JP7322303B2 - 元素分析方法、元素分析装置、及び、元素分析装置用プログラム - Google Patents

元素分析方法、元素分析装置、及び、元素分析装置用プログラム Download PDF

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Description

本発明は、るつぼ内に収容された試料を加熱して生成される試料ガスに基づいて、試料中に含まれる元素を分析する元素分析装置に関するものである。
試料中に含まれる例えば窒素(N)、水素(H)、酸素(O)等の元素を定量するために元素分析装置が用いられる(特許文献1参照)。このような元素分析装置は、試料を収容した黒鉛るつぼを加熱炉内において一対の電極により挟持し、当該るつぼに直接電流を流して、るつぼ及び試料を加熱する。加熱により発生した試料ガスは加熱炉から外部に導出されて、各種成分の濃度がNDIR(Non Dispersive Infrared:非分散型赤外線ガス分析計)やTCD(Thermal Conductivity Detector熱伝導度検出器)等からなる分析機構によって測定される。
上記のような元素分析を行う場合、分析に先立って、るつぼだけに一定時間電流を流して加熱して脱ガスしている。これは、るつぼ内に含まれている大気成分やるつぼ自体が含有している窒素、水素、酸素由来の化合物を除去し、試料に由来しない非測定対象ガスの発生を抑えるためである。
ところで、脱ガスによってるつぼから非測定対象ガスが完全に発生しないようにすることは困難である。そこで、脱ガスが終了して加熱炉から導出されるガスが排気流路から分析機構に導入されるように流路を切り替えて実際の元素分析に移行した場合でも、図9に示すように一定時間るつぼだけに電流を流し、るつぼからの発生するガスの量が安定するのを待つ所定の待機時間が設定されている。そして、分析機構で測定される元素の量が、流路の切替から立ち上がり、ほぼ一定値で安定したことが確認された後にるつぼ内に試料の投下が行われる。また、るつぼからの非測定対象ガスの発生量が安定した後における分析機構の測定値の平均値がゼロ点補正量として設定され、生データをゼロ点補正するために用いられる。より具体的には、試料の燃焼特性によって前後するものの、例えば試料が投下されてから所定秒間待機した後の10秒間の平均値がゼロ点補正量とされる。
るつぼからの非測定対象ガスの発生がほぼ一定値に安定するまでにかかる時間は、例えば測定値が立ち上がる過渡状態が終了してから1分程度必要となることもある。このため、試料をるつぼ内に投下し、試料ガスを発生させて実際の分析を開始するのには時間がかかっている。また、ゼロ点補正量を算出するために測定値のサンプリングが行われる時間帯に非測定対象ガスの発生量に変動が生じると、ゼロ点がずれてしまい、分析精度が低下する原因となる。
特許4560058号公報
本発明は上述したような問題に鑑みてなされたものであり、元素分析にかかる時間を短縮しつつ、ゼロ点補正の精度は従来と同等に保つことができる元素分析方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明に係る元素分析方法は、るつぼに入れられた試料を加熱炉内で加熱し、前記加熱炉から導出されるガスに含まれる元素の量を分析機構で測定して、前記試料中に含まれていた元素を分析する元素分析方法であって、前記るつぼのみを加熱した場合に前記加熱炉から導出されるガスに含まれる元素の量を測定するブランク測定ステップと、前記ブランク測定ステップで得られたブランクデータにおいて測定値が立ち上がる過渡状態領域の測定値に基づいてゼロ点補正量を設定するゼロ点補正量設定ステップと、を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る元素分析装置は、るつぼに入れられた試料が加熱される加熱炉と、前記加熱炉から導出されるガスに含まれる元素の量を測定する分析機構と、を備え、前記試料中に含まれていた元素を分析する元素分析装置であって、前記るつぼのみを加熱した場合に前記分析機構が測定した前記加熱炉から導出されるガスに含まれる元素の量をブランクデータとして記憶するブランク測定結果記憶部と、前記ブランクデータにおいて測定値が立ち上がる過渡状態領域の測定値に基づいてゼロ点補正量を設定するゼロ点補正部と、を備えたことを特徴とする。
このような方法であれば、前記過渡状態領域の測定値に基づいてゼロ点補正量を設定しているので、従来のようにブランクデータの測定値がほぼ一定値で安定するまで待機する必要がない。このため、従来よりも短時間でゼロ点補正量を決定するために必要なデータを得ることができる。また、るつぼ内に実際に試料が投下される試料測定ステップにおいてもブランク測定ステップと同様の基準でゼロ点補正量を設定すればよいので、測定値がほぼ一定値で安定するまで待機することなく、試料をるつぼ内に投下して試料ガスの発生開始時間を早めることができる。したがって、元素分析全体に必要となる時間を大幅に短縮することが可能となる。
また、本願発明者らが鋭意検討を行ったところ、前記過渡状態領域の測定値でゼロ点補正量を決定しても、従来のようにほぼ一定値に安定した状態の測定値でゼロ点補正量を決定しても、分析精度には大きな違いが発生しないことが初めて見いだされた。すなわち、従来の技術常識であれば過渡状態ではるつぼから発生する非測定対象ガスの発生量が安定しておらず、分析ごとにゼロ点補正量がばらつき、分析精度も大きく低下してしまうと考えられていた。しかしながら、実際には過渡状態での測定値の大きさには分析ごとにばらつきがあったとしても、過渡状態領域の波形は分析ごとでほぼ相似形状であり、再現性が高いため、過渡状態領域の測定値でゼロ点補正量を決めても、安定した状態の測定値で設定したゼロ点補正量を用いた場合と分析精度が同じになると考えられる。
前記ゼロ点補正量が従来のように分析機構の測定値がほぼ一定値で安定した状態で設定したゼロ点補正量に近い値にするには、前記ゼロ点補正量が、前記過渡状態領域において測定値の時間微分値が減少傾向となる勾配減少領域中の複数の測定値に基づいて設定されものであればよい。
ゼロ点補正量のばらつきを抑えることができ、分析精度を向上させることができる前記勾配減少領域としては、前記勾配減少領域が、前記ブランクデータを時間微分した微分ブランクデータにおいてピーク値を取る時刻から所定時間の間の領域であるものが挙げられる。
例えば元素分析装置が複数種の元素について分析可能に構成されている場合においても、各元素の測定値に関するゼロ点補正量をそれぞれ適切な値に設定できるようにするには、前記分析機構が、前記加熱炉からガスが導出される導出流路上に上流側から下流側へ順番に設けられた複数の分析器を備えており、各分析器に対してそれぞれ異なるタイミングで現れる前記勾配減少領域に応じて前記ゼロ点補正量がそれぞれ個別に設定されるものであればよい。
前記分析機構において最も上流側に配置されている分析器に対して現れる前記勾配減少領域が、前記ブランクデータの測定開始時点から7秒以上20秒以下の時間帯に現れる領域であり、このような領域の測定値からゼロ点補正量を設定すれば、従来と同等の分析精度を実現しながら、試料を投下して実際の分析が開始される時間を大幅に短縮できる。
最も上流側に配置されている分析器よりも下流側にある分析器に対して現れる前記勾配減少領域は、最も上流側に配置されている分析器に現れる前記勾配減少領域を基準として所定の遅延時間経過に現れる領域であると定義できる。例えば各分析器間の離間距離や分析器や流量の容積に応じて分析対象となるガスが到達するのにかかる時間に応じて遅延時間を予め設定すれば、前記ブランクデータの測定開始時点と最も上流側にある分析器に現れる前記勾配減少領域の出現タイミングに基づいて各分析機において現れる勾配減少領域を定義でき、それぞれに適切なゼロ点補正量を容易に設定できる。
元素分析にかかる時間を短くしつつ、分析精度を保つことができる好ましい前記勾配減少領域の定義としては、前記勾配減少領域が、前記ブランクデータを時間微分した微分ブランクデータにおいてピーク値となる時刻からピーク値の10%に減少する時刻までの領域であるものが挙げられる。
前記ブランクデータに重畳している電気的ノイズ等の影響を低減しつつ、るつぼから発生する非測定対象ガスの発生量の変化に起因するオフセットが発生しにくくするには、前記ゼロ点補正量が、前記ブランクデータの前記勾配減少領域における連続する4点の測定値の平均値であればよい。4点の測定値であれば電気的ノイズのように振動成分についてはプラス方向とマイナス方向の誤差がちょうど打ち消しやすくなり、前記ゼロ点補正量の再現性を高めることができる。
るつぼ内に試料を投下して元素分析を行う場合でもゼロ点補正のために必要となる待ち時間を従来よりも短縮できるようにするには、前記るつぼと前記試料を加熱した場合に前記加熱炉から導出されるガスに含まれる元素の量を測定する試料測定ステップと、前記試料測定ステップで得られた生データにおいて測定値が立ち上がる過渡状態領域の測定値に基づいてゼロ点補正量を設定し、前記生データを前記ゼロ点補正量によりゼロ点補正した試料データを算出する試料データ生成ステップと、さらに備えたものが挙げられる。
前記ブランク測定ステップにおいて前記るつぼから発生するガスによって前記分析機構の測定値が飽和しないようにして、元素分析の精度を高められるようにするには、前記るつぼのみを加熱し、当該るつぼから発生するガスを前記分析機構に導入せずに排気流路に排気する空焼きステップをさらに備え、前記ブランク測定ステップが、前記空焼きステップ中又は前記空焼きステップ終了後に前記るつぼから発生するガスの導入先を前記排気流路から前記分析機構へ切り替えることで開始されるようにすればよい。
既存の元素分析装置において例えばプログラムを更新することにより本願発明に係る元素分析装置と同等の効果を享受できるようにするには、るつぼに入れられた試料が加熱される加熱炉と、前記加熱炉から導出されるガスに含まれる元素の量を測定する分析機構と、を備え、前記試料中に含まれていた元素を分析する元素分析装置に用いられるプログラムであって、前記るつぼのみを加熱した場合に前記分析機構が測定した前記加熱炉から導出されるガスに含まれる元素の量をブランクデータとして記憶するブランク測定結果記憶部と、前記るつぼと前記試料を加熱した場合に前記分析機構が測定した前記加熱炉から導出されるガスに含まれる元素の量を生データとして記憶する試料ガス測定結果記憶部と、前記ブランクデータに基づいて、前記生データをゼロ点補正した試料データを算出するゼロ点補正部と、としての機能をコンピュータに発揮させるものであり、前記ゼロ点補正部が、前記ブランクデータにおいて測定値が立ち上がる過渡状態領域の測定値に基づいてゼロ点補正量を設定することを特徴とする元素分析装置用プログラムを用いれば良い。
なお、元素分析装置用プログラムは電子的に配信されるものであってもよいし、CD、DVD、フラッシュメモリ等のプログラム記録媒体に記録されたものであってもよい。
このように本発明に係る元素分析方法は、ブランクデータにおける過渡状態領域の測定値に基づいて、ゼロ点補正量を設定しているので従来のように安定状態となるまで待機してからゼロ点補正量を設定する場合と比較して待ち時間を大幅に短縮できる。しかも、ゼロ点補正量のばらつきや分析精度については従来手法とほぼ同等に保つことが可能となる。
本発明の一実施形態における元素分析装置の構成を示す模式図。 同実施形態における元素分析装置の機能ブロック図。 同実施形態における元素分析装置の元素分析開始時から終了時までの動作例及び測定値の変化例を示す模式図。 同実施形態におけるブランクデータの各領域の定義と、ゼロ点補正量を算出するためのサンプリング点を示すグラフ。 同実施形態における異なるるつぼごとのゼロ点補正結果を示すグラフ。 同実施形態におけるゼロセット時間ごとのゼロ点補正結果を示すグラフ。 同実施形態におけるゼロセット時間と、補正結果のばらつきとの間の関係を示すグラフ。 同実施形態における微分ブランクデータを示すグラフ。 従来手法における元素分析装置の元素分析開始時から終了時までの動作例及び測定値の変化例を示す模式図。
100・・・元素分析装置
3 ・・・加熱炉
AM ・・・分析機構
C1 ・・・ブランク測定結果記憶部
C2 ・・・ゼロ点補正部
C3 ・・・試料ガス測定結果記憶部
C4 ・・・投入タイミング制御部
C5 ・・・試料データ記憶部
C6 ・・・元素量算出部
本発明の一実施形態に係る元素分析装置100について各図を参照しながら説明する。図1に一実施形態の元素分析装置100の概略を示す。
元素分析装置100は、黒鉛るつぼMP内に収容された例えば金属試料やセラミックス試料等(以下、単に試料という)を加熱溶解し、その際に発生する試料ガスを分析することにより、当該試料内に含まれている元素の量を測定するものである。第1実施形態では試料中に含まれているC(炭素)、H(水素)、N(窒素)が測定対象となる。
図1に示すように、元素分析装置100は、るつぼMPに収容された試料が加熱される加熱炉3と、加熱炉3に対してキャリアガスを導入する導入流路L1と、加熱炉3からキャリアガスと試料ガスの混合ガスが導出される導出流路L2と、導出流路L2においてダストフィルタ4と分析機構AMとの間に設けられた切換弁Vを介して分岐する排気流路L3とを備えている。より具体的には、元素分析装置100は、加熱炉3と、導入流路L1又は導出流路L2に設けられた各機器と、各機器の制御や測定された濃度等の演算処理を司る制御演算機構COMによって構成されている。制御演算機構COMは例えばCPU、メモリ、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、各種入出力手段を備えたいわゆるコンピュータであって、メモリに格納されている元素分析装置用プログラムが実行され、各種機器が協業することにより図2の機能ブロック図に示す各部の機能を発揮する。また、制御演算機構COMは後述する、例えば導出流路L2上に設けられた分析機構AMを構成する各分析器であるCO検出部5、CO2検出部7、H2O検出部8、N2検出部11の出力に基づいて試料中に含まれる各種元素の濃度を表示する表示部(図示しない)としての機能も発揮する。
各部について詳述する。
図1に示すように導入流路L1の基端にはキャリアガスの供給源1であるガスボンベが接続されている。第1実施形態では供給源1からHe(ヘリウム)が導入流路L1内に供給される。また、導入流路L1上にはキャリアガスに含まれる微小量の炭化水素を除去し、キャリアガスの純度を上昇させる精製器2が設けられている。
精製器2はキャリアガス中に含まれる炭化水素を物理的に吸着し、キャリアガス自体は実質的に吸着しない特性を有する材料で形成されている。なお、精製器2を形成する材料はキャリアガス又は炭化水素とは化学的には反応しない。すなわち、この精製器2は例えばガスクロマトグラフにおいても用いられるものであり、この精製器2を形成する材料として例えばゼオライト系モレキュラーシーブを用いることができる。また、精製器2を形成する材料としてはシリカゲルや活性炭、アスカライト等であっても構わない。この精製器2は例えば加熱することにより吸着されている分子を脱着し、その吸着能を再生できる。
加熱炉3は、試料を収容した黒鉛るつぼMPを一対の電極により挟持し、当該るつぼMPに直接電流を流して、るつぼMP及び試料を加熱するように構成されている。試料の加熱時には加熱炉3内の圧力が60kPa以下の圧力、より好ましくは40kPa以下の圧力となるように加熱炉3の上流側に設けられている調圧弁(図示しない)によってキャリアガスは圧力が調節される。
次に導出流路L2上に設けられている各機器について説明する。
導出流路L2上には、ダストフィルタ4、切換弁V、CO検出部5、酸化器6、CO2検出部7、H2O検出部8、除去機構9、マスフローコントローラ10、熱伝導度分析部であるN2検出部11が上流側からこの順番で並べて設けられている。この実施形態では導出流路L2上に設けられているダストフィルタ4及び切換弁V以外の各機器は分析対象の元素である窒素、水素、酸素の量をそれぞれ測定する分析機構AMを構成する。すなわち、分析機構AMは導出流路L2上において上流側から下流側に複数の分析器を備えており、各分析器に対してそれぞれ個別のゼロ点補正量が設定される。
ダストフィルタ4は、加熱炉3から導出されるガスに含まれているすすなどを濾し取り、除塵するものである。
切換弁Vは、いわゆる三方弁であって、例えば制御演算機構COMによってその接続方向の切替が制御される。この切換弁Vは加熱炉3から導出されるガスを排気流路L3又は導出流路L2において切換弁Vよりも下流側に設けられている分析機構AMのいずれか一方に流れるように流路を切り替える。より具体的には、加熱炉3内にるつぼMPのみが配置され空焼きされており、るつぼMPから高濃度の成分が抽出されている間に発生するガスは、排気流路L3へ流される。ここで、言う高濃度とは分析機構AMの測定値が飽和する、又は、飽和に近い状態となることをいう。るつぼMPから高濃度の成分が抽出されている時間帯には切換弁Vの導出流路L2の上流側と排気流路L3とが連通し、導出流路L2の分析機構AM側は閉鎖される。
また、るつぼMPの空焼きが十分に進み低濃度の成分のみがるつぼMPから抽出されるようになった時点で、切換弁Vは加熱炉3から導出されるガスが分析機構AMへと導入されるように切り替えられる。切換弁Vの切り替えから所定時間経過後に分析機構AMの測定値はゼロの値から立ち上がることになる。
CO検出部5は、ダストフィルタ4を通過した混合ガスに含まれるCO(一酸化炭素)を検出し、その濃度を測定するものであり、NDIR(非分散型赤外線ガス分析計)で構成されている。このCO検出部5は、その測定精度から試料内部に含まれている酸素が高濃度の場合に有効に動作する。具体的には150ppm以上のCOを測定対象とするのが好ましい。
酸化器6は、CO検出部5を通過した混合ガスに含まれるCOやCO2を酸化するとともに、H2をH2O(水)に酸化して水蒸気を生成するものである。この酸化器6として第1実施形態では酸化銅が用いられており、その温度は周囲に設けられた発熱抵抗体により450℃以下の温度に保たれている。
CO2検出部7は、酸化器6を通過した混合ガス中のCO2を検出して、その濃度を測定するNDIRである。このCO2検出部7は、測定精度の観点から試料に含まれる酸素が低濃度(例えば150ppm未満)の場合に有効に動作する。
H2O検出部8は、CO2検出部7を通過した混合ガス中のH2Oを検出して、その濃度を測定するNDIRである。なお、酸化器6からH2O検出部8に至るまでの流路は混合ガスの温度が100℃以上に保たれて、H2Oが水蒸気の状態を保つように構成されている。このようにして、結露による測定誤差がH2O検出部8において発生しないようにしている。
除去機構9は、混合ガス中に含まれているCO2及びH2Oを吸着して除去するものである。この除去機構9は吸着剤によって構成されており、例えば前述した導入流路L1に設けられた精製器2と同じものが用いられる。
マスフローコントローラ10は、流量センサM1、制御バルブM2、流量制御器M3が1つのパッケージとなった流量制御デバイスである。このマスフローコントローラ10は、下流側にあるN2検出部11には設定流量で一定に保たれた混合ガスを供給する。このため、除去機構9によって混合ガスに圧力の変動が生じても、N2検出部11における混合ガスの圧力を測定に適した値に保つことができる。第1実施形態では加熱炉3内の圧力を60kPaに保つことができるように、マスフローコントローラ10は、60kPaよりも低い圧力で動作するように例えば前後の差圧が20kPaでも動作するように構成されている。
N2検出部11は、TCD(熱伝導度検出器)であり、混合ガスの熱伝導度の変化と、供給されている混合ガスの流量から混合ガスに含まれている所定成分であるN2の濃度を測定する。すなわち、N2検出部11に供給される混合ガスはほぼキャリアガスとN2だけで構成されているので、混合ガス中に含まれるN2の濃度は測定される熱伝導度の変化に対応した値となる。また、第1実施形態ではN2検出部11の下流側には流量計は設けられておらず、N2検出部11の下流側は導出流路L2の排気口に直結されている。
次に制御演算機構COMの詳細について説明する。図2に示すように制御演算機構COMは少なくともブランク測定結果記憶部C1、試料ガス測定結果記憶部C3、ゼロ点補正部C2、試料データ記憶部C5、投入タイミング制御部C4、元素量算出部C6としての機能を発揮する。これらの各部の構成について、分析が開始されてから終了するまでの動作とともに説明する。
この実施形態の元素分析装置100で行われる元素分析は、例えば空焼きステップ、ブランク測定ステップ、試料測定ステップの少なくとも3つのステップで構成されている。
空焼きステップでは、るつぼMPが空焼きされており、加熱炉3から導出されるるつぼMP由来の高濃度成分が排気流路L3から排気される。空焼きステップ中は切換弁Vによって、加熱炉3から導出されたガスは分析機構AMにガスが導入されない。
ブランク測定ステップは、空焼きステップが開始されてから、るつぼMPから低濃度の成分しか抽出されないようになった時点で開始される。より具体的にはブランク測定ステップは、空焼きステップ開始後から所定時間経過後に、加熱炉3から導出されるガスの流れが排気流路L3から分析機構AM側へ切り替えられることで開始される。空焼きステップからブランク測定ステップの切り替えタイミングについては、例えばるつぼMPから所定濃度以下の成分しか抽出されなくなる経過時間を実験等によって予め求めておき、実測された経過時間に基づいて設定すればよい。このブランク測定ステップで分析機構AMの各分析器であるCO検出部5、CO2検出部7、H2O検出部8、及び、N2検出部11からそれぞれ得られる測定値の時系列データであるブランクデータはブランク測定結果記憶部C1に記憶され、このブランクデータに基づいて測定値のゼロ点補正量が設定される。ここで、各ブランクデータは、前述した排気流路L3から分析機構AMへ切り替えられた時点をブランクデータの測定開始時点とするものである。したがって、最も上流側にあるCO検出部5から出力されるブランク測定データにおいて最も早い時点で測定値の立ち上がり生じ、下流側にある各分析器のブランクデータにおける立ち上がりは、最も上流側にあるCO検出部5に対する離間距離やそれまでにある機器や流路の容積に応じた遅れが生じる。
ブランク測定ステップが終了した後、加熱炉3からるつぼMPが取り出されて、新しいるつぼMPがセットされる。この新しいるつぼMPに対して前述した空焼きステップで行われて、るつぼMPから低濃度の成分しか抽出されないようになった時点で試料測定ステップが開始される。すなわち、加熱炉3から導出されるガスの流れが排気流路L3から分析機構AM側へ切り替えられることで、試料測定ステップも開始される。本実施形態では図3に示すように試料測定ステップでは分析機構AM側へガスの流れが切り替えられてから所定時間の間は試料が投下されず、るつぼMPのみで加熱される。試料の投下のタイミングは、試料の燃焼や溶融のしやすさによって適宜変更してもよい。試料測定ステップで分析機構AMにより得られる測定値は生データとして試料ガス測定結果記憶部C3に記憶され、ブランク測定ステップで設定したゼロ点補正量によりゼロ点補正される。
次にゼロ点補正量の設定、及び、ゼロ点補正について詳述する。ブランク測定ステップでは、るつぼMPのみが加熱炉3内に収容された状態で電流が印加され、るつぼMPのみが加熱される。るつぼMP単体の加熱によって、るつぼMP内に含まれている大気成分や化合物の形で存在する窒素、水素、酸素等を脱ガスし、試料に由来しない非測定対象ガスが少量抽出される。そして、加熱炉3から導出流路L2へと導出された非測定対象ガス中に含まれる各元素の量が分析機構AMによって測定され、ブランクデータとしてブランク測定結果記憶部C1に記憶される。
ゼロ点補正部C2は、各元素(窒素、水素、酸素)に対応する各分析器のブランクデータにおいて、測定値が立ち上がる過渡状態領域中の測定値に基づいてゼロ点補正量を設定する。この実施形態では特に過渡状態領域において時間変化率が減少傾向となる勾配減少領域中における複数の測定値の平均値に基づいてゼロ点補正量を設定する。また、各分析器の出力するブランクデータにおいて勾配減少領域が現れるタイミングは、上流側にある分析器ほど早くなるため、各分析器の出力に応じてそれぞれ個別の勾配減少領域においてサンプリングされる測定値に基づいて、それぞれ別々にゼロ点補正量は算出される。
ここで、ブランクデータの変化傾向を示すために、図4にそれぞれ異なるるつぼMPについて従来と同様に非測定対象ガスの発生量が安定するまで待機する場合のブランクデータの時間変化を示す。ここで、ブランクデータはCO検出部5の出力するものを一例として記載している。なお、以下の説明において使用するグラフではCO検出部5の出力するブランクデータを一例として説明している。図4に示すように加熱炉3から導出されるガスが排気流路L3から分析機構AMに流れるように切換弁Vが切り替えられ、ブランク測定が開始されてから所定時間経過後(グラフでは7秒前後)から分析機構AMにより元素が検出され始める。そして、元素が検出され始めてから所定期間の間は測定値が単調増加し続ける過渡状態領域が形成される。また、過渡状態領域が終了すると、測定値がほぼ一定となる安定状態領域が形成される。安定状態領域は例えば直近所定点数の測定値の移動平均に対するばらつきが所定値以下となる領域と定義できる。これに対して過渡状態領域は安定状態領域以外であり、切換弁Vによる流路の切り替え後(ブランク測定ステップの開始後)から所定時間経過後で測定値が所定値以上変化している領域と定義できる。図4の各ブランクデータから分かるように絶対値は異なっていても、各ブランクデータは概略一次遅れ応答とみなせる概略相似形の波形を示している。すなわち、るつぼMPごとに非測定対象ガスの発生量の大きさには違いがあっても変化傾向は類似していることが分かる。なお、CO検出部5、CO2検出部7、H2O検出部8の出力するブランクデータではほぼ同じ波形で同様の傾向が見られる。また、N2検出部11の出力するブランクデータで得られる波形は他の分析器とは異なるものの、るつぼMPごとに相似形をなす波形を得られる。CO2検出部7、H2O検出部8、及び、N2検出部11から出力されるブランクデータにおいて各勾配減少領域は例えばCO検出部5の勾配減少領域が現れるタイミングを基準としてそれぞれ個別の遅延時間を加えた時間帯に現れる。
この実施形態ではゼロ点補正部C2は、図4の拡大部分に示すように勾配減少領域中の連続する4点の測定値の平均値をゼロ点補正量として設定する。このようにゼロ点補正量を設定し、各ブランクデータをゼロ点補正した結果を図5のグラフに示す。図5のグラフに示されるようにいずれのブランクデータでもゼロ点補正後はほぼ同じ波形が得られており、ばらつきを所定値以下に抑えることができている。すなわち、安定状態領域において測定値をサンプリングしてゼロ点補正量を設定しなくても、もっと早い段階である勾配減少領域中の複数の測定値から元素分析に十分な精度でゼロ点補正を行えることがわかる。
次に過渡状態領域中におけるゼロ点補正量を設定するための測定値のサンプリング開始タイミングと、ゼロ点補正精度との関係について説明する。図6に元となるブランクデータと、5秒から10秒の間で1秒毎にゼロ点補正量を算出するためのサンプリング開始点を変更した場合のブランクデータのゼロ点補正結果を示す。各図から分かるようにサンプリング開始点(ゼロセット時間)を変更すると所定時刻以降においてはばらつきがほぼ一定に収束する傾向がある。より具体的には図7に示すゼロセット時間と補正後のブランクデータのばらつきを示す標準偏差との関係から分かるように、分析開始後(るつぼMPに電流印加開始後)7.5秒以降であればばらつきがほぼ一定となることが分かる。また、図8に示すブランクデータを時間微分した微分ブランクデータからわかるように7.5秒は微分ブランクデータがピーク値を取る時刻であり、勾配減少領域が開始される時刻である。すなわち、過渡状態領域において時間微分値が減少傾向にある領域の時間帯においてブランクデータから測定値を選択し、ゼロ点補正量を設定すれば所定値以下のばらつきに抑えたゼロ点補正を行うことができる。
本実施形態では上述したような解析結果に基づき、最も上流側に配置されているCO検出部5の出力するブランクデータにおける勾配減少領域をるつぼMPの加熱開始時点から7秒以上20秒以下の時間帯に現れる領域であると定義している。また、別の表現をすると、勾配減少領域はブランクデータを時間微分した微分ブランクデータにおいてピーク値となる時刻からピーク値の10%に減少する時刻までの領域とも定義できる。このように定義される勾配減少領域においてゼロ点補正部C2はブランクデータから複数点の測定値をサンプリングし、平均化したゼロ点補正量を設定することでばらつきを所定値以下に抑えたゼロ点補正を実現できる。なお、ゼロ点補正部C2がゼロ点補正量を算出するための測定値をサンプリングするタイミング(ゼロセット時間)は、ユーザが予め定めた時刻により手動設定されてもよいし、微分ブランクデータにおいて極値となる時刻をトリガとして自動設定されるようにしてもよい。より具体的には、制御演算機構がユーザによって設定されるゼロセット時間を受け付ける受付部をさらに備えたものであり、ゼロ点補正部C2が受付部に受け付けられたゼロセット時間に基づいて、ゼロ点補正量を算出するための測定値をサンプリングするように構成してもよい。この場合には、受け付けられたCO検出部5の勾配減少領域が現れている時間帯を示すゼロセット時間を基準として、それぞれ個別の遅延時間を加えた時間帯がCO2検出部7、H2O検出部8、N2検出部11の出力するブランクデータにおける勾配減少領域として抽出されるようにゼロ点補正部C2を構成してもよい。
ゼロ点補正部C2によってブランクデータのためのゼロ点補正量が設定されると、ゼロ点補正部C2は次の試料測定ステップにおいても同様のゼロ点補正が行えるように、流路切り替えタイミングからゼロ点補正のためのサンプリングをするための期間の開始点をゼロセット時間として記憶する。また、ゼロ点補正されたブランクデータの積分値は、るつぼMPから抽出される元素の補正量としてゼロ点補正部C2に記憶される。
次にるつぼMPを変更して空焼きを終えた後、試料測定ステップが開始されると、図2に示すように生データにはブランク測定ステップと同様に測定値が立ち上がる過渡状態領域が現れる。ゼロ点補正部C2は記憶されているブランクデータでのゼロ点補正量を算出するためのサンプリングタイミングと同じタイミングで生データから4点サンプリングし、生データのためのゼロ点補正量を算出する。また、図2に示す投入タイミング制御部C4は、所定の投入タイミングでるつぼMP内へ試料が投入し、試料の加熱が開始される。この試料の投入タイミングはゼロ点補正部C2に設定されているゼロセット時間から所定秒数経過後であればよい。試料の燃焼のしやすさなどを加味して適宜この秒数は設定してもよい。元素分析を高速化する観点からは生データにおける過渡状態領域の終期又は安定状態領域の初期に試料の投下が行われるようにすればよい。この実施形態では図3に示すように生データのゼロ点補正量の設定終了後すぐに試料の投下が行われる。
試料の投下後に分析機構AMで測定される各時刻における各元素の測定値はそれぞれ元素ごとの生データとして図2に示す試料ガス測定結果記憶部C3に記憶される。ゼロ点補正部C2は各元素の生データに対して対応するゼロ点補正量によりゼロ点補正を行った試料データを算出し、試料データ記憶部C5に記憶させる。ここで、ゼロ点補正は新しい測定値が取得されるごとに逐次行われる。図2に示す元素量算出部C6は各試料データに基づいて、試料ガス抽出前の試料に含まれていた窒素、水素、酸素の元素量を算出する。すなわち、元素量算出部C6は、試料データのグラフの面積値から試料に由来する元素の量とるつぼMPに由来する元素の量の和を算出し、ゼロ点補正量によりゼロ点補正されたブランクデータのグラフの面積値からるつぼMPに由来する元素の量を算出する。元素量算出部C6は、これらの算出された量から試料に含まれていた元素の量を逐次算出し、例えばディスプレイ等にその値を表示する。
このように本実施形態の元素分析装置によれば、図4に示すようにブランクデータにおいて勾配減少領域内にある複数の測定値に基づいてゼロ点補正量を設定するので、従来のように非測定対象ガスの発生量が安定するまで試料投下を行わずに長時間待機する必要がなく、待機時間を大幅に減らすことができる。しかも、図6乃至図8の解析結果から分かるように勾配減少領域内の測定値を用いることによりゼロ点補正によるばらつきは小さく抑えることができ、従来手法と同等の分析精度を実現できる。
また、ゼロ点補正量を算出するための測定値のサンプリング点数を4点に絞っているので、安定状態領域と比較してノイズの変化量よりも測定値自体の変化が大きいことがある勾配減少領域内の測定値を用いてもゼロ点補正のばらつきは発生しにくくしながら、電気的なノイズ影響等は低減できる。すなわち、サンプリング点数が偶数なので電気的ノイズの振動がプラス側とマイナス側で打ち消し合わせることができ、ゼロ点補正量のばらつきを抑えることができる。
その他の実施形態について説明する。
前記実施形態ではゼロ点補正量は勾配減少領域中の測定値だけを用いて算出されていたが、許容される分析精度によっては過渡状態領域において勾配減少領域以外の領域(例えば勾配増加領域)の測定値を含んでゼロ点補正量が算出されるようにしてもよい。
ゼロ点補正部がゼロ点補正量を算出するためのゼロセット時間については。必ず過渡状態領域内から選択されるようにしなくてもよい。例えば高速で元素分析を行いたい場合には、過渡状態領域内から測定値をサンプリングしてゼロ点補正量を算出し、従来と同じ状態で元素分析を行う場合やより高い分析精度が求められる場合等は、ブランクデータの安定状態領域内から測定値をサンプリングしてゼロ点補正量が算出されるようにゼロ点補正部を構成してもよい。
ゼロ点補正量を算出するためのサンプリング点数については4点に限られるものではなく、1点又は2点であってもよいし、3点であっても構わない。また、サンプリング点数は5点以上であってもよい。
ゼロ点補正部は、試料測定ステップにおいて新しい測定値が得られるごとにゼロ点補正を行うものに限られず、例えば一通り測定が終了してから生データ全体をゼロ点補正するようにしてもよい。
元素分析装置において分析対象となる元素は窒素、水素、酸素に限定されるものではなく、例えばこれら3つの元素のうちから少なくとも1つを分析するものであってもよい。また、窒素、水素、酸素以外の元素を分析するものであってもよい。
るつぼの原料についても黒鉛に限られず、例えばセラミックス等の材料で形成されたものであってもよい。
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な実施形態の変形や、各実施形態の一部同士の組み合わせを行っても構わない。
本発明によれば、ゼロ点補正量を設定するために必要となる待ち時間を大幅に短縮できるとともに、ゼロ点補正量のばらつきや分析精度についても従来よりも向上させた元素分析装置を提供することが可能となる。

Claims (12)

  1. るつぼに入れられた試料を加熱炉内で加熱し、前記加熱炉から導出されるガスに含まれる元素の量を分析機構で測定して、前記試料中に含まれていた元素を分析する元素分析方法であって、
    前記るつぼを空焼きして前記加熱炉から導出されるガスを所定時間排気した後に、前記分析機構に導入し、前記加熱炉から導出されるガスに含まれる元素の量を測定するブランク測定ステップと、
    前記ブランク測定ステップで得られたブランクデータにおいて測定値が立ち上がる過渡状態領域における前記測定値の時間微分値が減少傾向となる勾配減少領域の測定値に基づいてゼロ点補正量を設定するゼロ点補正量設定ステップと、を備えたことを特徴とする元素分析方法。
  2. 前記ゼロ点補正量が、前記過渡状態領域において測定値の時間微分値が減少傾向となる勾配減少領域中の複数の測定値に基づいて設定される請求項1記載の元素分析方法。
  3. 前記勾配減少領域が、前記ブランクデータを時間微分した微分ブランクデータにおいてピーク値を取る時刻から所定時間の間の領域である請求項2記載の元素分析方法。
  4. 前記分析機構が、前記加熱炉からガスが導出される導出流路上に上流側から下流側へ順番に設けられた複数の分析器を備えており、
    各分析器に対してそれぞれ異なるタイミングで現れる前記勾配減少領域に応じて前記ゼロ点補正量がそれぞれ個別に設定される請求項3記載の元素分析方法
  5. 前記分析機構において最も上流側に配置されている分析器に対して現れる前記勾配減少領域が、前記ブランクデータの測定開始時点から7秒以上20秒以下の時間帯に現れる領域である請求項3又は4記載の元素分析方法。
  6. 最も上流側に配置されている分析器よりも下流側にある分析器に対して現れる前記勾配減少領域が、最も上流側に配置されている分析器に現れる前記勾配減少領域を基準として所定の遅延時間経過に現れる領域である請求項4又は5記載の元素分析方法。
  7. 前記勾配減少領域が、前記ブランクデータを時間微分した微分ブランクデータにおいてピーク値となる時刻からピーク値の10%に減少する時刻までの領域である請求項2乃至6いずれかに記載の元素分析方法。
  8. 前記ゼロ点補正量が、前記ブランクデータの前記勾配減少領域における連続する4点の測定値の平均値である請求項2乃至7いずれかに記載の元素分析方法。
  9. 前記るつぼと前記試料を加熱した場合に前記加熱炉から導出されるガスに含まれる元素の量を測定する試料測定ステップと、
    前記試料測定ステップで得られた生データにおいて測定値が立ち上がる過渡状態領域の測定値に基づいてゼロ点補正量を設定し、前記生データを前記ゼロ点補正量によりゼロ点補正した試料データを算出する試料データ生成ステップと、さらに備えた請求項1乃至8いずれかに記載の元素分析方法。
  10. 前記るつぼのみを加熱し、当該るつぼから発生するガスを前記分析機構に導入せずに排気流路に排気する空焼きステップをさらに備え、
    前記ブランク測定ステップが、前記空焼きステップ中又は前記空焼きステップ終了後に前記るつぼから発生するガスの導入先を前記排気流路から前記分析機構へ切り替えることで開始される請求項1乃至9いずれかに記載の元素分析方法。
  11. るつぼに入れられた試料が加熱される加熱炉と、前記加熱炉から導出されるガスに含まれる元素の量を測定する分析機構と、を備え、前記試料中に含まれていた元素を分析する元素分析装置であって、
    前記るつぼを空焼きして前記加熱炉から導出されるガスを所定時間排気した後に、前記分析機構に導入し、前記分析機構が測定した前記加熱炉から導出されるガスに含まれる元素の量をブランクデータとして記憶するブランク測定結果記憶部と、
    前記ブランクデータにおいて測定値が立ち上がる過渡状態領域における前記測定値の時間微分値が減少傾向となる勾配減少領域の測定値に基づいてゼロ点補正量を設定するゼロ点補正部と、備えたことを特徴とする元素分析装置。
  12. るつぼに入れられた試料が加熱される加熱炉と、前記加熱炉から導出されるガスに含まれる元素の量を測定する分析機構と、を備え、前記試料中に含まれていた元素を分析する元素分析装置に用いられるプログラムであって、
    前記るつぼを空焼きして前記加熱炉から導出されるガスを所定時間排気した後に、前記分析機構に導入し、前記分析機構が測定した前記加熱炉から導出されるガスに含まれる元素の量をブランクデータとして記憶するブランク測定結果記憶部と、
    前記ブランクデータにおいて測定値が立ち上がる過渡状態領域における前記測定値の時間微分値が減少傾向となる勾配減少領域の測定値に基づいてゼロ点補正量を設定するゼロ点補正部としての機構をコンピュータに発揮させることを特徴とする元素分析装置用プログラム。
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