JP7327722B2 - 乾燥食品組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、肉等のタンパク質食品素材の代替物として利用することができる、水和復元したときに肉様の食感を呈する乾燥食品組成物を提供する。
既存の肉代替食品素材(擬似肉)としては、大豆タンパク質等の植物性タンパク質を利用した製品が主流である。植物性タンパク質による擬似肉のタンパク質含量は、肉素材と同程度である。また大豆タンパク質は、動物性タンパク質とは異なる特有の風味を有しているため、肉代替品を得るためには風味付けに工夫を要する。
一方、腎臓病患者は低タンパク質食品の摂取が求められ、メタボリックシンドロームや糖尿病患者向けには低エネルギー食品の摂取が求められる。腎臓病患者は、タンパク質の摂取が厳しく制限され、なおかつ十分なエネルギーを食事により摂取することが求められる。進行した腎臓病の患者は多額の治療費を要する透析治療を必要とすることから、腎臓病の早期の発見及び治療が国を挙げて推進されている。このため食事制限を受ける患者数は今後増大するものと見込まれる。これらの様々な食品向けに、タンパク質の量やエネルギーの調節が容易であり特有の風味のない擬似肉素材が求められる。
特許文献1には、腎臓病用食品やダイエット食品等の用途での使用に適した、タンパク質の量やエネルギーの調節が容易であり特有の風味のない擬似肉素材として、水和膨潤した状態のコンニャク原料と、該コンニャク原料中のグルコマンナン1重量部(乾燥物基準)に対して4~40重量部(乾燥物基準)の水不溶性食物繊維と、アルカリ性凝固剤とを含む混合物により調製される食品組成物が記載されている。特許文献1では、前記混合物が更に澱粉を含んでもよいことが記載されている。
特許文献1の実施例2等では、不溶性食物繊維、グルコマンナン、水酸化カルシウム、加工デンプン(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン)及び水等を混合して糊状物を形成し、粒状に成形したのち真空凍結乾燥機で乾燥して、疑似ミンチ肉の乾燥物を調製したことが記載されている。特許文献1の実施例2等では更に、この疑似ミンチ肉の乾燥物を湯戻ししたものは、生ミンチ肉様の性状であったことが記載されている。特許文献1では乾燥処理の例として、凍結乾燥、熱風乾燥等が記載されている。
真空凍結乾燥は、水分を凍結させてから真空で乾燥するために、水分を多く含んだ物の乾燥には長時間の加工が必要となり、コストも高い。食品製造に用いられる他の乾燥処理の例として、熱風乾燥の方法の1種である流動層乾燥がある(特許文献2)。流動層乾燥法では、被乾燥物に均一に熱を伝えて、比較的短時間かつ労力の少ない乾燥が可能である。
特開2010-41994号公報 特開平10-257852号公報
本発明者らは、水不溶性食物繊維、グルコマンナン、水酸化カルシウム、加工デンプン(ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン)及び水等を混合した糊状物を、凍結乾燥法ではなく流動層乾燥法により乾燥させて調製した乾燥食品組成物は、湯戻しする際にふやけて溶けてしまい、ミンチ肉等に類似した組織が得られないという課題を見出した。具体的には、流動層乾燥法等によって、前記の原料が結合されて、乾燥状態の粒状物となり、かつ、湯戻しする際にミンチ肉等に類似した組織に復元する性能が得られないという課題を見出した。本明細書中において、前記の乾燥状態の粒状物となる性能を特に「固定化」と称する。
水不溶性食物繊維、グルコマンナン、水酸化カルシウム、デンプン及び水等を混合し、グルコマンナンを膨潤させるとともに水酸化カルシウムの作用によりゲル化させて糊状物とし、この糊状物を成形し、乾燥して得られる乾燥食品組成物において、乾燥法に依らずに、湯戻し時に形状を保持し肉様の組織を付与することができる乾燥食品組成物が求められている。
本明細書は、上記課題を解決するための手段として以下の構成を開示する。
(1)水不溶性食物繊維と、コンニャク原料と、アルカリ性凝固剤と、ヒドロキシプロピルデンプンとを含む乾燥食品組成物。
(2)ヒドロキシプロピルデンプンの含有量が5~45質量%(乾燥物基準)である、(1)に記載の乾燥食品組成物。
(3)コンニャク原料が含むグルコマンナン1質量部(乾燥物基準)に対して0.1~20質量部(乾燥物基準)のヒドロキシプロピルデンプンを含む、(1)又は(2)に記載の乾燥食品組成物。
(4)ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンを更に含む、(1)~(3)のいずれかに記載の乾燥食品組成物。
(5)水不溶性食物繊維と、水和膨潤した状態のコンニャク原料と、アルカリ性凝固剤と、ヒドロキシプロピルデンプンを含む混合物を乾燥して得られた、(1)~(4)のいずれかに記載の乾燥食品組成物。
(6)前記混合物を流動層乾燥により乾燥して得られた、(5)に記載の乾燥食品組成物。
(7)水不溶性食物繊維と、水和膨潤した状態のコンニャク原料と、アルカリ性凝固剤と、ヒドロキシプロピルデンプンを含む混合物を乾燥する工程を含む、乾燥食品組成物の製造方法。
(8)前記混合物を流動層乾燥により乾燥する、(7)に記載の乾燥食品組成物の製造方法。
(9)乾燥する工程の前に、前記混合物を造粒する工程を含む、(7)又は(8)に記載の乾燥食品組成物の製造方法。
本発明の乾燥食品組成物は、湯戻し時に形状を保持し肉様の組織を付与することができる。本発明の好適な乾燥食品組成物は、レトルト加熱処理時も形状が保持され易い。
本発明の乾燥食品組成物の製造方法によれば、湯戻し時に形状を保持し肉様の組織を付与することができ、好適にはレトルト加熱処理時も形状が保持され易い乾燥食品組成物を製造することができる。
1.コンニャク原料
本発明に用いるコンニャク原料は、コンニャクイモ由来のグルコマンナンを含むものであれば特に限定されず、様々な形状及び純度のものが使用できる。具体的には、コンニャク粉、コンニャクイモ抽出物、グルコマンナンが挙げられる。
2.水不溶性食物繊維
水不溶性食物繊維は肉様の物性を組成物に付与するうえで重要である。本発明にはセルロース、ヘミセルロース、水不溶性海草多糖類、水不溶性ペクチン質、キチン、キトサン、及びリグニンからなる群から選択される少なくとも1種の水不溶性食物繊維、或いは当該水不溶性食物繊維を含む混合物が好適に使用できる。精製の程度は特に限定されず、結晶セルロースなどの高純度のもののみでなく、小麦ファイバー、ニンジンパルプ、リンゴパルプ等の純度の低い水不溶性食物繊維も使用できる。水不溶性食物繊維は、水不溶性食物繊維からなる粉末の形態、又は水不溶性食物繊維と増粘剤(例えばデンプン)との複合体からなる粉末の形態、好ましくはこれらの二種類の形態の粉末の混合物として使用される。粉末セルロース、結晶セルロース、好ましくはこれらの混合物として使用されることが望ましい。
本発明の好ましい一以上の実施形態において水不溶性食物繊維は、粒子径900μm以下、好ましくは500μm以下、より好ましくは150μm以下、より好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上の粒子からなるものである。ここで水不溶性食物繊維の粒子径は次のように定義する。すなわち、散乱式粒度分布計によって測定することができる平均粒子径である。
本発明の好ましい一以上の実施形態において水不溶性食物繊維は、繊維長500μm以下、好ましくは300μm以下、より好ましくは170μm以下、より好ましくは7μm以上、より好ましくは8μm以上の繊維からなるものである。ここで水不溶性食物繊維の繊維長は次のように定義する。すなわち、水不溶性食物繊維の長さの平均値を指し、素材をその構成する最小単位の水不溶性食物繊維が判別できるまで顕微鏡で拡大し、観察された繊維のうち代表的なものを10点選び出し、それぞれについて、その形状が縦長の場合の長さを測定した平均値である。
3.デンプン
本発明の乾燥食品組成物は、デンプンとしてヒドロキシプロピルデンプンを用いることを特徴とする。本発明の乾燥食品組成物は更に、ヒドロキシプロピルデンプンとは別に、ヒドロキシプロピルデンプンによる乾燥食品組成物の「固定化」を損なわない限り、他の種類のデンプンを1種以上含んでいてもよい。他のデンプンとしては、馬鈴しょデンプン、タピオカデンプン、小麦デンプン、甘藷デンプン、くずデンプン、米デンプン、豆類のデンプン、とうもろこしデンプン等の生デンプン、これらを由来とする酸化デンプン、α化デンプン、加工デンプンなどの各種加工処理されたデンプンを用いることができる。
特に、本発明の乾燥食品組成物は、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンを含むことが、湯戻しして肉様組織等に復元した乾燥食品組成物に、レトルト加熱処理の際に形状が崩れにくい性能を付与することができるため望ましい。
ヒドロキシプロピルデンプン及び他のデンプンの起源植物は特に限定されず、馬鈴しょ、タピオカ、甘藷、クズ、小麦、米、豆類、トウモロコシ等が例示でき、地下茎デンプン、特に、馬鈴しょ、タピオカ又は甘藷が好適である。
4.アルカリ性凝固剤
本発明ではコンニャク由来のグルコマンナンをゲル化するためにアルカリ性凝固剤が使用される。アルカリ性凝固剤としては具体的には水酸化カルシウム等が挙げられ、一般に用いられているものを任意に用い得る。
5.各成分の配合比
本発明の乾燥食品組成物は、水不溶性食物繊維と、コンニャク原料と、アルカリ性凝固剤と、ヒドロキシプロピルデンプンとを含む。
本発明の乾燥食品組成物において各成分の配合比は特に限定されないが、好ましい実施形態では、コンニャク原料中のグルコマンナン1質量部(乾燥物基準)に対して水不溶性食物繊維は好ましくは2~40質量部(乾燥物基準)、より好ましくは4~17質量部(乾燥物基準)である。コンニャク原料と水不溶性食物繊維との配合比をこの範囲内とすると、水和復元時に肉様の物性を呈する乾燥食品組成物を製造することが容易である。
本発明の乾燥食品組成物の別の好ましい実施形態では、ヒドロキシプロピルデンプンの含有量が乾燥食品組成物の全量あたり好ましくは0.01~70質量%(乾燥物基準)であり、より好ましくは0.15~65質量%(乾燥物基準)、さらに好ましくは2~57質量%であり、さらに好ましくは5~45質量%である。本発明の乾燥食品組成物の別の好ましい実施形態では、コンニャク原料が含むグルコマンナン1質量部(乾燥物基準)に対して好ましくは0.1~20質量部(乾燥物基準)、より好ましくは2~10質量部(乾燥物基準)のヒドロキシプロピルデンプンを含有する。ヒドロキシプロピルデンプンの含有量がこの範囲であることにより、造粒、乾燥、及び水和復元の各処理の際に形状が崩れにくい乾燥食品組成物が得られ易い。
アルカリ性凝固剤の量は、コンニャク原料中のグルコマンナンをゲル化することができる量に適宜調節すればよく、例えば、コンニャク原料中のグルコマンナン1質量部(乾燥物基準)に対して好ましく0.001~10質量部、好ましくは0.01~0.1質量部とすることができる。
本発明の乾燥食品組成物は、好ましくは、水不溶性食物繊維と、水和膨潤した状態のコンニャク原料と、アルカリ性凝固剤と、ヒドロキシプロピルデンプンを含む混合物を乾燥して得られたものである。ここで前記混合物中での水不溶性食物繊維と、コンニャク原料と、アルカリ性凝固剤と、ヒドロキシプロピルデンプンの配合比の好ましい範囲は上記の通りである。更に、前記混合物を調製する際に、コンニャク原料を水和膨潤させるための水の量は、コンニャク原料中のグルコマンナン1質量部(乾燥物基準)に対して2~1000質量部であることが好ましく、5~60質量部であることがより好ましく、10~30質量部であることが最も好ましい。
6.他の成分
本発明の乾燥食品組成物は、他の食品材料を更に含んでいてもよい。他の食品材料としては油脂、野菜、果物、香辛料、調味料等が挙げられる。最終製品が低タンパク質食品の提供を意図するものでなければ畜肉、魚介肉、卵、大豆、これらの加工品を添加してもよい。油脂を添加する場合は、食品組成物に畜肉特有の物性(脂の口溶け、肉汁感)及び風味が達成される。油脂の種類は問わず、油脂の添加量はコンニャク原料中のグルコマンナン1質量部(乾燥物基準)に対して1~30質量部であることが好ましい。
7.乾燥食品組成物の製造方法
本発明の乾燥食品組成物は、水不溶性食物繊維と、水和膨潤した状態のコンニャク原料と、アルカリ性凝固剤と、ヒドロキシプロピルデンプンを含む混合物を乾燥する工程を含む方法により製造することができる。
前記混合物中での各成分の配合比の好ましい実施形態は既述の通りである。前記混合物を調製する手順として以下の例が挙げられる。まず、コンニャク原料と、水と、水不溶性食物繊維と、アルカリ性凝固剤と、ヒドロキシプロピルデンプンと、必要に応じて添加される他の粉体成分(他のデンプン、重曹等)とを攪拌混合し、必要に応じて例えば30分間以上静置してコンニャク原料を水和膨潤させる。次いで必要に応じて油脂、野菜、香辛料等の成分を添加し、混合した後、所望の形状に成形して、ゲル化した混合物を得る。アルカリ性凝固剤は、水、コンニャク原料、水不溶性食物繊維及びヒドロキシプロピルデンプンと同時に添加することが好ましいがこれには限定されず、コンニャク原料が十分に水和膨潤した後に添加してもよい。
水和膨潤した状態のコンニャク原料と、水不溶性食物繊維と、アルカリ性凝固剤と、ヒドロキシプロピルデンプンとを含む混合物中では、アルカリ性凝固剤の作用により、水和膨潤した状態のコンニャク原料のゲル化が進行して、肉様の物性を呈する緩やかに保形されたゲル状物(本発明では「糊状物」と称する場合がある)が得られる。
水和膨潤した状態のコンニャク原料と、水不溶性食物繊維と、アルカリ性凝固剤と、ヒドロキシプロピルデンプンとを混合して得られる、緩やかにゲル化した糊状の混合物を適宜乾燥することにより本発明の乾燥食品組成物を製造することができる。本発明の乾燥食品組成物は、コンニャク原料と、水不溶性食物繊維と、アルカリ性凝固剤と、ヒドロキシプロピルデンプンとを混合したグルコマンナン凝固物の乾燥物である。
ここで前記混合物の乾燥方法としては、熱風乾燥、特に流動層乾燥が好ましい。流動層乾燥は、被乾燥物に熱風を供給し被乾燥物を浮遊流動化させながら乾燥する方法である。流動層乾燥では前記混合物の粒子が複雑に流動しながら、比較的短時間で乾燥されるため、デンプンとして、ヒドロキシプロピルデンプン以外のデンプンを使用すると十分に「固定化」した乾燥物が得られにくい。これに対し、デンプンとしてヒドロキシプロピルデンプンを使用すると、十分に「固定化」し、湯戻し時及びレトルト加熱時に形状が崩壊しにくい乾燥物を得ることができる。
流動層乾燥の一実施形態として、多孔板等の整流器の上に前記混合物を供給し下方及び又は上方より熱風を吹き付け、前記混合物を熱風中で浮遊流動化させながら乾燥する方法が挙げられる。また、流動層乾燥の別の実施形態として、熱風送風器を備えた室内を通過する搬送コンベヤの搬送面上に前記混合物を供給し、前記混合物が上記室内を搬送される際に熱風を吹き付け、これを浮遊流動化させながら乾燥する方法が挙げられる。流動層乾燥は、市販の流動層焙煎機やコンベヤドライヤーを用いて実施することができる。流動層乾燥機のチャンバーを動かしてもよい。流動層乾燥の条件は特に限定されないが、100~110℃の入口熱風温度、46~110℃の排気温度、処理時間14~60分間の条件で流動層乾燥を行うことが好ましい。
本発明の乾燥食品組成物の製造方法では、前記混合物を乾燥する工程の前に、前記混合物を造粒する工程を含むことが好ましい。造粒は、押出し造粒等の公知造粒法により行うことができる。押出し造粒は、前記混合物を所定の孔径を有するダイス備えた押出し造粒機から押出すことにより行なうことができる。
本発明の乾燥食品組成物の製造方法ではまた、前記混合物を乾燥する工程の前の前記混合物、又は、前記混合物を乾燥して得られる乾燥物を加熱することを更に含んでもよい。加熱によりゲルの強度が更に高まり、あるいは水分を調整して、水和復元時に肉加工品に類似した物性を呈する乾燥食品組成物が得られ易い。
乾燥食品組成物形状、寸法は特に限定されないが、形状は、好ましくは粒状、片状、棒状、麺状等で、寸法は、粒状、片状、棒状等では、体積を5~1000mm、好ましくは20~230mmとすることが例示でき、棒状、麺状等では、短手方向の断面積を5~50mmとすることが例示できる。
本発明の乾燥食品組成物は、水和復元して疑似肉食品として摂食することができる。本発明の乾燥食品組成物を水和復元する工程としては、乾燥食品組成物を温水中に漬ける工程(湯戻し)、水中で煮る工程、水蒸気により蒸す工程が挙げられる。
本発明の乾燥食品組成物は、レトルト食品等の加熱殺菌済食品等に適用できる。そのままか、水和復元した乾燥食品組成物を、具材等として用いることができる。
8.腎臓病患者用食品組成物
本発明の乾燥食品組成物はタンパク質量を低減した腎臓病患者用食品のために利用することができる。腎臓病患者用食品のタンパク質含量は、食品全重量100g当たり、10g以下であることが好ましく、5g以下であることがさらに好ましく、0.5g以下であることが最も好ましい。特別用途食品の低たんぱく質食品の規格によれば、たんぱく質含量が通常の同種の食品の含量の30%以下であると低たんぱく質食品であると表示でき(畜肉100g当たりのタンパク質量は大よそ20gである)、また健康増進法によれば、食品100g当たりのタンパク質含量が0.5g未満である場合、0gと表示できる。本発明の食品組成物ではその何れをも達成することが可能となる。なお、腎臓病患者用食品の油脂含量を、前記の油脂の添加量などを調整することによって、腎臓病患者に対するカロリー補給ができる量に調整することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明の範囲はこれらには限定されない。
<原料>
Figure 0007327722000001
原料中の(A)水不溶性食物繊維として、表2に示す粉末セルロースとセルロース複合体との混合物を用いた。(A)水不溶性食物繊維は、全ての実施例、比較例において同じ配合量を用いた。
Figure 0007327722000002
原料中の(D)デンプンとして、各実施例、比較例において異なる種類、配合量の表3に示すデンプンを用いた。実施例10、11では複数種の澱粉を用いた。なお、表中の原料の配合量は、下記する水を含む糊状物を構成する全ての原料(100質量%)に対する、各原料の割合を示す。表3の配合量の括弧内の数値はグルコマンナン1に対する該当成分の質量比を示す。
水以外の原料は全て固形物であり、表中の配合量から固形物同士の比率が求められ、固形物を除いた残量の水の量が、糊状物の水分含量となる。また、下記する乾燥造粒物から水分を除くことで、乾燥造粒物中の各固形物の含有比率が求められる。
Figure 0007327722000003
<乾燥食品組成物の製造工程>
(工程1)
粉体の(A)(B)(C)(D)と(E)水とを、30分程度混合し、グルコマンナンを膨潤させると共に、(C)を作用させて糊状物を調製した。
(工程2)
工程1で調製した糊状物を押出し造粒処理して造粒した。粒状物が成形される場合は直径3mm×長さ3~25mm程度のミンチ状の造粒物に成形した。
(工程3)
工程2で得た造粒物を次の条件で流動層乾燥処理して、乾燥造粒物を製造した。いずれの乾燥造粒物も、水分含量が4~8質量%程度であった。
流動層造粒装置の流動層入口熱風温度100~110℃
流動層出口排気温度46~70℃
仕込み量10kg/1バッチ
流動層内乾燥時間15分間
<評価>
「成形性」
上記工程2での造粒において、流動層乾燥に適した粒状物が得られるか否かを観察し、以下の基準で評価した。
◎:押出造粒で流動層乾燥に適する粒状物が成形される。
×:押出造粒の際、粒状物が形成されず、麺状に繋がる。
「固定化」
上記工程3で得られた乾燥造粒物の状態を観察し、以下の基準で評価した。
◎:グルコマンナンのゲル化と澱粉のα化で、流動層乾燥後に粒状に固形化される。
×:流動層乾燥後にやわらかく、固形化が不十分である。
「湯戻し性」
上記工程3で得られた乾燥造粒物を熱水中で湯戻した。湯戻し後の造粒物の状態を観察し、以下の基準で評価した。
◎:注湯後10-15分程度で肉様組織・食感に復元する。
△:注湯後10-15分程度で肉様組織・食感に復元しない。
×:注湯後に溶ける、或いは、軟らか過ぎる又はモロモロとした不良な食感である。
「レトルト耐性」
上記工程3で得られた乾燥造粒物を水とともにレトルトパウチに充填して封入し、120℃20分間レトルト加熱処理を施した。処理後の造粒物の状態を観察し、以下の基準で評価した。
◎:水とともにレトルト処理した場合に、肉様組織・食感を保持する。
×:水とともにレトルト処理した場合に、溶ける、或いは、軟らか過ぎ肉様組織・食感を保持できない。
<評価結果>
各実施例、比較例の評価結果を下記表に示す。
Figure 0007327722000004

Claims (8)

  1. 水不溶性食物繊維と、コンニャク原料と、アルカリ性凝固剤と、ヒドロキシプロピルデンプンとを含む乾燥食品組成物であって、コンニャク原料中のグルコマンナン1質量部(乾燥物基準)に対して2~40質量部(乾燥物基準)の水不溶性食物繊維、0.1~20質量部(乾燥物基準)のヒドロキシプロピルデンプン、及び0.001~10質量部のアルカリ性凝固剤(乾燥物基準)を含む、乾燥食品組成物
  2. ヒドロキシプロピルデンプンの含有量が5~45質量%(乾燥物基準)である、請求項1に記載の乾燥食品組成物。
  3. ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンを更に含む、請求項1又は2に記載の乾燥食品組成物。
  4. 水不溶性食物繊維と、水和膨潤した状態のコンニャク原料と、アルカリ性凝固剤と、ヒドロキシプロピルデンプンを含む混合物を乾燥して得られた、請求項1~のいずれか1項に記載の乾燥食品組成物。
  5. 前記混合物を流動層乾燥により乾燥して得られた、請求項に記載の乾燥食品組成物。
  6. 水不溶性食物繊維と、水和膨潤した状態のコンニャク原料と、アルカリ性凝固剤と、ヒドロキシプロピルデンプンを含む混合物を乾燥する工程を含む、乾燥食品組成物の製造方法であって、該混合物は、コンニャク原料中のグルコマンナン1質量部(乾燥物基準)に対して2~40質量部(乾燥物基準)の水不溶性食物繊維、0.1~20質量部(乾燥物基準)のヒドロキシプロピルデンプン、及び0.001~10質量部のアルカリ性凝固剤(乾燥物基準)を含む、乾燥食品組成物の製造方法
  7. 前記混合物を流動層乾燥により乾燥する、請求項に記載の乾燥食品組成物の製造方法。
  8. 乾燥する工程の前に、前記混合物を造粒する工程を含む、請求項又はに記載の乾燥食品組成物の製造方法。
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