JP7326974B2 - 吸着式スタビライザー - Google Patents

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本発明は、吸着式スタビライザーに係り、冠状動脈バイパス術に用いられる吸着式スタビライザーに関する。
冠状動脈疾患の治療法として、冠状動脈内にステントを留置して血管を拡張する経皮的冠状動脈形成術や、バイパス血管を吻合することによる冠状動脈バイパス術がある。
冠状動脈バイパス術の際には、心臓の裏側を展開するため、心臓を吸着させて持ち上げるハートポジショナーが用いられることがある。
さらには、心臓を持ち上げる程の吸引力が必要となるハートポジショナーとは別に、バイパス血管を吻合部に接続することを容易にするために、心臓の鼓動を維持しつつ心臓の表面側の拍動を抑制する機器として、吸着式スタビライザーが用いられることがある。
例えば、特許文献1には、心臓の拍動を抑制する状態に保持する保持部材(同文献には、パドルと記載。)を備える吸着式スタビライザー(同文献には、吸引装置と記載。)が記載されている。
保持部材には、吸引源に接続され負圧吸引されることにより心臓に密着して、その動作を抑制するための複数の吸着部(同文献には、吸引口と記載。)が形成されている。
国際公開第1997/010753号
しかしながら、特許文献1に記載の吸着式スタビライザーにおいては、例えば心臓の拍動により複数の吸着部のいずれか一つでも心臓から離れて(真空破壊して)しまうと、当該吸着部全体の吸着能力が低下することがあった。なぜなら、周辺の空気が一つの吸着部を通って吸気路内に吸い込まれると、他の吸着部に空気が逆流することがあり、他の吸着部の吸引圧力も低下させてしまうためである。このため、保持部材の吸着部による心臓への吸着状態をより好適に維持することについて、なお改善の余地があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、吸着部の吸着能力を好適に維持可能な吸着式スタビライザーを提供するものである。
本発明の吸着式スタビライザーは、心臓に吸着させ、該心臓の拍動を抑制することによって、冠状動脈におけるバイパス血管に繋がる吻合対象部の周辺を安定化させる吸着式スタビライザーであって、吸引源と接続され、枝分かれして形成された複数の分枝吸気路と、前記心臓の拍動を抑制する保持部材と、前記複数の分枝吸気路に設けられた逆止弁と、を備え、前記保持部材は、前記分枝吸気路に繋がり、前記心臓に吸着する吸着部を有し、該吸着部は、施術空間を形成するように少なくとも一部と他の一部とが離れて設けられており、前記逆止弁は、近位側から遠位側に向かう流体の流れを制限する向きで、前記分枝吸気路に配設されていることを特徴とする。
本発明によれば、吸着部の吸着能力を好適に維持可能な吸着式スタビライザーを提供することができる。
本発明の実施形態に係る吸引源に接続された吸着式スタビライザーの保持部材、分枝吸気路及び逆止弁を示す模式図である。 吸着式スタビライザーの全体構成を示す模式図である。 保持部材を示す上側斜視図である。 第1変形例に係る吸着式スタビライザーの保持部材、分枝吸気路及び逆止弁を示す模式図である。 第2変形例に係る保持部材における、図1のV-V断面に相当する部分の模式的な断面図である。 第3変形例に係る吸着式スタビライザーの保持部材及び分枝吸気路を説明する模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、以下に説明する部材の形状、寸法、配置等については、本発明の趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
なお、本発明の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が単一の構成要素として構成されていること、一つの構成要素が複数の構成要素に分割されて形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
<概要>
はじめに、本実施形態に係る吸着式スタビライザー1の概要を、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る吸引源2に接続された吸着式スタビライザー1の保持部材4、分枝吸気路3及び逆止弁15を示す模式図、図2は、吸着式スタビライザー1の全体構成を示す模式図である。
本実施形態に係る吸着式スタビライザー1は、不図示の心臓に吸着させ、心臓の拍動を抑制することによって、不図示の冠状動脈における不図示のバイパス血管に繋がる吻合対象部の周辺を安定化させるものである。
吸着式スタビライザー1は、図1に示すように、吸引源2と接続され、枝分かれして形成された複数の分枝吸気路3と、心臓の拍動を抑制する保持部材4と、複数の分枝吸気路3に設けられた逆止弁5と、を備える。
保持部材4は、分枝吸気路3に繋がり、心臓に吸着する吸着部4aを有し、吸着部4aは、施術空間OSを形成するように少なくとも一部と他の一部とが離れて設けられており、逆止弁5は、近位側から遠位側に向かう流体の流れを制限する向きで、分枝吸気路3に配設されている。
上記構成によれば、複数の分枝吸気路3に逆止弁5が設けられていることで、逆止弁5が設けられた少なくとも一部の分枝吸気路3に流体が取り込まれたとしても、他の分枝吸気路3に流体が流れこむ(逆流する)ことを抑制できる。このため、吸着部4a全体の吸引力を維持(吸引力の低下を抑制)することができる。
<全体構成>
吸着式スタビライザー1は、図2に示すように、不図示の架台に接続される接合部材1aと、接合部材1aに接続されて可撓性を有しつつ形状保持性を有するアーム部1bと、アーム部1b接続され、心臓に接触してその拍動を抑制する保持部材4と、を備える。
<各部の構成>
次に、吸着式スタビライザー1の各部の構成について、図1及び図2に加え、図3を主に参照して説明する。図3は、保持部材4を示す上側斜視図である。
本実施形態に係る分枝吸気路3は、図1に示すように、メインチューブ3dと、メインチューブ3dから一対に分かれて形成された可撓性チューブ3cと、吸着部4aに形成された空洞部4aaと、を含んで構成されている。
メインチューブ3dから一対に分かれた可撓性チューブ3cのそれぞれは、分枝部分3caによって、さらに4つに分かれて保持部材4に接続されている。
本実施形態に係る保持部材4は、分枝吸気路3に接続されて心臓に吸着する一対の吸着部4aと、一対の吸着部4aの基端側を接続するU字状のベース部4bと、を含んで構成されている。
特に、保持部材4は、吸着部4aの上部に、後述する芯材6を収容する(又は芯材6が埋設された)筒状又は棒状の収容部4dと、ベース部4bと収容部4dとを接続する錐台状のテーパ部4cを備える。テーパ部4cは、ベース部4bから延在する円柱の部位と、収容部4dに向かって縮径するテーパ状の部位と、を含んで一体的に形成されている。
例えば、可撓性チューブ3c及び吸着部4aの本体部4acは、軟質樹脂により構成されており可撓性を有する。可撓性チューブ3cは、本体部4acよりも柔軟に屈曲可能となっている。例えば、テーパ部4c及び収容部4dは、本体部4acと一体的に形成されており、ベース部4bよりも軟質な軟質樹脂により形成されている。
吸着部4aは、図1に示すように、本体部4acと、本体部4acに設けられて分枝吸気路3の一部を構成する空洞部4aaと、を含んで構成されており、本実施形態においては、施術空間OSを挟んで一対設けられている。
なお、吸着部4aは、施術空間OSを形成するように少なくとも一部と他の一部とが離れて設けられていればよく、一対設けられている構成に限定されず、例えば、U字状やO字状に連続して形成されているものであってもよい。
空洞部4aaは、吸着面側に開放された円柱状(略円柱状を含む。)の空間であり、吸着部4aに複数設けられ、それぞれ分枝吸気路3を構成している。
逆止弁5は、例えば硬質樹脂で形成されたダックビル弁であり、分枝吸気路3(本実施形態においては、可撓性チューブ3c)に個別に設けられている。
上記構成によれば、逆止弁5が分枝吸気路3に個別に設けられていることで、保持部材4に設けられた複数の空洞部4aaのいずれかから流体が吸引されたとしても、逆止弁5により他の空洞部4aaに流体が流入することを抑制できる。このため、他の空洞部4aaの吸引力低下を抑制することができる。
このように、分枝吸気路3に含まれる空洞部4aaが吸着部4aに複数設けられていると、各保持部材4の吸着状態を維持しやすいため好適である。しかしながら本発明はこのような構成に限定されず、空洞部4aaは、図6に示して後述する空洞部24aaのように一対の吸着部24aに1つずつ設けられていてもよい。
本体部4acには、空洞部4aaを画定する側壁部4abが形成されている。分枝吸気路3の遠位端部3aは、側壁部4abを通って、吸着部4aの吸着方向(通常、施術部位に対する高さ方向)に交差し、施術空間OSから離間する方向に吸着部4aから延在している。
上記構成によれば、分枝吸気路3の遠位端部3aが、吸着部4aの吸着方向に交差し、施術空間OSから離間する方向に吸着部4aから延在していることで、施術の際に障壁となる吸着方向(施術部位に対する高さ方向)の保持部材4の厚さを薄くできる。
つまり、施術の際に、分枝吸気路3の遠位端部3aの高さが障害となることを回避できる。
本実施形態における分枝吸気路3の一部である可撓性チューブ3cの遠位端部3aは、吸着部4a(本体部4ac)の側壁部4abを貫通している。分枝吸気路3(可撓性チューブ3c)の開放端3bは、空洞部4aaに位置しており、吸着部4aの吸着方向に交差する方向に向けられている。
上記構成のように、分枝吸気路3の開放端3bが、吸着部4aの吸着方向に交差する方向に向けられていることで、吸着部4aによって、吸着方向に吸い込まれようとする体液等の液体又は固体が、分枝吸気路3の開放端3bから侵入することを抑制できる。このため、分枝吸気路3がつまることを抑制できる。
例えば、保持部材4には、図3に示すように、テーパ部4cにおける円柱状の部位の下部を貫通する貫通孔7aと、テーパ状の部位の下部を貫通する貫通孔7bと、本体部4acの上部を貫通する貫通孔7c、7cが形成されている。
貫通孔7aは、最も近位側にある空洞部4aaに至り、貫通孔7bは、次に近位側にある空洞部4aaに至り、貫通孔7cは、遠位側にある2つの空洞部4aaのそれぞれに至る。
特に、貫通孔7a、7b、7c、7dは、平面視において、施術空間OS側に近づくにれて吸着部4aの基端側から先端側に向かうように、吸着部4aの中心軸線CLに対して斜めに形成されている。
可撓性チューブ3cの遠位端部3aは、貫通孔7a、7b、7c、7dを貫通して4つの空洞部4aa内に位置している。
このような向きで貫通孔7a、7b、7c、7dが形成されて可撓性チューブ3cの遠位端部3aが配設されていることで、吸着部4aから吸引源2に向かって延在する可撓性チューブ3c全体の専有領域を狭くすることができる。このため、可撓性チューブ3cが障害となることを制限して施術効率を高めることができる。
なお、本実施形態においては、可撓性チューブ3cが吸着部4aの側壁部4abを貫通しているものとして説明しているが、分枝吸気路3の開放端3bが吸着部4aの吸着方向に交差する方向に向けられていればよく、このような構成に限定されない。
例えば、可撓性チューブ3cに連通するように形成された側壁部4abの不図示の貫通孔の縁部分が、分枝吸気路3の開放端3bとなるものであってもよい。
逆止弁5は、近位側にある分枝部分3caから遠位側にある空洞部4aaに向かう空気の流れを防止できれば、どのような構造のものであってもよい。特に、ダックビル弁であれば、簡素な構造であり、可撓性チューブ3cのような変形するものや、設置スペースの小さい部位でも設けることができるため好適である。
保持部材4は、図3に示すように、不図示の心臓に沿うように湾曲して形状を保持可能であり心臓の拍動を抑制する硬質の芯材6と、芯材6の少なくとも一部を覆う軟質部材(本体部4ac)と、を備える。軟質部材は、芯材6よりも剛性の低い材料で構成されている。分枝吸気路3の一部は、軟質部材(本体部4ac)に形成されている。
上記構成によれば、芯材6とは別の軟質部材(本体部4ac)に分枝吸気路3が形成されていることで、芯材6を筒状にして分枝吸気路3の一部とする必要がなく、芯材6を筒状に形成せずに棒状に形成することができる。
このため、剛性を高めることができるため、芯材6を比較的小径にすることができ、芯材6を含む保持部材4を上下方向(吸着方向)に関して肉薄にすることができる。
芯材6は、図1に示すように、本体部4acに埋設されており、吸着方向において空洞部4aaに重なる位置に設けられている。
上記構成によれば、芯材6が本体部4acに埋設されており、吸着方向において空洞部4aaに重なる位置に設けられていることで、吸着部4a(本体部4ac)の嵩張りを抑制することができる。このため、施術する際の作業空間を広くすることができ、施術効率を高めることができる。
特に、本体部4acよりも硬質の材料、例えば、金属材料から成る芯材6が本体部4acに埋設されて、吸着側である下側に露出していない構成とすれば、空洞部4aa内に侵入する体液等が芯材6に触れることを回避できる。このため、芯材6の劣化を抑制することができる。
特に、吸着部4aは、中心軸線CLに沿って長尺に形成されており、芯材6は、中心軸線CLよりも施術空間から離間する側に(換言すると、平面視において、中心軸線CLよりも芯材6の中心軸が外側に位置するように)配設されている。
保持部材4は、芯材6が埋設可能なように厚みが必要となり、芯材6の埋設部位の高さが高くなる。
上記構成によれば、芯材6が吸着部4aの中心軸線CLよりも施術空間OSから離間する側に配設されているため、施術空間OSに近い部位を薄くし高さを低めることができるため、施術の障害になることを抑制できる。
<第1変形例>
次に、第1変形例に係る逆止弁5の配置について、図4を参照して説明する。図4は、第1変形例に係る吸着式スタビライザー1の保持部材4、分枝吸気路3及び逆止弁5を示す模式図である。
図4に示すように、保持部材4の近位側は、吸引源2と接続され枝別れしている管状部(可撓性チューブ3c)に接続されている。分枝吸気路3は、管状部の一部を含んで構成されている。逆止弁5は、管状部の分枝部分3caの遠位側近傍に配設されている。
上記構成によれば、逆止弁5が管状部(分枝吸気路3)の分枝部分3caの遠位側近傍に配設されていることで、逆止弁5よりも遠位側の容積を管状部(分枝吸気路3)の部位だけ大きくすることができる。
このため、例え一部の空洞部4aaに空気が侵入したとしても、分枝吸気路3の容積分だけ、遠位側にある他の空洞部4aaの急激な圧力上昇を抑制することができる。
ここで、「管状部の分枝部分3caの遠位側近傍」とは、例えば、分枝部分3caからの長さが10mm~200mm程度の位置である。また、逆止弁5は、例えば保持部材4からの長さが200mm~400mm程度の位置にある。
<第2変形例>
次に、第2変形例に係る保持部材14について、図5を主に参照して説明する。図5は、第2変形例に係る保持部材14における、図1のV-V断面に相当する部分の模式的な断面図である。
本例に係る逆止弁15は、保持部材14内(具体的には、吸着部14aの本体部14acの内部)に配設されている。
そして、本例に係る保持部材14の本体部14acには、逆止弁15が設けられている部位を介して空洞部14aaに接続された吸引孔14eが形成されている。
吸引孔14eに設けられた分枝部分13caも保持部材14内に配設されているため、分枝吸気路13は、保持部材14内において分岐していることとなる。
上記構成によれば、保持部材14内に逆止弁15が配設されていることにより、逆止弁15よりも遠位側に流体が流れ込むことを防止して、空洞部14aaの負圧を維持することができる。
より詳細には、逆止弁15は、遠位側から近位側への吸気方向の空気の流れを許容しつつ、近位側から遠位側への空気の流れを制限するように形成された硬質樹脂で形成されたダックビル弁である。逆止弁15は、負圧領域となる空洞部14aa側から本体部14acの吸引孔14eに向かうつれて流路を狭めるように形成されている。
そして、分枝吸気路13は、本体部14acに設けられた空洞部14aa及び吸引孔14eと、本体部14acに接続されて吸引源2に接続される可撓性チューブ13cと、によって構成されている。
このような構成によれば、一対の吸着部14aのそれぞれに対して可撓性チューブ13cを設けるだけでよく、可撓性チューブ13cを更に分岐させる必要はなく、その分だけ嵩張りを制限することができる。
<第3変形例>
次に、第3変形例に係る保持部材24について、図6を主に参照して説明する。図6は、第3変形例に係る保持部材24及び分枝吸気路23を説明する模式図である。
本例に係る保持部材24は、一対の吸着部24aと、U字状のベース部24bとを備える。一対の吸着部24aに、逆止弁5が配設された分枝吸気路23が接続されている。
吸着部24aは、吸着部24a長尺方向に沿って形成された空洞部24aaが下面に形成された本体部24acを備える。本体部24acは、空洞部24aaを画定する側壁部24abを備える。空洞部24aaには、ベース部24bを貫通して設けられた可撓性チューブ23cの遠位端部23a(開放端23b)が接続されている。
分枝吸気路23は、吸引源2からメインチューブ3dを介し、分枝部分23caで分枝して、一対の吸着部24aに接続されている。
本例に係る保持部材24においては、一対の吸着部24aのそれぞれに空洞部24aaが一つしか設けられていない。
このような構成であっても、一対の吸着部24aに、逆止弁5を有する分枝吸気路23が接続されているため、一方の吸着部24aが空気を吸い込んで吸引圧力が低下したときでも、少なくとも他方の吸着部24aの吸引圧力低下を抑制することができる。
上記実施形態においては、吸着部に接続された複数の可撓性チューブを備える構成について説明したが、吸気路を形成可能な構成であれば、このような構成に限定されない。例えば、チューブではなく、例えば1枚のプレートに形成された複数の孔であってもよく、チューブとチューブに連通するプレートの孔とを併用するようにしてもよい。
このようにプレートを備える構成であれば、チューブのように個々の吸気路が意図せぬ場所に個別に移動することを制限でき、吸気路をまとめて管理できるため、施術の妨げになることを抑制できる。
また、分枝吸気路における分枝部分は、一体的に形成されているように図示しているが、一体的であるものの他に、別体のものがコネクタによって分枝されるように接続される構成されていてもよい。
その他、逆止弁としては、ダックビル弁の他、スイング弁、逆止ボール弁又はアンブレラ弁等であってもよい。
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)心臓に吸着させ、該心臓の拍動を抑制することによって、冠状動脈におけるバイパス血管に繋がる吻合対象部の周辺を安定化させる吸着式スタビライザーであって、
吸引源と接続され、枝分かれして形成された複数の分枝吸気路と、
前記心臓の拍動を抑制する保持部材と、
前記複数の分枝吸気路に設けられた逆止弁と、を備え、
前記保持部材は、前記分枝吸気路に繋がり、前記心臓に吸着する吸着部を有し、
該吸着部は、施術空間を形成するように少なくとも一部と他の一部とが離れて設けられており、
前記逆止弁は、近位側から遠位側に向かう流体の流れを制限する向きで、前記分枝吸気路に配設されていることを特徴とする吸着式スタビライザー。
(2)前記吸着部は、本体部と、該本体部に設けられて前記分枝吸気路を構成する空洞部と、を含んで構成されており、
前記空洞部は、前記吸着部に複数設けられ、それぞれ前記分枝吸気路の一部を構成しており、
前記逆止弁は、前記分枝吸気路に個別に設けられている(1)に記載の吸着式スタビライザー。
(3)前記本体部には、前記空洞部を画定する側壁部が形成されており、
前記分枝吸気路の遠位端部は、前記側壁部を通って、前記吸着部の吸着方向に交差し、前記施術空間から離間する方向に前記吸着部から延在している(2)に記載の吸着式スタビライザー。
(4)前記分枝吸気路の開放端は、前記吸着部の吸着方向に交差する方向に向けられている(1)から(3)のいずれか一項に記載の吸着式スタビライザー。
(5)前記保持部材は、前記心臓に沿うように湾曲して形状を保持可能であり前記心臓の拍動を抑制する硬質の芯材と、
該芯材の少なくとも一部を覆う軟質部材と、を備え、
前記分枝吸気路の一部は、前記軟質部材に形成されている(1)から(4)のいずれか一項に記載の吸着式スタビライザー。
(6)前記吸着部は、本体部と、該本体部に設けられて前記分枝吸気路を構成する空洞部と、を含んで構成されており、
前記芯材は、前記本体部に埋設されており、吸着方向において前記空洞部に重なる位置に設けられている(5)に記載の吸着式スタビライザー。
(7)前記吸着部は、中心軸線に沿って長尺に形成されており、
前記芯材は、前記中心軸線よりも前記施術空間から離間する側に配設されている(5)又は(6)に記載の吸着式スタビライザー。
(8)前記保持部材の近位側は、前記吸引源と接続され枝別れしている管状部に接続されており、
前記分枝吸気路は、前記管状部の一部を含んで構成されており、
前記逆止弁は、前記管状部の分枝部分の遠位側近傍に配設されている(1)から(7)のいずれか一項に記載の吸着式スタビライザー。
(9)前記逆止弁は、前記保持部材内に配設されている(1)から(8)のいずれか一項に記載の吸着式スタビライザー。
1 吸着式スタビライザー
1a 接合部材
1b アーム部
2 吸引源
3 分枝吸気路
3a 遠位端部
3b 開放端
3c 可撓性チューブ(管状部)
3ca 分枝部分
3d メインチューブ
4 保持部材
4a 吸着部
4aa 空洞部
4ab 側壁部
4ac 本体部(軟質部材)
4b ベース部
4c テーパ部
4d 収容部
5 逆止弁
6 芯材
7a、7b、7c、7d 貫通孔
13 分枝吸気路
13c 可撓性チューブ(管状部)
13ca 分枝部分
14 保持部材
14a 吸着部(軟質部材)
14aa 空洞部
14ac 本体部(軟質部材)
14e 吸引孔
15 逆止弁
23 分枝吸気路
23a 遠位端部
23b 開放端
23c 可撓性チューブ
23ca 分枝部分
24 保持部材
24a 吸着部(軟質部材)
24aa 空洞部
24ab 側壁部
24ac 本体部(軟質部材)
24b ベース部
CL 中心軸線
OS 施術空間

Claims (8)

  1. 心臓に吸着させ、該心臓の拍動を抑制することによって、冠状動脈におけるバイパス血管に繋がる吻合対象部の周辺を安定化させる吸着式スタビライザーであって、
    吸引源と接続され、枝分かれして形成された複数の分枝吸気路と、
    前記心臓の拍動を抑制する保持部材と、
    前記複数の分枝吸気路に設けられた逆止弁と、を備え、
    前記保持部材は、前記分枝吸気路に繋がり、前記心臓に吸着する吸着部を有し前記吸引源と接続され枝別れしている複数の管状部に接続されており、
    前記分枝吸気路は、前記管状部の一部を含んで構成されており、
    前記吸着部は、本体部と、該本体部に設けられて前記分枝吸気路を構成する空洞部と、を含んで構成され、中心軸線に沿って長尺に形成され、施術空間を形成するように少なくとも一部と他の一部とが離れて設けられており、
    前記本体部には、前記空洞部を画定する側壁部が形成されており、
    前記空洞部は、前記吸着部に複数設けられ、それぞれ前記分枝吸気路の一部を構成しており、
    前記逆止弁は、近位側から遠位側に向かう流体の流れを制限する向きで、前記分枝吸気路に配設されており、
    前記複数の管状部の少なくとも一部は、前記吸着部の吸着方向に交差し、前記施術空間から離間する方向であって、前記中心軸線に交差する方向に前記側壁部を貫通して、前記吸着部の内部から外部に延在していることを特徴とする吸着式スタビライザー。
  2. 心臓に吸着させ、該心臓の拍動を抑制することによって、冠状動脈におけるバイパス血管に繋がる吻合対象部の周辺を安定化させる吸着式スタビライザーであって、
    吸引源と接続され、枝分かれして形成された複数の分枝吸気路と、
    前記心臓の拍動を抑制する保持部材と、
    前記複数の分枝吸気路に設けられた逆止弁と、を備え、
    前記保持部材は、前記分枝吸気路に繋がり、前記心臓に吸着する吸着部と、該吸着部の上部に設けられ、少なくとも一部が遠位側に向かって縮径しているテーパ部と、を有し前記吸引源と接続され枝別れしている複数の管状部に接続されており、
    前記分枝吸気路は、前記複数の管状部の一部を含んで構成されており、
    前記吸着部は、本体部と、該本体部に設けられて前記分枝吸気路を構成する空洞部と、を含んで構成され、施術空間を形成するように少なくとも一部と他の一部とが離れて設けられており、
    前記空洞部は、前記吸着部に複数設けられ、それぞれ前記分枝吸気路の一部を構成しており、
    前記逆止弁は、近位側から遠位側に向かう流体の流れを制限する向きで、前記分枝吸気路に配設されており、
    前記テーパ部には、前記空洞部に至る貫通孔が形成されており、
    前記複数の管状部の少なくとも一部は、前記貫通孔を通って、前記吸着部の内部から外部に延在していることを特徴とする吸着式スタビライザー。
  3. 前記分枝吸気路の開放端は、前記吸着部の吸着方向に交差する方向に向けられている請求項1又は2に記載の吸着式スタビライザー。
  4. 前記保持部材は、前記心臓に沿うように湾曲して形状を保持可能であり前記心臓の拍動を抑制する硬質の芯材と、
    該芯材の少なくとも一部を覆う軟質部材と、を備え、
    前記分枝吸気路の一部は、前記軟質部材に形成されている請求項1からのいずれか一項に記載の吸着式スタビライザー。
  5. 記芯材は、前記本体部に埋設されており、吸着方向において前記空洞部に重なる位置に設けられている請求項に記載の吸着式スタビライザー。
  6. 前記吸着部は、中心軸線に沿って長尺に形成されており、
    前記芯材は、前記中心軸線よりも前記施術空間から離間する側に配設されている請求項又はに記載の吸着式スタビライザー。
  7. 前記保持部材の近位側は、前記吸引源と接続され枝別れしている前記管状部に接続されており
    記逆止弁は、前記管状部の分枝部分の遠位側近傍に配設されている請求項1からのいずれか一項に記載の吸着式スタビライザー。
  8. 前記逆止弁は、前記保持部材内に配設されている請求項1からのいずれか一項に記載の吸着式スタビライザー。
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