JP7324882B2 - デッキプレート及びコンクリート構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、建物の床構造体や天井構造体の構築に用いるデッキプレート及びコンクリート構造体に関する。
建物の床構造体や天井構造体を構築する際の型枠として、デッキプレートが広く用いられている。デッキプレートは、梁間に架け渡されるように設置されており、デッキプレートの両端部が梁の上面に固定されている。デッキプレートを固定した後、デッキプレートの上にはコンクリートが打設され、コンクリートが固化することにより、床構造体または天井構造体が構築される。
デッキプレートは、一枚の薄板材(金属板)をロール成形することにより形成されている。デッキプレートには、剛性を高めるためのリブが形成されている(例えば、特許文献1参照)。デッキプレートの上面は平坦であるため、床構造体または天井構造体の下面との境界面(当接面)には抵抗力がない。よって、デッキプレートは、型枠材としてコンクリート固化までの荷重に耐えうる剛性を有するものとして用いられている。デッキプレートはコンクリート固化後、取り外すことが不可能なことが多く、残置されることも多い。
一方、デッキプレートの上面に、隣接する位置が相互にずれるように多数の凹凸溝を形成し、打設したコンクリートとの密着性を良くしてコンクリートのひび割れを防止することができるデッキプレートが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、デッキプレートの平坦部に、隣接する位置が互いにずれるように複数のエンボスを形成したデッキプレートが開示されている(例えば、特許文献3,4参照)。
特開平7-238621号公報 実開平1-122111号公報 特開平7-269003号公報 特開平8-100476号公報
ところで、床構造体または天井構造体には、地震荷重のような水平荷重が作用するため、その荷重に耐えうる構造を求められることがあるが、デッキプレートは、コンクリートとの境界に抵抗力を有しないため、残置されていても水平荷重に対して抵抗する機能はほとんどなく、デッキプレートとコンクリートとの境界面の摩擦力は大きなものではない。さらに、デッキプレートは、ロール成形機によって生産されることから、表面にローラの油分が付着していたり、屋外で用いられることから雨水等が付着することによって、本来有しているはずの表面の摩擦係数が低下していることが多い。そのため、デッキプレートとコンクリートとの境界の摩擦力が十分ではないことがある。特許文献2においては、デッキプレートの平坦部に凹凸溝が形成されており、特許文献3,4においては、デッキプレートの平坦部にエンボスが形成されているが、いずれも摩擦係数の低下を補う手法については検討されていない。
また、デッキプレートにおいては、大きな曲げ加工が施されたリブと加工されていない平坦部との応力差により、平坦部に皺が発生し、品質の高いデッキプレートの成形を困難なものとしている。
また、リブ間の平坦部においては、リブ周辺に比べて剛性が不足しているため、打設されたコンクリートの重量や施工時の作業者の歩行によって変形してしまうおそれがある。
また、デッキプレートは金属板から形成されているため、平坦な領域が多いと滑りやすく、さらには光の反射によって作業を阻害し、作業効率が低下するおそれがある。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、低下した摩擦係数を補い、品質や剛性を高め、作業効率の低下を抑えることができるデッキプレートを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、金属板から形成されるデッキプレートであって、一方の面において、互いに間隔をあけて懸架方向に沿って一端から他端にわたって延在するリブと、前記リブの両端部が前記一方の面に対して直角方向に潰されたエンドクローズ部と、隣接する前記リブ間の平坦部に形成された凹凸部と、を備えることを特徴とする。
また、前記凹凸部は、前記リブの延在方向に交差する方向に延在していることが好ましい。
また、前記凹凸部は、前記リブの延在方向に沿って間隔をあけて複数形成されていることが好ましい。
また、隣接する前記リブに挟まれた領域に形成されている前記凹凸部と、この領域に隣接する領域に形成されている前記凹凸部とが千鳥状に配置されていることが好ましい。
また、前記凹凸部の長さLは、L=43mm~260mmであることが好ましい。
また、隣接する領域のうち、一方の領域に形成されている前記凹凸部は、他方の領域に形成された隣接する前記凹凸部の間隔の半分の距離だけ前記リブの延在方向にずらされていることが好ましい。
また、隣接する前記凹凸部の間隔Gは、G=50mm~100mmであることが好ましい。
また、一つの前記凹凸部の摩擦係数μは、μ≧0.05であることが好ましい。
また、前記平坦部表面の滑り抵抗係数C.S.Rは、0.4≦C.S.R≦0.9であることが好ましい。
また、一つの前記凹凸部の長さLは、前記凹凸部を短手側から見た断面積をA、前記凹凸部の短手方向に沿って並んだ前記凹凸部の個数をm、前記凹凸部の長手方向に沿って並んだ前記凹凸部の個数をn、前記凹凸部の前記平坦部表面からの凹凸量をtとしたときに、L=mA/ntであることが好ましい。
また、前記凹凸部の幅Bは、B=10mm~30mmであることが好ましい。
また、前記凹凸部の前記平坦部表面からの凹凸量tは、t=1.0mm~3.5mmであることが好ましい。
本発明は、コンクリート構造体であって、上記のデッキプレートと、前記デッキプレートの上面に打設され、固化により前記デッキプレートと一体に形成されたコンクリート層と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、低下した摩擦係数を補い、品質や剛性を高め、作業効率の低下を抑えることができる。
梁間に設置されたデッキプレートを示す図である。 デッキプレートの斜視図である。 デッキプレートの平面図である。 デッキプレートの正面図である。 床構造体(または天井構造体)の一部断面図である。 突条部の摩擦係数を求める際の理論を説明する図である。 突条部の摩擦係数の具体的な求め方を説明する図である。
本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は一例であり、本発明の範囲において、種々の実施の形態をとりうる。
図1は、梁間に設置されたデッキプレートを示す図である。図2は、デッキプレートの斜視図である。図3は、デッキプレートの平面図である。図4は、デッキプレートの正面図である。図5は、床構造体(または天井構造体)の一部断面図である。
図1から図4に示すように、デッキプレート10は、建築構造物の床構造体または天井構造体を構築する際に打設されるコンクリートの型枠となる。また、図5に示すように、デッキプレート10は、コンクリートの固化後、コンクリートと一体となって床構造体(または天井構造体)100の剛性を高めるものである。すなわち、図5に示すように、本実施の形態において、床構造体(または天井構造体)100は、デッキプレート10と、このデッキプレート10の上面に打設され、固化によりデッキプレート10と一体に形成されたコンクリート層30と、を備えている。
<デッキプレートの構成>
図1に示すように、デッキプレート10は、対向する梁20間に架け渡されている。デッキプレート10は、一端が一方の梁20に載置され、溶接等によって梁20に固定されており、他端が他方の梁20に載置され、溶接等によって梁20に固定されている。具体的に、梁20は、例えば、H形鋼によって構成されており、デッキプレート10の各端部はそれぞれの梁20を構成するH形鋼のフランジ部に載置され、固定されている。
図2から図4に示すように、デッキプレート10は、亜鉛メッキ等のメッキ処理が施された薄板状の鋼板(金属板)から形成されている。デッキプレート10は、一枚の平板状の鋼板をロール成形機によってロール成形することにより製造される。デッキプレート10は、ロール成形機によって複数の箇所で曲げ加工が施される。
デッキプレート10は、リブ1と、平坦部2と、エンドクローズ部3と、突条部4(凹凸部)と、を備えている。
リブ1は、鋼板が曲げ加工されることによって形成されている。リブ1は、所定間隔をあけて鋼板の一方の面側に曲げられ、途中で複数回曲げられた後、最初の曲げ位置で鋼板の面方向に沿うように曲げられて構成されている。リブ1は、一部において折り返された鋼板同士がカシメ加工等によって連結されている。これによって、リブ1が開かないようになっている。リブ1は、デッキプレート10の幅方向(短手方向)に沿って所定の間隔をあけて複数形成されている。リブ1は、デッキプレート10の長さ方向(長手方向)に沿って延在するように形成されている。すなわち、リブ1は、梁20への懸架方向に沿って一端から他端にわたって連続して形成されている。
平坦部2は、デッキプレート10において曲げ加工が施されていない部分である。すなわち、平坦部2は、隣接するリブ1に挟まれた部分である。デッキプレート10において、各平坦部2は、同一平面上に形成されている。
エンドクローズ部3は、デッキプレート10の長さ方向(長手方向)の両端部に形成されている。エンドクローズ部3は、リブ1の両端部がデッキプレート10の面に対して直角方向に潰されることによって形成されている。これにより、リブ1は、両端部のエンドクローズ部3が押し潰された断面に形成されており、エンドクローズ部3に挟まれた他の部分は断面視略三角形状に形成されている。その結果、リブ1の両端部は、他の部分よりも高さが低くなるため、梁20のフランジ部上面に載置することができる。エンドクローズ部3は、リブ1の延在方向に沿った長さが梁20のフランジ部上面に載置する長さよりも長くなるように形成されている。
突条部4は、各平坦部2に形成されている。突条部4は、例えば、エンボス加工によって形成されており、デッキプレート10においてリブ1とは反対側に突出するように形成されている。突条部4は、リブ1の延在方向に直交する方向、すなわち、デッキプレート10の幅方向(短手方向)に沿って延在している。突条部4は、デッキプレート10の上面にコンクリートを打設して固化した後、コンクリートに係合していることで水平荷重に対する抵抗力を高めることができる。突条部4について、例えば、長さLは、L=43mm~260mm、幅Bは、B=10mm~30mm、平坦部2の表面からの突出量tは、t=1.0mm~3.5mmであることが好ましい。また、デッキプレート10において、各突条部4を千鳥状に形成した場合における突条部4の長さLは、突条部4を千鳥状に形成しない場合における突条部の長さLsの2倍であることが好ましい。
突条部4は、リブ1の延在方向、すなわち、デッキプレート10の長さ方向(長手方向)に沿って所定間隔をあけて複数形成されている。ここで、隣接する突条部4の間隔Gは、例えば、G=50mm~100mmであることが好ましい。
ここで、突条部4の長さ、幅、平坦部2表面からの突出量は、以下の理論によって定められる。
最初に、突条部4の幅Bと平坦部2表面からの突出量tについて考える。
図6に示すように、凹凸を有する二つの物体(コンクリートとデッキプレート)が係合している場合において、一方の物体(コンクリート)に水平荷重が作用して他方の物体(デッキプレート)を乗り越えようとするときの摩擦係数μを考える。この場合、クーロンーアモントンの法則により、一方の物体(コンクリート)の垂直荷重をW、一方の物体(コンクリート)が他方の物体(デッキプレート)を乗り越える力をF、凸部(突条部)の傾斜角をθとすると、摩擦係数μは、以下の式(1)で求めることができる。
μ=tanθ ・・・ (1)
次に、図7に示すように、デッキプレート10における一つの突条部4を短手側(X方向)から見た場合について考える。ここでは、近似値として、突条部4の各端部C,Dから短手側の中心(幅の中心)の位置Eまでを直線で結び、この直線の平坦部2に対する傾斜角をθとして突条部4の摩擦係数μを考える。この場合、突条部4の幅(短手側の長さ)をB、突条部4の平坦部2の表面からの突出量(深さ)をtとしたときに、以下の式(2)の関係が成立する。
1/2×B=t/tanθ ・・・ (2)
ここで、式(1)を式(2)に代入すると、摩擦係数μは、以下の式(3)で求めることができる。
μ=2t/B ・・・ (3)
すなわち、デッキプレート10の表面にロール成形機のローラの油分が付着したり、施工時に雨水等が付着することによって、本来、コンクリートとデッキプレート10との接触面が有しているはずの摩擦係数(0.6~0.75)の低下分を式(3)で算出される摩擦係数μを有する突条部4で補えばよい。また、摩擦係数μの大きさを調節するには、突条部4の幅Bと突出量tとの比を調整すればよい。具体的には、突出量tを大きくし、幅Bを小さくすれば、摩擦係数μを大きくすることができる。
例えば、突出量t=1.0mm、幅B=10mmで突条部4を形成した場合には、突条部4の摩擦係数μは、μ=0.2となる。また、突出量t=1.0mm、幅B=30mmで突条部4を形成した場合には、突条部4の摩擦係数μは、μ≒0.067となる。また、突出量t=3.5mm、幅B=10mmで突条部4を形成した場合には、突条部4の摩擦係数μは、μ=0.7となる。また、突出量t=3.5mm、幅B=30mmで突条部4を形成した場合には、突条部4の摩擦係数μは、μ≒0.233となる。
なお、摩擦係数μは、0.05≦μ≦1.65の範囲内にあることが好ましい。
ここで、摩擦係数μを0.05≦μ≦1.65としたのは、摩擦係数μをこの範囲にすることで、「東京工業大学式の滑り試験機OY-PSMによる試験(JIS A 1454「高分子張り床材試験方法」に規定)」において、滑り抵抗係数C.S.Rが0.4~0.9の範囲内に収まり、デッキプレート10の表面が作業者にとって滑りにくく、安全性に優れたものとなるからである。
表1は、4種類のデッキプレートの表面に水と埃を散布した後に、上記の滑り試験を行い、滑り抵抗係数C.S.Rを測定した結果を示すものである。試験体1は、突条部が形成されていない平坦な板材であり、板厚は1.2mmである。試験体2は、突条部の長さが120mm、幅が15mm、突出量が1.5mm、長手方向に隣接する突条部の間隔が80mmであり、板厚は0.8mmである。試験体3は、突条部の長さが120mm、幅が15mm、突出量が3mm、長手方向に隣接する突条部の間隔が50mmであり、板厚は1.6mmである。試験体4は、突条部の長さが120mm、幅が15mm、突出量が3mm、長手方向に隣接する突条部の間隔が50mmであり、板厚は1.2mmである。滑り試験は、試験体1~4毎にデッキプレートの長手方向及び短手方向に沿って行い、それぞれの場合の滑り抵抗係数C.S.Rを測定した。
Figure 0007324882000001
ここで、例えば、コンクリートとデッキプレートの接触面の摩擦係数μを0.6とし、雨水や油分の付着により、摩擦係数μが0.2低下してしまう場合、表1の試験体2のデッキプレート10のように、突出量t=1.5mm、幅B=15mmの突条部4を形成することにより、摩擦係数μを0.2高めることができるので、コンクリートとデッキプレート10の接触面の摩擦係数μはμ=0.6(元々の接触面の摩擦係数)-0.2(雨水等による摩擦係数の低下分)+0.2(突条部の形成による摩擦係数の増加分)=0.6となり、雨水等による摩擦係数の低下分を突条部4の形成で補うことができる。また、滑り抵抗係数C.S.Rも0.4~0.42となり、滑り抵抗係数C.S.Rを0.4~0.9の範囲内に収めることができる。
また、コンクリートとデッキプレートの接触面の摩擦係数μを0.6とし、雨水や油分の付着により、摩擦係数μが0.4低下してしまう場合、表1の試験体3,4のデッキプレート10のように、突出量t=3mm、幅B=15mmの突条部4を形成することにより、摩擦係数μを0.4高めることができるので、コンクリートとデッキプレート10の接触面の摩擦係数μはμ=0.6(元々の接触面の摩擦係数)-0.4(雨水等による摩擦係数の低下分)+0.4(突条部の形成による摩擦係数の増加分)=0.6となり、雨水等による摩擦係数の低下分を突条部4の形成で補うことができる。また、滑り抵抗係数C.S.Rも0.4~0.44となり、滑り抵抗係数C.S.Rを0.4~0.9の範囲内に収めることができる。
次に、突条部4の長さLについて考える。突条部4の長さは、デッキプレート10における一つの突条部4を長手側(Y方向)から見ることによって考えることができる。水平荷重に抵抗する要素は、突条部4の断面投影面積と考えられるため、X方向とY方向の断面投影面積を近似させる必要がある。
この場合、一つの突条部4の長手方向の長さLは、突条部4を短手側から見た断面投影面積をA、突条部4の短手方向に沿って並んだ突条部4の個数(行の数)をm、突条部4の長手方向に沿って並んだ突条部4の個数(列の数)をn、突条部4の平坦部2の表面からの突出量をtとしたときに、以下の式(4)で求めることができる。
L=mA/nt ・・・ (4)
例えば、突出量t=1.0mm、幅B=10mmで突条部4を形成した場合には、突条部4の断面投影面積Aは、A≒10mmとなり、突条部4の短手方向に沿って並んだ突条部4の個数(行の数)m=26個、突条部4の長手方向に沿って並んだ突条部4の個数(列の数)n=3個とすると、一つの突条部4の長さLは、L≒86.7mmとなる。
以上のように考えることで、デッキプレート10に求める摩擦係数μに応じて、突条部4の長さL、幅B、突出量tを設計することができる。
各平坦部2に形成されている突条部4は、一の平坦部2に形成されている突条部4と、一の平坦部2に隣接する平坦部2に形成されている突条部4とが、デッキプレート10を平面視した際に、千鳥状に配置されている。より具体的には、隣接する平坦部2のうち、一方の平坦部2に形成されている突条部4は、他方の平坦部2に形成された隣接する突条部4の間隔Gの半分の距離だけリブ1の延在方向にずらされて形成されている。
以上のように、デッキプレート10は、平坦部2に突条部4が形成されているので、デッキプレート10の表面にロール成形機のローラの油分が付着したり、雨水等が付着することによって、本来有しているはずの表面の摩擦係数が低下している場合であっても、摩擦係数の低下分を突条部4の摩擦係数によってデッキプレート10の摩擦係数を高めることができる。これにより、コンクリートとデッキプレート10との摩擦力を高めて、床構造体または天井構造体としてより一体化させることができ、地震等によって作用する水平荷重に対して抵抗する機能を高めることができる。特に、上記のような構成の突条部4を平坦部3に形成することにより、工数や重量の増加を最小限に抑えつつ、効果的にコンクリートとデッキプレート10との摩擦力を高めることができる。
また、突条部4を上記のように構成することにより、「東京工業大学式の滑り試験機OY-PSMによる試験(JIS A 1454「高分子張り床材試験方法」に規定)」において、滑り抵抗係数C.S.Rを0.4~0.9の範囲内にすることができ、作業時の防滑性向上はもちろんのこと、その滑り抵抗がデッキプレート10の摩擦係数を大きく向上させることができる。これにより、かかる摩擦係数の向上分が油分や雨水による摩擦係数の低下分を補い、コンクリートとデッキプレート10との摩擦力を高めて、床構造体または天井構造体としてより一体化させることができ、地震等によって作用する水平荷重に対して抵抗する機能を高めることができる。
また、突条部4を形成することにより、曲げの大きなリブ1周辺と曲げ加工されていない平坦部2との応力差による皺の発生を抑えることができ、製造されるデッキプレート10の品質を高めることができる。また、突条部4を形成することにより、デッキプレート10の皺の発生を抑えることができるので、ロール成形工程を従来よりも簡単なものとすることができる。
また、突条部4を形成することにより、リブ1間の平坦部2の剛性を高めることができ、打設されたコンクリートの重量や施工時の作業者の歩行による平坦部2の変形を抑えることができる。
また、突条部4を形成することにより、平坦部2から突出している突条部4がデッキプレート10上を歩行する作業者のスリップを防止する滑り止め部材として機能するので、作業効率の低下を抑えることができる。特に、デッキプレート10の平坦部3表面の滑り抵抗係数C.S.Rを、滑り評価尺度が安全となる0.4~0.9の範囲内にすることで、デッキプレート10を作業床として考慮した場合に、防滑性に優れたデッキプレート10とすることができる。
また、突条部4を形成することにより、平坦部2から突出している突条部4が光を乱反射させるので、作業者への防眩効果を高めることができる。さらに、夏場の日光の照り返しを抑えることができるので、作業者への負担を軽減することができ、作業効率の低下を抑えることができる。
また、突条部4が千鳥状に配置されるように形成することで、平坦部2の全面にわたって突条部4を形成することができ、上記の効果をより高めることができる。特に、デッキプレート10の幅方向に隣接する突条部4を、デッキプレート10の長さ方向に隣接する突条部4の間隔の半分の距離だけずらすことで、周囲の突条部4間の距離をほぼ均等に保つことができ、上記の効果をより高めることができる。
また、上記の式(4)に示すように、あらゆる方向からの水平荷重に抵抗するため、突条部4の断面投影面積をデッキプレート10のX方向とY方向とで等しくなるように突条部4が設計されているが、突条部4を千鳥状に配置することで、X方向から見た時の突条部4同士の重なりを減らすことができる。よって、少ない数で断面投影面積を増やすことができ、デッキプレート10に形成すべき突条部4の数を減らすことができるので、デッキプレート10の生産に必要な金属板の量を減らすことができ、軽量化を図ることができる。
また、隣接する突条部4の間隔Gを、G=50mm~100mm、突条部4の長さLを、L=43mm~260mm、突条部4の幅Bを、B=10mm~30mm、突条部4の平坦部2からの突出量tを、t=1.0mm~3.5mmの範囲内で形成することで、上記の効果をより高めるのに適した突条部4とすることができる。
また、デッキプレート10は、金属板から形成されているので、下方からの支持が不要となり、下方の空間を有効に利用できる。また、デッキプレート10は、両端部にエンドクローズ部3を有しているので、梁20の上面に載置することができる。また、デッキプレート10と梁20の型枠との間にコンクリートの漏れを防ぐ部材を設ける必要がなくなる。RC造の場合、梁20にエンドクローズ部3の一部を食い込ませることができるので、デッキプレート10の脱落防止効果を高めることができる。
また、デッキプレート10にコンクリートを打設した際、突条部4がコンクリートに食い込んだ状態で固化するので、突条部4は、コンクリートとの係合部として機能することとなり、床構造体や天井構造体の剛性を高めることができる。
また、突条部4は、デッキプレート10の長手方向に延在しているとともに、デッキプレート10の短手方向に沿って複数形成されているので、デッキプレート10の長さ方向及び幅方向においてコンクリートが突条部4に係合されて床構造体または天井構造体の剛性を高めることができる。
<その他>
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではない。例えば、凹凸部としての突条部4は、リブ1とは反対側の面に突出する場合に限らず、リブ1と同じ方向に突出するように形成してもよい。この場合、リブ1とは反対側の面から見れば、平坦部2に溝が形成されていることになる。また、突条部4の形成にあたっては、エンボス加工に限らず、他の加工方法を用いてもよい。また、凹凸部は、平坦部2に凹凸が形成されていればよいので、突条部4に限らず、複数の円形状の突起又は凹部を形成してもよい。この場合、ロール成形後にショットブラスト加工を施すことによって形成してもよいし、ロール成形時に型押しで形成してもよい。なお、これらの突起又は凹部と突条部4との両方を形成してもよい。さらに、平坦部2に筋状の傷を形成して、デッキプレート10の表面粗さを大きくして、光をより乱反射させて防眩効果を高めてもよい。
また、上記の実施の形態においては、打設したコンクリートの固化後に、デッキプレートを残置し、デッキプレートを床構造体又は天井構造体の補強材として用いているが、必ずしも残置する必要はなく、コンクリートの固化後にデッキプレートを取り外してもよい。すなわち、デッキプレートを単なる型枠としてのみ用いてもよい。
1 リブ
2 平坦部
3 エンドクローズ部
4 突条部(凹凸部)
10 デッキプレート
20 梁
30 コンクリート層
100 床構造体(天井構造体)

Claims (12)

  1. 金属板から形成されるデッキプレートであって、
    一方の面において、互いに間隔をあけて懸架方向に沿って一端から他端にわたって延在するリブと、
    前記リブの両端部が前記一方の面に対して直角方向に潰されたエンドクローズ部と、
    隣接する前記リブ間の平坦部に形成された凹凸部を形成する突条又は突起と、を備え、
    一つの前記突条又は突起の長さLは、前記突条又は突起の幅方向に沿った断面投影面積をA、前記突条又は突起方向に沿って並んだ前記突条又は突起の個数をm、前記突条又は突起長さ方向に沿って並んだ前記突条又は突起の個数をn、前記突条又は突起の前記平坦部表面からの突出量をtとしたときに、
    L=mA/nt
    であることを特徴とするデッキプレート。
  2. 前記突条又は突起は、前記リブの延在方向に交差する方向に延在していることを特徴とする請求項1に記載のデッキプレート。
  3. 前記突条又は突起は、前記リブの延在方向に沿って間隔をあけて複数形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のデッキプレート。
  4. 隣接する前記リブに挟まれた領域に形成されている前記突条又は突起と、この領域に隣接する領域に形成されている前記突条又は突起とが千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のデッキプレート。
  5. 前記突条又は突起の長さLは、L=43mm~260mmであることを特徴とする請求項4に記載のデッキプレート。
  6. 隣接する領域のうち、一方の領域に形成されている前記突条又は突起は、他方の領域に形成された隣接する前記突条又は突起の間隔の半分の距離だけ前記リブの延在方向にずらされていることを特徴とする請求項4又は5に記載のデッキプレート。
  7. 隣接する前記突条又は突起の間隔Gは、G=50mm~100mmであることを特徴とする請求項3~6までのいずれか一項に記載のデッキプレート。
  8. 一つの前記突条又は突起の摩擦係数μは、
    μ≧0.05
    であることを特徴とする請求項1~7までのいずれか一項に記載のデッキプレート。
  9. 前記平坦部表面の滑り抵抗係数C.S.Rは、
    0.4≦C.S.R≦0.9
    であることを特徴とする請求項1~8までのいずれか一項に記載のデッキプレート。
  10. 前記突条又は突起の幅Bは、B=10mm~30mmであることを特徴とする請求項1~9までのいずれか一項に記載のデッキプレート。
  11. 前記突条又は突起の前記平坦部表面からの突出量tは、t=1.0mm~3.5mmであることを特徴とする請求項1~10までのいずれか一項に記載のデッキプレート。
  12. 請求項1~11までのいずれか一項に記載のデッキプレートと、
    前記デッキプレートの上面に打設され、固化により前記デッキプレートと一体に形成されたコンクリート層と、
    を備えることを特徴とするコンクリート構造体。
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