JP3603358B2 - 冷凍装置 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、冷凍装置において低負荷運転時に圧縮機シェル内部で凝縮した液冷媒が圧縮機構の潤滑性を保つための潤滑油に溶解して粘度を低下させることで本来の潤滑性能が損なわれ、圧縮機の信頼性が損なわれることを防止する機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、空気調和機に代表される冷凍装置に関してユーザの使用環境に応じたきめ細かな空調運転が要求されるようになってきている。初期の空気調和機では圧縮機は一定周波数でのオン・オフ断続運転されていたため、室内温度のハンチングが大きく、即ち冷房時を例に挙げると冷えすぎたり、暑くなったりが繰り返され、その結果ユーザが温熱環境的に不快に感じることが多かった。このような課題を打破すべくインバータを搭載し負荷に応じて圧縮機の運転周波数を調節する空気調和機が開発されてきている。即ち、負荷の大きいときは圧縮機運転周波数を大きくし、反対に負荷の小さいときは運転周波数を低くするようにして能力を制御し、快適な温熱環境を作るようになってきた。
【0003】
現在の一般的な家庭用空気調和機の低負荷に対応した運転制御方法について図25を用いて説明する。図25は従来の家庭用空気調和機の構成例模式図であり、同図において51は圧縮機、52は室外機熱交換器、53は室内機熱交換器、54は膨張弁、55は室内空気吸込温度計測用サーミスタ(以下、サーミスタと記す)、56は設定温度読み取り装置(以下、リモコンと記す)、57は負荷判定装置(以下、マイコンと記す)、58は圧縮機運転周波数制御装置(以下、インバータと記す)である。空気調和機が運転されるとサーミスタ55は室温として室内機吸込空気温度を計測し、リモコン56でユーザが設定した設定温度と比較し、その温度差に応じてマイコン57が圧縮機51の運転周波数を決定し、インバータ58に伝え、圧縮機51が決定された運転周波数で運転される。例えば、夏期の冷房運転でリモコン56での設定温度が27度、サーミスタ55で検知された室温が27.5度であった場合、設定値に対する温度差が小さいためマイコン57が冷房負荷は小さいと判断してインバータ58に対して低周波数で運転するように指示し、その結果、室内機の冷房能力が小さく押さえられて設定温度で安定するように運転される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、運転負荷が小さく低周波数で運転されている圧縮機51のシェル内部での冷媒状態は図26の冷媒状態を表すモリエル線図で示すように二相状態になることがある。即ち圧縮機51で圧縮され、吐出された冷媒は圧縮機シェル内部で完全に気化するのに十分な温度にならず、また雰囲気の温度条件により圧縮機シェル温度が低い場合があり、従って吐出された冷媒の一部がシェル内で凝縮してしまうことがある。このようにして圧縮機シェル内部で発生した液冷媒は圧縮機51底部に存在する圧縮機構潤滑のための潤滑油に溶け込んで希釈し、その結果潤滑油の粘度を低下させ、潤滑性低下による圧縮機構の摩耗などを引き起こしてしまい、圧縮機自体の信頼性の低下につながる。
【0005】
本発明は前記課題に鑑み、圧縮機吐出部での冷媒状態を検知し、その状態に応じて凝縮器被放熱流体流量、蒸発器被放熱流体流量、圧縮機運転周波数、減圧装置絞り量、加熱手段入力を制御することにより、圧縮機吐出での冷媒が加熱ガスになるように保つことで、低負荷運転時の冷凍装置において、圧縮機内部での冷媒の凝縮を防止し、以て圧縮機51の信頼性を確保しうる冷凍装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の冷凍装置は、圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器を冷媒配管にて連通させて構成される蒸気圧縮式冷凍装置において、前記圧縮機吐出部における冷媒状態を検知する吐出冷媒状態検知手段と、前記圧縮機内部において潤滑油と液冷媒の混相からなる液溜まりを加熱できるように配設された加熱手段と、前記吐出冷媒状態検知手段で検知された冷媒状態により前記加熱手段での加熱量を制御する加熱量制御手段とを有するものである。
【0010】
また、本発明の他の冷凍装置は、圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器を冷媒配管にて連通させて構成される蒸気圧縮式冷凍装置において、前記圧縮機吐出部における冷媒状態を検知する吐出冷媒状態検知手段と、前記圧縮機内部において潤滑油と液冷媒の混相からなる液溜まりを加熱できるように配設された加熱手段と、前記吐出冷媒状態検知手段で検知された冷媒状態により前記加熱手段での加熱量を制御する加熱量制御手段とを有するものである。
【0011】
また、本発明の他の冷凍装置は、前記加熱手段が、前記圧縮機の内部において、貯留している潤滑油を汲み上げるオイルポンプ機構の吸込口近辺に配設されており、さらにオイルポンプ機構の吸込口の温度を検知するオイル吸込温度検知手段を有するものである。
【0012】
また、本発明の他の冷凍装置は、前記圧縮機内部において、貯留している潤滑油を汲み上げるオイルポンプ機構の吸込口よりも鉛直上方に配設するものである。
【0015】
【作用】
本発明は前記のような構成により、次に示すような作用を有する。
【0020】
すなわち、圧縮機吐出部での冷媒状態を検知し、その冷媒状態が二相状態であった場合、前記圧縮機内部において潤滑油と液冷媒の混相からなる液溜まりを加熱できるように配設された加熱手段により直接液溜まりを加熱し、潤滑油に溶け込んでいる液冷媒を気化させることで、万一圧縮機内部で凝縮による液冷媒が発生した場合でも潤滑油の液冷媒による希釈を防止することができ、以て簡単な構成で、より確実に圧縮機内の潤滑油の粘度低下を防止することが可能になる。
【0021】
また、前記圧縮機内部において潤滑油と液冷媒の混相からなる液溜まりを加熱するにあたり、前記加熱手段を潤滑油を汲み上げるオイルポンプ機構の吸込口近辺に配設し、さらにオイルポンプ機構の吸込口の温度を検知するオイル吸込温度検知手段を有することで、まさに汲み上げられようとしている潤滑油に混合している液冷媒の温度を直接管理して加熱・気化させていることで除去するようにし、従って、万一圧縮機内部で凝縮による液冷媒が発生した場合でもより効率的に潤滑油の液冷媒による希釈を防止することができる。しかも加熱手段はオイルポンプ機構の入り口付近の液溜まりのみを加熱すればよいため、より小さな規模の加熱手段で済ますことができ、すなわちより安価な構成で、より確実に圧縮機内の潤滑油の粘度低下を防止することが可能になる。
【0022】
また、前記圧縮機内部において潤滑油と液冷媒の混相からなる液溜まりを加熱するにあたり、前記加熱手段が潤滑油を汲み上げるオイルポンプ機構の吸込口よりも鉛直上方に配設されるようにすることで、前記加熱手段により加熱され気化したガス冷媒がオイルポンプに吸い込まれるのを防いで、液状の潤滑油のみを吸い上げ、簡単な構成で確実に圧縮機構の潤滑を行うことが可能になる。
【0025】
【実施例】
以下、添え付け図面を参照し、本発明の具体的実施例の説明を行う。なお、以下の実施例は本発明を具体化した一例であり、本発明の包括範囲を限定する内容のものではない。
【0026】
まず、本発明の第1の実施例での構成について図1、図2を用いて説明する。ここに図1は本発明の第1の実施例の冷凍装置構成模式図である。同図において、1は圧縮機、2は凝縮器、3は膨張弁(減圧機構)、4は蒸発器であり、これらは冷媒配管を用いて順に環状に連結されている。また、5は圧縮機吐出での吐出冷媒状態検知手段であり、この詳細としては、例えば図2の吐出冷媒状態検知手段一例に示されるように圧縮機吐出での冷媒の温度を測定するサーミスタ5aと、サーミスタ5a付近で圧縮機吐出圧力を測定する圧力計5bと、圧力計5bからの信号をもとに圧縮機吐出圧力での飽和蒸気温度(Tsat)を参照又は算出し、サーミスタ5aで計測された温度との比較を行い、圧縮機吐出での冷媒状態を判定して制御命令を出すマイコン5cからなる。また、6は凝縮器ファン制御用マイコン(凝縮器被放熱流体流量制御手段)であり、7は凝縮器ファンユニットである。圧縮機吐出での冷媒状態が圧縮機検知手段5により検知され、その中のマイコン5cで制御の必要があると判断されると制御信号が凝縮器ファン制御用マイコン6に送信され凝縮器ファンユニット7の回転数が変わるように制御されるよう構成されている。
【0027】
次に本発明における圧縮機吐出温度下限値の決定方法について図3を用いて説明する。図3は飽和蒸気線近似式のグラフであり、圧力計5bで計測された圧縮機吐出圧力(Pdis)に対して、作動流体として使用している冷媒に応じて関数式f(P)により圧縮機吐出飽和蒸気温度(Tsat)を算出する。なお、Pdisに対するTsatをマイコン5cにおいて表形式で与えるようにしていても同様の機能を果たす。ここでマイコン5cには、本発明の目的である「圧縮機吐出での冷媒状態が二相状態にならないようにする」ためにサーミスタ5aで計測された圧縮機吐出温度(Tdis)がTsatに対してとるべき温度差(ΔT)が予め設定されており、圧縮機吐出温度下限値Tdisx1=Tsat+ΔTとして求める。今、Tdis≧Tdisx1であれば圧縮機吐出において冷媒は二相状態にならないとされ、また逆にTdis<Tdisx1であれば圧縮機吐出における冷媒が二相状態であり、この状態を回避する制御処理を必要とするように判断される。
【0028】
その次に本発明の第1の実施例として課題解決のための具体的制御方法について図4、図5を用いて説明する。まず図4は本発明の第1の実施例における制御フローチャートであり、図5は同実施例における制御による冷凍サイクルの変化を示すモリエル線図である。図4において、まず冷凍装置の運転が開始されるとPdis及びTdisが計測され、次にPdisをもとにTsatが算出され、圧縮機吐出温度下限値がTdisx1=Tsat+ΔTで決定される。そしてTdisとTdisx1とが比較され、Tdis≧Tdisx1である場合はそのままの運転状態が保たれるが、Tdis<Tdisx1である場合はマイコン5cより凝縮器ファン制御用マイコン6に対して凝縮器ファンユニット7の回転数を1ステップUPするように制御命令が出される。その結果凝縮器能力が増大するとともに蒸発器能力も増大し、圧縮機吸入でより乾き度が高いか又は過熱ガス状態の冷媒を吸入することができるようになり、従って図5の点線で示されるとおり、圧縮機吐出が二相状態であった冷凍サイクルが圧縮機吐出で過熱ガス状態になるような冷凍サイクルに変化して、圧縮機吐出部での液冷媒の発生を回避することができる。
【0029】
以上のようにして、圧縮機吐出部での冷媒状態を検知し、その冷媒状態が二相状態であった場合、凝縮器被放熱流体流量制御手段により凝縮器での被放熱流体の流量を増大させることによって、凝縮器能力の向上を図り、その結果として蒸発器能力も向上され、圧縮機で乾き度がより高い状態の冷媒を吸入するようにし、圧縮機吐出での冷媒が二相状態ではなく過熱ガスになるように保つことができるようになる。従って、圧縮機で圧縮・吐出された冷媒が圧縮機シェル内部で凝縮しないようになり、以て簡単で安価な構成で圧縮機内の潤滑油の粘度低下を防止することが可能になる。
【0030】
次に、本発明の第2の実施例について図6を用いて説明する。図6は本発明の第2の実施例の冷凍装置構成模式図であり、第1の実施例と構成について異なる点は冷凍サイクル修正のためのファン制御が凝縮器2ではなく蒸発器4に対して行われている点であり、同図に示すように蒸発器ファン制御用マイコン(蒸発器被放熱流体流量制御手段)8、および蒸発器ファンユニット9を有する。また、圧縮機吐出での冷媒状態の判定方法については第1の実施例と同様であるのでここでの説明は割愛する。
【0031】
次に本発明の第2の実施例における課題解決のための具体的制御方法について図7、図8を用いて説明する。まず図7は本発明の第2の実施例における制御フローチャートであり、図8は同実施例における制御による冷凍サイクルの変化を示すモリエル線図である。図7において、まず冷凍装置の運転が開始されるとPdis及びTdisが計測され、次にPdisをもとにTsatが算出され、圧縮機吐出温度下限値がTdisx1=Tsat+ΔTで決定される。そしてTdisとTdisx1とが比較され、Tdis≧Tdisx1である場合はそのままの運転状態が保たれるが、Tdis<Tdisx1である場合はマイコン5cより蒸発器ファン制御用マイコン8に対して蒸発器ファンユニット7の回転数を1ステップUPするように制御命令が出される。その結果蒸発器能力が増大し、圧縮機吸入でより乾き度が高いか又は過熱ガス状態の冷媒を吸入することができるようになり、従って図8の点線で示されるとおり、圧縮機吐出が二相状態であった冷凍サイクルが圧縮機吐出で過熱ガス状態になるような冷凍サイクルに変化して、圧縮機吐出部での液冷媒の発生を回避することができる。
【0032】
以上のようにして、圧縮機吐出部での冷媒状態を検知し、その冷媒状態が二相状態であった場合、蒸発器被吸熱流体流量制御手段8により蒸発器4での被吸熱流体の流量を増大させることによって、蒸発器能力の向上を図り、圧縮機1で乾き度がより高い状態の冷媒を吸入するようにし、圧縮機吐出での冷媒が二相状態ではなく過熱ガスになるように保つことができるようにする。しかも凝縮器能力を向上させるようにする場合に比べて制御のレスポンスがよく、圧縮機吐出での冷媒が過熱ガス状態になるようにするための制御性をより高めることができる。従って圧縮機1で圧縮・吐出された冷媒が圧縮機シェル内部で凝縮しないようになり、以て簡単で安価な構成で圧縮機内の潤滑油の粘度低下を防止することが可能になる。
【0033】
次に、本発明の第3の実施例について図9を用いて説明する。図9は本発明の第3の実施例の冷凍装置構成模式図であり、第1,第2の実施例と異なる点は、冷凍サイクル修正のための制御が熱交換器の被放熱・吸熱流体流量について行われているのではなく、圧縮機1の運転容量に対して行われている点であり、同図に示すようにインバータ(圧縮機運転容量制御手段)10を有する。また、圧縮機吐出での冷媒状態の判定方法については第1の実施例と同様であるのでここでも説明を割愛する。
【0034】
次に本発明の第3の実施例における課題解決のための具体的制御方法について図10,図11を用いて説明する。まず図10は本発明の第3の実施例における制御フローチャートであり、図11は同実施例における制御による冷凍サイクルの変化を示すモリエル線図である。図10において、まず冷凍装置の運転が開始されるとPdis及びTdisが計測され、次にPdisをもとにTsatが算出され、圧縮機吐出温度下限値がTdisx1=Tsat+ΔTで決定される。そしてTdisとTdisx1とが比較され、Tdis≧Tdisx1である場合は冷凍装置が指示する所定の運転周波数まで1ステップずつ圧縮機運転周波数を落としていくが、Tdis<Tdisx1である場合はマイコン5cよりインバータ10に対して圧縮機運転周波数を1ステップ上げるように制御命令が出される。その結果熱交換器能力が増大し、圧縮機吸入でより乾き度が高いか又は過熱ガス状態の冷媒を吸入することができるようになり、従って図11の点線で示されるとおり、圧縮機吐出が二相状態であった冷凍サイクルが圧縮機吐出で過熱ガス状態になるような冷凍サイクルに変化して、圧縮機吐出部での液冷媒の発生を回避することができる。
【0035】
以上のようにして、圧縮機吐出部での冷媒状態を検知し、その冷媒状態が二相状態であった場合、運転容量制御手段により圧縮機1をより高容量で運転させることで冷凍サイクル内循環冷媒量を増大することにより、凝縮器2,蒸発器4能力を向上させ、その結果圧縮機1で乾き度がより高い状態の冷媒を吸入するようにし、圧縮機吐出での冷媒が二相状態ではなく過熱ガスになるように保つことができるようにする。しかもこの場合圧縮機運転容量を制御して冷凍サイクルを修正するため、熱交換器で被放熱・吸熱流体流量制御をする場合に比べてより幅広い冷凍サイクル能力制御を行うことが期待できるというメリットがある。従って、圧縮機1で圧縮・吐出された冷媒が圧縮機シェル内部で凝縮しないようになり、以て簡単で安価な構成で、しかもより確実に圧縮機内の潤滑油の粘度低下を防止することが可能になる。
【0036】
次に、本発明の第4の実施例について図12を用いて説明する。図12は本発明の第4の実施例の冷凍装置構成模式図であり、第1,第2,第3の実施例と異なる点は、冷凍サイクル修正のための制御が熱交換器の被放熱・吸熱流体流量について、または圧縮機運転容量について行われているのではなく減圧装置の絞り量に対して行われている点であり、減圧装置及び駆動制御装置として同図に示すように電動膨張弁(容量可変減圧装置)11と、電動膨張弁制御用マイコン(絞り量制御手段)12とを有する。また、圧縮機吐出での冷媒状態の判定方法については第1の実施例と同様であるのでここでも説明を割愛する。
【0037】
次に本発明の第4の実施例における課題解決のための具体的制御方法について図13,図14を用いて説明する。まず図13は本発明の第4の実施例における制御フローチャートであり、図14は同実施例における制御による冷凍サイクルの変化を示すモリエル線図である。図13において、まず冷凍装置の運転が開始されるとPdis及びTdisが計測され、次にPdisをもとにTsatが算出され、圧縮機吐出温度下限値がTdisx1=Tsat+ΔTで決定される。そしてTdisとTdisx1とが比較され、Tdis≧Tdisx1である場合は冷凍装置が決める所定の膨張弁開度まで1ステップずつ弁を開にするように制御されるが、Tdis<Tdisx1である場合はマイコン5cより電動膨張弁制御用マイコン12に対して膨張弁開度を1ステップずつ閉にするように制御命令が出される。その結果熱交換器能力が増大し、圧縮機吸入でより乾き度が高いか又は過熱ガス状態の冷媒を吸入することができるようになり、従って図14の点線で示されるとおり、圧縮機吐出が二相状態であった冷凍サイクルが圧縮機吐出で過熱ガス状態になるような冷凍サイクルに変化して、圧縮機吐出部での液冷媒の発生を回避することができる。
【0038】
以上のようにして、圧縮機吐出部での冷媒状態を検知し、その冷媒状態が二相状態であった場合、容量可変減圧装置11での絞り量を制御することにより、熱交換器能力の向上を図り、圧縮機1で乾き度がより高い状態か、または過熱ガス状態の冷媒を吸入するようにし、圧縮機吐出での冷媒が二相状態ではなく過熱ガスになるように保つことができるようにする。またこのように容量可変減圧装置11での絞り量を制御して冷凍サイクルを修正する場合、圧縮機運転容量を制御する場合と比べて同等の効果的な冷凍サイクルの修正能力を有するとともに、冷凍サイクルの修正に伴う冷凍装置への入力が低減され、より高効率な冷凍サイクルを実現することもできるというメリットを伴う。従って、圧縮機1で圧縮・吐出された冷媒が圧縮機シェル内部で凝縮しないようになり、以て簡単で安価な構成で、より確実に圧縮機1内の潤滑油の粘度低下を防止し、しかも高効率な冷凍サイクルを実現することが可能になる。
【0039】
次に、本発明の第5の実施例について図15および図16を用いて説明する。ここに図15は本発明の第5の実施例の冷凍装置構成模式図である。第1から第4までの実施例と異なる点は、圧縮機吐出での液冷媒発生の検知後、液冷媒による潤滑油粘度低下回避の手段として圧縮機1内の液溜まりを加熱して溶け込んだ液冷媒を気化させるために、圧縮機1内の液溜まりを加熱できるように配設されたヒータ(加熱手段)13aと、マイコン5cからの信号によりヒータ13aでの出力を制御するヒータコントローラ(加熱量制御手段)14とを有する。また、圧縮機吐出での冷媒状態の判定方法については第1の実施例と同様であるのでここでも説明を割愛する。
【0040】
次に本発明の第5の実施例における課題解決のための具体的制御方法について図16−1,図16−2,図17,図18を用いて説明する。まず図16−1は圧縮機1の一例の構成概略図であり、図16−2は圧縮機1における加熱装置配置例詳細図である。図16−2に示されるように、例えば一般的な縦置き型のロータリ圧縮機では潤滑油は圧縮機1の底部に貯留されるようになっており、発生した液冷媒はここで潤滑油と混合して液溜まりとなる。圧縮機構の潤滑は同図に示されるオイル吸入口から液溜まりを吸い上げて圧縮機構各部に送る。本発明におけるヒータ13aは液溜まり部分に接触して直接液溜まりに溶け込んだ液冷媒を加熱・気化させることができるように配設されるものである。そして、図17は本発明の第5の実施例における制御フローチャートであり、図18は同実施例における制御による冷凍サイクルの変化を示すモリエル線図である。図17において、まず冷凍装置の運転が開始されるとPdis及びTdisが計測され、次にPdisをもとにTsatが算出され、圧縮機吐出温度下限値がTdisx1=Tsat+ΔTで決定される。そしてTdisとTdisx1とが比較され、Tdis≧Tdisx1である場合はマイコン5cにおいてヒータでの加熱は不要であると判断され、ヒータはOFF状態が保たれるが、Tdis<Tdisx1である場合はマイコン5cよりヒータコントローラ14に対して所定の加熱量で液溜まりを加熱するように制御命令が出されてヒータ13aにより液溜まりの加熱が開始される。その結果潤滑油に溶け込んでいた液冷媒は気化して過熱ガス状態になり圧縮機1から送り出され、よって図18の点線で示されるとおり、圧縮ガス吐出口を出たところの二相状態(A点)から過熱ガス状態(B点)になるようにヒータ13aで加熱され、以て潤滑油中の液冷媒が気化・除去されて、その結果潤滑油の液冷媒による希釈を回避することができる。
【0041】
以上のようにして、圧縮機吐出部での冷媒状態を検知し、その冷媒状態が二相状態であった場合、前記圧縮機1内部において潤滑油と液冷媒の混相からなる液溜まりを加熱できるように配設された加熱手段により直接液溜まりを加熱し、潤滑油に溶け込んでいる液冷媒を気化させることで、万一圧縮機1内部で凝縮による液冷媒が発生した場合でも潤滑油の液冷媒による希釈を防止することができ、以て簡単な構成で、より確実に圧縮機1内の潤滑油の粘度低下を防止することが可能になる。
【0042】
次に、本発明の第6の実施例について図19を用いて説明する。図19は本発明の第6の実施例の加熱装置配置例詳細図である。第5の実施例と異なる点は、加熱手段であるヒータ13bは圧縮機構の潤滑のために潤滑油を汲み上げて圧縮機構に送るオイルポンプの吸入口(オイル吸入口)の近辺の液溜まりのみを加熱するように配設されていることと、オイルポンプ吸込口の温度(Tsuc)を計測するサーミスタ5fと、サーミスタ5fでの温度と圧縮機吐出圧力から求めた飽和温度よりオイル吸込温度下限値(Tsucx)を決定し、制御信号を送信するマイコン5gを有する点である。ここで第5の実施例のように制御にサーミスタ5aで計測される圧縮機吐出温度(Tdis)を使用しないのは、ヒータ13bはオイル吸込口近辺限られた範囲の液溜まりを加熱すればよいように小型化するために、その加熱量は大きくなく、従って圧縮機吐出温度にはほとんど変化がない位の加熱量になり得るため、サーミスタ5aでは制御が困難になる可能性があるからである。
【0043】
次に本発明の第6の実施例における課題解決のための具体的制御方法について図20を用いて説明する。ここで図20は本発明の第6の実施例における制御フローチャートである。同図において、まず冷凍装置の運転が開始されるとPdis及びTsucが計測され、次にPdisをもとにTsatが算出され、圧縮機吐出温度下限値がTsucx=Tsat+ΔTで決定される。そしてTdisとTsucxとが比較され、Tdis≧Tsucxである場合はヒータ13bでの加熱はOFFの状態になるようにマイコン5gにより制御されるが、Tsuc<Tsucxである場合はマイコン5gよりヒータコントローラ14に対して加熱を開始するように制御信号が出される。その結果、オイル吸込口での液溜まり〜は液冷媒が気化・除去され、すなわち潤滑油は液冷媒によって希釈されることなくオイルポンプへ導かれるように制御できる。
【0044】
以上のようにして、前記圧縮機内部において潤滑油と液冷媒の混相からなる液溜まりを加熱できるように配設された加熱手段により直接液溜まりを加熱するにあたり、前記加熱手段が潤滑油を汲み上げるオイルポンプ機構の吸入口近辺に配設されるようにすることで、まさに汲み上げられようとしている潤滑油に混合している液冷媒に特化して取り除くようにし、従って万一圧縮機1内部で凝縮による液冷媒が発生した場合でもより効率的に潤滑油の液冷媒による希釈を防止することができる。しかも加熱手段はオイルポンプ機構の入り口付近の液溜まりのみを加熱すればよいため、より小さな規模の加熱手段で済ますことができ、すなわちより安価な構成で、より効果的に、またより確実に圧縮機1内の潤滑油の粘度低下を防止することが可能になる。
【0045】
次に、本発明の第7の実施例について図21を用いて説明する。図21は本発明の第7の実施例の加熱装置配置例詳細図である。第5,第6の実施例と異なる点は、ヒータ13a,またはヒータ13bがオイルポンプ機構のオイル吸込口よりも鉛直上方に配置されている点である。第6の実施例においてヒータ13bがオイル吸込口よりも鉛直下方に配設されていた場合、ヒータ13bで加熱され気化した冷媒ガスは上方に移動し、潤滑油を吸い上げようとしているオイルポンプ機構へと導かれる可能性がある。この場合、オイルポンプはガス噛み状態となり、正常に潤滑油を圧縮機構各部に送ることができない可能性がある。しかしながら、ヒータ13bがオイル吸込口よりも鉛直上方に配設されていた場合、ヒータ13bで加熱され気化した冷媒ガスがオイルポンプに吸い込まれにくくなり、鉛直上方に配置されている場合に比べて潤滑油の吸い上げが正しく行われ、潤滑が損なわれないようにすることができる。
【0046】
以上のようにして、前記圧縮機1内部において潤滑油と液冷媒の混相からなる液溜まりを加熱するにあたり、前記加熱手段が潤滑油を汲み上げるオイルポンプ機構の吸込口よりも鉛直上方に配設されるようにすることで、前記加熱手段により加熱され気化した冷媒ガスがオイルポンプに吸い込まれるのを防いで、液状の潤滑油のみを吸い上げ、簡単な構成で確実に圧縮機構の潤滑を行うことが可能になる。
【0047】
次に、本発明の第8の実施例について図2を用いて説明する。図2は本発明の第8の実施例の吐出冷媒状態検知手段構成模式図である。本発明の吐出冷媒状態検知手段は同図に示すように、圧縮機吐出での冷媒の温度を測定するサーミスタ5aと、サーミスタ5a付近で圧縮機吐出圧力を測定する圧力計5bと、圧力計5bからの信号をもとに圧縮機吐出圧力での飽和蒸気温度(Tsat)を参照又は算出し、サーミスタ5aで計測された温度との比較を行い、圧縮機吐出温度の下限値(Tdisx1)を決定して、冷凍装置の制御命令を出すマイコン5cからなる。
【0048】
次に本発明における圧縮機吐出温度下限値の決定方法について図3を用いて説明する。図3は飽和蒸気線近似式のグラフであり、圧力計5bで計測された圧縮機吐出圧力(Pdis)に対して、作動流体として使用している冷媒に応じて関数式f(P)により圧縮機吐出飽和蒸気温度(Tsat)を算出する。なお、Pdisに対するTsatをマイコン5cにおいて表形式で与えるようにしていても同様の機能を果たす。ここでマイコン5cには、本発明の目的である「圧縮機吐出での冷媒状態が二相状態にならないようにする」ためにサーミスタ5aで計測された圧縮機吐出温度(Tdis)がTsatに対してとるべき温度差(ΔT)が予め設定されており、圧縮機吐出温度下限値Tdisx1=Tsat+ΔTとして求める。今、Tdis≧Tdisx1であれば圧縮機吐出において冷媒は二相状態にならないとされ、また逆にTdis<Tdisx1であれば圧縮機吐出における冷媒が二相状態であり、この状態を回避する制御処理を必要とするように判断される。
【0049】
その次に本発明の第8の実施例として課題解決のために適用した場合の具体的制御方法について図4,図5を用いて説明する。まず図4は本発明の第8の実施例における制御フローチャートであり、図5は同実施例における制御による冷凍サイクルの変化を示すモリエル線図である。図4において、まず冷凍装置の運転が開始されるとPdis及びTdisが計測され、次にPdisをもとにTsatが算出され、圧縮機吐出温度下限値がTdisx1=Tsat+ΔTで決定される。そしてTdisとTdisx1とが比較され、Tdis≧Tdisx1である場合はそのままの運転状態が保たれるが、Tdis<Tdisx1である場合はマイコン5cより凝縮器ファン制御用マイコン6に対して凝縮器ファンユニット7の回転数を1ステップUPするように制御命令が出される。その結果凝縮器能力が増大するとともに蒸発器能力も増大し、圧縮機吸入でより乾き度が高いか又は過熱ガス状態の冷媒を吸入することができるようになり、従って図5の点線で示されるとおり、圧縮機吐出が二相状態であった冷凍サイクルが圧縮機吐出で過熱ガス状態になるような冷凍サイクルに変化して、圧縮機吐出部での液冷媒の発生を回避することができる。
【0050】
以上のようにして、吐出冷媒状態検知手段として、圧縮機吐出での冷媒温度を検知する吐出温度検知手段と、圧縮機吐出での冷媒圧力を検知する吐出圧力検知手段と、前記吐出温度検知手段と、前記吐出圧力検知手段により検知された温度及び圧力に基づいて吐出温度下限値を決定する吐出温度下限値決定手段とを有することで、冷凍装置の他の本体制御とも共通して使用できるセンサーを用いて圧縮機吐出での冷媒状態を簡単な構成により正確に検知し、冷凍装置の制御に利用することが可能になる。
【0051】
なお、本実施例では冷凍装置の制御対象を凝縮器ファンユニットに限定して説明を行ったが、本発明は制御対象が第2の実施例のように蒸発器ファンユニットである場合、または第3の実施例のようにインバータである場合、また第4の実施例のように電動膨張弁である場合、また第5及び第7の実施例のようにヒータである場合も同様に制御に対して適用できるものである。
【0052】
次に、本発明の第9の実施例について図22を用いて説明する。図22は本発明の第9の実施例の冷凍装置模式図である。第1から第5の実施例と異なる点は、冷媒状態検知手段として圧縮機吐出温度を検知するサーミスタ5aと、凝縮器2の特定の位置を流れる冷媒の温度を検知するサーミスタ5dとを有し、さらにサーミスタ5aとサーミスタ5dでの温度をもとに圧縮機吐出での冷媒が二相状態にならないような圧縮機吐出温度下限値(Tdisx2)を決定するマイコン5e(吐出下限温度決定手段)を有するものである。
【0053】
次に本発明における圧縮機吐出温度下限値の決定方法について図23を用いて説明する。図23は圧縮機吐出温度下限値決定方法の模式図である。同図においてΔTxは圧縮機吐出の冷媒が二相状態にならないように、実験等により予め設定されているサーミスタ5aで計測された圧縮機吐出温度(Tdis)とサーミスタ5dで計測された凝縮器温度(Tcond)との温度差である。Tdisx2はマイコン5eにおいて計測されたTdisとTcondを用いて、Tdisx2=Tcond+ΔTxとなる式により決定されるものとする。
【0054】
その次に本発明の第9の実施例における課題解決のための具体的制御方法について第1の実施例と併せて図24を用いて説明する。図24は本発明の第9の実施例における制御フローチャートである。同図において、まず冷凍装置の運転が開始されるとTdis及びTcondが計測され、次にTcondをもとにマイコン5eにより予め用意されているΔTxが読み出されて先に述べたようにしてTdisx2が決定される。そしてTdisとTdisx2とが比較され、Tdis≧Tdisx2である場合はそのままの運転状態が保たれるが、Tdis<Tdisx2である場合はマイコン5eより蒸発器ファン制御用マイコン6に対して蒸発器ファンユニット7の回転数を1ステップUPするように制御命令が出される。その結果蒸発器能力が増大し、圧縮機吸入でより乾き度が高いか又は過熱ガス状態の冷媒を吸入することができるようになり、従って第1の実施例と同様に図5の点線で示されるとおり、圧縮機吐出が二相状態であった冷凍サイクルが圧縮機吐出で過熱ガス状態になるような冷凍サイクルに変化して、圧縮機吐出部での液冷媒の発生を回避することができる。
【0055】
以上のようにして、吐出冷媒状態検知手段として、圧縮機吐出での冷媒温度を検知する吐出温度検知手段と、前記凝縮器2の配管上の特定部分を流れる冷媒の温度を検知する凝縮器冷媒温度検知手段と、前記凝縮器冷媒温度検知手段により検知された温度に基づいて圧縮機吐出温度下限値を決定する吐出温度下限値決定手段とを用いることで、温度検出手段に比べてより高価な圧力測定手段を用いず、入手が容易であり、従来から広く使用されている温度検知手段のみを用いて圧縮機吐出での冷媒状態を予測することにより、より安価に、より簡単な構成により圧縮機吐出での冷媒状態の推測を行うことが可能になる。
【0056】
なお、本実施例では冷凍装置の制御対象を凝縮器ファンユニットに限定して説明を行ったが、本発明は制御対象が第1の実施例のように凝縮器ファンユニットである場合、または第3の実施例のようにインバータである場合、また第4の実施例のように電動膨張弁である場合、また第5及び第7の実施例のようにヒータである場合も同様に制御に対して適用できるものである。
【0057】
【発明の効果】
前記実施例から明らかなように、圧縮機吐出部での冷媒状態を検知し、その冷媒状態が二相状態であった場合、前記圧縮機内部において潤滑油と液冷媒の混相からなる液溜まりを加熱できるように配設された加熱手段により直接液溜まりを加熱し、潤滑油に溶け込んでいる液冷媒を気化させることで、万一圧縮機内部で凝縮による液冷媒が発生した場合でも潤滑油の液冷媒による希釈を防止することができ、以て簡単な構成で、より確実に圧縮機内の潤滑油の粘度低下を防止することが可能になる。
【0062】
また本発明の冷凍装置は、圧縮機吐出部での冷媒状態を検知し、その冷媒状態が二相状態であった場合、前記圧縮機内部において潤滑油と液冷媒の混相からなる液溜まりを加熱できるように配設された加熱手段により直接液溜まりを加熱するにあたり、前記加熱手段を潤滑油を汲み上げるオイルポンプ機構の吸込口近辺に配設されるようにすることで、まさに汲み上げられようとしている潤滑油に混合している液冷媒に特化して取り除くようにし、従って万一圧縮機内部で凝縮による液冷媒が発生した場合でもより効率的に潤滑油の液冷媒による希釈を防止することができる。しかも加熱手段はオイルポンプ機構の入り口付近の液溜まりのみを加熱すればよいため、より小さな規模の加熱手段で済ますことができ、すなわちより安価な構成で、より確実に圧縮機内の潤滑油の粘度低下を防止することが可能になる。
【0063】
また本発明の冷凍装置は、吐出冷媒状態検知手段として、圧縮機吐出での冷媒温度を検知する吐出温度検知手段と、圧縮機吐出での冷媒圧力を検知する吐出圧力検知手段と、前記吐出温度検知手段と、前記吐出圧力検知手段により検知された温度及び圧力に基づいて吐出温度下限値を決定する吐出温度下限値決定手段とを有することで、圧縮機吐出での冷媒状態を簡単な構成により正確に検知し、冷凍装置の制御に利用することが可能になる。
【0064】
また本発明の冷凍装置は、吐出冷媒状態検知手段として、圧縮機吐出での冷媒温度を検知する吐出温度検知手段と、前記凝縮器の配管上の特定部分を流れる冷媒の温度を検知する凝縮器冷媒温度検知手段と、前記凝縮器冷媒温度検知手段により検知された温度に基づいて圧縮機吐出温度下限値を決定する吐出温度下限値決定手段とを用いることで、温度検出手段に比べてより高価な圧力測定手段を用いず、入手が容易であり、従来から広く使用されている温度検知手段のみを用いて圧縮機吐出での冷媒状態を予測することにより安価でより簡単な構成により圧縮機吐出での冷媒状態の推測を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の冷凍装置構成模式図
【図2】本発明の第1及び第8の実施例の吐出冷媒状態検知手段構成模式図
【図3】飽和蒸気線近似式のグラフ
【図4】本発明の第1及び第8の実施例における制御フローチャート
【図5】本発明の第1及び第8の実施例における冷凍サイクルの変化を表すモリエル線図
【図6】本発明の第2の実施例の冷凍装置構成模式図
【図7】本発明の第2の実施例における制御フローチャート
【図8】本発明の第2の実施例における冷凍サイクルの変化を表すモリエル線図
【図9】本発明の第3の実施例の冷凍装置構成模式図
【図10】本発明の第3の実施例における制御フローチャート
【図11】本発明の第3の実施例における冷凍サイクルの変化を表すモリエル線図
【図12】本発明の第4の実施例の冷凍装置構成模式図
【図13】本発明の第4の実施例における制御フローチャート
【図14】本発明の第4の実施例における冷凍サイクルの変化を表すモリエル線図
【図15】本発明の第5の実施例の冷凍装置構成模式図
【図16】(1)圧縮機構成概略図
(2)加熱装置配置例詳細図
【図17】本発明の第5の実施例における制御フローチャート
【図18】本発明の第5の実施例における冷凍サイクルの変化を表すモリエル線図
【図19】本発明の第6の実施例の加熱装置配置例詳細図
【図20】本発明の第6の実施例における制御フローチャート
【図21】本発明の第7の実施例の加熱装置配置例詳細図
【図22】本発明の第9の実施例の冷凍装置構成模式図
【図23】本発明の第9の実施例の圧縮機吐出温度下限値決定方法の模式図
【図24】本発明の第9の実施例における制御フローチャート
【図25】従来の家庭用空気調和機の構成例模式図
【図26】冷媒状態を表すモリエル線図
【符号の説明】
1 圧縮機
2 凝縮器
3 膨張弁(減圧装置)
4 蒸発器
5 冷媒状態検知装置
5a サーミスタ(圧縮機吐出温度検知装置)
5b 圧力計(圧縮機吐出圧力検知装置)
5c マイコン(Pdisを用いた吐出温度下限値判定装置)
5d サーミスタ(圧縮機吐出温度検知装置)
5e マイコン(Tcondを用いた吐出温度下限値判定装置)
5f サーミスタ(オイル吸込温度検知装置)
5g マイコン(オイル吸込温度下限値判定装置)
6 凝縮器ファン制御用マイコン(凝縮器被放熱流体流量制御手段)
7 凝縮器ファンユニット
8 蒸発器ファン制御用マイコン(蒸発器被吸熱流体流量制御手段)
9 蒸発器ファンユニット
10 インバータ(圧縮機運転容量制御手段)
11 電動膨張弁(容量可変減圧装置)
12 電動膨張弁制御用マイコン(絞り量制御手段)
13a ヒータ(加熱手段)
13b 小型ヒータ(加熱手段)
14 ヒータコントローラ(加熱量制御手段)
51 圧縮機
52 凝縮器
53 膨張弁
54 蒸発器
55 室内空気吸込温度計測用サーミスタ(サーミスタ)
56 設定温度読み取り装置(リモコン)
57 負荷判定装置(マイコン)
58 圧縮機運転周波数制御装置(インバータ)

Claims (2)

  1. 圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器を冷媒配管にて連通させて構成される蒸気圧縮式冷凍装置において、前記圧縮機吐出部における冷媒状態を検知する吐出冷媒状態検知手段と、前記圧縮機内部において潤滑油と液冷媒の混相からなる液溜まりを加熱できるように配設された加熱手段と、前記吐出冷媒状態検知手段で検知された冷媒状態により前記加熱手段での加熱量を制御する加熱量制御手段とを有し、更に前記加熱手段が、前記圧縮機内部において、貯留している潤滑油を汲み上げるオイルポンプ機構の吸込口近辺に配設されており、さらにオイルポンプ機構の吸込口の温度を検知するオイル吸込温度検知手段とを有することを特徴とする冷凍装置。
  2. 圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器を冷媒配管にて連通させて構成される蒸気圧縮式冷凍装置において、前記圧縮機吐出部における冷媒状態を検知する吐出冷媒状態検知手段と、前記圧縮機内部において潤滑油と液冷媒の混相からなる液溜まりを加熱できるように配設された加熱手段と、前記吐出冷媒状態検知手段で検知された冷媒状態により前記加熱手段での加熱量を制御する加熱量制御手段とを有し、更に前記加熱手段が、前記圧縮機内部において、貯留している潤滑油を汲み上げるオイルポンプ機構の吸込口よりも鉛直上方に配設されていることを特徴とする請求項1記載の冷凍装置。
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