JP7327722B2 - 乾燥食品組成物 - Google Patents
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Description
真空凍結乾燥は、水分を凍結させてから真空で乾燥するために、水分を多く含んだ物の乾燥には長時間の加工が必要となり、コストも高い。食品製造に用いられる他の乾燥処理の例として、熱風乾燥の方法の1種である流動層乾燥がある(特許文献2)。流動層乾燥法では、被乾燥物に均一に熱を伝えて、比較的短時間かつ労力の少ない乾燥が可能である。
(1)水不溶性食物繊維と、コンニャク原料と、アルカリ性凝固剤と、ヒドロキシプロピルデンプンとを含む乾燥食品組成物。
(2)ヒドロキシプロピルデンプンの含有量が5~45質量%(乾燥物基準)である、(1)に記載の乾燥食品組成物。
(3)コンニャク原料が含むグルコマンナン1質量部(乾燥物基準)に対して0.1~20質量部(乾燥物基準)のヒドロキシプロピルデンプンを含む、(1)又は(2)に記載の乾燥食品組成物。
(4)ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンを更に含む、(1)~(3)のいずれかに記載の乾燥食品組成物。
(5)水不溶性食物繊維と、水和膨潤した状態のコンニャク原料と、アルカリ性凝固剤と、ヒドロキシプロピルデンプンを含む混合物を乾燥して得られた、(1)~(4)のいずれかに記載の乾燥食品組成物。
(6)前記混合物を流動層乾燥により乾燥して得られた、(5)に記載の乾燥食品組成物。
(8)前記混合物を流動層乾燥により乾燥する、(7)に記載の乾燥食品組成物の製造方法。
(9)乾燥する工程の前に、前記混合物を造粒する工程を含む、(7)又は(8)に記載の乾燥食品組成物の製造方法。
本発明に用いるコンニャク原料は、コンニャクイモ由来のグルコマンナンを含むものであれば特に限定されず、様々な形状及び純度のものが使用できる。具体的には、コンニャク粉、コンニャクイモ抽出物、グルコマンナンが挙げられる。
水不溶性食物繊維は肉様の物性を組成物に付与するうえで重要である。本発明にはセルロース、ヘミセルロース、水不溶性海草多糖類、水不溶性ペクチン質、キチン、キトサン、及びリグニンからなる群から選択される少なくとも1種の水不溶性食物繊維、或いは当該水不溶性食物繊維を含む混合物が好適に使用できる。精製の程度は特に限定されず、結晶セルロースなどの高純度のもののみでなく、小麦ファイバー、ニンジンパルプ、リンゴパルプ等の純度の低い水不溶性食物繊維も使用できる。水不溶性食物繊維は、水不溶性食物繊維からなる粉末の形態、又は水不溶性食物繊維と増粘剤(例えばデンプン)との複合体からなる粉末の形態、好ましくはこれらの二種類の形態の粉末の混合物として使用される。粉末セルロース、結晶セルロース、好ましくはこれらの混合物として使用されることが望ましい。
本発明の乾燥食品組成物は、デンプンとしてヒドロキシプロピルデンプンを用いることを特徴とする。本発明の乾燥食品組成物は更に、ヒドロキシプロピルデンプンとは別に、ヒドロキシプロピルデンプンによる乾燥食品組成物の「固定化」を損なわない限り、他の種類のデンプンを1種以上含んでいてもよい。他のデンプンとしては、馬鈴しょデンプン、タピオカデンプン、小麦デンプン、甘藷デンプン、くずデンプン、米デンプン、豆類のデンプン、とうもろこしデンプン等の生デンプン、これらを由来とする酸化デンプン、α化デンプン、加工デンプンなどの各種加工処理されたデンプンを用いることができる。
本発明ではコンニャク由来のグルコマンナンをゲル化するためにアルカリ性凝固剤が使用される。アルカリ性凝固剤としては具体的には水酸化カルシウム等が挙げられ、一般に用いられているものを任意に用い得る。
本発明の乾燥食品組成物は、水不溶性食物繊維と、コンニャク原料と、アルカリ性凝固剤と、ヒドロキシプロピルデンプンとを含む。
本発明の乾燥食品組成物は、他の食品材料を更に含んでいてもよい。他の食品材料としては油脂、野菜、果物、香辛料、調味料等が挙げられる。最終製品が低タンパク質食品の提供を意図するものでなければ畜肉、魚介肉、卵、大豆、これらの加工品を添加してもよい。油脂を添加する場合は、食品組成物に畜肉特有の物性(脂の口溶け、肉汁感)及び風味が達成される。油脂の種類は問わず、油脂の添加量はコンニャク原料中のグルコマンナン1質量部(乾燥物基準)に対して1~30質量部であることが好ましい。
本発明の乾燥食品組成物は、水不溶性食物繊維と、水和膨潤した状態のコンニャク原料と、アルカリ性凝固剤と、ヒドロキシプロピルデンプンを含む混合物を乾燥する工程を含む方法により製造することができる。
乾燥食品組成物形状、寸法は特に限定されないが、形状は、好ましくは粒状、片状、棒状、麺状等で、寸法は、粒状、片状、棒状等では、体積を5~1000mm3、好ましくは20~230mm3とすることが例示でき、棒状、麺状等では、短手方向の断面積を5~50mm2とすることが例示できる。
本発明の乾燥食品組成物はタンパク質量を低減した腎臓病患者用食品のために利用することができる。腎臓病患者用食品のタンパク質含量は、食品全重量100g当たり、10g以下であることが好ましく、5g以下であることがさらに好ましく、0.5g以下であることが最も好ましい。特別用途食品の低たんぱく質食品の規格によれば、たんぱく質含量が通常の同種の食品の含量の30%以下であると低たんぱく質食品であると表示でき(畜肉100g当たりのタンパク質量は大よそ20gである)、また健康増進法によれば、食品100g当たりのタンパク質含量が0.5g未満である場合、0gと表示できる。本発明の食品組成物ではその何れをも達成することが可能となる。なお、腎臓病患者用食品の油脂含量を、前記の油脂の添加量などを調整することによって、腎臓病患者に対するカロリー補給ができる量に調整することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明の範囲はこれらには限定されない。
(工程1)
粉体の(A)(B)(C)(D)と(E)水とを、30分程度混合し、グルコマンナンを膨潤させると共に、(C)を作用させて糊状物を調製した。
工程1で調製した糊状物を押出し造粒処理して造粒した。粒状物が成形される場合は直径3mm×長さ3~25mm程度のミンチ状の造粒物に成形した。
工程2で得た造粒物を次の条件で流動層乾燥処理して、乾燥造粒物を製造した。いずれの乾燥造粒物も、水分含量が4~8質量%程度であった。
流動層造粒装置の流動層入口熱風温度100~110℃
流動層出口排気温度46~70℃
仕込み量10kg/1バッチ
流動層内乾燥時間15分間
「成形性」
上記工程2での造粒において、流動層乾燥に適した粒状物が得られるか否かを観察し、以下の基準で評価した。
◎:押出造粒で流動層乾燥に適する粒状物が成形される。
×:押出造粒の際、粒状物が形成されず、麺状に繋がる。
上記工程3で得られた乾燥造粒物の状態を観察し、以下の基準で評価した。
◎:グルコマンナンのゲル化と澱粉のα化で、流動層乾燥後に粒状に固形化される。
×:流動層乾燥後にやわらかく、固形化が不十分である。
上記工程3で得られた乾燥造粒物を熱水中で湯戻した。湯戻し後の造粒物の状態を観察し、以下の基準で評価した。
◎:注湯後10-15分程度で肉様組織・食感に復元する。
△:注湯後10-15分程度で肉様組織・食感に復元しない。
×:注湯後に溶ける、或いは、軟らか過ぎる又はモロモロとした不良な食感である。
上記工程3で得られた乾燥造粒物を水とともにレトルトパウチに充填して封入し、120℃20分間レトルト加熱処理を施した。処理後の造粒物の状態を観察し、以下の基準で評価した。
◎:水とともにレトルト処理した場合に、肉様組織・食感を保持する。
×:水とともにレトルト処理した場合に、溶ける、或いは、軟らか過ぎ肉様組織・食感を保持できない。
各実施例、比較例の評価結果を下記表に示す。
Claims (8)
- 水不溶性食物繊維と、コンニャク原料と、アルカリ性凝固剤と、ヒドロキシプロピルデンプンとを含む乾燥食品組成物であって、コンニャク原料中のグルコマンナン1質量部(乾燥物基準)に対して2~40質量部(乾燥物基準)の水不溶性食物繊維、0.1~20質量部(乾燥物基準)のヒドロキシプロピルデンプン、及び0.001~10質量部のアルカリ性凝固剤(乾燥物基準)を含む、乾燥食品組成物。
- ヒドロキシプロピルデンプンの含有量が5~45質量%(乾燥物基準)である、請求項1に記載の乾燥食品組成物。
- ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンを更に含む、請求項1又は2に記載の乾燥食品組成物。
- 水不溶性食物繊維と、水和膨潤した状態のコンニャク原料と、アルカリ性凝固剤と、ヒドロキシプロピルデンプンを含む混合物を乾燥して得られた、請求項1~3のいずれか1項に記載の乾燥食品組成物。
- 前記混合物を流動層乾燥により乾燥して得られた、請求項4に記載の乾燥食品組成物。
- 水不溶性食物繊維と、水和膨潤した状態のコンニャク原料と、アルカリ性凝固剤と、ヒドロキシプロピルデンプンを含む混合物を乾燥する工程を含む、乾燥食品組成物の製造方法であって、該混合物は、コンニャク原料中のグルコマンナン1質量部(乾燥物基準)に対して2~40質量部(乾燥物基準)の水不溶性食物繊維、0.1~20質量部(乾燥物基準)のヒドロキシプロピルデンプン、及び0.001~10質量部のアルカリ性凝固剤(乾燥物基準)を含む、乾燥食品組成物の製造方法。
- 前記混合物を流動層乾燥により乾燥する、請求項6に記載の乾燥食品組成物の製造方法。
- 乾燥する工程の前に、前記混合物を造粒する工程を含む、請求項6又は7に記載の乾燥食品組成物の製造方法。
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