JP7324176B2 - 足場ユニット及び構造体の設置工法 - Google Patents

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Description

本発明は壁体の内部空間に構造体を設置する際に用いる足場ユニット及び構造体の設置工法に関する。
壁体と頂版に囲まれた内部空間に燃料タンクや電気機器等の構造体を設置する工事が行われている。構造体のサイズが大きく、大重量である場合には壁体と頂版(天井)を完成した後に構造体を設置することが難しくなる。そのため、壁体上部に頂版を施工し建物全体を完成させる前に、大物揚重機により構造体を吊り上げ壁体の内部空間に搬入し、所望の位置に構造体を設置する工法が一般的に採用されている。
特許文献1では原子力発電などのプラント建設に適したモジュール工法が示されている。壁体の内部空間に構造体を設置し配管を接続し、その他の付属機器を設置した後に、頂版を施工する設置工法が具体的に示されている。その際、頂版を施工するためには壁体上部での高所作業が必須となる。そのため内部空間の床面から天井作業用の第2の足場をあらためて構築し壁面に沿って設けている。
その設置工法の作業フロー図を図3に示す。ステップ1で躯体の一部となる壁体を打設し脱型する。ステップ2で壁体工事用の足場を全て解体する。ステップ3で壁体の内部に囲まれた空間に設備機器を搬入し設置する。ステップ4で内部空間の床面から第2の足場を立ち上げ組み立てる。最後にステップ5で第2の足場を利用して躯体の一部となる頂版の施工を行う。全体としてステップ1~ステップ5によって頂版の施工を完了させるものである。
次に、特許文献2には、コンクリート製の壁体の構築に際し、鉛直方向に多数設置した型鋼材に取り付けるための足場板支持フレームが示されている。型鋼材に取り付ける水平支持ブラケットに水平梁部材を取り付ける。また、傾斜支持ブラケットに傾斜梁部材を取り付け、全体が三角形状のフレームを構築し足場板を水平梁部材の上に置き使用するものである。この構成により、足場板支持フレームを壁体の型鋼材から着脱することが自在となり、足場板支持フレームの取付けと解体の手間がかからないことが示されている。
特開2012-207430公報 特開平11-50653公報
上記の従来技術に従って、壁体に四方を取り囲まれた内部空間に構造体を設置しようとすると、足場の組立に必要となる空間が存在することが前提となる。また、一旦、床面から立ち上げ組立し使用した後の足場の解体に相当の工数が必要となる。そのため、設置工事の度に足場の仮設作業と解体作業が発生する。構造体の設置工事の全体工数を評価した場合、作業損失が大きいという問題を潜在的に抱えていた。
また、壁体の内部空間に設置する構造体と壁体との間の自由空間が十分大きければ、床面から立ち上げる足場を所望の高さまで構築することができる。しかし、構造体や建物全体の仕様によっては内部空間に対する構造体のサイズが相対的に大きくなり、仮設の足場を組むための空間が制約される。足場の脚部を置く空間が十分でなく、また間隙方向に作業者一名がどうにか作業できる程度の狭隘な間隔しか残っていないこともある。
つまり、壁体と構造体との間隔が狭くなると、足場を構築すること自体がそもそも難しくなる。仮に、狭隘な空間に通路幅が狭い足場を無理に設置したとしても、足場を構築する中間工程や、作業完了後の足場の解体作業時に、作業スペースが十分でないこと等から問題がおこりやすい。例えば、構造体や内部空間に設置されている他の付属機器を、工事資材や工具で汚染し損傷させてしまう可能性がある。
このように、壁体と構造体との間の狭い空間に足場を構築することが必要となる事例が生じていた。また、壁体の工事後に仮設の足場を使用し頂版を施工する際、全体の工程を円滑に実施し、工数を低減できるかどうかも内在する問題となっていた。
このように狭隘な内部空間に、使いやすい足場を構築し使用できるようにすることが新たな問題となっていた。本発明の目的は、壁体と構造体との間の内部空間が狭い場合であっても実際に使用できる足場ユニットを提供する。さらに、構造体の設置と頂版の施工、及び全体の工程を円滑に進めることができる構造体の設置工法を提供することである。
本発明は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、壁体と構造体の間に配置される足場板を支持するための足場ユニットであって、前記壁体に半固定または固定可能とされる基端部と、前記基端部から連接され前記足場板を支持する板支持部と、前記板支持部の端部に設けられ前記構造体と部材を介して接触されるか、または直接接触される被支持部と、前記被支持部が前記壁体に近い位置に配置される第1姿勢と、前記被支持部が前記第1姿勢よりも前記構造体に近い位置に配置される第2姿勢との間で、姿勢変更を可逆的に可能とする姿勢変更機構と、を備え、前記第2姿勢のときに、前記被支持部が前記構造体によって支持され、前記板支持部が前記被支持部と前記基端部とによって両持ち支持される、ことを特徴とする。
構造体と壁体との間隔が狭隘で、床から足場を組み上げることが困難な作業現場においても実際に使用できる足場を確保することができる。そして、壁体に取り囲まれた内部空間に構造体を搬入する際、構造体に足場ユニットが干渉しないようにすることができる。また、構造体の搬入後に、足場ユニットを格納状態の第1姿勢から使用状態の第2姿勢に容易に変更できるので、全工程における所要工数を飛躍的に低減することができる。
本発明の足場ユニットの一構成例の第2姿勢を示す側面図。 本発明の設置工法の作業フロー図。 従来技術の設置工法の作業フロー図。 本発明の折り畳み型の足場ユニット(実施例1)の組立構成と姿勢変化の様子を示す説明図。 本発明の足場ユニットの一構成例における第1姿勢を示す側面図。 本発明の足場ユニットの一構成例における第1姿勢と第2姿勢の両方を示す側面図。 本発明の構造体の設置工法の一構成例における作業工程の変化を示す平面図。 本発明の引っ掛け型の足場ユニット(実施例2)の構成を示す説明図。 本発明の設置工法(実施例3)の構成を示す模式図。 本発明の設置工法(実施例4)の構成を示す模式図。 本発明の伸縮型の足場ユニット(実施例5)の姿勢変化の説明図。 本発明の足場ユニットの変形例1を示す平面図。 本発明の足場ユニットの変形例2を示す平面図。 本発明の足場ユニットの変形例3を示す平面図。 本発明の足場ユニットの変形例4を示す平面図。
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について説明する。以下に述べる実施例は実施の具体例であり、発明の内容を例示した具体的態様に限定することを意図する趣旨ではない。発明自体は、特許請求の範囲に記載された内容に即して種々の態様で実施することが可能である。
[実施形態]
本実施形態における構造体とは、例えば、軽油等の燃料を収容する大型タンクや大型の熱交換器、汚水や排水を収容する大型タンク、その他の大型の設備機器があげられる。また、壁体によって周囲を囲まれた内部空間にはその他の付属機器、例えばポンプや多くの配管が設置される。
図1は、壁体401に囲まれた内部空間に軽油を収容する大型のタンク301を設置した状態を示している。タンク301と壁体401との間には狭隘な間隔801が残されている。タンク301と壁体401との間の上側に、足場ユニット101を水平方向に展開し配置している。これが足場ユニット101の第2姿勢である。また壁体401の上部には縦筋402が工事途中の状態で上方に突出している。
足場ユニット101は、タンク301の搬入に先立って壁体401の壁面に予め取り付けておく(図5を参照)。内部空間にタンク301等の構造体を搬入できるように足場ユニット101を上方の壁体401に沿った位置に格納する。タンク301と干渉を起こし得る全ての足場ユニット101を格納状態の第1姿勢101-Qの状態に配置する。その後、タンク301を内部空間800へ搬入する(図7を参照)。タンク301を内部空間800の床面に設置し必要な工事を終えた後、第1姿勢101-Qの格納状態で上方に折り畳んでおいた足場ユニット101を、水平方向に展開した第2姿勢101-Sに姿勢変更する(図6を参照)。
足場ユニット101の第2姿勢101-Sにおける各部の配置構成と機能を以下に説明する。足場ユニット101は大きく分けて、基端部40、板支持部30、及び被支持部20を備えている。本実施の形態において基端部40は固定体101dが相当し、支点となる折り畳み軸101gを介して足場ユニット101の荷重の一部を支持している。板支持部30は第2姿勢101-Sの状態において、専ら足場板201を下方から物理的に支持する。
作業者(図示を省略)が足場板201の上で工事作業に従事できるようにするものである。固定体101dは足場ユニット101の一端を壁体401に固定するための機構部品である。但し、足場ユニット101を第2姿勢101-Sに水平展開した後、配置スペースがあれば足場板201を固定体101dの上にさらに配置してもよい。
足場ユニット101は、壁体401に予め埋め込まれた埋込金物501に固定体101dの端部が溶接され固定されている。板支持体101cは固定体101dに取り付けられている折り畳み軸101gによって回動可能に支持されている。板支持体101cは、固定体101dに対して略水平方向から上方に約90度、折り畳み軸101gの回りに回動可能となっている。このように足場ユニット101は鉛直面内で約90度の折り畳み動作が可能となっている。
板支持体101cの断面は四角筒状の形状であり上部に足場板201を載置する。また、板支持体101cは先端側で半固定伸縮体101bと連接されている。半固定伸縮体101bは板支持体101cの内部空洞に摺動可能となっている。半固定伸縮体101bも所定の重量を支えることができるように剛性のある材料で構成されている。固定ネジ101fで板支持体101cの両外側から、内側に収納されている半固定伸縮体101bの外側部分を締め付ける。
このように固定ネジ101fの締め付け力によって板支持体101cと半固定伸縮体101bとの相互の位置を固定し、一体となって板支持部30として機能する。
半固定伸縮体101bの先端側には回動体101hが回動軸101kに取り付けられ、半固定伸縮体101bのコの字状に加工された先端部によって両側から挟持されている。回動体101hは被支持板101iと連続的に繋がっている。半固定伸縮体101bの先端に置いた回動軸101kを中心として回動体101hは回動可能となっている。回動体101hを固定するための回動固定ネジ101jは上記の固定ネジ101fの場合と同様に、回動体101hを半固定伸縮体101bの両外側から締め付けて回動体101hの位置を固定することができる。このように回動軸101kと固定ネジ101fは角度調整機構として機能する。
回動体101h、被支持板101i、接触体101aは機構的には一体となって被支持部20として機能する。被支持部20は足場ユニット101の荷重の一部をタンク301の外表面に伝え、被支持部20と基端部40とによって板支持部30が両持ち支持される。
この足場ユニット101の第2姿勢101-Sの状態において、回動体101hに繋がっている被支持板101iの外側に付けられた接触体101aは、タンク301の外表面と直接接触するか、または部材を介して接触する。本例において、接触体101aは柔らかい素材であることが好ましい。但し、被支持板101iの材料や荷重条件等によっては、接触体101aを設けずに、被支持板101iをタンク301の外表面に直接接触させることができる場合もある。
足場ユニット101を水平方向に展開しタンク301の外表面に接触体101aを接触させる際、最適な条件で接触するよう回動軸101kの回りに回動体101hを回動し予め位置を調整する。
本実施の形態では、足場ユニット101の被支持板101iの外側の接触体101aをタンク301の外表面に接触させている。接触体101aは水平面に対してタンク301の外表面と接触角度θ(図6参照)でほぼ接している。接触角度θの大体の範囲は-5度から50度である。好ましくは、接触角度θの範囲は0度~30度である。より好ましくは0度から20度の範囲である。
タンク301は横置型円筒形状が多いが、その他に断面が角型形状や半円筒状、球状のものなどがある。例えば、断面が円形状であるタンク301の最上部(頂部)で被支持部20を接触させることができれば、接触角度θをほぼ0度に設定することができる。また、タンク301の外形が角型であれば、その平坦な上面に被支持部20を接触させることが容易である。接触角度θがマイナスとは、板支持部30の長さが長く、水平方向に頂部を超えた位置で、被支持板101iがタンク301の外表面に接するような場合である(図10を参照)。内部空間により大面積の足場板201を設置しようとした場合、より長目の足場ユニット101が必要となるからである。
足場ユニット101の被支持板101iの接触体101aをタンク301の外表面に接触させ使用状態とする際、タンク301の外表面が曲面形状である場合には被支持板101iを同様の曲面形状、具体的には小さな湾曲面に加工しておくことが好ましい。
または、被支持板101iの形状をタンク301の平均的な曲面形状に合わせて使用することもできる。接触体101aには接触時の把持性と損傷防止の観点から柔軟性のある素材を用いることが好ましい。具体的にはゴムを被支持板101iに貼り付けて用いることが好ましい。均一厚みのゴムを用いる場合、湾曲状に加工した金属製の被支持板101iの表面形状に倣うことでタンク301の外表面になじみ易いので好ましい。
あるいは、ゴム自体の表面形状をタンク301の外表面形状に合わせて加工すること、またはゴムの表面をエンボス加工し微小凹凸を設けることもできる。何れも被支持部20のタンク301の外表面に対する把持性を改善できるので好ましい。
このような配置構成をとることにより、足場ユニット101はタンク301側の端部と壁体401側の端部の両側で荷重が分担され、ほぼ水平方向に安定に保持される。被支持板101i側と基端部40側とでの荷重の分担比は、例えば20/80~80/20である。好ましくは、タンク301に荷重を負担させない分担比に設定することが好ましい。例えば、30/70~45/55である。そして、足場ユニット101を水平展開し第2姿勢101-Sの状態に置き、壁体401の壁面に沿って多数設置する。
第2姿勢101-Sの状態に置いた足場ユニット101の一つから、隣接する足場ユニット101に、さらにその隣の足場ユニット101の上側に必要数の足場板201を複数並べて敷設する。なお、本例の足場ユニット101は、最初の仮設段階において、タンク301の存在なしに、基端部40側からの支持だけで足場板201を仮設置することができる構造を有していることがより好ましい(図7のT-1を参照)。勿論、足場板201の設置をタンク301の導入後に行ってもよい。
足場板201は結束線等で足場ユニット101と緊結し固定する。また、足場板201に設けてある多数の穴や足場板201の隙間に結束線を通して相互に結束することもできる。足場板201は木製材料でもよいし、格子のある金属材料のものでもよい。足場ユニット101の主たる構造部材には剛性のある鋼材を用いる。例えば、鋼、ステンレス(SUS304)、アルミニウム合金を適用でき、より軽量で耐久性のある炭素複合材料を用いることもできる。
引っ掛け部101eは足場ユニット101を第1姿勢101-Qに置いた場合に、壁体401の上方で、足場ユニット101を固定するための1材を留めるためのものである。
このようにして足場ユニット101を足場の一部として使用し得る格納状態に設定する。作業者(図示を省略)は本設置後に、足場板201の上に乗り、頂版の施工やタンク301の上部空間での配管作業、部品取付け等の高所作業を行うことができる。
次に図2に本発明の設置工法の作業フロー図を示す。まずステップ1で壁体となるコンクリートを打設した後の脱型作業を完了する。ステップ2で壁体工事用の足場の上部を解体する。本発明に係る足場ユニット101を仮設するための空間を確保するためである。ステップ3で上部作業を実施するための足場ユニット101を組立て、被支持部20を折り畳み軸の回りに約90度折り畳み、被支持部と板支持部とが壁体401に近い側に位置した第1姿勢101-Qの状態に置く(図6を参照)。
次にステップ4で壁体工事用の足場の残りを解体する。ステップ5で、壁体401に取り囲まれた内部空間にタンク301等の構造体を搬入し設置する(図7を参照)。ステップ6で先行して設置した足場ユニット101を第1姿勢101-Qから足場を使用し得る第2姿勢101-Sに姿勢変更し、被支持部20と板支持部30とを水平方向に展開し足場板201を順次設置する。複数の足場板201を並列に設置し足場ユニット101と結束線で固定する。このようにして高所作業のための足場を設定する。最後にステップ7で頂版の施工を行う。
このように本発明の足場ユニット101は、足場を使用する第2姿勢101-Sと足場を壁体401に近い位置に配置し格納する第1姿勢101-Qとを可逆的にとることができる。そのため、タンク301等の構造体を内部空間へ搬入する際に構造体が足場ユニット101と機械的に干渉することを確実に防止することができる。また、足場ユニット101の姿勢変更を容易に実施できるので、足場を準備する工程が簡便となり足場の準備作業を短い所要工数で完了させることができる。
このように、上記の姿勢変更機構が板支持部30を壁体401に沿った位置に折り畳むことができる回動機構を含む折り畳み機構であることが好ましい。また、被支持部20が板支持部30に対して回動可能とする角度調整機構を備えていることが好ましい。
また、本発明は上記の足場ユニットを利用する構造体の設置工法を提供する。すなわち、壁体401によって周囲を取り囲まれた空間内にタンク301を搬入する工程と、壁体401の上側に頂版を設置する工程と、空間内で作業するための足場を設置する工程と、壁体401に半固定または固定可能とされる基端部40と、基端部40から連接され足場板201を支持する板支持部30と、板支持部30の端部に設けられタンク301と部材を介して接触されるか、または直接接触される被支持部20と、板支持部30が壁体401に近い位置に配置される第1姿勢101-Qと、被支持部20が第1姿勢101-Qよりもタンク301に近い位置に配置される第2姿勢101-Sとの間で姿勢変更を可逆的に可能とする姿勢変更機構と、を備え、第2姿勢101-Sのときに、被支持部20がタンク301によって支持され、板支持部30が被支持部20と基端部40とによって両持ち支持される足場ユニット101の基端部40を壁体401に半固定または固定する工程と、姿勢変更機構を第1姿勢101-Qに設定し、被支持部20を壁体401に近い位置に配置する工程と、タンク301を空間内に搬入する工程と、姿勢変更機構を第2姿勢101-Sに設定し、被支持部20をタンク301に部材を介して接触させるか、または直接接触させることで板支持部30を被支持部20と基端部40とによって両持ち支持された状態に配置する工程、を含むことを特徴とする設置工法である。
また、本発明は、上記の部材が表面保護材であることが好ましい。本実施の形態の設置工法は、上述した従来例の5つのステップ数に比べてステップ数が2つ増えている。しかし、本実施の形態の設置工法において、壁体401の打設と脱型から最後の頂版の施工までの所要工数を大幅に低減できることが重要な利点である。
なぜなら、本実施の形態の足場ユニットを用いることで作業工程の途中における足場の立ち上げと構築に要する工数を飛躍的に抑制できるからである。次の表1に、ある設置工事を想定した場合における従来技術と本発明の所要工数(日数・時間)の内訳を対比して示す。この表1の事例によれば、本発明は従来技術の80%程度の所要工数で所定作業を完了することができる。
Figure 0007324176000001
図4は、折り畳み型の足場ユニット101の一構成例を示す説明図である。図4(a)は足場ユニット101全体の側面図であり内部に収納された部分構造の関係を示している。先端側にある被支持板101iは足場ユニット101の荷重の一部をタンク301等の構造体の外表面に荷重の一部を預けるための剛性を持つ金属製の板材である(図1を参照)。その際、接触するタンク301の外表面を損傷させないよう、被支持板101iの接触面側に接触体101aをさらに設け、その素材をゴム等のクッション材とすることが特に好ましい。
また、接触体101aと接触させようとする構造体の外表面とのなす角度に合わせ、接触体101aのなす接触面の角度を回動軸101kで予め調整することが好ましい。回動体101hの位置を半固定伸縮体101bの両外側からそれぞれ回動固定ネジ101jで固定し、その状態に設定した上で足場ユニット101を第1姿勢101-Qに姿勢変更し壁体401に沿った位置に格納にしておくことが好ましい。構造体の搬入後、足場ユニット101を第2姿勢101-Sに姿勢変更すれば、すぐに足場を使用できるからである。本例においても、回動体101h、被支持板101i及び接触体101aが被支持部20を構成する。
次に、半固定伸縮体101bは、断面が四角筒状で固定体側から鉛直面内で約90度の折り畳みが可能となる板支持体101cの内部に挿入される。半固定伸縮体101bと板支持体101cの断面形状は四角形以外に円筒状や楕円状でもよい。加工の容易さの観点では同じような断面形状であることが好ましい。
板支持体101cと回動体101h、接触体101a及び被支持板101iは一体となって折り畳み軸101gの回りに回動することができる。足場板201を使用する水平状態の第2姿勢101-S(図4(a))の状態から、被支持板101iから板支持体101cは鉛直方向にほぼ90度回転して上方に折り畳まれ、ほぼ垂直となる位置まで移動させることができる。この状態が足場ユニット101の第1姿勢101-Qである(図4(b))。
被支持板101iと回動体101hを先端に取り付けた半固定伸縮体101bは断面が四角筒状(半固定伸縮体101bの外形形状を示す図4(c)と断面を示す図4(g)を参照)である。同様に断面が四角筒状である板支持体101cの内部に収納できるようになっている(板支持体101cの外形形状を示す図4(d)と断面を示す図4(h)を参照)。
さらに、板支持体101cは同様に断面が四角筒状になっている固定体101dの内部に収容され得る(固定体101dの外形形状を示す図4(e)と断面を示す図4(i)を参照)。その際、板支持体101cの固定体101d側の端部が折り畳み軸101gの回りを回転動作できることが必要である。そのため断面が四角筒形状の固定体101dの上面の一部に切り欠き部101dxを設けている(固定体101dの外形形状を示す図4(e)、断面を示す図4(i)、上面を示す図4(f)を参照)。
また、板支持体101cが水平面を超えて下方に余計に回転しないよう、板支持体101cと固定体101dとが接触し回転動作が制限される構造を有している。次に図5、図6を参照しながら、本発明の折り畳み型の足場ユニット101の動作機構について説明する。
図5は本発明に係る足場ユニット101を壁体401に近い位置に配置した格納状態を示している。これが足場ユニット101の第1姿勢101-Qである。足場ユニット101を水平方向の第2姿勢101-Sの状態で一旦仮設し、足場板201を足場ユニット101の板支持体101cの上に載置する。足場板201を結束線で結束し足場ユニット101に固定する。足場の仮設が完了した後、引っ掛け部101eに固定用ロープ701を通して、壁体401の上方から作業者(図示を省略)が手作業で引き上げる。
そして、接触体101aから板支持体101cがほぼ一体となって壁体401の上方に沿って折り畳まれる。足場ユニット101は、その引っ掛け部101eに通した固定用ロープ701を壁体401の上部に出ている縦筋402に掛けて縛って固定する。この第1姿勢101-Qにおいて足場板201は足場ユニット101に固定されたまま、ほぼ垂直に位置する状態になっている。
また、本例の足場ユニット101を、水平方向に所定の間隔で、または所望の配置位置に必要台数を配置する(図7を参照)。なお、埋込金物501に対して足場ユニット101の固定体101dを壁体401に固定する際、壁体工事用足場601を利用して作業を実施する(図6を参照)。そのため、埋込金物501の設置間隔と床面からの高さは、壁体工事用足場601と干渉が生じないように、壁面における高さと隣接間隔等を検討し、位置を決定することが好ましい。
次に図6を参照しながら足場ユニット101の姿勢変更の機構を説明する。本図に示す壁体工事用足場601の一部を上層部側から徐々に解体していき、本発明に係る足場ユニット101を設置するために必要となる作業空間を確保する。壁体工事用足場601は支柱、門型支柱、連結材(ジョイント)、補強材、ジャッキ、脚部、足場板、筋交、階段材などの部品を組み合わせて構築することが一般的である。その不要となった階層を最上部側から、またはブロック単位で徐々に解体していけばよい。
本発明に係る足場ユニット101を平面内でどのような位置に配置するかを予め検討し、計画した位置に相当する壁体工事用足場601をブロック単位で解体することもできる。また、本図では頂版の施工やタンク301の上部作業をするための足場ユニット101の姿勢変更の様子を示している。
つまり、足場ユニット101は壁体401に近い第1姿勢101-Qから、略水平方向に置かれた第2姿勢101-Sに可逆的に移動できる。作業者(図示を省略)は第1姿勢101-Qの足場ユニット101の引っ掛け部101eに繋がっている固定用ロープ701を縦筋402から外し保持しておく。次に作業者は固定用ロープ701を徐々に緩めて足場ユニット101を水平方向になるように折り畳み軸101gを中心にして足場ユニット101を水平位置に降していく。
足場ユニット101の接触体101aがタンク301の外表面に直接接した状態で降下作業を終えることになる。そのため予め回動固定ネジ101jと固定ネジ101fを適切に調整しておくことが好ましい。接触後は回動固定ネジ101jを緩め位置を再調整することができる。
次に図7は足場ユニット101の組立の作業の流れを説明する模式的な平面図である。壁体401に四方を取り囲まれた内部空間800に足場ユニット101を仮設し所定の状態になるよう順次作業を進める様子を、平面内の内部空間800を4つのブロックに分けて作業工程の変化を示している。タンク301は横置型円筒形状のタンクである。
[作業工程T-1]
壁体401の内面側の表面に埋め込まれた埋込金物501(図1を参照)に対して、足場ユニット101の固定体101d(図1参照)を溶接によって固定するか、または後述する支持引っ掛け部101X(図8参照)により半固定する。半固定伸縮体101bをタンク301との距離を考慮し、所定の長さに調整して固定ネジ101fで締付する。同様にタンク301の外表面と接触体101aが接触する場合の角度を考慮し接触体101aの角度を調整して回動固定ネジ101jで固定する。このようにして第2姿勢101-Sに置いた足場ユニット101を水平方向に複数台並べて配置する。
[作業工程T-2]
折り畳み型の足場ユニット101の板支持部30(図1を参照)を水平方向に展開し第2姿勢101-Sの状態に置き、板支持部30の上部に足場板201を適当な枚数、並べて配置していく(図1参照)。床面から高さ6m程度までであれば脚立で足場板201の仮設作業を実施することもできる。
設置しようとするタンク301との接触の可能性と、折り畳み時の干渉を考慮し、適切な位置に必要となる枚数の足場板201を敷設する。最後に足場板201を結束線等にて足場ユニット101と固定する。また、足場板201には固定用の穴が複数設けてあるので足場板201を相互に結束することもできる。足場板201は半固定伸縮体101bの上部に一部が掛かるか接触体101aの位置まで延伸して配置することもできる。この折り畳み型に対して、足場ユニット101の基端部40に支持引っ掛け部101Xを備える態様の場合は、足場板201は後の作業工程で敷設することになる。
[作業工程T-3]
接触体101aと回動体101hと板支持部30と足場板201とがほぼ一体状態のままで壁体401の上方に沿った垂直方向に折り畳んでいる(図5を参照)。そして、固定用ロープ(図示を省略)で壁体401の打設面から突出している縦筋402に縛って足場ユニット101をしっかり固定する。
この状態が足場ユニット101の第1姿勢101-Qであり格納状態に相当する。次に、全ての足場ユニットが第1姿勢101-Q、すなわち格納状態に配置した後に、壁体401の内部空間800にタンク301を搬入する。
[作業工程T-4]
タンク301を内部空間800に搬入した後、固定用ロープ701を徐々に緩め全ての足場ユニット101を水平方向に展開し(図1を参照)、接触体101aをタンク301の外表面に直接接触させるか、または部材を介して接触させる。引っ掛け型の足場ユニット101の場合は、必要となる足場板201をこの作業工程において配置する。このようにして足場ユニット101の設置を完了することができる。以上の作業工程の後、足場板201の補充や巾木や手摺等の追加設置を行って足場ユニット101の本設定を完了する。
本例において、頂版の設置工事を完了した後、不要となった足場ユニット101はその固定部分を溶断し、壁体401から分離し埋込金物501はそのまま壁体401の内部に残存させる。足場ユニット101を再利用するためである。また、タンク301が軽油等を収容する燃料タンクである場合、内部空間800に乾燥砂を充填しておくことが一般的である。
図8は足場ユニット101の壁体401側の端部に設けた支持引っ掛け部101Xを用いる実施例の説明図である。上記の折り畳み軸101gを有する実施例1とは異なり、本例の足場ユニット101はL字状の支持引っ掛け部101Xを基端部側に備えている。この支持引っ掛け部101Xを壁体401に予め設けた埋込金物502に接続し、足場ユニット101の姿勢を簡単に変更することができる。
埋込金物502は埋込金具53、埋込ボルト52、及び引っ掛け受け部51を備えている(図8(a)の部分拡大図を参照)。足場ユニット101の支持引っ掛け部101Xを引っ掛け受け部51に引っ掛けて、基端部40を壁体401に半固定の状態で接続する。このように本例の足場ユニット101も全体として基端部40、板支持部30、及び被支持部20を備えている。
また、図8(b)は、3か所のタップ孔を用いた半固定伸縮体101bを有する足場ユニット101の組立状態を示す。この実施例では固定ピン101fxを半固定伸縮体101bの3か所のタップ孔の何れかに差し込んで水平方向における相互の位置を固定することができる。また、伸縮機構を全く持たない長さ固定型の足場ユニット101の側面図を図8(c)に示す。
接触体101a、被支持板101i、板支持体101cの基本的な機能は上述した実施例のものと同様である。図8(c)の例では実施例1の回動体101hがなく、足場ユニット101の構造体への接触は予め設計した、水平方向の位置と所定の接触角度で接触することになる。図8に示す第2の引っ掛け部101e2は固定用ロープを通すための穴部の断面が円形状となっている。
また、これらの構成例のように、支持引っ掛け部101Xを用いる場合、頂版の工事後に足場ユニット101を壁体401から取り外す作業が極めて容易となる。なぜなら、実施例1のような足場ユニット101の固定体101dと壁体401とを溶断分離する作業が不要となるので作業工程の簡略化、あるは所要工数の短縮に役立つからである。
図9は軽油等の燃料を収容するタンク301を壁体401に取り囲まれた内部空間800の底部に設置した様子を示す模式図である。直径がφであるタンク301の壁体401までの水平面内の最小間隙が間隔SPである。本例では横置型円筒形状のタンク301の両側の空間が同じサイズとなっている。タンク301の上部には注入口や取り出し口が設けられている。タンク301を支える台座と基礎が設けられている。
床面から埋込金物までの距離がL、埋込金物から第1姿勢(格納状態)にある足場ユニット101の最上部までの距離がLである。足場を使用する状態である第2姿勢101-Sに配置した足場ユニット101の壁面から足場板201の最先端までの距離がLである。タンク301の直径φが決まると他の構造部材の寸法を凡そ決めることができる。直径φが4m~10m程度であれば、Lを3m~12m程度、LとLを2.5m~6m程度に設定すればよい。
本例の足場ユニット101は壁体401側の固定体101dの端部にヒンジ機構を設けて上下方向に折り畳むことができる構成を備えている。このヒンジ機構によって第2姿勢101-Sと第1姿勢101-Qとの間で姿勢変更をすることができる。
足場ユニット101の本設置を終え、完成した足場を利用して作業者10aが頂版や上部空間の作業に従事することができる。頂版の工事は従来から知られている在来工法やデッキプレート工法を用いる。その際、本発明に係る足場ユニット101の姿勢変更を担当する補助作業者10bは壁体401の上部で作業を行うようにすればよい。
図10は本発明の設置工法の一作業工程における態様を示す模式図である。本例では、タンク301の外表面の上部に表面保護材901としてゴム膜を予め敷設しておき、その上に第2姿勢101-Sの足場ユニット101の被支持部20を接触させる。板支持部30は被支持部20と基端部40とによって両持ち支持されている。
足場板201が足場ユニット101の上部に置かれている。本例においては表面保護材901を追加して配置しているのでタンク301の外殻をなす鋼板や塗覆装をより確実に保護し養生できるので好ましい。本例の場合、表面保護材としてゴム膜をタンク301の外表面に予め敷設しておくので、被支持部20からゴム膜等を用いた接触体を省略し被支持板101iを直接接触させることができる場合がある。
図11(a)は、足場ユニット101の板支持部30(図1を参照)が複数段で構成され、かつ横方向に摺動し得る伸縮機構を備えた足場ユニット101を示す説明図である。本例では板支持部30が第1段の板支持体101c1、第2段の板支持体101c2及び第3段の板支持体101c3の3段構成で水平方向に伸縮可能となっている。半固定伸縮体101bは板支持体101c1から被支持板101iまでの長さを調整することができる出代変更機構として機能し得る。
予め、半固定伸縮体101bの出代を調整した上で、第1段の板支持体101c1に第1固定ネジ101f1で固定する。固定後は、半固定伸縮体101bは第1段の板支持体101c1と実体的に一体となって足場板201を支持する(図1を参照)。このように、半固定伸縮体101bは姿勢変更の際の水平方向の位置決めをする機能を備えている。つまり、足場ユニット101を第2姿勢101-Sに置く場合、その水平方向における長さを微調整するのに役立っている。
本例では、接触体101a、被支持板101i、回動体101hを含む被支持部20から第3段の板支持体101c3までを、水平方向に順次繰り出しタンク301に近い位置に接触体101aを延伸させる。本例の足場ユニット101は、その第1段の板支持体101c1から第3段の板支持体101c3までを繰り出した状態を第2姿勢101-Sとして用いる。
固定体101dから板支持部30までの全体を伸ばした場合と縮めた場合に、第1固定ネジ101f1、第2固定ネジ101f2及び第3固定ネジ101f3で両外側から内側にある構造部材の表面を締め付け動かないよう相互に位置を固定することができる。固定体101dに取り付けられている上下回動軸101g2は、第3段の板支持体101c3を水平面から上方向(鉛直面内)に10度から20度程度、回動可能とさせるものである。
なぜなら、足場ユニット101を第2姿勢101-Sの状態に姿勢変更する際、先端側の被支持部20が構造体と干渉しないように若干上方への姿勢変更(回避姿勢)を可能とするためである。
最終的には、被支持部20の被支持板101iが構造体の外表面に直接または部材を介して間接的に接触できるようにするためである。最終的に板支持部30は、両側に位置する被支持部20と固定体101d側の上下回動軸101g2を二つの支点として両持ち支持されている。
図11(b)は第1段の板支持体101c1から第3段の板支持体101c3までの伸縮機構をすべて縮めた場合の状態を示している。本発明における足場ユニット101の第1姿勢101-Qに相当する。その場合、第1段の板支持体101c1から第3段の板支持体101c3の上側の全ての位置に足場板を配置するのではなく、先端側に一枚の足場板201を配置しておき、その状態で上方に姿勢変更して第1姿勢101-Qの状態に格納することもできる。
本例では、半固定伸縮体101bから第3段の板支持体101c3まで水平方向の位置によって若干の段差が生ずる。これを解消するには、半固定伸縮体101bと第1段の板支持体101c1から第3段の板支持体101c3の構成部材の上面に、段差を解消するための突起101Tを設けることが好ましい。突起101Tによって足場板201をほぼ平坦に配置することができる。または、段差を解消するための薄板材を各段に別途配置してもよい。
本例では、足場ユニット101を第1姿勢101-Qの格納状態に置くことで内部空間に矢印SXの長さ分の空間が拡がることになる。拡がった内部空間にタンク301等の構造体を搬入し、その後、足場ユニット101を使用するための第2姿勢101-Sに変更する。そのためには作業者(図9を参照)が内部空間の床面から脚立等で足場ユニット101に触れることができる位置に移動し、複数段の第1段の板支持体101c1から第3段の板支持体101c3の各段を手動で引き出せばよい。
または、引っ掛け部101eに引き出し用ロープを予め掛けておいて作業者(図示を省略)が被支持部20と板支持部30を横方向に引き出すことができる。例えば、タンク301の上面から作業者が引き出し用ロープを引き、足場ユニット101の伸縮機構に引っ張り力を横方向から加え、被支持部20から板支持部30をタンク301の方向に連動して引っ張り出すことができる。
このように、姿勢変更機構が接触体101aの壁体401からの距離を変更することができる伸縮機構であることが好ましい。また、板支持部30から被支持部20までの長さを調整可能とする出代変更機構をさらに備えていることが好ましい。
[変形例]
上記の実施例の足場ユニット101の変形例を図12~図15に示す。図12は変形例1で、折り畳み型の足場ユニット101の被支持部20と回動体101h(図1参照)を水平面内で左右二つに分けた態様を示している。足場ユニット101の中心軸の上方から見て左右方向に右側被支持板101i1と左側被支持板101i2、右側回動体101h1と左側回動体101h2との二つの組に構成されている。
この変形例において、他の接触体101a、半固定伸縮体101b、板支持体101c、固定体101d、折り畳み軸101g、切り欠き部101dx、引っ掛け部101e、固定ネジ101f(図1を参照)は実施例1と同様の構成・機能のものである。構造体の外表面に接触し荷重を伝える機構として機能する被支持板101iを二つに分けることで荷重が分散されるので好ましい。
図13は変形例2で折り畳み型の足場ユニット101の被支持板101iの面積を実施例1のものよりも大きくした態様を示している。接触面における圧力を緩和できるので好ましい。他の構成部材は実施例1と同様の構成・機能である(図1を参照)。
図14は変形例3で、上記の非伸縮型の実施例(図8(c)を参照)の足場ユニット101の被支持板101iの面積を大きくしたものである。かつ足場ユニット101の長尺形状の中心軸の上方から見て左右方向に右側補助回動体101M1と左側補助回動体101M2との二つに分けて構成したものである。上記の変形例と同様に接触面における圧力を緩和し、荷重を分散させることができるので好ましい。
最後に、図15は変形例4で、足場ユニット101の固定体101d側の根本側に、水平方向に回動できる水平折り畳み軸101g3をさらに備えた態様を示している。被支持部20から板支持体101cは一体となって水平面内でほぼ90度回動可能で、壁体401に沿って格納すれば第1姿勢101-Qの状態に置くことができる。折り畳み軸101gは上下方向に最大で10度~20度程度の可動範囲を備えている。足場ユニット101を第1姿勢101-Qから第2姿勢101-Sに姿勢変更する際、先端側の被支持部20を上方に僅かに折り曲げるように姿勢変更(回避姿勢)をできるように構成されている。
本例では板支持体101cに折り畳み軸101gを備えている。結果として、本例は基端部40に上下(鉛直面内)・左右(水平面内)に回動可能な機構を備えている。本例において基端部40とは、壁体401に半固定された水平可動台座101DSから折り畳み軸101gを含む固定体101dが相当する。他の各構成部材である、板支持体101c、被支持板101i、回動体101h、回動固定ネジ101j、及び引っ掛け部101eは上記の実施例1と同様の構成・機能である。
本例では、足場ユニット101は自重を支える構造を有している。また、その姿勢変更の方向が水平面内であり、姿勢変更の作業の際に作業者は足場ユニット101の荷重をほとんど支える必要がなく設置作業が容易となる。なお、本例において、固定体101dの上に足場板を配置することができるのは言うまでもない。
また、上記の説明では、回動体101hを保持する回動軸は一つの面内(鉛直面内)で回動できる態様を示した。しかし、それらの1軸動作の回動構造を自在継手に変更することで、回動体101hを3次元方向に自由に位置を微調整できる構造に変更することもできる。この場合、合わせて接触体101aの面積をある程度小さく構成すれば、接触体101aをタンク301等の構造体の外表面に接触させる際、外表面の微小な変化に追従しやすくなるので好ましい。
以上、本発明の幾つかの実施例や変形例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではなく、さらなる変形が考えられる。例えば、上記の伸縮機構と折り畳み機構とを合わせ持ってもよいし、出代の長さや伸縮長さを自由に組み合わせて構成することができる。伸縮の段数は3段とは限らず何段でも構わない。また、固定体101dや板支持体101cの長さを長目に設定することもでき、上記の実施例や変形例以外に種々の態様が考えられる。
20…被支持部、 30…板支持部、 40…基端部、 101…足場ユニット、 101-S…第2姿勢、101-Q…第1姿勢、 101a…接触体、 101b…半固定伸縮体、 101c…板支持体、 101d…固定体、 101e…引っ掛け部、 101f…固定ネジ、 101g…折り畳み軸、 101h…回動体、 101i…被支持板、 101j…回動固定ネジ、 101k…回動軸、 201…足場板、 301…タンク、 401…壁体、 402…縦筋、 501、502…埋込金物、 601…壁体工事用足場、 701…固定用ロープ、 801…間隔、 901…表面保護材

Claims (7)

  1. 壁体と構造体の間に配置される足場板を支持するための足場ユニットであって、
    前記壁体に半固定または固定可能とされる基端部と、
    前記基端部から連接され前記足場板を支持する板支持部と、
    前記板支持部の端部に設けられ前記構造体と部材を介して接触されるか、または直接接触される被支持部と、
    前記被支持部が前記壁体に近い位置に配置される第1姿勢と、前記被支持部が前記第1姿勢よりも前記構造体に近い位置に配置される第2姿勢との間で、姿勢変更を可逆的に可能とする姿勢変更機構と、を備え、
    前記第2姿勢のときに、前記被支持部が前記構造体によって支持され、前記板支持部が前記被支持部と前記基端部とによって両持ち支持される、ことを特徴とする足場ユニット。
  2. 請求項1に記載の足場ユニットにおいて、前記姿勢変更機構が前記板支持部を前記壁体に沿った位置に折り畳むことができる折り畳み機構であることを特徴とする足場ユニット。
  3. 請求項1に記載の足場ユニットにおいて、前記姿勢変更機構が前記被支持部の前記壁体からの距離を変更することができる伸縮機構であることを特徴とする足場ユニット。
  4. 請求項1に記載の足場ユニットにおいて、前記板支持部から前記被支持部までの長さを調整可能とする出代変更機構を備えていることを特徴とする足場ユニット。
  5. 請求項1に記載の足場ユニットにおいて、前記被支持部前記板支持部に対して回動可能とする角度調整機構を備えていることを特徴とする足場ユニット。
  6. 壁体によって周囲を取り囲まれた空間内に構造体を設置する工法であって、
    足場ユニットの基端部を前記壁体に半固定または固定する第1工程を含み、
    前記足場ユニットは、前記基端部と、前記基端部から連接され足場板を支持する板支持部と、前記板支持部の端部に設けられる被支持部と、前記被支持部が前記壁体に近い位置に配置される第1姿勢と、前記被支持部が前記第1姿勢よりも前記構造体に近い位置に配置される第2姿勢との間で姿勢変更を可逆的に可能とする姿勢変更機構と、を備え、
    前記足場ユニットの前記姿勢変更機構を前記第1姿勢に設定する第2工程と、
    前記構造体を前記空間内に搬入する第3工程と、
    前記足場ユニットの前記姿勢変更機構を前記第2姿勢に設定し、前記被支持部を前記構造体に接触させることで前記被支持部を前記構造体によって支持させ、前記板支持部を前記被支持部と前記基端部とによって両持ち支持された状態に配置する第4工程と、
    前記壁体の上側に頂版を設置する第5工程と、をさらに含むことを特徴とする構造体の設置工法。
  7. 請求項6に記載の構造体の設置工法において、前記第4工程では、前記被支持部を前記構造体に表面保護材を介して接触させることを特徴とする構造体の設置工法。
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