JP7316832B2 - 自動倉庫システム - Google Patents
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Description
自動倉庫システムにおいて、保管棚に対する荷の搬入・搬出を自動化するために、各保管棚に接続されるレールを設け、このレール上を自走可能な台車によって、荷を搬送することが考えられる。このような自動倉庫システムでは、保管棚や台車上で荷崩れなどの事象が発生した場合に、作業者が人手で復旧などの作業を行うことが考えられる。
これらから、本発明者らは、自動倉庫システムには、保管棚において作業する際に必要な機材を容易に搬送する観点から改善すべき余地があることを認識した。
また、第1、第2などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、この用語によって構成要素が限定されるものではない。
図1~図4を参照して第1実施形態に係る自動倉庫システム100の構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る自動倉庫システム100の一例を概略的に示す平面図である。図2は、自動倉庫システム100の保管棚20の配置を示す平面図である。図3は、自動倉庫システム100を概略的に示す正面図である。図4は、自動倉庫システム100の保管棚20の配置を示す正面図である。これらの図では、説明に重要でない柱や梁などの記載を省略しており、以下の図についても同様である。
保管棚20は、多数の荷12を保管可能ないわば高密度保管型の保管スペースである。保管棚20の構成は、複数の荷12を収容・保管可能であれば、特に限定されない。この例では、保管棚20は、上下方向に層状に重ねられた複数段(例えば3段)の保管ステージ22を含む。各段の保管ステージ22には、フォークリフト等によって荷12を導入する。各保管ステージ22は、Y軸方向に並べられた複数(例えば6つ)の保管行24を含み、各保管行24はX軸方向に接続された複数(例えば6つ)の保管部26を含む。保管部26は、荷12を保管する単位である。各保管行24の第2レール44側の端部には、荷12を出し入れするための出入口部24bが設けられる。
第1レール40は、保管行24において、X軸方向に延在する。第2レール44は、保管行24の出入口部24bの近傍において、Y軸方向に延在する。第1レール40および第2レール44を総称するときは単にレールということがある。
次に、図5、図6を参照して第1台車14について説明する。図5は、第1台車14および第2台車16の一例を概略的に示す側面図である。図6は、第1台車14の平面図である。図5において、保管棚20は、Z軸方向に延在する複数の縦柱20nと、Y軸方向に延在する複数の横梁20mと、を含む。複数の縦柱20nと複数の横梁20mとは、所定の間隔で配列され、保管棚20の骨組みを形成する。この例では、第1レール40の延在方向に垂直なYZ平面に沿った断面(以下、単に断面ということがある)は、角張ったC字形状である。なお、角張ったC字形状には、上下の幅が異なる形状および、角張った横向きのU字形状も含まれる。第1レール40は、主に横梁20mに支持されている。第1レール40の上面は、荷12を搭載可能に構成されており、保管部26として機能する。
次に、図5、図7を参照して第2台車16について説明する。図7は、第2台車16の正面図である。第2台車16は、第1台車14とは別に、第1レール40上をX軸方向に走行し、作業員8や作業用の機材などを対象保管部20p(図1も参照)に搬送するための台車である。第2台車16は、駆動機構16aと、車体16bと、床部16cと、車軸16dと、落下防止機構16eと、複数(例えば4個)の車輪16fと、ブレーキ機構16mと、ブレーキ制御機構16nと、を含む。
駆動機構16aについて具体的に説明する。駆動機構16aは、電動、人力またはこれらの併用により複数の車輪16fの一部または全部を回転駆動する。この例では、手動により2つの車輪16fを駆動するように構成されている。この場合、作業員8が、手動で駆動させない限り、第2台車16は走行しないので、意図せず第2台車16が走行する可能性を低くして、安全性を高めることができる。この例では、駆動機構16aは、駆動歯車16gと、ハンドル16hと、チェーン16jと、従動歯車16kと、を含む。
落下防止機構16eは、第2台車16から人や機材の落下を防止するための機構である。この例では、落下防止機構16eは、床部16cの端部から上方に延びて空間を仕切る柵である。この柵は、第2台車16を囲む4面それぞれに設けられてもよい。この例では、柵は、第2台車16の正面側と背面側においてX-Z平面に平行に設けられており、側面側には設けられていない。この場合、作業員8は、側面側から第2台車16に容易に乗降することができ、側面側から腕を伸ばして容易に作業することができる。なお、第2台車16の側面(Y-Z平面に平行な面)側にも柵が設けられていてもよい。側面側の柵の高さは正面側や背面側の柵よりも低い高さであることが好ましい。この場合、作業容易性や乗降容易性を損なわないようにすることが可能である。また、側面側の柵の少なくとも一方は開閉可能に取り付けられていることが好ましい。この場合、側面側に柵を設けていても作業員8の乗降を容易にすることができる。更に、落下防止機構16eとして一端が柵に結び付けられている安全帯を備えていてもよい。この安全帯を作業員8の体に巻き付けることにより、より安全性を高めることができる。
第2台車16が、乗降のとき、作業のときあるいは第3台車18に搭載されているときに移動すると、安全性が損なわれる可能性がある。そこで、第1実施形態の第2台車16は、第2台車16の移動を規制するためのブレーキ機構16mを有する。この場合、ブレーキ機構16mがONであるときには、第2台車16の移動が規制されるので、作業員8は安全に乗降や作業を行うことができる。この例では、ブレーキ機構16mは、第2台車16の内側から容易に操作可能な態様で設けられている。
何らかの原因により、意図せずブレーキ機構16mがOFF状態になると、第2台車16が移動して、安全性が損なわれる可能性がある。そこで、第1実施形態の第2台車16は、ブレーキ機構16mのON/OFFを制御するブレーキ制御機構16nを有する。この場合、ブレーキ制御機構16nがONであるときには、ブレーキ機構16mがOFF状態であっても、第2台車16の移動を規制するので、安全性が一層向上する。この例では、ブレーキ制御機構16nは、第2台車16の外側から操作可能な態様で設けられている。
(i)ブレーキ制御機構16nがONである場合、ブレーキ機構のON/OFFにかかわらず、第2台車16の移動を規制する。
(ii)ブレーキ制御機構16nがOFFであり、ブレーキ機構16mがONである場合、第2台車16の移動を規制する。
(iii)ブレーキ制御機構16nがOFFであり、ブレーキ機構16mがOFFとなっている場合、第2台車16の移動を規制しない。
このように構成することにより、仮にブレーキ機構16mとブレーキ制御機構16nの一方を誤って操作した場合でも、第2台車16の移動が規制され安全に作業することができる。
次に、図8~図10を参照して第3台車18について説明する。図8は、第3台車18の一例を概略的に示す平面図である。図9は、第3台車18の側面図であり、第1台車14を搭載した状態を示している。図10は、第3台車18の別の側面図であり、第2台車16を搭載した状態を示している。第3台車18は、第2レール44をY軸方向に走行する。第3台車18は、空荷の状態または荷12を搭載した状態の第1台車14を搬送する。第3台車18は、第2台車16を搬送する。
図1も参照して、給電部34を説明する。給電部34は、第3台車18に電力の給電を行うための部材である。第3台車18は、給電部34から常時給電が行われるように構成されてもよい。このため、給電部34は、第3台車18に対して常時給電可能に構成される。前述したように、給電部34は、第2レール44の近傍をY軸方向に沿って延在する。給電部34は、集電ユニット38を通じて第3台車18へ給電する接触電線として機能する。
図8~図10に戻る。第3台車18は、第1台車14または第2台車16(以下、「搭載台車」という)を搭載するための凹型形状の凹部18cを有する。凹部18cは、搭載台車を載せるために、車体18bの上面から下向に窪んで形成されている。凹部18cの大きさは、搭載台車が凹部18cの周囲と干渉することなくX軸方向に走行できるように、搭載台車の大きさに十分な量のマージンを加えた大きさとされる。搭載台車は凹部18c上を走行する。凹部18cの内側には、下部平面上に延在する底部18hと、底部18hのY軸方向の両側から上向きに延在する一対の側壁部18jと、を有する。底部18hは、搭載台車がX軸方向に走行する走行路の一部である。一対の側壁部18jは、搭載台車の車体の側壁と狭い隙間を介してY軸方向に対向する。
図1に戻り、制御部48について説明する。制御部48は、第2台車16を対象保管部に移動可能にする制御する移動制御モードと、第2台車16を使用しない通常制御モードとを有し、ユーザからの操作結果に基づきこれらのモードを切り替える。通常制御モードでは、制御部48は、ユーザからの操作結果に基づき、第1台車14および第3台車18の動作を制御する。移動制御モードでは、制御部48は、ユーザからの操作結果に基づき、第1台車14、第2台車16および第3台車18の動作を制御する。制御部48は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)などを含んで構成することができる。以上が、自動倉庫システム100の全体構成の説明である。
次に、図1を参照して、このように構成された自動倉庫システム100の搬入・搬出動作を説明する。自動倉庫システム100は、フォークリフト50によって倉庫外部からの荷12を入庫部30に搬入する。自動倉庫システム100は、入庫部30に搬入された荷12を、第1台車14および第3台車18を含む内部搬送機構によって所定の保管部26に搬送して保管する。自動倉庫システム100は、所定の保管部26で保管していた荷12を、内部搬送機構によって出庫部32に搬送する。自動倉庫システム100は、出庫部32に搬送された荷12を、フォークリフト50によって倉庫外部に搬出する。
次に、図1および図11を参照して、第2台車16の使用方法の一例を説明する。第2台車16を使用する際は、ユーザの操作により制御部48を通常制御モードから移動制御モード荷切り替える。図1の例では、第2台車16は、パレット16pに搭載された状態で、保管棚20外の所定の待機場所16uに保管されている。第2台車16を使用するとき、フォークリフト50によって、第2台車16をパレット16pごと待機場所16uから昇降機構36に搬送し、昇降機構36に移載する。この状態で、第2台車16を昇降機構36によって、目的の保管ステージ22の第3台車18が待機する第2レール44の脇に上昇させる。このとき、パレット16pごと、第2台車16を目的の保管ステージ22の第3台車18の高さまで持上げる。この際、第2台車16は、通常の荷12を搭載した第1台車14を持上げる高さより、パレット16pの高さ分だけ低い位置に持上げられる。つまり、この状態では、第2台車16の車輪16fの下端位置が第3台車18の凹部18cの高さになり、第2台車16のブレーキを解除することにより、第2台車16をパレット16pから凹部18cに容易に移載することができる。この状態では、空のパレット16pが昇降機構36上に残っている。
以上が、第2台車16の使用方法の説明である。この使用方法はあくまでも一例であり、他の手順を追加したり、一部の手順を変更または削除したり、手順の順序を入れ替えてもよい。
(設定例1)対象保管部20pが属する保管行24の保管部26のうち、対象保管部20pと、対象保管部20pより奥側の保管部20qとを所定範囲の保管部と設定してもよい。この場合、対象保管部20pと、対象保管部20pより奥側(出入口部24bとは反対側)の保管部20qとに対する荷12の出し入れ(搬入・搬出動作)が禁止され、対象保管部20pより出入口部24bに近い側の保管部20sに対しては荷12の搬入・搬出動作は許容される。なお、対象保管部20pが属する保管行24以外の保管部に対しては荷12の搬入・搬出動作が行われる。
図12、図13を参照して第2実施形態に係る自動倉庫システム200の構成について説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対して第3台車の構成が異なる点で相違し、他の構成は同様であり、相違点を重点的に説明する。第2実施形態では、第3台車として、スタッカークレーン66とスタッカークレーン66に備えられた昇降機構64とを例示している。
以下、変形例について説明する。変形例の図面および説明では、実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
Claims (1)
- それぞれ荷を保管可能な、第1方向に並置された複数の保管部をそれぞれ有する複数の保管行と、
荷を搭載して前記保管行を前記第1方向に移動可能な第1台車と、
前記保管行を前記第1方向に移動可能であり、前記第1台車と異なる構成を有し、人を載せるための第2台車と、
前記第1台車の移動を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第2台車が目的の対象保管部へ移動する際に、前記複数の保管行のうち前記対象保管部を含む所定範囲内における荷の搬入及び搬出を禁止するとともに、前記複数の保管行のうち前記所定範囲を除く他の保管部における荷の搬入及び搬出を許容するように制御し、
前記第2台車を搭載して前記第1方向と交差する第2方向に搬送する第3台車を備え、
前記複数の保管行の少なくとも一部が上下方向に層状に重ねられた複数段の保管ステージを含む保管棚を備え、
前記第2台車を使用するときは、前記保管棚外に保管した前記第2台車を前記第3台車に搭載して前記対象保管部が属する保管行へ搬送することを特徴とする自動倉庫システム。
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