JP7317061B2 - 支持杭によるラックの支持固定構造、支持杭を用いたラック構造体の構築方法、支持杭を用いたラック構造体の寸法精度確認方法 - Google Patents

支持杭によるラックの支持固定構造、支持杭を用いたラック構造体の構築方法、支持杭を用いたラック構造体の寸法精度確認方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7317061B2
JP7317061B2 JP2021037017A JP2021037017A JP7317061B2 JP 7317061 B2 JP7317061 B2 JP 7317061B2 JP 2021037017 A JP2021037017 A JP 2021037017A JP 2021037017 A JP2021037017 A JP 2021037017A JP 7317061 B2 JP7317061 B2 JP 7317061B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rack
support
piles
fixed
trough
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021037017A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022137496A (ja
Inventor
康人 三谷
聡 小澤
雄一 白山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP2021037017A priority Critical patent/JP7317061B2/ja
Publication of JP2022137496A publication Critical patent/JP2022137496A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7317061B2 publication Critical patent/JP7317061B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Description

本発明は、傾斜面にもトラフを安定して設置することが可能な支持杭によるラックの支持固定構造、支持杭を用いたラック構造体の構築方法、及び支持杭を用いたラック構造体の寸法精度確認方法に関するものである。
近年、太陽光発電や風力発電などの普及に伴い、その立地条件も多様化しつつある。例えば、低コストで利用できる土地に限りがあることから、急峻な傾斜地あるいはその頂部などにこれらの施設を設ける場合も増加しつつある。
このように、急傾斜地における電力の輸送に使用されるケーブルの敷設に関しては、種々の構造が提案あるいは市販されている。例えば、コンクリートトラフを用いた方法がある。しかし、コンクリートトラフは重量が重く作業性が悪く工事が困難な上、敷設する傾斜地の地盤が安定しないと、敷設したトラフの地盤への負担が大きいという問題がある。
また、金属ダクトを用いた方法もある。しかし、金属ダクトは金属製であるため、重量が重い上に耐食性に問題がある。このほか、地中に埋設される合成樹脂製の波付け硬質管があるが、この場合には傾斜地に地中埋設するため、安定して埋設することが難しく、さらに、メンテナンスやケーブルの増設等を行うことが難しいという問題ある。
これに対し、例えば樹脂製のトラフを地上に支持部材で支持する方法がある。このような支持部材としては、例えば、所定長さの少なくとも2本の支柱が略平行に所定間隔をあけて配置され、支柱の頭部近傍で固定部材にて固定されたトラフ支持部材が提案されている(特許文献1)。特許文献1のトラフ支持部材は、固定部材の上面がトラフ受け具設置面となり、固定部材の下面が沈下防止面となる。特許文献1によれば、作業が容易であり、トラフ支持部材の沈下や転倒を防止することが可能となる。
また、簡易な構造であり、異なる角度の壁面に対しても適用可能であるとともに、細かな角度調整が可能なトラフの壁面設置部材が提案されている(特許文献2)。特許文献2の発明は、接続部の穴位置を調整することで異なる角度の壁面に設置することが可能である。
また、連結ずれを解消する凹あるいは凸状連結ずれ解消部を有するコンクリートトラフが提案されている(特許文献3)。特許文献3のコンクリートトラフは、断面凹状をなすトラフ本体と、本体の上部開口を塞ぐ蓋部材とを有する。トラフ本体の長手方向の一方の側の両側壁端面には、上下方向の連結ずれを解消する凹あるいは凸状連結ずれ解消部が形成され、トラフ本体の長手方向の他方の側の両側壁端面には、凹あるいは凸状連結ずれ解消部に嵌り合う凹あるいは凸状連結ずれ解消部が形成される。また、トラフ本体の長手方向の一方の側の底壁端面には、左右方向の連結ずれを解消する凹凸状連結ずれ解消部が形成され、長手方向の他方の側の底壁端面には、凹凸状連結ずれ解消部に嵌り合う凹凸状連結ずれ解消部が形成される。
特許文献3によれば、トラフ本体の幅方向の下端部の隅角部にL型の補助鋼を設置して補強する必要がない。また、コストアップの原因となることもなく、スムーズな施工で連結時に上下方向のみならず左右方向に連結ずれを生じないトラフを提供することができる。
特開2018-033195号公報 特開2014-003883号公報 実用新案登録第3128398号公報
しかし、従来のトラフ支持部材は、傾斜面の角度に応じて任意の角度でトラフを支持することは困難である。特に、急傾斜面におけるトラフの設置作業となるため、傾斜面の角度に応じて、トラフの設置面角度の調整を支持部材ごとに行うのは、作業性が悪い。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたもので、トラフを支持するための支持部材の平面部を、傾斜面に合わせて所定角度に容易に設定可能な支持杭によるラックの支持固定構造、支持杭を用いたラック構造体の構築方法、及び支持杭を用いたラック構造体の寸法精度確認方法を提供することを目的とする。
前述した目的を達するために第1の発明は、少なくとも2本の支持杭上にラックが載置されて固定された、支持杭によるラックの支持固定構造であって、前記支持杭は、二本の略平行な支柱と、二本の前記支柱を繋ぐ連結部とからなるH字状骨格部と、外周部の少なくとも一部に平面部を有する回転可能支持部材と、を有し、前記回転可能支持部材は、前記H字状骨格部の前記連結部の上部に、前記連結部に略平行に配置され、前記回転可能支持部材は前記支柱に対して回転可能に固定され、前記ラックは、略平行に対向配置されたL字状部材が、複数の平板状接続部材によって接続された梯子形状のものであり、前記ラックは、2本の前記支持杭の前記回転可能支持部材の前記平面部にそれぞれ固定され、2本の前記支持杭は、前記ラックの両端からそれぞれ所定距離内側に、支持杭間の水平方向の距離を所定長さLmm離間させて配置され、2本の前記支持杭は、傾斜面上に、相互に略平行に水平面に対して略垂直な方向に、地面に対して所定深さ埋め込まれるように配置され、2本の前記支持杭の、前記ラックが固定される前記回転可能支持部材の高低差が、所定高さHmmとなるように、前記ラックが地面に対して略平行に支持固定され、前記回転可能支持部材上に載置された前記ラックの自重により、前記回転可能支持部材の前記平面部が角度調整され、前記ラックが前記支持杭で、所定角度に支持されることを特徴とする支持杭によるラックの支持固定構造である。
ここで、2本の支持杭が水平面に対して垂直な方向に相互に略平行に埋め込まれて支持されることを前提としているが、これにより地表面上に表出した支持杭間の距離を支持杭上の任意の位置で一定にすることができる。これにより、前記ラックの水平面からの角度をθとした際に、前記ラックを、TAN(θ)=H/Lを満足する所定角度に固定することを可能とすることができる。
前記ラックは第1のラックであり、前記第1のラックとは別に第2のラックを有し、固定式接続金具で前記第1のラックと前記第2のラックが直線状に接続された直線状接続部が形成され、前記第2のラックを支持する2本の前記支持杭は、前記第1のラックを支持する前記支持杭と同様に、水平方向に所定距離Lmm離間させて配置され、前記第2のラックを支持する2本の前記支持杭間の、前記第2のラックが固定される前記回転可能支持部材の高低差は、前記第1のラックを支持する前記支持杭と同様に、所定の高低差Hmmとなるように地面に対して略平行に支持固定され、前記第2のラックの水平面からの角度をθとした際に、前記第2のラックを支持する前記支持杭による支持固定構造は、前記第1のラックを支持する前記支持杭による支持固定構造と同様に、TAN(θ)=H/Lを満足することが可能であってもよい。
前記平板状接続部材を少なくとも2個以上残して、梯子状の前記ラックの先端を所定長さに切断することで、前記ラックの長さ調整を行い、ラック長を短尺化してもよい。このようにすることで、施工現場の傾斜面の長さに合わせた施工が可能になる。
前記ラックにトラフが載置され、傾斜面上おいて、前記固定式接続金具で接続された前記ラック上の前記トラフの荷重は、前記固定式接続金具の長手方向の中心から突出する係止部により、前記トラフに形成されるトラフ雄部とトラフ本体の境界部の断面縮小部を支持することで、前記トラフの位置決めと支持が可能であってもよい。このようにすることで、傾斜面長さに合わせて所定角度を保ったままラックの支持固定構造を、連続的に複数回繰り返して施工することが可能である。このため、長尺の傾斜面に対しても、支持固定構造の連続体を形成することができる。
また、第1の発明は、少なくとも2本の支持杭上にラックが載置されて固定された、支持杭によるラックの支持固定構造であって、前記支持杭は、二本の略平行な支柱と、二本の前記支柱を繋ぐ連結部とからなるH字状骨格部と、外周部の少なくとも一部に平面部を有する回転可能支持部材と、を有し、前記回転可能支持部材は、前記H字状骨格部の前記連結部の上部に、前記連結部に略平行に配置され、前記回転可能支持部材は前記支柱に対して回転可能に固定され、前記ラックは、略平行に対向配置されたL字状部材が、複数の平板状接続部材によって接続された梯子形状のものであり、前記ラックは、2本の前記支持杭の前記回転可能支持部材の前記平面部にそれぞれ固定され、2本の前記支持杭は、傾斜面上に、相互に略平行に水平面に対して略垂直な方向に、地面に対して所定深さ埋め込まれるように配置され、複数の前記ラックは、第1のラックと第2のラックを有し、前記第1のラックと前記第2のラックが角度可変接続金具により相互に異なる角度に接続された傾斜接続部を有し、前記第1のラックを支持する2本の前記支持杭は、前記第1のラックの両端からそれぞれ所定距離内側に、支持杭間の水平方向の距離を所定長さLmm離間させて配置され、前記第1のラックを支持する2本の前記支持杭の、前記第1のラックが固定される前記回転可能支持部材の高低差が、所定高さHmmとなるように前記第1のラックが地面に対して略平行に支持固定され、前記第2のラックを支持する2本の前記支持杭は、前記第2のラックの両端からそれぞれ所定距離内側に、支持杭間の水平方向の距離を所定長さLmm離間させて配置され、前記第2のラックを支持する2本の前記支持杭の、前記第2のラックが固定される前記回転可能支持部材の高低差が、所定高さHmmとなるように前記第2のラックが地面に対して略平行に支持固定され、前記第1のラックと、前記第2のラックが、異なる支持角度を満足するように調整されることを特徴とする支持杭によるラックの支持固定構造であってもよい。
このように、施工現場の傾斜面角度が傾斜面の途中で変わる場合であっても、隣接する2つのラックを前記角度可変接続金具により接続することで、それぞれの傾斜面角度に合わせた簡易な施工が可能になる。これにより、例えば、前記第1のラックの水平面からの角度をθとした際に、前記第1のラックが、TAN(θ)=H/Lを満足する所定角度に固定され、前記第2のラックの水平面からの角度をθ2とした際に、前記第2のラックを、TAN(θ)=H/Lを満足する所定角度に固定することが可能になる。
また、施工現場が水平面から所定角度の傾斜面に切り替わるような場合には、前記第1のラックの高低差Hを0mmとして、前記第1のラックが水平に配置され、前記第2のラックがTAN(θ)=H/Lを満足する所定角度に固定されていてもよい。
前記第1のラックと前記第2のラックが、所定角度で相互に前記角度可変接続金具により接続されてもよい。
前記角度可変接続金具で接続された前記第1のラックと前記第2のラックには、それぞれ断面略コの字型で底部に底リブを有する複数のトラフが載置され、前記トラフの接続部において、少なくいずれかの前記トラフが、角度可変部での前記トラフの重複を避けるために、所定長さ、所定角度で斜めに切断されていてもよい。
ここで、トラフを切断する場合には、角度可変接部で相互に接触するトラフのいずれを切断しても良いが、受圧面の面積を多くするためには、下方に配置されるトラフの端部を切断することが好ましい。なお、所定角度の傾斜面では、通常複数のラックが接続されて、傾斜面上のトラフ線路が、例えば、5m以上、場合により10m以上になる場合もある。この場合には、複数のラックは固定式接続金具により接続され、固定式接続金具の係止部で所定角度にて延長されたラック上に載置されたトラフの荷重を受けるため、角度可変部位のトラフ切断面には、ラック1個に載置される所定個数分以上の荷重負荷を受けることはない。
少なくともいずれかの前記ラックにはトラフが載置され、断面L字状のクリップ式固定金具により、前記ラックの前記L字状部材に、前記トラフの底部の底リブが固定されることで前記トラフが前記ラックに固定されてもよい。
前記トラフの底部には、複数の固定孔が形成され、前記トラフの内部に収納されたケーブルが前記トラフの底部に対して滑らないように、前記固定孔を介して前記トラフの内部に収納されるケーブルを紐状部材で前記トラフの底部に係止してもよい。前記複数の固定孔は前記トラフの中心に対して略対象に設けられてもよい。
前記支持杭は、支持杭を埋設する地盤の地中に少なくとも700mm~800mmの埋設深さに埋設されてもよい。支持杭の埋設深さは所定の深さで一定にすることが望ましい。ここで、支持杭の連結部は、支持杭の下端部から略800mmの位置に形成される。
第1の発明によれば、H字状骨格部に対して回転可能な回転可能支持部材が設けられるため、2本の支持杭を離間させて所定の高低差で設置し、回転可能支持部材の平面部をラックに接触させることで、ラックの自重によって、傾斜面の角度に略平行な角度に、回転可能支持部材の平面部とラックの角度を自動調整することができる。
すなわち、2本の支持杭の水平方向の距離を所定長さLmm離間させて配置し、回転可能支持部材の高低差が所定高さHmmとなるように、ラックを地面に対して略平行に支持固定することができる。このように、支持杭同士を略平行に所定間隔で、傾斜面に合わせた所定高さの差を有するように、水平面に対して略垂直な方向に敷設することで、容易に支持杭の埋設深さを一定にすることが可能になり、安定した美観のある支持固定構造を得ることができる。特に、これにより、埋設深さを一定とすることで、支持杭が施工現場の地盤に応じた略一定の支持力を得ることが実現でき、ラックの支持固定構造を得ることができる。
この際、ラックの水平面からの角度をθとした際に、ラックが、TAN(θ)=H/Lを満足する所定角度に固定することが可能である。このようにラックを所定角度に固定するには、2本の支持杭の地面から回転可能支持部材の平面部までの距離が同じになるように、2本の支持杭を略平行に水平面に対して略垂直な方向に地面に固定しても良いし、2本の支持杭を地面へ所定深さ埋め込まれるように固定することが望ましい。
また、固定式接続金具を用いて、隣接するラックの端部近傍の両側を相互に接続することで、ラック同士の角度を一定のまま、ラック長さを延長することができる。さらに、ラック同士を固定式接続金具で接続することで、ラック同士を同一角度で一直線状につなぐことが可能になるため、連結部に載置されるトラフのレベルを同一平面上に配置されるように保持することができる。これにより、トラフにケーブルを載置した場合に、隣接するトラフの同士が目標とする角度からずれて異なる角度に接続されることで、接続部に応力集中して、トラフ本体やケーブルが破損することを防止することができる。
また、平板状接続部材を少なくとも2個以上残して、梯子状のラックの先端を所定長さに切断することで、ラックの長さ調整を行うことができる。このようにすることで、複数のラックが接続されたラック構造体の長さを、傾斜面の長さに合わせて調整することができる。このように、ラック構造体の長さを調整することで、ラック上に載置されるトラフの合計長さをラック構造体の長さと一致するように調整することができる。
また、固定式接続金具の長手方向の略中央部に係止部を形成することで、ラックの上部に載置したトラフの位置決め機能と、ラックに載置されたトラフの荷重を受ける受圧機能とを発揮させることができる。より詳細には、傾斜面にトラフを設置した際に、トラフ端部近傍において、トラフ端部近傍の断面縮小部に係止部を当接させることで、トラフの傾斜方向に対する自重を、係止部で支持することができる。これにより、所定角度で連続した傾斜面においても、傾斜面の最下端において、傾斜面上の全トラフの傾斜面方向の荷重が一ヵ所に集中することを防止することが可能になる。より具体的には、前記のようにラックを接続して構造体を長くしても、各ラック上のトラフの傾斜面方向の荷重は、固定式接続金具の係止部で受けることから、最下端のラック上においても、ラック長さに相当するトラフ2個分あるいは3個分以上の傾斜面方向の荷重を受けることがない。
また、角度可変接続金具を用いて、隣接するラックの端部近傍の両側を相互に接続することで、ラック同士が相互に異なる角度に接続された傾斜接続部を形成することができる。すなわち、第1のラックを支持する2本の支持杭の水平方向の距離をLmmとし、第1のラックが固定される回転可能支持部材の高低差を、Hmmとなるように第1のラックを地面に対して略平行に支持固定することができるとともに、第2のラックを支持する2本の支持杭の水平方向の距離をLmmとし、第2のラックが固定される回転可能支持部材の高低差を、Hmmとなるように第2のラックを地面に対して略平行に支持固定することができる。
この場合、第1のラックの水平面からの角度をθとした際に、第1のラックを、TAN(θ)=H/Lを満足する所定角度に固定することができ、第2のラックの水平面からの角度をθとした際に、第2のラックを、TAN(θ)=H/Lを満足する所定角度に固定することができる。すなわち、第1のラックと第2のラックとを異なる角度で接続することができる。
なお、第1のラックの高低差Hを0mmとしてもよい。すなわち、第1のラックを略水平に配置し、第2のラックをTAN(θ)=H/Lを満足する所定角度(θ≠0)に固定することができる。すなわち、上記のように敷設することで、水平面から所定角度の傾斜面で構成されている接続構造であっても、安定してラックを支持することができる。
このように、角度可変接続金具を用いれば、傾斜面の傾斜角に応じて、ラック同士の接続角度を変えることができる。例えば、水平から所定角度にラックの角度を変えることができる。また、傾斜面の傾斜面角度が途中で30°と45°のように2段に異なる角度で形成された傾斜面で構成されていても、安定なラックと支持杭の支持構造を得ることができる。本発明においては、支持構造体の構造安定性や施工時の安全性などを考慮すると、施工現場の傾斜面の角度は、45°以内の角度とすることが望ましい
また、ラックの傾斜接続部においては、トラフの端部を傾斜面の角度に合わせた所定角度で斜めに切断することで、トラフ同士の間に隙間が形成されることを抑制することができるとともに、トラフの長さを調整することができる。
また、断面L字状のクリップ式固定金具を用いることで、ワンタッチでトラフをラックに固定することが可能になる。このように、軽量な部材で容易にトラフをラックに固定することができる
また、トラフの底部に、複数の固定孔を形成し、固定孔を介してトラフの内部に収納されるケーブルを紐状部材で係止することで、トラフの内部に収納されたケーブルが自重で撓んだり、曲がったりすることを防止することが可能になる。このため、トラフ内部にケーブルを安定して支持することができる。このように、傾斜面にトラフを設置した際にも、トラフに紐状部材でケーブルを固定することで、ケーブルの傾斜面方向の荷重を支持することができる。
また、支持杭は、通常約1000mmに設定されるため、支持杭を地中70cm~80cmの深さに埋設することで、ラックを安定して支持することが可能になる。特に、ラックとトラフの自重や、トラフの上に人が作業などで乗った場合の荷重や、例えば2m分の積雪などを考慮した場合でも、十分安定してトラフを支持することができる。
第2の発明は、支持杭を用いたラック構造体の構築方法であって、前記支持杭は、二本の略平行な支柱と、二本の前記支柱を繋ぐ連結部とからなるH字状骨格部と、外周部の少なくとも一部に平面部を有する回転可能支持部材と、を有し、前記回転可能支持部材は、前記H字状骨格部の前記連結部の上部に、前記連結部に略平行に配置され、前記回転可能支持部材は前記支柱に対して回転可能に固定され、ラックは、略平行に対向配置されたL字状部材が、複数の平板状接続部材によって接続された梯子形状のものであり、前記ラックは、2本の前記支持杭の前記回転可能支持部材の前記平面部にそれぞれ固定され、2本の前記支持杭を、傾斜面上に、水平面に対して略垂直に、支持杭間の距離を所定長さLmm離間させ、2本の前記支持杭の前記回転可能支持部材の高低差が所定高さHmmとなるように、所定高さの差異を設けて打設し、前記支持杭は、前記ラックを地面に対して略平行に支持固定し、前記ラックの端部に接続可能な位置に、他のラックを前記支持杭で設置し、前記ラックの一方の端部と別のラックの端部を固定式接続金具または角度可変接続金具で接続することを特徴とする支持杭を用いたラック構造体の構築方法である。
前記ラックの前記回転可能支持部材の前記平面部への固定は、前記平面部の上部に、前記ラックの前記平板状接続部材を直接固定するか、または前記平面部の上部にラック固定板をボルト固定することで前記ラックの前記L字状部材の底部を前記ラック固定板で押圧することにより、前記ラックを前記支持杭に固定してもよい。
第2の発明によれば、複数のラック同士を連結することで、容易にトラフ線路を形成することができる。この際、ラックの端部同士を固定式接続金具または角度可変接続金具で接続することで、水平に対して、所定の角度でラックを支持することができる。
第3の発明は、第1の発明にかかる支持杭によるラックの支持固定構造の寸法精度確認方法であって、ラックの支持固定構造の、前記支持杭間の水平方向の距離Lmm、前記支持杭間の高低差Hmm、前記ラックの水平方向に対する角度を記録することで、所定期間毎又は大きな地震後に、それぞれの寸法及び角度を測定することで、ラックの支持固定構造の位置ずれ又は角度ずれの確認を行うことを特徴とする支持杭を用いたラック構造体の寸法精度確認方法である。
第3の発明によれば、経時的なラックの位置変化について確実に管理することができる。
本発明によれば、トラフを支持するための支持部材の平面部を、傾斜面に合わせて所定角度に容易に設定可能な支持杭によるラックの支持固定構造、支持杭を用いたラック構造体の構築方法、及び支持杭を用いたラック構造体の寸法精度確認方法を提供することができる。特に、施工現場の傾斜面角度にあわせた支持杭によるラックの支持固定構造を得ることで、トラフをラックに載置した際に、安定な支持固定構造を容易に得ることが可能になる。
支持杭1を示す斜視図。 回転可能支持部材9を示す図。 (a)~(c)は、回転可能支持部材9の動作を示す図。 支持杭1にラック21を固定した状態を示す図。 (a)、(b)は、ラック21を回転可能支持部材9へ固定する構造を示す断面図。 沈下防止板39を示す図。 支持杭1を地面41に設置した状態を示す図。 固定式接続金具43を示す斜視図。 (a)は、固定式接続金具43によりラック21同士を接続した状態を示す図、(b)は、(a)のC-C線断面図。 (a)は、角度可変接続金具59を示す図、(b)は、角度可変接続金具59aを示す図。 (a)は、半部材63a、63bのそれぞれの固定孔位置を示す図、(b)は、半部材63a、63bを接合した状態を示す図。 (a)、(b)は、角度可変接続金具59aの動作を示す図。 固定金具77を示す図。 トラフ本体89をラック21に固定した状態を示す断面図。 傾斜面上に配置されたラック21にトラフ本体89を固定した状態を示す側面図。 トラフ線路90の一部を示す図。 (a)、(b)は、ラックを支持杭上に配置する際の回転可能支持部材9の動作を示す図。 (a)はトラフ86同士の嵌合部近傍の拡大図、(b)は係止部47近傍の拡大図。 (a)は、紐状部材84でケーブル92を固定した状態を示す平面図、(b)は断面図。 トラフ線路90の一部を示す図。 (a)、(b)は、トラフ86同士の接続部近傍の拡大図。 トラフ線路90の一部を示す図。 ハンドホール99とトラフ線路90との接続部を示す図で、(a)は、正面図、(b)は、平面図。 (a)は、S字状のラック21aを示す図、(b)は逆S字状のラック21bを示す図。 (a)、(b)は、90°曲がりのあるラック21cを示す図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は、支持杭1を示す斜視図である。支持杭1は、主に、二本の略平行な支柱3と、支柱3同士を連結する連結部5とからなるH字状骨格部7及び、外周部の少なくとも一部に平面部9aを有する回転可能支持部材9等から構成される。
一対の支柱3は、所定間隔をあけて略平行に配置される。支柱3は、例えばL字状の断面形状の部材である。なお、支柱3の断面形状はL字状には限られない。たとえば、支柱3は、断面L字状、断面コの字型、断面四角形(角柱状)、断面円形等であっても良い。また、支柱3を、地面により打ちこみやすくするため、支柱3の下端部は、鋭角に形成されている。なお、支柱3の所定の位置には、後述する沈下防止板を固定するための孔15が形成される。
支柱3の上端部近傍において、二本の略平行な支柱3同士は、支柱3に対して略直交するように連結部5で連結される。支柱3と連結部5とは、例えば溶接やボルトによって固定される。支柱3同士が連結部5で連結されたものをH字状骨格部7とする。なお、連結部5は、支柱3に接合可能であれば、形状は特に制約はない。例えば、連結部5は、断面L字状、断面コの字型、断面四角形(角柱状)、断面円形などの形状が適用可能である。
H字状骨格部7の連結部5の上部には、連結部5に略平行に、回転可能支持部材9が配置される。図2は、回転可能支持部材9の端部近傍の拡大図であり、支柱3の透視図である。回転可能支持部材9の上面には、後述するラックとの固定部となる孔11が形成される。なお、回転可能支持部材9の断面形状は、一部に平面部9aが形成されて回転可能に支持可能であれば、図示したように、一部が切りかかられた円形断面には限られず、断面円形の他、例えば断面L字状、断面コの字型、断面四角形(角柱状)等任意の形態であってもよい。
回転可能支持部材9の端面には、回転中心となる孔17aと、孔17aの下方から45°の角度の所定の位置に孔17bが形成される。孔17aと孔17bは所定の間隔で配置される。
支柱3の、回転可能支持部材9の両端面に形成された孔17a、17bに対応する部位には、孔13a、13bが形成される。孔13aは回転中心であり、孔13bは、孔13aの下方から側方にかけて略90°の範囲に対して円弧状に形成される。回転可能支持部材9は、支柱3に対して回転可能であり、回転可能支持部材9の端面が支柱3に対して所定の角度でボルト固定される。
図3は、回転可能支持部材9の動作を示す断面図である。前述したように、回転可能支持部材9の孔17aと支柱3の孔13aが対応する位置に配置され、ボルト31aによって固定される。また、回転可能支持部材9の孔17bと支柱3の孔13bが対応する位置に配置され、ボルト31bによって固定される。ボルト31a、31bを緩めることで、回転可能支持部材9は、孔17a(孔13a)を中心として、支柱3に対して回転可能である。
例えば、図3(b)は、回転可能支持部材9を図中時計回り(図中矢印A方向)に回転させた状態を示す図であり、図3(c)は、回転可能支持部材9を図中反時計回り(図中矢印B方向)に回転させた状態を示す図である。孔13bは、約90°の範囲に形成された円弧状の長孔であり、回転可能支持部材9を回転させない状態(図3(a))では、孔17bは、孔13bの略中央部に位置する。一方、孔17bと孔13bとが重なる範囲内で回転可能支持部材9を回転させることができるため、回転可能支持部材9は、両方向に45°の範囲で回転可能である。なお、支柱3に対して、所定の角度に回転可能支持部材9を回転させた後、ボルト31a、31bを締めこむことで、当該角度で回転可能支持部材9を支柱3に固定することができる。
回転可能支持部材9は、円弧状長孔の形成角度を、必ずしも両方向に45°でなく、45°以上の角度、例えば、両方向に90°とすることが可能である。しかしながら、45°以上の急傾斜面に支持杭1を用いた本発明の構造体の施工を行う場合には、場合により傾斜面や地盤の補強工事が必要になることから、通常施工の場合は、回転可能支持部材9の円弧状長孔の形成角度を両方向にそれぞれ45°に設定すればよい。
なお、支持杭1の寸法は、後述するラック等に応じて適宜設定されるが、例えば、高さ約1000mm×内寸520mm程度に設定される。また、支持杭1の下端から連結部5までの高さは約800mmに設定される。
次に、支持杭1によるラックの支持構造について説明する。図4は、支持杭1にラック21を固定した状態を示す図である。支持杭1によるラック21の支持構造では、少なくとも2本の支持杭1上にラック21が載置されて固定される。
ラック21は、略平行に対向配置されたL字状部材23が、複数の平板状接続部材25によって接続された梯子形状のものである。例えば、平板状接続部材25は、L字状部材23の両端部から所定距離内側と、ラック21の長手方向の略中心の3カ所に形成される。
ラック21の両側に配置されたL字状部材23と平板状接続部材25とは、例えばボルトまたは溶接にて固定される。また、ラック21の底部53の長手方向の両端部において、後述する接続金具との接続部となるボルト孔51が形成される。なお、ラック21の寸法は、例えば、長さは約2000mmであり、幅は約300mm又は約500mmである。また、L字状部材23は、ラック21のサイズによるが、例えば50mm又は60mmのアングル材である。
図5(a)は、支持杭1とラック21とをボルトで固定した際の、接続部の断面図である。前述したように、回転可能支持部材9の平面部9aには、孔11(図1、図2参照)が形成される。例えば、ラック21の平板状接続部材25に、孔11に対応する部位に孔が形成される場合には、ボルト27によって平板状接続部材25を回転可能支持部材9に固定することができる。
なお、支持杭1と平板状接続部材25の位置が重ならない場合もある。このような場合には、図5(b)に示すように、ラック固定板29を用いることができる。ラック固定板29は、ラック21の両側のL字状部材23の底部53同士にまたがるように配置される。すなわち、ラック固定板29の両端部が、L字状部材23の底部53の厚み分の段差(厚みよりもわずかに小さな段差)状に屈曲され、ラック固定板29がL字状部材23の底部53に重なるように配置される。
ラック固定板29には、回転可能支持部材9の孔11に対応する位置に孔が形成される。ラック固定板29を回転可能支持部材9に固定することで、ラック固定板29と回転可能支持部材9とでラック21の底部53を挟み込んで固定することができる。このため、支持杭1に対して、平板状接続部材25以外の部分においても、ラック21を固定することができる。
このように、ラック21は、平板状接続部材25又は別体に設けられるラック固定板29により、支持杭1の回転可能支持部材9の平面部9aに固定することができ、特にラック固定板29を用いれば、任意の位置において支持杭1の回転可能支持部材9の平面部9aに固定することができる。
図5(b)から明らかなように、回転可能支持部材9の平面部9aにラック21を直接固定するのではなく、ラック21とは別体のラック固定板29を平面部9aにボルト固定する場合には、ラック21を、回転可能支持部材9の平面部9aとラック固定板29の間に挟み込んで、ラック21にラック固定板29の締め付けによる押圧力のみでラック21が固定される。このため、ラック21に取り付け孔などが不要であり、ラック21を任意の位置に固定することができることから、支持杭1の位置の調整が容易となる。
次に、沈下防止板39について説明する。ここで、通常は、沈下防止板39は使用せずに、支持杭1の連結部5の下面部が地表面に設置するように支持杭1を打設する。図6は、沈下防止板39を示す斜視図である。沈下防止板39は、正面視において略U字状であり、側面視において略L字状の部材である。沈下防止板39の下面は平坦な設置面35となる。沈下防止板39の幅方向の両側には、設置面35に対してほぼ垂直に、取付部37が設けられる。取付部37には、複数の孔33が設けられる。
図7は、沈下防止板39を支持杭1に取り付け、支持杭1を地面に打設した状態を示す図である。支持杭1の支柱3には、所定の位置に孔15(図1参照)が形成される。支柱3の孔15と沈下防止板39の孔33との位置を合わせてボルトで固定することで、支持杭1に沈下防止板39を固定することができる。この際、複数の孔33によって、沈下防止板39の高さを調整することができる。
沈下防止板39を固定した状態で支持杭1を地面41に打ち込むことで、支持杭1を地面41に設置することができる。この際、沈下防止板39の設置面35が地面41に接触することで、支持杭1が地面41に対して沈下することが抑制され、所望の高さを維持することができる。なお、沈下防止板39は、施工現場の地盤の状況などにより使用することができるが、必ずしも必須ではない。
なお、本発明の支持杭によるラックの支持固定構造は、傾斜地への敷設を前提としていることから、傾斜地への敷設に際して、平坦面や所定角度の傾斜面におけるラックの直線状接続構造、平坦地盤から傾斜面への立ち上がる上り勾配、平坦地盤から傾斜面への立下る下り勾配等の種々の角度可変接続構造等が必要とされる。これらの接続部には、基本的なラック同士の接続固定部材として、固定式接続金具や角度可変接続金具を用いた接続構造が必要になる。
次に、ラック21同士の接続方法について説明する。図8は、固定式接続金具43を示す斜視図である。固定式接続金具43は、固定式接続金具43に合わせて隣接するラック21を直線状に接続すると同時に、ラック21上に載置するトラフの位置決めをするための金具で、平面45a、45bが相互に略直交する略L字状の断面を有する。L字状の断面を形成する一方の平面45aの長手方向の略中央部には、所定長さに突出した係止部47が形成される。係止部47は、後述するトラフの位置決め機能を有している。
また、略L字状の相互に略直交する断面を形成するいずれかの平面45a、45bの、係止部47を挟んで長手方向に略対称に、それぞれ複数個の取付け孔49が形成される。前述したように、ラック21の底部53又は側部の長手方向の端部には、固定式接続金具43の取付け孔49と対応する位置に、固定式接続金具43を取り付けるための複数のボルト孔51が形成される(図4参照)。
図9(a)は、固定式接続金具43によってラック21同士が直線状に接続された直線状接続部55を有するラックと支持杭の接続構造50の平面図であり、図9(b)は、図9(a)のC-C線断面図である。直線状接続部55においては、固定式接続金具43でラック21の両端部近傍を外方から囲うようにして、固定式接続金具43が配置される。この状態で、ラック21の底部53のボルト孔51と、固定式接続金具43の取付け孔49の位置を合わせて、ラック21と固定式接続金具43とをボルト57によって固定することにより、相互に対向するラック21の端部同士が接続される。
この際、固定式接続金具43と、対向するラック21の端部の両側は、それぞれ複数のボルト57で固定される。このようにすることで、隣接するラック21同士をより確実に直線状に固定することが可能となり、固定式接続金具43とラック21の固定をより強固にすることができる。ここで、固定式接続金具43によって傾斜面上にラック21同士が接続されたラックと支持杭の接続構造50において、ラック21上にトラフが載置された場合には、固定式接続金具43の係止部47によってトラフの傾斜面方向の荷重を支持することができる。なお、固定式接続金具43の寸法は、ラック21のサイズに応じて、例えば、長さ約270~300mm×幅50~60mm×高さ55~70mmで形成することができる。
次に、角度可変接続金具について説明する。図10(a)は、角度可変接続金具59を示す図である。角度可変接続金具59は、一対の半部材63が連結されて構成される。二つの半部材63は、それぞれ、ラック21を保持する保持部65と、金具接続部67からなり、二つの半部材63同士は、金具接続部67において相互に回転可能に接続される。
それぞれの半部材63は、所定長さの一対の断面L字状部材61a、61bが対向して配置されて形成される。断面L字状部材61a、61bは、互いに略直交する平面69a、69bを有する。なお、詳細は後述するが、一方の断面L字状部材61aと他方の断面L字状部材61bとは、金具接続部67に形成される孔の形態が互いに異なる。
角度可変接続金具59は、断面L字状部材61a、61bからなる、同一形状の二つの半部材63が、平面視で180°回転対称な配置で連結される。すなわち、角度可変接続金具59は、一対の一方の断面L字状部材61aと一対の他方の断面L字状部材61bが、それぞれ、平面視で180°回転対称な配置に配置されている。このようにすることで、それぞれの半部材63が、いずれも一方の断面L字状部材61aと他方の断面L字状部材61bによって形成され、2種類の断面L字状部材61a、61bのみで、角度可変接続金具59を形成することができる。
なお、角度可変接続金具としては、このような構成には限られない。例えば、図10(b)は、角度可変接続金具59aを示す図である。角度可変接続金具59aは、一方の半部材63aが断面L字状部材61a、61cからなり、他方の半部材63bが断面L字状部材61b、61dからなる。
ここで、一方の断面L字状部材61a、61cは、金具接続部67における孔の形態は同じであるが、互いに対称な形状であり、他方の断面L字状部材61b、61dは、金具接続部67における孔の形態は同じであるが、互いに対称な形状である
すなわち、左右対称形状を有する一方の断面L字状部材61a、61c及び左右対称形状を有する他方の断面L字状部材61b、61dをそれぞれ用意することで、一方の半部材63aが、一方の断面L字状部材61a、61cで形成され、他方の半部材63bが、他方の断面L字状部材61b、61dによって形成される。なお、以下の説明では、特に言及がない場合には角度可変接続金具59aを用いて説明するが、角度可変接続金具59も同様の機能を有する。
前述したように、それぞれの断面L字状部材61a~61dは、保持部65と金具接続部67からなる。金具接続部67は、二つの半部材63a、63bのそれぞれの保持部65の端部の一方の平面69aが延出して形成される。また、二つの半部材63a、63bのそれぞれの保持部65において、金具接続部67の形成される平面69aとは別の平面69bには、金具接続部67から所定距離離間して複数の取付け孔71が形成される。取付け孔71は、ラック21に固定するための孔であり、固定式接続金具43の取付け孔49と同様である。
次に、半部材63aと半部材63bとの接続構造について、より詳細に説明する。図11(a)は、半部材63a、63bを、金具接続部67が互いに対向するように配置した状態を示す図である。前述したように、一方の断面L字状部材61aと他方の断面L字状部材61bとは、金具接続部67の形成面に、それぞれ異なる形状の固定孔を有する。なお、一方の断面L字状部材61cと他方の断面L字状部材61dも、対称形状で同様の構造であるため、重複する説明を省略する。
半部材63aの、一方の断面L字状部材61aの金具接続部67には、回転中心となる固定孔73aと、回転中心となる固定孔73aの直下の位置から前方(半部材63bとの対向方向)に向けて90°以下(図中θa)の所定の回転角を有する円弧状の固定孔73bとが形成される。また、他方の断面L字状部材61bの金具接続部67には、回転中心に対応する位置に固定孔73cが形成され、回転中心から略45°後方下向き(半部材63aとの対向方向と逆側の下方であって図中θb)の位置に固定孔73dが形成される。
ここで、断面L字状部材61aの固定孔73aの中心と、固定孔73bの円弧形状の中心(円弧方向の中心線)同士を結ぶ半径に相当する距離R1と、断面L字状部材61bの固定孔73c、73dの中心同士の距離R2は等しく設定される。したがって、図11(b)に示すように、断面L字状部材61aの金具接続部67と断面L字状部材61bの金具接続部67とを重ねた際に、断面L字状部材61aの固定孔73aと断面L字状部材61bの固定孔73cとが対応する位置に配置され、断面L字状部材61aの固定孔73bと断面L字状部材61bの固定孔73dとが対応する位置に配置される。
この状態で、断面L字状部材61aの回転中心と断面L字状部材61bの回転中心に対応する位置に形成された固定孔73a、73c同士と、断面L字状部材61aの円弧状の固定孔73bと断面L字状部材61bの略45°後方下向きに形成された固定孔73dとが所定角度で相互にボルト固定される。
図12(a)、図12(b)は、角度可変接続金具59aで異なる角度に接続された傾斜接続部95を示す図である。固定孔73aと固定孔73cは、ボルト75aで固定され、固定孔73bと固定孔73dは、ボルト75bで固定される。ここで、前述したように、隣接して対向配置されたラック21の端部近傍には、それぞれ複数のボルト孔51(図4参照)が形成される。固定式接続金具43と同様に、角度可変接続金具59aの保持部65に形成された複数の取付け孔71と、ラック21に形成された複数のボルト孔51とを、ボルト57を挿通して両者を固定することで(図示省略)、両方のラック21の端部に角度可変接続金具59aが取り付けられる。
この際、傾斜接続部95においては、金具接続部67で連結された2つの半部材63a、63bが、相互に略直線状の配置から上下にそれぞれ45°以下の所定の範囲(図中θc、θd)で回転可能に組み合わせられる構造を有する。すなわち、角度可変接続金具59aによって、隣接するラック21同士が所定角度で接続される。
ここで、角度可変接続金具59aの半部材を略直線状の配置から、円弧状の固定孔73bの形成範囲に対するボルト75a、75bの固定位置を、上限の水平位置(図12(a))から下限の垂直位置(図12(a))の間の任意の位置に設定することで、一組の角度可変接続金具59aを用いても、平坦部から上り勾配傾斜面や平坦部から下り勾配傾斜面のいずれの場合にも適用できる。
次に、トラフの固定構造について説明する。図13は、トラフをラック21へ固定するための固定金具77を示す図である。固定金具77は、ばね性を有する金属で構成され、上部が略U字状に折り曲げられた板状部材である。
折り曲げられた板状部材の間の隙間が、挿入部83となる。また、U字状に折り曲げられた板状部材の両端部は、同一方向に向けて略垂直にL字状に折り曲げられる。外側(折り曲げ方向とは逆側)のL字状折り曲げ部は、固定部79となり、内側のL字状折り曲げ部が押圧部81となる。押圧部81は、固定部79とは高さが異なる、押圧部81が高い位置(U字状の折り曲げ部に近い位置)に配置される。すなわち、固定金具77は、断面L字状のクリップ式固定金具である。
図14は、トラフ86の固定構造を示す図である。前述したように、支持杭1の回転可能支持部材9上にはラック21が固定され、ラック21同士が連結される。また、少なくともいずれかのラック21上には、トラフ86が設置される。トラフ86は、トラフ本体89の上方にトラフ蓋85が配置されて構成される。
トラフ本体89をラック21上に配置した状態で、ラック21の上部から、固定金具77の挿入部83へラックの21の側部を挿入する。さらに、固定金具77を押し込むことで、押圧部81で、トラフ本体89の底リブ87を上方から押圧するとともに、固定部79がラック21の底部に係止される。以上により、固定金具77によって、ラック21のL字状部材23に、トラフ本体89の底部の底リブ87が固定されることで、トラフ本体89がラック21に固定される。このように、ラック21は、ボルトやねじなどの機械式締結部材を使用せずにトラフ本体89をラック21に固定できるので、工事が容易である。
ラック21にトラフ本体89を固定し、トラフ本体89内にケーブルを敷設した後に、トラフ蓋85が固定される。トラフ本体89にトラフ蓋85を固定する方法は、周知の方法が適用可能である。固定方法としては、例えば、トラフ本体89の側面にナットが固定されたコの字型部材を設け、トラフ蓋85をコの字型部材にボルト固定する方法がある。また、トラフ本体89の側面に固定されたバックルを、トラフ蓋85に被せる方法や、断面略コの字型のSUS製の部材を、トラフ蓋85をまたいでトラフ本体89の側面に固定する方法などいずれの方法であってもよい。
次に、支持杭1に支持された複数のラック21が連結された構造体(以下、単に「ラック構造体」とする)と、ラック構造体のラック21にトラフ86が載置された、支持杭1によるラック21及びトラフ86の支持固定構造(以下、単に「トラフ線路」とする)について説明する。
図15は、傾斜面上に配置されたラック21にトラフ86を固定した状態を示す側面図である。図示した例では、2本の支持杭1によって、一対のラック21が傾斜面上に斜面に略平行に所定角度θで支持され、さらに、ラック21上に、二つのトラフ86が長手方向に連結されて固定される。この際2本の支持杭は、略平行に所定深さに埋設される。この際、通常は傾斜面との接地部位は、連結部5となる。本発明の基本的な構造を示す構造である。ここでは、支持杭間の距離を所定長さLmm離間させて配置され、支持杭間の高低差をHmmとすると、ラック21を水平面に対してTAN(θ)=H/Lを満足する所定角度に支持することが可能になる。ここで、回転可能支持部材9の高低差は、支持杭間の高低差をHmmと一致する。なお、実際の傾斜面は、ある程度の凹凸が存在するため、2本の支持杭の埋設位置における接地面の2点間を結ぶ角度を傾斜面角度と考えてもよい。
図16は、図15に示す構造が連結されたトラフ線路90の一部を示す図であり、固定式接続金具43によってラック21が接続された直線状接続部55を示す図である。図示した例では、トラフ線路90は、傾斜面に設置される。図示したように、支持杭1は、傾斜面である地面41に対して垂直ではなく、略鉛直方向(水平面方向に垂直)に設置され、この際、特に図示しないが、通常は地面41には連結部5が接触する。ここで、固定式接続金具43は隣接するラック21同士を直線状に接続して、ラック端部が露出しないように保護すると同時に、ラック21に載置されるトラフ86を位置決めする金具である。
前述したように、ラック21は、2本の支持杭1の回転可能支持部材9の平面部9aにそれぞれ固定される。この際、ラック21が固定される回転可能支持部材9は、支柱3に対して回転可能であるため、支柱3の設置方向(鉛直方向)に対して、ラック21の固定面を変化させることができる。
図17(a)は、図16のI部の拡大図であり、2本の支持杭1を傾斜面に対して所定の距離だけ離間して設置して、回転可能支持部材9の平面部9aにラック21を設置しようとした状態を示す概念図である。
この際、図17(a)に示すように、2本の支持杭1の2つの回転可能支持部材9が相互に異なる高さに配置される場合には、2本の支持杭1の2つの回転可能支持部材9に配置されたラック21は、ラック21の自重により、支持杭1の回転可能支持部材9をラック21の裏面を支持することで、所定角度で直線状に結ぶ安定な配置となる。すなわち、傾斜面において、高さの異なる支持杭1にラック21を配置すると、図17(b)に示すように、回転可能支持部材9上に載置されたラック21の自重により、回転可能支持部材9の平面部9aが自動的に角度調整される。このため、ラック21を支持杭1で、傾斜面角度に応じた所定角度に支持することができる。
このように、回転可能支持部材9は、支持杭1を2本組み合わせて使用する場合には、ラック21を所定角度に位置決めする機能を果たし、その結果、所定角度でラック21を支柱3にボルト固定またはラック固定板29で挟み込んで固定することが可能になる。この際、傾斜面の角度に応じて、回転可能支持部材9を回転させることで、ラック21の敷設方向と回転可能支持部材9の上面の方向とを傾斜面角度に応じてほぼ平行にすることができ、確実にラック21を傾斜面に略平行に固定することができる。さらに、主としてラックはラック固定板29で挟み込んで固定するため、ラック21に固定孔などを設ける必要がなく、ラック21の平板状接続部材25で固定する場合を除き、支持杭1間の固定位置を任意に設定することが可能になることから、敷設現場の地盤状況に応じて支持杭1間距離を調整することができる。
次に、支持杭1を用いたラック構造体の構築方法についてより詳細に説明する。まず、2本の支持杭1を、傾斜面上に、水平面に対して略垂直に、支持杭1間の距離を所定長さLmm離間させて打設する。すなわち、ラック21を支持する2本の支持杭1は、ラック21の両端からそれぞれ所定距離内側に、支持杭1間の水平方向の距離を所定長さLmm離間させて配置される。
ここで、図16に示すように、例えば、約2000mmのラック21に対して、支持杭1は、L=1400mm程度の間隔で配置される。なお、ラック21に対して支持杭1が配置される位置は、少なくとも固定式接続金具43によるラック21同士の接続を阻害しない位置に設定される。
また、2本の支持杭1の回転可能支持部材9の高低差が所定高さHmmとなるように、所定高さの差異を設けて支持杭1を打設する。この際、ラック21が地面に対して略平行に支持固定される。このようにすることで、ラック21の水平面からの角度をθとした際に、ラック21を、TAN(θ)=H/Lを満足する所定角度に固定することが可能である。
例えば、傾斜面角度θ=5°~45°に対する支持杭1間の距離L=1400mm一定とした場合の支持杭1(回転可能支持部材9)の高さの差異Hは、以下のように122~1400mmと算出される。
θ=5° L=1400mm H=122mm
θ=10° L=1400mm H=247mm
θ=20° L=1400mm H=510mm
θ=30° L=1400mm H=808mm
θ=40° L=1400mm H=1175mm
θ=45° L=1400mm H=1400mm
また、例えば、傾斜面角度θ=5°~45°に対して支持杭間の斜辺の長さ1400mmを一定とした場合は、以下のように、支持杭間の水平方向の距離Lは990~1394mm、支持杭1(回転可能支持部材9)の高さの差異Hは、122~990mmとなる。
θ=5° L=1394mm H=122mm
θ=10° L=1378mm H=243mm
θ=20° L=1315mm H=478mm
θ=30° L=1212mm H=700mm
θ=40° L=1072mm H=899mm
θ=45° L=990mm H=990mm
以上のように傾斜面の角度に応じて、支持杭間の距離と高さを適宜調整することができる。なお、工事の際の水平面の測定は、例えば水準器などを用いて決めれば良い。また、水平面に対して垂直な方向は、傾斜面上に、下げ振り錘等を垂らして決めることができる。あるいは、市販のデジタル式を含めた水平垂直測定器などを用いて、水平方向及び鉛直方向を測定してもよい。
なお、2本の支持杭1は、傾斜面上に、相互に略平行に水平面に対して略垂直な方向に、地面41に対して所定深さ埋め込まれるように配置される。ここで、支持杭1の埋設深さは、例えば、ラック21、トラフ86及びケーブルの自重、トラフ86の上に人が乗った場合の荷重(例えば80kg)、2m分の積雪などを考慮し、さらに余裕を見て決定される。例えば、構造強度上の支持杭深さ750~800mmで、傾斜面の傾斜方向に傾斜面角度45°の構造体を施工した場合、安全率は2.5~4が見込まれる。例えば、支持杭1は、支持杭1を埋設する地盤の地中に少なくとも700mm以上(700~800mm)の埋設深さに埋設される。
次に、設置した支持杭1上に設置されるラック21の端部に接続可能な位置に、他のラック21を他の支持杭1で設置し、ラック21の一方の端部と別のラック21の端部を固定式接続金具43で接続することで、ラック構造体を構築することができる。より詳細には、第1のラック21と、第1のラック21とは別に第2のラック21を有し、固定式接続金具43で第1のラック21と第2のラック21が直線状に接続された直線状接続部55を形成することができる。
なお、第2のラック21を支持する2本の支持杭1も、第1のラック21を支持する支持杭1と同様に、水平方向に所定距離Lmm離間させて配置される。また、第2のラック21を支持する2本の支持杭1間の、第2のラック21が固定される回転可能支持部材9の高低差も、第1のラック21を支持する支持杭1と同様に、所定の高低差Hmmとなるように地面に対して略平行に支持固定される。
ここで、第2のラック21の水平面からの角度をθとした際に、第2のラック21を支持する支持杭1による支持固定構造は、第1のラック21を支持する支持杭1による支持固定構造と同様に、TAN(θ)=H/Lを満足することが可能である。
なお、第1のラック21も第2のラック21も、長さは同じであるが、いずれかのラック21に対して、平板状接続部材25を少なくとも2個以上残して、梯子状のラック21の先端を所定長さに切断してもよい。このようにラック21の長さ調整を行うことで、ラック長を短尺化することができる。
このようにして構築されたラック構造体上にトラフ86が載置されることで、トラフ線路90を構築することができる。より詳細には、隣り合うラック21(第1のラック及び第2のラック)に、断面略コの字型で底部に底リブ87を有する複数のトラフ86が載置されたトラフ線路を形成することができる。なお、ラック21上に配置される複数のトラフ86同士は、嵌合部で接続されて設置される。この際、1本のラック21の全長は、嵌合部同士を接続した後における1本のトラフ86の長さの2倍または3倍に形成されていることが望ましい。このようにすることで、トラフ線路90の施工が容易である。
図18(a)は、図16のE部近傍の平面図(トラフ蓋の透視図)である。トラフ本体89の両端部には、それぞれ雄型嵌合部91と雌型嵌合部93とが形成され、雄型嵌合部91と雌型嵌合部93とが嵌合して、トラフ本体89同士が接続される。なお、傾斜面においては、雄型嵌合部91が傾斜面の上流側に位置するように配置される。
図18(b)は、図18(a)のF部拡大図である。トラフ線路90が傾斜面に配置されると、トラフ86には、自重によって、傾斜面の上方から下方に向けて力が加わる(図中矢印D)。一方、トラフ本体89の外面において、雄型嵌合部91の基部側には縦リブが形成される。
本実施例では、この雄型嵌合部91とトラフ本体89の境界部に位置する縦リブの端面に、固定式接続金具43の係止部47が当接する。ここで、一般的には、雄型嵌合部91とトラフ本体89の境界部に必ずしも縦リブが存在するとは限らないため、雄型嵌合部91とトラフ本体89の境界部における縦リブあるいは断面縮小部の端面に係止部47が当接する。このため、係止部47によって、トラフ本体89の位置決めができるだけでなく、トラフ本体89にかかる傾斜面下流側への力(図中矢印D)を係止部47で受けることができる。
すなわち、傾斜面上おいて、固定式接続金具43で接続されたラック21上のトラフ86の荷重は、トラフ86に形成されるトラフ雄部(雄型嵌合部91)とトラフ本体89の境界部の断面縮小部を、固定式接続金具43の長手方向の中心から突出する係止部47に当接することよって支持される。このため、係止部47によって、トラフの86位置決めと支持が可能である。
ここで、固定式接続金具43を設けなくても、ラック21の端部同士を当接するなどして接続することは可能である。しかし、固定式接続金具43がないと隣接するラック21同士が直線状に安定して配置されるとは限らない。例えば、隣接するラック21が異なる角度に配置された場合には、ラック21に載置されるトラフ接続部に応力集中が生じてトラフ86の破損の恐れがある。これに対し、固定式接続金具43を設けることで、このようなトラフ86が破損するのを防止できる。つまり、ラック接続部を直線状に接続することで、トラフ86の接続部の破損防止効果も得ることができる。このように、固定式接続金具43は、上記の係止部47によるトラフ本体89の位置決め効果、トラフ86の荷重負担効果に加えて、トラフ接続部の破損防止効果、ラック端部の保護・補強効果を有することになる。
なお、固定式接続金具43を用いることで、傾斜面上に設置されたトラフ86の荷重を負担することが可能であるが、内部のケーブルにも荷重がかかるため、トラフ86内においてケーブルの滑りが生じる恐れがある。このため、トラフ86の内部で、ケーブルが自重で撓んだり、曲がったりする恐れがある。このため、ケーブルを確実にトラフ86へ固定することが望ましい。
図19は、ケーブル92をトラフ86へ固定した状態を図(トラフ蓋の図示省略)であり、図19(a)は平面図、図19(b)は断面図である。トラフ86の底部には、トラフ86の幅方向の中心に対して略対称に、複数の固定孔88が形成される。固定孔88には、紐状部材84が通される。なお、固定孔88は、雄型嵌合部91に形成され、固定孔88の下方は、雌型嵌合部93で覆われる。このため、紐状部材84は、雄型嵌合部91と雌型嵌合部93との間に通されて、固定孔88を介してトラフ86の内部へ導入される。このように、固定孔88を介してトラフ86の内部に収納されるケーブル92を紐状部材84でトラフ86の底部に係止することで、トラフ86の内部に収納されたケーブル92がトラフ86の底部に対して滑ることを抑制することができる。
次に、トラフ線路90において、角度が変わる場合について説明する。図20は、水平方向から所定の角度の傾斜面において形成されるトラフ線路90の一部を示す図であり、角度可変接続金具59(又は角度可変接続金具59a、以下同様)によってラック21が接続された傾斜接続部95を示す図である。
角度可変接続金具59を用いたラック構造体も、前述した固定式接続金具43を用いた方法と同様の手順で構築することができる。この際、最初に打設した支持杭1上のラック21の端部に接続可能な位置に、他のラック21を他の支持杭1で設置し、ラック21の一方の端部と別のラック21の端部を、固定式接続金具43に変えて、角度可変接続金具59で接続すればよい。なお、傾斜接続部95においても、ラック21に対して支持杭1が配置される位置は、角度可変接続金具59の接続を阻害しない位置とする。
前述したように、角度可変接続金具59は、隣接するラック21同士を、略直線状の配置から上下にそれぞれ45°以下の所定の範囲で接続可能である。このため、例えば図示したように、略水平に配置されたラック21に対して、傾斜面の角度に応じてラック21を配置し、両者を角度可変接続金具59で接続可能である。なお、角度変化は45°以下であれば施工が容易であるが、30°以下がより望ましい。支持構造体の構造安定性や施工時の安全性などを考慮すると、施工現場の傾斜面の角度は、45°以内の角度とすることが望ましい。
図21(a)は、図20のG部拡大図である。ラック21の傾斜接続部95においては、ラック21上に設置されるトラフ86同士は、少なくとも一方のトラフ86が所定角度で切断される。すなわち、トラフの接続部において、少なくいずれかのトラフ86は、角度可変部でのトラフ86の重複を避けるために、所定長さ、所定角度で斜めに切断されている。このように切断後のトラフ86同士が相互に直接接触されることで、トラフ86同士の間に隙間が形成されることを抑制することができる。
また、図21(b)に示すように、トラフ86同士の傾斜接続部95近傍において、トラフ86同士の隙間がパテ97や切断されたトラフ、あるいはパテ97と切断されたトラフの両者によって埋められてもよい。いずれの方法でも、接続部のトラフ86の長さ調整と角度調整をおこなうことができる。
図22は、角度可変接続金具59によってラック21が接続された他のトラフ線路90を示す図である。図示した例では、トラフ線路90は、複数のラック21(図中左側のラック21を第1のラックとし、図中右側のラック21を第2のラックとする)を有し、第1のラックと第2のラックが角度可変接続金具59により相互に異なる角度に接続された傾斜接続部95を有する。
ここで、第1のラックを支持する2本の支持杭1は、第1のラックの両端からそれぞれ所定距離内側に、支持杭1間の水平方向の距離を所定長さLmm離間させて配置される。また、第1のラックを支持する2本の支持杭1の、第1のラックが固定される回転可能支持部材9の高低差が、所定高さHmmとなるように第1のラックが地面41に対して略平行に支持固定される。
同様に、第2のラックを支持する2本の支持杭1は、第2のラックの両端からそれぞれ所定距離内側に、支持杭1間の水平方向の距離を所定長さLmm離間させて配置される。また、第2のラックを支持する2本の支持杭1の、第2のラックが固定される回転可能支持部材9の高低差が、所定高さHmmとなるように第2のラックが地面41に対して略平行に支持固定される。
ここで、第1のラックの水平面からの角度をθとした際に、第1のラックは、TAN(θ)=H/Lを満足する所定角度に固定される。同様に、第2のラックの水平面からの角度をθとした際に、第2のラックは、TAN(θ)=H/Lを満足する所定角度に固定される。すなわち、第1のラックと第2のラックは、上記の通り、互いに異なる支持角度を満足するように調整される。このように、水平からそれぞれ所定角度で2段に形成された傾斜面であっても、安定したラック構造体を得ることができる。
なお、前述した、図20に示したトラフ線路90は、第1のラックの高低差Hを0mmとして、第1のラックが水平に配置され、第2のラックがTAN(θ)=H/Lを満足する所定角度に固定されたものである。このように、隣り合う第1のラックと第2のラックとを、所定角度で相互に角度可変接続金具59により接続することで、互いに異なる支持角度を満足するようにトラフ線路を形成することができる。
なお、ラックの支持固定構造の、それぞれのラック及びこれを支持する2本の支持杭について、水平方向の距離Lmmと、高低差Hmmと、水平方向に対する角度θを施工時に記録しておき、所定期間毎又は大きな地震後に、それぞれの寸法及び角度を測定することで、ラックの支持固定構造の位置ずれ又は角度ずれの確認を行うことができる。すなわち、このような方法によって、ラックの支持固定構造の寸法精度を確認することができる。
以上のように、本発明では、トラフ線路90の少なくとも一部において、複数の固定式接続金具43または複数の角度可変接続金具59のいずれかでラック21同士が接続される。すなわち、トラフ線路90には、ラック21同士が、固定式接続金具43で直線状に接続された直線状接続部55と、角度可変接続金具59で異なる角度に接続された傾斜接続部95の少なくともいずれかが形成される。また、トラフ線路90は、このように設置されたラック21上に、複数のトラフ86が設置されて構成される。
次に、トラフ線路とハンドホールとの接続構造について説明する。図23(a)は、トラフ線路90とハンドホール99との接続部を示す正面図であり、図23(b)は平面図である。図示したように、トラフ線路90の一部には、ハンドホール99が設置され、トラフ線路90をハンドホール99に接続することができる。この際、ハンドホール99に接続されるトラフ86は、略水平に配置されたラック21上に配置される。
なお、トラフ線路90と接続されるハンドホール99としては、例えば、複数の板状部材同士を接続し、略矩形状に組み立てられた、組立式のハンドホールであることが望ましい。
また、トラフ線路90に用いられるラックとしては、直線状のものには限られない。例えば、図24(a)は、S字状の曲がりを有するラック21aと他のラック21との直線状接続部55を示す図であり、図24(b)は、逆S字状の曲がりを有するラック21bと他のラック21との直線状接続部55を示す図である。同様に、図25(a)は、90°の曲がりを有するラック21cと他のラック21との直線状接続部55を示す図であり、図25(b)は、ラック21cと他のラック21との逆側への90°の曲がりを有する直線状接続部55を示す図である。
なお、各図において、ラック同士は固定式接続金具43で接続された例を示すが、角度可変接続金具59(59a)を用いて、傾斜接続部としてもよい。また、それぞれのラック上に配置されるトラフは、ラック形状に対応した形状のトラフを設置すればよい。
このように、トラフ線路90の一部に、90°曲がりラック、又はS字状若しくは逆S字状の曲がりラックと、他のラックが接続部で接続されたラック接続部を含めることができる。
以上、本実施の形態によれば、支持杭1の上部に、回転可能支持部材9を設けることで、傾斜面に支持杭1を設置した際にも、ラック21の設置角度に応じて回転可能支持部材9を自重で回転させて、ラック21を所定の角度で固定することができる。このため、傾斜面においても、傾斜面に応じた角度で、容易に回転可能支持部材9にラック21を固定することができる。
また、沈下防止板39を用いることで、支柱3が、所定以上地中に沈下することが防止される。このため、トラフ線路90を所定の高さで確実に支持することができる。
また、固定式接続金具43を用いることで、トラフ線路90が曲がることなく、まっすぐにラック21同士を接続することができる。このため、直線状接続部55上のラック21に載置されるトラフ86のレベルを同一直線上に保持することができる。これにより、隣接するトラフ86同士が異なる角度に接続されて、段差等が生じることを抑制し、トラフ86にケーブル等を載置した際に、接続部において、ケーブルやトラフへの応力集中による破損を防止することができる。
また、固定式接続金具43の略中央に、係止部47を設けることで、ラック21上部に載置したトラフ86の位置決めができるとともに、傾斜面に設置した際には、トラフ86の荷重を受けて支持することができる。
また、角度可変接続金具59(59a)を用いることで、ラック21同士を所定の角度で接続することができる。この際、角度可変接続金具59(59a)は、隣接するラック21間を、略直線状の状態から、調整範囲を±45°以下の範囲で調整可能であるため、傾斜接続部95では、略直線状に配置されたトラフを、上下に45°の範囲内での任意の角度に調整することができる。このように、角度可変接続金具59(59a)を用いることで、上り勾配、下り勾配の任意の傾斜面の勾配に対応できる。
また、トラフ86の底部に固定孔88を設け、紐状部材84によってケーブル92を固定することで、トラフ86の内部におけるケーブル92の滑りやずれを抑制することができる。このため、ケーブル92が、トラフ86の内部で、自重で撓んだり、曲がったりすることを防止することが可能になる。
また、ラック構造体を設置した際におけるラック21及びこれを支持する各支持杭1に番号を付しておき、それらのそれぞれの水平方向の距離、高低差、水平からの角度を記録しておき、所定期間ごとや地震後などにおいて、それらの距離、高低差、角度を再度測定することで、経時的なラック構造体(トラフ線路)の変化を管理することができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………支持杭
3………支柱
5………連結部
7………H字状骨格部
9………回転可能支持部
9a………平面部
11………孔
13a、13b、15、17a、17b………孔
21、21a、21b、21c………ラック
23………L字状部材
25………平板状接続部材
27………ボルト
29………ラック固定板
31a、31b………ボルト
33………孔
35………設置面
37………取付部
39………沈下防止板
41………地面
43………固定式接続金具
45a、45b………平面
47………係止部
49………取付け孔
50………ラックと支持杭との接続構造
51………ボルト孔
53………底部
55………直線状接続部
57………ボルト
59、59a………角度可変接続金具
61a、61b、61c、61d………断面L字状部材
63、63a、63b………半部材
65………保持部
67………金具接続部
69a、69b………平面
71………取付け孔
73a、73b、73c、73d………固定孔
75a、75b………ボルト
77………固定金具
79………固定部
81………押圧部
83………挿入部
84………紐状部材
85………トラフ蓋
86………トラフ
87………底リブ
88………固定孔
89………トラフ本体
90………トラフ線路
91………雄型嵌合部
92………ケーブル
93………雌型嵌合部
95………傾斜接続部
97………パテ
99………ハンドホール

Claims (16)

  1. 少なくとも2本の支持杭上にラックが載置されて固定された、支持杭によるラックの支持固定構造であって、
    前記支持杭は、二本の略平行な支柱と、二本の前記支柱を繋ぐ連結部とからなるH字状骨格部と、外周部の少なくとも一部に平面部を有する回転可能支持部材と、を有し、
    前記回転可能支持部材は、前記H字状骨格部の前記連結部の上部に、前記連結部に略平行に配置され、
    前記回転可能支持部材は前記支柱に対して回転可能に固定され、
    前記ラックは、略平行に対向配置されたL字状部材が、複数の平板状接続部材によって接続された梯子形状のものであり、
    前記ラックは、2本の前記支持杭の前記回転可能支持部材の前記平面部にそれぞれ固定され、
    2本の前記支持杭は、前記ラックの両端からそれぞれ所定距離内側に、支持杭間の水平方向の距離を所定長さLmm離間させて配置され、
    2本の前記支持杭は、傾斜面上に、相互に略平行に水平面に対して略垂直な方向に、地面に対して所定深さ埋め込まれるように配置され、
    2本の前記支持杭の、前記ラックが固定される前記回転可能支持部材の高低差が、所定高さHmmとなるように、前記ラックが地面に対して略平行に支持固定され、
    前記回転可能支持部材上に載置された前記ラックの自重により、前記回転可能支持部材の前記平面部が角度調整され、前記ラックが前記支持杭で、所定角度に支持されることを特徴とする支持杭によるラックの支持固定構造。
  2. 前記ラックの水平面からの角度をθとした際に、前記ラックが、TAN(θ)=H/Lを満足する所定角度に固定することが可能であることを特徴とする請求項1に記載の支持杭によるラックの支持固定構造。
  3. 前記ラックは第1のラックであり、前記第1のラックとは別に第2のラックを有し、
    固定式接続金具で前記第1のラックと前記第2のラックが直線状に接続された直線状接続部が形成され、
    前記第2のラックを支持する2本の前記支持杭は、前記第1のラックを支持する前記支持杭と同様に、水平方向に所定距離Lmm離間させて配置され、
    前記第2のラックを支持する2本の前記支持杭間の、前記第2のラックが固定される前記回転可能支持部材の高低差は、前記第1のラックを支持する前記支持杭と同様に、所定の高低差Hmmとなるように地面に対して略平行に支持固定され、
    前記第2のラックの水平面からの角度をθとした際に、前記第2のラックを支持する前記支持杭による支持固定構造は、前記第1のラックを支持する前記支持杭による支持固定構造と同様に、TAN(θ)=H/Lを満足することが可能であることを特徴とする請求項1に記載の支持杭によるラックの支持固定構造。
  4. 前記平板状接続部材を少なくとも2個以上残して、梯子状の前記ラックの先端を所定長さに切断することで、前記ラックの長さ調整を行い、ラック長を短尺化することを特徴とする請求項3に記載の支持杭によるラックの支持固定構造。
  5. 前記ラックにトラフが載置され、
    傾斜面上おいて、前記固定式接続金具で接続された前記ラック上の前記トラフの荷重は、前記固定式接続金具の長手方向の中心から突出する係止部により、前記トラフに形成されるトラフ雄部とトラフ本体の境界部の断面縮小部を支持することで、前記トラフの位置決めと支持が可能であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の支持杭によるラックの支持固定構造。
  6. 少なくとも2本の支持杭上にラックが載置されて固定された、支持杭によるラックの支持固定構造であって、
    前記支持杭は、二本の略平行な支柱と、二本の前記支柱を繋ぐ連結部とからなるH字状骨格部と、外周部の少なくとも一部に平面部を有する回転可能支持部材と、を有し、
    前記回転可能支持部材は、前記H字状骨格部の前記連結部の上部に、前記連結部に略平行に配置され、
    前記回転可能支持部材は前記支柱に対して回転可能に固定され、
    前記ラックは、略平行に対向配置されたL字状部材が、複数の平板状接続部材によって接続された梯子形状のものであり、
    前記ラックは、2本の前記支持杭の前記回転可能支持部材の前記平面部にそれぞれ固定され、
    2本の前記支持杭は、傾斜面上に、相互に略平行に水平面に対して略垂直な方向に、地面に対して所定深さ埋め込まれるように配置され、
    複数の前記ラックは、第1のラックと第2のラックを有し、前記第1のラックと前記第2のラックが角度可変接続金具により相互に異なる角度に接続された傾斜接続部を有し、
    前記第1のラックを支持する2本の前記支持杭は、前記第1のラックの両端からそれぞれ所定距離内側に、支持杭間の水平方向の距離を所定長さLmm離間させて配置され、
    前記第1のラックを支持する2本の前記支持杭の、前記第1のラックが固定される前記回転可能支持部材の高低差が、所定高さHmmとなるように前記第1のラックが地面に対して略平行に支持固定され、
    前記第2のラックを支持する2本の前記支持杭は、前記第2のラックの両端からそれぞれ所定距離内側に、支持杭間の水平方向の距離を所定長さLmm離間させて配置され、
    前記第2のラックを支持する2本の前記支持杭の、前記第2のラックが固定される前記回転可能支持部材の高低差が、所定高さHmmとなるように前記第2のラックが地面に対して略平行に支持固定され、
    前記第1のラックと、前記第2のラックが、異なる支持角度を満足するように調整されることを特徴とする支持杭によるラックの支持固定構造。
  7. 前記第1のラックの水平面からの角度をθとした際に、前記第1のラックが、TAN(θ)=H/Lを満足する所定角度に固定され、
    前記第2のラックの水平面からの角度をθとした際に、前記第2のラックが、TAN(θ)=H/Lを満足する所定角度に固定されることを特徴とする請求項6に記載の支持杭によるラックの支持固定構造。
  8. 前記第1のラックの高低差Hを0mmとして、前記第1のラックが水平に配置され、前記第2のラックがTAN(θ)=H/Lを満足する所定角度に固定されることを特徴とする請求項6に記載の支持杭によるラックの支持固定構造。
  9. 前記第1のラックと前記第2のラックが、所定角度で相互に前記角度可変接続金具により接続されることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかに記載の支持杭によるラックの支持固定構造。
  10. 前記角度可変接続金具で接続された前記第1のラックと前記第2のラックには、それぞれ断面略コの字型で底部に底リブを有する複数のトラフが載置され、
    前記トラフの接続部において、少なくいずれかの前記トラフが、角度可変部での前記トラフの重複を避けるために、所定長さ、所定角度で斜めに切断されていることを特徴とする請求項9に記載の支持杭によるラックの支持固定構造。
  11. 少なくともいずれかの前記ラックにはトラフが載置され、断面L字状のクリップ式固定金具により、前記ラックの前記L字状部材に、前記トラフの底部の底リブが固定されることで前記トラフが前記ラックに固定されることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の支持杭によるラックの支持固定構造。
  12. 前記トラフの底部には、複数の固定孔が形成され、前記トラフの内部に収納されたケーブルが前記トラフの底部に対して滑らないように、前記固定孔を介して前記トラフの内部に収納されるケーブルを紐状部材で前記トラフの底部に係止することを特徴とする請求項11に記載の支持杭によるラックの支持固定構造。
  13. 前記支持杭は、支持杭を埋設する地盤の地中に少なくとも700mm~800mmの埋設深さに埋設されることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記載の支持杭によるラックの支持固定構造。
  14. 支持杭を用いたラック構造体の構築方法であって、
    前記支持杭は、二本の略平行な支柱と、二本の前記支柱を繋ぐ連結部とからなるH字状骨格部と、外周部の少なくとも一部に平面部を有する回転可能支持部材と、を有し、
    前記回転可能支持部材は、前記H字状骨格部の前記連結部の上部に、前記連結部に略平行に配置され、
    前記回転可能支持部材は前記支柱に対して回転可能に固定され、
    ラックは、略平行に対向配置されたL字状部材が、複数の平板状接続部材によって接続された梯子形状のものであり、
    前記ラックは、2本の前記支持杭の前記回転可能支持部材の前記平面部にそれぞれ固定され、
    2本の前記支持杭を、傾斜面上に、水平面に対して略垂直に、支持杭間の距離を所定長さLmm離間させ、2本の前記支持杭の前記回転可能支持部材の高低差が所定高さHmmとなるように、所定高さの差異を設けて打設し、
    前記支持杭は、前記ラックを地面に対して略平行に支持固定し、
    前記ラックの端部に接続可能な位置に、他のラックを前記支持杭で設置し、前記ラックの一方の端部と別のラックの端部を固定式接続金具または角度可変接続金具で接続することを特徴とする支持杭を用いたラック構造体の構築方法。
  15. 前記ラックの前記回転可能支持部材の前記平面部への固定は、前記平面部の上部に、前記ラックの前記平板状接続部材を直接固定するか、または前記平面部の上部にラック固定板をボルト固定することで前記ラックの前記L字状部材の底部を前記ラック固定板で押圧することにより、前記ラックを前記支持杭に固定することを特徴とする請求項14に記載のラック構造体の構築方法。
  16. 請求項1に記載の支持杭によるラックの支持固定構造の寸法精度確認方法であって、
    ラックの支持固定構造の、前記支持杭間の水平方向の距離Lmm、前記支持杭間の高低差Hmm、前記ラックの水平方向に対する角度を記録することで、所定期間毎又は大きな地震後に、それぞれの寸法及び角度を測定することで、ラックの支持固定構造の位置ずれ又は角度ずれの確認を行うことを特徴とする支持杭を用いたラック構造体の寸法精度確認方法。
JP2021037017A 2021-03-09 2021-03-09 支持杭によるラックの支持固定構造、支持杭を用いたラック構造体の構築方法、支持杭を用いたラック構造体の寸法精度確認方法 Active JP7317061B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021037017A JP7317061B2 (ja) 2021-03-09 2021-03-09 支持杭によるラックの支持固定構造、支持杭を用いたラック構造体の構築方法、支持杭を用いたラック構造体の寸法精度確認方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021037017A JP7317061B2 (ja) 2021-03-09 2021-03-09 支持杭によるラックの支持固定構造、支持杭を用いたラック構造体の構築方法、支持杭を用いたラック構造体の寸法精度確認方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022137496A JP2022137496A (ja) 2022-09-22
JP7317061B2 true JP7317061B2 (ja) 2023-07-28

Family

ID=83319530

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021037017A Active JP7317061B2 (ja) 2021-03-09 2021-03-09 支持杭によるラックの支持固定構造、支持杭を用いたラック構造体の構築方法、支持杭を用いたラック構造体の寸法精度確認方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7317061B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015142387A (ja) 2014-01-27 2015-08-03 フジプレコン株式会社 ケーブルトラフ橋の施工方法及びケーブルトラフ橋の敷設部材
JP2018033195A (ja) 2016-08-22 2018-03-01 古河電気工業株式会社 トラフ支持部材、トラフ支持部材の敷設方法およびトラフ橋
JP3215605U (ja) 2017-11-09 2018-04-05 日本電設工業株式会社 支持構造

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015142387A (ja) 2014-01-27 2015-08-03 フジプレコン株式会社 ケーブルトラフ橋の施工方法及びケーブルトラフ橋の敷設部材
JP2018033195A (ja) 2016-08-22 2018-03-01 古河電気工業株式会社 トラフ支持部材、トラフ支持部材の敷設方法およびトラフ橋
JP3215605U (ja) 2017-11-09 2018-04-05 日本電設工業株式会社 支持構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022137496A (ja) 2022-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20110240101A1 (en) Structure installation stand and solar cell system
EP3762557B1 (en) A spacer for fixation to a construction element, for maintaining a relative distance to another construction element, and for restricting a movement about a position relative to another construction element
JP7317061B2 (ja) 支持杭によるラックの支持固定構造、支持杭を用いたラック構造体の構築方法、支持杭を用いたラック構造体の寸法精度確認方法
JP5247320B2 (ja) 支柱用基礎
JP4741993B2 (ja) 踏切構造
JP6409225B2 (ja) 構造物設置用架台及びその施工方法
KR102165226B1 (ko) 방음벽 지주 및 이를 설치하는 방법
JP2840079B2 (ja) 組立マンホールに於ける調整リングの固定構造及び固定ボルト
JP6944030B1 (ja) ラックと支持杭の接続構造体、トラフ線路、固定式接続金具、角度可変接続金具及び支持杭
CN207193986U (zh) 基坑支护板、支护组件以及基坑支护系统
US20140224751A1 (en) Solar panel mounting stand
KR20140085044A (ko) 데크 로드용 기초 구조물
KR102290973B1 (ko) 중하중 그레이팅 및 이의 시공방법
JP6102614B2 (ja) 建物の基礎構造
KR100954209B1 (ko) 빔 구조체
JP2015098725A (ja) 太陽光発電パネル架台とその据付工法
CN116770886B (zh) 一种强化抗侧向荷载装配式基础、输电塔及施工方法
JP2013167106A (ja) 地下貯留槽
CN220057985U (zh) 玻璃纤维筋处的围檩加固结构
KR102055233B1 (ko) 사방댐 및 그 시공방법
JPS5852240Y2 (ja) 組立式架台
JP5424978B2 (ja) 仮締切の構築方法及び仮締切
KR101915189B1 (ko) 흙막이 구조물
JP5084253B2 (ja) 免震住宅の施工方法
JP4152036B2 (ja) 住宅用ユニット地下室の設置方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221024

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230629

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230704

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230718

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7317061

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151