本発明の一実施形態を図1~図4を参照して以下に説明する。図1を参照して、本実施形態の風呂装置1は、所謂、風呂給湯装置であり、浴室及び台所等の給湯対象箇所への給湯を行う給湯運転を実行可能であると共に、浴室の浴槽BTに湯はりを行う湯はり運転、浴槽BT内の湯を加熱する追い焚き運転、浴槽BTに足し湯を行う足し湯運転等の風呂運転を実行可能である。
この風呂装置1(以降、風呂給湯装置1という)は、熱源機2と、熱源機2の運転操作等をユーザが行うためのリモコン3とを含む。熱源機2は、該熱源機2内に水道水等の給湯用水を導入する給水路10と、熱源機2内で加熱した給湯用水(湯)を台所、浴室等の給湯対象箇所に供給する給湯路11とが接続されていると共に、浴槽BT内の湯水(以降、風呂水という)を熱源機2との間で循環させる循環水路20を介して浴槽BTに接続されている。
そして、熱源機2には、給水路10により導入される給湯用水を加熱するための熱源部を構成する第1熱交換器12及び第1バーナ13と、風呂水を循環水路20を通して循環させるポンプ21(以降、風呂ポンプ21という)と、風呂水を加熱するための熱源部を構成する第2熱交換器22及び第2バーナ23と、熱源機2の運転制御を行う機能を有する制御装置40とが搭載されている。
給水路10の上流側は、図示しない給水源に接続され、給湯路11の下流側は、台所、浴室等に配置されたカラン等の給湯栓11aに接続されている。また、給湯路11には、その下流側に供給される湯の温度(給湯温度)を検出する温度センサ18が取り付けられている。
第1熱交換器12は、給水路10から給湯路11への給湯用水の通水が該第1熱交換器12を介して行われるように、給水路10と給湯路11との間に介装されている。
第1バーナ13は、例えばガスバーナであり、その燃焼熱により第1熱交換器12を加熱する(ひいては、第1熱交換器12を流れる給湯用水を加熱する)ように配置されている。そして、該第1バーナ13に燃料ガスを供給する第1燃料供給路14には、該第1燃料供給路14を開閉可能な2つの電磁弁15,16と、第1バーナ13への燃料ガスの供給流量を調整する比例弁等の流量制御弁17とが上流側から順に介装されている。
上記第1バーナ13は、電磁弁15,16を開弁制御した状態で、図示しない点火装置を駆動することで、点火される。そして、第1バーナ13の燃焼運転中は、流量制御弁17を制御することで、第1バーナ13の燃焼量が制御される。なお、第1バーナ13の燃焼運転時には、図示しない燃焼ファンにより該第1バーナ13に燃焼用空気が供給される。
循環水路20は、風呂水の循環時に熱源機2側から浴槽BTに風呂水を流す往路側水路20aと、浴槽BT側から熱源機2に風呂水を流す復路側水路20bとにより構成される。往路側水路20a及び復路側水路20bのそれぞれの浴槽BT側の端部は、浴槽BTの下部の側壁部に形成された給湯口BaにアダプタBbを介して接続されている。また、往路側水路20a及び復路側水路20bのそれぞれの熱源機2側の端部は、風呂ポンプ21の吐出口と吸入口とに各々接続されている。
これにより、浴槽BT内の風呂水の水位が、浴槽BTの給湯口Baよりも高い水位となっている状態(換言すれば、浴槽BT内の風呂水の水面が給湯口Baの上側に位置する状態)において、風呂ポンプ21を作動させることで、浴槽BTと熱源機2との間で風呂水が循環水路20を通って循環するようになっている。
なお、本実施形態では、浴槽BTには、その底面の排水口Bcを開閉する排水弁としての排水栓Bdを開閉駆動するための自動排水装置50が付設されている。該自動排水装置50は、公知の構成のものであり、電動モータにより構成される排水用アクチュエータ51を備える。該排水用アクチュエータ51は、その駆動力により排水栓Bdを上下動させることで浴槽BTの排水口Bcを開閉し得るように、該排水栓Bdにワイヤ等を含む駆動機構52を介して接続されている。
第2熱交換器22は、循環水路20の途中で風呂水を該第2熱交換器22に流通させるように、該循環水路20の途中部、例えば、往路側水路20aの途中部に介装されている。
第2バーナ23は、例えばガスバーナであり、その燃焼熱により第2熱交換器22を加熱する(ひいては、第2熱交換器22を流れる風呂水を加熱する)ように配置されている。該第2バーナ23に燃料ガスを供給する第2燃料供給路24は、前記第1燃料供給路14の前記電磁弁15,16の間の箇所から分岐されている。そして、第2燃料供給路24には、該第2燃料供給路24を開閉する電磁弁26と、第2バーナ23への燃料ガスの供給流量を調整する比例弁等の流量制御弁27とが上流側から順に介装されている。
上記第2バーナ23は、電磁弁15,26を開弁制御した状態で、図示しない点火装置を駆動することで、点火される。そして、第2バーナ23の燃焼運転中は、流量制御弁27を制御することで、第2バーナ23の燃焼量が制御される。なお、第2バーナ23の燃焼運転時には、図示しない燃焼ファンにより該第2バーナ23に燃焼用空気が供給される。
また、循環水路20には、循環水路20内の湯水の温度を、浴槽BT内の風呂水の温度(以降、風呂温度という)として検出する温度センサ30と、循環水路20での通水の有無を検知する水流スイッチ31と、浴槽BT内の水位を検出するための水位センサ32とが組み付けられている。
本実施形態では、上記温度センサ30、水流スイッチ31及び水位センサ32は、例えば、第2熱交換器22と風呂ポンプ21との間の往路側水路20aに組み付けられている。ただし、温度センサ30、水流スイッチ31及び水位センサ32のそれぞれは、復路側水路20bに組み付けられていてもよい。
ここで、循環水路20の往路側水路20a及び復路側水路20bは、浴槽BTの給湯口Baに接続されているので、風呂ポンプ21の作動時に、循環水路20での通水が生じる状態は、浴槽BT内の風呂水の水位が、給湯口Baの高さ以上の水位になっている状態である。
また、風呂ポンプ21の作動時に、循環水路20での通水が生じない状態は、浴槽BT内に風呂水が無い状態(浴槽BTが空の状態)、あるいは、浴槽BT内の風呂水の水位が、給湯口Baよりも低い水位になっている状態である。
従って、風呂ポンプ21の作動時における前記水流スイッチ31の検出出力(通水の有無を示す検出出力)に基づいて、浴槽BT内の風呂水の水位が、給湯口Baの高さ以上の水位になっているか否かを検知することが可能である。
また、水位センサ32は、水圧検知型の水位センサである。このため、水位センサ32は、浴槽BT内の風呂水の水位が、給湯口Baよりも高い水位となっている状態で、浴槽BT内の風呂水の水位を検出することが可能である。
循環水路20の途中部、例えば往路側水路20aの上流寄りの途中部が湯はり用水路34を介して給湯路11に接続されている。そして、湯はり用水路34には、該湯はり用水路34を開閉する電磁弁35と、該湯はり用水路34の通水流量を検出する水量センサ36とが組み付けられている。
従って、電磁弁35を開弁制御しつつ、第1バーナ13の燃焼運転を行うことで、第1熱交換器12で加熱された給湯用水(湯)を給湯路11から湯はり用水路34及び循環水路20を介して浴槽BTに給湯する(すなわち、浴槽BTの湯はりを行う)ことができるようになっている。また、浴槽BTの湯はり時には、水量センサ36で検出される通水流量を積算することで、浴槽BTに供給された湯量(浴槽BTへの給湯量)を検出することが可能である。
リモコン3は、例えば浴室に配置されるリモコンである。該リモコン3は、熱源機2の運転等に関する様々な情報を表示する表示部3aと、複数の操作スイッチ等により構成される操作部3bとを含み、制御装置40と有線又は無線による通信を行うことが可能である。
詳細な図示は省略するが、リモコン3の操作部3bには、熱源機2の起動又は運転停止を制御装置40に対して指令するためのスイッチ、浴槽BTの湯はり運転、追い焚き運転、足し湯運転等の各風呂運転の実行を制御装置40に対して指令するためのスイッチ、給湯温度の目標値を可変的に設定するためのスイッチ、風呂温度の目標値を可変的に設定するためのスイッチ、浴槽BT内の風呂水の水位の目標値である目標水位を可変的に設定するためのスイッチ等が含まれる。
ここで、リモコン3の操作部3bの操作によって可変的に設定し得る風呂水の目標水位(以降、設定水位Hsという)は、より詳しくは、次式(1)で示されるように、後述する基準水位Hbを基準とする相対的な水位である。
Hs=Hb+hs ……(1)
この場合、図3に示す如く、上記基準水位Hbは、浴槽BTの給湯口Baよりも若干高い水位(給湯口Baを覆う水位)であり、後述する如く決定されるものである。そして、基準水位Hbに対する設定水位Hsの相対変化量hs(=Hs-Hb)が、リモコン3の操作部3bの操作によって可変的に設定し得る値である。この相対変化量hsは、所定の範囲内(例えば7cm~29cmの範囲内)において複数種類の値(例えば2cm間隔毎の値)に可変的に設定可能である。
補足すると、本実施形態では、風呂給湯装置1のリモコンとして、浴室に配置されるリモコン3だけを示したが、風呂給湯装置1は、リモコン3だけでなく、他のリモコンを備え得る。この場合、各リモコンは、互いに異なる機能を有していてもよい。
制御装置40は、マイクロコンピュータ、メモリ(RAM、ROM等)、インターフェース回路等を含む電子回路ユニットにより構成されている。この制御装置40には、リモコン3の操作部3bの操作情報等が該リモコン3から与えられると共に、前記温度センサ18,30、水流スイッチ31、水位センサ32、水量センサ36等、風呂給湯装置1に備えられた各センサの検出出力が入力される。
そして、制御装置40は、実装されたハードウェア構成およびプログラム(ソフトウェア構成)の両方又は一方により実現される機能によって、熱源機2の運転に関する様々な制御処理を実行する機能を有すると共に、自動排水装置50の排水用アクチュエータ51の作動制御を行う機能を有する。
詳細は後述するが、本実施形態では、制御装置40は、浴槽BT内の風呂水の水位を水位センサ32の出力に基づいて検出する水位検出部41としての機能と、浴槽BTに給湯口Baを介して供給された水量(体積)を水量センサ36の出力に基づいて検出する水量検出部42としての機能と、浴槽BT内の風呂水の水位と水量との関係を規定する水位・水量関係データを作成して記憶する水位・水量関係データ作成部43としての機能と、湯はり運転に関する制御処理を実行する湯はり運転制御部44としての機能とを含む。
次に、以上の如く構成された風呂給湯装置1の湯はり運転に係る作動に関して説明する。本実施形態では、風呂給湯装置1は、浴槽BTに湯はりを行う湯はり運転を、第1運転モード及び第2運転モードの2種類の運転モードで選択的に実行することが可能であり、いずれの運転モードで湯はり運転を行うかを、リモコン3の操作等により、制御装置40に対してあらかじめ指定することが可能である。
そして、湯はり運転の運転モードとして、第1運転モードが指定されたときには、制御装置40は、例えば、前記特許文献1にて説明された手法により湯はり運転の制御処理を実行する。この場合、制御装置40は、初回の湯はり運転時に、浴槽BTの基準水位Hbと、該基準水位Hbでの浴槽BT内の風呂水の水量である基準水量Vbと、該基準水位Hb以上の高さにおける浴槽BTの横断面積の変化率(浴槽BTの単位高さ当たりの変化率)とを、浴槽BT内の水位と水量との関係を規定する水位・水量関係データとして特定した上で、設定水位Hsまでの湯はり(浴槽BTへの給湯)を行うように熱源機2の作動制御を行う。
そして、制御装置40は、次回以後の湯はり運転時には、特定した水位・水量関係データを用いて、設定水位Hsまでの湯はり(浴槽BTへの給湯)を行うように熱源機2の作動制御を行う。
一方、湯はり運転の運転モードとして、第2運転モードが指定されたときには、制御装置40は、まず、浴槽BTの水位・水量関係データを作成するために、以下に説明する初期設定運転の制御処理を実行する。この初期設定運転の制御処理は、浴槽BT内に風呂水が投入されておらず、且つ、排水栓Bdが閉じられた状態で、風呂給湯装置1の施工業者等の関係者もしくはユーザ(以降、該関係者もしくはユーザを総称的に関係者等という)がリモコン3(又は他のリモコン)の所定の操作を行うことに応じて、制御装置40の水位・水量関係データ作成部43により図2のフローチャートに示す如く実行される。
STEP1において、水位・水量関係データ作成部43は、まず、浴槽BTに所定量V1(例えば30リットル)の給湯用水の給水を行うように熱源機2の作動制御を行う。具体的には、制御装置40は、第1バーナ13の燃焼運転を停止させたままで、湯はり用水路34の電磁弁35(以降、湯はり電磁弁35という)を開弁制御することで、浴槽BTへの給水を開始させると共に、該給水と並行して、浴槽BTへの給水量の検出値を水量検出部42を介して逐次取得する。
この場合、水量検出部42は、浴槽BTへの給水の開始時から、水量センサ36で検出される通水流量を逐次積算する(詳しくは、水量センサ36で検出された通水流量と、その検出のサンプリング周期との積を累積加算する)ことで、浴槽BTへの給水量を検出する。そして、水位・水量関係データ作成部43は、給水量の検出値が上記所定量V1に到達したときに、湯はり電磁弁35を閉弁制御することで、浴槽BTへの給水を停止させる。これにより、浴槽BT内の風呂水の水量が所定量V1になるように、浴槽BTへの給水が行われる。
次いで、水位・水量関係データ作成部43は、浴槽BTに所定量V2(例えば10リットル)の給湯用水の給水を行うことと、浴槽BT内の風呂水の水位が給湯口Baの高さ以上の水位まで上昇したか否かを確認することとを、STEP2~5で繰り返すように実行する。
具体的には、STEP2において、水位・水量関係データ作成部43は、浴槽BTに上記所定量V2の給湯用水の給水を行うように熱源機2の作動制御を行う。このSTEP2の制御処理は、STEP1の制御処理と同様の仕方で行われる。
次いで、STEP3において、水位・水量関係データ作成部43は、風呂ポンプ21を作動させ、さらに、該風呂ポンプ21の作動状態にて、浴槽BT内に、給湯口Baの高さ以上の水位の風呂水が有るか否かを水流スイッチ31の出力に基づいて判断する処理をSTEP4で実行する。
ここで、浴槽BT内の風呂水の水位が給湯口Baの高さに達していない場合には、風呂ポンプ21を作動させても、循環水路20で風呂水が流れないため、水流スイッチ31の出力が継続的なON状態にならず、ひいては、STEP4の判断結果が否定的になる。そして、この場合には、水位・水量関係データ作成部43は、STEP5において、風呂ポンプ21の作動を停止させたうえで、STEP2からの処理を繰り返す。
STEP2での浴槽BTへの給水の繰り返しによって、浴槽BT内の風呂水が給湯口Baの高さ以上の水位に達すると、風呂ポンプ21の作動によって、循環水路20で風呂水が継続的に流れるようになる。このため、水流スイッチ31の出力が継続的なON状態になり、ひいては、STEP4の判断結果が肯定的になる。
そして、この場合には、水位・水量関係データ作成部43は、STEP6において、風呂ポンプ21の作動を停止させる。さらに、水位・水量関係データ作成部43は、STEP7において、浴槽BTにさらに所定量V3(例えば20リットル)の給湯用水の給水を行うように熱源機2の作動制御を行う。このSTEP7の制御処理は、STEP1の制御処理と同様の仕方で行われる。これにより、浴槽BT内の風呂水の水位が給湯口Baを覆う水位(給湯口Baよりも若干高い水位)になるように浴槽BTへの給水が行われる。
次いで、STEP8において、水位・水量関係データ作成部43は、浴槽BT内の風呂水の現在の水量(体積)を算出し、該水量の算出値を浴槽BTの基準水量Vbとして記憶保持する。この場合、基準水量Vbは次式(2)により算出される。
Vb=V1+N1×V2+V3 ……(2)
なお、式(2)における“N1”は、STEP2での給水の繰り返し回数である。
STEP8ではさらに、水位・水量関係データ作成部43は、浴槽BT内の風呂水の現在の水位(基準水量Vbの風呂水の水位)の検出値を水位検出部41を介して取得し、その水位の検出値を浴槽BT内の基準水量Vbに対応する基準水位Hbとして記憶保持する。
ここで、水位センサ32の出力から水位検出部41で検出される水位の検出値は、水位センサ32が検知する水圧に応じて規定される水位の検出値である。そして、循環水路20内に風呂水が満たされていない状態では、水位センサ32には水圧が作用しない。従って、水位検出部41で検出される水位の検出値は、浴槽BTの給湯口Baの上端近辺の水位からの相対水位に相当する。
次に、水位・水量関係データ作成部43は、浴槽BTに所定量V4(例えば10リットル)の給湯用水を給水することを、浴槽BT内が満水状態になるまで繰り返すことをSTEP9~11で実行する。
具体的には、STEP9において、水位・水量関係データ作成部43は、浴槽BTに上記所定量V4の給湯用水を給水するように熱源機2の作動制御を行う。このSTEP9の制御処理は、STEP1の制御処理と同様の仕方で行われる。
次いで、STEP10において、水位・水量関係データ作成部43は、浴槽BTへの給水を中断した状態で、浴槽BT内の風呂水の現在の水位の検出値を水位検出部41を介して取得する。そして、水位・水量関係データ作成部43は、STEP11において、浴槽BT内が満水状態になったか否かを判断し、その判断結果が肯定的になるまで、STEP9から処理を繰り返す。
本実施形態では、浴槽BTの満水状態は、例えば浴槽BT内の風呂水の水位が浴槽BTの上端面の高さに達した状態である。この場合、STEP9での給水の終了毎に実行される各回のSTEP11の判断処理では、浴槽BTへの今回の給水後にSTEP10で得られた水位の検出値と、前回の給水後にSTEP10で得られた水位の検出値とが比較され、それらの検出値の間の変化量(それらの検出値の偏差の絶対値)が所定の閾値(ゼロ近辺の閾値)以下である場合に、浴槽BT内が満水状態になったと判断される。なお、本実施形態では、STEP1からSTEP11までの処理が本発明における給水処理に相当する。
補足すると、浴槽BT内の満水状態は、浴槽BT内の風呂水の水位が浴槽BTの上端面の高さに達した状態に限らず、該風呂水の水位が、例えばリモコン3で設定可能な設定水位Hsの最大値に達した状態を浴槽BTの満水状態とみなしてもよい。この場合には、水位の検出値が設定水位Hsの最大値以上の水位になった場合に、浴槽BT内が満水状態であると判断すればよい。
あるいは、風呂給湯装置1の関係者等が、浴槽BT内が満水状態になったか否か(浴槽BTの上端近辺の水位に達したか否か)を目視で判断し、該関係者等が満水状態になったと判断した場合に、リモコン3の所定の操作を行うことに応じて、制御装置40が浴槽BTの満水状態を認識し得るようにしてもよい。この場合には、STEP10の処理は不要である。また、この場合には、浴槽BT内が満水状態になったことを示すリモコン3の所定の操作がなされるまで、浴槽BTへの給水を連続的に行わせるように熱源機2の作動制御を行う(具体的には、湯はり電磁弁35を開弁状態に維持する)ようにしてもよい。
また、STEP11の判断結果が肯定的になるまでの浴槽BTへの給水時において、第1バーナ13の燃焼運転を行うことで、浴槽BTに加熱された給湯用水(湯)を供給するようにしてもよい。
浴槽BT内が満水状態になって、STEP11の判断結果が肯定的になると、水位・水量関係データ作成部43は、次に、STEP12において、浴槽BT内の風呂水が基準水位Hbから満水状態になるまでに浴槽BTに給水された水量(換言すれば、基準水位Hbと満水状態での水位との間の風呂水の水量)である基準水位上側水量を算出して記憶する。該基準水位上側水量は、例えば次式(3)により算出される。
基準水位上側水量=V4×N2 ……(3)
なお、式(3)における“N2”は、STEP10での給水の実行回数である。補足すると、浴槽BT内の満水状態であるか否かを、前回の給水後の水位の検出値と今回の給水後の水位の検出値との間の変化量に基づいて判断する場合には、V4×(N2ー1)という演算により基準水位上側水量を算出してもよい。
また、浴槽BTの満水状態であるか否かを、風呂給湯装置1の関係者等によるリモコン3の所定の操作に応じて判断すると共に、基準水位Hbから満水状態までの浴槽BTへの給水を連続的に行う場合には、該給水の開始時から、浴槽BT内が満水状態になったと判断されるまでの期間で、水量検出部42により検出される水量を、基準水位上側水量として取得してもよい。
次いで、STEP13において、水位・水量関係データ作成部43は、水位検出部41で検出された現在の水位の検出値と前記STEP8で記憶した基準水位Hbとの水位差(=現在の水位検出値-Hb。以降、この水位差を参照符号hxで表す)が、所定の刻み幅dhの整数倍の値に一致もしくはほぼ一致するか否か(換言すれば、上記水位差hxを刻み幅dhで除算してなる値hx/dhが、ある整数値に一致もしくはほぼ一致するか否か)を判断する。
ここで、図3を参照して、上記刻み幅dhは、浴槽BTの満水状態での水位と基準水位Hbとの間の範囲内で、以下に説明する処理により設定される複数の水位H(0),H(1),H(2),……,H(m)において互いに隣り合う水位H(i),H(i+1)(i=0,1,…,m-1)の間の間隔(水位差)としてあらかじめ定められた所定値である。本実施形態では、該刻み幅dhは、例えばリモコン3で設定可能な設定水位Hsの最小の変化幅(例えば2cm)よりも小さい値に設定され、例えばdh=1cmである。
水位・水量関係データ作成部43は、STEP13の判断結果が肯定的である場合には、STEP14,15の処理を実行する。この場合、STEP14では、水位・水量関係データ作成部43は、上記複数の水位H(0)~H(m)のそれぞれの番数を示す水位カウンタnの値をゼロに設定すると共に、n=0対応する水位H(0)の値として、「dh×m+Hb」という式により算出される値を設定する。ここで、“m”は、前記STEP13で求めた水位差hxを刻み幅dhで除算してなる値hx/dhに一致もしくはほぼ一致する整数値である。なお、H(0)の値として、現在の水位(浴槽BT内の満水状態での水位)の検出値を設定してもよい。
次のSTEP15では、水位・水量関係データ作成部43は、排水栓Bdを開栓する(ひいては、浴槽BTからの風呂水の排水を開始する)ように排水用アクチュエータ51を作動させると共に、排水の経過時間を計時するタイマーを起動する。
また、水位・水量関係データ作成部43は、STEP13の判断結果が否定的である場合には、STEP16~18の処理を実行する。この場合、STEP16では、水位・水量関係データ作成部43は、排水栓Bdを開栓する(ひいては、浴槽BTからの風呂水の排水を開始する)ように排水用アクチュエータ51を作動させると共に、排水の経過時間を計時するタイマーを起動する。
そして、風呂水の排水と並行して、水位・水量関係データ作成部43は、STEP17の処理を実行する。このSTEP17では、水位・水量関係データ作成部43は、浴槽BT内の風呂水の水位の検出値を水位検出部41を介して逐次取得しつつ、現在の水位の検出値と基準水位Hbとの水位差hxが、前記刻み幅dhの整数倍の値に一致もしくはほぼ一致する状態になったか否かを逐次判断する処理を、その判断結果が肯定的になるまで実行する。
STEP17の判断結果が肯定的になると、水位・水量関係データ作成部43は、STEP18において、前記STEP14と同様に、水位カウンタnの値をゼロに設定すると共に、n=0対応する水位H(0)の値として、「dh×m+Hb」という式により算出される値を設定する。この場合、“m”の値は、STEP17の判断結果が肯定的になった時点での水位差hxを刻み幅dhで除算してなる値hx/dhに一致もしくはほぼ一致する整数値である。なお、H(0)の値として、STEP17の判断結果が肯定的になった時点での水位の検出値を設定してもよい。
STEP18ではさらに、水位・水量関係データ作成部43は、STEP16で起動したタイマーの計時値(STEP17の判断結果が肯定的になった時点での計時値)を、初期排水時間T(0)の値として記憶保持すると共に、該タイマーをリセットして再起動する。
補足すると、浴槽BTに自動排水装置50が付設されていない場合には、STEP15,16のそれぞれにおいて、排水栓Bdの開栓を行うべき旨の報知情報をリモコン3で出力し、その報知により、風呂給湯装置1の関係者等に排水栓Bdを手動で開栓させるようにしてもよい。
上記のように、STEP15又は18の処理を実行した後、水位・水量関係データ作成部43は、次にSTEP19において、浴槽BT内の風呂水の水位の検出値を水位検出部41を介して逐次取得しつつ、現在の水位の検出値が基準水位Hbよりも低下したか否かを判断する。なお、浴槽BT内の風呂水の水位が、給湯口Baの高さよりも高い状態では、該風呂水の排水中に、循環水路20内の水流はほとんど生じないので、該風呂水の排水中であっても、水位検出部41は、水位センサ32の出力から風呂水の水位を適正に検出し得る。
浴槽BTからの風呂水の排水の開始直後は、STEP19の判断結果が否定的になる。この場合には、水位・水量関係データ作成部43は、次にSTEP20において、現在の水位の検出値が、現在の水位カウンタnの値に対応する水位H(n)(初期値はH(0))から刻み幅dhだけ低下した水位(=H(n)-dh)に達したか否か(現在の水位≦H(n)-dhになったか否か)を判断する。そして、このSTEP20の判断結果が否定的である場合には、水位・水量関係データ作成部43は、STEP19からの処理を繰り返す。
STEP20の判断結果が肯定的になると、水位・水量関係データ作成部43は、STEP21の処理を実行した後、STEP19からの処理を繰り返す。この場合、STEPう21では、水位・水量関係データ作成部43は、水位カウンタnの値を“1”だけ増加させ、さらに、更新後の水位カウンタnの値に対応する水位H(n)の値として、一つ前の水位H(n-1)から刻み幅dhだけ低下した水位(=H(n-1)-dh)を設定する。なお、更新後の水位カウンタnの値に対応する水位H(n)の値として、現在の水位の検出値を設定してもよい。
STEP21ではさらに、水位・水量関係データ作成部43は、前記タイマーの現在の計時値(STEP20の判断結果が肯定的になった時点での計時値)を、風呂水の水位がH(n-1)からH(n)まで低下するのに要した時間T(n)(以降、水位間排水所要時間T(n)という)の値として記憶保持すると共に、タイマーをリセットして再起動する。
以上のようにして、STEP13~21の処理では、図3に例示する如く、浴槽BTの満水状態での水位と基準水位Hbとの間の範囲内で複数の水位H(0)~H(m)が所定の刻み幅dhの間隔で設定される。この場合、複数の水位H(0)~H(m)のうちの最大の水位であるH(0)は、浴槽BT内の満水状態での水位に一致もしくはほぼ一致する水位(STEP14で設定される水位)、あるいは、浴槽BT内の満水状態での水位よりも若干小さい水位(STEP18で設定される水位)である。また、複数の水位H(0)~H(m)のうちの最小の水位であるH(m)は、基準水位Hbに一致もしくはほぼ一致する水位である。
さらに、複数の水位H(0)~H(m)において、隣り合う水位H(n-1),H(n)(n=1,2,…,m)の間での水位間排水所要時間T(1)~T(m)が計測されて、それらの計測値が記憶保持される。例えば、次の表1に例示するように、水位間排水所要時間T(1)~T(m)のそれぞれの計測値が記憶保持される。
浴槽BTからの風呂水の排水が進行して、該風呂水の水位が基準水位Hbよりも低くなると、STEP19の判断結果が肯定的になる。この場合、水位・水量関係データ作成部43は、STEP22の処理を実行し、初期設定運転の制御処理を終了する。STEP22では、前記複数の水位H(0)~H(m)の隣り合う水位H(n-1),H(n)(n=1,2,…,m)の間での風呂水の水量である水位間水量V(1)~V(m)が推定されて、それらの推定値が記憶保持される。
具体的には、本実施形態では、水位・水量関係データ作成部43は、前記STEP12で記憶保持した基準水位上側水量を、風呂水の排水の開始時から、該風呂水の水位が基準水位Hbに達するまでの時間である排水所要時間TAで除算することにより、排水流量Wdを推定する。すなわち、基準水位上側水量と、排水所要時間TAとを排水流量Wdを規定する排水流量データとして用いて、次式(4)により排水流量Wdの推定値が算出される。
Wd=基準水位上側水量/TA ……(4)
この場合、排水所要時間TAは、STEP15で排水を開始した場合には、水位間排水所要時間T(1)~T(m)の合計時間として算出される。また、STEP16で排水を開始した場合には、排水所要時間TAは、水位間排水所要時間T(1)~T(m)と前記初期排水時間T(0)との合計時間として算出される。なお、初期排水時間T(0)が水位間排水所要時間T(1)~T(m)のそれぞれに比して十分に短い場合には、水位間排水所要時間T(1)~T(m)の合計時間を排水所要時間TAとして算出してもよい。
そして、水位・水量関係データ作成部43は、水位間排水所要時間T(1)~T(m)のそれぞれに、排水流量Wdの推定値を乗算することにより、水位間水量V(1)~V(n)のそれぞれの推定値を算出して記憶保持する。例えば、水位間排水所要時間T(1)~T(m)が前記表1に例示した時間であると共に、排水流量Wdの推定値が10リットル/分である場合、表1に例示するように、水位間水量V(1)~V(m)のそれぞれの推定値が算出されて記憶保持される。本実施形態では、上記の如く算出される水位間水量V(1)~V(m)のそれぞれの推定値が、本発明における水位間水量データに相当する。そして、STEP12~22の処理が、本発明における水位間水量データ取得処理に相当する。
補足すると、本実施形態では、上記式(4)により排水流量Wdを推定したので、基準水位Hbと、満水状態での浴槽BT内水位とがそれぞれ本発明における第1水位、第2水位に相当し、また、基準水位上側水量が本発明における第1水量に相当する。ただし、本発明における第1水位及び第2水位は、上記と異なる水位であってもよい。例えば、第1水位及び第2水位は、前記複数の水位H(0)~H(m)のうちの任意の互いに異なる水位(ただし、第1水位<第2水位)であってもよい。
本実施形態では、以上説明した初期設定運転の制御処理によって、浴槽BT内の基準水量Vb及び基準水位Hbのそれぞれの値と、複数の水位H(0)~H(m)に対する水位間水量V(1)~V(n)のそれぞれの値とが決定され、それらの値が浴槽BT内の水位と水量との関係を規定する水位・水量関係データとして記憶保持される。
次に、第2運転モードでの湯はり運転における制御処理を説明する。制御装置40は、初期設定運転の完了後に、リモコン3(又は他のリモコン)の操作によって、第2運転モードでの湯はり運転の実行が指示されると、図4のフローチャートに示す制御処理を湯はり運転制御部44により実行する。
STEP31において、湯はり運転制御部44は、まず、浴槽BTに所定量V5(例えば6リットル)の給湯用水(湯)を給湯するように熱源機2の作動制御を行う。
具体的には、制御装置40は、湯はり電磁弁35を開弁制御すると共に、第1バーナ13の燃焼運転を開始させることで、浴槽BTへの給湯(湯はり)を開始させ、この給湯と並行して、浴槽BTへの給水量の検出値を水量検出部42を介して逐次取得する。この場合、第1バーナ13の燃焼量は、温度センサ18(又は温度センサ30)で検出される浴槽BTへの給湯温度がリモコン3(又は他のリモコン)で設定された目標風呂温度(風呂温度の目標値)に一致もしくはほぼ一致するように制御される。
そして、湯はり運転制御部44は、給水量の検出値が上記所定量V5に到達したときに、湯はり電磁弁35を閉弁制御することで、浴槽BTへの給湯を停止させると共に、第1バーナ13の燃焼運転を停止させる。これにより、浴槽BT内に所定量V5の給湯が行われる。
次いで、STEP32において、湯はり運転制御部44は、風呂ポンプ21を作動させ、さらに、該風呂ポンプ21の作動状態にて、浴槽BT内に、給湯口Baの高さ以上の水位の風呂水が有るか否かを判断する処理をSTEP33で実行する。この判断処理は、前記STEP4と同様に行われる。
ここで、湯はり運転の開始前に浴槽BT内に残水が存在する場合もあり、その場合、STEP33の判断結果が肯定的になる場合がある。この場合には、湯はり運転制御部44は、後述するSTEP39からの処理を実行する。
一方、湯はり運転の開始前に浴槽BT内に残水が無い場合、あるいは、該残水が十分に少ない場合には、STEP33の判断結果が否定的になる。この場合には、湯はり運転制御部44は、STEP34で風呂ポンプ21の作動を停止させた後、STEP35において、浴槽BTに、前記初期設定運転時に得られた基準水量Vbに所定量V6を加えた量の給湯用水(湯)を給湯するように熱源機2の作動制御を行う。該作動制御は、STEP31と同様の仕方で行われる。
この場合、上記所定量V6は、例えば、基準水位Hbから所定値h6だけ高い水位(=Hb+h6)と基準水位Hbとの間の風呂水の水量として設定される。該所定量V6は、前記初期設定運転時に得られた水位間水量V(1)~V(m)を用いて算出される。具体的には、上記所定値h6は、例えば、前記複数の水位H(1)~H(m)の刻み幅dh(例えば1cm)の整数倍の値、例えば3倍の値に設定され得る(h6=3×dh)。
この場合、Hb+h6の水位が、複数の水位H(1)~H(m)のうちの、H(m-3)に一致するので、所定量V6は、水位間水量V(1)~V(m)のうちのV(m),V(m-1),V(m-2)の総和の水量として算出される。
なお、上記所定値h6は、水位の刻み幅dhの整数倍でない値に設定されてもよい。この場合には、例えば次のような演算処理により、前記所定量V6を算出し得る。すなわち、複数の水位H(0)~H(m)のうち、Hb+h6の水位よりも低く、且つ、Hb+h6の水位に最も近い水位を水位H(k1)とおくと、該水位H(k1)とHb+h6の水位との間の水量Va1が、水位H(k1)とその一つ上の水位H(k1-1)との間の水位間水量V(k1)の値を用いて、例えば次式(5)の補間演算により算出される。
Va1=V(k1)×(Hb+h6-H(k1))/(H(k1-1)-H(k1))
=V(k1)×(Hb+h6-H(k1))/dh ……(5)
そして、水位間水量V(1)~V(m)のうち、水位H(k1)以下の水位での水位間水量V(k1+1)~V(m)のそれぞれと上記水量Va1との合計水量が、所定量V6の水量として算出される。補足すると、所定量V6は、あらかじめ定められた固定値の水量であってもよい。
湯はり運転制御部44は、STEP35での浴槽BTへの給湯後、次に、STEP36において、風呂ポンプ21を再び作動させ、さらに、該風呂ポンプ21の作動状態にて、浴槽BT内に、給湯口Baの高さ以上の水位の風呂水が有るか否かを判断する処理をSTEP37で実行する。この判断処理は、前記STEP4と同様に行われる。
そして、STEP37の判断結果が否定的となる場合には、浴槽BTの排水栓Bdが開いている可能性があることから、湯はり運転制御部44は、STEP38において、その旨を報知するためのエラー報知をリモコン3(あるいはリモコン3を含む各リモコン)で出力させ、湯はり運転の制御処理を中止する。該エラー報知は、例えばリモコン3の表示部3a等による視覚的情報、あるいは、音声もしくは警報音等による聴覚的な情報として出力され得る。
STEP37の判断結果が肯定的である場合、あるいは、STEP33の判断結果が肯定的である場合には、湯はり運転制御部44は、STEP39において風呂ポンプ21の作動を停止させた後、STEP40において、浴槽BT内の風呂水の現在の水位の検出値を水位検出部41を介して取得すると共に、現在の水位から設定水位Hsまでの湯はりに必要な湯量Vx(以降、不足湯量Vxという)を算出する。
この場合、上記不足湯量Vxは、例えば次のように算出される。なお、ここでは、設定水位Hsは、基準水位Hbよりも所定量以上高い水位で、前記複数の水位H(0)~H(m)のいずれかの水位に設定され得るものとする。この場合、複数の水位H(0)~H(m)のうち、現在の水位(検出値)以上の水位で、且つ、現在の水位に最も近い水位(現在の水位に一致する水位を含む)をH(k2)とおくと、現在の水位から水位H(k2)までの風呂水の水量Va2が、水位H(k2)とその一つ下の水位H(k2+1)との間の水位間水量V(k2+1)を用いて、例えば次式の補間演算により算出される。
Va2=V(k2+1)×(H(k2)-現在の水位)/(H(k2)-H(k2+1))
=V(k2+1)×(H(k2)-現在の水位)/dh ……(6)
そして、水位間水量V(1)~V(m)のうち、水位H(k2)から設定水位Hsまでの間の水位での水位間水量V(k2)~V(s)(V(s)は水位H(0)~H(m)のうち、設定水位Hsに一致する水位と、その一つ下の水位との間の水位間水量)のそれぞれと上記水量Va2との合計水量が、不足湯量Vxとして算出される。
補足すると、水位の刻み幅dhが、設定水位Hsの最小の可変幅に比して十分に小さい場合には、例えば、水位H(0)~H(m)のうち、現在の水位(検出値)に最も近い水位を現在の水位とみなし、その水位と設定水位との間の水位での水位間水量のそれぞれの合計水量を不足湯量Vxとして算出してもよい。
また、設定水位Hsは、複数の水位H(0) ~H(m)のうちの最大の水位H(0)と基準水位Hbとの間で、複数の水位H(0) ~H(m)と異なる水位に設定され得るようになっていてもよい。この場合には、複数の水位H(0) ~H(m)のうち、設定水位Hsよりも小さく、且つ、設定水位Hsに最も近い水位(これをH(k3)とおく)までの水量Va3(現在の水位からの水量)を、上記した不足湯量Vxの算出手法と同様の手法によって算出することができる。また、上記水位H(k3)から設定水位Hsまでの水量Va4を前記式(6)と同様の補間演算によって算出することができる。そして、これらの水量Va3,Va4の合計水量を不足湯量Vxとして算出することができる。
次に、STEP41において、湯はり運転制御部44は、上記の如く算出した不足湯量Vxの給湯用水(湯)を給湯するように熱源機2の作動制御を行う。該作動制御は、STEP31と同様の仕方で行われる。
次いで湯はり運転制御部44は、STEP42において、風呂ポンプ21を再び作動させ、さらに、該風呂ポンプ21の作動状態にて、浴槽BT内に、給湯口Baの高さ以上の水位の風呂水が有るか否かを判断する処理をSTEP43で実行する。この判断処理は、前記STEP4と同様に行われる。
そして、STEP44の判断結果が否定的となる場合には、浴槽BTの排水栓Bdが開いている可能性があることから、湯はり運転制御部44は、STEP44において、その旨を報知するためのエラー報知をリモコン3(あるいはリモコン3を含む各リモコン)で出力させ、湯はり運転の制御処理を中止する。該エラー報知は、前記STEP38と同様に行われる。
また、STEP44の判断結果が肯定的である場合には、湯はり運転制御部44は、次に、STEP45において、温度センサ30による風呂温度の検出値が、リモコン3(又は他のリモコン)で設定された目標風呂温度に達しているか否かを判断する。そして、湯はり運転制御部44は、STEP44の判断結果が否定的である場合には、STEP44の判断結果が肯定的になるまで、STEP46で浴槽BT内の風呂水を沸き上げるように熱源機2の作動制御を行う。
このSTEP46では、湯はり運転制御部44は、風呂ポンプ21の作動を継続しつつ(風呂水を循環水路20で循環させつつ)、第2バーナ23の燃焼運転を開始させる。そして、温度センサ30により検出される風呂温度が、目標風呂温度に達するように第2バーナ23の燃焼量が制御される。
STEP45の判断結果が肯定的である場合には、湯はり運転制御部44は、STEP47で風呂ポンプ21の作動を停止させる。なお、このとき、STEP46で風呂水の沸き上げを実行していた場合には、湯はり運転制御部44は、第2バーナ23の燃焼運転も停止させる。
さらに、湯はり運転制御部44は、STEP48において、湯はりが完了した旨の報知をリモコン3(あるいはリモコン3を含む各リモコン)で出力させ、湯はり運転の制御処理を終了する。この場合、当該報知は、例えばリモコン3の表示部3a等による視覚的情報、あるいは、音声もしくは警報音等による聴覚的な情報として出力され得る。
以上説明した実施形態によれば、浴槽BT内を満水状態にした後に、風呂水の排水を連続的に行いながら(該排水の中断を間欠的に行うことを必要とせずに)、複数の水位H(0)~H(m)の隣り合う水位間の水量(水位間水量V(n) (n=1,2,…,m))のそれぞれと相関性を有する水位間水量データとしての水位間排水所要時間T(n)(n=1,2,…,m)を、浴槽BT内の風呂水の水位を水位検出部41を介して適正に監視しつつ、取得できる。
このため、複数の水位H(0)~H(m)の隣り合う水位間の水位差(刻み幅dh)を比較的小さくするように、該複数の水位H(0)~H(m)を設定しても、水位間排水所要時間T(1)~T(m)のそれぞれを適正に計測することをを効率よく実行することができる。ひいては、浴槽BTの形状によらずに、該水位間排水所要時間T(1)~T(m)の計測値を用いて、浴槽BT内の水位間水量V(1)~V(m)を細かな水位間隔で、適正に特定することができる。
その結果、湯はり運転時には、基準水位Hb以上の水位になるように浴槽BTへの湯はりを行った後に(前記STEP39の処理の終了後に)、設定水位Hsまでの不足湯量Vxを、浴槽BTの形状によらずに、高い信頼性で特定することできる。ひいては、設定水位Hsまでの浴槽BTへの湯はりを適正に行うことができる。
なお、本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態を採用することもできる。以下の他の実施形態をいくつか説明する。前記実施形態では、初期設定運転の制御処理で、水位間水量データとして、水位間水量V(1)~V(m)の推定値を算出し、それを水位・水量関係データの構成要素として記憶保持するようにした。
ただし、水位間水量V(1)~V(m)の推定値は、排水流量の推定値と、水位間排水所要時間T(1)~T(m)とから湯はり運転時に算出することも可能であるので、初期設定運転の制御処理(水位・水量関係データ作成部43の処理)では、例えば、排水流量を規定する排水流量データと、水位間排水所要時間T(1)~T(m)との組を水位間水量データとして、記憶保持してよい。
この場合、排水流量データとしては、例えば、前記式(4)により算出された排水流量Wdの推定値、あるいは、該排水流量Wdを推定するために必要な各変数の値(例えば基準水位上側水量及び排水所要時間TAのそれぞれの値等)を採用し得る。また、風呂給湯装置1が、浴槽BTからの排水流量を検出可能な流量センサを備える場合には、水位間排水所要時間T(1)~T(m)のそれぞれの期間毎に流量センサの出力に基づいて推定される排水流量の値を排水量データとして用いることも可能である。この場合には、基準水位上側水量や排水所要時間TAを求める処理は不要である。
また、例えば、浴槽BTからの排水流量の公称値が浴槽BTの仕様データ等で公表されている場合には、例えば、当該公称値をリモコン3の操作等により制御装置40に対して登録しておき、水位間水量V(1)~V(n)のそれぞれの推定値を算出するために用いる排水流量Wdの値(排水流量データ)として、当該公称値を用いるようにしてもよい。この場合、水位・水量関係データ作成部43の処理では、該排水流量を推定する処理は不要であるので、水位間排水所要時間T(1)~T(m)の計測値だけを水位間水量データとして記憶保持してもよい。そして、この場合には、基準水位上側水量や排水所要時間TAを求める処理は、不要である。
さらに、浴槽BTからの排水流量を検出可能な流量センサを備える場合には、水位・水量関係データ作成部43は、例えば、複数の水位H(0)~H(m)において互いに隣り合う水位間での排水中に、流量センサで検出される排水流量を積算することで、水位間水量V(1)~V(m)のそれぞれを検出し、これらの検出値を水位間水量データとして取得することも可能である。この場合には、基準水位上側水量や排水所要時間TA求める処理、並びに、水位間排水所要時間T(1)~T(m)を計測する処理は不要である。
また、前記実施形態では、水位間水量データを作成するための複数の水位H(0)~H(m)を、基準水位Hb(=H(m))から、あらかじめ設定された一定の刻み幅dh(例えば1cmの水位差)で並ぶ水位となるように設定した。
ただし、例えば、基準水位Hbから浴槽BTの満水状態の水位までの水位差を所定数(m個)に等分するように、該水位差に応じて刻み幅dhを設定すると共に、H(0)=満水状態の水位、H(m)=Hbとなるように複数の水位H(0)~H(m)を設定してもよい。この場合には、水位・水量関係データ作成部43の処理では、前記STEP13、16~18の処理は不要である。
さらに、複数の水位H(0)~H(m)で隣り合う水位間の刻み幅(H(i)-H(i+1))(i=0,1,…,m-1)のうちの少なくとも一部の刻み幅が他の刻み幅と異なるように設定したり、あるいは、全ての刻み幅が互いに異なるように複数の水位H(0)~H(m)を設定してもよい。
さらに、例えば、水位間排水所要時間をあらかじめ所定値(例えば1分、2分等)に設定しておき、浴槽BT内の満水状態からの排水時に、H(0)=満水状態の水位とすると共に、水位間排水所要時間が経過する毎に、その時の水位の検出値を順番に水位H(i)(i=1,2,…)として設定するようにしてもよい。なお、この場合、基準水位Hb(=H(m))と、その一つ上の水位H(m-1)との間の水位間排水所要時間は、上記所定値の水位間排水所要時間と異なっていてもよい。
また、前記実施形態では、水位・水量関係データ作成部43が作成する水位・水量関係データとして、基準水位Hbと基準水量Vbと水位間水量データ(水位間水量V(1)~V(m)の推定値)を採用した。ただし、水位・水量関係データは、例えば、基準水位Hbと基準水量Vbと水位間水量データ(水位間水量V(1)~V(m)の推定値)とのうちの少なくとも一部を加工して得られるデータであってもよい。
例えば水位間水量データ(水位間水量V(1)~V(m)の推定値)を用いて、基準水位Hbから複数の水位H(0)~H(m-1)のそれぞれまでの水量を算出し、これらの水量の算出値を、水位間水量データの代わりに、水位・水量関係データの構成要素として採用してもよい。
また、前記実施形態では、基準数位Hb及び基準水量Vbを浴槽BTへの給水時に決定するようにしたが、浴槽BTからの排水時に決定することも可能である。例えば、浴槽BTからの排水時に、水位センサ32の出力が大気開放状態(水圧が作用しなくなる状態)での出力になる直前で水位検出部41により検出された水位、あるいは、水位センサ32の出力から検出可能な水位の下限値よりも所定値だけ高い水位を、基準水位Hbとして設定してもよい。そして、浴槽BTからの排水時に、満水状態から基準水位Hbに達するまでに浴槽BT内から排水された水量を推定し、その水量の推定値を、浴槽BT内が満水状態になるまでに浴槽BT内に給水した総水量の計測値から減算することにより、基準水量Vbを決定してもよい。
また、前記実施形態では、前記実施形態では,風呂給湯装置1の熱源機2は、燃焼式熱源としての第1バーナ13及び第2バーナ23を備えるものであるが、熱源機2は、燃焼式熱源の代わりに、又は燃焼式熱源に加えて、例えば、電気エネルギーを熱エネルギーに変換する電気式熱源、あるいは、ヒートポンプ方式の熱源を備えていてもよい。