して所定値以上上昇した時に、冷媒回路10の冷凍サイクルにおける凝縮圧力が所定圧力に上昇し、第1終了条件が成立していると判断されてもよい。
また、上記実施形態では、コントローラ60は、凝縮器を流れる冷媒の温度の温度センサによる計測値と、凝縮器の出口の冷媒の温度の温度センサによる計測値との差に基づいて、過冷却度を算出している。しかし、冷媒回路10に吐出圧センサ76が設けられている場合には、コントローラ60は、過冷却度を、吐出圧センサ76の計測する吐出圧力(凝縮圧力)から算出される凝縮温度と、凝縮器の出口の冷媒の温度の温度センサによる計測値との差に基づいて、過冷却度を算出してもよい。
(5-3)変形例C
上記実施形態では、コントローラ60は、圧縮機21の圧縮機モータ21bの回転数が所定時間変化しない時に第1条件が成立すると、第1制御を行う。しかし、コントローラ60は、圧縮機21の圧縮機モータ21bの回転数が変化している場合に、上述の第1項目及び第2項目が成立しているかを判断し、第1条件が成立しているか否かを判断してもよい。例えば、コントローラ60は、圧縮機21の圧縮機モータ21bの回転数が上昇している時に、第1条件が成立する場合にも、第1制御を行ってもよい。
<付記>
以上、本開示の実施形態及び変形例を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
本開示は、冷凍サイクル装置に対し広く適用可能であり有用である。
1 空調装置(冷凍サイクル装置)
10 冷媒回路
21 圧縮機
23 熱源熱交換器(凝縮器、蒸発器)
24 膨張弁
26 第2ファン(蒸発器のファン)
31 利用熱交換器(蒸発器、凝縮器)
32 第1ファン(蒸発器のファン)
60 コントローラ(制御部)
71 吸入温度センサ(第3センサ)
73 熱源熱交温度センサ(第1センサ、第2センサ)
75 利用熱交温度センサ(第2センサ、第1センサ)
76 吐出圧センサ(第1センサ)
特開2001-141290号公報

Claims (8)

  1. 圧縮機(21)、凝縮器(23,31)、膨張弁(24)及び蒸発器(31,23)を含む冷媒回路(10)と、
    前記冷媒回路における冷凍サイクルの凝縮温度又は凝縮圧力を検知する第1センサ(73,75,76)と、
    前記冷媒回路における冷凍サイクルを制御する制御部(60)と、
    を備え、
    前記制御部は、前記冷媒回路の前記凝縮器の出口における冷媒の過冷却度が上昇し、かつ、前記第1センサが検知する前記凝縮温度又は前記凝縮圧力が低下する、第1条件が成立している場合に、前記冷媒回路における冷凍サイクルの蒸発圧力を上げる第1制御を行う、
    冷凍サイクル装置(1)。
  2. 前記制御部は、前記第1制御を行っていない場合に、前記過冷却度を目標過冷却度に近づけるよう前記膨張弁の開度を調節する第2制御を行う、
    請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記制御部は、前記第1条件の成立後の前記第2制御において、
    前記目標過冷却度を下げる、
    単位時間あたりの前記膨張弁の開度の低減量を小さくする、及び
    前記膨張弁の最小開度を大きくする、
    の少なくとも1つを行う、
    請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記制御部は、前記第1制御として、前記膨張弁の開度を前記第1条件が成立した際の前記膨張弁の開度より大きくする制御を行う、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記制御部は、前記第1制御として、前記圧縮機の回転数を前記第1条件が成立した際の前記圧縮機の回転数より下げる制御を行う、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。
  6. 前記蒸発器に空気を供給するファン(32,26)を更に備え、
    前記制御部は、前記第1制御として、前記ファンの回転数を前記第1条件が成立した際の前記ファンの回転数より上げる制御を行う、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。
  7. 前記蒸発器を流れる冷媒の温度を測定する第2センサ(75,73)と、
    前記圧縮機に吸入される冷媒の温度を測定する第3センサ(71)と、
    を更に備え、
    前記制御部は、前記第1制御の開始後に、前記冷媒回路の冷凍サイクルにおける凝縮圧力が所定圧力に上昇すると、又は、前記第3センサの計測値から前記第2センサの計測値を差し引いた値が所定値に増加すると、前記第1制御を終了する、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。
  8. 前記制御部は、前記圧縮機の回転数が所定時間変化しない時に前記第1条件が成立すると、前記第1制御を行う、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。
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