JP7320381B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、被調理物を載置させた調理器具をグリル庫内に収容して加熱調理する加熱調理器に関する。特に、本発明は、下火バーナの火力を制御した自動調理が可能な加熱調理器に関する。
従来、グリル庫と、グリル庫内を加熱するガスバーナと、グリル庫の庫内温度を検知する温度検知部と、被調理物が載置された調理器具をグリル庫内に収容して自動調理を行う自動調理モード選択部と、被調理物の種類を設定する被調理物設定部と、自動調理中のガスバーナの火力を制御する制御部とを備え、温度検知部で検知される庫内温度が所定温度に達した場合やガスバーナの燃焼時間が所定時間に達した場合に、全てのガスバーナを消火し、所定時間、余熱で自動調理を継続させる加熱調理器が提案されている(例えば、特許文献1)。この加熱調理器によれば、自動調理の終期に余熱で被調理物を加熱することができるため、グリルプレートなどの熱容量の大きな調理器具を用いることにより、表面の焼き過ぎを防止しつつ、被調理物の内部まで加熱することができる。
特開2015-213554号公報
しかしながら、厚みのある魚の姿焼き等の内部の温度が上昇し難い被調理物を加熱調理する場合、余熱では被調理物の内部まで火が通り難い。特に、被調理物の調理量が多いと、余熱によって全ての被調理物を内部まで十分に加熱することが難しい。被調理物を高温に加熱するために、自動調理中、ガスバーナを強火で燃焼させる燃焼時間を長くすることも考えられるが、特許文献1にも記載されているように、表面は内部に比べて調理の進行度合いが速いため、表面の温度の上昇に伴って庫内温度が自動調理開始から短時間内に上昇し、内部が十分に加熱される前にガスバーナが強制消火されるという問題がある。また、ガスバーナとしてグリル庫内に上下バーナが設けられている加熱調理器では、自動調理中、上火バーナのみまたは下火バーナのみを消火させることも考えられるが、被調理物の上面は上火バーナによって主として加熱されるため、下火バーナを消火させても、被調理物の上面に焼き過ぎが生じやすい。また、グリルプレートを用いて自動調理を行う場合、下火バーナからの燃焼排気が上方に対流し難いため、上火バーナを消火させると、被調理物の上面が十分に加熱されない一方、被調理物の下面に焼き過ぎが生じやすい。
自動調理の終期における被調理物の表面の調理の進行を抑えるため、余熱よりも若干、高い加熱量が得られるように上下バーナの火力をできるだけ弱めることも考えられる。しかしながら、一般に、グリル庫の左右には一対の下火バーナが設けられており、これらの下火バーナは、上流側の主下部ガス供給路から並列に分岐させた下部ガス供給路にそれぞれ接続されている。このようなガス回路を有する加熱調理器では、被調理物の左右の調理の進行度合いを一致させるため、主下部ガス供給路に1つの流量調整弁を設けて、両下火バーナが同火力となるように制御されている。そのため、余熱よりも若干、高い程度の加熱量が得られるまで両下火バーナへの燃料ガスの供給量を低下させると、両下火バーナへの燃料ガスの供給量が不安定になり、失火が生じやすい。
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、被調理物の厚みが厚かったり、被調理物の調理量が多かったりした場合でも、被調理物の表面の焼き過ぎを生じることなく、内部までしっかり加熱して、高品質な料理を提供することにある。
本発明によれば、
グリルプレート上に載置された被調理物を加熱調理可能なグリル庫と、
グリル庫の左右に配置された一対の下火バーナと、
各下火バーナに接続され、各下火バーナに燃料ガスを供給する下部ガス供給路と、
少なくともいずれか一方の下部ガス供給路に介設され、燃料ガスの供給を遮断する開閉弁と、
下部ガス供給路の上流側に、下部ガス供給路が分岐する下火バーナ用の主下部ガス供給路と、
主下部ガス供給路に介設され、両下火バーナへの燃料ガスの供給量を調整する流量調整部と、
調理器具であるグリルプレート温度またはグリル庫内の庫内温度の少なくともいずれか一方の制御用温度を検知する温度検知部と、
自動調理中の各下火バーナの火力を制御する制御装置と、を備え、
制御装置は、グリルプレート上に載置された被調理物を自動で加熱調理する自動調理が行なわれる場合、両下火バーナの燃焼中に温度検知部で検知される制御用温度が所定の切替温度まで上昇すると、一方の下火バーナを消火させ、他方の下火バーナを所定の火力で燃焼させる加熱調理器が提供される。
上記加熱調理器によれば、両下火バーナには下部ガス供給路からそれぞれ燃料ガスが供給されるが、少なくともいずれか一方の下部ガス供給路には燃料ガスの供給を遮断する開閉弁が介設されているから、開閉弁を閉弁させることにより、いずれか一方の下火バーナを消火させた状態で、他方の下火バーナを燃焼させることができる。従って、両下火バーナを燃焼させる燃焼状態よりも低いが、両下火バーナを消火させた余熱状態よりも高い加熱量で被調理物を安定して加熱することができる。これにより、内部の温度が上昇し難い、厚みが厚く、大きな被調理物や被調理物の調理量が多い場合でも、自動調理において被調理物の表面の焼き過ぎを防止しつつ、被調理物の内部までしっかりと加熱することができる。
そして、グリルプレートは伝熱性に優れるため、一方の下火バーナを消火させても、他方の下火バーナによって加熱された熱をグリルプレートの全体に伝熱させることができる。これにより、左右の下火バーナの火力が相違しても、被調理物の下面を均一に加熱することができる。
また、上記加熱調理器によれば、下部ガス供給路よりも上流側の主下部ガス供給路に両下火バーナへの燃料ガスの供給量を調整する流量調整部が設けられているから、両下火バーナを燃焼させた状態で、両下火バーナの火力を変更することができる。また、上記加熱調理器によれば、少なくともいずれか一方の下部ガス供給路に燃料ガスの供給を遮断する開閉弁が設けられ、下部ガス供給路よりも上流側の主下部ガス供給路に両下火バーナへの燃料ガスの供給量を調整する流量調整部が設けられているから、一方の下火バーナを消火させた状態で、他方の下火バーナの火力を変更することができる。これにより、グリル庫内を加熱する加熱量を細かく制御することができる。
好ましくは、上記加熱調理器において、
制御装置は、自動調理が開始されると、両下火バーナを所定の初期火力で燃焼させ、
温度検知部で検知される制御用温度が所定の第1切替温度まで上昇すると、両下火バーナを初期火力より弱い所定の第1低火力で燃焼させ、
両下火バーナの火力が第1低火力に弱められた後、制御用温度が第1切替温度より高い所定の第2切替温度まで上昇すると、一方の下火バーナを消火させ、他方の下火バーナを第1低火力で燃焼させる
上記加熱調理器によれば、自動調理の開始から制御用温度が所定の第1切替温度に上昇するまでは所定の初期火力で両下火バーナを燃焼させるから、調理器具であるグリルプレート温度及びグリル庫内の庫内温度を上昇させた状態からの被調理物の調理の進行度合いによる制御用温度の変化を評価することができる。
また、上記加熱調理器によれば、制御用温度が所定の第1切替温度まで上昇すると、両下火バーナを初期火力よりも弱い所定の第1低火力で燃焼させるから、自動調理の開始から短時間内での調理器具であるグリルプレート温度や庫内温度の過度の温度上昇を防止することができる。
また、上記加熱調理器によれば、両下火バーナの火力が第1低火力に弱められた後、制御用温度が第1切替温度より高い所定の第2切替温度まで上昇すると、一方の下火バーナを消火させ、他方の下火バーナを第1低火力で燃焼させるから、被調理物の表面の調理がある程度、進行した状態から、余熱よりも若干、高い加熱量が得られる一定の火力で被調理物を加熱することができる。これにより、被調理物の表面の焼き過ぎを防止しながら、被調理物の内部まで加熱することができる。
また、本発明によれば
調理器具上に載置された被調理物を加熱調理するグリル庫と、
グリル庫の左右に配置された一対の下火バーナと、
各下火バーナに接続され、各下火バーナに燃料ガスを供給する下部ガス供給路と、
少なくともいずれか一方の下部ガス供給路に介設され、燃料ガスの供給を遮断する開閉弁と、
下部ガス供給路の上流側に、下部ガス供給路が分岐する下火バーナ用の主下部ガス供給路と、
主下部ガス供給路に介設され、両下火バーナへの燃料ガスの供給量を調整する流量調整部と、
調理器具の器具温度またはグリル庫内の庫内温度の少なくともいずれか一方の制御用温度を検知する温度検知部と、
自動調理中の各下火バーナの火力を制御する制御装置と、を備え、
制御装置は、自動調理が開始されると、両下火バーナを所定の初期火力で燃焼させ、
温度検知部で検知される制御用温度が所定の第1切替温度まで上昇すると、両下火バーナを初期火力より弱い所定の第1低火力で燃焼させ、
両下火バーナの火力が第1低火力に弱められた後、制御用温度が第1切替温度より高い所定の第2切替温度まで上昇すると、一方の下火バーナを消火させ、他方の下火バーナを第1低火力で燃焼させる加熱調理器が提供される
上記加熱調理器によれば、下部ガス供給路よりも上流側の主下部ガス供給路に両下火バーナへの燃料ガスの供給量を調整する流量調整部が設けられているから、両下火バーナを燃焼させた状態で、両下火バーナの火力を変更することができる。また、上記加熱調理器によれば、少なくともいずれか一方の下部ガス供給路に燃料ガスの供給を遮断する開閉弁が設けられ、下部ガス供給路よりも上流側の主下部ガス供給路に両下火バーナへの燃料ガスの供給量を調整する流量調整部が設けられているから、一方の下火バーナを消火させた状態で、他方の下火バーナの火力を変更することができる。これにより、グリル庫内を加熱する加熱量を細かく制御することができる。
そして、上記加熱調理器によれば、自動調理の開始から制御用温度が所定の第1切替温度に上昇するまでは所定の初期火力で両下火バーナを燃焼させるから、調理器具の器具温度及びグリル庫内の庫内温度を上昇させた状態からの被調理物の調理の進行度合いによる制御用温度の変化を評価することができる。
また、上記加熱調理器によれば、制御用温度が所定の第1切替温度まで上昇すると、両下火バーナを初期火力よりも弱い所定の第1低火力で燃焼させるから、自動調理の開始から短時間内での調理器具の器具温度や庫内温度の過度の温度上昇を防止することができる。
また、上記加熱調理器によれば、両下火バーナの火力が第1低火力に弱められた後、制御用温度が第1切替温度より高い所定の第2切替温度まで上昇すると、一方の下火バーナを消火させ、他方の下火バーナを第1低火力で燃焼させるから、被調理物の表面の調理がある程度、進行した状態から、余熱よりも若干、高い加熱量が得られる一定の火力で被調理物を加熱することができる。これにより、被調理物の表面の焼き過ぎを防止しながら、被調理物の内部まで加熱することができる。
好ましくは、上記加熱調理器は、さらに、
自動調理における調理完了温度を設定する温度設定部を備え、
制御装置は、一方の下火バーナを消火させた後、他方の下火バーナを第1低火力で燃焼させた状態で、制御用温度が第2切替温度より低く、第1切替温度以上の第3切替温度まで低下すると、一方の下火バーナを消火させた状態で、他方の下火バーナを第1低火力より強い所定の第2低火力で燃焼させ、
一方の下火バーナを消火させた状態で、他方の下火バーナの火力が第2低火力に強められた後、制御用温度が調理完了温度より低く、第2切替温度以上の第4切替温度まで上昇すると、一方の下火バーナを消火させた状態で、他方の下火バーナを第2低火力より弱い所定の第3低火力で燃焼させる。
上記加熱調理器によれば、自動調理の調理完了温度が設定されているから、被調理物を焼き過ぎることなく、自動調理を終了させることができる。
一方、厚みが厚く、大きな被調理物の場合、両下火バーナを第1低火力で燃焼させても、被調理物の内部まで十分に加熱されていない場合がある。そのため、被調理物の表面の温度の上昇に伴って制御用温度が第2切替温度まで上昇したときに、両下火バーナを第1低火力で燃焼させた状態から、一方の下火バーナを消火させると、加熱量が不足する。
しかしながら、上記加熱調理器によれば、一方の下火バーナを消火させた後、他方の下火バーナを第1低火力で燃焼させた状態で、制御用温度が第2切替温度よりも低く、第1切替温度以上の第3切替温度まで低下すると、一方の下火バーナを消火させた状態で、他方の下火バーナを第1低火力よりも強い所定の第2低火力で燃焼させるから、制御用温度が大きく低下する前に加熱量を増加させることができる。
そして、上記加熱調理器によれば、一方の下火バーナを消火させた状態で、他方の下火バーナの火力が第2低火力に切り替えられた後、制御用温度が調理完了温度よりも低く、第2切替温度以上の第4切替温度まで上昇すると、一方の下火バーナを消火させた状態で、他方の下火バーナを第2低火力よりも弱い所定の第3低火力で燃焼させるから、被調理物の表面の調理の進行度合いを過度に進めることなく、被調理物の内部までじっくり加熱することができる。
好ましくは、上記加熱調理器は、さらに、
自動調理における調理完了温度を設定する温度設定部を備え、
制御装置は、一方の下火バーナを消火させた後、他方の下火バーナを第1低火力で燃焼させた状態で、制御用温度が第2切替温度より高い調理完了温度まで上昇すると、両下火バーナを消火させる。
一方の下火バーナを消火させた状態で、他方の下火バーナを第1低火力で燃焼させても、制御用温度が低下しなければ、一方の下火バーナを消火させるまでの加熱によって、被調理物の内部もある程度、調理が進行していると考えられる。従って、制御用温度が第2切替温度よりも高い調理完了温度まで上昇すれば、被調理物の内部まで十分に加熱されたと判断できる。
以上のように、本発明によれば、被調理物の表面の焼き過ぎを生じることなく、内部までしっかり加熱して、高品質な料理を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る加熱調理器の一例を示す概略斜視図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る加熱調理器の一例を示す概略縦断面図である。 図3は、本発明の実施の形態に係る加熱調理器の一例を示す概略横断面図である。 図4は、本発明の実施の形態に係る加熱調理器の一例を示すブロック図である。 図5は、本発明の実施の形態に係る加熱調理器で自動調理を行ったときの調理時間と器具温度及び被調理物の内部の温度との相関を示す相関図である。 図6は、本発明の実施の形態に係る加熱調理器の制御動作の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら本実施の形態に係る加熱調理器を具体的に説明する。
図1は、本実施の形態に係る加熱調理器の一例であるガスコンロを示す概略斜視図である。図1に示すように、加熱調理器は、天板9の上面に設けられた複数のコンロバーナ1と、グリルプレート80や、図示しないダッチオーブン等の調理器具を用いた調理を行うためのグリル2とを備える。なお、これらの調理器具は入れ替えてグリル庫20に収容されるため、グリルプレート80が用いられている状態を例に挙げて説明する。
図1及び図2に示すように、グリル2は、コンロ本体10の内部に搭載され、前方に開口する矩形箱状のグリル庫20と、グリル庫20の前面開口部100を前方から被閉するグリル扉5を備える。グリル扉5の後面下方には、グリル庫20内へ向かって連結板210が延設されており、連結板210にグリルプレート80を下方から支持する支持枠220が連結されている。これにより、グリル扉5を手前に引くことで、支持枠220とともにグリルプレート80がグリル庫20の前方に引き出され、グリル扉5を後方に押すことで、支持枠220とともにグリルプレート80がグリル庫20内に収容されるように構成されている。なお、本明細書では、グリル扉5が設けられている面を正面とし、グリル扉5側から見たときのグリル扉5とグリル庫20の奥側とが対向する方向を前後方向、グリル庫20の幅方向を左右方向、グリル庫20の高さ方向を上下方向という。
グリルプレート80は、伝熱性に優れるアルミニウム製の成形体または鋳造体からなり、上面にはフッ素樹脂などにより表面処理加工が施されている。グリルプレート80は、平面視略矩形状を有する。グリルプレート80の上面には、左右方向に延びる上方に凸の突条82が前後方向に所定の間隔を存して複数、形成された食材載置部85が設けられている。グリルプレート80の左右両端部は、食材載置部85の左右方向外方端部から斜め上外方に向けて上り勾配の側端部83が設けられている。左右の側端部83は、グリルプレート80の前後端部で繋がっている。
図2及び図3に示すように、グリル庫20の上壁24には、被調理物を上方から加熱するための上火バーナ56が設けられている。上火バーナ56は、例えば、下面がセラミック製の板体で構成された表面燃焼式のセラミックバーナであり、上記板体の下面に炎孔560が開設されている。従って、混合管(図示せず)から燃料ガスと一次空気とが供給されて、上火バーナ56が点火されると、板体の下面に燃料ガスの燃焼炎が形成され、その輻射熱や燃焼排気がグリル庫20内の下方に向けて放射される。上火バーナ56の炎孔560には、燃料ガスを点火させるための点火電極65の電極部と、燃焼炎を検知するための熱電対66とが臨んでいる(図4参照)。
グリル庫20の左右側壁21,22の下方領域には、前後方向に長い導入口201,202が開口されている。導入口201,202は、前後方向の中心が、グリルプレート80をグリル庫20内に収容させたときにグリルプレート80の前後方向の中心よりも前方に位置するように、グリル庫20の左右側壁21,22の前方寄りの位置に形成されている。グリル庫20の左右側壁21,22の外側には、左右側壁21,22に沿って前後方向に延びる左右一対の下火バーナ55a,55bが配設されており、炎孔550が導入口201,202に臨んでいる。各下火バーナ55a,55bは、例えば、所定箇所を打ち抜き加工してスリット状の炎孔550を構成する開口部が複数、穿設された一枚の金属板を開口部近傍で折り曲げるとともに、略直管状に成形し、金属板の端部を接合させることにより形成される。各下火バーナ55a,55bは、細長平板状に形成されたバーナ本体500と、後端部に後述する第1及び第2下部ガス供給路L1,L2にそれぞれ接続されたガスノズルが挿入される流入部551と、左右方向外方側に金属板が接合された水平に延びるフランジ部552とを有する。
複数の炎孔550は、下火バーナ55の左右方向内側縁部に沿って前後方向に所定の間隔でグリル庫20の左右方向内方に向かって開口しており、流入部551で吸引された一次空気とともに各下火バーナ55a,55bに供給される燃料ガスをグリル庫20の左右方向内方に向かって噴出する。従って、各下火バーナ55a,55bを点火させると、炎孔550に燃焼炎が形成され、その燃焼排気は、グリル庫20の左右側壁21,22の前方寄りに開口されている導入口201,202を介して左右中央部に向かって噴出されるため、主としてグリルプレート80の前方下面が下方から加熱される。これにより、グリル庫20内に噴出された燃焼排気は、グリルプレート80の下面を加熱しながら後方の排気通路300に向かって流れるため、効率的にグリルプレート80を加熱することができる。各下火バーナ55a,55bの炎孔550には、燃料ガスを点火させるための点火電極61,63の電極部と、燃焼炎を検知するための熱電対62,64とが臨んでいる(図4参照)。
グリル庫20の左右側壁21,22の外面には、各下火バーナ55a,55bを上方及び左右外方から覆うように断面略L字状の排気溢れ防止カバー600が接続されており、導入口201,202の開口上縁には、各下火バーナ55a,55bの上方に向かって斜め上外方に延在する整流板601が接続されている。排気溢れ防止カバー600の下端と各下火バーナ55a,55bの上面との間及び排気溢れ防止カバー600の内面と整流板601の外方端部との間にはそれぞれ、一定の大きさの隙間が形成されている。従って、各下火バーナ55a,55bを点火させると、排気溢れ防止カバー600と各下火バーナ55a,55bとの間の隙間から流入する二次空気が整流板601によって下火バーナ55a,55bの上方から炎孔550周辺に供給され、二次空気によって燃焼排気がグリル庫20内の遠方まで飛ばされる。これにより、グリルプレート80の下面の左右中央部を効率的に加熱することができる。
グリル庫20の後方上部には、排気通路300と連通する排気用開口11が開設されている。グリル庫20の後壁25には、排気ダクト30が連設されており、排気ダクト30が排気通路300を構成している。そして、グリル庫20の後壁25の左右中央部には、庫内温度を検知する庫内温度センサ70が配設されている。庫内温度センサ70は、後述する制御装置Cと接続されており、庫内温度の検知信号を制御装置Cに出力する。
図2及び図3に示すように、グリル庫20の底壁23の後方左右中央部には、後方に向かって上昇する傾斜面を有する隆起部23aが形成されており、隆起部23aの頂面部には、器具温度センサ71が収容されたセンサカバー72が上方に突出するように配設されている。器具温度センサ71は、後述する制御装置Cと接続されており、グリルプレート80の器具温度の検知信号を制御装置Cに出力する。また、グリル庫20の底壁23の後方左右両端部にはそれぞれ、隆起部23aよりも低い突出高さを有する小隆起部23bが形成されている。
図示しないが、グリルプレート80を下方から支持する支持枠220の後枠部の左右中央部は上方に折り曲げられている。従って、支持枠220上にグリルプレート80を載置させた状態でグリル扉5を閉じていくと、支持枠220の後枠部の左右両端部が小隆起部23bに乗り上げ、それに伴ってグリルプレート80の後方部が上方に持ち上げられる。これにより、グリルプレート80が器具温度センサ71のセンサカバーに72に衝突することなく後方に移動される。そして、さらにグリル扉5を閉じていき、支持枠220の後枠部の左右両端部が小隆起部23bを乗り越えると、支持枠220が略水平状態となり、それに伴って略水平状態のグリルプレート80の下面がセンサカバー72の上面に上方から当接する。このとき、グリルプレート80の後端部とグリル庫20の後壁25との間の隙間は、グリルプレート80の前端部とグリル扉5の後面との間の隙間よりも狭くなるように設定されている。従って、各下火バーナ55a,55bからグリル庫20の左右側壁21,22の前方寄りに開口された導入口201,202を介してグリルプレート80の下面の左右中央部に向かって噴出される燃焼排気は、通気抵抗の高い後方よりも通気抵抗の低い前方及び左右の隙間を通って、後方に向かって流れる。これにより、燃焼排気の導入口201,202から後方の排気通路300への短絡が抑制され、グリルプレート80を均一に加熱することができる。
図4は、本実施の形態のガスコンロのブロック図である。なお、制御装置Cは、上下バーナ56,55a,55bだけでなく、コンロバーナ1の燃焼も制御するが、以下では上下バーナ56,55a,55bのみについて説明し、コンロバーナ1については説明を省略する。
図4に示すように、ガスコンロには、メインガス供給路から分岐したグリル庫用ガス供給路Lgと、図示しないコンロ用ガス供給路とが設けられており、グリル庫用ガス供給路Lgは、さらに上火バーナ56に燃料ガスを供給する上部ガス供給路Lhと、左右の両下火バーナ55a,55bに燃料ガスを供給する主下部ガス供給路Lsとに分岐している。グリル庫用ガス供給路Lgには、上下バーナ56,55a,55bへの燃料ガスの供給を遮断するグリル庫用電磁弁501が介設されており、上部ガス供給路Lhには、上火バーナ56への燃料ガスの供給量を調整する上部流量調整弁502が介設されている。
主下部ガス供給路Lsは、左下火バーナ55aに燃料ガスを供給する第1下部ガス供給路L1と、右下火バーナ55bに燃料ガスを供給する第2下部ガス供給路L2とに分岐している。主下部ガス供給路Lsには、両下火バーナ55a,55bへの燃料ガスの供給量を調整する下部流量調整弁(流量調整部)503が介設されており、第2下部ガス供給路L2には、右下火バーナ55bへの燃料ガスの供給を遮断する開閉弁504が介設されている。
グリル庫用電磁弁501、上部流量調整弁502、下部流量調整弁503、及び開閉弁504は、制御装置Cと図示しない電気配線を介して接続されており、制御装置Cからの制御信号により、その開閉や開度が制御される。具体的には、本実施の形態では、上下バーナ56,55a,55bを燃焼させている状態で、グリル庫用電磁弁501を閉弁させることにより、全ての上下バーナ56,55a,55bが消火される。また、上火バーナ56を燃焼させている状態で、上部流量調整弁502の開度を調整することにより、上火バーナ56の火力が強火と弱火との間で切り替えられる。また、両下火バーナ55a,55bを燃焼させている状態で、下部流量調整弁503の開度を調整することにより、両下火バーナ55a,55bの火力が強火と弱火との間で切り替えられる。さらに、両下火バーナ55a,55bを燃焼させている状態で、開閉弁504を閉弁させることにより、右下火バーナ55bが消火され、さらに下部流量調整弁503の開度を調整することにより、右下火バーナ55bが消火された状態で、左下火バーナ55aの火力が強火と弱火との間で切り替えられる。なお、上下バーナ56,55a,55bの火力は3段階以上で切り替えられてもよい。
図1に戻って、グリル扉5の左側に形成された操作部には、上下バーナ56,55a,55bの点・消火と火力調節機能を兼備したグリル用スイッチ41と、その下方のカンガルー式の操作ユニット40とが設けられている。操作ユニット40は、使用者が操作部の下方の前面パネル401を押し操作することにより、手前に傾斜して使用者が操作可能に構成されている。また、使用者が前面パネル401を閉じると、操作ユニット40がコンロ本体10内に格納される。また、グリル扉5の右側に形成された操作部には、コンロバーナ1の点・消火と火力調節機能を兼備したコンロ用スイッチ45と、電源スイッチ46とが設けられている。
図示しないが、操作ユニット40には、グリルプレート80上に魚や肉などの被調理物を載置して自動調理するときに選択されるプレート調理モード用のグリルプレートスイッチと焼き加減スイッチとが設けられており、グリルプレートスイッチを押し操作するごとに、「タイマ」、「焼き魚」、「トースト」が択一的に選択され、焼き魚を選択した状態で焼き加減スイッチを押し操作するごとに、「強め」、「標準」、「弱め」が択一的に選択される。このグリルプレートスイッチ及び焼き加減スイッチで選択される被調理物の種類及び焼き加減に応じて、後述する調理完了温度が設定される。従って、本実施の形態のガスコンロでは、操作ユニット40に設けられているグリルプレートスイッチ及び焼き加減スイッチの操作に応じて自動調理の調理完了温度を設定する制御装置Cの機能部が温度設定部を構成する。
図示しないが、制御装置Cには、制御プログラムが格納されたマイクロコンピュータが組み込まれている。マイクロコンピュータは、自動調理が選択された場合、制御プログラムに従って、上下バーナ56,55a,55bの火力や調理時間などを制御する。また、制御装置Cは、機能構成として、操作ユニット40での自動調理の設定に応じて火力、温度や時間の条件を設定する自動調理設定部、自動調理中、グリル庫用電磁弁501、上部流量調整弁502、下部流量調整弁503、及び開閉弁504を作動させて、上下バーナ56,55a,55bの火力を変更することによりグリル庫20内を加熱する加熱量を制御する燃焼制御部、器具温度センサ71で検知される器具温度に基づき、上下バーナ56,55a,55bの火力の増減を燃焼制御部に指示する変更部、器具温度センサ71で検知される器具温度や調理時間に基づき、調理の終了を判断する焼き上げ判定部、計時部などを有している。また、マイクロコンピュータのメモリには、自動調理が選択された場合に、選択された条件に応じた、上下バーナ56,55a,55bの所定の火力や、各切替温度、調理完了温度、異常過熱防止温度、調理終了時間等のデータテーブルが格納されている。これらの設定値は、予め実験により求めることができる。
図5は、本実施の形態にガスコンロを用いて自動調理を行ったときの調理時間と器具温度及び被調理物の内部の温度との関係を示す相関図である。図5中、実線(a)は、グリル庫20内に厚みのある大きな姿焼きの魚4尾をグリルプレート80上に載置して、自動調理を行ったときの器具温度の変化を示し、一点鎖線(b)は、グリル庫20内に厚みのある切り身の魚4切れをグリルプレート80上に載置して、自動調理を行ったときの器具温度の変化を示す。また、実線(c)は、上記姿焼きの魚の内部の温度変化を示し、一点鎖線(d)は、上記切り身の魚の内部の温度変化を示す。これらの内部の温度は、熱電対を被調理物の内部に差し込んで測定したものである。なお、いずれ場合も、調理途中まで器具温度及び内部の温度が同一の挙動を示すため、一点鎖線(b)及び(d)の一部は省略されている。
図5を参照して、本実施の形態のガスコンロにおける自動調理の制御動作について概略的に説明すると、初期加熱では、上火バーナ56及び両下火バーナ55a,55bの火力を初期火力P0(例えば、いずれのバーナも強火)で燃焼させ、器具温度が所定の第1切替温度T1(例えば、190℃)に上昇するまで、加熱が継続される。これにより、グリルプレート80の器具温度及びグリル庫20の庫内温度を上昇させた状態からの被調理物の調理の進行度合いによる器具温度の変化を評価することができる。この第1切替温度T1は、プレート調理モードの場合、被調理物の種類に応じて設定されるものであり、器具温度が第1切替温度T1まで上昇した後の温度特性をより正確に判定するために、調理完了温度Te(例えば、220℃)よりも十分に低い温度に設定される。
器具温度が第1切替温度T1まで上昇すると、上火バーナ56及び両下火バーナ55a,55bを初期火力P0よりも弱い第1低火力P1(例えば、いずれのバーナも弱火)で燃焼させる。これにより、自動調理の開始から短時間内でのグリルプレート80やグリル庫20の過度の温度上昇を防止することができる。そのため、器具温度がグリルプレート80の表面のフッ素樹脂などの表面処理加工を損傷させる異常過熱防止温度Tk(例えば、230℃)まで上昇するのを防止できる。なお、上火バーナ56は、初期火力P0から第1低火力P1に切り替えられると、被調理物の焼き上げが完了するまで第1低火力P1が維持され、両下火バーナ55a,55bの火力のみが制御される。これにより、被調理物の上面の焼き過ぎを防止することができる。
上火バーナ56及び両下火バーナ55a,55bの火力がいずれも第1低火力P1に弱められた後、器具温度が第1切替温度T1よりも高く、調理完了温度Teよりも低い、所定の第2切替温度T2(例えば、210℃)まで上昇すると、上火バーナ56及び左下火バーナ55aを第1低火力P1に維持した状態で、右下火バーナ55bを消火させる。これにより、被調理物の表面の調理がある程度、進行した状態から、余熱よりも若干、高い加熱量が得られる一定の火力で被調理物を加熱することができる。従って、被調理物の表面の焼き過ぎを防止しながら、被調理物の内部まで火を通すことができる。
このとき、被調理物の厚みが厚かったり、被調理物の調理量が多かったりすると、両下火バーナ55a,55bを一定時間、第1低火力P1で燃焼させても、被調理物の内部まで十分に加熱されていない場合がある。そのため、被調理物の表面の温度の上昇に伴って器具温度が第2切替温度T2まで上昇したときに、両下火バーナ55a,55bを第1低火力P1で燃焼させた状態から、右下火バーナ55bを消火させると、加熱量が不足する。上記のように加熱量が不足していると、実線(a)に示すように、被調理物の内部の温度を反映して、器具温度が火力が切り替えられた第2切替温度T2よりも低下してくる。これは、実線(c)に示すように、姿焼き等の厚さが厚く、大きな被調理物では、両下火バーナ55a,55bを低火力で燃焼させても、被調理物の内部の温度が十分に上昇していないためである。
このため、器具温度が第2切替温度T2よりも低く、第1切替温度T1以上の第3切替温度T3(例えば、205℃)まで低下すると、上火バーナ56を第1低火力P1に維持し、右下火バーナ55bを消火させた状態で、左下火バーナ55aを第1低火力P1よりも強い所定の第2低火力P2(例えば、強火)で燃焼させる。これにより、器具温度が大きく低下する前に、加熱量を増加させることができる。
次いで、上火バーナ56を第1低火力P1に維持し、右下火バーナ55bを消火させた状態で、左下火バーナ55aの火力が第2低火力P2に切り替えられた後、器具温度が調理完了温度Teより低く、第2切替温度T2以上の第4切替温度T4(例えば、215℃)まで上昇すると、上火バーナ56を第1低火力P1に維持し、右下火バーナ55bを消火させた状態で、左下火バーナ55aを第2低火力P2よりも弱い所定の第3低火力P3(例えば、弱火)で燃焼させる。これにより、被調理物の表面の調理の進行度合いを過度に進めることなく、被調理物の内部まで十分に加熱することができる。また、上火バーナ56を第1低火力P1に維持し、右下火バーナ55bを消火させた状態で、左下火バーナ55aの火力が第3低火力P3に切り替えられた後、器具温度が第3切替温度T3まで低下すると、上記と同様に、上火バーナ56を第1低火力P1に維持し、右下火バーナ55bを消火させた状態で、左下火バーナ55aを第2低火力P2で燃焼させる。そして、調理時間が調理終了時間ta(例えば、20分間)に到達すると、上下バーナ56,55a,55bを消火させて、調理を終了させる。すなわち、器具温度が第2切替温度T2に上昇した後、第2切替温度T2よりも低い第3切替温度T3まで低下すると、上火バーナ56を第1低火力P1に維持し、右下火バーナ55bを消火させた状態で、調理終了時間taが到達するまで、器具温度が第3切替温度T3及び第4切替温度T4になるごとに左下火バーナ55aの火力を第2低火力P2及び第3低火力P3との間で切り替える。これにより、余熱状態よりは高いが、低い加熱量でじっくり被調理物を加熱することができる。なお、左下火バーナ55aに設定される第2低火力P2は初期火力P0と同一の火力に設定されているが、第2低火力P2は第1低火力P1よりも強ければ初期火力P0と異なってもよい。また、左下火バーナ55aに設定される第3低火力P3は第1低火力P1と同一の火力に設定されているが、第3低火力P3は第2低火力P2よりも弱ければ第1低火力P1と異なってもよい。
一方、一点鎖線(b)に示すように、器具温度が第2切替温度T2まで上昇して、上火バーナ56及び左下火バーナ55aを第1低火力P1に維持し、右下火バーナ55bを消火させた後、器具温度が調理完了温度Teまで上昇する場合がある。これは、中程度の厚みの被調理物の場合、一点鎖線(d)に示すように、右下火バーナ55bを消火させるまでの加熱によって、被調理物の内部もある程度、調理が進行し、温度が上昇しているためである。従って、右下火バーナ55bを消火させても、器具温度が第2切替温度T2よりも高い調理完了温度Teまで上昇すれば、被調理物の内部まで十分に加熱されたと判断できるから、上下バーナ56,55a,55bを消火させて調理を終了させる。これにより、上記と同様に、器具温度が第2切替温度T2まで上昇した後、余熱状態よりは高いが、低い加熱量で被調理物を加熱することができる。
次に、本実施の形態のガスコンロにおける制御動作の一例を図6のフローチャートを参照して説明する。
使用者が電源スイッチ46をオン操作した後、操作ユニット40のグリルプレートスイッチ及び焼き加減スイッチを操作して、プレート調理モードでの被調理物の種類(例えば、焼き魚)及び焼き加減(例えば、標準)を選択すると、選択された調理モード、被調理物の種類、及び焼き加減に応じて設定されている各設定値が読み込まれる(ステップS1)。そして、使用者がグリル用スイッチ41をオン操作すると、タイマをスタートさせるとともに、上下バーナ56,55a,55bが点火され、所定の初期火力P0(例えば、強火)で燃焼が開始される(ステップS2~S3)。
器具温度Tが所定の第1切替温度T1まで上昇すると(ステップS4で、Yes)、上部及び下部流量調整弁502,503の開度が調整され、上下バーナ56,55a,55bの火力を第1低火力P1(例えば、弱火)に弱める(ステップS5)。図示しないが、このとき、上下バーナ56,55a,55bの火力が第1低火力P1に弱められても、器具温度Tが異常過熱防止温度Tkまで上昇すると、上下バーナ56,55a,55bに何らかの異常が生じた虞があるとして、グリル庫用電磁弁501が閉弁されて、上下バーナ56,55a,55bが強制消火される。
上下バーナ56,55a,55bの火力が第1低火力P1に切り替えられた後、器具温度Tが第2切替温度T2まで上昇すると(ステップS6で、Yes)、開閉弁504を閉弁させて、右下火バーナ55bを消火させ、上火バーナ56及び左下火バーナ55aのみを第1低火力P1で燃焼させる(ステップS7)。
次いで、器具温度Tが第3切替温度T3まで低下すると(ステップS8で、Yes)、下部流量調整弁503の開度が調整され、右下火バーナ55bを消火させた状態で、左下火バーナ55aの火力を第2低火力P2(例えば、強火)に強める(ステップS9)。これにより、火力の低下に伴って器具温度が低下した場合に、高い加熱量で被調理物を加熱することができる。また、左下火バーナ55aの火力を第2低火力P2に強めた後、器具温度Tが第4切替温度T4まで上昇すると(ステップS10で、Yes)、下部流量調整弁503の開度が調整され、右下火バーナ55bを消火させた状態で、左下火バーナの火力を第3低火力P3(例えば、弱火)に弱める(ステップS11)。これにより、短時間内での器具温度の上昇を防止して、被調理物をじっくり加熱することができる。このとき、調理時間tが調理終了時間taに到達していなければ(ステップS12で、No)、器具温度Tが第3切替温度T3及び第4切替温度T4になるごとに左下火バーナ55aの火力を第2低火力P2及び第3低火力P3との間で切り替える(ステップS8~S11)。そして、調理時間tが調理終了時間taに到達すると(ステップS12で、Yes)、グリル庫用電磁弁501を閉弁させて、上下バーナ56,55a,55bを消火させる(ステップS13)。なお、器具温度Tが第4切替温度T4に上昇するまでに調理時間tが調理終了時間taに到達すると(ステップS14で、Yes)、同様に、グリル庫用電磁弁501を閉弁させて、上下バーナ56,55a,55bを消火させる(ステップS13)。
一方、器具温度Tが第2切替温度T2まで上昇した後、第3切替温度T3に低下することなく、調理完了温度Teまで上昇すると(ステップS8で、No、ステップS15で、Yes)、グリル庫用電磁弁501を閉弁させて、上下バーナ56,55a,55bを消火させる(ステップS13)。
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、両下火バーナ55a,55bには第1及び第2下部ガス供給路L1,L2からそれぞれ燃料ガスが供給されるが、一方の第2下部ガス供給路L2には燃料ガスの供給を遮断する開閉弁504が介設されているから、開閉弁504を閉弁させることにより、一方の右下火バーナ55bを消火させた状態で、他方の左下火バーナ55aを燃焼させることができる。従って、両下火バーナ55a,55bを燃焼させる燃焼状態よりも低いが、両下火バーナ55a,55bを消火させた余熱状態よりも高い加熱量で被調理物を安定して加熱することができる。これにより、内部の温度が上昇し難い、厚みが厚く、大きな被調理物や被調理物の調理量が多い場合でも、自動調理において被調理物の表面の焼き過ぎを防止しつつ、被調理物の内部までしっかりと加熱することができる。また、調理器具として伝熱性に優れるグリルプレート80を用いることにより、一方の右下火バーナ55bを消火させ、他方の左下火バーナ55aを燃焼させて、左右の下火バーナ55a,55bの火力が相違しても、被調理物の下面を均一に加熱することができる。
また、本実施の形態によれば、第1及び第2下部ガス供給路L1,L2よりも上流側の主下部ガス供給路Lsに両下火バーナ55a,55bへの燃料ガスの供給量を調整する下部流量調整弁503が設けられているから、両下火バーナ55a,55bを燃焼させた状態で、両下火バーナ55a,55bの火力を変更することができる。また、本実施の形態によれば、一方の第2下部ガス供給路L2に燃料ガスの供給を遮断する開閉弁504が設けられ、第1及び第2下部ガス供給路L1,L2よりも上流側の主下部ガス供給路Lsに両下火バーナ55a,55bへの燃料ガスの供給量を調整する下部流量調整弁503が設けられているから、一方の右下火バーナ55bを消火させた状態で、他方の左下火バーナ55aの火力を変更することができる。これにより、グリル庫20内を加熱する加熱量を細かく制御することができる。
また、本実施の形態によれば、自動調理の開始から器具温度が所定の第1切替温度に上昇するまでは所定の初期火力で両下火バーナ55a,55bを燃焼させるから、調理器具の温度やグリル庫20内の庫内温度を上昇させた状態からの被調理物の調理の進行度合いによる器具温度の変化を評価することができる。
また、本実施の形態によれば、器具温度が所定の第1切替温度まで上昇すると、両下火バーナ55a,55bを初期火力よりも弱い所定の第1低火力で燃焼させるから、自動調理の開始から短時間内での調理器具の器具温度や庫内温度の過度の温度上昇を防止することができる。
また、本実施の形態によれば、両下火バーナ55a,55bの火力が第1低火力に弱められた後、器具温度が第1切替温度より高い所定の第2切替温度まで上昇すると、一方の右下火バーナ55bを消火させ、他方の左下火バーナ55aを第1低火力で燃焼させるから、被調理物の表面の調理がある程度、進行した状態から、余熱よりも若干、高い加熱量が得られる一定の火力で被調理物を加熱することができる。これにより、被調理物の表面の焼き過ぎを防止しながら、被調理物の内部まで加熱することができる。
また、本実施の形態によれば、一方の右下火バーナ55bを消火させた後、他方の左下火バーナ55aを第1低火力で燃焼させた状態で、器具温度が第2切替温度よりも低く、第1切替温度以上の第3切替温度まで低下すると、一方の右下火バーナ55bを消火させた状態で、他方の左下火バーナ55aを第1低火力よりも強い所定の第2低火力で燃焼させるから、器具温度が大きく低下する前に加熱量を増加させることができる。
また、本実施の形態によれば、一方の右下火バーナ55bを消火させた状態で、他方の左下火バーナ55aの火力が第2低火力に切り替えられた後、器具温度が調理完了温度より低く、第2切替温度以上の第4切替温度まで上昇すると、一方の右下火バーナ55bを消火させた状態で、他方の左下火バーナ55aを第2低火力よりも弱い所定の第3低火力で燃焼させるから、被調理物の表面の調理の進行度合いを過度に進めることなく、被調理物の内部までじっくり加熱することができる。
また、本実施の形態によれば、一方の右下火バーナ55bを消火させ、他方の左下火バーナ55aを第1低火力で燃焼させた状態で、器具温度が第2切替温度よりも高い調理完了温度まで上昇するかどうかを判断するから、被調理物の内部まで十分に加熱されたときに調理を終了させることができる。
従って、本実施の形態によれば、被調理物の表面の焼き過ぎを生じることなく、内部までしっかり加熱して、高品質な料理を提供することができる。
(その他の実施の形態)
(1)上記実施の形態では、開閉弁は一方の下部ガス供給路にのみ設けられている。しかしながら、開閉弁は、両方の下部ガス供給路に設けてもよい。この場合、一方の下火バーナを弱火専用とし、他方の下火バーナ強火専用として設定してもよい。
(2)上記実施の形態では、自動調理の制御用温度としてグリルプレートの器具温度が利用されている。しかしながら、庫内温度センサで検知される庫内温度を制御用温度として利用してもよい。
(3)上記実施の形態では、下火バーナはグリル庫の左右側壁の外側に配設されている。しかしながら、下火バーナはグリル庫の内側に配設してもよい。
(4)上記実施の形態では、上火バーナが設けられている。しかしながら、下火バーナのみを設けてもよい。この場合、グリル庫用ガス供給路が主下部ガス供給路を構成する。
(5)上記実施の形態では、調理器具としてグリルプレートのみが利用されている。しかしながら、また、調理メニューによっては、グリルプレートの上方を覆うカバー体を使用してもよい。
20 グリル庫
55a,55b 下火バーナ
Ls 主下部ガス供給路
L1,L2 下部ガス供給路
504 開閉弁

Claims (5)

  1. グリルプレート上に載置された被調理物を加熱調理可能なグリル庫と、
    グリル庫の左右に配置された一対の下火バーナと、
    各下火バーナに接続され、各下火バーナに燃料ガスを供給する下部ガス供給路と、
    少なくともいずれか一方の下部ガス供給路に介設され、燃料ガスの供給を遮断する開閉弁と、
    下部ガス供給路の上流側に、下部ガス供給路が分岐する下火バーナ用の主下部ガス供給路と、
    主下部ガス供給路に介設され、両下火バーナへの燃料ガスの供給量を調整する流量調整部と、
    調理器具であるグリルプレート温度またはグリル庫内の庫内温度の少なくともいずれか一方の制御用温度を検知する温度検知部と、
    自動調理中の各下火バーナの火力を制御する制御装置と、を備え、
    制御装置は、グリルプレート上に載置された被調理物を自動で加熱調理する自動調理が行なわれる場合、両下火バーナの燃焼中に温度検知部で検知される制御用温度が所定の切替温度まで上昇すると、一方の下火バーナを消火させ、他方の下火バーナを所定の火力で燃焼させる加熱調理器。
  2. 請求項1に記載の加熱調理器において
    制御装置は、自動調理が開始されると、両下火バーナを所定の初期火力で燃焼させ、
    温度検知部で検知される制御用温度が所定の第1切替温度まで上昇すると、両下火バーナを初期火力より弱い所定の第1低火力で燃焼させ、
    両下火バーナの火力が第1低火力に弱められた後、制御用温度が第1切替温度より高い所定の第2切替温度まで上昇すると、一方の下火バーナを消火させ、他方の下火バーナを第1低火力で燃焼させる加熱調理器。
  3. 調理器具上に載置された被調理物を加熱調理するグリル庫と、
    グリル庫の左右に配置された一対の下火バーナと、
    各下火バーナに接続され、各下火バーナに燃料ガスを供給する下部ガス供給路と、
    少なくともいずれか一方の下部ガス供給路に介設され、燃料ガスの供給を遮断する開閉弁と、
    下部ガス供給路の上流側に、下部ガス供給路が分岐する下火バーナ用の主下部ガス供給路と、
    主下部ガス供給路に介設され、両下火バーナへの燃料ガスの供給量を調整する流量調整部と、
    調理器具の器具温度またはグリル庫内の庫内温度の少なくともいずれか一方の制御用温度を検知する温度検知部と、
    自動調理中の各下火バーナの火力を制御する制御装置と、を備え、
    制御装置は、自動調理が開始されると、両下火バーナを所定の初期火力で燃焼させ、
    温度検知部で検知される制御用温度が所定の第1切替温度まで上昇すると、両下火バーナを初期火力より弱い所定の第1低火力で燃焼させ、
    両下火バーナの火力が第1低火力に弱められた後、制御用温度が第1切替温度より高い所定の第2切替温度まで上昇すると、一方の下火バーナを消火させ、他方の下火バーナを第1低火力で燃焼させる加熱調理器。
  4. 請求項2または3に記載の加熱調理器は、さらに、
    自動調理における調理完了温度を設定する温度設定部を備え、
    制御装置は、一方の下火バーナを消火させた後、他方の下火バーナを第1低火力で燃焼させた状態で、制御用温度が第2切替温度より低く、第1切替温度以上の第3切替温度まで低下すると、一方の下火バーナを消火させた状態で、他方の下火バーナを第1低火力より強い所定の第2低火力で燃焼させ、
    一方の下火バーナを消火させた状態で、他方の下火バーナの火力が第2低火力に強められた後、制御用温度が調理完了温度より低く、第2切替温度以上の第4切替温度まで上昇すると、一方の下火バーナを消火させた状態で、他方の下火バーナを第2低火力より弱い所定の第3低火力で燃焼させる加熱調理器。
  5. 請求項2または3に記載の加熱調理器は、さらに、
    自動調理における調理完了温度を設定する温度設定部を備え、
    制御装置は、一方の下火バーナを消火させた後、他方の下火バーナを第1低火力で燃焼させた状態で、制御用温度が第2切替温度より高い調理完了温度まで上昇すると、両下火バーナを消火させる加熱調理器。
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