以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、図面及び以下の説明において、同一のもの及び実質的に同一のものには同一の符号を付し、同一の符号を付したものの説明は繰り返さない。
実施の形態1.
図1はエレベーターの乗場50を模式的に示した模式図である。エレベーターのかごは2台運行されているものとする。乗場50には、乗降口扉51A及び51B、乗場呼び釦52並びに乗場表示器53が設置される。乗降口扉51A、51Bは2台のかごにそれぞれ対応する乗降口の扉である。乗場呼び釦52は、乗降口扉51A、51Bの間の壁面に設置され、かごを呼び出すために乗客によって操作される。乗場呼び釦52は上方向釦及び下方向釦を有する。上方向釦は乗場50の階より上の階に向かうためにかごを呼ぶ釦であり、下方向釦は乗場50の階より下の階に向かうためにかごを呼ぶ釦である。クイズを報知する報知装置としての乗場表示器53は、乗降口扉51A、51Bの間の壁面であって乗場呼び釦52より上方に設置される。乗場50の壁にはかごの号機を識別する符号(番号でもよい)を示すラベル54が取付けられており、例えば左側のかごには符号「A」が、右側のかごには「B」が割り当てられている。
図2は、実施の形態1に係るエレベーターの制御システム100の構成を示すブロック図である。制御システム100は、乗場50で乗場呼びがあると、かごA及びかごBのいずれかを乗場呼びのあった階に向かわせ、さらに乗場50の乗場表示器53にクイズを表示する。
図3は、乗場表示器53に表示されるクイズの例である。制御システム100は、かごA及びかごBが選択肢に割り当てられ、乗客が正解であると考える号機の前に乗客を誘導させるクイズを出題する。このとき制御システム100は、乗場呼びに対して割当てられたかご、つまり乗場呼びが登録された階に向かわせるかごにクイズの正解を割り当てる。従って、制御システム100は、かごの到着をもってクイズの正解を通知することになる。以下では、複数台のかごのうち乗場呼びに対して割り当てられたかごを「割当かご」と呼び、その乗場呼びが登録された階を「呼び登録階」と呼ぶ。
図2を参照し、制御システム100は、号機割当手段3、かご走行制御手段5、クイズ提供手段30及びクイズ報知手段31を備える。号機割当手段3は、乗場呼び釦52が操作されて乗場呼び登録がなされると、その乗場呼び登録に対しかごA及びかごBから1台を割当かごとして割り当てる。かご走行制御手段5は、呼び登録階に向かわせるよう割当かごの走行を制御する。クイズ提供手段30は、割当かごを正解の選択肢に設定してクイズを提供する。クイズ報知手段31は、クイズ提供手段30により提供されるクイズを、呼び登録階の乗場50に設置された報知装置に割当かごが乗場50に到着する前に報知させる。報知装置の一例が乗場表示器53である。
実施の形態1に係る制御システム100によれば、乗場呼び登録があると、かごが呼び登録階に到着する前にその呼び登録階の乗場にクイズが報知される。乗客はエレベーターを待つ間、クイズを楽しむことができるため、かごを待つストレスを緩和することができる。加えて、制御システム100によれば、かごの動きと連動したクイズが出題される。ここでは、割当かごを正解の選択肢としたクイズが出題される。よって乗客には割当かごの到着をもって正解が通知される。クイズの正解を待つワクワク感がかごを待つワクワク感となり、乗客が乗場50でかごを待つ間、乗客を飽きさせない。
図4は、制御システム100のより詳細な構成の一例を示したブロック図である。制御システム100は、号機割当手段3、かご走行制御手段5、クイズ提供手段30及びクイズ報知手段31に加え、乗場呼び釦登録手段1、乗場呼び登録手段2、乗場呼びランプ点灯指令手段6及び乗場呼びランプ点灯手段7を備える。乗場呼び釦登録手段1は、乗場50で乗場呼び釦52が操作されたか否か、つまり乗場呼び釦の登録があったか否かを検出する。乗場呼び登録手段2は、乗場呼び釦登録手段1により乗場呼び釦の登録があったことが検出されると、呼び登録階に対する乗場呼びを登録する。乗場呼びランプ点灯指令手段6は、乗場呼び登録手段2により乗場呼びが登録されると乗場呼びランプ点灯指令を出力する。乗場呼びランプ点灯手段7は、乗場呼びランプ点灯指令を受けると、乗場呼び釦52のランプを点灯させる。号機割当手段3は、乗場呼び登録手段2の乗場呼び登録に対して割当かごを決定する。
制御システム100は、到着予想時間判定手段4、クイズ機能設定取得手段8、クイズ報知制御手段9及び記憶装置16を備える。到着予想時間判定手段4は、割当かごが現在停止中の階或いは走行中の階に基づき、割当かごが呼び登録階に到着するのに要する予想の時間(以下、到着予想時間と呼ぶ)を判定する。到着予想時間は、例えば、割当かごが号機割当手段3により割り当てられてから呼び登録階に到着するまでの時間である。これ以外にも到着予想時間は、乗場呼び釦登録手段1により乗場呼び釦が登録されたときから割当かごが呼び登録階に到着するまでの時間としてもよく、乗場呼び登録手段2により乗場呼びが登録されたときから割当かごが呼び登録階に到着するまでの時間でもよい。
記憶装置16はクイズ機能に関する種々の設定データを記憶する。設定データについては後述する。クイズ機能設定取得手段8は記憶装置16から種々の設定データを取得する。クイズ報知制御手段9は、到着予想時間判定手段4により判定された到着予想時間に基づき、クイズ提供手段30にクイズを提供させるか否かを判定する。この判定には、クイズ機能設定取得手段8により記憶装置16から取得された設定データが参照される。
クイズ提供手段30は、クイズ選択手段10及びクイズ解答設定手段11を有する。クイズ選択手段10は用意されている複数個のクイズから1つを、乗場50に出題するクイズとして選択する。この複数個のクイズは、記憶装置16に記憶された設定データとして用意されている。クイズ解答設定手段11は、クイズ選択手段10により選択されたクイズの正解の選択肢を割当かごに設定する。つまり、クイズ解答設定手段11は、クイズ選択手段10により選択されたクイズを、かごA及びBを選択肢とし、呼び登録階に到着する側である割当かごが正解の選択肢となる内容に構成する。クイズ報知制御手段9がクイズを提供させないと判定すると、クイズ提供手段30は起動しない。
クイズ報知手段31は、乗場表示器クイズ表示手段12及びアナウンスメッセージ報知手段13を備える。乗場表示器クイズ表示手段12は、クイズ解答設定手段11により提供されるクイズを乗場表示器53に表示させる。乗場50に乗場アナウンス装置55(図1では不図示である)が設けられる場合、クイズを報知する報知装置として乗場アナウンス装置55を利用することができる。この場合、アナウンスメッセージ報知手段13が、クイズ解答設定手段11により提供されるクイズを乗場アナウンス装置55に音声で報知させる。
乗場表示器53及び乗場アナウンス装置55の双方が乗場50に設けられてもよく、一方のみが乗場50に設けられてもよい。クイズ解答設定手段11は報知装置として乗場表示器53及び乗場アナウンス装置55のいずれかを選択する。クイズ解答設定手段11は、乗場表示器53を選択した場合は、アナウンスメッセージ報知手段13を起動させず、乗場アナウンス装置55を選択した場合は、乗場表示器クイズ表示手段12を起動させない。報知装置の選択には、クイズ機能設定取得手段8により記憶装置16から取得された設定データが参照される。
制御システム100はさらに、かご到着判定手段14及びエレベーター動作状態管理手段15を備える。かご到着判定手段14は、かご走行制御手段5からの扉開閉信号に基づき、割当かごが呼び登録階に到着し、乗降口扉が開いたかどうかを判定する。エレベーター動作状態管理手段15は、割当かごが呼び登録階に到着して乗降口扉が開く前に割当かごが管理外になったか否かを判定する。地震、火災等の災害が発生したとき、或いは、割当かごに何らかの異常が発生したときに割当かごが管理外となる。クイズ報知制御手段9は、エレベーター動作状態管理手段15により割当かごが管理外となったと判定されると、報知装置にクイズを中止する旨を報知させる。
図5は、制御システム100により参照される設定データ群101を示す一覧表である。設定データ群101は、クイズ機能データ61、クイズ出題制限時間データ62、クイズ報知装置データ63、クイズリスト64及びクイズ解答リスト65を含む。クイズ機能データ61は、エレベーターにクイズ機能があるか否かを示す設定データを示す。クイズ出題制限時間データ62は、クイズの出題が可能な最低時間を示す設定データを示す。クイズ報知装置データ63は、クイズの報知に使用する装置(クイズ報知装置)が表示器であるかアナウンス装置であるかを示す設定データである。クイズリスト64は、複数個のクイズの各々の内容がリスト化された設定データである。クイズの内容は選択式のクイズとなっている。クイズ解答リスト65は、クイズリスト64に含まれる複数個のクイズに対する各々の解答がリスト化された設定データである。解答として正解の側の選択肢の情報が示されている。設定データ群101は記憶装置16に記憶され、各設定データは更新可能となっている。
図6は、エレベーターの状態を示す状態フラグ102を示す一覧表である。クイズ出題中フラグ66は、各階に対応して設けられ、対応の階でクイズが出題中であるかを示すクイズ出題中フラグである。「ON」はクイズが出題中であることを指し、「OFF」はクイズが出題されていないことを指す。クイズ出題中フラグ66も記憶装置16に更新可能に記憶されるが、記憶装置16とは別の記憶装置に更新可能に記憶されても構わない。
図7は、エレベーターの制御システム100の動作を示すフローチャートであり、乗客が乗場呼び釦52を操作し、乗場50にクイズが報知されるまでの動作を示す。この図7に示された動作をクイズ出題動作と呼ぶ。
ステップS1において、乗場呼び釦登録手段1は、乗場呼び釦52が操作されて、乗客が乗場呼び釦を登録したか否かを判定する。乗場呼び釦が登録されていないと判定されると(No)、クイズ出題動作は終了する。一方、乗客が乗場呼び釦を登録したと判定されると(Yes)、ステップS2において、乗場呼び登録手段2は乗場呼びを登録する。ステップS3において、乗場呼びランプ点灯指令手段6は乗場呼びランプ点灯手段7に指令を送信し、乗場呼びランプ点灯手段7はその指令に従い乗場呼び釦52のランプを点灯させる。ステップS4において、号機割当手段3は、かごA及びBのうちいずれかに呼び登録を割り当てる。かご走行制御手段5は、呼び登録階に向けて割当かごを走行させる。
ステップS5において、クイズ報知制御手段9は、クイズ機能設定取得手段8を介して記憶装置16からクイズ機能データ61を取得し、クイズ機能データ61に基づきエレベーターにクイズ機能があるか否かを判定する。クイズ機能データ61が「なし」のとき(No)、クイズ出題動作は終了する。一方、クイズ機能が「あり」のとき(Yes)、ステップS6において、クイズ報知制御手段9は、クイズ機能設定取得手段8を介して記憶装置16からクイズ出題中フラグ66のうち呼び登録階に対するクイズ出題中フラグを取得し、そのクイズ出題中フラグがOFFであるか否かを判定する。クイズ出題中フラグがOFFではない、すなわちONであると判定されると(No)、クイズ出題動作は終了する。一方、OFFであると判定されると(Yes)、ステップS7において、到着予想時間判定手段4は、到着予想時間を判定する。
ステップS8において、クイズ報知制御手段9は、クイズ機能設定取得手段8を介して記憶装置16からクイズ出題制限時間データ62を取得し、ステップS7で判定された到着予想時間がクイズ出題制限時間データ62に示された出題制限時間以上であるか否かを判定する。到着予想時間が出題制限時間未満であると判定されると(No)、クイズ出題動作は終了する。つまり、割当かごが呼び登録階に到着する時間が少ない場合、クイズを出題しても乗客が考える余裕がないため、到着予想時間が出題制限時間未満であるときクイズの出題は行わない。一方、到着予想時間が出題制限時間以上であると判定されると(Yes)、ステップS9において、クイズ選択手段10は、クイズリスト64にある複数個のクイズのうち1つを選択する。選択方法はランダムでよい。
ステップS10において、クイズ解答設定手段11は、クイズ機能設定取得手段8を介して記憶装置16から、クイズリスト64のうちクイズ選択手段10により選択されたクイズと、クイズ解答リスト65のうちそのクイズに対応する解答とを取得する。クイズ解答設定手段11は、取得した解答の示す正解の選択肢を割当かごに設定し、不正解の選択肢を割当かご以外のかごに設定する。つまり、クイズ解答設定手段11は、取得したクイズを、かごA及びBを選択肢とし、そのうちの割当かごを正解の選択肢とする内容に構成する。なおクイズ解答設定手段11は、号機割当手段3により提供される情報に基づき、かごA及びBのいずれが割当かごであるかを特定することができる。
ステップS11において、クイズ解答設定手段11は、クイズ機能設定取得手段8を介して記憶装置16からクイズ報知装置データ63を取得し、クイズ報知装置データ63に基づきクイズ報知装置は表示器であるか否かを判定する。クイズ報知装置が表示器であると判定されると(Yes)、ステップS12において、乗場表示器クイズ表示手段12は、クイズ解答設定手段11により得られたクイズの内容を、呼び登録階の乗場50に設置された乗場表示器53に表示させる。一方、クイズ報知装置が表示器でない、すなわちアナウンス装置であると判定されると、ステップS13において、アナウンスメッセージ報知手段13は、クイズ解答設定手段11により得られたクイズの内容を、呼び登録階の乗場50に設置された乗場アナウンス装置55にアナウンスさせる。ステップS14において、クイズ報知制御手段9は、クイズ出題中フラグ66のうち呼び登録階に対するクイズ出題中フラグをONに設定する。以上により、クイズ出題動作は終了する。
図8は、エレベーターの制御システム100の動作を示すフローチャートであり、割当かごが管理外になったときのクイズ出題を中止する動作を示す。この図8に示された動作をクイズ中止動作と呼ぶ。
ステップS15において、かご到着判定手段14が、かごが呼び登録階に到着し乗降口扉が全開したか否かを判定する。乗降口扉が全開していると判定されると(Yes)、クイズ中止動作は終了する。乗降口扉が全開していないと判定されると(No)、ステップS16において、エレベーター動作状態管理手段15は、割当かごが管理外となったか否かを判定する。割当かごが管理外ではないと判定されると(No)、クイズ中止動作は終了する。一方、割当かごが管理外となったと判定されると(Yes)、ステップS17において、クイズ報知制御手段9は、クイズ機能設定取得手段8を介して記憶装置16からクイズ出題中フラグ66のうち呼び登録階に対するクイズ出題中フラグを取得し、そのクイズ出題中フラグがONであるか否かを判定する。クイズ出題中フラグがONではない、すなわちOFFであると判定されると(No)、クイズ中止動作は終了する。
一方、クイズ出題中フラグがONであると判定されると(Yes)、ステップS18において、クイズ解答設定手段11は、クイズ機能設定取得手段8を介して記憶装置16からクイズ報知装置データ63を取得し、クイズ報知装置データ63に基づき、クイズ報知装置が表示器であるか否かを判定する。クイズ報知装置が表示器であると判定されると(Yes)、ステップS19において、乗場表示器クイズ表示手段12は、呼び登録階の乗場50の乗場表示器53にクイズを中止する旨を一定時間表示させ、その後、表示を中止させる。一方、クイズ報知装置が表示器ではない、すなわちアナウンス装置であると判定されると、ステップS20において、アナウンスメッセージ報知手段13は、呼び登録階の乗場50の乗場アナウンス装置55にクイズを中止する旨をアナウンスさせる。
ステップS21において、クイズ報知制御手段9は、クイズ出題中フラグ66のうち呼び登録階に対するクイズ出題中フラグをOFFに設定する。以上によりクイズ中止動作は終了する。なお、図示はされないが、ステップS16で割当かごが管理外であると判定されると、かご走行制御手段5が割当かごを最寄りの階に停止させるといった処置がとられる。
記憶装置16は、複数個のクイズからなるクイズリスト64及びその解答であるクイズ解答リスト65を記憶しているが、クイズ及びその解答が他の装置により逐次更新されるのであれば、記憶されるクイズ及びその解答の数はそれぞれ1個でも構わない。その場合、クイズ選択手段10は要しない。
また記憶装置16は制御システム100に設けられるものとして説明したが、制御システム100の外部に設けられても構わない。
さらにエレベーターに設置されるかごの台数は2つに限らず、3台以上の複数台でも構わない。3台以上の複数台のかごが選択肢となり、そのうちの割当かごが正解の選択肢に割当てられたクイズが提供される。
実施の形態2.
図9は、実施の形態2に係るエレベーターの制御システム110の構成を示すブロック図である。制御システム110は、割当かごが呼び登録階に到着して乗降口の扉が開くと、かご内の照明を点滅させること、乗場にブザー音を鳴らすこと、又はその両方によりクイズの正解を報知する。
制御システム110は、図4に示される制御システム100に、かご照明・アナウンス制御手段17、アナウンスブザー鳴動手段18及びかご照明点滅手段19を加えたものである。かご照明・アナウンス制御手段17は、割当かごが呼び登録階に到着した際に、その割当かご内の照明を点滅させるか否かを判定し、さらに乗場アナウンス装置55にブザーで鳴動させるか否かを判定する。この判定にはクイズ機能設定取得手段8により記憶装置16から取得された設定データが参照される。
アナウンスブザー鳴動手段18は、かご照明・アナウンス制御手段17からの指令を受け、乗場アナウンス装置55にブザー音を鳴動させる。この場合、乗場アナウンス装置55はかごAの乗降口扉51Aに近い場所及びかごBの乗降口扉51Bに近い場所に分散配置されるのがよい。アナウンスブザー鳴動手段18は、到着した割当かごの乗降口扉の側の乗場アナウンス装置55にブザー音を鳴動させる。かご照明点滅手段19は、かご照明・アナウンス制御手段17からの指令を受け、到着した割当かごのかご内照明装置56にかご内の照明を点滅させる。
図10は、制御システム110により参照される設定データ群111を示す一覧表である。設定データ群111は、図5に示される設定データ群101に加え、クイズ正解報知方法を示すデータとして、かご内照明点滅データ67及びブザー鳴動データ68を含む。かご内照明点滅データ67は、かご内で照明の点滅を行うか否かを示す設定データである。かご内照明点滅データ67の「あり」は、かご内の照明点滅をクイズの正解の報知方法とする場合に当たる。かご内照明点滅データ67の「なし」は、かご内に照明の点滅機能がない場合、又は、かご内に照明の点滅機能があってもクイズの正解の報知方法としない場合に当たる。
ブザー鳴動データ68は、乗場でブザー鳴動を行うか否かを示す設定データである。ブザー鳴動データ68の「あり」は、ブザーの鳴動をクイズの正解の報知方法とする場合に当たる。ブザー鳴動データ68の「なし」は、乗場50にブザーの鳴動機能がない場合、又は、乗場50にブザーの鳴動機能があってもクイズの正解の報知方法としない場合に当たる。かご内照明点滅データ67及びブザー鳴動データ68は記憶装置16に記憶されており、更新可能である。
図11は、エレベーターの制御システム110の動作を示すフローチャートであり、かごが呼び登録された階に到着した際の動作を示す。この図11に示された動作をかご到着時動作と呼ぶ。なお制御システム110は、図7及び図8でそれぞれ示されるクイズ出題動作及びクイズ中止動作も行うので、それぞれの説明は省略する。
ステップS22において、かご到着判定手段14は、かごが呼び登録階に到着して乗降口の扉が全開したか否かを判定する。かご到着判定手段14はかごが到着して乗降口の扉が全開するまで判定を続ける(No)。かごが到着して乗降口の扉が全開したことが判定されると(Yes)、ステップS23において、クイズ報知制御手段9は、クイズ機能設定取得手段8を介して記憶装置16からクイズ出題中フラグ66のうち呼び登録階に対するクイズ出題中フラグを取得し、そのクイズ出題中フラグがONであるか否かを判定する。クイズ出題中フラグがONではないと判定されると(No)、かご到着時動作は終了する。
一方、クイズ出題中フラグがONであると判定されると(Yes)、ステップS24において、かご照明・アナウンス制御手段17は、クイズ機能設定取得手段8を介して記憶装置16からかご内照明点滅データ67を取得し、かご内照明点滅データ67に基づきクイズの正解を報知する方法としてかご内で照明の点滅を行うか否かを判定する。かご内照明点滅データ67が「なし」のとき(No)、動作はステップS26に移行する。一方、かご内照明点滅データ67が「あり」のときは(Yes)、ステップS25において、かご照明点滅手段19はかご内照明装置56にかご内の照明を点滅させる。
ステップS26において、かご照明・アナウンス制御手段17は、クイズ機能設定取得手段8を介して記憶装置16からブザー鳴動データ68を取得し、ブザー鳴動データ68に基づきクイズの正解を報知する方法としてブザー音の鳴動を行うか否かを判定する。ブザー鳴動データ68が「なし」のときは、動作はステップS28に移行する。一方、ブザー鳴動データ68が「あり」のときは、ステップS27おいて、アナウンスブザー鳴動手段18は、乗場アナウンス装置55にブザー音を鳴動させる。かご内照明点滅データ67及びブザー鳴動データ68のいずれもが「なし」の場合は、割当かごが呼び登録階に到着したことをもって正解が報知されることになる。ステップS28において、クイズ報知制御手段9は、クイズ出題中フラグ66のうちの呼び登録階に対するクイズ出題中フラグをOFFに設定する。以上によりかご到着時動作は終了する。
実施の形態2の制御システム110では、割当かごの到着だけでなく、かご内照明の点滅及び乗場でのブザー鳴動の一方又は双方によって正解を報知することができる。よって乗客はより分かりやすくクイズの正解を把握することができる。
実施の形態3.
図12は、実施の形態3に係るエレベーターの制御システム120の構成を示すブロック図である。制御システム120は、制御システム110にさらに、かご内表示器クイズ表示手段20を加えたものである。かごA及びかごBの各々内部にはかご内表示器57が設けられており、かご内表示器クイズ表示手段20は、呼び登録階に出題されたクイズの内容及びその呼び登録階の乗場の様子を、各かごのかご内表示器57に表示させることができる。
図13は、制御システム120により参照される設定データ群121を示す一覧表である。設定データ群121は、図10に示された設定データ群111に加え、かご内表示器データ69を含む。かご内表示器データ69は、かご内表示器への表示を行うか照明の点滅があるか否かを示す設定データである。かご内表示器データ69の「あり」は、かご内表示器に表示を行う場合に当たる。かご内表示器データ69の「なし」は、かご内にかご内表示器がない場合、又は、かご内にかご内表示器があっても表示を行わない場合に当たる。かご内表示器データ69は記憶装置16に記憶されており、更新可能である。
図14は、エレベーターの制御システム120の動作を示すフローチャートであり、かご内表示器57にクイズを表示させる動作を示す。この図14に示された動作をかご内表示動作と呼ぶ。なお制御システム120は、図7及び図8でそれぞれ示されるクイズ出題動作及びクイズ中止動作も行うので、それぞれの説明は省略する。
ステップS29は図7のステップS14の後に行われる。ステップS29において、クイズ報知制御手段9は、クイズ機能設定取得手段8を介して記憶装置16からクイズ出題中フラグ66のうちの呼び登録階に対するクイズ出題フラグを取得し、そのクイズ出題フラグがONであるか否かを判定する。クイズ出題フラグがONではないと判定されると(No)、かご内表示動作は終了する。一方、クイズ出題フラグがONであると判定されると(Yes)、ステップS30において、クイズ解答設定手段11は、クイズ機能設定取得手段8を介して記憶装置16からかご内表示器データ69を取得し、かご内表示器データ69に基づきかご内表示器57にクイズを表示させるか否かを判定する。かご内表示器データ69が「なし」のとき(No)、かご内表示動作は終了する。
一方、かご内表示器データ69が「あり」のとき(Yes)、ステップS31において、かご内表示器クイズ表示手段20は、クイズ解答設定手段11で得られたクイズの内容及び呼び登録階の乗場50の様子を割当かごのかご内表示器57に表示させる。乗場50の映像を表示するため、乗場50には不図示のカメラが設けられ、そのカメラが乗場50を撮像し、その画像データがかご内表示器クイズ表示手段20を介してかご内表示器57に送信されている。以上によりかご内表示動作は終了する。
また図示はしないが、図8に示されるクイズ中止動作において、ステップS16で割当かごが管理外と判定された場合には、クイズ解答設定手段11は、ステップS19及びステップS20の各々の後に、かご内表示器57が表示を行っているか否かを判定する。かご内表示器57が表示を行っていると判定されると、かご内表示器クイズ表示手段20は、かご内表示器57にクイズを中止する旨を一定時間表示させ、その後、表示を中止させる。その後、動作はステップS21に移行する。
制御システム120は、かご内表示器クイズ表示手段20が制御システム110に加えられた構成であるが、実施の形態1に係る制御システム100に加えられた構成でもよい。その際、かご内表示器データ69の設定データが設定データ群101に加えられる。従って制御システム100においても、クイズの内容及び呼び登録階での乗場の映像をかご内表示器57に表示させることができる。
以上のように、実施の形態3に係る制御システム120によれば、クイズの内容及び呼び登録階での乗場50の映像がかご内表示器57に表示されるので、かごに乗車中の乗客はクイズの内容及び乗場での乗客の行動を見ることができ、乗車中の乗客の退屈感を緩和することができる。
実施の形態4.
実施の形態4に係る制御システム130は、出題するクイズを、割当かごの到着予想時間に応じて選択する。制御システム130の構成は、図12に示されるものと同一であるが、クイズ報知制御手段9はさらに以下の機能を有する。
クイズ報知制御手段9は、到着予想時間判定手段4により判定された到着予想時間に基づいて、用意されている複数個のクイズ群のなかから1つを選択する。この複数個のクイズ群は、記憶装置16により記憶された設定データとして用意されている。各クイズ群は複数個のクイズからなる。クイズ選択手段10は、クイズ報知制御手段9により選択されたクイズ群のなかからクイズを1つ選択する。
この複数個のクイズ群では、クイズ群の間でクイズの難易度が異なる。以下では、難易度が高いクイズ群、難易度が中程度のクイズ群及び難易度が低いクイズ群からなる3つのクイズ群を例示して説明する。
図15は制御システム130により参照される設定データ群131を示す一覧表である。設定データ群131は記憶装置16に記憶されており、各設定データは更新可能である。設定データ群131はクイズリスト64及びクイズ解答リスト65を除く図13の設定データ群121を含む。設定データ群131は、クイズリスト64に代えて、難易度が高いクイズ群としてのクイズリスト<難易度大>64-1、難易度が中程度のクイズ群としてのクイズリスト<難易度中>64-2及び難易度が低いクイズ群としてのクイズリスト<難易度小>64-3を含む。クイズリスト<難易度大>64-1は、難易度が高い複数個のクイズのそれぞれ内容を示すリスト化された設定データである。クイズリスト<難易度中>64-2は、クイズリスト<難易度大>64-1より難易度の低い複数個のクイズのそれぞれ内容を示すリスト化された設定データである。クイズリスト<難易度小>64-3は、クイズリスト<難易度中>64-2より難易度の低い複数個のクイズのそれぞれ内容を示すリスト化された設定データである。クイズリスト<難易度大>64-1、クイズリスト<難易度中>64-2及びクイズリスト<難易度小>64-3に含まれるクイズの内容は、いずれも選択式のクイズとなっている。
設定データ群131は、クイズ解答リスト65に代えて、クイズ解答リスト<難易度大>65-1、クイズ解答リスト<難易度中>65-2及びクイズ解答リスト<難易度小>65-3を含む。クイズ解答リスト<難易度大>65-1は、クイズリスト<難易度大>64-1に含まれる複数個のクイズのそれぞれ解答を示すリスト化された設定データである。クイズ解答リスト<難易度中>65-2は、クイズリスト<難易度中>64-2に含まれる複数個のクイズのそれぞれ解答を示すリスト化された設定データである。クイズ解答リスト<難易度小>65-3は、クイズリスト<難易度小>64-3に含まれる複数個のクイズのそれぞれ解答を示すリスト化された設定データである。クイズ解答リスト<難易度大>65-1、クイズ解答リスト<難易度中>65-2及びクイズ解答リスト<難易度小>65―3に含まれる解答は、いずれも対応するクイズの正解の選択肢を示している。
設定データ群131はさらに、クイズ<難易度大>出題制限時間データ70及びクイズ<難易度中>出題制限時間データ71を含む。クイズ<難易度大>出題制限時間データ70は、難易度の高いクイズの出題が可能な最低時間である出題制限時間を示す設定データである。クイズ<難易度大>出題制限時間データ70の出題制限時間は、クイズ出題制限時間データ62に示される出題制限時間より長い。クイズ<難易度中>出題制限時間データ71は、難易度が中程度のクイズの出題が可能な最低時間である出題制限時間を示す設定データである。クイズ<難易度中>出題制限時間データ71の示す出題制限時間は、クイズ出題制限時間データ62に示される出題制限時間より長く、クイズ<難易度大>出題制限時間データ70に示される出題制限時間より短い。
クイズ報知制御手段9は、割当かごの到着予想時間に応じてクイズの難易度を決定している。このクイズの難易度の決定には、クイズ<難易度大>出題制限時間データ70及びクイズ<難易度中>出題制限時間データ71が参照される。クイズ選択手段10は、クイズ報知制御手段9により決定された難易度に対応するクイズリストのなかからクイズを1つ選択する。
図16は、エレベーターの制御システム130の動作を示すフローチャートであり、クイズを選択する動作を示す。この図16に示される動作をクイズ選択動作と呼ぶ。このクイズ選択動作は、図7のステップS9の代わりに行われるものである。なお制御システム130は、図7に示されるクイズ出題動作(ステップS9を除く)、図8に示されるクイズ中止動作、図11に示されるかご到着時動作及び図13に示されるかご内表示動作も行うので、それぞれの説明は省略する。
図7のステップS8の後、ステップS32において、クイズ報知制御手段9は、クイズ機能設定取得手段8を介して記憶装置16からクイズ<難易度大>出題制限時間データ70を取得し、到着予想時間判定手段4で判定された割当かごの到着予想時間がクイズ<難易度大>出題制限時間データ70の示す出題制限時間以上であるか否かを判定する。到着予想時間が出題制限時間以上であると判定されると(Yes)、ステップS33において、クイズ選択手段10は、クイズリスト<難易度大>64-1にある複数個のクイズのなかから1つを選択する。選択方法はランダムでよい。その後、動作はステップS10に移行する。
一方、ステップS32において到着予想時間が出題制限時間未満であると判定されると(No)、ステップS34において、クイズ報知制御手段9は、クイズ機能設定取得手段8を介して記憶装置16からクイズ<難易度中>出題制限時間データ71を取得し、到着予想時間判定手段4で判定された割当かごの到着予想時間がクイズ<難易度中>出題制限時間データ71の示す出題制限時間以上であるか否かを判定する。到着予想時間が出題制限時間以上であると判定されると(Yes)、ステップS35において、クイズ選択手段10は、クイズリスト<難易度中>64-2にある複数個のクイズのなかから1つを選択する。選択方法はランダムでよい。その後、動作はステップS10に移行する。
。一方、ステップS34において到着予想時間が出題制限時間未満であると判定されると(No)、ステップS36において、クイズ選択手段10は、クイズリスト<難易度小>64-3にある複数個のクイズのなかから1つを選択する。選択方法はランダムでよい。その後、動作はステップS10に移行する。クイズ選択動作が終了した後、クイズ解答設定手段11は、クイズ機能設定取得手段8を介して記憶装置16から、ステップS33、S35又はS36によって選択されたクイズを取得し、ステップS10の動作を行う。
図16に示されるクイズ選択動作は、実施の形態1に係る制御システム100及び実施の形態2に係る制御システム110の各ステップS9の代わりに行われてもよい。その際、制御システム100及び110の各記憶装置16には、クイズリスト<難易度大>64-1、クイズリスト<難易度中>64-2、クイズリスト<難易度小>64-3、クイズ解答リスト<難易度大>65-1、クイズ解答リスト<難易度中>65-2、クイズ解答リスト<難易度小>65-3、クイズ<難易度大>出題制限時間データ70及びクイズ<難易度中>出題制限時間データ71が設定データとして記憶される。
複数のクイズ群において各クイズ群は複数個のクイズからなるが、1個のクイズからなるものであっても構わない。その場合、クイズ選択手段10は不要となる。なおクイズ群に含まれるクイズの数が1個のものも便宜上「クイズ群」と呼ぶこととする。
以上のように、実施の形態4に係る制御システム130によれば、クイズ報知制御手段9は割当かごの到着予想時間に基づき、複数個のクイズ群から1つを選択し、クイズ提供手段はその選択されたクイズ群に含まれるクイズを取得し、割当かごを正解の選択肢とする内容に構成する。クイズ群ごとにクイズの難易度を相違させることにより、割当かごの到着予想時間に応じて、すなわちエレベーターの待ち時間に応じてクイズの難易度を変えることができる。乗客にはクイズの解答を考えるに適度な時間が与えられるので、乗客は待ち時間を有効に使うことができる。
実施の形態5.
図17は、実施の形態5に係るエレベーターの制御システム140の構成を示すブロック図である。実施の形態1~4の各制御システムと同様、制御システム140は、乗場で乗場呼びがあると、かごA及びかごBのいずれかを乗場呼びのあった階に向かわせ、さらに乗場50の乗場表示器53にクイズを表示させる。しかし、クイズの選択肢として乗場呼び釦52を利用する点で、制御システム140は実施の形態1~4の各制御システムと異なる。
図18は、制御システム140において乗場表示器53に表示されるクイズの例である。制御システム140は、乗場呼び釦52の上方向釦及び下方向釦に選択肢を割り当て、向き釦及び下方向釦のうち乗客が正解であると考える釦を押下することを促すクイズを出題する。
図17を参照し、制御システム140は、かご走行制御手段5、クイズ提供手段30a及びクイズ報知手段31を備える。かご走行制御手段5は、乗場呼び釦52が操作されて呼び登録されると、その呼び登録のあった階にかごを向かわせるようかごの走行を制御する。クイズ提供手段30aは、呼び登録階の乗場50に設置された乗場呼び釦52の上方向釦及び下方向釦を選択枝とするクイズを提供する。クイズ報知手段31は、クイズ提供手段30aにより提供されるクイズを、呼び登録階の乗場50に設置された報知装置に割当かごが乗場に到着する前に報知させる。報知装置の一例が乗場表示器53である。
実施の形態5に係る制御システム140によれば、乗場呼び登録があると、かごが呼び登録階に到着する前にその呼び登録階の乗場にクイズが報知される。乗客はエレベーターを待つ間、クイズを楽しむことができるため、かごを待つストレスを緩和することができる。加えて、制御システム140によれば、乗場呼び釦の上方向釦及び下方向釦を選択肢とし、上方向釦及び下方向釦のいずかを押下させることを促すクイズが出題される。よってかごが複数台だけでなく1台のみが運行されているエレベーターにおいても、クイズの出題が可能となる。また乗客には上方向釦及び下方向釦でもって解答させるので、乗場には解答入力用の特別な入力機構は不要である。
図19は、制御システム140のより詳細な構成の一例を示したブロック図である。制御システム140は、クイズ提供手段30の代わりにクイズ提供手段30aを備える。また制御システム140は、乗場呼び釦登録手段1及び乗場呼び登録手段2の代わりに、乗場呼び釦登録手段1a及び乗場呼び登録手段2aを備える。制御システム140はさらに、乗場呼び釦枠点灯指令手段21及び乗場呼び釦枠表示手段22を備える。その他の構成は制御システム130と同じである。また記憶装置16に記憶される設定データ群141は、図15に示される設定データ群131と同一である。
クイズ提供手段30aは、クイズ選択手段10及びクイズ解答設定手段11aを備える。クイズ選択手段10は制御システム130のものと同一である。クイズ解答設定手段11aは、クイズ選択手段10により選択されたクイズの正解を乗場呼び釦52の上方向釦及び下方向釦のいずれか一方に設定し、クイズ選択手段10により選択されたクイズを上方向釦及び下方向釦を選択肢とする内容に構成する。
乗客は乗場呼び釦52の上方向釦及び下方向釦のうちいずれかを長押しすることにより解答を選択する。そこで、乗場呼び釦登録手段1aは、乗場呼び釦登録手段1の機能に加え、長押し判定手段としても機能して上方向釦又は下方向釦が長押しされたか否かを判定する機能を有する。長押しは、釦が押された状態がある一定時間続くことであり、一定時間として、上方向釦及び下方向釦の各々が押下されてから呼び釦登録と判定するのに要する時間よりも長い時間が設定される。乗場呼び登録手段2aは乗場呼び登録手段2の機能に加え、乗場呼び釦登録手段1aにより釦の長押しが判定されると、長押しされた釦の長押し登録を行う機能を有する。
乗場呼び釦枠点灯指令手段21は、乗場呼び登録手段2aにより長押し登録されると、乗場呼び釦枠点灯指令を出力する。乗場呼び釦枠表示手段22は、乗場呼び釦枠点灯指令手段21から乗場呼び釦枠点灯指令を受けると、乗場呼び釦52の長押し登録された側の釦の枠を点灯する。
図20は、エレベーターの状態を示す状態フラグ142を示す一覧表である。クイズ出題中フラグ66に加え、選択中フラグ72が状態フラグに含まれている。選択中フラグ72は、各階の上方向釦及び下方向釦の各々に対応して設けられ、各階において上方向釦が長押しにより選択されているか否か、下方向釦が長押しにより選択されているか否かをそれぞれ示す選択中フラグである。「ON」は、長押しにより釦が選択されたことを示し、「OFF」は釦が選択されていないことを示す。選択中フラグ72も記憶装置16に更新可能に記憶されるが、記憶装置16とは別の記憶装置に更新可能に記憶されても構わない。乗場呼び登録手段2aは、長押し登録として、記憶装置16に記憶された選択中フラグ72のうち長押しされた釦に対応する選択中フラグをONに設定する。
乗場呼び登録手段2a及び乗場呼び釦枠点灯指令手段21は、長押しされた釦がクイズの正解であるか不正解であるかを通知するように乗場呼び釦52の発光を制御する正解通知手段として機能する。乗場呼び登録手段2aは、選択中フラグ72のうちの呼び登録階の選択中フラグを参照することにより長押しされた釦を特定する。乗場呼び登録手段2aは、正解の選択肢の釦を示す情報をクイズ解答設定手段11aから得て、長押しされた釦が正解であるか不正解であるかを判定する。長押しされた釦が正解であることを通知する方法の一例として、乗場呼び釦枠点灯指令手段21は、乗場呼び登録手段2aの判定結果に基づき、長押しされた釦の枠を、割当かごが乗場50に到着し乗降口の扉が開いた後も一定時間点灯させ続ける。長押しされた釦が不正解であることを通知する方法の一例として、乗場呼び釦枠点灯指令手段21は、乗場呼び登録手段2aの判定結果に基づき、割当かごが乗場50に到着して乗降口の扉が開いた後に長押しされた釦の枠の点灯を停止し、正解の釦の枠を一定時間点滅させる。
図21は、エレベーターの制御システム140の動作を示すフローチャートであり、乗客が乗場呼び釦52を操作し、乗場でクイズが出題されるまでの動作を示す。この図21に示された動作をクイズ出題動作と呼ぶ。このクイズ出題動作は、ステップS10の代わりにステップS10aが行われる点で、制御システム130のクイズ出題動作と異なる。その他は制御システム130と同一である。よってステップS10aのみを説明し、他のステップの説明を省略する。
ステップS9の後、ステップS10aにおいて、クイズ解答設定手段11aは、クイズ機能設定取得手段8を介して記憶装置16から、クイズ選択手段10により選択されたクイズと、その選択されたクイズに対応する解答とを取得する。クイズ解答設定手段11aは、取得した解答が示す正解の選択肢を、上方向釦及び下方向釦のいずれか一方に設定する。上方向釦及び下方向釦のいずれに正解の選択肢を設定するかはランダムに決められる。そのうえでクイズ解答設定手段11aはその取得したクイズを、上方向釦及び下方向釦を選択肢とする内容に構成する。
図22は、エレベーターの制御システム140の動作を示すフローチャートであり、クイズの解答が選択される動作を示す。この図22に示された動作を解答選択動作と呼ぶ。ステップS37において、クイズ報知制御手段9は、クイズ機能設定取得手段8を介して記憶装置16から、クイズ出題中フラグ66のうち呼び登録階に対するクイズ出題中フラグを取得し、このクイズ出題中フラグがONであるか否かを判定する。クイズ出題中フラグがONではないと判定されると(No)、解答選択動作は終了する。
一方、クイズ出題中フラグがONであると判定されると(Yes)、ステップS38において、乗場呼び釦登録手段1aは、乗場呼び釦52の上方向釦または下方向釦が乗客により長押しされたか否かを判定する。上方向釦及び下方向釦はいずれも長押しされなかった場合(No)、解答選択動作は終了する。一方、上方向釦または下方向釦が長押しされた場合(Yes)、ステップS39において、乗場呼び登録手段2aは、選択中フラグ72のうちの長押しされた釦に対応する選択フラグをONに設定する長押し登録を行う。
ステップS40において、乗場呼び釦枠点灯指令手段21は、上方向釦及び下方向釦のうちの長押し登録された釦に対する乗場呼び釦枠点灯指令を出力する。乗場呼び釦枠表示手段22は、その乗場呼び釦枠点灯指令に従い、長押し登録された釦の枠を点灯させる。以上により、解答選択動作が終了する。
図23は、エレベーターの制御システム140の動作を示すフローチャートであり、かごが呼び登録された階に到着した際の動作を示す。この図23に示された動作をかご到着時動作と呼ぶ。ステップS41において、かご到着判定手段14は、かごが呼び登録階に到着し、そのかごに対応する乗降口扉が全開したか否かを判定する。かご到着判定手段14はかごが到着して乗降口扉が全開するまで判定を続ける(No)。かごが到着して乗降口扉が全開したことが判定されると(Yes)、ステップS42において、クイズ報知制御手段9は、クイズ機能設定取得手段8を介して記憶装置16から呼び登録階に対するクイズ出題中フラグを取得し、そのクイズ出題中フラグがONであるか否かを判定する。クイズ出題中フラグがONではないと判定されると(No)、かご到着時動作は終了する。
一方、クイズ出題中フラグがONであると判定されると(Yes)、ステップS43において、乗場呼び登録手段2aは、クイズ機能設定取得手段8を介して記憶装置16から、呼び登録階に対応する選択中フラグを取得する。乗場呼び登録手段2aは、クイズ解答設定手段11aからの情報に基づき、不正解の釦に対応する選択フラグがONであるか否かを判定する。不正解の釦に対応する選択中フラグがONであると判定されると(Yes)、ステップS44において、乗場呼び釦枠点灯指令手段21は、乗場呼び釦52の不正解の釦に対する乗場呼び釦枠点灯の停止指令を出力し、乗場呼び釦枠表示手段22は、その停止指令を受け、不正解の釦にその枠の点灯を消灯させる。
ステップS45において、乗場呼び釦枠点灯指令手段21は、乗場呼び釦52の正解の釦に対する乗場呼び釦枠点滅指令を一定時間出力し、乗場呼び釦枠表示手段22はその乗場呼び釦枠点滅指令を受け、正解の釦にその枠の点滅を一定時間行わせ、その後消灯させる。ステップS43において、不正解の釦に対応する選択中フラグがONではないと判定された場合(No)、ステップS44は省略してステップS45が実施される。つまり乗場呼び釦枠表示手段22は、割当かごが到着して乗降口扉が開いた後、正解の釦の点灯から点滅に変え、点滅を一定時間行わせた後消灯させる。ステップS46において、クイズ報知制御手段9は、クイズ出題フラグをOFFに設定する。以上により、かご到着時動作は終了する。
制御システム140は、図7、図13及び図16にそれぞれ示されるクイズ中止動作、かご内表示動作及びクイズ選択動作も行うので、それぞれの説明は省略する。
また制御システム140の乗場呼び釦登録手段1a、乗場呼び登録手段2a、クイズ解答設定手段11a、乗場呼び釦枠点灯指令手段21及び乗場呼び釦枠表示手段22は、実施の形態1に係る制御システム100及び実施の形態3に係る制御システム120の各々に設けられ、図21~図23にそれぞれ示される動作は、制御システム100及び制御システム120においても行うようにしてもよい。
最後に、エレベーターの制御システムのハードウェア構成について説明する。図24は制御システム100、110、120、130及び140の各々のハードウェア構成を示すブロック図である。図24(a)に示されるように、各制御システムは、プロセッサ80、メモリ81及びバス82により構成される。プロセッサ80はプログラムに従って処理を行い、各制御システムを構成する各機能手段を実現する。当該プログラムはメモリ81に記憶されており、バス82を介してプロセッサ80に与えられる。プロセッサ80は例えば中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)であり、メモリ81はRAM(Randam Access Memory)等の揮発性メモリ、及びROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含む記憶装置である。記憶装置16はメモリ81により構成される。
乗場呼び釦52,乗場表示器53,乗場アナウンス装置55、かご内照明装置56及びかご内表示器57といった外部装置との情報のやり取りは、各システムの図示されないインターフェース回路により行われる。このインターフェース回路にバス82が接続され、外部装置から受信する情報はインターフェース回路及びバス82を介してメモリ81に記憶され、メモリ81から記憶された情報がバス82及びインターフェース回路を介して外部装置に送信される。
図24(a)のようにプロセッサ80及びメモリ81を有する構成は、他の電気機器又は電子機器の制御にも使用可能なマイクロコンピュータ又はマイクロプロセッサ等で実現される。しかしこれに限らず、各制御システムは、図24(b)のように、専用の処理回路83で実現することもできる。もしくは、各制御システムの一部の機能手段はマイクロコンピュータ又はマイクロプロセッサ等で実現され、他の機能手段は専用の処理回路で実現されてもよい。
今回開示された実施の形態は例示的なものであり、特許請求の範囲の記載から逸脱しない範囲で、実施の形態において構成要素の変形、省略又は追加が可能である。