JP7261829B2 - フラットデッキおよびフラットデッキの役物ならびにフラットデッキの敷設構造および敷設方法 - Google Patents
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Description
前記フラットデッキを実際に施工対象床に敷設する場合は、前記フラットデッキの幅方向端部の張り出した平面部の端部を下方に折り曲げて形成した差し込み部が、隣接する他のフラットデッキの対応する脚部リブに差し込まれて連続敷設されたり、前記フラットデッキのほか、前記フラットデッキをスパン方向に沿って切断したフラットデッキの役物(非標準品)も用いたりして敷設する(以上、特許文献1の[従来の技術]の項を参照)。
前記フラットデッキのスパン長を大きくしたり、積載荷重を高くする最も簡易な方法は、フラットデッキに用いる鋼板の板厚を厚くすることであるが、近年要請される部材の軽量化に反する。特に、フラットデッキは非構造部材に属するので、重量増加は不合理に過ぎる。
すなわち、前記特許文献2、3に係るデッキプレートは、前記フラットデッキを適正な幅寸でスパン方向に沿って切断した役物を用意しても、前記特許文献1の図1に示すような単純な平面に形成されていないが故に、デッキプレートと役物との重ね合わせ部が、エンボスやリブの凹凸部により干渉を生じてしまうため、敷設時の幅調整が困難となるほか、無理矢理に敷設できたとしても前記重ね合わせ部に生じた隙間から打設コンクリートが漏出する虞があった。
前記平面部は、幅方向一端部寄りの第一平面部と、前記第一平面部以外の第二平面部とを備え、
前記第一平面部は、前記第一平面部の両端部が上方に突出する上面が平坦な突条部を備え、
前記第二平面部は、前記第二平面部の中間部が上方に突出する上面が平坦な突条部を備え、
前記各平面部に設けた前記上面が平坦な突条部は、略同等高さに設定されているフラットデッキであり、
前記フラットデッキを複数敷設するに際し、一のフラットデッキの前記第一平面部の幅方向一端部側の前記突条部の上面に、他のフラットデッキを前記第一平面部以外の平面部の突条部で長手方向に切断した役物が重ね合わせて敷設可能なことを特徴とする。
前記平面部は、幅方向一端部寄りの第一平面部と、前記第一平面部に隣接する第三平面部と、前記第一平面部、前記第三平面部以外の第四平面部とを備え、
前記第一平面部と前記第三平面部は、各平面部の両端部が上方に突出する上面が平坦な突条部を備え、
前記第四平面部は、前記第四平面部の中間部が上方に突出する上面が平坦な突条部を備え、
前記各平面部に設けた前記上面が平坦な突条部は、略同等高さに設定されているフラットデッキであり、
前記フラットデッキを複数敷設するに際し、一のフラットデッキの前記第一平面部の幅方向一端部側の前記突条部の上面に、他のフラットデッキを前記第一平面部以外の平面部の突条部で長手方向に切断した役物が重ね合わせて敷設可能なことを特徴とする。
前記第五平面部以外の各平面部は、左右対称形状とされていることを特徴とする。
前記請求項1~3のいずれか1項に記載のフラットデッキの前記第一平面部の幅方向一端部側の前記突条部の上面に、前記請求項4に記載のフラットデッキの役物の切断部における前記突条部を重ね合わせて敷設することを特徴とする。
前記作用効果に伴い、従来のフラットデッキと同スパンで実施する場合は、従来のフラットデッキと比べ、フラットデッキ全体の重量を小さくできる等、施工性が向上する。
前記作用効果についてその一例を示すと、型枠の設計において、従来のフラットデッキでは、たわみ算定式に用いるたわみ係数Cを1.6として算定を行っているが、本出願人による試験によれば、前記特許文献3に係るエンボス付きのフラットデッキの1.6を低減(具体的には、C=1.33に低減)できることが判明し、その分、フラットデッキの使用可能なスパン長を大きくできることを既に確認している。なお、前記たわみ算定式は型枠の設計においてフラットデッキのたわみの算定を行う式であり、前記たわみ係数はフラットデッキが圧縮を受ける部分の有効に作用する断面範囲を考慮して、その断面性能の低下への影響を見込んだ補正係数である。したがって、前記たわみ係数Cを低減すればフラットデッキのたわみの算定値を低減でき、フラットデッキの使用可能なスパン長を大きくすることができる。
(2)本発明に係るフラットデッキの敷設方法によれば、図4A、B等に段階的に示したように、その右端部の突条部の平坦部分(平坦部)を、先行して敷設されたフラットデッキ(又はフラットデッキの役物)の突条部の平坦部分(平坦部)の上面に載せると、前記平坦部の平面同士を重ね合わせることが可能となるので、その後は前記平坦部の幅寸の広い領域で柔軟性(自在性)に富む幅調整作業を行うことができ、ひいては連続敷設作業を効率的に行うことができる。
また、前記重ね合わせ部は、前記平坦部の平面同士が接しているので、打設コンクリートが漏出する虞のない高品質のスラブ施工に寄与することができる。
要するに、フラットデッキをスパン方向に沿って切断するだけで連続敷設作業に好適な役物に転用(変形)可能なフラットデッキを提供することができる。
本発明は、ロール成形加工で幅寸(例えば1m)が設定された鋼板から、いかにして効果的に断面性能を向上させ、適正な役物にも転用(変形)することが可能な断面形状(折曲形状)を有するフラットデッキを実現させるために本出願人が鋭意追究した結果、開発された。
具体的には以下の実施例で逐一説明するが、要するに、フラットデッキを形成する平面部と脚部リブのうち、特に平面部に着眼し、断面性能を向上させるのに効果的な突条部を形成させる等の工夫を施した。さらに云えば、平面部の断面形状を一律に形成しない等、平面部と脚部リブとを同形同大の繰り返し形状で形成する従来のフラットデッキの固定概念を変えた断面形状を備えると共に、断面性能等の強度・剛性を十分に備えたフラットデッキを実現した。
なお、以下に説明する実施例にかかるフラットデッキの敷設構造に用いるフラットデッキは、図示例のとおり、左方から右方へ(又は右方から左方へ)脚部リブと平面部とを交互に3つずつ(図1~図13、及び図20参照)、又は2つずつ(図14~図19参照)連続させた基本的構成態様で実施しているが、これに限定されない。脚部リブの高さ寸法を短く設定することにより4つずつ連続させて実施できるほか、使用する鋼板の幅寸や構造設計等の諸条件に応じて適宜設計変更可能である。
以下、実施例について図面に基づいて説明する。
前記平面部1、11は、前記幅方向一端部寄りの第一平面部1と、前記第一平面部1以外の第二平面部11とを備え、前記第一平面部1は、その両端部が上方に突出する上面が平坦な突条部1a、1aを備え、前記第二平面部11は、その中間部が上方に突出する上面が平坦な突条部11aを備え、前記各平面部1、11に設けた前記上面が平坦な突条部1a、11aは、略同等高さに設定されている。
前記フラットデッキ10を複数敷設するに際し、一のフラットデッキ10の前記第一平面部1の幅方向一端部側の前記突条部1aの上面に、他のフラットデッキ10を前記第一平面部1以外の平面部11等の突条部11a等で長手方向に切断した役物10A等が重ね合わせて敷設可能なことを特徴とする。
前記第一平面部1の両端部には、上方に突出する上面が平坦な突条部1a、1aが形成されている。また、前記突条部1a、1a同士の間には、前記フランジ5と同一レベルの中間フランジ6が形成されている。
要するに、前記第一平面部1は、左方から右方へ、フランジ5、突条部1a、中間フランジ6、突条部1a、そしてフランジ5の順に形成されている。
さらに、前記突条部1a、1aはそれぞれ、第一平面部1を略三等分割した程度の幅寸で実施され、前記フランジ5から上方へ立ち上がる傾斜ウェブ7と、前記中間フランジ6から上方へ立ち上がる傾斜ウェブ7と、前記傾斜ウェブ7、7の上端を結ぶ平坦部8とで形成されている。
W=630、W1=210mm、a=47mm、b=50mm、c1=162mm、c2=169mm、d=40mm、H=80mm、H1=75mm
なお、前記寸法はあくまでも一例に過ぎず、構造設計に応じて適宜設計変更可能である。また、鋼板は板厚0.8~1.6mmを用いるのが一般的であるが、仮に板厚1.6mmの鋼板を用いる場合であっても上記寸法と大差はない。
前記突条部1aを上向きに設けることで、フラットデッキ全体の高さが大きくなり、断面性能の向上に寄与する。
さらに突条部1aを左右にバランスよく2箇所設けることで、より効果的に座屈強度を向上させることができ、断面性能の向上に寄与し、前記たわみ係数Cを低減できる。ひいてはフラットデッキの使用可能なスパンを大きくすることに寄与する。
以上要するに、上記構成の第一平面部1によれば、突条部1aを両端部に2箇所(2山)設けたことにより、フラットデッキ全体の断面性能の向上に寄与し、さらには、効果的に座屈強度を向上させることで使用可能なスパンを大きくできることに寄与する。
前記第二平面部11の中間部にはそれぞれ、上方に突出する上面が平坦な突条部11aが形成されている。
要するに、前記第二平面部11は、左方から右方へ、フランジ5、突条部11a、そしてフランジ5の順に形成されている。
さらに、前記突条部11aは、第二平面部11の大部分の領域を占め、左右のフランジ5、5から上方へ立ち上がる傾斜ウェブ7、7と、前記傾斜ウェブ7、7の上端を結ぶ平坦部9とで形成されている。
図2Aに示した寸法例でも分かるように、本実施例に係る第二平面部11は、大部分の領域を突条部11aで形成した左右対称形状で実施されている。
前記突条部11aを上向きに設けることで、フラットデッキ全体の高さが大きくなり、断面性能の向上に寄与する。
さらに大部分の領域を前記突条部11a(平坦部9)が占めることで、割り付けの都合上、前記突条部11aで切断して役物とした際に、重ね代における幅調整の自在性が向上する。
以上要するに、上記構成の第二平面部11、11(14)によれば、それぞれ、その中間部の大部分の領域に突条部11aを1箇所(1山)設けたことにより、フラットデッキ全体の断面性能の向上に寄与し、さらには、突条部11aの平坦部分(平坦部9)の幅寸を大きく設定したことにより、後述するように前記フラットデッキ10を素材として製造する役物の連続敷設時の幅調整作業を容易ならしめる作用効果がある。
これらの作用効果に伴い、従来のフラットデッキと同スパンで実施する場合は、従来のフラットデッキと比べ、フラットデッキ全体の重量を小さくできる等、施工性が向上する。
上述した作用効果についてその一例を示すと、本出願人による試験によれば、型枠の設計において、たわみ算定式に用いるたわみ係数Cが、前記特許文献3に係るエンボス付きのフラットデッキの場合の1.6を低減できることが判明し、その分、フラットデッキの使用可能なスパン長を大きくできることを既に確認している。この点については、以下の段落番号[0051]以降の(本出願人による試験)の項で説明する。
図2Bに係るフラットデッキの役物10Aは、標準品である前記フラットデッキ10の幅方向他端部(図示例では右端部)の張り出した第二平面部11の突条部11aのうち、平坦部分である平坦部9の右端縁と傾斜フランジ7との境界付近で切断して形成している。
図2Cに係るフラットデッキの役物10Bは、標準品である前記フラットデッキ10の幅方向他端部(図示例では右端部)の張り出した第二平面部11の上面が平坦な突条部11aのうち、平坦部分である平坦部9の中央部で切断して形成している。
図2Dに係るフラットデッキの役物10Cは、標準品である前記フラットデッキ10の中央の第二平面部11の上面が平坦な突条部11aのうち、平坦部9の右端縁と傾斜フランジ7との境界付近で切断して形成している。
また、前記重ね合わせ部は、前記平坦部8、9の平面同士が接しているので、打設コンクリートが漏出する虞のない高品質のスラブ施工に寄与することができる。なお、このフラットデッキの役物10Aは、フラットデッキの敷き始め用にも好適に用いられる。
また、前記重ね合わせ部は、前記平坦部8、9の平面同士が接しているので、打設コンクリートが漏出する虞のない高品質のスラブ施工に寄与することができる。なお、このフラットデッキの役物10Bは、フラットデッキの敷き始め用にも好適に用いられる。
また、前記重ね合わせ部は、前記平坦部8、9の平面同士が接しているので、打設コンクリートが漏出する虞のない高品質のスラブ施工に寄与することができる。なお、このフラットデッキの役物10Cは、フラットデッキの敷き始め用にも好適に用いられる。
前記平面部1、12、13(14)は、前記幅方向一端部寄りの第一平面部1と、前記第一平面部に隣接する第三平面部12と、前記第一平面部1、前記第三平面部12以外の第四平面部13(14)とを備え、前記第一平面部1と前記第三平面部12は、各平面部1、12の両端部が上方に突出する上面が平坦な突条部1a、12aを備え、前記第四平面部13(14)は、その中間部が上方に突出する上面が平坦な突条部13aを備え、前記各平面部1、12、13に設けた前記上面が平坦な突条部1a、12a、13aは、略同等高さに設定されている。
前記フラットデッキ20を複数敷設するに際し、一のフラットデッキ20の前記第一平面部1の幅方向一端部側の前記突条部1aの上面に、他のフラットデッキ20を前記第一平面部1以外の平面部13等の突条部13a等で長手方向に切断した役物20A等が重ね合わせて敷設可能なことを特徴とする。
次に、前記第三平面部12は、前記第一平面部1と同形同大なのでその説明を省略する(前記段落[0019]~[0022]を参照)。
次に、前記第四平面部13(脚部リブのない張り出した第五平面部14)は、上記実施例1に係る右方の第二平面部11と同形同大なのでその説明を省略する(前記段落[0023]~[0025]を参照)。
図8Bに係るフラットデッキの役物20Aは、標準品である前記フラットデッキ20(図8A等を参照)の幅方向他端部(図示例では右端部)の張り出した第四平面部13の上面が平坦な突条部13aのうち、平坦部9の右端縁と傾斜フランジ7との境界付近で切断して形成している。
図8Cに係るフラットデッキの役物20Bは、標準品である前記フラットデッキ20の幅方向他端部(図示例では右端部)の張り出した第四平面部13の上面が平坦な突条部13aのうち、平坦部9の中央部で切断して形成している。
また、前記重ね合わせ部は、前記平坦部8、9の平面同士が接しているので、打設コンクリートが漏出する虞のない高品質のスラブ施工に寄与することができる。なお、このフラットデッキの役物20Aは、フラットデッキの敷き始め用にも好適に用いられる。
また、前記重ね合わせ部は、前記平坦部8、9の平面同士が接しているので、打設コンクリートが漏出する虞のない高品質のスラブ施工に寄与することができる。
この実施例3に係るフラットデッキ30によれば、上記実施例1に係るフラットデッキ10の作用効果(前記段落[0026]を参照)に加え、前記山形リブ15のリブ効果に伴う断面性能の向上のほか、スラブ施工現場での作業者の滑り防止に寄与する効果がある。
また、図20に係るフラットデッキ30’は、山形リブ15を第二平面部11(第五平面部14)の突条部に3個(又はそれ以上)設け、中央部の山形リブ15を他の山形リブ15よりも高く形成している。このように、中央部の山形リブ15を高く形成することによって、製造時、第二平面部11(第五平面部14)に発生するポケットウェーブを抑えることができる。
この実施例4に係るフラットデッキ40によれば、上記実施例2に係るフラットデッキ20の作用効果(前記段落[0035]を参照)に加え、前記山形リブ15のリブ効果に伴う断面性能の向上のほか、スラブ施工現場での作業者の滑り防止に寄与する効果がある。
この実施例5に係るフラットデッキ50は、上記実施例1~4と比べ、左方から右方へ(又は右方から左方へ)脚部リブと平面部とを交互に2つずつ連続して形成されている点が相違する。
要するに、このフラットデッキ50は、前記実施例1~4に係るフラットデッキ10~40の前記中央の第二平面部11が存在しないに等しい構成で実施している(図1と図14とを対比して参照)。
前記平面部1、11(14)は、前記幅方向一端部寄りの第一平面部1と、前記第一平面部に隣接する第二平面部11(14)とを備え、前記第一平面部1は、前記第一平面部1の両端部が上方に突出する上面が平坦な突条部1aを備え、前記第二平面部11(14)は、その中間部が上方に突出する上面が平坦な突条部11aを備え、前記各平面部1、11に設けた前記上面が平坦な突条部1a、11aは、略同等高さに設定されている。
前記第二平面部11(脚部リブのない張り出した第五平面部14)は、上記実施例1に係る右方の第二平面部11と同形同大なのでその説明を省略する(前記段落[0023]~[0025]を参照)。
この実施例6に係るフラットデッキ60によれば、上記実施例5に係るフラットデッキ50の作用効果(前記段落[0045]を参照)に加え、前記山形リブ15のリブ効果に伴う断面性能の向上のほか、スラブ施工現場での作業者の滑り防止に寄与する効果がある。
前記第一平面部1を含むフラットデッキの役物は、前記第一平面部1以外の平面部、具体的には前記第二平面部11に形成した前記上面が平坦な突条部11aの平坦部9の所定の位置で切断されて形成される。ここでは、切断部位に応じて形成(製造)した2種のフラットデッキの役物について説明する。
図16Bに係るフラットデッキの役物50Aは、標準品である前記フラットデッキ50(図16A等を参照)の幅方向他端部(図示例では右端部)の張り出した第二平面部11の上面が平坦な突条部11aのうち、平坦部9の右端縁と傾斜フランジ7との境界付近で切断して形成している。
図16Cに係るフラットデッキの役物50Bは、標準品である前記フラットデッキ50の幅方向他端部(図示例では右端部)の張り出した第二平面部11の上面が平坦な突条部11aのうち、平坦部9の中央部で切断して形成している。
また、前記重ね合わせ部は、前記平坦部8、9の平面同士が接しているので、打設コンクリートが漏出する虞のない高品質のスラブ施工に寄与することができる。なお、このフラットデッキの役物50Aは、フラットデッキの敷き始め用にも好適に用いられる。
また、前記重ね合わせ部は、前記平坦部8、9の平面同士が接しているので、打設コンクリートが漏出する虞のない高品質のスラブ施工に寄与することができる。
要するに、両端部に突条部を設ける平面部を左右2山タイプ、中央部に大きく突条部を設ける平面部を中央1山タイプと称すると、本発明に係るフラットデッキは、実施する平面部の数量(本実施例では3つ、又は2つ)にかかわらず、敷設作業時に重ね合わせて敷設される側の端部の平面部を左右2山タイプとし、敷設する側の端部の平面部を中央1山タイプとし、その間の平面部(もとより、平面部の数量を2つで実施する場合には存在しない。図14等参照。)は、左右2山タイプであっても中央1山タイプであっても実施することができ、前記段落[0026]等で説明した作用効果と同様の作用効果を発揮することができる。
なお、本出願人は、本発明に係るデッキプレートの作用効果を確認するべく、以下に説明するように、前記実施例1に係るデッキプレート10(図1参照)について試験を行った。
<試験概要>
たわみ算定係数Cを求めるために以下の試験を行った。コンクリートスラブの型枠として機能する前記デッキプレート10に作用する力は、コンクリート重量による分布荷重であるため、4点曲げ試験を行い、スパン中央部のたわみ量及び載荷荷重を測定した。
<試験体>
試験は以下の条件で行った。
試験体は、前記デッキプレート10(幅630mm、板厚0.8mm)の1枚とした 。
試験体材料は、社団法人公共建築協会の規格であるSGCC材を使用した。
スパンは安全側の評価のために通常使用する場合の最大スパンを超える値として、3500mmとした。
支持方法は平面部及び脚部リブ下面を支持できる治具を使用し、プレートを介して丸鋼に乗せることでピン支持とした。
試験では油圧アムスラーを使用し、載荷梁を介して2点に静的な下向きの力を加え、試験体の変形、耐力を確認した。
前記2点の静的な下向きの力の載荷位置は、スパン(L)=3500mmのうち、支持点から1100mm(a)の位置で左右対称とした。
変位量(δ)がスパン(L)3500mmのフラットデッキでの許容値である25mm(式:δ=3500/180+5(mm)≒25)に達したときの載荷荷重(2P)を測定し、たわみ算定式に用いるたわみ係数を設定、評価した。
<試験結果>
前記試験の結果、前記載荷荷重(2P)、前記変位量(δ)、前記スパン(L)、前記支持点からの距離(a)、たわみ算定式に用いるたわみ係数Cを算出すると、たわみ係数C=(24EI×δ)/{Pa(3L2-4a2)}の式より、たわみ係数(C)は、約1.33となった。
従来のフラットデッキのたわみ係数C=1.6と比べ、上記実施例1に係るデッキプレート10のたわみ係数Cは、1.33と低減しているので、フラットデッキ10のたわみの算定値を低減することができる。
すなわち、本出願人は、上記実施例1に係るデッキプレート10は、従来のフラットデッキと比べ、たわみにくいといえるので、使用可能なスパン長を、従来のフラットデッキと比べ、大きくできると確信した。
1a 突条部
2 脚部リブ
3 水平リップ
4 差し込み部
5 フランジ(平面)
6 中間フランジ
7 傾斜ウェブ
8 平坦部
9 平坦部
10 フラットデッキ
10A フラットデッキの役物
10B フラットデッキの役物
10C フラットデッキの役物
11 第二平面部
11a 突条部
12 第三平面部
12a 突条部
13 第四平面部
13a 突条部
14 第五平面部
15 山形リブ
20 フラットデッキ
20A フラットデッキの役物
20B フラットデッキの役物
30 フラットデッキ
30’ フラットデッキ
40 フラットデッキ
50 フラットデッキ
50A フラットデッキの役物
50B フラットデッキの役物
60 フラットデッキ
Claims (10)
- 幅方向に沿って交互に連続して形成された複数の平面部と複数の脚部リブとを有するフラットデッキであって、
前記複数の平面部が、第1の平面部と、第2の平面部とを有し、前記第1の平面部の前記幅方向の両端縁に脚部リブが設けられ、前記第2の平面部の前記幅方向の他方端部側の端縁に差し込み部が設けられるとともに、前記第2の平面部の前記幅方向の他方端部とは反対側の端縁に脚部リブが設けられ、前記第1の平面部と前記第2の平面部とは、前記脚部リブの閉じ合わせ部の上端から水平に張り出すフランジを含むこと、
前記第1の平面部は、フラットデッキの幅方向の一方端部に設けられ、
前記第1の平面部は、前記フラットデッキのスパン方向に沿って形成される第1の突出部と、前記スパン方向に沿って形成される第2の突出部とを有し、前記第1の突出部と前記第2の突出部とは、前記フランジよりも高い位置に設けられていること、
前記第1の突出部と、前記第2の突出部とが、前記第1の平面部の前記幅方向の両端に設けられ、
前記第2の平面部は、前記幅方向の他方端部に設けられ、
前記第2の平面部は、前記スパン方向に沿って形成される第3の突出部を有し、前記第3の突出部は、前記フランジよりも高い位置に設けられていると共に、フラットデッキの役物としての長さ調整ができるだけの幅寸を有すること、
前記第1~第3の突出部は、平坦部を有し、前記平坦部が略同等高さに設定されていることを特徴とするフラットデッキ。 - 前記第3の突出部は、前記幅方向に沿って前記第2の平面部の大部分の領域に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載したフラットデッキ。
- 前記フラットデッキは、前記スパン方向の両端部に施したエンドクローズ加工部と、本体部とを有し、
前記本体部は、前記幅方向に沿って交互に連続して形成された前記複数の平面部と前記複数の脚部リブとを有することを特徴とする、請求項1又は2に記載したフラットデッキ。 - 前記第3の突出部において、山形リブが設けられていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載したフラットデッキ。
- 前記第1の平面部に隣接する第3の平面部を有し、
前記第3の平面部は、前記スパン方向に沿って形成される第4の突出部を有し、
前記第4の突出部は、前記幅方向に沿って第3の平面部の大部分の領域に設けられ、
前記第4の突出部は、平坦部を有していることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載したフラットデッキ。 - 前記第1~第4の突出部は、前記幅方向に対して、左右対称形状とされていることを特徴とする、請求項5に記載したフラットデッキ。
- 前記第4の突出部において、山形リブが設けられていることを特徴とする、請求項5又は6に記載したフラットデッキ。
- 前記請求項1~7のいずれか1項に記載したフラットデッキの前記第2の平面部に形成した前記第3の突出部の所定の位置で切断された切断部が形成されることを特徴とする、フラットデッキの役物。
- 前記フラットデッキに、前記フラットデッキの役物を一部重ね合わせて連続敷設するフラットデッキの敷設構造であって、
前記フラットデッキを複数敷設するに際し、前記請求項1~7のいずれか1項に記載のフラットデッキの前記第1の突出部又は前記第2の突出部の上面に、前記請求項8に記載のフラットデッキの役物の前記切断部を重ね合わせて敷設可能なことを特徴とする、フラットデッキの敷設構造。 - 前記フラットデッキに、前記フラットデッキの役物を一部重ね合わせて連続敷設するフラットデッキの敷設方法であって、
前記請求項1~7のいずれか1項に記載のフラットデッキの前記第1の突出部又は前記第2の突出部の上面に、前記請求項8に記載のフラットデッキの役物の前記切断部を重ね合わせて敷設することを特徴とする、フラットデッキの敷設方法。
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