JP5430602B2 - 空気調和装置 - Google Patents

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Description

本発明は、室内機と室外機を連結管で接続して構成される分離型の空気調和装置に関するものである。
従来の分離型の空気調和装置において、膨張弁によって冷凍サイクルの冷媒循環量を制御するものとして、例えば特許第3849467号公報を挙げることができる。
この従来例においては、冷房運転時に冷媒循環量および入力した配管長情報から圧縮機の吸入冷媒圧力を推定することにより圧縮機吸入の冷媒過熱度を制御し、冷媒の過熱度の上昇を抑え、蒸発器の乾き過ぎを防止するといった技術が公開されている。
特許第3849467号公報(第5頁、図1)
前述した従来の空気調和装置においては、冷媒の過熱度の上昇や、蒸発器の乾き過ぎや、圧縮機への液冷媒のバックを防止するための過熱度の制御目標値は、蒸発器の熱交換性能が最大となるように極力小さい過熱度(例えば1℃)となるように設定される。これは、過熱ガスと比較して、熱伝達率の高い冷媒の二相領域を極力大きくなるように制御するためである。
一方、大きい過熱度を得るということは、冷媒から多くの熱量(エンタルピ差)を取り出していることになり、蒸発器の所定能力に対し必要な冷媒流量が少なくなり、蒸発器から圧縮機吸入に至る圧力損失が低減される。圧力損失の低減量が、蒸発器性能低下による圧力低下より大きければ、空気調和装置の運転効率(「空気調和装置の運転効率」を以後「COP」と称す)としては向上する。したがって、接続配管長や圧力損失が大きい空調システムによっては、COP最大となる最適過熱度が存在するため、従来の空気調和装置では室内機の結露防止や圧縮機の信頼性は確保できる適正な過熱度であっても、COPとして最大性能となるような最適な省エネ運転を実現できないという課題があった。
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、様々な運転条件下や施工条件下でも蒸発器出口の冷媒過熱度を最適な過熱度に制御し、システムとして最大効率となる運転を実現できる安価な空気調和装置を提供することを目的とする。
本発明に係る空気調和装置は、少なくとも、圧縮機、四路切換弁、室外熱交換器、膨張弁、室内熱交換器が冷媒管によって順次に環状に接続されて構成された冷媒回路を有する空気調和装置であって、四路切換弁の切換により室外熱交換器あるいは室内熱交換器が蒸発器である場合に、冷媒の蒸発温度を検出する蒸発温度検出手段と、蒸発器の出口の冷媒温度を検出する出口温度検出手段と、圧縮機の吸入冷媒の圧力を検出する吸入圧力検出手段と、圧縮機の運転容量に基づいて冷媒循環量を算出し、蒸発温度検出手段により検出された蒸発温度および出口温度検出手段により検出された冷媒温度から蒸発器出口の過熱度を算出する演算部と、過熱度を基に過熱度目標値を仮定し、かつ冷媒循環量と過熱度に基づいてその過熱度が過熱度目標値に変化したときの圧縮機の吸入冷媒の圧力を推測する推測部と、吸入圧力検出手段により検出された吸入冷媒の圧力と推測部により推測された吸入冷媒の圧力とを比較し、その比較結果に基づいて過熱度目標値を変更し、かつ過熱度が過熱度目標値になるように膨張弁の弁開度を制御する制御部とを備えたものである。
本発明によれば、圧縮機の運転容量に基づいて冷媒循環量を算出し、蒸発器の蒸発温度および蒸発器出口の冷媒温度から蒸発器出口の過熱度を算出し、算出した過熱度を基に過熱度目標値を仮定し、かつ冷媒循環量と過熱度に基づいてその過熱度が過熱度目標値に変化したときの圧縮機の吸入冷媒の圧力を推測するようにしている。これにより、空気調和装置の運転状態や施工条件によらず、蒸発器出口の過熱度を最適な過熱度に制御でき、常に高効率な運転が実現可能で、安価な空気調和装置を得ることができる。
本発明の実施の形態を示す空気調和装置の冷媒回路および制御システム図。 本発明の実施の形態に係る空気調和装置の過熱度変化時のp−h線図。 冷媒循環量の違いによる過熱度と熱交換器の熱コンダクタンスの関係を表す概念図。 蒸発器の過熱度の違いによる二相部とガス相部の割合を表す概念図。 配管長の違いによる冷媒循環量と圧力損失の大きさを表す概念図。 配管長の違いによる過熱度に対するCOPの改善率を表す概念図。 本発明の実施の形態に係る空気調和装置における運転制御の動作を示すフローチャート。 蒸発器の冷媒と空気の流れ方の違いによる温度変化を表す概念図。 本発明の実施の形態の変形例を示す空気調和装置の冷媒回路および制御システム図。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態を示す空気調和装置の冷媒回路および制御システム図である。
本実施の形態に係る空気調和装置は、圧縮機5、冷房と暖房の運転切換を行うための四路切換弁9、室外熱交換器12、膨張弁6、室内熱交換器22が冷媒管により順次に環状に接続されて構成される冷媒回路10を備えている。圧縮機5、四路切換弁9、室外熱交換器12および膨張弁6は、屋外に設置される室外機1に設けられ、室内熱交換器22は、室内に設置される室内機2に設けられている。圧縮機5は、インバータによって駆動される容量可変型である。膨張弁6は、例えばステッピングモータ等により弁開度が制御可能な絞り弁である。室外機1と室内機2は、前述の冷媒管の一部である第1連結管7と第2連結管8により接続されている。前述の冷媒回路10には冷媒が封入されており、その冷媒が冷媒回路10を循環することにより、冷凍サイクルが形成される。
冷媒回路10は、四路切換弁9の切換動作により、冷房運転状態から暖房運転状態、あるいは暖房運転状態から冷房運転状態への切り換えが可能に構成されている。ここで、冷房運転状態とは、四路切換弁9が、図1に示す実線のように切り換えられた場合の運転状態であり、暖房運転状態とは、同図に示す破線のように切り換えられた場合の運転状態である。また、冷媒回路10においては、四路切換弁9が冷房運転状態である場合には、冷凍サイクルの放熱行程が室外熱交換器12で行われ、四路切換弁9が暖房運転状態である場合には、冷凍サイクルの放熱行程が室内熱交換器22で行われるように構成されている。
また、冷媒回路10には、圧縮機5の吸入冷媒の圧力を検出する圧力センサー40(吸入圧力検出手段)と、冷房運転時に膨張弁6に流入する液冷媒の温度を検出する第1温度センサー41と、室内熱交換器22において冷媒と熱交換する流体(例えば空気、水)の流入温度を検出する第2温度センサー42と、室内熱交換器22が蒸発器となる冷房運転時に、冷媒の蒸発温度を検出する第3温度センサー43(蒸発温度検出手段)と、蒸発器(室内熱交換器22)の出口近傍の冷媒温度を検出する第4温度センサー44(出口温度検出手段)とが設けられている。なお、前述の第2温度センサー42で検出する流体として空気の流入温度を検出するものとして説明する。
さらに、本実施の形態に係る空気調和装置は、測定部31と、演算部32と、記憶部33と、推測部34と、制御部35を備えている。測定部31は、例えば冷房運転時に、圧縮機5の運転容量である例えば回転数を運転データとして測定し、前記4つの温度センサー41、42、43、44により検出される冷媒回路10上の各部位の温度を測定する。演算部32は、測定部31により測定された圧縮機5の回転数に基づいて冷媒循環量を算出し、測定部31により測定された第3温度センサー43の蒸発温度および第4温度センサー44の蒸発器出口の冷媒温度から蒸発器出口の過熱度を算出する。
記憶部33には、蒸発器(室内熱交換器22)内を流れる冷媒循環量に対して過熱度が増加したときの伝熱性能のデータが保存されている。また、記憶部33は、測定部31により測定された圧縮機5の回転数、測定部31により測定された前記4つの温度センサー41、42、43、44の各温度をデータとして一時的に保存する。
推測部34は、演算部32により算出された過熱度を基に過熱度目標値を推測し、かつ記憶部33に保存された伝熱性能のデータを用いて、その過熱度が過熱度目標値に変化したときの圧縮機5の吸入冷媒の圧力を推測する。制御部35は、測定部31により測定された現在の圧縮機5の吸入冷媒の圧力と推測部34により推測された吸入冷媒の圧力とを比較し、その比較結果に基づいて過熱度目標値を変更し、かつ過熱度がその過熱度目標値になるように膨張弁6の弁開度を制御する。
次に、蒸発器出口の過熱度の変化に対する、圧縮機5の吸入冷媒の圧力を推測する方法について説明をする。
図2は冷凍サイクルのp−h線図で、実線で示す冷凍サイクルは蒸発器出口の過熱度が小さい状態を示し、破線で示す冷凍サイクルは過熱度が大きい状態を示している。
ここで、室内熱交換器22が蒸発器である場合の熱交換量Qaについて説明する。熱交換量Qa[w]は、熱通過率をK[w/m2k]、 蒸発温度と空気温度の温度差をΔT[k]および管外伝熱面積をA[m2 ]とすると、下記の(1)式で求まる。
Figure 0005430602
前述のΔTは、室内機2に設置された第2温度センサー42の空気温度と第3温度センサー43の冷媒温度の温度差である。また、管外伝熱面積Aは、室内熱交換器22の仕様から決まるため一定値である。管外伝熱面積Aと熱通過率Kの積である熱コンダクタンスA×K[w/k]は、図3に示すように、蒸発器出口の過熱度が同一であれば、冷媒循環量が大きいほど、管内側の熱伝達率が増加して伝熱性能が向上するため、熱コンダクタンスは増加する。そして、冷媒循環量が一定の場合は、図4に示すように、蒸発器出口の過熱度が大きいほど、蒸発器の伝熱性能の高い二相部の割合が小さくなるので、熱コンダクタンスは減少する。
ここで、室内熱交換器22の熱コンダクタンスであるA×Kの値を、冷媒循環量と蒸発器出口の過熱度の関数として予め記憶部33に保存しておくことによって、運転状態が変化した場合でも、冷媒循環量や蒸発器出口の過熱度に応じて熱コンダクタンスを算出することができる。
また、熱コンダクタンスの特性を室内機2の機種や容量毎にデータベース化して記憶部33に保存しておくことによって、さらに高精度に熱コンダクタンスを算出することが可能となる。
冷媒循環量Gr[kg/s]は、圧縮機5の運転容量である回転数にほぼ比例するため、圧縮機5の回転数を測定部31にて測定し、吸入冷媒密度と圧縮機5の押しのけ量をかけあわせることで求めることが可能である。なお、さらに冷媒循環量Grの推定精度を高めるために、圧力センサー40の検出による圧縮機5の吸入冷媒の圧力や、圧縮機5の吐出側に設置される圧力センサー(図示せず)によって検出される吐出冷媒の圧力を演算のパラメータとして加えてもよい。
また、蒸発器出口の過熱度は、第4温度センサー44により検出される温度から第3温度センサー43にて検出される温度を減じることによって演算可能である。この演算は、前述したように演算部32によって行われている。
一方、この時、冷媒は空気から熱をもらうので、熱交換量Qr[w]は、冷媒循環量Gr[kg/s]と、蒸発器入口・出口のエンタルピー差Δh1[kJ/kg]とで、下記に示す(2)式によって求まる。
Figure 0005430602
ここで、Δh1は、図2に示すように蒸発器入口・出口のエンタルピー差、すなわち冷凍効果を表す。蒸発器入口のエンタルピーは、第1温度センサー41にて検出される膨張弁6の流入冷媒の温度と冷媒物性情報から求めることができる。蒸発器出口のエンタルピーは、第4温度センサー44により検出される蒸発器出口の冷媒温度と第3温度センサー43にて検出される冷媒の蒸発温度と冷媒物性情報から求めることができる。
定常状態であれば、熱交換量Qa=冷媒循環量Qrの関係が成り立つ。ここで、過熱度が現在の運転状態から増加したと仮定した場合、図2に示すように、冷凍効果がΔh1からΔh2に増加する。このとき、空調負荷が一定、つまり熱交換量Qaが一定とすると、空気調和装置の冷媒循環量GrはΔh1/Δh2倍に低下する。
また、冷媒循環量Grと過熱度に対する熱コンダクタンスA×Kの関係が記憶部33に記憶保持されているため、前述の(1)式と(2)式より蒸発温度について解くことによって、過熱度増加時の蒸発温度を推測することができる。ここで、図2に示すように、過熱度増加前の蒸発温度に対する飽和圧力をPeとし、過熱度増加時の蒸発温度に対する飽和圧力をPe’とする。
次に、室内熱交換器22の出口から圧縮機5の吸入に至る配管(冷媒管)での圧力損失ΔPは、ダルシー・ワイスバッハの式より、下記の(3)式で求めることができる。
Figure 0005430602
ここで、ΔPは、蒸発温度相当の飽和圧力Peと圧縮機5の吸入冷媒の圧力Psとの差であり、ΔP=Pe−Psで表される。(3)式に示すaは、蒸発器出口から圧縮機5の吸入に至る配管の仕様によって決まる係数であり、配管径が細く、配管長が長いほど値が大きくなる。ρは蒸発器出口での冷媒密度[kg/m3 ]を表す。
ここでも同様に、過熱度が増加した場合の圧力損失ΔPについて求めると、冷媒循環量Grは、前述の通りΔh1/Δh2倍に減少するため、図5に示すように、過熱度が大きいほど冷媒循環量Grの減少量が大きいので圧力損失ΔPの減少量は大きく、配管長が長いほど圧力損失ΔPの減少量は大きくなることがわかる。
冷媒密度ρは過熱ガスであり過熱度の変化によって殆ど変わらないため、過熱度増加前後での、圧力損失ΔPの比をとると下記の(4)式が成り立つ。
Figure 0005430602
Ps’について解くと、下記の(5)式のようになる。
Figure 0005430602
ここで、飽和圧力Pe’は、前述のように、熱交換器での熱交換量Qaの熱バランスから算出可能であり、吸入冷媒の圧力Psは圧縮機5の圧力センサー40にて検出可能であるため、上記処理を推測部34にて行うことで、過熱度増加時のPs’を推測することが可能となる。
このように、過熱度の増加により蒸発器の伝熱性能が低下し、蒸発(飽和)圧力Peが低下することに対して、過熱度の増加により冷媒循環量Grが減少し、配管での圧力損失ΔPが低減することでの圧縮機吸入部の吸入冷媒の圧力Psの増加量が大きい場合は、圧縮機5の吸入冷媒の圧力Psが増加するため、圧縮比が小さくなり、高効率な運転が可能となる。逆に、蒸発器の伝熱性能が低下し、蒸発圧力Peの低下することに対して、配管での圧力損失ΔPの低減量が小さい場合は、運転効率(COP)が低下する。したがって、施工時の設置条件や冷媒循環量Grによって空気調和装置の運転効率が最大となる最適な過熱度が存在することになる。
図6は配管長の違いによる、過熱度に対するCOPの改善率を表す概念図で、配管長が長い場合と、短い場合とでグラフ化したものである。
図中に示すように、配管長が短い場合は、過熱度増加に伴う冷媒循環量Grの低下による圧力損失ΔPの低減効果が殆どないため、COPが最大となる過熱度は小さい。一方、配管長が長い場合は、相対的に圧力損失ΔPの低減効果が大きくなるため、過熱度が大きい部分でCOPが最大となる。
次に、実施の形態の空気調和装置における運転制御の動作について図7のフローチャートを用いて説明する。
まず、測定部31は、圧力センサー40により検出された圧縮機5の吸入冷媒の圧力(以下、「吸入圧力」と称する)Ps、4つの温度センサー41〜44により検出された冷媒回路10上の各部位の温度、圧縮機5の回転数(運転容量)を測定する(ST1)。次に、演算部32は、測定部31により測定された圧縮機5の回転数、吸入冷媒密度と圧縮機5の押しのけ量から冷媒循環量Grを算出すると共に、測定部31により測定された第3温度センサーの蒸発温度および第4温度センサーの蒸発器出口の冷媒温度から蒸発器出口の過熱度SHを算出する(ST2)。
推測部34は、演算部32により算出された過熱度SHから所定量α大きい過熱度目標値SHm=SH+αを仮定する。次いで、推測部34は、その過熱度SHが過熱度目標値SHmに変化したときの過熱度増加時の熱交換器性能の低下量を、予め冷媒循環量Grと過熱度SHの関数として記憶部33に保存された値から蒸発圧力Pe’を求める。そして、推測部34は、求めた蒸発圧力Pe’を用いて前述の圧力損失ΔPの予測式((5)式)より圧縮機5の吸入圧力Ps’を推測する(ST3)。
制御部35は、吸入圧力Ps’が推測されると、吸入圧力Ps’と測定部31により測定された現在の圧力センサー40の吸入圧力Psとを比較する(ST4)。制御部35は、推測された圧縮機5の吸入圧力Ps’が現在の圧縮機5の吸入圧力Psよりも大きいときには、運転効率(COP)が向上する運転であるため、過熱度目標値をSHm=SH+αとする(ST5)。また、制御部35は、逆に、推測された圧縮機5の吸入圧力Ps’が小さいときには、過熱度目標値をSHm=SH−αに変更する(ST6)。そして、制御部35は、過熱度SHが過熱度目標値SHmになるように、膨張弁6の弁開度を制御する(ST7)。過熱度を大きくする場合は、膨張弁6の弁開度を小さくし、過熱度を小さくする場合は、弁開度を大きくする。
このように本実施の形態においては、圧縮機5の回転数に基づいて冷媒循環量Grを算出し、蒸発器の蒸発温度および蒸発器出口の冷媒温度から蒸発器出口の過熱度SHを算出し、算出した過熱度SHを基に過熱度目標値SHmを仮定し、かつ冷媒循環量Grと過熱度SHに基づいてその過熱度SHが過熱度目標値SHmに変化したときの圧縮機5の吸入圧力Ps’を推測するようにしている。これにより、空気調和装置の運転条件や施工条件によらず、蒸発器出口の過熱度を最適な過熱度に制御でき、常にCOPが最大となる運転を実現可能で、安価な空気調和装置を得ることができる。
また、本実施の形態においては、特に配管の長さや、配管径、バルブの流量係数などの仕様情報は必要としないため、空調設備の更新等で施工配管の仕様が変更になった場合であっても、また経年劣化などにより、ストレーナのフィルタに目詰まりが発生し、流量抵抗値が変化した場合であっても、常にCOPが最大となる運転を実現可能である。
なお、本実施の形態では、記憶部33に、過熱度増加時の熱交換器性能の低下量を予め冷媒循環量Grと過熱度SHの関数として記憶するように述べたが、特に予め記憶しておく必要はない。例えば、空気調和装置の初期設置時あるいは通常運転時において、過熱度SHと冷媒循環量Grを変化させた運転データ(圧縮機5の回転数)を記憶部33に記憶し、その統計運転データに基づいて、熱交換器の性能低下量を推測するようにしてもよい。このようにすることで、機器のデータベースを保持する必要がなくなるため、前述の記憶部33のメモリ容量を削減できる。
前述の蒸発器での熱交換量の式に基づく熱交換器性能である熱コンダクタンスA×Kの値は、計測している運転データから推算できるため、過熱度SHと冷媒循環量Grに対する熱交換器の熱コンダクタンスA×Kの値を2変数の近似式として関数化することは可能である。
次に、蒸発器での空気と冷媒の流し方に対する過熱度の関係について説明する。
図8は、蒸発器での空気と冷媒の流し方が同一方向の並行流である場合と、逆方向の対向流である場合の温度変化について示している。並行流の場合は、蒸発器出口の冷媒温度と空気温度(吹出側)が近接しているために過熱度SHの増加がそのまま蒸発温度の低下となり性能の低下が大きくなる。そのため、過熱度SHを必要以上に大きくすることができない。一方、対向流の場合は、蒸発器出口の冷媒温度と空気温度(吸込側)の温度差が大きいため、過熱度SHを大きく変化させることが可能となる。
また、図8の一点鎖線で示しているように、冷媒の飽和温度に温度勾配があるような非共沸混合冷媒の場合は、対向流化することにより、空気との温度差が小さくなるため、熱交換効率が向上し、そのため、過熱度SHの変化幅を大きく変化させることができる。
過熱度の変化幅が大きいということは、膨張弁6の過熱度SHの制御可能範囲が拡大するので、第1および第2連結管7、8の長さがより長い設置条件の空気調和装置においてもCOPの高い運転が実現可能となる。
また、本実施の形態においては、膨張弁6が室外機1に内蔵されている形態であるが、図9に示すように、室内機2に内蔵される形態であっても構わない。クーラやショーケースにおいては室内機2に膨張弁6が内蔵されているが、膨張弁6が温度式膨張弁の場合、蒸発器出口の配管につけられた感温筒に封入された冷媒ガスの飽和圧力と入口の膨張弁を通過する冷媒圧力の差圧と膨張弁6に内蔵されたバネ力の関係によって膨張弁6の開度調整を行っている。
通常、空気調和装置の初期設置時に、バネ力を調整するために温度式膨張弁の付属ねじによりバネ力の調整を行うことで過熱度SHを過熱度目標値SHmに設定できる。例えば図9に示すように、前述の演算部32にて演算された過熱度SHおよびその加熱度SHから仮定される過熱度目標値SHmを表示手段36に表示させることによって、施工者は、過熱度SHが過熱度目標値SHmとなるようにバネ力の調整で行うことができ、COPが最適となるようなシステムを構築することが可能となる。
また、本実施の形態においては、冷媒の種類を特に限定するものではなく、例えば、二酸化炭素(CO2 )や炭化水素、ヘリウム等のような自然冷媒や、R410Aはもちろん、R407C、R404A、HFO1234yf等の代替冷媒等の塩素を含まない冷媒を採用してもよい。
そして、冷媒循環量Grの低減量はΔh1/Δh2倍に比例することから、本実施の形態に適用した場合には、冷媒の潜熱量が小さい冷媒ほどCOPへの改善効果への寄与が高くなる。例えば、R410Aよりも潜熱量が小さいHFO1234yf冷媒を用いたシステムにおいて、本実施の形態では好適であるといえる。
なお、以上の実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
1 室外機、2 室内機、5 圧縮機、6 膨張弁、7 第1連結管、8 第2連結管、9 四路切換弁、10 冷媒回路、12 室外熱交換器、22 室内熱交換器、31 測定部、32 演算部、33 記憶部、34 推測部、35 制御部、36 表示手段、40 圧力センサー、41 第1温度センサー、42 第2温度センサー、43 第3温度センサー、44 第4温度センサー。

Claims (6)

  1. 少なくとも、圧縮機、四路切換弁、室外熱交換器、膨張弁、室内熱交換器が冷媒管によって順次に環状に接続されて構成された冷媒回路を有する空気調和装置であって、
    前記四路切換弁の切換により前記室外熱交換器あるいは前記室内熱交換器が蒸発器である場合に、冷媒の蒸発温度を検出する蒸発温度検出手段と、
    前記蒸発器の出口の冷媒温度を検出する出口温度検出手段と、
    前記圧縮機の吸入冷媒の圧力を検出する吸入圧力検出手段と、
    前記圧縮機の運転容量に基づいて冷媒循環量を算出し、前記蒸発温度検出手段により検出された蒸発温度および前記出口温度検出手段により検出された冷媒温度から蒸発器出口の過熱度を算出する演算部と、
    前記過熱度を基に過熱度目標値を仮定し、かつ前記冷媒循環量と前記過熱度に基づいて該過熱度が前記過熱度目標値に変化したときの前記圧縮機の吸入冷媒の圧力を推測する推測部と、
    前記吸入圧力検出手段により検出された吸入冷媒の圧力と前記推測部により推測された吸入冷媒の圧力とを比較し、その比較結果に基づいて前記過熱度目標値を変更し、かつ前記過熱度が当該過熱度目標値になるように前記膨張弁の弁開度を制御する制御部と
    を備えたことを特徴とする空気調和装置。
  2. 前記蒸発器内を流れる冷媒循環量に対して過熱度が増加したときの伝熱性能のデータが前記熱交換器毎に保存された記憶部を備え、
    前記推測部は、前記圧縮機の吸入冷媒の圧力を推測する際に、前記記憶部に記憶されたデータを用いることを特徴とする請求項1記載の空気調和装置。
  3. 前記蒸発器内を流れる冷媒循環量と蒸発器出口の過熱度を変化させたときの前記圧縮機の運転容量を保存するための記憶部を備え、
    前記推測部は、前記運転容量に基づいて、前記過熱度が前記過熱度目標値に変化したときの前記圧縮機の吸入冷媒の圧力を推測することを特徴とする請求項1記載の空気調和装置。
  4. 前記蒸発器内を流通する冷媒と、前記蒸発器に流入する空気の流れが対向流になっていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の空気調和装置。
  5. 前記冷媒は、非共沸混合冷媒であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の空気調和装置。
  6. 蒸発器出口の過熱度および過熱度目標値を施工者に知らせる表示手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の空気調和装置。
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