以下、添付図面を参照して本実施形態を説明する。まず、本実施形態に係るウェーハの加工方法によって加工可能なウェーハの構成例について説明する。図1(A)は、ウェーハ11を示す斜視図である。
ウェーハ11は、例えば円盤状に形成されたシリコンウェーハであり、表面11a及び裏面11bを備える。ウェーハ11は、互いに交差するように格子状に配列された複数の分割予定ライン(ストリート)13によって複数の領域に区画されており、この領域の表面11a側にはそれぞれ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイス等のデバイス15が形成されている。
なお、ウェーハ11の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。例えばウェーハ11は、シリコン以外の半導体(GaAs、InP、GaN、SiC等)、ガラス、セラミックス、樹脂、金属等の材料によって形成されていてもよい。また、デバイス15の種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等にも制限はない。
ウェーハ11の外周部の一部には、ウェーハ11の結晶方位を示す切り欠き(ノッチ)11cが形成されている。切り欠き11cは、ウェーハ11の外周部の一部に形成された、欠けた領域に相当する。この切り欠き11cは、ウェーハ11の結晶方位に対応して所定の位置に形成されている。そのため、切り欠き11cの位置を確認することにより、ウェーハ11の結晶方位を把握することができる。
なお、ウェーハ11の形成される切り欠きはノッチに限定されない。図1(B)は、切り欠き(オリエンテーションフラット)11dが形成されたウェーハ11を示す斜視図である。切り欠き11dは、ウェーハ11の外周部の一部を切断することによって形成された平面によって構成され、ウェーハ11の結晶方位に対応して所定の位置に形成されている。
ウェーハ11を分割予定ライン13に沿って分割することにより、デバイス15をそれぞれ備える複数のデバイスチップが製造される。また、ウェーハ11の分割前には、デバイスチップの薄型化を目的として、ウェーハ11を薄化する処理が施される。例えば、ウェーハ11の裏面11b側を研削砥石で研削することにより、ウェーハ11が薄化される。
ウェーハ11の裏面11b側を研削する際には、まず、ウェーハ11の表面11a側に保護テープ17を貼着する(貼着ステップ)。図2は、貼着ステップにおけるウェーハ11を示す一部断面正面図である。
貼着ステップでは、まず、ウェーハ11を保持テーブル2によって保持する。保持テーブル2の上面は、ウェーハ11を保持する保持面2aを構成しており、保持面2aは水平方向と概ね平行に形成されている。また、保持面2aは、保持テーブル2の内部に形成された流路(不図示)を介して、エジェクタ等の吸引源(不図示)に接続されている。
ウェーハ11は、表面11a側が上方に露出し、裏面11b側が保持面2aと対向するように、保持テーブル2上に配置される。この状態で、保持面2aに吸引源の負圧を作用させることにより、ウェーハ11が保持テーブル2によって吸引保持される。
なお、保持テーブル2には回転駆動源(不図示)が接続されており、この回転駆動源は保持テーブル2を鉛直方向(上下方向)に概ね平行な回転軸の周りで回転させる。また、保持テーブル2には移動機構(不図示)が接続されており、この移動機構は保持テーブル2を第1水平方向(前後方向)及び第2水平方向(左右方向)に沿って移動させる。
貼着ステップでは、ウェーハ11の表面11a側の全体を覆うことが可能な大きさの保護テープ17が準備される。例えば、ウェーハ11の直径よりも直径の大きい円形の保護テープ17や、ウェーハ11の直径よりも幅及び長さが大きい矩形状の保護テープ17が用いられる。また、例えば保護テープ17は、フィルム状の基材と、基材上に形成された粘着層(糊層)とを備える。基材は、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタラート等の樹脂でなり、粘着層は、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化型の樹脂等でなる。
保持テーブル2の上方には、保護テープ17をウェーハ11に貼着するためのローラー4が設けられている。例えばローラー4は、金属や樹脂等でなる円柱状の部材であり、高さ方向が保持面2aと概ね平行になるように配置されている。
保護テープ17は、保持テーブル2によって保持されたウェーハ11上に、粘着層側が表面11a側に対向するように配置される。この状態で、ローラー4を保護テープ17の基材側に接触させ、ローラー4で保護テープ17をウェーハ11側に押圧しながらローラー4を保護テープ17上で転がす。これにより、保護テープ17がウェーハ11の表面11a及び複数のデバイス15に密着する。
このようにして、保護テープ17は複数のデバイス15を覆うようにウェーハ11の表面11a側に貼着される。これにより、複数のデバイス15が保護テープ17によって保護され、後の工程(後述の研削ステップ等)におけるデバイス15の破損が防止される。
なお、保護テープ17はウェーハ11よりも大きい。そのため、保護テープ17をウェーハ11の表面11a側に貼着すると、ウェーハ11の表面11a側の全体が保護テープ17によって覆われるとともに、ウェーハ11の外周縁からウェーハ11の半径方向外側に保護テープ17の一部がはみ出した状態となる。
次に、ウェーハ11の外周縁に沿って保護テープ17にレーザービームを照射し、保護テープ17をウェーハ11の外周縁に沿って切断し、保護テープ17にウェーハ11の切り欠き11cに対応する切り欠き部を形成する(切り欠き部形成ステップ)。図3は、切り欠き部形成ステップにおけるウェーハ11を示す一部断面正面図である。
切り欠き部形成ステップでは、まず、ウェーハ11を保持テーブル2によって保持する。なお、図3では、貼着ステップでウェーハ11を保持していた保持テーブル2が、引き続き切り欠き部形成ステップでもウェーハ11を保持している例を示しているが、切り欠き部形成ステップではウェーハ11が他の保持テーブルによって保持されてもよい。
保持テーブル2の上方には、保護テープ17にレーザービーム8を照射するレーザー照射ユニット6が設けられている。レーザー照射ユニット6は、レーザービーム8の照射によって保護テープ17を切断する。
例えばレーザー照射ユニット6は、レーザービームをパルス発振するレーザー発振器(不図示)と、レーザー発振器から発振されたレーザービームを集光する集光器(不図示)とを備え、保持テーブル2の保持面2a側に向かってレーザービーム8を照射する。なお、レーザービーム8の波長は、レーザービーム8が保護テープ17に対して吸収性を有する(保護テープ17で吸収される)ように設定される。
レーザー照射ユニット6から保護テープ17にレーザービーム8が照射されると、保護テープ17にアブレーション加工が施され、保護テープ17が切断される。なお、レーザービーム8の照射条件(パワー、スポット径、繰り返し周波数、集光点の位置等)は、保護テープ17がアブレーション加工によって切断されるように設定される。例えば、レーザー照射ユニット6のレーザー発振器としてCO2レーザー(炭酸ガスレーザー)が用いられ、波長が10μm付近のレーザービーム8が保護テープ17に照射される。
保護テープ17を切断する際は、まず、ウェーハ11の外周縁の位置が検出される。例えば、撮像ユニット(カメラ、不図示)によってウェーハ11の外周部を撮像し、この撮像によって得られた画像に対してエッジ検出等の画像処理を施すことにより、ウェーハ11の外周縁の位置(座標)を特定する。
なお、ウェーハ11の外周部には切り欠き11c(図1(A)参照)が形成されており、ウェーハ11の外周縁の一部は欠けている。この切り欠き11cでは、切り欠き11cの輪郭がウェーハ11の外周縁の一部として検出され、切り欠き11cの輪郭の位置(座標)が特定される。
次に、レーザー照射ユニット6から保護テープ17に、レーザービーム8をウェーハ11の外周縁に沿って照射する。具体的には、レーザービーム8の集光点を保護テープ17に位置付けた状態で、レーザービーム8をウェーハ11の外周縁に沿って走査する。
レーザービーム8の走査は、例えば、レーザー照射ユニット6からレーザービーム8が照射された状態で、レーザービーム8がウェーハ11の外周縁に沿って照射されるように、保持テーブル2を回転又は移動させることによって行う。保持テーブル2の回転及び移動は、前述の回転駆動源及び移動機構によって制御される。
具体的には、まず、レーザービーム8を保護テープ17のうちウェーハ11の外周縁と重なる領域に照射しながら、保持テーブル2を回転駆動源によって回転させる。これにより、保護テープ17がウェーハ11と概ね同径の円形に切断される。その後、レーザービーム8を保護テープ17のうち切り欠き11cと重なる領域に照射しながら、保持テーブル2を移動機構によって移動させ、レーザービーム8を切り欠き11cの輪郭に沿って走査する。これにより、円形の保護テープ17の切り欠き11cと重なる領域が除去される。
なお、レーザー照射ユニット6と、保持テーブル2に接続された回転駆動源及び移動機構とはそれぞれ、コンピュータ等によって構成される制御ユニット(制御部、不図示)に接続されている。この制御ユニットは、前述の撮像ユニットを用いて検出されたウェーハ11の外周縁の位置に基づき、レーザービーム8がウェーハ11の外周縁に沿って照射されるように、レーザー照射ユニット6、回転駆動源、及び移動機構の動作を制御する。
ウェーハ11の外周縁に沿って保護テープ17にレーザービーム8が照射されると、保護テープ17がウェーハ11の外周縁に沿って切断される。図4(A)は、切り欠き部形成ステップ後のウェーハ11及び保護テープ17を示す斜視図である。切り欠き部形成ステップが実施されると、保護テープ17はウェーハ11の表面11aと概ね同一形状となるように加工される。
レーザービーム8は、ウェーハ11の切り欠き11cにおいても、ウェーハ11の外周縁に沿って照射される。そのため、保護テープ17の切り欠き11cと重なる領域は、切り欠き11cの形状に沿って切断される。その結果、保護テープ17のうちウェーハ11の切り欠き11cと重なる位置には、切り欠き11cに対応する切り欠き部17aが形成される。図4(B)は、ウェーハ11の切り欠き11cと保護テープ17の切り欠き部17aとを拡大して示す斜視図である。
なお、レーザービーム8の照射条件は、保護テープ17の外周縁(保護テープ17の切断箇所)が変色するように設定することが好ましい。例えば、保護テープ17のレーザービーム8が照射された領域が炭化して黒く変色するように、レーザービーム8のパワー等を調整する。また、レーザービーム8の照射によって保護テープ17の内部で気泡を生じさせ、保護テープ17のレーザービーム8が照射された領域を薄く変色させてもよい。
また、保護テープ17には、レーザービーム8を吸収する顔料が添加されていてもよい。この場合、保護テープ17にレーザービーム8を照射すると、保護テープ17のレーザービーム8が照射された領域で顔料が凝縮し、保護テープ17が変色する。
後の工程(後述の転写ステップ)において、ウェーハ11の切り欠き11cの位置を特定するために、保護テープ17の切り欠き部17aの検出が行われる。このとき、保護テープ17の外周縁が変色していると、切り欠き部17aの検出が容易になる。なお、切り欠き部17aの検出の詳細については後述する。
また、上記の貼着ステップと切り欠き部形成ステップとは、同一の装置によって実施されてもよい。例えば、少なくとも保持テーブル2、ローラー4(図2参照)、及びレーザー照射ユニット6(図3参照)を備えるテープ貼着装置を用いると、貼着ステップと切り欠き部形成ステップとを連続的に実施することが可能となる。
次に、ウェーハ11の裏面11b側を研削する(研削ステップ)。図5は、研削ステップにおけるウェーハ11を示す斜視図である。研削ステップでは、研削装置20を用いてウェーハ11の裏面11b側を研削する。研削装置20は、ウェーハ11を保持する保持テーブル22と、保持テーブル22によって保持されたウェーハ11を研削する研削ユニット24とを備える。
保持テーブル22の上面は、ウェーハ11を保持する保持面22aを構成しており、保持面22aは水平方向と概ね平行に形成されている。また、保持面22aは、保持テーブル22の内部に形成された流路(不図示)を介して、エジェクタ等の吸引源(不図示)に接続されている。
ウェーハ11は、表面11a側(保護テープ17側)が保持面22aと対向し、裏面11b側が上方に露出するように、保持テーブル22上に配置される。この状態で保持面22aに吸引源の負圧を作用させることにより、ウェーハ11の表面11a側が保護テープ17を介して保持テーブル22で保持される。
なお、保持テーブル22には回転駆動源(不図示)が接続されており、この回転駆動源は保持テーブル22を鉛直方向(上下方向)に概ね平行な回転軸の周りで回転させる。また、保持テーブル22には移動機構(不図示)が接続されており、この移動機構は保持テーブル22を水平方向に沿って移動させる。
保持テーブル22の上方には、研削ユニット24が設けられている。なお、研削ユニット24には移動機構が接続されており、この移動機構によって研削ユニット24の鉛直方向に位置(高さ)が制御される。
研削ユニット24は、回転軸を構成する円柱状のスピンドル26を備える。スピンドル26の下端部(先端部)には円盤状のホイールマウント28が固定されており、ホイールマウント28の下面にはウェーハ11を研削する研削ホイール30が装着されている。研削ホイール30は、ステンレス等の金属でなる環状のホイール基台32を備えている。また、ホイール基台32の下面側には、直方体状に形成された複数の研削砥石34が、ホイール基台32の外周に沿って固定されている。
例えば研削砥石34は、ダイヤモンド、CBN(Cubic Boron Nitride)等でなる砥粒を、メタルボンド、レジンボンド、ビトリファイドボンド等の結合材で固定することにより形成される。ただし、研削砥石34の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。また、ホイール基台32には任意の数の研削砥石34を固定できる。
スピンドル26の上端部(基端部)側には、モータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。研削ホイール30は、回転駆動源からスピンドル26を介して伝達される動力(回転力)によって、鉛直方向と概ね平行な回転軸の周りを回転する。
ウェーハ11を研削する際は、ウェーハ11を保持した保持テーブル22を、研削ホイール30の下側に配置する。そして、保持テーブル22とスピンドル26とをそれぞれ回転させ、研削液(純水等)をウェーハ11の裏面11b側に向かって供給しながら研削ホイール30を下降させる。これにより、複数の研削砥石34が回転しながらウェーハ11の裏面11b側に接触し、ウェーハ11の裏面11b側が研削される。
例えば、保持テーブル22は矢印aで示す方向に所定の回転数(例えば300rpm)で回転し、スピンドル26は矢印bで示す方向に所定の回転数(例えば6000rpm)で回転する。また、研削ホイール30の下降速度は、研削砥石34が適切な力でウェーハ11の裏面11b側に押し当てられるように調整される。そして、複数の研削砥石34によってウェーハ11が所望の厚さになるまで研削されると、研削ステップが完了する。
なお、研削ステップを実施すると、ウェーハ11の裏面11b側の外周部(特に外周縁)に欠け(チッピング)が生じることがある。一方、ウェーハ11に貼着された保護テープ17は、研削砥石34と接触しないため、研削砥石34によって傷ついたり破断したりすることはない。
次に、ウェーハ11の裏面11b側と、ウェーハ11を囲むように配置された環状フレームとにテープを貼着した後、保護テープ17をウェーハ11の表面11a側から除去する(転写ステップ)。図6は、転写ステップにおけるウェーハ11を示す斜視図である。
転写ステップでは、まず、保護テープ17が貼着されたウェーハ11を囲むように、環状フレーム19が配置される。環状フレーム19は、金属等を用いて環状に形成され、中央部に円形の開口19aを備える。開口19aの直径はウェーハ11の直径よりも大きく、ウェーハ11は開口19aの内側に配置される。なお、図6では図示を省略しているが、ウェーハ11及び環状フレーム19は、例えば保持テーブルによって下側から保持される。
次に、ウェーハ11の裏面11b側と環状フレーム19とに、テープ21を貼着する。例えばテープ21は、後の工程でウェーハ11を環状の切削ブレードによって切削する際に、切削ブレードの先端が切り込むダイシングテープであり、フィルム状の基材と、基材上に形成された粘着層(糊層)とを備える。基材は、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタラート等の樹脂でなり、粘着層は、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化型の樹脂等でなる。
テープ21は、環状フレーム19の開口19aの全体を覆うように、環状フレーム19に貼着可能な大きさに形成される。例えば、開口19aよりも直径が大きい円形のテープ21が用いられる。そして、テープ21は、粘着層側がウェーハ11及び環状フレーム19に対向するように配置され、ウェーハ11及び環状フレーム19に向かって押し付けられる。これにより、テープ21の中央部がウェーハ11の裏面11b側に貼着されるとともに、テープ21の外周部が環状フレーム19に貼着される。
ウェーハ11及び環状フレーム19にテープ21が貼着されると、ウェーハ11がテープ21を介して環状フレーム19によって支持される。その後、ウェーハ11の表面11a側から保護テープ17が剥離され、除去される(図7(C)参照)。
なお、ウェーハ11及び環状フレーム19にテープ21を貼着する際には、ウェーハ11が環状フレーム19に対して所定の向き(角度)で配置されるように、ウェーハ11と環状フレーム19との位置合わせが行われる。この位置合わせでは、ウェーハ11に形成された切り欠き11cと環状フレーム19とが所定の位置関係となるように、ウェーハ11及び環状フレーム19が配置される。
例えば図6に示すように、ウェーハ11の切り欠き11cが、環状フレーム19に形成された切り欠き19bに最も近い位置に配置されるように、ウェーハ11の向き(角度)が調整される。これにより、ウェーハ11の結晶方位の方向が、環状フレーム19に対して所定の方向に合わせられる。その結果、作業者は環状フレーム19の向きに基づいてウェーハ11の結晶方位の方向を把握することが可能となる。
ウェーハ11と環状フレーム19との位置合わせを行う際は、まず、ウェーハ11の結晶方位を示す切り欠き11cが検出される。例えば、撮像ユニット(カメラ)40によってウェーハ11を外周縁に沿って撮像し、この撮像によって得られた画像に基づいて切り欠き11cの位置が特定される。
しかしながら、前述の研削ステップでウェーハ11の裏面11b側が研削されると(図5参照)、ウェーハ11の裏面11b側(特に、外周縁の近傍)にチッピングが生じることがある。この場合、撮像ユニット40でウェーハ11の外周縁を撮像すると、切り欠き11cだけでなくチッピングも撮像される。
そして、チッピングが形成されたウェーハ11の画像に基づいて切り欠き11cを検出しようとすると、チッピングが誤ってウェーハ11の切り欠き11cとして認識されることがある。また、チッピングによって切り欠き11cの裏面11b側における形状が変化してしまい、切り欠き11cが正しく認識されないことがある。その結果、切り欠き11cの位置が正確に特定されず、ウェーハ11と環状フレーム19との位置合わせの精度が低下する。
ここで、保護テープ17には、前述の切り欠き部形成ステップによって、ウェーハ11の切り欠き11cと重なる切り欠き部17aが形成されている。また、前述の研削ステップでは、研削砥石34(図5参照)が保護テープ17には接触しないため、保護テープ17の切り欠き部17aが変形したり、保護テープ17に新たな切り欠き部が形成されたりすることはない。そのため、撮像ユニット40によって保護テープ17を外周縁に沿って撮像すると、切り欠き部17aが容易に検出できる。
そこで、転写ステップでは、撮像ユニット40によって保護テープ17の外周縁を撮像し、保護テープ17の切り欠き部17aを検出する。そして、この切り欠き部17aの位置に基づいて、ウェーハ11と環状フレーム19との位置合わせを行う。このように、ウェーハ11の切り欠き11cに代えて、研削加工による影響を受けない保護テープ17に形成された切り欠き部17aに基づいて位置合わせを行うことにより、ウェーハ11と環状フレーム19との位置合わせを高精度に実施できる。
なお、保護テープ17を撮像する撮像ユニット40の種類に制限はなく、保護テープ17の材質等に応じて、保護テープ17の撮像に適切な撮像ユニット40が適宜選択される。また、前述の切り欠き部形成ステップにおいて、レーザービーム8の照射によって保護テープ17の外周縁が変色していると、撮像ユニット40によって取得された画像に切り欠き部17aがより明確に表示される。これにより、切り欠き部17aの検出が容易になる。
切り欠き部17aの検出は、撮像ユニット40によって取得された画像を作業者が目視で確認することによって行われてもよいし、撮像ユニット40によって取得された画像に対して処置の画像処理を施すことによって自動で行ってもよい。例えば、撮像ユニット40はコンピュータ等でなる制御ユニット(制御部)に接続されており、この制御ユニットによって切り欠き部17aが検出されてもよい。
この場合、制御ユニットは、撮像ユニット40によって取得された画像に対して、エッジ検出やパターンマッチング等の処理を施すことにより、切り欠き部17aを検出し、切り欠き部17aの位置(座標)を特定する。そして、制御ユニットによって検出された切り欠き部17aの位置に基づいて、ウェーハ11と環状フレーム19との位置合わせが行われる。
また、上記では一例として、保護テープ17の切り欠き部17aの位置の特定に撮像ユニット40が用いられる場合について説明したが、切り欠き部17aの位置の特定方法に制限はない。例えば、撮像ユニット40の代わりに、透過型の光電センサを用いて切り欠き部17aを検出してもよい。
この場合は、まず、ウェーハ11よりも直径が小さい保持面を備える保持テーブルによって、ウェーハ11が保持される。また、ウェーハ11の上下に、光を照射する投光部と、投光部から照射された光を受光する受光部とが、互いに重なるように配置される。なお、投光部と受光部とはそれぞれ、ウェーハ11のうち保持テーブルの保持面から外側に突出した領域と重なるように配置される。そして、保持テーブルを水平面内で回転させながら、投光部から受光部に向かって光を照射する。
投光部と受光部とが保護テープ17の切り欠き部17aと重なると、投光部から照射された光が保護テープ17に遮られずに進行し、受光部に到達する。これにより、受光部が受光する光の量が増大する。そして、この受光量の増大が生じた際の保持テーブルの角度に基づいて、切り欠き部17aの位置が特定される。
次に、転写ステップのより具体例な態様について、図7(A)、図7(B)、図7(C)を参照して説明する。まず、上記のように、保護テープ17に形成された切り欠き部17aに基づいて、ウェーハ11と環状フレーム19との位置合わせを行う。なお、ウェーハ11は、その中心位置が環状フレーム19の中心位置と一致するように配置される。また、ウェーハ11及び環状フレーム19は、例えば保持テーブル(不図示)によって下側から保持される。
次に、ウェーハ11及び環状フレーム19にテープ21を貼着する。図7(A)は、ウェーハ11及び環状フレーム19にテープ21が貼着される様子を示す断面図である。テープ21は、ウェーハ11及び環状フレーム19の上方に、粘着層側がウェーハ11及び環状フレーム19と対向するように配置される。
この状態で、ローラー50をテープ21の基材側に接触させ、ローラー50でテープ21をウェーハ11及び環状フレーム19側に押圧しながら、ローラー50をテープ21上で転がす。これにより、テープ21がウェーハ11の裏面11b及び環状フレーム19に密着する。このようにして、テープ21がウェーハ11の裏面11b側及び環状フレーム19に貼着される。
なお、ここでは、環状フレーム19の外径よりも直径の大きい円形のテープ21や、環状フレーム19の外径よりも幅及び長さが大きい矩形状のテープ21が用いられる。そのため、テープ21をウェーハ11及び環状フレーム19に貼着すると、環状フレーム19の外周縁からテープ21がはみ出した状態となる。
次に、環状フレーム19に沿ってテープ21を切断する。図7(B)は、テープ21が切断される様子を示す断面図である。テープ21の切断は、例えば切断ユニット(カッター)52を用いて実施される。
切断ユニット52は、水平面内で旋回する支持アーム54を備える。支持アーム54の先端部には接続部材56が接続されており、接続部材56の下端側にはテープ21を切断するための切り刃58が固定されている。この切り刃58は、下端部が環状フレーム19と重なるように配置されている。
支持アーム54の上端部(基端部)側には、支持アーム54を水平面内で回転させるモータ等の回転駆動源(不図示)と、支持アーム54を鉛直方向に移動させる移動機構(不図示)とが接続されている。回転駆動源は、支持アーム54をZ軸方向と概ね平行な回転軸の周りで回転させる。なお、支持アーム54の回転軸の位置は、環状フレーム19の開口19aの中心(ウェーハ11の中心)と一致するように設定される。
テープ21を切断する際は、支持アーム54を下降させて切り刃58の下端部をテープ21の環状フレーム19と重なる領域に接触させた状態で、支持アーム54を回転させる。これにより、切り刃58はテープ21と接触しながら環状フレーム19に沿って回転し、テープ21を環状フレーム19に沿って切断する。その結果、テープ21が円形に加工され、テープ21の環状フレーム19よりも外側にはみ出した領域が除去される。
次に、ウェーハ11がテープ21に貼着された状態を維持しつつ、保護テープ17をウェーハ11の表面11a側から剥離して、除去する。図7(C)は、保護テープ17が除去される様子を示す断面図である。例えば、保護テープ17の一端部を把持具で把持した状態で、把持具をウェーハ11から離れる方向に移動させることにより、保護テープ17がウェーハ11から剥離される。これにより、保護テープ17に貼着されていたウェーハ11がテープ21に転写される。
なお、保護テープ17の粘着層が紫外線硬化型の樹脂でなる場合には、保護テープ17を剥離する前に、保護テープ17に向かって紫外線を照射することにより、粘着層のウェーハ11に対する粘着力を低下させることが好ましい。これにより、保護テープ17がウェーハ11から分離されやすくなる。
上記のテープ21の貼着(図7(A)参照)、テープ21の切断(図7(B)参照)、テープ21の剥離(図7(C)参照)は、同一の装置によって連続的に実施されてもよい。例えば、ウェーハ11及び環状フレーム19を保持する保持テーブルと、ローラー50と、切断ユニット52と、保護テープ17を剥離する剥離手段(把持具等)とを少なくとも備えるテープ貼着装置によって、転写ステップが実施される。
図8は、転写ステップ後のウェーハ11を示す平面図である。図8に示すように、ウェーハ11は、表面11a側が露出した状態で、テープ21を介して環状フレーム19によって支持される。
環状フレーム19によって支持されたウェーハ11は、例えば環状の切削ブレードでウェーハ11を切削する切削装置を用いて切削され、分割される。具体的には、切削ブレードを分割予定ライン13に沿ってウェーハ11に切り込ませることにより、ウェーハ11が切断され、デバイス15をそれぞれ備える複数のデバイスチップが製造される。
以上の通り、本実施形態に係るウェーハの加工方法では、ウェーハ11に貼着された保護テープ17をウェーハ11の外周縁に沿って切断して、保護テープ17にウェーハ11の切り欠き11cに対応する切り欠き部17aを形成する。そして、保護テープ17に形成された切り欠き部17aの位置に基づいて、ウェーハ11と環状フレーム19との位置合わせを行う。これにより、ウェーハ11の裏面11b側に研削加工によって生じた欠け(チッピング)が残存している場合にも、ウェーハ11の結晶方位の方向を適切に確認でき、ウェーハ11と環状フレーム19との正確な位置合わせが可能となる。
なお、本実施形態では、研削装置20(図5参照)を用いた研削ステップの後に、保護テープ17の切り欠き部17aが撮像ユニット40(図6参照)等を用いて検出される場合について説明した。ただし、保護テープ17の切り欠き部17aを検出するタイミングに制限はない。例えば、ウェーハ11が研削装置20から搬送される前に、研削装置20の内部で保護テープ17の切り欠き部17aを検出してもよい。
具体的には、切り欠き部17aを有する保護テープ17が貼着されたウェーハ11が、研削装置20に搬入されて加工された後、研削装置20に備えられた撮像ユニット等を用いて切り欠き部17aが検出される。この切り欠き部17aの検出は、例えば、ウェーハ11が研削装置20に備えられたスピンナテーブルや仮置きテーブルによって保持された際に行われる。その後、例えばウェーハ11は、前述の転写ステップを実施するテープ貼着装置に搬送される。
このときウェーハ11は、研削装置20内で検出された保護テープ17の切り欠き部17aが所定の方向に配置されるように、研削装置20からテープ貼着装置に搬送される。そのため、ウェーハ11がテープ貼着装置に配置された際には、既にウェーハ11の結晶方位が所定の方向に合わせられた状態となっている。これにより、ウェーハ11の搬送後における切り欠き部17aの検出、及びウェーハ11と環状フレーム19との位置合わせを省略することが可能となる。
また、ウェーハ11は、研削装置20による研削加工の後、ウェーハ11の切り欠き11cに対応する切り欠き部を保持面に備える保持テーブルによって保持されることがある。このときウェーハ11は、切り欠き11cが、保持テーブルの保持面に形成された切り欠き部と重なるように配置される。この場合には、例えば研削装置20内で検出された保護テープ17の切り欠き部17aの位置に基づいて、ウェーハ11と保持テーブルの保持面との位置合わせが行われる。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。