JP7319108B2 - 法面保護擁壁及びその形成方法 - Google Patents
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Description
上記課題を解決する法面保護擁壁は、法面に沿って配置される壁材と、上記法面から地盤に向けて延びる孔内に注入される定着材と、上記孔内に挿入されて壁材に対し連結される芯材と、上記壁材と上記法面との間に注入される裏込め材と、を備える。そして、上記壁材における法面側の面には断熱材が設けられており、その断熱材が上記裏込め材により上記壁材との間で覆われていることによって、上記壁材、上記断熱材、及び上記裏込め材が一体化して法面保護のための表面材となっている。
上記法面保護擁壁において、上記芯材は、鉄よりも熱伝導率の低い材料によって形成されているものとすることが考えられる。
上記法面保護擁壁において、上記壁材は、法面に沿って水平方向に複数並べられているとともに鉛直方向にも複数並べられており、それら壁材に各々対応する芯材に対し連結されるものとされる。更に、壁材同士の間は、空気連行剤を混ぜた目地材が充填されることにより、上記空気連行剤によって形成された気泡を有する目地材によって埋められているものとすることが考えられる。
上記法面保護擁壁において、上記壁材は、法面に沿って水平方向に複数並べられているとともに鉛直方向にも複数並べられており、それら壁材に各々対応する芯材に対し連結されるものとされる。更に、最上段の壁材の上端部に対応して位置する擁壁の天端は水平方向に延びる天端材によって形成されており、その天端材と前記地盤との間にも断熱材が設けられているものとすることが考えられる。
上記課題を解決する法面保護擁壁の形成方法は、法面に沿って壁材を配置する配置工程と、法面から地盤に向けて延びる孔内に定着材を注入するとともに、その孔内に芯材を挿入する注入挿入工程と、上記芯材を上記壁材に対し連結する連結工程と、上記壁材と上記法面との間に裏込め材を注入する裏込め工程と、を有する。そして、上記配置工程では、壁材における法面側の面に断熱材を設けた後、その断熱材が法面側を向くように同法面に沿って前記壁材が配置される。更に、上記裏込め工程では、断熱材が壁材と法面との間において上記注入された裏込め材で覆われることにより、上記壁材、上記断熱材、及び上記裏込め材が一体化して法面保護のための表面材が形成される。
図1に示す法面保護擁壁1は、パンウォール工法によって形成されるものであり、地盤2における法面3を保護するための複数の表面材4と、それら表面材4毎に設けられて同表面材4を地盤2に固定するための定着材(グラウト材)5及び芯材6と、を備えている。
図3に示すように、壁材7には同壁材7を厚さ方向(図3の略左右方向)に貫通する段付孔15が形成されている。この段付孔15における外側(図3の右側)寄りの部分は、断熱材8寄りの部分よりも大きい内形を有する大形部15aとなっている。また、断熱材8には同断熱材8の厚さ方向(図3の略左右方向)に延びるとともに、壁材7の段付孔15と同一軸線上で延びる挿通孔16が形成されている。なお、断熱材8においては、図示しない水抜き用の切り欠きや隣合う壁材7同士の連結用の切り欠き等も形成されている。
パンウォール工法では、[配置工程]、[注入挿入工程]、[連結工程]、及び[裏込め工程]といった各工程を順に行うことにより、法面保護擁壁1が形成される。以下、パンウォール工法における[配置工程]、[注入挿入工程]、[連結工程]、及び[裏込め工程]について、それぞれ詳しく述べる。
図4(a)に示すように、地盤2における最も高い部分(図4(a)の二点鎖線)を削り取ることにより、水平方向(図4(a)の紙面と直交する方向)に延びる法面3が形成される。一方、壁材7における法面3側の面に断熱材8を接着し、その断熱材8が法面3側を向くように同法面3に沿って壁材7が配置される。なお、そうした壁材7は、水平方向に延びる法面3に対応して、水平方向に複数並ぶように配置される。そして、隣合う壁材7同士は互いに連結される。
図4(b)に示すように、壁材7の段付孔15(図3)及び断熱材8の挿通孔16(図3)を介して、法面3から地盤2に向けて延びるように孔10が形成される。その後、段付孔15及び挿通孔16に孔10と連通するよう注入ガイド17(図3)が差し込まれる。そして、注入ガイド17を介して孔10内に定着材5が注入されるとともに、注入ガイド17内にも定着材5が注入される。更に、注入ガイド17の内部を介して孔10内に芯材6が挿入される。
図3に示す段付孔15における大形部15aの底面に予め設置されている埋め込みプレート18の隣には、座金20及びワッシャ21が配置される。更に、これら埋め込みプレート18、座金20、及びワッシャ21を貫通する芯材6の端部にナット22がねじ込まれる。これにより芯材6が壁材7に対し連結される。
図4(c)に示すように、芯材6が壁材7に対し連結された状態のもと、法面3と壁材7(断熱材8)との間に裏込め材9が注入される。これにより、断熱材8が裏込め材9により壁材7との間で覆われた状態となって、それら壁材7、断熱材8、及び裏込め材9が一体化して表面材4となる。この状態で上記ナット22(図3)を締め付けることにより、表面材4が芯材6及び定着材5によって地盤2に固定される。その後、壁材7における段付孔15の大形部15a(図3)にキャップ23が嵌め込まれ、同キャップ23の内部であってナット22周りの部分にモルタルが充填される。
(1)寒冷地等において、図6(a)に示すように仮に冷気が法面保護擁壁1の表面材4側から地盤2側に伝わることにより、地盤2における表面材4付近の部分に含まれる水分が凍結していったとすると、その部分には図6(b)及び図6(c)に示すように上記水分の凍結に伴う膨張が生じる。そして、上記水分の凍結による膨張が生じる分、定着材5及び芯材6によって地盤2に固定されている表面材4が、図6(b)及び図6(c)に矢印で示すように押圧されて同表面材4に悪影響を及ぼすおそれがある。
・天端1aの断熱材12については必ずしも設ける必要はない。
・芯材6を形成する材料については、繊維強化プラスチック(FRP)以外の材料に適宜変更してもよい。
・裏込め材9については、耐凍害性を持たせるための気泡を有するものとしたが、そうした気泡を必ずしも形成する必要はない。
Claims (5)
- 法面に沿って配置される壁材と、
前記法面から地盤に向けて延びる孔内に注入される定着材と、
前記孔内に挿入されて前記壁材に対し連結される芯材と、
前記壁材と前記法面との間に注入される裏込め材と、
を備える法面保護擁壁において、
前記壁材は、前記法面によって水平方向に複数並べられているとともに鉛直方向にも複数並べられており、それら壁材に各々対応する前記芯材に対し連結されるものであり、
最上段の壁材の上端部に対応して位置する擁壁の天端は水平方向に延びる天端材によって形成されており、
前記壁材における前記法面側の面には断熱材が設けられており、その断熱材が前記裏込め材により前記壁材との間で覆われていることによって、前記壁材、前記断熱材、及び前記裏込め材が一体化して法面保護のための表面材となっており、
前記天端材と前記地盤との間にも断熱材が設けられている
ことを特徴とする法面保護擁壁。 - 法面に沿って配置される壁材と、
前記法面から地盤に向けて延びる孔内に注入される定着材と、
前記孔内に挿入されて前記壁材に対し連結される芯材と、
前記壁材と前記法面との間に注入される裏込め材と、
を備える法面保護擁壁において、
前記壁材における前記法面側の面には断熱材が設けられており、その断熱材が前記裏込め材により前記壁材との間で覆われていることによって、前記壁材、前記断熱材、及び前記裏込め材が一体化して法面保護のための表面材となっており、
前記裏込め材は、空気連行剤を混ぜて前記壁材と前記法面との間に注入されるものであり、且つ、その空気連行剤によって気泡が形成されているものであることを特徴とする法面保護擁壁。 - 法面に沿って配置される壁材と、
前記法面から地盤に向けて延びる孔内に注入される定着材と、
前記孔内に挿入されて前記壁材に対し連結される芯材と、
前記壁材と前記法面との間に注入される裏込め材と、
を備える法面保護擁壁において、
前記壁材における前記法面側の面には断熱材が設けられており、その断熱材が前記裏込め材により前記壁材との間で覆われていることによって、前記壁材、前記断熱材、及び前記裏込め材が一体化して法面保護のための表面材となっており、
前記芯材は、鉄よりも熱伝導率の低い材料によって形成されている
ことを特徴とする法面保護擁壁。 - 法面に沿って配置される壁材と、
前記法面から地盤に向けて延びる孔内に注入される定着材と、
前記孔内に挿入されて前記壁材に対し連結される芯材と、
前記壁材と前記法面との間に注入される裏込め材と、
を備える法面保護擁壁において、
前記壁材は、前記法面に沿って水平方向に複数並べられているとともに鉛直方向にも複数並べられており、それら壁材に各々対応する前記芯材に対し連結されるものであり、
前記壁材同士の間は、空気連行剤を混ぜた目地材が充填されることにより、前記空気連行剤によって形成された気泡を有する前記目地材によって埋められており、
前記壁材における前記法面側の面には断熱材が設けられており、その断熱材が前記裏込め材により前記壁材との間で覆われていることによって、前記壁材、前記断熱材、及び前記裏込め材が一体化して法面保護のための表面材となっていることを特徴とする法面保護擁壁。 - 法面に沿って壁材を配置する配置工程と、
前記法面から地盤に向けて延びる孔内に定着材を注入するとともに、その孔内に芯材を挿入する注入挿入工程と、
前記芯材を前記壁材に対し連結する連結工程と、
前記壁材と前記法面との間に裏込め材を注入する裏込め工程と、
を有する法面保護擁壁の形成方法において、
前記配置工程では、前記壁材における前記法面側の面に断熱材を設けた後、その断熱材が前記法面側を向くように同法面に沿って前記壁材が配置され、
前記裏込め工程では、前記断熱材が前記壁材と前記法面との間において前記注入された裏込め材で覆われることにより、前記壁材、前記断熱材、及び前記裏込め材が一体化して法面保護のための表面材が形成され、
前記裏込め工程によって前記表面材が前記地盤に固定された後、前記地盤の上端部であって前記表面材の上端部に対応して位置する部分に断熱材が配置され、その断熱材の上側に天端材が形成され、それら天端材及び断熱材によって擁壁の天端が形成されることを特徴とする法面保護擁壁の形成方法。
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