JP7379519B2 - デッキプレート - Google Patents
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Description
図1及び図2を用いて、本実施の形態に係るデッキプレートの構成について説明する。デッキプレート1は、建築構造物の床構造物(または天井構造物)を構築する際に打設されるコンクリートの型枠として使用される。デッキプレート1は、例えば、複数の梁間に掛け渡されるように設置される。
図1及び図2に示すように、リブ10は、鋼板が曲げ加工されることによって形成されている。リブ10は、鋼板の一方の面側に折り曲げられた湾曲部11と、湾曲部11に連続し、面方向が面部20に直交する方向に延在する直線部12と、直線部12に連続し、複数回にわたって湾曲されて折り返された折返部13と、折返部13に連続し、面方向が直線部12に沿うように延在する直線部14と、直線部14に連続し、面部20に向かって折り曲げられた湾曲部15とを有している。
湾曲部11と湾曲部15は、その曲げ半径Rが6mm程度となるように形成されている。このような構成とすることにより、ロール成形による曲げ加工が比較的容易で、湾曲部11,15との間に形成される窪みが必要以上に大きくなることによってコンクリートの無駄が発生することを防止することができる。
直線部12と直線部14は、互いの面同士が当接するように形成され、カシメ加工等によって連結されている。これによって、直線部12と直線部14とが離れないようになっている。
折返部13は、断面視略三角形状に形成されており、直線部12と直線部14とが当接するよう、始点と終点が隣接するように折り返されている。
直線部12と直線部14は、互いの面同士が当接するように形成され、カシメ加工等によって連結されている。これによって、直線部12と直線部14とが離れないようになっている。
折返部13は、断面視略三角形状に形成されており、直線部12と直線部14とが当接するよう、始点と終点が隣接するように折り返されている。
傾斜部16は、直線部12と直線部17との間に隙間を形成するためのものであり、この傾斜部16の存在により、直線部12と直線部17との間に形成された隙間を係止部30の受容部18として、後述するように、他のデッキプレート3の係止部30を挿入することができる。
面部20は、デッキプレート1において、主に、リブ10が形成されていない部分であり、打設されるコンクリートの荷重を受ける部分である。面部20は、リブ10を介して、デッキプレート1の幅方向W(以下、単に「幅方向W」という)において複数配置されている。すなわち、リブ10と面部20はデッキプレート1の幅方向Wにおいて交互に形成されている。各面部20は、略矩形状に形成され、同一平面上に配置されている。
なお、本実施の形態に係るデッキプレート1においては、3つのリブ10と3つの面部20とが形成されている。このように、リブ10と面部20とは、同数形成されていることが好ましい。特に、1つのデッキプレート1においては、リブ10と面部20とがそれぞれ1~3つずつ形成されていることが好ましい。
載置部23は、平坦部22よりも幅方向長さが大きくなるように形成されている。本実施の形態の構成においては、載置部23の幅方向長さは、他の面部20Aにおける2つの平坦部22と1つの突条部21の幅方向長さとを合わせた幅方向長さに相当する。すなわち、載置部23は、他の面部20Aにおける2つの平坦部22間の突条部21を平坦部22と同一面上に平坦化してなる構成に相当する。
係止部30は、デッキプレート1の幅方向Wにおける一端に形成されている。係止部30は、載置部23からほぼ直角に湾曲された鋼材の端部であり、リブ10の高さ方向に沿って延びるように形成されている。係止部30の高さhは、例えば10~25mmである。係止部30は、後述する他のデッキプレート3を接続する際に、他のデッキプレート3に形成された受容部18に挿入される。
なお、係止部30は必ずしも形成されている必要はない。例えば、打設したコンクリートが漏れないことを前提に、係止部30を形成することなく、面部同士の重ね合わせ、又は、溶接による接合、ビス等の締結具による連結であってもよい。
図1に示すように、エンドクローズ部40は、デッキプレート1の長手方向Lにおける両端部に形成されている。エンドクローズ部40は、リブ10の両端部がデッキプレート1の面に対して直角に潰されることによって形成されている。これにより、リブ10は、両端部のエンドクローズ部40が押し潰された断面に形成されており、エンドクローズ部40に挟まれた他の部分は断面視略三角形状に形成されている。このような構成により、リブ10の両端部は、平坦状に形成されているので、梁のフランジ部上面に載置可能となる。エンドクローズ部40は、リブ10の延在方向に沿った長さが梁のフランジ部上面に載置される長さよりも長くなるように形成されている。
図3及び図4を用いて、本実施の形態に係るデッキプレートの施工例について説明する。以下では、デッキプレート1の端部を梁2に載置する施工例と、デッキプレート1を他のデッキプレート3の端部に載置する施工例について説明する。
以下、本実施の形態に係るデッキプレートの断面性能の評価について説明する。以下では、(i)載置部を有するデッキプレートと他のデッキプレートに接続したデッキプレート接続体の断面性能と、当該接続体と同等の幅方向長さを有する接続部を有しない比較対象のデッキプレートの断面性能とを比較した評価例(評価例1)と、(ii)載置部を有するデッキプレートと他のデッキプレートに接続したデッキプレート接続体の断面性能と、載置部を有しないデッキプレートと他のデッキプレートに接続したデッキプレート接続体の断面性能とを比較した評価例(評価例2)について説明する。
図5を用いて、本評価例に係るデッキプレートの断面性能の評価について説明する。ここでは、載置部を有するデッキプレートと他のデッキプレートに接続したデッキプレート接続体の断面性能と、当該接続体と同等の幅方向長さを有する接続部を有しない比較対象のデッキプレートの断面性能とを比較することにより説明する。
次に、比較対象である接続部を有しないデッキプレート4の構成について説明する。図5(a)に示すように、上記デッキプレート接続体と同等の幅方向長さを有しており、接続部を有さず一体に形成された構成を有する。この接続体においては、面部20の幅方向長さW1が210mm、厚さが0.8mmであり、突条部21の幅方向長さ(幅)が25mm、深さが4mmである。また、突条部21は、各面部20において3つ形成されている。
なお、デッキプレート接続体は、比較対象のデッキプレート4と比較して、デッキプレート3の面部20Bにおける突条部21の個数(2つ)がデッキプレート4の面部20における突条部21の個数(3つ)と比較して少数である点が異なる。これにより、デッキプレート接続体における有効幅(デッキプレート1の有効幅とデッキプレート3の有効幅の和)が、比較対象のデッキプレート4の有効幅よりも小さくなる。一般に有効幅が小さくなればなるほど断面性能が低下する傾向にあるが、上記のようにデッキプレート接続体においては、突条部21を有しない載置部23を設けた面部20Bによりデッキプレート4よりも有効幅が小さくなるにもかかわらず、断面性能は略同等であった。これは、他方のデッキプレート3の係止部30が一方のデッキプレート1の受容部18に挿入され接続されることにより、当該接続部における断面性能が向上していることが要因の1つと考えられる。
本評価例では、載置部を有するデッキプレートと他のデッキプレートに接続したデッキプレート接続体の断面性能と、載置部を有しないデッキプレートと他のデッキプレートに接続したデッキプレート接続体の断面性能とを比較することにより説明する。
次に、比較対象である、載置部を有しないデッキプレートと他のデッキプレートに接続したデッキプレート接続体の構成について説明する。この接続体では、一方のデッキプレートにおいて、一端側に位置する面部が他の面部と同様に突条部を3つ有する構成である。また、この接続体では、一方のデッキプレートの幅方向における端縁側に設けられる係止部30が他のデッキプレート3の受容部18に挿入された状態において、一方のデッキプレートの突条部の一部が他のデッキプレート3上に干渉する姿勢で、一方のデッキプレートが他方のデッキプレート上に載置・接続される。
上記のように、本実施の形態に係る載置部を設けたデッキプレートを採用したデッキプレート接続体においては、載置部を有しないデッキプレートを採用したデッキプレート接続体と比較して、断面性能が低くなるが、その差は断面二次モーメントにおいて約3%、断面係数において約1%程度であった。
また、上記実施の形態に係るデッキプレート1によれば、載置部23は、一端側に位置する面部において、幅方向における最も外側に位置する突条部21から幅方向の端縁側に延びるように形成されているので、デッキプレート1の幅方向における端部を梁2や他のデッキプレート3上に安定した状態で載置させることができる。
また、上記実施の形態に係るデッキプレート1によれば、載置部23は、幅方向における一端側に位置する面部20Bの幅方向長さW1に対して、15~60%の幅方向長さW2を有しているので、デッキプレート1の端部を梁2や他のデッキプレート3の端部上に載置する際に、突条部21が梁2やデッキプレート3と干渉することを防止することができるとともに、デッキプレートの断面性能を十分に担保することができる。
また、上記実施の形態に係るデッキプレート1によれば、載置部23は、記幅方向における一端側に位置する面部20Bの幅方向長さW1に対して、20~55%の幅方向長さW2を有しているので、上記効果をより向上させることができる。
また、上記実施の形態に係るデッキプレート1によれば、幅方向における一端側に位置する面部は、2つ以下の突条部を有しているので、十分な幅方向長さを有する載置部23を確保することができ、デッキプレート1の幅方向における端部を梁2や他のデッキプレート3上により安定した状態で載置させることができる。
また、上記実施の形態に係るデッキプレート1によれば、載置部23は、載置部23の一面側に長手方向に間隔をあけて形成されるエンボスを有しているので、載置部23の強度を担保することができるとともに、デッキプレート1の製造時に生じうる歪み等を逃がす(緩和する)ことができる。
また、上記実施の形態においては、デッキプレート1を他のデッキプレート3に載置する際に、一方のデッキプレート1の係止部30が他方のデッキプレート3の受容部18に挿入される構成を示したが、これに限られない。例えば、一方のデッキプレート1の係止部30が切除された状態において、一方のデッキプレート1の載置部23が他方のデッキプレート3の端部上に載置される構成にも適用される。
また、上記実施の形態においては、デッキプレート1が梁2や他のデッキプレート3に載置される構成について説明したが、施工現場における他の部材に載置される構成にも適用される。
また、上記実施の形態においては、デッキプレート1の各構成部材について寸法を例示したが、各構成部材の寸法がこれに限定されず、各種サイズのデッキプレートを採用することができる。
10 リブ
11 湾曲部
12 直線部
13 折返部
14 直線部
15 湾曲部
16 傾斜部
17 直線部
18 受容部
20 面部
21 突条部
22 平坦部
23 載置部
23a エンボス
30 係止部
40 エンドクローズ部
2 梁
3 デッキプレート
4 デッキプレート
Claims (7)
- 面部とリブとが幅方向において交互に連続して形成されたデッキプレートであって、
前記面部は、平坦部と、該平坦部の一面側から長手方向に沿って突出する突条部とを有し、
幅方向における一端側に位置する面部は、前記突条部を有しない又は他の面部よりも少数の突条部を有するとともに、前記平坦部よりも幅方向長さが大きい平坦状の載置部を有する
ことを特徴とするデッキプレート。 - 前記載置部は、前記一端側に位置する面部において、幅方向における最も外側に位置する突条部から幅方向の端縁側に延びるように形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のデッキプレート。 - 前記載置部は、前記幅方向における一端側に位置する面部の幅方向長さに対して、15~60%の幅方向長さを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のデッキプレート。
- 前記載置部は、前記幅方向における一端側に位置する面部の幅方向長さに対して、20~55%の幅方向長さを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のデッキプレート。
- 前記幅方向における一端側に位置する面部は、2つ以下の突条部を有することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のデッキプレート。
- 前記載置部は、該載置部の一面側に長手方向に間隔をあけて形成されるエンボスを有することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のデッキプレート。
- 前記載置部は、梁や他のデッキプレートの端部上に載置されることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のデッキプレート。
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