JP2015098725A - 太陽光発電パネル架台とその据付工法 - Google Patents

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宣雄 廣瀬
Yoshio Hirose
宣雄 廣瀬
加藤 文雄
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Abstract

【課題】地上設置型の太陽光発電パネル架台を対象として、据付施工を容易に能率よく低コストで行え、大きな風圧や地震の強い揺れを受けても倒壊したり、部材連結部等の歪みやベースの位置ずれを生じる懸念がなく、長期にわたって安定した強固な据付状態を維持し得るものを提供する。
【解決手段】太陽光発電パネルPを装着した架台フレーム1を少なくとも前部及び後部の左右複数箇所で支持する垂直支柱2A,2Bと、各垂直支柱2A,2Bに対置して全体を地中に埋設したベース部材3とを備え、各ベース部材3上に各垂直支柱2A,2Bが取付金具4を介して立設されると共に、左右及び前後に対向する両垂直支柱2A,2Bの下部間に梁材5が架設され、各垂直支柱2A,2Bの下部側が梁材5と共に地中に埋設されてなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、地上設置型の太陽光発電パネル架台と、これを地上に設置するための据付工法に関する。
近年、環境保護、省資源、CO2 削減等の観点から、平地及び傾斜地を含む地上やビル屋上の如き陸屋根に、多数基の太陽電池アレイを並設したメガソーラーやギガソーラーと称される大規模太陽光発電施設が普及しつつある。しかるに、一般的に太陽電池アレイは、複数枚の太陽光発電パネル(太陽電池モジュール)を平面的に並べた短辺数m、長辺数m〜数十mといった大型で重い上、受光効率面より所定の傾斜角度で配置することで風圧を受け易く、また地震による揺れの影響も受け易いため、その据付け部には大きな支持強度が必要であり、加えて据付施工の容易化とコスト削減も求められる。
従来、このような太陽電池アレイを地上や陸屋根に据え付ける場合、コンクリート製の土台や杭をベースとして、型鋼材やアルミ型材等による架台を構築し、この架台上に太陽天地アレイを設置している。そして、該架台としては、各々ベース上に立設されて前後及び左右に一定間隔置きに配列する支柱により、複数本の縦桟及び横桟を格子状に連結した架台フレームを支承し、該架台フレーム上に太陽光発電パネルを並べて固定すると共に、隣接する支柱間に斜めや水平の補強桟を連結した構造(特許文献1の図1、特許文献2の図9)が一般的である。また、左右方向(太陽電池アレイの長手方向)に沿って一定間隔置きに前後に長い大型のベース部材を配置し、架台フレームの前部側(低位側)を該ベース部材上に固定すると共に、架台フレームの後部側(高位側)を該ベース部材上に立設した支柱で支承する構造(特許文献3の図1)も知られている。更に、同様の大型のベース部材として後部側を高くしたものを用い、架台フレームの前後部を支柱を介さずに該ベース部材上に固定する構造(特許文献4の図1、特許文献5の図1)も提案されている。
実用新案登録第3171824号公報 特開2004−47756号公報 特開2011−52519号公報 特開2007−35849号公報 特開2013−118238号公報
しかしながら、架台フレームの前後部を支柱で支承する前記従来の一般的な架台構造では、地上に設置する場合、ベースを置き基礎として地面に載置するか、該ベースの下部を埋め込むだけであるため、大きな風圧や地震の強い揺れを受けた際、倒壊したり、部材連結部等の歪みやベースの位置ずれを生じる懸念がある上、据付施工時に支柱側と架台フレーム側との連結位置を合わせるための位置設定に多大な手間と時間を要するという問題があった。一方、前記の大型のベース部材を用いる架台構造では、該ベース部材が大重量であることから、風圧や地震の揺れに強い反面、運搬車での積み下ろしと施工現場での配設のためにクレーン等の重機を必要として、作業能率が悪く施工コストも高く付くことに加え、地上配置後にベース部材の位置や高さ、向き、傾き等を修正する際にも非常に手間がかかるという問題があった。
本発明は、上述の事情に鑑みて、特に地上設置型の太陽光発電パネル架台を対象として、据付施工を容易に能率よく低コストで行える上、大きな風圧や地震の強い揺れを受けても倒壊したり、部材連結部等の歪みやベースの位置ずれを生じる懸念がなく、長期にわたって安定した強固な据付状態を維持し得る据付構造及び据付工法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するための手段を図面の参照符号を付して示せば、請求項1の発明に係る太陽光発電パネル架台は、太陽光発電パネルPを装着した架台フレーム1を少なくとも前部及び後部の左右複数箇所で支持する垂直支柱2A,2Bと、各垂直支柱2A,2Bに対置して全体を地中に埋設したベース部材3とを備え、各ベース部材3上に各垂直支柱2A,2Bが取付金具4を介して立設されると共に、左右及び前後に対向する両垂直支柱2A,2Bの下部間に梁材5が架設され、各垂直支柱2A,2Bの下部側が梁材5と共に地中に埋設されてなるものとしている。
請求項2の発明は、上記請求項1の太陽光発電パネル架台において、梁材5が断面略目の字形の中空アルミ型材からなり、該梁材5の両端部が略目の字形の断面における中央中空部51を通して当該梁材5及び垂直支柱2A,2Bに貫通させたボルトB1とナットN1を介して該垂直支柱2A,2Bに止着されてなる構成としている。
請求項3の発明は、上記請求項1又は2の太陽光発電パネル架台において、取付金具4は、底壁部4aと一対の垂直壁部4b,4cとを有し、両垂直壁部4b,4cに上下方向の長孔41が形成されており、その底壁部4aにおいてベース部材3にボルト止めされると共に、両垂直壁部間4b,4cに嵌合した垂直支柱2A,2Bの下端部を該長孔41を通して貫通するボルトB2とナットN2によって止着してなるものとしている。
請求項4の発明は、上記請求項1〜3のいずれかの太陽光発電パネル架台において、垂直支柱2A,2Bが上側支柱部材21と下側支柱部材22とで構成され、両支柱部材21,22がジョイント部材6を介して連結されてなるものとしている。
請求項5の発明は、上記請求項4の太陽光発電パネル架台において、垂直支柱2A,2Bの上側支柱部材21及び下側支柱部材22とジョイント部材6が角筒状の中空アルミ型材からなり、該ジョイント部材6に上側支柱部材21の下端部と下側支柱部材22の上端部が嵌合すると共に、その両嵌合部の外嵌側部材(ジョイント部材6)の対向壁6a,6aに上下方向の長孔61を有し、該長孔61を通して嵌合部に貫通させたボルトB6とナットN6によって両支柱部材21,22とジョイント部材6とが連結されてなるものとしている。
請求項6の発明は、上記請求項1〜5のいずれかの太陽光発電パネル架台において、ベース部材3は、RC製の厚板からなり、ぐり石層S上もしくは打設コンクリート層C上に載置されてなるものとしている。
請求項7の発明に係る太陽光発電パネル架台の据付工法は、太陽光発電パネルPを支承する架台フレーム1を少なくとも前部及び後部の左右複数箇所で支持させる垂直支柱2A,2Bを個別にベース部材3上に取付金具4を介して立設する一方、太陽光発電パネル架台の設置部位の地盤Gを掘削して凹所Hを形成し、この凹所H内に垂直支柱2A,2Bを立設した各ベース部材3を配置し、次いで左右及び前後に対向する該垂直支柱2A,2Bの下部間に梁材5を架設したのち、これら垂直支柱2A,2B上に架台フレーム1を載置固定すると共に、梁材5及びベース部材3が地中に埋没するように凹所Hを埋め戻すことを特徴としている。
請求項8の発明に係る太陽光発電パネル架台の据付工法は、太陽光発電パネルをPを支承する架台フレーム1を少なくとも前部及び後部の左右複数箇所で支持させる各垂直支柱2A,2Bが上側支柱部材21と下側支柱部材22とで構成され、その上側支柱部材21を各々架台フレーム1側の支持位置に予め固着すると共に、下側支柱部材22を個別にベース部材3上に取付金具4を介して立設する一方、太陽光発電パネル架台の設置部位の地盤を掘削して凹所Hを形成し、この凹所H内に下側支柱部材22を立設した各ベース部材3を配置し、次いで左右及び前後に対向する該下側支柱部材22,22間に梁材5を架設したのち、これら下側支柱部材22の各上端部と架台フレーム側1の上側支柱部材21の各下端部とをジョイント部材6を介して連結すると共に、梁材5及びベース部材3が地中に埋没するように凹所Hを埋め戻すことを特徴としている。
以下に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。まず、請求項1及び請求項7の発明によれば、太陽光発電パネル架台は、各垂直支柱2A,2Bを立設したベース部材3の全体と、前後及び左右に対向する垂直支柱2A,2Bの下部間に架設された梁材5とが地中に埋設されるから、据付施工後に大きな風圧や地震の強い揺れを受けても、倒壊したり、部材連結部等の歪みを生じる懸念がなく、またベース部材3,3同士も梁材5を介して一定間隔を保つから、地震の揺れ等で位置ずれを生じることもなく、長期にわたって安定した強固な据付状態を維持できる。そして、据付後の太陽光発電パネル架台は、梁材5及びベース部材3が地中に隠れているから、架台下部の外観がすっきりして見栄えがよい。また、埋設されたベース部材3には上に被さる土砂の重量が加わるから、該ベース部材3自体が軽量であっても風圧による浮き上がりを防止できる。従って、該ベース部材3として小型軽量のものを用いることで、据付施工時の作業性が向上すると共に、施工前の運搬等における取扱いも容易になる。
そして、据付施工においては、予め各垂直支柱2A,2Bを個別にベース部材3上に立設しておき、これらベース部材3を太陽光発電パネル架台の設置部位の地盤Gに掘削形成した凹所H内に配置したのち、これらベース部材3に立設されて前後及び左右に対向する垂直支柱2A,2Bの下部間に梁材5を架設した上で、これら垂直支柱2A,2B上に架台フレーム1を載置固定する施工手順を採用できる。この施工手順では、梁材5を架設する際に、該梁材5の長さを基準にして左右及び前後の垂直支柱2A,2Bの間隔を簡単に定め得ると共に、該梁材5を水平に配設させることで、その両端の高さを基準にして両側の垂直支柱2A,2Bの下端位置を容易に合わせることができる。そして、架台フレーム1は予め相互の間隔及び高さが予め正確に設定された垂直支柱2A,2B上に載置固定することになるから、その固定位置を合わせるための位置調整が不要となり、その固定作業は熟練を要することなく容易に短時間で能率よく行える。また、太陽光発電パネル架台の複数基を左右方向に連設したり、前後複数列に配置する際にも、連設部の左右方向に並ぶ支柱間や前後複数列の支柱間を該梁材5にて地中で直線的に繋ぐ構成とすることにより,パネル架台同士の左右方向又は前後方向の位置を正確に合わせて配列できる。
請求項2の発明によれば、梁材5が断面略目の字形の中空アルミ型材からなり、高剛性で曲がりにくいため、これを橋架した両側の垂直支柱2A,2Bの下部間の間隔を安定に維持できると共に、その両端部を垂直支柱2A,2Bに止着させるボルトB1を略目の字形の断面における中央中空部51を通して貫通させるから、このボルトB1に螺合するナットN1を強く緊締しても該梁材5がへしゃげることがなく、それだけ強固に止着することができる。
請求項3の発明によれば、ベース部材3にボルト止めした取付金具4に対し、その両垂直壁部4b,4c間に嵌合した垂直支柱2A,2Bの下端部を、両垂直壁部4b,4cの長孔41を通して貫通するボルトB2とナットN2によって止着するようにしているから、ベース部材3の設置高さに多少の違いがあっても、長孔41の長さ範囲で止着位置を修正できるという利点がある。
請求項4の発明によれば、垂直支柱2A,2Bが上側支柱部材21と下側支柱部材22とで構成され、両支柱部材21,22をジョイント部材6を介して連結するようにしているから、その下側支柱部材22及びジョイント部材6を共通部材として、該下側支柱部材22に対して架台フレームの傾斜角度や設定高さに応じて長さの異なる上側支柱部材21を連結でき、もって部材の共通化による材料コストの低減を図り得る。
請求項5の発明によれば、垂直支柱2A,2Bの上側支柱部材21及び下側支柱部材22とジョイント部材6が角筒状の中空アルミ型材からなり、該ジョイント部材6に上側支柱部材21の下端部と下側支柱部材22の上端部を嵌合させ、その両嵌合部の外嵌側部材(ジョイント部材6)の対向壁6a,6aに設けた上下方向の長孔61を通して、嵌合部に貫通させたボルトB6とナットN6によって両支柱部材21,22とジョイント部材6とを連結するようにしているから、該ジョイント部材6に対する上側支柱部材21及び下側支柱部材22の連結位置を各々長孔61の長さ範囲で調整できる。
請求項6の発明によれば、ベース部材3がぐり石層S上もしくは打設コンクリート層C上に載置することで、該ベース部材3に加わる架台重量がぐり石層Sや打設コンクリート層Cで受け止められ、もって該ベース部材3の重量負荷による経時的な沈降が抑制される。また、ベース部材3がRC製の厚板からなるため、その底面全体でぐり石層Sや打設コンクリート層Cに接することでより沈降しにくい上、安価に量産できるという利点がある。
請求項8の発明に係る据付工法では、垂直支柱2A,2Bが上側支柱部材21と下側支柱部材22とで構成され、その上側支柱部材21を各々架台フレーム1側に予め固着すると共に、下側支柱部材22を個別にベース部材3上に立設する一方、太陽光発電パネル架台の設置部位の地盤Gに掘削形成した凹所H内に、下側支柱部材22を立設した各ベース部材3を配置し、次いで左右及び前後に対向する該下側支柱部材22,22間に梁材5を架設したのち、これら下側支柱部材22の各上端部と架台フレーム側1の上側支柱部材21の各下端部とをジョイント部材6を介して連結すると共に、梁材5及びベース部材3が地中に埋没するように凹所Hを埋め戻す。従って、この据付工法によれば、各垂直支柱2A,2Bが単一部材からなる太陽光発電パネル架台の据付工法による既述の効果に加え、下側支柱部材22及びジョイント部材6を共通部材として、該下側支柱部材22に対して架台フレームの傾斜角度や設定高さに応じて長さの異なる上側支柱部材21を連結できることで、部材の共通化による材料コストの低減を図り得ると共に、各垂直支柱2A,2Bにおけるジョイント部材6を介した上下支柱部材21,22の連結操作を同じ高さで同様にして行えるから、作業の平準化によって施工能率が向上するという利点がある。
本発明の第一実施形態の太陽光発電パネル架台を示す縦断側面図である。 同太陽光発電パネル架台の垂直支柱の下部側を示す縦断側面図である。 図2のX−X線の矢視断面図である。 同垂直支柱の下部側を示す縦断正面図である。 同太陽光発電パネル架台の据付工法における地盤凹所へのベース部材の配置状態と梁材の架設状態を示す斜視図である。 同架設状態を示す平面図である。 同据付工法における垂直支柱に対する架台フレームの取付操作を示す縦断側面図である。 同垂直支柱と架台フレームとの連結部を示す縦断側面図である。 本発明の第二実施形態の太陽光発電パネル架台を示す縦断側面図である。 同太陽光発電パネル架台の据付工法における垂直支柱の下側支柱部材と上側支柱部材とのジョイント部材を介した連結操作を示す縦断側面図である。 同垂直支柱の下側支柱部材と上側支柱部材とのジョイント部材による連結部を示し、(a)は側面図、(b)は背面図である。 本発明の第三実施形態に係る同太陽光発電パネル架台の地中埋設部分を示す縦断側面図である。
以下に、本発明に係る太陽光発電パネル架台とその据付工法の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。図1〜図8は第一実施形態、図9〜図11は第二実施形態、図12は第三実施形態をそれぞれ示すが、これら実施形態における共通の構成部分については同じ符号を付している。なお、これら実施形態では、メガソーラーやギガソーラーとして、太陽光発電パネル架台の複数基が左右方向に連設された列を更に前後複数列に配置する場合を適用対象としている。
図1に示すように、第一実施形態の太陽光発電パネル架台は、前方に低く傾斜配置して太陽光発電パネルPを支承する架台フレーム1と、この架台フレーム1を前後両側で支持する角筒状の中空アルミ型材からなる垂直支柱2A,2Bと、垂直支柱2A,2Bの各々に対置して地中に埋設された矩形厚板状のRC製ベース部材3と、前後及び左右に対向する垂直支柱2A−2B、2A−2A、2B−2Bの各下部間に水平に架設された梁材5とからなる。そして、垂直支柱2A,2Bの各々は取付金具4を介してベース部材3上に立設され、その下部側が梁材5の架設位置を越える高さまで地中に埋入しており、これによって各梁材5は地中に配置した地中梁になっている。なお、図1では示されないが、前側の低い垂直支柱2A及び後側の高い垂直支柱2Bは共に、複数本が左右方向一定間隔置きに配置している。また、各ベース部材3は沈み込み防止用として敷設されたぐり石層S上に載置している。
架台フレーム1は、傾斜した前後方向に沿う複数本の縦桟11と、左右方向に沿う前後2本の横桟12とが、縦桟11を上位として各交叉位置で連結金具7を介して格子状に連結されている。これら縦桟11及び横桟12は断面縦長矩形の中空アルミ型材からなり、横桟12の内部は中間仕切壁12b(図8参照)によって上下に区割されている。そして、太陽光発電パネルPは、架台フレーム1の傾斜した前後方向に沿う各列4枚ずつで左右方向複数列に平面的に配置して、固定金具8を介して該架台フレーム1の縦桟11に取り付けられ、これらパネルPの全体で太陽電池アレイを構成している。なお、図示の架台フレーム1の傾斜角度は10°に設定されている。
ベース部材3における垂直支柱2A,2Bの立設部に介在する取付金具4は、図2及び図3に示すように、底壁部4aと一対の垂直壁部4b,4cとで上向きに開くコ字枠状をなし、底壁部4aにおいてボルトB3とナットN3を介してベース部材3の上面に固着されている。また、両垂直壁部4b,4cには上下方向の一対の長孔41が形成されており、両両垂直壁部4b,4c間に嵌合した垂直支柱2A,2Bの下端部に、各長孔41を通してボルトB2を径大ワッシャWを介して貫通させ、ナットN2を螺合緊締することにより、垂直支柱2A,2Bを該長孔41の長さ範囲で高さ調整可能に立設固定している。
梁材5は、図2に示すように断面略目の字形の中空アルミ型材からなり、その断面の長辺側を縦にして、両端が各々垂直支柱2A,2Bの側面の幅方向中央位置に合致する状態で、各端部においてボルトB1を略目の字形の断面における中央中空部51を通して当該梁材5及び垂直支柱2A,2Bに貫通させ、このボルトB1にナットN1を螺合緊締することにより、垂直支柱2A,2Bに止着している。なお、太陽光発電パネル架台の左右連設部の左右方向に並ぶ垂直支柱2A−2A間及び垂直支柱2B−2B間、ならびに該左右連設部が前後複数列に配置する場合の前列後側と後列前側の支柱2B−2A間にも該梁材5が架設されるが、各垂直支柱2A,2Bから左右両側及び前後両側へ延びる梁材5,5同士は、図2及び図3で示すように、相互に端部を突き合わせる形で直線的に配置している。
上記構成の太陽光発電パネル架台では、各垂直支柱2A,2Bを立設したベース部材3の全体と、前後及び左右に対向する垂直支柱2A,2Bの下部間に架設された梁材5とが地中に埋設されているから、大きな風圧や地震の強い揺れを受けても、倒壊したり、部材連結部等の歪みを生じる懸念がなく、且つベース部材3,3同士も梁材5を介して一定間隔を保つから、地震の揺れ等で位置ずれを生じることもなく、長期にわたって安定した強固な据付状態を維持できる。また、この太陽光発電パネル架台にあっては、梁材5及びベース部材3が地中に隠れているから、架台下部の外観がすっきりして見栄えがよい。更に、埋設されたベース部材3には上に被さる土砂の重量が加わるから、該ベース部材3自体が軽量であっても風圧による浮き上がりを防止できる。従って、該ベース部材3として小型軽量のものを用いることで、据付施工時の作業性が向上すると共に、施工前の運搬等における取扱いも容易になるという利点がある。
このような太陽光発電パネル架台を地上に据え付けるには、まず各垂直支柱2A,2Bを個別に取付金具4を介してベース部材3上に予め立設しておき、該太陽光発電パネル架台の設置部位の地盤Gを掘削して凹所Hを形成し、その凹所Hにおける各垂直支柱2A,2Bに対応する位置にぐり石層Sを設けて付き固め、その各ぐり石層S上に各垂直支柱2A,2Bを立設したベース部材3上に配置したのち、図5及び図6に示すように、これらベース部材3に立設された前後及び左右に対向する垂直支柱2A,2Bの下部間に梁材5を架設する。そして、この架設の際、各梁材5の長さを基準にして左右及び前後の垂直支柱2A,2Bの間隔を正確に設定すると共に、各梁材5が水平になるように、その両端の高さを基準にして両側の垂直支柱2A,2Bの下端位置を合わせる。この垂直支柱2A,2Bの下端位置の調整は、ぐり石層Sのぐり石の加減によってベース部材3の高さを変えることでも行えるが、取付金具4の長孔41による高さ調整機能を利用するのが操作的に簡易である。なお、各垂直支柱2A,2Bの頂部には、左右側壁の切除によって上向き開放コ字状の受け枠部20が形成されている。
また、太陽光発電パネル架台の左右連設部の左右方向に並ぶ垂直支柱2A−2A間及び垂直支柱2B−2B間、ならびに該左右連設部が前後複数列に配置する場合の前列後側と後列前側の垂直支柱2B−2A間についても、図5及び図6の仮想線で示すように、左右方向及び前後方向に隣接する梁材5を同高さで直線状に連続するように架設することにより、これら複数本の垂直支柱2A,2Bを各々の向きを含めて正確に左右方向及び前後方向に所要間隔で配列させる。
かくして各梁材5を架設したのち、垂直支柱2A,2Bの下部側が各梁材5よりも高位まで埋まるように凹所Hを土砂で埋め戻し、図7で示すように、地表G0から突出した前後の垂直支柱2A,2Bの頂部に架台フレーム1を載置固定する。この固定操作は、図8に示すように、前後の垂直支柱2A,2Bの両受け枠部20,20に架台フレーム1の前後の横桟12,12を各々嵌合し、その嵌合部分にボルトB4を貫通させてナットN4を螺合緊締することでなされる。
なお、凹所Hの埋め戻しは垂直支柱2A,2Bの頂部に架台フレーム1を載置固定後に行ってもよく、この埋め戻しを架台フレーム1の載置固定の前後いずれに行うかは、該載置固定及び埋め戻しの作業性の良し悪しによって適宜選択すればよい。また、凹所Hについては、太陽光発電パネル架台の設置部位の全体をベース部材3の埋設深さまで略平坦に掘削してもよいが、掘削排土及び埋め戻しの作業性面から、図1の仮想線で示すように、各ベース部材3の埋設部分を深く削孔し、これら削孔部間に各梁材5を配設させるための浅い溝部を形成することが推奨される。
架台フレーム1の縦桟11と横桟12を各交叉部で連結する連結金具7は、図8に示すように、平板部71aに左右一対の立ち上げ片71bが一体形成され、両立ち上げ片71bの上縁を縦桟11の両側面下部の係止溝部11aに摺動自在に係合して、当該縦桟11の下部を抱持する上側部材71と、横桟12の傾斜した上面に設けた奥広のスライドガイド溝部12aに、摺動自在で且つ上方離脱不能に挿嵌した下側部材12とで構成されている。そして、上側部材71を横桟12上に位置させた状態で、その平板部71aの左右両側部に下側部材72の下方からボルトB5を貫通させ、各ボルトB5にナットNを螺合緊締することにより、両部材71,72間で横桟12のスライドガイド溝部12bの両側縁部を挟着すると共に、上側部材71の両立ち上げ片71bをドリリングタッピングビスDを介して縦桟11に止着することにより、両桟11,12を連結している。
このような据付工法では、地盤Gの凹所H内に各ベース部材3を配置したのち、これら各ベース部材3に立設された垂直支柱2A,2Bの下部間に、梁材5を架設する際、該梁材5を言わば長尺定規として、その長さを基準にして左右及び前後の垂直支柱2A,2Bの間隔を簡単に且つ正確に設定できると共に、該梁材5を水平に配設させることで、その両端の高さを基準にして両側の垂直支柱2A,2Bの下端位置も容易に合わせることができる。そして、架台フレーム1は予め相互の間隔及び高さが予め正確に設定された垂直支柱2A,2B上に載置固定するから、その固定位置を合わせるための前後左右及び上下の位置調整が不要となり、その固定作業は熟練を要することなく容易に短時間で能率よく行える。また、メガソーラーやギガソーラーとして、太陽光発電パネル架台の複数基を左右方向に連設したり、この左右方向の連設を一列として更に前後複数列に配置する際にも、連設部の左右方向に並ぶ支柱間や前後複数列の支柱間を該梁材5にて地中で直線的に繋ぐ構成とすることにより,パネル架台同士の左右方向及び前後方向の位置を正確に合わせて配列できる。
更に、上記実施形態のように梁材5として断面略目の字形の中空アルミ型材を用いれば、該梁材5が高剛性で曲がりにくいため、これを橋架した両側の垂直支柱2A,2Bの下部間の間隔を安定に維持できる。そして、該梁材5の両端部を垂直支柱2A,2Bにボルト止めする際、その略目の字形の断面における中央中空部51を通してボルトB1を貫通させれば、このボルトB1に螺合するナットN1を強く緊締しても該梁材5がへしゃげることがなく、それだけ強固に止着することができるという利点がある。
また、上記実施形態のように、ベース部材3にボルト止めした取付金具4に対し、その両垂直壁部4b,4c間に嵌合した垂直支柱2A,2Bの下端部を、両垂直壁部4b,4cの長孔41を通して貫通するボルトB2とナットN2によって止着する構成とすれば、ベース部材3の設置高さに多少の違いがあっても、長孔41の長さ範囲で止着位置を修正できるという利点がある。
図9に示すように、第二実施形態の太陽光発電パネル架台は、架台フレーム1を前後両側で支持する垂直支柱2A,2Bが上側支柱部材21と下側支柱部材22とで構成され、両支柱部材21,22をジョイント部材6を介して連結しているが、他の構成は前述した第一実施形態と同様である。
この第二実施形態の太陽光発電パネル架台を地上に据え付けるには、まず垂直支柱2A,2Bの上側支柱部材21を各々架台フレーム1側に予め固着すると共に、下側支柱部材22を個別にベース部材3上に立設する一方、太陽光発電パネル架台の設置部位の地盤Gに掘削形成した凹所H内に、下側支柱部材22を立設した各ベース部材3を配置し、次いで左右及び前後に対向する該下側支柱部材22,22間に梁材5を架設する。しかるのち、梁材5及びベース部材3が地中に埋没するように凹所Hを埋め戻し、図10に示すように、地表G0から突出した下側支柱部材22の各上端部と架台フレーム側1の上側支柱部材21の各下端部とをジョイント部材6を介して連結することにより、垂直支柱2A,2Bに架台フレーム1を支持させる。なお、凹所Hの埋め戻しは、架台フレーム1の取付後に行ってもよい。
ここで、垂直支柱2A,2Bの上側支柱部材21及び下側支柱部材22とジョイント部材6は角筒状の中空アルミ型材からなるが、図11(a)(b)に示すように、ジョイント部材6は両支柱部材21,22を挿嵌し得るように口径が大きく設定されると共に、その対向壁6a,6aの上下位には各々左右一対の上下方向の長孔61が形成されている。そして、各垂直支柱2A,2Bの上下両側支柱部材21,22の連結に際しては、上側支柱部材21の下端部と下側支柱部材22の上端部をジョイント部材6に嵌合させ、その上下の嵌合部に該ジョイント部材6の長孔61を通してボルトB6を貫通させ、このボルトB6にナットN6を螺合緊締するようにしている。
この第二実施形態の太陽光発電パネル架台では、各垂直支柱2A,2Bが単一部材からなる既述の第一実施形態の太陽光発電パネル架台と同様の作用効果に加え、下側支柱部材22及びジョイント部材6を共通部材として、該下側支柱部材22に対して架台フレーム1の傾斜角度や設定高さに応じて長さの異なる上側支柱部材21を連結できることで、部材の共通化による材料コストの低減を図り得るという優れた作用効果が得られる。また、各垂直支柱2A,2Bのジョイント部材6を介した上下支柱部材21,22の連結操作を同じ高さで同様にして行えるから、作業の平準化によって施工能率が向上すると共に、ジョイント部材6に対する上側支柱部材21及び下側支柱部材22の連結位置を各々長孔61の長さ範囲で調整できるという利点もある。
一方、前記第一及び第二実施形態では、ベース部材3がぐり石層S上に載置しているため、該ベース部材3に加わる架台重量がぐり石層Sで受け止められ、もって該ベース部材3の重量負荷による経時的な沈降が抑制される。また、ぐり石層Sに代えて、捨てコンクリートとして打設コンクリート層を設けても、同様の沈降抑制効果が得られる。
更に、ベース部材3の沈降防止の目的では、図12に示す第三実施形態のように、ぐり石層Sの上に、更に捨てコンクリートとして打設コンクリート層Cを設け、この打設コンクリート層C上にベース部材3を載せるようにしてもよい。この場合、ベース部材3に加わる重量負荷が打設コンクリート層C及びぐり石層Sを介して広面積に分散して地盤Gに作用するから、より高い沈降抑制効果が得られる。
なお、ベース部材3としては、例示したRC製の厚板に限らず、アルミ型材やRCバー等を種々の形態に組み付けたものも使用可能である。しかるに、RC製の厚板からなるベース部材3では、その底面全体でぐり石層Sや打設コンクリート層Cに接することでより沈降しにくい上、安価に量産できるという利点もある。
ベース部材3上に垂直支柱2A,2Bもしくはこれらの下側支柱部材22を立設するための取付金具4としては、例示したものに限らず、形状を含めてベース部材3に対する固着構造や支柱側に対する上下の位置調整構造が種々異なるものを採用できる。また、ジョイント部材6としても、垂直支柱2A,2Bの上側支柱部材21及び下側支柱部材22よりも口径が小さく、第二実施形態とは逆に両支柱部材21,22の内側に挿嵌する内嵌側部材としてもよい。このようにジョイント部材6を内嵌側部材とする場合は、高さ調整用の長孔61は外嵌側部材となる両支柱部材21,22に設けることになる。
また、実施形態として例示した架台フレーム1は上位側に傾斜した前後方向に沿う縦桟11、下位側に横桟12を配置しているが、本発明においては該縦桟11と横桟12の上下関係が逆であってもよい。例えば、各太陽光発電パネルPが傾斜した前後方向に長い形態である場合、その傾斜方向の配置枚数が少なくなるから、各パネルPを複数箇所で支承できるように本数を多くした横桟12を上位側として、これら横桟12を垂直支柱2A,2Bに支持させるようにすればよい。
一方、架台フレーム1の傾斜角度は、前記実施形態で例示した10°に限らず、例えば20°や30°等、設置場所の周辺状況や緯度による受光効率等を勘案して適宜設定すればよい。また、架台フレーム1の前後方向について、実施形態では前後2本の垂直支柱2A,2Bにて支持しているが、該架台フレーム1の前後幅が大きい場合は中間一か所又は複数箇所に垂直支柱を設けてもよい。更に、左右の垂直支柱2A−2A間や2B−2B間、前後の垂直支柱2A−2B間には、補強のために地中埋設の梁材5とは別に、水平梁材やブレースを架設してもよい。その他、本発明においては、架台フレーム1の縦桟11、横桟12、垂直支柱2A,2B、梁材5の各々の断面形状、縦桟11と横桟12との連結構造、太陽光発電パネルPの傾斜方向に沿う配列枚数等、細部構成については実施形態以外に種々設計変更可能である。
1 架台フレーム
2A,2B 垂直支柱
3 ベース部材
4 取付金具
4a 底壁部
4b,4c 垂直壁部
41 長孔
5 梁材
51 中央中空部
6 ジョイント部材
6a 対向壁
61 長孔
B1〜B6 ボルト
C 打設コンクリート層
H 凹所
G 地盤
N1〜N6 ナット
P 太陽光発電パネル
S ぐり石層

Claims (8)

  1. 太陽光発電パネルを支承する架台フレームを少なくとも前部及び後部の左右複数箇所で支持する垂直支柱と、各垂直支柱に対置して全体を地中に埋設したベース部材とを備え、各ベース部材上に各垂直支柱が取付金具を介して立設されると共に、左右及び前後に対向する両垂直支柱の下部間に梁材が架設され、各垂直支柱の下部側が前記梁材と共に地中に埋設されてなる太陽光発電パネル架台。
  2. 前記梁材が断面略目の字形の中空アルミ型材からなり、その両端部が略目の字形の断面における中央中空部を通して当該梁材及び垂直支柱に貫通させたボルトとナットを介して該垂直支柱に止着されてなる請求項1に記載の太陽光発電パネル架台。
  3. 前記取付金具は、底壁部と一対の垂直壁部とを有し、両垂直壁部に上下方向の長孔が形成されており、その底壁部において前記ベース部材にボルト止めされると共に、両垂直壁部間に嵌合した前記垂直支柱の下端部を該長孔を通して貫通するボルトとナットによって止着してなる請求項1又は2に記載の太陽光発電パネル架台。
  4. 前記垂直支柱が上側支柱部材と下側支柱部材とで構成され、両支柱部材がジョイント部材を介して連結されてなる請求項1〜3のいずれかに記載の太陽光発電パネル架台。
  5. 前記垂直支柱の上側支柱部材及び下側支柱部材と前記ジョイント部材が角筒状の中空アルミ型材からなり、該ジョイント部材に上側支柱部材の下端部と下側支柱部材の上端部が嵌合すると共に、その両嵌合部の外嵌側部材の対向壁に上下方向の長孔を有し、該長孔を通して嵌合部に貫通させたボルトとナットによって両支柱部材とジョイント部材とが連結されてなる請求項4に記載の太陽光発電パネル架台。
  6. 前記ベース部材は、RC製の厚板からなり、ぐり石層上もしくは打設コンクリート層上に載置されてなる請求項1〜5のいずれかに記載の太陽光発電パネル架台。
  7. 太陽光発電パネルを支承する架台フレームを少なくとも前部及び後部の左右複数箇所で支持させる垂直支柱を個別にベース部材上に取付金具を介して立設する一方、太陽光発電パネル架台の設置部位の地盤を掘削して凹所を形成し、この凹所内に前記の垂直支柱を立設した各ベース部材を配置し、次いで左右及び前後に対向する該垂直支柱の下部間に梁材を架設したのち、これら垂直支柱上に前記架台フレームを載置固定すると共に、梁材及びベース部材が地中に埋没するように前記凹所を埋め戻すことを特徴とする太陽光発電パネル架台の据付工法。
  8. 太陽光発電パネルを支承する架台フレームを少なくとも前部及び後部の左右複数箇所で支持させる各垂直支柱が上側支柱部材と下側支柱部材とで構成され、その上側支柱部材を各々前記架台フレーム側の支持位置に予め固着すると共に、下側支柱部材を個別にベース部材上に取付金具を介して立設する一方、太陽光発電パネル架台の設置部位の地盤を掘削して凹所を形成し、この凹所内に前記の下側支柱部材を立設した各ベース部材を配置し、次いで左右及び前後に対向する該下側支柱部材間に梁材を架設したのち、これら下側支柱部材の各上端部と架台フレーム側の上側支柱部材の各下端部とをジョイント部材を介して連結すると共に、梁材及びベース部材が地中に埋没するように前記凹所を埋め戻すことを特徴とする太陽光発電パネル架台の据付工法。
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