JP4137283B2 - 燃料ガス分析装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液化天然ガスなどを原料として製造される都市ガス、発電用ガスなどの各種燃料ガスをガスクロマトグラフ装置を用いて組成分析し、その結果に基づいて総発熱量などの燃料ガスの性能を示す指標値を算出する燃料ガス分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般家庭や工場などに供給される都市ガスは、液化天然ガスなどを主原料として調製される。このような都市ガスを含む燃料ガスの性能を判断するためには、総発熱量、ウォッベ指数、燃焼速度、燃焼能などの指標値が利用されている。
【0003】
燃料ガスの総発熱量は、燃料ガスを実際に燃焼させ、炎熱量計などを用いて燃焼熱を測定することにより求めることができるが、そのほかにも、燃料ガスに含まれる各種成分の定量分析を行い、その結果から総発熱量を計算することもできる。このような燃料ガスの定量分析及び試験方法としては、従来、日本工業規格(JIS)K2301「燃料ガス及び天然ガスの分析・試験方法」やGPA法などによる規格が知られている。
【0004】
例えば上記JIS規格によれば、燃料ガスに含まれる一般成分(メタンやその他の炭化水素類、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、酸素及び窒素など)の定量分析はガスクロマトグラフ装置を用いて行われる。この分析では、炭化水素類としては炭素数が1(つまりメタン)から6(ヘキサン類)までの成分が対象である。これら全成分を1種類のカラムで適切に分離することは不可能であるため、炭素数が3から6までの炭化水素類(以下、炭素数nの炭化水素類を「Cn」と記す)の分離にはセバコニトリル又はDOP(フタル酸ジオクチル)等のカラムが、それ以外の成分の分離には、MS−5A(合成ゼオライト)カラムとポリマービーズカラムとが使用されている。なお、GPA法では、C3以上の成分の分離にはDC−200(シリコングリース)カラムが用いられている。
【0005】
ガスクロマトグラフ装置により得られたクロマトグラムを解析処理することにより各成分の濃度を算出することができるが、標準ガス分析時の大気圧と試料ガス分析時の大気圧の相違によってガス採取量にばらつきが生じ、その結果、絶対濃度が変動する場合がある。そこで、各成分の濃度の総和が100%になるように規格化することにより各成分の最終的な分析値を算出している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような従来の分析方法によって或る程度の精度を維持するには、15〜40分程度の分析時間を要するのが一般的であった。これは、主として、カラムにおいてC3〜C6成分を互いに分離するのに長い時間が必要であったことに起因している。総発熱量の測定の頻度が高くない場合には、分析に或る程度の時間を要してもあまり問題はない。しかしながら、例えば配管を通して供給している都市ガスの総発熱量を高い頻度でもってモニタするような用途においては、分析時間をできる限り短縮し、長くても数分程度の時間内に終了するような分析手法が要望されている。
【0007】
本発明はこのような点に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、従来の分析に比較して分析時間を大幅に短縮し、しかも十分に高い分析精度も得ることができる燃料ガス分析装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために成された本発明に係る燃料ガス分析装置は、
a)燃料ガスの各含有成分の濃度を測定するガスクロマトグラフと、
b)燃料ガス分析時の大気圧を測定し、その大気圧と標準ガス分析時の大気圧との相違に応じて前記ガスクロマトグラフにより求まった各成分の濃度における試料ガス導入量依存性を補正する圧力補正手段と、
c)該圧力補正手段により補正された各成分の分析値の総和に基づいて分析対象以外の成分の量を推定する推定手段と、
d)前記圧力補正手段により補正された各成分の分析値に対し所定の演算処理を行って燃料ガスの性能に関する指標値を算出する演算処理手段と、
を備え、前記ガスクロマトグラフは、
a1)炭素数が3乃至5の炭化水素成分と炭素数が1及び2の炭化水素成分並びに炭化水素以外の成分とをそれぞれ並行して分析するために、独立して設けられた第1及び第2なる計量管にそれぞれ試料ガスを導入する試料導入系と、
a2)前記第1計量管に採取された試料ガスから炭素数が3以上の炭化水素成分を除外するプレカラムと、該プレカラムで成分が除外されたあとの試料ガス中の各成分を分離するためのカラムと、を含む第1分離部と、
a3)前記第2計量管に採取された試料ガスから炭素数が6以上の炭化水素成分を除外するプレカラムと、該プレカラムで成分が除外されたあとの試料ガス中の炭素数が3乃至5の炭化水素成分を分離するためのアルミナプロットカラムと、カラム入口圧を所定シーケンスで昇圧することによりキャリアガス流量を増加させる圧力制御手段と、を含む第2分離部と、
を有することを特徴としている。
【0009】
液化天然ガスや或る種の合成天然ガスは、炭素数が6以上である炭化水素成分(C6+成分)を含まないか、或いは含まれていてもごく微量である。そこで、本発明に係る燃料ガス分析装置のガスクロマトグラフでは、第2分離部において、従来は分析対象としていたC6+成分をプレカラムを用いて捕集し、メインカラムに導入される試料ガス中から除去する。また、C3、C4、C5成分を分離するカラムとしては、アルミナプロットのキャピラリカラムを用い、しかもその入口圧を徐々に上昇させる昇圧制御を行うことによって、各成分を充分に分離させつつ短時間でカラムから流出させる。これにより、C3、C4、C5成分をDC−200カラムで分離した場合に15分以上の時間を要するものが約3分以内で分離できるようになる。
【0010】
また、本発明に係る燃料ガス分析装置では、前記炭素数が1及び2の炭化水素成分並びに炭化水素以外の成分は、水素、酸素、窒素、メタン、一酸化炭素、二酸化炭素及びエタンとすることができる。
【0011】
また、本発明に係る燃料ガス分析装置では、前記第1分析部は、水素、酸素、窒素、メタン及び一酸化炭素と、二酸化炭素及びエタンとを先行して分離し、更にそれぞれ相違するカラムで各成分を分離する構成とすることができる。具体的には、前者の各成分を分離するには分離相に合成ゼオライトを用いたカラム、後者の各成分を分離するには分離相にポリビーズを用いたカラムが適当である。
【0012】
更に、本発明に係る燃料ガス分析装置により求まる指標値には、総発熱量、ウォッベ指数、燃焼速度、燃焼能などを含むものとする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態である燃料ガス発熱量測定装置を図面を参照して説明する。図1は本実施例の燃料ガス発熱量測定装置の全体構成を示すブロック図である。
【0014】
この燃料ガス発熱量測定装置は、後述のように複数のカラムと流路切替用のバルブとを含んで構成されるガスクロマトグラフ分析部(以下「GC分析部」と称す)1と、GC分析部1の検出器2から得られる検出信号に基づきクロマトグラムを作成すると共にそのクロマトグラムを解析して各成分の濃度を算出する定量分析部4と、分析時の大気圧を測定する大気圧モニタ8と、大気圧モニタ8で測定された大気圧に応じて各成分の濃度を補正する圧力補正部5と、圧力補正がなされた濃度を規格化し、規格化された濃度に基づき所定の演算式を用いることによって総発熱量を算出する熱量算出部6と、圧力補正がなされた濃度に基づいて分析対象外の成分の濃度を推定する他成分推定部7とを備えている。定量分析部4、圧力補正部5、熱量算出部6及び他成分推定部7から成るデータ処理部3はパーソナルコンピュータなどを中心に構成することができ、図示しないものの、キーボードなどの操作部やディスプレイ、プリンタなどの出力部等が付設されている。
【0015】
図3は図1中のGC分析部1の流路構成図である。GC分析部1は、大別して、主として酸素、窒素、メタン(CH4)、二酸化炭素(CO2)、エタン(C2H6)を分析する第1分析部11と、C3、C4、C5成分を分析する第2分析部12とに分けられる。図3において、第1切替バルブV1及び第3切替バルブV3は10ポート2ポジションバルブ、第2切替バルブV2は6ポート2ポジションバルブである。
【0016】
第1分析部11の構成は次の通りである。
分析対象の試料ガスが供給される試料ガス導入口13は第1切替バルブV1のポートhに接続され、第1切替バルブV1のポートgとポートjの間には第1計量管14が接続されている。また、第1切替バルブV1のポートiは第3切替バルブV3のポートhに接続されている。第1切替バルブV1のポートbとポートfの間には第1プレカラムPC1が接続され、ポートeは第1チョークカラムCC1を介して排気口(VENT)に連通している。更に、ポートdには第1ダミーカラムDC1が接続され、その第1ダミーカラムDC1の他端とポートaは共にキャリアガスの供給圧を電子的に制御する第1圧力制御器15の出口に接続されている。
【0017】
第1切替バルブV1のポートcは第1メインカラムMC1を介して第2切替バルブV2のポートaに接続されており、第2切替バルブV2のポートb及びポートfはそれぞれ第2メインカラムMC2及び第3メインカラムMC3を介して熱伝導度型検出器(TCD)22のサンプル側流路へと至る。また、第2切替バルブV2のポートcとポートeとは直結されており、ポートdは第3ダミーカラムDC3に接続されている。第1圧力制御器15と同様にキャリアガスの供給圧を電子的に制御する第2圧力制御器16の出口は、第3ダミーカラムDC3の他端に接続されると共にリファレンスカラムRC1を介してTCD22のリファレンス側流路に連なっている。なお、第1、第3メインカラムMC1、MC3はポリマービーズカラム、第2メインカラムMC2はMS−5Aカラムが用いられている。
【0018】
第2分析部12の構成は次の通りである。
第1切替バルブV1と同様に、第3切替バルブV3のポートgとポートjの間には第2計量管19が接続され、ポートbとポートfの間には第2プレカラムPC2が接続され、ポートeは第2チョークカラムCC2を介して排気口(VENT)に連通している。更に、ポートdには第2ダミーカラムDC2が接続され、その第2ダミーカラムDC2の他端とポートaは共に第3圧力制御器17の出口に接続されている。また、第3切替バルブV3のポートcは第4メインカラムMC4に接続され、その出口は水素炎イオン化検出器(FID)23に至る。また、第4メインカラムMC4の入口手前には流路抵抗を備えたスプリット流路21が分岐して設けられている。なお、第4メインカラムMC4はアルミナプロットのキャピラリカラムが用いられている。
【0019】
第1〜第3切替バルブV1〜V3の切替動作、及び第1〜第4圧力制御器15〜18の目標制御値は図示しない制御回路によって後述のように自動的に制御される。
【0020】
以下、図4〜図6を参照して、上記GC分析部1の動作を分析順序に従って説明する。
図4は試料ガス計量時の動作状態を示す流路構成図である。このとき、第1、第3切替バルブV1、V3は、図3中に実線で示す接続状態に切り替えられている。試料ガス導入口13から一定流量で供給された試料ガスは、図4中に矢印で示すように第1計量管14、第2計量管19を通過してバルブ20を介して排出される。また、このとき、第1圧力制御器15を介して供給されるキャリアガスが第1プレカラムPC1及び第1チョークカラムCC1を通過して排出されるとともに、第1ダミーカラムDC1を介して第1メインカラムMC1に流されている。これにより、後述の如く第1プレカラムPC1内部に吸着している成分などが運び去られる。第1及び第2計量管14、19は例えばそれぞれ所定の容積を有するループ管であって、第1、第3切替バルブV1、V3のポートgとポートjの間には所定容量の試料ガスが保持される。
【0021】
図5はカラムへの試料ガス導入時の動作状態を示す流路構成図である。このとき、第1、第3切替バルブV1、V3は、図3中に点線で示す接続状態に切り替えられ、第2切替バルブV2は図3中に実線で示す接続状態に切り替えられる。第1圧力制御器15を介して供給されるキャリアガスは第1計量管14を先と逆方向に流れ、試料ガスを押し出す。押し出された試料ガスは第1プレカラムPC1を通過した後に第1メインカラムMC1に導入される。第1プレカラムPC1はC3以上の成分(つまりC3、C4、C5、C6成分)を捕集する。これによって、クロマトグラム上で妨害ピークを除去することができると共に第2メインカラムMC2の劣化を防止することができる。このような成分が除去された試料ガスが第1メインカラムMC1を通過する間に、主として、酸素、窒素、メタンを中心とする第1群と、二酸化炭素、エタンを中心とする第2群とに分離される。試料ガスに水素や一酸化炭素が含まれている場合には、これらの成分は第1群に属する。時間的に先行して第1メインカラムMC1から流出した上記第1群に属する各成分は第2メインカラムMC2に導入され、第2メインカラムMC2を通過する間に各成分毎に分離されてTCD22へ送られる。
【0022】
所定時間が経過した時点で、第2切替バルブV2は図3中に点線で示す接続状態に切り替えられる。この切替のタイミングは上記第1群に属する成分が第1メインカラムMC1から通過した後、第2群に属する成分が流出し始めるまでの間になるように予め設定される。すると、図6に示すように、第1メインカラムMC1から流出する試料ガスは第3メインカラムMC3に導入され、第3メインカラムMC3を通過する間に各成分毎に分離されてTCD22へ送られる。したがって、TCD22では、始めに第2メインカラムMC2により分離された酸素、窒素、メタンの順に各成分を検出し、次いで、第3メインカラムMC3により分離された二酸化炭素、エタンの順に各成分を検出し、各成分の量に応じた検出信号を出力する。第1〜第3メインカラムMC1〜MC3の長さ等の分離条件を適切に設定することにより、従来10分程度要していた、これら各成分に対するGC分析時間を2〜3分程度にまで短縮することができる。
【0023】
図5に戻って説明を続けると、第3圧力制御器17を介して供給されるキャリアガスは第2計量管19を先と逆方向に流れ、試料ガスを押し出す。押し出された試料ガスは第2プレカラムPC2を通過した後に第4メインカラムMC4に導入される。第2プレカラムPC2はC6成分を捕集する。第3圧力制御器17は所定のシーケンスで圧力の目標設定値を段階的に上昇させ、それによりキャリアガスの供給流量を増加させてゆく。試料ガスが第4メインカラムMC4を通過する間に、C3、C4、C5成分は明確に分離されるが、上述の如くガス流量を増加することによって明確な分離を維持しながらも各成分が流出し終わるまでの時間を短縮することができる。FID23はこのように順次導入されるC3、C4、C5成分を検出し、その量に応じた検出信号を出力する。第4メインカラムMC4にアルミナプロットカラムを用い、カラム入口圧の昇圧制御を併用することにより、従来15分以上要していたC3〜C5成分のGC分析時間を3分以内に抑えることができる。
【0024】
このようにして、上記GC分析部1では短時間の間に、TCD22及びFID23から検出信号が得られる。定量分析部4では、時間経過に伴って得られる検出信号に基づいてクロマトグラムが作成される。図2は或る都市ガスを本装置にて測定した際に描出されるクロマトグラムの一例であって、(a)はTCD22の出力によるクロマトグラム、(b)はFID23の出力によるクロマトグラムである。図2でわかるように、短い分析時間で各成分は明瞭に分離されている。
【0025】
実際の分析に際しては、予め成分とその濃度が既知である標準ガスをGC分析部1に導入し、まず基準クロマトグラムを作成する。そして、この基準クロマトグラムの各ピークのピーク面積又は高さを求め、これらと濃度との対応関係を示す検量線を作成しておく。次に、分析対象の燃料ガス(試料ガス)をGC分析部1に導入してクロマトグラムを作成し、各ピークのピーク面積又は高さを求める。そして、検量線を参照して各成分の濃度Ci(%)を算出する(ここでiは各成分を示す)。
【0026】
また、上述の標準ガスの測定時及び試料ガスの測定時に、それぞれ大気圧モニタ8により周囲の大気圧を測定しておく。上記GC分析部1の第1、第2計量管14、19に貯留されるガスの量は大気圧の変動の影響を受ける。そこで、圧力補正部5では、標準ガス測定時の大気圧P1と試料ガス測定時の大気圧P2との比率に応じて濃度Ciを補正する演算が実行され、圧力補正後の濃度Ci’(%)が算出される。
【0027】
他成分推定部7では、圧力補正後の各成分濃度Ci’の総和が計算される。試料ガスに含まれていた成分が全て上記GC分析の対象成分である場合には、濃度Ci’の総和は100%になる筈である。しかしながら、もし試料ガスに分析対象外の成分、例えばC6以上の成分、水、硫黄化合物などが含まれていた場合には、これら成分は上記分析からは除外されているわけであるから、濃度Ci’の総和は100%にならない。(勿論、一般に供給されている都市ガスはこのような分析対象外成分を殆ど含んでいない。)したがって、濃度Ci’の総和(%)と100%との差は分析対象外成分の濃度又は量を示す一つの指標値として用いることができるので、この値を計算して出力する。
【0028】
一方、熱量算出部6では、圧力補正後の各成分濃度Ci’の総和が100%からずれている場合に、その総和が100%となるように各成分濃度Ci’を規格化する演算が実行され、各成分の規格化濃度Ci’’が算出される。そして、各成分の規格化濃度Ci’’に各成分毎に定められている熱量補正係数が乗じられ、その総和が計算されることにより総熱量が求められる。総熱量を算出するためには他の演算式を用いてもよい。
【0029】
図7は図2に示したクロマトグラムの定量分析により得られた圧力補正後の濃度と、算出された発熱量の出力結果の一例を示している。この例では、各成分の濃度の総和が100.0168%と極めて100%に近くなっており、試料ガスに含まれる全ての成分が殆ど漏れなく、しかも高い精度で検出されていることがわかる。
【0030】
上記実施形態は試料ガスの発熱量を算出するものであったが、本発明に係る燃料ガス分析装置は試料ガスに含まれる各成分の濃度に基づいて所定の演算により各種指標値を算出するもの全般に適用することが可能である。すなわち、ウォッベ指数、燃焼速度、燃焼能などを算出する装置において適用可能である。また、本発明に係る装置で分析可能な燃料ガスとしては、水素、酸素、窒素、メタン、一酸化炭素、二酸化炭素、炭素数3〜5の炭化水素を主成分とするものであればよい。
【0031】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る燃料ガス分析装置によれば、従来のクロマトグラフ装置を用いた定量分析による手法に比較して大幅に分析時間を短縮することができる。そのため、例えば供給中の都市ガスの燃焼に関する指標値を遅滞なく、高い頻度でもって測定することができる。また、ガスクロマトグラフ分析によって各成分の濃度を正確に求め、それに基づいて指標値を算出するので、指標値を高い精度で求めることができ、ガスクロマトグラフ分析で分析対象外の成分が比較的多く含まれていてもその状態を知ることができるので、算出された総発熱量の信頼度を推し量ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態である燃料ガス発熱量測定装置の全体構成を示すブロック図。
【図2】 都市ガスのGC分析によって得られるクロマトグラムの一例。
【図3】 GC分析部の流路構成図。
【図4】 試料ガス計量時の動作状態を示す流路構成図。
【図5】 カラムへの試料ガス導入時の動作状態を示す流路構成図。
【図6】 カラムへの試料ガス導入時の動作状態を示す流路構成図。
【図7】 本実施形態の装置により得られた圧力補正後の濃度と、算出された発熱量の出力結果の一例。
【符号の説明】
1…GC分析部
2…検出器
3…データ処理部
4…定量分析部
5…圧力補正部
6…熱量算出部
7…他成分推定部
8…大気圧モニタ
13…試料ガス導入口
14、19…計量管
15、16、17、18…圧力制御器
22…熱伝導度型検出器(TCD)
23…水素炎イオン化検出器(FID)
V1、V3…切替バルブ(10ポートバルブ)
V2…切替バルブ(6ポートバルブ)
PC1、PC2…プレカラム
CC1、CC2…チョークカラム
DC1、DC2、DC3…ダミーカラム
MC1、MC2、MC3、MC4…メインカラム
RC1…リファレンスカラム
Claims (4)
- a)燃料ガスの各含有成分の濃度を測定するガスクロマトグラフと、
b)燃料ガス分析時の大気圧を測定し、その大気圧と標準ガス分析時の大気圧との相違に応じて前記ガスクロマトグラフにより求まった各成分の濃度における試料ガス導入量依存性を補正する圧力補正手段と、
c)該圧力補正手段により補正された各成分の分析値の総和に基づいて分析対象以外の成分の量を推定する推定手段と、
d)前記圧力補正手段により補正された各成分の分析値に対し所定の演算処理を行って燃料ガスの性能に関する指標値を算出する演算処理手段と、
を備え、前記ガスクロマトグラフは、
a1)炭素数が3乃至5の炭化水素成分と炭素数が1及び2の炭化水素成分並びに炭化水素以外の成分とをそれぞれ並行して分析するために、独立して設けられた第1及び第2なる計量管にそれぞれ試料ガスを導入する試料導入系と、
a2)前記第1計量管に採取された試料ガスから炭素数が3以上の炭化水素成分を除外するプレカラムと、該プレカラムで成分が除外されたあとの試料ガス中の各成分を分離するためのカラムと、を含む第1分離部と、
a3)前記第2計量管に採取された試料ガスから炭素数が6以上の炭化水素成分を除外するプレカラムと、該プレカラムで成分が除外されたあとの試料ガス中の炭素数が3乃至5の炭化水素成分を分離するためのアルミナプロットカラムと、カラム入口圧を所定シーケンスで昇圧することによりキャリアガス流量を増加させる圧力制御手段と、を含む第2分離部と、
を有することを特徴とする燃料ガス分析装置。 - 前記炭素数が1及び2の炭化水素成分並びに炭化水素以外の成分は、水素、酸素、窒素、メタン、一酸化炭素、二酸化炭素及びエタンであることを特徴とする請求項1に記載の燃料ガス分析装置。
- 前記第1分離部は、水素、酸素、窒素、メタン及び一酸化炭素と、二酸化炭素及びエタンとを先行して分離し、更にそれぞれ相違するカラムで各成分を分離するものであることを特徴とする請求項2に記載の燃料ガス分析装置。
- 前記指標値は総発熱量であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃料ガス分析装置。
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